(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表カップ部の補強部は、少なくとも該表カップ部の上辺の中点と、該表カップ部の下辺の中点とを結ぶ線分の中点よりも上部に位置し、前記表カップ部の補強部は、該表カップ部上部の少なくとも10%以上の面積をしめる、請求項1に記載のブラジャー。
前記内カップ部の補強部は、少なくとも該内カップ部の上辺の中点と、該内カップ部の下辺の中点とを結ぶ線分の中点よりも上部に位置し、前記内カップ部の補強部は、該内カップ部上部の少なくとも10%以上の面積をしめる、請求項3に記載のブラジャー。
前記左右の肩ストラップ部と前記前面部の接続位置から、該前面部と左右の前記ウィング部との接続位置の上点とを結ぶ曲線をそれぞれK、K’とし、前記表カップ部と前記内カップ部の接合部が、該曲線K、K’上の該左右の肩ストラップ部と前記前面部の接続位置から、該前面部と前記左右のウィング部との接続位置の上点に向かって、少なくとも0〜50%の位置に存在する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のブラジャー。
前記内カップ部の外側にカップ支持部を備え、前記内カップ未補強部の伸長応力(S5)に対する、前記カップ支持部の伸長応力(S7)の比(S7/S5)が、1/1〜500/1である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のブラジャー。
前記サブウィング部は、前記前面部の上辺の中点と、前記肩ストラップ部および該ウィング部の着用者の背中側における接続部位の上辺の中点とを結ぶ線分Lが最長となるようにブラジャーを配置し、かつ該線分と同一方向の法線を有する平面Sを規定した場合に、該線分L上の該前面部の上辺の中点から前記接続部位の上辺の中点に向かって0〜40%の位置の平面上、及び/または、70〜100%の位置の該平面上に、前記サブウィング部と、前記前面部、前記ウィング部、前記背面部、ホック部、またはアンダーテープ部との接合部が存在し、かつ、前記サブウィング部は、前記ウィング部と接合されていない領域を有する、請求項8または9に記載のブラジャー。
前記サブウィング部は、前記前面部の上辺の中点と、前記接続部位の上辺の中点とを結ぶ線分Lが最長となるようにブラジャーを配置し、かつ該線分と同一方向の法線を有する平面Sを規定した場合に、該線分L上の該前面部の上辺の中点から前記接続部位の上辺の中点に向かって0〜40%の位置の平面上、及び70〜100%の位置の該平面上に、前記サブウィング部と、前記前面部、前記ウィング部、または前記背面部との接合部が存在し、かつ、前記サブウィング部は、前記ウィング部と接合されていない領域を有する、請求項10に記載のブラジャー。
前記第1ストラップ部の伸長応力(S10)に対する、前記第2ストラップ部の伸長応力(S11)の比(S11/S10)が、1.2/1〜30/1である、請求項13に記載のブラジャー。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されるようなサブウィング部の配置やカップ上下縁の高応力部、及び肩紐部の断面積の規定だけではスポーツ等の激しい運動時の胸の揺れを軽減する効果は不十分である。
特許文献2及び3では、胸の揺れを軽減させる為に、胸の外周縁や、カップ下部、上部等に伸縮性の低い素材を使用しており、その部位の着圧が高くなりがちで、着用快適性は低下する。特許文献2及び3に記載される補強部分だけでは、快適性と胸の揺れを軽減する効果の両立は不十分である。特許文献4では、ブラジャー周長の1/2以上の長さに亘る領域に補強部を配置しているが、このような補強部では、着用時に特に脇部や背中側の着圧が高くなりがちで、着用快適性は低下する。特許文献5では、ストラップに付け外し可能な圧縮パネル(補強部)をカップを覆うように形成しているが、ストラップからブラジャーの脇部にかけて圧縮パネルとカップが分離しているため、着用時にカップ脇部が身体から浮いてしまいがちで、スポーツ等の激しい運動時の胸の揺れを軽減する効果は不十分であり、運動時の胸の揺れ軽減効果が高く、なおかつ日常的に長時間着用しても不快にならず、快適性を満足するブラジャーは現状では見出されていない。
【0006】
このように、日常的に長時間着用するブラジャーとしては、着用時の着圧を下げ、着用快適性が高く、なおかつ軽い動作からスポーツ等といった激しい運動時においても、胸の揺れを軽減することができるブラジャーの開発が望まれている。
【0007】
本発明は、上述したような従来の実情に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、着用時の着圧を下げ、快適性に優れ、日常的な軽い動作やスポーツ等の激しい運動時といったあらゆるシーンにおいて胸の揺れ軽減効果、すなわち防振性に優れるブラジャーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明者が鋭意研究を行った結果、左右の乳房を覆う前面部を、内カップ部と表カップ部とし、表カップ部及び/または内カップ部に所定の幅を有する補強部を設けることで、着用時に胸を着用者側へ広範囲から包み込むことができ、上記の目的を達成できることを見出した。ここで、左右の乳房を覆う前面部において、内カップ部とは、左右の乳房を覆うように左右の乳房に直接接触する前面部であり、表カップ部とは、内カップ部を覆うように内カップ部よりも外側に配設される前面部である。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
着用者の左右の乳房を覆う前面部、該前面部の上部に連なる左右一対の肩ストラップ部、前記前面部の左右に配設された一対のウィング部を有するブラジャーであって、
前記前面部は、前記着用者側に配設される一対の内カップ部と、該内カップ部の外側に配設される表カップ部を備え、
前記前面部は、所定の幅を有する補強部を有し、前面部未補強部の伸長応力(S1)に対する、前記前面部補強部の伸長応力(S2)の比(S2/S1)が、1.2/1〜700/1であることを特徴とする、ブラジャー。
[2]
前記前面部の補強部が前記表カップに存在し、表カップ部未補強部の伸長応力(S3)に対する、前記表カップ部の補強部の伸長応力(S4)の比(S4/S3)が、2/1〜700/1である、[1]に記載のブラジャー。
[3]
前記前面部の補強部が前記内カップに存在し、内カップ部未補強部の伸長応力(S5)に対する、前記内カップ部の補強部の伸長応力(S6)の比(S6/S5)が、1.2/1〜500/1である、[1]または[2]に記載のブラジャー。
[4]
前記補強部は、前記表カップ部または前記内カップ部において、少なくとも該表カップ部または該内カップ部の上辺の中点と、該表カップ部または該内カップ部の下辺の中点とを結ぶ線分の中点よりも上部に位置し、前記補強部は、該表カップ部または該内カップ部上部の少なくとも10%以上の面積をしめる、[1]〜[3]のいずれかに記載のブラジャー。
[5]
