【文献】
JAMEEL, M. I. 外1名,“Low-power wireless advertising software library for distributed M2M and contextual IoT”,2015 IEEE 2ND WORLD FORUM ON INTERNET OF THINGS (WF-IOT),2015年,Pages 597-602,URL,http://dx.doi.org/10.1109/WF-IoT.2015.7389121
【文献】
株式会社芳和システムデザイン,“IoT、M2M、見守り用途等で使用出来る、小型タグ型のBeacon BLEAD-TSHを販売します。”,PRTIMES,2016年 3月 4日,URL,https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000017931.html
【文献】
森田達弥 外5名,“宅内行動履歴自動生成に向けた加速度センサ内蔵BLEビーコンを用いた行動認識手法”,2016年度 情報処理学会関西支部 支部大会 講演論文集,2016年 9月16日,7 Pages,URL,http://id.nii.ac.jp/1001/00175254/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2ビーコン信号は、前記第1ビーコン信号の送信元となる固定局の識別情報に対応付けられた当該第1ビーコン信号の前記第1受信部での受信強度を表す情報を前記第1ビーコン信号の受信状況を表す情報として含む請求項1記載の位置検出システム。
前記第2ビーコン信号は、前記第1受信部での受信強度のより大きい前記第1ビーコン信号の送信元となる前記所定数の固定局のそれぞれからの当該第1ビーコン信号の前記第1受信部での受信強度を表す情報を前記第1ビーコン信号の受信状況を表す情報として含む請求項3記載の位置検出システム。
前記第2ビーコン信号は、前記第1受信部での受信強度が最大となる前記第1ビーコン信号の送信元となる単一の固定局からの当該第1ビーコン信号の前記第1受信部での受信強度を表す情報を前記第1ビーコン信号の受信状況を表す情報として含む請求項4記載の位置検出システム。
前記第1近距離無線通信及び前記第2近距離無線通信の少なくともいずれか一方は、ブルートゥース・ロー・エナジーの規定に従った近距離無線通信である請求項1乃至5のいずれかに記載の位置検出システム。
第1近距離無線通信の規定に従ってビーコン信号の走査を行って、一又は複数の固定局のそれぞれから前記第1近距離無線通信でブロードキャスト送信される、当該固定局の識別情報を含む第1ビーコン信号を受信する受信部と、
該受信部が前記一又は複数の固定局のそれぞれからの前記第1ビーコン信号を受信したときに、該第1ビーコン信号に含まれる当該第1ビーコン信号の送信元となる固定局の識別情報と、前記第1ビーコン信号の前記受信部での受信状況を表す情報とをそれぞれが対応付けられた形式にて含むとともに、自局の識別情報を含む第2ビーコン信号を第2近距離無線通信によりブロードキャスト送信する送信部とする移動局。
前記第1近距離無線通信及び前記第2近距離無線通信の少なくともいずれか一方は、ブルートゥース・ロー・エナジーの規定に従った近距離無線通信である請求項8記載の移動局。
当該移動局が前記受信部により所定閾値以上の受信強度にて前記一又は複数の固定局のいずれかからの前記第1ビーコン信号を受信できる状態であるか否かを判定する状態判定部と、
該状態判定部により当該移動局が前記受信部により前記所定閾値以上の受信強度にて前記一又は複数の固定局のいずれかからの前記第1ビーコン信号を受信できる状態であると判定されたときは、第1の行い程度で前記受信部に前記ビーコン信号の走査を行わせ、前記状態判定部により当該移動局が前記受信部により前記所定閾値以上の受信強度にて前記一又は複数の固定局のいずれかからの前記第1ビーコン信号を受信できる状態でないと判定されたときは、前記第1の行い程度より少ない第2の行い程度で前記受信部に前記ビーコン信号の走査を行わせるビーコン走査制御部とを有する請求項8乃至10のいずれかに記載の移動局。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したような従来の位置検出システムでは、複数の固定送信機2a、2b、2c、2dのそれぞれと無線通信を行い、複数の固定送信機2a、2b、2c、2dのそれぞれからの受信信号の電波強度を測定し、その測定結果を位置強度情報として位置検出装置4に接続された受信装置3に無線送信する等の多くの処理を行なうバッテリを電源とした携帯無線機1(移動局)での消費電力を抑えることが望まれている。しかし、この従来の位置検出システムでは、各固定送信機2a、2b、2c、2dとの間の無線通信及び受信装置3との間の無線通信において、省電力について何ら考慮されていない。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、位置検出の対象となる移動局での電力消費をできるだけ低減させることのできる位置検出システムを提供するものである。
【0007】
また、本発明は、そのような位置検出システムにて用いられる移動局を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る位置検出システムは、所定の領域に固定配置される一又は複数の固定局と、前記領域において移動可能な移動局と、前記移動局の位置に関する情報を生成する位置解析装置とを有し、前記一又は複数の固定局のそれぞれは、自局の識別情報を含む第1ビーコン信号を第1近距離無線通信によりブロードキャスト送信する第1送信部を有し、前記移動局は、前記一又は複数の固定局のそれぞれの前記第1送信部からブロードキャスト送信される前記第1ビーコン信号を前記第1近距離無線通信により受信する第1受信部と、該第1受信部にて受信される前記一又は複数の固定局のそれぞれからの前記第1ビーコン号に含まれる当該第1ビーコン信号の送信元となる固定局の識別情報と、前記第1ビーコン信号の前記第1受信部での受信状況を表す情報とをそれぞれが対応付けられた形式にて含む
とともに、自局の識別情報を含む第2ビーコン信号を第2近距離無線通信によりブロードキャスト送信する第2送信部とを有し、前記位置解析装置は、前記移動局の前記第2送信部からブロードキャスト送信される前記第2ビーコン信号を前記第2近距離無線通信により受信する第2受信部と、該第2受信部にて受信される前記第2ビーコン信号に含まれる前記一又は複数の固定局のそれぞれの識別情報に対応付けられた前記第1ビーコン信号の受信状況を表す情報に基づいて
前記識別情報で特定される前記移動局の位置に関する前記情報を生成する位置情報生成部とを有する構成となる。
【0009】
このような構成により、所定の領域に固定配置された一又は複数の固定局のそれぞれ(第1送信部)から自局の識別情報を含む第1ビーコン信号が第1近距離無線通信によりブロードキャスト送信される状況において、当該所定の領域内を移動可能な移動局(第1受信部)が、前記一又は複数の固定局からブロードキャスト送信される前記第1ビーコン信号を前記第1近距離無線通信により受信する。そして、この移動局(第2送信部)は、更に、前記受信した第1ビーコン信号に含まれる当該第1ビーコン信号の送信元となる固定局の識別情報と当該第1ビーコン信号の受信状況を表す情報とをそれぞれが対応付けられた形式で含む
とともに、自局の識別情報を含む第2ビーコン信号を第2近距離無線通信によりブロードキャスト送信する。
【0010】
位置解析装置(第2受信部)は、移動局からブロードキャスト送信される前記第2ビーコン信号を前記第2近距離無線通信により受信する。固定局(第1送信部)からブロードキャスト送信される前記第1ビーコン信号の移動局(第1受信部)での受信状況は、当該第1ビーコン信号の送信元となる固定局と移動局との相対的な位置関係に依存し得る。位置解析装置では、このように一又は複数の固定局のそれぞれと移動局との相対的な位置関係に依存し得る前記第1ビーコン信号の前記移動局(第1受信部)での受信状況を表す情報に基づいて
前記識別情報で特定される前記移動局の位置に関する情報が生成される。
【0011】
前記第1ビーコン信号の移動局(第1受信部)での受信状況を表す情報は、固定局と移動局との相対的な位置関係に依存する情報であれば特に限定されない。この第1ビーコン信号の移動局(第1受信部)での受信状況を表す情報として、例えば、第1ビーコン信号の受信強度を表す情報、第1ビーコン信号の伝搬する方向を表す情報、第1ビーコン信号の受信の有無そのものを表す情報等を用いることができる。
【0012】
本発明に係る位置検出システムにおいて、前記第2ビーコン信号は、前記第1ビーコン信号の送信元となる固定局の識別情報に対応付けられた当該第1ビーコン信号の前記第1受信部での受信強度を表す情報を前記第1ビーコン信号の受信状況を表す情報として含む構成とすることができる。
【0013】
このような構成により、位置解析装置では、一又は複数の固定局のそれぞれからブロードキャスト送信される前記第1ビーコン信号の前記移動局(第1受信部)での受信強度を表す情報に基づいて前記移動局の位置に関する情報が生成される。
【0014】
本発明に係る位置検出システムにおいて、前記所定の領域に複数の固定局が固定配置されており、前記第2ビーコン信号は、前記第1ビーコン信号の送信元となる前記固定局の全数より少ない所定数の固定局のそれぞれからの当該第1ビーコン信号の前記第1受信部での受信強度を表す情報を前記第1ビーコン信号の受信状況を表す情報として含む構成とすることができる。
【0015】
このような構成により、位置解析装置では、所定領域に固定配置された複数の固定局の全数より少ない所定数の固定局のそれぞれからブロードキャスト送信される第1ビーコン信号の移動局(第1受信部)での受信強度を表す情報に基づいて前記移動局の位置に関する情報が生成される。移動局では全固定局のそれぞれからブロードキャスト送信される第1ビーコン信号の受信強度を得る必要がなく、移動局での効率的な処理が可能になる。
【0016】
本発明に係る位置検出システムにおいて、前記第2ビーコン信号は、前記第1受信部での受信強度のより大きい前記第1ビーコン信号の送信元となる前記所定数の固定局のそれぞれからの当該第1ビーコン信号の前記第1受信部での受信強度を表す情報を前記第1ビーコン信号の受信状況を表す情報として含む構成とすることができる。
【0017】
