(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
主構造物と前記主構造物を支持する支持構造物との間に配置され、前記主構造物と前記支持構造物との間に生じた相対変位を抑制しつつ、該主構造物の設置箇所と該支持構造物の設置箇所とのうちの少なくとも一方の損傷を防止する損傷制御型変位抑制装置において、
前記損傷制御型変位抑制装置が、前記主構造物と前記支持構造物とのうちのいずれか一方に設置される第1抑制部材と、前記主構造物と前記支持構造物とのうちのいずれか他方に設置される第2抑制部材とを有し、
前記第1抑制部材が、前記主構造物と前記支持構造物とのうちのいずれか一方に固定される第1固定プレートと、前記第1固定プレートの中央から上下方向へ延びる塑性変形可能な可変ロッドと、前記可変ロッドの頂部に位置するヘッドプレートとから形成され、前記第2抑制部材が、前記ヘッドプレートを位置させる中央開口を有して前記主構造物と前記支持構造物とのうちのいずれか他方に固定される第2固定プレートと、前記第2固定プレートの周縁部から前記第1固定プレートに向かって上下方向へ延びるエプロンプレートとから形成され、前記第2固定プレートが、前記中央開口を囲繞して前記ヘッドプレートの外周面から径方向外方へ所定寸法離間する内周面を備え、
前記損傷制御型変位抑制装置が、前記主構造物と前記支持構造物との間に相対変位が生じたときに、前記ヘッドプレートの外周面が前記第2固定プレートの内周面に部分的に当接して前記相対変位を抑制しつつ、前記ヘッドプレートの外周面が前記第2固定プレートの内周面に当接して前記相対変位による外力が前記主構造物の設置箇所と前記支持構造物の設置箇所とに伝わったときに、該主構造物の設置箇所と該支持構造物の設置箇所とのうちの少なくとも一方が損傷する前に前記可変ロッドが塑性変形し、それら構造物の設置箇所の損傷を防止する損傷防止機能を有することを特徴とする損傷制御型変位抑制装置。
前記損傷制御型変位抑制装置が、前記主構造物と前記支持構造物との間に相対変位が生じたときに、前記ヘッドプレートの外周面が前記第2固定プレートの内周面に部分的に当接し、前記可変ロッドが繰り返し変形することで、前記相対変位のエネルギーを吸収しつつ該相対変位を抑制するエネルギー吸収機能を有する請求項1に記載の損傷制御型変位抑制装置。
前記損傷制御型変位抑制装置が、橋梁に設置され、前記橋梁の主構造物と支持構造物との間に大きな相対変位が生じ、前記ヘッドプレートの外周面が前記第2固定プレートの内周面に部分的に当接して前記相対変位による外力が前記橋梁の主構造物の設置箇所と支持構造物の設置箇所とに伝わったときに、前記可変ロッドが変形して該橋梁の落下を防止する落下防止機能を有する請求項1又は請求項2に記載の損傷制御型変位抑制装置。
前記損傷制御型変位抑制装置が、前記主構造物と前記支持構造物との間に想定以上の大きな相対変位が生じ、前記ヘッドプレートの外周面が前記第2固定プレートの内周面に部分的に当接して前記相対変位による外力が前記主構造物の設置箇所と前記支持構造物の設置箇所とに伝わり、前記可変ロッドが塑性変形したとしても、路面に対する大きな段差の発生を防止する段差発生防止機能を有する請求項1ないし請求項3いずれかに記載の損傷制御型変位抑制装置。
前記可変ロッドの変形耐力が、あらかじめ想定される通常の前記相対変位を抑制するために必要な変形耐力よりも高く設定されているとともに、前記主構造物の設置箇所と前記支持構造物の設置箇所とのうちの少なくとも一方の損傷耐力よりも低く設定されている請求項1ないし請求項4いずれかに記載の損傷制御型変位抑制装置。
前記エプロンプレートの下端部が、前記第1固定プレートの外周縁部の内側に位置し、前記損傷制御型変位抑制装置では、前記主構造物と前記支持構造物との間に相対変位が生じて前記第2抑制部材が揺動したときに、前記エプロンプレートの下端部が前記第1固定プレートに当接することで、該第2抑制部材の揺動が抑制される請求項1ないし請求項5いずれかに記載の損傷制御型変位抑制装置。
前記可変ロッドが、円柱状に成形され、前記第1固定プレートと前記可変ロッドとが、一体に成形されている請求項1ないし請求項6いずれかに記載の損傷制御型変位抑制装置。
前記ヘッドプレートの平面形状が、真円に成形され、前記第2固定プレートの中央開口が、前記ヘッドプレートよりもその直径が大きい真円に成形されている請求項1ないし請求項7いずれかに記載の損傷制御型変位抑制装置。
前記第2固定プレートの内周面の上下方向の長さ寸法が、前記ヘッドプレートの外周面の上下方向の長さ寸法よりも長い請求項1ないし請求項8いずれかに記載の損傷制御型変位抑制装置。
前記エプロンプレートが、前記第2固定プレートの外周縁の径方向外方に位置し、前記エプロンプレートの内周面が、前記主構造物と前記支持構造物との間に相対変位が生じたときに前記可変ロッドの外周面に当接することがないように、該可変ロッドの外周面に対して径方向外方へ所定寸法離間している請求項1ないし請求項9いずれかに記載の損傷制御型変位抑制装置。
前記第1固定プレートの前記可変ロッドが延びる部位には、前記第1固定プレートの下面から上面に向かって該第1固定プレートの上下面間の厚み寸法で凹む凹部が形成されている請求項1ないし請求項10いずれかに記載の損傷制御型変位抑制装置。
前記第2固定プレートの内周面と前記ヘッドプレートの外周面とのうちの少なくとも一方には、弾性変形可能な弾性部材が固着されている請求項1ないし請求項11いずれかに記載の損傷制御型変位抑制装置。
前記可変ロッドが、前記ヘッドプレートにつながる前記頂部と、前記第1固定プレートにつながる底部と、前記頂部及び前記底部の間に延びる中間部とを有し、その直径が前記頂部から前記底部に向かって次第に大きくなる末広がりに成形され、前記ヘッドプレートの直径が、前記可変ロッドの頂部の頂端の直径よりも大きく、前記ヘッドプレートが、前記可変ロッドの頂部から径方向外方へ延出している請求項1ないし請求項12いずれかに記載の損傷制御型変位抑制装置。
前記可変ロッドが、前記ヘッドプレートにつながる前記頂部と、前記第1固定プレートにつながる底部と、前記頂部及び前記底部の間に延びる中間部とを有し、その直径が前記頂部から前記中間部に向かって次第に小さくなるとともに該中間部から前記底部に向かって次第に大きくなるように括れ状態に成形され、前記ヘッドプレートの直径が、前記可変ロッドの頂部の頂端の直径よりも大きく、前記ヘッドプレートが、前記可変ロッドの頂部から径方向外方へ延出している請求項1ないし請求項12いずれかに記載の損傷制御型変位抑制装置。
前記可変ロッドが、前記ヘッドプレートにつながる前記頂部と、前記第1固定プレートにつながる底部と、前記頂部及び前記底部の間に延びる中間部とを有し、その直径が前記頂部から前記底部に向かって次第に小さくなる先細りに成形され、前記ヘッドプレートの直径が、前記可変ロッドの頂部の頂端の直径よりも大きく、前記ヘッドプレートが、前記可変ロッドの頂部から径方向外方へ延出している請求項1ないし請求項12いずれかに記載の損傷制御型変位抑制装置。
前記可変ロッドが、前記ヘッドプレートにつながる前記頂部と、前記第1固定プレートにつながる底部と、前記頂部及び前記底部の間に延びる中間部とを有し、その直径が前記頂部から前記底部に向かって次第に大きくなる末広がりに成形され、前記ヘッドプレートの直径が、前記可変ロッドの頂部の頂端の直径と同一である請求項1ないし請求項12いずれかに記載の損傷制御型変位抑制装置。
前記可変ロッドが、前記ヘッドプレートにつながる前記頂部と、前記第1固定プレートにつながる底部と、前記頂部及び前記底部の間に延びる中間部とを有し、その直径が前記頂部から前記中間部に向かって次第に小さくなるとともに該中間部から前記底部に向かって次第に大きくなるように括れ状態に成形され、前記ヘッドプレートの直径が、前記可変ロッドの頂部の頂端の直径と同一である請求項1ないし請求項12いずれかに記載の損傷制御型変位抑制装置。
前記可変ロッドが、前記ヘッドプレートにつながる前記頂部と、前記第1固定プレートにつながる底部と、前記頂部及び前記底部の間に延びる中間部とを有し、その直径が前記頂部から前記底部に向かって次第に小さくなる先細りに成形され、前記ヘッドプレートの直径が、前記可変ロッドの頂部の頂端の直径と同一である請求項1ないし請求項12いずれかに記載の損傷制御型変位抑制装置。
前記ヘッドプレートの外周面が、径方向外方へ凸となるように円弧を画く凸面であり、前記第2固定プレートの内周面が、前記ヘッドプレートの外周面に平行するように、径方向外方へ向かって凹となるように円弧を画く凹面である請求項1ないし請求項18いずれかに記載の損傷制御型変位抑制装置。
前記ヘッドプレートの外周面が、上下方向上方から下方に向かって末広がりに傾斜し、前記第2固定プレートの内周面が、前記ヘッドプレートの外周面に平行するように、上下方向上方から下方に向かって末広がりに傾斜している請求項1ないし請求項18いずれかに記載の損傷制御型変位抑制装置。
前記ヘッドプレートの外周面が、径方向外方へ凸となるように円弧を画きつつ上下方向上方から下方に向かって末広がりに傾斜し、前記第2固定プレートの内周面が、前記ヘッドプレートの外周面に平行するように、径方向外方へ凹となるように円弧を画きつつ上下方向上方から下方に向かって末広がりに傾斜している請求項1ないし請求項18いずれかに記載の損傷制御型変位抑制装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に開示の変位制限装置は、たとえば、地震が発生し、地震の揺れによって支持躯体と橋桁との間に相対変位が生じたときに、凹部材の内側に設置されたストッパーが収容壁に衝突することで凸部材の移動が制限され、それによって支持躯体と橋桁との相対変位を制限することができる。しかし、凸部材又は凹部材の一方を設置した支持躯体の設置箇所の損傷耐力よりもストッパーの変形耐力が高く、凸部材又は凹部材の他方を設置した橋桁の設置箇所の損傷耐力よりもストッパーの変形耐力が高い場合、ストッパーが凹部材の収容壁に衝突して相対変位による外力が支持躯体の設置箇所や橋桁の設置箇所に伝わったときに、その外力によって支持躯体の設置箇所や橋桁の設置箇所が損傷(ゆがみやひずみ、湾曲等の変形、ひび割れ、破断、損壊、崩落等)する場合がある。支持躯体の設置箇所や橋桁の設置箇所が損傷すると、その復旧に時間を要し、橋の通行が長期間にわたって制限され、緊急車両や支援物資の輸送車両等の通行ができず、震災地域の救助活動や震災地域の復興の妨げとなってしまう。
【0005】
本発明の目的は、主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位を抑制することができるとともに、主構造物の設置箇所と支持構造物の設置箇所とのうちの少なくとも一方の損傷を防止することができる損傷制御型変位抑制装置を提供することにある。本発明の他の目的は、相対変位による外力が主構造物の設置箇所と支持構造物の設置箇所とに伝わったときに、主構造物の設置箇所と支持構造物の設置箇所とのうちの少なくとも一方が損傷する前に可変ロッドが塑性変形し、それら構造物の設置箇所の損傷が防止されることで、主構造物や支持構造物の使用が制限されることはなく、主構造物や支持構造物の継続使用を可能にしつつ、直ちに交換することで次の相対変位に速やかに備えることができる損傷制御型変位抑制装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための本発明の前提は、主構造物と主構造物を支持する支持構造物との間に配置され、主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位を抑制しつつ、主構造物の設置箇所と支持構造物の設置箇所とのうちの少なくとも一方の損傷を防止する損傷制御型変位抑制装置である。
【0007】
前記前提における本発明の特徴は、損傷制御型変位抑制装置が、主構造物と支持構造物とのうちのいずれか一方に設置される第1抑制部材と、主構造物と支持構造物とのうちのいずれか他方に設置される第2抑制部材とを有し、第1抑制部材が、主構造物と支持構造物とのうちのいずれか一方に固定される第1固定プレートと、第1固定プレートの中央から上下方向へ延びる塑性変形可能な可変ロッドと、可変ロッドの頂部に位置するヘッドプレートとから形成され、第2抑制部材が、ヘッドプレートを位置させる中央開口を有して主構造物と支持構造物とのうちのいずれか他方に固定される第2固定プレートと、第2固定プレートの周縁部から第1固定プレートに向かって上下方向へ延びるエプロンプレートとから形成され、第2固定プレートが、中央開口を囲繞してヘッドプレートの外周面から径方向外方へ所定寸法離間する内周面を備え、損傷制御型変位抑制装置が、主構造物と支持構造物との間に相対変位が生じたときに、ヘッドプレートの外周面が第2固定プレートの内周面に部分的に当接して相対変位を抑制しつつ、ヘッドプレートの外周面が第2固定プレートの内周面に当接して相対変位による外力が主構造物の設置箇所と支持構造物の設置箇所とに伝わったときに、主構造物の設置箇所と支持構造物の設置箇所とのうちの少なくとも一方が損傷する前に可変ロッドが塑性変形し、それら構造物の設置箇所の損傷を防止する損傷防止機能を有することにある。
【0008】
本発明の一例としては、損傷制御型変位抑制装置が、主構造物と支持構造物との間に相対変位が生じたときに、ヘッドプレートの外周面が第2固定プレートの内周面に部分的に当接し、可変ロッドが繰り返し変形することで、相対変位のエネルギーを吸収しつつ相対変位を抑制するエネルギー吸収機能を有する。
【0009】
本発明の他の一例としては、損傷制御型変位抑制装置が、橋梁に設置され、橋梁の主構造物と支持構造物との間に大きな相対変位が生じ、ヘッドプレートの外周面が第2固定プレートの内周面に部分的に当接して相対変位による外力が橋梁の主構造物の設置箇所と支持構造物の設置箇所とに伝わったときに、可変ロッドが変形して橋梁の落下を防止する落下防止機能を有する。
【0010】
本発明の他の一例としては、損傷制御型変位抑制装置が、主構造物と支持構造物との間に想定以上の大きな相対変位が生じ、ヘッドプレートの外周面が第2固定プレートの内周面に部分的に当接して相対変位による外力が主構造物の設置箇所と支持構造物の設置箇所とに伝わり、可変ロッドが塑性変形したとしても、路面に対する大きな段差の発生を防止する段差発生防止機能を有する。
【0011】
本発明の他の一例としては、可変ロッドの変形耐力が、あらかじめ想定される通常の相対変位を抑制するために必要な変形耐力よりも高く設定されているとともに、主構造物の設置箇所と支持構造物の設置箇所とのうちの少なくとも一方の損傷耐力よりも低く設定されている。
【0012】
本発明の他の一例としては、エプロンプレートの下端部が、第1固定プレートの外周縁部の内側に位置し、損傷制御型変位抑制装置では、主構造物と支持構造物との間に相対変位が生じて第2抑制部材が揺動したときに、エプロンプレートの下端部が第1固定プレートに当接することで、第2抑制部材の揺動が抑制される。
【0013】
本発明の他の一例としては、可変ロッドが、円柱状に成形され、第1固定プレートと可変ロッドとが、一体に成形されている。
【0014】
本発明の他の一例としては、ヘッドプレートの平面形状が、真円に成形され、第2固定プレートの中央開口が、ヘッドプレートよりもその直径が大きい真円に成形されている。
【0015】
本発明の他の一例としては、第2固定プレートの内周面の上下方向の長さ寸法が、ヘッドプレートの外周面の上下方向の長さ寸法よりも長い。
【0016】
本発明の他の一例としては、エプロンプレートが、第2固定プレートの外周縁の径方向外方に位置し、エプロンプレートの内周面が、主構造物と支持構造物との間に相対変位が生じたときに可変ロッドの外周面に当接することがないように、可変ロッドの外周面に対して径方向外方へ所定寸法離間している。
本発明の他の一例としては、第1固定プレートの下面から上面に向かって第1固定プレートの上下面間の厚み寸法で凹む凹部が第1固定プレートの可変ロッドが延びる部位に形成されている。
【0017】
本発明の他の一例としては、第2固定プレートの内周面とヘッドプレートの外周面とのうちの少なくとも一方には、弾性変形可能な弾性部材が固着されている。
【0018】
本発明の他の一例としては、可変ロッドが、ヘッドプレートにつながる頂部と、第1固定プレートにつながる底部と、頂部及び底部の間に延びる中間部とを有し、その直径が頂部から底部に向かって次第に大きくなる末広がりに成形され、ヘッドプレートの直径が、可変ロッドの頂部の頂端の直径よりも大きく、ヘッドプレートが、可変ロッドの頂部から径方向外方へ延出している。
【0019】
本発明の他の一例としては、可変ロッドが、ヘッドプレートにつながる頂部と、第1固定プレートにつながる底部と、頂部及び底部の間に延びる中間部とを有し、その直径が頂部から中間部に向かって次第に小さくなるとともに中間部から底部に向かって次第に大きくなるように括れ状態に成形され、ヘッドプレートの直径が、可変ロッドの頂部の頂端の直径よりも大きく、ヘッドプレートが、可変ロッドの頂部から径方向外方へ延出している。
【0020】
本発明の他の一例としては、可変ロッドが、ヘッドプレートにつながる頂部と、第1固定プレートにつながる底部と、頂部及び底部の間に延びる中間部とを有し、その直径が頂部から底部に向かって次第に小さくなる先細りに成形され、ヘッドプレートの直径が、可変ロッドの頂部の頂端の直径よりも大きく、ヘッドプレートが、可変ロッドの頂部から径方向外方へ延出している。
【0021】
本発明の他の一例としては、可変ロッドが、ヘッドプレートにつながる頂部と、第1固定プレートにつながる底部と、頂部及び底部の間に延びる中間部とを有し、その直径が頂部から底部に向かって次第に大きくなる末広がりに成形され、ヘッドプレートの直径が、可変ロッドの頂部の頂端の直径と同一である。
【0022】
本発明の他の一例としては、可変ロッドが、ヘッドプレートにつながる頂部と、第1固定プレートにつながる底部と、頂部及び底部の間に延びる中間部とを有し、その直径が頂部から中間部に向かって次第に小さくなるとともに中間部から底部に向かって次第に大きくなるように括れ状態に成形され、ヘッドプレートの直径が、可変ロッドの頂部の頂端の直径と同一である。
