(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
染料が、ローダミン染料、フルオロン染料、シアニン染料、アクリジン染料、シアニン染料、フェナントリジン染料、オキサジン染料、又はそれらのいかなる組合せから選択される、請求項5の方法。
固体フルオロポリマー粒子が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン(FEP)、ペルフルオロアルコキシエチレン(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン(ECTFE)、ペルフルオロメチルビニルエーテル(MFA)、又はそれらのいかなる組合せを含む、請求項1又は2の方法。
【発明を実施するための形態】
【0006】
好ましい形態の詳細な記述
ここで使用される時、用語「含む」、「含有する」、「包含する」、「含める」、「有する」、「持っている」、又はそれらのいかなる他のバリエーションは、包括的な包含をカバーすることが意図される。例えば、特徴のリストを含むプロセス、方法、物品、又は装置は、それらの特徴のみに必ずしも制限されるとは限らず、そのようなプロセス、方法、物品、又は装置に本来備わっているか又は明白にはリストされていない他の特徴を含むことができる。
【0007】
ここで使用される時、特に明記しない限り、「又は」とは、排他的な「又は」ではなく、包含的な「又は」のことを言う。例えば、条件A又は条件Bは、下記のいずれか1つを満たす:Aが真であり(又は存在する)、Bが偽である(又は存在しない);Aが偽であり(又は存在しない)、Bが真である(又は存在する):及びA及びBの両方が真である(又は存在する)。
【0008】
しかも、「1つ」又は「1つの」の使用は、ここに記載の要素及び構成材を記載するために、用いられる。これは、本発明の範囲の一般的な意味を与えるために、単に便宜上なされる。この記述は、1つ又は少なくとも1つを含むように読むべきであり、単数形は、別の意味であることが明らかでない限り、複数をも含む。
【0009】
ここで使用される時、用語「混合物」は、液体構成材及び固体粒子を含む、特定の粘度の流体のことを言う。液体構成材は、硬化性結合剤及び溶媒を含むことができる。
【0010】
ここで使用される時、用語「固体ポリマー粒子」は、混合物中で固体のままでいて、3次元物体の形成の間に混合物の液体構成材の中に溶解しない、ポリマー粒子のことを言う。特定の形態では、固体ポリマー粒子は、フルオロポリマーを含む。
【0011】
本開示の様々な形態が、添付の図面を参照して、例のみを手段として、ここに記載されるであろう。
【0012】
本開示は、硬化性結合剤及び分散固体ポリマー粒子を含む混合物の界面から3次元物体を形成する方法に関する。当該方法は、硬化した結合剤の少なくとも一部を、形成された物体から除去することを含むことができ、そこでは、物体の形状は、維持されることができる。
【0013】
一形態によれば、当該方法は、下記の工程を含むことができる:1)硬化性結合剤及び分散固体ポリマー粒子を含む混合物を提供すること;2)混合物の界面から3次元物体を形成すること;3)形成された3次元物体を高温で乾燥して、形成された物体中に存在する溶媒を除去すること;4)3次元物体を、結合剤の分解温度に加熱することによって、硬化した結合剤の少なくとも一部を除去すること;及び5)3次元物体を、固体ポリマー粒子の熱転移温度の近くで焼結して、焼結した3次元物体を形成すること。プロセスの簡易化したスキームが、
図1に例証される。
【0014】
一形態では、溶媒中の固体ポリマー粒子の分散物を使用することによって、及び、硬化性結合剤と一緒に分散物を混合することによって、混合物を調製することができる。一側面では、結合剤は、溶媒中で少なくとも部分的に可溶であることができる。
【0015】
3次元物体の形成は、
図2Aに例証されるように、アセンブリの中で実施されることができる。アセンブリは、コンピューター制御電磁放射線装置(11)、チャンバー(12)、及び建造装置(13)を、有することができる。電磁放射線装置(11)は、電磁放射線を混合物の一部に供給するように構成することができ、しかも、電磁放射線は、例えば紫外線(UV)又は可視光線を含む、特定の波長を有することができる。アセンブリは、例えばレーザー又は発光ダイオード(LED)などの放射線源(14)を含むことができ、それは、チャンバー(12)のボトムにある透明窓(15)上に、変動するコンピューター利用設計/コンピューター利用製造(CAD/CAM)作成した2次元画像を投影するように、構成されることができる。チャンバー(12)は、放射線硬化性材料及び固体粒子を含むことができる混合物(16)を、含むことができる。チャンバー(12)の透明窓(15)は、ガス状材料であることができる特定の阻害物質用に、半透性であることができる。そういった場合には、半透性のレイヤーは、選択的に透過性であり、その結果、それは、混合物中への阻害物質の移送を可能にするように構成されるが、透明窓(15)を通しての他の材料(例えば、水)の移送を可能にはしない場合がある。透明窓(15)は、例えば空気又は酸素などの阻害物質がチャンバー(12)の混合物(16)中に浸透するために、追加の半透性のレイヤー(示されない)を含むことができる。形成プロセスの間に、阻害物質が、透明窓(15)に浸透することによってチャンバー(12)に入ることがあり、そして、混合物(16)のボトム領域に阻害ゾーン(17)を形成することがある。阻害ゾーン(17)では、阻害物質は、電磁放射線による混合物(16)の硬化を制限するか又は妨げることができる。
