特許第6917355号(P6917355)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6917355ラクトバチルス属微生物の種及び菌株の判別方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6917355
(24)【登録日】2021年7月21日
(45)【発行日】2021年8月11日
(54)【発明の名称】ラクトバチルス属微生物の種及び菌株の判別方法
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/689 20180101AFI20210729BHJP
   C12Q 1/686 20180101ALI20210729BHJP
   C12N 15/09 20060101ALN20210729BHJP
   C12N 1/20 20060101ALN20210729BHJP
【FI】
   C12Q1/689 ZZNA
   C12Q1/686 Z
   !C12N15/09 Z
   !C12N1/20 A
【請求項の数】7
【全頁数】41
(21)【出願番号】特願2018-221344(P2018-221344)
(22)【出願日】2018年11月27日
(65)【公開番号】特開2020-80756(P2020-80756A)
(43)【公開日】2020年6月4日
【審査請求日】2021年1月5日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596126465
【氏名又は名称】アサヒ飲料株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000000055
【氏名又は名称】アサヒグループホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100154988
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 真知
(72)【発明者】
【氏名】青山 冬樹
【審査官】 高山 敏充
(56)【参考文献】
【文献】 特開2020−068715(JP,A)
【文献】 特開2005−006556(JP,A)
【文献】 特開2005−006557(JP,A)
【文献】 特開2008−263971(JP,A)
【文献】 International Journal of Food Microbiology,2013年,166,p. 117-124
【文献】 Food Biotechnology,2013年,27,p. 222-234
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N
C12Q
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY(STN)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料中の乳酸菌ラクトバチルス・アシドフィルス(L.acidophilus)種を検出標的微生物として検出する方法であって、以下の工程:
i)試料からRNAを抽出する工程、
ii)i)で抽出したRNAを鋳型として、cDNAを合成する工程、
iii)ii)で合成したcDNAを鋳型として、前記検出標的微生物に特徴的な50bp〜450bpの遺伝子領域を増幅し得る2組以上のプライマー対からなるプライマーセットを用いてPCRを行う工程、及び
iv)前記プライマーセット中の各プライマー対によって増幅された領域の各配列のいずれもが同じプライマー対によって増幅される前記検出標的微生物の配列のそれぞれと同一である場合に、前記試料中に検出標的微生物が存在していたと決定する工程、
を含
前記プライマーセットが、
・プライマー対(4)、(6)、(8)及び(10)からなるプライマーセット(A)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(4):
フォワードプライマーAGCTAAACGTAAACGTATTGAAGAT(配列番号7)
リバースプライマーTTCGCCCGGTGCCATATTT(配列番号8);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(6):
フォワードプライマーTGCGGATGTGAAAGATCGTGA(配列番号11)
リバースプライマーACATCGACATTTCTACGGGCT(配列番号12);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(8):
フォワードプライマーGGCTGAAAACTTGGCTCACG(配列番号15)
リバースプライマーACGTAGTAAATAATGAACACCACG(配列番号16);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(10):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーATTTAAAGGATGAACTACCTG(配列番号20)

・プライマー対(4)、(6)、(8)及び(11)からなるプライマーセット(B)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(4):
フォワードプライマーAGCTAAACGTAAACGTATTGAAGAT(配列番号7)
リバースプライマーTTCGCCCGGTGCCATATTT(配列番号8);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(6):
フォワードプライマーTGCGGATGTGAAAGATCGTGA(配列番号11)
リバースプライマーACATCGACATTTCTACGGGCT(配列番号12);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(8):
フォワードプライマーGGCTGAAAACTTGGCTCACG(配列番号15)
リバースプライマーACGTAGTAAATAATGAACACCACG(配列番号16);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(11):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーTGCCATACCCGATGCAACTAC(配列番号22)

・プライマー対(4)、(6)、(9)及び(10)からなるプライマーセット(C)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(4):
フォワードプライマーAGCTAAACGTAAACGTATTGAAGAT(配列番号7)
リバースプライマーTTCGCCCGGTGCCATATTT(配列番号8);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(6):
フォワードプライマーTGCGGATGTGAAAGATCGTGA(配列番号11)
リバースプライマーACATCGACATTTCTACGGGCT(配列番号12);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(9):
フォワードプライマーCAGCCCAATCTTGAGCGTCTT(配列番号17)
リバースプライマーCACCACGAACAGAATCCACATCA(配列番号18);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(10):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーATTTAAAGGATGAACTACCTG(配列番号20)

・プライマー対(4)、(6)、(9)及び(11)からなるプライマーセット(D)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(4):
フォワードプライマーAGCTAAACGTAAACGTATTGAAGAT(配列番号7)
リバースプライマーTTCGCCCGGTGCCATATTT(配列番号8);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(6):
フォワードプライマーTGCGGATGTGAAAGATCGTGA(配列番号11)
リバースプライマーACATCGACATTTCTACGGGCT(配列番号12);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(9):
フォワードプライマーCAGCCCAATCTTGAGCGTCTT(配列番号17)
リバースプライマーCACCACGAACAGAATCCACATCA(配列番号18);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(11):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーTGCCATACCCGATGCAACTAC(配列番号22)

・プライマー対(4)、(7)、(8)及び(10)からなるプライマーセット(E)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(4):
フォワードプライマーAGCTAAACGTAAACGTATTGAAGAT(配列番号7)
リバースプライマーTTCGCCCGGTGCCATATTT(配列番号8);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(7):
フォワードプライマーACAGATTTAGCTGCGGATGTGA(配列番号13)
リバースプライマーACACTCTTTGCACCACGCTC(配列番号14);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(8):
フォワードプライマーGGCTGAAAACTTGGCTCACG(配列番号15)
リバースプライマーACGTAGTAAATAATGAACACCACG(配列番号16);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(10):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーATTTAAAGGATGAACTACCTG(配列番号20)

・プライマー対(4)、(7)、(8)及び(11)からなるプライマーセット(F)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(4):
フォワードプライマーAGCTAAACGTAAACGTATTGAAGAT(配列番号7)
リバースプライマーTTCGCCCGGTGCCATATTT(配列番号8);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(7):
フォワードプライマーACAGATTTAGCTGCGGATGTGA(配列番号13)
リバースプライマーACACTCTTTGCACCACGCTC(配列番号14);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(8):
フォワードプライマーGGCTGAAAACTTGGCTCACG(配列番号15)
リバースプライマーACGTAGTAAATAATGAACACCACG(配列番号16);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(11):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーTGCCATACCCGATGCAACTAC(配列番号22)

・プライマー対(4)、(7)、(9)及び(10)からなるプライマーセット(G)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(4):
フォワードプライマーAGCTAAACGTAAACGTATTGAAGAT(配列番号7)
リバースプライマーTTCGCCCGGTGCCATATTT(配列番号8);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(7):
フォワードプライマーACAGATTTAGCTGCGGATGTGA(配列番号13)
リバースプライマーACACTCTTTGCACCACGCTC(配列番号14);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(9):
フォワードプライマーCAGCCCAATCTTGAGCGTCTT(配列番号17)
リバースプライマーCACCACGAACAGAATCCACATCA(配列番号18);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(10):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーATTTAAAGGATGAACTACCTG(配列番号20)

・プライマー対(4)、(7)、(9)及び(11)からなるプライマーセット(H)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(4):
フォワードプライマーAGCTAAACGTAAACGTATTGAAGAT(配列番号7)
リバースプライマーTTCGCCCGGTGCCATATTT(配列番号8);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(7):
フォワードプライマーACAGATTTAGCTGCGGATGTGA(配列番号13)
リバースプライマーACACTCTTTGCACCACGCTC(配列番号14);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(9):
フォワードプライマーCAGCCCAATCTTGAGCGTCTT(配列番号17)
リバースプライマーCACCACGAACAGAATCCACATCA(配列番号18);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(11):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーTGCCATACCCGATGCAACTAC(配列番号22)

・プライマー対(5)、(6)、(8)及び(10)からなるプライマーセット(I)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(5):
フォワードプライマーTTAGCTAAACGTAAACGTATTGAAG(配列番号9)
リバースプライマーTCTGGATCATATTTTTCGCCCG(配列番号10);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(6):
フォワードプライマーTGCGGATGTGAAAGATCGTGA(配列番号11)
リバースプライマーACATCGACATTTCTACGGGCT(配列番号12);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(8):
フォワードプライマーGGCTGAAAACTTGGCTCACG(配列番号15)
リバースプライマーACGTAGTAAATAATGAACACCACG(配列番号16);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(10):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーATTTAAAGGATGAACTACCTG(配列番号20)

・プライマー対(5)、(6)、(8)及び(11)からなるプライマーセット(J)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(5):
フォワードプライマーTTAGCTAAACGTAAACGTATTGAAG(配列番号9)
リバースプライマーTCTGGATCATATTTTTCGCCCG(配列番号10);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(6):
フォワードプライマーTGCGGATGTGAAAGATCGTGA(配列番号11)
リバースプライマーACATCGACATTTCTACGGGCT(配列番号12);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(8):
フォワードプライマーGGCTGAAAACTTGGCTCACG(配列番号15)
リバースプライマーACGTAGTAAATAATGAACACCACG(配列番号16);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(11):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーTGCCATACCCGATGCAACTAC(配列番号22)

・プライマー対(5)、(6)、(9)及び(10)からなるプライマーセット(K)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(5):
フォワードプライマーTTAGCTAAACGTAAACGTATTGAAG(配列番号9)
リバースプライマーTCTGGATCATATTTTTCGCCCG(配列番号10);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(6):
フォワードプライマーTGCGGATGTGAAAGATCGTGA(配列番号11)
リバースプライマーACATCGACATTTCTACGGGCT(配列番号12);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(9):
フォワードプライマーCAGCCCAATCTTGAGCGTCTT(配列番号17)
リバースプライマーCACCACGAACAGAATCCACATCA(配列番号18);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(10):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーATTTAAAGGATGAACTACCTG(配列番号20)

・プライマー対(5)、(6)、(9)及び(11)からなるプライマーセット(L)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(5):
フォワードプライマーTTAGCTAAACGTAAACGTATTGAAG(配列番号9)
リバースプライマーTCTGGATCATATTTTTCGCCCG(配列番号10);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(6):
フォワードプライマーTGCGGATGTGAAAGATCGTGA(配列番号11)
リバースプライマーACATCGACATTTCTACGGGCT(配列番号12);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(9):
フォワードプライマーCAGCCCAATCTTGAGCGTCTT(配列番号17)
リバースプライマーCACCACGAACAGAATCCACATCA(配列番号18);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(11):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーTGCCATACCCGATGCAACTAC(配列番号22)

・プライマー対(5)、(7)、(8)及び(10)からなるプライマーセット(M)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(5):
フォワードプライマーTTAGCTAAACGTAAACGTATTGAAG(配列番号9)
リバースプライマーTCTGGATCATATTTTTCGCCCG(配列番号10);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(7):
フォワードプライマーACAGATTTAGCTGCGGATGTGA(配列番号13)
リバースプライマーACACTCTTTGCACCACGCTC(配列番号14);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(8):
フォワードプライマーGGCTGAAAACTTGGCTCACG(配列番号15)
リバースプライマーACGTAGTAAATAATGAACACCACG(配列番号16);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(10):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーATTTAAAGGATGAACTACCTG(配列番号20)

・プライマー対(5)、(7)、(8)及び(11)からなるプライマーセット(N)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(5):
フォワードプライマーTTAGCTAAACGTAAACGTATTGAAG(配列番号9)
リバースプライマーTCTGGATCATATTTTTCGCCCG(配列番号10);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(7):
フォワードプライマーACAGATTTAGCTGCGGATGTGA(配列番号13)
リバースプライマーACACTCTTTGCACCACGCTC(配列番号14);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(8):
フォワードプライマーGGCTGAAAACTTGGCTCACG(配列番号15)
リバースプライマーACGTAGTAAATAATGAACACCACG(配列番号16);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(11):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーTGCCATACCCGATGCAACTAC(配列番号22)

