(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記カバー部の前記内面と前記鍔状部との間に形成される前記流路のうち、前記カバー部の中心軸を中心とする前記所定直径の位置での流路断面高さは、径方向の内側から外側に向かうにつれて徐々に小さくなるように構成されている、
請求項1から3のいずれか1項に記載の吹出ユニット。
【発明を実施するための形態】
【0024】
実施の形態について、以下、図面を参照しながら説明する。同一の部品および相当部品には同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
【0025】
[実施の形態1]
(布団乾燥機100)
図1〜
図12を参照して、実施の形態1における布団乾燥機100および吹出ユニット30について説明する。
図1および
図2に示すように、布団乾燥機100は、温風を生成する本体ユニット10と、本体ユニット10に接続されたホース20(
図2)と、ホース20の先端に設けられた吹出ユニット30とを備える。
【0026】
(本体ユニット10およびホース20)
本体ユニット10は、略直方体の形状を有する。本体ユニット10の上部には、設置部11が設けられる。設置部11の正面側(手前側)には、操作部12が設けられる。本体ユニット10の上部には、開口部17(
図2)が設けられる。ホース20は、可撓性を有し、伸縮可能である。ホース20は、開口部17を通して本体ユニット10の中に出し入れされる。本体ユニット10の背面側には、図示しない電源コードも設けられる。
【0027】
本実施の形態のホース20は、開口部17からの引出し長が可変に構成されている。本実施の形態のホース20は、樹脂成形品によって曲げ形状を保持可能な蛇腹状に形成されており、伸縮によって開口部17からの引出し長が変更される。ホース20の外径は、使用者が容易に把持して引き出し可能なように、たとえば60mm〜70mm程度に設定される。
【0028】
設置部11の左右には、それぞれ、遮蔽部13,14が設けられる。遮蔽部13,14は、設置部11を挟んで互いに反対側に位置し、相互に対向している。設置部11の背面側には、遮蔽部15(
図2)が設けられる。遮蔽部15の下端は、遮蔽部15が矢印AR15(
図2)に示す方向に回動可能なように軸支されている。ホース20を背面側に引き出す際に、遮蔽部15は必要に応じて下端側の部分を中心として背面側に傾けられる。
【0029】
設置部11は、開口部17の上方であって且つ遮蔽部13〜15の内側の位置に形成される。設置部11には、吹出ユニット30を着脱自在に設置できる。遮蔽部13〜15は、設置部11に設置された吹出ユニット30の周囲の一部を取り囲む。本実施の形態においては、遮蔽部13〜15は、設置部11に設置された吹出ユニット30の周囲の約270°の範囲を取り囲む。吹出ユニット30が設置部11に設置された状態であっても、吹出ユニット30は本体ユニット10から供給された温風を吹き出すことができる。
【0030】
図2に示すように、本体ユニット10の背面には、吸込口16が設けられる。本体ユニット10は、送風機およびヒーターを内蔵している。本体ユニット10は、吸込口16を通して内部に空気を取り込み、空気を加熱する。加熱された空気は、ホース20を通して温風(気流)として吹出ユニット30に送られる。温風に消臭や殺菌、除菌効果を有するイオンを付加するような機能が本体ユニット10やホース20に備えられていてもよい。
【0031】
(吹出ユニット30)
図3は、吹出ユニット30を示す側面図である。
図4は、吹出ユニット30において、後述するカバー部50が図示されていない状態を示す斜視図である。
図5および
図6は、それぞれ、吹出ユニット30を示す断面図および断面斜視図である。
図7は、
図4におけるVII−VII線に沿った矢視断面斜視図である。
【0032】
吹出ユニット30は、ホース20(
図2)の先端に着脱可能に設けられ、ホース20を通流した温風を吹き出すことができる。本実施の形態の吹出ユニット30は、筒状柄部40、カバー部50(
図3,
図5,
図6)、鍔状部60、中央ガイド板54(
図4〜
図7)、上方ガイド板56,57(
図4)、および、複数の仕切壁80〜84(
図4)を備える。
【0033】
(筒状柄部40およびカバー部50)
筒状柄部40は、筒状(ここでは円筒状)の形状を有し、ホース20の先端に、嵌合構造および係止構造などによって接続される。たとえば、筒状柄部40は、ホース20の先端に外嵌され、径方向に傾倒可能な係止爪39(
図2)を利用してホース20の先端に取り付けられる。筒状柄部40は、ホース20に対して周方向に回転可能に接続されてもよい。
【0034】
図3,
図5,
図6に示すように、カバー部50は、後述する仕切壁80〜84および鍔状部60を介して筒状柄部40の先端42(
図4〜
図7)に接続される。カバー部50は、筒状柄部40の先端開口(先端42の内側に形成された開口部分)から離れた位置でこの先端開口を覆うように設けられ、筒状柄部40とともに全体として略傘状の形状を呈している。
【0035】
カバー部50は、中心軸50Cを中心とする円形状の外縁を有している。中心軸50Cの方向において筒状柄部40の先端42からの距離を高さと定義すると、カバー部50は、外周側の部分から中央側の部分に向かうにつれて、高さが徐々に高くなるように中央側の部分が凸状に膨出した湾曲板の形状を有する。
【0036】
カバー部50の内面50Sの側(カバー部50のうちの鍔状部60が位置している側の表面)の中央には、凸部58が形成されている。凸部58は、筒状柄部40が位置している側に向かって円錐台状に膨出する形状を有している。筒状柄部40およびカバー部50を全体としてみた場合、カバー部50は、傘形状の生地部分(傘を開いたときに雨よけとなる部分)の形状を呈し、筒状柄部40は、傘形状の柄の部分の形状を呈している。