【0016】
一形態によれば、キャリアプレート(18)が、チャンバー(12)の上に、位置することができる。チャンバー(12)中の混合物とキャリアプレート(18)との間の位置は、3次元物体の形成を促進するために、形成プロセスの間で、変化することができる。3次元物体の形成が開始すると、キャリアプレート(18)は、阻害ゾーン(22)の界面から事前に計算された距離まで混合物(16)の中に出現することができる。一形態によれば、事前に計算された距離は、チャンバー(12)の下にある放射線装置(11)から電磁放射線を受けると放射線硬化(液体から固体状態に変換)されることができる混合物の一部に対応し、そして、それは、「変換部分」(19)と更に呼ばれる。放射線硬化した変換部分(19)は、キャリアプレート(18)に付着することができて、そして、阻害ゾーン(22)の界面から垂直に離れることができる。付着した凝固した変換部分(19)及びキャリアプレート(18)の上向きの動きと同時に、リザーバー(20)から又は重合チャンバーの側面から混合物(16)が、解放されたスペースを満たすことができる。上向きに移動して凝固した変換部分を交換する放射線硬化混合物(16)のために必要な時間に対応する速度で、垂直方向に(すなわち、Z−方向に)上向きに連続的にキャリアプレート(18)を移動させるように、建造が設計される。
【0017】
図2Bは、一形態による部分的に形成された3次元物体の説明図を含む。部分的に形成された物体は、放射線硬化を受ける1つの変換部分(19)と、3つの凝固した一体化された変換部分(21)とを、を含む。
【0018】
3次元物体を形成した時のキャリアプレート(18)と混合物(16)との間の距離の増加は、キャリアプレート(18)か、又はチャンバー(12)か、又はお互いに関してキャリアプレート(18)とチャンバー(12)の両方か、のいずれかを移動させることに起因し得る。
【0019】
アセンブリのキャリアプレート(18)は、キャリアプレート(18)が移動する時に3次元物体の形成を促進するように連続的動きのために構成されることができる。
【0020】
阻害ゾーン(17)は、混合物のゾーンであり、それは、電磁放射線にさらされると混合物が硬化しないことがある濃度での阻害物質の存在によって、混合物の他の部分と区別されるのみである。実際の凝固及び3次元物体の形成は、阻害ゾーン(22)の界面で開始する。阻害ゾーン(22)の界面は、3次元物体の形成が開始する混合物の界面と考えることもできる。
【0021】
変換部分(19)の厚さ全体に渡って混合物の硬化を確保するために、変換部分(19)の厚さよりも透明窓(15)からZ−方向の混合物を通した、より大きな距離に達するように、硬化深度(23)が制御されることができる。一形態では、硬化深度(23)は、変換部分(19)の厚さよりも更に少なくとも25%、例えば、少なくとも30%、少なくとも35%、又は少なくとも40%に達することができる。
【0022】
一形態では、変換部分(19)の厚さは、少なくとも1μm、例えば、少なくとも3μm、少なくとも5μm、例えば、少なくとも10μm、少なくとも15μm、少なくとも20μm、少なくとも30μm、又は少なくとも50μmであることができる。他の形態では、変換部分の厚さは、700μm以下、例えば、600μm以下、500μm以下、450μm以下、又は400μm以下であることができる。変換部分の厚さは、1μm〜700μm、10μm〜650μm、50μm〜350μm、又は5μm〜50μmなどの、上記のいかなる最大値と最小値との間の値であることができる。
【0023】
3次元物体の形成は、レイヤーバイレイヤー形成プロセスと必ずしも考えられるとは限らない。その代わりに、形成プロセス(例えば、硬化)は、凝固の勾配(例えば、重合)の形態であることができる。
【0024】
本開示の意味で使用される時、3次元物体の連続的な変換と成長は、キャリアプレート(18)が、各々の工程の間でのショートストップを含む別個の工程で又は連続的なやり方で移動できることを、意味する。特定の場合には、連続的な変換と成長は、3次元物体を形成している間に維持される凝固の勾配によって、特徴付けられるであろう。凝固の勾配は、連続的な重合反応が、変換部分(19)の厚さを横切って維持され、阻害ゾーン(22)の界面に隣接して最も低い程度の凝固、及び変換部分(19)の厚さを横切って反対端での最も高い程度の凝固を持つことを、意味する。連続的な変換のプロセスによって形成された3次元物体は、それによって、非積層内部構造を持つことができ、その結果、Z軸に沿った横断面では、3次元物体のモルフォロジーの変化は、肉眼では見えない。
【0025】
キャリアプレート(18)の動きにおいてショートストップを利用するそれらの形態では、そのようなストップは、一般的に簡単であって、そして、上記の凝固の勾配を維持するのに適切である。一形態によれば、当該ストップは、少なくとも1マイクロ秒、例えば、少なくとも300マイクロ秒、少なくとも500マイクロ秒、少なくとも800マイクロ秒又は更に少なくとも1000マイクロ秒の持続時間であることができる。他の形態では、当該ストップは、1秒以下、例えば、0.5秒以下、0.3秒以下又は0.2秒以下又は更に0.1秒以下の持続時間であることができる。当該ストップは、1マイクロ秒〜1秒又は300マイクロ秒〜0.5秒又は1000マイクロ秒〜0.1秒などの、上記のいかなる最小値と最大値を含む範囲内の持続時間を有することができる、ということが理解されるであろう。
