(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも2つの電気的に接続された太陽電池セルを含む太陽電池モジュールを製造する方法であって、前記太陽電池セルそれぞれは、ダウンウェブ方向(X)及びクロスウェブ方向(Y)を有する基板上に配置されている多層構造である方法において、
以下のステップ:
・a)第1の導電性材料の複数の離間した第1の電極ストリップ(8i、8i+1、12i、12i+1)を、前記基板(6)の上に供給するステップであって、前記第1の電極ストリップそれぞれは、前記クロスウェブ方向(Y)に沿って延在し、第1の導電性材料の層(10)を形成しているステップ(100)と、
・b)前記第1の導電性材料の層(10)の上に、前記ダウンウェブ方向(X)に沿って延在する絶縁体材料の複数の絶縁ストリップ(14a、14b)を供給するステップであって、前記絶縁ストリップ(14a、14b)それぞれは、接続領域(16a、16b)及び活性領域(18)を決定しているステップ(110)と、
・c)ウェブ全体がコーティングされた、光活性半導体材料の層を含む機能スタック(20)を、前記第1の導電性材料の層(10)の上及び前記活性領域(18)内に供給するステップ(120)と、
・d)第2の導電性材料の複数の離間した第2の電極ストリップ(28i、28i+1)を、前記機能スタック(20)の上及び前記活性領域(18)内に供給するステップであって、前記第2の電極ストリップ(28i、28i+1)それぞれは、前記クロスウェブ方向(Y)に延在しており、前記第2の電極ストリップ(28i)それぞれは、対応する前記第1の電極ストリップ(8i)と、所定の位置合わせパターンに従って位置合わせされ、太陽電池セル(4i)を形成し、前記絶縁ストリップ(14a、14b)の上に延在する電気的接続パターン(32i)を提供することによって、少なくとも2つの隣接する太陽電池セル(4i、4i+1)を電気的に接続し、前記接続領域(16a、16b)内で、太陽電池セル(4i+1)の前記第2の電極ストリップ(28i+1)を、隣接する太陽電池セル(4i)の前記第1の電極ストリップ(8i)に電気的に接続するステップ(130a、130b、130)と、
を含むことを特徴とする方法。
前記第1の中間層(22)が導電層であり、前記第1の中間層(22)は、湿式法によって、前記第1の導電性材料の層(10)上に与えられる、請求項2に記載の方法。
前記第2の中間層(26)が正孔輸送層であり、前記第2の中間層(26)は、湿式法によって、前記光活性半導体材料の層(24)上に与えられる、請求項2又は3に記載の方法。
ウェブ全体がコーティングされた、前記光活性半導体材料の層(24)が、湿式法によって、前記第1の中間層(22)上に与えられる、請求項2から4のいずれか一項に記載の方法。
ステップb)が、2つの絶縁ストリップ(14a、14b)を供給するステップを含んでおり、前記絶縁ストリップそれぞれは、前記ダウンウェブ方向において、前記基板(6)の外側縁(6a、6b)から所定の距離(Da、Db)を有して延在しており、2つの境界接続領域(16a、16b)及び中央活性領域(18)を形成している、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
前記絶縁ストリップ(14a、14b)が、スロットダイコーティング、フレキソ印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷を含む湿式法によって、連続的に堆積されている、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
ステップd)において、前記第2の電極ストリップと前記電気的接続パターンとが、第2の導電性材料の同一の層の印刷及びパターニングによって得られ、前記印刷は、フレキソ印刷、回転スクリーン印刷、インクジェット印刷を含む湿式法によって実現する、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
ステップd)が、前記活性領域(18)上に、ウェブ全体がコーティングされた導電性材料の層を与えるステップ、及び、ウェブ全体がコーティングされた前記導電性材料の層上に、離間した金属グリッドのストリップを与えるステップ、を含んでいる、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