・プライマー対(5)、(7)、(9)及び(10)からなるプライマーセット(O)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(5):
フォワードプライマーTTAGCTAAACGTAAACGTATTGAAG(配列番号9)
リバースプライマーTCTGGATCATATTTTTCGCCCG(配列番号10);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(7):
フォワードプライマーACAGATTTAGCTGCGGATGTGA(配列番号13)
リバースプライマーACACTCTTTGCACCACGCTC(配列番号14);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(9):
フォワードプライマーCAGCCCAATCTTGAGCGTCTT(配列番号17)
リバースプライマーCACCACGAACAGAATCCACATCA(配列番号18);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(10):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーATTTAAAGGATGAACTACCTG(配列番号20)
並びに
・プライマー対(5)、(7)、(9)及び(11)からなるプライマーセット(P)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(5):
フォワードプライマーTTAGCTAAACGTAAACGTATTGAAG(配列番号9)
リバースプライマーTCTGGATCATATTTTTCGCCCG(配列番号10);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(7):
フォワードプライマーACAGATTTAGCTGCGGATGTGA(配列番号13)
リバースプライマーACACTCTTTGCACCACGCTC(配列番号14);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(9):
フォワードプライマーCAGCCCAATCTTGAGCGTCTT(配列番号17)
リバースプライマーCACCACGAACAGAATCCACATCA(配列番号18);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(11):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーTGCCATACCCGATGCAACTAC(配列番号22)からなる群から選択される少なくとも1つのプライマーセットである、前記方法。
【請求項2】
試料が飲料である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
試料が加熱殺菌され、25℃で12ヶ月以内の期間保存された飲料である、請求項1記載の方法。
【請求項4】
試料中の乳酸菌ラクトバチルス・アシドフィルス(L.acidophilus)L−92株を検出する方法であって、
i)試料からRNAを抽出する工程、
ii)工程i)で抽出したRNAを鋳型としてcDNAを合成する工程、
iii)工程ii)で合成したcDNAを鋳型として、以下のプライマーセット(Q)〜(V)からなる群から選択される少なくとも1つのプライマーセットを用いてPCRを行う工程、
・プライマー対(1)及び(10)からなるプライマーセット(Q)
orf466遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(1):
フォワードプライマーGGGGACCCCAAACAGAAAGA(配列番号1)
リバースプライマーGCGTCTTCGATTGCTTCACC(配列番号2);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(10):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーATTTAAAGGATGAACTACCTG(配列番号20)

・プライマー対(1)及び(11)からなるプライマーセット(R)
orf466遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(1):
フォワードプライマーGGGGACCCCAAACAGAAAGA(配列番号1)
リバースプライマーGCGTCTTCGATTGCTTCACC(配列番号2);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(11):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーTGCCATACCCGATGCAACTAC(配列番号22)

・プライマー対(2)及び(10)からなるプライマーセット(S)
orf1410遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(2):
フォワードプライマーCGTGGTCAAAAATAAACCGCA(配列番号3)
リバースプライマーTCACCGTTATGGTCGCTTGA(配列番号4);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(10):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーATTTAAAGGATGAACTACCTG(配列番号20)

・プライマー対(2)及び(11)からなるプライマーセット(T)
orf1410遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(2):
フォワードプライマーCGTGGTCAAAAATAAACCGCA(配列番号3)
リバースプライマーTCACCGTTATGGTCGCTTGA(配列番号4);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(11):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーTGCCATACCCGATGCAACTAC(配列番号22)

・プライマー対(3)及び(10)からなるプライマーセット(U)
orf1410遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(3):
フォワードプライマーAAAAATAAACCGCAATCTTATCGT(配列番号5)
リバースプライマーATCACCGTTATGGTCGCTTG(配列番号6);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(10):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーATTTAAAGGATGAACTACCTG(配列番号20)
並びに
・プライマー対(3)及び(11)からなるプライマーセット(V)
orf1410遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(3):
フォワードプライマーAAAAATAAACCGCAATCTTATCGT(配列番号5)
リバースプライマーATCACCGTTATGGTCGCTTG(配列番号6);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(11):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーTGCCATACCCGATGCAACTAC(配列番号22)

および、
iv)前記プライマー対(1)によって増幅された領域の配列(プライマー配列を除く)と配列番号23の配列とが同一である、又は、前記プライマー対(2)によって増幅された領域の配列(プライマー配列を除く)と配列番号24の配列とが同一である、又は、前記プライマー対(3)によって増幅された領域の配列(プライマー配列を除く)と配列番号25の配列とが同一であり、かつ、前記プライマー対(10)によって増幅された領域の配列(リバースプライマー配列のみを除く)と配列番号32の配列とが同一である、又は、前記プライマー対(11)によって増幅された領域の配列(リバースプライマー配列のみを除く)と配列番号33の配列とが同一である場合に、前記試料中にL.acidophilus L−92株が存在していたと決定する工程、
を含む、前記方法。
【請求項5】
工程iii)において、各プライマー対を用いるPCRがそれぞれ別個の容器内で行われる、請求項4記載の方法。
【請求項6】
下記プライマーセット(Q)〜(V)のいずれかを含む、L.acidophilus L−92株検出用キット:
・プライマー対(1)及び(10)からなるプライマーセット(Q)
orf466遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(1):
フォワードプライマーGGGGACCCCAAACAGAAAGA(配列番号1)
リバースプライマーGCGTCTTCGATTGCTTCACC(配列番号2);及び
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(10):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーATTTAAAGGATGAACTACCTG(配列番号20)。

・プライマー対(1)及び(11)からなるプライマーセット(R)
orf466遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(1):
フォワードプライマーGGGGACCCCAAACAGAAAGA(配列番号1)
リバースプライマーGCGTCTTCGATTGCTTCACC(配列番号2);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(11):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーTGCCATACCCGATGCAACTAC(配列番号22)

・プライマー対(2)及び(10)からなるプライマーセット(S)
orf1410遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(2):
フォワードプライマーCGTGGTCAAAAATAAACCGCA(配列番号3)
リバースプライマーTCACCGTTATGGTCGCTTGA(配列番号4);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(10):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーATTTAAAGGATGAACTACCTG(配列番号20)

・プライマー対(2)及び(11)からなるプライマーセット(T)
orf1410遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(2):
フォワードプライマーCGTGGTCAAAAATAAACCGCA(配列番号3)
リバースプライマーTCACCGTTATGGTCGCTTGA(配列番号4);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(11):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーTGCCATACCCGATGCAACTAC(配列番号22)

・プライマー対(3)及び(10)からなるプライマーセット(U)
orf1410遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(3):
フォワードプライマーAAAAATAAACCGCAATCTTATCGT(配列番号5)
リバースプライマーATCACCGTTATGGTCGCTTG(配列番号6);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(10):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーATTTAAAGGATGAACTACCTG(配列番号20)

・プライマー対(3)及び(11)からなるプライマーセット(V)
orf1410遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(3):
フォワードプライマーAAAAATAAACCGCAATCTTATCGT(配列番号5)
リバースプライマーATCACCGTTATGGTCGCTTG(配列番号6);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(11):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーTGCCATACCCGATGCAACTAC(配列番号22)
【請求項7】
下記プライマー対(1)及び(10)からなるプライマーセット(Q):
orf466遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(1):
フォワードプライマーGGGGACCCCAAACAGAAAGA(配列番号1)
リバースプライマーGCGTCTTCGATTGCTTCACC(配列番号2);及び
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(10):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーATTTAAAGGATGAACTACCTG(配列番号20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラクトバチルス属微生物の特定の種及び特定の菌株の判別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来細菌や真菌の菌種同定に関してはDNAまたはRNAの配列解析を利用して行うのが一般的な手法である。このような一般的な菌株を同定する手法としては、純粋培養された菌株の生菌のDNAを用いる、RiboPrinterやPulsed Field Gel Electrophoresis(PFGE)法、Restriction Fragment Length Polymorphism(RFLP)法、Random Amplified Polymorphic DNA(RAPD)法、Repetitive Element Palindromic PCR(Rep−PCR)法、Multilocas sequence typing(MLST)法、Multilocus sequence analisys(MLSA)法などの解析が一般的である(非特許文献1参照)。
例えば、Lactobacillus acidophilus(ラクトバチルス アシドフィルス)種の菌株判別手法には、一般に菌株の生菌のDNAが用いられる。具体的には、非特許文献2に記載されているようなPFGEのタイピング手法や、非特許文献3及び4に記載されるようなRiboprinterによる手法、及び、非特許文献5に記載されるようなRFLP法による手法などが挙げられる。
また、このような菌種同定の応用としては、特許文献1には、乳製品中のLactobacillus helveticui種の細菌菌株を同定するためのDNAプローブ、および、このようなプローブの調製についての試みが開示されている。また、特許文献2には、環境汚染物質の分解、除去を促進することのできるThalassospira属に属する新規微生物の16SrRNA遺伝子または16SrRNAから調製したプローブを用いて、環境汚染物質分解促進能を有する細菌の検出・定量を簡便迅速に行うとともに、汚染環境のモニタリング、評価を行うことが開示されている。
このように、細菌や真菌の菌種や菌株の同定技術は、様々な場面で必要とされ、開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平03−236799号公報
【特許文献2】特開2006−230255号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Development of a Tiered Multilocus Sequence Typing Scheme for Members of the Lactobacillus acidophilus Complex, Applied and Environmental Microbiology,p.7220−7228 December 2013 Volume 79 Number 23
【非特許文献2】Zhonghua Yu Fang Yi Xue Za Zhi.2011 Dec;45(12):1086−9 ”Development of pulsed field gel electrophoresis and application for characterization and identification of Lactobacillus and Streptococcus thermophilus”
【非特許文献3】Microbiol.Immunol.,45(4),271−275,2001”Characterization of the Lactobacillus casei Group and the Lactobacillus acidophilus Group by Automated Ribotyping”
【非特許文献4】APPLIED AND ENVIRONMENTAL MICROBIOLOGY,July 1998,p.2418−2423 Vol.64,No.7”Differentiation of Lactobacillus Species by Molecular Typing”
【非特許文献5】腸内細菌学雑誌19:193-198,2005、菌株レベルの同定−各種制限酵素によるDNA切断パターン(RFLP)−
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在数多く販売されている死菌の乳酸菌などを混入する清涼飲料などの飲料や食品などにおいては、その製造工程中のpHや加熱条件、保存期間中のpHや温度条件において、菌体のDNAやRNAが分解されてしまうため、菌種や菌株を同定するのに必要なDNAやRNAを十分に得にくく、従来から知られている菌株判別手法を用いることができないという問題がある。したがって、品質保証の観点から必要とされる製造した商品(すなわち食品や飲料)に混入している菌種や菌株を同定することが極めて困難である。
以上から、本発明の目的は、飲料や食品中に含まれるラクトバチルス属微生物(死菌を含む)の特定の種またはその特定の種の特定の菌株を検出できる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意研究の結果、食品や飲料清涼水などの飲料中に含まれる菌体(死菌を含む)の特定の種や菌株を検出するために、これまで全く着目されてこなかった製品中の菌体の約50−約450bp程度のRNA断片を使用することで、予想外にも菌種や菌株を同定するのに必要なDNA断片配列が得られることを見出した。
しかしながら、一方で、L.acidophilus種の菌株、例えば公共データベース中の5株、すなわち、L.acidophilus NCFM、FSI4、LA1、La14、ATCC 53544菌株間において、16S rDNA、fusA、gyrA、gyrB、lepA、pyrG、recA遺伝子などのタイピングの際に通常検討される遺伝子において、株間での多形性が存在しておらず、それにより生菌であってもタイピングを実施することが極めて困難であるという問題がある。さらに、食品や飲料清涼水などの飲料中からは、生菌由来のものよりも長いDNA又はRNAを得ることは上述のように不可能である。そこで、本発明者は、遺伝子解析のターゲットとして通常使用されるハウスキーピング遺伝子等の配列ではなく、L.acidophilus種の菌株のorf(Open reading flame)の遺伝子配列に注目し、orf003−orf2010まで1622個のデータ(配列は500−2000bp)の中から株間で差異のある遺伝子配列データ抽出し、鋭意検討の末、L.acidophilusの菌株判別に必要な6個の遺伝子配列を絞り込んで複数のプライマー対からなるプライマーセットを確立し、本発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本発明は以下〔1〕〜〔9〕に関する。
〔1〕試料中のラクトバチルス属微生物(乳酸菌)の特定の種またはラクトバチルス属微生物の特定の種の特定の株を検出標的微生物として検出する方法であって、以下の工程:
i)試料からRNAを抽出する工程、
ii)i)で抽出したRNAを鋳型として、cDNAを合成する工程、
iii)ii)で合成したcDNAを鋳型として、前記検出標的微生物に特徴的な約50bp〜約450bpの遺伝子領域を増幅し得る2組以上のプライマー対からなるプライマーセットを用いてPCRを行う工程、及び
iv)前記プライマーセット中の各プライマー対によって増幅された領域の各配列のいずれもが同じプライマー対によって増幅される前記検出標的微生物の配列のそれぞれと同一である場合に、前記試料中に検出標的乳酸菌が存在していたと決定する工程、
を含む、前記方法。
〔2〕試料が飲料である、前記〔1〕記載の方法。
〔3〕試料が加熱殺菌され、25℃で12ヶ月以内の期間保存された、あるいはそれに相当する条件下で保存された飲料である、前記〔1〕記載の方法。
【0008】
〔4〕試料中の乳酸菌ラクトバチルス・アシドフィルス種(L.acidophilus)における菌株を判定する方法であって、
i)試料からRNAを抽出する工程、
ii)工程i)で抽出したRNAを鋳型としてcDNAを合成する工程、
iii)工程ii)で合成したcDNAを鋳型として、以下のプライマーセット(A)〜(P)からなる群から選択される少なくとも1つのプライマーセットを用いてPCRを行う工程、
・プライマー対(4)、(6)、(8)及び(10)からなるプライマーセット(A)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(4):
フォワードプライマーAGCTAAACGTAAACGTATTGAAGAT(配列番号7)
リバースプライマーTTCGCCCGGTGCCATATTT(配列番号8);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(6):
フォワードプライマーTGCGGATGTGAAAGATCGTGA(配列番号11)
リバースプライマーACATCGACATTTCTACGGGCT(配列番号12);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(8):
フォワードプライマーGGCTGAAAACTTGGCTCACG(配列番号15)
リバースプライマーACGTAGTAAATAATGAACACCACG(配列番号16);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(10):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーATTTAAAGGATGAACTACCTG(配列番号20)

