【文献】
Guangdong OPPO Mobile Telecom,On Beam Recovery Mechanism[online],3GPP TSG RAN WG1 #88 R1-1701944,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_88/Docs/R1-1701944.zip>,2017年02月13日
【文献】
Nokia, Alcatel-Lucent Shanghai Bell,Beam Recovery in NR[online],3GPP TSG RAN WG1 #88 R1-1703168,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_88/Docs/R1-1703168.zip>,2017年02月13日
【文献】
vivo,Discussion on beam recovery[online],3GPP TSG RAN WG1 #88 R1- 1703389,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_88/Docs/R1-1703389.zip>,2017年02月13日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明に係る好適な実施の形態を、添付図面を参照して詳しく説明する。添付図面と共に以下に開示される詳細な説明は、本発明の例示的な実施形態を説明するためのものであり、本発明が実施し得る唯一の実施形態を示すためのものではない。以下の詳細な説明は、本発明の完全な理解を提供するために具体的な細部事項を含む。しかし、当業者にとってはこのような具体的な細部事項なしにも本発明を実施できることは明らかである。
【0031】
場合によって、本発明の概念が曖昧になることを避けるために、公知の構造及び装置を省略したり、各構造及び装置の核心機能を中心にしたブロック図の形式で示すことができる。また、この明細書全体を通じて同一の構成要素については同一の図面符号を付して説明する。
【0032】
以下に説明する技法(technique)及び装置、システムは、様々な無線多重接続システムに適用することができる。多重接続システムの例には、CDMA(code division multiple access)システム、FDMA(frequency division multiple access)システム、TDMA(time division multiple access)システム、OFDMA(orthogonal frequency division multiple access)システム、SC−FDMA(single carrier frequency division multiple access)システム、MC−FDMA(multi carrier frequency division multiple access)システムなどがある。CDMAは、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)又はCDMA2000のような無線技術(technology)によって具現することができる。TDMAは、GSM(Global System for Mobile communication)、GPRS(General Packet Radio Service)、EDGE(Enhanced Data Rates for GSM Evolution)(i.e.,GERAN)などのような無線技術によって具現することができる。OFDMAは、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11(Wi−Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802−20、E−UTRA(evolved−UTRA)などのような無線技術によって具現することができる。UTRAは、UMTS(Universal Mobile Telecommunication System)の一部であり、3GPP(3rd Generation Partnership Project)LTE(Long Term Evolution)は、E−UTRAを用いるE−UMTSの一部である。3GPP LTEは、下りリンク(downlink、DL)ではOFDMAを採択し、上りリンク(uplink、UL)ではSC−FDMAを採択している。LTE−A(LTE−advanced)は、3GPP LTEの進化した形態である。説明の便宜のために、以下では、本発明が3GPP基盤通信システム、例えば、LTE/LTE−A、NRに適用される場合を仮定して説明する。しかし、本発明の技術的特徴がこれに制限されるものではない。例えば、以下の詳細な説明が、移動通信システムが3GPP LTE/LTE−A/NRシステムに対応する移動通信システムに基づいて説明されても、3GPP LTE/LTE−A/NR特有の事項以外は、他の任意の移動通信システムにも適用可能である。
【0033】
例えば、本発明は、3GPP LTE/LTE−Aシステムのように、eNBがUEに下りリンク/上りリンク時間/周波数リソースを割り当て、UEがeNBの割当てによって下りリンク信号を受信し、上りリンク信号を送信する非−競合ベース(non−contention based)通信だけでなく、Wi−Fiのような競合ベース(contention based)通信にも適用することができる。非−競合ベース通信技法は、接続ポイント(access point、AP)或いは上記接続ポイントを制御する制御ノード(node)が、UEと上記AP間の通信のためのリソースを割り当てるが、競合ベース通信技法は、APに接続しようとする複数UE間の競合によって通信リソースが占有される。競合ベース通信技法についして簡略に説明すると、競合ベース通信技法の一種として搬送波感知多元接続(carrier sense multiple access、CSMA)がある。CSMAとは、ノード或いは通信器機が周波数帯域(band)のような、共有送信媒体(shared transmission medium)(共有チャネルともいう。)上でトラフィック(traffic)を送信する前に、同一の共有送信媒体上に他のトラフィックがないことを確認する確率的(probabilistic)媒体接続制御(media access control、MAC)プロトコル(protocol)を指す。CSMAにおいて送信装置は受信装置にトラフィックを送信することを試みる前に、他の送信が進行中であるか否か決定する。換言すれば、送信装置は、送信を試みる前に、他の送信装置からの搬送波(carrier)の存在を検出(detect)することを試みる。搬送波が感知されると、送信装置は、自身の送信を開始する前に、進行中の他の送信装置によって送信が完了(finish)することを待つ。結局、CSMAは、“sense before transmit”或いは“listen before talk”の原理に基づいてした通信技法といえる。CSMAを用いる競合ベース通信システムにおいて送信装置間の衝突を回避するための技法としてCSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)及び/又はCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)が用いられる。CSMA/CDは、有線LAN環境での衝突検出技法であり、イーサネット(ethernet)環境で通信をしようとするPC(Personal Computer)やサーバー(server)がまず、ネットワーク上で通信が行われているか確認した後、他の装置(device)がデータを上記ネットワーク上で載せて送っていると、待ってからデータを送る。すなわち、2人以上のユーザ(例、PC、UEなど)が同時にデータを乗せて送る場合、上記同時送信間に衝突が発生するが、CSMA/CDは、上記衝突を監視し、柔軟性あるデータ送信がなされるようにする技法である。CSMA/CDを用いる送信装置は、特定規則を用いて他の送信装置によるデータ送信を感知し、自身のデータ送信を調節する。CSMA/CAは、IEEE802.11標準に明示されている媒体接近制御プロトコルである。IEEE802.11標準に従うWLANシステムは、IEEE802.3標準で用いられたCSMA/CDを用いず、CA、すなわち、衝突を回避する方式を用いている。送信装置は、常にネットワークの搬送波を感知しているが、ネットワークが空になると、目録に登載された自身の位置によって、定められた時間を待ってからデータを送る。目録内で送信装置間の優先順位を決め、これを再設定(reconfiguration)するためには様々方法を用いることができる。IEEE802.11標準の一部バージョンに従うシステムでは、衝突が起きることがあり、この場合には衝突感知手順が行われる。CSMA/CAを用いる送信装置は、特定規則を用いて、他の送信装置によるデータ送信と自身のデータ送信間の衝突を回避する。
【0034】
後述する本発明の実施例において、装置が“仮定する”という表現は、チャネルを送信する主体が該当の“仮定”に符合するようにチャネルを送信することを意味する。チャネルを受信する主体は、チャネルが該当“仮定”に符合するように送信されたという前提の下に、該当“仮定”に符合する形態でチャネルを受信或いは復号(decode)するものであることを意味する。
【0035】
本発明において、特定のリソースで物理チャネルがパンクチャリングされるとは、物理チャネルのリソースマッピング過程で物理チャネルの信号が特定のリソースにマッピングされるものの、物理チャネルの送信時にパンクチャリングされるリソースにマッピングされた信号部分は除外されたまま送信されることを意味する。言い換えれば、パンクチャリングされる特定のリソースは、該当物理チャネルのリソースマッピング過程で該当物理チャネルのリソースとしてカウントされるものの、該当物理チャネルの信号のうち、特定のリソースにマッピングされた信号は実際には送信されない。該当物理チャネルの受信装置はパンクチャリングされた特定のリソースにマッピングされた信号部分は送信されなかったと仮定し、該当物理チャネルを受信、復調或いは復号する。反面、特定のリソースで物理チャネルがレートマッチングされるとは、物理チャネルのリソースマッピング過程で物理チャネルが特定のリソースに全くマッピングされないことにより、物理チャネルの送信に使用されないことを意味する。言い換えれば、レートマッチングされる特定のリソースは、該当物理チャネルのリソースマッピング過程で該当物理チャネルのリソースとして全くカウントされない。該当物理チャネルの受信装置はレートマッチングされた特定のリソースが該当物理チャネルのマッピング及び送信に全然使用されなかったと仮定して、該当物理チャネルを受信、復調又は復号する。
【0036】
本発明において、UEは、固定していても移動性を有してもよく、基地局(base station、BS)と通信してユーザデータ及び/又は各種制御情報を送受信する各種器機がこれに属する。UEは、端末(Terminal Equipment)、MS(Mobile Station)、MT(Mobile Terminal)、UT(User Terminal)、SS(Subscribe Station)、無線器機(wireless device)、PDA(Personal Digital Assistant)、無線モデム(wireless modem)、携帯器機(handheld device)などと呼ぶこともできる。また、本発明において、BSは、一般に、UE及び/又は他のBSと通信する固定局(fixed station)のことをいい、UE及び他のBSと通信して各種データ及び制御情報を交換する。BSは、ABS(Advanced Base Station)、NB(Node−B)、eNB(evolved−NodeB)、BTS(Base Transceiver System)、接続ポイント(Access Point)、PS(Processing Server)などの他の用語と呼ぶこともできる。特に、UTRANの基地局はNode−Bに、E−UTRANの基地局はeNBに、また新しい無線接続技術ネットワーク(new radio access technology network)の基地局はgNBとも呼ばれる。以下、説明の便宜のために、BSをgNBと呼ぶ。
【0037】
本発明でいうノード(node)とは、UEと通信して無線信号を送信/受信し得る固定した地点(point)のことを指す。様々な形態のgNBを、その名称に関係なくノードとして用いることができる。例えば、BS、NB、eNB、ピコセルeNB(PeNB)、ホームeNB(HeNB)、gNB、リレー、リピータなどをノードとすることができる。また、ノードは、gNBでなくてもよい。例えば、無線リモートヘッド(radio remote head、RRH)、無線リモートユニット(radio remote unit、RRU)とすることもできる。RRH、RRUなどは、一般にgNBの電力レベル(power level)よりも低い電力レベルを有する。RRH或いはRRU(以下、RRH/RRU)は、一般に、光ケーブルなどの専用回線(dedicated line)でgNBに接続されているため、一般に、無線回線で接続されたgNBによる協調通信に比べて、RRH/RRUとgNBによる協調通信を円滑に行うことができる。1つのノードには少なくとも1つのアンテナが設置される。このアンテナは物理アンテナを意味することもでき、アンテナポート、仮想アンテナ、又はアンテナグループを意味することもできる。ノードはポイント(point)とも呼ばれる。
【0038】
本発明でいうセル(cell)とは、1つ以上のノードが通信サービスを提供する一定の地理的領域を指す。従って、本発明で特定セルと通信するということは、上記特定セルに通信サービスを提供するgNB或いはノードと通信するということを意味できる。また、特定セルの下りリンク/上りリンク信号は、上記特定セルに通信サービスを提供するgNB或いはノードからの/への下りリンク/上りリンク信号を意味する。UEに上りリンク/下りリンク通信サービスを提供するセルを特にサービングセル(serving cell)という。また、特定セルのチャネル状態/品質は、上記特定セルに通信サービスを提供するgNB或いはノードとUE間に形成されたチャネル或いは通信リンクのチャネル状態/品質を意味する。3GPP基盤通信システムにおいて、UEは、特定ノードからの下りリンクチャネル状態を、上記特定ノードのアンテナポートが上記特定ノードに割り当てられたCRS(Cell−specific Reference Signal)リソース上で送信されるCRS及び/又はCSI−RS(Channel State Information Reference Signal)リソース上で送信するCSI−RSを用いて測定することができる。
