特許第6918004号(P6918004)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6918004
(24)【登録日】2021年7月26日
(45)【発行日】2021年8月11日
(54)【発明の名称】端末、通信方法、及び無線通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04W 52/38 20090101AFI20210729BHJP
   H04W 36/00 20090101ALI20210729BHJP
【FI】
   H04W52/38
   H04W36/00
【請求項の数】4
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-541897(P2018-541897)
(86)(22)【出願日】2017年6月1日
(86)【国際出願番号】JP2017020502
(87)【国際公開番号】WO2018061322
(87)【国際公開日】20180405
【審査請求日】2020年4月2日
(31)【優先権主張番号】特願2016-192354(P2016-192354)
(32)【優先日】2016年9月29日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124844
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 隆治
(72)【発明者】
【氏名】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】梅田 大將
(72)【発明者】
【氏名】安藤 桂
【審査官】 深津 始
(56)【参考文献】
【文献】 SoftBank,HP-UE impacts to existing 2.5GHz networks,3GPP TSG-RAN WG4#76 R4-153969,2015年 8月17日,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG4_Radio/TSGR4_76/Docs/R4-153969.zip>
【文献】 Sprint,HPUE Handover Parameter Optimization[online],3GPP TSG-RAN WG4#78 R4-160004,2016年 2月 5日,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG4_Radio/TSGR4_78/Docs/R4-160004.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 −H04B 7/26
H04W 4/00 −H04W 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局との間で無線信号を送受信する送受信部と、
サポートする第1の電力クラスより低い第2の電力クラスデフォルト電力クラスとして規定されている周波数帯において前記基地局に無線信号を送信する際、デフォルト電力クラスの規定を前記サポートする第1の電力クラスに適用して、最大送信電力を前記デフォルト電力クラスの最大送信電力以下にする制御を行う制御部と、
を有し、
前記制御部は、前記周波数帯の最大送信電力が通知されない場合、前記デフォルト電力クラスの規定を前記サポートする第1の電力クラスに適用して、最大送信電力を前記デフォルト電力クラスの最大送信電力以下となるよう制御する、
端末
【請求項2】
前記制御部は、
前記周波数帯の最大送信電力が通知され、前記通知された最大送信電力が前記デフォルト電力クラスの最大送信電力である場合、当該周波数帯における前記デフォルト電力クラスの規定に従って前記端末からの最大送信電力を前記サポートする第1の電力クラスの最大送信電力と前記通知された最大送信電力との低い方となるよう制御する、請求項1記載の端末
【請求項3】
基地局との間で無線信号を送受信するステップと、
サポートする第1の電力クラスより低い第2の電力クラスがデフォルト電力クラスとして規定されている周波数帯において前記基地局に無線信号を送信する際、デフォルト電力クラスの規定を前記サポートする第1の電力クラスに適用して、最大送信電力を前記デフォルト電力クラスの最大送信電力以下にする制御を行うステップと、
を有し、
前記制御を行うステップは、前記周波数帯の最大送信電力が通知されない場合、前記デフォルト電力クラスの規定を前記サポートする第1の電力クラスに適用して、最大送信電力を前記デフォルト電力クラスの最大送信電力以下となるよう制御する、
端末による通信方法
【請求項4】
端末と通信する基地局と、前記端末とを有する無線通信システムであって、
前記端末は、
前記基地局との間で無線信号を送受信する送受信部と、
サポートする第1の電力クラスより低い第2の電力クラスがデフォルト電力クラスとして規定されている周波数帯において前記基地局に無線信号を送信する際、デフォルト電力クラスの規定を前記サポートする第1の電力クラスに適用して、最大送信電力を前記デフォルト電力クラスの最大送信電力以下にする制御を行う制御部と、
を有し、
前記制御部は、前記周波数帯の最大送信電力が通知されない場合、前記デフォルト電力クラスの規定を前記サポートする第1の電力クラスに適用して、最大送信電力を前記デフォルト電力クラスの最大送信電力以下となるよう制御する、
