特許第6917238号(P6917238)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6917238
(24)【登録日】2021年7月21日
(45)【発行日】2021年8月11日
(54)【発明の名称】装飾シート
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/00 20060101AFI20210729BHJP
【FI】
   B32B27/00 E
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-150467(P2017-150467)
(22)【出願日】2017年8月3日
(65)【公開番号】特開2019-25861(P2019-25861A)
(43)【公開日】2019年2月21日
【審査請求日】2020年4月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000244235
【氏名又は名称】明和グラビア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119725
【弁理士】
【氏名又は名称】辻本 希世士
(74)【代理人】
【識別番号】100072213
【弁理士】
【氏名又は名称】辻本 一義
(74)【代理人】
【識別番号】100168790
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 英之
(72)【発明者】
【氏名】大島 規弘
(72)【発明者】
【氏名】岩永 朋弘
(72)【発明者】
【氏名】林 幸佑
(72)【発明者】
【氏名】飯田 青児
【審査官】 春日 淳一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−246875(JP,A)
【文献】 特開2000−079754(JP,A)
【文献】 特開2018−012197(JP,A)
【文献】 特開2003−103706(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B1/00−43/00
E04F13/00−13/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明の樹脂シート基材(1)の上面に第一装飾樹脂層(2)が印刷され、前記樹脂シート基材(1)の下面に第二装飾樹脂層(3)が印刷されており、前記第一装飾樹脂層(2)は、湿式拭取り材で拭き取られることにより、消去可能なものにし、前記第一装飾樹脂層(2)と第二装飾樹脂層(3)は、それぞれの図柄や模様を同一のものにし、それぞれを色違いにしていることを特徴とする装飾シート。
【請求項2】
透明又は不透明の樹脂シート基材(1)の上面に第二装飾樹脂層(3)が印刷され、この第二装飾樹脂層(3)の上面に第一装飾樹脂層(2)が印刷されており、前記第一装飾樹脂層(2)は、湿式拭取り材で拭き取られることにより、消去可能なものにし、前記第一装飾樹脂層(2)と第二装飾樹脂層(3)は、それぞれの図柄や模様を同一のものにし、それぞれを色違いにしていることを特徴とする装飾シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、室内や家具等の模様替えをしたり、色彩を変えるために、室内の壁面や家具の外面に貼り付けるなどして使用したり、テーブルクロスやカーテンなどとしても使用することができる装飾シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の装飾シートとしては、例えば、複数枚の壁紙片を感圧性接着剤を介して互いに剥離可能な状態で重層し、これら複数枚の壁紙片のうち、一番下側に位置する壁紙片の裏面を室内等の壁面に貼り付け、一番上側に位置する壁紙片から順次剥離するように構成された壁紙が存在する(特許文献1)。
【0003】
このような装飾シートは、室内等の壁面への貼り付けに際しては、従来と同様に壁面に下地処理を施した後、一番下側に位置する壁紙片の裏面を接着剤等で貼着する。そして、その後の壁紙の貼り替えに際しては、感圧性接着剤の接着力よりも大きい剥離力で一番上側の壁紙片を剥離することによって、その下から新しい壁紙片が現れるので、下地処理、貼り付け作業を必要とせず、重層した枚数、模様替えを行うことができるとしている。
【0004】
したがって、従来のこのような装飾シートでは、熟練を要さず、また下地処理を施さずに、模様替えを簡単に良好に行うことができるとしている。しかも、このような模様替えを、重層した枚数、繰り返すことができ、また複数枚の壁紙片を重層することから、遮音、吸音、断熱、防火性能等を向上させることができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−260651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の装飾シートでは、使用する感圧性接着剤の接着力を弱めにすると、模様替えを行うときに、上側の壁紙片が剥離し易くなり、作業性が良くなるが、模様替えを行うまでに、上側の壁紙片が浮いたり剥離しかかって、外観が悪くなったりすることがあり、また逆に感圧性接着剤の接着力を強めにすると、模様替えを行うまでに、上側の壁紙片が浮いたり剥離しかかるようなことはないが、上側の壁紙片が剥離し難くなることがあり、作業性が悪くなるので、使用する感圧性接着剤の接着力をどのような強さのものに選択するのかが非常に困難であるという課題を有していた。