【0039】
一方、3GPP基盤通信システムは、無線リソースを管理するためにセルの概念を用いているが、無線リソースと関連付くセルは、地理的領域のセルと区別される。
【0040】
地理的領域の“セル”は、ノードが搬送波を用いてサービスを提供できるカバレッジ(coverage)と理解することができ、無線リソースの“セル”は、上記搬送波によって設定(configure)される周波数範囲である帯域幅(bandwidth、BW)に関連する。ノードが有効な信号を送信できる範囲である下りリンクカバレッジと、UEから有効な信号を受信できる範囲である上りリンクカバレッジは、当該信号を運ぶ搬送波に依存するので、ノードのカバレッジは、上記ノードが用いる無線リソースの“セル”のカバレッジと関連することもある。従って、“セル”という用語は、時にはノードによるサービスのカバレッジを、時には無線リソースを、時には上記無線リソースを用いた信号が有効な強度で到達できる範囲を意味することに用いることができる。
【0041】
一方、3GPP通信標準は無線リソースを管理するためにセルの概念を使う。無線リソースに関連した“セル”とは下りリンクリソース(DL resources)と上りリンクリソース(UL resources)の組合せ、つまりDLコンポーネント搬送波(component carrier、CC)とUL CCの組合せと定義される。セルはDLリソース単独、又はDLリソースとULリソースの組合せに設定されることができる。搬送波集成が支援される場合、DLリソース(又は、DL CC)の搬送波周波数とULリソース(又は、UL CC)の搬送波周波数の間のリンケージ(linkage)は、システム情報によって指示されることができる。例えば、システム情報ブロックタイプ2(System Information Block Type2、SIB2)リンケージ(linkage)によってDLリソースとULリソースの組合せが指示されることができる。ここで、搬送波周波数とは、各セル又はCCの中心周波数と同じであることができる。以下では、1次周波数(primary frequency)上で動作するセルを1次セル(primary cell、Pcell)又はPCCと言い、2次周波数(Secondary frequency)(又はSCC)上で動作するセルを2次セル(secondary cell、Scell)又はSCCと言う。下りリンクでPcellに対応する搬送波は下りリンク1次CC(DL PCC)と言い、上りリンクでPcellに対応する搬送波はUL1次CC(DL PCC)と言う。ScellとはRRC(Radio Resource Control)連結開設(connection establishment)がなされた後に設定可能であり、追加的な無線リソースを提供するために使われることができるセルを意味する。UEの性能(capabilities)によって、ScellがPcellと一緒に、前記UEのためのサービングセルの集団を形成することができる。下りリンクでScellに対応する搬送波はDL2次CC(DL SCC)と言い、上りリンクで前記Scellに対応する搬送波はUL2次CC(ULSCC)と言う。RRC_CONNECTED状態にあるが、搬送波集成が設定されていないか搬送波集成を支援しないUEの場合、Pcellにだけ設定されたサービングセルがただ一つ存在する。
【0042】
3GPP基盤通信標準は、上位層から生じる情報を運ぶリソース要素に対応する下りリンク物理チャネルと、物理層によって用いられるが、上位層から生じる情報を搬送しないリソース要素に対応する下りリンク物理信号を定義する。例えば、物理下りリンク共有チャネル(physical downlink shared channel、PDSCH)、物理ブロードキャストチャネル(physical broadcast channel、PBCH)、物理マルチキャストチャネル(physical multicast channel、PMCH)、物理制御フォーマット指示子チャネル(physical control format indicator channel、PCFICH)、物理下りリンク制御チャネル(physical downlink control channel、PDCCH)及び物理ハイブリッドARQ指示子チャネル(physical hybrid ARQ indicator channel、PHICH)が下りリンク物理チャネルとして定義されており、参照信号と同期信号が下りリンク物理信号として定義されている。パイロット(pilot)とも呼ばれる参照信号(reference signal、RS)は、gNBとUEが互いに知っている既に定義された特別な波形の信号を意味するが、例えば、セル特定的RS(cell specific RS)、UE−特定的RS(UE−specific RS、UE−RS)、ポジショニングRS(positioning RS、PRS)及びチャネル状態情報RS(channel state information RS、CSI−RS)が下りリンク参照信号として定義される。3GPP LTE/LTE−A標準は、上位層から生じる情報を搬送するリソース要素に対応する上りリンク物理チャネルと、物理層によって用いられるが、上位層から生じる情報を搬送しないリソース要素に対応する上りリンク物理信号を定義している。例えば、物理上りリンク共有チャネル(physical uplink shared channel、PUSCH)、物理上りリンク制御チャネル(physical uplink control channel、PUCCH)、物理任意接続チャネル(physical random access channel、PRACH)が上りリンク物理チャネルとして定義され、上りリンク制御/データ信号のための復調参照信号(demodulation reference signal、DMRS)と上りリンクチャネル測定に用いられるサウンディング参照信号(sounding reference signal、SRS)が定義される。
【0043】
本発明で、PDCCH(Physical Downlink Control CHannel)/PCFICH(Physical Control Format Indicator CHannel)/PHICH((Physical Hybrid automatic retransmit request Indicator CHannel)/PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)はそれぞれ、DCI(Downlink Control Information)/CFI(Control Format Indicator)/下りリンクACK/NACK(ACKnowlegement/Negative ACK)/下りリンクデータを搬送する時間−周波数リソースの集合或いはリソース要素の集合を意味する。また、PUCCH(Physical Uplink Control CHannel)/PUSCH(Physical Uplink Shared CHannel)/PRACH(Physical Random Access CHannel)はそれぞれ、UCI(Uplink Control Information)/上りリンクデータ/任意(random)接続信号を搬送する時間−周波数リソースの集合或いはリソース要素の集合を意味する。本発明では、特に、PDCCH/PCFICH/PHICH/PDSCH/PUCCH/PUSCH/PRACHに割り当てられたり、これに属した時間−周波数リソース或いはリソース要素(resource element、RE)をそれぞれ、PDCCH/PCFICH/PHICH/PDSCH/PUCCH/PUSCH/PRACH RE又はPDCCH/PCFICH/PHICH/PDSCH/PUCCH/PUSCH/PRACHリソースと称する。以下では、ユーザ機器がPUCCH/PUSCH/PRACHを送信するという表現は、それぞれ、PUSCH/PUCCH/PRACH上で/或いは、それらを通じて、上りリンク制御情報/上りリンクデータ/任意(random)接続信号を送信することと同じ意味で使われる。また、gNBがPDCCH/PCFICH/PHICH/PDSCHを送信するという表現は、それぞれ、PDCCH/PCFICH/PHICH/PDSCH上で/或いは、それらを通じて、下りリンクデータ/制御情報を送信することと同じ意味で使われる。
【0044】
以下では、CRS/DMRS/CSI−RS/SRS/UE−RS/TRSが割り当てられた或いは設定された(configured)OFDMシンボル/副搬送波/REを、CRS/DMRS/CSI−RS/SRS/UE−RS/TRSシンボル/搬送波/副搬送波/REと称する。例えば、トラッキングRS(tracking RS、TRS)が割り当てられた或いは設定されたOFDMシンボルは、TRSシンボルと称し、TRSが割り当てられた或いは設定された副搬送波は、TRS副搬送波と称し、TRSが割り当てられた或いは設定されたREはTRS REと称する。また、TRS送信のために設定された(configured)スロットを、TRSスロットと称する。また、ブロードキャスト信号が送信されるスロットを、ブロードキャストスロット或いはPBCHスロットと称し、同期信号(例えば、PSS及び/又はSSS)が送信されるスロットを、同期信号サスロット或いはPSS/SSSスロットと称する。PSS/SSSが割り当てられた或いは設定された(configured)OFDMシンボル/副搬送波/REをそれぞれ、PSS/SSSシンボル/副搬送波/REと称する。
【0045】
本発明で、CRSポート、UE−RSポート、CSI−RSポート、TRSポートとは、それぞれ、CRSを送信するように設定された(configured)アンテナポート、UE−RSを送信するように設定されたアンテナポート、CSI−RSを送信するように設定されたアンテナポート、TRSを送信するように設定されたアンテナポートを意味する。CRSを送信するように設定されたアンテナポートは、CRSポートによってCRSが占有するREの位置によって相互区別でき、UE−RSを送信するように設定された(configured)アンテナポートは、UE−RSポートによってUE−RSが占有するREの位置によって相互区別でき、CSI−RSを送信するように設定されたアンテナポートは、CSI−RSポートによってCSI−RSが占有するREの位置によって相互区別できる。したがって、CRS/UE−RS/CSI−RS/TRSポートという用語が、一定リソース領域内でCRS/UE−RS/CSI−RS/TRSが占有するREのパターンを意味する用語として用いられることもある。
【0046】
本発明で使用される用語及び技術のうち、具体的に説明されていない用語及び技術については、3GPP LTE/LTE−A標準文書、例えば、3GPP TS 36.211、3GPP TS 36.212、3GPP TS 36.213、3GPP TS 36.321及び3GPP TS 36.331などと、3GPP NR 標準文書、例えば、3GPP TS 38.211、3GPP TS 38.212、3GPP 38.213、3GPP 38.214、3GPP 38.215、3GPP TS 38.321及び3GPP TS 36.331などを参照できる。
【0047】
UEが特定のシステムに連関(association)してサービスを受けるために最初に行うべき動作は、該当システムの時間及び周波数同期を得て基本的なシステム情報(System information、SI)を受信し、上りリンクへの上りリンクタイミングを合わせることである。かかる過程を一般的に初期接続過程(initial access procedure)という。初期接続過程は一般的に同期化過程(Synchronization procedure)とRACH過程(即ち、任意接続過程)を含む。LTE/LTE−Aシステムにおいて、UEは、電源が入ったか又は新しくセルに接続しようとする場合、上記セルとの時間及び周波数同期を得、セルの物理階層セル識別子(physical layer cell identity)N
cellIDを検出するなどのセル探索(initial cell search)過程を行う。このために、UEはeNBから同期信号、例えば1次同期信号(Primary Synchronization Signal、PSS)及び2次同期信号(Secondary Synchronization Signal、SSS)を受信してeNBと同期を合わせ、セル識別子(identity、ID)などの情報を得る。説明の便宜上、LTE/LTE−Aシステムにおいての同期化過程を再度簡略に説明する。
【0048】
>PSS:シンボルタイミングの獲得、周波数同期化、セルIDグループ内のセルID検出(detection)(3つの前提(hypotheses))。
【0049】
>SSS:セルIDグループ検出(168個の前提)、10msフレーム境界検出、CP検出(2つの前提)。
【0050】
>PBCH復号(decoding):アンテナ設定(configuration)、40msタイミング検出、システム情報、システム帯域幅など。
【0051】
即ち、UEはPSS及びSSSによりOFDMシンボルタイミング及びサブフレームタイミングを得ると共にセルIDを得、セルIDを用いてPBCHをデスクランブル及び復号して該当システムにおいての重要な情報を得る。同期化過程を完了した後、UEは任意接続過程を行う。言い換えれば、初期セル探索を終えたUEはeNBへの接続を完了するために任意接続過程(random access procedure)を行う。このためにUEは物理任意接続チャネル(physical random access channel、PRACH)を介してプリアンブル(preamble)を送信し、PDCCH及びPDSCHを介してプリアンブルに対する応答メッセージを受信することができる。上記手順を行ったUEは、今後一般的な上/下りリンクの信号送信手順としてPDCCH/PDSCH受信及びPUSCH/PUCCH送信を行う。任意接続過程は任意接続チャネル(random access channel、RACH)過程とも呼ばれる。任意接続過程は初期接続、上りリンク同期調整、リソース割り当て、ハンドオーバーなどの用途に多様に使用される。
【0052】
任意接続過程は競争基盤(contention−based)過程と専用(dedicated)(即ち、非−競争基盤)過程に分類される。競争基盤の任意接続過程は初期接続を含めて一般的に使用され、専用の任意接続過程をハンドオーバーなどに制限的に使用する。競争基盤の任意接続過程において、UEはRACHプリアンブルシーケンスを任意に(randomly)選択する。従って、複数のUEが同時に同一のRACHプリアンブルシーケンスを送信することが可能であり、これにより、今後競争解消過程が必要である。反面、専用の任意接続過程において、UEはeNBが該当UEに割り当てた唯一のRACHプリアンブルシーケンスを使用する。従って、他のUEとの衝突なしに任意接続過程を行うことができる。