無線通信システム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(Third Generation Partnership Project)において、グローバルで利用可能なバンド(バンド41など)について、現状デフォルトで規定されている23dBmのPower Class 3(PC3)より高い送信電力を許容することが議論され、26dBmのPower Class 2(PC2)をサポートするユーザ装置の仕様化が進められている。これは、周波数の高いバンド41(2.5GHz帯)をメインバンドとして利用する事業者のカバレッジを確保するためである。また、31dBmのPower Class 1(PC1)にグローバルバンド3又は28を追加するなど、高出力が利用可能となるユーザ装置の仕様化が今後進められる可能性がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】R4−166914
【非特許文献2】R4−166406
【非特許文献3】R4−166407
【非特許文献4】R4−166505
【非特許文献5】3GPP TS 36.101 V14.0.0(2016−06)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、日本など国内法規でPC3より高い送信電力を許容しない国又は地域があり、これらの国又は地域におけるPC1又はPC2をサポートするユーザ装置の扱いが議論されるようになってきた。現状、当該周波数バンドのデフォルト電力クラス(PC3など)はシステム情報において通知されておらず、基地局は、PC1又はPC2をサポートするユーザ装置にPC3以下の送信電力しか許容されていないことを事前に通知することはできない。また、ユーザ装置から取得した能力情報に基づき、基地局は、ユーザ装置がPC3より高い送信電力をサポートしているか判断し、PC1又はPC2をサポートするユーザ装置をPC3以下の送信電力に制御することができる。しかしながら、能力情報は、現状ではRRC(Radio Resource Control)接続後に取得される。このため、RRC接続前のランダムアクセス手順では、ユーザ装置はPC3より高い送信電力を出力する可能性がある。
【0005】
また、3GPP TS 36.101では、バンド41で動作するPC2に対応したユーザ装置について、情報要素(IE)P−maxがセルにおいて23dBm以下に設定されている場合に加えて、高いアップリンク割当比率を有するTDD(Time Division Duplex)フレームコンフィギュレーションが0又は6である場合、PC2の規定は適用不可であり、PPowerClassは23dBmに再設定され、ユーザ装置にPC3の規定が適用されることが規定されている。すなわち、PC2のユーザ装置がP−max=23dBm以下であるか、又はTDDフレームコンフィギュレーション0又は6が適用されるネットワークにアクセスするとき、当該ユーザ装置はPC2により動作することはできず、PC2からPC3にフォールバックする必要がある。
【0006】
上述した問題点に鑑み、本発明の課題は、高い送信電力をサポートするユーザ装置に対する電力制御技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、基地局との間で無線信号を送受信する送受信部と、サポートする第1の電力クラスより低い第2の電力クラスがデフォルト電力クラスとして規定されている周波数帯において前記基地局に無線信号を送信する際、デフォルト電力クラスの規定を前記サポートする第1の電力クラスに適用して、最大送信電力を前記デフォルト電力クラスの最大送信電力以下にする制御を行う制御部とを有し、前記制御部は、前記周波数帯の最大送信電力が通知されない場合、前記デフォルト電力クラスの規定を前記サポートする第1の電力クラスに適用して、最大送信電力を前記デフォルト電力クラスの最大送信電力以下になるよう制御する、端末、に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、高い送信電力をサポートするユーザ装置に対する電力制御技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の一実施例による無線通信システムを示す概略図である。
図2図2は、本発明の一実施例によるユーザ装置の機能構成を示すブロック図である。
図3図3は、本発明の一実施例による基地局の機能構成を示すブロック図である。
図4図4は、本発明の第1実施例によるイニシャルアクセス処理を示すシーケンス図である。
図5図5は、本発明の第1実施例によるハンドオーバ処理を示すシーケンス図である。
図6図6は、本発明の第2実施例によるイニシャルアクセス処理を示すシーケンス図である。
図7図7は、本発明の第2実施例によるハンドオーバ処理を示すシーケンス図である。
図8図8は、本発明の第3実施例によるユーザ装置による送信電力制御処理を示すフローチャートである。
図9図9は、本発明の第3実施例によるイニシャルアクセス処理を示すシーケンス図である。
図10図10は、本発明の一実施例によるシグナリング例を示す図である。
図11図11は、本発明の一実施例によるユーザ装置及び基地局のハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
後述される実施例では、PC3などのデフォルト電力クラスより高い電力クラス(PC1又はPC2)をサポートするユーザ装置が開示される。後述される実施例を概略すると、ユーザ装置は、サポートする高電力クラスより低い電力クラスをデフォルト電力クラスとして有する周波数帯において基地局にアクセスする際、当該周波数帯において当該デフォルト電力クラスを用いる際の送信規定、及び当該デフォルト電力クラスの最大送信電力以下の送信電力によって、基地局に対するランダムアクセス手順を実行する。
【0012】