【0037】
図5に示すように、筒状柄部40は、カバー部50の中心軸50Cの方向に対して交差する方向に延在している。後述の説明上の便宜のため、筒状柄部40がその先端42に向かって延在している方向の先端側(
図5紙面右側)を「前側」と定義する。筒状柄部40がその先端42を起点として先端42から遠ざかる方向に延在している方向の先端側(筒状柄部40のうちのホース20に接続される部分の側)(
図5紙面左側)を「後側」と定義する。
【0038】
(鍔状部60および仕切壁80〜84)
鍔状部60は、筒状柄部40の周囲を取り囲むように周方向に延在し、カバー部50に間隔を空けて対向するように配置される。鍔状部60は、カバー部50と鍔状部60との間に温風の流路を形成する。本実施の形態では、カバー部50と鍔状部60との間に、仕切壁80〜84にて互いに分割された複数の流路が形成される。
【0039】
具体的には、鍔状部60は、筒状柄部40の先端42から径方向の外側に向かって延出しており、円形状の外縁を有している。鍔状部60の外縁は、カバー部50の外縁と同軸であり、中心軸50Cを中心とする円形状を有している。本実施の形態では、鍔状部60の外径は、カバー部50の外径よりも小さい(
図5)。
【0040】
図4に示すように、鍔状部60の上面(鍔状部60のうちのカバー部50に近い側の表面)上には、凸面部61〜68が形成されている。凸面部61〜68は、鍔状部60の中心軸(中心軸50C)を中心として、周方向に略同一の間隔を空けて並んでいる。
【0041】
仕切壁80〜84は、鍔状部60の上面(鍔状部60のうちのカバー部50に近い側の表面)上において起立するように設けられる。仕切壁80〜84はいずれも、板状の形状を有し、鍔状部60の中心軸(カバー部50の中心軸50C)に対して平行な方向(
図5紙面内の上下方向)に沿って延在するとともに、鍔状部60とカバー部50との間を接続している。
【0042】
図4に示すように、仕切壁81〜84は、筒状柄部40の先端42の位置を中心として、径方向の内側から外側に向かって略放射状に延びるように配置されている。仕切壁81〜84は、内側端部から外側端部に向かうにつれて円弧状に湾曲するように形成されている。仕切壁81〜84は、d仕切壁81〜84の湾曲形状の曲率中心は、筒状柄部40の先端42よりも上記前側(
図4〜
図6紙面右側)に位置している(
図4参照)。
【0043】
仕切壁81,84は、鍔状部60の径方向において、筒状柄部40の先端42を挟んで互いに反対側に位置する。仕切壁81は凸面部61,62の間に位置し、仕切壁84は凸面部65,66の間に位置する。仕切壁82は仕切壁81の前側であって、凸面部62,63の間に位置する。仕切壁83は仕切壁84の前側であって、凸面部64,65の間に位置する。凸面部61〜68のうちの最も前側に位置する2つの凸面部63,64の間には、仕切壁は設けられていない。凸面部63,64は、仕切壁を介さずに互いに隣り合っている。
【0044】
図4に示すように、凸面部67,68は、仕切壁80の後側に位置し、凸面部67,68の間には仕切壁は設けられていない。凸面部67,68は、仕切壁を介さずに互いに隣り合っている。仕切壁80は、仕切部80a,80bと、これらの間を接続するように延在する接続部80cとを含む。仕切壁80の接続部80cは、筒状柄部40の先端42の後側において起立するように設けられている(
図5)。
【0045】
仕切壁80の仕切部80aは、凸面部61,68の間に位置する。仕切部80aは、仕切壁81,82と同様に、径方向の内側から外側に向かって延びるように配置され、内側から外側に向かうにつれて円弧状に湾曲するように形成されている。仕切部80aも、仕切壁81,82と同様に、内側と外側との間の部分が上記後側に向かって後退するように湾曲している。
【0046】
仕切壁80の仕切部80bは、凸面部66,67の間に位置する。仕切部80bは、仕切壁83,84と同様に、径方向の内側から外側に向かって延びるように配置され、内側から外側に向かうにつれて円弧状に湾曲するように形成されている。仕切部80bも、仕切壁83,84と同様に、内側と外側との間の部分が上記後側に向かって後退するように湾曲している。
【0047】
(中央ガイド板54および上方ガイド板56,57)
図4〜
図7に示すように、中央ガイド板54は、筒状柄部40の内側に設けられる。中央ガイド板54のうち、筒状柄部40の先端42よりも上流側(
図5紙面内の下側)に配置されている部分は、略平板状の形状を有し、筒状柄部40の軸方向に対して略平行な方向に延びている。中央ガイド板54のうち、筒状柄部40の先端42よりも下流側(
図5紙面内の上側)に配置されている部分は、湾曲板の形状を有し、カバー部50に形成された凸部58の頂部に接近するように延びている。
【0048】
中央ガイド板54は、筒状柄部40の先端42の内側に形成された先端開口(筒状柄部40によって形成される流路のうち、先端42の付近に位置する部分)を、前側の部分と後側の部分とに分割するように配置される。中央ガイド板54の上端には、分岐部55(
図5〜
図7)が形成されている。分岐部55は、中央ガイド板54のうちの前側に位置する上端部分を起点として前側から後側に向かって延在する形状を有しており、分岐部55の延在方向の先端(後端)は、仕切壁80の接続部80cに接続されている。
【0049】
上方ガイド板56,57(
