(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、車両の利用者が所有する携帯電話等の端末装置を利用して車両に係る料金を支払う従来技術では、利用者が実際に利用している車両が事前に登録された車両と異なっている場合であっても、車両が異なっていることを認識することができない。その為、実際に利用した車両とは異なる車両に係る誤った料金が利用者から徴取される可能性が存在する。従って、車両と、車両の利用者が所有する端末装置とを正しく関連付け、車両の利用者から車両に係る料金を正確に徴取できる技術が望まれている。
【0005】
上記課題に鑑みて、本発明は、車両と、車両の利用者が所有する端末装置とを正しく関連付けることができ、車両の利用者から車両に係る料金を正確に徴取できる端末装置、トランスポンダ、課金システム、課金方法、及び課金プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、車両(2)の利用者(U)が所有する端末装置(20)であって、利用の対象とする車両に搭載されたトランスポンダ(10)を一意に識別可能な識別IDを受け付ける識別ID受付部(201)と、
識別された前記トランスポンダと前記端末装置とが通信して連携している間、前記車両に係る料金を決定するための料金決定用情報を
前記トランスポンダから取得する料金決定用情報取得部(202)と、取得された前記料金決定用情報に基づいて、前記料金を決定する料金決定部(203)と、決定された前記料金と、前記端末装置に予め記録されている支払アカウントIDとを関連付けてサービスシステム管理サーバ(3)に送信する課金情報送信処理部(204)と、を備える。
このように、利用者の利用する車両に搭載されたトランスポンダを一意に識別可能な識別IDを受け付けることでトランスポンダを識別することができ、これにより、トランスポンダと1対1に関連付けられた車両を識別することができる。従って、利用者の利用する車両を識別してから車両に係る料金を決定し、決定された料金と利用者の支払いアカウントIDとを関連付けているので、車両と車両の利用者が所有する端末装置とを正しく関連付けることができ、車両の利用者から車両に係る料金を正確に徴取できる。
【0007】
また、本発明の第2の態様によれば、本発明の第1の態様に記載の端末装置(20)において、料金決定用情報は、利用者(U)が利用中の前記車両(2)の走行経路、走行距離、車種、ナンバープレート情報、及び車検情報の少なくともいずれかを含む。
このようにすることで、車両の詳細な情報に基づいて車両に係る料金を決定するので、車両に係る料金を正確に決定できる。
【0008】
また、本発明の第3の態様によれば、本発明の第1の態様又は第2の態様に記載の端末装置(20)において、前記料金決定用情報取得部(202)は、識別された前記トランスポンダ(10)と
前記端末装置とが通信して
連携している間、前記料金決定用情報を
前記トランスポンダから定期的に取得する。
このようにすることで、トランスポンダから料金決定用情報を取得することで、端末装置では、料金決定用情報の算出、データ変換、及び決定等といった料金決定用情報を準備する処理を行わず、トランスポンダに当該処理を行わせることができ、端末装置の負荷をトランスポンダに分散させることができる。
【0009】
また、本発明の第4の態様によれば、本発明の第1の態様から第3の態様のいずれかの態様に記載の端末装置(20)において、
前記料金決定部は、前記トランスポンダと前記端末装置との連携が終了した際に、前記料金を決定する。
このようにすることで、端末装置が、トランスポンダではなく、サービスシステム管理サーバから料金決定用情報を取得するようにしているので、トランスポンダが料金決定用情報を記憶する機能を設けずに済み、トランスポンダの費用を低減することができる。
【0010】
また、本発明の第5の態様によれば、車両(2)に搭載されるトランスポンダ(10)であって、前記車両に搭載された前記トランスポンダを一意に識別可能な識別IDを記憶する識別ID記憶部(101)と、前記識別IDを前記車両の利用者(U)が所有する端末装置(20)に送信する識別ID送信処理部(102)と、
前記車両に係る料金を決定するための料金決定用情報を記憶する料金決定用情報記憶部と、前記端末装置及び前記トランスポンダが連携している間、前記料金決定用情報を前記端末装置に送信する料金決定用情報送信処理部と、を備える。
このようにすることで、車両に搭載されたトランスポンダを一意に識別可能な識別IDをトランスポンダに記憶しておき、車両の利用者が所有する端末装置に送信することで、端末装置は、トランスポンダを識別することができ、トランスポンダと1対1に関連付けられた車両を識別することができる。これにより、端末装置は、車両を正しく特定することが可能になる。
【0011】
また、本発明の第6の態様によれば、本発明の第5の態様に記載のトランスポンダ(10)において、
前記料金決定用情報送信処理部は、前記端末装置及び前記トランスポンダが連携している間、前記料金決定用情報を前記端末装置に定期的に送信する。
このようにすることで、トランスポンダが料金決定用情報を記憶しておき、端末装置に送信することで、端末装置では、料金決定用情報に含まれる車両の走行経路及び走行速度を決定して記憶する処理を行わず、トランスポンダに当該処理を行わせることができ、端末装置の負荷をトランスポンダに分散させることができる。
【0012】
また、本発明の第7の態様によれば、本発明の第6の態様に記載のトランスポンダ(10)において、前記料金決定用情報は、前記利用者(U)が利用中の前記車両(2)の走行経路、走行距離、車種、ナンバープレート情報、及び車検情報の少なくともいずれかを含む。
このようにすることで、車両の詳細な情報に基づいて車両に係る料金を決定するので、車両に係る料金を正確に決定できる。
【0013】
また、本発明の第8の態様によれば、
課金システムは、本発明の第1の態様から第4の態様のいずれかの態様に記載の端末装置(20)と、本発明の第5の態様から第7の態様のいずれかの態様に記載のトランスポンダ(10)と、を備える。
【0014】
