特許第6917259号(P6917259)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6917259
(24)【登録日】2021年7月21日
(45)【発行日】2021年8月11日
(54)【発明の名称】ホイールキャップ
(51)【国際特許分類】
   B60B 7/10 20060101AFI20210729BHJP
【FI】
   B60B7/10
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-186282(P2017-186282)
(22)【出願日】2017年9月27日
(65)【公開番号】特開2019-59377(P2019-59377A)
(43)【公開日】2019年4月18日
【審査請求日】2020年2月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】鳥山 将司
【審査官】 宮地 将斗
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−324203(JP,A)
【文献】 特開2013−112260(JP,A)
【文献】 特開2001−097001(JP,A)
【文献】 実開昭62−123401(JP,U)
【文献】 実開平03−016503(JP,U)
【文献】 実開平03−016502(JP,U)
【文献】 特開2016−193693(JP,A)
【文献】 実開平06−063402(JP,U)
【文献】 独国特許出願公開第102016105630(DE,A1)
【文献】 米国特許第05083841(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60B 7/00−7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
意匠面が設けられるキャップ本体と、
前記キャップ本体の前記意匠面とは反対側に設けられると共に、付勢部及び係合爪が設けられ、前記付勢部の付勢力により前記係合爪の係合部位がホイールに係合される係合部と、
前記キャップ本体の前記意匠面側からの前記付勢部の押圧操作を可能にして前記係合部の前記ホイールへの係合を解除可能にする操作孔部と、
を有し、
前記係合爪は、前記係合部位とは反対側に配置されると共に、前記意匠面から離れるにしたがって前記係合部位とは反対側に傾斜され、かつ、前記付勢部により押圧されることで前記係合部位が前記ホイールに係合され、前記付勢部が押圧操作されて外れることで前記付勢部による押圧が解除される傾斜面を備えるホイールキャップ。
【請求項2】
前記操作孔部を開放可能に閉鎖する閉鎖部を有する請求項1に記載のホイールキャップ。
【請求項3】
前記閉鎖部に変形及び変形の復帰が可能な材料が用いられる請求項2に記載のホイールキャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のホイールに取付けられるホイールキャップに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のキャップでは、キャップ本体の裏側に係合部が設けられており、係合部に板ばねが設けられている。また、係合部が板ばねの付勢力によりホイールに係合されて、キャップがホイールに取付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−193693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、このキャップでは、ホイールの表側からは、係合部の板ばねを操作できずに、係合部のホイールへの係合を解除できない。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、係合部のホイールへの係合を容易に解除できるホイールキャップを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様のホイールキャップは、意匠面が設けられるキャップ本体と、前記キャップ本体の前記意匠面とは反対側に設けられると共に、付勢部が設けられ、前記付勢部の付勢力によりホイールに係合される係合部と、前記キャップ本体の前記意匠面側からの前記付勢部の操作を可能にして前記係合部の前記ホイールへの係合を解除可能にする操作孔部と、を有する。
