特許第6918194号(P6918194)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6918194表示装置、プログラム、ガス漏洩検知システム及びガス漏洩検知方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6918194
(24)【登録日】2021年7月26日
(45)【発行日】2021年8月11日
(54)【発明の名称】表示装置、プログラム、ガス漏洩検知システム及びガス漏洩検知方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/01 20060101AFI20210729BHJP
   G01M 3/02 20060101ALI20210729BHJP
   G01M 3/38 20060101ALI20210729BHJP
【FI】
   G01N21/01 Z
   G01M3/02 M
   G01M3/38 H
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2020-209623(P2020-209623)
(22)【出願日】2020年12月17日
【審査請求日】2020年12月17日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大貫 彰彦
(72)【発明者】
【氏名】小松 泰直
(72)【発明者】
【氏名】今野 実
【審査官】 福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2016/181854(WO,A1)
【文献】 特開2020−159798(JP,A)
【文献】 特開2017−044495(JP,A)
【文献】 特開2019−049496(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2020/0363327(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0203248(US,A1)
【文献】 特開2007−232374(JP,A)
【文献】 中国実用新案第208984526(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/01
G01M 3/00〜 3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス漏洩を検知するためのレーザが照射される検知対象を撮像するカメラと、
前記カメラが撮像した撮像画像に基づき、前記検知対象へ照射されたレーザの照射位置を三次元的に特定する特定部と、
前記カメラで撮像されている検知対象と、前記特定部で特定された照射位置を示す位置情報と、を重畳して表示する表示部と、
を備え、
前記カメラで撮像されている検知対象の撮像位置及び撮像角度のいずれかが変更された場合に、前記表示部に表示されている前記位置情報の前記検知対象に対する相対的な位置が維持されるように、前記表示部が当該位置情報の表示位置を変更する
表示装置。
【請求項2】
前記カメラは、
可視領域外の波長を有する前記レーザとしての第一レーザと共に、可視領域の波長を有する第二レーザが照射される検知対象を撮像し、
前記特定部は、
前記撮像画像における前記第二レーザの照射位置に基づき、前記検知対象へ照射された前記第一レーザの照射位置を特定する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
ガス漏洩の検知結果を取得する取得部、
を備え、
前記表示部は、前記カメラで撮像されている前記検知対象と、前記位置情報と、前記照射位置ごとの検知結果を示す結果情報と、を重畳して表示する
請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
コンピュータに、
レーザが照射されるガス漏洩の検知対象を撮像するカメラの画像に基づき、前記検知対象へ照射されたレーザの照射位置を三次元的に特定し、
その特定した照射位置を示す位置情報を、前記カメラで撮像されている前記検知対象に重畳して、表示部に表示させ、
前記カメラで撮像されている検知対象の撮像位置及び撮像角度のいずれかが変更された場合に、前記表示部に表示されている前記位置情報の前記検知対象に対する相対的な位置が維持されるように、当該位置情報の表示位置を前記表示部に変更させる
処理を実行させるためのプログラム。
【請求項5】
ガス漏洩の検知対象へレーザを照射する検知装置と、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示装置と、
を備えるガス漏洩検知システム。
【請求項6】
前記検知装置は、ガス漏洩を検知し、その検知結果を前記表示装置へ送信し、
前記表示装置は、請求項3に記載の表示装置であり、前記取得部が、前記検知結果を取得する
請求項5に記載のガス漏洩検知システム。
【請求項7】
ガス漏洩の検知対象へレーザを照射する照射工程と、
ガス漏洩の検知対象を撮像する撮像工程と、