・プライマー対(4)、(6)、(8)及び(11)からなるプライマーセット(B)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(4):
フォワードプライマーAGCTAAACGTAAACGTATTGAAGAT(配列番号7)
リバースプライマーTTCGCCCGGTGCCATATTT(配列番号8);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(6):
フォワードプライマーTGCGGATGTGAAAGATCGTGA(配列番号11)
リバースプライマーACATCGACATTTCTACGGGCT(配列番号12);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(8):
フォワードプライマーGGCTGAAAACTTGGCTCACG(配列番号15)
リバースプライマーACGTAGTAAATAATGAACACCACG(配列番号16);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(11):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーTGCCATACCCGATGCAACTAC(配列番号22)

・プライマー対(4)、(6)、(9)及び(10)からなるプライマーセット(C)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(4):
フォワードプライマーAGCTAAACGTAAACGTATTGAAGAT(配列番号7)
リバースプライマーTTCGCCCGGTGCCATATTT(配列番号8);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(6):
フォワードプライマーTGCGGATGTGAAAGATCGTGA(配列番号11)
リバースプライマーACATCGACATTTCTACGGGCT(配列番号12);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(9):
フォワードプライマーCAGCCCAATCTTGAGCGTCTT(配列番号17)
リバースプライマーCACCACGAACAGAATCCACATCA(配列番号18);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(10):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーATTTAAAGGATGAACTACCTG(配列番号20)

・プライマー対(4)、(6)、(9)及び(11)からなるプライマーセット(D)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(4):
フォワードプライマーAGCTAAACGTAAACGTATTGAAGAT(配列番号7)
リバースプライマーTTCGCCCGGTGCCATATTT(配列番号8);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(6):
フォワードプライマーTGCGGATGTGAAAGATCGTGA(配列番号11)
リバースプライマーACATCGACATTTCTACGGGCT(配列番号12);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(9):
フォワードプライマーCAGCCCAATCTTGAGCGTCTT(配列番号17)
リバースプライマーCACCACGAACAGAATCCACATCA(配列番号18);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(11):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーTGCCATACCCGATGCAACTAC(配列番号22)

・プライマー対(4)、(7)、(8)及び(10)からなるプライマーセット(E)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(4):
フォワードプライマーAGCTAAACGTAAACGTATTGAAGAT(配列番号7)
リバースプライマーTTCGCCCGGTGCCATATTT(配列番号8);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(7):
フォワードプライマーACAGATTTAGCTGCGGATGTGA(配列番号13)
リバースプライマーACACTCTTTGCACCACGCTC(配列番号14);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(8):
フォワードプライマーGGCTGAAAACTTGGCTCACG(配列番号15)
リバースプライマーACGTAGTAAATAATGAACACCACG(配列番号16);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(10):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーATTTAAAGGATGAACTACCTG(配列番号20)

・プライマー対(4)、(7)、(8)及び(11)からなるプライマーセット(F)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(4):
フォワードプライマーAGCTAAACGTAAACGTATTGAAGAT(配列番号7)
リバースプライマーTTCGCCCGGTGCCATATTT(配列番号8);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(7):
フォワードプライマーACAGATTTAGCTGCGGATGTGA(配列番号13)
リバースプライマーACACTCTTTGCACCACGCTC(配列番号14);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(8):
フォワードプライマーGGCTGAAAACTTGGCTCACG(配列番号15)
リバースプライマーACGTAGTAAATAATGAACACCACG(配列番号16);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(11):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーTGCCATACCCGATGCAACTAC(配列番号22)

・プライマー対(4)、(7)、(9)及び(10)からなるプライマーセット(G)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(4):
フォワードプライマーAGCTAAACGTAAACGTATTGAAGAT(配列番号7)
リバースプライマーTTCGCCCGGTGCCATATTT(配列番号8);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(7):
フォワードプライマーACAGATTTAGCTGCGGATGTGA(配列番号13)
リバースプライマーACACTCTTTGCACCACGCTC(配列番号14);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(9):
フォワードプライマーCAGCCCAATCTTGAGCGTCTT(配列番号17)
リバースプライマーCACCACGAACAGAATCCACATCA(配列番号18);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(10):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーATTTAAAGGATGAACTACCTG(配列番号20)

・プライマー対(4)、(7)、(9)及び(11)からなるプライマーセット(H)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(4):
フォワードプライマーAGCTAAACGTAAACGTATTGAAGAT(配列番号7)
リバースプライマーTTCGCCCGGTGCCATATTT(配列番号8);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(7):
フォワードプライマーACAGATTTAGCTGCGGATGTGA(配列番号13)
リバースプライマーACACTCTTTGCACCACGCTC(配列番号14);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(9):
フォワードプライマーCAGCCCAATCTTGAGCGTCTT(配列番号17)
リバースプライマーCACCACGAACAGAATCCACATCA(配列番号18);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(11):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーTGCCATACCCGATGCAACTAC(配列番号22)
【0009】
・プライマー対(5)、(6)、(8)及び(10)からなるプライマーセット(I)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(5):
フォワードプライマーTTAGCTAAACGTAAACGTATTGAAG(配列番号9)
リバースプライマーTCTGGATCATATTTTTCGCCCG(配列番号10);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(6):
フォワードプライマーTGCGGATGTGAAAGATCGTGA(配列番号11)
リバースプライマーACATCGACATTTCTACGGGCT(配列番号12);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(8):
フォワードプライマーGGCTGAAAACTTGGCTCACG(配列番号15)
リバースプライマーACGTAGTAAATAATGAACACCACG(配列番号16);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(10):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーATTTAAAGGATGAACTACCTG(配列番号20)

・プライマー対(5)、(6)、(8)及び(11)からなるプライマーセット(J)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(5):
フォワードプライマーTTAGCTAAACGTAAACGTATTGAAG(配列番号9)
リバースプライマーTCTGGATCATATTTTTCGCCCG(配列番号10);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(6):
フォワードプライマーTGCGGATGTGAAAGATCGTGA(配列番号11)
リバースプライマーACATCGACATTTCTACGGGCT(配列番号12);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(8):
フォワードプライマーGGCTGAAAACTTGGCTCACG(配列番号15)
リバースプライマーACGTAGTAAATAATGAACACCACG(配列番号16);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(11):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーTGCCATACCCGATGCAACTAC(配列番号22)

・プライマー対(5)、(6)、(9)及び(10)からなるプライマーセット(K)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(5):
フォワードプライマーTTAGCTAAACGTAAACGTATTGAAG(配列番号9)
リバースプライマーTCTGGATCATATTTTTCGCCCG(配列番号10);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(6):
フォワードプライマーTGCGGATGTGAAAGATCGTGA(配列番号11)
リバースプライマーACATCGACATTTCTACGGGCT(配列番号12);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(9):
フォワードプライマーCAGCCCAATCTTGAGCGTCTT(配列番号17)
リバースプライマーCACCACGAACAGAATCCACATCA(配列番号18);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(10):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーATTTAAAGGATGAACTACCTG(配列番号20)

・プライマー対(5)、(6)、(9)及び(11)からなるプライマーセット(L)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(5):
フォワードプライマーTTAGCTAAACGTAAACGTATTGAAG(配列番号9)
リバースプライマーTCTGGATCATATTTTTCGCCCG(配列番号10);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(6):
フォワードプライマーTGCGGATGTGAAAGATCGTGA(配列番号11)
リバースプライマーACATCGACATTTCTACGGGCT(配列番号12);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(9):
フォワードプライマーCAGCCCAATCTTGAGCGTCTT(配列番号17)
リバースプライマーCACCACGAACAGAATCCACATCA(配列番号18);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(11):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーTGCCATACCCGATGCAACTAC(配列番号22)

・プライマー対(5)、(7)、(8)及び(10)からなるプライマーセット(M)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(5):
フォワードプライマーTTAGCTAAACGTAAACGTATTGAAG(配列番号9)
リバースプライマーTCTGGATCATATTTTTCGCCCG(配列番号10);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(7):
フォワードプライマーACAGATTTAGCTGCGGATGTGA(配列番号13)
リバースプライマーACACTCTTTGCACCACGCTC(配列番号14);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(8):
フォワードプライマーGGCTGAAAACTTGGCTCACG(配列番号15)
リバースプライマーACGTAGTAAATAATGAACACCACG(配列番号16);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(10):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーATTTAAAGGATGAACTACCTG(配列番号20)

・プライマー対(5)、(7)、(8)及び(11)からなるプライマーセット(N)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(5):
フォワードプライマーTTAGCTAAACGTAAACGTATTGAAG(配列番号9)
リバースプライマーTCTGGATCATATTTTTCGCCCG(配列番号10);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(7):
フォワードプライマーACAGATTTAGCTGCGGATGTGA(配列番号13)
リバースプライマーACACTCTTTGCACCACGCTC(配列番号14);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(8):
フォワードプライマーGGCTGAAAACTTGGCTCACG(配列番号15)
リバースプライマーACGTAGTAAATAATGAACACCACG(配列番号16);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(11):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーTGCCATACCCGATGCAACTAC(配列番号22)

・プライマー対(5)、(7)、(9)及び(10)からなるプライマーセット(O)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(5):
フォワードプライマーTTAGCTAAACGTAAACGTATTGAAG(配列番号9)
リバースプライマーTCTGGATCATATTTTTCGCCCG(配列番号10);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(7):
フォワードプライマーACAGATTTAGCTGCGGATGTGA(配列番号13)
リバースプライマーACACTCTTTGCACCACGCTC(配列番号14);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(9):
フォワードプライマーCAGCCCAATCTTGAGCGTCTT(配列番号17)
リバースプライマーCACCACGAACAGAATCCACATCA(配列番号18);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(10):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーATTTAAAGGATGAACTACCTG(配列番号20)
並びに
・プライマー対(5)、(7)、(9)及び(11)からなるプライマーセット(P)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(5):
フォワードプライマーTTAGCTAAACGTAAACGTATTGAAG(配列番号9)
リバースプライマーTCTGGATCATATTTTTCGCCCG(配列番号10);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(7):
フォワードプライマーACAGATTTAGCTGCGGATGTGA(配列番号13)
リバースプライマーACACTCTTTGCACCACGCTC(配列番号14);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(9):
フォワードプライマーCAGCCCAATCTTGAGCGTCTT(配列番号17)
リバースプライマーCACCACGAACAGAATCCACATCA(配列番号18);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(11):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーTGCCATACCCGATGCAACTAC(配列番号22)