【0007】
第2の態様は、第1の態様において、前記操作孔部を開放可能に閉鎖する閉鎖部を有する。
【0008】
第3の態様は、第2の態様において、前記閉鎖部に変形及び変形の復帰が可能な材料が用いられる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の第1の態様のホイールキャップによれば、キャップ本体の意匠面とは反対側に係合部が設けられると共に、係合部に付勢部が設けられており、係合部が付勢部の付勢力によりホイールに係合される。
【0010】
ここで、キャップ本体の操作孔部が、キャップ本体の意匠面側からの付勢部の操作を可能にして、係合部のホイールへの係合を解除可能にする。このため、キャップ本体の意匠面側から係合部のホイールへの係合を解除でき、係合部のホイールへの係合を容易に解除できる。
【0011】
第2の態様では、閉鎖部が操作孔部を開放可能に閉鎖する。このため、操作孔部を閉鎖できると共に、操作孔部がキャップ本体の意匠面側からの付勢部の操作を可能にできる。
【0012】
第3の態様では、閉鎖部に変形及び変形の復帰が可能な材料が用いられる。このため、閉鎖部が操作孔部を開放可能に閉鎖できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施の形態に係るホイールキャップ及びホイールの正面図である。
図2】ホイールの正面図である。
図3】キャップ本体及びホイールの主要部を示す斜視図である。
図4】キャップ本体の主要部を示す断面図である。
図5】(A)は、変形例に係るキャップ本体の主要部を示す断面図、(B)は、変形例に係るキャップ本体の主要部を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1には、本発明の実施の形態に係るホイールキャップ10及びホイールキャップ10が取付けられたホイール12が表側から見た正面図にて示され、図2には、ホイール12が正面図にて示されている。また、図3には、ホイールキャップ10及びホイール12の主要部が斜め表側から見た斜視図にて示され、図4には、ホイールキャップ10の主要部が断面図にて示されている。なお、図面では、ホイールキャップ10及びホイール12の表側が矢印FSにて示されている。
【0015】
図1に示すように、ホイールキャップ10は、ホイール12に取付けられている。ホイール12は、金属製(例えば、アルミニウム製又はスチール製)とされており、ホイール12は、車両(自動車)の車幅方向外側に設けられたハブ(図示省略)に取付けられる。ホイールキャップ10は、ホイール12の車幅外側に取付けられ、車幅方向外側(車外)から視認可能とされており、ホイールキャップ10がホイール12を被覆及び加飾する。ホイールキャップ10及びホイール12は、表側が車幅方向外側とされている。
【0016】
図1及び図2に示すように、ホイール12の中心部分には、略円板状のセンタディスク14が設けられており、ホイール12の外周部分には、略円筒状のリム16がセンタディスク14と同軸上に設けられている。センタディスク14とリム16とは、複数(本実施形態では10個)の棒状のスポーク18によって接続されており、複数のスポーク18は、それぞれホイール12径方向に延伸されると共に、ホイール12周方向に等間隔に配置されている。
【0017】
ホイール12には、各々がホイール12周方向に隣接するスポーク18の間でセンタディスク14、リム16及び2本のスポーク18によって囲われた開口部20が複数(本実施の形態では10箇所)形成されている。開口部20は、正面視略三角形状とされており、開口部20は、ホイール12表側及びホイール12裏側に開放されている。
【0018】
センタディスク14の外周部には、固定部としての円状の固定凹部22が複数(本実施形態では5個)形成されており、複数の固定凹部22は、ホイール12周方向に等間隔に配置されている。固定凹部22は、ホイール12表側に開放されており、固定凹部22の底部には、円状の固定孔22Aが同軸上に貫通形成されている。
【0019】
