(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2設定に設定されている状態で前記繁忙モードとなると、前記制御部は、前記移動検知部が前記板形連結氷の移動を検知する前に前記アジテータを動作させ、前記第2設定に設定されている状態で前記閑散モードとなると、前記制御部は、前記アジテータを動作させない請求項3に記載のアイスディスペンサ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の構成では、氷の需要が増加する繁忙期と氷の需要が減少する閑散期とのいずれの時期であるか否かに関わらず、「単位時間当たりの放水量」及び「単位時間当たりの製氷量」に基づいて貯氷量を所定の範囲に保持するため、ユーザによる製氷操作が多い繁忙期に貯氷量の不足により製氷が間に合わなくなったり、ユーザによる製氷操作が少ない閑散期に貯氷量が多すぎて無駄な製氷が多くなることが懸念される。
【0005】
本明細書に記載された技術は、上記のような事情に基づいて完成されたものであって、
繁忙期と閑散期との双方における貯氷量の過不足を抑制することが可能なアイスディスペンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に記載されたアイスディスペンサは、氷を製氷する製氷部と、前記製氷部で製氷された氷を貯える貯氷槽と、前記貯氷槽に貯えられた氷を放出する放出口と、前記放出口からの氷の放出をユーザが操作可能な操作部と、前記製氷部による製氷を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、所定時間内における前記放出口からの氷の放出量に応じて繁忙モードと閑散モードとを切り替えるモード切り替え手段を有し、前記閑散モードでは、前記繁忙モードよりも前記貯氷槽の貯氷量が少なくなるように前記製氷部による製氷を制御する。
本構成によれば、制御部がユーザによる氷の需要に応じて繁忙モードと閑散モードとを切り替えることにより、繁忙期の氷の不足や閑散期の無駄な製氷を抑制することが可能になる。よって、繁忙期と閑散期との双方における貯氷量の過不足を抑制することが可能となる。
【0007】
本明細書に記載された技術の実施態様としては以下の態様が好ましい。
前記操作部は、操作回数に応じた量の氷を前記放出口から放出させるものであり、前記制御部は、前記操作部の操作回数に応じて前記閑散モードと前記繁忙モードとを切り替える。
このようにすれば、氷の放出量を操作部の操作回数に応じて検知することが可能になるため、閑散モードと繁忙モードとの切り替えの処理を容易に行うことができる。
【0008】
前記貯氷槽が満氷であることを検知する検知部を備え、前記制御部は、前記所定時間内における前記放出口からの氷の放出量が閾値以下であり、かつ、前記検知部が満氷であることを検知した際に、前記繁忙モードから閑散モードに切り替える。
このようにすれば、貯氷槽が満氷となった後に閑散モードとなるため、閑散モードにおける氷の不足を抑制することができる。
【0009】
流下した水が凍結することによりブロック形氷が板状に連結された形状の板形連結氷が製氷面に付着し、貫通孔が形成された製氷板と、前記貫通孔に挿通され、前記製氷板から前記板形連結氷が離脱する方向に前記板形連結氷を押し出す押し出し部と、前記板形連結氷の移動を検知する移動検知部と、前記貯氷槽に貯えられた氷を攪拌するように動作するアジテータと、ユーザにより第1設定と前記第1設定よりも前記貯氷槽に貯氷される氷の少ない第2設定とを切り替え可能な設定手段と、を備え、前記制御部は、前記第1設定に設定されている状態では、前記押し出し部の押し出し動作時において前記移動検知部が前記板形連結氷の移動を検知した後に前記アジテータを動作させ、前記第2設定に設定されている状態では、前記押し出し部の押し出し動作時において前記移動検知部が前記板形連結氷の移動を検知する前に前記アジテータを動作させる。
このようにすれば、ユーザの設定により、貯氷槽に貯氷される氷をアジテータが攪拌するタイミングを変えることができるため、貯氷槽に貯氷される氷の量をユーザの設定に応じて調節することができる。
【0010】
前記第2設定に設定されている状態で前記繁忙モードとなると、前記制御部は、前記移動検知部が前記板形連結氷の移動を検知する前に前記アジテータを動作させ、前記第2設定に設定されている状態で前記閑散モードとなると、前記制御部は、前記アジテータを動作させない。