および、
iv):前記プライマー対(4)によって増幅された領域の配列(プライマー配列を除く)と配列番号26の配列とが同一である、又は、前記プライマー対(5)によって増幅された領域の配列(プライマー配列を除く)と配列番号27の配列とが同一であり、かつ、前記プライマー対(6)によって増幅された領域の配列(プライマー配列を除く)と配列番号28の配列とが同一である、又は、前記プライマー対(7)によって増幅された領域の配列(プライマー配列を除く)と配列番号29の配列とが同一であり、かつ、前記プライマー対(8)によって増幅された領域の配列(プライマー配列を除く)と配列番号30の配列とが同一である、又は、前記プライマー対(9)によって増幅された領域の配列(プライマー配列を除く)と配列番号31の配列とが同一であり、かつ、前記プライマー対(10)によって増幅された領域の配列(リバースプライマー配列のみを除く)と配列番号32の配列とが同一である、又は、前記プライマー対(11)によって増幅された領域の配列(リバースプライマー配列のみを除く)と配列番号33の配列とが同一である場合、ラクトバチルス・アシドフィルス種(L.acidophilus)における菌株を判定する工程含む、前記方法。
【0010】
〔5〕試料中の乳酸菌ラクトバチルス・アシドフィルス(L.acidophilus)L−92株を検出する方法であって、
i)試料からRNAを抽出する工程、
ii)工程i)で抽出したRNAを鋳型としてcDNAを合成する工程、
iii)工程ii)で合成したcDNAを鋳型として、以下のプライマーセット(Q)〜(V)からなる群から選択される少なくとも1つのプライマーセットを用いてPCRを行う工程、
・プライマー対(1)及び(10)からなるプライマーセット(Q)
orf466遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(1):
フォワードプライマーGGGGACCCCAAACAGAAAGA(配列番号1)
リバースプライマーGCGTCTTCGATTGCTTCACC(配列番号2);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(10):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーATTTAAAGGATGAACTACCTG(配列番号20)

・プライマー対(1)及び(11)からなるプライマーセット(R)
orf466遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(1):
フォワードプライマーGGGGACCCCAAACAGAAAGA(配列番号1)
リバースプライマーGCGTCTTCGATTGCTTCACC(配列番号2);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(11):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーTGCCATACCCGATGCAACTAC(配列番号22)

・プライマー対(2)及び(10)からなるプライマーセット(S)
orf1410遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(2):
フォワードプライマーCGTGGTCAAAAATAAACCGCA(配列番号3)
リバースプライマーTCACCGTTATGGTCGCTTGA(配列番号4);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(10):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーATTTAAAGGATGAACTACCTG(配列番号20)

・プライマー対(2)及び(11)からなるプライマーセット(T)
orf1410遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(2):
フォワードプライマーCGTGGTCAAAAATAAACCGCA(配列番号3)
リバースプライマーTCACCGTTATGGTCGCTTGA(配列番号4);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(11):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーTGCCATACCCGATGCAACTAC(配列番号22)

・プライマー対(3)及び(10)からなるプライマーセット(U)
orf1410遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(3):
フォワードプライマーAAAAATAAACCGCAATCTTATCGT(配列番号5)
リバースプライマーATCACCGTTATGGTCGCTTG(配列番号6);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(10):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーATTTAAAGGATGAACTACCTG(配列番号20)
並びに
・プライマー対(3)及び(11)からなるプライマーセット(V)
orf1410遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(3):
フォワードプライマーAAAAATAAACCGCAATCTTATCGT(配列番号5)
リバースプライマーATCACCGTTATGGTCGCTTG(配列番号6);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(11):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーTGCCATACCCGATGCAACTAC(配列番号22)

および、
iv)前記プライマー対(1)によって増幅された領域の配列(プライマー配列を除く)と配列番号23の配列とが同一である、又は、前記プライマー対(2)によって増幅された領域の配列(プライマー配列を除く)と配列番号24の配列とが同一である、又は、前記プライマー対(3)によって増幅された領域の配列(プライマー配列を除く)と配列番号25の配列とが同一であり、かつ、前記プライマー対(10)によって増幅された領域の配列(リバースプライマー配列のみを除く)と配列番号32の配列とが同一である、又は、前記プライマー対(11)によって増幅された領域の配列(リバースプライマー配列のみを除く)と配列番号33の配列とが同一である場合に、前記試料中にL.acidophilus L−92株が存在していたと決定する工程、
を含む、前記方法。
【0011】
〔6〕工程iii)において、各プライマー対を用いるPCRがそれぞれ別個の容器内で行われる、前記〔4〕又は〔5〕記載の方法。
〔7〕工程iv)において、プライマー対(1)によって増幅される領域(プライマー配列を除く)の配列、又は、プライマー対(2)によって増幅される領域(プライマー配列を除く)の配列、又は、プライマー対(3)によって増幅される領域(プライマー配列を除く)の配列の下流に、プライマー対(10)によって増幅される領域の配列(リバースプライマー配列のみを除く)、又は、プライマー対(11)によって増幅される領域(リバースプライマー配列のみを除く)の配列を結合した融合配列を用いる、前記〔5〕記載の方法。
【0012】
〔8〕下記プライマーセット(Q)〜(V)のいずれかを含む、L.acidophilus L−92株検出用キット:
・プライマー対(1)及び(10)からなるプライマーセット(Q)
orf466遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(1):
フォワードプライマーGGGGACCCCAAACAGAAAGA(配列番号1)
リバースプライマーGCGTCTTCGATTGCTTCACC(配列番号2);及び
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(10):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーATTTAAAGGATGAACTACCTG(配列番号20)。

・プライマー対(1)及び(11)からなるプライマーセット(R)
orf466遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(1):
フォワードプライマーGGGGACCCCAAACAGAAAGA(配列番号1)
リバースプライマーGCGTCTTCGATTGCTTCACC(配列番号2);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(11):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーTGCCATACCCGATGCAACTAC(配列番号22)

・プライマー対(2)及び(10)からなるプライマーセット(S)
orf1410遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(2):
フォワードプライマーCGTGGTCAAAAATAAACCGCA(配列番号3)
リバースプライマーTCACCGTTATGGTCGCTTGA(配列番号4);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(10):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーATTTAAAGGATGAACTACCTG(配列番号20)

・プライマー対(2)及び(11)からなるプライマーセット(T)
orf1410遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(2):
フォワードプライマーCGTGGTCAAAAATAAACCGCA(配列番号3)
リバースプライマーTCACCGTTATGGTCGCTTGA(配列番号4);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(11):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーTGCCATACCCGATGCAACTAC(配列番号22)

・プライマー対(3)及び(10)からなるプライマーセット(U)
orf1410遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(3):
フォワードプライマーAAAAATAAACCGCAATCTTATCGT(配列番号5)
リバースプライマーATCACCGTTATGGTCGCTTG(配列番号6);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(10):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーATTTAAAGGATGAACTACCTG(配列番号20)

