【文献】
ZTE,Consideration on the mobility in NR,3GPP TSG−RAN WG2 Meeting #93bis R2−162628,2016年4月1日アップロード,インターネット<URL: https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_93bis/Docs/R2−162628.zip>
【文献】
Ericsson,Tight integration of the New Radio interface (NR) and LTE: User Plane design,3GPP TSG−RAN WG2 #93bis Tdoc R2−162754,2016年4月2日アップロード,インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_93bis/Docs/R2−162754.zip>
【文献】
LG Electronics Inc.,Text Proposal for Optimized inter−MeNB handover,3GPP TSG−RAN WG3#88 R3−150934,2015年5月16日アップロード,インターネット<URL: https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/wg3_iu/TSGR3_88/Docs/R3−150934.zip>
【文献】
LG Electronics Inc.,New RB configurations in 5G [online],3GPP TSG−RAN WG2#93bis R2−162862,2016年4月2日アップロード,インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_93bis/Docs/R2−162862.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られるわけではない。例えば、本実施の形態に係る無線通信システムはLTE(5Gを含む)に準拠した方式のシステムを想定しているが、本発明はLTE(5Gを含む)に限定されるわけではなく、他の方式にも適用可能である。なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「LTE」は、3GPPのリリース8、又は9に対応する通信方式のみならず、3GPPのリリース10、11、12、13、又はリリース14以降に対応する第5世代の通信方式も含む広い意味で使用する。
【0018】
<スプリットベアラについて>
図4は、LTEにおけるプロトコルスタックを示す図である。
図4Aは、LTEのRel−8より規定されている通常のベアラ、すなわち、論理的なパケット経路、におけるプロトコルスタックを示しており、
図4Bは、スプリットベアラ、すなわち分岐した経路を含む論理的なパケット経路、及び対応するプロトコルスタックを示している。
図4Bに示すように、コアネットワークから送信されるデータはMeNBのPDCPレイヤで処理され、MeNBのRLCレイヤ及びSeNBのRLCレイヤにルーティング(Routing)される。また、ユーザ装置UE側のPDCPレイヤは、MeNBに対応するRLC(m−RLC)と、SeNBに対応するRLC(s−RLC)から受け取ったデータの並べ替え(reordering)を行う。なお、スプリットベアラでは、RRCレイヤの処理はMeNB側で行われる。すなわち、LTEにおけるスプリットベアラでは、RRCレイヤの処理を行う基地局、及びPDCPレイヤの処理を行う基地局はMeNBに固定されている。
【0019】
<システム構成>
図5は、実施の形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。
図5に示すように、本実施の形態に係る無線通信システムは、コアネットワークCNと、LTEをサポートする基地局eNBと、5GのNewRAT(NR)をサポートする基地局NRとユーザ装置UEとを有する。基地局eNB及び基地局NRは、所定のインタフェース(
図5ではOpen interfaceと表現)を用いて相互に通信可能である。当該所定のインタフェースは、LTEでは「X2」に該当するインタフェースである。
図5の例では、基地局eNB、基地局NR及びユーザ装置UEが1つずつ図示されているが、複数の基地局eNB及び基地局NRを有していてもよいし、複数のユーザ装置UEを有していてもよい。
【0020】