このようにすれば、第2設定に設定されている状態における貯氷量の過不足を抑制することが可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本明細書に記載された技術によれば、繁忙期と閑散期との双方における貯氷量の過不足を抑制することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施形態1のアイスディスペンサ10について
図1〜
図10を参照しつつ説明する。
アイスディスペンサ10は、
図1,
図2に示すように、略直方体形状のハウジング11と、氷が製氷される製氷機構20と、製氷機構20により製氷された氷を貯える貯氷槽70と、貯氷槽70内に貯えた氷を容器台66に載置されたカップ等の容器に放出する放出機構90と、放出口92からの氷の放出をユーザが操作可能な操作部99とを備えている。
【0014】
製氷機構20は、ハウジング11の上側に配置されており、氷を製氷する製氷部22と、製氷部22の下側に配置されて製氷水を貯えるタンク45とを備えている。製氷部22は、鉛直に起立し、前面を製氷面24とした浅い箱形の製氷板23と、製氷板23の製氷面24側に多数の製氷小室を形成する格子状の仕切り部材26とを備えている。製氷板23及び仕切り部材26は熱伝導性の良い銅板またはアルミニウム板が用いられている。製氷面24を流下する製氷水は凍結し、各製氷小室内で多数のブロック形に製氷される。各製氷小室内のブロック形氷は、隣り合う製氷小室内のブロック形氷と部分的に連結されているため、製氷板23の製氷面24側には、ブロック形氷が連結されて全体として板形の形状となった板形連結氷が形成される。
【0015】
製氷板23には、
図5に示すように、貫通孔18が貫通形成されており、この貫通孔18に氷離脱装置50のスライドピン51(「押し出し部」の一例)が挿通可能となっている。貫通孔18は、製氷板23における左右方向の中間部で、上下方向の中間部よりも、やや上方側に形成されている。これにより、スライドピン51は、板形連結氷に対しては左右方向の中間部であって、上下方向の中間部よりもやや上側に当接して板形連結氷を製氷板23から離脱する方向に押し出し可能とされている。貫通孔18の後方には、スライドピン51のスライド方向を案内するガイド部材19が固定されている。ガイド部材19には、スライドピン51が挿通される挿通孔19Aが貫通形成されている。製氷板23の製氷面24と反対側には、
図6に示すように、製氷部22としての冷凍装置30における蒸発管34と温度センサ38とが固定されている。
【0016】
冷凍装置30は、冷媒を圧縮する圧縮機31と、圧縮した冷媒ガスをファン42の送風により冷却して液化させる凝縮器32と、液化冷媒を膨張させる膨張弁33と、膨張させた液化冷媒を気化させて製氷板23を冷却する蒸発管34とを備え、これらは冷媒管によって連結されて冷媒が循環する冷凍回路(冷媒回路)となっている。また、冷凍装置30は、冷凍回路に混入した水分を除去するためのドライヤ35と、圧縮機31と蒸発管34との間を接続するバイパス管36とを備え、バイパス管36にはホットガス弁37が介装されている。冷媒管における蒸発管34の入口部分及び出口部分やドライヤ35と凝縮器32との間には冷媒の温度を検知するための温度センサ39が固定されている。製氷機構20で製氷運転するときに、冷凍装置30のホットガス弁37を閉止させた状態で圧縮機31を作動させると、液化冷媒は蒸発管34で気化して製氷板23と仕切り部材26が冷却される。製氷板23の製氷面24側を流下する製氷水は冷却された製氷板23と仕切り部材26とにより冷却され、製氷水は製氷板23の製氷面24側で凍結して氷となる。
【0017】
製氷機構20で除水運転をするときには、冷凍装置30のホットガス弁37を開放させた状態で圧縮機31を作動させると、圧縮機31から送られたホットガスが蒸発管34を通過させるときに製氷板23及び仕切り部材26を加温し、製氷板23の製氷面24側に製氷された氷は加温された製氷板23及び仕切り部材26との接触面で融解される。
【0018】
図4,
図5に示すように、製氷板23の製氷面24側には製氷面24側を流下させた製氷水が周囲に飛散するのを防ぐガイド板40が上端側を軸として所定角度回動可能に設けられている。ガイド板40及びハウジング11の少なくとも一方には、製氷面24側にて製氷された氷の製氷板23からの離脱や、貯氷槽70内が満氷状態であることを検知するための近接センサ等からなる検知部41(