【0023】
本発明の他の一例としては、可変ロッドが、ヘッドプレートにつながる頂部と、第1固定プレートにつながる底部と、頂部及び底部の間に延びる中間部とを有し、その直径が頂部から底部に向かって次第に小さくなる先細りに成形され、ヘッドプレートの直径が、可変ロッドの頂部の頂端の直径と同一である。
【0024】
本発明の他の一例としては、ヘッドプレートの外周面が、径方向外方へ凸となるように円弧を画く凸面であり、第2固定プレートの内周面が、ヘッドプレートの外周面に平行するように、径方向外方へ向かって凹となるように円弧を画く凹面である。
【0025】
本発明の他の一例としては、ヘッドプレートの外周面が、上下方向上方から下方に向かって末広がりに傾斜し、第2固定プレートの内周面が、ヘッドプレートの外周面に平行するように、上下方向上方から下方に向かって末広がりに傾斜している。
【0026】
本発明の他の一例としては、ヘッドプレートの外周面が、径方向外方へ凸となるように円弧を画きつつ上下方向上方から下方に向かって末広がりに傾斜し、第2固定プレートの内周面が、ヘッドプレートの外周面に平行するように、径方向外方へ凹となるように円弧を画きつつ上下方向上方から下方に向かって末広がりに傾斜している。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係る損傷制御型変位抑制装置によれば、たとえば、地震が発生し、地震の揺れによって主構造物と支持構造物との間に相対変位が生じたときに、第1抑制部材のヘッドプレートの外周面が第2抑制部材の第2固定プレートの内周面に部分的に当接して相対変位が抑制されるとともに、ヘッドプレートの外周面が第2固定プレートの内周面に当接して相対変位による外力が主構造物の設置箇所と支持構造物の設置箇所とに伝わったときに、主構造物の設置箇所と支持構造物の設置箇所とのうちの少なくとも一方が損傷する前に可変ロッドが塑性変形し、それら構造物の設置箇所の損傷(ゆがみやひずみ、湾曲等の変形、ひび割れ、破断、損壊、崩落等)を防止する損傷防止機能を有するから、主構造物と支持構造物とのうちのいずれか一方に設置された第1抑制部材及び主構造物と支持構造物とのうちのいずれか他方に設置された第2抑制部材によって主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位を抑制することができ、地震の揺れによる相対変位を減衰させることができるとともに、第1抑制部材や第2抑制部材を設置した主構造物の設置箇所と支持構造物の設置箇所とのうちの少なくとも一方の損傷を防止することができる。損傷制御型変位抑制装置は、相対変位による外力が第1抑制部材や第2抑制部材を設置した主構造物の設置箇所と支持構造物の設置箇所とに伝わったときに、主構造物の設置箇所と支持構造物の設置箇所とのうちの少なくとも一方が損傷する前に可変ロッドが塑性変形し、それら構造物の設置箇所の損傷が防止されることで、主構造物や支持構造物の使用が制限されることはなく、主構造物や支持構造物の継続使用を可能にしつつ、可変ロッドが塑性変形した損傷制御型変位抑制装置を直ちに交換することで次の相対変位に速やかに備えることができる。
【0028】
主構造物と支持構造物との間に相対変位が生じたときに、ヘッドプレートの外周面が第2固定プレートの内周面に部分的に当接し、可変ロッドが繰り返し変形することで、相対変位のエネルギーを吸収しつつ相対変位を抑制するエネルギー吸収機能を有する損傷制御型変位抑制装置は、たとえば、地震が発生し、主構造物と支持構造物との間に相対変位が生じたときに、可変ロッドが繰り返し変形することで、相対変位のエネルギーを吸収しつつ相対変位を抑制するエネルギー吸収機能を有するから、主構造物と支持構造物とのうちのいずれか一方に設置された第1抑制部材及び主構造物と支持構造物とのうちのいずれか他方に設置された第2抑制部材によって主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位を確実に抑制することができ、地震の揺れによる相対変位を減衰させることができる。
【0029】
損傷制御型変位抑制装置が橋梁に設置され、橋梁の主構造物と支持構造物との間に大きな相対変位が生じ、ヘッドプレートの外周面が第2固定プレートの内周面に部分的に当接して相対変位による外力が橋梁の主構造物の設置箇所と支持構造物の設置箇所とに伝わったときに、可変ロッドが変形して橋梁の落下を防止する落下防止機能を有する損傷制御型変位抑制装置は、たとえば、大きな地震(レベル2地震)が発生し、橋梁の主構造物と支持構造物との間に大きな相対変位が生じたときに、可変ロッドが変形して橋梁の落下を防止する落下防止機能を有するから、橋梁の落下という大事故を防ぐことができ、大きな地震の発生後における橋梁の継続使用を可能にすることができる。損傷制御型変位抑制装置は、大きな地震の発生後に橋の通行が長期間にわたって制限されることはなく、緊急車両や支援物資の輸送車両等の通行を可能にすることができ、震災地域の救助活動や震災地域の円滑な復興を可能にすることができる。
【0030】
主構造物と支持構造物との間に想定以上の大きな相対変位が生じ、ヘッドプレートの外周面が第2固定プレートの内周面に部分的に当接して相対変位による外力が主構造物の設置箇所と支持構造物の設置箇所とに伝わり、可変ロッドが塑性変形したとしても、路面に対する大きな段差の発生を防止する段差発生防止機能を有する損傷制御型変位抑制装置は、たとえば、想定外の大きな地震(レベル2地震以上あるいは超過外力)が発生し、主構造物と支持構造物との間に想定以上の大きな相対変位が生じたときに、可変ロッドが塑性変形したとしても、路面(橋梁の路面等)に対する大きな段差の発生を防止する段差発生防止機能を有するから、路面に大きな段差が生じることはなく、想定以上の大きな地震の発生後における路面(道路)の継続使用を可能にすることができる。損傷制御型変位抑制装置は、想定以上の大きな地震の発生後に橋の通行や道路の通行が長期間にわたって制限されることはなく、緊急車両や支援物資の輸送車両等の通行を可能にすることができ、震災地域の救助活動や震災地域の円滑な復興を可能にすることができる。
【0031】
可変ロッドの変形耐力があらかじめ想定される通常の相対変位を抑制するために必要な変形耐力よりも高く設定されているとともに主構造物の設置箇所と支持構造物の設置箇所とのうちの少なくとも一方の損傷耐力よりも低く設定されている損傷制御型変位抑制装置は、可変ロッドの変形耐力があらかじめ想定される通常の相対変位を抑制するために必要な変形耐力よりも高く設定されることで、主構造物と支持構造物とのうちのいずれか一方に設置された第1抑制部材及び主構造物と支持構造物とのうちのいずれか他方に設置された第2抑制部材によって主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位を確実に抑制することができ、地震の揺れによる相対変位を減衰させることができる。損傷制御型変位抑制装置は、可変ロッドの変形耐力が第1抑制部材や第2抑制部材を設置した主構造物の設置箇所と支持構造物の設置箇所とのうちの少なくとも一方の損傷耐力よりも低く設定されることで、第1抑制部材のヘッドプレートの外周面が第2抑制部材の第2固定プレートの内周面に当接して相対変位による外力が主構造物の設置箇所と支持構造物の設置箇所とに伝わったときに、主構造物の設置箇所と支持構造物の設置箇所とのうちの少なくとも一方が損傷する前に可変ロッドが塑性変形し、それら構造物の設置箇所の損傷(ゆがみやひずみ、湾曲等の変形、ひび割れ、破断、損壊、崩落等)が防止されるから、主構造物の設置箇所と支持構造物の設置箇所とのうちの少なくとも一方の損傷を防止することができ、主構造物や支持構造物の使用が制限されることはなく、主構造物や支持構造物の継続使用を可能にしつつ、可変ロッドが塑性変形した損傷制御型変位抑制装置を直ちに交換することで次の相対変位に速やかに備えることができる。損傷制御型変位抑制装置は、相対変位のエネルギーを吸収しつつ相対変位を抑制するエネルギー吸収機能を有するから、第1抑制部材及び第2抑制部材によって主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位を確実に抑制することができ、地震の揺れによる相対変位を減衰させることができる。損傷制御型変位抑制装置は、橋梁の落下を防止する落下防止機能を有するから、橋梁の落下という大事故を防ぐことができ、大きな地震の発生後における橋梁の継続使用を可能にすることができるとともに、橋梁の路面に対する大きな段差の発生を防止する段差発生防止機能を有するから、橋梁の路面に大きな段差が生じることはなく、想定以上の大きな地震の発生後における橋梁の路面の継続使用を可能にすることができる。
【0032】
エプロンプレートの下端部が第1固定プレートの外周縁部の内側に位置し、主構造物と支持構造物との間に相対変位が生じて第2抑制部材が揺動したときに、エプロンプレートの下端部が第1固定プレートに当接することで、第2抑制部材の揺動が抑制される損傷制御型変位抑制装置は、エプロンプレートの下端部が第1固定プレートに当接しない場合、相対変位によって第2抑制部材が揺動したときに第2抑制部材が大きく変形し、第1抑制部材のヘッドプレートが第2抑制部材の第2固定プレートの中央開口から外れ、第1抑制部材のヘッドプレートの外周面が第2抑制部材の第2固定プレートの内周面に当接せず、主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位を抑制することができないが、第2抑制部材が揺動したときに、エプロンプレートの下端部が第1固定プレートに当接することで第2抑制部材の揺動が抑制されるから、主構造物と支持構造物との間に相対変位が生じたときに、第1抑制部材のヘッドプレートの外周面を第2抑制部材の第2固定プレートの内周面に当接させることができ、主構造物と支持構造物とのうちのいずれか一方に設置された第1抑制部材及び主構造物と支持構造物とのうちのいずれか他方に設置された第2抑制部材によって主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位を確実に抑制することができる。
【0033】
可変ロッドが円柱状に成形され、第1固定プレートと可変ロッドとが一体に成形されている損傷制御型変位抑制装置は、可変ロッドを円柱状にすることで、地震の揺れによって生じた主構造物と支持構造物との間の相対変位による外力が第1抑制部材の第1固定プレートと可変ロッドとの接続部分に満遍なく作用し、第1抑制部材のヘッドプレートの外周面が第2抑制部材の第2固定プレートの内周面に当接して相対変位による外力が主構造物の設置箇所と支持構造物の設置箇所とに伝わったときに、主構造物の設置箇所と支持構造物の設置箇所とのうちの少なくとも一方が損傷する前に第1固定プレートと可変ロッドとの接続部分が塑性変形し、それら構造物の設置箇所の損傷(ゆがみやひずみ、湾曲等の変形、ひび割れ、破断、損壊、崩落等)を確実に防止することができる。損傷制御型変位抑制装置は、第1抑制部材の第1固定プレートと可変ロッドとが一体に成形されているから、第1固定プレートと可変ロッドとが溶接によって接合されている場合と比較し、第1固定プレートと可変ロッドとの接続部分の疲労による塑性変形を防止することができ、主構造物と支持構造物とのうちのいずれか一方に設置された第1抑制部材及び主構造物と支持構造物とのうちのいずれか他方に設置された第2抑制部材によって主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位を確実に抑制することができる。損傷制御型変位抑制装置は、相対変位のエネルギーを吸収しつつ相対変位を抑制するエネルギー吸収機能を有するから、第1抑制部材及び第2抑制部材によって主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位を確実に抑制することができ、地震の揺れによる相対変位を減衰させることができる。損傷制御型変位抑制装置は、橋梁の落下を防止する落下防止機能を有するから、橋梁の落下という大事故を防ぐことができ、大きな地震の発生後における橋梁の継続使用を可能にすることができるとともに、橋梁の路面に対する大きな段差の発生を防止する段差発生防止機能を有するから、橋梁の路面に大きな段差が生じることはなく、想定以上の大きな地震の発生後における橋梁の路面の継続使用を可能にすることができる。
【0034】
ヘッドプレートの平面形状が真円に成形され、第2固定プレートの中央開口がヘッドプレートよりもその直径が大きい真円に成形されている損傷制御型変位抑制装置は、地震の揺れによって主構造物と支持構造物との間にあらゆる方向の相対変位が生じたとしても、第1抑制部材の真円に成形されたヘッドプレートの外周面が第2抑制部材の第2固定プレートの内周面に部分的に当接するから、あらゆる方向からの相対変位を抑制することができ、主構造物と支持構造物とのうちのいずれか一方に設置された第1抑制部材及び主構造物と支持構造物とのうちのいずれか他方に設置された第2抑制部材によって主構造物と支持構造物との間に生じたあらゆる方向の相対変位を確実に抑制することができる。損傷制御型変位抑制装置は、あらゆる方向の相対変位が生じたとしても、第1抑制部材の真円に成形されたヘッドプレートの外周面が第2抑制部材の第2固定プレートの内周面に部分的に当接し、ヘッドプレートの外周面が第2固定プレートの内周面に当接して相対変位による外力が主構造物の設置箇所と支持構造物の設置箇所とに伝わったときに、主構造物の設置箇所と支持構造物の設置箇所とのうちの少なくとも一方が損傷する前に可変ロッドが塑性変形し、それら構造物の設置箇所の損傷(ゆがみやひずみ、湾曲等の変形、ひび割れ、破断、損壊、崩落等)が防止されるから、主構造物の設置箇所と支持構造物の設置箇所とのうちの少なくとも一方の損傷を防止することができ、主構造物や支持構造物の使用が制限されることはなく、主構造物や支持構造物の継続使用を可能にしつつ、可変ロッドが塑性変形した損傷制御型変位抑制装置を直ちに交換することで次の相対変位に速やかに備えることができる。損傷制御型変位抑制装置は、相対変位のエネルギーを吸収しつつ相対変位を抑制するエネルギー吸収機能を有するから、第1抑制部材及び第2抑制部材によって主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位を確実に抑制することができ、地震の揺れによる相対変位を減衰させることができる。損傷制御型変位抑制装置は、橋梁の落下を防止する落下防止機能を有するから、橋梁の落下という大事故を防ぐことができ、大きな地震の発生後における橋梁の継続使用を可能にすることができるとともに、橋梁の路面に対する大きな段差の発生を防止する段差発生防止機能を有するから、橋梁の路面に大きな段差が生じることはなく、想定以上の大きな地震の発生後における橋梁の路面の継続使用を可能にすることができる。
【0035】
第2固定プレートの内周面の上下方向の長さ寸法がヘッドプレートの外周面の上下方向の長さ寸法よりも長い損傷制御型変位抑制装置は、第2固定プレートの内周面の上下方向の長さ寸法がヘッドプレートの外周面の上下方向の長さ寸法と同一又は短い場合、相対変位によって第1抑制部材と第2抑制部材とが揺動したときに、第1抑制部材のヘッドプレートが第2抑制部材の第2固定プレートの中央開口から外れ、第1抑制部材のヘッドプレートの外周面が第2抑制部材の第2固定プレートの内周面に当接せず、主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位を抑制することができないが、第2固定プレートの内周面の上下方向の長さ寸法がヘッドプレートの外周面の上下方向の長さ寸法よりも長いから、主構造物と支持構造物との間に相対変位が生じたときに、第1抑制部材のヘッドプレートの外周面を第2抑制部材の第2固定プレートの内周面に確実に当接させることができ、主構造物と支持構造物とのうちのいずれか一方に設置された第1抑制部材及び主構造物と支持構造物とのうちのいずれか他方に設置された第2抑制部材によって主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位を確実に抑制することができる。
【0036】
エプロンプレートが第2固定プレートの外周縁の径方向外方に位置し、主構造物と支持構造物との間に相対変位が生じたときに、エプロンプレートの内周面が可変ロッドの外周面に当接することがないように、エプロンプレートの内周面が可変ロッドの外周面に対して径方向外方へ所定寸法離間している損傷制御型変位抑制装置は、主構造物と支持構造物との間に相対変位が生じたときに、エプロンプレートの内周面が可変ロッドの外周面に当接すると、第1抑制部材のヘッドプレートの外周面を第2抑制部材の第2固定プレートの内周面に当接させることができない場合があり、主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位を抑制することができないが、主構造物と支持構造物との間に相対変位が生じたときに、エプロンプレートの内周面が可変ロッドの外周面に当接することがないように、エプロンプレートの内周面が可変ロッドの外周面に対して径方向外方へ所定寸法離間しているから、主構造物と支持構造物との間に相対変位が生じたときに、第1抑制部材のヘッドプレートの外周面を第2抑制部材の第2固定プレートの内周面に確実に当接させることができ、主構造物と支持構造物とのうちのいずれか一方に設置された第1抑制部材及び主構造物と支持構造物とのうちのいずれか他方に設置された第2抑制部材によって主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位を確実に抑制することができる。