本無線通信システムにおける基地局eNBと基地局NRは、それぞれ物理的に独立している場合(Non-Collocated)、及び、一つの物理的な装置内で論理的に独立している場合(Collocated)のいずれをも含む。
【0021】
<動作概要>
図6は、実施の形態に係る無線通信システムが行う動作の概要を説明するための図である。
図6Aは、基地局eNB又は基地局NRのいずれか一方を用いてユーザ装置UEと通信を行う通信方法であり、本実施の形態では、便宜上「単独接続(Single Connectivity)」と呼ぶ。すなわち、単独接続は、LTE又はNewRATのいずれか一方のみを用いる通信方法と同義である。
【0022】
一方、
図6A及び
図6Bは、基地局eNB及び基地局NRの両方を用いてユーザ装置UEと通信を行う通信方法(スプリットベアラを用いる通信方法)であり、本実施の形態では、便宜上「二重接続(Dual Connectivity)」と呼ぶ。また、
図6Bは、PDCPの処理を基地局eNBで行う場合(PDCPのアンカーを基地局eNBに設定する場合)を示しており、
図6Cは、PDCPの処理を基地局NRで行う場合(PDCPのアンカーを基地局NRに設定する場合)を示している。
【0023】
本実施の形態では、単独接続(
図6A)、PDCPの処理を基地局eNBで行う二重接続(
図6B)、及び、PDCPの処理を基地局NRで行う二重接続(
図6C)を任意に切替えることを可能にする。また、従来のLTEでは、RRCレイヤの処理及びスプリットベアラにおけるPDCPレイヤの処理を行う基地局はMeNBに固定されていたが、本実施の形態では、PDCPレイヤの処理及びRRCレイヤの処理を、それぞれ基地局eNB又は基地局NRのうち任意の基地局で行うことを可能にする。これにより、本実施の形態では、スプリットベアラを用いる場合に、基地局eNBよりも処理性能が高いと想定される基地局NRでPDCPレイヤの処理を行いつつ、RRCコネクションの管理をカバレッジが広い基地局eNBで行うといった柔軟な通信を実現することが可能になる。
【0024】
<処理手順>
続いて、本実施の形態に係る無線通信システムが行う具体的な処理手順について説明する。
【0025】
図7は、本無線通信システムが行う通信方法の変更パターンを示す図である。例えば、パターン1は、基地局eNBの単独接続による通信方法から、RRCレイヤの処理を基地局eNBで行いつつPDCPレイヤの処理を基地局NRで行う二重接続による通信方法に変更するパターンを意図している。パターン2は、基地局eNBの単独接続による通信方法から、RRCレイヤの処理及びPDCPレイヤの処理を基地局NRで行う二重接続による通信方法に変更するパターンである。パターン3は、基地局NRの単独接続による通信方法から、RRCレイヤの処理及びPDCPレイヤの処理を基地局NRで行う二重接続による通信方法に変更するパターンである。パターン4は、基地局NRの単独接続による通信方法から、RRCレイヤの処理を基地局eNBで行いつつPDCPレイヤの処理を基地局NRで行う二重接続による通信方法に変更するパターンである。パターン5は、基地局NRの単独接続による通信方法から、RRCレイヤの処理を基地局NRで行いつつPDCPレイヤの処理を基地局eNBで行う二重接続による通信方法に変更するパターンである。パターン6は、基地局NRの単独接続による通信方法から、RRCレイヤの処理及びPDCPレイヤの処理を基地局eNBで行う二重接続による通信方法に変更するパターンである。以下、各パターンにおける処理シーケンスについて説明する。
【0026】
図8は、本無線通信システムが通信方法を変更する際に行う処理手順(RRC変更無し)の一例を示すシーケンス図である。
図8に示す処理手順は、通信方法を変更する際に、RRCレイヤの処理を行う基地局が変更されない場合、すなわち、
図7におけるパターン1、3、5に該当する変更パターンに該当する。
図8では、二重接続を行う2つの基地局のうち、RRCレイヤの処理を行う基地局(ユーザ装置UEとの間でRRCコネクションを確立している基地局)を「基地局1」と記載し、他方の基地局を「基地局2」と記載する。すなわち、パターン1では、「基地局1」は基地局eNBに該当し、「基地局2」は基地局NRに該当する。また、パターン3では、「基地局1」は基地局NRに該当し、「基地局2」は基地局eNBに該当する。パターン5では、「基地局1」は基地局NRに該当し、「基地局2」は基地局eNBに該当する。
【0027】