図6参照)が固定されている。製氷板23で製氷された板形連結氷がガイド板40に当接すると、ガイド板40が垂下姿勢から傾斜姿勢となるため、検知部41がガイド板40の位置を検知することにより、製氷された氷の製氷板23からの離脱を検知できる。また、貯氷槽70に落下した板形連結氷が貯氷槽70内で積み上がると、ガイド板40は積み上がった最上部の板形連結氷に当接して垂下姿勢に戻らずに傾斜姿勢を維持するため、検知部41がガイド板40の位置を検知することにより、貯氷槽70が満氷状態にあることを検知することができる。
【0019】
製氷板23の製氷面24側を流下する製氷水はタンク45に流れ落ちるようになっている。タンク45には、
図6に示すように、水道などの給水源に接続した給水管48が接続されており、給水管48には給水弁49が設けられている。給水弁49の開放によって給水源の水は給水管48を通ってタンク45に供給される。タンク45内の製氷水は、製氷水回路60により循環される。製氷水回路60はタンク45内に設けた送水ポンプ61と、送水ポンプ61に接続された送水管62と、浮力で水位に合わせて上下変動し、送水をオンオフするフロートスイッチ47Bと、タンク45内の水温を検知する水温センサ47Aと、製氷板23の上側に配設されて送水管62に接続された散水器63とを備えている。また、送水管62の中間部には製氷水を容器台66に導く導水管64が接続されており、導水管64には排水バルブ65が設けられている。製氷運転をしたときに、タンク45内の製氷水は送水ポンプ61の駆動によって送水管62を通って散水器63に送られ、散水器63から製氷板23の製氷面24側を流下してタンク45に戻り、タンク45内の製氷水は製氷水回路60によってタンク45と製氷板23の製氷面24側とを循環する。タンク45内の製氷水は製氷面24で漸次凍結して仕切り部材26の中で氷となる。製氷運転後に残るタンク45内の製氷水は排水バルブ65の開放によって導水管64から容器台66に送られる。
【0020】
タンク45内には、
図3に示すように、水位センサ46が設けられている。水位センサ46はタンク45内の製氷水の第1水位と第1水位より高い第2水位を検出するものである。水位センサ46により検出される第1水位は製氷板23にて製氷が完了したときのタンク45内の水位であり、第2水位は製氷板23の製氷面24側にて板形連結氷を製氷するのに必要なタンク45内の水位である。第2水位であったタンク45内の製氷水は製氷板23に板形連結氷が形成されると、第1水位まで減少するため、この水位の変化を水位センサ46が検出することにより、板形連結氷が形成されたことが検知される。板形連結氷が形成されたことが検知されると、送水ポンプ61の駆動を停止させるとともに、圧縮機31から送出されるホットガスを蒸発管34に送出させる。板形連結氷を製氷板23及び仕切り部材26との接触面で僅かに融かして製氷板23から離脱可能な状態にし、氷離脱装置50により板形連結氷を製氷板23から離脱させて貯氷槽70の内部に落下させる。
【0021】
氷離脱装置50は、
図5に示すように、製氷板23の後側に設けられており、製氷板23の貫通孔18に挿通されるスライドピン51を備えている。スライドピン51はモータ52の駆動によって回転するカムによって貫通孔18を貫通する方向にスライド移動可能とされている。モータ52は回転軸の回転角度を検出する角度検出センサを備えており、角度検出センサは回転軸に取り付けたエンコーダにより回転軸の回転角度を検出するようになっており、角度検出センサによりスライドピン51の押し出し位置を検知することができる。なお、
図5では、スライドピン51について、製氷板23から板形連結氷を離脱させる押し出し位置まで進出した状態に符号51Aを付し、板形連結氷を押圧しない退避位置まで退避した状態に符号51Bを付している。
【0022】
図2に示すように、貯氷槽70は製氷機構20にて製氷した氷を貯えるものであり、ハウジング11内にて製氷機構20の下則に配置されている。搬送機構75は貯氷槽70内の氷を放出機構90に搬送するものであり、搬送羽根76を回転させるモータ77と、筒体の下側に設けたモータ78と、筒体内に回転可能に支持されたオーガスクリュー80とを備えている。モータ77の出力軸にはアジテータ79が固定されている。アジテータ79は撹拌軸79Aと、撹拌軸79Aに対して交差する方向に延出された複数の撹拌棒79Bとを備えている。モータ77の駆動により搬送羽根76とともに撹拌軸79Aが回転すると、撹拌棒79Bは貯氷槽70内を回動して製氷機構20により製氷された板形連結氷をブロック形の氷に砕くとともに、貯氷槽70内に局部的に氷が貯まるのを防ぐようにしている。
【0023】