レーザーアブレーション又は機械的スクライビングを用いて、ウェブ全体がコーティングされた前記導電性材料の層及び前記第2の中間層(22)を通る絶縁線(34i)を形成するステップをさらに含んでいる、請求項4及び11に記載の方法。
少なくとも2つの電気的に接続された太陽電池セルを含む太陽電池モジュールであって、前記太陽電池セルそれぞれは、ダウンウェブ方向(X)及びクロスウェブ方向(Y)を有する基板上に堆積された多層構造である太陽電池モジュールにおいて、
・前記基板(6)上に配置された、第1の導電性材料の少なくとも2つの離間した第1の電極ストリップ(8i、8i+1、12i、12i+1)であって、前記第1の電極ストリップそれぞれが前記クロスウェブ方向(Y)に沿って延在し、第1の導電性材料の層(10)を形成している第1の電極ストリップ(8i、8i+1、12i、12i+1)と、
・前記第1の導電性材料の層(10)の上に配置された、前記ダウンウェブ方向(X)に沿って延在する絶縁体材料の複数の絶縁ストリップ(14a、14b)であって、前記絶縁ストリップ(14a、14b)それぞれが、接続領域(16a、16b)及び活性領域(18)を決定している絶縁ストリップ(14a、14b)と、
・前記第1の導電性材料の層(10)の上及び前記活性領域(18)内に配置された、ウェブ全体がコーティングされた光活性半導体材料の層を含む機能スタック(20)と、
・前記機能スタック(20)の上及び前記活性領域(18)内に配置された、第2の導電性材料の少なくとも2つの離間した第2の電極ストリップ(28i、28i+1)であって、前記第2の電極ストリップそれぞれが、前記クロスウェブ方向(Y)に延在し、前記第2の電極ストリップ(28i)それぞれが、対応する第1の電極ストリップ(8i)と、所定の位置合わせパターンに従って位置合わせされ、太陽電池セル(4i)を形成している第2の電極ストリップ(28i、28i+1)と、
・前記接続領域(16a、16b)内で、ある太陽電池セル(4i+1)の前記第2の電極ストリップ(28i+1)を、隣接する太陽電池セル(4i)の前記第1の電極ストリップ(8i)に電気的に接続するための、前記絶縁ストリップ(14a、14b)の上に延在する電気的接続パターン(32i)と、
を含んでいることを特徴とする太陽電池モジュール。
【背景技術】
【0002】
本発明は、太陽電池モジュールの製造の分野に属している。
【0003】
太陽電池セルは、光(光子)に曝露された際に、現象の起始部である光起電力効果を用いて、電気を発生させる電子部品である。得られた電流は、入射光パワーに関連している。太陽電池セルは、DC(直流)電圧を供給する。
【0004】
太陽電池セルのための光起電力効果は、半導体材料の特性を用いて得られる。
【0005】
「半導体」という表現は、絶縁体の電気特性を有しているが、電子が電流に資するであろう可能性が小さいとしても無視できない材料を意味している。言い換えると、半導体の導電性は、金属の導電性と絶縁体の導電性との中間である。
【0006】
本発明は、より具体的には、有機太陽電池セル及び有機太陽電池モジュールの分野に属する;このような有機太陽光発電分野は、しばしば「有機太陽光発電」の頭文字OPVで表される。
【0007】
有機太陽電池セルは、特に多層構造として形成された太陽電池セルであり、第1の導電性材料の第1の電極層又は底面電極と、少なくとも1つの活性層と、第2の導電性材料の第2の電極層又は上面電極と、を有しており、当該活性層は、光活性半導体材料を形成する有機分子又は有機ポリマーから形成されている。
【0008】
半導体は、半導体が、炭素原子と水素原子との間の共有結合、炭素原子と窒素原子との間の共有結合、又は、炭素原子と酸素原子との間のさらなる結合によって形成される基の一部である少なくとも1つの結合を含むと、有機であると見なされる。
【0009】
有機半導体材料は、禁制帯を有しており、禁制帯の幅は、電子を基底状態から励起状態に移行させるために、電子に供給されるべき最少エネルギーの限界を定めている。当該エネルギーは、例えば光エネルギーとして供給される。
【0010】
単独のOPVセルは、光に曝露されると、所定の電圧と所定の電流とを発生させる。
【0011】