固定凹部22のホイール12径方向外側の開口部20は、取付開口部20Aとされ、ホイール12周方向に隣接する固定凹部22の間におけるホイール12径方向外側の開口部20は、開口部20Bとされている。ホイール12には、取付開口部20Aと開口部20Bとがホイール12周方向に交互に設けられている。
【0020】
図3に示すように、固定凹部22の固定孔22Aには、金属製で棒状のボルト24が同軸上に貫通されている。ボルト24は、複数(本実施の形態では5本、図3では1本を図示)が車両のハブに固定されており、ボルト24は、ホイール12軸方向と平行にされ、かつホイール12周方向に等間隔に配置されて、ホイール12側(車幅方向外側)に突出されている。
【0021】
ボルト24には、金属製で略円筒状のナット26が螺合されて固定されている。ナット26の軸方向中間部の外周には、円環板状のフランジ26Aが一体に形成されており、フランジ26Aは、ナット26の径方向外側に突出されている。ナット26は、ホイール12側部分がホイール12の固定孔22A内に嵌合された状態でボルト24に固定されており、ナット26のフランジ26Aとハブとの間にホイール12の固定凹部22底部(センタディスク14)が挟持されて、ホイール12がハブに取付けられている。
【0022】
また、ボルト24には、ナット26のホイール12表側において、樹脂製又は金属製で有底略円筒状の加飾ナット28が固定されている。加飾ナット28のナット26とは反対側の部分は、略半球状とされて端面が閉塞されおり、加飾ナット28のナット26とは反対側の部分内には、ボルト24が螺合されている。これにより、加飾ナット28は、ボルト24及びナット26のホイール12表側を被覆して加飾している。
【0023】
一方、ホイールキャップ10は、ホイール12の取付開口部20Aにおいてホイール12に取付けられている。ホイール12のスポーク18の長手方向中間部には、取付開口部20A側の縁部において、断面略半円形柱状の取付部30が形成されており、取付部30は、ホイール12軸方向に延伸されている。取付部30には、取付孔32が形成されており、取付孔32は、取付部30をホイール12軸方向に貫通されている。また、センタディスク14には、取付開口部20A側の端部において、断面矩形状の案内溝34(図2参照)が形成されており、案内溝34は、センタディスク14をホイール12軸方向に貫通されて、ホイール12表側、裏側及び取付開口部20A側に開放されている。
【0024】
ホイールキャップ10は、加飾部材としての樹脂製(本実施の形態では、PC+ABS(ポリカーボネート−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン混合)樹脂)のキャップ本体36を備えており、ホイールキャップ10は、複数(本実施の形態では5個)のキャップ本体36がホイール12の取付開口部20A部分に取付けられて構成されている。キャップ本体36は、正面視三角形枠状に形成されており、キャップ本体36は、頂部側がホイール12径方向内側とされ、頂部に対向された底辺側がホイール12径方向外側とされて、取付開口部20Aに配置されている。キャップ本体36は、表側の面が加飾面(意匠面)36Aとされており、キャップ本体36の加飾面36Aが表側に向けられてホイール12に取付けられる。これにより、ホイールキャップ10は、キャップ本体36がホイール12の取付開口部20A外周外側部分及び取付開口部20Aの外周部の表側を被覆して、ホイール12を加飾している。
【0025】
キャップ本体36には、案内部としての案内爪38及び係合部を構成する係合爪部40が一体に形成されている。係合爪部40は、キャップ本体36のホイール12周方向の両側の各々において、裏側に突出されている。また、案内爪38は、キャップ本体36のホイール12径方向内側において、裏側に突出されている。キャップ本体36では、係合爪部40がホイール12の取付孔32に対向され、案内爪38がホイール12の案内溝34に対向されている。
【0026】