図4)は、中央ガイド板54の上方に配置され、全体として略V字形状を呈するように配置されている。上方ガイド板56,57は、分岐部55を下端として上方に向かって延在しており、上方に向かうにつれて互いに遠ざかりながら各々が円弧を描くように配置されている。上方ガイド板56(
図7)は、分岐部55を起点として凸面部61の側に向かって円弧状に延びており、上方ガイド板57(
図4)は、分岐部55を起点として凸面部66の側に向かって円弧状に延びている。
【0050】
(使用状態)
図8は、布団乾燥機100の使用状態を示す斜視図である。布団乾燥機100の使用時には、吹出ユニット30が設置部11から取り外される。吹出ユニット30はホース20とともに本体ユニット10から引き出され、敷布団90と掛布団92との間に挿入される。
【0051】
図9を参照して、上述のとおり、吹出ユニット30のカバー部50は、筒状柄部40とともに全体として略傘状の形状を呈している。敷布団90と掛布団92との間にカバー部50および筒状柄部40が挿入された状態では、掛布団92のうちのカバー部50に接触している部分は、カバー部50の外面の形状に倣うように湾曲変形している。
【0052】
ホース20は敷布団90上に載置されており、ホース20の先端に設けられた筒状柄部40は、支えとしてカバー部50を下方から支持する。筒状柄部40およびカバー部50によって掛布団92は支持されることとなる。筒状柄部40およびカバー部50により、掛布団92は、山岳用のテントのような形を呈して支持される。敷布団90と掛布団92との間であってカバー部50の周囲の位置には、十分な広さを有する空間Sが形成されることとなる。
【0053】
この状態で操作部12(
図8)が操作されることによって、本体ユニット10は温風を生成し、温風はホース20を通して吹出ユニット30に供給される。温風は筒状柄部40の先端開口(先端42の内側の開口)から吹き出され、カバー部50の内面50S(
図5,
図6)に接触して径方向の外側に向かうように転向される。温風は、カバー部50の内面50Sと鍔状部60の上面との間に形成された流路を通過した後、カバー部50の外縁と鍔状部60の外縁との間の開口部分を通過し、最終的には空間Sに向けて吹出ユニット30から吹き出されることとなる。
【0054】
図10〜
図12を参照して、以下、上記のような温風の経路について、より詳細に説明する。
図10は、吹出ユニット30の内部を温風が流れている様子を示しており、
図7に対応する断面斜視図である。ホース20(
図8,
図9)から筒状柄部40の中に進入した温風は、中央ガイド板54の後側の流路を流れる温風(矢印AR1)と、中央ガイド板54の前側の流路を流れる温風(矢印AR2,AR3)とに分かれる。
【0055】
図11および
図12に示すように、中央ガイド板54の後側の流路を流れた温風は、分岐部55(
図11)を分岐点として、上方ガイド板56の側に流れる温風(
図12中の矢印AR1)と、上方ガイド板57(
図12)の側に流れる温風(
図12中の矢印AR6)とにさらに分かれる。
【0056】
上方ガイド板56の側に流れた温風(
図12中の矢印AR1)は、カバー部50の内面50S(
図11)に接触して転向される。この温風は、凸面部61と、仕切壁81と、仕切部80aと、カバー部50の内面50Sとによって区画された流路を通過した後、空間S(
図9)に向けて吹出ユニット30から吹き出される。
【0057】
上方ガイド板57の側に流れた温風(
図12中の矢印AR6)も、カバー部50の内面50S(
図11)に接触して転向される。この温風は、凸面部66と、仕切壁84と、仕切部80bと、カバー部50の内面50Sとによって区画された流路を通過した後、空間S(
図9)に向けて吹出ユニット30から吹き出される。
【0058】
一方で(
図12参照)、中央ガイド板54の前側の流路を流れた温風は、カバー部50の内面50S(
図11)に接触して転向された後、仕切壁81,82の間の流路(矢印AR2)、仕切壁82,83の間の流路(矢印AR3,AR4,AR10)、仕切壁83,84の間の流路(矢印AR5)を通過した後、空間S(
図9)に向けて吹出ユニット30から吹き出されることとなる。
【0059】
本実施の形態では、凸面部63,64の間には仕切壁が設けられていない。仕切壁81,82の間の流路、および、仕切壁83,84の間の流路に比べて、仕切壁82,83の間の流路は広い。仕切壁82,83は、いずれも内側と外側との間の部分が上記後側に向かって後退するように前向きに湾曲しており、仕切壁82,83の間の流路を通して、より多くの温風が前面側に吹き出されることとなる。
【0060】
(作用および効果)
図9を参照して、以上述べたとおり、本実施の形態においては、ホース20の先端に設けられた筒状柄部40が、カバー部50とともに全体として略傘状の形状を呈している。筒状柄部40は、支えとしてカバー部50を下方から支持するため、筒状柄部40およびカバー部50によって掛布団92は支持され、敷布団90と掛布団92との間であってカバー部50の周囲の位置に十分な広さを有する空間Sを形成することができる。この状態で、吹出ユニット30を通してこの空間Sに向けて温風が吹き出され、温風は敷布団90および掛布団92の隅々にまで行き渡ることができ、結果として、従来に比して短時間で十分な乾燥効果を得ることができる。
【0061】
実施の形態1によれば、布団乾燥のために本来的に要求される以上の大きさや送風能力を有するように布団乾燥機100を構成する必要がないため、装置全体の小型化を図ることも可能となる。また、高性能の送風装置やヒーターなどを本体ユニット10に内蔵する必要もないため、製品コストを安くしたり、騒音を小さくしたり、電気代を安く抑えたりすることも可能となる。
【0062】