第1固定プレートの下面から上面に向かって第1固定プレートの上下面間の厚み寸法で凹む凹部が第1固定プレートの可変ロッドが延びる部位に形成されている損傷制御型変位抑制装置は、第1固定プレートの可変ロッドが延びる部位に凹部を形成することで、可変ロッドが延びる第1固定プレートの部位が肉薄になり、第1固定プレートに対する可変ロッドの変形耐力が減少するから、第1抑制部材のヘッドプレートの外周面が第2抑制部材の第2固定プレートの内周面に部分的に当接して相対変位による外力が主構造物の設置箇所と支持構造物の設置箇所とに伝わったときに、主構造物の設置箇所と支持構造物の設置箇所とのうちの少なくとも一方が損傷する前に第1抑制部材の可変ロッドが塑性変形し、それら構造物の設置箇所の損傷(ゆがみやひずみ、湾曲等の変形、ひび割れ、破断、損壊、崩落等)を防止する損傷防止機能を確実に機能させることができ、第1抑制部材や第2抑制部材を設置した主構造物の設置箇所と支持構造物の設置箇所とのうちの少なくとも一方の損傷を確実に防止することができる。損傷制御型変位抑制装置は、相対変位による外力が第1抑制部材や第2抑制部材を設置した主構造物の設置箇所と支持構造物の設置箇所とに伝わったときに、主構造物の設置箇所と支持構造物の設置箇所とのうちの少なくとも一方が損傷する前に第1抑制部材の可変ロッドが確実に塑性変形し、それら構造物の設置箇所の損傷が防止されるから、主構造物や支持構造物の使用が制限されることはなく、主構造物や支持構造物の継続使用を可能にしつつ、可変ロッドが塑性変形した損傷制御型変位抑制装置を直ちに交換することで次の相対変位に速やかに備えることができる。
【0037】
弾性変形可能な弾性部材が第2固定プレートの内周面とヘッドプレートの外周面とのうちの少なくとも一方に固着されている損傷制御型変位抑制装置は、第2固定プレートの内周面とヘッドプレートの外周面とのうちの少なくとも一方に固着された弾性部材(たとえば、スチレン系熱可塑性エラストマーやオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、熱可塑性エラストマー、ゴムメタル等)がショックアブソーバーとなり、第1抑制部材のヘッドプレートの外周面が第2抑制部材の第2固定プレートの内周面に部分的に当接したときに弾性部材が弾性変形し、それによってヘッドプレートの外周面と第2固定プレートの内周面との当接時に生じる衝撃力が緩和され、主構造物と支持構造物とのうちのいずれか一方に設置された第1抑制部材及び主構造物と支持構造物とのうちのいずれか他方に設置された第2抑制部材によって主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位を確実に抑制することができる。
【0038】
可変ロッドがヘッドプレートにつながる頂部と第1固定プレートにつながる底部と頂部及び底部の間に延びる中間部とを有し、その直径が頂部から底部に向かって次第に大きくなる末広がりに成形され、ヘッドプレートの直径が可変ロッドの頂部の頂端の直径よりも大きく、ヘッドプレートが可変ロッドの頂部から径方向外方へ延出している損傷制御型変位抑制装置は、可変ロッドが頂部から底部に向かって末広がりに成形されることで、主構造物と支持構造物との間に相対変位が生じて第1抑制部材のヘッドプレートの外周面が第2抑制部材の第2固定プレートの内周面に部分的に当接したときに、相対変位による外力を可変ロッド全体に均等に作用させることができ、可変ロッドの一部に相対変位による外力が集中することはなく、可変ロッド全体の変形耐力によって主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位を確実に抑制することができ、相対変位を確実に減衰させることができる。損傷制御型変位抑制装置は、ヘッドプレートが可変ロッドの頂部から径方向外方へ延出しているから、主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位によって第1抑制部材のヘッドプレートの外周面と第2抑制部材の第2固定プレートの内周面とが当接したときに、相対変位による外力をヘッドプレートから可変ロッド全体に円滑に伝えることができ、可変ロッド全体の変形耐力によって主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位を確実に抑制することができる。損傷制御型変位抑制装置は、相対変位のエネルギーを吸収しつつ相対変位を抑制するエネルギー吸収機能を有するから、第1抑制部材及び第2抑制部材によって主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位を確実に抑制することができ、地震の揺れによる相対変位を減衰させることができる。損傷制御型変位抑制装置は、橋梁の落下を防止する落下防止機能を有するから、橋梁の落下という大事故を防ぐことができ、大きな地震の発生後における橋梁の継続使用を可能にすることができるとともに、橋梁の路面に対する大きな段差の発生を防止する段差発生防止機能を有するから、橋梁の路面に大きな段差が生じることはなく、想定以上の大きな地震の発生後における橋梁の路面の継続使用を可能にすることができる。
【0039】
可変ロッドがヘッドプレートにつながる頂部と第1固定プレートにつながる底部と頂部及び底部の間に延びる中間部とを有し、その直径が頂部から中間部に向かって次第に小さくなるとともに中間部から底部に向かって次第に大きくなるように括れ状態に成形され、ヘッドプレートの直径が可変ロッドの頂部の頂端の直径よりも大きく、ヘッドプレートが可変ロッドの頂部から径方向外方へ延出している損傷制御型変位抑制装置は、可変ロッドが括れ状態に成形されることで、主構造物と支持構造物との間に相対変位が生じて第1抑制部材のヘッドプレートの外周面が第2抑制部材の第2固定プレートの内周面に部分的に当接したときに、相対変位による外力を可変ロッド全体に均等に作用させることができ、可変ロッドの一部に相対変位による外力が集中することはなく、可変ロッド全体の変形耐力によって主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位を確実に抑制することができ、相対変位を確実に減衰させることができる。損傷制御型変位抑制装置は、ヘッドプレートが可変ロッドの頂部から径方向外方へ延出しているから、主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位によって第1抑制部材のヘッドプレートの外周面と第2抑制部材の第2固定プレートの内周面とが当接したときに、相対変位による外力をヘッドプレートから可変ロッド全体に円滑に伝えることができ、可変ロッド全体の変形耐力によって主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位を確実に抑制することができる。損傷制御型変位抑制装置は、相対変位のエネルギーを吸収しつつ相対変位を抑制するエネルギー吸収機能を有するから、第1抑制部材及び第2抑制部材によって主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位を確実に抑制することができ、地震の揺れによる相対変位を減衰させることができる。損傷制御型変位抑制装置は、橋梁の落下を防止する落下防止機能を有するから、橋梁の落下という大事故を防ぐことができ、大きな地震の発生後における橋梁の継続使用を可能にすることができるとともに、橋梁の路面に対する大きな段差の発生を防止する段差発生防止機能を有するから、橋梁の路面に大きな段差が生じることはなく、想定以上の大きな地震の発生後における橋梁の路面の継続使用を可能にすることができる。
【0040】
可変ロッドがヘッドプレートにつながる頂部と第1固定プレートにつながる底部と頂部及び底部の間に延びる中間部とを有し、その直径が頂部から底部に向かって次第に小さくなる先細りに成形され、ヘッドプレートの直径が可変ロッドの頂部の頂端の直径よりも大きく、ヘッドプレートが可変ロッドの頂部から径方向外方へ延出している損傷制御型変位抑制装置は、可変ロッドが頂部から底部に向かって先細りに成形されることで、主構造物と支持構造物との間に相対変位が生じて第1抑制部材のヘッドプレートの外周面が第2抑制部材の第2固定プレートの内周面に部分的に当接したときに、相対変位による外力を可変ロッド全体に均等に作用させることができ、可変ロッドの一部に相対変位による外力が集中することはなく、可変ロッド全体の変形耐力によって主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位を確実に抑制することができ、相対変位を確実に減衰させることができる。損傷制御型変位抑制装置は、ヘッドプレートが可変ロッドの頂部から径方向外方へ延出しているから、主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位によって第1抑制部材のヘッドプレートの外周面と第2抑制部材の第2固定プレートの内周面とが当接したときに、相対変位による外力をヘッドプレートから可変ロッド全体に円滑に伝えることができ、可変ロッド全体の変形耐力によって主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位を確実に抑制することができる。損傷制御型変位抑制装置は、相対変位のエネルギーを吸収しつつ相対変位を抑制するエネルギー吸収機能を有するから、第1抑制部材及び第2抑制部材によって主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位を確実に抑制することができ、地震の揺れによる相対変位を減衰させることができる。損傷制御型変位抑制装置は、橋梁の落下を防止する落下防止機能を有するから、橋梁の落下という大事故を防ぐことができ、大きな地震の発生後における橋梁の継続使用を可能にすることができるとともに、橋梁の路面に対する大きな段差の発生を防止する段差発生防止機能を有するから、橋梁の路面に大きな段差が生じることはなく、想定以上の大きな地震の発生後における橋梁の路面の継続使用を可能にすることができる。
【0041】
可変ロッドがヘッドプレートにつながる頂部と第1固定プレートにつながる底部と頂部及び底部の間に延びる中間部とを有し、その直径が頂部から底部に向かって次第に大きくなる末広がりに成形され、ヘッドプレートの直径が可変ロッドの頂部の頂端の直径と同一である損傷制御型変位抑制装置は、可変ロッドが円柱状であって頂部から底部に向かって末広がりに成形されることで、主構造物と支持構造物との間に相対変位が生じて第1抑制部材のヘッドプレートの外周面が第2抑制部材の第2固定プレートの内周面に部分的に当接したときに、相対変位による外力を可変ロッド全体に均等に作用させることができ、可変ロッドの一部に相対変位による外力が集中することはなく、可変ロッド全体の変形耐力によって主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位を確実に抑制することができ、相対変位を確実に減衰させることができる。損傷制御型変位抑制装置は、ヘッドプレートの直径が可変ロッドの頂部の頂端の直径と同一であるから、ヘッドプレートが可変ロッドの頂部から径方向外方へ延出することはなく、主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位によって第1抑制部材のヘッドプレートの外周面と第2抑制部材の第2固定プレートの内周面とが当接したときのヘッドプレートの不用意な変形を防ぎつつ、相対変位による外力をヘッドプレートから可変ロッド全体に円滑に伝えることができ、可変ロッド全体の変形耐力によって主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位を確実に抑制することができる。損傷制御型変位抑制装置は、相対変位のエネルギーを吸収しつつ相対変位を抑制するエネルギー吸収機能を有するから、第1抑制部材及び第2抑制部材によって主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位を確実に抑制することができ、地震の揺れによる相対変位を減衰させることができる。損傷制御型変位抑制装置は、橋梁の落下を防止する落下防止機能を有するから、橋梁の落下という大事故を防ぐことができ、大きな地震の発生後における橋梁の継続使用を可能にすることができるとともに、橋梁の路面に対する大きな段差の発生を防止する段差発生防止機能を有するから、橋梁の路面に大きな段差が生じることはなく、想定以上の大きな地震の発生後における橋梁の路面の継続使用を可能にすることができる。
【0042】
可変ロッドがヘッドプレートにつながる頂部と第1固定プレートにつながる底部と頂部及び底部の間に延びる中間部とを有し、その直径が頂部から中間部に向かって次第に小さくなるとともに中間部から底部に向かって次第に大きくなるように括れ状態に成形され、ヘッドプレートの直径が可変ロッドの頂部の頂端の直径と同一である損傷制御型変位抑制装置は、可変ロッドが円柱状であって括れ状態に成形されることで、主構造物と支持構造物との間に相対変位が生じて第1抑制部材のヘッドプレートの外周面が第2抑制部材の第2固定プレートの内周面に部分的に当接したときに、相対変位による外力を可変ロッド全体に均等に作用させることができ、可変ロッドの一部に相対変位による外力が集中することはなく、可変ロッド全体の変形耐力によって主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位を確実に抑制することができ、相対変位を確実に減衰させることができる。損傷制御型変位抑制装置は、ヘッドプレートの直径が可変ロッドの頂部の頂端の直径と同一であるから、ヘッドプレートが可変ロッドの頂部から径方向外方へ延出することはなく、主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位によって第1抑制部材のヘッドプレートの外周面と第2抑制部材の第2固定プレートの内周面とが当接したときのヘッドプレートの不用意な変形を防ぎつつ、相対変位による外力をヘッドプレートから可変ロッド全体に円滑に伝えることができ、可変ロッド全体の変形耐力によって主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位を確実に抑制することができる。損傷制御型変位抑制装置は、相対変位のエネルギーを吸収しつつ相対変位を抑制するエネルギー吸収機能を有するから、第1抑制部材及び第2抑制部材によって主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位を確実に抑制することができ、地震の揺れによる相対変位を減衰させることができる。損傷制御型変位抑制装置は、橋梁の落下を防止する落下防止機能を有するから、橋梁の落下という大事故を防ぐことができ、大きな地震の発生後における橋梁の継続使用を可能にすることができるとともに、橋梁の路面に対する大きな段差の発生を防止する段差発生防止機能を有するから、橋梁の路面に大きな段差が生じることはなく、想定以上の大きな地震の発生後における橋梁の路面の継続使用を可能にすることができる。
【0043】
可変ロッドがヘッドプレートにつながる頂部と第1固定プレートにつながる底部と頂部及び底部の間に延びる中間部とを有し、その直径が頂部から底部に向かって次第に小さくなる先細りに成形され、ヘッドプレートの直径が可変ロッドの頂部の頂端の直径と同一である損傷制御型変位抑制装置は、可変ロッドが円柱状であって頂部から底部に向かって先細りに成形されることで、主構造物と支持構造物との間に相対変位が生じて第1抑制部材のヘッドプレートの外周面が第2抑制部材の第2固定プレートの内周面に部分的に当接したときに、相対変位による外力を可変ロッド全体に均等に作用させることができ、可変ロッドの一部に相対変位による外力が集中することはなく、可変ロッド全体の変形耐力によって主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位を確実に抑制することができ、相対変位を確実に減衰させることができる。損傷制御型変位抑制装置は、ヘッドプレートの直径が可変ロッドの頂部の頂端の直径と同一であるから、ヘッドプレートが可変ロッドの頂部から径方向外方へ延出することはなく、主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位によって第1抑制部材のヘッドプレートの外周面と第2抑制部材の第2固定プレートの内周面とが当接したときのヘッドプレートの不用意な変形を防ぎつつ、相対変位による外力をヘッドプレートから可変ロッド全体に円滑に伝えることができ、可変ロッド全体の変形耐力によって主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位を確実に抑制することができる。損傷制御型変位抑制装置は、相対変位のエネルギーを吸収しつつ相対変位を抑制するエネルギー吸収機能を有するから、第1抑制部材及び第2抑制部材によって主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位を確実に抑制することができ、地震の揺れによる相対変位を減衰させることができる。損傷制御型変位抑制装置は、橋梁の落下を防止する落下防止機能を有するから、橋梁の落下という大事故を防ぐことができ、大きな地震の発生後における橋梁の継続使用を可能にすることができるとともに、橋梁の路面に対する大きな段差の発生を防止する段差発生防止機能を有するから、橋梁の路面に大きな段差が生じることはなく、想定以上の大きな地震の発生後における橋梁の路面の継続使用を可能にすることができる。
【0044】
ヘッドプレートの外周面が径方向外方へ凸となるように円弧を画く凸面であり、第2固定プレートの内周面がヘッドプレートの外周面に平行するように径方向外方へ向かって凹となるように円弧を画く凹面である損傷制御型変位抑制装置は、主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位によって第1抑制部材のヘッドプレートの円弧を画く外周面が第2抑制部材の第2固定プレートの円弧を描く内周面に嵌まり込むように当接するから、ヘッドプレートの一部に相対変位による外力が集中することはなく、第1抑制部材のヘッドプレートの外周面と第2抑制部材の第2固定プレートの内周面とが当接したときのヘッドプレートの不用意な変形を防ぎつつ、相対変位による外力をヘッドプレートから可変ロッド全体に円滑に伝えることができ、可変ロッド全体の変形耐力によって主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位を確実に抑制することができる。