前記左右の肩ストラップ部と前記前面部の接続位置から、該前面部と左右の前記ウィング部との接続位置の上点とを結ぶ曲線をそれぞれK、K’とし、前記表カップ部と前記内カップ部の接合部が、該曲線K、K’上の該左右の肩ストラップ部と前記前面部の接続位置から、該前面部と前記左右のウィング部との接続位置の上点に向かって、少なくとも0〜50%の位置に存在する、[1]〜[4]のいずれかに記載のブラジャー。
[6]
前記内カップ部の外側にカップ支持部を備え、前記内カップ未補強部の伸長応力(S5)に対する、前記カップ支持部の伸長応力(S7)の比(S7/S5)が、1/1〜500/1である、[1]〜[5]のいずれかに記載のブラジャー。
[7]
前記肩ストラップ部および前記ウィング部を着用者の背中側で接続する背面部を有する、[1]〜[6]のいずれかに記載のブラジャー。
[8]
前記前面部の一部から前記ウィング部の一部に亘る背面方向の領域において前記ウィング部に重ねて配設されたサブウィング部を有し、
前記ウィング部の伸長応力(S8)に対する、前記サブウィング部の伸長応力(S9)の比(S9/S8)が、0.7/1〜10/1である、[1]〜[7]のいずれかに記載のブラジャー。
[9]
前記サブウィング部が、前記ウィング部の外側に配設されている、[8]に記載のブラジャー。
[10]
前記サブウィング部は、前記前面部の上辺の中点と、前記肩ストラップ部および該ウィング部の着用者の背中側における接続部位の上辺の中点とを結ぶ線分Lが最長となるようにブラジャーを配置し、かつ該線分と同一方向の法線を有する平面Sを規定した場合に、該線分L上の該前面部の上辺の中点から前記接続部位の上辺の中点に向かって0〜40%の位置の平面上、及び/または、70〜100%の位置の該平面上に、前記サブウィング部と、前記前面部、前記ウィング部、前記背面部、ホック部、またはアンダーテープ部との接合部が存在し、かつ、前記サブウィング部は、前記ウィング部と接合されていない領域を有する、[8]または[9]に記載のブラジャー。
[11]
前記サブウィング部は、前記前面部の上辺の中点と、前記接続部位の上辺の中点とを結ぶ線分Lが最長となるようにブラジャーを配置し、かつ該線分と同一方向の法線を有する平面Sを規定した場合に、該線分L上の該前面部の上辺の中点から前記接続部位の上辺の中点に向かって0〜40%の位置の平面上、及び70〜100%の位置の該平面上に、前記サブウィング部と、前記前面部、前記ウィング部、または前記背面部との接合部が存在し、かつ、前記サブウィング部は、前記ウィング部と接合されていない領域を有する、[10]に記載のブラジャー。
[12]
前記サブウィング部の伸長応力(S9)に対する、前記背面部の伸長応力(S13)の比(S13/S9)が、0.7/1以上である、[11]に記載のブラジャー。
[13]
前記肩ストラップ部は、筒状の第1ストラップ部と、該第1ストラップ部の内側に配されたテーパー状の第2ストラップ部とを有し、
前記第1ストラップ部の一端部は前記表カップ部と接続され、前記第2ストラップ部の一端部は前記内カップ部と直接または間接的に接続され、
前記第1ストラップ部の他端部は前記第2ストラップ部の他端部もしくは一部分と接続されている、[1]〜[12]のいずれかに記載のブラジャー。
[14]
前記第1ストラップ部の伸長応力(S10)に対する、前記第2ストラップ部の伸長応力(S11)の比(S11/S10)が、1.2/1〜30/1である、[13]に記載のブラジャー。
[15]
スポーツブラジャーである、[1]〜[14]のいずれかに記載のブラジャー。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、乳房を覆う前面部を、内カップ部と表カップ部とし、表カップ部、及び/または内カップ部の特定の部位に所定の幅を有する補強部を設けることにより、日常的な軽い動作やスポーツ等の激しい運動時といったあらゆるシーンにおいて胸の上下動(Y方向)及び左右動(X方向)さらには前後動(Z方向)を抑えることができ、さらに締め付け圧(着圧)が適切で快適なスポーツブラジャーを提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1〜
図18は、本発明のスポーツブラジャーの一構成例を示す図で、
図19〜
図22は本発明のスポーツ用以外の一般的なブラジャーの一構成例を示す図である。
本発明のスポーツブラジャー(ブラジャー)は、着用者の左右の乳房を覆う前面部、前面部の上部に連なる左右一対の肩ストラップ部、前面部の左右に配設された一対のウィング部を有する。そして本発明のスポーツブラジャーは、前面部は、着用者側に配設される一対の内カップ部と、内カップ部の外側に配設される表カップ部とを備え、表カップ部及び/又は内カップ部に所定の幅を有する補強部を設けることを特徴とする。また、本発明の実施の形態において、肩ストラップ部およびウィング部を着用者の背中側で接続する背面部を有していてもよい。スポーツブラジャーはスポーツなどの運動時において、運動時のバストの揺れを軽減し、動きやすくする為に用いられることが多く、一般的なブラジャーは乳房の形を美しく整える為に用いられることが多いので、スポーツブラジャーは一般的なブラジャーに比べて、比較的身体を覆う面積が広い傾向にあり、前面部やウィング部の面積や、肩ストラップの幅が広く、背面部を有する構造となることが多い。
【0012】
本開示で、「着用者側」とは、ブラジャーの裏側(すなわちカップが凹形状となる側)を意図し、「外側」とは上記着用者側と反対側を意図する。
本開示で、ブラジャーに関して言及する「ヨコ方向」とは、2つのカップの配列方向であり、具体的には、2つのカップのバストトップ位置が互いに最も離れるようにブラジャーを置いたときの、2つのバストトップ位置を結ぶ直線の方向を意図する。本開示で、ブラジャーの「タテ方向」とは、上記ヨコ方向と垂直の方向であり、着用者の身体の上下方向に対応することが意図される。
本開示で、「バストトップ位置」とは、ブラジャー着用時に着用者のバストトップに対応する位置(すなわち着用者の乳首に対応する位置)を意図する。バストトップ位置は、カップの膨らみ形状(凸形状)の頂部である。本開示で、ブラジャーの「前中心線」及び「背中心線」とは、それぞれ、2つのバストトップ位置を結ぶ線分の中点を通ってブラジャーのタテ方向に延びる線であって、前中心線は前面部上、背中心線は、背面部を有しない場合はウィング部上、及び/または、左右ウィング部を着用者の背中側で接続するホック部上、背面部を有する場合は背面部上の線である。
また、本開示で「所定の幅を有する補強部」とは、補強部が、線状や縫い代としてではなく、所定面積を有する部材(生地)により面状に設けられていることを意味する。
【0013】
また本開示で、特記がない場合、「伸長応力」とは、JIS L1096.8.14.1 A法のカットストリップ法に準拠してブラジャーから切り出した布帛サンプルのタテ方向10%伸長時応力(N/2.5cm幅、以下単にNと記す)及びヨコ方向10%伸長時応力(N)を測定し、これらを平均した値をいう(以下、タテヨコ平均伸長応力、又は単に伸長応力ともいう)。なお本開示で、布帛の「タテ方向」は、任意に設定した方向であり、「ヨコ方向」とは、これと垂直の方向である。複数の生地を重ねて構成する場合、伸長応力は各生地の伸長応力を足し合わせた値、もしくは複数の生地を重ねた状態で測定した値とする。また、肩ストラップ部のような一方向に長い部材の場合は、その方向をタテ方向とし、タテ方向10%伸長時応力をその部材の伸長応力とする。