【0026】
更なる形態では、本開示の方法は、3次元物体の形成の間に、より長いストップを含むこともできる。その結果、凝固の勾配が妨害され得るのであり、変換が上記で定義されるような連続的ではなくなる。そのようなより長いストップは、開裂可能な定義された領域を有する物体を製造するために、望ましいことがある。阻害ゾーン(17)は、混合物の一部であることができ、そして、チャンバーの透明窓(15)に隣接して位置することができ、そこでは、混合物は、硬化しないか、又は、電磁放射線下で非常に制限された範囲のみ硬化する。従って、阻害ゾーン(17)は、チャンバー(12)のボトムへの放射線硬化した材料の付着がないか又はその制限を促進することができ、それは、形成が完了した後にチャンバーからの物体のより簡単な解放を促進することができる。
【0027】
透明で半透性の窓(15)を通して阻害物質がチャンバー(12)に入ると、阻害ゾーン(17)は、形成されることができ、そして、阻害物質の濃度によって、その厚さを調節できる。
【0028】
一形態では、阻害ゾーン(17)の厚さは、適用される電磁放射線の強度の変動によって、変動し得る。
【0029】
他の形態では、阻害ゾーン(17)の厚さは、阻害ゾーンを形成するためのガス状阻害物質の圧力の変動によって、変動し得る。
【0030】
一形態では、阻害ゾーンの厚さは、少なくとも0.5μm、例えば、少なくとも1.0μm、少なくとも2.0μm、又は少なくとも5μmであることができる。他の形態では、阻害ゾーンは、600μm以下、例えば、500μm以下、300μm以下、又は100μm以下であることができる。阻害ゾーンの厚さは、0.5μm〜600μm、1.0μm〜450μm、又は3μm〜200μmなどの、上記のいかなる最大値と最小値との間の値であることができるということが、理解されるであろう。
【0031】
阻害物質は、好ましくは、空気、不活性ガスと酸素の混合物、又は純酸素などの、酸素含有ガスであることができる。他の側面では、酸素が光開始剤の活性を阻害することができない時(例えば、カチオン性光開始剤が使用される時)、阻害物質は、アミン、例えば、アンモニア、エチルアミン、ジアルキルアミン及びトリアルキルアミン、二酸化炭素、又はそれらの組合せであることができる。
【0032】
一形態では、阻害物質は、純酸素であることができ、酸素は、少なくとも0.1Barrer、例えば、少なくとも1Barrer、少なくとも5Barrer、少なくとも10Barrer、又は少なくとも30Barrerの量で半透性のレイヤーに浸透することができる。
【0033】
用語「阻害ゾーン」は、混合物のその領域では何の重合反応も起こることがないということを示すようにみえるが、重合反応は、阻害ゾーン(17)中の制限された範囲でも起こることができる、と理解されるであろう。阻害ゾーン(17)は、重合の勾配としても記載されることができ、そこでは、チャンバーのボトム表面からの距離が増加すると、より大きな量の重合反応が起こり得るが、これらの重合反応は、混合物を完全には硬化しないことがあり、そして、混合物は、依然として液体段階に維持される。阻害ゾーンの界面(22)は、阻害ゾーン(17)の領域として理解してもよく、そこでは、重合反応が開始して、固体材料を形成する。変換部分(19)の厚さの変動は、キャリアプレート(18)の位置を調整することを含むことができ、その上に、3次元物体が、阻害ゾーンの界面(22)に関して付着する。
【0034】
混合物の結合剤は、放射線硬化性結合剤であることができる。物体の形成の間に、混合物は、200nm〜760nmの範囲の波長を有する電磁放射線を受けることができ、それによって、放射結合剤を硬化させる。好ましい側面では、電磁放射線の範囲は、370nm〜450nm又は380nm〜410nmであることができる。実施形態では、電磁放射線は、レーザー、発光ダイオード(led)、又は電子線放射によって、作成されることができる。
【0035】
一形態では、結合剤を硬化させるために適用される電磁放射線は、少なくとも1mJ/cm
2、例えば、少なくとも5mJ/cm
2、少なくとも10mJ/cm
2、少なくとも20mJ/cm
2、少なくとも30mJ/cm
2、少なくとも50mJ/cm
2又は少なくとも80mJ/cm
2のエネルギーを、有することができる。他の形態では、電磁放射線は、450mJ/cm
2以下、例えば、400mJ/cm
2以下、350mJ/cm
2以下、300mJ/cm
2以下、250mJ/cm
2以下、200mJ/cm
2以下、又は100mJ/cm
2以下のエネルギーを、有することができる。電磁放射線エネルギーは、1mJ/cm
2〜450mJ/cm
2、50mJ/cm
2〜300mJ/cm
2、40mJ/cm
2〜200mJ/cm
2、又は20mL/cm
2〜100mJ/cm
2などの、上記のいかなる最大値と最小値との間の値であることができる、と理解されるであろう。
【0036】
特定の形態では、本開示の方法は、少なくとも0.1mW/cm
2、例えば、少なくとも0.5mW/cm
2、少なくとも1.0mW/cm
2、又は少なくとも3.0mW/cm
2のUVパワーで、3次元物体の連続的形成の間に、変換部分(19)中の結合剤を硬化することができる。他の特定の形態では、形成の間に適用されるUVパワーは、250mW/cm