カメラが撮像した画像に基づき、検知対象へ照射されたレーザの照射位置を三次元的に特定する特定工程と、
カメラで撮像されている前記検知対象と、特定部で特定された照射位置を示す位置情報と、を重畳して表示部に表示する表示工程と、
を備え、
前記表示工程では、前記カメラで撮像されている前記検知対象の撮像位置及び撮像角度のいずれかが変更された場合に、前記表示部に表示されている前記位置情報の前記検知対象に対する相対的な位置が維持されるように、当該位置情報の表示位置を変更する
ガス漏洩検知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、プログラム、ガス漏洩検知システム及びガス漏洩検知方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、検知対象にレーザを照射して、ガスの漏洩を検知する携帯型のガス検知装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018−91757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
携帯型のガス検知装置では、例えば、使用者がガス検知装置を手で持ちながらレーザを照射し、その照射位置を目視にて確認しながら照射位置を調整し、ガスの漏洩を検知する。このような検知装置では、レーザが照射されている現状の照射位置は、確認できるものの、検知対象のどこにレーザを照射したかを示す照射履歴は残こらない。このため、検知対象における、レーザを照射した照射位置を、確認することができなかった。
【0005】
本発明は、検知対象における、レーザを照射した照射位置を確認できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様に係る表示装置は、ガス漏洩を検知するためのレーザが照射される検知対象を撮像するカメラと、前記カメラが撮像した撮像画像に基づき、前記検知対象へ照射されたレーザの照射位置を特定する特定部と、前記カメラで撮像されている検知対象と、前記特定部で特定された照射位置を示す位置情報と、を重畳して表示する表示部と、を備える。
【0007】
このように、第1態様の構成では、特定部が、カメラが撮像した撮像画像に基づき、検知対象へ照射されたレーザの照射位置を特定する。そして、表示部が、カメラで撮像されている検知対象と、特定部で特定された照射位置を示す位置情報と、を重畳して表示する。このため、使用者が、表示部を視認することで、検知対象における、レーザを照射した照射位置を確認できる。
【0008】
第2態様に係る表示装置では、前記カメラは、可視領域外の波長を有する前記レーザとしての第一レーザと共に、可視領域の波長を有する第二レーザが照射される検知対象を撮像し、前記特定部は、前記撮像画像における前記第二レーザの照射位置に基づき、前記検知対象へ照射された前記第一レーザの照射位置を特定する。
【0009】
ここで、例えば、撮像画像における第一レーザの位置に基づき、検知対象へ照射された第一レーザの照射位置を特定する構成では、第一レーザが、可視領域外の波長を有するため、可視領域外の波長に感度を有するカメラを用いる必要がある。
【0010】
これに対して、第2態様の構成では、可視領域の波長を有する第二レーザの位置に基づき、検知対象へ照射された第一レーザの照射位置を特定するので、可視領域の波長に感度を有するカメラを用いて、可視領域外の波長を有する第一レーザの照射位置を特定できる。
【0011】
第3態様に係る表示装置では、前記特定部は、前記検知対象における前記照射位置を三次元的に特定し、前記表示部は、前記カメラで撮像されている検知対象の撮像位置及び撮像角度に応じて、前記位置情報の表示位置を変更する。
【0012】
このように、第3態様の構成では、表示部が、カメラで撮像されている検知対象の撮像位置及び撮像角度に応じて、位置情報の表示位置を変更するので、検知対象の撮像位置及び撮像角度を変えても、検知対象における、レーザを照射した照射位置を確認できる。
【0013】
第4態様に係る表示装置は、ガス漏洩の検知結果を取得する取得部、を備え、前記表示部は、前記カメラで撮像されている前記検知対象と、前記位置情報と、前記照射位置ごとの検知結果を示す結果情報と、を重畳して表示する。
【0014】
このように、第4態様の構成では、表示部が、カメラで撮像されている検知対象と、特定部で特定された照射位置を示す位置情報と、照射位置ごとの検知結果を示す結果情報と、を重畳して表示する。このため、使用者が、表示部を視認することで、検知対象における、レーザを照射した照射位置に加えて、その照射位置ごとの検知結果を確認できる。
【0015】
第5態様に係るプログラムは、コンピュータに、レーザが照射されるガス漏洩の検知対象を撮像するカメラの画像に基づき、前記検知対象へ照射されたレーザの照射位置を特定し、その特定した照射位置を示す位置情報を、前記カメラで撮像されている前記検知対象に重畳して、表示部に表示させる処理を実行させるためのプログラムである。
【0016】
