特許第6918169号(P6918169)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6918169
(24)【登録日】2021年7月26日
(45)【発行日】2021年8月11日
(54)【発明の名称】サービス提供体推薦システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/535 20190101AFI20210729BHJP
   G06F 16/56 20190101ALI20210729BHJP
   G06F 16/58 20190101ALI20210729BHJP
【FI】
   G06F16/535
   G06F16/56
   G06F16/58
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2020-56550(P2020-56550)
(22)【出願日】2020年3月26日
【審査請求日】2020年4月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】片山 智史
(72)【発明者】
【氏名】河村 洋佑
(72)【発明者】
【氏名】田邉 航介
(72)【発明者】
【氏名】小林 大将
【審査官】 甲斐 哲雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−188023(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2019/0205965(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00−16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービス享受者に対してサービスを提供するサービス提供体の印象画像を前記サービス享受者に提示する画像提示ユニットを備え、前記サービス享受者による前記印象画像の選択を通じて前記サービス享受者が所望する前記サービスを推薦するサービス提供体推薦システムであって、
前記サービス提供体の基本印象を表す複数の基本印象画像と、前記サービス提供体の実印象を示す複数の実印象画像とを前記印象画像として管理するとともに、前記印象画像の特徴を表す印象特徴ベクトルを付与された前記印象画像を処理済印象画像として分類し、前記印象特徴ベクトルを付与されていない前記印象画像を未処理印象画像として分類する印象画像管理ユニットと、
前記サービス享受者によって前記未処理印象画像が選択された場合、前記サービス享受者によって選択された前記処理済印象画像に基づいて生成された前記印象特徴ベクトルを当該未処理印象画像に付与する特徴ベクトル補正部と、
を備えたサービス提供体推薦システム。
【請求項2】
前記画像提示ユニットは、前記未処理印象画像が存在する場合、少なくとも1つの前記未処理印象画像を前記処理済印象画像とともに前記サービス享受者に提示する請求項1に記載のサービス提供体推薦システム。
【請求項3】
前記特徴ベクトル補正部は、1つの画像選択画面または複数の前記画像選択画面にわたって前記未処理印象画像と前記処理済印象画像とが選択された場合、当該処理済印象画像に付与されている前記印象特徴ベクトルを当該未処理印象画像に付与する請求項1または2に記載のサービス提供体推薦システム。
【請求項4】
前記特徴ベクトル補正部は、前記未処理印象画像のみの選択を通じて前記サービス提供体が決定された場合、当該サービス提供体に付与されている印象特徴ベクトルに基づく新規な前記印象特徴ベクトルを当該未処理印象画像に付与する請求項1から3のいずれか一項に記載のサービス提供体推薦システム。
【請求項5】
前記特徴ベクトル補正部は、前記処理済印象画像のみの選択を通じて前記サービス提供体が決定された場合、当該サービス提供体に付与されている印象特徴ベクトルに基づいて、当該処理済印象画像の印象特徴ベクトルを補正する請求項1から4のいずれか一項に記載のサービス提供体推薦システム。
【請求項6】
新規に登録される前記印象画像には、登録者によって類似印象画像として選択された前記処理済印象画像の前記印象特徴ベクトルに基づいて生成された前記印象特徴ベクトルが付与される請求項1から5のいずれか一項に記載のサービス提供体推薦システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サービス提供体によるサービスの享受を所望するサービス享受者のためのサービス提供体推薦システムに関する。
【背景技術】
【0002】