具体的には、ユーザ装置は、アクセス先の周波数帯の最大送信電力がシステム情報又はハンドオーバ指示において基地局から通知されない場合、当該周波数帯のデフォルト電力クラスの規定に従って、ユーザ装置送信電力をデフォルト電力クラスの最大送信電力となるよう制御する。また、アクセス先の周波数帯の最大送信電力が通知されている場合、ユーザ装置は、通知された最大送信電力が高電力クラスであるときは、当該周波数帯の高電力クラスの規定に従って、ユーザ装置送信電力を高電力クラスの最大送信電力となるよう制御し、通知された最大送信電力が低電力クラスであるときは、当該周波数帯の低電力クラスの規定に従って、ユーザ装置送信電力を低電力クラスの最大送信電力と通知された最大送信電力との低い方の送信電力となるよう制御してもよい。尚、当該周波数帯の電力クラス毎に定められるユーザ装置送信規定としては、隣接チャネル漏洩電力比(ACLR:Adjacent Channel Leakage Ratio),隣接チャネル感度(ACS:Adjacent Channel Selectivity),参照感度パワーレベル(REFSENS:Reference Sensitivity Power Level),スペクトラムエミッションマスク(SEM:Spectrum Emission Mask),最大電力低減値(MPR:Maximum Power Reduction)等がある(非特許文献5)。
【0013】
これにより、高電力クラスをサポートするユーザ装置は、アクセス先の基地局のセルで許容される送信電力、及び送信規定により基地局にアクセスすることが可能になる。
【0014】
図1を参照して、本発明の一実施例による無線通信システムを説明する。図1は、本発明の一実施例による無線通信システムを示す概略図である。
【0015】
図1に示されるように、無線通信システム10は、ユーザ装置100及び基地局200を有する。無線通信システム10は、典型的には、LTEシステム、LTE−Advancedシステム又は5Gシステムなどの3GPP(3rd Generation Partnership Project)による規格に準拠した無線通信システムであってもよい。しかしながら、本発明による無線通信システム10は、これに限定されず、例えば、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)、UMTS enhancementであってもよいし、LTE single−cluster、LTE multi−cluster、UL inter−band CA、UL intra−band contiguous CA、UL intra−band non−contiguous CA、Dual ConnectivityなどのLTEシステムのバリエーションであってもよい。また、図示された実施例では、1つの基地局200しか示されていないが、無線通信システム10のサービスエリアをカバーするよう多数の基地局200が配置される。
【0016】
ユーザ装置100は、LTE、LTE−Advanced及び/又は5Gなどの3GPP規格に従って、基地局200により提供されるセル又は周波数帯を介し基地局200と無線通信を実行する。典型的には、ユーザ装置100は、図示されるように、スマートフォン、携帯電話、タブレット、モバイルルータ、ウェアラブル端末などの無線通信機能を備えた何れか適切な情報処理装置であってもよい。
【0017】
基地局200は、LTE、LTE−Advanced及び/又は5Gなどの3GPP規格に従って、セル又は周波数帯を介しユーザ装置100と無線接続することによって、コアネットワーク(図示せず)上に通信接続された上位局及び/又はサーバから受信したダウンリンク(DL)パケットをユーザ装置100に送信すると共に、ユーザ装置100から受信したアップリンク(UL)パケットをサーバに送信する。
【0018】
次に、図2を参照して、本発明の一実施例によるユーザ装置の構成を説明する。図2は、本発明の一実施例によるユーザ装置の機能構成を示すブロック図である。
【0019】
図2に示されるように、ユーザ装置100は、ある周波数帯に対してPC1又はPC2などの高送信電力をサポートすると共に、送受信部110及び送信電力制御部120を有する。
【0020】
送受信部110は、基地局200との間で無線信号を送受信する。具体的には、送受信部110は、基地局200との間でアップリンク/ダウンリンク制御チャネル及び/又はアップリンク/ダウンリンクデータチャネルなどの各種無線信号を送受信する。
【0021】
送信電力制御部120は、基地局200への送信電力を制御すると共に、PC1又はPC2などの高電力クラスより低いPC3などの電力クラスをデフォルト電力クラスとして有する周波数帯において基地局200にアクセスする際、送信電力制御部120は、基地局200へのユーザ装置からの送信を当該周波数帯のデフォルト電力クラス用の送信規定に従い、送信電力をデフォルト電力クラス以下になるよう制御する。具体的には、ユーザ装置100がPC1又はPC2などの高電力クラスより低いPC3などの電力クラスがデフォルト電力クラスとして適用される周波数帯を介し基地局200にアクセスする際、送信電力制御部120は、基地局200に対するランダムアクセス(RA)手順の開始時からデフォルト電力クラスを適用する。例えば、送信電力制御部120は、基地局200から受信したシステム情報又は個別シグナリングに基づき、当該周波数帯において適用される電力クラス及び/又は最大送信電力を判断し、基地局200に接続要求(RAプリアンブル)を送信する際に当該周波数帯で適用する電力クラスを決定する。送信電力制御部120の動作については、以降においてより詳細に説明する。
【0022】
次に、図3を参照して、本発明の一実施例による基地局の構成を説明する。図3は、本発明の一実施例による基地局の機能構成を示すブロック図である。
【0023】
図3に示されるように、基地局200は、システム情報送信部210及び接続制御部220を有する。
【0024】