放出機構90は、搬送機構75により搬送された氷を定量してカップ等の容器に放出するものであり、ハウジング11の上部に設けた円柱形の定量室91を備える。定量室91の底部側には氷が放出される放出口92と所定量の氷を複数室に仕切る氷定量器91Aとが設けられている。氷定量器91Aは、モータ93の駆動力により氷を回動させるものであり、
図3に示すように、定量室91に回動自在に支持された中心軸部94Aと、中心軸部94Aから放射状に延び、周方向に等間隔の6カ所の扇形定量空間を形成するセパレ一夕部94Bとを備えている。また、氷定量器91Aの上側には扇形定量空間の上側からはみ出る氷を除く除去装置71が設けられている。氷定量器91Aを例えば60°回動させると、1つ分の扇形定量空間内の氷が放出口92の上側に配され、放出口92から容器台66の容器に放出される。また、氷定量器91Aを例えば180°回動させると氷定量器91Aの3つ分の扇形定量空間内で定量された氷が放出口92の上側に移動し、定量された氷は放出口92から容器台66の容器内に放出される。放出口92からの氷の放出は、操作部99の操作に応じて行われる。操作部99は、
図1に示すように、複数(本実施形態では3つ)の操作ボタンを備えており、それぞれ異なる量の氷が放出される。本実施形態では、各操作ボタンは、例えば、それぞれ1つ分、2つ分、3つ分の扇形定量空間を回転させるものであり、各操作ボタンの放出量は、例えば、100g,200g,300gとされる。
【0024】
容器台66は、
図2に示すように、放出機構90から放出される氷を受ける容器を載置するものであり、ハウジング11の上部にて放出機構90の放出口92の下側に設けられ、排水路を備えている。容器からこぼれ落ちた氷や水は排水路のドレンパンで受けられ、ドレンパンで受けた氷や水は排水管97を通ってハウジング11外に排出される。
【0025】
アイスディスペンサ10の電気的構成について
図7を参照しつつ説明する。
アイスディスペンサ10は、
図7に示すように、マイクロコンピュータ等からなる制御部100を備えており、制御部100は、タイマ101と、製氷部22による製氷を多くなるように制御する繁忙モードと繁忙モードよりも製氷部22による製氷が少なくするように制御する閑散モードとを切り替えるモード切り替え手段102とを有する。また、制御部100には、操作部99、設定手段104、電流センサ106(「移動検知部」の一例)、水位センサ46、検知部41、温度センサ38、圧縮機31、ホットガス弁37、送水ポンプ61、給水弁49、モータ52、77、93、氷定量器91A等が接続されている。
【0026】
電流センサ106は、氷離脱装置50のスライドピン51を移動させるモータ52への供給電流を検知しており、モータ52への供給電流の低下により、板形連結氷が動き出してモータ52の負荷が減少したことを検知することができる。
【0027】
設定手段104は、ユーザが操作可能なスイッチとされており、ユーザにより第1設定と、第1設定よりも貯氷槽70に貯氷される氷の少ない第2設定と、を切り替え可能とされている。第1設定では繁忙モードと閑散モードのいずれにおいても制御部100は、常に貯氷槽70が満氷になるように製氷部22を制御する。そして、第1設定に設定されている状態では、繁忙モード及び閑散モードのいずれの状態においても、板形連結氷が移動を開始した後にアジテータ79が貯氷槽70内を攪拌する。具体的には、
図12に示すように、スライドピン51の押し出し動作時において板形連結氷が移動を開始するとスライドピン51の負荷が小さくなってスライドピン51を移動させるモータ52の電流が低下する。そのため、第1設定では、例えば電流センサ106により検知したモータ52の電流が低下したときに、制御部100は、板形連結氷の移動を検知し、アジテータ79により貯氷槽70内を所定時間(本実施形態では16秒)攪拌する。また、繁忙モードにおいて第2設定に設定されている状態では、制御部100は、スライドピン51の押し出し動作時において押し出し開始時(又は徐氷の開始時)にアジテータ79が所定時間(本実施形態では16秒)攪拌する。一方、閑散モードにおいて第2設定に設定されている状態では、制御部100は、アジテータ79により攪拌を行わない。
【0028】
次に、制御部100の処理を
図9〜
図11を参照しつつ説明する。
制御部100は、
図9に示すように、タイマ101により時間を計測している(S1)。ユーザにより操作部99の操作ボタンが押されたことを検知すると(S2で「YES」)、制御部100は、モータ93を駆動し、操作ボタンの種類及び押した回数に応じた角度で氷定量器91Aを回動させ、定量室91の底部に形成した放出口92から氷を放出させるとともに、操作ボタンの種類及び回数により氷の放出量を算出する(S3)。また、制御部100は、氷の放出量に応じて貯氷槽70内の氷を放出機構90に搬送して定量室91内の氷を追加する。