サービス提供体として、飲食を提供する飲食店、リラクゼーションや体操などの実践が可能なサービス提供店、楽曲や映像などのコンテンツを提供するメディアサービスサイトなどが多く存在している。サービス享受者(ユーザ)にとって最適なサービス提供体を選び出す推薦システムも提案されている。このような推薦システムでは、協調フィルタリング法、コンテンツベースフィルタリング法、キーワード検索法などが用いられている。協調フィルタリング法は、ユーザの過去の購買・視聴履歴を用いてユーザごと及びコンテンツごとの特徴ベクトルを作成し、未利用コンテンツに対する適合度を計算して、ユーザに最適なコンテンツを紹介するものであり、例えば、特許文献1に開示されている。コンテンツベースフィルタリング法は、各コンテンツに関するメタデータをコンテンツベクトルとして事前に作成し、メタデータと各ユーザの購買・視聴履歴をもとに各ユーザの嗜好をベクトル化して得られた嗜好ベクトルの類似度を計算し、類似度の高いものから推薦を行うもので、例えば、特許文献2に開示されている。キーワード検索法は、ユーザの入力した言語・単語情報をもとに、この入力情報とコンテンツに紐づいた言語情報との類似度を算出し、類似度の高いコンテンツから推薦を行うもので、書籍や映画だけでなく、旅館やホテルや飲食店の推薦などの推薦システムにも広く利用されている。
【0003】
多くの推薦システムにおいて、ユーザの嗜好やコンテンツの内容を多次元で表すために、特徴ベクトルが用いられる。例えば、特許文献3による放送システムでは、放送されたデジタルコンテンツに付加されている属性情報のベクトル(コンテンツ特徴ベクトル)と、選択情報のベクトル(ユーザ嗜好ベクトル)との内積演算が行われ、その内積演算結果に基づき、そのデジタルコンテンツを選択するか否かが判断される。さらに、特許文献4によるコンテンツ推薦システムでは、コンテンツの属性値に基づいて選出されたコンテンツの特徴ベクトルとユーザの嗜好ベクトルとの類似度を用いて選出されたコンテンツがユーザに提示される。
【0004】
既存の推薦システムでは、例えば、特許文献5に開示されているように、選択結果に応じてコンテンツ画像を画面に表示し、ユーザに順次認識させることで最終的なコンテンツに到達させるユーザインターフェースが採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4124115号公報
【特許文献2】特許第5740814号公報
【特許文献3】特開2001−160955号公報
【特許文献4】国際公開第2010/027034号
【特許文献5】特開2012−79144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ユーザのサービス提供体に対する印象を画像化した印象画像にその印象をベクトル化した印象特徴ベクトルを付与し、サービス享受者であるユーザによって選択された印象画像に基づいて、ユーザの嗜好やユーザが思い浮かべている印象に合致するサービス提供体を推薦することが可能である。このようなサービス提供体推薦システムでは、新規のサービス提供体を増やすほどユーザの選択肢が増えて、ユーザ満足度が向上する。そのためには、新規のサービス提供体に適切に辿り着くための新規の印象画像を準備する必要がある。しかしながら、新規の印象画像に印象特徴ベクトルを付与する作業が大きな負担となる。
【0007】
本発明の目的は、サービスまたはサービス提供体を特徴付ける印象画像と印象特徴ベクトルとを用いたサービス提供体推薦システムにおいて、新規に導入される印象画像に付加する印象特徴ベクトルが簡単に準備できる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によるサービス提供体推薦システムは、サービス享受者に対してサービスを提供するサービス提供体の印象画像を前記サービス享受者に提示する画像提示ユニットを備え、前記サービス享受者による前記印象画像の選択を通じて前記サービス享受者が所望する前記サービスを推薦するシステムであり、印象画像管理ユニットと特徴ベクトル補正部とを備えている。印象画像管理ユニットは、前記サービス提供体の基本印象を表す複数の基本印象画像と、前記サービス提供体の実印象を示す複数の実印象画像とを前記印象画像として管理するとともに、前記印象画像の特徴を表す印象特徴ベクトルを付与された前記印象画像を処理済印象画像として分類し、前記印象特徴ベクトルを付与されていない前記印象画像を未処理印象画像として分類する。特徴ベクトル補正部は、前記サービス提供体によって前記未処理印象画像が選択された場合、前記サービス提供体によって選択された前記処理済印象画像に基づいて生成された前記印象特徴ベクトルを当該未処理印象画像に付与する。
【0009】
なお、本願発明では、サービス提供体なる語句は、サービス享受者にサービスを提供する、人、店、スペース、場所だけを含むのではなく、サービス提供体によって提供されるサービス自体も含まれている。例えば、サービス提供体は飲食店や旅館だけでなく、この飲食店で提供される料理や旅館で割り当てられる客室などもサービス提供体に含まれる。
【0010】
この構成によれば、サービス享受者(ユーザ)が所望するサービス提供体に辿り着くための道案内となるようにサービス享受者に提示される印象画像は、印象特徴ベクトルが付与された処理済印象画像と印象特徴ベクトルが付与されていない未処理印象画像とに分類され、管理されている。印象特徴ベクトルのベクトル要素は、サービスの種類、サービスの品質、サービスの料金、サービスの実施日時、などのサービス自体の属性データ、及び、サービスを提供する店や人などの提供体であるサービス提供体の雰囲気、サービス提供体の場所、サービス提供体の規模、などのサービス提供体の属性データである。新規に登録される印象画像は、未処理印象画像である。処理済印象画像とともにサービス享受者に提示され、サービス享受者によって選択された未処理印象画像は、この推薦過程において選択された処理済印象画像と類似または一致する特徴を有するとみなされる。このことから、選択された処理済印象画像が有する印象特徴ベクトルに基づいて生成された印象特徴ベクトルを、選択された処理済印象画像に付与することは目的にかなっており、この構成は、新規の印象画像に対して、簡単に印象特徴ベクトルを付与するための解決策となる。