太陽エネルギーで発生するDC電圧を増大させるために、複数の太陽電池セルを直列に、電気的に接続することが知られている。例えば、有機太陽電池モジュールは、複数の有機太陽電池セルを電気的に接続することによって形成されている。
【0012】
電気的に接続された有機太陽電池セルから成る有機太陽電池モジュールの製造は、非特許文献1に記載されているように、「ロールツーロール」(R2R)方式によって実現可能である。このような方法は、連続的かつ効率の良い製造を可能にする。なぜなら、基板が、長手方向に従って巻かれた数10メートル又は数100メートルの大きなロールとして提供され、層のコーティングが、基板を解く間に、ある程度連続的に基板に塗布されるからである。
【0013】
倒置構造として知られる有機太陽電池セルは、5層の多層構造として、ダウンウェブ方向又は長手方向、及び、クロスウェブ方向又は横方向を有するPET(ポリエチレンテレフタレート)基板上に形成される。当該層は、長手方向に従ったパターニング又はコーティングによって形成され、複数の実質的に平行な太陽電池セルが長手方向に沿って製造される。当該セルは所定の幅を有しており、横変位が適用され、セルの底面電極層が、後続のセルの上面電極層に長手方向において電気的に接続される。
【0014】
太陽電池セル間の電気的接続を得るために適用される横変位は、特許文献1にも開示されている。当該方法に従って電気的接続を実施するためには、横変位は極めて正確に行われる必要があり、それによって、製造プロセスは複雑になる。
【0015】
先行技術に含まれるその他の方法は、完璧な位置合わせの必要性を減少させるために、シャドウマスクのようなパターニング技術を用いることを提案している。しかしながら、このような方法は、R2R方式のような連続的な製造方法によって得られる、改善されたプロセスの利点を阻害する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、先行技術の欠点を取り除くことを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0019】
この目的のために、本発明は、第1の態様によると、少なくとも2つの電気的に接続された太陽電池セルを含む太陽電池モジュールの製造方法を提案しており、太陽電池セルそれぞれは、ダウンウェブ方向及びクロスウェブ方向を有する基板上に配置された多層構造である。
【0020】
当該方法は、以下のステップを含んでいる:
a)第1の導電性材料の複数の離間した第1の電極ストリップを、基板の上に供給するステップであって、第1の電極ストリップそれぞれは、クロスウェブ方向に沿って延在し、第1の導電性材料の層を形成しているステップと、
b)第1の導電性材料の層の上に、ダウンウェブ方向に沿って延在する絶縁体材料の少なくとも1つの絶縁ストリップを供給するステップであって、絶縁ストリップそれぞれは、接続領域及び活性領域を決定しているステップと、
c)ウェブ全体がコーティングされた光活性半導体材料の層を含む機能スタックを、第1の導電性材料の層の上及び活性領域内に供給するステップと、
d)第2の導電性材料の複数の離間した第2の電極ストリップを、機能スタックの上及び活性領域内に供給するステップであって、第2の電極ストリップそれぞれが、クロスウェブ方向に延在しており、第2の電極ストリップそれぞれが、対応する第1の電極ストリップと、所定の位置合わせパターンに従って位置合わせされ、太陽電池セルを形成しており、絶縁ストリップの上に延在する電気的接続パターンを提供することによって、少なくとも2つの隣接する太陽電池セルを電気的に接続し、接続領域内で、ある太陽電池セルの第2の電極ストリップを、隣接する太陽電池セルの第1の電極ストリップに電気的に接続するステップ。
【0021】
有利には、提案された太陽電池モジュール製造方法は、直列太陽電池セルの電気的接続を、連続的な製造プロセスの利点を維持しながら単純化している。
【0022】
有利には、任意の数の太陽電池セルを直列に、電気的に接続することが可能であり、それによって、利用に必要となる任意の出力電圧を発生させることが可能になる。
【0023】
本発明に係る方法は、従属請求項に記載の特徴を、個々に、又は、技術的に許容可能な組み合わせにおいてさらに含んでいる。
【0024】