システム情報送信部210は、システム情報を送信する。システム情報は、例えば、基地局200により提供される周波数帯において適用される最大送信電力及び/又は電力クラスなどを含むものであってもよい。具体的には、システム情報送信部210は、当該周波数帯において適用されるP−max又はPower Classの値をSystemInformationBlockType1により定期的にブロードキャストする。
【0025】
接続制御部220は、ユーザ装置100との無線接続を制御する。具体的には、ユーザ装置100からRAプリアンブルを受信すると、接続制御部220は、RAレスポンスをユーザ装置100に送信し、ユーザ装置100との無線接続又はRRC connectionを確立する。無線接続の確立後、接続制御部220は、モビリティ制御などユーザ装置100との無線接続を管理すると共に、当該周波数帯において適用されるP−max又はPower Classの値を個別シグナリングによりユーザ装置100に通知する。
【0026】
次に、図4及び5を参照して、本発明の第1実施例による送信電力制御処理を説明する。第1実施例では、送信電力制御部120は、基地局200から通知された最大送信電力(P−maxなど)に従って、基地局200にアクセスする際の送信規定、及び送信電力を制御する。
【0027】
一実施例では、ある周波数帯においてPC1又はPC2などの高電力クラスより低い最大送信電力(23dBmなど)に関する情報(例えば、システム情報)をアクセス先の基地局200から受信すると、送信電力制御部120は、当該周波数帯におけるPC3などの低電力クラスの送信規定に従って当該最大送信電力によりアクセス先の基地局200に当該周波数帯に対するアクセスリクエストを送信するよう送受信部110を制御してもよい。
【0028】
具体的には、図4に示されるように、ユーザ装置100は、ステップS101において、23dBmのPC3をデフォルト電力クラスとして有するバンドXにおいて26dBmのPC2をサポートしている。ステップS102において、ユーザ装置100は、バンドXのセルへの在圏を試みる。ステップS103において、送受信部110は、システム情報送信部210からブロードキャストされたP−Max=23dBmを示すSystemInformationBlockType1を受信する。
【0029】
ステップS104において、送信電力制御部120は、ユーザ装置100がサポートする最大送信電力26dBmとシステム情報のP−Max=23dBmとを比較し、バンドXにおけるより低いP−Max=23dBmを有するデフォルト電力クラスPC3の送信規定(スペクトルエミッションマスクなど)を当該周波数帯において適用する。ステップS105において、送信電力制御部120は、PC3の規定に準拠し、最大送信電力としてP−Max=23dBmを適用することによって、ランダムアクセスリクエスト(RA preamble)を基地局200に送信する。ステップS106において、基地局200は、当該RAリクエストに対してRAレスポンスを返信し、ステップS107において、ユーザ装置100とのRRC connectionを確立する。
【0030】
その後、ステップS108において、接続制御部220は、ユーザ装置100に対して能力情報を要求するためUE capability Enquiryを送信する。ステップS109において、送受信部110は、ユーザ装置100がPC3より高電力を有するPC2をサポートしていることを基地局200に通知する。当該通知を受信すると、接続制御部220は、通知されたPC2が許容されている場合、PC2を適用するようユーザ装置100に指示してもよい。PC2を適用する指示を受信すると、例えば、ユーザ装置100は、PC2の規定に従って26dBmの最大送信電力によって当該セルに対してRA手順を再実行してもよい。
【0031】
他の実施例では、PC1又はPC2などの高電力クラスより低い最大送信電力(23dBmなど)を示す周波数帯へのハンドオーバ指示をソース基地局200から受信すると、送信電力制御部120は、PC3などの低電力クラスの規定に従って当該最大送信電力によりターゲット基地局200に当該周波数帯に対するアクセスリクエストを送信するよう送受信部110を制御してもよい。
【0032】
具体的には、図5に示されるように、ユーザ装置100は、ステップS201において、23dBmのPC3をデフォルト電力クラスとして有するバンドXにおいて26dBmのPC2をサポートしている。ステップS202において、ユーザ装置100は、ソース基地局200のセル#1からターゲット基地局200のセル#1へのハンドオーバ指示(RRCConnectionReconfiguration with mobilityControlInfo)を受信する。ここで、当該ハンドオーバ指示は、P−Max=23dBmを示す。
【0033】
ステップS203において、送信電力制御部120は、ユーザ装置100がサポートする最大送信電力26dBmとハンドオーバ指示のP−Max=23dBmとを比較し、バンドXにおけるより低いP−Max=23dBmを有するデフォルト電力クラスPC3の送信規定(スペクトルエミッションマスクなど)を当該周波数帯において適用する。ステップS204において、送信電力制御部120は、PC3の規定に準拠し、最大送信電力としてP−Max=23dBmを適用することによって、ランダムアクセスリクエスト(RA preamble)を基地局200に送信する。ステップS205において、基地局200は、当該RAリクエストに対してRAレスポンスを返信し、ステップS206において、ユーザ装置100は、基地局200とのRRC connectionの確立を示すハンドオーバ完了通知(RRCConnectionReconfigurationComplete)を送信する。
【0034】
次に、図6及び7を参照して、本発明の第2実施例による送信電力制御処理を説明する。第2実施例では、送信電力制御部120は、基地局200から通知された電力クラスに従って、基地局200にアクセスする際の送信電力を制御する。