【0011】
上述したような方法で、新規の印象画像に印象特徴ベクトルを付与するには、新規の印象画像、つまり未処理印象画像がサービス享受者によって選択される機会を作り出すことが重要である。このことから、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記画像提示ユニットは、前記未処理印象画像が存在する場合、少なくとも1つの前記未処理印象画像を前記処理済印象画像とともに前記サービス享受者に提示するように構成されている。
【0012】
この推薦システムのおける推薦過程における画像選択画面において選択された処理済印象画像及び未処理印象画像は、所望のサービス提供体に辿り着くための道案内になったという事実から、この推薦過程において選択された未処理印象画像に、同時に選択された処理済印象画像の印象特徴ベクトルを付与してもよい。したがって、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記特徴ベクトル補正部は、1つの画像選択画面または複数の前記画像選択画面に前記未処理印象画像と前記処理済印象画像とが選択された場合、当該処理済印象画像に付与されている印象特徴ベクトルを当該未処理印象画像に付与するように構成されている。
【0013】
この推薦システムにおける推薦過程において選択された印象画像が未処理印象画像だけであった場合、選択された未処理印象画像に処理済印象画像の印象特徴ベクトルを流用することは不可能である。しかしながら、選択された未処理印象画像が所望のサービス提供体にサービス享受者を導いたという事実から、当該サービス提供体に印象特徴ベクトルが付与されている場合には、当該印象特徴ベクトルに基づいて、当該未処理印象画像の印象特徴ベクトルが生成されてもよい。このことから本発明の好適な実施形態の1つでは、前記特徴ベクトル補正部は、前記未処理印象画像のみの選択を通じて前記サービス提供体が決定された場合、当該サービス提供体に付与されている印象特徴ベクトルに基づく新規な前記印象特徴ベクトルを当該未処理印象画像に付与するように構成されている。
【0014】
この推薦システムにおける推薦過程において選択された印象画像が処理済印象画像だけであった場合、処理済印象画像の印象特徴ベクトルはそのままでよい。しかしながら、この推薦過程で最終的に導かれたサービス提供体に印象特徴ベクトルが付与されている場合には、当該印象特徴ベクトルに基づいて、選択された処理済印象画像の印象特徴ベクトルを補正することで、当該サービス提供体に対する道案内としての印象画像の精度を向上させることができる。このことから、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記特徴ベクトル補正部は、前記処理済印象画像のみの選択を通じて前記サービス提供体が決定された場合、当該サービス提供体に付与されている印象特徴ベクトルに基づいて、当該処理済印象画像の印象特徴ベクトルを補正するように構成されている。
【0015】
上述した実施形態では、未処理印象画像への印象特徴ベクトルの付与は、この推薦システムにおける推薦過程を通じて得られる情報に基づいて行われているが、推薦過程とは無関係に、未処理印象画像に印象特徴ベクトルを付与することも可能である。例えば、印象画像を新規に登録する際に、処理済印象画像を登録者に提示し、そこで新規登録される印象画像に類似する印象を有する印象画像として選択された処理済印象画像の印象特徴ベクトルに基づいて、新規登録される印象画像の印象特徴ベクトルを生成することも可能である。このことから、本発明の好適な実施形態の1つでは、新規に登録される前記印象画像には、登録者によって類似印象画像として選択された前記処理済印象画像の前記印象特徴ベクトルに基づいて生成された前記印象特徴ベクトルが付与されるように構成されている。
【0016】
本発明のその他の特徴、作用及び効果は、以下の図面を用いた本発明の説明によって明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】サービス提供体推薦システムの基本的な構成を説明する機能ブロック図である。
図2】推薦プロセスの一例を示すフローチャートである。
図3】推薦プロセスの一例を示すデータ流れ図である。
図4】推薦プロセスにおけるユーザ端末の画面図である。
図5】推薦プロセスにおけるユーザ端末の画面図である。
図6】推薦プロセスにおけるユーザ端末の画面図である。
図7】推薦プロセスにおけるユーザ端末の画面図である。
図8】推薦プロセスにおけるユーザ端末の画面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を用いて、本発明によるサービス提供体推薦システムの1つの実施形態を説明する。この実施形態では、サービス提供体は飲食店であり、サービス享受者は、飲食店を利用する一般人(以下、ユーザと称する)である。このサービス提供体推薦システムは、現時点でユーザが行ってみたい飲食店の抽象的なイメージを求める。次いで、求めた抽象的なイメージに基づいて、より具体的なユーザの嗜好を算出し、最終的に算出したユーザの嗜好に合致する具体的な飲食店を推薦する。