ステップS11で、単独接続による通信方法から二重接続による通信方法に切替えるため(つまり、ユーザ装置UEとの間でスプリットベアラを確立するため)、基地局1は、基地局2との間でベアラ構成のネゴシエーションを行う。当該ネゴシエーションに用いられるメッセージは、前述の所定のインタフェースを介して送受信されるメッセージであり、LTEでは、例えば、SeNB Modification Request/SeNB Modification Request Acknowledge又はSeNB Modification Required/SeNB Modification Confirmと呼ばれるメッセージに相当する。
【0028】
ステップS12で、基地局1は、基地局1及び基地局2との間でスプリットベアラを確立させるため、ユーザ装置UEに構成指示メッセージを送信する。構成指示メッセージには、通信に用いる基地局として基地局2を追加する旨の通知、基地局1及び基地局2との間でスプリットベアラを確立すべき旨の通知が含まれる。また、当該メッセージには、PDCPレイヤの処理を行う基地局(パターン1及びパターン3では基地局NR、パターン5では基地局eNB)を示す通知が含まれていてもよい。構成指示メッセージは、RRCレイヤのメッセージであってもよい。構成指示メッセージは、LTEでは、dedicated configuration(radio resource config dedicated)を含むRRC Connection Reconfigurationメッセージに相当する。
【0029】
ステップS13で、ユーザ装置UEは、通信対象の基地局に基地局2を追加する処理を行うと共に、基地局1及び基地局2との間でスプリットベアラの確立を行う。通信対象の基地局に基地局2を追加する処理とは、例えば、基地局2との間でランダムアクセス手順を行うことで同期を確立する処理などを意図している。なお、ステップS13の処理手順では、基地局2との間でのみシグナリングメッセージの送受信が行われているが、基地局1との間でもシグナリングメッセージの送受信が行われてもよい。ステップS13で行われる処理手順は、例えば、基地局追加手順(Node addition procedure)、及び、スプリットベアラセットアップ/変更手順(Split bearer setup/modification procedure)と呼ばれてもよい。
【0030】
ステップS14で、ユーザ装置UEは、スプリットベアラの確立が完了したことを基地局1に通知するため、構成指示応答メッセージを基地局1に送信する。構成指示応答メッセージは、RRCレイヤのメッセージであってもよい。当該メッセージは、LTEでは、RRC Connection Reconfiguration completeメッセージに相当する。
【0031】
ステップS15で、基地局1及び基地局2とユーザ装置UEとの間でスプリットベアラによる通信が行われる。
図7のパターン1及びパターン3の場合、基地局NRがPDCPレイヤの処理を行い、PDCPレイヤより下位レイヤの処理は基地局NR及び基地局eNBでそれぞれ行われる。パターン5の場合、基地局eNBがPDCPレイヤの処理を行い、PDCPレイヤより下位レイヤの処理は基地局NR及び基地局eNBでそれぞれ行われる。また、ユーザ装置UEは、PDCPレイヤの処理を共通に行い、下位レイヤの処理を、基地局eNBに対応する下位レイヤの処理と基地局NRに対応する下位レイヤの処理とを別々に行う。
【0032】
図9は、本無線通信システムが通信方法を変更する際に行う処理手順(RRC変更有り)の一例を示すシーケンス図である。
図9に示す処理手順は、通信方法を変更する際に、RRCレイヤの処理を行う基地局が変更される場合、すなわち、
図7におけるパターン2、4、6に該当する変更パターンに該当する。
図9では、二重接続を行う2つの基地局のうち、変更前のRRCレイヤの処理を行う基地局を「基地局1」と記載し、変更後のRRCレイヤの処理を行う基地局を「基地局2」と記載する。すなわち、
図7におけるパターン2では、「基地局1」は基地局eNBに該当し、「基地局2」は基地局NRに該当する。また、パターン4では、「基地局1」は基地局NRに該当し、「基地局2」は基地局eNBに該当する。パターン6では、「基地局1」は基地局NRに該当し、「基地局2」は基地局eNBに該当する。
【0033】
ステップS21で、基地局2は、RRCレイヤの処理を行う基地局を基地局1に切替えるようにユーザ装置UEに指示するため、RRC接続再構成メッセージをユーザ装置UEに送信する。当該メッセージは、LTEでは、RRC Connection Reconfigurationメッセージに相当する。ステップS21の処理手順には、例えばハンドオーバーの処理手順が用いられてもよい。なお、LTEでは、ハンドオーバーの処理手順では、mobility infoを含むRRC Connection Reconfigurationメッセージが用いられる。