【0045】
ヘッドプレートの外周面が上下方向上方から下方に向かって末広がりに傾斜し、第2固定プレートの内周面がヘッドプレートの外周面に平行するように上下方向上方から下方に向かって末広がりに傾斜している損傷制御型変位抑制装置は、主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位によって第1抑制部材のヘッドプレートの末広がりに傾斜する外周面が第2抑制部材の第2固定プレートの末広がりに傾斜する内周面に線又は面で当接するから、ヘッドプレートの一部に相対変位による外力が集中することはなく、第1抑制部材のヘッドプレートの外周面と第2抑制部材の第2固定プレートの内周面とが当接したときのヘッドプレートの不用意な変形を防ぎつつ、相対変位による外力をヘッドプレートから可変ロッド全体に円滑に伝えることができ、可変ロッド全体の変形耐力によって主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位を確実に抑制することができる。
【0046】
ヘッドプレートの外周面が径方向外方へ凸となるように円弧を画きつつ上下方向上方から下方に向かって末広がりに傾斜し、第2固定プレートの内周面がヘッドプレートの外周面に平行するように径方向外方へ凹となるように円弧を画きつつ上下方向上方から下方に向かって末広がりに傾斜している損傷制御型変位抑制装置は、主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位によって第1抑制部材のヘッドプレートの円弧を画きつつ傾斜する外周面が第2抑制部材の第2固定プレートの円弧を画きつつ傾斜する内周面に線又は面で当接するから、ヘッドプレートの一部に相対変位による外力が集中することはなく、第1抑制部材のヘッドプレートの外周面と第2抑制部材の第2固定プレートの内周面とが当接したときのヘッドプレートの不用意な変形を防ぎつつ、相対変位による外力をヘッドプレートから可変ロッド全体に円滑に伝えることができ、可変ロッド全体の変形耐力によって主構造物と支持構造物との間に生じた相対変位を確実に抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0048】
一例として示す損傷制御型変位抑制装置10Aの正面図である
図1等の添付の図面を参照し、本発明に係る損傷制御型変位抑制装置の詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、
図2は、
図1の損傷制御型変位抑制装置10Aの部分破断斜視図であり、
図3は、
図1の損傷制御型変位抑制装置10Aの上面図である。
図4は、
図1の損傷制御型変位抑制装置10Aの第1抑制部材15の側面図である。
図2では、第2抑制部材16(第2固定プレート27a、エプロンプレート28a)の一部を破断して示している。
図1,4では、上下方向を矢印Xで示し、径方向を矢印Yで示す。
図4では、上下方向上方を矢印X1、上下方向下方を矢印X2で示す。
【0049】
損傷制御型変位抑制装置10A(損傷制御型変位抑制装置10B〜10Gを含む)は、主構造物と主構造物を支持する支持構造物との間に配置され、主構造物11と支持構造物12との間に生じた相対変位を抑制しつつ、主構造物11の設置箇所13と支持構造物12の設置箇所14とのうちの少なくとも一方の損傷を防止する損傷防止機能を有し、相対変位のエネルギーを吸収しつつ相対変位を抑制するエネルギー吸収機能を有する。損傷制御型変位抑制装置10A(損傷制御型変位抑制装置10B〜10Gを含む)は、それが橋梁に設置されたときに、橋梁の落下を防止する落下防止機能を有し、橋梁の路面に対する大きな段差の発生を防止する段差発生防止機能を有する。なお、橋梁には、高架橋(高架及び高々架)も含まれる。損傷制御型変位抑制装置10Aは、主構造物11と支持構造物12とのうちのいずれか一方に設置される第1抑制部材15と、主構造物11と支持構造物12とのうちのいずれか他方に設置される第2抑制部材16とを有する。
【0050】
第1抑制部材15(第1固定プレート17a、可変ロッド、ヘッドプレート)は、低降状点鋳鋼品又は鋼材から作られ、第1固定プレート17aと塑性変形可能な可変ロッド18aとヘッドプレート19aとから形成されている。第1固定プレート17aは、所定厚みを有する円盤状に成形され、主構造物11と支持構造物12とのうちのいずれか一方に固定される。なお、第1固定プレート17aの平面形状は図示の円形に限定されず、第1固定プレート17aの平面形状を四角形や多角形等のあらゆる形状に成形することができる。第1固定プレート17aの周縁部20には、第1固定プレート17aを厚み方向へ貫通する複数の挿入孔21又は複数の螺着孔21が穿孔されている。
【0051】
それら挿入孔21やそれら螺着孔21は、第1固定プレート17aの周り方向へ等間隔離間して並んでいる。それら挿入孔21には、固定ボルト22の螺子部が挿入され、それら螺着孔21には、固定ボルト22の螺子部が螺着される。第1固定プレート17aは、それら挿入孔21に挿入された固定ボルト22によって主構造物11の設置箇所13と支持構造物12の設置箇所14とのうちのいずれか一方に強固に固定され、又は、それら螺着孔21に螺着された固定ボルト22によって主構造物11の設置箇所13と支持構造物12の設置箇所14とのうちのいずれか一方に強固に固定される。
【0052】
可変ロッド18aは、第1固定プレート17aの中央に位置し、プレート17aの中央から上下方向上方へ延びている。可変ロッド18aは、ヘッドプレート19aにつながる頂部23と、第1固定プレート17aにつながる底部25と、頂部23及び底部25の間に延びる中間部24とを有する。可変ロッド18aは、第1固定プレート17aと一体に成形され、その底部25が第1固定プレート17aに一体に連結されている。可変ロッド18aは、頂部23及び中間部24並びに底部25の平面形状が円形に成形されているとともに、その直径が頂部23から底部25に向かって次第に大きくなる円錐台状に成形されている。可変ロッド18aは、その頂部23から上下方向下方に向かって末広がりになっている。
【0053】
ヘッドプレート19aは、所定厚みを有する円盤状に成形され、可変ロッド18aの頂部23に位置している。ヘッドプレート19aは、可変ロッド18aと一体に成形され、可変ロッド18aの頂部23に一体に連結されている。ヘッドプレート19aは、その平面形状が真円に成形され、その直径が可変ロッド18aの頂部23の頂端の直径よりも大きく、可変ロッド18aの頂部23から径方向外方へ延出している。ヘッドプレート19aは、上下方向へ直状に延びるとともに、可変ロッド18aの周り方向へ環状に延びる所定の長さ寸法の外周面26を有する。
【0054】
第2抑制部材16(第2固定プレート27a、エプロンプレート28a)は、低降状点鋳鋼品又は鋼材から作られ、第2固定プレート27aとエプロンプレート28aとから形成されている。第2固定プレート27aは、所定厚みを有する四角柱状に成形され、主構造物11と支持構造物12とのうちのいずれか他方に固定される。なお、第2固定プレート27aの平面形状は図示の四角形に限定されず、第2固定プレート27aの平面形状を円形や多角形等のあらゆる形状に成形することができる。第2固定プレート27aの周縁部29には、プレート27aを厚み方向へ貫通する複数の挿入孔30又は複数の螺着孔30が穿孔されている。
【0055】
それら挿入孔30やそれら螺着孔30は、第2固定プレート27aの周り方向へ等間隔離間して並んでいる。それら挿入孔30には、固定ボルト22の螺子部が挿入され、それら螺着孔30には、固定ボルト22の螺子部が螺着される。第2固定プレート27aは、それら挿入孔30に挿入された固定ボルト22によって主構造物11の設置箇所13と支持構造物12の設置箇所14とのうちのいずれか他方に強固に固定され、又は、それら螺着孔30に螺着された固定ボルト22によって主構造物11の設置箇所13と支持構造物12の設置箇所14とのうちのいずれか他方に強固に固定される。
【0056】
第2固定プレート27aの中央には、中央開口31が形成(穿孔)されている。中央開口31は、真円に成形され、その直径が第1抑制部材15のヘッドプレート19aの直径よりも大きい。第2固定プレート27aは、中央開口31を囲繞する内周面32を有する。内周面32は、上下方向へ直状に延びるとともに、第2固定プレート27aの周り方向へ環状に延びている。損傷制御型変位抑制装置10Aでは、第2固定プレート27aの内周面32の上下方向の長さ寸法がヘッドプレート19aの外周面26の上下方向の長さ寸法よりも長い。
【0057】
エプロンプレート28aは、所定厚みを有する四角状に成形され、第2固定プレート27aの周縁部29から上下方向下方へ延びている。エプロンプレート28aは、第2固定プレート27aと一体に成形され、その上端部33が第2固定プレート27aの周縁部29に連結されている。エプロンプレート28aは、その下端部34が第2固定プレート27aの周縁部29(外周縁部)の径方向外方に位置している。なお、エプロンプレート28aの平面形状は図示の四角形に限定されず、エプロンプレート28aの平面形状を円形や多角形等のあらゆる形状に成形することができる。
【0058】
損傷制御型変位抑制装置10Aの第1固定プレート17aを主構造物11と支持構造物12とのうちのいずれか一方に固定して第1抑制部材15を主構造物11と支持構造物12とのうちのいずれか一方に設置し、損傷制御型変位抑制装置10Aの第2固定プレート27aを主構造物11と支持構造物12とのうちのいずれか他方に固定して第2抑制部材16を主構造物11と支持構造物12とのうちのいずれか他方に設置すると、
図2に示すように、第1抑制部材15のヘッドプレート19aが第2抑制部材16の第2固定プレート27aの中央開口31の内側に位置し、
図3に示すように、ヘッドプレート19aと中央開口31とが同心円を形成する。さらに、ヘッドプレート19aの上下方向へ直状に延びる外周面26と第2固定プレート27aの上下方向へ直状に延びる内周面32とが径方向に対向するとともに、外周面26と内周面32とが平行する。
【0059】
損傷制御型変位抑制装置10Aでは、ヘッドプレート19aの直径が中央開口31の直径よりも小さいから、ヘッドプレート19aの外周面26と第2固定プレート27aの内周面32との間に所定のスペース35(遊び)が形成される。スペース35の径方向の寸法L1は、主構造物11及び支持構造物12の大きさや耐震性能等の各種の条件に応じて1〜100mmの範囲で設定される。損傷制御型変位抑制装置10Aの第1及び第2抑制部材15,16を主構造物11と支持構造物12とに設置すると、エプロンプレート28aの下端部34が第1固定プレート17aの周縁部20(外周縁部)の内側に位置し、エプロンプレート28aの内周面36が可変ロッド18aの外周面37に対して径方向外方へ所定寸法離間する。
【0060】
損傷制御型変位抑制装置10Aでは、可変ロッド18aの変形耐力(変形抵抗)があらかじめ想定される通常の相対変位(主構造物11と支持構造物12との間に生じる通常の相対変位)を抑制するために必要な変形耐力(変形抵抗)よりも高く設定されている(可変ロッド18aの変形耐力が通常の相対変位を抑制するために必要な変形耐力を超過して設定されている)とともに、可変ロッド18aの変形耐力(変形抵抗)が主構造物11の設置箇所13と支持構造物12の設置箇所14とのうちの少なくとも一方の損傷耐力よりも低く設定されている(可変ロッド18aの変形耐力が設置箇所の損傷耐力未満に設定されている)。
【0061】
図5は、損傷制御型変位抑制装置10Aを設置した橋梁38(構造物)の一例を示す図であり、
図6は、相対変位が生じたときにヘッドプレート19aの外周面26が第2固定プレート27aの内周面32に部分的に当接した状態を示す図である。
図7は、相対変位が生じたときに可変ロッド18aが塑性変形した状態の一例を示す図である。
図5では、橋梁38(構造物)を部分的に図示し、第2抑制部材16(第2固定プレート27a、エプロンプレート28a)の一部を破断して示している。
図6,7では、第1及び第2抑制部材15,16を断面で示す。
【0062】
図5では、3個の損傷制御型変位抑制装置10Aが設置されているが、損傷制御型変位抑制装置10A(損傷制御型変位抑制装置10B〜10Gを含む)の設置数や大きさ(第1及び第2抑制部材15,16のサイズ)に特に限定はなく、橋梁38の大きさや耐震性能等の各種条件によって損傷制御型変位抑制装置10Aの設置数や大きさが選択される。なお、
図10〜
図21に示す損傷制御型変位抑制装置10B〜10Gにおいてもそれらを橋梁38に設置することができる。
【0063】
図5に示す損傷制御型変位抑制装置10Aは、第1抑制部材15が橋台39(支持構造物12)に設置され、第2抑制部材16が橋桁40(主構造物11)に設置されている。第1抑制部材15は、その第1固定プレート17aが橋台39に固定されたブラケット41(設置箇所14)の頂壁42に固定ボルト22及びナットによって強固に固定されている。第2抑制部材16は、その第2固定プレート27aが橋桁40から延びるH型鋼43(設置箇所13)のフランジ44に固定ボルト22及びナットによって強固に固定されている。
【0064】
地震が発生し、地震の揺れが橋梁38に伝わると、橋桁40(主構造物11)と橋台39(支持構造物12)との間に相対変位が生じ、橋台39に設置された第1抑制部材15が振動する(揺れ動く)とともに、橋桁40に設置された第2抑制部材16が振動する(揺れ動く)。橋桁40と橋台39との間に相対変位が生じると、ヘッドプレート19aが中央開口31において振動し(揺れ動き)、
図6に示すように、相対変位の変位量(大きさ)によって第1抑制部材15のヘッドプレート19aの外周面26が第2抑制部材16の第2固定プレート27aの内周面32に部分的に当接(衝突)する。
【0065】
損傷制御型変位抑制装置10Aでは、可変ロッド18aの変形耐力があらかじめ想定される通常の相対変位を抑制するために必要な変形耐力よりも高く設定されているから、相対変位によってヘッドプレート19aの外周面26と第2固定プレート27aの内周面32とが当接(衝突)したときに、可変ロッド18aの変形耐力によって第1及び第2抑制部材15,16の振動(揺れ動き)が抑えられ、橋桁40(主構造物11)と橋台39(支持構造物12)との間に生じた通常の相対変位が抑制され、橋梁38における地震による振動が減衰する。
【0066】
損傷制御型変位抑制装置10Aでは、橋桁40(主構造物11)と橋台39(支持構造物12)との間に相対変位が生じたときに、ヘッドプレート19aの外周面26が第2固定プレート27aの内周面32に部分的に当接しつつ可変ロッド18aが繰り返し変形することで、相対変位のエネルギーを吸収しつつ相対変位が抑制される(エネルギー吸収機能)。また、橋桁40(主構造物11)と橋台39(支持構造物12)との間に大きな相対変位が生じ、ヘッドプレート19aの外周面26が第2固定プレート27aの内周面32に部分的に当接して相対変位による外力が橋桁40(主構造物11)の設置箇所14(橋桁40のコンクリート構造物や橋桁40のH型鋼43のフランジ44)と橋台39(支持構造物12)の設置箇所13(橋台39のコンクリート構造物や橋台39に固定されたブラケット41)とに伝わったときに、可変ロッド18aが変形して橋梁38の落下が防止される(落下防止機能)。
【0067】
損傷制御型変位抑制装置10Aでは、可変ロッド18aの変形耐力(変形抵抗)が橋桁40(主構造物11)の設置箇所14(橋桁40のコンクリート構造物や橋桁40のH型鋼43のフランジ44)と橋台39(支持構造物12)の設置箇所13(橋台39のコンクリート構造物や橋台39に固定されたブラケット41)とのうちの少なくとも一方の損傷耐力よりも低く設定されているから、地震の揺れが大きく、橋桁40と橋台39との間に生じた相対変位の変位量(大きさ)が想定される通常の相対変位の変位量(大きさ)を超え、ヘッドプレート19aの外周面26が第2固定プレート27aの内周面32に当接して想定以上の相対変位による外力が橋桁40の設置箇所14(橋桁40のコンクリート構造物や橋桁40のH型鋼43)と橋台39の設置箇所13(橋台39のコンクリート構造物やブラケット41)とに伝わったときに、橋桁40の設置箇所14(橋桁40のコンクリート構造物や橋桁40のH型鋼43)と橋台39の設置箇所13(橋台39のコンクリート構造物やブラケット41)とのうちの少なくとも一方が損傷(ゆがみやひずみ、湾曲等の変形、ひび割れ、破断、損壊、崩落等)する前に、
図7に示すように、第1固定プレート17aと可変ロッド18aとの接続部分45が塑性変形し、第1固定プレート17aに対して可変ロッド18aが折れ曲がり、橋桁40の設置箇所14と橋台39の設置箇所13とのうちの少なくとも一方の損傷が防止される(損傷防止機能)。また、橋桁40(主構造物11)と橋台39(支持構造物12)との間に想定以上の大きな相対変位が生じ、ヘッドプレート19aの外周面26が第2固定プレート27aの内周面32に部分的に当接して相対変位による外力が橋桁40の設置箇所14と橋台39の設置箇所13とに伝わったときに、可変ロッド18aが塑性変形しつつ橋桁40の設置箇所14と橋台39の設置箇所13とのうちの少なくとも一方が損傷したとしても、橋梁38の路面に対する大きな段差の発生が防止される(段差発生防止機能)。
【0068】
第1固定プレート17aと可変ロッド18aとの接続部分45が塑性変形し、第1固定プレート17aに対して可変ロッド18aが折れ曲がった場合、可変ロッド18aが折れ曲がった損傷制御型変位抑制装置10Aを橋桁40の設置箇所14(橋桁40のH型鋼43のフランジ44)及び橋台39の設置箇所13(ブラケット41)から取り外し、新たな(新しい)損傷制御型変位抑制装置10Aを橋桁40の設置箇所14(橋桁40のH型鋼43のフランジ44)と橋台39の設置箇所13(ブラケット41)とに取り付け、可変ロッド18aが塑性変形(可変ロッド18aが損傷)した損傷制御型変位抑制装置10Aを新たな損傷制御型変位抑制装置10Aに交換する。