【0019】
図1は、サービス提供体推薦システムの構成要素を示す構成図であり、図2は、推薦プロセスの流れを示すフローチャートであり、図3は、サービス提供体推薦システムの構成要素の間で流れる主要データを示すデータ流れ図である。
【0020】
サービス提供体推薦システムは、コンピュータシステムCSに構築されている。コンピュータシステムCSは、ユーザによって操作されるユーザ端末1とインターネットなどのデータ通信網100を介してデータ交換可能である。コンピュータシステムCSは、入出力処理部10、基本事項管理部2、提供体属性情報管理部20、ユーザ特徴ベクトル管理ユニット3、印象画像管理ユニット4、画像提示ユニット5、推薦処理ユニット6、特別処理ユニット7を備えている。さらに、サービス提供体推薦システムは、このコンピュータシステムCSのデータベースユニットDUをデータ保管のために利用している。データベースユニットDUには、サービス提供体推薦システムの機能部として、データベース管理部90、店舗DB91、ユーザDB92、画像DB93、履歴DB94が構築されている。
【0021】
店舗DB91は、提供体属性情報管理部20によって管理されている、登録飲食店の名称、住所、料理種類、席数、営業時間などを格納している。ユーザDB92は、登録ユーザの名前、住所、性別、年齢などを格納している。画像DB93は、推薦プロセスにおいてユーザに提示される画像を格納している。その際、登録飲食店の店舗画像や登録飲食店が提供する料理に関する画像は、店舗DB91の登録飲食店と関係付けられている。履歴DB94は、推薦プロセスにおいて行われたユーザ端末1とコンピュータシステムCSとの間のデータ交換の内容を時系列で記録している。
【0022】
基本事項管理部2は、このシステムによる飲食店の推薦を要求するユーザの基本的なデータであるユーザ情報や推薦要求の基本的なデータである推薦要求情報などを含む基本事項を受け付け、この基本事項を管理する。ユーザ情報には、ユーザの住所、性別、年齢、趣味などが含まれる。推薦を要求する登録ユーザの場合、ユーザDB92に格納されている基本事項が利用される。新規ユーザの場合、新規登録によって得られた基本事項が利用される。つまり、基本事項管理部2は、サービスの享受を所望するユーザによって入力されたユーザの基本事項を管理する。
【0023】
ユーザの基本事項を受け付けると、画像提示ユニット5により、ユーザ端末1に複数の画像として基本印象画像が送られ、ユーザに提示される。ユーザは、好みの画像を選択し、その選択結果が、コンピュータシステムCSに送られる。さらに、ユーザによって選択された画像に基づいて、さらにユーザの具体的な好みに合うと思われる画像として実印象画像がユーザ端末1に送られ、ユーザに提示される。このように、段階的なユーザによる画像選択を通じて、最終的にユーザが推薦できる飲食店の画像(提供体画像)がユーザに提示されるので、ユーザは、イメージに合った飲食店に辿り着くことができる。
【0024】
つまり、ユーザに提示される画像には、基本印象画像と実印象画像と提供体画像(この実施形態では飲食店画像)が含まれているので、画像提示ユニット5は、基本印象画像提示部51と、実印象画像提示部52と、提供体情報提示部として機能する提供体画像提示部53とを有する。
【0025】
基本印象画像は、料理を含む飲食店の基本印象をユーザに与える画像であり、例えば、ユーザがイメージする料理に関係する画像、ユーザがイメージする飲食店に関係する画像である。例えば、基本印象画像には、料理の種類や料理の味付けがイメージできる画像が含まれており、中華料理、韓国料理、日本料理といった具体的な料理の種類を示す画像より、肉好き、野菜好き、麺好き、辛い物好きのユーザを惹きつけるような画像が適している。さらに、基本印象画像には、店の規模や店の雰囲気がイメージできる画像が含まれており、大規模、中規模、小規模といった店の規模を示すような画像、アジアン、ハワイアン、欧風、日本調といった雰囲気を示す画像が適しており、必ずしも、飲食店のそのものの画像でなくてもよい。基本印象画像は画像DB93に格納されており、基本印象画像提示部51によってユーザに提示される。
【0026】
実印象画像は、料理を含む飲食店の他の印象をユーザに与える印象画像であり、例えば、ユーザが好ましいものとして具体的に選択することができる料理を示す画像、ユーザが好ましいものとして具体的に選択することができる飲食店を示す画像である。したがって、実印象画像には、実際に提供される肉料理、海鮮料理、日本料理、フランス料理などの画像、飲食店のインテリアやテーブルや食器などの調度品の画像が含まれている。実印象画像は画像DB93に格納されており、実印象画像提示部52によってユーザに提示される。
【0027】
提供体画像は、登録飲食店の印象を示す画像であり、例えば、登録飲食店の外観や内観を示す画像、及びその飲食店を特徴付けている料理などの画像である。この提供体画像から、実際の飲食店の特定が可能なように、登録飲食店と関係付けられている。提供体画像は画像DB93に格納されており、提供体画像提示部53によってユーザに提示される。
