特許第6917086号(P6917086)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6917086
(24)【登録日】2021年7月21日
(45)【発行日】2021年8月11日
(54)【発明の名称】清掃具
(51)【国際特許分類】
   A47L 13/254 20060101AFI20210729BHJP
【FI】
   A47L13/254
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-86556(P2020-86556)
(22)【出願日】2020年5月18日
【審査請求日】2021年4月5日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591203831
【氏名又は名称】株式会社マーナ
(74)【代理人】
【識別番号】100149711
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 耕市
(72)【発明者】
【氏名】名児耶 剛
(72)【発明者】
【氏名】谷口 諒太
【審査官】 村山 睦
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−128141(JP,A)
【文献】 特開平9−84731(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 13/254
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
柄の下端に設けられたヘッドの底面に当該底面よりも大きな清掃シートが交換可能に取り付けられる清掃具において、
前記ヘッドの上面に設けられ、開状態では前記ヘッドから側方に広がり、閉状態では前記ヘッドの上に折り畳まれる係止手段と、
前記係止手段を開閉させる操作手段とを備え、
前記係止手段は左右一対設けられており、
前記ヘッドが前記清掃シートの上に載せられた状態で前記操作手段によって前記係止手段が開状態から閉状態に動かされると、前記係止手段は前記清掃シートの前記ヘッドからのはみ出し部分を引っ掛けて前記ヘッド上に移動させて係止する
ことを特徴とする清掃具。
【請求項2】
前記係止手段は、前記ヘッドの上面に回動可能に取り付けられたアームと、前記アームに回動可能に取り付けられたフラップと、前記フラップの底面に設けられ、前記清掃シートを引っ掛ける引っ掛け部材と、を備えることを特徴とする請求項1記載の清掃具。
【請求項3】
前記操作手段は、前記係止手段を開く方向に操作する開方向操作手段と、前記係止手段を閉じる方向に操作する閉方向操作手段と、前記係止手段を閉状態に保持するロック手段と、を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の清掃具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃シートが交換可能に装着されるヘッドを備える清掃具に関する。
【背景技術】
【0002】
床の清掃に使用する道具として、柄の下端に設けられたヘッドの底面に使い捨ての清掃シートを交換可能に取り付けた清掃具がある(例えば、特許文献1)。図16に、清掃シートが取り付けられるヘッドを示す。ヘッド101の上面の四隅にはシート保持部102が設けられている。各シート保持部102は弾力性を有する板材から構成されており、所定形状の切り込み103が設けられている。
【0003】
この清掃具では、ヘッド101の底に清掃シート104を当てた後、清掃シート104のヘッド101からのはみ出し部分104aをヘッド101の上に折り返してシート保持部102の切り込み103に押し込むことで、清掃シート104をヘッド101に取り付ける。また、清掃シート104のはみ出し部分104aをシート保持部102の切り込み103から引き抜くことで、ヘッド101から清掃シート104を取り外している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−29245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の清掃具では、4箇所のシート保持部102に対し、1箇所ずつ手作業で清掃シート104のはみ出し部分104aを押し込んだり引き抜いたりする必要があり、清掃シート104の交換作業が大変煩わしいものであった。しかも、清掃シート104やヘッド101を触りながらの交換作業になるので、交換作業が不衛生であった。
【0006】