【0069】
損傷制御型変位抑制装置10Aは、たとえば、地震が発生し、地震の揺れによって橋桁40(主構造物11)と橋台39(支持構造物12)との間に通常の相対変位が生じたときに、第1抑制部材15のヘッドプレート19aの外周面26が第2抑制部材16の第2固定プレート27aの内周面32に部分的に当接して相対変位が抑制されるから、橋台39に設置された第1抑制部材15と橋桁40に設置された第2抑制部材16とによって橋桁40と橋台39との間に生じた相対変位を抑制することができ、地震の揺れによる橋桁40と橋台39との間の相対変位を減衰させることができるとともに、橋梁38の揺れ(振動)を抑制することができる。
【0070】
損傷制御型変位抑制装置10Aは、ヘッドプレート19aの外周面26が第2固定プレート27aの内周面32に当接して想定以上の相対変位による外力が橋桁40(主構造物11)の設置箇所13(橋桁40のコンクリート構造物や橋桁40のH型鋼43のフランジ44)と橋台39(支持構造物12)の設置箇所14(橋台39のコンクリート構造物や橋台39に固定されたブラケット41)とに伝わったときに、橋桁40の設置箇所13(橋桁40のコンクリート構造物や橋桁40のH型鋼43)と橋台39の設置箇所14(橋台39のコンクリート構造物やブラケット41)とのうちの少なくとも一方が損傷(ゆがみやひずみ、湾曲等の変形、ひび割れ、破断、損壊、崩落等)する前に、第1固定プレート17aと可変ロッド18aとの接続部分45が塑性変形し、可変ロッド18aが接続部分45において折れ曲がり、橋桁40の設置箇所13の損傷と橋台39の設置箇所14の損傷とを防止する損傷防止機能を有するから、橋桁40の設置箇所13と橋台39の設置箇所14とのうちの少なくとも一方の損傷を防止することができる。
【0071】
損傷制御型変位抑制装置10Aは、相対変位による外力が第1抑制部材15や第2抑制部材16を設置した橋桁40の設置箇所13(橋桁40のコンクリート構造物や橋桁40のH型鋼43)と橋台39の設置箇所14(橋台39のコンクリート構造物やブラケット41)とに伝わったときに、橋桁40の設置箇所13(橋桁40のコンクリート構造物や橋桁40のH型鋼43)と橋台39の設置箇所14(橋台39のコンクリート構造物やブラケット41)とのうちの少なくとも一方が損傷(ゆがみやひずみ、湾曲等の変形、ひび割れ、破断、損壊、崩落等)する前に、第1固定プレート17aと可変ロッド18aとの接続部分45が塑性変形し、橋桁40の設置箇所13や橋台39の設置箇所14の損傷が防止されることで、橋梁38(橋桁40(主構造物11)及び橋台39(支持構造物12))の使用が制限されることはなく、橋梁38の継続使用を可能にしつつ、可変ロッド18aが塑性変形した損傷制御型変位抑制装置10Aを直ちに交換することで橋梁38における次の相対変位に速やかに備えることができる。
【0072】
損傷制御型変位抑制装置10Aは、橋桁40(主構造物11)と橋台39(支持構造物12)との間に通常の相対変位が生じたときに、可変ロッド18aが繰り返し変形することで、相対変位のエネルギーを吸収しつつ相対変位を抑制するエネルギー吸収機能を有するから、橋桁40と橋台39との間に生じた相対変位を確実に抑制することができ、地震の揺れによる相対変位を減衰させることができる。
【0073】
損傷制御型変位抑制装置10Aは、たとえば、大きな地震(レベル2地震)が発生し、橋桁40(主構造物11)と橋台39(支持構造物12)との間に大きな相対変位が生じたときに、可変ロッド18aが変形して橋梁38の落下を防止する落下防止機能を有するから、橋梁38の落下という大事故を防ぐことができ、大きな地震の発生後における橋梁38の継続使用を可能にすることができる。損傷制御型変位抑制装置10Aは、大きな地震の発生後に橋の通行が長期間にわたって制限されることはなく、緊急車両や支援物資の輸送車両等の通行を可能にすることができ、震災地域の救助活動や震災地域の円滑な復興を可能にすることができる。
【0074】
損傷制御型変位抑制装置10Aは、たとえば、想定外の大きな地震(レベル2地震以上あるいは超過外力)が発生し、橋桁40(主構造物11)と橋台39(支持構造物12)との間に想定以上の大きな相対変位が生じたときに、可変ロッド18aが塑性変形しつつ橋桁40の設置箇所13(橋桁40のコンクリート構造物や橋桁40のH型鋼43)と橋台39の設置箇所14(橋台39のコンクリート構造物やブラケット41)とのうちの少なくとも一方が損傷したとしても、橋梁38の路面に対する大きな段差の発生を防止する段差発生防止機能を有するから、橋梁38の路面に大きな段差が生じることはなく、想定以上の大きな地震の発生後における橋梁38の路面の継続使用を可能にすることができる。損傷制御型変位抑制装置10Aは、想定以上の大きな地震の発生後に橋の通行が長期間にわたって制限されることはなく、緊急車両や支援物資の輸送車両等の通行を可能にすることができ、震災地域の救助活動や震災地域の円滑な復興を可能にすることができる。
【0075】
エプロンプレート28aの下端部34が第1固定プレート17aの周縁部20(外周縁部)の外側に位置し、エプロンプレート28aの下端部34が第1固定プレート17aの周縁部20に当接しない場合、相対変位によって第2抑制部材16が揺動したときにエプロンプレート28aの下端部34が第1固定プレート17aの周縁部20から外れ、第2抑制部材16が大きく変形し、第1抑制部材15のヘッドプレート19aが第2抑制部材16の第2固定プレート27aの中央開口31から外れ、第1抑制部材15のヘッドプレート19aの外周面26が第2抑制部材16の第2固定プレート27aの内周面32に当接せず、橋桁40(主構造物11)と橋台39(支持構造物12)との間に生じた相対変位を抑制することができないが、損傷制御型変位抑制装置10Aは、エプロンプレート28aの下端部34が第1固定プレート17aの周縁部20(外周縁部)の内側に位置し、橋桁40と橋台39との間に相対変位が生じて第2抑制部材16が揺動したときに、エプロンプレート28aの下端部34が第1固定プレート17aの周縁部20(外周縁部)に当接することで第2抑制部材16の揺動が抑制されるから、橋桁40と橋台39との間に相対変位が生じたときに、第1抑制部材15のヘッドプレート19aの外周面26を第2抑制部材16の第2固定プレート27aの内周面32に確実に当接させることができ、橋台39に設置された第1抑制部材15及び橋桁40に設置された第2抑制部材16によって橋桁40と橋台39との間に生じた相対変位を確実に抑制することができる。
【0076】
損傷制御型変位抑制装置10Aは、ヘッドプレート19aの平面形状が真円に成形されているとともに、第2固定プレート27aの中央開口31がヘッドプレート19aよりもその直径が大きい真円に成形され、橋桁40(主構造物11)と橋台39(支持構造物12)との間にあらゆる方向の相対変位が生じたとしても、第1抑制部材15の真円に成形されたヘッドプレート19aの外周面26が第2抑制部材16の第2固定プレート27aの内周面32に部分的に当接するから、あらゆる方向からの相対変位を抑制することができるとともに、あらゆる方向の相対変位が生じたとしても、橋桁40の設置箇所13(橋桁40のコンクリート構造物や橋桁40のH型鋼43)と橋台39の設置箇所14(橋台39のコンクリート構造物やブラケット41)とのうちの少なくとも一方の損傷(ゆがみやひずみ、湾曲等の変形、ひび割れ、破断、損壊、崩落等)を確実に防止することができる。
【0077】
第2固定プレート27aの内周面32の上下方向の長さ寸法がヘッドプレート19aの外周面26の上下方向の長さ寸法と同一又は短い場合、相対変位によって第1抑制部材15と第2抑制部材16とが振動(揺動)したときに、第1抑制部材15のヘッドプレート19aが第2抑制部材16の第2固定プレート27aの中央開口31から外れ、第1抑制部材15のヘッドプレート19aの外周面26が第2抑制部材16の第2固定プレート27aの内周面32に当接(衝突)せず、橋桁40(主構造物11)と橋台39(支持構造物12)との間に生じた相対変位を抑制することができないが、損傷制御型変位抑制装置10Aは、第2固定プレート27aの内周面32の上下方向の長さ寸法がヘッドプレート19aの外周面26の上下方向の長さ寸法よりも長いから、橋桁40と橋台39との間に相対変位が生じたときに、第1抑制部材15のヘッドプレート19aの外周面26を第2抑制部材16の第2固定プレート27aの内周面32に確実に当接(衝突)させることができ、橋台39に設置された第1抑制部材15及び橋桁40に設置された第2抑制部材16によって橋桁40と橋台39との間に生じた相対変位を確実に抑制することができる。
【0078】
橋桁40(主構造物11)と橋台39(支持構造物12)との間に相対変位が生じたときに、エプロンプレート28aの内周面36が可変ロッド18aの外周面37に当接(衝突)すると、第1抑制部材15のヘッドプレート19aの外周面26を第2抑制部材16の第2固定プレート27aの内周面32に当接させることができない場合があり、橋桁40と橋台39との間に生じた相対変位を抑制することができないが、損傷制御型変位抑制装置10Aは、橋桁40と橋台39との間に相対変位が生じたときに、エプロンプレート28aの内周面36が可変ロッド18aの外周面37に当接(衝突)することがないように、エプロンプレート28aの内周面36が可変ロッド18aの外周面37に対して径方向外方へ所定寸法離間しているから、橋桁40と橋台39との間に相対変位が生じたときに、第1抑制部材15のヘッドプレート19aの外周面26を第2抑制部材16の第2固定プレート27aの内周面32に確実に当接(衝突)させることができ、橋台39に設置された第1抑制部材15及び橋桁40に設置された第2抑制部材16によって橋桁40と橋台39との間に生じた相対変位を確実に抑制することができる。
【0079】
図8は、損傷制御型変位抑制装置10Aを設置したビル46(主構造物)の一例を示す図であり、
図9は、ビル46(主構造物)に設置された損傷制御型変位抑制装置10Aの正面図である。なお、ビル46に対する損傷制御型変位抑制装置10A(
図10〜
図21に示す損傷制御型変位抑制装置10B〜10Gを含む)の設置数や大きさ(第1及び第2抑制部材15,16のサイズ)は、ビル46の大きさや耐震性能等の各種条件によって選択される。なお、
図10〜
図21に示す損傷制御型変位抑制装置10B〜10Gにおいてもそれらをビル46に設置することができる。
【0080】
損傷制御型変位抑制装置10Aは、
図8,9に示すように、第1抑制部材15がビル46の基礎47(支持構造物12)に設置され、第2抑制部材16がビル46(主構造物11)のスラブに設置されている。ビル46と基礎47との間には、免震のためのゴム支承48が設置されている。第1抑制部材15は、その第1固定プレート17aが基礎47に固定された取付プレート49に固定ボルト22及びナットによって強固に固定されている。第2抑制部材16は、その第2固定プレート27aがスラブに固定された取付プレート50に固定ボルト22及びナットによって強固に固定されている。
【0081】
地震が発生し、地震の揺れがビル46に伝わると、ビル46(主構造物11)と基礎47(支持構造物12)との間に相対変位が生じ、基礎47に設置された第1抑制部材15が振動する(揺れ動く)とともに、ビル46(主構造物11)に設置された第2抑制部材16が振動する(揺れ動く)。ビル46と基礎47との間に相対変位が生じると、ヘッドプレート19aが中央開口31において振動し(揺れ動き)、相対変位の変位量(大きさ)によって第1抑制部材15のヘッドプレート19aの外周面26が第2抑制部材16の第2固定プレート27aの内周面32に部分的に当接(衝突)する(
図6参照)。
【0082】
損傷制御型変位抑制装置10Aでは、可変ロッド18aの変形耐力があらかじめ想定される通常の相対変位を抑制するために必要な変形耐力よりも高く設定されているから、相対変位によってヘッドプレート19aの外周面26と第2固定プレート27aの内周面32とが当接(衝突)したときに、可変ロッド18aの変形耐力によって第1及び第2抑制部材15,16の振動(揺れ動き)が抑えられ、ビル46と基礎47との間に生じた通常の相対変位が抑制され、ビル46における地震による振動が減衰する。損傷制御型変位抑制装置10Aでは、ビル46(主構造物11)と基礎47(支持構造物12)との間に相対変位が生じたときに、ヘッドプレート19aの外周面26が第2固定プレート27aの内周面32に部分的に当接しつつ可変ロッド18aが繰り返し変形することで、相対変位のエネルギーを吸収しつつ相対変位が抑制される(エネルギー吸収機能)。
【0083】
損傷制御型変位抑制装置10Aでは、可変ロッド18aの変形耐力(変形抵抗)がビル46(主構造物11)の設置箇所13(スラブのコンクリート構造物)と基礎47(支持構造物12)の設置箇所14(基礎47のコンクリート構造物)とのうちの少なくとも一方の損傷耐力よりも低く設定されているから、地震の揺れが大きく、ビル46と基礎47との間に生じた相対変位の変位量(大きさ)が想定される通常の相対変位の変位量(大きさ)を超え、ヘッドプレート19aの外周面26が第2固定プレート27aの内周面32に当接して想定以上の相対変位による外力がビル46の設置箇所13(スラブのコンクリート構造物)と基礎47の設置箇所14(基礎47のコンクリート構造物)とに伝わったときに、ビル46の設置箇所13と基礎47の設置箇所14とのうちの少なくとも一方が損傷(ゆがみやひずみ、湾曲等の変形、ひび割れ、破断、損壊、崩落等)する前に、第1固定プレート17aと可変ロッド18aとの接続部分45が塑性変形し、第1固定プレート17aに対して可変ロッド18aが折れ曲がり(
図7参照)、ビル46の設置箇所13と基礎47の設置箇所14とのうちの少なくとも一方の損傷が防止される(損傷防止機能)。
【0084】
第1固定プレート17aと可変ロッド18aとの接続部分45が塑性変形し、可変ロッド18aが折れ曲がった場合、可変ロッド18aが折れ曲がった損傷制御型変位抑制装置10Aをビル46の設置箇所13(スラブ)及び基礎47の設置箇所14から取り外し、新たな(新しい)損傷制御型変位抑制装置10Aをビル46の設置箇所13と基礎47の設置箇所14とに取り付け、可変ロッド18a(接続部分45)が塑性変形(可変ロッド18aが損傷)した損傷制御型変位抑制装置10Aを新たな損傷制御型変位抑制装置10Aに交換する。
【0085】
損傷制御型変位抑制装置10Aは、たとえば、地震が発生し、地震の揺れによってビル46(主構造物11)と基礎47(支持構造物12)との間に通常の相対変位が生じたときに、第1抑制部材15のヘッドプレート19aの外周面26が第2抑制部材16の第2固定プレート27aの内周面32に部分的に当接して相対変位が抑制されるから、基礎47に設置された第1抑制部材15とビル46に設置された第2抑制部材16とによってビル46と基礎47との間に生じた相対変位を抑制することができ、地震の揺れによるビル46と基礎47との間の相対変位を減衰させることができるとともに、ビル46の揺れ(振動)を抑制することができる。
【0086】
損傷制御型変位抑制装置10Aは、ヘッドプレート19aの外周面26が第2固定プレート27aの内周面32に当接して想定以上の相対変位による外力がビル46(主構造物11)の設置箇所13(スラブのコンクリート構造物)と基礎47(支持構造物12)の設置箇所14(基礎47のコンクリート構造物)とに伝わったときに、ビル46の設置箇所13と基礎47の設置箇所14とのうちの少なくとも一方が損傷する前に、第1固定プレート17aと可変ロッド18aとの接続部分45が塑性変形し、ビル46の設置箇所13(スラブのコンクリート構造物)の損傷(ゆがみやひずみ、湾曲等の変形、ひび割れ、破断、損壊、崩落等)と基礎47の設置箇所14(基礎47のコンクリート構造物)の損傷(ゆがみやひずみ、湾曲等の変形、ひび割れ、破断、損壊、崩落等)とを防止する損傷防止機能を有するから、ビル46の設置箇所13と基礎47の設置箇所14とのうちの少なくとも一方の損傷を防止することができる。
【0087】
損傷制御型変位抑制装置10Aは、相対変位による外力が第1抑制部材15や第2抑制部材16を設置したビル46(主構造物11)の設置箇所13(スラブのコンクリート構造物)と基礎47(支持構造物12)の設置箇所14(基礎47のコンクリート構造物)とに伝わったときに、ビル46の設置箇所13と基礎47の設置箇所14とのうちの少なくとも一方が損傷(ゆがみやひずみ、湾曲等の変形、ひび割れ、破断、損壊、崩落等)する前に、第1固定プレート17aと可変ロッド18aとの接続部分45が塑性変形し、ビル46(主構造物11)の設置箇所13や基礎47(支持構造物12)の設置箇所14の損傷が防止されることで、基礎47(支持構造物12)を含むビル46(主構造物11)の使用が制限されることはなく、ビル46の継続使用を可能にしつつ、可変ロッド18a(接続部分45)が塑性変形した損傷制御型変位抑制装置10Aを直ちに交換することでビル46における次の相対変位に速やかに備えることができる。
【0088】
損傷制御型変位抑制装置10Aは、ビル46(主構造物11)と基礎47(支持構造物12)との間に通常の相対変位が生じたときに、可変ロッド18aが繰り返し変形することで、相対変位のエネルギーを吸収しつつ相対変位を抑制するエネルギー吸収機能を有するから、ビル46と基礎47との間に生じた相対変位を確実に抑制することができ、地震の揺れによる相対変位を減衰させることができる。
【0089】