また、本発明の第9の態様によれば、車両の利用者が所有する端末装置を用いた課金方法であって、利用の対象とする車両に搭載されたトランスポンダを一意に識別可能な識別IDを受け付ける識別ID受付ステップと、
識別された前記トランスポンダと前記端末装置とが通信して連携している間、前記車両に係る料金を決定するための料金決定用情報を
前記トランスポンダから取得する料金決定用情報取得ステップと、取得された前記料金決定用情報に基づいて、前記料金を決定する料金決定ステップと、決定された前記料金と、前記端末装置に予め記録されている支払アカウントIDとを関連付けてサービスシステム管理サーバに送信する課金情報送信処理ステップと、を備える。
【0015】
また、本発明の第10の態様によれば、車両の利用者が所有する端末装置としてのコンピュータを、利用の対象とする車両に搭載されたトランスポンダを一意に識別可能な識別IDを受け付ける識別ID受付部と、
識別された前記トランスポンダと前記端末装置とが通信して連携している間、前記車両に係る料金を決定するための料金決定用情報を
前記トランスポンダから取得する料金決定用情報取得部と、取得された前記料金決定用情報に基づいて、前記料金を決定する料金決定部と、決定された前記料金と、前記端末装置に予め記録されている支払アカウントIDとを関連付けてサービスシステム管理サーバに送信する課金情報送信処理部と、して機能させる。
【発明の効果】
【0016】
上述の端末装置、トランスポンダ、課金システム、課金方法、及び課金プログラムによれば、車両と、車両の利用者が所有する端末装置とを正しく関連付けることができ、車両の利用者から車両に係る料金を正確に徴取できる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1の実施形態>
以下、第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。すべての図面において同一または相当する構成には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
【0019】
(第1の実施形態に係る課金システムの全体構成)
図1は、第1の実施形態に係る課金システム1の全体構成を示す概略図である。
図1を用いて第1の実施形態に係る課金システム1の全体構成について説明する。
【0020】
課金システム1は、
図1に示すように、車両2に搭載されたトランスポンダ10、車両2を利用する利用者Uが所有する端末装置20、サービスシステム管理サーバ3、及び支払アカウント管理サーバ4を備えている。第1の実施形態では、「利用者Uが車両2を利用する」という表現が、「利用者Uが車両2に乗車して運転する」ことを意味する場合について説明するが、「利用者Uが車両2を利用する」という表現は、「利用者Uがタクシーである車両2のタクシーサービスの提供を受ける」こと、「利用者Uが自動車配車アプリケーションシステムに係る車両2の自動車配車アプリケーションシステムのサービスの提供を受ける」こと、「利用者Uがレンタカーである車両2のレンタカーサービスの提供を受ける」こと、及び「利用者Uが自動運転車である車両2の自動運転サービスの提供を受ける」こと等、利用者Uが車両2を利用するその他の状況の全てを意味する。また、第1の実施形態では、「利用者U」という表現が人間を意味する場合について説明するが、「利用者U」は「人間」以外の、例えば、「自動運転装置」等を意味してもよい。
【0021】
サービスシステム管理サーバ3は、後述するように、車両2を利用する利用者Uに特定のサービスを提供するサービスシステムを管理する管理サーバである。また、支払アカウント管理サーバ4は、サービスシステム管理サーバ3に接続されており、後述するように、利用者Uの支払いアカウントを管理する管理サーバである。なお、説明の簡易化の為に、
図1では、サービスシステム管理サーバ3が1台だけ示されているが、異なるサービスを提供する異なるサービスシステムのサービスシステム管理サーバ3が複数設けられていてもよい。
【0022】
第1の実施形態では、車両2に搭載されたトランスポンダ10は、GNSS(Global Navigation Satellite System、全球測位衛星システム)の複数の衛星5からの電波を受信し、車両2の位置を算出して決定するように構成されていてよい。トランスポンダ10は、車両2と一体型であり、取り外し及び載せ替えができないように構成されている。例えば、トランスポンダ10は、車両2から物理的に取り外すことができないようにケンジントンワイヤ等の固定具で固定されていてよい。また、例えば、トランスポンダ10は、RFID(Radio Frequency Identification)を利用して認証され、RFID技術のタンパー機能等によって車両2から取り外したことをソフトウェア的に検知できるように構成されていてよい。
【0023】
端末装置20は、車両2の利用者Uが所有するスマートフォン、携帯電話、PDA端末及びその他の通信可能なモバイル電子機器等であり、後述するようにアプリケーションをインストールして起動できるようにプログラムの実行、記憶、及び演算が可能であってよい。第1の実施形態では、端末装置20がスマートフォンである場合について説明する。端末装置20は、ライト、画像、及びマーク等の表示、音声認識、サウンド機能等によるユーザインタフェースを備えていてよい。端末装置20は、後述するように車両2に搭載されたトランスポンダ10と通信できるように構成されている。また、端末装置20は、後述するように、例えば、3G回線網、4G回線網、及びLTE回線網等の通信網Nを介してサービスシステム管理サーバ3と通信できるように構成されている。
【0024】
サービスシステム管理サーバ3は、車両2を利用する利用者Uが利用する特定のサービスを提供するサービスシステムを管理する管理サーバである。第1の実施形態では、サービスシステム管理サーバ3が、高速道路の通行料金の支払い等の高速道路のサービスを提供する高速道路のサービスシステムを管理するETCシステム統合サーバである場合について説明する。しかしながら、サービスシステム管理サーバ3は、高速道路以外のサービスシステムを管理するサービスシステム管理サーバであってよい。例えば、サービスシステム管理サーバ3は、駐車場のシステム統合サーバ、ERPのシステム統合サーバ、タクシーのシステム統合サーバ、自動車配車アプリケーションシステムのシステム統合サーバ、及び自動運転車のシステム統合サーバ等であってよい。