好適な実施の形態として、凸面部61〜68(鍔状部60のうちの複数の流路の各々を形成している部分)は、カバー部50が位置している側(流路の内部側)に向かって凸状に膨出する曲面形状を有していてもよい(
図5参照)。また、カバー部50の内面50Sのうちの複数の流路の各々を形成している部分は、流路の内部側から凹状に後退する曲面形状を有していてもよい(
図5参照)。各流路を通過する温風には、凸面部61〜68の曲面形状によって揚力が発生し、その反力として
図12中の白抜き矢印に示すような反力が生じ、それ(揚力による差圧)によって温風の到達距離をより長くすることができる。また、各流路を通過する温風は、カバー部50の内面50Sの曲面形状によって、温風はなめらかにその風向を変更されることができ、結果として、内面50Sとの摩擦による温風の到達距離の減少を抑制することが可能となる。
【0063】
好適な実施の形態として、凸面部61〜68(鍔状部60のうちの複数の流路の各々を形成している部分)は、流路毎に別々の紡錘形状または紡錘形の一部を成していてもよい。当該構成によると、複数の流路の各々の中に縦渦(
図19参照)を生じさせることができ、結果として温風の到達距離をさらに延長することが可能となる。
【0064】
[実施の形態1の第1変形例]
図13は、実施の形態1の第1変形例における吹出ユニット30の内部を温風が流れている様子を示す側面図である。好適な実施の形態として、カバー部50の内面50Sは、筒状柄部40の先端開口(先端42の内側開口)から吹き出されて内面50Sに接触して転向される温風が、45°以上の角度θ1,θ2で径方向の外側に向けて転向されるように形成されているとよい。当該構成によると、敷布団と掛布団との間に形成された空間を用いてより広範囲に温風を送出することができ、敷布団および掛布団を広範囲にわたってより効率よく乾燥することが可能となる。
【0065】
図13には、温風が吹出ユニット30の全周(後側を含む範囲)から吹き出される様子が図示されているが、上述の実施の形態1の場合と同様に、温風は吹出ユニット30の周囲の一部からのみ(たとえば270°の範囲から)吹き出されるように構成されてもよい。いずれの場合であっても、筒状柄部40の内部を流通する温風の風向(筒状柄部40の中心軸40Cに相当)と、鍔状部60の縁部から送出される温風の風向との成す角度が、周方向におけるあらゆる箇所で45°以上であるとよい。
図13に示す例においては、角度θ1は60°であり、角度θ2は150°である。
【0066】
[実施の形態1の第2変形例]
図14は、実施の形態1の第2変形例における吹出ユニット30の内部を温風が流れている様子を示す断面図である。好適な実施の形態として、カバー部50と鍔状部60との間に形成される流路のうち、カバー部50の中心軸50Cを中心とする所定直径の位置における部分の流路断面積の総和は、径方向の内側から外側に向かうにつれて徐々に大きくなるように構成されていてもよい。
【0067】
図14に示す例においては、筒状柄部40の内側に形成された流路の直径D40は64mmである。カバー部50の内面50Sと鍔状部60との間の流路を通過する温風の流線STを位置の基準としてみた場合には、中心軸50Cを中心とする直径50mmの位置P50での流路断面高さD50(流線STの流れ方向に直交する流路断面の高さ)は34mmである。中心軸50Cを中心とする直径100mmの位置P100での流路断面高さD100は21mmである。中心軸50Cを中心とする直径150mmの位置P150での流路断面高さD150は16mmである。中心軸50Cを中心とする直径175mmの位置P175での流路断面高さD175は15mmである。中心軸50Cを中心とする直径200mmの位置P200での流路断面高さD200は14mmである。すなわち、カバー部50の内面50Sと鍔状部60との間に形成される流路のうち、カバー部50の中心軸50Cを中心とする所定直径の位置での流路断面高さは、径方向の内側から外側に向かうにつれて徐々に小さくなるように構成されている。当該構成によれば、筒状柄部40の先端42の内側開口から吹き出される温風の運動エネルギーを、温風を送り出す静圧に高い効率で変換することが可能となり、温風の到達距離をより長くすることが可能となる。
【0068】
図14に示す吹出ユニット30においては、
図12に示す場合と同様に、後側90°の範囲は仕切壁80によって流路が塞がれており、前側270°の範囲に流路が形成されている。上記の場合、カバー部50と鍔状部60との間に形成される流路のうち、中心軸50Cを中心とする所定直径の位置における部分の流路断面積の総和は、筒状柄部40の内側に形成されている流路(直径64mmの位置)においては約3220mm
2であり、中心軸50Cを中心とする直径50mmの位置P50においては約4055mm
2であり、中心軸50Cを中心とする直径100mmの位置P100では約4860mm
2であり、中心軸50Cを中心とする直径150mmの位置P150では約5650mm
2であり、中心軸50Cを中心とする直径175mmの位置P175では約6040mm
2であり、中心軸50Cを中心とする直径200mmの位置P200では約6440mm
2である。したがって、筒状柄部40の内側に形成された直径D40の流路断面積(3220mm
2)は、径方向の内側から外側に向かうにつれて徐々に大きくなり、中心軸50Cを中心とする直径200mmの位置P200(流路断面高さD200)での周方向に延びる開口部分(当該開口部分の流路断面積の総和)において2倍(6440mm
2)となる。当該構成によれば、筒状柄部40の先端42の内側開口から吹き出される温風の運動エネルギーを、温風を送り出す静圧に高い効率で変換することが可能となり、温風の到達距離をより長くすることが可能となる。