損傷制御型変位抑制装置10Aは、エプロンプレート28aの下端部34が第1固定プレート17aの周縁部20(外周縁部)の内側に位置し、ビル46(主構造物11)と基礎47(支持構造物12)との間に相対変位が生じて第2抑制部材16が振動(揺動)したときに、エプロンプレート28aの下端部34が第1固定プレート17aの周縁部20に当接(衝突)することで第2抑制部材16の振動(揺動)が抑制されるから、ビル46と基礎47との間に相対変位が生じたときに、第1抑制部材15のヘッドプレート19aの外周面26を第2抑制部材16の第2固定プレート27aの内周面32に当接(衝突)させることができ、基礎47に設置された第1抑制部材15及びビル46に設置された第2抑制部材16によってビル46と基礎47との間に生じた相対変位を確実に抑制することができる。
【0090】
損傷制御型変位抑制装置10Aは、ビル46(主構造物11)と基礎47(支持構造物12)との間にあらゆる方向の相対変位が生じたとしても、第1抑制部材15の真円に成形されたヘッドプレート19aの外周面26が第2抑制部材16の第2固定プレート27aの内周面32に部分的に当接するから、あらゆる方向からの相対変位を抑制することができるとともに、あらゆる方向の相対変位が生じたとしても、ビル46の設置箇所13(スラブのコンクリート構造物)と基礎47の設置箇所14(基礎47のコンクリート構造物)とのうちの少なくとも一方の損傷を確実に防止することができる。
【0091】
損傷制御型変位抑制装置10Aは、第2固定プレート27aの内周面32の上下方向の長さ寸法がヘッドプレート19aの外周面26の上下方向の長さ寸法よりも長いから、ビル46(主構造物11)と基礎47(支持構造物12)との間に相対変位が生じたときに、第1抑制部材15のヘッドプレート19aの外周面26を第2抑制部材16の第2固定プレート27aの内周面32に確実に当接(衝突)させることができ、基礎47に設置された第1抑制部材15及びビル46に設置された第2抑制部材16によってビル46と基礎47との間に生じた相対変位を確実に抑制することができる。
【0092】
損傷制御型変位抑制装置10Aは、ビル46(主構造物11)と基礎47(支持構造物12)との間に相対変位が生じたときに、エプロンプレート28aの内周面36が可変ロッド18aの外周面37に当接することがないように、エプロンプレート28aの内周面36が可変ロッド18aの外周面37に対して径方向外方へ所定寸法離間しているから、ビル46と基礎47との間に相対変位が生じたときに、第1抑制部材15のヘッドプレート19aの外周面26を第2抑制部材16の第2固定プレート27aの内周面32に確実に当接(衝突)させることができ、基礎47に設置された第1抑制部材15及びビル46に設置された第2抑制部材16によってビル46と基礎47との間に生じた相対変位を確実に抑制することができる。
【0093】
図10は、他の一例として示す損傷制御型変位抑制装置10Bの正面図であり、
図11は、
図10の損傷制御型変位抑制装置10Bの第1抑制部材15の斜視図である。
図12は、他の一例として示す損傷制御型変位抑制装置10Cの正面図であり、
図13は、
図12の損傷制御型変位抑制装置10Cの第1抑制部材15の斜視図である。
【0094】
損傷制御型変位抑制装置10B,10Cが
図1のそれと異なるところは第1抑制部材15の可変ロッド18b,18cの形状が異なる点にあり、その他の構成は
図1の損傷制御型変位抑制装置10Aのそれらと同一であるから、
図1の説明を援用するとともに
図1と同一の符号を付すことで損傷制御型変位抑制装置10B,10Cにおけるその他の構成の詳細な説明は省略する。
【0095】
損傷制御型変位抑制装置10B,10Cは、主構造物11と支持構造物12とのうちのいずれか一方に設置される第1抑制部材15と、主構造物11と支持構造物12とのうちのいずれか他方に設置される第2抑制部材16とを有する。第1抑制部材15(第1固定プレート17b,17c、可変ロッド18b,18c、ヘッドプレート19b,19c)は、低降状点鋳鋼品又は鋼材から作られ、第1固定プレート17b,17cと塑性変形可能な可変ロッド18b,18cとヘッドプレート19b,19cとから形成されている。第1固定プレート17b,17cやヘッドプレート19b,19cは、
図1の第1抑制部材のそれらと同一である。
【0096】
可変ロッド18b,18cは、第1固定プレート17b,17cの中央に位置し、プレート17b,17cの中央から上下方向上方へ延びている。可変ロッド18b,18cは、ヘッドプレート19b,19cにつながる頂部23と、第1固定プレート17b,17cにつながる底部25と、頂部23及び底部25の間に延びる中間部24とを有する。可変ロッド18b,18cは、第1固定プレート17b,17cと一体に成形され、その底部25が第1固定プレート17b,17cに一体に連結され、ヘッドプレート19b,19cと一体に成形され、その頂部23がヘッドプレート19b,19cに一体に連結されている。
【0097】
損傷制御型変位抑制装置10Bの可変ロッド18bは、頂部23及び中間部24並びに底部25の平面形状が円形に成形され、その直径が頂部23から中間部24に向かって次第に小さくなるとともに中間部24から底部25に向かって次第に大きくなるように括れ状態に成形されている。損傷制御型変位抑制装置10Bの可変ロッド18bは、その外周面37が頂部23から底部25に向かって径方向内方へ円弧を画く一葉双曲面に成形されている。損傷制御型変位抑制装置10Cの可変ロッド18cは、頂部23及び中間部24並びに底部25の平面形状が円形に成形され、その直径が頂部23から底部25に向かって次第に小さくなる先細りに成形されている。損傷制御型変位抑制装置10Cの可変ロッド18cは、その外周面37が頂部23から底部25に向かって径方向内方へ円弧を画いている。
【0098】
ヘッドプレート19b,19cは、所定厚みを有する円盤状に成形され、その直径が可変ロッド18b,18cの頂部23の頂端の直径よりも大きく、可変ロッド18b,18cの頂部23から径方向外方へ延出している。ヘッドプレート19b,19cは、その平面形状が真円に成形され、上下方向へ直状に延びるとともに可変ロッド18b,18cの周り方向へ環状に延びる所定の長さ寸法の外周面26を有する。
【0099】
第2抑制部材16(第2固定プレート27b,27c、エプロンプレート28b,28c)は、低降状点鋳鋼品又は鋼材から作られ、第2固定プレート27b,27cとエプロンプレート28b,28cとから形成されている。第2固定プレート27b,27cやエプロンプレート28b,28cは、
図1の第2抑制部材16のそれらと同一である。第2固定プレート27b,27cの中央には、中央開口31が形成(穿孔)されている。中央開口31は、真円に成形され、その直径が第1抑制部材15のヘッドプレート19b,19cの直径よりも大きい。第2固定プレート27b,27cは、中央開口31を囲繞する内周面32を有する。内周面32は、上下方向へ直状に延びるとともに、第2固定プレート27b,27cの周り方向へ環状に延びている。損傷制御型変位抑制装置10B,10Cでは、第2固定プレート27b,27cの内周面32の上下方向の長さ寸法がヘッドプレート19b,19cの外周面26の上下方向の長さ寸法よりも長い。
【0100】
図10に示す損傷制御型変位抑制装置10Bや
図12に示す損傷制御型変位抑制装置10Cは、第1抑制部材15が橋桁40(主構造物11)と橋台39(支持構造物12)とのうちの少なくとも一方に設置され、第2抑制部材16が橋桁40(主構造物11)と橋台39(支持構造物12)とのうちの少なくとも他方に設置される。また、第1抑制部材15がビル46(主構造物11)のスラブとビル46の基礎47(支持構造物12)とのうちの少なくとも一方に設置され、第2抑制部材16がビル46(主構造物11)のスラブとビル46の基礎47(支持構造物12)とのうちの少なくとも他方に設置される。
【0101】
損傷制御型変位抑制装置10B,10Cの第1固定プレート17b,17cを主構造物11(橋桁40又はビル46のスラブ)と支持構造物12(橋台39又はビル46の基礎47)とのうちのいずれか一方に固定して第1抑制部材15を主構造物11と支持構造物12とのうちのいずれか一方に設置し、損傷制御型変位抑制装置10B,10Cの第2固定プレート27b,27cを主構造物11(橋桁40又はビル46のスラブ)と支持構造物12(橋台39又はビル46の基礎47)とのうちのいずれか他方に固定して第2抑制部材16を主構造物11と支持構造物12とのうちのいずれか他方に設置すると、第1抑制部材15のヘッドプレート19b,19cが第2抑制部材16の第2固定プレート27b,27cの中央開口31の内側に位置し、ヘッドプレート19b,19cと中央開口31とが同心円を形成する。さらに、ヘッドプレート19b,19cの上下方向へ直状に延びる外周面26と第2固定プレート27b,27cの上下方向へ直状に延びる内周面32とが径方向に対向するとともに、外周面26と内周面32とが平行する。
【0102】
損傷制御型変位抑制装置10B,10Cでは、ヘッドプレート19b,19cの直径が中央開口31の直径よりも小さく、ヘッドプレート19b,19cの外周面26と第2固定プレート27b,27cの内周面32との間に所定のスペース35(遊び)が形成される。スペース35の径方向の寸法L1は、主構造物11及び支持構造物12の大きさや耐震性能等の各種の条件に応じて1〜100mmの範囲で設定される。損傷制御型変位抑制装置10B,10Cの第1及び第2抑制部材15,16を主構造物11(橋桁40又はビル46のスラブ)と支持構造物12(橋台39又はビル46の基礎47)とに設置すると、エプロンプレート28b,28cの下端部34が第1固定プレート17b,17cの周縁部20(外周縁部)の内側に位置し、エプロンプレート28b,28cの内周面36が可変ロッド18b,18cの外周面37に対して径方向外方へ所定寸法離間する。
【0103】
損傷制御型変位抑制装置10B,10Cでは、可変ロッド18b,18cの変形耐力(変形抵抗)があらかじめ想定される通常の相対変位(主構造物11(橋桁40又はビル46のスラブ)と支持構造物12(橋台39又はビル46の基礎47)との間に生じる通常の相対変位)を抑制するために必要な変形耐力(変形抵抗)よりも高く設定されている(可変ロッド18b,18cの変形耐力が通常の相対変位を抑制するために必要な変形耐力を超過して設定されている)とともに、可変ロッド18b,18cの変形耐力(変形抵抗)が主構造物11の設置箇所13(橋桁40のコンクリート構造物や橋桁40のH型鋼43、又は、スラブのコンクリート構造物)と支持構造物12の設置箇所14(橋台39のコンクリート構造物やブラケット41、又は、基礎47のコンクリート構造物)とのうちの少なくとも一方の損傷耐力よりも低く設定されている(可変ロッド18b,18cの変形耐力が設置箇所13,14の損傷耐力未満に設定されている)。
【0104】
地震が発生し、地震の揺れが橋梁38やビル46に伝わると、橋桁40(主構造物11)と橋台39(支持構造物12)との間に相対変位が生じ、ビル46(主構造物11)と基礎47(支持構造物12)との間に相対変位が生じ、それによって第1抑制部材15が振動(揺動)するとともに、第2抑制部材16が振動(揺動)する。損傷制御型変位抑制装置10B,10Cでは、橋桁40と橋台39との間に相対変位が生じ、ビル46と基礎47との間に相対変位が生じると、ヘッドプレート19b,19cが中央開口31において振動し(揺れ動き)、相対変位の変位量(大きさ)によって第1抑制部材15のヘッドプレート19b,19cの外周面26が第2抑制部材16の第2固定プレート27b,27cの内周面32に部分的に当接(衝突)する(
図6参照)。
【0105】
損傷制御型変位抑制装置10B,10Cは、可変ロッド18b,18cの変形耐力があらかじめ想定される通常の相対変位を抑制するために必要な変形耐力よりも高く設定されているから、相対変位によってヘッドプレート19b,19cの外周面26と第2固定プレート27b,27cの内周面32とが当接(衝突)したときに、可変ロッド18b,18cの変形耐力によって第1及び第2抑制部材15,16の振動(揺れ動き)が抑えられ、橋桁40と橋台39との間に生じた通常の相対変位が抑制され、又は、ビル46と基礎47との間に生じた通常の相対変位が抑制され、橋梁38やビル46における地震による振動が減衰する。
【0106】
損傷制御型変位抑制装置10B,10Cでは、橋桁40(主構造物11)と橋台39(支持構造物12)との間に相対変位が生じ、又は、ビル46(主構造物11)と基礎47(支持構造物12)との間に相対変位が生じたときに、ヘッドプレート19b,19cの外周面26が第2固定プレート27b,27cの内周面32に部分的に当接しつつ可変ロッド18b,18cが繰り返し変形することで、相対変位のエネルギーを吸収しつつ相対変位が抑制される(エネルギー吸収機能)。また、橋桁40(主構造物11)と橋台39(支持構造物12)との間に大きな相対変位が生じ、ヘッドプレート19b,19cの外周面26が第2固定プレート27b,27cの内周面32に部分的に当接して相対変位による外力が橋桁40(主構造物11)の設置箇所14(橋桁40のコンクリート構造物や橋桁40のH型鋼43のフランジ44)と橋台39(支持構造物12)の設置箇所13(橋台39のコンクリート構造物や橋台39に固定されたブラケット41)とに伝わったときに、可変ロッド18b,18cが変形して橋梁38の落下が防止される(落下防止機能)。
【0107】
損傷制御型変位抑制装置10B,10Cは、可変ロッド18b,18cの変形耐力(変形抵抗)が橋桁40(主構造物11)の設置箇所13(橋桁40のコンクリート構造物や橋桁40のH型鋼43のフランジ44)と橋台39(支持構造物12)の設置箇所14(橋台39のコンクリート構造物や橋台39に固定されたブラケット41)とのうちの少なくとも一方の損傷耐力よりも低く設定され、可変ロッド18b,18cの変形耐力(変形抵抗)がビル46(主構造物11)の設置箇所13(スラブのコンクリート構造物)と基礎47(支持構造物12)の設置箇所14(基礎47のコンクリート構造物)とのうちの少なくとも一方の損傷耐力よりも低く設定されているから、橋桁40と橋台39との間に生じた相対変位の変位量(大きさ)が想定される通常の相対変位の変位量(大きさ)を超え、ビル46と基礎47との間に生じた相対変位の変位量(大きさ)が想定される通常の相対変位の変位量(大きさ)を超え、ヘッドプレート19b,19cの外周面26が第2固定プレート27b,27cの内周面32に当接(衝突)して想定以上の相対変位による外力が橋桁40の設置箇所13(橋桁40のコンクリート構造物や橋桁40のH型鋼43)や橋台39の設置箇所14(橋台39のコンクリート構造物やブラケット41)、ビル46の設置箇所13(スラブのコンクリート構造物)、基礎47の設置箇所14(基礎47のコンクリート構造物)に伝わったときに、橋桁40の設置箇所13(橋桁40のコンクリート構造物や橋桁40のH型鋼43)と橋台39の設置箇所14(橋台39のコンクリート構造物やブラケット41)とのうちの少なくとも一方が損傷(ゆがみやひずみ、湾曲等の変形、ひび割れ、破断、損壊、崩落等)する前やビル46の設置箇所13(スラブのコンクリート構造物)と基礎47の設置箇所14(基礎47のコンクリート構造物)とのうちの少なくとも一方が損傷(ゆがみやひずみ、湾曲等の変形、ひび割れ、破断、損壊、崩落等)する前に、第1固定プレート17b,17cと可変ロッド18b,18cとの接続部分45が塑性変形し、第1固定プレート17b,17cに対して可変ロッド18b,18cが折れ曲がり(
図7参照)、橋桁40の設置箇所14と橋台39の設置箇所13とのうちの少なくとも一方の損傷が防止され(損傷防止機能)、又は、ビル46の設置箇所13と基礎47の設置箇所14とのうちの少なくとも一方の損傷が防止される(損傷防止機能)。また、橋桁40(主構造物11)と橋台39(支持構造物12)との間に想定以上の大きな相対変位が生じ、ヘッドプレート19b,19cの外周面26が第2固定プレート27b,27cの内周面32に部分的に当接して相対変位による外力が橋桁40の設置箇所14と橋台39の設置箇所13とに伝わったときに、可変ロッド18b,18cが塑性変形しつつ橋桁40の設置箇所14と橋台39の設置箇所13とのうちの少なくとも一方が損傷したとしても、橋梁38の路面に対する大きな段差の発生が防止される(段差発生防止機能)。
【0108】
第1固定プレート17b,17cと可変ロッド18b,18cとの接続部分45が塑性変形し、可変ロッド18b,18cが折れ曲がった場合、可変ロッド18b,18cが折れ曲がった損傷制御型変位抑制装置10B,10Cを橋桁40の設置箇所13(橋桁40のH型鋼43のフランジ44)及び橋台39の設置箇所14(ブラケット41)から取り外すとともに、ビル46の設置箇所13(スラブ)及び基礎47の設置箇所14から取り外し、新たな(新しい)損傷制御型変位抑制装置10B,10Cを橋桁40の設置箇所13(橋桁40のH型鋼43のフランジ44)と橋台39の設置箇所14(ブラケット41)とに取り付けるとともに、ビル46の設置箇所13(スラブ)と基礎47の設置箇所14とに取り付け、可変ロッド18b,18cが塑性変形(可変ロッド18b,18cが損傷)した損傷制御型変位抑制装置10B,10Cを新たな損傷制御型変位抑制装置10B,10Cに交換する。
【0109】
図10に示す損傷制御型変位抑制装置10Bは、損傷制御型変位抑制装置10Aが有する効果と同一の効果を有することはもちろん、可変ロッド18bが括れ状態に成形されているから、主構造物11(橋桁40又はビル46のスラブ)と支持構造物12(橋台39又はビル46の基礎47)との間に相対変位が生じて第1抑制部材15のヘッドプレート19bの外周面26が第2抑制部材16の第2固定プレート27bの内周面32に部分的に当接(衝突)したときに、相対変位による外力を可変ロッド18b全体に均等に作用させることができ、可変ロッド18bの一部に相対変位による外力が集中することはなく、可変ロッド18b全体の変形耐力によって主構造物11と支持構造物12との間に生じた相対変位を確実に抑制することができ、相対変位を確実に減衰させることができる。
【0110】