このような構成により、位置解析装置では、所定の領域に固定配置された複数の固定局のうち、移動局での受信強度のより大きい前記第1ビーコン信号の送信元となる所定数の固定局のそれぞれからの当該第1ビーコン信号の当該移動局(第1受信部)での受信強度を表す情報に基づいて移動局の位置に関する情報が生成される。全数より少ない所定数の固定局のそれぞれからブロードキャスト送信される第1ビーコン信号の受信強度に基づいて移動局の位置に関する情報を生成する際に、その受信強度のより大きい第1ビーコン信号の当該受信強度を表す情報に基づいて移動局の位置に関する情報が生成されるので、移動局のより確実な位置に関する情報を得ることができる。
【0018】
本発明に係る位置検出システムにおいて、前記第2ビーコン信号は、前記第1受信部での受信強度が最大となる前記第1ビーコン信号の送信元となる単一の固定局からの当該第1ビーコン信号の前記第1受信部での受信強度を表す情報を前記第1ビーコン信号の受信状況を表す情報として含む構成とすることができる。
【0019】
このような構成により、位置解析装置では、移動局(第1受信部)での受信強度が最大となる第1ビーコン信号の送信元となる単一の固定局からの当該第1ビーコン信号の当該受信強度を表す情報に基づいて移動局の位置に関する情報が生成される。
【0020】
本発明に係る位置検出システムにおいて、第1近距離無線通信と第2近距離無線通信とは同じ規定に従った近距離無線通信であっても、異なった規定に従った近距離無線通信であってもよい。
【0021】
また、省電力化の観点から、前記第1近距離無線通信及び前記第2近距離無線通信の少なくとも一方は、ブルートゥース・ロー・エナジーの規定に従った近距離無線通信とすることができる。
【0022】
本発明に係る移動局は、第1近距離無線通信の規定に従ってビーコン信号の走査を行って、一又は複数の固定局のそれぞれから前記第1近距離無線通信でブロードキャスト送信される、当該固定局の識別情報を含む第1ビーコン信号を受信する受信部と、該受信部が前記一又は複数の固定局のそれぞれからの前記第1ビーコン信号を受信したときに、該第1ビーコン信号に含まれる当該第1ビーコン信号の送信元となる固定局の識別情報と、前記第1ビーコン信号の前
記受信部での受信状況を表す情報とをそれぞれが対応付けられた形式にて含む
とともに、自局の識別情報を含む第2ビーコン信号を第2近距離無線通信によりブロードキャスト送信する送信部とする構成となる。
【0023】
このような構成により、受信部が、第1近距離無線通信の規定に従ってビーコン信号の走査を行って、一又は複数の固定局のそれぞれから第1近距離無線通信でブロードキャスト送信される当該固定局の識別情報を含む第1ビーコン信号を受信すると、送信部が、その第1ビーコン信号に含まれる当該第1ビーコン信号の送信元となる固定局の識別情報と、前記第1ビーコン信号の前記受信部での受信状況を表す情報とをそれぞれが対応付けられた形式にて含む
とともに、自局の識別情報を含む第2ビーコン信号を第2近距離無線通信によりブロードキャスト送信する。
【0024】
このように、移動局の送信部から第2近距離無線通信によりブロードキャスト送信される前記第2ビーコン信号を受信する装置では、前記第2ビーコン信号に前記第1ビーコン信号の送信元となる固定局の識別情報に対応付けられた形式で含まれる前記第1ビーコン信号の前記移動局(受信部)での受信状況を表す情報に基づいて当該移動局の位置に関する情報を生成することができる。
【0025】
本発明に係る移動局において、当該移動局が移動している状態か否かを判定する状態判定部と、該状態判定部により当該移動局が移動している状態であると判定されたときは、第1の行い程度で前記受信部に前記ビーコン信号の走査を行わせ、前記状態判定部により当該移動局が移動している状態でないと判定されたときは、前記第1の行い程度より少ない第2の行い程度で前記受信部に前記ビーコン信号の走査を行わせるビーコン走査制御部とを有する構成とすることができる。走査が行われる量の程度
【0026】
このような構成により、移動局が移動している状態では、該移動局が移動している状態でない場合に比べて、より多くの行い程度で、ビーコン信号の走査が行われるようになるので、移動局が移動している状態では、一又は複数の固定局のそれぞれからブロードキャスト送信される第1ビーコン信号をより多くの機会において受信することができる。その結果、例えば、人に移動局を装着させてその人の動線を解析する場合など、その人の移動に即して変化する移動局の位置(動線)を的確に表し得る当該移動局の位置に関する情報を得ることができる。
【0027】
本発明に係る移動局において、当該移動局が静止した状態であるか否かを判定する状態判定部と、該状態判定部により当該移動局が静止した状態であると判定されたときは、第1の行い程度で前記受信部に前記ビーコン信号の走査を行わせ、前記状態判定部により当該移動局が静止した状態でないと判定されたときは、前記第1の行い程度より少ない第2の行い程度で前記受信部に前記ビーコン信号の走査を行わせるビーコン走査制御部とを有する構成とすることができる。
【0028】
このような構成により、移動局が静止している状態では、該移動局が静止している状態でない場合に比べて、より多くの行い程度で、ビーコン信号の走査が行われるようになるので、移動局が静止している状態では、一又は複数の固定局のそれぞれからブロードキャスト送信される第1ビーコン信号をより多くの機会において受信することができる。その結果、例えば、移動局を装着した品物を紛失した場合など、変化しない移動局の位置に関する情報に基づいてその品物の紛失をより早期に判断することができる。
【0029】
本発明に係る移動局において、当該移動局が前記受信部により前記一又は複数の固定局のいずれかからの前記第1ビーコン信号が受信できる状態であるか否かを判定する状態判定部と、該状態判定部により当該移動局が前記受信部により前記一又は複数の固定局のいずれかからの前記第1ビーコン信号が受信できる状態であると判定されたときは、第1の行い程度で前記受信部に前記ビーコン信号の走査を行わせ、前記状態判定部により当該移動局が前記受信部により前記一又は複数の固定局のいずれかからの前記第1ビーコン信号が受信できる状態でないと判定されたときは、前記第1の行い程度より少ない第2の行い程度で前記受信部に前記ビーコン信号の走査を行わせるビーコン走査制御部とを有する構成とすることができる。
【0030】
このような構成により、移動局が一又は複数の固定局のいずれかからの第1ビーコン信号が受信できる状態でない場合には、当該第1ビーコン信号が受信できる状態である場合に比べて、ビーコン信号の走査の行い程度が少なくなるので、一又は複数の固定局のいずれかからも第1ビーコン信号を受信することができず、位置検出ができない状況で無駄なビーコン信号の走査を防止することができる。その結果、移動局での無駄な電力消費を防止することができる。
【0031】
本発明に係る移動局において、当該移動局が前記受信部により所定閾値以上の受信強度にて前記一又は複数の固定局のいずれかからの前記第1ビーコン信号を受信できる状態であるか否かを判定する状態判定部と、該状態判定部により当該移動局が前記受信部により前記所定閾値以上の受信強度にて前記一又は複数の固定局のいずれかからの前記第1ビーコン信号を受信できる状態であると判定されたときは、第1の行い程度で前記受信部に前記ビーコン信号の走査を行わせ、前記状態判定部により当該移動局が前記受信部により前記所定閾値以上の受信強度にて前記一又は複数の固定局のいずれかからの前記第1ビーコン信号を受信できる状態でないと判定されたときは、前記第1の行い程度より少ない第2の行い程度で前記受信部に前記ビーコン信号の走査を行わせるビーコン走査制御部とを有する構成とすることができる。
【0032】
このような構成により、移動局が所定閾値以上の受信強度にて一又は複数の固定局のいずれかからの第1ビーコン信号を受信できる状態では無い場合には、当該所定閾値以上の受信強度での第1ビーコン信号を受信できる状態である場合に比べて、ビーコン信号の走査の行い程度が少なくなるので、一又は複数の固定局のそれぞれからブロードキャスト送信される第1ビーコン信号の受信強度が低く、正確な位置検出がし難い状況において、無駄なビーコン走査を防止することができる。その結果、移動局での無駄な電力消費を防止することができる。
【0033】
本発明に係る移動局において、当該移動局が前記一又は複数の固定局から受信される一又は複数の第1ビーコン信号の前記受信部での受信の状況が変化する状態であるか否かを判定する状態判定部と、該状態判定部により当該移動局が前記一又は複数の固定局から受信される一又は複数の第1ビーコン信号の前記受信部での受信の状況が変化する状態であると判定されたときは、第1の行い程度で前記受信部に前記ビーコン信号の走査を行わせ、前記状態判定部により当該移動局が前記一又は複数の固定局から受信される一又は複数の第1ビーコン信号の前記受信部での受信の状況が変化する状態でないと判定されたときは、前記第1の行い程度より少ない第2の行い程度で前記受信部に前記ビーコン信号の走査を行わせるビーコン走査制御部とを有する構成とすることができる。
【0034】
このような構成により、移動局が一又は複数の固定局から受信される一又は複数の第1ビーコン信号の受信の状況が変化する状態では、そのような変化がある状態ではない場合に比べて、より多くの行い程度で、ビーコン信号の走査が行われるようになるので、前記一又は複数の第1ビーコン信号の状況が変化する、即ち、移動局が移動する状況では、一又は複数の固定局のそれぞれからブロードキャスト送信される第1ビーコン信号をより多くの機会において受信することができる。その結果、例えば、人に移動局を装着させてその人の動線を解析する場合など、その人の移動に即して変化する移動局の位置(動線)を的確に表し得る当該移動局の位置に関する情報を得ることができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明に係る位置検出システムによれば、移動局は、各固定局との通信接続の状態を維持させておくことなく、自局の都合のよいタイミングで走査を行って第1ビーコン信号を受信すればよく、また、位置解析装置との通信接続の状態を維持させることなく、自局の都合のよいタイミングで第2ビーコン信号をブロードキャスト送信すればよいので、位置検出の対象となる移動局での電力消費をできるだけ低減させることができる。
【0036】
また、本発明に係る移動局によれば、上述した位置検出システムにて用いられる移動局を実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0039】