別の態様によると、本発明は、少なくとも2つの電気的に接続された太陽電池セルを含む太陽電池モジュールに関するものであり、太陽電池セルそれぞれは、ダウンウェブ方向及びクロスウェブ方向を有する基板上に堆積された多層構造である。
【0025】
太陽電池モジュールは、
‐基板上に配置された、第1の導電性材料の少なくとも2つの離間した第1の電極ストリップであって、第1の電極ストリップそれぞれがクロスウェブ方向に沿って延在し、第1の導電性材料の層を形成している第1の電極ストリップと、
‐第1の導電性材料の層の上に配置された、ダウンウェブ方向に延在する絶縁体材料の少なくとも1つの絶縁ストリップであって、絶縁ストリップそれぞれが接続領域及び活性領域を決定している絶縁ストリップと、
‐第1の導電性材料の層の上及び活性領域内に配置された、ウェブ全体がコーティングされた光活性半導体材料の層を含む機能スタックと、
‐機能スタックの上及び活性領域内に配置された、第2の導電性材料の少なくとも2つの離間した第2の電極ストリップであって、第2の電極ストリップそれぞれがクロスウェブ方向に延在し、第2の電極ストリップそれぞれが、対応する第1の電極ストリップと、所定の位置合わせパターンに従って位置合わせされ、太陽電池セル(4
i)を形成している第2の電極ストリップと、
‐接続領域内で、太陽電池セルの第2の電極ストリップを、隣接する太陽電池セルの第1の電極ストリップに電気的に接続するための、絶縁ストリップの上に延在する電気的接続パターンと、
を含んでいる。
【0026】
一態様によると、第1の電極ストリップそれぞれは、波長可視光の光波に対して透過性である。
【0027】
一態様によると、第2の電極ストリップそれぞれは、波長可視光の光波に対して透過性である。
【0028】
本発明は、有利には、少なくとも2つの電気的に接続された有機太陽電池セルを含む有機太陽電池モジュールの製造に適用される。
【0029】
本発明は、詳細な説明及び以下に挙げた添付の図面を参照すると、より理解され得るであろう。これらの図面は、例示的なものに過ぎず、何ら限定するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下において、本発明を、有機太陽電池モジュールの製造に関して説明する。
【0032】
図1及び
図3から
図7に示された本発明の一態様によると、有機太陽電池モジュール2は、複数の有機太陽電池セル4
iから構成されている。
【0033】
太陽電池セル4それぞれは、基板6上の層によって形成されており、基板6は、好ましくはPET(ポリエチレンテレフタレート)タイプの材料又はPEN(ポリエチレンナフタレート)タイプの材料、金属ホイル又はフレキシブルガラスから形成された柔軟なシートである。
【0034】
有機太陽電池モジュールの製造プロセスは、ロールツーロールプロセスとして知られている、連続的なプロセスであり、有機太陽電池セルを形成する後続の層は、コーティング又は印刷によって、基板ロール上に堆積される。
【0035】
基板6のダウンウェブ方向又は長手方向は、X方向と表記され、基板のクロスウェブ方向又は横方向は、Y方向と表記される。
【0036】
基板6は、ダウンウェブ方向Xにおいて、第1の外側縁6aと、第2の外側縁6bとを有している。
【0037】
有機太陽電池セルを形成している多層は、Z方向と表記されている積層方向に従って、基板上に堆積される。
【0038】
図1は、有機太陽電池セル4
iを、(Y、Z)平面において概略的に示しており、
図3から
図7は、様々な後続の層を(X、Y)平面で示している。
【0039】
柔軟な基板6は、好ましくは50μmから500μmの間、好ましくは125μmである、所定の幅W及び厚さzを有している。
【0040】
図2は、本発明の一態様に従って適用される製造プロセスの主要ステップのフローチャートである。
【0041】
当該製造プロセスの第1のステップ100は、第1の導電性材料の複数であるN個の離間した第1の電極ストリップを、基板6上に供給することにあり、第1の電極ストリップ8
iそれぞれは、クロスウェブ方向に沿って延在しており、第1の導電性材料の層10を形成している。
【0042】
図3から
図7には、N=8の第1の電極ストリップ8
1、8
2、…、8
i+1が図示されている。第1の電極ストリップ8
nのNは、任意の数であって良いと理解されている。
【0043】