案内爪38は、キャップ本体36から裏側に延設されており、案内爪38の先端には、案内部位としての断面略三角形状の突出部38Aが形成されている。突出部38Aは、案内爪38の先端からホイール12径方向内側に突出され、キャップ本体36側の面がホイール12軸方向に略垂直に形成されている。取付開口部20Aにおいてキャップ本体36が裏側へ向けて移動されることで、突出部38Aがホイール12の案内溝34に案内される。さらに、突出部38Aのキャップ本体36側の面(表側に向く面)がセンタディスク14の裏側の面に当接されて、案内爪38がホイール12のセンタディスク14に係止される。これにより、キャップ本体36は、案内爪38側(ホイール12径方向内側)の部分においてホイール12径方向外側(取付開口部20A内側)を除く方向への移動が規制される。
【0027】
図4に示すように、係合爪部40は、複数の係合爪42を備えており、本実施の形態では、対向する2本(1対)の係合爪42を係合爪部40に設けている。係合爪42の先端部(キャップ本体36とは反対側先端部)には、係合部位としての断面略三角形状の突出部44及び突出部46が形成されている。突出部44は、一対の係合爪42の対向方向とは反対方向に突出されており、突出部44のキャップ本体36側には、キャップ本体36から離れるに従って互いに一対の係合爪42の対向方向とは反対方向に傾斜された傾斜面44Aが形成されている。
【0028】
突出部46は、一対の係合爪42の対向方向(突出部44とは反対方向)に突出されている。突出部46のキャップ本体36側(ホイール12表側)には、キャップ本体36から離れるに従って一対の係合爪42の対向方向に傾斜された傾斜面46Aが形成されている。
【0029】
係合爪42は、弾性揺動可能とされており、一対の係合爪42は、対向方向に揺動されてホイール12の取付孔32に挿入され、取付孔32を貫通されて突出部44の傾斜面46Aが取付孔32のホイール12裏側の開口周縁に対向されている。また、係合爪部40は、後述のように一対の係合爪42が対向方向とは反対方向に付勢されることで、突出部44の傾斜面44Aが取付孔32の開口周縁の角部に当接されて、係合爪部40が取付部30に係合されている。このため、係合爪部40は、取付部30によってホイール12軸方向及びホイール12径方向への移動が規制されて、キャップ本体36のホイール12に対する移動が規制されている。また、係合爪部40は、一対の係合爪42の付勢が解除されることで、キャップ本体36のホイール12の移動規制を解除できて、取付孔32からの引抜きが可能になる。
【0030】
係合爪部40には、係合部を構成する付勢部としての板ばね48が配置されている。板ばね48は、金属製又は樹脂製の帯板材が長手方向の中間部の湾曲部48Aにおいて湾曲されて略U字状に形成されている。また、板ばね48は、長手方向両端の先端部48Bが互いに離間する方向かつキャップ本体36側に折曲されている。
【0031】
板ばね48は、湾曲部48A側がキャップ本体36側とされて一対の係合爪42の間に配置され、先端部48Bの各々が突出部46の傾斜面46Aに当接されており、板ばね48は、一対の係合爪42を対向方向とは反対方向に付勢している。このため、係合爪部40が板ばね48の付勢力によって取付部30に係合されている。
【0032】
一方、キャップ本体36には、操作孔部を構成する操作孔としての略円形の貫通孔50が形成されており、一対の係合爪42は、貫通孔50の外周外側部分から突出形成されている。貫通孔50の軸方向は、ホイール12軸方向と平行とされている。また、貫通孔50は、キャップ本体36において、ホイール12の軸方向に対して傾斜(ホイール12裏側に向かうに従ってスポーク18から離れる方向への傾斜)されている部分に形成されている。このため、貫通孔50の中心軸線は、キャップ本体36の加飾面36Aに対して傾斜されている。
【0033】
キャップ本体36の加飾面36A側には、連結部を構成する開口断面が略矩形状の段差部52が設けられている。段差部52は、貫通孔50のスポーク18側の径方向外側に形成されて、段差部52は、表側及び貫通孔50側に開放されている。
【0034】
キャップ本体36には、閉鎖部としての蓋部54が形成されている。蓋部54は、略円板状の蓋体54A、及び連結部を構成する基部54Bを備えており、蓋部54では、蓋体54Aの径方向外側に基部54Bが一体に形成されている。蓋体54Aは、軸方向の両端面に対して中心軸線が傾斜されており、蓋体54Aは、軸方向両端面に対する中心軸線の傾斜が加飾面36Aに対する貫通孔50の中心軸線の傾斜角と同様とされている。また、蓋体54Aの外径は、貫通孔50の内径と同様とされている。