【0069】
また、上記の構成において、中心軸50Cを中心とする所定直径が大きくなるにつれて流路断面積の総和が大きくなる変化の割合を変化率とすると、当該変化率は0より大きく、かつ略一定の値であるとよい。流路断面積の総和をY(mm
2)とし、中心軸50Cを中心とする所定直径をX(mm)とした場合、上記に示す具体例においては、おおむね、Y=16.2X+3220の線形近似式が成立する。変化率が略一定である場合には、変化率が完全に一定である場合も含まれる。変化率が略一定であるとは、たとえば直径が50mm増加するごとの流路断面積の変化率が、上記のような線形近似によって与えられる変化率の基準(ここでは16.2)に対して±10%以下のことであると定義することができる。変化率が略一定という構成によれば、筒状柄部40の先端42の内側開口から吹き出される温風の運動エネルギーを、温風を送り出す静圧にさらに高い効率で変換することが可能となり、温風の到達距離をより長くすることが可能となる。
【0070】
上記の場合には、中心軸50Cを中心とする所定直径が大きくなるにつれて流路断面積の総和が大きくなる変化の割合を変化率と定義しているが、変化率は、次のように定義してもよい。すなわち、カバー部50と鍔状部60との間に形成される流路内に流線STを描き、流線STのうちの先端42に対応する位置を起点とし、当該起点から流線ST上の任意の位置までの流線のカーブ長さを所定距離として規定したとすると、この所定距離が長くなるにつれて流路断面積の総和が大きくなる変化の割合を、変化率と定義してもよい。
【0071】
たとえば、中心軸50Cを中心とする直径50mmの位置P50においては、カーブ長さが約26.9mmであり、位置P50における流路断面積の総和は、約4055mm
2である。中心軸50Cを中心とする直径100mmの位置P100においては、カーブ長さが約52.6mmであり、位置P100における流路断面積の総和は約4860mm
2である。中心軸50Cを中心とする直径150mmの位置P150においては、カーブ長さが約78.0mmであり、位置P150における流路断面積の総和は約5650mm
2である。中心軸50Cを中心とする直径175mmの位置P175においては、カーブ長さが約90.6mmであり、位置P175における流路断面積の総和は約6040mm
2である。中心軸50Cを中心とする直径200mmの位置P200においては、カーブ長さが約103.1mmであり、位置P200の流路断面積の総和は約6440mm
2である。上記の起点から流線ST上の任意の位置までの流線のカーブ長さ(所定距離)が長くなるにつれて流路断面積の総和が大きくなる変化の割合を変化率と定義した場合には、上記の場合には、当該変化率は31.2で略完全に一定の値を取るように構成される。当該構成によっても、筒状柄部40の先端42の内側開口から吹き出される温風の運動エネルギーを、温風を送り出す静圧にさらに高い効率で変換することが可能となり、温風の到達距離をより長くすることが可能となる。
【0072】
上記の構成においては、凸面部61〜68(鍔状部60のうちの複数の流路の各々を形成している部分)は、カバー部50が位置している側(流路の内部側)に向かって凸状に膨出する曲面形状を有している。このような構成や、上記のような紡錘形状の場合に限られず、鍔状部60のうちの複数の流路の各々を形成している部分(凸面部61〜68に相当する部分)は、凹凸の無い平坦な平面状に形成されていてもよい。上記の所定直径、上記の所定距離、および、上記の流路断面積の総和などが上記のような関係性を有していれば、たとえば径方向の外側に向かうにつれて流路断面積が大きくなりながらも、流路断面高さが徐々に低くなるように構成されることで、筒状柄部40の先端42の内側開口から吹き出される温風の運動エネルギーを、温風を送り出す静圧にさらに高い効率で変換することが可能となり、温風の到達距離をより長くすることが可能となる。
【0073】
(他の使用態様)
図15は、実施の形態1における布団乾燥機100の他の使用態様を示す斜視図である。吹出ユニット30が設置部11に設置された状態であっても、吹出ユニット30は本体ユニット10からホース20を通して供給された温風を吹き出すことができる。布団乾燥機100は、たとえば、ユーザーの手指や、室内空間を温める暖房機としても利用することができる。布団乾燥機100がイオン等を発生可能である場合には、布団乾燥機100は空気清浄機の機能も兼ね備えることができる。
【0074】
(さらに他の使用態様)
図16は、実施の形態1における布団乾燥機100のさらに他の使用態様を示す斜視図である。布団乾燥機100は、たとえば、衣服を乾燥させる衣類乾燥機としても利用することができる。布団乾燥機100がイオン等を発生可能である場合には、布団乾燥機100は、衣服に対する除菌、殺菌、消臭の機能も兼ね備えることができる。衣服に限られず、タンスなどの家具に対する除菌、殺菌、消臭を実現してもよい。
【0075】
一般的な布団乾燥機は、布団を乾燥させる以外に使い道がほとんどなく、特に冬場は夏場に比べて布団を乾燥させる機会も少ない。布団乾燥機の冬場の稼働率は低く、冬場には布団乾燥機が全く使用されない場合もある。上述の実施の形態で述べた布団乾燥機100は、布団乾燥機として用いた場合に高い布団乾燥能力が得られるだけでなく、暖房機として用いた場合には高い暖房能力(特に温風の長い到達距離)を得ることができ、衣類乾燥機として用いた場合には高い衣類乾燥能力(特に温風の長い到達距離)を得ることが可能である。すなわち上記のような布団乾燥機100によれば、高い商品価値を発揮することができる。
【0076】
図15および