第1の電極ストリップ8
iは、合理的に、クロスウェブ方向Yに従って平行であり、2つの隣り合う第1の電極ストリップ8
iと8
i+1とは、幅rの分だけ、好ましくは100μmから1000μmの間、離間している。
【0044】
従って、第1の電極ストリップは、所定の第1の位置合わせパターン又は整合パターンに従って、基板6上に配置される。
【0045】
第1の電極ストリップ8
iそれぞれは、基板6の幅Wに等しいか、又は、わずかに小さい長さy
Bと、好ましくは5mmから15mmの間の幅x
Bと、厚さz
Bと、を有している。
【0046】
第1の電極ストリップ8
iは、第1の導電性材料から形成されている。
【0047】
適切な導電性材料の例は、導電性金属、導電性合金、導電性ポリマー、及び、導電性金属酸化物を含んでいる。
【0048】
導電性金属の例は、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、パラジウム、白金及びチタンを含んでいる。
【0049】
導電性合金の例は、ステンレススチール、金合金、銀合金、銅合金、アルミニウム合金、ニッケル合金、パラジウム合金、白金合金及びチタン合金を含んでいる。
【0050】
導電性ポリマーの例は、ポリチオフェン(例えばドープされたポリ(3,4‐エチレンジオキシチオフェン)(ドープされたPEDOT))、ポリアニリン(例えばドープされたポリアニリン)、ポリピロール(例えばドープされたポリピロール)を含んでいる。
【0051】
導電性金属酸化物の例は、インジウムスズ酸化物(ITO)、フッ素化スズ酸化物、スズ酸化物及び亜鉛酸化物を含んでいる。
【0052】
いくつかの態様において、上述の導電性金属酸化物をドープすることが可能である。いくつかの態様において、第1の導電性材料は、ITO/金属/ITO材料、又は、誘電体/金属/誘電体材料のような、多層材料を含むことが可能である。いくつかの態様において、上述の材料を組み合わせて用いることが可能である。
【0053】
好ましくは、第1の導電性材料は、波長可視光の光波に対して透過性である。
【0054】
好ましくは、第1の電極ストリップ8
iは、フレキソ印刷、回転スクリーン印刷、インクジェット印刷を含む湿式法によって、基板6上に与えられる。
【0055】
図3に示された態様では、第1の電極ストリップ8
iそれぞれは、グリッド部12
iでコーティングされているか、又は、印刷されている。グリッド部12
iそれぞれは、第1の電極ストリップ8
iの長さy
Bよりも小さい長さy
Gと、第1の電極ストリップ8
iの幅x
Bよりも小さい幅x
Gと有している。
【0056】
グリッド部それぞれの長さy
Gは、以下に詳細に記載する活性領域18の幅W
1よりも小さいか、又は、同じである。
【0057】
有利には、グリッド部12
iは、電池及びモジュールの透過性を改善する。透過性は、モジュールをエンドユーザのアプリケーションに統合するために重要な特性である。
【0058】
複数の離間した第1の電極ストリップを供給するステップ100には、第1の導電性材料の層10の上に、絶縁ストリップ14a、14bを供給するステップ110が続いており、絶縁ストリップ14a、14bは、ダウンウェブ方向Xに沿って、第1の電極ストリップ8
iの一部の上に堆積又は印刷される。
【0059】
一態様において、絶縁ストリップ14a、14bは、
図4に概略的に示すように、第1の層10の上に連続的に堆積されている。
【0060】
1対又はいくつかの対の付加的な絶縁ストリップを、基板の中間領域にコーティングし、それによって、平行な2組の直列に接続された電池を決定することも可能であろう。この2組の電池は、幅のより小さい、同時にコーティング可能であろう2つの異なるモジュールを形成している。
【0061】
絶縁ストリップ14a、14bそれぞれは、長手方向に沿って延在しており、クロスウェブ方向Yに沿って、0.5mmから1.5mmの間、好ましくは1mmの幅W
2と、10μmから25μmの間の厚さz
3とを有している。
【0062】
絶縁ストリップそれぞれは、合理的に、基板6の対応する外側縁6a、6bに対して平行に、当該外側縁に対して所定の距離D
a、D
bを有して堆積されている。
【0063】
好ましくは、距離D
a、D
bは、それぞれの側において、10mmである。
【0064】