このように、第5態様の構成では、カメラが撮像した撮像画像に基づき、検知対象へ照射されたレーザの照射位置を特定し、カメラで撮像されている検知対象と、特定部で特定された照射位置を示す位置情報と、を重畳して、表示部に表示させる。このため、使用者が、表示部を視認することで、検知対象における、レーザを照射した照射位置を確認できる。
【0017】
第6態様に係るガス漏洩検知システムは、ガス漏洩の検知対象へレーザを照射する検知装置と、第1〜第4態様のいずれか1つに係る表示装置と、を備える。
【0018】
このように、第6態様の構成では、検知装置が、ガス漏洩の検知対象へレーザを照射する。表示装置の特定部が、カメラが撮像した撮像画像に基づき、検知対象へ照射されたレーザの照射位置を特定する。そして、表示装置の表示部が、カメラで撮像されている検知対象と、特定部で特定された照射位置を示す位置情報と、を重畳して表示する。このため、使用者が、表示部を視認することで、検知対象における、レーザを照射した照射位置を確認できる。
【0019】
第7態様に係るガス漏洩検知システムでは、前記検知装置は、ガス漏洩を検知し、その検知結果を前記表示装置へ送信し、前記表示装置は、第4態様の表示装置であり、前記取得部が、前記検知結果を取得する。
【0020】
このように、第7態様の構成では、検知装置が、ガス漏洩を検知し、その検知結果を表示装置へ送信し、表示装置の取得部が、検知結果を取得する。そして、表示装置の表示部が、カメラで撮像されている検知対象と、位置情報と、照射位置ごとの検知結果を示す結果情報と、を重畳して表示する。このため、使用者が、表示部を視認することで、検知対象における、レーザを照射した照射位置に加えて、その照射位置ごとの検知結果を確認できる。
【0021】
第8態様に係るガス漏洩検知方法は、ガス漏洩の検知対象へレーザを照射する照射工程と、ガス漏洩の検知対象を撮像する撮像工程と、カメラが撮像した画像に基づき、検知対象へ照射されたレーザの照射位置を特定する特定工程と、カメラで撮像されている前記検知対象と、特定部で特定された照射位置と、を重畳して表示部に表示する表示工程と、を備える。
【0022】
このように、第8態様の方法では、特定工程において、カメラが撮像した画像に基づき、検知対象へ照射されたレーザの照射位置を特定する。そして、表示工程において、カメラで撮像されている検知対象と、特定部で特定された照射位置と、を重畳して表示部に表示する。このため、使用者が、表示部を視認することで、検知対象における、レーザを照射した照射位置を確認できる。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、上記構成としたので、検知対象における、レーザを照射した照射位置を確認できるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】ガス漏洩検知システムの構成の一例を示す概略図である。
図2】ガス漏洩検知装置の構成の一例を示す概略図である。
図3】タブレット端末の構成の一例を示すブロック図である。
図4】タブレット端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図5】タブレット端末のディスプレイが、検知用レーザの照射位置を示す情報を表示する様子の一例を示す概略図である。
図6】タブレット端末のカメラの検知対象に対する撮像位置を、図5に示す位置から変えた場合のディスプレイの表示態様の一例を示す概略図である。
図7】タブレット端末のカメラの検知対象に対する撮像角度を、図5に示す角度から変えた場合のディスプレイの表示態様の一例を示す概略図である。
図8】表示装置の一例としてのウェアラブル端末を示す斜視図である。
図9】タブレット端末の制御ユニットによって実行される制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
(ガス漏洩検知システム100)
本実施形態に係るガス漏洩検知システム100の構成を説明する。図1は、本実施形態に係るガス漏洩検知システム100の構成を示す概略図である。なお、各図では、ガス漏洩検知システム100の構成を模式的に示しており、各構成部同士の寸法比は、実際の寸法比と異なる場合がある。
【0026】
ガス漏洩検知システム100は、ガスの漏洩を検知するシステムであり、図1に示されるように、ガス漏洩検知装置10と、タブレット端末50と、を備えている。ガス漏洩検知装置10とタブレット端末50とは、別々の装置として構成されている。
【0027】
また、ガス漏洩検知装置10及びタブレット端末50は、それぞれ、可搬性を有している。本実施形態では、例えば、ガス漏洩検知装置10及びタブレット端末50は、これらを使用する使用者によって、検知対象200が存在する場所へ持ち運ばれる。そして、使用者は、ガス漏洩検知装置10及びタブレット端末50を操作して、ガス漏洩の検知作業を実行する。使用者は、例えば、ガス漏洩を検査する検査員である。また、タブレット端末50は、表示装置の一例である。ガス漏洩検知装置10は、検知装置の一例である。
【0028】
(ガス漏洩検知装置10)
次に、本実施形態に係るガス漏洩検知装置10の構成を説明する。
【0029】
図1に示されるガス漏洩検知装置10は、検知対象200からのガスの漏洩を検知する装置である。ガス漏洩検知装置10は、所謂レーザ吸収分光法(LAS)により、ガスの漏洩の有無、及び、漏洩したガスの濃度(具体的には、後述のメタンコラム密度)を検知可能とされている。