【0053】
競争基盤の任意接続過程は以下の4段階を含む。以下、段階1〜4で送信されるメッセージは各々メッセージ1〜4(Msg1〜Msg4)とも呼ばれる。
【0054】
−段階1:RACHプリアンブル(via PRACH)(UE to eNB)
【0055】
−段階2:任意接続応答(random access response、RAR)(via PDCCH及びPDSCH)(eNB toUE)
【0056】
−段階3:レイヤ2/レイヤ3メッセージ(via PUSCH)(UE to eNB)
【0057】
−段階4:競争解消(contention resolution)メッセージ(eNB toUE)
【0058】
専用の任意接続過程は以下の3段階を含む。以下、段階0〜2で送信されるメッセージは各々メッセージ0〜2(Msg0〜Msg2)とも呼ばれる。任意接続過程の一部としてRARに対応する上りリンクの送信(即ち、段階3)も行われることができる。専用の任意接続過程は基地局がRACHプリアンブル送信を命令する用途のPDCCH(以下、PDCCHオーダー)を用いてトリガリングされることができる。
【0059】
−段階0:専用シグナリングによるRACHプリアンブル割り当て(eNB toUE)
【0060】
−段階1:RACHプリアンブル(via PRACH)(UE to eNB)
【0061】
−段階2:任意接続応答(RAR)(via PDCCH及びPDSCH)(eNB toUE)
【0062】
RACHプリアンブル送信後、UEは所定の時間ウィンドウ内で任意接続応答(random access response、RAR)受信を試みる。具体的には、UEは時間ウィンドウ内でRA−RNTI(Random Access RNTI)を有するPDCCH(以下、RA−RNTI PDCCH)(例えば、PDCCHでCRCがRA−RNTIにマスキングされる)の検出を試みる。RA−RNTI PDCCHの検出時、UEはRA−RNTI PDCCHに対応するPDSCH内に自分のためのRARが存在するか否かを確認する。RARはUL同期化のためのタイミングオフセット情報を示すタイミングアドバンス(timing advance、TA)情報、ULリソース割り当て情報(ULグラント情報)、臨時端末識別子(例えば、temporary cell−RNTI、TC−RNTI)などを含む。UEはRAR内のリソース割り当て情報及びTA値によってUL送信(例えば、Msg3)を行うことができる。RARに対応するUL送信にはHARQが適用される。従って、UEはMsg3の送信後、Msg3に対応する受信応答情報(例えば、PHICH)を受信することができる。
【0063】
図1はLTE/LTE−Aシステムにおける任意接続過程を示す概略図である。RRC連結有無によってRRC状態が変化する。RRC状態とは、UEのRRC階層のエンティティ(entity)がeNBのRRC階層のエンティティと論理的連結(logical connection)されているか否かを言い、連結されている場合をRRC連結状態(connected state)と言い、連結されていない状態をRRC休止状態(idle state)と言う。即ち、休止モード(idle state)のUEは大きい地域単位で存在有無のみ把握され、音声やデータのような通常の移動通信サービスを受けるためには、UEは連結状態(connected state)に遷移する必要がある。ユーザがUEに最初に電源を入れた時、UEはまず適切なセルを探索した後、該当セルで休止モードを維持する。休止モードを維持しているUEはRRC連結を行う必要がある時に初めてRRC連結過程(RRCconnection procedure)によりeNBのRRC階層とRRC連結を行い、RRC連結状態(RRC_CONNECTED)に遷移する。RRC連結過程は大きく、UEがeNBにRRC連結要請(RRCconnection request)メッセージ送信する過程、eNBがUEにRRC連結設定(RRCconnection setup)メッセージを送信する過程、またUEがeNBにRRC連結設定完了(RRCconnection setup complete)メッセージを送信する過程からなる。RRC連結要請メッセージの送信のためにはULグラントが必要であるので、休止モードのUEはULグラントを得るためにRACH過程を行わなければならない。即ち、UEはRAプリアンブル(即ち、Msg1)を送信し(S101)、RAプリアンブルに対する応答であるRAR(即ち、Msg2)を受信する必要がある(S102)。UEはRRC連結要請メッセージを含むMsg3をRAR内のリソース割り当て情報(即ち、スケジューリング情報)及びタイミングアドバンス値によってeNBに送信する(S103)。UEからRRC連結要請メッセージを受信すると、eNBは無線リソースが十分である場合には、UEのRRC連結要請を承認し、応答メッセージであるRRC連結設定(RRCconnection setup)メッセージをUEに送信する(S104)。UEがRRC連結設定メッセージを受信すると、eNBにRRC連結設定完了(RRCconnection setup complete)メッセージを送信する(S105)。UEがRRC連結設定メッセージを成功的に送信すると、初めてUEはeNBとRRC連結を行ってRRC連結モードに遷移する。即ち、RACH過程を完了すると、UEは該当セルに連結された状態になる。
【0064】
図2は既存のLTE/LTE−Aシステムにおいて任意接続プリアンブルのフォーマットを例示する図である。
【0065】
既存のLTE/LTE−Aシステムにおいて、任意接続プリアンブル、即ち、RACHプリアンブルは、物理階層においてT
CPの循環前置(cyclic prefix)及び長さT
SEQのシーケンス部分で構成される。パラメータ値T
CPのT
SEQは以下の表にリストされており、フレーム構造と任意接続設定に依存する。プリアンブルのフォーマットは上位階層により制御される。3GPP LTE/LTE−Aシステムにおいて、セルのシステム情報及び移動性制御情報によりPRACH設定情報をシグナリングする。PRACH設定情報は該当セル内のRACH過程に使用される、ルートシーケンスインデックス、Zadoff−Chuシーケンスの循環遷移単位(N
CS)、ルートシーケンスの長さ、プリアンブルのフォーマットなどを示す。3GPP LTE/LTE−Aシステムにおいて、プリアンブルのフォーマット及びRACHプリアンブルが送信可能な時期であるPRACH機会は、RACH設定情報の一部であるPRACH設定インデックスにより指示される(3GPP TS 36.211のセクション5.7及び3GPP TS 36.331の"PRACH−Config"参照)。RACHプリアンブルに使用されるZCシーケンスの長さは、プリアンブルのフォーマットにより決められる。
【0067】
LTE/LTE−Aシステムにおいて、PACHプリアンブルはULサブフレームで送信される。任意接続プリアンブル送信は特定の時間及び周波数リソースにより制限される。かかるリソースをPRACHリソースといい、PRACHリソースは、インデックス0が無線フレームで低い番号のPRB及びサブフレームに対応するように、無線フレーム内のサブフレーム番号と、周波数ドメインにおけるPRBの増加順に番号が付けられる。任意接続リソースがPRACH設定インデックスにより定義される(3GPP TS 36.211 標準文書参照)。PRACH設定インデックスは(eNBにより送信される)上位階層信号により与えられる。LTE/LTE−Aシステムにおいて、副搬送波間隔Δfは15kHz或いは7.5kHzであるが、任意接続プリアンブルのための副搬送波間隔Δf
RAは1.25kHz或いは0.75kHzである。
図3は不連続受信(discontinuous reception、DRX)の概念を示す図である。
【0068】
LTE/LTE−Aシステムにおいて、PDCCHの連続するモニタリングによる消費電力を減少するために、DRXがUEにより行われる。ここで、モニタリングはPDCCH候補セット内の各PDCCHの復号を試みることを暗示する。DRXがないと、下りリンクのデータがいつでも到達できるので、UEは下りリンクデータを復号するために常にオンになっている必要があるが、これはUEの消費電力に深刻な影響を与える。UEはRRC連結及びスケジューリングの識別に使用される固有(unique)識別子であるセル無線ネットワーク臨時識別子(cell radio network temporary identifier、C−RNTI)、PUCCHの電力制御に使用される識別子であるTPC−PUCCH−RNTI、PUSCHの電力制御に使用される識別子であるTPC−PUSCH−RNTI及び(設定された場合)準−持続的(semi−persistent)スケジューリングのために使用される固有識別子である準−持続的スケジューリングC−RNTIに対するUEのPDCCHモニタリング活動を制御するDRX機能性(functionality)を有するようにRRCにより設定されることができる。RRC_CONNECTEDにおいて、DRXが設定されると、UEはDRX動作を使用して不連続的に(discontinuously)PDCCHのモニタリングが許容され、そうではないと、UEはPDCCHを連続して(continuously)モニタする。
図3を参照すると、DRXがRRC_CONNECTED状態のUEに対して設定されると、UEは下りリンクチャネル(PDCCH)の受信を試み、即ち、所定の時間期間の間にのみPDCCHモニタリングを行い、UEは残りの時間期間の間にPDCCHモニタリングを行わない。UEがPDCCHをモニタリングする時間期間を“On Duration”という。DRXサイクルごとに1つのOn Durationが定義される。即ち、DRXサイクルは、
図3に示したように、On Duration及びその後の可能な非活動性(inactivity)期間の周期的な繰り返しを特定する。
【0069】
UEは1つのDRXサイクルにおいてOn Durationの間に常にPDCCHをモニタし、DRXサイクルはOn Durationが設定された期間を決定する。DRXサイクルは、DRXサイクル期間によって長いDRXサイクルと短いDRXサイクルに分類される。長いDRXサイクルはUEのバッテリー消費を最小化し、短いDRXサイクルはデータ送信遅延を最小化することができる。
【0070】
UEがDRXサイクルにおいてOn Durationの間にPDCCHを受信すると、On Duration以外の時間期間の間に追加送信又は再送信が発生することができる。よって、UEはOn Duration以外の時間期間の間にPDCCHをモニタする必要がある。即ち、、UEはOn Duration管理タイマーであるonDurationTimerだけではなく、非活動性管理タイマーであるdrx−InactivityTimer又は再送信管理タイマーであるdrx−RetransmissionTimerが駆動中である時間期間の間にPDCCHモニタリングを行う必要がある。
【0071】
RRCは、タイマーonDurationTimer、drx−InactivityTimer、drx−RetransmissionTimer(ブロードキャストプロセスを除いたDL HARQプロセスごとに1つ)、drx−ULRetransmissionTimer(非同期UL HARQプロセスごとに1つ)、longDRX−Cycle、drxStartOffsetの値、また選択的にdrxShortCycleTimer及びshortDRX−Cycleを設定することによりDRX動作を制御する。eNBはRRCシグナリングにより、これらのパラメータを含むDRX設定情報をUEに提供する。UEはDRX設定情報を受信する。DL HARQ当たりの(ブロードキャストプロセスを除く)DL HARQ RTTタイマー及び非同期UL HARQプロセス当たりのUL HARQ RTTタイマーも定義される。onDurationTimerはDRXサイクルの初期に連続するPDCCH−サブフレームの数を特定する。drx−InactivityTimerはPDCCHがこのUEに対する初期UL、DL又はSLユーザデータ送信を示すサブフレーム後の連続するPDCCHサブフレーム数を特定する。drx−RetransmissionTimerはDL再送信が受信されるまでの連続するPDCCH−サブフレームの最大数を特定する。drx−ULRetransmissionTimerはUL再送信に対するグラントが受信されるまでの連続するPDCCH−サブフレームの最大数を特定する。drxStartOffsetはDRXサイクルが開始されるサブフレームを特定する。drxShortCycleTimerはUEが短いDRXサイクルに従う連続するサブフレームの数を特定する。DL HARQ RTTタイマーはUEによってDL HARQ再送信が期待される前の最小量のサブフレームを特定する。UL HARQ RTTタイマーはUEによってUL HARQ再送信グラントが期待される前の最小量のサブフレームを特定する。
【0072】
各々のタイマー値はサブフレーム数で定義される。サブフレーム数はタイマー値に到達するまでカウントされる。タイマー値が満たされると、タイマーが満了する。一応開始すると、停止又は満了するまでタイマーが駆動し、そうではないと、駆動しない。タイマーが駆動中ではないと開始されるか、駆動中であると再開始される。タイマーは常に初期値から開始又は再開始される。
【0073】
さらに、UEは任意接続(random access)の間又はUEがスケジューリング要請を送信し、ULグラントの受信を試みる時にPDCCHモニタリングを行わなければならない。
【0074】
UEがPDCCHモニタリングを行う期間をアクティブ時間という。アクティブ時間は、PDCCHが周期的にモニタされるOn Duration及びイベントの発生時にPDCCHがモニタされる時間間隔を含む。DRXサイクルが設定されると、アクティブ時間は以下の時間を含む:
【0075】
>onDurationTimer又はdrx−InactivityTimer又はdrx−RetransmissionTimer又はdrx−ULRetransmissionTimer又はmac−ContentionResolutionTimerが駆動中である;又は
【0076】
>スケジューリング要請がPUCCH上で送信され、係属(pending)中の;又は
【0077】
>係属中のHARQ再送信に対する上りリンクグラントが発生でき、同期HARQプロセスに対する該当HARQバッファー内にデータがある;又は
【0078】