【0035】
一実施例では、PC3などの低電力クラスに関する情報(例えば、システム情報)をアクセス先の基地局200から受信すると、送信電力制御部120は、低電力クラスの規定に従って低電力クラス(PC3)と最大送信電力(P−max)との低い方の送信電力によりアクセス先の基地局200に周波数帯に対するアクセスリクエストを送信するよう送受信部110を制御してもよい。
【0036】
具体的には、図6に示されるように、ユーザ装置100は、ステップS301において、23dBmのPC3をデフォルト電力クラスとして有するバンドXにおいて26dBmのPC2をサポートしている。ステップS202において、ユーザ装置100は、バンドXのセルへの在圏を試みる。ステップS203において、送受信部110は、システム情報送信部210からブロードキャストされた電力クラスPC3を示すSystemInformationBlockType1を受信する。
【0037】
ステップS304において、送信電力制御部120は、PC3の最大送信電力23dBmとP−maxとを比較し、バンドXにおけるPC3の送信規定(スペクトルエミッションマスクなど)に従うと共に、低電力クラス(PC3)と最大送信電力(P−max)との低い方の送信電力を当該周波数帯において適用する。ステップS305において、送信電力制御部120は、PC3の送信規定に従って、決定された送信電力によりランダムアクセスリクエスト(RA preamble)を基地局200に送信する。ステップS306において、基地局200は、当該RAリクエストに対してRAレスポンスを返信し、ステップS307において、ユーザ装置100とのRRC connectionを確立する。
【0038】
その後、ステップS308において、接続制御部220は、ユーザ装置100に対して能力情報を要求するためUE capability Enquiryを送信する。ステップS309において、送受信部110は、ユーザ装置100がPC3より高電力を有するPC2をサポートしていることを基地局200に通知する。当該通知を受信すると、接続制御部220は、通知されたPC2が許容されている場合、PC2を適用するようユーザ装置100に指示してもよい。PC2を適用する指示を受信すると、例えば、ユーザ装置100は、PC2の規定に従って26dBmの最大送信電力によって当該セルに対してRA手順を再実行してもよい。
【0039】
他の実施例では、PC3などの低電力クラスを示す周波数帯へのハンドオーバ指示をソース基地局200から受信すると、送信電力制御部120は、低電力クラスの規定に従って低電力クラス(PC3)と最大送信電力(P−max)との低い方の送信電力によりターゲット基地局200に周波数帯に対するアクセスリクエストを送信するよう送受信部110を制御してもよい。
【0040】
具体的には、図7に示されるように、ユーザ装置100は、ステップS401において、23dBmのPC3をデフォルト電力クラスとして有するバンドXにおいて26dBmのPC2をサポートしている。ステップS402において、ユーザ装置100は、ソース基地局200のセル#1からターゲット基地局200のセル#1へのハンドオーバ指示(RRCConnectionReconfiguration with mobilityControlInfo)を受信する。ここで、当該ハンドオーバ指示は、ターゲット基地局200のセル#1が電力クラスPC3であることを示す。
【0041】
ステップS403において、送信電力制御部120は、送信電力制御部120は、PC3の最大送信電力23dBmとP−maxとを比較し、バンドXにおけるPC3の送信規定(スペクトルエミッションマスクなど)に従うと共に、低電力クラス(PC3)と最大送信電力(P−max)との低い方の送信電力を当該周波数帯において適用する。ステップS404において、送信電力制御部120は、PC3の送信規定に従って、決定された送信電力によりランダムアクセスリクエスト(RA preamble)を基地局200に送信する。ステップS405において、基地局200は、当該RAリクエストに対してRAレスポンスを返信し、ステップS406において、ユーザ装置100は、基地局200とのRRC connectionの確立を示すハンドオーバ完了通知(RRCConnectionReconfigurationComplete)を送信する。
【0042】
次に、図8〜10を参照して、本発明の第3実施例による送信電力制御処理を説明する。通常、ある周波数帯においてデフォルト電力クラス(例えば、PC3の23dBm)が許容される場合、当該周波数帯では、情報要素P−maxはシステム情報においてブロードキャストされず、情報要素P−maxがブロードキャストされるケースは、病院など、デフォルト電力クラスより低く最大送信電力を抑えたい特定のエリアに限定される。このため、デフォルト電力クラスより高い電力クラス(例えば、PC1の31dBm、PC2の26dBm)を許容したくないネットワークにおいて、情報要素P−maxをブロードキャストすることは望ましくない。第3実施例では、送信電力制御部120は、ある周波数帯の最大送信電力が通知されない場合、当該周波数帯のデフォルト電力クラスの送信規定に従ってユーザ装置の送信電力をデフォルト電力クラスの最大送信電力となるよう制御し、周波数帯の最大送信電力が通知され、通知された最大送信電力が高電力クラスである場合、当該周波数帯の高電力クラスの送信規定に従ってユーザ装置の送信電力を高電力クラスの最大送信電力となるよう制御し、周波数帯の最大送信電力が通知され、通知された最大送信電力がデフォルト電力クラスである場合、当該周波数帯のデフォルト電力クラスの送信規定に従ってユーザ装置の送信電力をデフォルト電力クラスと最大送信電力との低い方の送信電力となるよう制御してもよい。
【0043】