【0030】
検知対象200は、ガスが収容されたガス収容部であり、本実施形態では、図1に示されるように、フランジ配管である。検知対象200としてのフランジ配管は、一対の管202の軸方向一端に設けられたフランジ204同士が、ボルト及びナットで構成された締結部材206によって締結されている。
【0031】
なお、「ガス収容部」としては、フランジ配管に限られず、例えば、フランジ配管以外の配管、及び、ガスが貯留されたガスタンク等であってもよく、ガスが収容された収容部であればよい。
【0032】
漏洩検知の対象となるガスとしては、メタン(具体的には、メタンを主成分とする都市ガス)が挙げられる。なお、漏洩検知の対象となるガスとしては、メタンに限られず、メタン以外炭化水素(例えば、ブタン、プロパン等)を含むものであってもよい。さらに、当該ガスとしては、前述のものに限られず、一酸化炭素、硫化水素、塩化水素、その他の気体を含むものであってもよい。
【0033】
ガス漏洩検知装置10は、具体的には、図1に示されるように、筐体12と、ディスプレイ18と、電源ボタン17と、操作ボタン19と、を備えている。また、ガス漏洩検知装置10は、図2に示されるように、レーザ照射部14と、レーザ照射部15と、レーザ受光部16と、処理部22と、通信部24と、を備えている。以下、ガス漏洩検知装置10の各部(筐体12、レーザ照射部14、レーザ照射部15、電源ボタン17、操作ボタン19、レーザ受光部16、処理部22、ディスプレイ18及び通信部24)の構成を説明する。
【0034】
(筐体12)
筐体12は、図2に示されるように、レーザ照射部14、レーザ照射部15、レーザ受光部16、処理部22及び通信部24等の構成部を収容する箱体(ケーシング)である。この筐体12は、レーザ照射部14及びレーザ照射部15からのレーザ、及びレーザ受光部16に向かう反射光を通過させる開口(図示省略)、又は、当該レーザ及び当該反射光を透過する透過部(図示省略)を有している。
【0035】
(レーザ照射部14)
図2に示されるレーザ照射部14は、ガス漏洩を検知するための検知用レーザを照射する機能を有している。具体的には、レーザ照射部14は、検知対象200へ向けて赤外線レーザ(すなわち、赤外領域の波長を有するレーザ)を照射する。さらに具体的には、レーザ照射部14は、以下のように、漏洩検知の対象であるメタンの光吸収スペクトルに応じた波長のレーザを照射する。
【0036】
ここで、メタンの光吸収スペクトルは、1μmから5μmまでの赤外領域の波長の範囲において、例えば、波長1.6(μm)付近及び波長3.3(μm)付近で吸収率が相対的に高い。そこで、レーザ照射部14は、一例として、波長1.6(μm)付近又は波長3.3(μm)付近の波長を有するレーザを照射する。
【0037】
このように、レーザ照射部14は、漏洩検知の対象であるガスの光吸収スペクトルに応じた波長の検知用レーザを照射する。したがって、メタン以外のガスを、漏洩検知の対象とする場合には、当該ガスの光吸収スペクトルにおいて、吸収率が相対的に高い波長の検知用レーザを照射するように構成される。なお、検知用レーザは、可視領域外の波長を有する第一レーザの一例である。
【0038】
(レーザ照射部15)
図2に示されるレーザ照射部15は、照射位置を確認するための確認用レーザを照射する機能を有している。具体的には、レーザ照射部15は、検知対象200へ向けて、検知用レーザの照射位置に重なる位置又は近接する位置に、可視領域の波長を有する確認用レーザを照射する。レーザ照射部15では、例えば、確認用レーザとして、635nm以上690nm以下の範囲の赤色光が用いられる。また、確認用レーザの照射形状は、例えば、点状とされている。したがって、使用者は、検知対象200に照射された確認用レーザを、検知対象200の表面において、赤い点として視認できる。
【0039】
本実施形態では、使用者は、確認用レーザが照射されている現状の照射位置を視認しながら、確認用レーザの照射位置を調整することで、検知用レーザの照射位置を調整し、ガス漏洩の検知作業を実行する。このように、ガス漏洩検知装置10では、検知用レーザが可視領域外のレーザであるため、使用者が視認可能な可視領域の確認用レーザを照射して、検知用レーザの照射位置を調整可能としている。
【0040】
なお、確認用レーザは、可視領域の波長を有する第二レーザの一例である。図1では、確認用レーザが照射されている現状の照射位置を符号L1(塗り潰した照射部分)で示し、確認用レーザが照射された照射位置を符号L2(破線が付された照射部分)で示している。
【0041】
(電源ボタン17及び操作ボタン19)
図1に示されるように、電源ボタン17及び操作ボタン19は、筐体12の外面に設けられている。電源ボタン17を操作することで、ガス漏洩検知装置10のオンオフが行われる。また、ガス漏洩検知装置10では、操作ボタン19を押した状態において、レーザ照射部14及びレーザ照射部15の各々から検知用レーザ及び確認用レーザの各々が、検知対象200へ照射される。操作ボタン19を離すと、レーザ照射部14及びレーザ照射部15の各々からの検知用レーザ及び確認用レーザの各々の照射が停止する。このように、操作ボタン19は、検知用レーザ及び確認用レーザの照射及びその停止を指示するための操作部として機能する。