【0034】
ステップS22で、ユーザ装置UEは、基地局1との間でRRCコネクションを確立する。
【0035】
ステップS23乃至ステップS26の処理手順は、それぞれ
図8のステップS11〜ステップS14の処理手順と同一であるため説明は省略する。
【0036】
ステップS27で、基地局1及び基地局2とユーザ装置UEとの間でスプリットベアラによる通信が行われる。
図7のパターン2及びパターン4の場合、基地局NRがPDCPレイヤの処理を行い、PDCPレイヤより下位レイヤの処理は基地局NR及び基地局eNBでそれぞれ行われる。パターン6の場合、基地局eNBがPDCPレイヤの処理を行い、PDCPレイヤより下位レイヤの処理は基地局NR及び基地局eNBでそれぞれ行われる。
【0037】
以上、各パターンにおける処理シーケンスについて説明したが、あくまで一例でありこれに限られない。例えば、
図8のステップS13の処理手順とステップS14の処理手順は逆であってもよいし、ステップS14の処理手順は省略されていてもよい。同様に、
図9のステップS25の処理手順とステップS26の処理手順は逆であってもよいし、ステップS26の処理手順は省略されていてもよい。また、
図9のステップS21の処理手順とステップS24の処理手順とが同時に行われるようにしてもよい。例えば、RRC接続再構成メッセージの中に構成指示メッセージを含めるようにしてもよい。この場合、ステップS26の処理手順は省略されてもよい。
【0038】
また、以上説明した各パターンでは、単独接続から二重接続に通信方法を変更する場合を例に説明したが、
図8及び
図9の処理手順は、二重接続から単独接続に通信方法を変更する場合、二重接続の間で通信方法を変更する場合にも適用することができる。例えば、二重接続から単独接続に通信方法を変更する場合、RRCコネクションを確立している基地局(基地局eNB/基地局NR)は、
図7のステップS12の処理手順を用いて、スプリットベアラから通常のベアラに変更することをユーザ装置UEに指示してもよい。当該指示を受けたユーザ装置UEは、RRCコネクションが確立されていない基地局(基地局eNB/基地局NR)との間で通信を終了することで、スプリットベアラから通常のベアラに変更することができる。
【0039】
また、例えば、二重接続の間で通信方法を変更する場合、RRCコネクションを確立している基地局(基地局eNB/基地局NR)は、
図7のステップS12の処理手順を用いて、スプリットベアラにおいてPDCPレイヤの処理を行う基地局が変更されることをユーザ装置UEに指示してもよい。当該指示を受けたユーザ装置UEは、スプリットベアラにおいてPDCPレイヤの処理を行う基地局が変更されたことを認識することができる。
【0040】
(UL/DLの分離について)
以上説明した二重接続において、単独接続又は二重接続のどちらを適用するのか、及び、二重接続を適用する場合におけるPDCPレイヤの処理を行う基地局は、下りリンク(DL)及び上りリンク(UL)で別々に設定可能にしてもよい。例えば、
図7のパターン1において、DLについてのみ二重接続を適用しつつ基地局NRでPDCPレイヤの処理が行われるようにして、ULについては単独接続のまま処理が行われるようにしてもよい。これにより、ULについては基地局eNBでPDCPレイヤの処理が継続して行われることになるため、UL通信を瞬断することなく通信を継続することができる。
【0041】
(C−planeにおけるPDCPレイヤの処理について)
二重接続において、PDCPレイヤの処理を行う基地局と、RRCレイヤの処理を行う基地局とが異なる場合、RRCレイヤの処理を行う基地局は、RRCメッセージを含むC−planeメッセージの送受信を、PDCPレイヤの処理を行う基地局を介して行うようにしてもよいし、自身のPDCPレイヤを介して行うようにしてもよい。
【0042】
後者の場合、
図7のパターン1、3、5のようにPDCPレイヤの処理を行う基地局のみが変更される場合であっても、基地局eNB又は基地局NRは、RRCメッセージの送受信については自身のPDCPレイヤを使い続けることになるため、RRCメッセージの送受信が瞬断されることなく、RRCメッセージの送受信を行うことができる。
【0043】
一方、前者の場合、
図7のパターン1、3、5のようにPDCPレイヤの処理を行う基地局のみが変更される場合、RRCメッセージの送受信が瞬断してしまう可能性がある。例えば
図8において、ステップS12で構成指示メッセージを送信する時点では、基地局1のPDCPレイヤを介して構成指示メッセージが送信されるが、ステップS14で構成指示応答メッセージを受信する時点では、基地局2のPDCPレイヤを介して構成指示応答メッセージを受信することになる。