【0025】
サービスシステム管理サーバ3は、車両2の利用者Uが所有する端末装置20と通信を行い、後述するように、端末装置20から、所定のサービスについて利用者Uが利用する車両2に係る料金と、端末装置20に予め記憶されている支払アカウントIDとを関連付けた課金情報を受信するように構成されている。第1の実施形態では、所定のサービスが高速道路のサービスであり、利用者Uが利用する車両2に係る料金が高速道路の通行料金である場合について説明するが、利用するサービスに応じて、例えば、駐車場の利用料金、ERPの課金料金、タクシーの利用料金、自動車配車アプリケーションシステムの利用料金、及び自動運転車利用料金等であってよい。サービスシステム管理サーバ3は、受信した課金情報を支払アカウント管理サーバ4に送信するように構成されている。
【0026】
支払アカウント管理サーバ4は、サービスシステム管理サーバ3から利用者Uの課金情報を受信すると、利用者Uが契約している銀行及びクレジットカード会社等の金融機関のシステム(図示せず)に課金情報を送信するように構成されている。これにより、金融機関のシステム側で、所定のサービスについて利用者Uが利用する車両2に係る料金の支払い処理が行われる。支払アカウント管理サーバ4は、金融機関のシステムに課金情報を送信した後、利用者Uが利用する車両2に係る料金の利用明細書を通知するように構成されている。
【0027】
(第1の実施形態に係る課金システムの機能構成)
図2は、第1の実施形態に係る課金システム1の機能構成を説明するブロック図である。
図2には、課金システム1が備えるトランスポンダ10、端末装置20、及びサービスシステム管理サーバ3の詳細な機能構成が示されている。
図2を用いて、課金システム1が備えるトランスポンダ10、端末装置20、及びサービスシステム管理サーバ3の機能構成を説明する。
【0028】
<トランスポンダの機能構成>
トランスポンダ10は、識別ID記憶部101、識別ID送信処理部102、料金決定用情報記憶部103、料金決定用情報送信処理部104、車両情報管理部105、電波受信インタフェース110、及び通信インタフェース120を備える。
【0029】
識別ID記憶部101は、車両2に搭載されたトランスポンダ10を一意に識別可能な識別IDを記憶するように構成されている。例えば、識別IDは、トランスポンダ10に対し、当該トランスポンダ10を搭載する車両2の製造番号と1対1に関連付けて一意に付与される数字、英字、及び記号等の少なくともいずれかを含む固有の文字列であってよい。これにより、トランスポンダ10の識別IDから、当該トランスポンダ10が搭載されている車両2を識別することが可能である。なお、トランスポンダ10と車両2の製造番号との関連付けを示す情報は、トランスポンダ10の製造会社等の特定の機関が保持していてよい。
【0030】
識別ID送信処理部102は、識別ID記憶部101に記憶されている識別IDを取得し、通信インタフェース120を介して車両2の利用者Uの所有する端末装置20に送信する送信処理を行うように構成されている。
【0031】
料金決定用情報記憶部103は、車両2に係る料金を決定するための料金決定用情報を記憶するように構成されている。第1の実施形態では、料金決定用情報が、利用者Uが利用中の車両2の走行経路、走行距離、車種、ナンバープレート情報、及び車検情報等を含む場合について説明するが、料金決定用情報は、車両2に係る料金を決定するためのその他の情報であってよい。車両2の走行経路及び走行距離は、後述する車両情報管理部105によって決定され、例えば、定期的に料金決定用情報記憶部103に記憶されてよい。また、車両2の車種、ナンバープレート情報、及び車検情報は、例えば、トランスポンダ10が車両2に搭載される前に予め料金決定用情報記憶部103に記憶されていてよい。
【0032】
料金決定用情報送信処理部104は、料金決定用情報記憶部103に記憶されている料金決定用情報を取得し、端末装置20及びトランスポンダ10が連携している間に、取得した料金決定用情報を、通信インタフェース120を介して車両2の利用者Uの所有する端末装置20に送信する送信処理を行うように構成されている。具体的には、第1の実施形態では、料金決定用情報送信処理部104は、通信インタフェース120を介して端末装置20の識別ID受付部201からトランスポンダ10を受け付けた旨の受付通知信号を受信すると、トランスポンダ10及び端末装置20の連携が開始され、料金決定用情報の取得と端末装置20への送信を行うように構成されている。以後、トランスポンダ10及び端末装置20の接続が切断されるまで、料金決定用情報送信処理部104による料金決定用情報の取得と端末装置20への送信が定期的に行われてよい。なお、料金決定用情報送信処理部104による料金決定用情報の取得と端末装置20への送信とが不定期に行われてもよい。
【0033】
車両情報管理部105は、車両2の車両情報を管理するように構成されている。例えば、車両情報管理部105は、電波受信インタフェース110を介して受信したGNSS衛星5からの電波の情報に基づいて車両2の現在位置を定期的に算出し、算出した車両2の現在位置の変化量から、車両2の走行経路及び走行速度を決定してよい。車両情報管理部105は、決定した車両2の走行経路及び走行速度を料金決定用情報として料金決定用情報記憶部103に記憶してよい。
【0034】
電波受信インタフェース110は、GNSS衛星5からの電波を受信できるように構成されている。
【0035】
通信インタフェース120は、トランスポンダ10及び端末装置20の間の通信を可能とするインタフェースである。第1の実施形態では、通信インタフェース120は、例えば、トランスポンダ10及び端末装置20の間でブルートゥース(Bluetooth(登録商標))の規格に準拠した無線通信が行われるように構成されている場合について説明するが、赤外線通信、WiFi通信等、その他の規格での無線通信が行われるように構成されていてもよい。また、通信インタフェース120は、例えば、トランスポンダ10及び端末装置20の間で有線通信が行われるように構成されていてもよい。