【0007】
さらに、上記従来の装飾シートでは、複数枚の壁紙片を重層することから、遮音、吸音、断熱、防火性能等を向上させることができるとしているが、複数枚の壁紙片を必要とし、壁紙自体が分厚くなって、しかも重くなるので、製造コスト、運搬コスト、保管コストなどが高くつくという課題を有していた。
【0008】
また、上記従来の装飾シートでは、壁紙自体が分厚くなって、しかも重くなるので、壁面への貼り付け作業が、通常の壁紙に比べて困難であるという課題を有していた。
【0009】
そこで、この発明は、上記従来の装飾シートが有する課題を解決することを目的としており、壁紙や貼紙として使用する場合には、複数枚の壁紙片や貼紙片を必要とすることなく、壁紙や貼紙自体が分厚くなって、重くなることもなく、壁面や家具外面への貼り付け作業も通常の壁紙や貼紙と変りなく行うことができ、しかも自分好みに自由に図柄や模様、色彩を変化させることができる装飾シートを提供することを目的としてなされたものである。
【0010】
さらに、この発明は、テーブルクロスやカーテンなどとして使用する場合には、模様替えをしたりするときにも、新しいものに買い替えることなく、自分好みに自由に図柄や模様、色彩を変化させることができる装飾シートを提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そのため、この発明の装飾シートは、透明の樹脂シート基材1の上面に第一装飾樹脂層2が印刷され、前記樹脂シート基材1の下面に第二装飾樹脂層3が印刷されており、前記第一装飾樹脂層2は、湿式拭取り材で拭き取られることにより、消去可能なものにし、前記第一装飾樹脂層2と第二装飾樹脂層3は、それぞれの図柄や模様を同一のものにし、それぞれを色違いにしている。
【0012】
また、この発明の装飾シートは、透明又は不透明の樹脂シート基材1の上面に第二装飾樹脂層3が印刷され、この第二装飾樹脂層3の上面に第一装飾樹脂層2が印刷されており、前記第一装飾樹脂層2は、湿式拭取り材で拭き取られることにより、消去可能なものにし、前記第一装飾樹脂層2と第二装飾樹脂層3は、それぞれの図柄や模様を同一のものにし、それぞれを色違いにしている。
【発明の効果】
【0016】
この発明の装飾シートは、壁紙や貼紙として使用した場合には、複数枚の壁紙片や貼紙片を必要とすることなく、壁紙や貼紙自体が分厚くなって、重くなることもなく、壁面や家具外面への貼り付け作業も通常の壁紙や貼紙と変りなく行うことができ、しかも第一装飾樹脂層2を湿式拭取り材で拭き取って、自分好みに自由に図柄や模様、色彩を変化させることにより、室内や家具等の模様替えを容易に行うことができる。
【0017】
さらに、この発明の装飾シートは、テーブルクロスやカーテンなどとして使用した場合には、模様替えをしたりするときにも、新しいものに買い替えることなく、第一装飾樹脂層2を湿式拭取り材で拭き取って、自分好みに自由に図柄や模様、色彩を変化させることにより再使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】この発明の装飾シートの第一装飾樹脂層を一色刷りとし、第二装飾樹脂層を二色刷りとした場合の第一実施形態を示す部分拡大断面図である。
図2図1に示すこの発明の装飾シートの第一装飾樹脂層が湿式拭取り材で部分的に消去された状態を示す部分拡大断面図である。
図3】この発明の装飾シートの第一装飾樹脂層を一色刷りとし、第二装飾樹脂層を二色刷りとした場合の第二実施形態を示す部分拡大断面図である。
図4図3に示すこの発明の装飾シートの第一装飾樹脂層が湿式拭取り材で部分的に消去された状態を示す部分拡大断面図である。
図5】この発明の装飾シートの第一装飾樹脂層を二色刷りとし、第二装飾樹脂層を二色刷りとした場合の第三実施形態を示す部分拡大断面図である。
図6図5に示すこの発明の装飾シートの第一装飾樹脂層が湿式拭取り材で部分的に消去された状態を示す部分拡大断面図である。
図7】この発明の装飾シートの第一装飾樹脂層を二色刷りとし、第二装飾樹脂層を二色刷りとした場合の第四実施形態を示す部分拡大断面図である。
図8図7に示すこの発明の装飾シートの第一装飾樹脂層が湿式拭取り材で部分的に消去された状態を示す部分拡大断面図である。
図9】この発明の装飾シートの第一装飾樹脂層を三色刷りとし、第二装飾樹脂層を三色刷りとした場合の第五実施形態を示す部分拡大断面図である。
図10図9に示すこの発明の装飾シートの第一装飾樹脂層が湿式拭取り材で部分的に消去された状態を示す部分拡大断面図である。