【0028】
このサービス提供体推薦システムの構築時には、印象画像管理ユニット4によって管理されている、基本印象画像や実印象画像や提供体画像には、原則として、画像の印象や特徴を示す特徴ベクトルが付与されている。詳しくは、基本印象画像や実印象画像には印象特徴ベクトルが付与され、提供体画像には提供体特徴ベクトルが付与される。このため、印象画像管理ユニット4は、印象特徴ベクトルを管理する印象特徴ベクトル管理部41と、提供体特徴ベクトルを管理する提供体特徴ベクトル管理部42とを有する。印象特徴ベクトルは、画像毎の人による評価によって作成されるが、画像を入力して、印象特徴ベクトルを出力するように学習された機械学習モデルを利用してもよい。機械学習モデルは、印象特徴ベクトルを構成する要素の全てではなく、その一部だけを出力するものであってもよい。なお、後から追加で導入される画像には、後述する方法により、印象特徴ベクトルの後付けが可能である。
【0029】
印象特徴ベクトルを構成する要素には、ユーザの飲食店に対するイメージや嗜好を示す種々の項目(例えば、賑やかさ度、静寂度、温かさ、若者志向度、年配指向度、パーティ指向度、店の規模、など)、ユーザの料理の嗜好を示す種々の項目(例えば、中華風、フランス風、イタリアン風、肉度、魚度、野菜度、辛み度、ビーガン向け、ベジタリアン向け、など)が含まれる。
【0030】
ユーザ特徴ベクトル管理ユニット3は、推薦プロセスにおいて、ユーザによって選択された印象画像(基本印象画像や実印象画像)に付与されている印象特徴ベクトルから、実質的に同じベクトル空間における点を示すユーザ特徴ベクトルを生成する。その基本的なユーザ特徴ベクトル生成について以下に説明する。例えば、ユーザによって選択された複数の印象画像に付与されていた印象特徴ベクトルが、
X1=(x11,・・・,x1d)
X2=(x21,・・・,x2d)
・・・
Xn=(xn1,・・・,xnd)
とすれば(nは選択された画像の数)、
ユーザ特徴ベクトル:Uは
U=(xu1,・・・,xud)=G(X1,X2,・・・,Xn)
で求めることができる。
ここで、G()は、複数のユーザ特徴ベクトルに近似するベクトルを求める基本演算式である。X1、X2、・・・、Xn、Uは、d次元ベクトル空間に属する。
【0031】
ここでは、ユーザ特徴ベクトルは、ユーザによって選択された基本印象画像に付与されている印象特徴ベクトルから生成されたユーザ特徴ベクトルである初期ユーザ特徴ベクトルと、ユーザによって選択された実印象画像(選択実印象画像)に付与されている実特徴ベクトルから生成されたユーザ特徴ベクトルである実ユーザ特徴ベクトルとに区分けされている。したがって、ユーザ特徴ベクトル管理ユニット3は、初期ユーザ特徴ベクトルを生成する初期ユーザ特徴ベクトル生成部31と、実ユーザ特徴ベクトルを生成する実ユーザ特徴ベクトル生成部32とを有する。
【0032】
基本印象画像提示部51は、基本事項管理部2によって取得されたユーザの基本事項(例えば、性別、年令など)に基づいて、仮の基本ユーザ特徴ベクトルを作成する。その際、別のユーザの基本事項と一致度の高い基本事項に対応するユーザ特徴ベクトルを、このユーザの仮の基本ユーザ特徴ベクトルとして採用してもよい。この仮の基本ユーザ特徴ベクトルに基づいて、基本印象画像が画像DBから抽出され、ユーザに提示される。あるいは、基本印象画像提示部51は、仮の基本ユーザ特徴ベクトルを作成せずに、基本印象画像を任意に抽出して、ユーザに提示してもよい。基本事項に飲食店の嗜好に関するような内容があれば、基本事項から直接このユーザの基本ユーザ特徴ベクトルを作成することも可能である。いずれにせよ、初期ユーザ特徴ベクトル生成部31は、提示された基本印象画像からユーザによって選択された基本印象画像に付与されている印象特徴ベクトルから、初期ユーザ特徴ベクトルを生成する。
【0033】
つまり、初期ユーザ特徴ベクトル生成部31は、基本事項、ユーザDB92や履歴DB94から抽出されたデータ、ユーザによって選択された基本印象画像等に基づいて、ユーザの基本的な嗜好を特徴付ける初期ユーザ特徴ベクトルを生成する。実ユーザ特徴ベクトル生成部32は、初期ユーザ特徴ベクトルやユーザによって選択された実印象画像に基づいて、より具体的なユーザの嗜好を特徴付ける実ユーザ特徴ベクトルを生成する。
【0034】
この実施形態では、初期ユーザ特徴ベクトル生成部31は、複数の選択基本印象画像(ユーザによって選択された基本印象画像)に付与された複数の印象特徴ベクトルを、上述した基本演算式を変形した第1演算式によって演算することで、初期ユーザ特徴ベクトルを生成する。この第1演算式は、推薦プロセスにおける、ユーザの画像選択挙動に依存する重み係数を用いた重み演算式であり、ユーザが選択した複数の画像のうち、よりユーザが強く惹きつけられた画像の印象特徴ベクトルの影響が強い初期ユーザ特徴ベクトルを生成する。具体的には、画像選択挙動としてユーザの画像選択時間を採用し、画像選択時間が短かった画像の印象特徴ベクトルの影響が強くなるような重み係数:wが用いられる。つまり、第1演算式:G1()は、