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、清掃シートの交換が容易であり、清掃シートに直接触れずに交換を行うことが可能な清掃具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、柄の下端に設けられたヘッドの底面に当該底面よりも大きな清掃シートが交換可能に取り付けられる清掃具であって、ヘッドの上面に設けられ、開状態ではヘッドから側方に広がり、閉状態ではヘッドの上に折り畳まれる係止手段と、係止手段を開閉させる操作手段とを備え、係止手段は左右一対設けられており、ヘッドが清掃シートの上に載せられた状態で操作手段によって係止手段が開状態から閉状態に動かされると、係止手段は清掃シートのヘッドからのはみ出し部分を引っ掛けてヘッド上に移動させて係止するものである。
【0008】
したがって、床の上に広げた清掃シートの上に左右の係止手段を広げた状態のヘッドを載せると、左右の係止手段が清掃シートのヘッドからのはみ出し部分に引っ掛かる。この状態で操作手段を操作して左右の係止手段を閉じると、左右の係止手段が清掃シートのはみ出し部分をヘッド側に引き寄せ、更に、ヘッド上に移動させて係止する。これにより、清掃シートがヘッドに取り付けられる。
【0009】
また、本発明の清掃具は、係止手段が、ヘッドの上面に回動可能に取り付けられたアームと、アームに回動可能に取り付けられたフラップと、フラップの底面に設けられ、清掃シートを引っ掛ける引っ掛け部材と、を備えるようにしても良い。
【0010】
したがって、ヘッドに対してアームが回動し、アームに対してフラップが回動することで、係止手段が折り畳み可能になる。フラップの底面には清掃シートを引っ掛ける引っ掛け部材が設けられているので、清掃シートを引っ掛けた状態で係止手段を折り畳むことができる。
【0011】
さらに、本発明の清掃具は、操作手段が、係止手段を開く方向に操作する開方向操作手段と、係止手段を閉じる方向に操作する閉方向操作手段と、係止手段を閉状態に保持するロック手段と、を備えるようにしても良い。
【0012】
したがって、開方向操作手段によって係止手段を広げ、閉方向操作手段によって係止手段を閉じることができる。係止手段がヘッドとの間に清掃シートを挟み込んだ状態で、ロック手段によって係止手段をロックすることで、清掃シートの外れを防止することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、床に清掃シートを広げて置いておくことで、その後は清掃シートやヘッドに触れずに清掃シートをヘッドの底面にワンタッチで取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の清掃具の実施形態の一例を示し、(A)は左右の係止手段を開いた状態の斜視図、(B)は左右の係止手段を閉じた状態の斜視図である。
図2図1の清掃具のヘッドを拡大して示し、(A)は左右の係止手段を開いた状態の斜視図、(B)は左右の係止手段を閉じた状態の斜視図である。
図3】(A)は図2(A)のA−A線に沿う断面図、(B)は図2(B)のB−B線に沿う断面図である。
図4】係止手段を取り付けた状態の蓋状部材の内側面を示す図である。
図5図3の楕円Vで示す部位の拡大図である。
図6図4の楕円VIで示す部位の拡大図である。
図7】ロック手段を示し、(A)はロックを解除した状態の断面図、(B)はロックしている状態の断面図である。
図8図1(A)のVIII−VIII線に沿う断面図である。
図9図1(B)のIX−IX線に沿う断面図である。
図10図1(A)のX−X線に沿う断面図である。
図11図1(B)のXI−XI線に沿う断面図である。
図12図11のXII−XII線に沿う断面図である。
図13】第1の連結部材が連結ピンとフラップとを連結する様子を示す概念図である。
図14】第2の連結部材が連結ピンとロックレバーの基端とを連結する様子を示す概念図である。
図15】ヘッドに清掃シートを取り付ける様子を説明するための図で、(A)は左右の係止手段を開いた状態の側面図、(B)はヘッドを清掃シートの上に置いた状態の側面図、(C)は左右の係止手段を閉じて清掃シートを取り付けた様子を示す側面図である。
図16】従来の清掃具のヘッドの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明に係る清掃具の実施形態の一例について、図面を参照しながら説明する。図1図15に、本発明に係る清掃具を示す。清掃具1は、柄2の下端に設けられたヘッド3の底面に当該底面よりも大きな清掃シート9が交換可能に取り付けられるもので、ヘッド3の上面に設けられ、開状態ではヘッド3から側方に広がり、閉状態ではヘッド3の上に折り畳まれる係止手段4と、係止手段4を開閉させる操作手段5を備えている。