図11】この発明の装飾シートの第一装飾樹脂層を三色刷りとし、第二装飾樹脂層を三色刷りとした場合の第六実施形態を示す部分拡大断面図である。
図12図11に示すこの発明の装飾シートの第一装飾樹脂層が湿式拭取り材で部分的に消去された状態を示す部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明の装飾シートを実施するための形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】
この発明の装飾シートは、図1、2、5、6、9、10に示したように、透明の樹脂シート基材1の上面に第一装飾樹脂層2が印刷され、前記樹脂シート基材1の下面に第二装飾樹脂層3が印刷されたものにしている。さらに、前記第二装飾樹脂層3の下面には、必要に応じて、粘着樹脂層4が形成されたものにしている。
【0021】
また、この発明の装飾シートは、図3、4、7、8、11、12に示したように、透明又は不透明の樹脂シート基材1の上面に第二装飾樹脂層3が印刷され、この第二装飾樹脂層3の上面に第一装飾樹脂層2が印刷されたものにしている。さらに、前記樹脂シート基材1の下面には、必要に応じて、粘着樹脂層4が形成されたものにしている。
【0022】
前記樹脂シート基材1は、第一装飾樹脂層2および第二装飾樹脂層3が印刷可能な素材であれば、特に限定されることはないが、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニール、ポリスチレン、酢酸セルロースなどが使用される。また、前記透明樹脂シート基材1の厚さは、用途にもよるが、10〜2000μmにすることができる。
【0023】
前記第一装飾樹脂層2は、顔料、水溶性樹脂、水等からなるインキ組成物からなるものとしており、乾いたティッシュや乾いた雑巾、乾いたスポンジなどの乾式拭取り材では拭き取られて、消去されることはないが、ウェットティッシュや濡れ雑巾、濡れスポンジなどの湿式拭取り材で拭き取られることにより、消去可能なものにしている。
【0024】
前記インキ組成物としては、例えば、特開2009−235322号公報に記載されたような、顔料、水、乳酸エステル化合物、界面活性剤及びカルボキシル基を有する不飽和ビニルモノマーを成分として重合した共重合体をアミンにより中和溶解した水溶性共重合物をインク総量に対して1質量%以上、10質量%以下含有する水性インクジェットインクや、特開平9−157576号公報に記載されたような、必須成分として着色剤、水不溶性樹脂、水溶性樹脂、揺変性付与剤及び水を含んでおり、揺変性付与剤が酸性ヘテロ多糖類他から選ばれるインキ組成物が挙げられる。さらに、このようなインキ組成物としては、特許第4419498号公報に記載されたような、顔料の少なくとも一部が、アニオン性界面活性剤から選ばれる1種もしくは2種以上の混合物によって表面を処理した炭酸カルシウム粒子であると共に、その粒子の配合量がインキ組成物全量に対して5重量%以上20重量%以下であり、前記水溶性樹脂の量がインキ組成物中の顔料の量に対して10重量%以上30重量%以下である水性インキ組成物や、特許第5634277号公報に記載されたような、溶剤としての水、水溶性染料、水溶性樹脂、及びデカグリセリンカプリル酸エステル0.5〜10重量%を含有する水性インキ組成物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0025】
前記第二装飾樹脂層3は、ウェットティッシュや濡れ雑巾、濡れスポンジなどの湿式拭取り材で拭き取られても、消去されることのない通常の汎用されているインキ組成物からなるものにしている。なお、図1、2、5、6、9、10に示した実施形態では、前記第二装飾樹脂層3は、このようなインキ組成物ではなく、第一装飾樹脂層2と同様に、ウェットティッシュや濡れ雑巾、濡れスポンジなどの湿式拭取り材で拭き取られることにより、消去可能なインキ組成物からなるものにしてもよい。
【0026】
前記第一装飾樹脂層2と第二装飾樹脂層3は、それぞれの図柄や模様を同一のものにした場合は、それぞれの図柄や模様を部分的に、又は全体的に重ね合わせたりして、それぞれの図柄や模様を色違いにすることができ、それぞれの図柄や模様を異なるものにした場合は、それぞれの図柄や模様を部分的に重ね合わせたりして、それぞれの図柄や模様を同一色にしたり、色違いにすることができる。また、前記第一装飾樹脂層2は、第二装飾樹脂層3の図柄や模様、色彩にかかわらず、半透明色にすることができる。このようにすることにより、前記第一装飾樹脂層2が湿式拭取り材で、部分的に又は全体的に拭き取られることによって消去されれば、選り取りの図柄や模様、色彩に変化させることができる。
【0027】
前記第一装飾樹脂層2及び第二装飾樹脂層3の印刷手法は、特に限定されるものでないが、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、フレキソ印刷等が用いられ、前記第一装飾樹脂層2及び第二装飾樹脂層3は、これらの印刷手法により、多色刷りされたり、重ね刷りされたりして、様々な図柄や模様、色彩に印刷される。