図8は、本発明の第3実施例によるユーザ装置による送信電力制御処理を示すフローチャートである。図8に示されるように、ステップS501において、ユーザ装置100は、デフォルト電力クラスとしてPC3を有するセルにおいて、アイドル状態から接続状態に遷移するか、又は当該セルにハンドオーバする。ステップS502において、ユーザ装置100は、当該セルのシステム情報(SIB1,3,5など)において最大送信電力P−maxが通知されているか、あるいは、ハンドオーバメッセージにおいて最大送信電力P−maxが通知されているか判断する。
【0044】
ある周波数帯で最大送信電力P−maxが通知されている場合(S502:Yes)、ステップS503において、ユーザ装置100は、当該周波数帯のデフォルト電力クラス(PC3)の送信要求条件に従ってPC3の最大送信電力によって接続要求(RAプリアンブル)を含むアップリンク信号を基地局200に送信する。
【0045】
他方、最大送信電力P−maxが通知されていない場合(S502:No)、ステップS504において、ユーザ装置100は更に、P−maxが複数のP−max/NSを含めてブロードキャストされ、かつP−maxの値がデフォルト電力クラスより大きいか判断する。
【0046】
P−maxが複数のP−max/NSを含めてブロードキャストされ、かつP−maxの値がデフォルト電力クラスより大きい場合(S504:Yes)、ステップS505において、ユーザ装置100は、当該周波数帯の高電力クラス(PC1又はPC2)の送信要求条件に従って当該高電力クラスの最大送信電力によって接続要求(RAプリアンブル)を含むアップリンク信号を基地局200に送信する。
【0047】
他方、P−maxが複数のP−max/NSを含めてブロードキャストされ、かつP−maxの値がデフォルト電力クラス以下である場合(S504:No)、ステップS506において、ユーザ装置100は、当該周波数帯のデフォルト電力クラス(PC3)の送信要求条件に従って、P−maxとデフォルト電力クラスの低い方の送信電力によって接続要求(RAプリアンブル)を含むアップリンク信号を基地局200に送信する。
【0048】
図9は、本発明の第3実施例によるイニシャルアクセス処理を示すシーケンス図である。図9に示される例では、P−maxがシステム情報において通知されないケースについて説明する。
【0049】
図9に示されるように、ユーザ装置100は、ステップS601において、23dBmのPC3をデフォルト電力クラスとして有するバンドXにおいて26dBmのPC2をサポートしている。ステップS602において、ユーザ装置100は、バンドXのセルへの在圏を試みる。ステップS603において、送受信部110は、システム情報送信部210からブロードキャストされたSystemInformationBlockType1を受信する。本例では、情報要素P−maxはシステム情報において通知されていないとする。
【0050】
ステップS604において、送信電力制御部120は、バンドXにおけるデフォルト電力クラスPC3の送信規定(スペクトルエミッションマスクなど)を当該周波数帯において適用する。ステップS605において、送信電力制御部120は、PC3の送信規定に準拠し、最大送信電力としてP−Max=23dBmを適用することによって、ランダムアクセスリクエスト(RA preamble)を基地局200に送信する。ステップS606において、基地局200は、当該RAリクエストに対してRAレスポンスを返信し、ステップS607において、ユーザ装置100とのRRC connectionを確立する。
【0051】
その後、ステップS608において、接続制御部220は、ユーザ装置100に対して能力情報を要求するためUE capability Enquiryを送信する。ステップS609において、送受信部110は、ユーザ装置100がPC3より高電力を有するPC2をサポートしていることを基地局200に通知する。
【0052】
ステップS610において、接続制御部220は、RRCConnectionReconfigurationによってPC2を適用するようユーザ装置100に指示する。ステップS611において、ユーザ装置100は、PC2の規定を適用し、ステップS612において、RRCConnectionReconfigurationCompleteを基地局200に送信する。なお、本実施例では、通知されたUE capabilityに関係なく、ユーザ装置100は、図8に関して説明した送信電力制御処理を実行してもよい。
【0053】
図10は、本発明の一実施例によるシグナリング例を示す図である。図10に示されるように、ある周波数帯においてユーザ装置100がデフォルト電力クラス(PC3)より高い電力クラス(PC1又はPC2)をサポートしている場合、所定のTDDフレームコンフィギュレーション(TDDフレームコンフィギュレーション0又は6など)がアクセス先の周波数帯において適用される場合、当該周波数帯の最大送信電力が基地局200から通知されない場合、又は、当該周波数帯の最大送信電力がデフォルト電力クラス以下に設定される場合、送信電力制御部120は、当該周波数のデフォルト送信電力クラスの送信規定を適用し、かつ所定の送信電力を設定してもよい。
【0054】
なお、上記実施の形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
【0055】
例えば、本発明の一実施の形態におけるユーザ装置100及び基地局200は、本発明の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図13は、本発明の一実施例によるユーザ装置100及び基地局200のハードウェア構成を示すブロック図である。上述のユーザ装置100及び基地局200は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0056】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。ユーザ装置100及び基地局200のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0057】