【0035】
蓋部54には、変形及び変形の復帰が可能な材料であり弾性材料、弾性樹脂材料及び軟質樹脂材料としてのエラストマーが用いられており、蓋部54は、樹脂の二色成形によってキャップ本体36に一体的に形成されている。蓋部54では、基部54Bが二色成形によってキャップ本体36の段差部52内にキャップ本体36と一体成形されており、蓋体54Aは、貫通孔50内において基部54Bに一体成形されている。このため、蓋体54Aは、キャップ本体36の貫通孔50に嵌合されて、基部54Bを介してキャップ本体36に連結されている。また、蓋部54の表側の面は、キャップ本体36の加飾面36Aと面一とされ、かつ加飾面36Aと同様の意匠に仕上げられている。これにより、蓋部54は、キャップ本体36の貫通孔50内において、基部54Bに対して蓋体54Aが弾性変形可能とされており、蓋体54Aが弾性変形することで貫通孔50内が表側に開放されて(図4の二点鎖線参照)、板ばね48の湾曲部48Aが視認可能となる。
【0036】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
以上の構成のホイールキャップ10では、キャップ本体36をホイール12の取付開口部20Aへ押込むことで、案内爪38の突出部38Aがホイール12のセンタディスク14に係止される。また、キャップ本体36の係合爪部40は、係合爪42が取付部30の取付孔32内を貫通し、板ばね48の付勢力によって突出部44の傾斜面44Aが取付孔32の開口周縁の角部に当接されることで、係合爪部40が取付部30に係合される。これにより、ホイールキャップ10は、キャップ本体36をホイール12に容易に取付けることができ、キャップ本体36によってホイール12を被覆及び加飾できる。
【0037】
ホイール12に取付けられたキャップ本体36は、係合爪42の取付部30への当接を解除して、係合爪42を取付孔32から抜出すことで、ホイール12から取外すことができる。また、板ばね48の先端部48Bは、互いに離間する方向への移動が係合爪42によって規制されており、板ばね48による係合爪42の付勢を解除することで、係合爪部40の取付部30への係合を解除できる。
【0038】
ここで、キャップ本体36には、貫通孔50が設けられており、貫通孔50から係合爪42の間に設けている板ばね48の湾曲部48Aを視認できる。このため、キャップ本体36の貫通孔50からドライバーなどの取外用工具を挿入して、板ばね48の湾曲部48Aを裏側へ向けて押圧することで、突出部46の傾斜面46Aによって板ばね48の先端部48Bが、互いに接近する方向に弾性変形されると共に、裏側に案内されて、係合爪部40から外される。これにより、簡単に板ばね48による係合爪42の付勢を解除できて、キャップ本体36をホイール12から取外すことができる。
【0039】
また、キャップ本体36の表側から取外用工具を貫通孔50に挿入できるので、ホイール12を車体から取外すことなく、ホイール12からキャップ本体36を取外すことができ、キャップ本体36の取外しを極めて容易にできる。
【0040】
また、キャップ本体36には、蓋部54が設けられ、蓋部54の蓋体54Aが貫通孔50を閉塞(閉塞していればよい)している。このため、貫通孔50の開口がキャップ本体36の見た目を損ねることが抑制できるので、貫通孔50が加飾面36Aの意匠性を損ねるのを抑制できる。また、蓋部54の表側面は、キャップ本体36の加飾面36Aと面一とされていると共に、加飾面36Aと同様の意匠に仕上げられている。このため、貫通孔50を閉塞する蓋部54が、加飾面36Aの意匠性を損ねるのを抑制できる。
【0041】
さらに、蓋部54には、エラストマーが用いられている。このため、蓋部54の蓋体54Aを表側から押圧することで、蓋体54Aを弾性変形させて、貫通孔50内を表側へ向けて開放できる。これにより、ホイール12からのキャップ本体36の取外作業を容易にできる。また、蓋体54Aは、押圧が解除されることで形状が復元するので、貫通孔50を再度閉塞できる。
【0042】
また、蓋体54Aの基部54Bとは反対側は、貫通孔50の内周面の裏側に向かうに従って基部54Bから離間する側に配置されて、蓋体54Aは、表側への湾曲が規制され、裏側への湾曲(弾性変形)が可能とされている。このため、蓋体54Aの形状が復元されて貫通孔50を閉塞する際に、表側の面を容易に加飾面36Aと面一にできて、蓋体54Aの表側の面と加飾面36Aとの間に段差が生じることによる意匠性の低下を防止できる。