【0036】
<端末装置の機能構成>
端末装置20は、識別ID受付部201、料金決定用情報取得部202、料金決定部203、課金情報送信処理部204、設定情報記憶部205、第1の通信インタフェース210、及び第2の通信インタフェース220を備える。第1の実施形態では、サービスシステム管理サーバ3と協働するアプリケーションがスマートフォンである端末装置20にインストールされ、このアプリケーションが識別ID受付部201、料金決定用情報取得部202、料金決定部203、及び課金情報送信処理部204として機能してよい。なお、識別ID受付部201、料金決定用情報取得部202、料金決定部203、及び課金情報送信処理部204は、アプリケーションとして導入されずに最初から端末装置20が備えていてもよい。
【0037】
第1の実施形態では、端末装置20にインストールされるアプリケーションが、高速道路のサービスを提供するアプリケーションである場合について説明するが、端末装置20にインストールされるアプリケーションは、利用者Uが利用する特定のサービスに応じたその他のアプリケーションであってよい。利用者Uがスマートフォンである端末装置20を操作し、端末装置20にアプリケーションの起動命令を入力することにより、アプリケーションが起動する。同様に、利用者Uが端末装置20サービス開始命令を入力することによりアプリケーションのサービスが開始し、サービス終了命令を入力することによりアプリケーションのサービスが終了する。
【0038】
識別ID受付部201は、利用者Uが利用の対象とする車両2に搭載されたトランスポンダ10から送信され、第1の通信インタフェース210を介して受信した識別IDを受け付けるように構成されている。識別ID受付部201が識別IDを受け付けることにより、利用者Uが利用する車両2に搭載されたトランスポンダ10が識別され、従って、トランスポンダ10と1対1に関連付けられた車両2が識別される。識別ID受付部201は、利用者Uが利用する車両2に搭載されたトランスポンダ10の識別IDを受け付けた旨の受付通知信号を第1の通信インタフェース210を介してトランスポンダ10に送信するように構成されている。
【0039】
料金決定用情報取得部202は、端末装置20及びトランスポンダ10が連携している間に、車両2に係る料金を決定するための料金決定用情報を取得するように構成されている。第1の実施形態では、料金決定用情報取得部202は、車両2に搭載されたトランスポンダ10から送信された料金決定用情報を、第1の通信インタフェース210を介して受信することにより、料金決定用情報を取得してよい。料金決定用情報取得部202は、取得した料金決定用情報を料金決定部203に入力するように構成されている。第1の実施形態では
、トランスポンダ10の料金決定用情報送信処理部104から定期的に送信される料金決定用情報を、料金決定用情報取得部202が定期的に取得する場合について説明するが、料金決定用情報取得部202による料金決定用情報の取得が不定期に行われてもよい。
【0040】
料金決定部203は、料金決定用情報取得部202が取得した料金決定用情報に基づいて車両2の料金を決定するように構成されている。第1の実施形態では、利用者Uから端末装置20にアプリケーションのサービス終了命令が入力されたタイミングで、料金決定部203が料金決定用情報に基づいて車両2の料金を決定する場合について説明するが、料金決定部203がその他のタイミングで車両2の料金を決定してもよい。例えば、料金決定用情報取得部202が料金決定用情報を定期的に取得して、料金決定用情報を料金決定部203に入力するタイミングで、料金決定部203が定期的に車両2の料金を決定してもよい。料金決定部203は、決定した料金の情報を課金情報送信処理部204に入力するように構成されている。
【0041】
課金情報送信処理部204は、料金決定部203から決定された料金の情報が入力されると、設定情報記憶部205に予め記憶されている利用者Uの支払いアカウントIDを取得し、料金の情報と支払いアカウントIDとを関連付けて課金情報としてサービスシステム管理サーバ3に送信するように構成されている。
【0042】
設定情報記憶部205は、端末装置20を保持する利用者Uの支払いアカウントIDが記憶されるように構成されている。第1の実施形態では、例えば、端末装置20にアプリケーションをインストールする際に、利用者Uが自分の支払いアカウントIDを端末装置20に入力することで設定情報記憶部205に利用者Uの支払いアカウントIDが記憶されてよい。
【0043】
第1の通信インタフェース210は、トランスポンダ10及び端末装置20の間の通信を可能とするインタフェースである。第1の通信インタフェース210は、上述したトランスポンダ10の通信インタフェース120と同じ規格に準拠した通信が行われるように構成されている。第1の実施形態では、例えば、トランスポンダ10及び端末装置20の間でブルートゥース(Bluetooth(登録商標))の規格に準拠した無線通信が行われるように構成されているが、通信インタフェース120にと同様に赤外線通信、WiFi通信等、その他の規格での無線通信が行われるように構成されていてもよい。また、第1の通信インタフェース210は、例えば、トランスポンダ10及び端末装置20の間で有線通信が行われるように構成されていてもよい。
【0044】
第2の通信インタフェース220は、端末装置20及びサービスシステム管理サーバ3の間の通信を可能とするインタフェースである。第1の実施形態では、第2の通信インタフェース220は、例えば、3G回線網、4G回線網、及びLTE回線網等の通信網Nに接続され、通信網Nを介してサービスシステム管理サーバ3と通信できるように構成されている。
【0045】
(第1の実施形態に係るトランスポンダ及び端末装置の動作の処理フロー)
図3は、第1の実施形態に係るトランスポンダ10及び端末装置20の動作を示すフローチャートである。