G1 (X1,X2,・・・,Xn,w1,・・・,wn)
となる。なお、重み係数:wは、画像選択時間が最短の画像の印象特徴ベクトルに対して与えられてもよい。
【0035】
また、実ユーザ特徴ベクトル生成部32で用いられる演算式は、初期ユーザ特徴ベクトル生成部31と同じ第1演算式であってもよいし、第1演算式とは異なる第2演算式でもよい。その場合、第2演算式:G2()は、
G2 (X1,X2,・・・,Xn,w1,・・・,wn)
で、表すことができる。
【0036】
実印象画像提示部52は、初期ユーザ特徴ベクトル生成部31によって生成された初期ユーザ特徴ベクトルに、一致するかまたは類似する印象特徴ベクトルを有する実印象画像を画像DBから抽出して、ユーザに提示する。実印象画像の提示は、複数回行うことが好都合である。このため、実印象画像提示部52は、ユーザによって選択された実印象画像に付与されている印象特徴ベクトルから、実ユーザ特徴ベクトル生成部32によって生成された実ユーザ特徴ベクトルに一致するかまたは類似する印象特徴ベクトルを有する実印象画像を画像DBから抽出して、ユーザに提示する。ユーザが、実印象画像の選択を繰り返すことで、よりユーザの嗜好に合致する実ユーザ特徴ベクトルが生成されることになる。
【0037】
実印象画像の選択が終了すると、提供体画像提示部53は、その時点での実ユーザ特徴ベクトルと同一かあるいは近似する提供体特徴ベクトルを有する提供体画像をユーザに提示する。ユーザは提示された提供体画像には、サービス提供体である飲食店の属性情報(住所、営業日時、など)がリンクされているので、例えば、所望の提供体画像をクリックすることで、その属性情報が表示される。飲食店の属性情報は、店舗DB91に格納され、提供体属性情報管理部20によって抽出され、ユーザ端末1に送られる。ユーザに提示される属性情報が複数の場合、リスト表示されてもよい。
【0038】
上述した推薦プロセスを実行するコンピュータシステムCSの機能ユニットや機能部は、推薦処理ユニット6によって統括制御される。推薦処理ユニット6は、ユーザ端末1から送られてきたデータやコンピュータシステムCSの機能ユニットや機能部が生成するデータなどを、一時データ保持部60に保持しながら、推薦プロセスの進行を管理する。
【0039】
このサービス提供体推薦システムでは、ユーザ端末1に飲食店に関する印象画像が送り込まれ、ユーザ端末1の画面上に表示される印象画像に対するユーザの選択作業を複数回行うことで、ユーザ特徴ベクトルの精度が向上し、ユーザの抽象的イメージが素早く具体的に把握される。その結果、最終的にユーザは、所望の飲食店を見つけ出すことができる。このためには、多くの基本印象画像、実印象画像、提供体画像を用意することが重要であり、追加される印象画像、実印象画像、提供体画像に対する印象特徴ベクトルや提供体特徴ベクトルの付与処理が簡単であることが重要である。また、必要に応じて、これらの画像に付与されている印象特徴ベクトルや提供体特徴ベクトルを補正する補正処理も重要である。これらの処理は、特別処理ユニット7によって行われる。特別処理ユニット7は、特徴ベクトル補正部71を有する。
【0040】
印象画像管理ユニット4は、印象画像(基本印象画像、実印象画像、提供体画像)の特徴を表す印象特徴ベクトルまたは提供体特徴ベクトルを付与された印象画像を処理済印象画像として分類し、印象特徴ベクトルまたは提供体特徴ベクトルを付与されていない印象画像を未処理印象画像として分類する。特徴ベクトル補正部71は、ユーザによって未処理印象画像が選択された場合、当該未処理印象画像のための印象特徴ベクトルまたは提供体特徴ベクトルを、同一の推薦プロセスにおいて選択された処理済印象画像に基づいて生成し、当該未処理印象画像に付与する。
【0041】
未処理印象画像に付与する印象特徴ベクトルまたは提供体特徴ベクトルを生成するためには、当該未処理印象画像が処理済印象画像とともにユーザによって選択される必要がある。この選択可能性を高めるために、画像提示ユニット5は、少なくとも1つの未処理印象画像を処理済印象画像とともにユーザに提示する。
【0042】
1つの画像選択画面において、あるいは複数の画像選択画面にわたって、ユーザが未処理印象画像と処理済印象画像とを選択した場合、これらの未処理印象画像と処理済印象画像とは、このユーザにとって同じような印象を与えるもの、あるいはこのユーザの嗜好に合うものであるとみなされる。従って、特徴ベクトル補正部71による未処理印象画像のための印象特徴ベクトルまたは提供体特徴ベクトルの生成の最も簡単な方法は、未処理印象画像と処理済印象画像とがユーザに選択された場合、当該処理済印象画像に付与されている印象特徴ベクトルをそのまま当該未処理印象画像の印象特徴ベクトルまたは提供体特徴ベクトルとして、当該処理済印象画像に付与することである。
【0043】
また、最終的にユーザによって決定されたサービス提供体である飲食店が有する提供体特徴ベクトルは、ユーザをこの飲食店に導いた印象画像(選択印象画像)の印象特徴ベクトルと同じか、ほぼ同じである。このことから、未処理印象画像のみの選択を通じて飲食店が決定された場合、特徴ベクトル補正部71は、当該飲食店に付与されている提供体特徴ベクトルに基づいて生成された新規な印象特徴ベクトルをこの推薦プロセスで選択された未処理印象画像に付与することも可能である。その際、飲食店に付与されている提供体特徴ベクトルを、そのまま新規な印象特徴ベクトルとして利用してもよい。または、飲食店に付与されている提供体特徴ベクトルから何らかの変換式を用いて得られたベクトルを、選択された未処理印象画像の印象特徴ベクトルとしてもよい。