絶縁ストリップ14a、14bそれぞれは、第1の電極ストリップの、複数の単純な第1の導電性材料部分を含む外側接続領域16a、16bと、活性領域18との間の境界を決定している。
【0065】
活性領域18は、クロスウェブ方向である方向Yに沿って、活性領域幅とも呼ばれる寸法W
1を有している。
【0066】
接続領域16a、16bそれぞれは、クロスウェブ方向に沿って、接続領域幅とも呼ばれる、それぞれD
a、D
bに等しい寸法を有している。
【0067】
接続領域幅D
a、D
bそれぞれは、接続領域が、第1の電極ストリップの、単純な第1の導電性材料部分を含むように選択されており、それによって、以下に説明するように、電気的接続を形成することが可能になっている。
【0068】
絶縁ストリップ14a、14bは、スロットダイコーティング、フレキソ印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷を含む湿式法によって与えられる。
【0069】
一態様において、絶縁ストリップは、アミン、アクリレート、エポキシ、ウレタン等のモノマー材料から生成されたポリマーのような絶縁体材料から、又は、それらの組み合わせから形成されている。
【0070】
これらのモノマー材料は、基板上に溶媒を用いてコーティングされるか、又は、モノマー材料が室温で液状である場合には、溶媒を用いずに基板に直接コーティングされ得る。
【0071】
モノマー材料(例えばアミン及びエポキシド)を混合し、基板上にコーティングし、熱処理を行い、絶縁体である透明又は半透明なポリマーを形成することが可能である。
【0072】
絶縁ストリップ14a、14bを供給するステップ110には、1つ又はいくつかのウェブ全体がコーティングされた層を活性領域18に供給し、機能スタック20を形成するステップ120が続いており、その結果は、
図1及び
図5に概略的に示されている。
【0073】
一態様において、機能スタック20は、3つの層の重ね合わせとして構成されており、この重ね合わせは、活性領域18内に供給された第1の中間層22と、第1の中間層22上及び活性領域18内に供給された光活性層24と、光活性層24上及び活性領域18内に供給された第2の中間層26と、を含んでいる。
【0074】
代替的な態様では、機能スタック20は、単層の光活性層24として構成されている。
【0075】
光活性層24は、ウェブ全体がコーティングされた光活性半導体材料であり、活性領域内に堆積又は印刷されている。
【0076】
当該光活性半導体材料は、電子供与体材料(n型材料とも呼ばれる)と、電子受容体材料(p型材料とも呼ばれる)との混合物から構成されている。これらの半導体材料は、分子、オリゴマー、又は、共役有機ポリマーであり得る。このように、光活性層24は、電子供与体材料及び電子受容体材料とのヘテロ接合であって良い。
【0077】
光活性層は、有機電子供与体材料と有機電子受容体材料とを含み得る。適切な有機電子供与体材料としては、ポリチオフェン(例えばポリ(3‐ヘキシルチオフェン)(P3HT))又はポリ(フェニレン‐ビニレン)(PPVs)のような共役ポリマー、DTS‐(FBTTH2)2、IBTP、IDF、DTS‐(PTTH2)、ボロジピロメテン、ジケトピロロピロール、オリゴチオフェン、インジゴ、キナクリドン、メロシアニン、スクアライン等の小分子が挙げられる。
【0078】
適切な有機電子受容体材料としては、フラーレン(例えば、[6,6]‐フェニルC61‐酪酸メチルエステル(C61‐PCBM)及び[6,6]‐フェニルC71‐酪酸メチルエステル(C71‐PCBM)等の置換フラーレン)が挙げられる。
【0079】
代替的に、光活性層24は、ペロブスカイト材料等の有機/無機ハイブリッド材料から構成され得る。
【0080】
第1の中間層22と第2の中間層26とは、界面層を形成しており、当該界面層は、p型又はn型の半導体材料から形成されており、光活性層24の半導体材料に従って選択された電子又は正孔の輸送又は注入を実施するのに適している。
【0081】
例えば、第1の中間層22と第2の中間層26とは、半導体材料から形成されている。
【0082】
第1の中間層22、光活性層24及び第2の中間層26は、それぞれ、スロットダイコーティング、フレキソ印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷を含む湿式法によって与えられる。