・プライマー対(3)及び(11)からなるプライマーセット(V)
orf1410遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(3):
フォワードプライマーAAAAATAAACCGCAATCTTATCGT(配列番号5)
リバースプライマーATCACCGTTATGGTCGCTTG(配列番号6);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(11):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーTGCCATACCCGATGCAACTAC(配列番号22)
【0013】
〔9〕下記プライマー対(1)及び(10)からなるプライマーセット(Q):
orf466遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(1):
フォワードプライマーGGGGACCCCAAACAGAAAGA(配列番号1)
リバースプライマーGCGTCTTCGATTGCTTCACC(配列番号2);及び
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(10):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーATTTAAAGGATGAACTACCTG(配列番号20)。
【0014】
本発明のプライマー対(1)〜(11)をまとめると、以下の表1のとおりである。
【表1】
【発明の効果】
【0015】
本発明の方法によると、飲料中に含まれるラクトバチルス属微生物(死菌を含む)の特定の種、特にL.acidophilus種の菌株、及びその特定の種の特定の菌株、特にL.acidophilus L−92を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】プライマー対(4)又は(5)と(6)又は(7)と(8)又は(9)と(10)又は(11)によって増幅される領域に基づいて、GeneBankに登録の下記表2のAccession No.配列からそれぞれの菌株ごとの各プライマー対で増幅される領域の配列を繋げ、それぞれの菌株ごとに一つの遺伝子配列に加工して作成した比較用配列データを、MEGA6配列解析ソフトで解析して作成した系統樹を示す。
図2】プライマー対(1)及び(10)によって増幅される領域の配列に基づいてそれぞれの菌株ごとのorf466遺伝子配列の後ろにorf1440遺伝子配列を繋げ、それぞれの菌株ごとに一つの遺伝子配列に加工して作成した比較用配列データを、MEGA6配列解析ソフトで解析して作成した系統樹を示す。
図3】実施例1において、得られたPCR産物に対して、定法に従いアガロースゲルにて電気泳動を実施した結果を示す図である。
図4】実施例4において、得られたPCR産物に対して、定法に従いアガロースゲルにて電気泳動を実施した結果を示す図である。
図5】各菌株のプライマー対(1)及び(11)によって増幅される領域の配列において、異なる塩基部分を明確に示す参考図である。異なる塩基部分には影でマークをつけている。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明者らは、殺菌処理、長期保存等の過程を経た試料であっても、試料中に残存するRNAを鋳型として比較的短い領域を増幅対象としてRT−PCR(逆転写ポリメラーゼ連鎖反応)を行うことにより、Lactobacillus属の特定の種、あるいはLactobacillus属の特定の種の特定の株を特異的に検出することができることを見いだした。
特に、本発明者らは、殺菌処理および/または数ヶ月以上の長期保存等の過程を経た試料であっても、試料中に残存するRNAに対して比較的短い領域を増幅対象としてRT−PCRを行うことにより、L.acidophilus種またはL.acidophilus L−92株を特異的に検出することができることを見いだした。長期保存とは例えば1ヶ月以上、または3ヶ月以上、好ましくは3ヶ月〜6ヶ月、さらに好ましくは3ヶ月〜12ヶ月またはこれと同等の条件下での保存をいい、特に試料が飲料や食品の場合、製造から消費期限までの期間、製造から賞味期限までの期間、またはこれらを超える期間の保存も「長期保存」に含まれる。そして、試料を25℃の保存環境下またはそれに相当する環境下においた場合であれば、例えば9ヶ月以内、少なくとも6ヶ月以内であれば問題なく、試料中のL.acidophilus種またはL.acidophilus L−92株を特異的に検出することができる。なお、保存温度は通常、4〜35℃の条件で行われる。ただし、当該試料が例えば55℃という過酷な温度条件下で保存された場合であっても3〜5日間程度であれば、プライマーセットの種類によっては試料中のL.acidophilus種またはL.acidophilus L−92株を特異的に検出しうることがある。
したがって、本発明によれば、RT−PCRを用いてLactobacillus属の特定の菌種または菌株を特異的に検出することができる。特に本発明によれば、RT−PCRを用いてL.acidophilus種あるいはL.acidophilus L−92株を特異的に検出することができる。
【0018】
本発明によってL.acidophilus種、特にL.acidophilus L−92株を特異的に検出することができる試料には、乳酸菌(乳酸菌(Lactobacillus属の微生物))入りの食品、飲料、飼料等、特に乳酸菌の死菌入りの食品、飲料、飼料等が含まれる。本発明における飲料には、発酵乳、発酵乳(殺菌)、乳製品乳酸菌飲料、乳製品乳酸菌飲料(殺菌)、乳酸菌飲料及び清涼飲料水が含まれる。
本明細書において「特異的に検出」するとは、他のLactobacillus属種またはL.acidophilus種の他の菌株とL.acidophilus種またはL.acidophilus L−92株とを区別して、弁別的にL.acidophilus種またはL.acidophilusの特定の株を検出することを言う。たとえば、「L.acidophilus L−92株を特異的に検出」するとは、L.acidophilus種の他の菌株とL.acidophilus L−92株とを区別して弁別的に試料中のL.acidophilus L−92株を検出することを言う。また、「L.acidophilusを特異的に検出するとは、他のLactobacillus属種とL.acidophilus種とを区別して弁別的に試料中のL.acidophilusを検出することを言う。
【0019】
本発明の方法において、1組以上のプライマー対を用いて、試料中に含まれ得る生物体由来のRNAを鋳型としてRT−PCRを行い、増幅された配列の配列を決定する。1組のプライマー対では十分な特異性が得られない場合は、同じ遺伝子の他の領域または別の遺伝子を増幅するプライマー対を更に組み合わせて2組以上のプライマー対(各組の各プライマー対は、それぞれフォワードプライマーおよびリバースプライマーからなる)を含むプライマーセットとすることができる。本発明においては十分な特異性を得るために2組以上のプライマー対を組み合わせてプライマーセットとしてPCRを行うのが好ましく、さらに好ましくは3組以上、特に好ましくは4組以上のプライマー対を組み合わせてプライマーセットとしてPCRを行なう。プライマーセットを構成する各プライマー対は、このプライマー対によって増幅される配列が検出標的の菌種(例えばLactobacillus属の特定の種)または特定の菌株(たとえば、特定のLactobacillus属の特定の種の特定の株)と他の菌種または菌株の少なくとも1つと異なるように選ばれる。各プライマー対は公知のデータベースから対象となる菌種または菌株の遺伝子配列を入手し、他の菌種または菌株の同じ遺伝子の配列を入手し、これらをアラインメントすることによって目的の菌種または菌株に特徴的な配列、好ましくは可能な限り特異性の高い配列を同定することによって設計することができる。プライマー設計のために、与えられた配列に対してプライマー配列の候補を出力するコンピュータープログラムも利用することができる。各プライマー対が増幅する領域の長さは、一般に約50bp〜約450bpが好ましく、約80bp〜約450bpがより好ましく、約100bp〜約450bpが好ましく、約100bp〜約350bpがより好ましく、特に約100〜約250bp程度が好ましい。増幅する領域の長さを450bpよりも長く設定した場合には、飲料中にその長さのRNAが残存していない恐れがあり、所望の量に増幅できない可能性がある。
【0020】
各プライマーセットに含まれるプライマー対の配列および数を上述のように選択することによって、特定の種(例えばLactobacillus属の特定の種)、または特定の種の特定の株(例えばLactobacillus属の特定の種の特定の株)を試料中で同定することができる。
PCRによって増幅された配列を、同じプライマーセットによって増幅される検出標的の菌種または菌株(たとえばL.acidophilus L−92株)のそれぞれの遺伝子領域の配列と比較する。2以上のプライマー対によって試料から増幅された2以上の遺伝子領域の配列が同じプライマー対によって増幅される検出標的菌種または菌株の遺伝子領域の配列とそれぞれと一致することは、目的の標的菌種または菌株を同定することの指標となる。2以上のプライマー対を含むセットを用いて増幅された2以上の遺伝子領域の(2以上の)配列の少なくとも1つが同じプライマー対によって増幅される検出標的菌種または菌株の遺伝子領域の配列と一致しない場合は、その検出標的菌種または菌株が試料中に存在したとは認められない。
【0021】
具体的には、例えば、下記のプライマーセットのいずれかをPCRに使用してL.acidophilus種であるか、及びその中の菌株を特異的に検出することができる。
【0022】
・プライマー対(4)、(6)、(8)及び(10)からなるプライマーセット(A)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(4):
フォワードプライマーAGCTAAACGTAAACGTATTGAAGAT(配列番号7)
リバースプライマーTTCGCCCGGTGCCATATTT(配列番号8);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(6):
フォワードプライマーTGCGGATGTGAAAGATCGTGA(配列番号11)
リバースプライマーACATCGACATTTCTACGGGCT(配列番号12);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(8):
フォワードプライマーGGCTGAAAACTTGGCTCACG(配列番号15)
リバースプライマーACGTAGTAAATAATGAACACCACG(配列番号16);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(10):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーATTTAAAGGATGAACTACCTG(配列番号20)
【0023】
・プライマー対(4)、(6)、(8)及び(11)からなるプライマーセット(B)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(4):
フォワードプライマーAGCTAAACGTAAACGTATTGAAGAT(配列番号7)
リバースプライマーTTCGCCCGGTGCCATATTT(配列番号8);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(6):
フォワードプライマーTGCGGATGTGAAAGATCGTGA(配列番号11)
リバースプライマーACATCGACATTTCTACGGGCT(配列番号12);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(8):
フォワードプライマーGGCTGAAAACTTGGCTCACG(配列番号15)
リバースプライマーACGTAGTAAATAATGAACACCACG(配列番号16);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(11):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーTGCCATACCCGATGCAACTAC(配列番号22)
【0024】
・プライマー対(4)、(6)、(9)及び(10)からなるプライマーセット(C)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(4):
フォワードプライマーAGCTAAACGTAAACGTATTGAAGAT(配列番号7)
リバースプライマーTTCGCCCGGTGCCATATTT(配列番号8);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(6):
フォワードプライマーTGCGGATGTGAAAGATCGTGA(配列番号11)
リバースプライマーACATCGACATTTCTACGGGCT(配列番号12);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(9):
フォワードプライマーCAGCCCAATCTTGAGCGTCTT(配列番号17)
リバースプライマーCACCACGAACAGAATCCACATCA(配列番号18);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(10):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーATTTAAAGGATGAACTACCTG(配列番号20)
【0025】
・プライマー対(4)、(6)、(9)及び(11)からなるプライマーセット(D)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(4):
フォワードプライマーAGCTAAACGTAAACGTATTGAAGAT(配列番号7)
リバースプライマーTTCGCCCGGTGCCATATTT(配列番号8);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(6):
フォワードプライマーTGCGGATGTGAAAGATCGTGA(配列番号11)
リバースプライマーACATCGACATTTCTACGGGCT(配列番号12);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(9):
フォワードプライマーCAGCCCAATCTTGAGCGTCTT(配列番号17)
リバースプライマーCACCACGAACAGAATCCACATCA(配列番号18);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(11):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーTGCCATACCCGATGCAACTAC(配列番号22)
【0026】
・プライマー対(4)、(7)、(8)及び(10)からなるプライマーセット(E)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(4):
フォワードプライマーAGCTAAACGTAAACGTATTGAAGAT(配列番号7)
リバースプライマーTTCGCCCGGTGCCATATTT(配列番号8);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(7):
フォワードプライマーACAGATTTAGCTGCGGATGTGA(配列番号13)
リバースプライマーACACTCTTTGCACCACGCTC(配列番号14);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(8):
フォワードプライマーGGCTGAAAACTTGGCTCACG(配列番号15)
リバースプライマーACGTAGTAAATAATGAACACCACG(配列番号16);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(10):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーATTTAAAGGATGAACTACCTG(配列番号20)
【0027】
・プライマー対(4)、(7)、(8)及び(11)からなるプライマーセット(F)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(4):
フォワードプライマーAGCTAAACGTAAACGTATTGAAGAT(配列番号7)
リバースプライマーTTCGCCCGGTGCCATATTT(配列番号8);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(7):
フォワードプライマーACAGATTTAGCTGCGGATGTGA(配列番号13)
リバースプライマーACACTCTTTGCACCACGCTC(配列番号14);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(8):
フォワードプライマーGGCTGAAAACTTGGCTCACG(配列番号15)
リバースプライマーACGTAGTAAATAATGAACACCACG(配列番号16);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(11):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーTGCCATACCCGATGCAACTAC(配列番号22)
【0028】
・プライマー対(4)、(7)、(9)及び(10)からなるプライマーセット(G)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(4):