【0042】
(レーザ受光部16、処理部22及びディスプレイ18)
図2に示されるレーザ受光部16は、検知対象200で反射し且つ筐体12の開口(図示省略)又は透過部(図示省略)を通じて筐体12内部に進入した反射光を受光する。
【0043】
処理部22は、ガス漏洩検知装置10のレーザ受光部16が受光した検知用レーザのレーザ強度に基づき、ガス漏洩検知装置10から検知対象200までの間のメタンの総量を算出する。具体的には、処理部22は、該レーザ強度に基づき、ガスの厚み分の距離(m)をガス濃度(ppm)に対して乗じた値「ppm・m(メタンコラム密度)」を算出する。
【0044】
なお、処理部22は、プロブラムが記録されたストレージ等で構成された記録部と、プログラムに従って動作するプロセッサと、を有する制御部(制御基板)を有して構成されている。
【0045】
ディスプレイ18は、図1に示されるように、筐体12の外面に設けられており、ガス漏洩検知装置10における検知結果を表示する機能を有している。具体的には、ディスプレイ18は、処理部22で算出されたメタンコラム密度を表示する。これにより、ガス漏洩検知装置10における検知結果が外部(具体的には、使用者)に対して提示される。すなわち、ディスプレイ18は、検知結果を外部に提示する提示部の一例として機能する。
【0046】
なお、提示部の一例としては、ガスの漏洩が有ることを検知した場合に、アラームを鳴らすことで、外部へ検知結果を提示してもよい。なお、提示部としては、ディスプレイ18の表示による提示と、アラームによる提示とを組み合わせてもよい。また、提示部は、他の提示手段により外部へ検知結果を提示してもよい。ガス漏洩検知装置10としては、ディスプレイ18等の提示部を有していない構成であってもよい。
【0047】
(通信部24)
通信部24は、タブレット端末50を含む他の機器と通信するための構成部である。本実施形態では、通信部24は、有線又は無線等の通信手段により、タブレット端末50に対して、検知データ(すなわち、処理部22で算出された検知結果)の送信を行う。
【0048】
有線の通信手段の一例としては、USB(Universal Serial Bus、ユニバーサルシリアルバス)端子により接続されたケーブルが用いられる。無線の通信手段の一例としては、Bluetooth(登録商標)又はWifi(登録商標)などの無線通信機能が用いられる。
【0049】
(タブレット端末50)
次に、本実施形態に係るタブレット端末50の構成を説明する。
【0050】
タブレット端末50は、図1に示されるように、検知対象200を撮像すると共に、撮像した検知対象200を表示する機能を有している。具体的には、タブレット端末50は、筐体51と、ディスプレイ54と、を有している。また、タブレット端末50は、図3に示されるように、カメラ52と、ライダ(LIDAR)スキャナ53と、制御ユニット60と、を有している。以下、タブレット端末50の各部(筐体51、カメラ52、ライダスキャナ53、ディスプレイ54及び制御ユニット60)の構成を説明する。
【0051】
(筐体51)
筐体51は、図3に示されるように、制御ユニット60等の構成部を収容する箱体(ケーシング)である。筐体51は、パネル状(すなわち板状)に形成されている。
【0052】
(カメラ52)
カメラ52は、筐体51の一方の面に設けられており、検知用レーザが照射される検知対象200を撮像する機能を有している。具体的には、カメラ52は、レンズ等の光学素子と、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子と、を有している。なお、各図では、カメラ52の撮像範囲を二点鎖線HAで示している。
【0053】
(ライダスキャナ53)
ライダスキャナ53は、カメラ52が配置された筐体51の一方の面に設けられている。このライダスキャナ53は、赤外線等の光線を走査しながら対象物(具体的には、検知対象200)に照射してその散乱や反射光を観測することで、対象物までの距離を測定するためのセンサである。
【0054】
(ディスプレイ54)
ディスプレイ54は、筐体51の他方の面に設けられており、使用者に対して各種情報を表示する構成部である。本実施形態では、ディスプレイ54は、図1に示されるように、少なくとも、カメラ52で撮像した画像(例えば検知対象200)、及び、ガス漏洩検知装置10における検知結果(図5など参照)を表示可能とされる。なお、ディスプレイ54は、表示部の一例である。
【0055】
(制御ユニット60)
制御ユニット60は、ディスプレイ54を含むタブレット端末50の各部を制御するユニット(すなわち制御部)である。制御ユニット60は、図3に示されるように、CPU(Central Processing Unit)61と、メモリ62と、ストレージ63と、通信インタフェース64と、を有するコンピュータで構成されている。
【0056】