2以下、例えば、150mW/cm
2以下
、100mW/cm
2以下、50mW/cm
2以下、30mW/cm
2以下、20mW/cm
2以下、13.0mW/cm
2以下、12mW/cm
2以下、又は10mW/cm
2以下であることができる。適用されるUVパワーは、0.1mW/cm
2〜250.0mW/cm
2、1.0mW/cm
2〜100mW/cm
2又は2.0mW/cm
2〜10mW/cm
2などの、上記のいかなる最大値と最小値との間の値であることができる、と理解されるであろう。
【0037】
電磁放射線(14)は、以後は、硬化深度(23)と呼ばれる、混合物の全体に渡って特定の距離まで、混合物(16)中の結合剤を硬化することができる。硬化深度(23)は、固体ポリマー粒子のサイズ、タイプ、及び濃度、及び、粒子スラリーの屈折率によって、影響されることがある。
【0038】
本開示の方法は、高い製造速度で3次元物体を連続的に製造することができる。一側面では、3次元物体の形成は、少なくとも1mm/時間、例えば、少なくとも5mm/時間、少なくとも10mm/時間、少なくとも20mm/時間、少なくとも25mm/時間、少なくとも40mm/時間、少なくとも50mm/時間、又は少なくとも60mm/時間の速度で、完了することができる。他の側面では、形成速度は、5000mm/時間以下、例えば、3000mm/時間以下、1000mm/時間以下、500mm/時間以下、又は100mm/時間以下であることができる。形成速度は、1mm/時間〜5000mm/時間、5mm/時間〜500mm/時間、又は10mm/時間〜80mm/時間などの、上記のいかなる最大値と最小値との間の値であることができる
【0039】
固体粒子は、硬化した結合剤の分解温度よりも高い熱転移温度を有するポリマー固体粒子であることができる。これは、3次元物体の形状を維持することによって、硬化したポリマー結合剤の少なくとも部分的除去を可能にすることができ、しかも、固体ポリマー粒子は、浸透ネットワークを形成する。ここで使用されるように、固体ポリマー粒子の熱転移温度は、ポリマー粒子が溶融を開始するか又はガラス転移のような段階を受けることを開始する温度に関する。熱転移温度は、示差走査熱分析(DSC)又は示差熱分析(DTA)によって、決定することができる。
図10は、固体PTFE粒子のDSC測定の例を例証し、329℃でのPTFE粒子の融点のオンセット(すなわち、開始)を示す。更に、ここで使用されるように、結合剤の分解温度は、結合剤の総重量に基づき、結合剤の5wt%が、揮発性物質に分解して物体から除去される温度に関する。結合剤の分解温度は、
図9に例証されるように、更に例で説明されるように、例えば、熱グラフ分析(TGA)グラフから、決定することができる。
【0040】
特定の形態では、固体ポリマー粒子は、フルオロポリマーであることができる。フルオロポリマーの非限定的な例は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン(FEP)、ペルフルオロアルコキシエチレン(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリフッ化ビニリドン(PVDF)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン(ECTFE)、ペルフルオロメチルビニルエーテル(MFA)、又はそれらのいかなる組合せであることができる。特定の形態では、固体粒子の材料は、PTFEであることができる。他の特定の形態では、固体粒子の材料は、PFAであることができる。更に別の特定の形態では、固体粒子の材料は、FEPであることができる。
【0041】
本開示の固体粒子は、フルオロポリマーに限定されないことができる。他の適切な固体ポリマー粒子は、高い熱転移温度を有する熱硬化性樹脂又は熱可塑性物質、例えば、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリ(エーテルケトン−エーテルケトンケトン)(PEKEKK)、又はポリエチレンイミン(PEI)であることができる。
【0042】
実施形態では、ポリマー固体粒子は、少なくとも240℃、例えば、少なくとも250℃、少なくとも260℃、少なくとも300℃、少なくとも310℃、又は少なくとも320℃の熱転移温度を有することができる。他の形態では、固体粒子の熱転移温度は、380℃以下、例えば、360℃以下、340℃以下、又は330℃以下であることができる。固体粒子の熱転移温度は、240℃〜360℃、260℃〜340℃、又は280℃〜330℃などの、上記のいかなる最大値と最小値との間の値であることができる。
【0043】
混合物中に含有する固体粒子は、少なくとも0.06μm、例えば、少なくとも0.070μm、少なくとも0.080μm、少なくとも0.1μm、少なくとも0.150μm、少なくとも0.2μm、少なくとも0.23μm、又は少なくとも0.260μmの平均一次粒子径を有することができる。他の側面では、固体粒子は、10μm以下、例えば、8μm以下、5μm以下、又は1μm以下の平均一次粒子径を有することができる。固体粒子の平均一次径は、0.06μm〜1μm、0.07μm〜5μm、又は0.1μm〜5μmなどの、上記のいかなる最小値と最大値との間の値であることができる。ここで使用されるように、固体ポリマー粒子の平均一次粒子径は、粒子凝集体を含まずに単一の形態の平均粒子径に関する。