図16に示されるように、本体ユニット10は、設置部11に設置された吹出ユニット30の周囲の一部を取り囲む遮蔽部13〜15を有している。
図15,
図16においては、回動不能に構成された遮蔽部15を図示している。遮蔽部15が回動可能であるという構成は、必要に応じて採用されるとよい。
【0077】
図17および
図18は、それぞれ、布団乾燥機100の吹出ユニット30が本体ユニット10の設置部11(
図15,
図16)に設置された状態で温風を吹き出している様子を示す断面図および断面斜視図である。吹出ユニット30から本体ユニット10の左右方向および後方に向けて吹き出された温風は、遮蔽部13〜15に接触して転向され、本体ユニット10の正面側(前側)に吹き出される。なお上述のとおり、本実施の形態では仕切壁80の遮蔽効果により、温風は吹出ユニット30の周囲の一部からのみ(たとえば270°の範囲から)吹き出される。吹出ユニット30の設置部11の上での設置角度にもよるが、吹出ユニット30から本体ユニット10の後側に向けて吹き出される温風の量は、少ないか、あるいはまったく無いこともあり得る。
【0078】
図12を参照しながら述べたように、カバー部50と鍔状部60との間に、仕切壁80〜84が設けられている。仕切壁80〜84は、カバー部50と鍔状部60との間に複数の流路を形成するとともに、温風の吹出方向を規定する。すなわち、筒状柄部40の先端42の内側開口から吹き出された温風が仕切壁80の後側に向かって流れることは、仕切壁80の存在によって遮られる。筒状柄部40の先端42の内側開口から吹き出された温風は、仕切壁80の前側に形成されている流路へとより多く流れる。
【0079】
上記の各構成によれば、布団乾燥機100を、ユーザーの手指や室内空間を温める暖房機として利用する際に、本体ユニット10の正面側(前側)により多くの温風を吹き出すことが可能となり、暖房機としての高い利便性を発揮することが可能となる。また、布団乾燥機100を衣類乾燥機として利用する際にも、本体ユニット10の正面側(前側)により多くの温風を吹き出すことが可能となり、衣類乾燥機としての高い利便性を発揮することが可能となる。
【0080】
[実施の形態2]
図19は、実施の形態2の吹出ユニット30Aにおいて、カバー部50が図示されていない状態を示す斜視図であり、実施の形態1における
図12に対応している。
図20は、実施の形態2における吹出ユニット30Aの内部を温風が流れている様子を示す側面図である。実施の形態1における吹出ユニット30と実施の形態2における吹出ユニット30Aとは、以下の点において相違している。
【0081】
説明の便宜上、
図19にはカバー部50を図示していないが、実施の形態2における吹出ユニット30Aは、実施の形態1の場合と同じ構成を有するカバー部50(
図20)を備える。筒状柄部40は、全体として略L字状に(約90°の角度で)湾曲する形状を有しており、筒状柄部40の先端42(
図19)の内側開口の中心軸40Cは、カバー部50の中心軸50Cに一致するように延在している。
【0082】
上述の実施の形態1における吹出ユニット30(
図12)においては、温風は吹出ユニット30の周囲の一部からのみ(たとえば270°の範囲から)吹き出される。一方、本実施の形態2における吹出ユニット30Aにおいては、
図19に示すように、温風が吹出ユニット30の全周(後側を含む範囲)から吹き出される。
【0083】
吹出ユニット30Aにおいては、略同一の形状を有する凸面部61および仕切壁81が筒状柄部40の先端42の周囲を取り囲むように周方向に等間隔で並んで形成されている。中央ガイド板54は、筒状柄部40の先端42の内側に形成された先端開口(筒状柄部40によって形成される流路のうち、先端42の付近に位置する部分)を、前側の部分と後側の部分とに分割するように配置される。
【0084】
吹出ユニット30Aでは、上方ガイド板56,57(
図12)は採用されていない。中央ガイド板54の前側の流路を流れた温風は、図示しないカバー部50の内面50S(
図11)に接触して転向された後、鍔状部60の前側に配置されて相互に隣り合っている2つの仕切壁81(前側)の間に形成された流路を通過して、空間S(
図9)に向けて吹出ユニット30から吹き出される。
【0085】
同様に、中央ガイド板54の後側の流路を流れた温風は、図示しないカバー部50の内面50S(
図11)に接触して転向された後、鍔状部60の前側に配置されて相互に隣り合っている2つの仕切壁81の間に形成された流路を通過して、空間S(
図9)に向けて吹出ユニット30から吹き出される。
【0086】
(作用および効果)
本実施の形態においても、ホース20の先端に設けられた筒状柄部40が、図示しないカバー部50とともに全体として略傘状の形状を呈している。筒状柄部40は、支えとしてカバー部50を下方から支持するため、筒状柄部40およびカバー部50によって掛布団92(
図9)は支持され、敷布団90と掛布団92との間であってカバー部50の周囲の位置に十分な広さを有する空間S(
図9)を形成することができる。この状態で、吹出ユニット30Aを通してこの空間Sに向けて温風が吹き出され、温風は敷布団90および掛布団92の隅々にまで行き渡ることができ、結果として、従来に比して短時間で十分な乾燥効果を得ることができる。
【0087】
実施の形態2によっても、布団乾燥のために本来的に要求される以上の大きさや送風能力を有するように布団乾燥機を構成する必要がないため、装置全体の小型化を図ることも可能となる。また、高性能の送風装置やヒーターなどを本体ユニット10に内蔵する必要もないため、製品コストを安くしたり、騒音を小さくしたり、電気代を安く抑えたりすることも可能となる。