通信インタフェース64は、ガス漏洩検知装置10を含む他の機器と通信するためのインタフェース(すなわち通信部)である。本実施形態では、通信インタフェース64は、有線又は無線等の通信手段により、ガス漏洩検知装置10から送信された検知データ(すなわち、処理部22で算出された検知結果)の受信を行う。
【0057】
有線の通信手段の一例としては、USB(Universal Serial Bus、ユニバーサルシリアルバス)端子により接続されたケーブルが用いられる。無線の通信手段の一例としては、Bluetooth(登録商標)又はWifi(登録商標)などの無線通信機能が用いられる。
【0058】
ストレージ63は、制御プログラム63A(図4参照)を含む各種プログラムと、各種データと、を格納する。ストレージ63は、具体的には、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)及びフラッシュメモリ等の記録装置により実現される。
【0059】
メモリ62は、CPU61が各種プログラムを実行するための作業領域であり、CPU61が処理を実行する際に一時的に各種プログラム又は各種データを記録する。CPU61は、ストレージ63から制御プログラム63Aを含む各種プログラムをメモリ62に読み出し、メモリ62を作業領域としてプログラムを実行する。
【0060】
制御ユニット60において、CPU61は制御プログラム63Aを実行することにより、各種の機能を実現する。以下、ハードウェア資源としてのCPU61とソフトウェア資源としての制御プログラム63Aの協働によって実現される機能構成について説明する。図4は、CPU61の機能構成を示すブロック図であり、主として、ディスプレイ54の制御を実現する機能構成を示すブロック図である。
【0061】
図4に示されるように、制御ユニット60において、CPU61は、制御プログラム63Aを実行することにより、特定部61A、取得部61B及び表示制御部61Cとして機能する。
【0062】
特定部61Aは、カメラ52が撮像した撮像画像に基づき、検知対象200へ照射された検知用レーザの照射位置を特定する。具体的には、特定部61Aは、撮像画像における確認用レーザの位置に基づき、検知対象200へ照射された検知用レーザの照射位置を特定する。
【0063】
本実施形態では、特定部61Aは、一例として、人工知能(AI)による機械学習(例えば、ディープラーニング)を用いた物体検知の手法を利用する。物体検知の手法では、例えば、撮像画像の中から、予め学習された確認用レーザの特徴部分(例えば、色、形状及び大きさ等)を有する部分を、確認用レーザの照射部分として抽出し、当該位置を検知用レーザの照射位置として特定する。
【0064】
さらに、本実施形態では、特定部61Aでは、ライダスキャナ53により検知対象200の各部までの距離を測定することで、検知対象200を三次元的に把握する。具体的には、特定部61Aは、例えば、ライダスキャナ53により測定結果に基づいて、検知対象200の各部の三次元座標における位置を特定することで、検知対象200を三次元的に把握する。
【0065】
そして、特定部61Aは、検知対象200における確認用レーザの照射位置を、三次元的に特定する。具体的には、特定部61Aは、例えば、検知対象200における確認用レーザの照射部位の三次元座標における位置を、確認用レーザの照射位置における三次元座標の位置として特定する。
【0066】
なお、本実施形態では、確認用レーザの照射形状は、点状とされていたが、照射位置の特定の容易化を図るために、十字形状等の特殊な形状を用いてもよい。
【0067】
取得部61Bは、通信インタフェース64が受信した検知データ(すなわちガス漏洩の検知結果)を取得する。取得された検知データは、特定部61Aが特定した照射位置と関連付けられて、ストレージ63に格納される。なお、ガス漏洩検知装置10において、検知用レーザ及び確認用レーザが検知対象200に照射されている状態において、検知データは、予め定められた間隔で、逐次にタブレット端末50に送信されて、取得部61Bにより取得される。
【0068】
表示制御部61Cは、例えば、拡張現実(AR)の手法を用いて、特定部61Aで特定された照射位置を示す位置情報を、カメラ52で撮像されている検知対象200に重畳して、ディスプレイ54に表示させる。さらに、表示制御部61Cは、例えば、拡張現実(AR)の手法を用いて、特定部61Aで特定された照射位置ごとの検知結果を示す結果情報を、カメラ52で撮像されている検知対象200に重畳して、ディスプレイ54に表示させる。すなわち、表示制御部61Cは、照射位置に関連付けられた検知結果を示す結果情報を、カメラ52で撮像されている検知対象200に重畳して、ディスプレイ54に表示させる。
【0069】
本実施形態では、ディスプレイ54は、図5に示されるように、検知対象200に付したマークMAによって、位置情報を表示する。すなわち、ディスプレイ54に表示された検知対象200において、マークMAが付された位置が、照射位置である。
【0070】