【0016】
柄2は、使用時にユーザーが握る本体部2aと、本体部2aの下端に連結されたベースパイプ2bとを備えている。本実施形態では、2本のパイプ2c,2cを連結することで本体部2aが構成されている。ベースパイプ2bはその内周面に嵌め込まれた補強スリーブ2dによって補強されている。ベースパイプ2b及び補強スリーブ2dには閉方向操作手段12が取り付けられている。
【0017】
ヘッド3は、細長い矩形状を成す底板3aと、底板3aに被せられた蓋状部材3bとを備え、内部に空間が設けられている。蓋状部材3bの内面には複数のリブ3cが設けられている。蓋状部材3bの上面の中央位置には後述する第1の連結部材16及び第2の連結部材17を通す孔3dが設けられていると共に、柄2を連結するためのジョイント6が孔3dを跨ぐようにして設けられている。また、蓋状部材3bの左右両側には、第1の連結部材16を引き出すための孔3eが設けられている。
【0018】
係止手段4は、ヘッド3の上面に回動可能に取り付けられたアーム7と、アーム7に回動可能に取り付けられたフラップ8と、フラップ8の底面に設けられ、清掃シート9を引っ掛ける引っ掛け部材10を備えている。フラップ8はほぼ矩形状を成しており、ヘッド3の側方に突出する先端8aの長さL1は清掃シート9の縦方向の長さL2とほぼ同じ長さに設定されている(図3(A))。係止手段4は、ジョイント6を挟んで左右に設けられている。
【0019】
引っ掛け部材10はフラップ8の先端8aの底面に設けられている。引っ掛け部材10はフラップ8の底面に取り付けられるベース板10aとベース板10aに下向きに設けられた多数の突起10bより構成され、これらは例えば樹脂によって一体成形されている。本実施形態では、突起10bを円状に並べてグループを形成し、そのグループを一列に並べるように配置している。突起10bは弾力性を有しており、清掃シート9を構成する繊維の間に入り込んで引っ掛かる。したがって、フラップ8が移動すると、清掃シート9も一緒に移動する。左右のフラップ8を広げた係止手段4の開状態において、左右のフラップ8の先端8aの間隔L3は清掃シート9の横方向の長さL4とほぼ同じ長さに設定されている(図3(A))。
【0020】
操作手段5は、係止手段4を開く方向に操作する開方向操作手段11と、係止手段4を閉じる方向に操作する閉方向操作手段12と、係止手段4を閉状態に保持するロック手段13を備えている。
【0021】
開方向操作手段11は、第1の弾性部材11aと第2の弾性部材11bとを備えている。第1の弾性部材11aはヘッド3にアーム7を回動自在に連結するシャフト14と同軸上に設けられており、アーム7を開く方向に常時付勢している。また、第2の弾性部材11bはアーム7にフラップ8を回動自在に連結するシャフト15と同軸上に設けられており、フラップ8を開く方向に常時付勢している。したがって、開方向操作手段11は係止手段4を開く方向に常時付勢している。第1の弾性部材11aおよび第2の弾性部材11bは、例えばトーションスプリングによって構成されている。
【0022】
閉方向操作手段12は、柄2のベースパイプ2bの外周面にスライド可能に設けられた操作スリーブ18と、ベースパイプ2bの内周面に嵌め込まれた補強スリーブ2d内に設けられ、操作スリーブ18と一体的に移動するインナスリーブ19と、インナスリーブ19の動きを係止手段4に伝える第1の連結部材16とを備えている。
【0023】
インナスリーブ19の外周面の上端近傍位置には、前方に突出する凸部19aと後方に突出する凸部19bが設けられている。各凸部19a,19bは、ベースパイプ2bに設けられたスリット20と補強スリーブ2dに設けられたスリット21を通って操作スリーブ18の孔18a,18bに嵌め込まれている。凸部19a,19bによって操作スリーブ18とインナスリーブ19とが連結されるので、操作スリーブ18とインナスリーブ19は一体的に移動する。スリット20,21はベースパイプ2b及び補強スリーブ2dの軸方向、即ち図1の状態で上下方向に細長く形成されており、凸部19a,19bがスリット20,21内を移動できる範囲で操作スリーブ18及びインナスリーブ19がベースパイプ2b及び補強スリーブ2dに対してスライド可能になっている。また、凸部19a,19bがスリット20,21を通り抜けているので、操作スリーブ18及びインナスリーブ19はベースパイプ2b及び補強スリーブ2dに対して周方向に回転できない構造になっている。
また、インナスリーブ19の内周面の下端近傍位置には連結ピン19cが設けられている。
【0024】