>UEにより選択されなかったプリアンブルに対する任意接続応答(random access response)の成功的な受信後にUEのC−RNTIにアドレスされた新しい送信を示すPDCCHが受信されない時間。
【0079】
ここで、mac−ContentionResolutionTimerは、Msg3の送信後にUEがPDCCHをモニタする連続(consecutive)PDCCH−サブフレームの最大数を特定する。DRXが設定されると、各々のサブフレームに対して、MACエンティティは:
【0080】
>DL HARQ RTTタイマーがこのサブフレームで満了し、該当HARQプロセスのデータが成功的に復号されないと:
【0081】
>>該当HARQプロセスに対するdrx−RetransmissionTimerを開始する。
【0082】
>DRX命令MAC制御要素(control element)又は長い(Long)DRX命令MAC制御要素が受信されると:
【0083】
>>onDurationTimerを中止し;
【0084】
>>drx−InactivityTimerを中止する。
【0085】
>drx−InactivityTimerが満了するか、又はDRX命令MAC制御要素がこのサブフレームで受信されると:
【0086】
>>onDurationTimerを中止し;
【0087】
>>drx−InactivityTimerを中止する。
【0088】
>drx−InactivityTimerが満了するか、又はDRX命令MAC制御要素がこのサブフレームで受信されると:
【0089】
>>短いDRXサイクルが設定されると:
【0090】
>>>drxShortCycleTimerを開始又は再開始し;
【0091】
>>>短いDRXサイクルを使用する。
【0093】
>>>長いDRXサイクルを使用する。
【0094】
>drxShortCycleTimerがこのサブフレームで満了すると:
【0096】
>短いDRXサイクルが使用され、{(SFN*10)+サブフレーム番号}モジュロ(modulo)(shortDRX−Cycle)=(drxStartOffset)モジュロ(shortDRX−Cycle)であるか;
【0097】
>長いDRXサイクルが使用され、{(SFN*10)+サブフレーム番号}モジュロ(longDRX−Cycle)=drxStartOffsetであると:
【0098】
>>onDurationTimerを開始する。
【0099】
>アクティブ時間の間に、PDCCH−サブフレームに対して、サブフレームがハーフデュプレックスFDD UE動作に対する上りリンク送信のために要求されないと、またサブフレームが設定された測定ギャップの一部(part)ではないと;
【0101】
>>PDCCHがDL送信を指示するか、又はDL割り当てがこのサブフレームのために設定されると:
【0102】
>>>該当HARQプロセスに対するHARQ RTTタイマーを開始し;
【0103】
>>>該当HARQプロセスに対するdrx−RetransmissionTimerを中止する。
【0104】
>>PDCCHが新しい送信(DL又はUL)を示すと:
【0105】
>>>drx−InactivityTimerを開始又は再開始する。
【0106】
>アクティブ時間内ではない時、タイプ−0−トリガーされたSRS(type−0−triggered SRS)(36.213を参照)は報告されない。
【0107】
>CQIマスキング(cqi−Mask)が上位階層(例、RRC)によりセットアップされると:
【0108】
>>onDurationTimerが駆動中である時、PUCCH上のCQI/PMI/RI/PTIは報告されない。
【0110】
>>アクティブ時間内である時、PUCCH上のCQI/PMI/RI/PTIは報告されない。
【0111】
UEがPDCCHをモニタしているか否かに関係なく、そういうものが予測される時にはUEはHARQフィードバックを受信及び送信し、タイプ1−トリガーされたSRS(36.213を参照)を送信する。
【0112】
上記説明において、PDCCH−サブフレームはPDCCHを有するサブフレームである。任意のTDDサービングセルとして設定されないUEの場合、これは任意のサブフレームを示し、少なくとも1つのTDDサービングセルとして設定されたUEの場合、UEが集成されたセルで同時受信及び送信が可能であれば、これはRRCシグナリングにより提供されたschedulingCellIdパラメータで設定されたサービングセルを除いて、RRCシグナリングにより提供されたTDD−Config(3GPP TS 36.331を参照)により指示されたTDD UL/DL設定のDwPTSを含むサブフレーム及び下りリンクサブフレームの全てのサービングセルに対する和集合(union)を示し、そうではないと、これはSpCellがtdd−Configにより指示されたTDD UL/DL設定のDwPTSを含むサブフレーム又は下りリンクサブフレームで設定されたサブフレームを示す。
【0113】
より多い通信機器がより大きな通信容量を要求することにより、既存の無線接続技術(radio access technology、RAT)に比べて向上したモバイルブロードバンド通信の必要性が高まっている。また、多数の器機及びモノを連結していつでもどこでも多様なサービスを提供する大規模の(massive)MTCが次世代通信の主要争点の1つになっている。さらに信頼性及び遅延(latency)に敏感なサービス/UEを考慮した通信システムのデザインも考えられている。このように進歩したモバイルブロードバンド通信、mMTC、URLLC(Ultra−Reliable and Low Latency Communication)などを考慮した次世代RATの導入が論議されている。現在、3GPPではEPC以後の次世代移動通信システムに対する研究が進行中である。本発明では便宜上、該当技術を新しいRAT(new RAT、NR)或いは5G RATと呼ぶ。
【0114】
NR通信システムは、データレート、容量(capacity)、遅延、エネルギー消費及び費用の面で、既存の4世代(4G)システムより相当に優れる性能の支援が要求されている。従って、NRシステムは帯域幅、スペクトル、エネルギー、シグナリング効率及びビット当たりの費用の領域において相当な進歩が必要である。
【0116】
新しいRATシステムはLTEのOFDMパラメータとは異なるOFDMパラメータに従う。例えば、新しいRATシステムは以下の表のOFDMニューマロロジーを有することができる。
【0118】
又は新しいRATシステムはOFDM送信方式又は類似する送信方式を使用する。新しいRATシステムは既存のLTE/LTE−Aのニューマロロジーをそのまま従うが、より大きいシステム帯域幅(例えば、100MHz)を有することができる。又は、1つのセルが複数のニューマロロジーを支援することもできる。即ち、互いに異なるニューマロロジーで動作するUEが1つのセル内に共存することができる。例えば、以下の表におけるOFDMニューマロロジーのうちの1つ以上を新しいRATシステムのセルで使用できる。以下の表は、LTEシステムで使用された15kHzの副搬送波間隔を基本として、15kHzと倍数関係にある30kHz、60kHz、120kHzの副搬送波間隔を有するOFDMニューマロロジーを使用できることを示す。以下の表において、循環プレフィックス(cyclic prefix、CP)、システム帯域幅、及び利用可能な副搬送波の数は例示に過ぎず、以下の表に記載された値はやや変更可能である。例えば、代表的には60kHzの副搬送波間隔に対してシステム帯域幅を100MHzと設定でき、この場合、利用可能な副搬送波の数は1500を超えて1666より小さい値であることができる。また以下の表において、サブフレームの長さ及びサブフレーム当たりのOFDMシンボルの数は一例に過ぎず、他の値で定義されることができる。
【0120】
<サブフレーム構造>3GPP LTE/LTE−Aシステムで用いられる無線フレームは、10ms(307200Ts)の長さを有し、10個の均等なサイズのサブフレーム(subframe、SF)で構成される。1無線フレーム内の10個のサブフレームにはそれぞれ番号を与えることができる。ここで、T
sはサンプリング時間を示し、T
s=1/(2048*15kHz)で表示される。各々のサブフレームは1msの長さを有し、2個のスロットで構成される。1無線フレーム内において20個のスロットは0から19まで順にナンバリングされる。各々のスロットは0.5msの長さを有する。1サブフレームを送信するための時間は、送信時間間隔(transmission time interval、TTI)で定義される。時間リソースは無線フレーム番号(或いは無線フレームインデックスともいう)、サブフレーム番号(或いはサブフレーム番号ともいう)、スロット番号(或いはスロットインデックス)などにより区分される。TTIとは、データがスケジューリング可能な間隔を意味する。例えば、現在のLTE/LTE−Aシステムにおいて、ULグラント或いはDLグランドの送信機会は1msごとに存在し、1msより短い時間内にUL/DLグラント機会が複数存在することではない。従って、既存のLTE/LTE−AシステムにおいてTTIは1msである。
【0121】
図4は新しい無線接続技術(new radio access technology、NR)において利用可能なスロット構造を例示する図である。
【0122】
データ送信遅延を最小化するために、5世代の新しいRATでは制御チャネルとデータチャネルが時間分割多重化(time division multiplexing、TDM)されるスロットの構造が考えられている。
【0123】
図4において、斜線領域はDCIを運ぶDL制御チャネル(例えば、PDCCH)の送信領域を示し、黒色部分はUCIを運ぶUL制御チャネル(例えば、PUCCH)の送信領域を示す。ここで、DCIはgNBがUEに伝達する制御情報であり、DCIはUEが分かるべきセル設定(configuratoin)に関する情報、DLスケジューリングなどのDL特定的情報、またULグラントのようなUL特定的情報などを含む。またUCIはUEがgNBに伝達する制御情報であり、UCIはDLデータに対するHARQ ACK/NACK報告、DLチャネル状態に対するCSI報告、またスケジューリング要請(scheduling request,SR)などを含む。
【0124】
図4において、シンボルインデックス1からシンボルインデックス12までのシンボル領域は、下りリンクデータを運ぶ物理チャネル(例えば、PDSCH)の送信、又は上りリンクデータを運ぶ物理チャネル(例えば、PDCCH)の送信に使用される。
図4のスロット構造によると、1つのスロット内においてDL送信とUL送信が順に行われて、DLデータの送信/受信とDLデータに対するUL ACK/NACKの受信/送信が1つのスロット内で行われる。結果として、データ送信エラーの発生時にデータの再送信までにかかる時間を短縮させることにより、最終データ伝達の遅延を最小化することができる。
【0125】
このようなスロットの構造では、gNB及びUEは送信モードから受信モードへの転換過程又は受信モードから送信モードへの転換過程のための時間ギャップ(time gap)が必要である。このような送信モードと受信モードの間の転換過程のために、スロット構造においてDLからULに転換される時点の一部OFDMシンボルがガード期間(guard period、GP)に設定される。
【0126】
既存のLTE/LTE−Aシステムにおいては、DL制御チャネルはデータチャネルとTDMされ、制御チャネルであるPDCCHはシステムの全帯域に広がって送信される。しかし、新しいRATでは、1つのシステムの帯域幅が最小約100MHzに達すると予想されるので、制御チャネルを全帯域に拡散して送信することは無理である。UEがデータ送受信のために下りリンク制御チャネル受信のために全帯域をモニタリングすることは、UEのバッテリー消耗増大及び効率性低下を招く。従って、本発明ではDL制御チャネルをシステム帯域、即ちチャネル帯域内の一部の周波数帯域でローカライズ(localize)して送信するか、或いは分散して送信することができる。
【0127】
NRシステムにおいて、基本送信ユニット(basic transmission unit)はスロットである。スロット区間(duration)は正規(normal)循環プレフィックス(cyclic prefix、CP)を有する14個のシンボルからなるか、又は拡張CPを有する12個のシンボルからなる。また、スロットは使用された副搬送波間隔の関数であって、時間でスケーリングされる。NRシステムにおいて、スケジューラはTTIの単位(例えば、1つのミニスロット、1つのスロット或いは複数のスロット)で無線リソースを割り当てる。
【0128】
<アナログビーム形成(analog beamforming)>
【0129】
最近論議されている5世代移動通信システムは広い周波数帯域を用いて多数のユーザに高い送信率を維持しながらデータを送信するために高い超高周波帯域、即ち、6GHz以上のミリメートル周波数帯域を用いる方案を考慮している。3GPPではこれをNRと称しており、以下本発明ではNRシステムと称する。しかし、ミリメートル周波数帯域は非常に高い周波数帯域を用いるため、距離による信号減殺が急激であるという周波数特性を有する。従って、少なくとも6GHz以上の帯域を使用するNRシステムでは、急激な電波減殺特性を補償するために、信号送信を全方向ではなく特定の方向にエネルギーを集めて送信することにより、急激な電波減殺によるカーバリッジ減少の問題を解決する狭ビーム(narrow beam)送信技法を使用している。しかし、1つの狭ビームのみでサービスする場合、1つの基地局がサービスを提供する範囲が狭くなるので、基地局は多数の狭ビームを集めて広帯域にサービスを提供する。
【0130】
ミリメートル周波数帯域、即ち、ミリメートル波長(millimeter wave、mmW)帯域では、波長が短くなって、同じ面積に多数のアンテナ要素を設けることが可能になる。例えば、1cm程度の波長を有する30GHz帯域においては5by5cmのパネルに0.5λ(波長)間隔で2次元配列形態で総100個のアンテナ要素を設けることができる。よって、mmWでは、多数のアンテナ要素を使用してビーム形成利得を高めてカバレッジを増加させるか、或いは処理量(throughput)を高めることが考えられる。
【0131】