また、ブラジャーは基本的には左右で略対称の構造を有する。例えば添付図面において着用者に対し右側に相当する肩ストラップ部12と、左側に相当する肩ストラップ部12´は、ほぼ同様の構成を有する。そのため、以下の説明では肩ストラップ部12についてのみ説明し、肩ストラップ部12´については省略する場合がある。それ以外のカップ部、サブウィング部14等の構成要素およびP1,Q1等の符号についても同様である。
【0014】
図1は、本発明のスポーツブラジャーの前面側の構造の一例を示す斜視図であり、
図2は、スポーツブラジャーの背面側の構造の一例を示す斜視図である。
図1、
図2及び
図19、
図20に示すように、本実施の形態に係るスポーツブラジャー(ブラジャー)10は、左右の乳房を覆う前面部11と、前面部11の上部に連なる左右の肩ストラップ部12、前記前面部11の左右に連なる一対のウィング部13を有する。また、
図1、
図2に示す例では、前記肩ストラップ部12およびウィング部13を着用者の背中側で接続する背面部15を有する。ウィング部13は、前面部11の脇縁部から着用者の背側に向かって延びる。これらの各部材は、縫着などにより接続される。
【0015】
本発明の実施の形態において、前面部11は、着用者側に配設され着用者の左右の乳房をそれぞれ受け入れる一対の内カップ部11aと、内カップ部11aの外側に配設される表カップ部11bとを備えた2重構造を有する。
【0016】
図3は、
図1および
図2に示すスポーツブラジャーにおいて、内カップ部の構造の一例を示す斜視図であり、
図4は、表カップ部の構造の一例を示す斜視図である。
図5は、第1の接続部の部分を抜き出して示す図であり、
図6は、第2の接続部の部分を抜き出して示す図である。また、
図7は、表カップ部の部分を抜き出して示す図である。
図21は、
図19および
図20に示す一般的なブラジャーにおいて、内カップ部の構造の一例を示す斜視図であり、
図22は、表カップ部の構造の一例を示す斜視図である。
本実施形態において、内カップ部11aは、図中、Q4〜Q3〜Q5〜Q4で囲まれる部位であり、表カップ部11bは、図中、P2〜P1〜P3〜P4〜P5〜P6〜P6´〜P5´〜P4´〜P3´〜P1´〜P2´〜P2で囲まれる部位である。
図に示す例では、内カップ部11aと表カップ部11bとは、脇縁(図中、辺Q1〜P4および辺P4〜P5)及び下辺縁(P5〜P6〜P6´〜P5´)において、内カップ部11a及び表カップ部11bとは別個の布帛からなる接続部16(第1の接続部16a、第2の接続部16b)を介して接続されている。
【0017】
第1の接続部16aは、Q1〜Q4〜Q3〜Q2〜P5〜P4〜Q1で囲まれる部位であり(
図5参照)、第2の接続部16bは、Q5〜Q3〜Q2〜Q2´〜Q3´〜Q5´〜Q5で囲まれる部位である(
図6参照)。
第1の接続部16aは、辺Q4〜Q3で内カップ部11aと接続され、辺P4〜P5でウィング部13と接続されている。
【0018】
第2の接続部16bは、辺Q5〜Q3において内カップ部11aと接続され、辺Q2〜Q2´においてアンダーテープ部21と接続されている。なお表カップ部11bは、辺P5〜P6〜P6´〜P5´においてアンダーテープ部21と接続されている。
カップの脇縁において、第1の接続部16aを介して内カップ部11aと表カップ部11bの側部が接続されている。また、カップの下辺縁において、第2の接続部16bを介して内カップ部11aの下辺(辺Q3〜Q5,Q5´〜Q3´)と表カップ部11bの下辺(辺P5〜P6〜P6´〜P5´)が接続されている。
【0019】
図1〜
図14に示す例では、内カップ部11aの上辺(辺Q4〜Q5)は、表カップ部11bと接続されず分離しているが、この構造に限定されず、内カップ部11aと表カップ部11bとが分離していなくてもよい。肩ストラップ部12を内側と外側の2重構造とする場合においては、内カップ部11aの上辺(辺Q4〜Q5)が表カップ部11bと分離している構造が好ましい。
【0020】
内カップ部11aが表カップ部11bと分離していない構造の例として、
図15、
図16に示す例では、P2〜P1〜Q1〜Q4〜Q5〜Q5´〜Q4´〜Q1´〜P1´〜P2´〜P2で囲まれる部位に内カップ部11aの補強部17を設けており、辺Q1〜P1〜P2〜P2´〜P1´〜Q1´において、内カップ部11aの補強部17と表カップ部11bが接続されており、辺Q1〜P4および辺P4〜P5において、第1の接続部16aと表カップ部11bが接続され、辺P5〜Q2〜Q2´〜P5´において、第2の接続部16bと表カップ部11b及びアンダーテープ部21が接続されている為、内カップ部11aは内カップ部11aの補強部17、第1の接続部16a、第2の接続部16bを介して表カップ部11bと接続され分離していない。なお、
図15及び
図16では、補強部17の部分に斜線を付している。
なお、表カップ部11bは、内カップ部11aの前中心側を互いに連結するとともに、内カップ部11aの上辺部分よりも上側部分、好ましくは2つの乳房の間の谷間部分をさらに覆うように形成されるのが好ましい。
【0021】
前面部11を内カップ部11aと表カップ部11bとからなる二重構造とすることで、内カップ部11aで着用者の乳房を収容保持し、表カップ部11bで乳房を広範囲に押さえ込み、これにより内カップ部11a、接続部16及び着用者の乳房の揺れを低減させることができる。その結果、スポーツ等の激しい運動時においても乳房の揺れを低減することができる。
【0022】
内カップ部11aは、例えば、ポリエステル素材によって形成され、ダブルラッセル生地であってもよい。内カップ部11aの形状は、左右の乳房を立体的に被覆する釣鐘形状を有し、例えばダブルラッセル生地を縫製により釣鐘形状としてもよい。
【0023】
表カップ部11b、及び/または、内カップ部11aの一部に補強部17を設けることで、乳房が揺れる際に押え込む力を効果的に発揮でき、日常的な軽い動作やスポーツ等の激しい運動時といったあらゆるシーンにおいて乳房の揺れをさらに低減させることができる。ここで、前記補強部17は、前面部未補強部の伸長応力(S1)に対する、前記補強部の伸長応力(S2)の比(S2/S1)が、1.2/1〜700/1である必要がある。前記補強部17を表カップ部11bに設ける場合は、前記表カップ部11bの未補強部の伸長応力(S3)に対する、前記補強部の伸長応力(S4)の比(S4/S3)が、2/1〜700/1であることが好ましく、より好ましくは、10/1〜500/1であり、さらに好ましくは10/1〜300/1であり、最も好ましくは10/1〜200/1である。前記補強部17を内カップ部11aに設ける場合は、内カップ部未補強部の伸長応力(S5)に対する、前記補強部の伸長応力(S6)の比(S6/S5)が、1.2/1〜500/1である事が好ましく、より好ましくは3/1〜300/1であり、さらに好ましくは3/1〜200/1であり、最も好ましくは3/1〜100/1である。