本発明の実施の一形態に係る位置検出システムは、
図1及び
図2に示すように構成される。この位置検出システムは、例えば、部屋における人の動線を解析するシステムとして利用することができる。
【0040】
図1及び
図2において、動線解析の解析範囲となる部屋100内(領域)には、複数の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fが固定配置されている。具体的には、部屋100の出入り口101の近傍に固定局10aが配置され、コピー機203の近傍に固定局10bが配置され、第1作業机群201の近傍に固定局10cが配置され、第2作業机群202の近傍に固定局10dが配置され、会議室110の出入り口111の近傍に固定局10eが配置され、会議机204が置かれた会議室110内に固定局10fが配置されている。また、後述する位置解析装置30のビーコン受信装置37が部屋100の所定の位置に設置されている。各固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fは、ブルートゥース、特に、ブルートゥース・ロー・エナジー(以下、BLEという)の規定に従った近距離無線通信により、後述する第1ビーコン信号をブロードキャスト送信する。
【0041】
移動局20は、動線解析の対象となる人に携行されており、その人の移動に応じて部屋100内を移動可能となっている。移動局20は、BLEの規定に従った近距離無線通信により、各固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fからブロードキャスト送信される前記第1ビーコン信号を受信することができる。また、移動局20は、BLEの規定に従った近距離無線通信によって、後述する第2ビーコン信号をブロードキャスト送信する。ビーコン受信装置37は、位置解析装置30の機器本体30Mに通信可能に接続されている。ビーコン受信装置37は、移動局20からブロードキャスト送信される前記第2ビーコン信号を、BLEの規定に従った近距離無線通信により受信することができる。ビーコン受信装置37により受信された情報(前記第2ビーコン信号)は、位置解析装置30の機器本体30Mに供給される。
【0042】
複数の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fは、全て同じ構成であって、
図3に示すように構成される。なお、構成の同じ複数の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fを代表の1つの固定局として説明する場合、その固定局に対する参照番号は10とする。
【0043】
図3において、固定局10は、機器本体10Mと電源回路14とから構成されている。機器本体10Mは、CPU等で構成される制御ユニット11と、BLE通信ユニット12と、記憶ユニット13とを有している。BLE通信ユニット12は、制御ユニット11の制御のもと、BLEの規定に従って近距離無線通信(ブルートゥース通信:第1近距離無線通信)を行う。このBLE通信ユニット12(第1送信部)は、ブルートゥース通信において、特に、ペリフェラル側機器(スレーブ側機器)として機能し、アドバタイジングにおいて前記第1ビーコン信号をブロードキャスト送信する。また、記憶ユニット13は、制御ユニット11での処理に必要な情報や、自局の識別番号等のブロードキャスト送信する第1ビーコン信号に含めるべき情報を記憶する。電源回路14は、部屋100のある建物の設備から供給される電気を適正な電気に変換して、機器本体10Mに対して所定の電力を供給する。機器本体10Mの制御ユニット11、BLE通信ユニット12、及び記憶ユニット13は、電源回路14から供給される電力により動作する。なお、電源回路14に代えて、バッテリから機器本体10Mに電力供給するように構成することもできる。
【0044】
移動局20は、
図4に示すように構成される。
図4において、移動局20は、機器本体20Mとバッテリ25とから構成されている。機器本体20Mは、CPU等で構成される制御ユニット21と、第1BLE通信ユニット22と、第2BLEユニット23と、記憶ユニット24とを有している。第1BLEユニット22は、制御ユニット21の制御のもと、BLEの規定に従って近距離無線通信(ブルートゥース通信:第1近距離無線通信)を行う。この第1BLE通信ユニット22(第1受信部・受信部)は、ブルートゥース通信において、特に、セントラル側機器(マスター機器)として機能し、固定局10(BLE通信ユニット12)からアドバタイジングにおいてブロードキャスト送信される前記第1ビーコン信号を受信することができる。第2BLEユニット23は、制御ユニット21の制御のもと、BLEの規定に従って近距離無線通信(ブルートゥース通信:第2近距離無線通信)を行う。この第2BLE通信ユニット23(第2送信部・送信部)は、ブルートゥース通信において、特に、ペリフェラル側機器(スレーブ側機器)として機能し、アドバタイジングにおいて第2ビーコン信号をブロードキャスト送信する。また、記憶ユニット24は、制御ユニット21での処理に必要な情報や、制御ユニット21の処理により生成された情報等を記憶する。バッテリ25は機器本体20Mに対して電力供給を行う。機器本体20Mの制御ユニット21、第1BLEユニット22、第2BLEユニット23、及び記憶ユニット24は、バッテリ25からの電力供給により動作する。
【0045】
位置解析装置30は、
図5に示すように構成される。
図5において、位置解析装置30は、機器本体30Mと、電源回路36と、部屋100内に設置されたビーコン受信装置37とから構成されている。ビーコン受信装置37(第2受信部)は、BLEの規定に従った近距離無線通信(ブルートゥース通信:第2近距離無線通信)において、特に、セントラル側機器(マスター機器)として機能し、移動局20から前記アドバタイジングにおいてブロードキャスト送信される第2ビーコン信号を受信することができる。機器本体30Mは、CPU等で構成される制御ユニット31と、2つのネットワーク通信ユニット32、33と、記憶ユニット34と、操作ユニット35とを有している。制御ユニット31は、操作ユニット35での操作に応じた操作信号に従って、ネットワーク通信ユニット32を介してビーコン受信装置37を制御するとともに、移動局20の位置検出に係る処理を含む種々の処理を実行する。一方のネットワーク通信ユニット32は、所定の構内ネットワークを介してビーコン受信装置37に接続されており、制御ユニット31の制御のもと、ビーコン受信装置37から前記第2ビーコン信号を前記構内ネットワークを介して受信することができる。記憶ユニット34は、制御ユニット31での処理に必要な情報(データベース等)や制御ユニット31での処理により生成された情報等を記憶する。他方のネットワーク通信ユニット33は、制御ユニット33の制御のもと、所定の構内ネットワークを介して他の機器(例えば、部屋100のある建物と異なる建物に設置されている)と情報の送受を行い、例えば、移動局20(携行する人)の位置に関する情報(当該人の動線に係る情報)を前記他の機器に送信することができる。電源回路36は、部屋100のある建物の設備から供給される電気を適正な電気に変換して、機器本体30Mに対して所定の電力を供給する。機器本体30Mの制御ユニット31、2つのネットワーク通信ユニット32、33、記憶ユニット34及び操作ユニット35は電源回路36から供給される電力により動作する。
【0046】
固定局10からブロードキャスト送信される前記第1ビーコン信号には、例えば、
図6Aに示すように、送信元の局の種別である「固定局」、固定局10が設置された領域を特定する「エリア番号」、及び自局(固定局10)の「識別番号」の各情報が含まれる。移動局20からブロードキャスト送信される前記第2ビーコン信号には、例えば、
図6Bに示すように、処理の順番を示す「シーケンス番号」、送信元の局の種別である「移動局」、移動局20が存在する領域を特定する「エリア番号」、自局(移動局20)の「識別番号」、受信した第1ビーコン信号の送信元となる固定局の「識別番号」及び当該第1ビーコン信号の「受信強度」(RSSI:Received Signal Strength Indicator)の各情報を含む。
【0047】
位置解析装置30の記憶ユニット34には、例えば、
図7に示すような、各固定局とその位置との関係を示す固定局配置テーブル(データベース)が記憶されている。この固定局配置テーブルでは、各固定局の「識別番号」に対して、当該固定局が配置された領域を特定する「エリア番号」、当該固定局が配置された「位置(経度・緯度)」、及びその位置の「説明」が対応づけられている。また、記憶ユニット34には、
図8に示すような、移動局とその携行者との関係を示す移動局・携行者対応テーブル(データベース)が記憶されている。この移動局・携行者対応テーブルでは、各移動局の「識別番号」に対して、当該移動局を携行する人の「氏名」が対応づけられている。
【0048】
この位置検出システムでは、例えば、
図9に示すように、複数の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fのそれぞれ(BLE通信ユニット12)が、自局の種類(固定局)、エリア番号及び識別番号を含む第1ビーコン信号(
図6A参照)をBLEの規定に従った近距離無線通信により、結果的に、他の固定局と送信タイミングが重ならないように、独自のインターバル(例えば、100msを中心にランダムに決められている)で、一定時間の送信を繰り返すように、ブロードキャスト送信している。このような状況において、移動局20(第1BLE通信ユニット22)は、BLEの規定に従って、ビーコン信号の走査(スキャニング)を行っている。このビーコン信号の走査は、