損傷制御型変位抑制装置10Bは、ヘッドプレート19bが可変ロッド18bの頂部23から径方向外方へ延出しているから、主構造物11(橋桁40又はビル46のスラブ)と支持構造物12(橋台39又はビル46の基礎47)との間に生じた相対変位によって第1抑制部材15のヘッドプレート19bの外周面26と第2抑制部材16の第2固定プレート27bの内周面32とが当接(衝突)したときに、相対変位による外力をヘッドプレート19bから可変ロッド18b全体に円滑に伝えることができ、可変ロッド18b全体の変形耐力によって主構造物11と支持構造物12との間に生じた相対変位を確実に抑制することができる。
【0111】
図12に示す損傷制御型変位抑制装置10Cは、損傷制御型変位抑制装置10Aが有する効果と同一の効果を有することはもちろん、可変ロッド18cが頂部23から底部25に向かって先細りに成形されているから、主構造物11(橋桁40又はビル46のスラブ)と支持構造物12(橋台39又はビル46の基礎47)との間に相対変位が生じて第1抑制部材15のヘッドプレート19cの外周面26が第2抑制部材16の第2固定プレート27cの内周面32に部分的に当接(衝突)したときに、相対変位による外力を可変ロッド18c全体に均等に作用させることができ、可変ロッド18cの一部に相対変位による外力が集中することはなく、可変ロッド18c全体の変形耐力によって主構造物11と支持構造物12との間に生じた相対変位を確実に抑制することができ、相対変位を確実に減衰させることができる。
【0112】
損傷制御型変位抑制装置10Cは、ヘッドプレート19cが可変ロッド18cの頂部23から径方向外方へ延出しているから、主構造物11(橋桁40又はビル46のスラブ)と支持構造物12(橋台39又はビル46の基礎47)との間に生じた相対変位によって第1抑制部材15のヘッドプレート19cの外周面26と第2抑制部材16の第2固定プレート27cの内周面32とが当接(衝突)したときに、相対変位による外力をヘッドプレート19cから可変ロッド18c全体に円滑に伝えることができ、可変ロッド18c全体の変形耐力によって主構造物11と支持構造物12との間に生じた相対変位を確実に抑制することができる。
【0113】
図14は、他の一例として示す損傷制御型変位抑制装置10Dの正面図であり、
図15は、
図14の損傷制御型変位抑制装置10Dの第1抑制部材15の斜視図である。
図16は、他の一例として示す損傷制御型変位抑制装置10Eの正面図であり、
図17は、
図16の損傷制御型変位抑制装置10Eの第1抑制部材15の斜視図である。
図18は、他の一例として示す損傷制御型変位抑制装置10Fの正面図であり、
図19は、
図18の損傷制御型変位抑制装置10Fの第1抑制部材15の斜視図である。
図14,
図16,
図18では、第2抑制部材16を断面図で示す。
【0114】
損傷制御型変位抑制装置10D〜10Fが
図1のそれと異なるところは第1抑制部材15のヘッドプレート19d〜19fの形状が異なる点、第2抑制部材16の第2固定プレート27d〜27fの形状が異なる点にあり、その他の構成は
図1の損傷制御型変位抑制装置10Aのそれらと同一であるから、
図1の説明を援用するとともに
図1と同一の符号を付すことで損傷制御型変位抑制装置10D〜10Fにおけるその他の構成の詳細な説明は省略する。
【0115】
損傷制御型変位抑制装置10D〜10Fは、主構造物11と支持構造物12とのうちのいずれか一方に設置される第1抑制部材15と、主構造物11と支持構造物12とのうちのいずれか他方に設置される第2抑制部材16とを有する。第1抑制部材15(第1固定プレート17d〜17f、可変ロッド18d〜18f、ヘッドプレート19d〜19f)は、低降状点鋳鋼品又は鋼材から作られ、第1固定プレート17d〜17fと塑性変形可能な可変ロッド18d〜18fとヘッドプレート19d〜19fとから形成されている。第1固定プレート17d〜17f及び可変ロッド18d〜18fは、
図1の第1抑制部材15のそれらと同一である。
【0116】
損傷制御型変位抑制装置10D〜10Fの可変ロッド18d〜18fは、頂部23及び中間部24並びに底部25の平面形状が円形に成形されているとともに、その直径が頂部23から底部25に向かって次第に大きくなる末広がりに形成されているが、
図10の損傷制御型変位抑制装置10Bの可変ロッド18bと同様に、可変ロッド18d〜18fの直径が頂部23から中間部24に向かって次第に小さくなるとともに中間部24から底部25に向かって次第に大きくなるように括れ状態に成形され、可変ロッド18d〜18fの外周面37が頂部23から底部25に向かって径方向内方へ円弧を画く一葉双曲面に成形されていてもよい。また、
図12の損傷制御型変位抑制装置10Cの可変ロッド18cと同様に、可変ロッド18d〜18fの直径が頂部23から底部25に向かって次第に小さくなる先細りに成形され、可変ロッド18d〜18fの外周面37が頂部23から底部25に向かって径方向内方へ円弧を画いていてもよい。
【0117】
図14の損傷制御型変位抑制装置10Dのヘッドプレート19dは、所定厚みを有する円盤状に成形されて可変ロッド18dの頂部23に位置し、その平面形状が真円に成形され、その直径が可変ロッド18dの頂部23の頂端の直径よりも大きく、ロッド18dの頂部23から径方向外方へ延出している。ヘッドプレート19dは、上下方向上方から下方へ向かって末広がりに成形されて上下方向上方から下方へ向かって下り勾配に傾斜するとともに、可変ロッド18dの周り方向へ環状に延びる所定の長さ寸法の外周面26を有する。
【0118】
図16の損傷制御型変位抑制装置10Eのヘッドプレート19eは、所定厚みを有する円盤状に成形されて可変ロッド18eの頂部23に位置し、その平面形状が真円に成形され、その直径が可変ロッド18eの頂部23の頂端の直径よりも大きく、ロッド18eの頂部23から径方向外方へ延出している。ヘッドプレート19eは、径方向外方へ凸となるように円弧を画きつつ上下方向上方から下方に向かって末広がりに成形されて上下方向上方から下方へ向かって下り勾配に傾斜するとともに、可変ロッド18eの周り方向へ環状に延びる所定の長さ寸法の外周面26を有する。
【0119】
図18の損傷制御型変位抑制装置10Fのヘッドプレート19fは、所定厚みを有する円盤状に成形されて可変ロッド18fの頂部23に位置し、その平面形状が真円に成形され、その直径が可変ロッド18fの頂部23の頂端の直径よりも大きく、ロッド18fの頂部23から径方向外方へ延出している。ヘッドプレート19fは、径方向外方へ凸となるように円弧を画く外周面26(凸面)を有する。
【0120】
第2抑制部材16(第2固定プレート27d〜27f、エプロンプレート28d〜28f)は、低降状点鋳鋼品又は鋼材から作られ、第2固定プレート27d〜27fとエプロンプレート28d〜28fとから形成されている。エプロンプレート28d〜28fは、
図1の第2抑制部材のそれらと同一である。第2固定プレート27d〜27fは、所定厚みを有する四角柱状に成形されている。第2固定プレート27d〜27fの中央には、中央開口31が形成(穿孔)されている。中央開口31は、真円に成形され、その直径が第1抑制部材15のヘッドプレート19d〜19fの直径よりも大きい。損傷制御型変位抑制装置10D〜10Fの第2固定プレート27d〜27fは、中央開口31を囲繞する内周面32を有する。
【0121】
図14の損傷制御型変位抑制装置10Dの第2固定プレート27dの内周面32は、上下方向上方から下方へ向かって末広がりに成形され、ヘッドプレート19dの外周面26に平行するように、上下方向下方から上方へ向かって上り勾配に傾斜するとともに、第2固定プレート27dの周り方向へ環状に延びている。損傷制御型変位抑制装置10Dでは、第2固定プレート27dの内周面32の上下方向の長さ寸法がヘッドプレート19dの外周面26の上下方向の長さ寸法よりも長い。
【0122】
図16の損傷制御型変位抑制装置10Eの第2固定プレート27eの内周面32は、径方向外方へ凹となるように円弧を画きつつ上下方向上方から下方に向かって末広がりに成形され、ヘッドプレート19eの外周面26に平行するように、上下方向下方から上方へ向かって上り勾配に傾斜するとともに、第2固定プレート27eの周り方向へ環状に延びている。損傷制御型変位抑制装置10Eでは、第2固定プレート27eの内周面32の上下方向の長さ寸法がヘッドプレート19eの外周面26の上下方向の長さ寸法よりも長い。
【0123】
図18の損傷制御型変位抑制装置10Fの第2固定プレート27fの内周面32は、ヘッドプレート19fの外周面26に平行するように、径方向外方へ向かって凹となるように円弧を画く凹面である。損傷制御型変位抑制装置10Fでは、第2固定プレート27fの内周面32の上下方向の長さ寸法がヘッドプレート19fの外周面26の上下方向の長さ寸法よりも長い。
【0124】
図20は、他の一例として示す損傷制御型変位抑制装置10Gの正面図であり、
図21は、
図20の損傷制御型変位抑制装置10Gの第1抑制部材15の斜視図である。
図20では、第2抑制部材16を断面図で示す。損傷制御型変位抑制装置10Gが
図1のそれと異なるところは第1抑制部材15のヘッドプレート19gの形状が異なる点にあり、その他の構成は
図1の損傷制御型変位抑制装置10Aのそれらと同一であるから、
図1の説明を援用するとともに
図1と同一の符号を付すことで損傷制御型変位抑制装置10Gにおけるその他の構成の詳細な説明は省略する。
【0125】
損傷制御型変位抑制装置10Gは、主構造物11と支持構造物12とのうちのいずれか一方に設置される第1抑制部材15と、主構造物11と支持構造物12とのうちのいずれか他方に設置される第2抑制部材16とを有する。第1抑制部材15(第1固定プレート17g、可変ロッド18g、ヘッドプレート19g)は、低降状点鋳鋼品又は鋼材から作られ、第1固定プレート17gと塑性変形可能な可変ロッド18gとヘッドプレート19gとから形成されている。第1固定プレート17g及び可変ロッド18gは、
図1の第1抑制部材15のそれらと同一である。
【0126】
損傷制御型変位抑制装置10Gの可変ロッド18gは、頂部23及び中間部24並びに底部25の平面形状が円形に成形されているとともに、その直径が頂部23から底部25に向かって次第に大きくなる末広がりに形成されているが、
図10の損傷制御型変位抑制装置10Bの可変ロッド18bと同様に、可変ロッド18gの直径が頂部23から中間部24に向かって次第に小さくなるとともに中間部24から底部25に向かって次第に大きくなるように括れ状態に成形され、可変ロッド18gの外周面26が頂部23から底部25に向かって径方向内方へ円弧を画く一葉双曲面に成形されていてもよい。また、
図12の損傷制御型変位抑制装置10Cの可変ロッド18cと同様に、可変ロッド18gの直径が頂部23から底部25に向かって次第に小さくなる先細りに成形され、可変ロッド18gの外周面26が頂部23から底部25に向かって径方向内方へ円弧を画いていてもよい。
【0127】
図20の損傷制御型変位抑制装置10Gのヘッドプレート19gは、所定厚みを有する円盤状に成形されて可変ロッド18gの頂部23に位置し、その平面形状が真円に成形され、その直径が可変ロッド18gの頂部23の頂端の直径と同一である。ヘッドプレート19gは、上下方向へ直状に延びるとともに、可変ロッド18gの周り方向へ環状に延びる所定の長さ寸法の外周面26を有する。
【0128】
第2抑制部材16(第2固定プレート27g、エプロンプレート28g)は、低降状点鋳鋼品又は鋼材から作られ、第2固定プレート27gとエプロンプレート28gとから形成されている。エプロンプレート28gは、
図1の第2抑制部材16のそれらと同一である。第2固定プレート27gは、所定厚みを有する四角柱状に成形されている。第2固定プレート27gの中央には、中央開口31が形成(穿孔)されている。中央開口31は、真円に成形され、その直径が第1抑制部材15のヘッドプレート19gの直径よりも大きい。損傷制御型変位抑制装置10Gの第2固定プレート27gは、中央開口31を囲繞する内周面32を有する。内周面32は、上下方向へ直状に延びるとともに、第2固定プレート27gの周り方向へ環状に延びている。第2固定プレート27gの内周面32の上下方向の長さ寸法は、ヘッドプレート19gの外周面26の上下方向の長さ寸法よりも長い。
【0129】
図14〜
図21に示す損傷制御型変位抑制装置10D〜10Gは、第1抑制部材15が橋桁40(主構造物11)と橋台39(支持構造物12)とのうちの少なくとも一方に設置され、第2抑制部材16が橋桁40(主構造物11)と橋台39(支持構造物12)とのうちの少なくとも他方に設置される。また、第1抑制部材15がビル46(主構造物11)のスラブとビル46の基礎47(支持構造物12)とのうちの少なくとも一方に設置され、第2抑制部材16がビル46(主構造物11)のスラブとビル46の基礎47(支持構造物12)とのうちの少なくとも他方に設置される。
【0130】
損傷制御型変位抑制装置10D〜10Gの第1固定プレート17d〜17gを主構造物11(橋桁40又はビル46のスラブ)と支持構造物12(橋台39又はビル46の基礎47)とのうちのいずれか一方に固定して第1抑制部材15を主構造物11と支持構造物12とのうちのいずれか一方に設置し、損傷制御型変位抑制装置10D〜10Gの第2固定プレート27d〜27gを主構造物11(橋桁40又はビル46のスラブ)と支持構造物12(橋台40又はビル46の基礎47)とのうちのいずれか他方に固定して第2抑制部材16を主構造物11と支持構造物12とのうちのいずれか他方に設置すると、第1抑制部材15のヘッドプレート19d〜19gが第2抑制部材16の第2固定プレート27d〜27gの中央開口31の内側に位置し、ヘッドプレート19d〜19gと中央開口31とが同心円を形成する。さらに、ヘッドプレート19d〜19gの上下方向へ直状に延びる外周面26と第2固定プレート27d〜27gの上下方向へ直状に延びる内周面32とが径方向に対向するとともに、外周面26と内周面32とが平行する。
【0131】
損傷制御型変位抑制装置10D〜10Gでは、ヘッドプレート19d〜19gの直径が中央開口31の直径よりも小さく、ヘッドプレート19d〜19gの外周面26と第2固定プレート27d〜27gの内周面32との間に所定のスペース35(遊び)が形成される。スペース35の径方向の寸法L1は、主構造物11及び支持構造物12の大きさや耐震性能等の各種の条件に応じて1〜100mmの範囲で設定される。損傷制御型変位抑制装置10D〜10Gの第1及び第2抑制部材15,16を主構造物11(橋桁40又はビル46のスラブ)と支持構造物12(橋台39又はビル46の基礎47)とに設置すると、エプロンプレート28d〜28gの下端部34が第1固定プレート17d〜17gの周縁部20(外周縁部)の内側に位置し、エプロンプレート28d〜28gの内周面36が可変ロッド18d〜18gの外周面37に対して径方向外方へ所定寸法離間する。
【0132】
損傷制御型変位抑制装置10D〜10Gでは、可変ロッド18d〜18gの変形耐力(変形抵抗)があらかじめ想定される通常の相対変位(主構造物11(橋桁40又はビル46のスラブ)と支持構造物12(橋台39又はビル46の基礎47)との間に生じる通常の相対変位)を抑制するために必要な変形耐力(変形抵抗)よりも高く設定されている(可変ロッド18d〜18gの変形耐力が通常の相対変位を抑制するために必要な変形耐力を超過して設定されている)とともに、可変ロッド18d〜18gの変形耐力(変形抵抗)が主構造物11の設置箇所13(橋桁40のコンクリート構造物や橋桁40のH型鋼43、又は、スラブのコンクリート構造物)と支持構造物12の設置箇所14(橋台39のコンクリート構造物やブラケット41、又は、基礎47のコンクリート構造物)とのうちの少なくとも一方の損傷耐力よりも低く設定されている(可変ロッド18d〜18gの変形耐力が設置箇所13,14の損傷耐力未満に設定されている)。
【0133】
地震が発生し、地震の揺れが橋梁38やビル46に伝わると、橋桁40(主構造物11)と橋台39(支持構造物12)との間に相対変位が生じ、ビル46(主構造物11)と基礎47(支持構造物12)との間に相対変位が生じ、それによって第1抑制部材15が振動するとともに、第2抑制部材16が振動する。損傷制御型変位抑制装置10D〜10Gでは、橋桁40と橋台39との間に相対変位が生じ、ビル46と基礎47との間に相対変位が生じると、ヘッドプレート19d〜19gが中央開口31において振動し(揺れ動き)、相対変位の変位量(大きさ)によって第1抑制部材15のヘッドプレート19d〜19gの外周面26が第2抑制部材16の第2固定プレート27d〜27gの内周面32に部分的に当接(衝突)する(
図6参照)。
【0134】
損傷制御型変位抑制装置10D〜10Gは、可変ロッド18d〜18gの変形耐力があらかじめ想定される通常の相対変位を抑制するために必要な変形耐力よりも高く設定されているから、相対変位によってヘッドプレート19d〜19gの外周面26と第2固定プレート27d〜27gの内周面32とが当接(衝突)したときに、可変ロッド18d〜18gの変形耐力によって第1及び第2抑制部材15,16の振動(揺れ動き)が抑えられ、橋桁40と橋台39との間に生じた通常の相対変位が抑制され、又は、ビル46と基礎47との間に生じた通常の相対変位が抑制され、橋梁38やビル46における地震による振動が減衰する。
【0135】
損傷制御型変位抑制装置10D〜10Gでは、橋桁40(主構造物11)と橋台39(支持構造物12)との間に相対変位が生じ、又は、ビル46(主構造物11)と基礎47(支持構造物12)との間に相対変位が生じたときに、ヘッドプレート19d〜19gの外周面26が第2固定プレート27d〜27gの内周面32に部分的に当接しつつ可変ロッド18d〜18gが繰り返し変形することで、相対変位のエネルギーを吸収しつつ相対変位が抑制される(エネルギー吸収機能)。また、橋桁40(主構造物11)と橋台39(支持構造物12)との間に大きな相対変位が生じ、ヘッドプレート19d〜19gの外周面26が第2固定プレート27d〜27gの内周面32に部分的に当接して相対変位による外力が橋桁40(主構造物11)の設置箇所14(橋桁40のコンクリート構造物や橋桁40のH型鋼43のフランジ44)と橋台39(支持構造物12)の設置箇所13(橋台39のコンクリート構造物や橋台39に固定されたブラケット41)とに伝わったときに、可変ロッド18d〜18gが変形して橋梁38の落下が防止される(落下防止機能)。