ユーザ装置100及び基地局200における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信や、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
【0058】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、上述の各構成要素は、プロセッサ1001で実現されてもよい。
【0059】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールやデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、ユーザ装置100及び基地局201,202の各構成要素による処理は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0060】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施の形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0061】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0062】
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。例えば、上述の各構成要素は、通信装置1004で実現されてもよい。
【0063】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0064】
また、プロセッサ1001やメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0065】
また、ユーザ装置100及び基地局200は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
【0066】
情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0067】
本明細書で説明した各態様/実施例は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W−CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
【0068】
本明細書で説明した各態様/実施例の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0069】
本明細書において基地局200によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つまたは複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局および/または基地局以外の他のネットワークノード(例えば、MMEまたはS-GWなどが考えられるが、これらに限られない)によって行われ得ることは明らかである。上記において基地局以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MMEおよびS-GW)であってもよい。
【0070】
情報等は、上位レイヤ(または下位レイヤ)から下位レイヤ(または上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0071】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0072】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0073】
本明細書で説明した各態様/実施例は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0074】
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0075】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0076】
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0077】
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0078】
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナル)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC)は、キャリア周波数、セルなどと呼ばれてもよい。
【0079】
本明細書で使用する「システム」および「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0080】
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスで指示されるものであってもよい。
【0081】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的なものではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本明細書で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素(例えば、TPCなど)は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的なものではない。