図3を用いて第1の実施形態に係るトランスポンダ10及び端末装置20の動作を説明する。
図3では、トランスポンダ10及び端末装置20によって行われる処理を、利用者U、サービスシステム管理サーバ3、及び支払アカウント管理サーバ4の各処理と共に示している。
【0046】
車両2の中又は車両2の付近にいる車両2の利用者Uは、端末装置20を利用して車両2で走行する高速道路の通行料金を支払う為に、高速道路に入る前に、所有するスマートフォン(端末装置20)を操作し、高速道路のサービスを提供するアプリケーションの起動命令を入力する(ステップS101)。これにより、端末装置20にインストールされたアプリケーションが起動する(ステップS102)。次に、利用者Uが、端末装置20を操作し、アプリケーションのサービス開始命令を入力する(ステップS103)と、アプリケーションのサービスが開始される(ステップS104)。第1の実施形態では、利用者Uが、端末装置20を利用して車両2で走行する高速道路の通行料金を支払う為のサービスのサービス開始命令を入力するので、高速道路の通行料金を支払う為のサービスが開始される。
【0047】
次に、端末装置20の第1の通信インタフェース210と、車両2に搭載されたトランスポンダ10の通信インタフェース120との間でブルートゥース(Bluetooth(登録商標))の規格に準拠した無線通信の接続処理が行われ(ステップS105)、端末装置20とトランスポンダ10とが接続されて通信が可能な状態になる。ここで、例えば、利用者Uが利用する車両2以外にも端末装置20とブルートゥース(Bluetooth(登録商標))の規格に準拠した無線通信が可能な車両が近くに存在する場合には、端末装置20のアプリケーションが利用者Uに対し、利用する車両2を選択させる操作を要求し、アプリケーションは選択された車両2のトランスポンダ10と端末装置20とが接続されるように第1の通信インタフェース210に指示を出すように構成されていてよい。
【0048】
トランスポンダ10の識別ID送信処理部102が、識別ID記憶部101からトランスポンダ10の識別IDを取得し、取得した識別IDを通信インタフェース120を介して端末装置20に送信する(ステップS106)。
【0049】
端末装置20の識別ID受付部201は、トランスポンダ10から送信され、第1の通信インタフェース210を介して受信した識別IDを受け付ける(ステップS107)。これにより、利用者Uが搭乗する車両2に搭載されたトランスポンダ10が識別される。識別ID受付部201は、トランスポンダ10の識別IDを受け付けた後、受付通知信号を第1の通信インタフェース210を介してトランスポンダ10に送信する(ステップS108)。
【0050】
トランスポンダ10の料金決定用情報送信処理部104が、通信インタフェース120を介して端末装置20の識別ID受付部201から受付通知信号を受信する(ステップS109)と、トランスポンダ10及び端末装置20の連携が開始される。なお、トランスポンダ10及び端末装置20の連携は、例えば、トランスポンダ10及び端末装置20の間でブルートゥース(Bluetooth(登録商標))の規格に準拠した無線通信により相互認証を行っておいた上で、利用者Uが端末装置20を用いてQRコード(登録商標)を読み込むことで開始されてもよい。次に、料金決定用情報送信処理部104は、料金決定用情報記憶部103に記憶されている料金決定用情報を取得し、取得した料金決定用情報を通信インタフェース120を介して端末装置20に送信する(ステップS110)。また、第1の実施形態では、具体的には、料金決定用情報は、後述するように利用者Uの車両2が走行する高速道路の利用料金を決定する為に必要な情報として、利用者Uが利用中の車両2の走行経路、走行距離、車種、ナンバープレート情報、及び車検情報を含んでいる。
【0051】
料金決定用情報取得部202は、トランスポンダ10と通信して料金決定用情報を取得する(ステップS111)。詳述すると、料金決定用情報取得部202は、トランスポンダ10の料金決定用情報送信処理部104から送信された料金決定用情報を、第1の通信インタフェース210を介して受信することにより、料金決定用情報を取得する。
図3に示すように、第1の実施形態では、トランスポンダ10及び端末装置20が連携している間、上記ステップS110及びS111が定期的に行われてよい。
【0052】
なお、トランスポンダ10の料金決定用情報記憶部103に記憶されている料金決定用情報のうち、車両2の車種、ナンバープレート情報、及び車検情報は、料金決定用情報記憶部103に予め記憶されており、内容は変化しない。一方、トランスポンダ10の料金決定用情報記憶部103に記憶されている料金決定用情報のうち、車両2の走行経路及び走行距離は、車両情報管理部105が、電波受信インタフェース110を介して受信したGNSS衛星5からの電波の情報に基づいて定期的に決定し、料金決定用情報記憶部103に記憶されて内容が更新されてよい。
【0053】
第1の実施形態では、利用者Uが端末装置20を操作し、上述したように高速道路の通行料金を支払う為のサービスが開始された(ステップS104)後、利用者Uが利用する車両2が高速道路に入り走行している間に、トランスポンダ10の料金決定用情報記憶部103に記憶されている料金決定用情報のうちの車両2の走行経路、走行距離が定期的に更新されてよい。従って、上述したように、トランスポンダ10の料金決定用情報記憶部103から端末装置20の料金決定用情報取得部202が取得する料金決定用情報は、定期的に更新された内容であってよい。
【0054】
利用者Uは、高速道路の通行料金を支払うタイミングで、例えば、利用者Uが利用する車両2が高速道路から出た後等のタイミングで端末装置20を操作し、アプリケーションの高速道路の通行料金を支払う為のサービスのサービス終了命令を入力する(ステップS112)。端末装置20の料金決定部203は、利用者Uからアプリケーションのサービス終了命令が入力されると、料金決定用情報取得部202が取得した料金決定用情報に基づいて車両2の料金を決定する(ステップS113)。