第1の連結部材16は、例えば紐やワイヤ等の柔軟性を有し且つ伸縮し難い線状部材であり、インナスリーブ19の内部空間とヘッド3の内部空間を通って連結ピン19cとフラップ8とを連結している。即ち、第1の連結部材16の一端は連結ピン19cに接続されている。また、第1の連結部材16の他端はヘッド3の蓋状部材3bの孔3eからヘッド3の外側に引き出されてフラップ8に接続されている。係止手段4は2つ設けられているので、第1の連結部材16も2本設けられており、左右の係止手段4のフラップ8を1本の連結ピン19cに連結している。なお、図8図11には第1の連結部材16の記載を省略している。
【0025】
ロック手段13は、ヘッド3内に設けられ、係止手段4のアーム7を係止するロックレバー22と、インナスリーブ19の動きをロックレバー22に伝える第2の連結部材17とを備えている。ロックレバー22はヘッド3の底板3aに回動自在に取り付けられており、その基端22aを蓋状部材3bの孔3dの近傍に配置させている。また、ロックレバー22の先端には爪22bが設けられている。本実施形態では、爪22bを2つ設けている。各爪22bは蓋状部材3bに設けられた孔から外に突出してアーム7の孔7a,7aの縁に引っ掛かることでアーム7を係止可能になっている。係止手段4はヘッド3の左右に設けられているので、ロックレバー22もヘッド3の左右に設けられている。ロックレバー22は、図示しないリターンスプリングによって爪22bをアーム7の孔7a,7aの縁に引っ掛ける方向に常時付勢されている。
【0026】
第2の連結部材17は、例えば紐やワイヤ等の柔軟性を有し且つ伸縮し難い線状部材であり、インナスリーブ19の内部空間、補強スリーブ2dの内部空間、ヘッド3の内部空間を通って連結ピン19cとロックレバー22とを連結している。第2の連結部材17は補強スリーブ2dの内周面に設けられた円柱部2eの上を通って連結ピン19cとロックレバー22の基端22aとを連結している。円柱部2eは連結ピン19cよりも柄2の上端側の位置に設けられているので、連結ピン19cが下に移動すると、第2の連結部材17によってロックレバー22の基端22aが引き上げられ、連結ピン19cが上に移動すると、第2の連結部材17による張力が緩んでロックレバー22のリターンスプリングによる揺動、即ちロックレバー22の基端22aの下降が可能になる。なお、図8図11には第2の連結部材17の記載を省略している。
【0027】
次に、係止手段4の開閉操作について説明する。
閉方向操作手段12の操作スリーブ18を図1(A),図8図10に示すロック解除位置にスライドさせると、ロック手段13の第2の連結部材17がロックレバー22を揺動させるので、爪22bがアーム7から外れる(ロック解除)。同時に、左右の係止手段4のフラップ8を清掃具1側に引っ張っていた第1の連結部材16の張力が緩むので、開方向操作手段11の第1の弾性部材11aおよび第2の弾性部材11bの付勢力によって係止手段4が開かれる。
【0028】
一方、操作スリーブ18を図1(B),図9図11に示すロック位置にスライドさせると、第1の連結部材16によって左右の係止手段4のフラップ8がヘッド3側に引き寄せられ、左右の係止手段4が折り畳まれる。同時に、第2の連結部材17が緩んでロックレバー22の揺動が可能になるので、図示しないリターンスプリングによってロックレバー22が揺動され、爪22bがアーム7を係止する。これにより、左右の係止手段4が閉じた状態にロックされる。
【0029】
このように、操作スリーブ18をスライドさせることで、係止手段4を開閉させることができる。
【0030】
次に、清掃シート9のヘッド3への取り付けについて説明する。本発明の清掃具1では、ヘッド3が清掃シート9の上に載せられた状態で操作手段5によって係止手段4が開状態から閉状態に動かされると、係止手段4は清掃シート9のヘッド3からのはみ出し部分9aを引っ掛けてヘッド3上に移動させて係止することができる。つまり、清掃具1のユーザーは、床に清掃シート9を広げて置いておくことで、その後は清掃シート9やヘッド3に触れずに清掃シート9をヘッド3の底面に取り付けることができる。
【0031】
閉方向操作手段12の操作スリーブ18をロック解除位置にスライドさせると、ロック手段13の第2の連結部材17がロックレバー22を揺動させる。これにより爪22bがアーム7から外れ(ロック解除)、開方向操作手段11によって係止手段4が開かれる。
【0032】