【0082】
基地局は、1つまたは複数(例えば、3つ)の(セクタとも呼ばれる)セルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」または「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局、および/または基地局サブシステムのカバレッジエリアの一部または全体を指す。さらに、「基地局」、「eNB」、「セル」、および「セクタ」という用語は、本明細書では互換的に使用され得る。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)、フェムトセル、スモールセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0083】
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0084】
本明細書で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。
【0085】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。本明細書で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどの電磁エネルギーを使用することにより、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0086】
参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)と呼ばれてもよい。
【0087】
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0088】
本明細書で使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量または順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1および第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、または何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0089】
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0090】
「含む(include)」、「含んでいる(including)」、およびそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0091】
無線フレームは時間領域において1つまたは複数のフレームで構成されてもよい。時間領域において1つまたは複数の各フレームはサブフレームと呼ばれてもよい。サブフレームは更に時間領域において1つまたは複数のスロットで構成されてもよい。スロットはさらに時間領域において1つまたは複数のシンボル(OFDMシンボル、SC-FDMAシンボル等)で構成されてもよい。無線フレーム、サブフレーム、スロット、およびシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、およびシンボルは、それぞれに対応する別の呼び方であってもよい。例えば、LTEシステムでは、基地局が各移動局に無線リソース(各移動局において使用することが可能な周波数帯域幅や送信電力等)を割り当てるスケジューリングを行う。スケジューリングの最小時間単位をTTI(Transmission Time Interval)と呼んでもよい。例えば、1サブフレームをTTIと呼んでもよいし、複数の連続したサブフレームをTTIと呼んでもよいし、1スロットをTTIと呼んでもよい。リソースブロック(RB)は、時間領域および周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域では1つまたは複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含んでもよい。また、リソースブロックの時間領域では、1つまたは複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1サブフレーム、または1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームは、それぞれ1つまたは複数のリソースブロックで構成されてもよい。上述した無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、スロットに含まれるシンボルおよびリソースブロックの数、および、リソースブロックに含まれるサブキャリアの数は様々に変更することができる。
【0092】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は上述した特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0093】
本出願は、2016年9月29日に出願した日本国特許出願2016−192354号の優先権の利益に基づき、これを主張するものであり、2016−192354号の全内容を本出願に援用する。
【符号の説明】
【0094】
10 無線通信システム
100 ユーザ装置
200 基地局
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11