【0083】
一態様において、第1の中間層22は、湿式法によって第1の導電層10上に与えられた、酸化亜鉛(ZnO)、チタン酸化物(TiOx)、炭酸セシウムCs
2CO
3、ポリエチレンイミン(PEI)を含む半導体材料から形成された導電層である。
【0084】
一態様において、第2の中間層26は、湿式法によって光活性層24上に与えられた、ポリ(3,4‐エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸(PEDOT:PSS)、三酸化モリブデン(MoO
3)、三酸化タングステン(WO
3)を含む半導体材料から形成された正孔輸送層である。
【0085】
活性領域18内に機能スタック20を供給するステップ120には、第2の導電性材料の複数のN個の離間した第2の電極ストリップ28
iから成る第2の電極層30を、
図1及び
図6に示したように、機能スタック20の上及び活性領域18内に供給するステップ130aが続いている。
【0086】
複数の第2の電極ストリップは、第2の導電層30を形成している。
【0087】
第2の電極ストリップ28
iそれぞれは、クロスウェブ方向に沿って延在し、第2の所定の位置合わせパターンに従って、対応する第1の電極ストリップと位置合わせされ、有機太陽電池セル4
iを形成している。
【0088】
図6には、N=8の、第2の電極ストリップ28
1、28
2、…、28
i+1が示されている。
【0089】
第2の電極ストリップ28
iは、第2の導電性材料から形成されている。
【0090】
適切な導電性材料の例は、すでに第1の導電性材料について記載したように、導電性金属、導電性合金、導電性ポリマー、及び、導電性金属酸化物を含んでいる。
【0091】
一態様において、用いられる第2の導電性材料は、用いられる第1の導電性材料と同じである。
【0092】
好ましくは、第2の導電性材料は、波長可視光の光波に対して透過性である。
【0093】
好ましくは、第2の電極ストリップ28
iは、フレキソ印刷、回転スクリーン印刷、インクジェット印刷を含む湿式法によって、第2の中間層上に与えられる。
【0094】
有機太陽電池セル4
iそれぞれは、第1の電極ストリップ8
iと、任意で活性領域18内においてグリッド部12
iでコーティングされたグリッドと、一態様において、光活性層を含む半導体層を重ね合わせることによって形成されている活性領域18内の機能スタック20と、整合プロセスによって形成された第2の所定の位置合わせパターンに従って第1の電極ストリップと位置合わせされた第2の電極ストリップ28
iと、のスタックから構成されている。
【0095】
第2の電極ストリップそれぞれは、Y方向に沿って長さy
Tと、X方向に沿って幅x
Tと、厚さz
Tと、を有している。
【0096】
長さy
Tは、活性領域の幅W
1に等しいか、又は、W
1よりも小さく、幅x
Tは、第1の電極ストリップの幅x
Bに等しいか、又は、x
Bよりも小さい。
【0097】
第2の位置合わせパターンによると、第2の電極ストリップ28
iは、対応する第1の電極ストリップ8
iの上に配置され、第2の電極ストリップの方向Yに沿った境界は、第1の電極ストリップの方向Yに沿った境界に対して合理的に平行であり、その際、X方向に沿って、第2の電極ストリップ28
iと対応する第1の電極ストリップとの間には、100μmから1000μmの間の位置オフセットOff
iが存在している。
【0098】
複数のN個の離間した第2の電極ストリップ28
iを供給するステップ130aには、ステップ130bが続いており、ステップ130bでは、隣り合う有機太陽電池セル4
i、4
i+1を、有機太陽電池セル4
iの第2の電極ストリップ28
iを接続領域16a、16b内で有機太陽電池セル4
i+1の第1の電極ストリップ8
i+1と接続することによって電気的に接続するための直列接続パターンが形成される。
【0099】
このような電気的接続パターン32
1、…、32
iは、
図1、
図6及び
図7に概略的に示されている。
【0100】
電気的接続パターン32
iは、絶縁ストリップ14a、14bの上に延在している。
【0101】
図示された態様では、電気的接続パターンは、
図6及び
図7に見られるように、一般的に、第2の電極ストリップ28