フォワードプライマーAGCTAAACGTAAACGTATTGAAGAT(配列番号7)
リバースプライマーTTCGCCCGGTGCCATATTT(配列番号8);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(7):
フォワードプライマーACAGATTTAGCTGCGGATGTGA(配列番号13)
リバースプライマーACACTCTTTGCACCACGCTC(配列番号14);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(9):
フォワードプライマーCAGCCCAATCTTGAGCGTCTT(配列番号17)
リバースプライマーCACCACGAACAGAATCCACATCA(配列番号18);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(10):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーATTTAAAGGATGAACTACCTG(配列番号20)
【0029】
・プライマー対(4)、(7)、(9)及び(11)からなるプライマーセット(H)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(4):
フォワードプライマーAGCTAAACGTAAACGTATTGAAGAT(配列番号7)
リバースプライマーTTCGCCCGGTGCCATATTT(配列番号8);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(7):
フォワードプライマーACAGATTTAGCTGCGGATGTGA(配列番号13)
リバースプライマーACACTCTTTGCACCACGCTC(配列番号14);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(9):
フォワードプライマーCAGCCCAATCTTGAGCGTCTT(配列番号17)
リバースプライマーCACCACGAACAGAATCCACATCA(配列番号18);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(11):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーTGCCATACCCGATGCAACTAC(配列番号22)
【0030】
・プライマー対(5)、(6)、(8)及び(10)からなるプライマーセット(I)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(5):
フォワードプライマーTTAGCTAAACGTAAACGTATTGAAG(配列番号9)
リバースプライマーTCTGGATCATATTTTTCGCCCG(配列番号10);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(6):
フォワードプライマーTGCGGATGTGAAAGATCGTGA(配列番号11)
リバースプライマーACATCGACATTTCTACGGGCT(配列番号12);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(8):
フォワードプライマーGGCTGAAAACTTGGCTCACG(配列番号15)
リバースプライマーACGTAGTAAATAATGAACACCACG(配列番号16);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(10):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーATTTAAAGGATGAACTACCTG(配列番号20)
【0031】
・プライマー対(5)、(6)、(8)及び(11)からなるプライマーセット(J)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(5):
フォワードプライマーTTAGCTAAACGTAAACGTATTGAAG(配列番号9)
リバースプライマーTCTGGATCATATTTTTCGCCCG(配列番号10);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(6):
フォワードプライマーTGCGGATGTGAAAGATCGTGA(配列番号11)
リバースプライマーACATCGACATTTCTACGGGCT(配列番号12);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(8):
フォワードプライマーGGCTGAAAACTTGGCTCACG(配列番号15)
リバースプライマーACGTAGTAAATAATGAACACCACG(配列番号16);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(11):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーTGCCATACCCGATGCAACTAC(配列番号22)
【0032】
・プライマー対(5)、(6)、(9)及び(10)からなるプライマーセット(K)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(5):
フォワードプライマーTTAGCTAAACGTAAACGTATTGAAG(配列番号9)
リバースプライマーTCTGGATCATATTTTTCGCCCG(配列番号10);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(6):
フォワードプライマーTGCGGATGTGAAAGATCGTGA(配列番号11)
リバースプライマーACATCGACATTTCTACGGGCT(配列番号12);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(9):
フォワードプライマーCAGCCCAATCTTGAGCGTCTT(配列番号17)
リバースプライマーCACCACGAACAGAATCCACATCA(配列番号18);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(10):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーATTTAAAGGATGAACTACCTG(配列番号20)
【0033】
・プライマー対(5)、(6)、(9)及び(11)からなるプライマーセット(L)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(5):
フォワードプライマーTTAGCTAAACGTAAACGTATTGAAG(配列番号9)
リバースプライマーTCTGGATCATATTTTTCGCCCG(配列番号10);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(6):
フォワードプライマーTGCGGATGTGAAAGATCGTGA(配列番号11)
リバースプライマーACATCGACATTTCTACGGGCT(配列番号12);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(9):
フォワードプライマーCAGCCCAATCTTGAGCGTCTT(配列番号17)
リバースプライマーCACCACGAACAGAATCCACATCA(配列番号18);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(11):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーTGCCATACCCGATGCAACTAC(配列番号22)
【0034】
・プライマー対(5)、(7)、(8)及び(10)からなるプライマーセット(M)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(5):
フォワードプライマーTTAGCTAAACGTAAACGTATTGAAG(配列番号9)
リバースプライマーTCTGGATCATATTTTTCGCCCG(配列番号10);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(7):
フォワードプライマーACAGATTTAGCTGCGGATGTGA(配列番号13)
リバースプライマーACACTCTTTGCACCACGCTC(配列番号14);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(8):
フォワードプライマーGGCTGAAAACTTGGCTCACG(配列番号15)
リバースプライマーACGTAGTAAATAATGAACACCACG(配列番号16);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(10):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーATTTAAAGGATGAACTACCTG(配列番号20)
【0035】
・プライマー対(5)、(7)、(8)及び(11)からなるプライマーセット(N)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(5):
フォワードプライマーTTAGCTAAACGTAAACGTATTGAAG(配列番号9)
リバースプライマーTCTGGATCATATTTTTCGCCCG(配列番号10);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(7):
フォワードプライマーACAGATTTAGCTGCGGATGTGA(配列番号13)
リバースプライマーACACTCTTTGCACCACGCTC(配列番号14);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(8):
フォワードプライマーGGCTGAAAACTTGGCTCACG(配列番号15)
リバースプライマーACGTAGTAAATAATGAACACCACG(配列番号16);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(11):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーTGCCATACCCGATGCAACTAC(配列番号22)
【0036】
・プライマー対(5)、(7)、(9)及び(10)からなるプライマーセット(O)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(5):
フォワードプライマーTTAGCTAAACGTAAACGTATTGAAG(配列番号9)
リバースプライマーTCTGGATCATATTTTTCGCCCG(配列番号10);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(7):
フォワードプライマーACAGATTTAGCTGCGGATGTGA(配列番号13)
リバースプライマーACACTCTTTGCACCACGCTC(配列番号14);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(9):
フォワードプライマーCAGCCCAATCTTGAGCGTCTT(配列番号17)
リバースプライマーCACCACGAACAGAATCCACATCA(配列番号18);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(10):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーATTTAAAGGATGAACTACCTG(配列番号20)
【0037】
・プライマー対(5)、(7)、(9)及び(11)からなるプライマーセット(P)
orf1405遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(5):
フォワードプライマーTTAGCTAAACGTAAACGTATTGAAG(配列番号9)
リバースプライマーTCTGGATCATATTTTTCGCCCG(配列番号10);
orf174遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(7):
フォワードプライマーACAGATTTAGCTGCGGATGTGA(配列番号13)
リバースプライマーACACTCTTTGCACCACGCTC(配列番号14);
orf1529遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(9):
フォワードプライマーCAGCCCAATCTTGAGCGTCTT(配列番号17)
リバースプライマーCACCACGAACAGAATCCACATCA(配列番号18);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(11):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーTGCCATACCCGATGCAACTAC(配列番号22)
【0038】
・プライマー対(1)及び(10)からなるプライマーセット(Q)
orf466遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(1):
フォワードプライマーGGGGACCCCAAACAGAAAGA(配列番号1)
リバースプライマーGCGTCTTCGATTGCTTCACC(配列番号2);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(10):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーATTTAAAGGATGAACTACCTG(配列番号20)
【0039】
・プライマー対(1)及び(11)からなるプライマーセット(R)
orf466遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(1):
フォワードプライマーGGGGACCCCAAACAGAAAGA(配列番号1)
リバースプライマーGCGTCTTCGATTGCTTCACC(配列番号2);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(11):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーTGCCATACCCGATGCAACTAC(配列番号22)
【0040】
・プライマー対(2)及び(10)からなるプライマーセット(S)
orf1410遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(2):
フォワードプライマーCGTGGTCAAAAATAAACCGCA(配列番号3)
リバースプライマーTCACCGTTATGGTCGCTTGA(配列番号4);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(10):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーATTTAAAGGATGAACTACCTG(配列番号20)
【0041】
・プライマー対(2)及び(11)からなるプライマーセット(T)
orf1410遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(2):
フォワードプライマーCGTGGTCAAAAATAAACCGCA(配列番号3)
リバースプライマーTCACCGTTATGGTCGCTTGA(配列番号4);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(11):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーTGCCATACCCGATGCAACTAC(配列番号22)
【0042】
・プライマー対(3)及び(10)からなるプライマーセット(U)
orf1410遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(3):
フォワードプライマーAAAAATAAACCGCAATCTTATCGT(配列番号5)
リバースプライマーATCACCGTTATGGTCGCTTG(配列番号6);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(10):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーATTTAAAGGATGAACTACCTG(配列番号20)
【0043】
・プライマー対(3)及び(11)からなるプライマーセット(V)
orf1410遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(3):
フォワードプライマーAAAAATAAACCGCAATCTTATCGT(配列番号5)
リバースプライマーATCACCGTTATGGTCGCTTG(配列番号6);
orf1440遺伝子配列の一部を増幅するためのプライマー対(11):
フォワードプライマーGTAAAACGACGGCCAGTATGTCAGCAAT(配列番号19)
リバースプライマーTGCCATACCCGATGCAACTAC(配列番号22)
【0044】
<(i)プライマーセット(A)〜(P)>