図8の処理手順はあくまで一例であるため、仮にステップS12及びステップS14の処理手順の中でそれぞれ複数のRRCメッセージが送受信されるような場合、RRCメッセージの送受信が瞬断してしまう可能性が高くなる。そこで、単独接続から二重接続に変更される場合において、RRCレイヤの処理を行う基地局は変更されずにPDCPレイヤの処理を行う基地局のみが変更される場合、RRCメッセージの送受信が完了するまでの間(又はPDCPレイヤの変更が完了するまでの間)、RRCメッセージを含むC−planeメッセージの送受信を、RRCレイヤの処理を行う基地局のPDCPレイヤを介して送受信するようにしてもよい。
【0044】
<機能構成>
以上説明した複数の実施の形態の動作を実行するユーザ装置UE及び基地局eNBの機能構成例を説明する。
【0045】
(ユーザ装置)
図10は、実施の形態に係るユーザ装置の機能構成の一例を示す図である。
図10に示すように、ユーザ装置UEは、信号送信部101と、信号受信部102と、受付部103とを有する。なお、
図10は、ユーザ装置UEにおいて本発明の実施の形態に特に関連する機能部のみを示すものであり、少なくともLTE(5Gを含む)に準拠した動作を行うための図示しない機能も有するものである。また、
図10に示す機能構成は一例に過ぎない。本実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分や機能部の名称はどのようなものでもよい。
【0046】
信号送信部101は、ユーザ装置UEから送信されるべき上位のレイヤの信号から、物理レイヤの各種信号を生成し、無線送信する機能を含む。信号受信部102は、各種の信号を無線受信し、受信した物理レイヤの信号からより上位のレイヤの信号を取得する機能を含む。また、信号送信部101及び信号受信部102は、スプリットベアラを用いて基地局eNB及び基地局NRと通信する機能を含む。
【0047】
受付部103は、RRCコネクションが確立された基地局eNB又は基地局NRから、基地局eNB又は基地局NRとの間でスプリットベアラを確立すべきことを指示する構成指示メッセージを受け付ける機能を有する。また、受付部103は、RRCコネクションが確立された基地局eNB又は基地局NRから、RRCコネクションを他方の基地局(基地局NR又は基地局eNB)に変更すべきことを指示するRRC接続再構成メッセージを受け付ける機能を有する。
【0048】
(基地局)
図11は、実施の形態に係る基地局の機能構成の一例を示す図である。なお、
図11に示す機能構成は、基地局eNBと基地局NRとで共通である。
図11に示すように、基地局eNB/基地局NRは、信号送信部201と、信号受信部202と、指示部203とを有する。なお、
図11は、基地局eNB/基地局NRにおいて本発明の実施の形態に特に関連する機能部のみを示すものであり、少なくともLTE(5Gを含む)に準拠した動作を行うための図示しない機能も有するものである。また、
図11に示す機能構成は一例に過ぎない。本実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分や機能部の名称はどのようなものでもよい。
【0049】
信号送信部201は、基地局eNB/基地局NRから送信されるべき上位のレイヤの信号から、物理レイヤの各種信号を生成し、無線送信する機能を含む。信号受信部202は、ユーザ装置UEから各種の信号を無線受信し、受信した物理レイヤの信号からより上位のレイヤの信号を取得する機能を含む。信号送信部201及び信号受信部202は、物理レイヤ、MACレイヤ、RLCレイヤ、PDCPレイヤ、及びRRCレイヤの処理を行う機能を含む。
【0050】
また、信号送信部201及び信号受信部202は、ユーザ装置UEとの間でスプリットベアラが確立される場合で、かつ、自身がPDCPレイヤの処理を行う場合、PDCPレイヤの処理を行った後の下りデータ、又は、RLCレイヤの処理が行われた後の上りデータを、所定のインタフェースを介して他方の基地局(基地局eNB/基地局NR)との間で送受信する機能を有する。また、信号送信部201及び信号受信部202は、ユーザ装置UEとの間でスプリットベアラが確立される場合で、かつ、自身がPDCPレイヤの処理を行わない場合、PDCPレイヤの処理が行われた後の下りデータ、又は、RLCレイヤの処理を行った後の上りデータを、所定のインタフェースを介して他方の基地局(基地局eNB/基地局NR)との間で送受信する機能を有する。
【0051】