iを隣り合う第1の電極ストリップ8
i+1の接続領域16a、16bに接続するために、「U字形」を有している。
【0102】
代替的に、有機太陽電池セル4
iの第1の電極ストリップ8
iと、有機太陽電池セル4
i+1の第2の電極ストリップ28
i+1との間に電気的接続を実現しても良いと理解されている。
【0103】
供給された電気的接続パターン32
iによると、有機太陽電池セル4
iの第2の電極ストリップ28
i上に与えられた導電性材料は、接続領域16a、16b内で、隣り合う有機太陽電池セル4
i+1の第1の電極ストリップとのみ接触し、当該セル4
i+1の他の部分とは接触しない。
【0104】
好ましくは、ステップ130a及び130bは、第2の電極及び同一の導電性材料との電気的接続として作用する単層の印刷及びパターニングによって、1つのステップ130で実施される。
【0105】
好ましくは、第2の電極ストリップ28
iと電気的接続32
iとは、同じ層として形成され、フレキソ印刷、回転スクリーン印刷、インクジェット印刷を含む湿式法によって、第2の中間層26上に与えられる。
【0106】
一態様において、第2の電極層30は、ウェブ全体がコーティングされた、PEDOT又は銀ナノワイヤ等の高導電性(<100Ω/sq)材料の層から構成されており、当該層は、活性領域18内で、高導電性材料のウェブ全体がコーティングされた層の上に与えられた離間した金属グリッドのストリップと共に、機能スタック(20)上に与えられている。例えば、離間した金属グリッドのストリップは、銀(Ag)から形成されている。
【0107】
高導電性材料のウェブ全体がコーティングされた層は、活性領域18内で処理され、対応する絶縁線34
iが、隣接するセルの間に形成され、この線34
iは、有機太陽電池セル4
iと4
i+1とを分離し、開路電圧(V
oc)と曲線因子(FF)との両方を改善する。
【0108】
好ましくは、絶縁線34
iの形成は、レーザーアブレーション又は機械的スクライビングによって実現する。
【0109】
一態様において、第2の中間層26は、正孔輸送層であり、処理が第2の中間層26に適用され、さらに隣接するセルが絶縁される。
【0110】
図7は、2つの隣接する有機太陽電池セルを接続する電流を概略的に示している。
【0111】
有機太陽電池セルは、直列に電気的に接続されている。
【0112】
一態様において、隣接する有機太陽電池セルを電気的に接続するための直列接続の形成の次に、太陽電池モジュールを形成するステップ140が続いており、太陽電池モジュールそれぞれは、P個の電気的に接続されたセルを含んでいる。
【0113】
有利には、有機太陽電池モジュールを形成するためのセルの数Pは、任意に選択することが可能であり、モジュールは、コーティングされたロールを、選択された個数のセルを有するモジュールに切断することによって形成されるので、出力電圧をカスタマイズすることが可能である。
【0114】
有利には、提案された方法は、R2Rプロセスのような大規模な製造プロセスに適応させられる。
【0115】
図8は、いくつかの構造又は配置160a、160b、160cを概略的に示しており、配置それぞれは、ダウンウェブ方向Xに沿って異なる幅を有する有機太陽電池セルを有しており、それによって、異なるボルト/メートル特性を有する有機太陽電池モジュールが製造される。
【0116】
電圧は、モジュールを形成する、直列に接続された有機太陽電池セルの数を増やすことによって、又は、言い換えると、モジュールの長さを増大させることによって、又は、セルの幅及び同じ長さでモジュールを形成するセルの数を変更することによって増大する。電流は、活性領域18の幅W
1を増大させ、従って、有機太陽電池セルそれぞれの長さy
Gを増大させることによって増大し得る。
【0117】
有利には、提案された方法は、電圧の上昇と電力損失の減少とを可能にする。
【0118】
以上、本発明に係る製造方法を、特に有機太陽電池モジュールを製造するための利用に関して説明してきた。しかしながら、当該方法は、この態様に限定されるものではない。特に、当該方法は、例えば銅インジウムガリウムセレナイド(CIGS)層又は銅亜鉛スズサルファイド(CZTS)層等を用いた、非有機太陽電池モジュールの産業的ロールツーロール印刷方法において直接適用される。