この状態で、床に広げた清掃シート9の上に清掃具1を載せると、フラップ8の底面に設けられた引っ掛け部材10が、清掃シート9のヘッド3から側方にはみ出した部分(はみ出し部分)9aを引っ掛ける(図15(B))。このとき、ヘッド3を清掃シート9に載せることでフラップ8は図15(A)に示す状体からが閉じる方向に若干戻されるので、開方向操作手段11の第1の弾性部材11aと第2の弾性部材11bの付勢力によって引っ掛け部材10は清掃シート9に強く押し付けられる。したがって、引っ掛け部材10は清掃シート9をしっかりと引っ掛ける。
【0033】
この状態で、ユーザーが閉方向操作手段12の操作スリーブ18を上にスライドさせると、第1の連結部材16によって左右のフラップ8がヘッド3側に引き寄せられ、左右の係止手段4が折り畳まれる(閉状態)。このとき、左右のフラップ8は第2の弾性部材11bによって開く方向、即ち床に向けて付勢されているので、左右のフラップ8は清掃シート9を床との間に挟みながら床上を滑らせてヘッド3側に寄せ、更に、ヘッド3の蓋状部材3b上に乗り上げさせて移動させる。この動きによって、清掃シート9のはみ出し部分9aはヘッド3上に移される。そして、左右の係止手段4が折り畳まれると、清掃シート9のはみ出し部分9aはフラップ8とアーム7との間にしっかりと挟み込まれる(図15(C))。すなわち、係止手段4が清掃シート9のはみ出し部分9aを係止する。これにより、清掃シート9がヘッド3に取り付けられる。
【0034】
左右の係止手段4が閉状態となり、操作スリーブ18がロック位置までスライドされると、清掃シート9が係止手段4とヘッド3との間にしっかりと挟み込まれる。同時に、ロックレバー22がアーム7を係止する。これにより、係止手段4がロックされ、ユーザーが操作スリーブ18から手を離しても、左右の係止手段4が清掃シート9のはみ出し部分9aを挟み込んでいる状態が維持される。この状態でユーザーは清掃具1を使用して清掃を行うことができる。
【0035】
使用後の清掃シート9を交換する場合には、操作スリーブ18を下げて係止手段4のロックを解除すれば良い。ユーザーが操作スリーブ18を下げると、第2の連結部材17がロックレバー22を揺動させて爪22bをアーム7から外す。これにより、開方向操作手段11の付勢力によって左右の係止手段4が開き、清掃シート9のはみ出し部分9aを解放するので、清掃シート9を取り外して交換することができる。例えば、ヘッド3を図示しないごみ箱の上に移動させた状態で操作スリーブ18をロック解除位置にスライドさせれば、使用後の清掃シート9をごみ箱内に落とすことができ、使用後の清掃シート9に触れずにそのまま廃棄することができる。
【0036】
このように、本発明の清掃具1では、清掃シート9やヘッド3に触れずに当該清掃シート9を交換することができる。そのため、清掃シート9の交換がきわめて簡単であり、しかも衛生的である。
【0037】
なお、上述の実施形態は本発明を実施する際の好適な形態の一例であるがこれに限るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
例えば、上述の説明では、フラップ8とアーム7との間に清掃シート9のはみ出し部分9aを挟み込むことで係止手段4が清掃シート9のはみ出し部分9aを係止するようにしていたが、係止手段4のフラップ8とヘッド3との間、あるいはアーム7とヘッド3との間に清掃シート9のはみ出し部分9aを挟み込むようにしても良い。これらの場合にも清掃シート9をしっかりとヘッド3に取り付けることができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、柄の下端のヘッドに使い捨ての清掃シートを取り付ける清掃具に利用できる。
【符号の説明】
【0039】
1 清掃具
2 柄
3 ヘッド
4 係止手段
5 操作手段
7 アーム
8 フラップ
9 清掃シート
9a 清掃シートのヘッドからのはみ出し部分
10 引っ掛け部材
11 開方向操作手段
12 閉方向操作手段
13 ロック手段
【要約】      (修正有)
【課題】使い捨ての清掃シートの交換を容易にし、かつ清掃シートに直接触れずに交換可能にする。
【解決手段】柄2の下端に設けられたヘッド3の底面に当該底面よりも大きな清掃シート9が交換可能に取り付けられる清掃具であって、ヘッド3の上面に設けられ、開状態ではヘッド3から側方に広がり、閉状態ではヘッド3の上に折り畳まれる係止手段4と、係止手段4を開閉させる操作手段とを備えている。係止手段4は左右一対設けられており、ヘッド3が清掃シート9の上に載せられた状態で操作手段によって係止手段4が開状態から閉状態に動かされると、係止手段4は清掃シート9のヘッド3からのはみ出し部分9aを引っ掛けてヘッド3上に移動させて係止する構成である。
【選択図】図15
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16