【0088】
上述の実施の形態2における吹出ユニット30Aを利用した実験を行なったところ、次のような結果が得られた。具体的には、ホース20の先端にクチバシ形状の開口を有する比較例としての布団乾燥機と、ホース20の先端に吹出ユニット30Aが設けられた布団乾燥機との乾燥能力を比較した。
【0089】
上記比較例および吹出ユニット30Aの双方において、ホース20の先端開口の直径はφ64mmとした。比較例においては、ホース20の先端開口の水平方向の幅は125mmとし、先端開口の高さは15mmとし、先端開口の長さは110mmとした。一方、吹出ユニット30Aについては、直径は200mmとし、吹出ユニット30Aの吹出開口の高さは14mmとした。
【0090】
試料として、1枚の敷布団と2枚の掛布団とを準備した。1枚の敷布団と、2枚の掛布団のうちの下側に位置する掛布団とには、100gの水をそれぞれ噴霧した(合計200g)。これら3枚の布団を重ね合わせ、上記布団乾燥機を用いて乾燥を行なった。温風の風量は約0.6m
3/分に設定し、温風の温度は約55℃に設定し、乾燥時間は60分に設定した。乾燥前後の試料の重量差に基づき乾燥性能を検証した。
【0091】
結果として、比較例の場合には、乾燥前後の試料の重量差の平均値は172g(乾燥率86%)であった。吹出ユニット30Aの場合には、乾燥前後の試料の重量差の平均値は186g(乾燥率93%)であった。吹出ユニット30Aは、比較例に対して8%以上高い乾燥性能が得られた。実施の形態2の吹出ユニット30Aによれば、吹出ユニット30Aの周囲のすべてに渡って開口しているため、開口部分の一部が掛布団により塞がれた場合でも送風ファンの負荷を軽減することができる。
【0092】
実施の形態2においても、凸面部61(鍔状部60のうちの複数の流路の各々を形成している部分)は、カバー部50が位置している側(流路の内部側)に向かって凸状に膨出する曲面形状を有していてもよい。また、カバー部50の内面のうちの複数の流路の各々を形成している部分は、流路の内部側から凹状に後退する曲面形状を有していてもよい。各流路を通過する温風には、凸面部61の曲面形状によって
図19中の白抜き矢印に示すような揚力が生じ、その反力(揚力による差圧)によって温風の到達距離をより長くすることができる。また、各流路を通過する温風は、カバー部50の内面の曲面形状によって、温風はなめらかにその風向を変更されることができ、結果として、内面との摩擦による温風の到達距離の減少を抑制することが可能となる。
【0093】
好適な実施の形態として、凸面部61(鍔状部60のうちの複数の流路の各々を形成している部分)は、流路毎に別々の紡錘形状または紡錘形の一部を成していてもよい。当該構成によると、複数の流路の各々の中に縦渦(
図19参照)を生じさせることができ、結果として温風の到達距離をさらに延長することが可能となる。
【0094】
図20に示すように、カバー部50の内面は、筒状柄部40の先端開口(先端42の内側開口)から吹き出されて内面に接触して転向される温風が、45°以上の角度θ1,θ2で径方向の外側に向けて転向されるように形成されているとよい。当該構成によると、敷布団と掛布団との間に形成された空間を用いてより広範囲に温風を送出することができ、敷布団および掛布団を広範囲にわたってより効率よく乾燥することが可能となる。
【0095】
図20には、温風が吹出ユニット30Aの全周(後側を含む範囲)から吹き出される様子が図示されているが、上述の実施の形態1の場合と同様に、温風は吹出ユニット30の周囲の一部からのみ(たとえば270°の範囲から)吹き出されるように構成されてもよい。いずれの場合であっても、筒状柄部40の内部を流通する温風の風向(筒状柄部40の中心軸40Cに相当)と、鍔状部60の縁部から送出される温風の風向との成す角度が、周方向におけるあらゆる箇所で45°以上であるとよい。
図20に示す例においては、角度θ1,θ2はいずれも105°である。
【0096】
[実施の形態2の変形例]
図21は、実施の形態2の変形例における吹出ユニット30Aを示す断面斜視図である。
図22は、実施の形態2の変形例における吹出ユニット30Aの内部を温風が流れている様子を示す断面図である。好適な実施の形態として、カバー部50と鍔状部60との間に形成される流路のうち、カバー部50の中心軸50Cを中心とする所定直径の位置における部分の流路断面積の総和は、径方向の内側から外側に向かうにつれて徐々に大きくなるように構成されていてもよい。
【0097】
図22に示す例においては、筒状柄部40の内側に形成された流路の直径D40は64mmである。カバー部50の内面50Sと鍔状部60との間の流路を通過する温風の流線STを位置の基準としてみた場合には、中心軸50Cを中心とする直径50mmの位置P50での流路断面高さD50(流線STの流れ方向に直交する流路断面の高さ)は28mmである。中心軸50Cを中心とする直径100mmの位置P100での流路断面高さD100は16mmである。中心軸50Cを中心とする直径150mmの位置P150での流路断面高さD150は12mmである。中心軸50Cを中心とする直径175mmの位置P175での流路断面高さD175は11mmである。中心軸50Cを中心とする直径200mmの位置P200での流路断面高さD200は10mmである。すなわち、カバー部50の内面50Sと鍔状部60との間に形成される流路のうち、カバー部50の中心軸50Cを中心とする所定直径の位置での流路断面高さは、径方向の内側から外側に向かうにつれて徐々に小さくなるように構成されている。当該構成によれば、筒状柄部40の先端42の内側開口から吹き出される温風の運動エネルギーを、温風を送り出す静圧に高い効率で変換することが可能となり、温風の到達距離をより長くすることが可能となる。