【0028】
前記粘着樹脂層4は、アクリル系やウレタン系、ゴム系等からなる粘着剤が塗布されることにより形成されており、壁面等への貼り付け作業がより容易なものとなるようにしている。この場合、前記粘着樹脂層4は、剥離紙(図示せず)などにより覆われたものとしておくのが、取り扱い面などにおいても好ましい。
【0029】
なお、前記湿式拭取り材としては、ウェットティッシュや濡れ雑巾、濡れスポンジを例示したが、これらに限定されるものでないことは言うまでもない。
【0030】
以上のように構成されたこの発明の装飾シートは、図1、3に示したように、第一装飾樹脂層2をA色の一色刷りとし、第二装飾樹脂層3をB色とC色の二色刷りとした場合、第一装飾樹脂層2がウェットティッシュや濡れ雑巾、濡れスポンジなどの湿式拭取り材で拭かれて、例えば図2、4に示したように部分的に消去されると、A色、B色、C色の三色の色彩に変化させることができる。また、この場合、第一装飾樹脂層2のA色を半透明色にすれば、この第一装飾樹脂層2が湿式拭取り材で拭かれて消去されると、第二装飾樹脂層3のB色とC色が、ぼやけていた状態からはっきりした状態の色彩に変化させることができる。さらに、前記第一装飾樹脂層2と第二装飾樹脂層3の図柄や模様を異なるものにしておけば、第一装飾樹脂層2の消し方によって、その他様々な図柄や模様に変化させることができるのは言うまでもない。
【0031】
さらに、この発明の装飾シートは、図5、7に示したように、第一装飾樹脂層2をA色とD色の二色刷りとし、第二装飾樹脂層3をB色とC色の二色刷りとした場合、第一装飾樹脂層2がウェットティッシュや濡れ雑巾、濡れスポンジなどの湿式拭取り材で拭かれて、例えば図6、8に示したように部分的に消去されると、A色、B色、C色、D色の四色の色彩に変化させることができる。また、この場合にも、第一装飾樹脂層2のA色とD色を半透明色にすれば、この第一装飾樹脂層2が湿式拭取り材で拭かれて消去されると、第二装飾樹脂層3のB色とC色が、ぼやけていた状態からはっきりした状態の色彩に変化させることができる。さらに、前記第一装飾樹脂層2と第二装飾樹脂層3の図柄や模様を異なるものにしておけば、第一装飾樹脂層2の消し方によっては、図1〜4に示したものと同様、その他様々な図柄や模様に変化させることができるのは言うまでもない。
【0032】
また、この発明の装飾シートは、図9、11に示したように、第一装飾樹脂層2をA色、D色、E色の三色刷りとし、第二装飾樹脂層3をB色、C色、F色の三色刷りとした場合、第一装飾樹脂層2がウェットティッシュや濡れ雑巾、濡れスポンジなどの湿式拭取り材で拭かれて、例えば図10、12に示したように部分的に消去されると、A色、B色、C色、D色、E色、F色の六色の色彩に変化させることができる。また、この場合にも、第一装飾樹脂層2のA色、D色、E色を半透明色にすれば、この第一装飾樹脂層2が湿式拭取り材で拭かれて消去されると、第二装飾樹脂層3のB色、C色、F色が、ぼやけていた状態からはっきりした状態の色彩に変化させることができる。さらに、前記第一装飾樹脂層2と第二装飾樹脂層3の図柄や模様を異なるものにしておけば、第一装飾樹脂層2の消し方によっては、図1〜8に示したものと同様、その他様々な図柄や模様に変化させることができるのは言うまでもない。
【0033】
したがって、この発明の装飾シートは、第一装飾樹脂層2及び第二装飾樹脂層3を任意の色数、図柄、模様に印刷することにより、多色多様の図柄や模様に変化させることができ、しかもウェットティッシュや濡れ雑巾、濡れスポンジなどの湿式拭取り材で拭き取られることにより、簡単に多色多様の図柄や模様に変化させることができるものとなる。
【0034】
そのため、この発明の装飾シートは、壁紙や貼紙として使用した場合には、先に述べたように、複数枚の壁紙片や貼紙片を必要とすることなく、壁紙や貼紙自体が分厚くなって、重くなることもなく、壁面や家具外面への貼り付け作業も通常の壁紙や貼紙と変りなく行うことができ、しかも自分好みに自由に図柄や模様、色彩を変化させることができるものとなる。
【0035】
さらに、この発明の装飾シートは、テーブルクロスやカーテンなどとして使用した場合には、先に述べたように、模様替えをしたりするときにも、新しいものに買い替えることなく、自分好みに自由に図柄や模様、色彩を変化させることができるものとなる。
【0036】
なお、この発明の装飾シートは、乾いたティッシュや乾いた雑巾、乾いたスポンジなどの乾式拭取り材では拭き取られて、色彩や図柄、模様が容易に消去されることがないので、室内や家具等の模様替えをしたり、色彩を変えたりしない日常に、衣服や身体などが接触することがあっても、これらに色彩や図柄、模様が容易に移るようなことはなく、壁紙等に使用するのに支障をきたすようなことはない。
【符号の説明】
【0037】
1 透明樹脂シート基材
2 第一装飾樹脂層
3 第二装飾樹脂層
4 粘着樹脂層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12