また、本実施形態では、ディスプレイ54は、検知対象200に付したマークMAの形状によって、結果情報を表示している。すなわち、検知対象200において、白い丸形状のマークMAが付された照射位置では、メタンコラム密度が0[ppm・m]であることを示し、白い四角形状のマークMAが付された照射位置では、メタンコラム密度が0[ppm・m]を超え10[ppm・m]以下の範囲であることを示す。また、検知対象200において、黒い四角形状のマークMAが付された照射位置では、メタンコラム密度が10[ppm・m]を超え100[ppm・m]以下の範囲であることを示す。また、検知対象200において、白い三角形状のマークMAが付された照射位置では、メタンコラム密度が100[ppm・m]を超え500[ppm・m]以下の範囲であることを示す。また、検知対象200において、黒い三角形状のマークMAが付された照射位置では、メタンコラム密度が500[ppm・m]を超えることを示す。なお、マークMAの形状とメタンコラム密度との対応関係を示す情報が、ディスプレイ54に表示される。
【0071】
なお、マークMAの形状によって、結果情報を表示したが、これに限られない。例えば、マークMAの色を変えることで、結果情報を表示してもよい。また、検知結果を示す数値自体を表示するようにしてもよい。また、マークMAは、結果情報を示さず、位置情報のみを表示するものとして構成してもよい。すなわち、マークMAは、形状及び色等が共通したマークを用いてもよい。また、タブレット端末50に対する指示操作により、マークMAの表示及び非表示が切り替えられる構成とされていてもよい。さらに、マークMAのうち、予め定められた条件(例えば10[ppm・m]を超えるという条件)を満たす一部のマークMAについてのみ表示することを選択可能な構成とされていてもよい。
【0072】
本実施形態では、確認用レーザの照射位置は、三次元座標における位置として特定されているため、表示制御部61Cは、検知対象200に対する撮像位置及び撮像角度に応じて、マークMAの表示位置を変更させる。例えば、図6に示されるように、検知対象200に対する撮像位置及び撮影範囲の大きさを変えた場合でも、検知対象200に対するマークMAの各々の相対的な位置は、維持される。同様に、図7に示されるように、検知対象200に対する撮像角度を変えた場合でも、検知対象200に対するマークMAの各々の相対的な位置は、維持される。
【0073】
なお、本実施形態では、表示装置の一例として、タブレット端末50を用いたが、これに限られない。表示装置の一例としては、例えば、図8に示されるように、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)方式のウェアラブルコンピュータ等のウェアラブル端末150であってもよい。また、表示装置の一例としては、例えば、スマートフォン、及びノート型パーソナルコンピュータ等の端末であってもよい。
【0074】
(ガス漏洩検知システム100を用いたガス漏洩検知方法)
次に、ガス漏洩検知システム100を用いたガス漏洩検知方法を説明する。
【0075】
ガス漏洩検知方法は、一例として、照射工程と、撮像工程と、特定工程と、表示工程と、を有している。照射工程では、ガス漏洩検知装置10のレーザ照射部14から検知用レーザを検知対象200へ照射すると共に、レーザ照射部15から確認用レーザを検知対象200へ照射する。
【0076】
次に、撮像工程では、検知用レーザと共に確認用レーザが照射された検知対象200を、タブレット端末50のカメラ52で撮像する。
【0077】
次に、特定工程では、タブレット端末50における特定部61Aが、カメラ52が撮像した撮像画像に基づき、検知対象200へ照射された検知用レーザの照射位置を特定する。具体的には、特定部61Aは、撮像画像における確認用レーザの位置に基づき、検知対象200へ照射された検知用レーザの照射位置を特定する。
【0078】
次に、表示工程では、タブレット端末50のディスプレイ54が、特定部61Aで特定された照射位置を示す位置情報を、カメラ52で撮像されている検知対象200に重畳して表示する。さらに、ディスプレイ54は、特定部61Aで特定された照射位置ごとの検知結果を示す結果情報を、カメラ52で撮像されている検知対象200に重畳して、ディスプレイ54に表示させる。
【0079】
(タブレット端末50の作用)
次に、タブレット端末50の作用の一例について説明する。図9は、制御ユニット60によって実行される制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0080】
タブレット端末50では、例えば、使用者によって、制御プログラム63Aの実行を指示されると、CPU61が、ストレージ63から制御プログラム63Aを読み出して、制御処理の実行を開始する。
【0081】
図9に示すように、CPU61は、一例として、カメラ52の撮像画像の中から、予め学習された確認用レーザの特徴部分(例えば、色、形状及び大きさ等)を有する部分が存在するか否かを判定する(ステップS102)。
【0082】
CPU61は、予め学習された確認用レーザの特徴部分を有する部分が存在する場合には(ステップS102:YES)、ステップS104へ移行し、当該部分が存在しない場合には(ステップS102:NO)、当該部分の存在が確認されるまで、ステップS102を繰り返す。
【0083】