図10に示すように、あるインターバルTintで、ある時間Tscnの走査を繰り返すかたちで行われる。ここで、インターバルTintに対する走査時間Tscnの割合をスキャンデューティという。例えば、100msのインタバール(Tint=100ms)に対して、走査時間が50msである(Tscn=50ms)場合、スキャンデューティは50%であり、同じ走査時間50ms(Tscan=50ms)でも、インターバルが長くなって200ms(Tint=200ms)になれば、スキャンデューティは小さく、25%になる。また、インターバルTint(=200ms)が長くなっても、走査時間Tscnが同じ割合で長くなれば(Tscn=100ms)、スキャンデューティは変わらない(50%)。このスキャンデューティは、走査の行い程度を表しており、スキャンデューティが大きくなれば、結局は単位時間当たりの走査時間が長くなって、走査の行い程度が多くなり、スキャンデューティが小さくなれば、結局は単位時間当たりの走査時間が短くなって、走査の行い程度が少なくなる。この走査の行い程度は、走査が行われる量の程度であって、より多くの量の走査が行われれば、走査の行い程度は多く、走査の量がより少なければ、走査の行い程度は少ない。この走査の行い程度は、走査が行われる量の程度を表し得るものであれば、特に、限定されず、前記スキャンデューティ以外の、例えば、走査の頻度(基準時間内におけるある時間での走査回数)や単位時間当たりの走査時間の割合等によっても表し得る。
【0049】
図9に戻って、上述したようにビーコン信号の走査を繰返し行っている移動局20(第1BLE通信ユニット22、制御ユニット21)は、各固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fからブロードキャスト送信される第1ビーコン信号を受信すると、受信した第1ビーコン信号の受信強度(RSSI)を測定する。そして、移動局20(第2BLE通信ユニット23)は、その受信強度(例えば、−60dBm、−55dBm、−50dBm)と前記第1ビーコン信号の送信元となる固定局10の識別番号(例えば、A003、A002、A001)とをそれぞれが対応付けられた形式で含む(
図6B参照)第2ビーコン信号をBLEの規定に従った近距離無線通信(ブルートゥース通信)によって、所定のインターバル(例えば、250ms)で繰り返しブロードキャスト送信する。
【0050】
位置解析装置30のビーコン受信装置37(第2受信部)は、所定のスキャンデューティ(例えば、75%)で、ビーコン信号の走査を行っており、移動局20からブロードキャスト送信される第2ビーコン信号を受信すると、その第2ビーコン信号に含まれる情報(
図6B参照)を位置解析装置30の機器本体30Mに送信する。この第2ビーコン信号に含まれた情報を受信した位置解析装置30の機器本体30M(制御ユニット31)は、記憶ユニット34に格納された、
図7に示す固定局配置テーブルを参照し、固定局の位置及び前記受信強度に基づいて移動局20の位置に関する情報を生成する。そして、位置解析装置30(制御ユニット31)は、時間的に変化する前記位置に関する情報に基づいて、移動局20を携行した人の動線を表す情報を生成する。
【0051】
前述した位置検出システムの更に詳細な動作について説明する。
【0052】
前述したように複数の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fのそれそれぞれは、
図6Aに示すように、自局の種類である固定局、自局が配置された領域(部屋100)を特定するエリア番号(01:部屋100)、及び自局の識別情報(A001、A002等)の各情報を含む第1ビーコン信号を、BLEの規定に従った近距離無線通信(ブルートゥース通信)により、結果的に、他の固定局と送信タイミングが重ならないように、独自のインターバル(例えば、100msを中心にランダムに決められる)で、繰り返しブロードキャスト送信している。このような状況において、部屋100内を自由に移動できる人に携行された移動局20の制御ユニット21は、
図11に示す手順に従って、前記第1ビーコン信号の受信に係る処理を行なう。
【0053】
図11において、制御ユニット21は、第1BLE通信ユニット22に、例えば、スキャンデューティ20%(例えば、Tint=100ms、Tscn=20ms)でのビーコン信号の走査を開始させる(S11)。第1BLE通信ユニット22がBLEの規定に従ってスキャンデューティ20%でビーコン信号を走査している過程で、制御ユニット21は、第1BLE通信ユニット22がビーコン信号を受信したか否かを繰返し判定している(S12)。第1BLE通信ユニット22がビーコン信号を受信すると(S12でYES)、受信したビーコン信号に含まれる局の種類を表す情報に基づいて、前記受信したビーコン信号の送信元が固定局であるか否かを判定する(S13)。受信したビーコン信号の送信元の局が移動局や無関係の局等、固定局ではない場合(S13でNO)、受信したビーコン信号は移動局の位置検出に関わりないものとして、制御ユニット21は、第1BLE信号ユニット22が次のビーコン信号を受信するか否かを判定する(S12)状態に戻る。
【0054】
一方、制御ユニット21は、前記受信したビーコン信号の送信元が固定局であると(S13でYES)、更に、そのビーコン信号に含まれる送信元の固定局が配置される領域を特定するエリア番号が、動線解析の解析範囲となる部屋100を表すエリア番号(01)と一致するか否かを判定する(S14)。それらのエリア番号が一致しなければ(S14でNO)、制御ユニット21は、受信したビーコン信号は、移動局20の位置検出に関係のないビーコン信号として、第1BLE通信ユニット22が次のビーコン信号を受信するか否かを判定する(S12)状態に戻る。
【0055】
なお、
図11には示されていないが、制御ユニット11は、第1BLE通信ユニット22がビーコン信号を受信する毎に、公知の手法に従って、第1BLE通信ユニット22にて受信されるビーコン信号(第1ビーコン信号)の受信強度(RSSI)を測定している。
【0056】
上述したように、制御ユニット21は、第1BLE通信ユニット22がビーコン信号を受信する(S12でYES)毎に、そのビーコン信号が動線解析の解析範囲となる部屋100に配置された固定局10からのものであるか否かを判定する(S13、S14)。そして、第1BLE通信ユニット22にて受信されたビーコン信号(S12でYES)が部屋100に配置された固定局10からのものあると(S13でYES、S14でYES)、制御ユニット21は、そのビーコン信号を固定局10からの第1ビーコン信号として、当該ビーコン信号の第1BLE通信ユニット22での受信強度と、そのビーコン信号の送信元の固定局の識別番号とを対にして記憶部24に保存する(S15)。
【0057】
その後、制御ユニット21は、所定の終了条件(例えば、図示外のスイッチのオフ操作等)が満足されたか否かを判定し、その終了条件が満足されていなければ(S16でNO)、前述した手順(S12〜S15)に従って、処理を実行する。その結果、制御ユニット21は、第1BLE通信ユニット22が複数の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fのいずれかからのビーコン信号(第1ビーコン信号)を受信する毎に、そのビーコン信号の受信強度と、送信元の固定局の識別番号とを対にして記憶部24に保存する。
【0058】
移動局20の制御ユニット21は、上述した固定局10からの第1ビーコン信号の受信に係る処理と並行して、
図12に示す手順に従って、第2ビーコン信号のブロードキャスト送信に係る処理を行なっている。
【0059】
図12において、制御ユニット21は、第2BLE通信ユニット23に、所定のインターバル(例えば、250ms)での
図6Bに示すフォーマットの第2ビーコン信号のBLEの規定に従った近距離無線通信によるブロードキャスト送信を開始させる(S21)。第2BLE通信ユニット23による所定インターバルでの第2ビーコン信号のブロードキャスト送信の過程で、制御ユニット21は、所定時間(例えば、1秒間)待機した(S22)後、その時点で、前述した処理(
図11参照)により記憶部24に保存されている受信強度のうち最大の受信強度、及びそれに対応する固定局の識別番号を取得する(S23)。このように、その時点で記憶部24に保持されている最大受信強度及びそれに対応した識別番号を取得すると、制御ユニット21は、
図6Bに示すフォーマットの第2ビーコン信号の内容における、シーケンス番号を+1インクリメントするとともに、新たに取得した最大受信強度及び対応する識別番号によって、受信固定局の識別番号及び受信強度の各情報を更新する(S24)。これにより、新たな内容に更新された第2ビーコン信号が第2BLE通信ユニット23によってブロードキャスト送信される。
【0060】
そして、制御ユニット21は、記憶部24にそれぞれ対になって保存されていた識別番号と受信強度の各情報をクリアする(S25)。その後、別途、
図11に示す手順に従って、新たな第1ビーコン信号の受信強度とその送信元の固定局の識別番号とが対になって記憶部24に順次保存されていく。
【0061】
前述したように、記憶部24の内容をクリアすると、制御ユニット21は、
図11に示す手順に従ったスキャン処理が終了したか否かを判定する(S26)。前記スキャン処理が終了していなければ、制御ユニット21は、再度、所定時間(例えば、1秒間)待機した(S22)後、その時点で、記憶部24に保存されている受信強度のうち最大の受信強度とそれに対応する固定局の識別番号とを取得し(S23)、その受信強度及び識別番号を用いて第2ビーコン信号の内容を更新して(S24)、その時点までに記憶部24に保存されていた受信強度と識別番号とをクリアする(S25)。以後、
図11に示す手順に従ったスキャン処理が終了するまで、前述した手順(S22〜S25)に従って、制御ユニット21は、第2ビーコン信号の内容の更新に係る処理を繰返し実行する。
【0062】
図11に示す手順に従ったスキャン処理が終了すると(S26でYES)、制御ユニット21は、第2ビーコン信号のブロードキャスト送信に係る処理を終了させる。
【0063】
移動局20から第2ビーコン信号がブロードキャスト送信される過程で、位置解析装置30の制御ユニット31は、
図13に示す手順に従って、前記第2ビーコン信号の受信に係る処理を実行する。
【0064】
図13において、制御ユニット31は、ビーコン受信装置37に、例えば、スキャンデューティ75%(例えば、Tint=100ms、Tscn=75ms)でのビーコン信号の走査を開始させる。ビーコン受信装置37がBLEの規定に従ってスキャンデューティ75%でビーコン信号を走査している過程で、制御ユニット31は、ビーコン受信装置37がビーコン信号を受信したか否かを繰返し判定している(S32)。ビーコン受信装置37がビーコン信号を受信すると(S32でYES)。受信したビーコン信号に含まれる局の種類を表す情報に基づいて、前記受信したビーコン信号の送信元が移動局であるか否かを判定する(S33)。受信したビーコン信号の送信元の局が固定局や無関係の局等、移動局ではない場合(S33でNO)、受信したビーコン信号は移動局の位置検出に関わりないものとして、制御ユニット31は、ビーコン受信装置37が次のビーコン信号を受信するか否かを繰返し判定する(S32)状態に戻る。