ミリメートル周波数帯域において狭ビームを形成する方法として、基地局やUEから多数のアンテナに適切な位相差を用いて同じ信号を送信することにより、特定の方向でのみエネルギーが高くなるビーム形成方式が主に考えられている。このようなビーム形成方式には、デジタル基底帯域(baseband)信号に位相差を形成するデジタルビーム形成、変調されたアナログ信号に時間遅延(即ち、循環遷移)を用いて位相差を形成するアナログビーム形成、デジタルビーム形成とアナログビーム形成を全て利用するハイブリッドビーム形成などがある。アンテナ要素ごとに送信パワー及び位相調節ができるようにトランシーバユニット(transceiver unit、TXRU)を有すると、周波数リソースごとに独立したビーム形成が可能になる。しかし、100余個の全てのアンテナ要素にTXRUを設けることは費用面で実効性が乏しい。即ち、ミリメートル周波数帯域は急激な電波減殺特性を補償するために多数のアンテナを使用する必要があり、デジタルビーム形成はアンテナ数ほどのRFコンポーネント(例えば、デジタルアナログコンバータ(DAC)、ミキサー(mixer)、電力増幅器(power amplifier)、線形増幅器(linear amplifier)など)を必要とするので、ミリメートル周波数帯域においてデジタルビーム形成を具現するためには通信機器の単価が上がる問題がある。従って、ミリメートル周波数帯域のようにアンテナが多く必要な場合には、アナログビーム形成又はハイブリッドビーム形成方式が考慮される。アナログビーム形成方式は、1つのTXRUに多数のアンテナ要素をマッピングし、アナログ位相遷移器(analog phase shifter)でビームの方向を調節する。かかるアナログビーム形成方式は全体帯域において1つのビーム方向のみを形成するので、周波数選択的ビーム形成(beamforming、BF)ができない短所がある。ハイブリッドBFはデジタルBFとアナログBFの中間形態であって、Q個のアンテナ要素より少ない数であるB個のTXRUを有する方式である。ハイブリッドBFの場合、B個のTXRUとQ個のアンテナ要素の連結方式によって差はあるが、同時に送信可能なビームの方向はB個以下に制限される。
【0132】
上述したように、デジタルビーム形成は、送信又は受信デジタルの基底帯域信号に対して信号処理を行うので、多重ビームを用いて同時に複数の方向に信号を送信又は受信できる反面、アナログビーム形成は、送信又は受信アナログ信号を変調した状態でビーム形成を行うので、1つのビームがカバーする範囲を超える複数の方向に信号を同時に送信又は受信することができない。通常、基地局は広帯域送信又は多重アンテナ特性を用いて同時に多数のユーザと通信を行うが、基地局がアナログ又はハイブリッドビーム形成を使用し、1つのビーム方向にアナログビームを形成する場合には、アナログビーム形成の特性上、同じアナログビーム方向内に含まれるユーザとのみ通信が可能である。後述する本発明によるRACHリソース割り当て及び基地局のリソース活用方案は、アナログビーム形成又はハイブリッドビーム形成の特性により発生する制約事項を反映して提案される。
【0133】
<ハイブリッドアナログビーム形成(hybrid analog beamforming)>
【0134】
図5は送受信器ユニット(transceiver unit、TXRU)及び物理的アンテナの観点でハイブリッドビーム形成の構造を抽象的に示す図である。
【0135】
複数のアンテナが使用される場合、デジタルビーム形成及びアナログビーム形成を結合したハイブリッドビーム形成技法が考えられている。この時、アナログビーム形成(又はRFビーム形成)は、RFユニットがプリコーディング(又は結合(combining))を行う動作を意味する。ハイブリッドビーム形成において、基底帯域(baseband)ユニットとRFユニットは各々プリコーティング(又は結合)を行い、これによりRFチェーンの数とD/A(又はA/D)コンバータの数を減らしながらデジタルビーム形成に近接する性能を得られるという長所がある。説明の便宜上、ハイブリッドビーム形成の構造は、N個のTXRUとM個の物理的アンテナで表すことができる。この時、送信端から送信するL個のデータレイヤに対するデジタルビーム形成は、L−by−L行列で表され、その後、変換されたN個のデジタル信号はTXRUを介してアナログ信号に変換され、変換された信号に対してM−by−N行列で表されるアナログビーム形成が適用される。
図5において、デジタルビームの数はLであり、アナログビームの数はNである。さらに、NRシステムにおいては、アナログビーム形成をシンボル単位で変更できるように基地局を設計して、特定の地域に位置したUEに効率的なビーム形成を支援する方向が考えられている。また、N個のTXRUとM個のRFアンテナを1つのアンテナパネルと定義した時、NRシステムにおいては、互いに独立したハイブリッドビーム形成が適用可能な複数のアンテナパネルを導入する方案も考えられている。以上のように基地局が複数のアナログビームを活用する場合、UEごとに信号の受信に有利なアナログビームが異なるので、少なくとも同期信号、システム情報、ページング(paging)などについては、特定のスロット又はサブフレームにおいて基地局が適用する複数のアナログビームをシンボルごとに変化させて全てのUEが受信機会を有するようにするビームスイーピング(beam sweeping)動作が考えられている。
【0136】
最近3GPP標準化団体では、5G無線通信システムである新しいRATシステム、即ち、NRシステムにおいて単一の物理ネットワーク上に複数の論理ネットワークを具現するネットワークスライシングが考慮されている。論理ネットワークは様々な要求条件を有する様々なサービス(例えば、eMBB、mMTC、URLLCなど)を支援する必要があり、NRシステムの物理階層システムでは、様々なサービスによる可変的なニューマロロジーを有し得る直交周波数分割多重化(orthogonal frequency division multiplexing、OFDM)方式を支援する方案が考慮されている。言い換えれば、NRシステムでは、時間及び周波数リソース領域ごとに互いに独立したニューマロロジーを有するOFDM方式(又は多重接続方式)が考慮されている。
【0137】
また、最近スマート機器の登場によってデータトラフィックが急増することにより、NRシステムではより高い通信容量(例えば、データ収率など)の支援が求められている。通信容量を高める1つの方案として、多数の送信(又は受信)アンテナを活用してデータ送信を行う方法が考えられる。多数のアンテナに対してデジタルビーム形成を適用する場合、各アンテナごとにRFチェーン(例えば、電力増幅器(power amplifier)、ダウンコンバータ(down converter)などのRF素子からなるチェーン)とデジタル−to−アナログ(digital−to−Analog、D/A)又はアナログ−to−デジタル(analog−to−digital、A/D)コンバータが必要であるが、かかる構造は、高いハードウェア複雑度と高い電力消耗を引き起こして実用的ではない。従って、NRシステムでは、多数のアンテナが使用される場合、上述したデジタルビーム形成とアナログビーム形成を混用するハイブリッドビーム形成技法が台頭されている。
【0138】
図6は新しい無線接続技術(new radio access technology、NR)システムのセルを例示する図である。
【0139】
図6を参照すると、NRシステムにおいて、既存のLTEなどの無線通信システムに1つの基地局が1つのセルを形成したこととは異なり、複数のTRPが1つのセルを構成する方案が論議されている。複数のTRPが1つのセルを構成すると、UEをサービスするTRPが変わっても中断されずに通信が続行され、UEの移動性管理が容易である。
【0140】
LTE/LTE−Aシステムにおいて、PSS/SSSは全−方位的(omni−direction)に送信されることに反して、mmWaveを適用するgNBがビーム方向を全−方位的に変化しながらPSS/SSS/PBCHなどの信号をビーム形成して送信する方法が考えられている。このように、ビーム方向を変化しながら信号を送信/受信することをビームスイーピング(beam sweeping)又はビームスキャニングという。例えば、gNBが最大N個のビーム方向を有すると仮定すると、N個のビーム方向に対して各々PSS/SSS/PBCHなどの信号を送信する。即ち、gNBは自分が有し得る又は支援しようとする方向をスイーピングしながら各々の方向に対してPSS/SSS/PBCHなどの同期信号を送信する。又はgNBがN個のビームを形成できる場合、いくつずつのビームを集めて1つのビームグループを構成でき、ビームグループごとにPSS/SSS/PBCHを送信/受信することができる。この時、1つのビームグループは1つ以上のビームを含む。同じ方向に送信されるPSS/SSS/PBCHなどの信号が1つのSSブロックと定義されることができ、1つのセル内に複数のSSブロックが存在することができる。複数のSSブロックが存在する場合、各SSブロックの区分のために、SSブロックインデックスを使用できる。例えば、1つのシステムにおいて10つのビーム方向にPSS/SSS/PBCHが送信される場合、同方向へのPSS/SSS/PBCHが1つのSSブロックを構成することができ、該当システムでは10つのSSブロックが存在すると理解できる。本発明において、ビームインデックスはSSブロックインデックスと解析できる。
【0141】
図7はSSブロック送信及びSSブロックにリンクされたRACHリソースを例示する図である。
【0142】
gNBが1つのUEと通信するためには、gNBとUEの間の最適のビーム方向を把握する必要があり、UEの動きによって最適のビーム方向も変化するので、最適のビーム方向を持続的に追跡する必要がある。gNBとUEの間の最適のビーム方向を把握する過程をビーム獲得(beam acquisition)過程といい、最適のビーム方向を持続的に追跡する過程をビーム追跡(beam tracking)過程という。ビーム獲得過程は、1)UEがgNBに最初に接続を試みる初期接続、2)UEが1つのgNBから他のgNBに移るハンドオーバー、3)UEとgNBの間の最適のビームを探すビーム追跡中に最適のビームを失い、gNBとの通信が最適の通信状態を持続できないか又は通信不可能になった状態、即ち、ビーム失敗(beam failure)を回復するためのビーム回復(beam recovery)などに必要である。
【0143】
現在開発中であるNRシステムの場合、多重ビームを使用する環境においてビーム獲得のために多段階のビーム獲得過程が論議されている。多段階のビーム獲得過程において、gNBとUEが初期接続段では広いビームを用いて連結設定を進行し、連結設定の完了後、gNBとUEは狭いビームを用いて最適の品質で通信を行う。本発明において主に論議するNRシステムのビーム獲得のために様々な方式が論議されているが、現在最も盛んに論議される方式は以下のものである。
【0144】
1)gNBはUEが初期接続段階でgNBを探し、即ち、セル探索(cell search)或いはセル獲得を行い、広いビームのビームごとのチャネル品質を測定してビーム獲得の1次段階で使用する最適の広いビームを探すために、広いビームごとに同期ブロック(synchronization block)を送信する。2)UEはビームごとの同期ブロックに対してセル探索を行い、ビームごとのセル検出結果を用いて下りリンクビーム獲得を行う。3)UEは自分が探したgNBに自分の接続を知らせるために、RACH過程を行う。4)UEがRACH過程と同時に広いビームレベルで下りリンクビーム獲得結果(例、ビームインデックス)をgNBに知らせるために、gNBはビームごとに送信された同期ブロックとRACH送信のために使用されるRACHリソースを連結或いは連関させる。UEは自分が探した最適のビーム方向に連結されたRACHリソースを用いてRACH過程を行うと、gNBはRACHプリアンブルの受信過程でUEに適合した下りリンクビームに関する情報を得る。
【0145】
多重ビーム環境においては、UEと送信及び受信ポイント(transmission and reception point、TRP)の間のTxビーム及び/又は受信(reception、Rx)ビーム方向をUE及び/又はTRPが正確に決定できるかが問題である。多重ビーム環境において、TRP(例、eNB)或いはUEのTX/RX相互能力によって信号送信を繰り返し或いは信号受信のためのビームスイーピングが考えられる。TX/RX相互能力はTRP及びUEにおけるTX/RXビーム対応性(correspondence)ともいう。多重ビーム環境において、TRP及びUEでTX/RX相互能力が有効ではないと、UEは自分が下りリンク信号を受信したビーム方向に上りリンク信号を送信しないことができる。ULの最適の経路とDLの最適の経路が異なることがあるためである。TRPにおけるTX/RXビーム対応性は、TRPがTRPの1つ以上のTXビームに関するUEの下りリンク測定に基づいて該当上りリンク受信のためにTRP RXビームを決定できると、及び/又はTRPがTRPの1つ以上のRXビームに関するTRP’の上りリンク測定に基づいて該当下りリンク送信に対するTRP TXビームを決定できると、有効である。UEにおけるTX/RXビーム対応性は、UEがUEの1つ以上のRXビームに関するUEの下りリンク測定に基づいて該当上りリンク送信のためのUE RXビームを決定できると、及び/又はUEがUEの1つ以上のTXビームに関する上りリンク測定に基づくTRPの指示(indication)に基づいて該当下りリンク受信に対するUE TXビームを決定できると、有効である。
【0146】
gNBとUEにおける送信及び受信のためのビームセットの獲得及び維持(maintenance)をビーム管理という。即ち、ビーム管理は、DL及びULの送信/受信のために使用できるTRP及び/又はUEビームセットを得て維持するL1/L2過程のセットである。ビーム管理は少なくとも以下の様相(aspect)を含む:
【0147】
*TRP又はUEが自分のTx/Rxビームを選択するためのビーム決定(beam determination);
【0148】
*TRP又はUEが受信されたビーム形成された信号の特性(characteristic)を測定するためのビーム測定(beam measurement);
【0149】
*UEがビーム測定に基づいてビーム形成された信号の情報を報告するためのビーム報告(beam reporting)及び/又は
【0150】
*所定の方式で時間間隔(time interval)の間に送信及び/又は受信されるビームを有して、空間(spatial)領域をカバーする動作であるビームスイーピング(beam sweeping)。
【0151】
以下のDL L1/L2ビーム管理過程が1つ又は多数のTRP内で支援される:
【0152】
*P−1:TRP Txビーム/UE Rxビームの選択を支援するために、異なるTRP Txビームに対するUE測定を可能にするために使用される。TRPにおけるビーム形成の場合、P−1は通常的には互いに異なるビームセットからのイントラ/インタ−TRP Txビームスイープ(sweep)を含む。UEにおけるビーム形成の場合、P−1は通常、異なるビームセットからのUE Rxビームスイープを含む。
【0153】