【0136】
損傷制御型変位抑制装置10D〜10Gは、可変ロッド18d〜18gの変形耐力(変形抵抗)が橋桁40(主構造物11)の設置箇所13(橋桁40のコンクリート構造物や橋桁40のH型鋼43のフランジ44)と橋台39(支持構造物12)の設置箇所14(橋台39のコンクリート構造物や橋台39に固定されたブラケット41)とのうちの少なくとも一方の損傷耐力よりも低く設定され、可変ロッド18d〜18gの変形耐力(変形抵抗)がビル46(主構造物11)の設置箇所13(スラブのコンクリート構造物)と基礎47(支持構造物12)の設置箇所14(基礎47のコンクリート構造物)とのうちの少なくとも一方の損傷耐力よりも低く設定されているから、橋桁40と橋台39との間に生じた相対変位の変位量(大きさ)が想定される通常の相対変位の変位量(大きさ)を超え、ビル46と基礎47との間に生じた相対変位の変位量(大きさ)が想定される通常の相対変位の変位量(大きさ)を超え、ヘッドプレート19d〜19gの外周面26が第2固定プレート27d〜27gの内周面32に当接(衝突)して想定以上の相対変位による外力が橋桁40の設置箇所13(橋桁40のコンクリート構造物や橋桁40のH型鋼43)や橋台39の設置箇所14(橋台39のコンクリート構造物やブラケット41)、ビル46の設置箇所13(スラブのコンクリート構造物)、基礎47の設置箇所14(基礎47のコンクリート構造物)に伝わったときに、橋桁40の設置箇所13と橋台39の設置箇所14とのうちの少なくとも一方が損傷(ゆがみやひずみ、湾曲等の変形、ひび割れ、破断、損壊、崩落等)する前やビル46の設置箇所13と基礎47の設置箇所14とのうちの少なくとも一方が損傷(ゆがみやひずみ、湾曲等の変形、ひび割れ、破断、損壊、崩落等)する前に、第1固定プレート17d〜17gと可変ロッド18d〜18gとの接続部分45が塑性変形し、第1固定プレート17d〜17gに対して可変ロッド18d〜18gが折れ曲がり(
図7参照)、橋桁40の設置箇所14と橋台39の設置箇所13とのうちの少なくとも一方の損傷が防止され(損傷防止機能)、又は、ビル46の設置箇所13と基礎47の設置箇所14とのうちの少なくとも一方の損傷が防止される(損傷防止機能)。また、橋桁40(主構造物11)と橋台39(支持構造物12)との間に想定以上の大きな相対変位が生じ、ヘッドプレート19d〜19gの外周面26が第2固定プレート27d〜27gの内周面32に部分的に当接して相対変位による外力が橋桁40の設置箇所14と橋台39の設置箇所13とに伝わったときに、可変ロッド18d〜18gが塑性変形しつつ橋桁40の設置箇所14と橋台39の設置箇所13とのうちの少なくとも一方が損傷したとしても、橋梁38の路面に対する大きな段差の発生が防止される(段差発生防止機能)。
【0137】
第1固定プレート17d〜17gと可変ロッド18d〜18gとの接続部分45が塑性変形し、可変ロッド18d〜18g(接続部分45)が折れ曲がった場合、可変ロッド18d〜18gが折れ曲がった損傷制御型変位抑制装置10D〜10Gを橋桁40の設置箇所13(橋桁40のH型鋼43のフランジ44)及び橋台39の設置箇所14(ブラケット41)から取り外すとともに、ビル46の設置箇所13(スラブ)及び基礎47の設置箇所14から取り外し、新たな(新しい)損傷制御型変位抑制装置10D〜10Gを橋桁40の設置箇所13(橋桁40のH型鋼43のフランジ44)及び橋台39の設置箇所14(ブラケット41)に取り付けるとともに、ビル46の設置箇所13(スラブ)及び基礎47の設置箇所に取り付け、可変ロッド18d〜18g(接続部分45)が塑性変形(可変ロッド18d〜18gが損傷)した損傷制御型変位抑制装置10D〜10Gを新たな損傷制御型変位抑制装置10D〜10Gに交換する。
【0138】
図14,15に示す損傷制御型変位抑制装置10Dは、損傷制御型変位抑制装置10Aが有する効果と同一の効果を有することはもちろん、ヘッドプレート19dの外周面26が上下方向上方から下方に向かって末広がりに傾斜し、第2固定プレート27dの内周面32がヘッドプレート19dの外周面26に平行するように上下方向上方から下方に向かって末広がりに傾斜し、主構造物11(橋桁40又はビル46のスラブ)と支持構造物12(橋台39又はビル46の基礎47)との間に生じた相対変位によって第1抑制部材15のヘッドプレート19dの末広がりに傾斜する外周面26が第2抑制部材16の第2固定プレート27dの末広がりに傾斜する内周面32に線又は面で当接(衝突)するから、ヘッドプレート19dの一部に相対変位による外力が集中することはなく、第1抑制部材15のヘッドプレート19dの外周面26と第2抑制部材16の第2固定プレート27dの内周面32とが当接したときのヘッドプレート19dの不用意な変形を防ぎつつ、相対変位による外力をヘッドプレート19dから可変ロッド18d全体に円滑に伝えることができ、可変ロッド18d全体の変形耐力によって主構造物11と支持構造物12との間に生じた相対変位を確実に抑制することができるとともに、相対変位を確実に減衰させることができる。
【0139】
図16,17に示す損傷制御型変位抑制装置10Eは、損傷制御型変位抑制装置10Aが有する効果と同一の効果を有することはもちろん、ヘッドプレート19eの外周面26が径方向外方へ凸となるように円弧を画きつつ上下方向上方から下方に向かって末広がりに傾斜し、第2固定プレート27eの内周面32がヘッドプレート19eの外周面26に平行するように径方向外方へ凹となるように円弧を画きつつ上下方向上方から下方に向かって末広がりに傾斜し、主構造物11(橋桁40又はビル46のスラブ)と支持構造物12(橋台39又はビル46の基礎47)との間に生じた相対変位によって第1抑制部材15のヘッドプレート19eの円弧を画きつつ傾斜する外周面26が第2抑制部材16の第2固定プレート27eの円弧を画きつつ傾斜する内周面32に線又は面で当接(衝突)するから、ヘッドプレート19eの一部に相対変位による外力が集中することはなく、第1抑制部材15のヘッドプレート19eの外周面26と第2抑制部材16の第2固定プレート27eの内周面32とが当接したときのヘッドプレート19eの不用意な変形を防ぎつつ、相対変位による外力をヘッドプレート19eから可変ロッド18e全体に円滑に伝えることができ、可変ロッド18e全体の変形耐力によって主構造物11と支持構造物12との間に生じた相対変位を確実に抑制することができるとともに、相対変位を確実に減衰させることができる。
【0140】
図18,19に示す損傷制御型変位抑制装置10Fは、損傷制御型変位抑制装置10Aが有する効果と同一の効果を有することはもちろん、ヘッドプレート19fの外周面26が径方向外方へ凸となるように円弧を画く凸面であり、第2固定プレート27fの内周面32がヘッドプレート19fの外周面26に平行するように径方向外方へ向かって凹となるように円弧を画く凹面であり、主構造物11(橋桁40又はビル46のスラブ)と支持構造物12(橋台39又はビル46の基礎47)との間に生じた相対変位によって第1抑制部材15のヘッドプレート19fの円弧を画く外周面26が第2抑制部材16の第2固定プレート27fの円弧を描く内周面32に嵌まり込むように線又は面で当接(衝突)するから、ヘッドプレート19fの一部に相対変位による外力が集中することはなく、第1抑制部材15のヘッドプレート19fの外周面26と第2抑制部材16の第2固定プレート27fの内周面32とが当接したときのヘッドプレート19fの不用意な変形を防ぎつつ、相対変位による外力をヘッドプレート19fから可変ロッド18f全体に円滑に伝えることができ、可変ロッド18f全体の変形耐力によって主構造物11と支持構造物12との間に生じた相対変位を確実に抑制することができるとともに、相対変位を確実に減衰させることができる。
【0141】
図20,21に示す損傷制御型変位抑制装置10Gは、損傷制御型変位抑装置10Aが有する効果と同一の効果を有することはもちろん、ヘッドプレート19gが可変ロッド18gの頂部23から径方向外方へ延出することはなく、主構造物11(橋桁40又はビル46のスラブ)と支持構造物12(橋台39又はビル46の基礎47)との間に生じた相対変位によって第1抑制部材15のヘッドプレート19gの外周面26が第2抑制部材16の第2固定プレート27gの内周面32に線又は面で当接(衝突)するから、ヘッドプレート19gの一部に相対変位による外力が集中することはなく、第1抑制部材15のヘッドプレート19gの外周面26と第2抑制部材16の第2固定プレート27gの内周面32とが当接したときのヘッドプレート19gの不用意な変形を防ぎつつ、相対変位による外力をヘッドプレート19gから可変ロッド18g全体に円滑に伝えることができ、可変ロッド18g全体の変形耐力によって主構造物11と支持構造物12との間に生じた相対変位を確実に抑制することができるとともに、相対変位を確実に減衰させることができる。
【0142】
損傷制御型変位抑制装置10A〜10Gでは、図示はしていないが、第1抑制部材15のヘッドプレート19a〜19gの外周面26に弾性変形可能な弾性部材が固着され、第2抑制部材16の第2固定プレート27a〜27gの内周面32に弾性変形可能な弾性部材が固着されていてもよい。なお、弾性部材は、ヘッドプレート19a〜19gの外周面26と第2固定プレート27a〜27gの内周面32とのうちの少なくとも一方に固着されていればよい。弾性部材としては、スチレン系熱可塑性エラストマーやオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、熱可塑性エラストマー、ゴムメタル等を使用することができる。
【0143】
損傷制御型変位抑制装置10A〜10Gは、ヘッドプレート19a〜19gの外周面26と第2固定プレート27a〜27gの内周面32とのうちの少なくとも一方に固着された弾性部材(スチレン系熱可塑性エラストマーやオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、熱可塑性エラストマー、ゴムメタル等)がショックアブソーバーとなり、第1抑制部材15のヘッドプレート19a〜19gの外周面26が第2抑制部材16の第2固定プレート27a〜27gの内周面32に部分的に当接(衝突)したときに弾性部材が弾性変形し、それによってヘッドプレート19a〜19gの外周面26と第2固定プレート27a〜27gの内周面32との当接時(衝突時)に生じる衝撃力が緩和され、主構造物11(橋桁40又はビル46のスラブ)と支持構造物12(橋台39又はビル46の基礎47)とのうちのいずれか一方に設置された第1抑制部材15及び主構造物11(橋桁40又はビル46のスラブ)と支持構造物12(橋台39又はビル46の基礎47)とのうちのいずれか他方に設置された第2抑制部材16によって主構造物11と支持構造物12との間に生じた相対変位を確実に抑制することができる。
図22は、他の一例として示す第1抑制部材15の斜視図であり、
図23は、
図22の第1抑制部材15の断面図である。
図22の第1抑制部材15が
図4のそれと異なるところは、第1固定プレート17aの可変ロッド18aが延びる部位(第1固定プレート17aの中央)には、第1固定プレート17aの下面52から上面51に向かって第1固定プレート17aの上下面51,52間の厚み寸法で凹む凹部53が形成されている点にある。第1抑制部材15のその他の構成は、
図4の第1抑制部材15のそれらと同一であるから、
図4と同一の符号を付すとともに、
図4の第1抑制部材15の説明を援用することで、この第1抑制部材15におけるその他の構成の説明は省略する。
凹部53は、第1固定プレート17aの中央であって可変ロッド18aの直下に形成され、第1固定プレート17aの下面52から上面51に向かって円弧を画くように半球状に凹んでいる。凹部53の厚みは、第1固定プレート17aの上下面51,52間の厚み寸法と同一である。第1固定プレート17aの可変ロッド18aが延びる部位(第1固定プレート17aの中央)に凹部53を形成することで、第1固定プレート17aの可変ロッド18aが延びる部位(第1固定プレート17aの中央)が肉薄になり、第1固定プレート17aに対する可変ロッド18aの底部25の変形耐力が減少する。
図22に示す第1抑制部材15を使用した損傷制御型変位抑制装置10Aは、第1固定プレート17aの中央(第1固定プレート17aの可変ロッド18aが延びる部位)にその下面52から上面51に向かって円弧を画く半球状の凹部53を形成することで、第1固定プレート17aの中央(可変ロッド18aが延びる第1固定プレート17aの部位)が肉薄になり、第1固定プレート17aに対する可変ロッド18aの変形耐力が減少(低下)するから、第1抑制部材15のヘッドプレート19aの外周面26が第2抑制部材16の第2固定プレート27aの内周面32に部分的に当接して相対変位による外力が第1抑制部材15や第2抑制部材16を設置した橋桁40(主構造物11)の設置箇所13(橋桁40のコンクリート構造物や橋桁40のH型鋼43のフランジ44)と橋台39(支持構造物12)の設置箇所14(橋台39のコンクリート構造物や橋台39に固定されたブラケット41)とに伝わったとき、又は、相対変位による外力が第1抑制部材15や第2抑制部材16を設置したビル46(主構造物11)の設置箇所13(スラブのコンクリート構造物)と基礎47(支持構造物12)の設置箇所14(基礎47のコンクリート構造物)とに伝わったときに、橋桁40の設置箇所13と橋台39の設置箇所14とのうちの少なくとも一方が損傷する前、又は、ビル46の設置箇所13と基礎47の設置箇所14とのうちの少なくとも一方が損傷する前に、第1抑制部材15の可変ロッド18a(第1固定プレート17aと可変ロッド18aとの接続部分45)が塑性変形し、橋桁40の設置箇所13及び橋台39の設置箇所14の損傷(ゆがみやひずみ、湾曲等の変形、ひび割れ、破断、損壊、崩落等)を防止する損傷防止機能を確実に機能させることができ、ビル46の設置箇所13や基礎47の設置箇所14の損傷(ゆがみやひずみ、湾曲等の変形、ひび割れ、破断、損壊、崩落等)を防止する損傷防止機能を確実に機能させることができる。
図22に示す第1抑制部材15を使用した損傷制御型変位抑制装置10Aは、第1抑制部材15や第2抑制部材16を設置した橋桁40の設置箇所13(橋桁40のコンクリート構造物や橋桁40のH型鋼43のフランジ44)と橋台39の設置箇所14(橋台39のコンクリート構造物や橋台39に固定されたブラケット41)とのうちの少なくとも一方の損傷を確実に防止することができ、第1抑制部材15や第2抑制部材16を設置したビル46(主構造物11)の設置箇所13(スラブのコンクリート構造物)と基礎47(支持構造物12)の設置箇所14(基礎47のコンクリート構造物)とのうちの少なくとも一方の損傷を確実に防止することができる。
図22に示す第1抑制部材15を使用した損傷制御型変位抑制装置10Aは、相対変位による外力が第1抑制部材15や第2抑制部材16を設置した橋桁40(主構造物11)の設置箇所13(橋桁40のコンクリート構造物や橋桁40のH型鋼43のフランジ44)と橋台39(支持構造物12)の設置箇所14(橋台39のコンクリート構造物や橋台39に固定されたブラケット41)とに伝わったとき、又は、相対変位による外力が第1抑制部材15や第2抑制部材16を設置したビル46(主構造物11)の設置箇所13(スラブのコンクリート構造物)と基礎47(支持構造物12)の設置箇所14(基礎47のコンクリート構造物)とに伝わったときに、橋桁40の設置箇所13と橋台39の設置箇所14とのうちの少なくとも一方が損傷する前、又は、ビル46の設置箇所13と基礎47の設置箇所14とのうちの少なくとも一方が損傷する前に、第1抑制部材15の可変ロッド18a(第1固定プレート17aと可変ロッド18aとの接続部分45)が確実に塑性変形し、橋桁40の設置箇所13や橋台39の設置箇所14の損傷を防止され、又は、ビル46の設置箇所13や基礎47の設置箇所14の損傷が防止されるから、橋桁40や橋台39の使用が制限されることはなく、又は、基礎47を含むビル46の使用が制限されることはなく、橋梁38(橋桁40及び橋台39)の継続使用を可能にし、又は、ビル46の継続使用を可能にしつつ、可変ロッド18a(接続部分45)が塑性変形した損傷制御型変位抑制装置10Aを直ちに交換することで橋梁38における次の相対変位に速やかに備えることができ、又は、可変ロッド18a(接続部分45)が塑性変形した損傷制御型変位抑制装置10Aを直ちに交換することでビル46における次の相対変位に速やかに備えることができる。
なお、
図10に示す第1抑制部材15や
図12に示す第1抑制部材15、
図14に示す第1抑制部材15、
図16に示す第1抑制部材15、
図18に示す第1抑制部材15、
図20に示す第1抑制部材15に凹部53が形成される場合がある。この場合、第1固定プレート17b〜17gの下面52から上面51に向かって第1固定プレート17b〜17gの上下面51,52間の厚み寸法で凹む凹部53が第1固定プレート17b〜17gの可変ロッド18b〜18gが延びる部位(第1固定プレート17b〜17gの中央)に形成される。
凹部53は、第1固定プレート17b〜17gの中央であって可変ロッド18b〜18gの直下に形成され、第1固定プレート17b〜17gの下面52から上面51に向かって円弧を画くように半球状に凹む。凹部53の厚みは、第1固定プレート17b〜17gの上下面51,52間の厚み寸法と同一である。第1固定プレート17b〜17gの可変ロッド18b〜18gが延びる部位(第1固定プレート17b〜17gの中央)に凹部53を形成することで、第1固定プレート17b〜17gの可変ロッド18b〜18gが延びる部位(第1固定プレート17b〜17gの中央)が肉薄になり、第1固定プレート17b〜17gに対する可変ロッド18b〜18gの底部25の変形耐力が減少する。