ここで、本明細書において、所定の幅を有する補強部17は、内カップ部11aおよび/または表カップ部11bにおいて、縫製部や他の部材との接続部を除いた部分で最も伸長応力が高い部分を含む、該最も伸長応力の高い部分と同一構成(素材、織編構造、積層状態)の部分であり、「未補強部」とは、内カップ部11aおよび/または表カップ部11bにおいて、補強部17が設けられた部分以外の、縫製部や他の部材との接続部を除いた部分をいう。未補強部の伸長応力は、前記未補強部において、最も伸長応力が低い所定の幅を有する部分の値とする。未補強部は複数の生地を重ねて構成されていてもよく、複数の生地を重ねて構成される場合は、重なった生地を一体として未補強部とする。
【0024】
また、補強部17は、少なくとも、表カップ部11b及び/または内カップ部11aにおいて、表カップ部11b及び/または内カップ部11aの上辺の中点(O1)と、表カップ部11b及び/または内カップ部11aの下辺の中点(O2)とを結ぶ線分の中点(O4)を通る表カップ部及び/または内カップ部下辺と平行な線よりも上部(着用者の身体の上方向側、以下表カップ部11b及び/または内カップ部11a上部と呼ぶ)に位置し、補強部17は表カップ部11b及び/または内カップ部11a上部の面積の好ましくは10%以上の面積をしめ、より好ましくは40%以上の面積をしめることで、乳房が揺れる際に抑え込む力を効果的に発揮することができる。ここで、前面部上部の面積は、表カップ部11bもしくは内カップ部11aのうち、補強部17を設ける側の面積とし、表カップ部11b及び内カップ部11aの両方に補強部17を設ける場合は、表カップ部11bもしくは内カップ部11aのどちらか一方に設けられた補強部17が、表カップ部11bもしくは内カップ部11a上部の面積の10%以上の面積をしめていればよい。また、表カップ部11bに補強部17を設ける場合は、内カップ部11aの形状に沿わせて形成させる為、表カップ部脇部には補強部17はなるべく配置しない方が好ましい。ここで、表カップ部脇部とは、P3〜P4〜P5〜P6〜P3で囲まれる部位である(
図7参照)。
【0025】
表カップ部11bに補強部17を設けた例として例えば、
図11に示す例では、P2〜P1〜P3〜P12〜O4〜P12´〜P3´〜P1´〜P2´〜P2で囲まれる部位において、補強部17を設けている。また、
図12に示す例では、P2〜P1〜P13〜P13´〜P1´〜P2´〜P2で囲まれる部位において、補強部17を設けている。なお、
図11及び
図12では、補強部17の部分に斜線を付している。
【0026】
内カップ部11aに補強部17を設けた例として、例えば、
図15、
図16に示す例では、P2〜P1〜Q1〜Q4〜Q5〜Q5´〜Q4´〜Q1´〜P1´〜P2´〜P2で囲まれる部位において、補強部17を設けており、
図15と
図16は補強部の面積が異なる。ここで、内カップ部11aの補強部17は内カップ部11aの一部とするが、内カップ部11aとは別個の部材でもよい。
【0027】
表カップ部11b、及び/または、内カップ部11aにこのような補強部17を設けることにより、左右の乳房を支持し、乳房の揺れを抑制するとともに乳房の形状を保つことができる。
補強部17は例えば複数の生地を重ねて構成することもできる。
【0028】
また、前記補強部17は、
図17の例に示すように、前面部11の上辺の中点(O1)と、前面部11と左右のウィング部13との接続位置の上点P4、P4´とを結ぶ線分をそれぞれJ、J’としたとき、該線分J、J’上の該前面部11の上辺の中点(O1)から該前面部11と左右のウィング部13との接続位置の上点(P4、P4´)に向かって5〜80%の位置に存在することが好ましく、また、任意の方向において少なくとも5cmの長さを有することが好ましく、7cm以上の長さを有することが更に好ましい。これにより、補強部17を乳房の揺れ抑制、乳房の形状保持に最適な位置に配置することができる。
【0029】
また、内カップ部11aの上辺(辺Q4〜Q5)が表カップ部11bと分離している構造においては、
図17の例に示すように、前記左右の肩ストラップ部12と前面部11の脇側接続位置P1、P1´から、前面部11と左右のウィング部13との接続位置の上点P4、P4´とを結ぶ曲線をそれぞれK、K’としたとき、表カップ部11bと内カップ部の第1の接続部16aを介した接合部Q1、Q1´が、該線分K、K’上の該左右の肩ストラップ部12と前面部11の脇側接続位置P1、P1´から、該前面部11と左右のウィング部13との接続位置の上点P4、P4´に向かって、少なくとも0〜50%の位置に存在することが好ましく、0〜20%の位置に存在することがより好ましい。これにより、表カップ部11bと内カップ部11aの第1の接続部16aを介した接合部Q1、Q1´において補強部17を左右に引っ張り、それにより補強部17を着用者側へ押さえつけることでブラの身体へのフィット性が高まり、さらに乳房の揺れを抑制することができる。例に示したように、表カップ部11bと内カップ部11aの接合部は、接続部16といった別の部材を介してもいいが、その接続部材の伸長応力は、内カップ部11aよりも高いことが好ましく、内カップ部未補強部の伸長応力(S5)に対する、接続部材の伸長応力(S14)の比(S14/S5)が、1/1〜500/1、さらに好ましくは、2/1〜200/1であるとよい。
【0030】
表カップ部11bと内カップ部11aとの接続部16(第1の接続部16a、第2の接続部16b)は、例えば、ポリエステル素材によって形成され、織物生地であってもよい。接続部16の伸長応力は、内カップ部11aおよびウィング部13よりも高いことが好ましい。
【0031】
図8に示すように、内カップ部11aの外側、すなわち内カップ部11aより体の反対側に、カップ支持部18を設けることができる。
図8に示す例では、内カップ部11aの外側下部にあって、Q6〜Q3〜Q7〜Q6、及びQ6´〜Q3´〜Q7´〜Q6´で囲まれる部位に、別個の布帛からなるカップ支持部18を設けている。また、
図18に示す例では、左右の内カップ部11a、11a´の間の外側にあって、Q6〜Q7〜Q7´〜Q6´〜Q6で囲まれる部位に、別個の布帛からなるカップ支持部18を設けており、辺Q6〜Q6´で内カップ部11aの補強部17と接続し、辺Q7〜Q7´はアンダーテープ部21及び第2の接続部16b、及び表カップ部11bと接続しているが、辺Q6〜Q7及び、辺Q6´〜Q7´は内カップ部11aや第2の接続部16bとは接続されておらず分離している。辺Q6〜Q7及び、辺Q6´〜Q7´を接続しないことで、着用時、カップ支持部18が立体的な内カップ部11aに沿うように形成され、左右の内カップ部11a、11a´の間のすき間(2つの乳房の間の谷間部分)を埋めることができ、ブラの身体へのフィット性がさらに高まる。ここで、