【0029】
次に、タイマ101の経過時間及び放出量に基づいて、直近30分間における氷の放出量が閾値(600g)以上であるか否かを判断する(S4)。
図8に示すように、直近30分間における氷の放出量が閾値(600g)以上である場合には(S4で「YES」)、制御部100は、繁忙モードとし、繁忙モードの製氷処理を行う(S5)。なお、直近30分間における氷の放出量の検出は、例えば常時(微小時間ごと)に検出することができる。
【0030】
繁忙モードの製氷処理では、
図10に示すように、制御部100は、製氷機構20を動作させて製氷を行い(S11)、操作ボタンの操作に応じた閑散モードへの切り替えがなければ(S12で「NO」)、検知部41が満氷を検知するまで製氷し続ける(S13で「NO」,S11)。そして、操作ボタンの操作回数に応じて閑散モードに切り替えられると(S12で「YES」)、繁忙モードの製氷処理を終了する。
【0031】
S4において、直近30分間における氷の放出量が閾値(600g)以上でない場合には(S4で「NO」)、検知部41が満氷を検知しているが否か判断し(S7)、検知部41が満氷を検知している場合には(S7で「YES」)、
図8に示すように、制御部100は、閑散モードとし、閑散モードの製氷処理を行う(S8)。
【0032】
閑散モードの製氷処理では、
図11に示すように、操作ボタンの操作に応じた繁忙モードへの切り替えがなければ(S21で「NO」)、満氷検知後、所定時間(8時間)経過するまで製氷が行われない(S22で「NO」)。そして、満氷検知後、所定時間(8時間)経過したと判断すると(S22で「YES」)、検知部41が満氷を検知するまで製氷機構20を動作させて製氷を行い(S23、S24で「NO」)、検知部41が満氷を検知すると(S24で「YES」)、繁忙モードへの切り替えがなければ(S21で「NO」)、満氷検知後、所定時間(8時間)経過するまで製氷が行われない(S22で「NO」)。一方、操作ボタンの操作回数に応じて繁忙モードに切り替えられると(S21で「YES」)、閑散モードの製氷処理を終了する。
なお、第1設定では、繁忙モードや閑散モードであるか否かに関わらずに常に満氷になるまで製氷し続けるため、閑散モードにおいても第1設定の場合には、繁忙モードにおける製氷動作と同様に検知部41が満氷を検知するまで製氷し続けることになる。一方、繁忙モードにおいて第2設定の場合には、検知部41が満氷を検知した後は製氷を一旦終了する。
【0033】
本実施形態によれば、以下の作用、効果を奏する。
アイスディスペンサ10は、氷を製氷する製氷部22と、製氷部22で製氷された氷を貯える貯氷槽70と、貯氷槽70に貯えられた氷を放出する放出口92と、放出口92からの氷の放出をユーザが操作可能な操作部99と、製氷部22による製氷を制御する制御部100と、を備え、制御部100は、所定時間内における放出口92からの氷の放出量に応じて繁忙モードと閑散モードとを切り替えるモード切り替え手段102を有し、閑散モードでは、繁忙モードよりも貯氷槽70の貯氷量が少なくなるように製氷部22による製氷を制御する。
【0034】
本実施形態によれば、制御部100がユーザによる氷の需要に応じて繁忙モードと閑散モードとを切り替えることにより、繁忙期の氷の不足や閑散期の無駄な製氷を抑制することができる。また、制御部100は、所定時間における放出口92からの氷の放出量に基づいて閑散モードと繁忙モードとを切り替えればよいため、簡素な構成で繁忙期と閑散期との双方における貯氷量の過不足を抑制することが可能となる。
【0035】
操作部99は、操作回数に応じた量の氷を放出口92から放出させるものであり、制御部100は、操作部99の操作回数に応じて閑散モードと繁忙モードとを切り替える。
このようにすれば、氷の放出量を操作部99の操作回数に応じて検知することが可能になるため、閑散モードと繁忙モードとの切り替えの処理を容易に行うことができる。
【0036】
また、貯氷槽70が満氷であることを検知する検知部41を備え、制御部100は、所定時間内における放出口92からの氷の放出量が閾値以下であり、かつ、検知部41が満氷であることを検知した際に、繁忙モードから閑散モードに切り替える。
このようにすれば、貯氷槽70が満氷となった後に閑散モードとなるため、閑散モードにおける氷の不足を抑制することができる。
【0037】