【0043】
なお、本実施の形態では、二色成形によりキャップ本体36に蓋部54を形成した。しかしながら、キャップ本体36と蓋部54とを別々に成形して、蓋部54の基部54Bをキャップ本体36の段差部52に接着固定してもよく、また、蓋部54をキャップ本体36に着脱可能に配置してもよい。
【0044】
また、本実施の形態では、キャップ本体36によってホイール12の取付開口部20A外周外側部分及び取付開口部20Aの外周部の表側を被覆した。しかしながら、キャップ本体は、固定部としての固定凹部22を被覆するようにホイール径方向内側に延設されてもよい。これにより、ホイールをハブに固定するためのボルト及びナットを被覆できて、ホイールの意匠性をより向上させることができる。
【0045】
さらに、本実施の形態では、蓋部54の表側の面を加飾面36Aに対して面一にした。しかしながら、閉鎖部は加飾面に対して凸部を形成するように設けられてもよく、凹部を形成するように設けられてよい。これらの場合、閉鎖部により形成される凸部又は凹部が加飾面における意匠を形成するようにキャップ本体を形成してもよい。
【0046】
また、本実施の形態では、操作孔部としての円形の貫通孔50をキャップ本体36に形成し、閉鎖部としての円板状の蓋体54Aによって閉塞(閉塞)した。しかしながら、操作孔部は、円形に限らず、矩形形状などの他の形状であってもよく、ホイールキャップ(キャップ本体)の加飾面における意匠に合わせた形状によって閉鎖部及び操作孔部の形状を定めてもよい。
【0047】
また、本実施の形態では、変形及び変形の復帰が可能な材料として、弾性部材、樹脂弾性部材及び軟質部材であるエラストマーによって閉鎖部としての蓋部54を形成した。しかしながら、閉鎖部は、変形及び変形の復帰が可能な材料で形成されればよく、樹脂ゴムによって形成されてもよく、形状記憶部材によって形成されてもよく、形状記憶部材は、形状記憶樹脂であってもよく、形状記憶金属であってもよい。
【0048】
また、本実施の形態では、キャップ本体36においてホイール12径方向及びホイール12軸方向の各々に対して傾斜された部分に貫通孔50を形成した。しかしながら、操作孔部は、キャップ本体において、ホイール軸方向に垂直な部分に設けてもよい。
【0049】
〔変形例〕
次に、本実施の形態の変形例を説明する。
図5(A)には、変形例に係るキャップ本体60の主要部が断面図にて示され、図5(B)には、変形例に係るキャップ本体60の主要部が正面図にて示されている。
【0050】
変形例に係るキャップ本体60は、本実施の形態に係るキャップ本体36とほぼ同様の構成とされているが、以下の点で異なる。
【0051】
変形例では、貫通孔50に替えて操作孔部として貫通孔62を設けており、貫通孔62は、キャップ本体60においてホイール12軸方向に略垂直な部分(面)に設けられている。また、変形例では、閉鎖部として変形及び変形の復帰が可能な材料としての形状記憶金属製の蓋部64が設けられている。
【0052】
図5(A)に示すように、キャップ本体60は、ホイール12軸方向の一方の面が加飾面60Aとされており、キャップ本体60には、加飾面60Aとは反対側に係合爪部40(係合爪42)が形成されている。
【0053】
図5(A)及び図5(B)に示すように、キャップ本体60に形成されている貫通孔62は、キャップ本体60をホイール12軸方向に略円形に貫通されており、係合爪42は、貫通孔62の外周外側部分に形成されている。
【0054】
また、貫通孔62は、周方向の一部が垂直部62Aとされており、貫通孔62は、垂直部62Aにおいて内周面がホイール12軸方向に略平行(加飾面60Aに対して略垂直)とされている。また、貫通孔62は、表側から裏側に向けて徐々に内径が大きくされており、貫通孔62の内周面は、垂直部62Aを除く部分で加飾面60Aに対して裏側に向かうに従って垂直部62Aから離れる方向に傾斜されている。
【0055】