【0065】
一方、前記受信したビーコン信号の送信元が移動局であると(S33でYES)、制御ユニット31は、更に、そのビーコン信号に含まれる送信元の移動局が存在する領域を特定するエリア番号が、動線解析の解析範囲となる部屋100を表すエリア番号(01)と一致するか否かを判定する(S34)。それらのエリア番号が一致しなければ(S34でNO)、制御ユニット31は、受信したビーコン信号は、移動局20の位置検出に関係のないビーコン信号として、ビーコン受信装置37が次のビーコン信号を受信するか否かを判定する(S32)状態に戻る。一方、前記エリア番号が一致すると(S34でYES)、即ち、移動局の位置検出に関係するビーコン信号であると、制御ユニット31は、更に、前記受信したビーコン信号に含まれるシーケンス番号が変化しているか否かを判定する(S35)。シーケンス番号が変化しておらず、ビーコン信号(第2ビーコン信号)の内容が以前受信したビーコン信号(第2ビーコン信号)の内容から変化していないと判定する(S35でNO)と、制御ユニット31は、ビーコン受信装置37が次のビーコン信号を受信するか否かを判定する(S32)状態に戻る。
【0066】
このように、制御ユニット31は、ビーコン受信装置37がビーコン信号を受信する(S32でYES)毎に、そのビーコン信号が、動線解析の解析範囲となる部屋100を移動する移動局20からの新たな内容を含むものであるか否かを判定する(S33、S34、S35)。そして、ビーコン受信装置37にて受信されたビーコン信号(S32でYES)が、部屋100を移動する移動局20からの新たな内容のものであると(S33でYES、S34でYES、S35でYES)、制御ユニット31は、そのビーコン信号を移動局20からの新たな内容の第2ビーコン信号として、そのビーコン信号(第2ビーコン信号:
図6B参照)から前記第1ビーコン信号の送信元の固定局の識別番号を取得する(S36)。
【0067】
制御ユニット31は、記憶部34に保存された、
図7に示す固定局配置テーブル及び
図8に示す移動局・携行者対応テーブルを参照して、取得した固定局の識別番号に対応した当該固定局の位置に関する情報、例えば、当該固定局が設置された位置(緯度・経度)に基づいて、移動局20の識別番号(第2ビーコン信号に含まれる:
図6B参照)に対応した携行者の最新の位置情報を更新する(S37)。その後、制御ユニット31は、例えば、操作ユニット35にて終了操作が行われる等、所定の終了条件が満たされるまで、前述した手順(S32〜S37)に従って繰り返し処理を実行する。それにより、移動局20の携行者の位置情報が順次更新されていく。
【0068】
この位置検出システム(動線解析システム)では、移動局20には識別番号が付与されており、移動局20からブロードキャスト送信される第2ビーコン信号には送信元の移動局20の識別番号が含まれている(
図6B参照)。この識別番号によって、ビーコン受信装置37で受信される第2ビーコン信号の送信元の移動局を特定することができる。従って、動線解析の解析範囲となる部屋100に複数の移動局20が存在しても、位置解析装置30では、それら複数の移動局20それぞれの位置に関する情報を区別して取得することができる。そして、位置解析装置30では、
図8に示す移動局・携行者対応デーブルによって、複数の移動局のそれぞれとその携行者との対応関係が管理されており、これにより、部屋100内において活動する複数の人(移動局20の携行者)の位置情報を区別して検出(動線解析)することができる。例えば、制御ユニット31は、移動局20の複数の携行者の位置を、
図14に示すように、確認時刻とともに、固定局10の位置(緯度・経度)によって、特定することができる。
【0069】
上述した例では、移動局20は、ある期間(
図12の例では1秒)に受信される固定局10からの第1ビーコン信号の受信強度のうち最大受信強度と対応する固定局の識別番号を第2ビーコン信号に含めている。第1ビーコン信号の受信強度は、移動局20と固定局10との距離に依存しており、最大受信強度となる第1ビーコン信号は、移動局20に最も近い固定局10からのものとなる。従って、上述した位置検出システムでは、移動局20に最も近い固定局10の位置が、当該移動局20の位置に関する情報として取得される。
【0070】
例えば、
図15に示すように、動線解析対象の人(移動局20の携行者)がコピー機203の近くに居る場合、そのコピー機203の近傍に配置された固定局10bの位置(例えば、緯度・経度)が、その人の位置として記録され、
図16に示すように、動線解析対象の人(移動局20の携行者)が第2作業机群202の近くに居る場合、その第2作業机群202の近傍に配置される固定局10dの位置(例えば、緯度・経度)がその人の位置として記録される。更に、
図17に示すように、動線解析対象の人(移動局20の携行者)が会議室110内に居る場合、その会議室110内に配置された固定局10fの位置(例えば、緯度・経度)が、その人の位置として記録される。
【0071】
位置解析装置30(制御ユニット31)は、得られた移動局20の携行者の位置(検出位置)の情報に基づいて、その者の位置の変化を表す動線情報を得ることができる。例えば、
図15〜
図17の例の場合、ある時間帯において、部屋100のコピー機203の近傍から、第2作業机群202の近傍、その後、会議室110内に至る経路を、動線解析の対象者の動線を表す動線情報として得ることができる。
【0072】
また、位置解析装置30は、制御ユニット31の制御のもと、上述したように得られた動線解析の対象となる者に対して検出された位置情報、あるいは、その動線を表す動線情報を制御ユニット31の制御のもと、ネットワーク通信ユニット33に所定の構内ネットワークを介して他の機器に配信させることができる。
【0073】
上述したような位置検出システムでは、移動局20は、各固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fとの通信接続の状態を維持させておくことなく、自局の都合のよいタイミング(あるスキャンデューティ)で走査を行って第1ビーコン信号を受信すればよく、また、位置解析装置30(ビーコン受信装置37)との通信接続の状態を維持させることなく、自局の都合のよいタイミング(あるインターバル)で第2ビーコン信号をブロードキャスト送信すればよいので、位置検出の対象となる移動局20での電力消費をできるだけ低減させることができる。
【0074】
上述した例では、移動局20(動線解析の対象者)に最も近い固定局10(最大受信強度)の位置(緯度・経度)を移動局20の位置として検出していたが、移動局20(動線解析の対象者)の位置の表現は、これに限定されず、例えば、「コピー機203の近傍」、「第2作業机群202の近傍」、「会議室110内」等のように移動局20(動線解析の対象者)の位置を表現することもできる。
【0075】
また、移動局20の緯度・経度を検出することもできる。この場合、第2ビーコン信号には、複数の固定局10からの第1ビーコン信号の受信強度が含まれる。全数(例えば、6台)の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fからの第1ビーコン信号の受信強度とその第1ビーコン信号の送信元となる固定局の識別番号とを第2ビーコン信号に含めるようにしてもよいが、例えば、
図18に示すように、全数の(例えば、6台)の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fのうち、1番目から所定番目(例えば、3番目)までに受信する第1ビーコン信号の受信強度と、対応する固定局の識別番号とを第2ビーコン信号に含めることができる。この場合、全数の固定局からの第1ビーコン信号の受信を待つことなく、それより少ない数の固定局からの第1ビーコン信号を受信した時点で、第2ビーコン信号の生成及びブロードキャスト送信を行うことができ、移動局20での効率的な処理が可能になる。また、例えば、
図19に示すように、全数(例えば、6台)の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fのうち、受信強度のより大きい第1ビーコン信号の送信元となる所定数(例えば、3台)の固定局のそれぞれからの当該第1ビーコン信号の受信強度とその固定局の識別番号とを第2ビーコン信号に含めることができる。この場合、全数(6台)より少ない所定数(3台)の固定局のそれぞれからブロードキャスト送信される第1ビーコン信号の受信強度に基づいて移動局20の位置に関する情報を生成する際に、その受信強度のより大きい第1ビーコン信号の当該受信強度を表す情報に基づいて移動局20の位置に関する情報が生成されるので、移動局20のより確実な位置に関する情報を得ることができる。
【0076】
上述したような複数の固定局からの第1ビーコン信号の受信強度を含む第2ビーコン信号を受信する位置解析装置30(制御ユニット31)では、公知の手法により、各固定局からの第1ビーコン信号の受信強度に基づいて移動局20と各固定局との距離が演算される。そして、各固定局の位置(緯度・経度)(
図7に示す固定局配置テーブル参照)と演算された移動局20と各固定局との距離とに基づいて、これも公知の手法に従って、移動局20の位置(緯度・経度)が演算される。この場合、例えば、
図20に示すように、ある移動局20(A001:
図8参照)の携行者(田中太郎:
図8参照)の位置が、検出時刻に対応させて、緯度・経度として得ることができる。この場合、各時刻における移動局20(動線解析の対象者)の位置(緯度・経度)が、例えば、
図21に示すように、ドットとしてプロットすることができる。このドットの集合により対象者の部屋100内での動線を解析することができる。
【0077】
上述した位置検出システムでは、移動局20は、常時、スキャンデューティ20%で、各固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fからブロードキャスト送信される第1ビーコン信号を走査していたが、移動局20の省電力化や第1ビーコン信号の受信機会の増大の観点から、移動局20でのスキャンデューティ(走査の行い程度)を制御することができる。
【0078】
第1に、移動局20が実際に移動しているか否かによって、スキャンデューティを変えることができる。この場合、移動局20の制御ユニット21は、