*P−2:インタ/イントラ−TRP Txビームを変更するために、異なるTRP Txビームに対するUE測定を可能にするために使用される。P−1においてより微細なビーム調整のために小さいビームセットからのビームに対してP−2が使用される可能性がある。P−2はP−1の特別ケースである。
【0154】
*P−3:UEがビーム形成を使用する場合、UR Rxビームを変更するために、同じTRP Txビームに対するUE測定を可能にするために使用される。
【0155】
少なくともネットワークによりトリガーされた非周期的ビーム報告は、P−1、P−2及びP−3関連動作下で支援される。ビーム管理のためのRS(少なくともCSI−RS)に基づくUE測定は、K個(=所定のビームの総数)のビームで構成され、UEはN個の選択されたTxビームの測定結果を報告する。ここで、Nは必ず固定する数ではない。移動性のためのRSに基づく過程が排除されない。N<Kであると、報告情報は少なくともN個のビームに対する測定量(measurement quantity)及びN個のDL Txビームを示す情報を含む。特に、UEがK'>1個の非ゼロ電力(non−zero power、NZP)CSI−RSリソースを有して設定されると、UEはN'個のCSI−RSリソース指示子(CSI−RS resource indicator、CRI)を報告することができる(3GPP TS 38.214を参照)。UEはビーム管理のために以下の上位階層(例、RRC)パラメータを有して設定される:N≧1個の報告セット(reporting setting)、M≧1個のリソースセット。報告セットとリソースセットの間のリンクは、同意されたCSI測定セット内に設定される。CSI−RS基盤のP−1及びP−2がリソース及び報告セットを有して支援される。P−3は報告セットを有して又は報告セットを有さず支援されることができる。報告セットは少なくとも選択されたビームを示す情報、L1測定報告、時間−ドメイン行動(例、非周期的、周期的、準−持続的)、多数の周波数粒度(granularity)が支援されると、周波数−粒度を含む。リソースセットは少なくとも時間−ドメイン行動(例、非周期的、周期的、準−持続的)、RSタイプ(少なくともNZP CSI−RS)、各CSI−RSリソースセットがK≧1個のCSI−RSリソースを有する少なくとも1つのCS−RSリソースセットを含むことができる。K個のCSI−RSリソースの一部のパラメータ(例えば、ポーと番号、時間−ドメイン行動、密度及び周期など)は同一であることができる。ビーム報告に対して少なくとも以下の2つの可能性が支援される。
【0157】
UEは選択されたUE Rxビームセットを使用して受信可能なTRP Txビームに関する情報を報告する。ここで、RxビームセットはDL信号を受信するために使用されるUE Rxビームのセットをいう。どのようにRxビームセットを構築するかは、UE具現の問題である。一例としては、UE Rxビームセット内のRxビームが各々パネル内の選択されたRxビームに対応することができる。1つ以上のUE Rxビームセットを有するUEの場合、UEはTRP Txビームと、報告されたTxビーム当たりの連関するUE Rxビームセットの識別子を報告することができる。同じRxビームセットに対して報告された異なるTRP TxビームはUEにおいて同時に受信されることができる。異なるUE Rxビームセットに対して報告された異なるTRP Txビームは、UEで同時に受信されないこともできる。
【0159】
UEはUEアンテナグループ当たりTRP Txビームに関する情報を報告するが、ここでUEアンテナグループはUEアンテナパネル又はサブアレイを示す。1つ以上のUEアンテナグループを有するUEに対して、UEはTRP Txビーム、また報告されるTxビーム当たりの連関UEアンテナグループの識別子を報告することができる。異なるアンテナグループについて報告された異なるTxビームは、UEで同時に受信されることができる。同じUEアンテナグループに対して報告された異なるTxビームは、UEで同時に受信されないこともできる。
【0160】
またNRシステムは、L>1のL個のグループを考えた後のビーム報告を支援し、各グループは、どの代案が採択されたかによって、Rxビームセット(Alt1)又はUEアンテナグループ(Alt2)を参照する。各グループlに対して、UEは少なくとも以下の情報を報告する:一部のケースに対して少なくともグループを示す情報;N
l個のビームに対する測定量;(CSI−RSがCSIを得るためのものである時)RSRP及びCSI報告;及び/又は適用可能であれば、N
l個のDL Txビームを示す情報。かかるグループに基づくビーム報告は、UE単位で設定可能である。かかるグループ基盤のビーム報告は、例えば、L=1又はN
l=1である時、UE単位でターンオフされる。グループ基盤のビーム報告がターンオフされると、いかなるグループ識別子も報告されないことができる。
【0161】
NRシステムはUEがビーム失敗から回復するためのメカニズムをトリガーできることを支援する。ビーム失敗イベントは、連関する制御チャネルのビーム対(pair)リンクの品質が十分に低い時に発生する(例、臨界値との比較、連関するタイマーのタイムアウト)。ビーム失敗から回復するためのメカニズムは、ビーム失敗が発生した時にトリガーされる。ここで、ビーム対リンクは便宜のために使用され、規格(specification)として使用されるか又は使用されないことができる。ネットワークは回復のために信号のUL送信のためのリソースを有してUEを明示的に設定する。リソースの設定は基地局が全体又は部分方向から聞いているところ、例えば、任意接続領域で支援される。ビーム失敗を報告するためのUL送信/リソースは、PRACH(PRACHリソースに直交するリソース)のような時間インスタント又はPRACHとは異なる(UEに対して設定可能な)時間インスタントに位置することができる。DL信号の送信は新しい潜在的ビームを識別するために、UEがビームをモニタすることを許容するために支援される。
【0162】
NRシステムはビーム関連の指示を有して、又はビーム関連の指示を有さずにビーム管理を支援する。ビーム関連の指示が提供される場合、CSI−RS基盤の測定のために使用されるUE側のビーム形成/受信過程に関する情報は、QCL(quasi co−location)によりUEに指示されることができる。NRシステムは制御チャネル及び該当データチャネルの送信において同じ又は異なるビームを使用することを支援する。
【0163】
ビーム対リンクのブロッキングに対して堅固性(robustness)を支援するNR−PDCCH送信のために、UEは同時にM個のビーム対リンク上のNR−PDCCHをモニタするように設定され、ここでM≧1であり、Mの最大値は少なくともUE能力に依存する。UEは異なるNR−PDCCH OFDMシンボルで異なるビーム対リンク上のNR−PDCCHをモニタするように設定される。多数のビーム対リンク上でNR−PDCCHをモニタするためのUE Rxビームセットに関連するパラメータは、上位階層シグナリング又は媒体接続制御(medium Access control、MAC)の制御要素(control element、CE)により設定されるか、及び/又は探索空間の設計で考慮される。少なくともNRシステムは、DL RSアンテナポートとDL制御チャネルの復調のためのDL RSアンテナポートの間の空間QCL仮定の指示を支援する。NR−PDCCHに対するビーム指示のための候補シグナリング方法(即ち、NR−PDCCHをモニタするようにする設定方法)は、MAC CEシグナリング、RRCシグナリング、下りリンク制御情報(downlink control information、DCI)シグナリング、規格−明らかな(specification=transparent)及び/又は暗黙的な方法、またこれらのシグナリング方法の組み合わせである。場合によっては、指示が不要である。
【0164】
ユニキャストDLデータチャネルの受信のために、NRシステムはDL RSアンテナポートとDLデータチャネルのDMRSアンテナポートの間の空間QCL仮定の指示を支援する。上記RSアンテナポートを示す情報は、DCI(例、下りリンクグラント)により指示される。上記情報はDMRSアンテナポートとQCLされたRSアンテナポートを指示する。DLデータチャネルに対するDMRSアンテナポートのセットは、他のセットのRSアンテナポートとQCLされたことと指示できる。場合によっては、指示が不要である。
【0165】
一方、従来のLTEシステムにおいて、UEが接続ネットワーク上でRRC_IDLE状態であると、コアネットワークではECM_IDLE状態であり、接続ネットワーク上でRRC_CONNECTED状態であると、コアネットワーク上ではECM_CONNECTED状態にある。即ち、従来のLTEシステムにおいて、RRC_IDLEのUEはECM_IDLEのUEであり、RRC_CONNECTEDのUEはECM_CONNECTEDのUEである。IDLEであるUEの場合、(S1−MMEにわたる)論理(logical)S1−AP(S1 Application Protocol)シグナリング連結及びUEのための(S1−U内の)全てのS1ベアラがない。IDLEであるUEの場合は、ネットワークの観点で制御平面ではUEとのS1シグナリング及びRRC連結が、またユーザ平面ではUEとの下りリンクS1ベアラ及びデータ無線ベアラ(data radio bearer、DRB)が行われないか又は解除されている。IDLEであるUEの観点でIDLE状態は、制御平面及びユーザ平面の各々において自分のRRC連結及びDRBがないことを意味する。例えば、連結解除過程によって連結が一応解除されると、UEとMMEの間のECM連結が解除され、UEと連関する全てのコンテキストがeNBから削除される。その後、UEはUE及びMMEではECM_CONNECTED状態からECM_IDLE状態に遷移し、UE及びeNBではRRC_CONNECTED状態からECM_IDLE状態に遷移する。このため、UEに対する連結制御がいつでもコアネットワークにより行われ、UEに対するページングもコアネットワークによって開始及び管理される必要がある。従って、UEとネットワークの間のトラフィック輸送が支援することができる。また、RRC_IDLEのUEがトラフィックを送信する場合、或いはネットワークがRRC_IDLEのUEにトラフィックを送信する場合、サービス要請過程によりUEがRRC_CONNECTEDに遷移するが、このサービス要請過程は様々なメッセージ交換を伴う。このため、UEとネットワークの間のトラフィック輸送が遅延することができる。RRC_IDLEとRRC_CONNECTEDの間の遷移過程で発生する遅延を減らすために、LTE−AシステムにRRC_INACTIVE状態を導入しようとする論議があり、5GシステムでもRRC_INACTIVE状態を支援することが考えられている。例えば、5GシステムのRRC階層は以下の特性を有する3つの状態を支援することができる(3GPP TR 38.804 v0.7.0を参照)。
【0168】
−ページングがコアネットワーク(core network、CN)により開始される;
【0169】
−ページング領域がCNにより管理される。
【0171】
−セル再選択移動性(mobility);
【0172】
−CN−NR RAN連結(制御平面及びユーザ平面の両方)がUEに対して行われる(establish);
【0173】
−UE接続層(access stratum、AS)コンテキストが少なくとも1つのgNB及びUEに貯蔵されている;
【0174】
−ページングが新しいRAT無線接続ネットワーク(new RAT radio Access network、NR RAN)により開始される;
【0175】
−RAN基盤の通知(notification)領域がNR RANにより管理される;
【0176】
−NR RANがUEが属したRAN基盤の通知領域を知る;
【0179】
−UEがNRにASコンテキストを有する;
【0180】
−NR RANがUEが属したセルを知る;
【0181】
−UEへの/からのユニキャストデータの伝達(transfer);
【0182】
−NR内及びE−UTRANへの/からのネットワーク制御移動性(network controlled mobility)、即ち、ハンドオーバー
【0183】
図8はUE状態遷移を例示する図である。UEは1回に1つのRRC状態のみを有する。
【0184】
図8を参照すると、以下の状態遷移がRRC状態の間で支援される:“連結設定(connection setup)”過程(例、要請、設定、完了)に従って、RRC_IDLEからRRC_CONNECTEDに;(少なくとも)“連結解除(connection release)”過程に従って、RRC_CONNECTEDからRRC_IDLEに;“連結非活性化(connection inactivation)”過程に従って、RRC_CONNECTEDからRRC_INACTIVEに;“連結活性化”過程に従って、RRC_INACTIVEからRRC_CONNECTEDに。
【0185】
RRC_INACTIVE状態のUEは、RAN基盤の通知領域に設定されることができ、その後:通知領域は単一又は多数のセルをカバーでき、CN領域より小さく;UEは上記通知領域の境界内にある時にはいかなる“位置更新(location update)”指示も送信せず;上記通知領域から離れると、UEは自分の位置をネットワークに更新する。
【0186】
<RRC_CONNECTEDにおいてDRXの間にビーム維持>
【0187】
本発明では、RRC_CONNECTED状態のDRXモードであるUEがビーム維持を行う方式を提案する。
【0188】
RRC_CONNECTED状態で送信/受信データが一時的にない場合、連結を維持した状態でUEのバッテリー消耗を減らすためにUEはDRXモードで動作する。DRXモードにおいてPDCCHをモニタ/受信するアクティブ時間区間(例、“On Duration”)と送信/受信器を非活性化(inactive)する時間区間(例、“潜在的非活性化”)が周期的に示される。“潜在的非活性”区間の間にもUEはULデータが発生した場合にはスケジューリング要請(scheduling request、SR)を送信し、ULグラントを受信するためにPDCCHをモニタする必要がある。mmWでのように、アナログビーム形成などの技術によって多重ビームを使用するシステムは、最適の送信/受信ビームを維持するためのビーム維持過程を行う。かかるビーム維持過程はビーム測定、また報告過程を含む。ビーム維持のためにUEはビームごとに測定RSの参照信号受信電力(reference signal received power、RSRP)(又はチャネル品質指示子(channel quality indicator、CQI))を測定して、その結果が一定の条件を満たすと、報告のためのSRを送信し、回答としてULチャネルが割り当てられ、割り当てられたULチャネルを介してその結果を報告する。又はUEはビームごとに測定RSを測定し、その結果を所定の周期的ULチャネルを介して報告することができる。gNBはUEからの報告に基づいてサービングビームの変更有無を選択し、それをUEに知らせる。以下では、ビームごとの測定RSをMRSと呼ぶが、ビームごとのRSRPは同期信号(synchronization signal、SS)又はCSI−RSを使用して行われることもできる。