指示部203は、ユーザ装置UEに、基地局eNB又は基地局NRとの間でスプリットベアラを確立すべきことを指示する構成指示メッセージを送信する機能を有する。また、指示部203は、ユーザ装置UEに、RRCコネクションを他方の基地局(基地局eNB/基地局NR)に変更すべきことを指示するRRC接続再構成メッセージを送信する機能を有する。また、指示部203は、ユーザ装置UEとの間で単独接続による通信方法又は二重接続による通信方法のうちをいずれかの通信方法に切替えることを判断し、通信方法の切替えを行うために、他方の基地局(基地局eNB/基地局NR)との間でベアラ構成のネゴシエーションを行う機能を有する。
【0052】
以上説明した基地局eNB及びユーザ装置UEの機能構成は、全体をハードウェア回路(例えば、1つ又は複数のICチップ)で実現してもよいし、一部をハードウェア回路で構成し、その他の部分をCPUとプログラムとで実現してもよい。
【0053】
(ユーザ装置)
図12は、実施の形態に係るユーザ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図12は、
図10よりも実装例に近い構成を示している。
図12に示すように、ユーザ装置UEは、無線信号に関する処理を行うRF(Radio Frequency)モジュール301と、ベースバンド信号処理を行うBB(Base Band)処理モジュール302と、上位レイヤ等の処理を行うUE制御モジュール303とを有する。
【0054】
RFモジュール301は、BB処理モジュール302から受信したデジタルベースバンド信号に対して、D/A(Digital-to-Analog)変換、変調、周波数変換、及び電力増幅等を行うことでアンテナから送信すべき無線信号を生成する。また、受信した無線信号に対して、周波数変換、A/D(Analog to Digital)変換、復調等を行うことでデジタルベースバンド信号を生成し、BB処理モジュール302に渡す。RFモジュール301は、例えば、
図10の信号送信部101及び信号受信部102の一部を含む。
【0055】
BB処理モジュール302は、IPパケットとデジタルベースバンド信号とを相互に変換する処理を行う。DSP(Digital Signal Processor)312は、BB処理モジュール302における信号処理を行うプロセッサである。メモリ322は、DSP312のワークエリアとして使用される。BB処理モジュール302は、例えば、
図10の信号送信部101の一部、及び信号受信部102の一部を含む。
【0056】
UE制御モジュール303は、IPレイヤのプロトコル処理、各種アプリケーションの処理等を行う。プロセッサ313は、UE制御モジュール303が行う処理を行うプロセッサである。メモリ323は、プロセッサ313のワークエリアとして使用される。UE制御モジュール303は、例えば、
図10の受付部103を含む。
【0057】
(基地局)
図13は、実施の形態に係る基地局のハードウェア構成の一例を示す図である。
図13は、
図11よりも実装例に近い構成を示している。
図13に示すように、基地局eNB/基地局NRは、無線信号に関する処理を行うRFモジュール401と、ベースバンド信号処理を行うBB処理モジュール402と、上位レイヤ等の処理を行う装置制御モジュール403と、ネットワークと接続するためのインタフェースである通信IF404とを有する。
【0058】
RFモジュール401は、BB処理モジュール402から受信したデジタルベースバンド信号に対して、D/A変換、変調、周波数変換、及び電力増幅等を行うことでアンテナから送信すべき無線信号を生成する。また、受信した無線信号に対して、周波数変換、A/D変換、復調等を行うことでデジタルベースバンド信号を生成し、BB処理モジュール402に渡す。RFモジュール401は、例えば、
図11に示す信号送信部201及び信号受信部202の一部を含む。
【0059】
BB処理モジュール402は、IPパケットとデジタルベースバンド信号とを相互に変換する処理を行う。DSP412は、BB処理モジュール402における信号処理を行うプロセッサである。メモリ422は、DSP412のワークエリアとして使用される。BB処理モジュール402は、例えば、
図11に示す信号送信部201の一部、及び信号受信部202の一部を含む。
【0060】
装置制御モジュール403は、IPレイヤのプロトコル処理、Operation and Maintenance(OAM)処理等を行う。プロセッサ413は、装置制御モジュール403が行う処理を行うプロセッサである。メモリ423は、プロセッサ413のワークエリアとして使用される。補助記憶装置433は、例えばHDD等であり、基地局eNB/基地局NRが動作するための各種設定情報等が格納される。装置制御モジュール403は、例えば、