【0044】
処理済印象画像のみの選択を通じて飲食店が決定された場合、特徴ベクトル補正部71は、当該飲食店に付与されている提供体特徴ベクトルに基づいて、当該処理済印象画像の印象特徴ベクトルを補正することも可能である。その際、当該処理済印象画像の印象特徴ベクトルを当該飲食店に付与されている提供体特徴ベクトルで置き換えてもよいし、当該処理済印象画像の印象特徴ベクトルと当該飲食店に付与されている提供体特徴ベクトルの中間を示すベクトルを該処理済印象画像の印象特徴ベクトルとしてもよい。
【0045】
また、ユーザ等から登録要請された印象画像に関しては、登録者に処理済印象画像を提示し、登録者によって、登録すべき印象画像に類似する類似印象画像として選択された処理済印象画像の印象特徴ベクトルに基づいて生成された印象特徴ベクトルを、登録すべき印象画像に付与するような処理が行われてもよい。
【0046】
次に、図2のフローチャート及び図3のデータ流れ図を用いて、上述したサービス提供体推薦システムにおける推薦プロセスの一例を説明する。
【0047】
〔基本推薦条件設定処理〕#A
飲食店の探すユーザがスマートフォンなどのユーザ端末1を通じてコンピュータシステムCSにアクセスすると、コンピュータシステムCS側(以後単にシステム側と略称する)では、基本推薦条件設定処理が実行される。この基本推薦条件設定処理では、飲食店を推薦するために必要なユーザの基本的な検索条件である基本事項が設定される。まず、ユーザ端末1に、推薦開始データが送られ、図4で示されるような初期入力画面がユーザ端末1に表示される。登録ユーザであれば、ユーザID等を入力し、必要に応じて、飲食店を利用する時間帯などの基本事項を入力する。新規ユーザの場合、登録画面を通じて、ユーザの住所や性別に加えて、今回飲食店を利用する時間帯などを基本事項として入力してもよい。システム側では、ユーザの基本事項が一時データ保持部60に設定される。
【0048】
〔初期推薦処理〕#B
ユーザの住所や性別や年代などの基本事項が設定されると、基本印象画像提示部51が、基本事項に基づいて抽出された複数の基本印象画像をユーザ端末1に送る。これにより、ユーザ端末1のタッチパネルに、図5に示されたような基本印象画像選択画面が表示される。ユーザは、ユーザ端末1に表示された基本印象画像から自分の趣味・嗜好にあった画像を選択する。基本印象画像には、飲食店の雰囲気や規模を示す画像、中華風や欧風や和風などの料理を示す画像が含まれているので、システム側において、ユーザによって選択された基本印象画像から、ユーザが所望する概念的な飲食店の雰囲気や規模、料理の大まかな種類などが把握可能である。初期ユーザ特徴ベクトル生成部31は、ユーザによって選択された基本印象画像に付与されている印象特徴ベクトルから、このユーザの趣味・嗜好を大まかに特徴づける初期ユーザ特徴ベクトルを算出する。
【0049】
〔実推薦処理〕#C
初期ユーザ特徴ベクトルが算出されると、実印象画像提示部52が、初期ユーザ特徴ベクトルに一致または類似する印象特徴ベクトルを有する複数の実印象画像を抽出して、ユーザ端末1に送る。これにより、ユーザ端末1に図6(飲食店画像)や図7(料理画像)に示されたような実印象画像選択画面が表示される。なお、実印象画像選択画面には、飲食店画像と料理画像とが混在してもよいし、選択可能であってもよい。なお、ユーザは、ユーザ端末1に表示された実印象画像から自分の趣味・嗜好にあった画像を選択する。実印象画像選択画面で表示されている画像は、基本印象画像選択画面で表示された画像に比べて、よりユーザが所望する飲食店の雰囲気や規模、飲食店によって提供される料理を示しているので、ユーザによって選択された実印象画像から、システム側において、ユーザが所望する具体的な飲食店や料理の趣味・嗜好が把握可能である。実ユーザ特徴ベクトル生成部32は、ユーザによって選択された実印象画像に付与されている印象特徴ベクトルから、初期ユーザ特徴ベクトルに比較して、このユーザの趣味・嗜好をより正確に特徴づける実ユーザ特徴ベクトルを算出する。
【0050】
次に、実印象画像提示部52が、実ユーザ特徴ベクトルに一致または類似する印象特徴ベクトルを有する複数の実印象画像を抽出して、ユーザ端末1に送る。これにより、ユーザ端末1に新たな実印象画像選択画面が表示される。ユーザは、ユーザ端末1に表示された実印象画像から、さらに自分の趣味・嗜好にあった画像を選択する。ユーザによって選択された実印象画像に付与されている印象特徴ベクトルから、実ユーザ特徴ベクトル生成部32は、新たな実ユーザ特徴ベクトルを算出する。
【0051】
実ユーザ特徴ベクトルの算出、実印象画像の抽出、実印象画像選択画面の表示、実印象画像の選択を1サイクルとする画像選択プロセスが繰り返されることにより、実ユーザ特徴ベクトルの精度(具体化度)が向上する。この画像選択プロセスの終了は、画像選択プロセスが所定回数に達したときか、または、ユーザによる画像選択プロセスの終了指令が与えられるか、あるいはユーザに提示すべき実印象画像がなくなることで判定される(#D)。図3の例では、画像選択プロセスは2回であるが、それ以上でもよいし、1回だけでもよい。