【0044】
特定の形態では、混合物中に分散する固体ポリマー粒子は、固体ポリマー粒子凝集体を形成することができる。一側面では、固体粒子凝集体は、50μm以下、例えば、35μm以下、20μm以下、又は15μm以下の平均粒子径を有することができる。
【0045】
更なる形態では、固体ポリマー粒子は、少なくとも1×10
5g/mol、例えば、少なくとも5×10
5g/mol、少なくとも1×10
6g/mol、少なくとも5×10
6g/mol、又は少なくとも1×10
7g/molの分子量を有することができる。他の形態では、固体ポリマー粒子の分子量は、9×10
7g/mol以下、例えば、6×10
7g/mol以下、又は3×10
7g/mol以下であることができる。固体ポリマー粒子の分子量は、1×10
5g/mol〜9×10
7g/mol、1×10
6g/mol〜6×10
7g/mol、又は1×10
7g/mol〜9×10
7g/molなどの、上記のいかなる最大値と最小値との間の値であることができる。
【0046】
別の更なる形態では、3次元物体の形成及び当該物体の焼結よりも前に混合物中の固体ポリマー粒子は、少なくとも65%、例えば、少なくとも70%、少なくとも80%、又は少なくとも90%の結晶性を有することができる。
【0047】
ここで使用されるように、固体ポリマー粒子は、混合物の調製の間に及び3次元物体の形成の間に、混合物中で固体を維持し、そして、粒子の総重量に基づき少なくとも30wt%のポリマーを、例えば、固体粒子の総重量に基づき少なくとも40wt%、少なくとも50wt%、少なくとも60wt%、少なくとも70wt%、少なくとも80wt%、少なくとも90wt%、少なくとも95wt%、又は少なくとも99wt%ポリマーを含むことができる。固体ポリマー粒子中の他の構成材は、無機化合物又は有機化合物であることができる。特定の形態では、本開示の固体ポリマー粒子は、避けられない不純物のみを含むフルオロポリマーから本質的に成ることができる。
【0048】
混合物中に含有する固体粒子の量は、浸透ネットワークが形成される範囲内、及び、作成された3次元物体が、結合剤の焼却の際に崩壊することなしで緻密化されることができる範囲内、であることができる。一形態では、固体粒子の量は、混合物の総容積に基づき、少なくとも10vol%、例えば、少なくとも15vol%、少なくとも20vol%、少なくとも25vol%、又は少なくとも30vol%であることができる。他の形態では、粒子含有量は、70vol%以下、例えば、65vol%以下、60vol%以下、55vol%以下、又は50vol%以下であることができる。固体粒子の量は、混合物の総容積に基づき、10vol%〜70vol%、15vol%〜60vol%、又は20vol%〜45vol%などの、上記のいかなる最大値と最小値との間の値であることができる、と理解されるであろう。
【0049】
特定の形態では、混合物は、固体粒子の分散物を出発物質として使用することによって、調製することができる。一側面では、分散物は、固体ポリマー粒子、溶媒、及び界面活性剤を含むことができる。固体ポリマー粒子は、分散物の溶媒中に溶解しないで固体を維持することがある。分散物の適切な溶媒は、水、エタノール、アセトン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、メチルエチルケトン、酢酸エチル、塩化メチレン、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、フッ素系溶媒、又はそれらのいかなる組合せであることができる。
【0050】
一形態では、溶媒は、固体粒子及び/又は結合剤の量を超える混合物の構成材であることができる。実施側面では、溶媒の量は、混合物の総重量に基づき、少なくとも10wt%、例えば、少なくとも15wt%、少なくとも20wt%、少なくとも25wt%、少なくとも30wt%、又は少なくとも35wt%であることができる。他の側面では、溶媒の量は、混合物の総重量に基づき、65wt%以下、例えば、60wt%以下、55wt%以下、50wt%以下、45wt%以下、又は40wt%以下であることができる。混合物中の溶媒の量は、10wt%〜65wt%、15wt%〜55wt%、又は20wt%〜50wt%などの、上記のいかなる最大値と最小値との間の値であることができる。
【0051】
特定の形態では、硬化性結合剤は、混合物中に含有する溶媒中に少なくとも部分的に可溶であることが望ましい。本開示の混合物の硬化性結合剤は、重合性モノマー及び/又は重合性オリゴマーを含むことができる。重合性モノマー及びオリゴマーの非限定的な例は:アクリレート、アクリルアミド、ウレタン、ジエン、ソルベート(sorbate)、ソルビド、カルボン酸エステル、又はそれらのいかなる組合せであることができる。特定の形態では、硬化性結合剤は、水溶性二官能性アクリルモノマーを含むことができる。他の特定の形態では、硬化性結合剤は、水溶性二官能性アクリルモノマー及び水不溶性ポリエステルアクリレートオリゴマーの組合せであることができる。アクリレート結合剤の更なる例は、1,4,−ブタンジオールジアクリレート又は1,6−ヘキサンジオールジアクリレートであることができる。
【0052】