図18に示す例では、辺Q6〜Q6´で内カップ部の補強部17と接続しているがこれに限らず、辺Q6〜Q6´は補強部17と分離していてもよく、補強部17や内カップ部11a,11a´、肩ストラップ部12や接続部16、表カップ部11bと一部分が接続されていればよいが、補強部17といった伸び難い部材に接続することが好ましい。カップ支持部18を設けることにより、着用者のバストにかかる着圧が高くなりすぎることなく、内カップ部11aの形状を保持することができ、さらに防振性が高くなる。内カップ部未補強部の伸長応力(S5)に対する、カップ支持部18の伸長応力(S7)の比(S7/S5)は、1/1〜500/1、好ましくは、5/1〜200/1であると良い。カップ支持部18は、例えば複数の生地を重ねて構成することもできる。
【0032】
ウィング部13は、
図1〜
図4に示される例では、P4〜P5〜P8〜P9〜P4で囲まれる部位であり、辺P4〜P5において第1の接続部16a及び表カップ部11bと接続され、辺P8〜P9において背面部15と接続されている。
図3に示すように、ウィング部13は、表カップ部11bと内カップ部11aとを繋ぐ第1の接続部16aから左右に延びて着用者の背側に向かって配設される。
表カップ部11bと内カップ部11a、およびウィング部13の下辺は、ブラジャー本体の下辺縁部をなし、ブラジャー本体を一周するアンダーテープ部21に接続されている。
【0033】
サブウィング部14は、
図13、
図14および
図9に示される例では、P7〜P6〜Q8〜Q9〜P7で囲まれる部位であり、辺P7〜P6において表カップ部11bと接続され、辺Q8〜Q9において背面部15と接続されている。
図13に示す例では、サブウィング部14は、前面部11の脇縁部から着用者の背側に向かって延び、表カップ部11bの一部からウィング部13の一部もしくは背面部15の一部に亘る領域において、表カップ部11b、ウィング部13、及び背面部15の外側に配置されている。サブウィング部14は、典型的には、表カップ部11bの脇縁からウィング部13に亘って配置された1枚又は複数枚の布帛で構成できる。サブウィング部14はカップ部11a,11b及びウィング部13において本体部(カップ部11a,11bおよびウィング部13)と一体化されて構成されるのではなく、本体部とは別個の布帛で、該本体部に重ねて形成されている。
【0034】
本発明の実施の形態の一つとして、ブラジャー10はサブウィング部14を有し、好ましくは、サブウィング部14は、表カップ部11b及び/または内カップ部11aの上辺の中点(O1)と、肩ストラップ部およびウィング部の着用者の背中側における接続部位(例えば、ウィング部13、もしくは、左右ウィング部13を着用者の背中側で接続するホック部20、もしくは、該肩ストラップ部12および該ウィング部13を着用者の背中側で接続する背面部15)の上辺の中点(O3)とを結ぶ線分Lが最長となるようにブラジャー10を配置し(
図10参照)、かつ該線分と同一方向の法線を有する平面Sを規定した場合に、該線分L上の該表カップ部11b及び/または内カップ部11aの上辺の中点(O1)からウィング部13もしくはホック部20の背中心、もしくは背面部15の上辺の中点(O3)に向かって0〜40%の位置の平面上、及び70〜100%の位置の該平面上に、サブウィング部14と表カップ部11b及び/または内カップ部11a、またはウィング部13、もしくは背面部15との接合部が存在し、かつ、該サブウィング部14は、該ウィング部13と接合されていない領域を有する。
なお、ブラジャーが背面部15を有しない場合、背面部15の上辺の中点(O3)は、肩ストラップ部12およびウィング部13の着用者の背中側における接続部位の上辺の中点になる。
【0035】
好ましくは、ウィング部13よりもサブウィング部14の方が伸長応力は高い。サブウィング部14により、ブラジャー10の肌へのフィット効果を高め、かつ、着用時にサブウィング部14のカップ側接合部に引張り力がかかるため、さらなる防振効果を発揮させることができる。
ウィング部13の伸長応力(S8)に対する、サブウィング部14の伸長応力(S9)の比(S9/S8)は0.7/1〜10/1、好ましくは1/1〜10/1、より好ましくは1/1〜5/1、更に好ましくは2/1〜5/1であることで、着圧が高くなり過ぎずに防振性を高めることができる。
これにより着用時、表カップ部11bが乳房を広範囲に押さえ込む力が増し、その結果、スポーツ等の激しい運動時においても乳房の揺れを低減することができる。
【0036】
サブウィング部14は、スパンデックスが交編された伸びを有する編地が好適に用いられ、綿織物、ポリエステル織編物、ポリアミド素材の織編物等の、ウィング部やカップ部の布帛よりも伸びの小さい布帛によって構成することができる。
【0037】
図13、
図14および
図9に示す例では、肩ストラップ部12、ウィング部13、サブウィング部14は、着用者の背側においてそれぞれ背面部15に接続されている。背面部15は、辺P10〜P11において肩ストラップ部12と、辺P8〜P9においてウィング部13と、辺Q8〜Q9においてサブウィング部14と、それぞれ縫着などにより接続される。
背面部15を有する場合、前記サブウィング部14の伸長応力(S9)に対する、前記背面部15の伸長応力(S13)の比(S13/S9)は、0.7/1以上で構成されることが好ましい。これにより、サブウィング部14の効果(表カップ部11bとサブウィング部14とが、内カップ部11aおよびウィング部13を肌側へ広範囲で押さえつける効果)を十分に発揮させることができる。
また
図14に示すように、ブラジャー10は、着用者の背側において、例えばサイズ調整のためのホック部20を有していてもよい。ホック部20は、背面部15と連結していなくてもよく、例えば
図14に示す例では、ホック部20は、ウィング部13およびアンダーテープ部21の背側端部に連続して一体に形成されている。
【0038】
肩ストラップ部12は、前面部11から上方に延びて着用者の左右各々の肩に掛け渡された後、着用者の背面側でウィング部13や背面部15に接続される。本実施の形態において、肩ストラップ部12は二重構造を有していることが好ましい。具体的には、
図13に示すように、肩ストラップ部12は、筒状の第1ストラップ部12aと、第1ストラップ部12aの内側に配されたテーパー状の第2ストラップ部12bとを有する。第1ストラップ部12aの一端部は表カップ部11bと接続されている(
図13参照)。
図13に示す例では、第1ストラップ部12aの一端部は、辺P1〜P2において、表カップ部11bと接続されている。第2ストラップ部12bの一端部は、内カップ部11a又は第1の接続部16aと接続されている(
図13参照)。
図13に示す例では、第2ストラップ部12bの一端部は、辺Q1〜Q4において、第1の接続部16aと接続されている。第1ストラップ部12aの他端部と第2のストラップ部の他端部とは、好ましくは肩ストラップ部12が肩に当接する位置よりも後方、
図14に示す例では辺P10〜P11で、例えば縫合により接続され、直接的または後述するアジャスター19を介して間接的に背面部15に接続されている。
【0039】
肩ストラップ部12を内側と外側の2重構造とすることで、運動時等の揺れにより肩ストラップ部12がずれることを防止することができる。肩ストラップ部12がずれたり揺れたりしても、動くのは内側の第2ストラップ部12bのみで、外側の第1ストラップ部12aは肌と密着しほとんど動かないため、上述したような肩ストラップ部12のずれ、ひいては乳房の揺れや、肩ストラップ部12と皮膚とのこすれを低減することができる。