【0052】
〔最終飲食店選択処理〕#E
画像選択プロセスが終了すると、提供体画像提示部53は、最終的に算出された実ユーザ特徴ベクトルに一致または類似する提供体特徴ベクトルを有する飲食店画像(提供体画像)を抽出して、ユーザ端末1に送る。これにより、ユーザ端末1に図8に示されたような提供体選択画面が表示される。ユーザは、ユーザ端末1に表示された提供体画像から最も気に入った提供体を選択する。次に、ユーザによって選択された提供体画像によって特定される飲食店の属性情報が、提供体属性情報管理部20によって抽出され、ユーザ端末1に送られ、表示される。
【0053】
〔事後処理〕#F
アクセスしてきたユーザに対する一連の推薦プロセスが終了すると、特別処理ユニット7は、事後処理として、最終的にユーザによって選択された提供体画像に付与されている印象特徴ベクトルを、今回の推薦プロセスにおける履歴情報に基づいて、補正する。この推薦プロセスにおける最終的な実ユーザ特徴ベクトルは、このユーザの趣味・嗜好を適切に表しているとみなされるので、この飲食店にリンクしている提供体画像の提供体特徴ベクトルを最終的な実ユーザ特徴ベクトルに一致または類似させることで、飲食店の特徴を表す提供体特徴ベクトルはより明確なものとなる。複数の実ユーザ特徴ベクトルを代表するような代表実ユーザ特徴ベクトルを算出し、この代表実ユーザ特徴ベクトルをこの飲食店にリンクしている提供体画像の提供体特徴ベクトルにしてもよい。
【0054】
〔別実施の形態〕
(1)上述した実施形態では、サービス提供体は飲食店であったが、これに代えて、サービス提供体として、料理教室、トレーニングジム、宿泊設備などが適用可能である。さらには、物品販売店やそこで販売される物品そのものを推薦するシステムとして構築してもよい。
【0055】
(2)上述した実施形態では、印象特徴ベクトルと提供体特徴ベクトルを、区別して取り扱ったが、提供体特徴ベクトルも印象特徴ベクトルの一種として、共通的に取り扱ってもよい。
【0056】
(3)図1のコンピュータシステムCSに構築された各機能部は、主に説明目的で区分けされているので、それらの機能部は任意に組み合わせてもよいし、さらに細かく分割させてもよい。また、コンピュータシステムCSに構築された各機能部の一部は、別なコンピュータに振り分けてもよい。特に、初期ユーザ特徴ベクトル生成部31と実ユーザ特徴ベクトル生成部32とは、ユーザ特徴ベクトル生成部として統合されてもよい。さらに、基本印象画像提示部51と実印象画像提示部52とは印象画像提示部として統合されてもよい。初期ユーザ特徴ベクトルと実ユーザ特徴ベクトル、及び基本印象画像と実印象画像とは、ユーザが抱く基本的な印象(あるいは概念的な印象)と、より絞り込まれた印象(あるいは具体的な印象)とをできるだけ区別するために用いられた用語である。
【0057】
(4)上述した実施形態では、提供体情報提示部は、サービス提供体の情報として、サービス提供体の画像及びサービス提供体の属性情報を取り扱う提供体画像提示部53として構成されていた。もちろん、提供体情報提示部は、画像を取り扱わずに、サービス提供体の属性情報だけを取り扱ってもよい。
【0058】
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、ユーザにサービス提供体を推薦するシステムに適用可能である。
【符号の説明】
【0060】
1 :ユーザ端末
2 :基本事項管理部
3 :ユーザ特徴ベクトル管理ユニット
4 :印象画像管理ユニット
5 :画像提示ユニット
6 :推薦処理ユニット
7 :特別処理ユニット
10 :入出力処理部
20 :提供体属性情報管理部
31 :初期ユーザ特徴ベクトル生成部
32 :実ユーザ特徴ベクトル生成部
41 :印象特徴ベクトル管理部
42 :提供体特徴ベクトル管理部
51 :基本印象画像提示部
52 :実印象画像提示部
53 :提供体画像提示部
60 :一時データ保持部
71 :特徴ベクトル補正部
90 :データベース管理部
100 :データ通信網
CS :コンピュータシステム
【要約】      (修正有)
【課題】サービスまたはサービス提供体を特徴付ける印象画像と印象特徴ベクトルとを用いて、新規に導入される印象画像に付加する印象特徴ベクトルが簡単に準備できるサービス提供体推薦システムを提供する。
【解決手段】サービス提供体推薦システムを構成するコンピュータシステムCSは、サービス提供体の基本印象を表す複数の基本印象画像と実印象を示す複数の実印象画像とを印象画像として管理するとともに、印象画像の特徴を表す印象特徴ベクトルを付与された印象画像を処理済印象画像として分類し、印象特徴ベクトルを付与されていない印象画像を未処理印象画像として分類する印象画像管理ユニット4と、サービス享受者によって未処理印象画像が選択された場合、サービス享受者によって選択された処理済印象画像に基づいて生成された印象特徴ベクトルを当該未処理印象画像に付与する特徴ベクトル補正部71と、を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8