【0055】
第1の実施形態では、例えば、料金決定用情報取得部202により最も直近に入力された料金決定用情報のうち、車両2の走行経路及び走行距離に基づいて、料金決定部203が、利用者Uの利用する車両2が走行した高速道路の通行料金を算出してよい。また、必要に応じて料金決定用情報取得部202により入力された料金決定用情報のうち、車両2の車種、ナンバープレート情報、及び車検情報を高速道路の通行料金の算出に用いてよい。例えば
、料金決定用情報に含まれる「車種」が「普通車」であり、料金決定用情報に含まれる「走行経路」及び「走行距離」が「車両2が高速道路の所定の入口から所定の出口まで100kmの距離を走行している」ことを示している場合には、料金決定部203は、普通車が高速道路を100kmの距離走行した場合に適用される通行料金を車両2が走行した高速道路の通行料金として決定してよい。料金決定部203は、決定した料金の情報を課金情報送信処理部204に入力する。
【0056】
端末装置20の課金情報送信処理部204は、料金決定部203から決定された料金の情報が入力されると、設定情報記憶部205に予め記憶されている利用者Uの支払いアカウントIDを取得し、料金の情報と支払いアカウントIDとを関連付けて課金情報としてサービスシステム管理サーバ3に送信する(ステップS114)。なお、
図5に示すように、端末装置20の課金情報送信処理部204からサービスシステム管理サーバ3への課金情報の送信は、第2の通信インタフェース220を介して行われてよい。
【0057】
一方、端末装置20の第1の通信インタフェース210と、車両2に搭載されたトランスポンダ10の通信インタフェース120との間では、無線通信の接続切断処理が行われ(ステップS115)、端末装置20とトランスポンダ10とが接続が切断される。これにより、トランスポンダ10及び端末装置20の連携が終了する。また、端末装置20のアプリケーションのサービスは処理が完了して終了する(ステップS116)。なお、第1の実施形態では、利用者Uからアプリケーションのサービス終了命令が入力される(ステップS112)と、料金決定の処理(ステップS113)及び課金情報送信の処理(ステップS114)の処理が行われる場合について説明したが、例えば、利用者Uが利用する車両2から一定以上の距離が離れてトランスポンダ10及び端末装置20の間の無線通信の接続が切断されて接続切断処理(ステップS115)が行われた場合に、料金決定の処理(ステップS113)及び課金情報送信の処理(ステップS114)の処理が行われるようにしてもよい。
【0058】
サービスシステム管理サーバ3は、端末装置20から、利用者Uの支払いアカウントIDに関連付けられた高速道路の通行料金の情報を課金情報として受信する(ステップS117)。次に、サービスシステム管理サーバ3は、受信した課金情報を支払アカウント管理サーバ4に送信する(ステップS118)。
【0059】
支払アカウント管理サーバ4は、サービスシステム管理サーバ3から、課金情報を受信する(ステップS119)と、例えば、課金情報に含まれる支払いアカウントIDに基づいて利用者Uが契約している金融機関のシステム(図示せず)に課金情報を送信する(ステップS120)。これにより、金融機関のシステム(図示せず)において、課金情報に基づいて利用者Uの高速道路の通行料金の支払い処理が行われる。次に、支払アカウント管理サーバ4は、利用者Uの高速道路の通行料金の支払いの明細が記載された利用明細書を利用者Uに通知する(ステップS121)。この通知は、例えば、利用者Uへの電子メールを送信することで行われてもよいし、例えば、特定のWEBサイトに掲載する等のその他の方法によって行われてもよい。
【0060】
(作用、効果)
以上のとおり、第1の実施形態に係る課金システム1が備える端末装置20は、利用の対象とする車両2に搭載されたトランスポンダ10を一意に識別可能な識別IDを受け付ける識別ID受付部201と、車両2に係る料金を決定するための料金決定用情報を取得する料金決定用情報取得部202と、取得された料金決定用情報に基づいて、料金を決定する料金決定部203と、決定された料金と、端末装置に予め記録されている支払アカウントIDとを関連付けてサービスシステム管理サーバに送信する課金情報送信処理部204と、を備える。
このように、利用者Uの利用する車両2に搭載されたトランスポンダ10を一意に識別可能な識別IDを受け付けることでトランスポンダ10を識別することができ、これにより、トランスポンダ10と1対1に関連付けられた車両2を識別することができる。従って、利用者Uの利用する車両2を識別してから車両2に係る料金を決定し、決定された料金と利用者Uの支払いアカウントIDとを関連付けているので、車両2と車両2の利用者Uが所有する端末装置20とを正しく関連付けることができ、車両2の利用者Uから車両2に係る料金を正確に徴取できる。
【0061】
また、トランスポンダ10を一意に識別可能な識別IDを用いて、トランスポンダ10と、車両2の利用者Uが所有する端末装置20と紐付けて連携させることで、車両2に係る料金を決定する料金決定部等の機能をトランスポンダ10ではなく、端末装置20に設けることができる。これにより、トランスポンダ10に料金決定部203等の機能を設ける場合よりも、トランスポンダ10の費用を低減することができる。また、例えば、端末装置20がスマートフォン等である場合には、端末装置20にインストールされるアプリケーションが料金決定部等の機能を備えるようにすることで、端末装置20の費用を抑えることができる。
【0062】
さらに、第1の実施形態に係る課金システム1が備える端末装置20において、料金決定用情報は、利用者Uが利用中の車両2の走行経路、走行距離、車種、ナンバープレート情報、及び車検情報の少なくともいずれかを含む。
このように、車両2の詳細な情報に基づいて車両2に係る料金を決定するので、車両2に係る料金を正確に決定できる。
【0063】
さらに、第1の実施形態に係る課金システム1において、料金決定用情報取得部202は、識別されたトランスポンダ10と通信して料金決定用情報を取得する。