一形態では、硬化性結合剤の量は、混合物の総重量に基づき、少なくとも1wt%、例えば、少なくとも2wt%、少なくとも3wt%、又は少なくとも5wt%であることができる。他の形態では、結合剤は、混合物の総重量に基づき、25wt%以下、例えば、20wt%以下、18wt%以下、15wt%以下、10wt%以下、又は8wt%以下の量で存在することができる。混合物中の硬化性結合剤の量は、混合物の総重量に基づき1wt%〜25wt%、5wt%〜20wt%、又は10wt%〜17wt%などの、上記のいかなる最大値と最小値との間の値であることができる。
【0053】
混合物中で固体粒子の十分な分散を保つために、1つ以上の界面活性剤を、混合物に添加することができる。もしも固体粒子の分散物が出発物質として使用されるならば、分散物中に含有する界面活性剤は、最終の混合物中での固体粒子の分散を保つのに十分であればよい。界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、又はそれらのいかなる組合せであることができる。特定の形態では、界面活性剤は、脂肪酸エステル、フルオロ界面活性剤、又はそれらの組合せであることができる。
【0054】
一形態では、混合物中に含有する界面活性剤は、混合物の総重量に基づき、少なくとも0.05wt%、例えば、少なくとも0.1wt%、少なくとも0.5wt%、少なくとも1wt%又は少なくとも2wt%の量で存在することができる。他の形態では、界面活性剤の量は、混合物の総重量に基づき、15wt%以下、例えば、10wt%以下、7wt%以下、又は5wt%以下であることができる。界面活性剤の量は、0.05wt%〜15wt%、0.5wt%〜10wt%、又は1wt%〜5wt%などの、上記のいかなる最大値と最小値との間の値であることができる。
【0055】
混合物は、光開始剤を更に含むことができる。光開始剤は、ラジカル光開始剤であることができる。特定の側面では、ラジカル光開始剤は、酸素の存在によって阻害され得るものを使用することができる。ラジカル光開始剤の非限定的な例は、ケトン又はホスフィンオキシド、例えば、IRGACURE
TM819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド)、ESSTECH TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド)又はそれらの組合せを、含むことができる。
【0056】
カチオン性光開始剤が使用される一形態では、光重合は、一般的によりゆっくりである傾向があり、そして、酸素によって阻害されることができない。この側面では、阻害物質として酸素の代わりに、ブレンステッド酸又はルイス酸、例えば、金属ハロゲン化物及びそれらの有機金属誘導体が、使用されることができて、そして、重合チャンバーのボトム窓から解放されて阻害ゾーンを形成することができる。
【0057】
本開示の他の形態によれば、混合物は、染料を更に含むことができる。染料は、過剰の放射線エネルギーを吸収することによって追加の阻害物質として機能することができて、そして、形成された3次元物体の解像度を改善することができる。一形態では、染料は、蛍光染料であることができる。蛍光染料は、ローダミン染料、フッ素染料、アクリジン染料、シアニン染料、フェナントレン染料、又はアクリジン染料の類から選択されることができる。一側面では、染料は、ローダミン、例えば、ローダミンB、ローダミン6G、ローダミン123、又はローダミン誘導体、例えば、ローダミンBイソチオシアネートであることができる。特定の側面では、染料は、ローダミンBであることができる。他の側面では、染料は、フルオロン染料、例えばフルオレセインであることができる。染料の他の適切な例は、IR−780パークロレート(1,1’,3,3,3’,3’−4,4’,5,5’−ジ−ベンゾ−2,2’−インドトリカルボシアニンパークロレート)、Crystal Violet、又はそれらの組合せであることができるが、それらに限定されない。
【0058】
形成された物体の強度及び解像度に関して染料の適合性は、大きく変化し得る。例えば、ローダミンBは、物体の強度に対する有害な影響なしで印刷された物体の解像度を改善するのに有利であることができ、その一方で、フルオレシンは、特定の条件下では形成された物体の解像度を改善することができるが、物体の所望の強度に関して不利なことがある、ということが観察された。
【0059】
染料を使用しないものと比較して、形成された物体の解像度の改善を有する3次元物体を形成するための混合物中の染料の量は、さまざまな要因、例えば、混合物中の固体ポリマー粒子の量、阻害ゾーンの厚さ、形成の間の放射線強度、形成速度、光開始剤の量、又はそれらの組合せに、依存し得る。一形態では、染料は、混合物の総重量に基づき少なくとも0.01wt%、例えば、混合物の総重量に基づき少なくとも0.025wt%、又は少なくとも0.03wt%、又は少なくとも0.05wt%、又は少なくとも0.075wt%の量で存在することができる。他の形態では、混合物中の染料の量は、1wt%以下、例えば、0.5wt%以下、又は0.2wt%以下、又は0.1wt%以下であることができる。混合物中の染料の量は、染料の総重量に基づき、0.01wt%〜1wt%、0.03wt%〜0.5wt%、又は0.05wt%〜0.1wt%などの、上記のいかなる最大値と最小値との間の値であることができる。特定の形態では、染料は、少なくとも0.01wt%〜0.2wt%以下の量のローダミンBであることができる。
【0060】