肩ストラップ部の2重構造は、この構造に限られず、例えば、着用者側と外側に分かれた構造であっても構わない。その場合、第1ストラップ部を着用者側、第2ストラップ部を外側に配置するものとする。
【0040】
第1ストラップ部12aよりも、第2ストラップ部12bの方が伸長応力は高い。筒状の第1ストラップ部12aの伸長応力(S10)に対する、テーパー状の第2ストラップ部12bの伸長応力(S11)の比(S11/S10)は、1.2/1〜30/1、好ましくは3/1〜30/1で構成されるのが望ましい。これにより、肩部の着圧が高くなり過ぎずに、乳房の揺れを低減できる。
【0041】
さらに、肩ストラップ部12は、第1ストラップ部12aと第2ストラップ部12bの接続部よりも後方(着用者背中側)に、例えば
図9のような、長さ調整のためのアジャスター19を有していてもよい。アジャスター19の一端は、第1ストラップ部12aと第2ストラップ部12bとの接続部(P12〜P13)に接続され、他端は背面部15の辺P10〜P11に接続されている。テーパー状の第2ストラップ部12bの伸長応力(S11)に対する、アジャスター19の伸長応力(S15)の比(S15/S11)は、0.5/1〜30/1であることが好ましい。
【0042】
本発明のブラジャー10の各部材の素材は特に限定されず、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維等の合成繊維、レーヨン、キュプラ、アセテート等のセルロース系繊維、及び綿、麻等の天然繊維が好適に用いられる。各部材を構成する布帛の構造も特に限定されず、編物、織物、不織布等が用いられる。
また、捲縮された繊維を用いてもよい。本発明においては、各部材に適正な伸長特性を有する布帛を配置することが有効である。各部材においては、スパンデックスが交編された伸びを有する編地が好適に用いられる。また、表カップ部11b及びウィング部13、背面部15の生地にはダブル丸編、トリコット編、ラッセル編等を使用でき、トリコットハーフ生地が好適に用いられる。
【0043】
以上説明してきたような本発明のブラジャーによれば、乳房を覆う前面部を、内カップ部と表カップ部とし、前面部(内カップ部および表カップ部の少なくとも一方)に所定の幅を有する補強部を設けることで、着用時に内カップ部を着用者側へ広範囲から包み込み、スポーツ等の激しい運動時の胸の上下動(Y方向)及び左右動(X方向)さらには前後動(Z方向)を抑えることができ、さらに締め付け圧(着圧)が適切で快適なものとなる。
【実施例】
【0044】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
なお、以下の説明では具体的な数値等を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではないことは言うまでもない。
実施例及び比較例で得たブラジャーは、以下の方法で評価した。
【0045】
(1) 各部材の生地の伸長応力
JIS L1096.8.14.1 A法のカットストリップ法に準拠し、ブラジャーから切り出した生地サンプルの応力を計測した。
10%伸長時応力特性については、タテ方向伸長10%時応力とヨコ方向伸長10%時応力(幅2.5cmあたり)を測定し、これらの平均値を算出した。
試験片の幅:2.5cm
試験片のつかみ長さ:10cm
伸長速度:30cm/min
各部材のブラジャーから切り出した生地サンプルについて上記条件で測定を行ったが、試験片のつかみ長さが取れない場合には適宜長さを変更した。試験片の幅が取れない場合には、適宜幅を変更し、得られた応力値を2.5cm幅あたりの数値に換算した。
複数の生地を重ねて構成した部材は、複数の生地を重ねた状態で測定した。また、肩ストラップ部12(12a、12b)とアジャスター19及びアンダーテープ部21の部材は、タテ方向10%伸長時応力のみを測定し、その部材の伸長応力とした。
【0046】
(2)着用時の揺れ値
身長160cm±8cmで、(トップバスト−アンダーバスト)によるブラジャーサイズが32C(イギリスサイズ)である3名の被験者にブラジャーを着用させ、トレッドミルで速度5.5km/hで、着地時に片足が地面から離れているように、1分間に160歩のペースで小走りと、1分間に140歩のペースでランニングさせた。小走りとランニングでは、走行の動作が異なり、小走りに比べてランニングの方が身体の動きが大きく、それにより胸の揺れも大きくなる。この際、鎖骨部及びバストトップ部に直径2.0cmの反射球を取り付けておき、反射球を2台の高速度カメラ(125コマ/秒)で20秒間撮影した。
鎖骨部の揺れは、小走り時7〜8cm、ランニング時15〜16cmとした。
着用時の胸の揺れの指標として、(バストトップの揺れ)−(鎖骨の揺れ) (cm)の20秒間での (極大値の平均)−(極小値の平均) (cm)を算出し、ヨコ(X)、タテ(Y)及び奥行き(Z)の値のうち最も大きい方向の値を着用時の揺れ(cm)とした。
3名の結果を平均して算出した。
【0047】
(3)最大着圧
(株)エイエムアイ・テクノ社製の多点接触圧計(AMI3037−10)を用いて、ブラジャー着用時に、肩ストラップ部の肩中央部、ウィング脇部、アンダーテープ脇部、カップ部上方、カップ部脇部、及びカップ部下方において、着用者とブラジャーとの間にセンサーを挿入して着圧を測定し、得られた値のうち最大値を最大着圧(Pa)とした。
【0048】
(4)快適性及び審美性
快適性
(2)の着用試験時に以下の基準で評価し、モニターの評価を平均した。
5: 圧迫感がほとんどなく非常に快適である
4: 圧迫感が小さく快適である
3: やや圧迫感があるが不快ではない
2: 圧迫感があり不快である
1: 圧迫感が強く非常に不快である
審美性
(2)の着用試験時に以下の基準で評価し、モニターの評価を平均した。
5: 着用時の胸部の外観が非常に美しい
4: 着用時の胸部の外観が美しい
3: どちらともいえない
2: 着用時の胸部の外観があまり美しくない
1: 着用時の胸部の外観が美しくない
【0049】
<実施例1>
以下の方法で、
図9に示す形状である、イギリスサイズ32Cのブラジャー(日本サイズのC70に対応)を作製した。
このブラジャーにおいて、トップバスト寸法とアンダーバスト寸法との差は、10cmであり、表カップ部11bの上辺の中点(O1)と、背面部15の上辺の中点(O3)とを結ぶ線分Lが最長になるようにブラジャーを配置したときの線分Lの長さ(
図10参照)は33.0cmであった。
【0050】
表カップ部と内カップ部の接続部は、ポリエステル素材によって形成される、織物生地で、タテヨコ平均伸長応力が16.3Nのものを用いた。
表カップ部の補強部17の伸長応力は16.7N、未補強部の伸長応力は0.17Nのものを用い、表カップ部の未補強部の伸長応力に対する補強部17の伸長応力の比(S4/S3)は98.2/1となった。なお、S4/S3は、前面部未補強部の伸長応力に対する、前記前面部補強部の伸長応力の比(S2/S1)に相当する。また、表カップ部の補強部の配置は、