このように、トランスポンダ10から料金決定用情報を取得することで、端末装置20では、料金決定用情報の算出、データ変換、及び決定等のように料金決定用情報を準備する処理を行わず、トランスポンダ10に当該処理を行わせることができ、端末装置20の負荷をトランスポンダ10に分散させることができる。
【0064】
また、第1の実施形態に係る課金システム1が備えるトランスポンダ10は、車両2に搭載されたトランスポンダ10を一意に識別可能な識別IDを記憶する識別ID記憶部101と、識別IDを端末装置20に送信する識別ID送信処理部102と、を備える。
このように、車両2に搭載されたトランスポンダ10を一意に識別可能な識別IDをトランスポンダ10に記憶しておき、車両2の利用者Uが所有する端末装置20に送信することで、端末装置20は、トランスポンダ10を識別することができ、トランスポンダ10と1対1に関連付けられた車両2を識別することができる。これにより、端末装置20は、車両2を正しく特定することが可能になる。
【0065】
また、第1の実施形態に係る課金システム1が備えるトランスポンダ10は、車両2に係る料金を決定するための料金決定用情報を記憶する料金決定用情報記憶部103と、前記料金決定用情報を端末装置20に送信する料金決定用情報送信処理部104と、をさらに備える。
このように、トランスポンダ10が料金決定用情報を記憶しておき、端末装置20に送信することで、端末装置20では、料金決定用情報に含まれる車両2の走行経路及び走行速度を決定して記憶する処理を行わず、トランスポンダ10に当該処理を行わせることができ、端末装置20の負荷をトランスポンダ10に分散させることができる。
【0066】
<第2の実施形態>
図4は、第2の実施形態に係る課金システム1の構成を説明するブロック図である。
図5は、第2の実施形態に係るトランスポンダ10及び端末装置20の動作を示すフローチャートである。
図4及び5を用いて第2の実施形態に係る課金システム1を説明する。なお、第2の実施形態に係る課金システム1が備える各構成要素は、特に言及する場合を除き、第1の実施形態に係る課金システム1が備える各構成要素と同様に構成され、同様に機能するので、重複する説明については省略する。
【0067】
(第2の実施形態に係る課金システムの機能構成)
図5に示すように、第2の実施形態に係るトランスポンダ10は、料金決定用情報記憶部103、料金決定用情報送信処理部104、車両情報管理部105、及び電波受信インタフェース110を備えていない点で、第1の実施形態に係るトランスポンダ10と異なっている。
【0068】
図5に示すように、第2の実施形態に係る端末装置20であるスマートフォンは、車両情報管理部206及び電波受信インタフェース230をさらに備える点で、第1の実施形態に係る端末装置20と異なっている。
【0069】
第2の実施形態に係る端末装置20が備える車両情報管理部206は、第1の実施形態に係るトランスポンダ10が備える車両情報管理部105と同様に機能する。即ち、例えば、車両情報管理部206は、電波受信インタフェース230を介して受信したGNSS衛星5からの電波の情報に基づいて車両2に搭乗する利用者Uの現在位置を車両2の現在位置として定期的に算出し、算出した車両2の現在位置の変化量から、車両2の走行経路及び走行速度を決定してよい。車両情報管理部206は、決定した車両2の走行経路及び走行速度を料金決定用情報として設定情報記憶部205に記憶してよい。
【0070】
第2の実施形態に係る端末装置20が備える電波受信インタフェース230は、第1の実施形態に係るトランスポンダ10が備える電波受信インタフェース110と同様に機能する。即ち、電波受信インタフェース230は、GNSS衛星5からの電波を受信できるように構成されている。
【0071】
図5に示すように、第2の実施形態に係るサービスシステム管理サーバ3は、料金決定用情報記憶部301及び料金決定用情報送信処理部304をさらに備える点で、第1の実施形態に係るサービスシステム管理サーバ3と異なっている。
【0072】
第2の実施形態に係るサービスシステム管理サーバ3が備える料金決定用情報記憶部301は、第1の実施形態に係るトランスポンダ10が備える料金決定用情報記憶部103と同様に機能する。即ち、料金決定用情報記憶部301は、車両2に係る料金を決定するための料金決定用情報を記憶するように構成されている。具体的には、料金決定用情報記憶部301は、料金決定用情報として、車両2の車種、ナンバープレート情報、及び車検情報が、予め記憶されていてよい。なお、第2の実施形態に係る料金決定用情報記憶部301では、料金決定用情報として、車両2の車種、ナンバープレート情報、及び車検情報が当該車両2に搭載されたトランスポンダ10の識別IDと関連付けられて記憶されている。
【0073】
第2の実施形態に係るサービスシステム管理サーバ3が備える料金決定用情報送信処理部304は、第1の実施形態に係るトランスポンダ10が備える料金決定用情報送信処理部104と同様に機能する。即ち、料金決定用情報送信処理部304は、料金決定用情報記憶部301に記憶されている料金決定用情報を取得し、端末装置20及びトランスポンダ10が連携している間に、取得した料金決定用情報を端末装置20に送信する送信処理を行うように構成されている。なお、第2の実施形態に係る料金決定用情報送信処理部304では、端末装置20の料金決定用情報取得部202からサービスシステム管理サーバ3に送信される料金決定用情報を要求する料金決定用情報要求を受信すると、料金決定用情報記憶部301からの料金決定用情報の取得及び取得した料金決定用情報の端末装置20への送信を行うように構成されている。
【0074】
(第2の実施形態に係るトランスポンダ及び端末装置の動作の処理フロー)
図5に示す第2の実施形態に係る課金システム1における処理と、
図3に示す第1の実施形態に係る課金システム1における処理との相違点は、ステップS110の処理がなくなり、ステップS131〜S133の処理が追加され、ステップS111の処理がステップS111a及びステップS111bに変更された点である。他の処理については、
図3に示す第1の実施形態に係る課金システム1の処理フローと同様であるので説明を省略する。