蓋部64は、蓋体64A及び基部64Bを備えており、蓋体64Aが貫通孔62に嵌込まれて、貫通孔62を閉塞する。蓋体64Aは、正面視略円形かつ側面視断面が台形形状とされており、外周面の周方向の一部がホイール12軸方向に略平行とされている。また、蓋体64Aは、表側の面の外径が貫通孔62の加飾面60A側の内径と同様とされ、蓋体64Aの外径は、貫通孔62の内径と同様に、軸方向の表側から裏側に向けて徐々に大きくされている。
【0056】
基部64Bは、正面視略矩形形状とされており、基部64Bは、蓋体64Aの外周面がホイール12軸方向と略平行とされた部分において、蓋体64Aの裏側部分から蓋体64Aの径方向外側に延設されている。
【0057】
蓋部64は、インサート成形により基部64Bがキャップ本体60に配置され、蓋体64Aの表側の面がキャップ本体60の加飾面60Aと面一にされている。また、蓋体64Aの表側の面は、加飾面60Aと同様の意匠に仕上げられている。
【0058】
このように構成されたキャップ本体60では、貫通孔62が蓋体64Aによって閉塞されている(閉鎖されていればよい)ので、貫通孔62の開口がキャップ本体60の見た目を損ねることが抑制でき、貫通孔62がキャップ本体60の意匠性を損ねるのを抑制できる。
【0059】
また、蓋部64の蓋体64Aを所定温度以上に加熱することで、蓋体64Aが変形可能となり、この状態で、蓋体64Aを表側から貫通孔62内に押込むことで、蓋体64Aが基部64B側をヒンジとして屈曲(図5(A)の二点鎖線参照)して、貫通孔62を開放する。これにより、ホイール12を車体から外すことなく、キャップ本体60をホイール12から取外すことができるので、ホイール12からのキャップ本体60の取外しを容易にできる。
【0060】
さらに、蓋部64は、蓋体64Aの温度が低下することで、蓋体64Aの形状が復元されて、蓋体64Aによって貫通孔62を閉塞できる。これにより、キャップ本体60に形成した貫通孔62が、ホイール12から取外したキャップ本体60の見た目を損ねることを抑制できる。
【0061】
また、貫通孔62の内径及び蓋体64Aの外径が表側から裏側に向けて徐々に大きくされているので、貫通孔62を開放する際の蓋体64Aの変形が容易になっている。しかも、蓋体64Aの形状が復元される際に、蓋体64Aが貫通孔62に確実に嵌合できるので、キャップ本体60に形成した貫通孔62が、ホイール12から取外したキャップ本体60の見た目を損ねるのをより一層抑制できる。
【0062】
なお、変形例では、貫通孔62及び蓋体64Aを正面視形状が略円形状に形成した。しかしながら、操作孔部及び閉鎖部は、矩形形状等の他の形状で合ってもよい。操作孔部及び閉鎖部を矩形形状とする場合、基部側の周面(側面)をホイール軸方向と略平行とすると共に、基部側以外の各辺の長さを表側から裏側に向かうに従って徐々に長くなるように形成することがより好ましい。
【0063】
また、変形例では、形状記憶材料として形状記憶金属を用いたが、形状記憶材料は、形状記憶樹脂であってもよく、形状記憶樹脂を用いる場合、樹脂の二色成形により閉鎖部をキャップ本体に一体成形すればよい。
【0064】
なお、本実施の形態及び変形例では、付勢部として板ばね48を設けた。しかしながら、付勢部は、付勢力により係合部をホイールに係合させると共に、表側又は裏側において操作孔部から操作されることで、係合部のホイールへの係合を解除できる構成であればよい。しかも、係合部が付勢部においてホイールに係合されてもよい。
【0065】
また、本実施の形態及び変形例では、キャップ本体36、60の2箇所に係合部としての係合爪部40を設けた。しかしながら、キャップ本体は少なくとも1箇所以上の係合部においてホイールに係合されればよい。
【0066】
さらに、本実施の形態及び変形例では、複数のキャップ本体36又はキャップ本体60がホイール12に取付けられてホイール12を加飾するホイールキャップを例に説明した。しかしながら、ホイールキャップは、一つのキャップ本体がホイールに取付けられて、ホイールを加飾する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0067】
10 ホイールキャップ
12 ホイール
30 取付部
36、60 キャップ本体
36A、60A 加飾面
40 係合爪部(係合部)
48 板ばね(係合部、付勢部)
50、62 貫通孔(操作孔部)
54A、64A 蓋体(閉鎖部)
図1
図2
図3
図4
図5