図22に示す手順に従ってスキャンデューティを制御する。
【0079】
図22において、制御ユニット21は、第1BLE通信ユニット22に、スキャンデューティ20%(例えば、Tint=100ms、Tscn=20ms)でのビーコン信号の走査を開始させる(S41)。その後、制御ユニット21は、内部の1分タイマが動作中でそれがタイムアウトしたか否かを判定する(S42)。1分タイマが動作していない、あるいは、動作していてもタイムアウトしていなければ(S42でNO)、制御ユニット21は、例えば、移動体20内に設けられた加速度センサ(図示略)からの検出信号に基づいて移動局20が移動している状態であるか否かを判定する(S43:状態判定部)。移動局20が移動している状態でなければ(S43でNO)、制御ユニット21は、1分タイマをスタートさせる(S44)。その後、制御ユニット21は、その1分タイマがタイムアウトしていないことを確認しつつ(S42でNO)、移動局S43が移動している状態でないことを確認する(S43でNO)毎に、1分タイマの動作を維持させる(S44)。移動局20が移動している状態ではない場合には、同様の処理が繰り返し行われ(S42でNO、S43でNO、S44)、第1BLE通信ユニット22によるビーコン信号の走査におけるスキャンデューティが20%(第2の行い程度)に維持される。そして、動作している1分タイマがタイムアウトすると(S42でYES)、制御ユニット21は、第1BLE通信ユニット22に、更に、スキャンデューティ20%(第2の行い程度)でのビーコン走査を維持させる(S45)。その後、制御ユニット21は、再び、1分タイマが動作していないことを確認し(S42でNO)、移動局20が移動している状態でないことを確認すると(S43でNO)、1分タイマをスタートさせる(S44)。そして、制御ユニット21(ビーコン走査制御部)は、同様の処理を繰返し実行することにより、移動局20が移動していない間、第1BLE通信ユニット2によるスキャンデューティ20%(第2の行い程度)でのビーコン信号の走査を継続させる。
【0080】
その過程で、移動局20が移動を開始すると(S43でYES)、制御ユニット21は、1分タイマを停止させ(S46)、スキャンデューティを75%(例えば、Tint=100ms、Tscn=75ms)に更新する(S47:ビーコン走査制御部)。これにより、第1BLE通信ユニット20は、スキャンデューティ75%(第1の行い程度)で、その走査の行い程度を多くして、固定局10からブロードキャスト送信されるビーコン信号の走査を行う。その後、移動局20が移動している状態(S43でYES)では、制御ユニット21(ビーコン走査制御部)は、1分タイマの停止及び移動局20が移動している状態であることを確認しつつ(S42でNO、S43でYES)、1分タイマを停止(S46)させたまま、スキャンデューティを75%(第1の行ない程度)に維持させる(S47)。
【0081】
移動局20が再び停止すると(S43でNO)、制御ユニット20は、1分タイマをスタートさせ(S44)、1分タイマがタイムアウトするまで、スキャンデューティを75%に維持する(S42でNO,S43でNO、S44)。その結果、移動局20が再び停止してから1分間は、第1BLE通信ユニット22によるビーコン信号の走査が継続される。そして、1分タイマがタイムアウトすると(S42でYES)、制御ユニット21は、スキャンデューティを20%(第2の行ない程度)に更新し(S45)、それにより、第1BLE通信ユニット22は、スキャンデューティ20%(第2の行ない程度)でのビーコン信号の走査を行う。
【0082】
以後、同様の処理を繰り返すことにより、移動局20が移動している状態では、第1BLE通信ユニット22によりスキャンデューティ75%(第1の行ない程度)でのビーコン信号の走査が行われ、移動局20が停止してから1分後に、スキャンデューティが20%に切り換えられ、第1BLE通信ユニット22によりスキャンデューティ20%(第2の行ない程度)でのビーコン信号の走査が行われる。
【0083】
上述したようなスキャンデューティの制御によれば、移動局20が移動している状態では、移動局20が移動している状態でない場合に比べて、より大きいスキャンデューティ(より多くの行い程度)で、ビーコン信号の走査が行われるようになるので、移動局20が移動している状態では、複数の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fのそれぞれからブロードキャスト送信される第1ビーコン信号をより多くの機会において受信することができる。その結果、例えば、人に移動局20を装着させてその人の動線を解析する場合など、その人の移動に即して変化する移動局の位置(動線)を的確に表し得る当該移動局20の位置に関する情報を得ることができる。
【0084】
第2に、移動局20が実際に静止しているか否かによって、スキャンデューティを変えることができる。この場合、移動局20の制御ユニット21は、
図23に示す手順に従ってスキャンデューティを制御する。
【0085】
図23において、制御ユニット21は、第1BLE通信ユニット22に、スキャンデューティ5%(例えば、Tint=100ms、Tscn=5ms)でのビーコン信号の走査を開始させる(S51)。その後、制御ユニット21は、内部の1分タイマが動作中でそれがタイムアウトしたか否かを判定する(S52)。1分タイマが動作していない、あるいは、動作していてもタイムアウトしていなければ(S52でNO)、制御ユニット21は、例えば、移動体20内に設けられた加速度センサ(図示略)からの検出信号に基づいて移動局20が静止している状態であるか否かを判定する(S53:状態判定部)。移動局20が静止している状態でなければ(S53でNO)、即ち、移動局20が移動している状態では、制御ユニット21は、スキャンデューティを5%に維持させ(S54)、1分タイマを停止させた状態に維持させる(S55)。そして、制御ユニット21(ビーコン走査制御部)は、1分タイマが動作していないことを確認しつつ(S52でNO)、移動局20が静止している状態でないことを確認する(S53でNO)毎に、スキャンデューティを5%に維持させる(S54)とともに、1分タイマを停止させた状態に維持させる(S55)。これにより、移動局20が静止している状態でない(移動している)場合、第1BLE通信ユニット22は、スキャンデューティ5%(第2の行ない程度)にてビーコン信号を走査する。
【0086】
その過程で、移動局20が静止すると(S53でYES)、制御ユニット21は、現時点が移動局20の静止開始から10秒の時点(所定の誤差を許容する)であるか否か判定する(S56)。現時点がその静止開始から10秒の時点でなければ(S56でNO)、制御ユニット21は、1分タイマが動作していないことの確認(S52でNO)、移動局20が静止していることの確認(S53でYES)、現時点が移動局20の静止から10秒の時点でないことの確認(S56でNO)を行いつつ、スキャンデューティを5%(第2の行ない程度)に維持させる。そして、現時点が移動局20の静止開始から10秒の時点になると(S56でYES)、制御ユニット21は、スキャンデューティを75%(例えば、Tint=100ms、Tscn=75ms)に更新し(S57)、1分タイマをスタートさせる(S58)。その後、制御ユニット21(ビーコン走査制御部)は、1分タイマがタイムアウトしていないことの確認(S52でNO)、移動局20が静止した状態であることの確認(S53でYES)、現時点が移動局20の静止開始から10秒の時点でないことの確認(S56でNO)を行ないつつ、スキャンデューティを75%(第1の行ない程度)に維持させる。これにより、第2BLE通信ユニット22は、スキャンデューティ75%(第1の行ない程度)にてビーコン信号を走査する。
【0087】
上記の過程で、1分タイマがタイムアウトすると(S52でYES)、制御ユニット21は、スキャンデューティを5%(第2の行ない程度)に戻し(S59)、第1BLE通信ユニット22にスキャンデューティ5%でビーコン信号の走査をさせる。その後、制御ユニット21は、移動局20が静止状態を維持している間、既にタイムアウトした1分タイマが動作中でないことの確認(S52でNO)、移動局20が静止した状態であることの確認(S53でYES)、現時点が移動局20の静止開始から10秒の時点でないことの確認(S56でNO)を繰返し行いつつ、スキャンデューティを5%に維持させる。これにより、前記1分タイマがタイムアウトした後も移動局20が静止している状態を維持している間、第1BLE通信ユニット22は、スキャンデューティ5%でビーコン信号の走査を継続的に行う。
【0088】
このようにして、移動局20が静止した状態で、第1BLE通信ユニット22がスキャンデューティ5%でビーコン信号の走査を行っている状況において、移動局20が移動を再開しても(S53でNO)、制御ユニット21は、そのスキャンデューティ5%を維持させる(S54、S55、S52でNO、S53でNO)。
【0089】
また、移動局20が静止して(S53でYES)、スキャンデューティが75%に維持されて、1分タイマがタイムアウトする前に、移動局が移動を再開すると(S53でNO)、制御ユニット21は、スキャンデューティを5%に切り換え、第1BLE通信ユニット22に、スキャンデューティ5%でビーコン信号の走査を行わせる。
【0090】
上述したようなスキャンデューティの制御によれば、移動局20が移動している状態では、スキャンデューティ5%でのビーコン信号の走査が行われ、移動局20が静止したときには、10秒間待った後の当初の1分間は、スキャンデューティ75%で、ビーコン信号の走査が行われ、その後、スキャンデューティ5%のビーコン信号の走査に復帰する。その結果、例えば、移動局を装着した品物を紛失した場合など、移動局20が静止した(紛失状態)当初において、より大きいスキャンデューティ75%(第1の行ない程度)でのビーコン信号の走査が行われて、その紛失した品物の位置に係る情報を確実に取得することができる。そして、その位置に係る情報を確実に取得したとみなされ得る時間後(略1分後)には、元のより小さいスキャンデューティ5%(第2の行ない程度)での走査に戻るので、以後、移動局20での無駄な電力消費を防止することができる。
【0091】