図11に示す指示部203を含む。
【0061】
<まとめ>
以上、実施の形態によれば、第一の基地局及び第二の基地局と通信するユーザ装置であって、RRCコネクションが確立された前記第一の基地局又は前記第二の基地局から、前記第一の基地局及び前記第二の基地局との間でスプリットベアラを確立すべきことを指示する第一のメッセージを受け付ける受付部と、前記第一のメッセージにより通知された前記第一の基地局及び前記第二の基地局との間でスプリットベアラを確立する通信部と、を有し、前記スプリットベアラでは、前記第一の基地局及び第二の基地局のうちいずれか一方でPDCPレイヤの処理が行われる、ユーザ装置が提供される。このユーザ装置UEによれば、スプリットベアラを用いた通信が行われる場合に、PDCPレイヤの処理を行う基地局を任意に切替えることが可能な技術が提供される。
【0062】
また、前記受付部は、RRCコネクションが確立された前記第一の基地局又は前記第二の基地局から、RRCコネクションを他方の基地局に変更すべきことを指示する第二のメッセージを受け付け、前記通信部は、前記第二のメッセージで指示された前記第一の基地局又は前記第二の基地局との間でRRCコネクションを確立すると共に、RRCコネクションを確立した前記第一の基地局又は前記第二の基地局から前記第一のメッセージを前記受付部で受け付けた場合に、該第一のメッセージにより通知された前記第一の基地局及び前記第二の基地局との間でスプリットベアラを確立する、ようにしてもよい。これにより、スプリットベアラにおけるPDCPレイヤの処理を行う基地局であるか否かに関わらず、任意の基地局でRRCレイヤの処理を行うことが可能になる。
【0063】
また、前記第一の基地局はLTEをサポートすると共に、当該ユーザ装置との間でRRCコネクションを確立しており、前記第二の基地局は5Gをサポートしており、前記受付部は、前記第一の基地局から前記第一のメッセージを受け付け、前記スプリットベアラは、前記第二の基地局でPDCPレイヤの処理が行われる、ようにしてもよい。これにより、スプリットベアラを用いる場合に、LTEの基地局よりも処理性能が高いと想定される5Gの基地局でPDCPレイヤの処理を行いつつ、RRCコネクションの管理をカバレッジが広いLTE基地局で行うといった柔軟な通信を実現することが可能になる。
【0064】
また、実施の形態によれば、第一の基地局及び第二の基地局と通信するユーザ装置が実行する通信方法であって、RRCコネクションが確立された前記第一の基地局又は前記第二の基地局から、前記第一の基地局及び前記第二の基地局との間でスプリットベアラを確立すべきことを指示する第一のメッセージを受け付けるステップと、前記第一のメッセージにより通知された前記第一の基地局及び前記第二の基地局との間でスプリットベアラを確立するステップと、を有し、前記スプリットベアラでは、前記第一の基地局及び第二の基地局のうちいずれか一方でPDCPレイヤの処理が行われる、通信方法が提供される。この通信方法によれば、スプリットベアラを用いた通信が行われる場合に、PDCPレイヤの処理を行う基地局を任意に切替えることが可能な技術が提供される。
【0065】
<実施形態の補足>
以上、本発明の実施の形態で説明する各装置(ユーザ装置UE/基地局eNB/基地局NR)の構成は、CPUとメモリを備える当該装置において、プログラムがCPU(プロセッサ)により実行されることで実現される構成であってもよいし、本実施の形態で説明する処理のロジックを備えたハードウェア回路等のハードウェアで実現される構成であってもよいし、プログラムとハードウェアが混在していてもよい。
【0066】
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、開示される発明はそのような実施形態に限定されず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。上記の説明における項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。機能ブロック図における機能部又は処理部の境界は必ずしも物理的な部品の境界に対応するとは限らない。複数の機能部の動作が物理的には1つの部品で行われてもよいし、あるいは1つの機能部の動作が物理的には複数の部品により行われてもよい。実施の形態で述べたシーケンス及びフローチャートは、矛盾の無い限り順序を入れ替えてもよい。