プライマー対(4)によって増幅されるL.acidophilus L−92のorf1405遺伝子領域の配列は配列番号26に示され、プライマー対(5)によって増幅されるL.acidophilus L−92のorf1405遺伝子領域の配列は配列番号27に示され、プライマー対(6)によって増幅されるL.acidophilus L−92のorf174遺伝子領域の配列は配列番号28に示され、プライマー対(7)によって増幅されるL.acidophilus L−92のorf174遺伝子領域の配列は配列番号29に示され、プライマー対(8)によって増幅されるL.acidophilus L−92のorf1529遺伝子遺伝子領域の配列は配列番号30に示され、プライマー対(9)によって増幅されるL.acidophilus L−92のorf1529遺伝子領域の配列は配列番号31に示される(いずれもプライマー領域を含まない)。そして、プライマー対(10)によって増幅されるL.acidophilus L−92のorf1440遺伝子領域の配列は配列番号32に示され、プライマー対(11)によって増幅されるL.acidophilus L−92のorf1440遺伝子領域の配列は配列番号33に示される(配列番号32及び33については、いずれもリバースプライマー領域のみを含まない)。
また、後述する方法によって、プライマー対(4)又は(5)によって増幅されるorf1405遺伝子配列と、プライマー対(6)又は(7)によって増幅されるorf174遺伝子配列と、プライマー対(8)又は(9)によって増幅されるorf1529遺伝子配列と、プライマー対(10)又は(11)によって増幅されるorf1440遺伝子配列との組み合わせでBLAST解析することが好ましい。
orf1405遺伝子配列に関しては、配列同一性が高かった上位6個までの菌種はL.acidophilus種のDSM 20079株やNCFM株などの各種菌株であり、その配列同一性は99−100%であり、それ以外に高い配列同一性のある菌種、菌株は確認されなかった。orf174遺伝子配列に関しては、配列同一性が高かった上位6個までの菌種はL.acidophilus種のDSM 20079株やNCFM株などの各種菌株であり、その配列同一性は99−100%であり、それ以外に高い配列同一性のある菌種、菌株は確認されなかった。orf1529遺伝子配列に関しては、配列同一性が高かった上位6個までの菌種はL.acidophilus種のDSM 20079株やNCFM株などの各種菌株であり、その配列同一性は99−100%であり、それ以外にL.crispatus種が確認できるが、その配列同一性は98%程度である。orf1440遺伝子配列に関しては、配列同一性が高かった上位6個までの菌種はL.acidophilus DSM 20079株やNCFM株などの各種菌株であり、その配列同一性は99−100%であり、それ以外にL.amylvorus、L.gasseri、L.paragasseriなどが上位に確認できるが、その配列同一性は83−87%程度である。
以上から、プライマー対(4)又は(5)によって増幅されるorf1405遺伝子配列と、プライマー対(6)又は(7)によって増幅されるorf174遺伝子配列と、プライマー対(8)又は(9)によって増幅されるorf1529遺伝子配列と、プライマー対(10)又は(11)によって増幅されるorf1440遺伝子配列との組み合わせでBLAST解析した場合において、GeneBankに登録されたL.acidophilus種の6種類のいずれの菌株の配列とも上記いずれかのプライマーセットで得られたPCR産物の配列は、99〜100%の配列同一性を有するが、L.acidophilus種以外のラクトバチルス属微生物の配列とは83〜98%程度の配列同一性しか有さない。
【0045】
L.acidophilus L−92株を特異的に検出するためには、プライマー対(4)と(6)と(8)と(10)とからなるプライマーセット(A)を使用することが特に好ましい。
【0046】
たとえば、試料に対してプライマーセット(A)を用いてRT−PCRを行い、プライマー対(4)によって増幅された領域の配列(プライマー配列を除く)が配列番号26の配列と同一であり、かつ、プライマー対(6)によって増幅された領域の配列(プライマー配列を除く)が配列番号28の配列と同一であり、プライマー対(8)によって増幅された領域の配列(プライマー配列を除く)が配列番号30と同一であり、プライマー対(10)によって増幅された領域の配列(リバースプライマー配列のみを除く)が配列番号32と同一である場合に、前記試料中の乳酸菌がL.acidophilus L−92株であると決定することができる。また、例えばプライマー対(4)によって増幅される領域(プライマー配列を除く)の配列の下流にプライマー対(6)によって増幅される領域の配列(プライマー配列を除く)を結合し、さらにその下流にプライマー対(8)によって増幅される領域の配列(プライマー配列を除く)とプライマー対(10)によって増幅される領域の配列(リバースプライマー配列のみを除く)とを結合させた融合配列を用いて同一性を決定してもよい。
【0047】
プライマーセット(B)〜(P)を用いた場合にも、上記プライマーセット(A)を用いる場合と同様に操作することで、前記試料中の乳酸菌がL.acidophilus L−92株であると決定することができる。
なお、PCRにおいては、プライマー対ごとに別個の容器内で行われることが好ましい。
【0048】
例えば、GeneBankに登録の下記表2のAccession No.配列をダウンロードし、L.acidophilus種の各菌株において上記プライマーセットで増幅されうる領域の遺伝子配列の長さを合わせて、本発明に使用されるプライマー対(4)〜(11)で増幅される領域の遺伝子配列の長さを調整し得る。
【0049】
また、例えば、GeneBankに登録の下記表2のAccession No.配列をダウンロードし、L.acidophilus種の各菌株において上記プライマーセット(A)〜(P)のいずれかで増幅されうる領域の遺伝子配列の長さを合わせて、長さを合わせたそれぞれの菌株ごとのorf1405遺伝子配列の後ろにorf174遺伝子配列を繋げ、さらにその後ろにorf1529遺伝子配列及びorf1440遺伝子配列を繋げ、それぞれの菌株ごとに一つの遺伝子配列に加工して比較用配列データを作成し、MEGA等の配列解析ソフトを使用して系統樹解析を行い、系統樹を作成することが可能である(図2参照)。L.acidophilus種の各種菌株の配列については、以下のアクセッション番号から取得できる。本系統樹解析により、L.acidophilus種の各種菌株のいずれかであるか同定することが可能であることが示される。
【0050】
【表2】
【0051】
<(ii)プライマーセット(Q)〜(V)>
試料に対して、プライマーセット(Q)〜(V)のいずれかを用いてRT−PCRを行ない、含まれる菌体がL.acidophilus種であるか、及びその中の菌株がL.acidophilus L−92であるかを特異的に検出することができる。
【0052】
プライマー対(1)によって増幅されるL.acidophilus L−92のorf466遺伝子領域の配列は配列番号23に示され、プライマー対(2)によって増幅されるL.acidophilus L−92のorf1410遺伝子領域の配列は配列番号24に示され、プライマー対(3)によって増幅されるL.acidophilus L−92のorf1410遺伝子領域の配列は配列番号25に示される(いずれもプライマー領域を含まない)。そして、プライマー対(10)によって増幅されるL.acidophilus L−92のorf1440遺伝子領域の配列は配列番号32に示され、プライマー対(11)によって増幅されるL.acidophilus L−92のorf1440遺伝子領域の配列は配列番号33に示される(配列番号32と33については、リバースプライマー領域のみを含まない)。
また、後述する方法によって、プライマー対(1)によって増幅されるorf466遺伝子配列、又はプライマー対(2)又は(3)によって増幅されるorf1410遺伝子配列と、プライマー対(10)又は(11)によって増幅されるorf1440遺伝子配列との組み合わせでBLAST解析することが好ましい。
【0053】
たとえば、試料に対してプライマーセット(Q)を用いてRT−PCRを行い、プライマー対(1)によって増幅された領域の配列(プライマー配列を除く)が配列番号23の配列と同一であり、かつ、プライマー対(10)によって増幅された領域の配列(リバースプライマー配列のみを除く)が配列番号32の配列と同一である場合に、前記試料中の乳酸菌がL.acidophilus L−92株であると決定することができる。
ここで、増幅された領域の配列についてのBLAST解析の結果、プライマー対(1)によって得られたorf466遺伝子配列と配列同一性が高かった上位6個までの菌種はL.acidophilus種であり、その配列同一性は99−100%である。またそれ以外にL.crispatus種が確認できたが、その配列同一性は85%程度である。以上のことから解析配列はL.acidophilus種の遺伝子であるとの判別が可能である。
【0054】
また、増幅された領域の配列についてのBLAST解析の結果、プライマー対(10)によって得られたorf1440遺伝子配列と配列同一性が高かった上位6個までの菌種はすべてL.acidophilus種であり、その配列同一性は99−100%である。以上のことから解析配列はL.acidophilus種の遺伝子であるとの判別が可能である。
【0055】
プライマーセット(R)〜(V)を用いた場合にも、上記プライマーセット(Q)を用いる場合と同様に操作することで、前記試料中の乳酸菌がL.acidophilus L−92株であると決定することができる。
なお、PCRにおいては、プライマー対ごとに別個の容器内で行われることが好ましい。
【0056】
本発明の別の態様において、各プライマーセット中の1組のプライマー対によって増幅された領域の配列の下流に同じプライマーセット中の他の組のプライマー対によって増幅された領域の配列を結合して融合遺伝子配列をin silicoで作成し、この配列を検出標的菌種または菌株について同じプライマー対を用いて同様に作成した融合遺伝子配列と比較することができる。融合遺伝子配列を作成する場合、プライマー配列は共通しているので、プライマー配列を除くことが好ましい。
たとえば、L.acidophilus L−92株を検出標的菌株として上記プライマー対(1)を使用して増幅された配列において他の配列と比較するために長さを調整した配列の下流に上記プライマー対(10)を使用して増幅された配列において他の配列と比較するために長さを調整した配列をin silicoで結合して作成した融合遺伝子配列を用いて、例えばNeibourhood Joining MethodでMEGA6等配列解析ソフトを使用して系統樹解析を行うことも可能である。L.acidophilusの各菌株についてプライマー対(1)及び(10)で増幅される配列作成した系統樹を図2に示す。図2に示す系統樹からも分かるように、L−92株は上記GeneBank登録の菌株とは配列が異なり、L−92株であることを確認できる。当該菌株であることが確認できる。
また、図5に示されるように、各菌株のプライマー対(1)及び(11)によって増幅される領域の配列において、L−92株とそれ以外の株との間で異なる塩基部分が存在することから、プライマー対(1)及び(11)で増幅される配列からもL−92株であることを確認できることが示される。なお、配列番号23は、L.acidophilus L−92株におけるプライマー対(1)によって増幅される領域(プライマー配列の領域を除く)であり、配列番号34〜38はそれぞれ、L.acidophilus FSI4、L.acidophilus LA1、L.acidophilus ATCC 53544、L.acidophilus La−14及びL.acidophilus NCFMにおけるプライマー対(1)によって増幅される領域(プライマー配列の領域を除く)である。また、配列番号33は、L.acidophilus L−92株におけるプライマー対(11)によって増幅される領域(リバースプライマー配列の領域を除く)であり、配列番号39〜43はそれぞれ、L.acidophilus FSI4、L.acidophilus LA1、L.acidophilus ATCC 53544、L.acidophilus La−14及びL.acidophilus NCFMにおけるプライマー対(11)によって増幅される領域(リバースプライマー配列の領域を除く)である。
【0057】
上記プライマー対(1)及び(10)からなるプライマーセット(Q)によると、試料に含まれる菌体がL.acidophilus L−92株であるか否か明確に検出することができるため、当該プライマーセットからなるキットも本発明に含まれる。プライマー対(1)及び(10)で増幅される領域は100〜200bpと大変小さく、試料中に多く残存している可能性が高いRNA部分をターゲットとしているため、高い確率でRT−PCRを成功させることができる。また、L.acidophilusの菌株間の比較において、L−92株に特異的な領域をターゲットとしているため、明確にL.acidophilus L−92株が試料に含まれているか否かを判別することができる。またその他、上記プライマーセット(R)〜(V)のいずれかなるキットについても同様に本発明に含まれる。
【0058】
本発明によって特異的に検出することができるL.acidophilus L−92株は、平成6年(1994年)3月3日に、通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所(住所:日本国茨城県つくば市東1丁目1番3号(郵便番号305))に国内寄託されて、寄託番号:微工研菌寄第P−14205号が付与され、その後、平成7年(1995年)1月25日に、同機関にて国際寄託に移管されて、受託番号FERM BP−4981が付与された。この寄託菌株は、現在、独立行政法人製品評価技術基盤機構のNITE特許生物寄託センター(NITE−IPOD)(日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8 120号室(郵便番号292−0818)にて保管されている。
【0059】
本発明の方法において、RT−PCRは当業者によく知られた方法に従って行うことができる。すなわち、試料から常法にしたがってRNAを抽出し、常法に従ってオリゴdTプライマーなどを用いてRNAを鋳型としてcDNAを合成し、上記プライマーセットのいずれかを用いて常法にしたがってPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)を行うことができる。PCRの条件はプライマーのTm値、増幅される領域の長さ、配列等から導かれる標準的な条件を利用することができる。プライマーセットに含まれる2組のプライマー対(各プライマー対はフォワードプライマーおよびリバースプライマーからなる)によるPCRは同一の容器中で行うこともできるが、増幅産物を個別にシーケンシングする必要があるのでプライマー対ごとにそれぞれ別個の容器でPCRを行うのが好ましい。得られた増幅産物を電気泳動にかけ、予想される長さの断片が増幅されていることを確認し、そのDNA断片をゲルから常法に従って抽出し、当分野でよく知られた方法によってシーケンシングする。
RNAの抽出、cDNA合成、PCR、ゲルからのDNA断片の抽出、シーケンシング等を行うための種々の方法、試薬、キットおよびこれらの操作に必要な装置等も当業者にはよく知られており、商業的に容易に入手することもできる。
【0060】
得られた増幅産物の配列とL.acidophilus種またはL.acidophilus L−92株由来の配列(たとえばorf配列)との比較は目視で行うこともできるが配列比較のための各種アルゴリズムやプログラムは商業的に入手可能であり、BLASTNなどのツールもNCBI、EMBLおよびDDBJセンターから提供されており広く公衆に利用可能である。このようなアルゴリズムやプログラムを利用する場合、上述の融合遺伝子配列を比較すれば1回の解析で配列同一性を決定することができるので有利であろう。
またL.acidophilus種またはL.acidophilus L−92株が他の乳酸菌種またはL.acidophilus種の他の株と異なることをより理解しやすくするため、作成した融合遺伝子配列を用いて系統樹を作成することができる。系統樹作成のためのアルゴリズムや具体的なプログラムは当業者にはよく知られており、商業的あるいは公共的に利用可能である。たとえば、MEGAなどのフリーソフトウエアや、NCBI、EMBLおよびDDBJセンターから提供されているアラインメントおよび系統樹作成用のClustalWなどが利用可能である。
【0061】
試料中の乳酸菌が殺菌処理等により本質的に死滅していると考えられる場合、特に殺菌処理および/または長期保存(例えば、4℃〜35℃にて、1ヶ月以上または3ヶ月以上、好ましくは3ヶ月〜6ヶ月、特に好ましくは3ヶ月〜12ヶ月、またはこれらと同等な条件下(例えば加速試験条件下)における保存)により試料中の乳酸菌が死滅し、かつ乳酸菌由来の核酸が相当程度損傷(分解等)していると考えられる場合においても、本発明によればL.acidophilus種またはL.acidophilus L−92株を特異的に検出することができる。本発明は試料が飲料や食品の場合、一般に製造から消費期限までの期間、製造から賞味期限までの期間、またはこれらを超える期間保存されていた場合でもL.acidophilus種またはL.acidophilus L−92株を特異的に検出することができる。
【0062】
本発明によってL.acidophilus L−92株と区別され得る他の乳酸菌およびL.acidophilus種の他の株には、たとえば以下の乳酸菌が含まれるが、これらに限定されない:
L.acidophilus(ATCC314、ATCC4356、ATCC9224、ATCC53544、ATCC4357);
L.amylovorus(ATCC33620、ATCC33621、LMG18188、ATCC33622、ATCC53671、LMG18192、LMG18179、LMG18190、ATCC33198、LMG18180、LMG18186);
L.crispatus(ATCC53545、ATCC55221、JCM5810、LMG11415、LMG17753、ATCC33820、LMG11440、LMG18187、LMG12003、LMG12005、LMG18189);