第3に、移動局20が第1BLE通信ユニット22により複数の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fのいずれかからの第1ビーコン信号が受信できる状態であるか否かによって、スキャンデューティを変えることができる。この場合、移動局20の制御ユニット21は、
図24に示す手順にしたってスキャンデューティを制御する。
【0092】
図24において、制御ユニット21は、第1BLE通信ユニット22に、スキャンデューティ5%でのビーコン信号の走査を開始させる(S61)。その後、制御ユニット21は、内部の5分タイマが動作中でそれがタイムアウトしたか否かを判定する(S62)。5分タイマが動作していない、あるいは、動作していてもタイムアウトしていなければ(S62でNO)、制御ユニット21は、第1BLE通信ユニット22により複数の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fのいずれかからの第1ビーコン信号が受信されるか否かを判定する(S63:状態判定部)。第1BLE通信ユニット22により複数の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fのいずれかからの第1ビーコン信号が受信される状況であれば(S63でYES)、制御ユニット21は、5分タイマを停止させた状態を維持させ(S64)、スキャンデューティを50%(例えば、Tint=100ms、Tscn=50ms)に更新する(S65)。そして、制御ユニット21(ビーコン走査制御部)は、5分タイマが動作していないことを確認しつつ(S62でNO)、1BLE通信ユニット22により複数の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fのいずれかからの第1ビーコン信号が受信される状況であることを確認する(S63でYES)毎に、5分タイマの停止を維持させ(S64)、スキャンデューティを50%に維持させる(S65)。これにより、第1BLE通信ユニット22により複数の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fのいずれかからの第1ビーコン信号が受信される状況では、第1BLE通信ユニット21は、スキャンデューティ50%(第1の行ない程度)にてビーコン信号を走査する。
【0093】
その過程で、移動局20が動線解析の領域(部屋100)から退出してしまう等で、第1BLE通信ユニット22により複数の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fのいずれかからも第1ビーコン信号が受信されない状況になると(S63でNO)、制御ユニット21は、5分タイマをスタートさせる(S66)。そして、制御ユニット21は、スキャンデューティを50%に維持させた状態で、5分タイマがタイムアウトしていないことの確認(S62でNO)、第1BLE通信ユニット22により複数の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fのいずれかからも第1ビーコン信号が受信されない状況であることの確認(S63でNO)を行ないつつ、5分タイマの動作を維持させる(S66)。これにより、BLE通信ユニット21は、スキャンデューティ50%でのビーコン信号の走査を維持する。
【0094】
ここで、5分タイマがタイムアウトすると(S62でYES)、制御ユニット21は、スキャンデューティを5%(第2の行ない程度)に更新する(S67)。これにより、BLE通信ユニット21は、スキャンデューティ5%でのビーコン信号の走査を開始する。その後、第1BLE通信ユニット22により複数の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fのいずれかからも第1ビーコン信号が受信されない状況(S63でNO)では、制御ユニット21(ビーコン走査制御部)は、5分タイマのスタート(S66)、タイムアウトの確認(S62でYES)を繰返しながら、スキャンデューティを5%に維持させる。これにより、第1BLE通信ユニット22により複数の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fのいずれかからも第1ビーコン信号が受信されない状況では、第1BLE通信ユニット10は、スキャンデューティ5%(第2の行ない程度)にてビーコン信号を走査する。
【0095】
上述したようなスキャンデューティの制御によれば、移動局20が複数の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fのいずれかからの第1ビーコン信号が受信できる状況でない場合には、第1ビーコン信号が受信できる状態である場合に比べて、ビーコン信号の走査に係るスキャンデューティ(行い程度)が小さくなるので、複数の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fのいずれかからも第1ビーコン信号を受信することができず、位置検出ができない状況で無駄なビーコン信号の走査を防止することができる。その結果、移動局での無駄な電力消費を防止することができる。
【0096】
第4に、移動局20が第1BLE通信ユニット22により所定閾値以上の受信強度にて複数の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fのいずれかからの第1ビーコン信号を受信できる状態であるか否か否かによってスキャンデューティを変えることができる。この場合、移動局20の制御ユニット21は、
図25に示す手順にしたってスキャンデューティを制御する。
【0097】
図25において、制御ユニット21は、第1BLE通信ユニット22に、スキャンデューティ5%でのビーコン信号の走査を開始させる(S71)。その後、制御ユニット21は、内部の5分タイマが動作中でそれがタイムアウトしたか否かを判定する(S72)。5分タイマが動作していない、あるいは、動作していてもタイムアウトしていなければ(S72でNO)、制御ユニット21は、第1BLE通信ユニット22により複数の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fのいずれかからの第1ビーコン信号の受信強度が閾値より大きいか否かを判定する(S73:状態判定部)。第1BLE通信ユニット22により複数の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fのいずれかからの第1ビーコン信号の受信強度が閾値より大きい状況であれば(S73でYES)、制御ユニット21は、5分タイマを停止させた状態を維持させ(S74)、スキャンデューティを50%に更新する(S75)。そして、制御ユニット21(ビーコン走査制御部)は、5分タイマが動作していないことを確認しつつ(S72でNO)、第1BLE通信ユニット22により複数の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fのいずれかからの第1ビーコン信号の受信強度が閾値より大きいことを確認する(S73でYES)毎に、5分タイマの停止を維持させ(S74)、スキャンデューティを50%に維持させる(S75)。これにより、第1BLE通信ユニット22により複数の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fのいずれかからの第1ビーコン信号の受信強度が閾値より大きい状況では、第1BLE通信ユニット21は、スキャンデューティ50%(第1の行ない程度)にてビーコン信号を走査する。
【0098】
その過程で、移動局20が動線解析の領域(部屋100)から外れてしまう等で、第1BLE通信ユニット22により複数の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fのいずれからの第1ビーコン信号の受信強度が閾値より大きくない状況になると(S73でNO),制御ユニット21は、5分タイマをスタートさせる(S76)。そして、制御ユニット21は、スキャンデューティを50%に維持させた状態で、5分タイマがタイムアウトしていないことの確認(S72でNO)、第1BLE通信ユニット22により複数の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fのいずれからの第1ビーコン信号の受信強度が閾値より大きくない状況であることの確認(S73でNO)を行ないつつ、5分タイマの動作を維持させる(S76)。これにより、BLE通信ユニット21は、スキャンデューティ50%でのビーコン信号の走査を維持する。
【0099】
ここで、5分タイマがタイムアウトすると(S72でYES)、制御ユニット21は、スキャンデューティを5%(第2の行ない程度)に更新する(S77)。これにより、BLE通信ユニット21は、スキャンデューティ5%でのビーコン信号の走査を開始する。その後、第1BLE通信ユニット22により複数の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fのいずれからの第1ビーコン信号の受信強度が閾値より大きくない状況(S73でNO)では、制御ユニット21(ビーコン走査制御部)は、5分タイマのスタート(S76)、タイムアウトの確認(S72でYES)を繰返しながら、スキャンデューティを5%に維持させる。これにより、第1BLE通信ユニット22により複数の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fのいずれからの第1ビーコン信号の受信強度が閾値より大きくない状況では、第1BLE通信ユニット10は、スキャンデューティ5%(第2の行ない程度)にてビーコン信号を走査する。
【0100】
上述したようなスキャンデューティの制御によれば、移動局20が複数の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fのいずれからの第1ビーコン信号の受信強度が閾値より大きくない状況では、第1ビーコン信号の受信強度が閾値より大きい状況に比べて、ビーコン信号の走査に係るスキャンデューティ(行い程度)が小さくなるので、複数の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fのいずれからの第1ビーコン信号の受信強度が閾値より大きくなく、正確な位置検出がし難い状況において、無駄なビーコン信号の走査を防止することができる。その結果、移動局での無駄な電力消費を防止することができる。
【0101】