【0189】
RRC_CONNECTEDにおけるDRXの間にビーム維持に関する本発明の提案1は、UEがRRC_CONNECTED状態のDRXモードで“On Duration”とは関係なくビーム維持過程を行う。即ち、“潜在的非活性”区間でもUEはMRS送信周期に合わせて受信器を動作させてMRSを測定し、必要によってその結果を報告する。本発明の提案1において、UEはビーム測定結果報告のために“潜在的非活性”区間でSRを送信し、報告のためのULグラントを受信するためにPDCCHをモニタする。又はUEは“潜在的非活性”区間でも所定のULチャネルを介して最適のビーム変更有無又は最適のビームに対するRSRP(又はCQI)を報告する。UEはビーム測定結果報告のための周期的なULチャネルが設定された時、DRX動作中の“潜在的非活性”区間で測定結果を報告するか否かがgNBによりUEに予め設定される。
【0190】
さらに、DRX動作中にUEがサービングビームとは異なるビームを最適のビームに選択して報告した場合、それに対する回答としてgNBからサービングビーム変更命令が受信されるまで“潜在的非活性”区間でもPDCCHを受信してモニタする。サービングビームの変更命令はPDCCHを介して直接UEに伝達されるか、又はPDCCHを介してスケジューリングされるPDSCHのMACメッセージによりUEに伝達される。gNBはDRX動作するように設定されたUEがサービングビームとは異なるビームを最適のビームに選択して報告した場合には、常に一定時間内にサービングビームをUEが報告したビームに変更するサービングビームの変更命令を送信する。
【0191】
具体的には、DRX動作中にUEが所定の周期的ULチャネルを介してビーム測定結果を報告する時、サービングビームの品質が一定の条件を満たす時には、ビーム測定結果の報告後に“潜在的非活性”区間の間にPDCCHをモニタしないが、サービングビームの品質が一定の条件を満たさない場合には、ビーム測定結果の報告後に“潜在的非活性”区間の間にもサービングビーム変更命令が受信されるまでPDCCHを受信してモニタする。一定の条件としては以下の条件が考えられる。
【0192】
>ケース1:サービングビームに該当するMRSの測定RSRPが最大のRSRPを有する他のビームのMRSに比べてXdB以下に落ちた場合、ここで、Xは予めgNBによってUEに設定されることができる。
【0193】
>ケース2:サービングビームに該当するMRSの測定RSRPが決められた臨界(threshold)未満に落ちた場合、ここで、臨界は予めgNBからUEに設定されることができる。
【0194】
UEはDRXの“潜在的非活性”区間にも測定結果が特定の条件を満たすと、ビーム測定結果報告のためのULリソース割り当てを要請するためにSRを送信し、ビーム測定結果報告のためのULグラントを受信するためにPDCCHをモニタする。この時、SRを送信する条件として上述したケース1又はケース2が適用される。また、どの条件を使用するか、また該当条件のパラメータ(例、X又は臨界)の設置値はDRX動作と非−DRX動作に対して別別に設定される。
【0195】
DRX動作のうち、測定報告後にUEがサービングビーム変更命令を受信するためにPDCCHモニタリングを行う時間区間が指定されることができる。例えば、UEがサブフレーム(subframe、SF)#nで測定報告した場合、UEはSF#n+K1からSF#n+K2までの時間区間でPDCCHをモニタして、gNBが送信したサービングビーム命令を受信するように設定できる。ここで、K1とK2は予めgNBからUEに設定される。K1とK2は、UEがDRX動作中に使用するK1とK2の値ではない時に使用されるK1とK2の値とは異なるように設定できる。例えば、gNBのスケジューリング柔軟性(flexibility)が減少しても、UEのバッテリー消耗を減らすために、UEがサービングビーム命令を伴うPDCCHの送信可能ウィンドウがDRX動作中である時には小さく設定されることができる。DRX動作するように設定されたUEがビーム測定結果をSF#nで報告した場合、gNBはSF#n+K1からSF#n+K2までの時間区間内でサービングビーム変更命令を送信する。
【0196】
UEが設定されたウィンドウ区間の間にサービングビームの変更命令を受信できなかった場合、ビーム測定報告を再送信することができる。設定された最大の再送信回数だけ上記UEがビーム測定報告を送信したが、サービングビーム変更命令を受信できなかった場合は、UEはビーム回復過程を行う。ここで、ビーム測定報告のための最大の再送信回数は、gNBが設定してシグナリングすることができる。
【0197】
RRC_CONNECTEDにおけるDRXの間のビーム維持に関する本発明の提案2は、UEがRRC_CONNECTED状態のDRXモードで“On Duration”の間に送信されるMRSを測定できるように“DRXサイクル”及び“On Duration”を設定する。例えば、MRSが5ms間隔で送信されるシステムにおいて、“DRXサイクル”は5msの倍数に設定され、DRXサイクルの開始時点はMRS送信時点から何回目のスロット、或いは何ms後であるかを示すオフセットにより設定される。また“On Duration”は全てのビームのMRS送信に所要される時間より大きく設定される。
【0198】
また、ビーム測定結果報告のために周期的なULチャネルがUEに設定された場合、UEがDRXモードに進入すると、UEは“On Duration”区間と重なるULリソースでのみ測定結果を報告するように設定される。
【0199】
また代案2において、ビーム測定報告のためのSRはデータ送信のためのSRとは区分され、ビーム測定報告のためのSR、即ち、ビーム測定報告のためのリソース割り当て要請のためのSRに対する応答として送信されるULグラントは、“On Duration”の間にのみ送信されるように限定できる。即ち、提案2によれば、DRXモードでUEは、データ送信のためのSR送信後には“潜在的非活性”区間でもPDCCHをモニタするが、DRXモードにおいてUEはビーム測定報告のためのSR送信後には“潜在的非活性”区間でPDCCHをモニタしなくても良い。提案2においてgNBは、特定UEのサービングビーム変更命令を該当UEが“On Duration”である間に送信する。
【0201】
図9は本発明によるビーム回復過程を概略的に示す図である。
【0202】
以下、DRXモードのUEが電力消耗を最小化するためにビーム維持過程を行わないように設定された場合、gNB又はUEで送信するデータが発生した時に通信のためのサービングビームを再設定する本発明のビーム回復方法を説明する。本発明によるビーム回復方法は、RRC_CONNECTED状態のDRXモード又はRRC_INACTIVE状態のDRXモードで使用できる(S900)。
【0203】
本発明はUEで送信するデータが発生すると(S903)、“UE開始ビーム回復(UE initiated beam recovery)”過程を開始し(S904)、gNBで送信するデータが発生した場合(S901)、“NB開始ビーム回復(NB initiated beam recovery)”過程を開始する(S902)。以下、UEはDRXモードで“On Duration”とは関係なくビーム測定を行って潜在的な送信/受信のための最適のビームを常にトラッキングする。
【0204】
ビーム失敗とは、UEが設定された全てのサービングビームと通信できない状態をいう。本発明はUEがサービングDLビームを用いた通信が全く不可能ではないが、周期的なビーム報告が不可能なDRX状態でビーム報告及びサービングビーム更新が必要であると判断される時点にUE或いはgNBがビーム管理をトリガーするビーム回復を提案する。UEが自分に設定されたいかなるサービングビームでもgNBと通信できない時、トリガーされるビーム失敗によるビーム回復過程とは異なり、本発明によるビーム回復過程では、UEがDRX状態である時、UEにULデータが発生又はgNBにDLデータがある時にトリガーできる。
【0206】
DRX状態のUEが送信するデータが発生した場合、利用可能なULリソースがないと、UEはSR或いはRACHを送信してULリソースの割り当てを要請する。例えば、DRX状態のUEが送信するデータは発生した場合(S903)、UEはビーム回復のために設定されたリソース(以下、SRリソース)によりSRを送信する(S904)。かかるSRリソースはgNBのビームごとに多数個を設定でき、UEはMRS測定により得た最適の受信品質を有するMRSのビームに連結されているSRリソースによりSRを送信する。又はかかるSRリソースはgNBの同期信号(synchronization signal、SS)ブロックごとに多数個を設定でき、UEはSSブロックごとのRSRP測定により得た最適の受信品質を有するSSブロックに連結されているSRリソースによりSRを送信する。ここで、SSブロックはgNBのビームごとに送信される。gNBはSR受信時点にどのSRリソースでどのUEからSRが受信されたかを決定する。このために、gNBは予めUEごとに独立したSRリソースを割り当てることができる。gNBのビームがM個ある場合、gNBはUEごとにM個のSRリソースを割り当ててシグナリングする。ここで、SRリソースは周波数、時間及びコードシーケンスにより区分できる。即ち、多数のUEのSRリソースは、周波数分割多重化(frequency division multiplexing、FDM)、時間分割多重化(time division multiplexing、TDM)、及びコード分割多重化(code division multiplexing、CDM)されて互いに区分される。gNBはSRを送信したUEがUEに割り当てられたM個のSRリソースのうち、どのリソースでSRを送信したかによって、UEがどのビームを最適のビームに報告したかを判断することができる。gNBはUEが報告した情報に基づいてUEのためのビーム方向を決定し、決定されたビーム方向にUEにULグラントを送って、UEをして具体的なビーム状態報告及び/又はバッファー状態報告を行うようにする。ここで、SRを運ぶUL SRチャネルは、任意接続チャネル(random access channel、RACH)と呼ばれる。特にgNBは競争フリーRACHリソースをUEに割り当てて、UEのDRXモードでUEにより送信するデータが発生した場合、UEがビーム回復を試みたことを知らせるために競争フリーRACHリソースを使用できるようにする。かかる目的のRACHリソースは、初期接続又はハンドオーバーのために使用されるRACHリソースとは区分して設定される。またDRXモードで送信するデータが発生してビーム回復を試みたことを知らせるためにRACHリソースを使用する場合、UEはUL同期化された(synchronized)送信のために、今まで累積されたタイミングアドバンス値適用してRACHを送信する。多重ビームが使用される環境/セルでUEが大きく移動しない場合、以前に適用したタイミングアドバンス値が有効であるためである。UEの各々の累積されたタイミングアドバンス値を使用すると、同じ無線リソースにより多いRACHリソースを割り当てることができる。これは一般的に初期接続又はハンドオーバーのためにRACHを送信する時にタイミングアドバンス値を0にセットしてRACHを送信することとは対比される。
【0207】
DRXモードで送信するデータがUEで発生してビーム回復を試みたことを知らせるために使用されるSR又は競争フリーRACHリソースは、ビーム失敗の状況においてビーム回復のために使用されることもできる。例えば、UEにはDRXモード設定とは関係なく、ビーム回復のためのSR又は競争フリーRACHリソースが割り当てられることができる。UEはこのように設定されたリソースを、非DRX(non−DRX)モードではビーム失敗の状況においてビーム回復のために使用し、DRXモードでは送信するデータが発生してビーム回復が必要であることを知らせるために使用する。
【0208】
UEがSR又は競争フリーRACHを介したビーム回復を所定回数に試みたが、それに対する応答をgNBから得られなかった場合、UEは該当セルに再度接続するために、競争−基盤の送信を行うことができる。ここで、ビーム回復のためのSR又は競争フリーRACHの最大送信回数は、gNBによりUEに予め設定される。
【0209】
本発明において、SRチャネルはCP長さ及びOFDMシンボル長さによって2つのタイプに区分される。タイプIのSRチャネルは、PUCCH/PUSCHと同じCP長さ及びOFDMシンボル長さを有するタイプで定義される。かかるタイプIのSRチャネルは、PUCCH又はPUSCHとFDMされて送信されことができる。タイプIIのSRチャネルは、RACHと同じCP長さ及びOFDMシンボル長さを有するタイプで定義される。かかるタイプIIのSRチャネルは、RACHとFDMされて送信されることができる。タイプIIのSRチャネルは、上述した競争フリーRACHと同一であることができる。gNBはSRチャネルをUEに割り当てる時、どのタイプのSRチャネルであるかをUEに指定することができる。又はUEに2つのタイプのSRチャネルを全て設定することができる。2つのタイプのSRチャネルが全て設定されたUEは、ビーム回復を決定した時点にどのタイプであっても最も早い時点のSRリソースを使用してビーム回復を開始する。
【0211】
gNBがDRX状態であるUEに送信するデータが発生した場合(S901)、サービングビームの再設定を要請するメッセージ又は指示子をターゲットUEが“On Duration”にある時間区間の間に全てのビーム方向にビームスイーピングして送信する(S902)。gNBがビームスイーピング方式で信号を送信できるようにするために、送信リソースは時間軸で多数のサブ−リソースに区分され、gNBが所定の順序に従って各サブ−リソースで送信ビーム方向を変わることができる。gNBはデータを受けるターゲットUEがどのビーム方向に位置しているかを分からないので、全てのビーム方向にターゲットUEのためのページングメッセージ又は指示子を送信する。具体的には、gNBは以下の方法を使用してページングメッセージ又は指示子を送信する。
【0212】
>専用(dedicated)PDCCH:ターゲットUEのC−RNTIを含むPDCCHをビームスイーピング方式で送信。