本開示の混合物は、1つ以上の添加物を更に含むことができる。添加物の非限定的な例は、可塑剤、分散剤、脱バインダー促進剤、架橋モノマー、pH調整剤、医薬有効成分、消泡剤、加工助剤、又はそれらのいかなる組合せであることができる。
【0061】
放射線硬化性材料及び固体粒子を含有する混合物の流動学的性質は、有害な変形なしで取り扱うことができて自立するのに十分な強度を有するポリマー3次元物体などを含む安定で適切に形成された3次元物体の適切な形成を促進するために、制御されることができる。しかも、キャリアを連続的にプルアップするのに要求される力及びキャリアプレートをチャンバーから引き離すのに利用される力は、混合物のレオロジーを含むがそれに限定されない様々なパラメーターに基づき、調整されることができる。
【0062】
更なる側面では、混合物は、3次元物体の形成の時間にわたって粒子が沈澱するのを妨げるために、低いせん断粘度を有することができる。更に、スラリー中に含有する固体ポリマー粒子は、電磁放射が実施される時に放射線硬化性材料の全体に渡って均一に分散されることができて、その結果、3次元物体は、焼結の間に均一に収縮することができる。固体ポリマー粒子の不均一な分布は、例えば望ましくない気孔率などを含む、望ましくないマクロ構造又はミクロ構造の特徴を形成する結果になり得る。低いせん断速度下とは、少なくとも約50cP〜約100000cP以下の対応する粘度を持つ、約5Hz以下及び少なくとも約0.1Hzの範囲と理解することができる。
【0063】
一形態では、固体粒子の凝集体の含有量が制限されるように、混合物が形成されることができる。特定の形態では、混合物は、固体ポリマー粒子の凝集体を本質的に含まないことができる。
【0064】
一側面では、混合物の降伏点は、室温で10Pa未満、例えば、8Pa未満、5Pa未満、又は3Pa未満であることができる。
【0065】
3次元物体の形成後、当該物体は、形成された物体から溶媒を除去するために、乾燥に付することができる。乾燥は、高温で及び/又は適用される真空下で、実施されることができる。一形態では、乾燥温度は、物体から除去されている溶媒の沸点の近くであることができるが、溶媒の沸点を20℃よりも高く超えるべきではない。特定の側面では、3次元物体中に含有する溶媒は、水であることができて、当該物体は、120℃以下、例えば、115℃以下、110℃以下、又は105℃以下の温度で乾燥させることができる。
【0066】
一形態では、3次元物体は、乾燥の間に収縮することがある。乾燥後の3次元物体の収縮は、乾燥前の物体のサイズに基づき、少なくとも1%、例えば、少なくとも3%、少なくとも5%、又は少なくとも7%であることができる。他の形態では、乾燥後の収縮は、乾燥前の物体の全体の大きさに基づき、30%以下、例えば、25%以下、20%以下、15%以下、又は10%以下であることができる。収縮は、1%〜30%、5%〜20%、又は10%〜15%などの、上記のいかなる最小値と最大値の間の値であることができる。ここで使用されるように、いかなる3次元(x、y、z)の収縮は、下記の式に従って計算される。
【数1】
【0067】
乾燥後、3次元物体は、揮発性物質への分解によって、硬化した結合剤を除去するために、更なる加熱に付することができる。特定の形態では、結合剤の分解温度は、少なくとも150℃、例えば、少なくとも180℃、少なくとも190℃、又は少なくとも200℃であることができる。他の形態では、結合剤を分解するための温度は、300℃以下、例えば、280℃以下、又は250℃以下であることができる。結合剤を分解するための温度は、150℃〜300℃、190℃〜270℃、又は200℃〜280℃などの、上記のいかなる最小値と最大値との間の値であることができる。
【0068】
一形態では、硬化した結合剤は、加熱処理の間に分解されることができ、その結果、物体中の結合剤の重量減少は、硬化した結合剤の総重量に基づき、少なくとも10wt%、例えば、少なくとも20wt%、少なくとも30wt%、少なくとも40wt%、少なくとも50wt%、少なくとも70wt%、少なくとも80wt%、少なくとも90wt%、少なくとも95wt%、少なくとも98wt%、少なくとも99wt%、又は少なくとも99.95wt%であることができる。
【0069】
一側面では、結合剤除去の間の温度は、物体中に含有する固体ポリマー粒子の熱転移温度よりも低いが、結合剤の分解温度よりも高く上昇させることができる。他の側面では、完全な結合剤除去は、焼結温度よりも高温で得ることができる。
【0070】
硬化した結合剤の除去又は部分的除去に続いて、3次元物体は、高温焼結に付することができる。高温焼結の間に、物体の固体ポリマー粒子は、表面エネルギーの低下によってより緻密化した物体を形成するように融合されることができる。
【0071】
一形態では、焼結温度は、固体粒子の熱転移温度よりも、60℃以上、例えば、50℃以上、30℃以上、20℃以上、15℃以上、10℃以上、又は5℃以上、低いことができる。
【0072】
他の形態では、焼結温度は、固体ポリマー粒子の分解温度よりも、5℃以上、低いことができ、例えば、固体ポリマー粒子の分解温度よりも、10℃以上、15℃以上、20℃以上、50℃以上、又は100℃以上、低いことができる。
【0073】
高温焼結後、焼結した3次元物体のかさ密度は、少なくとも0.2g/cm
3、例えば、少なくとも0.5g/cm
3、少なくとも1.0g/cm
3、少なくとも1.5g/cm
3、少なくとも1.8g/cm
3、少なくとも1.9g/cm