図11と同じ配置とし、表カップ部上部の面積は296cm
2、補強部の面積は237cm
2となり、表カップ部の補強部は、表カップ部上部の面積の80%をしめる配置とした。
【0051】
表カップ部11bの上辺の中点(O1)と、背面部15の上辺の中点(O3)とを結ぶ線分Lが最長となるようにブラジャーを配置し、かつ該線分と同一方向の法線を有する平面Sを規定した場合に、該線分L上の該表カップ部11bの上辺の中点(O1)から該背面部15の上辺の中点(O3)に向かって9〜34%の位置(これは表カップ部内にある)及び78〜91%の位置(これは背面部及びホック部とウィング部との境界と重なる位置)に接合部が存在するように、サブウィング部14を形成した。
なお本例のブラジャーにおいては、上記平面Sに関し、表カップ部11bの上辺の中点(O1)から背面部15の上辺の中点(O3)に向かって42〜57%の位置の該平面上に、前面部11とウィング部13との境界がある。
サブウィング部14の伸長応力は0.39N、背面部15の伸長応力は0.34N、ウィング部13の伸長応力は0.17Nのものを用い、サブウィング部の伸長応力に対する、背面部の伸長応力の比(S13/S9)は、0.87/1、ウィング部13の伸長応力に対するサブウィング部14の伸長応力の比(S9/S8)は2.3/1となった。
【0052】
テーパー状の第2ストラップ部12bの伸長応力は3.2N、筒状の第1ストラップ部12aの伸長応力は0.17Nのものを用いた。第1ストラップ部12aの伸長応力に対する、第2ストラップ部12bの伸長応力の比(S11/S10)は18.8/1となった。
また
図9のような伸縮性のゴムで構成されたアジャスター19を配置し、アジャスター19の伸長応力は、4.1Nのものを使用した。第2ストラップ部12bの伸長応力に対する、アジャスター部19の伸長応力の比(S15/S11)は1.3/1となった。
【0053】
内カップ部11aの外側に設けられたカップ支持部18(
図8参照)の伸長応力は32.2N、内カップの伸長応力は5.4Nのものを用い、内カップの伸長応力に対するカップ支持部18の伸長応力の比(S7/S5)は、6.0/1となった。
作製したブラジャーを着用した時の動作時の胸の揺れの防振効果は大きく、また着圧の最大値は小さく、快適性にも優れていた。
【0054】
<実施例2>
実施例1のサブウィング部14を設けない他は実施例1と同様のブラジャーを作製し、着用テストを実施した。
【0055】
<実施例3>
実施例1の肩ストラップ部12として伸長応力が3.2Nの生地を一重で使用した他は実施例1と同様のブラジャーを作製し、着用テストを実施した。
【0056】
<実施例4>
実施例1のサブウィング部14を設けず、肩ストラップ部12として伸長応力が3.2Nの生地を一重で使用した他は実施例1と同様のブラジャーを作製し、着用テストを実施した。
【0057】
<実施例5>
実施例1の背面部の伸長応力が0.17Nの生地を使用し、ウィング部13の伸長応力は0.34Nのものを用い、肩ストラップ部12として伸長応力が3.2Nの生地を一重で使用し、ウィング部13の伸長応力に対するサブウィング部14の伸長応力の比(S9/S8)は1.14/1、サブウィング部の伸長応力に対する背面部の伸長応力の比(S13/S9)が、0.44/1となった他は実施例1と同様のブラジャーを作製し、着用テストを実施した。
【0058】
<実施例6>
実施例1のサブウィング部14の接合部が、表カップ部11bの上辺の中点(O1)と、背面部15の上辺の中点(O3)とを結ぶ線分Lが最長となるようにブラジャーを配置し、かつ該線分と同一方向の法線を有する平面Sを規定した場合に、該線分L上の該表カップ部11bの上辺の中点(O1)から背面部15の上辺の中点(O3)に向かって42〜50%の位置の該平面上にサブウィング部14と表カップ部11bの接合部を有し、60〜65%の位置の平面上に、サブウィング部14と背面部15との接合部を有し、肩ストラップ部12として伸長応力が3.2Nの生地を一重で使用した他は、実施例1と同様のブラジャーを作製し、着用テストを実施した。
【0059】
<実施例7>
実施例1のサブウィング部14を設けず、肩ストラップ部12として伸長応力が3.2Nの生地を一重で使用し、内カップ部11aの外側にカップ支持部18を設けない他は実施例1と同様のブラジャーを作製し、着用テストを実施した。
【0060】
<実施例8>
実施例1のサブウィング部14を設けず、肩ストラップ部12として伸長応力が3.2Nの生地を一重で使用し、表カップ部の補強部の面積を119cm
2として表カップ部の補強部の配置は
図12とし、表カップ部の補強部は、表カップ部上部の面積の40%をしめる配置とした他は実施例1と同様のブラジャーを作製し、着用テストを実施した。
【0061】
<実施例9>
実施例1のサブウィング部14を設けず、肩ストラップ部12として伸長応力が3.2Nの生地を一重で使用し、表カップ部の補強部の面積を88.8cm
2として表カップ部の補強部の配置は
図12と同様とし、表カップ部の補強部は、表カップ部上部の面積の30%をしめる配置とした他は実施例1と同様のブラジャーを作製し、着用テストを実施した。
【0062】
<実施例10>
実施例1のサブウィング部14を設けず、肩ストラップ部12として伸長応力が3.2Nの生地を一重で使用し、内カップ部11aの外側に設けられたカップ支持部18の伸長応力を10.7Nのものを用い、内カップの伸長応力に対するカップ支持部18の伸長応力の比(S7/S5)は、2.0/1となった他は実施例1と同様のブラジャーを作製し、着用テストを実施した。
【0063】
<実施例11>
実施例1のサブウィング部14を設けず、肩ストラップ部12として伸長応力が3.2Nの生地を一重で使用し、内カップの伸長応力は0.34Nのものを用い、内カップの伸長応力に対するカップ支持部18の伸長応力の比(S7/S5)は、94.7/1となった他は実施例1と同様のブラジャーを作製し、着用テストを実施した。
【0064】
<実施例12>
実施例1のサブウィング部14を設けず、肩ストラップ部12として伸長応力が3.2Nの生地を一重で使用し、表カップ部の補強部17の伸長応力が1.7Nのものを用い、未補強部の伸長応力に対する補強部17の伸長応力の比(S4/S3)は10/1となった他は実施例1と同様のブラジャーを作製し、着用テストを実施した。なお、S4/S3は、前面部未補強部の伸長応力に対する、前記前面部補強部の伸長応力の比(S2/S1)に相当する。
【0065】
<実施例13>
実施例1のサブウィング部14を設けず、肩ストラップ部12として伸長応力が3.2Nの生地を一重で使用し、表カップ部の補強部17の伸長応力が81.2Nのものを用い、未補強部の伸長応力に対する補強部17の伸長応力の比(S4/S3)は478/1となった他は実施例1と同様のブラジャーを作製し、着用テストを実施した。なお、S4/S3は、前面部未補強部の伸長応力に対する、前記前面部補強部の伸長応力の比(S2/S1)に相当する。
【0066】
<実施例14>