【0213】
>グループ特定のPDCCHメッセージ:特定のRNTIの下りリンク制御情報(downlink control information、DCI)の特定位置のビットフィールドが(gNBにより)UEに予め割り当てられる。UEは自分に割り当てられたフィールドのフラグが可能になった(enable)指定DCIを受信すると、UEがページングされたと判断する。
【0214】
>専用シーケンスの送信:(gNBにより)UEに予めシーケンス及び該当シーケンスが送信された時間及び周波数リソースが割り当てられる。UEは指定されたリソースで指定されたシーケンスが検出されると、自分がページングされたと判断する。
【0215】
gNBはかかるページングメッセージ又は指示子がUEに“On Duration”のどの時点にどのビーム順にスイーピングされて送信されるかを予め知らせることができる。例えば、gNBはページングメッセージ又は指示子の送信リソースを多数のサブ−リソースに区分し、各サブ−リソースで送信ビーム方向がどのMRSの送信ビーム方向と同一であるかをUEに予め知らせることができる。又はgNBはMRSリソースにおけるビームスイーピング順と同様に、ページングメッセージ又は指示子送信リソースでビームスイーピングを行うことができる。DRXモードのUEはMRSを周期的に測定して常に最適の送信/受信ビームを追跡し、“On Duration”区間に最適のTxビームに該当するサブ−リソースでページングメッセージ又は指示子の検出を試みてgNBが自分をページングしたか否かを判定することができる。
【0216】
gNBはページングメッセージ又は指示子のための送信リソースの周期及びオフセット設定により“DRXサイクル”及び“On Duration”設定を代替することができる。即ち、DRXモードのUEはページングメッセージ又は指示子の送信リソースでのみ下りリンク信号の受信を試みるように設定できる。
【0217】
ページングされたUE、即ち、自分に対するページングメッセージ或いは指示子を受信したUE(S902)は、“UE開始ビーム回復”過程を開始して(S904)、gNBをしてgNBが送信したページングメッセージ或いは指示子のターゲットUEがどのビーム方向に位置しているかを把握するようにする。ページングを受信したUEが最適のビーム方向に連結されたSR/RACHリソースにSR/RACHを送信すると、gNBはSR/RACHが検出されたSR/RACHリソースに対応するビーム方向をUEが最適のビームとして判断したことを分かるためである。gNBはUEがSR/RACH送信に使用したSR/RACHリソースに基づいて決定されたビーム方向に該当UEにULグラントを送って具体的なビーム状態を報告するようにする。gNBはUEからのビーム状態報告に基づいて微細調整(refine)されたビームにDLデータ送信を開始する。
【0218】
ページングされたUEには、SR又は競争フリーRACHを介した“UE開始ビーム回復”を行うか又は競争基盤のRACHを介した“UE開始ビーム回復”を行うかが予めgNBから指定される。又はUEにかかる2つのリソースが全て設定され、両方のうち、早い時点に設定されたULリソースを“UE開始ビーム回復”のために使用することもできる。
【0219】
<RRC_CONNECTEDにおいてDRXの間にビーム領域を維持>
【0220】
DRXの間にサービングビームを最適にトラッキングする場合(<RRC_CONNECTEDにおいてDRXの間にビーム維持>を参照)、UEの電力節約効果が落ちることがある。またサービングビームを維持していないDRXの間にDLデータが発生し、gNBがページングメッセージ又は指示子を送信する場合には(“NB開始ビーム回復”を参照)、DLオーバーヘッドが増加するという負担がある。従って、以下では、DRXの間に概略的なUEの位置をネットワークがトラッキングする方法を提案する。
【0221】
DRX動作中のUEには、gNBは最後に指定したサービングビームと該当サービングビームを中心として隣のビームグループが指定/設定される。UEは測定結果が特定条件を満たすと、ビーム測定結果報告のためにSRを送信し、ビーム測定結果報告のためのULグラントを受信するためにPDCCHをモニタする。この時、UEがSRを送信する条件として以下のものが適用される。
【0222】
>ケース1:UEが最後に指定されたサービングビーム及び隣のビームグループに属するビームに該当するMRSの測定RSRPの最大値がそれ以外の残りの他のビームに該当するMRSの測定RSRPの最大値に比べてXdB以下に落ちる場合、ここで、Xは予めgNBから設定されることができる。
【0223】
>ケース2:UEが最後に指定されたサービングビーム及び隣のビームグループ内の各ビームに該当するMRSの測定RSRPがいずれも所定の臨界値(threshold)未満に落ちる場合、ここで、臨界は予めgNBから設定されることができる。
【0224】
ここで、各サービングビームに対する隣のビームグループに関する情報は、予めシステム情報としてgNBによりUEに通知されることができる。又はgNBがサービングビームを指定する時に個々にUEに隣のビームグループに関する情報を指定することができる。
【0225】
gNBはターゲットUEをページングするために該当UEに最後に指定したサービングビーム及び隣のビームグループに属するビーム方向のみに限定してページングメッセージ又は指示子を送信する。
【0226】
本発明において、ビームグループは分離されて(disjoint)設定(即ち、ビームグループが重複するビームを有さないように設定)されるか、又は重複するように設定することができる。ビームグループが分離されて設定される場合、“サービングビーム及び隣のビームグループ”はサービングビームが属するビームグループで表現できる。gNBはかかるビームグループで同時に単一周波数ネットワーク(Single frequency network、SFN)MRS(SFN−MRS)を送信して、UEが容易にビームグループごとに受信品質をSFN−MRSの測定結果から分かるようにすることができる。gNBがビームグループでSFN−MRSを送信するとは、ビームグループ内の全てのビームで同時に同じMRSを送信することを意味する。UEは多数のビームからの信号受信に基づいて代表受信品質を得ることができる。
【0227】
gNBはビームグループ内の全てのビームで同時にSSブロックを送信することができる。gNBが各ビームグループごとに同時にSSブロックを送信し、UEが各SSブロック内のSS(例、SSS)の受信RSRPから各ビームグループの受信品質を測定できるようにすることができる。UEは、DRXモードではSSブロックによる広いビームレベルのビーム管理のみを行い、非DRXモードではSSブロックによる広いビームレベルのビーム管理とCSI−RSによる狭いビームレベルのビーム管理(例、CSI−RSに基づくビームごとの受信品質測定)を同時に行う。
【0228】
図10は、本発明を実行する送信装置10及び受信装置20の構成要素を示すブロック図である。
【0229】
送信装置10及び受信装置20は、情報及び/又はデータ、信号、メッセージなどを搬送する無線信号を送受信できるRFユニット13,23と、無線通信システム内における通信に関連した各種情報を記憶するメモリ12,22と、上記RFユニット13,23及びメモリ12,22などの構成要素と動作的に連結され、これらの構成要素を制御して該当装置が前述した本発明の実施例の少なくとも1つを行うようにメモリ12,22及び/又はRFユニット13,23を制御するように構成されたプロセッサ11,21とをそれぞれ備える。
【0230】
メモリ12,22は、プロセッサ11,21の処理及び制御のためのプログラムを格納することができ、入/出力される情報を臨時記憶する。メモリ12,22をバッファーとして活用することができる。
【0231】
プロセッサ11,21は、通常、送信装置又は受信装置内の各種モジュールの全般的な動作を制御する。特に、プロセッサ11,21は、本発明を実行するための各種の制御機能を実行することができる。プロセッサ11,21は、コントローラ(controller)、マイクロコントローラ(microcontroller)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、マイクロコンピュータ(microcomputer)などとも呼ばれる。プロセッサ11,21は、ハードウェア(hardware)、ファームウェア(firmware)、ソフトウェア、又はそれらの結合によって具現することができる。ハードウェアを用いて本発明を具現する場合、本発明を実行するように構成されたASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)などをプロセッサ11,21に具備することができる。一方、ファームウェアやソフトウェアを用いて本発明を具現する場合には、本発明の機能又は動作を実行するモジュール、手順又は関数などを含むようにファームウェアやソフトウェアを構成することができ、本発明を実行するように構成されたファームウェア又はソフトウェアは、プロセッサ11,21内に設けられてもよく、メモリ12,22に記憶されてプロセッサ11,21によって駆動されてもよい。
【0232】
送信装置10のプロセッサ11は、プロセッサ11又はプロセッサ11と接続されたスケジューラからスケジュールされて外部に送信される信号及び/又はデータに対して所定のコーディング(coding)及び変調(modulation)を行った後にRFユニット13に送信する。例えば、プロセッサ11は、送信しようとするデータ列を逆多重化及びチャネルコーディング、スクランブリング、変調過程などを経てK個のレイヤに変換する。コーディングされたデータ列はコードワードとも呼ばれ、MAC階層が提供するデータブロックである送信ブロックと等価である。1送信ブロック(transport block,TB)は1コードワードに符号化され、各々のコードワードは1つ以上のレイヤ形態で受信装置に送信される。周波数アップコンバートのためにRFユニット13はオシレーター(oscillator)を備えることができる。RFユニット13は、N
t個(N
tは1以上の正の整数)の送信アンテナを有することができる。
【0233】
受信装置20の信号処理過程は、送信装置10の信号処理過程の逆に構成される。プロセッサ21の制御下で受信装置20のRFユニット23は送信装置10によって送信された無線信号を受信する。RFユニット23はN
r個の受信アンテナを有することができ、RFユニット23は受信アンテナで受信した信号のそれぞれを周波数ダウンコンバート(frequency down−convert)して基底帯域信号に復元する。RFユニット23は周波数ダウンコンバートのためにオシレーターを備えることができる。プロセッサ21は受信アンテナで受信した無線信号に対する復号(decoding)及び復調(demodulation)を行い、送信装置10が本来送信しようとするデータを復元することができる。
【0234】
RFユニット13,23は1つ以上のアンテナを具備する。アンテナはプロセッサ11,21の制御下で本発明の一実施例によってRFユニット13,23によって処理された信号を外部に送信したり、外部から無線信号を受信してRFユニット13,23に伝達する機能を果たす。アンテナはアンテナポートとも呼ばれる。各アンテナは1つの物理アンテナに該当してもよく、1つよりも多い物理アンテナ要素(element)の組合せによって構成されてもよい。各アンテナから送信された信号は受信装置20でそれ以上分解することができない。該当アンテナに対応して送信された参照信号(reference signal、RS)は受信装置20の観点で見たアンテナを定義し、チャネルが1つの物理アンテナからの単一(single)無線チャネルであるか、或いは上記アンテナを含む複数の物理アンテナ要素(element)からの合成(composite)チャネルであるかに関係なく、受信装置20にとってアンテナに対するチャネル推定を可能にする。即ち、アンテナは、該アンテナ上のシンボルを伝達するチャネルが上記同一アンテナ上の他のシンボルが伝達される上記チャネルから導出されうるように定義される。複数のアンテナを用いてデータを送受信する多重入出力(Multi−Input Multi−Output、MIMO)機能を支援するRFユニットの場合、2個以上のアンテナと接続することができる。
【0235】
本発明において、RFユニット13,23は受信ビーム形成と送信ビーム形成を支援できる。例えば、本発明において、RFユニット13,23は
図5に示した機能を行うように構成される。
【0236】
本発明の実施例において、UEは、上りリンクでは送信装置10として動作し、下りリンクでは受信装置20として動作する。本発明の実施例において、gNBは、上りリンクでは受信装置20として動作し、下りリンクでは送信装置10として動作する。以下、UEに具備されたプロセッサ、RFユニット及びメモリをUEプロセッサ、UE RFユニット及びUEメモリとそれぞれ称し、gNBに具備されたプロセッサ、RFユニット及びメモリをgNBプロセッサ、gNB RFユニット及びgNBメモリとそれぞれ称する。
【0237】
本発明のUEプロセッサは、本発明の提案1又は提案2によってビーム維持を行うように構成される。UEプロセッサはUE RFユニットを制御してビーム維持のための測定を行う。
【0238】
本発明のUEプロセッサは、本発明の提案によってビーム回復過程を行う。UEプロセッサは、UE RFユニットを制御してビーム回復過程に連関するSRリソース又はRACHリソースに関する設定情報を受信し、ビーム回復過程の開始時に上記設定情報に基づいてSR/RACHリソースでSR/RACHを送信するようにUE RFユニットを制御する。本発明のgNBプロセッサは、gNBにUEに送信するDLデータが生じると、UEにページングを送信するようにgNB RFユニットを制御する。UEプロセッサは、UEに対するページングを受信すると、本発明の“UE開始ビーム回復”過程によってビーム回復過程を開始する。
【0239】
本発明のUEプロセッサとgNBプロセッサは各々、本発明によってビーム領域維持を行うようにUE RFユニットとgNB RFユニットを制御する。
【0240】
以上の本発明の好適な実施形態についての詳細な説明は、当業者が本発明を具現して実施できるように提供された。以上では本発明の好適な実施形態に挙げて本発明を説明したが、該当技術分野における熟練した当業者には、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域を逸脱しない範囲内で、本発明を様々に修正及び変更できるということは明らかである。したがって、本発明は、具体的な実施形態に制限されるものではなく、ここに開示された原理及び新規の特徴と一致する最も広い範囲を有するものである。