また、流下した水が凍結することによりブロック形氷が板状に連結された形状の板形連結氷が製氷面24に付着し、貫通孔18が形成された製氷板23と、貫通孔18に挿通され、製氷板23から板形連結氷が離脱する方向に板形連結氷を押し出すスライドピン51(押し出し部)と、板形連結氷の移動を検知する電流センサ106(移動検知部)と、貯氷槽70に貯えられた氷を攪拌するように動作するアジテータ79と、ユーザにより第1設定と第1設定よりも貯氷槽70に貯氷される氷の少ない第2設定とを切り替え可能な設定手段104と、を備え、制御部100は、第1設定に設定されている状態では、スライドピン51の押し出し動作時において電流センサ106が板形連結氷の移動を検知した後にアジテータ79を動作させ、第2設定に設定されている状態では、スライドピン51の押し出し動作時において電流センサ106が板形連結氷の移動を検知する前にアジテータ79を動作させる。
このようにすれば、ユーザの設定により、アジテータ79が貯氷槽70に貯氷される氷を攪拌するタイミングを変えることができるため、貯氷槽70に貯氷される氷の量をユーザの設定に応じて調節することができる。また、第2設定の場合は板形連結氷が落下する前にアジテータ79の攪拌を済ませてなるべく板形連結氷を砕かないようにする。そうすることで満氷検知がされやすくなって貯氷量が減る。
【0038】
また、第2設定に設定されている状態で繁忙モードとなると、制御部100は、電流センサ106が板形連結氷の移動を検知する前にアジテータ79を動作させ、第2設定に設定されている状態で閑散モードとなると、制御部100は、アジテータ79を動作させない。
このようにすれば、より一層、貯氷量の過不足を抑制することが可能となる。
【0039】
<実施形態2>
次に、実施形態2について
図13,
図14を参照しつつ説明する。実施形態1では、制御部100は、直近30分間における氷の放出量が閾値(600g)以上でない場合には、検知部41が満氷を検知しているか否か判断し、満氷時に閑散モードの処理を行う構成としたが、実施形態2では、直近30分間における氷の放出量が閾値(600g)以上でない場合には、満氷か否かに関わらず、閑散モードの処理を行うものである。以下では、実施形態1と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0040】
制御部100は、
図14に示すように、タイマ101により時間を計測している(S31)。ユーザにより操作部99の操作ボタン押されたことを検知すると(S32で「YES」)、操作ボタンの種類及び回数により氷の放出量を算出する(S33)。次に、タイマ101の経過時間及び放出量に基づいて、直近30分間における氷の放出量が閾値(600g)以上である場合には(S34で「YES」)、制御部100は、
図13に示すように、繁忙モードとし、上記した繁忙モードの製氷処理を行う(S35)。
【0041】
S34において、直近30分間における氷の放出量が閾値(600g)以上でない場合には(S34で「NO」)、制御部100は、
図13に示すように、閑散モードとし、上記した閑散モードの製氷処理を行う(S36)。
【0042】
<他の実施形態>
本明細書に記載された技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本明細書に記載された技術の技術的範囲に含まれる。
【0043】
(1)氷の放出量の閾値は上記実施形態の600gに限られず、種々の値に変更することができる。また、操作部99の各操作ボタンによる放出量についても異なる量に変更することができる。また、氷の放出量の所定時間についても30分に限られず、種々の時間に変更することができる。
【0044】
(2)操作部99の操作回数に応じて閑散モードと繁忙モードとを切り替える構成としたが、これに限られず、例えば、操作回数ではなく、計量した氷の重量に応じて閑散モードと繁忙モードとを切り替える構成としてもよい。また、第1設定と第2設定とを切り替える設定手段104を備えない構成としてもよい。
【0045】
(3)閑散モードでは、満氷検知後、所定時間経過後に製氷を開始する構成としたが、これに限られず、満氷検知後の製氷が行われるまでの時間は異なる時間に変更してもよい。また、満氷検知後の製氷が行われるまでの時間(待機時間)を設ける構成に限られず、例えば、閑散モードでは、繁忙モードよりも製氷部22による製氷のスピードを遅くすることにより、製氷部22による製氷が少なくなるようにしてもよい。
【0046】
(4)貯氷槽70の満氷の検知は、上記構成の検知部に限られず、検出原理等の異なる種々の公知の検知部を用いてもよい。例えば、光電センサの透過や反射等により満氷を検知してもよい。