実施例1のテーパー状の第2ストラップ部12bの伸長応力が0.34Nのものを用い、第1ストラップ部12aの伸長応力に対する、第2ストラップ部12bの伸長応力の比(S11/S10)は2.0/1、第2ストラップ部12bの伸長応力に対する、アジャスター部19の伸長応力の比(S15/S11)は12.8/1となった他は実施例1と同様のブラジャーを作製し、着用テストを実施した。
【0067】
<実施例15>
実施例1のアジャスター19の伸長応力を、1.3Nのものを使用し、第2ストラップ部12bの伸長応力に対する、アジャスター部19の伸長応力の比(S15/S11)が0.4/1となった他は実施例1と同様のブラジャーを作製し、着用テストを実施した。
【0068】
<実施例16>
実施例1の表カップ部11bの伸長応力が0.17Nの生地を一様に使用し、表カップ部11bに補強部17を設けず、内カップ部11aに
図15と同様の補強部を設け、内カップ部上部の面積は316.0cm
2、補強部の面積は94.8cmとなり、内カップ部の補強部は、内カップ部上部の面積の30%をしめる配置とし、内カップ部の補強部17の伸長応力は16.7N、内カップ部の未補強部の伸長応力は5.4Nのものを用い、内カップ部の未補強部の伸長応力に対する補強部17の伸長応力の比(S6/S5)は3.1/1となり、肩ストラップ部12として伸長応力が3.2Nの生地を一重で使用した他は実施例1と同様のブラジャーを作製し、着用テストを実施した。なお、S6/S5は、前面部未補強部の伸長応力に対する、前記前面部補強部の伸長応力の比(S2/S1)に相当する。
【0069】
<実施例17>
実施例16の内カップ部の補強部17を
図16と同様の補強部とし、補強部の面積は63.2cmとなり、内カップ部の補強部は、内カップ部上部の面積の20%をしめる配置とし、内カップ部11aの外側に設けられたカップ支持部18は
図18と同様の配置とし、サブウィング部14を設けない他は実施例16と同様のブラジャーを作製し、着用テストを実施した。
【0070】
<実施例18>
実施例16の内カップ部11aの外側に設けられたカップ支持部18を設けない他は実施例16と同様のブラジャーを作製し、着用テストを実施した。
【0071】
<実施例19>
実施例18の内カップ部の補強部17の伸長応力は7.7Nのものを用い、内カップ部未補強部の伸長応力に対する補強部17の伸長応力の比(S6/S5)は1.4/1となり、サブウィング部14を設けない他は実施例18と同様のブラジャーを作製し、着用テストを実施した。
【0072】
<実施例20>
実施例19の内カップ部11aの外側にカップ支持部18を
図18と同様に配置し、カップ支持部18の伸長応力は7.7Nのものを用い、内カップの伸長応力に対するカップ支持部18の伸長応力の比(S7/S5)は、1.4/1となった他は実施例19と同様のブラジャーを作製し、着用テストを実施した。
【0073】
<実施例21>
実施例7の左右の肩ストラップ部と前面部の接続位置から、前面部と左右のウィング部との接続位置の上点とを結ぶ線分をそれぞれK、K’とし、表カップ部と内カップ部の接合部が、該線分K、K’上の該左右の肩ストラップ部と前面部の接続位置から、該前面部と左右のウィング部との接続位置の上点に向かって、60%の位置に存在し、アジャスター部19を設けない他は実施例7と同様のブラジャーを作製し、着用テストを実施した。
【0074】
<実施例22>
実施例7の補強部17が、前面部の上辺の中点(O1)と、前面部と左右のウィング部との接続位置の上点P4、P4´とを結ぶ線分をそれぞれJ、J’とし、該線分J、J’上の該前面部の上辺の中点(O1)から該前面部と左右のウィング部との接続位置の上点(P4、P4´)に向かって90〜100%の位置に存在し、補強部17の面積を18.0cm
2とし、表カップ部の補強部は、表カップ部上部の面積の6%をしめる配置とし、アジャスター部19を設けない他は実施例7と同様のブラジャーを作製し、着用テストを実施した。
【0075】
<実施例23>
実施例1の内カップ部11aに
図15と同様の補強部を設け、内カップ部上部の面積は316.0cm
2、補強部の面積は94.8cmとなり、内カップ部の補強部は、内カップ部上部の面積の30%をしめる配置とし、内カップ部の補強部17の伸長応力は16.7N、内カップ部の未補強部の伸長応力は5.4Nのものを用い、内カップ部の未補強部の伸長応力に対する補強部17の伸長応力の比(S6/S5)は3.1/1となり、肩ストラップ部12として伸長応力が3.2Nの生地を一重で使用し、内カップ部11aの外側に設けられたカップ支持部18は
図18と同様の配置とし、サブウィング部14を設けない他は実施例1と同様のブラジャーを作製し、着用テストを実施した。
【0076】
<実施例24>
実施例19の内カップ部の補強部17の伸長応力は81.2Nのものを用い、内カップ部未補強部の伸長応力は0.17Nのものを用い、内カップ部未補強部の伸長応力に対する補強部17の伸長応力の比(S6/S5)は478/1となり、アジャスター部19を設けない他は実施例19と同様のブラジャーを作製し、着用テストを実施した。なお、S6/S5は、前面部未補強部の伸長応力に対する、前記前面部補強部の伸長応力の比(S2/S1)に相当する。
【0077】
<比較例1>
実施例1の内カップ部11a、カップ支持部18、接続部16、及びサブウィング部14を取り付けず、肩ストラップ部12は、第1ストラップ部12aの内側に配されたテーパー状の第2ストラップ部12bが、辺P1〜P2において、第1ストラップ部12a及び表カップ部11bと接続されている他は、実施例1と同様のブラジャーを作製し、着用テストを実施した。
【0078】
<比較例2>
実施例1の表カップ部11bの伸長応力が0.17Nの生地を一様に使用し、表カップ部11bに補強部17を設けず、サブウィング部14も設けない他は実施例1と同様のブラジャーを作製し、着用テストを実施した。
【0079】
<比較例3>
実施例1の表カップ部11bの伸長応力が0.17Nの生地を一様に使用し、表カップ部11bに補強部17を設けず、カップ支持部18も設けない他は実施例1と同様のブラジャーを作製し、着用テストを実施した。
【0080】
<比較例4>
特許文献1に記載のブラジャーに相当するブラジャーを用い、着用テストを実施した。
以上のようにして作製した各実施例および比較例のブラジャーについて、作製条件を表1に、着用テスト評価結果を表2にまとめて示す。
なお、実施例16〜20及び24は参考例である。
【0081】
【表1】
【0082】
【表2】
【0083】
表2から明らかなように、各実施例で作製したブラジャーを着用した時の動作時の胸の揺れの防振効果は大きく、また着圧の最大値は小さく、快適性にも優れていた。乳房を覆う前面部を、内カップ部と表カップ部とし、表カップ部に所定の幅を有する補強部を設けることで、スポーツタイプのブラジャーにおいても、着用時の着圧を上げることなく、動作時の胸の揺れを軽減でき、且つ揺れ感を軽減させつつも、着用感を良好に保つことが可能となることにより快適性に優れたブラジャーを得ることができた。
【0084】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。