【0075】
第2の実施形態では、端末装置20の識別ID受付部201が、トランスポンダ10の識別IDを受け付けたことを示す受付通知信号を第1の通信インタフェース210を介してトランスポンダ10に送信した(ステップS108)後に、端末装置20の料金決定用情報取得部202は、サービスシステム管理サーバ3に料金決定用情報を要求する料金決定用情報要求を送信する(ステップS131)。この料金決定用情報要求には、利用者2が利用する車両2に搭載されたトランスポンダ10を識別する識別IDが含まれていてよい。
【0076】
サービスシステム管理サーバ3の料金決定用情報送信処理部304は、端末装置20の料金決定用情報取得部202から料金決定用情報要求を受信する(ステップS132)と、料金決定用情報要求に含まれている識別IDに基づいて、料金決定用情報記憶部301から識別IDに関連付けられた料金決定用情報(車両2の車種、ナンバープレート情報、及び車検情報)を取得して端末装置20に送信する(ステップS133)。
【0077】
料金決定用情報取得部202は、サービスシステム管理サーバ3と通信して料金決定用情報(車両2の車種、ナンバープレート情報、及び車検情報)を取得する(ステップS110a)。詳述すると、料金決定用情報取得部202は、サービスシステム管理サーバ3の料金決定用情報送信処理部304から送信された料金決定用情報を、第2の通信インタフェース220を介して受信することにより、料金決定用情報を取得する(ステップS110a)。
【0078】
さらに、料金決定用情報取得部202は、設定情報記憶部205に記憶されている料金決定用情報(車両2の走行経路、走行距離)を定期的に取得する(ステップS110b)。例えば、料金決定用情報取得部202は、車両情報管理部206が、車両2の走行経路及び走行速度を料金決定用情報として設定情報記憶部205に定期的に記憶するタイミングで設定情報記憶部205から記憶された料金決定用情報(車両2の走行経路、走行距離)を定期的に取得してもよいし、その他のタイミングで定期的又は不定期的に取得してもよい。
【0079】
(作用、効果)
以上のとおり、第2の実施形態に係る課金システム1が備える端末装置20において、料金決定用情報取得部202は、サービスシステム管理サーバ3と通信して料金決定用情報を取得する。
このように、端末装置20が、トランスポンダ10ではなく、サービスシステム管理サーバ3から料金決定用情報を取得するようにしているので、トランスポンダ10が料金決定用情報を記憶する機能を設けずに済み、トランスポンダ10の費用を低減することができる。
さらに、
図4に示すように、車両2の走行経路及び走行距離を決定する車両情報管理部206をトランスポンダ10ではなく端末装置20に設けることで、さらにトランスポンダ10の費用を低減することができる。
【0080】
図6は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
コンピュータ9は、CPU91、主記憶装置92、補助記憶装置93、インタフェース94を備える。
上述の端末装置20は、コンピュータ9を備える。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置93に記憶されている。CPU91は、プログラムを補助記憶装置93から読み出して主記憶装置92に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。例えば、上述した識別ID受付部201、料金決定用情報取得部202、料金決定部203、及び課金情報送信処理部204は、CPU91であってよい。
また、CPU91は、プログラムに従って、上述したデータベースに対応する記憶領域を主記憶装置92または補助記憶装置93に確保する。例えば、上述の端末装置20の設定情報記憶部205が補助記憶装置93に確保されてよい。
【0081】
さらに、上述のトランスポンダ10は、コンピュータ9と同様のコンピュータを備えていてよく、トランスポンダ10の識別ID送信処理部102、料金決定用情報送信処理部104、及び車両情報管理部105がCPU91と同様のCPUであってよい。さらに、トランスポンダ10の識別ID記憶部101及び料金決定用情報記憶部103は、補助記憶装置93と同様の補助記憶装置に確保されてよい。
【0082】
さらに、上述のサービスシステム管理サーバ3は、コンピュータ9と同様のコンピュータを備えていてよく、サービスシステム管理サーバ3の料金決定用情報送信処理部304がCPU91と同様のCPUであってよい。さらに、サービスシステム管理サーバ3の料金決定用情報記憶部301は、補助記憶装置93と同様の補助記憶装置に確保されてよい。
【0083】
補助記憶装置93の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(SolID State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。補助記憶装置93は、コンピュータ9のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インタフェース94または通信回線を介してコンピュータ9に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ9に配信される場合、配信を受けたコンピュータ9が当該プログラムを主記憶装置92に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、補助記憶装置93は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0084】
また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、当該プログラムは、前述した機能を補助記憶装置93に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0085】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。