【0098】
図21,
図22に示す吹出ユニット30Aにおいては、
図14に示す場合とは異なり、吹出ユニット30Aの全周の範囲に流路が形成されている。したがって、筒状柄部40の内側に形成された直径D40の流路断面積は、径方向の内側から外側に向かうにつれて徐々に大きくなり、中心軸50Cを中心とする直径200mmの位置P200(流路断面高さD200)での周方向に延びる開口部分(当該開口部分の流路断面積の総和)において2倍となる。当該構成によれば、筒状柄部40の先端42の内側開口から吹き出される温風の運動エネルギーを、温風を送り出す静圧に高い効率で変換することが可能となり、温風の到達距離をより長くすることが可能となる。
【0099】
また、上記の構成において、中心軸50Cを中心とする所定直径が大きくなるにつれて流路断面積の総和が大きくなる変化の割合を変化率とすると、当該変化率は0より大きく、かつ略一定の値であるとよい。当該構成によれば、筒状柄部40の先端42の内側開口から吹き出される温風の運動エネルギーを、温風を送り出す静圧にさらに高い効率で変換することが可能となり、温風の到達距離をより長くすることが可能となる。
【0100】
[実施の形態3]
図23は、実施の形態3における吹出ユニット30Aが敷布団90と掛布団92との間に配置されている様子を示す図である。実施の形態2,3の吹出ユニット30Aを単独で見た場合には、これらは同一の構成を有している。
【0101】
図23に示すように、吹出ユニット30Aは、敷布団90と掛布団92との間にカバー部50および筒状柄部40が挿入された状態で、カバー部50の外面が敷布団90に接触するように配置されることもできる。当該配置は、上述の実施の形態1,2のいずれの吹出ユニットにも適用可能である。
【0102】
このような配置状態が採用される場合には、吹出ユニット30Aが敷布団90上に載置されており、吹出ユニット30Aは、支えとして、ホース20の先端およびホース20の先端に設けられた筒状柄部40を下方から支持する。当該配置状態であっても、筒状柄部40およびカバー部50によって掛布団92は支持されることとなる。
【0103】
敷布団90と掛布団92との間であってカバー部50の周囲の位置には、十分な広さを有する空間Sが形成されることとなる。この状態で温風は空間Sに向けて吹出ユニット30Aから吹き出され、温風は敷布団90および掛布団92の隅々にまで行き渡ることができ、結果として、従来に比して短時間で十分な乾燥効果を得ることができる。
【0104】
[実施の形態4]
図24は、実施の形態4における吹出ユニット30Bを示す斜視図である。
図25は、実施の形態4における吹出ユニット30Bが敷布団90と掛布団92との間に配置されている様子を示す図である。吹出ユニット30Bは、支持機構33をさらに備える。本実施の形態における支持機構33は、湾曲板の形状を有しており、鍔状部60におけるカバー部50とは反対側に位置する外面上に設けられている。
【0105】
図25に示すように、筒状柄部40は、支持機構33と協働して、支えとしてカバー部50を下方から支持する。支持機構33、筒状柄部40およびカバー部50によって掛布団92は支持され、敷布団90と掛布団92との間であってカバー部50の周囲の位置に十分な広さを有する空間Sを形成することができる。この状態で、吹出ユニット30Bを通してこの空間Sに向けて温風が吹き出され、温風は敷布団90および掛布団92の隅々にまで行き渡ることができ、結果として、従来に比して短時間で十分な乾燥効果を得ることができる。
【0106】
[実施の形態5]
図26は、実施の形態5における吹出ユニット30Cを示す斜視図である。
図27は、実施の形態5における吹出ユニット30Cが敷布団90と掛布団92との間に配置されている様子を示す図である。吹出ユニット30Cも、支持機構33を備える。本実施の形態における支持機構33は、支持部35および挟持部36を有しており、挟持部36の弾性変形を利用して筒状柄部40に着脱可能に取り付けられる。
【0107】
図27に示すように、筒状柄部40は、支持機構33と協働して、支えとしてカバー部50を下方から支持する。支持機構33、筒状柄部40およびカバー部50によって掛布団92は支持され、敷布団90と掛布団92との間であってカバー部50の周囲の位置に十分な広さを有する空間Sを形成することができる。この状態で、吹出ユニット30Cを通してこの空間Sに向けて温風が吹き出され、温風は敷布団90および掛布団92の隅々にまで行き渡ることができ、結果として、従来に比して短時間で十分な乾燥効果を得ることができる。
【0108】
吹出ユニット30Cを設置部11(
図1,
図2参照)の上に配置する際には、支持機構33は筒状柄部40から適宜取り外される。本体ユニット10に支持機構33を収納したり、支持機構33をひっかけておいたりすることが可能な所定箇所を設けておくことも有効である。
【0109】
[他の実施の形態]
上述の各実施の形態においては、吹出ユニットがホース20の先端に連結されるが、ホース20を用いることなく吹出ユニットを本体ユニット10(送風ダクト)に直接的に連結するように構成してもよい。即ち、本体ユニット10の筺体に開口部を配置し、送風ダクトの下流端をこの開口部まで延設し、この開口部に吹出ユニットを連結してもよい。これにより、本体ユニット10の筺体から突出する吹出ユニット30を敷布団と掛布団との間に挿入して布団乾燥を行うこともできる。
【0110】
以上、実施の形態について説明したが、上記の開示内容はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。