L.gallinarum(LMG14751、LMG18181、ATCC53673、LMG14752、LMG14753、LMG14754、LMG14755、ATCC33199);
L.acidophilus(ATCC4963、ATCC19992、LMG11413、ATCC29601、ATCC9857、ATCC4962、ATCC33323、LMG10771、LMG18176);
L.johnsonii(LMG18175、LMG18184、LMG18193、NCC533、ATCC332、ATCC33200、LMG18204、LMG18195)。
【0063】
本発明をより理解しやすくすることを目的として本発明の具体的態様を記載する。
【実施例】
【0064】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらより何ら限定されるものではなく、また、本発明の範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えてもよい。
以下の実施例及び比較例では、以下の実験手順によってシークエンスサンプルを得た。
【0065】
<実験手順>
1.集菌とサンプルの洗浄
試料としてのサンプル飲料が入ったペットボトルを開栓前に上下に数回反転させてよく混合し、沈殿物がペットボトルの下部に残っていないことを確認した。次に、ペットボトルを開栓し、サンプル飲料液10mLを15mL容滅菌ディスポプラスティックチューブに採取し、6000rpm(4830×g)にて10分間遠心分離した。遠心分離したサンプル飲料の上澄みを廃棄したのち、10mLの滅菌水をチューブに入れて再懸濁させた。再懸濁液を6000rpm(4830×g)にて10分間遠心分離し、上澄みを廃棄した。沈殿物における下側には必要な菌体、上側には乳タンパク等の夾雑物があるため、滅菌水5mLを添加して菌のペレットを崩さないように上部の乳タンパク等の夾雑物のみを軽く懸濁して上澄みを廃棄し、この洗浄作業を2回繰り返した。菌の沈殿を滅菌水1mLに再懸濁し、滅菌済の1.5mLチューブに採取した。そして、菌の沈殿物の再懸濁液を14,000rpm(19,000×g)にて2分間遠心分離し、滅菌水1mLを添加してペレット上部を洗浄してRNA抽出用のサンプルとした。
【0066】
2.RNA抽出
上記1で得られたRNA抽出用のサンプルを350μlのLysis Buffer(LBP)に懸濁しよく溶解した。そして、キットのDNA除去用カラムを用いてDNAを除去した。Nucleospin RNA plusキットのマニュアルに従い、RNA抽出を行い、RNA溶液を得た。
【0067】
3.RT−PCRによる目的遺伝子領域の増幅
上記2で調製したRNA溶液から、PrimeScriptTM One Step RT−PCR Kit Ver.2を使用して目的遺伝子領域を増幅した。
各実施例で使用する各プライマーセットに含まれるそれぞれのプライマーの10pmol/μlの溶液を調整した。各プライマーは必要な配列をユーロフィンジェノミクス社のPCReadyプライマーにて合成依頼(50pmol/l)したものを使用し、DNase及びRNaseフリーの滅菌水にて、5倍に希釈した。
【0068】
PrimeScriptTM One Step RT−PCR Kit Ver.2を用いて、下記反応組成通りに溶液を調製し、PCR用の200μl容チューブに下記組成を入れてよく混合した。当該キットのプロトコルではPCR反応液組成は総量50μlとするように指定されていたが、反応液中のTemplate濃度を上げるために総量25μlとし、Template RNAの量を4μlとした。プライマー及びTemplate RNA(上記2にて調製したRNA溶液)以外はキットに付属したものを使用した。
【0069】
PrimeScript 1 step Enzyme Mix 1μl
2× 1 step Buffer 12.5μl
Forwaord Primer(10 μM) 1μl
Reverse Primer(10 μM) 1μl
Template RNA (上記2にて調整のRNA溶液) 4μl
RNase Free dH2O Balance
総量25μl
上記組成で増幅産物が確認されない場合は、Template RNAの量を8μlに増量し、再度RT−PCRを実施した。
【0070】
サーマルサイクラーC1000Touch Thermal Cyclerにセットして、以下のように動かした。
STEP1:50℃、30分、
STEP2:95℃、2分、
STEP3:95℃、30秒、
STEP4:55℃、30秒、
STEP5:72℃、30秒
の条件でSTEP3−5を計40サイクルとして、RT−PCR反応を実施した。得られたサンプルについて、定法に従いアガロースゲルにて電気泳動を実施し、目的のバンドを確認した。
【0071】
4−1.目的バンドのみがきれいに増幅されている場合
(1)反応液5μlを新品の200μl容PCRチューブ採取し、ExoSAP−ITTM PCR Product Cleanup Reagentを2μl添加してマイクロピペッターでよく混合した。
(2)サーマルサイクラーで50℃15分→85℃15分のインキュベーションを行い、PCR産物を精製した。
【0072】
4−2.目的バンド以外に100bp前後のPrimer dimerやその他の増幅産物が確認される場合
電気泳動後にNucleospin Gel and PCR Clean upを用いて精製した。
(1)定法に従いアガロースゲルにて電気泳動を実施し、目的のバンドを確認後、アガロースゲルから目的バンドの部分を切り出し、滅菌済み1.5mlチューブに採取した。
(2)NTI溶液200μlを添加し、50℃で5−10分程度インキュベートする。インキュベート中2−3分おきにVortexにてよく混合しゲルを完全に溶解させた。
(3)Necleospin Gel and PCR Clean−up Columnを付属の2mlのコレクションチューブにセットし(2)で溶解したサンプル液全量をカラムの上に供し、11,000×gで30秒間遠心を行った。ろ液を廃棄し、再度コレクションチューブにセットした。
(4)700mlのNT3溶液をカラムに供し11,000×gで30秒間遠心を行った。ろ液を廃棄し、再度コレクションチューブにセットする。この工程をもう1回繰り返した。
(5)11,000×gで1分間遠心を行い、カラムに残ったNT#溶液を除去した。
(6)新しい滅菌済みの1.5mlチューブにカラムをセットし、NE溶液を15μl添加し、室温で1分間静置した。
(7)11,000×gで1分間遠心を行い、カラムを廃棄し、シーケンス用の精製PCR産物とした。
【0073】
5.シーケンスサンプルの調製
Bigdye Terminator v1.1 Cycle Sequensing Kit、精製したPCR産物、並びに、各菌株用のプライマーセットのプライマー対のフォワード及びリバースプライマー両方を用いてシーケンス反応を実施した。
(1)上記3にてPCRに使用したプライマー対のフォワード及びリバースプライマー10pmol/μl溶液を、8μlを滅菌済み1.5mlチューブに採取し、92μlの滅菌水を用いて希釈し、0.8pmol/μlの溶液とした。
(2)Bigdye Terminator v1.1 Cycle Sequensing Kit付属の溶液と4−1又は4−2で得られたPCR産物、プライマー溶液、滅菌水を用いて、下記の通りの組成のシーケンス反応用の液を200μl容PCRチューブに調製した。一つのPCR産物あたりフォワード解析用とリバース解析用の2サンプルを用意した。
ただしプライマー対(10)又は(11)によって増幅されたPCR産物に関しては、フォワード解析用プライマーに配列番号21で示される以下のプライマーを用いた。
GTAAAACGACGGCCAGT(配列番号21)
【0074】
フォワード解析サンプル
精製PCR産物 2μl
Negative Control Water(滅菌水) 8μl
5×Sequencing Buffer 2μl
Sequencing RR−100 4μl
Forwardプライマー(0.8pmol/μl) 4μl
20μl
リバース解析サンプル
精製PCR産物 2μl
Negative Control Water(滅菌水) 8μl
5×Sequencing Buffer 2μl
Sequencing RR−100 4μl
Reverseプライマー(0.8pmol/μl) 4μl
20μl
(3)サーマルサイクラーにセットして、
96℃、10秒、
50℃、5秒、
60℃、4分の条件で計25サイクル反応を実施した。
【0075】
6.シーケンスサンプルの精製
(1)サンプル数の分の新しい滅菌済みの1.5mLチューブ、及びBigdye XTerminator Purification Kitを用意した。
(2)SAM溶液90μlとXterminator溶液20μlをチューブに採取し、上記シーケンス反応産物20μlを添加した。
(3)チューブシェーカーにセットし、攪拌スピードを最大値にセットし30分間攪拌した。
(4)750×gにて2分間遠心を行い、上澄み20μlをサンプルとして、HiDi Formamidを20μlと混合しDNAシーケンサに供し、配列の解析を行った。
【0076】
7.配列の解析と配列同一性及び菌種判別
(1)得られたそれぞれの配列フォワード、リバースの配列をMEGA(フリーソフトウエア)の配列解析ソフトを用いて、コンセンサスシーケンスを得た。
(2)得られた配列をNCBIホームページのBLASTN(https://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi?PROGRAM=blastn&PAGE_TYPE=BlastSearch&LINK_LOC=blasthome)にて既存のDNAデータと配列同一性の確認を行った。
(3)データベースにNucleotide Collection(nr/nt)を選択し、検索対象の制限を設定せずに配列同一性を確認した。
【0077】
8.配列の解析と配列同一性及び系統樹解析による菌株判別
(1)GeneBankに登録の上記表2に示されるAccession No.配列をダウンロードし、解析した遺伝子とそれぞれの遺伝子の配列比較し、今回解析した遺伝子の配列と長さを合わせるために前後の余分な部分を削除した。
(2)長さをそろえた遺伝子の配列を用いて、それぞれの菌株の増幅したそれぞれのorf遺伝子をそれぞれの菌株ごとに対応するように繋げ、それぞれの菌株ごとに一つの遺伝子配列に加工した。
(3)加工して作成した遺伝子配列に関して、MEGA等の配列解析ソフトを使用して系統樹解析を行い、系統樹を作成した。系統樹解析の結果L−92株は上記GeneBank登録のすべての菌株とは配列が異なることが判明した。図1及び図2の系統樹は上述したとおりである。
【0078】
[実施例1]
試料であるサンプル飲料として、25℃で6カ月間保存したペットボトル入りL92飲料製品(カルピス社製)を使用した。この試料に対し、プライマー対(1)〜(11)のそれぞれについて、別個の容器においてPCRを行い、得られた11種類のPCR産物に対して、定法に従いアガロースゲルにて電気泳動を実施した。また、培養したL−92菌体のRNAを利用してプライマー対(1)〜(11)を用いて得られたPCR産物に対しても同様の操作を行った(ポジティブコントロール)。その結果を図3に示す。図3中の各レーンは、以下の表3−1及び表3−2のように対応する。
【0079】
【表3-1】
【0080】
【表3-2】
【0081】
[実施例2]
実施例1で得られた各PCR産物を用いてシークエンスサンプルを作製し、塩基配列のシークエンス解析及びBLAST解析を行った。
そして、記プライマー対(1)によって増幅された領域の配列(プライマー配列を除く)と配列番号23の配列とが同一であり、前記プライマー対(2)によって増幅された領域の配列(プライマー配列を除く)と配列番号24の配列とが同一であり、前記プライマー対(3)によって増幅された領域の配列(プライマー配列を除く)と配列番号25の配列とが同一であり、前記プライマー対(4)によって増幅された領域の配列(プライマー配列を除く)と配列番号26の配列とが同一であり、前記プライマー対(5)によって増幅された領域の配列(プライマー配列を除く)と配列番号27の配列とが同一であり、前記プライマー対(6)によって増幅された領域の配列(プライマー配列を除く)と配列番号28の配列とが同一であり、前記プライマー対(7)によって増幅された領域の配列(プライマー配列を除く)と配列番号29の配列とが同一であり、前記プライマー対(8)によって増幅された領域の配列(プライマー配列を除く)と配列番号30の配列とが同一であり、前記プライマー対(9)によって増幅された領域の配列(プライマー配列を除く)と配列番号31の配列とが同一であり、前記プライマー対(10)によって増幅された領域の配列(リバースプライマー配列のみを除く)と配列番号32の配列とが同一であり、前記プライマー対(11)によって増幅された領域の配列(リバースプライマー配列のみを除く)と配列番号33の配列とが同一であることを確認した。
実施例1のサンプルの含まれる当該の配列を持つ菌種はL.acidophilus種である可能性が極めて高いことが明らかになった。
【0082】
[実施例3]
<系統樹の作成>
L.acidophilus L−92株についてプライマー対(4)によるPCR産物の塩基配列、プライマー対(6)によるPCR産物の塩基配列、プライマー対(8)によるPCR産物の塩基配列、プライマー対(10)によるPCR産物の塩基配列をつなぎ合わせて、in silicoで接続して融合遺伝子配列を作成した。また同様に、GeneBankに登録の表2のAccession No.配列をダウンロードし、L.acidophilusの各菌株において上記プライマーセットで増幅されうる領域の遺伝子配列の長さを合わせて、それぞれの菌株ごとの各塩基配列をin silicoで接続して融合遺伝子配列を作成した。そして、それぞれの菌株ごとに一つの遺伝子配列に加工して比較用配列データを作成し、MEGA6配列解析ソフトを使用して系統樹解析を行い、系統樹を作成した。結果を図1に示す。図1からも分かるように本試験で解析した実施例1のサンプルから得られたDNA配列はL.acidophilus L−92株のDNA由来の配列と100%一致し、L.acidophilus種のその他の株を含む菌株とは配列が異なることが分かり、サンプルに含まれる菌株はL.acidophilus L−92株であることが分かった。
【0083】
[実施例4]
試料であるサンプル飲料として、25℃で6カ月間保存したペットボトル入りL92飲料製品(アサヒ飲料株式会社製)を使用した。この試料に対し、プライマー対(1)及び(10)のそれぞれについて、別個の容器においてPCRを行い、得られた2種類のPCR産物に対して、定法に従いアガロースゲルにて電気泳動を実施した。また、培養したL−92菌体のRNAを利用してプライマー対(1)及び(10)を用いて得られたPCR産物に対しても同様の操作を行った(ポジティブコントロール)。なお、本実験はn=2で試験を実施された。その結果を図4に示す。図4中の各レーンは、以下の表4−1及び表4−2のように対応する。
【0084】
【表4-1】
【0085】
【表4-2】
【0086】
なお、L−92飲料製品からは、培養菌体よりも多くのRNAを抽出することができた。参考までに、そのRNA量について表5に示す。
【0087】
【表5】
【0088】
得られたPCT産物について、増幅される鎖長はorf466遺伝子配列増幅用のプライマー対(1)で161bpであり、orf1440遺伝子配列増幅用のプライマー対(10)で144bpであった。
以上の結果から、プライマー対(1)及び(10)によって得られるDNA配列は、比較的短いため、25℃で長期間保存した後のサンプルであっても、PCR産物が得られることが分かった。
【0089】
[実施例5]
実施例4で得られた各PCR産物を用いてシークエンスサンプルを作製し、塩基配列のシークエンス解析及びBLAST解析を行った。
<orf466遺伝子>
配列同一性が高かった上位6個までの菌種はL.acidophilusであり、その配列同一性が確認できた配列は解析した配列は150bp程度であり、その配列同一性は99−100%であった。またそれ以外にL.crispatusが確認できたが、その配列同一性は85%程度であった。以上のことから解析配列はL.acidophilus種の遺伝子であると考えられた。
<orf1440遺伝子>
配列同一性が高かった上位6個までの菌種はすべてL.acidophilusであり、配列同一性が確認できたのは106bpであった。その配列同一性は99−100%でであった。以上のことから解析配列はL. acidophilus種の遺伝子であると考えられた。以上の結果、当該の配列を持つ菌株はL.acidophilus種であると考えられた。
以上の結果から、サンプルに含まれる当該の配列を持つ菌種はL.acidophilus種である可能性が極めて高いことが明らかになった。
【0090】
[実施例6]
<系統樹の作成>
L.acidophilus L−92株について実施例4で使用したプライマー対(1)を用いて増幅したorf466遺伝子配列の下流にプライマー対(10)を用いて増幅したorf1440遺伝子配列をin silicoで接続して融合遺伝子配列を作成した。また、同様に、GenBankに登録されているL.acidophilus種の株を含む5株のそれぞれについても同様に、プライマー対(1)を用いて増幅したorf466遺伝子配列の下流にプライマー対(10)を用いて増幅したorf1440遺伝子配列をin silicoで接続して融合遺伝子配列を作成した。作成した融合遺伝子配列群を用いて、MEGA6によりNeiberhood−joining法にて系統樹を作成した。結果を図2に示す。図2からも分かるように本試験で解析したサンプルから得られたDNA配列はL.acidophilus L−92株のDNA由来の配列と100%一致し、L.acidophilus種の他の5株とは配列が異なることが分かり、サンプルに含まれる菌株はL.acidophilus L−92株であることが明らかになった。
図1
図2
図3
図4
図5
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]