第5に、移動局20が複数の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fから受信される複数の第1ビーコン信号の第1BLE通信ユニット22での受信の状況が変化する状態であるか否かによってスキャンデューティを変えることができる。この場合、移動局20の制御ユニット21は、
図26に示す手順にしたってスキャンデューティを制御する。
【0102】
図26において、制御ユニット21は、第1BLE通信ユニット22に、スキャンデューティ5%でのビーコン信号の走査を開始させる(S81)。その後、制御ユニット21は、内部の5分タイマが動作中でそれがタイムアウトしたか否かを判定する(S82)。5分タイマが動作していない、あるいは、動作していてもタイムアウトしていなければ(S82でNO)、制御ユニット21は、複数の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fから受信される複数の第1ビーコン信号の第1BLE通信ユニット22での受信の状況が変化する状態であるかを判定する(S83:状態判定部)。
【0103】
例えば、移動局20が、
図27Aに示すように、コピー機203の近傍に位置する場合、固定局10a(A001)、固定局10b(A002)、固定局10c(A003)、及び固定局10d(A004)からブロードキャスト送信される第1ビーコン信号の第1BLE通信ユニット22での受信強度は、例えば、
図28Aに示すようになる。この場合、より大きい受信強度で受信される第1ビーコン信号をブロードキャスト送信する固定局の順番は、固定局10b(A002)、固定局10a(A001)、固定局10c(A003)、固定局10d(A004)の順番である。
【0104】
例えば、移動局20が
図27Bに示すように、第2作業机群202の近傍に位置する場合、固定局10a(A001)、固定局10b(A002)、固定局10c(A003)、及び固定局10d(A004)からブロードキャスト送信される第1ビーコン信号の第1BLE通信ユニット22での受信強度は、例えば、
図28Bに示すようになる。この場合、より大きい受信強度で受信される第1ビーコン信号をブロードキャスト送信する固定局の順番は、固定局10a(A001)、固定局10d(A004)、固定局10b(A002)、固定局10c(A003)の順番である。
【0105】
また、例えば、移動局20が
図27Cに示すように、出入り口101の近傍に位置する場合、固定局10a(A001)、固定局10b(A002)、固定局10c(A003)、及び固定局10d(A004)からブロードキャスト送信される第1ビーコン信号の第1BLE通信ユニット22での受信強度は、例えば、
図28Cに示すようになる。この場合、より大きい受信強度で受信される第1ビーコン信号をブロードキャスト送信する固定局の順番は、固定局10a(A001)、固定局10d(A004)、固定局10b(A002)、固定局10c(A003)の順番である。
【0106】
例えば、移動局20が
図27Aに示す位置から
図27Bに示す位置に移動すると、複数の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fから受信される複数の第1ビーコン信号の第1BLE通信ユニット22での受信の状況は、
図28Aに示す状況から
図28Bに示す状況に変化する。この場合、受信強度のより大きい第1ビーコン信号の送信元の固定局の順番が変化している。また、例えば、移動局20が
図27Bに示す位置から
図27Cに示す位置に移動すると、複数の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fから受信される複数の第1ビーコン信号の第1BLE通信ユニット22での受信の状況は、
図28Bに示す状況から
図28Cに示す状況に変化する。この場合、受信強度のより大きい第1ビーコン信号の送信元の固定局の順番は変わらないが、各固定局からのビーコン信号の受信強度が変化している。
【0107】
図26に戻って、例えば、上述したように(
図27A〜
図27C、
図28A〜
図28C参照)、複数の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fから受信される複数の第1ビーコン信号の第1BLE通信ユニット22での受信の状況が変化する状態であると(S83でYES)、制御ユニット21は、5分タイマを停止させた状態を維持させ(S84)、スキャンデューティを50%に更新する(S85)。そして、制御ユニット21(ビーコン走査制御部)は、5分タイマが動作していないことを確認しつつ(S82でNO)、複数の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fから受信される複数の第1ビーコン信号の第1BLE通信ユニット22での受信の状況が変化する状態を確認する(S83でYES)毎に、5分タイマの停止を維持させ(S84)、スキャンデューティを50%に維持させる(S85)。これにより、複数の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fから受信される複数の第1ビーコン信号の第1BLE通信ユニット22での受信の状況が変化する状態では、第1BLE通信ユニット21は、スキャンデューティ50%(第1の行ない程度)にてビーコン信号を走査する。
【0108】
その過程で、移動局20の移動が停止するなどして、移動局20と各固定局との相対的な位置関係が変化しない状況となり、複数の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fから受信される複数の第1ビーコン信号の第1BLE通信ユニット22での受信の状況が変化する状態ではなくなると(S83でNO)、制御ユニット21は、5分タイマをスタートさせる(S86)。そして、制御ユニット21は、スキャンデューティを50%に維持させた状態で、5分タイマがタイムアウトしていないことの確認(S82でNO)、複数の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fから受信される複数の第1ビーコン信号の第1BLE通信ユニット22での受信の状況が変化する状態ではないことの確認(S83でNO)を行ないつつ、5分タイマの動作を維持させる(S86)。これにより、BLE通信ユニット21は、スキャンデューティ50%でのビーコン信号の走査を維持する。
【0109】
ここで、5分タイマがタイムアウトすると(S82でYES)、制御ユニット21は、スキャンデューティを5%(第2の行ない程度)に更新する(S87)。これにより、BLE通信ユニット21は、スキャンデューティ5%でのビーコン信号の走査を開始する。その後、複数の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fから受信される複数の第1ビーコン信号の第1BLE通信ユニット22での受信の状況が変化する状態ではない場合(S83でNO)では、制御ユニット21(ビーコン走査制御部)は、5分タイマのスタート(S86)、タイムアウトの確認(S82でYES)を繰返しながら、スキャンデューティを5%に維持させる。これにより、複数の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fから受信される複数の第1ビーコン信号の第1BLE通信ユニット22での受信の状況が変化する状態ではない場合には、第1BLE通信ユニット10は、スキャンデューティ5%(第2の行ない程度)にてビーコン信号を走査する。
【0110】
上述したようなスキャンデューティの制御によれば、移動局20が複数の固定局10a、10b、10c、10d、10d、10e、10fから受信される複数の第1ビーコン信号の受信の状況が変化する状態では、そのような変化がある状態ではない場合に比べて、より大きいスキャンデューティ(より多くの行い程度)で、ビーコン信号の走査が行われるようになるので、前記複数の第1ビーコン信号の状況が変化する、即ち、移動局20が移動する状況では、複数の固定局10a、10b、10c、10d、10e、10fのそれぞれからブロードキャスト送信される第1ビーコン信号をより多くの機会において受信することができる。その結果、例えば、人に移動局を装着させてその人の動線を解析する場合など、その人の移動に即して変化する移動局の位置(動線)を的確に表し得る当該移動局の位置に関する情報を得ることができる。
【0111】
前述した各例では、第1ビーコン信号の受信状況を表す情報として、当該第1ビーコン信号の移動局20での受信強度(RSSI)を用いたが、これに限定されず、移動局20と固定局10との相対的な位置関係に依存する情報であれば、第1ビーコン信号の他の受信状況を表す情報、例えば、移動局から見た固定局の方向を表す情報や、固定局から見た移動局の方向を表す情報等であてもよい。
【0112】
また、前述した各例では、複数の固定局10a、10b、10c、10d、10e,10fが設置された例を示したが、単一の固定局が設置されるものであってもよい。この場合、移動局20の位置に関する情報は、その固定局を基準にした距離として表すことができる。
【0113】
更に、前述した例では、位置解析装置30のビーコン受信装置37は、機器本体30Mと別体となって、構内ネットワークを介して機器本体30Mと接続される構成であった(
図1、
図2、
図5参照)が、このような構成に限定されない。例えば、ビーコン受信装置37を機器本体30M内に含め、移動局20からの第2ビーコン信号をビーコン受信装置37にて受信可能となるように、機器本体30Mを部屋100(領域)内に設けるようにしてもよい。
【0114】
以上、本発明のいくつかの実施形態及び各部の変形例を説明したが、この実施形態や各部の変形例は、一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上述したこれら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明に含まれる。
【0115】
前述した例では、移動局20において、第1BLE通信ユニット22と第2BLE通信ユニット23とは、同じ近距離無線通信の規定であるBLEの規定に従って近距離無線通信を行うものであったが、それら2つの通信ユニット22、23は異なる近距離無線通信で情報の通信を行うものであっても、また、BLE以外の規則に従った近距離無線通信で情報の通信を行うものであってもよい。