ステップS104では、CPU61は、当該部分を、確認用レーザの照射部分として抽出し、当該位置を検知用レーザの照射位置として特定する。なお、CPU61は、検知対象200における確認用レーザの照射位置を、三次元的に特定する。具体的には、CPU61は、検知対象200における確認用レーザの照射部位の三次元座標における位置を、確認用レーザの照射位置における三次元座標の位置として特定する。
【0084】
次に、CPU61は、例えば、その特定時点の直前に取得した検知データ(検知結果)を、ステップS104にて特定した照射位置と関連付けられて、ストレージ63に格納する(ステップS106)。なお、CPU61は、その特定時点の直後、又は直近(直前及び直後を含む)に取得した検知データ(検知結果)を、照射位置と関連付けてもよい。
【0085】
次に、CPU61は、ステップS104にて特定された照射位置を示す位置情報と、その照射位置ごとの検知結果を示す結果情報を、カメラ52で撮像されている検知対象200に重畳して、ディスプレイ54に表示させる(ステップS108)。これにより、ディスプレイ54は、図5に示されるように、検知対象200に付したマークMAによって、位置情報を表示する。また、本実施形態では、ディスプレイ54は、検知対象200に付したマークMAの形状によって、結果情報を表示する。
【0086】
そして、ステップS102へ戻る。なお、図9に示す制御処理では、例えば、制御プログラム63Aの実行を停止する指示を受けると、いずれのステップを実行しているかに関わらず、本処理を終了する。
【0087】
(ガス漏洩検知システム100の作用効果)
ガス漏洩検知システム100では、前述のように、タブレット端末50における制御ユニット60の特定部61Aが、カメラ52が撮像した撮像画像に基づき、検知対象200へ照射された検知用レーザの照射位置を特定する。そして、タブレット端末50のディスプレイ54が、カメラ52で撮像されている検知対象200と、特定部61Aで特定された照射位置を示す位置情報と、を重畳して表示する。このため、使用者が、ディスプレイ54を視認することで、検知対象200における、検知用レーザを照射した照射位置を確認できる。
【0088】
また、本実施形態では、撮像画像における、可視領域の波長を有する確認用レーザの位置に基づき、検知対象200へ照射された検知用レーザの照射位置を特定する。
【0089】
ここで、例えば、撮像画像における検知用レーザの位置に基づき、検知対象200へ照射された検知用レーザの照射位置を特定する構成では、検知用レーザが、可視領域外の波長を有するため、可視領域外の波長に感度を有するカメラを用いる必要がある。
【0090】
これに対して、本実施形態では、前述のように、可視領域の波長を有する確認用レーザの位置に基づき、検知対象200へ照射された検知用レーザの照射位置を特定するので、可視領域の波長に感度を有するカメラ52を用いて、可視領域外の波長を有する検知用レーザの照射位置を特定できる。
【0091】
また、本実施形態では、タブレット端末50のディスプレイ54が、カメラ52で撮像されている検知対象200の撮像位置及び撮像角度に応じて、位置情報の表示位置を変更する。このため、検知対象200の撮像位置及び撮像角度を変えても、検知対象200における、検知用レーザを照射した照射位置を確認できる。
【0092】
また、本実施形態では、タブレット端末50のディスプレイ54が、カメラ52で撮像されている検知対象200と、特定部61Aで特定された照射位置を示す位置情報と、照射位置ごとの検知結果を示す結果情報と、を重畳して表示する。このため、使用者が、ディスプレイ54を視認することで、検知対象200における、検知用レーザを照射した照射位置に加えて、その照射位置ごとの検知結果を確認できる。
【0093】
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成してもよい。
【符号の説明】
【0094】
10 ガス漏洩検知装置(検知装置の一例)
12 筐体
14 レーザ照射部
15 レーザ照射部
16 レーザ受光部
17 電源ボタン
18 ディスプレイ
19 操作ボタン
22 処理部
24 通信部
50 タブレット端末(表示装置の一例)
51 筐体
52 カメラ
54 ディスプレイ(表示部の一例)
60 制御ユニット
61A 特定部
61B 取得部
61C 表示制御部
62 メモリ
63 ストレージ
63A 制御プログラム
64 通信インタフェース
100 ガス漏洩検知システム
150 ウェアラブル端末(表示装置の一例)
200 検知対象
202 管
204 フランジ
206 締結部材
MA マーク
【要約】
【課題】検知対象における、レーザを照射した照射位置を確認できるようにする。
【解決手段】表示装置50は、ガス漏洩を検知するためのレーザが照射される検知対象を撮像するカメラ52と、カメラ52が撮像した撮像画像に基づき、検知対象へ照射されたレーザの照射位置を特定する特定部61Aと、カメラ52で撮像されている検知対象と、特定部61Aで特定された照射位置を示す位置情報と、を重畳して表示する表示部54と、を備える。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9