処理説明の便宜上、ユーザ装置UE/基地局eNB/基地局NRは機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明の実施の形態に従ってユーザ装置UEが有するプロセッサにより動作するソフトウェア、本発明の実施の形態に従って基地局eNBが有するプロセッサにより動作するソフトウェア及び本発明の実施の形態に従って基地局NRが有するプロセッサにより動作するソフトウェアはそれぞれ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD−ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に保存されてもよい。
【0067】
情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、Downlink Control Information(DCI)、Uplink Control Information(UCI))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング、MACシグナリング、ブロードキャスト情報(Master Information Block(MIB)、System Information Block(SIB)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCメッセージは、RRCシグナリングと呼ばれてもよい。また、RRCメッセージは、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0068】
本明細書で説明した各態様/実施形態は、Long Term Evolution(LTE)、LTE-Advanced(LTE−A)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G、5G、Future Radio Access(FRA)、W−CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、Ultra Mobile Broadband(UMB)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、Ultra-WideBand(UWB)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
【0069】
判定又は判断は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0070】
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナル)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。
【0071】
UEは、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0072】
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0073】
本明細書で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。
【0074】
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0075】
また、本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンスなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0076】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0077】
所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0078】
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0079】
構成指示メッセージは、第一のメッセージの一例である。RRC接続再構成メッセージは、第二のメッセージの一例である。基地局eNB又は基地局NRは、第一の基地局の一例である。基地局eNB又は基地局NRは、第二の基地局の一例である。
【0080】
本国際特許出願は2016年4月8日に出願した日本国特許出願第2016−078504号に基づきその優先権を主張するものであり、日本国特許出願第2016−078504号の全内容を本願に援用する。