3、少なくとも2.0g/cm
3、少なくとも2.05g/cm
3、又は少なくとも2.1g/cm
3であることができる。更なる形態では、焼結した3次元物体は、少なくとも10%、例えば、少なくとも13%、少なくとも20%、又は少なくとも30%の結晶性を有することができる。
【0074】
本開示の形成されたフルオロポリマー物体は、所望の強度特性を有することができる。一形態では、高温焼結後の形成されたフルオロポリマー物体は、少なくとも5MPa、例えば、少なくとも10MPa、少なくとも12MPa、少なくとも14MPa、少なくとも16MPa、又は少なくとも18MPa、又は少なくとも20MPaの最大荷重での引張強度を有することができる。他の側面では、最大荷重での引張強度は、35MPa以下、例えば、30MPa以下、25MPa以下、又は22MPa以下であることができる。最大荷重での引張応力は、上記のいかなる最小値と最大値との間の値であることができる。
【0075】
本開示の方法の焼結した3次元物体は、少なくとも50%、例えば、少なくとも70%、少なくとも90%、少なくとも100%、少なくとも110%、少なくとも150%、例えば、少なくとも160%、少なくとも170%、少なくとも180%、少なくとも190%、又は少なくとも200%の、温度25℃での破断伸びを更に有することができる。他の形態では、破断伸びは、1000%以下、例えば、800%以下、600%以下、400%以下、350%以下、330%以下、又は300%以下であることができる。温度25℃での破断伸びは、上記のいかなる最小値と最大値の間の値であることができる。
【0076】
更なる形態では、焼結した3次元物体は、2.2g/cm
3の密度を有するフルオロポリマー材料に関して、少なくとも40%、例えば、少なくとも50%、少なくとも60%、又は少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%の相対密度を有することができる。
【0077】
本発明のプロセスは、高い融解温度を持ちそして未硬化の混合物中ですでに十分に重合されている固体ポリマー粒子から、焼結した3次元ポリマー物体を形成することができ、しかも、当該融解温度は、硬化した結合剤の分解温度よりも高い。特に適切なポリマー粒子は、それらの高い融解温度の理由で、フルオロポリマー粒子であることができる。
【0078】
特定の形態では、焼結した3次元物体は、PTFE粒子から本質的に成ることができる。ここで使用されるように、PTFE粒子から本質的に成ることは、焼結した物体が、焼結した物体の総重量に基づき、少なくとも90wt%のPTFE、例えば、少なくとも95wt%のPTFE、又は少なくとも99wt%のPTFEを含むことを意味するように、意図される。本開示のプロセスは、他の公知の技術によっては製造できないか又はよりかなり高い製造努力を要求する複雑な3次元PTFE物体を製造する独特の方法を可能にする。他の熱可塑性物質とは異なり、PTFEは、メルトフロー加工可能ではないことが公知であり、それは、その融点よりも高温に加熱した時に流れないことを、意味する。従って、PTFEは、射出成形することができず、それは、他のポリマーでは容易に製造できる複雑な従来の形状を、PTFEで製造するのを非常に困難にする。
【0079】
本開示の方法は、焼結後に高いサイズ解像度を有することができるフルオロポリマー粒子を含む3次元物体を形成することができる。一形態では、焼結した物体のサイズ解像度は、300ミクロン以下、例えば、280ミクロン以下、260ミクロン以下、240ミクロン以下、220ミクロン以下、以下ミクロン200、又は190ミクロン以下であることができる。ここで使用されるように、用語「サイズ解像度」は、プロセスが、1mmの高さ、及び、300ミクロン以下、例えば、280ミクロン以下、260ミクロン以下、240ミクロン以下、220ミクロン以下、200ミクロン以下、又は190ミクロン以下の厚さの分離した物体の特徴を有する3次元物体を形成することができることを、意味する。
【0080】
下記の例で更に例証されるように、本開示の方法は、連続的で高速の形成プロセスにおいて高い解像度を持つ複雑な3次元フルオロポリマー物体を製造することができる。固体ポリマー粒子は、市販の固体粒子分散物の形態で事前に選択されることができ、硬化性結合剤を含む混合物中で一体化されることができる。
【0081】
多くの異なる側面及び形態が可能である。それらの側面及び形態のいくつかは、ここに記載される。本明細書を読むと、当業者なら、それらの側面及び形態が、例証にすぎず本発明の範囲を限定しないことを、理解するであろう。形態は、下記にリストされるようないかなる1つ以上の形態に従うことができる。
【0082】
形態1.
硬化性結合剤と分散固体ポリマー粒子とを含む混合物を提供すること;及び
結合剤を硬化させて硬化した結合剤を形成することによって、混合物から3次元物体を形成すること:
を含む、3次元物体を形成する方法であって、
当該形成が、混合物の界面からの3次元物体の変換と成長を含み、そして、固体ポリマー粒子が、硬化した結合剤の分解温度よりも高い熱転移温度を有する、前記の方法。
【0083】
形態2.
硬化性結合剤と分散固体粒子とを含む混合物を提供すること、固体粒子はフルオロポリマーを含む;及び
結合剤を硬化させて硬化した結合剤を形成することによって、混合物から3次元物体を形成すること:
を含む、3次元物体を形成する方法であって、
当該形成が、混合物の界面からの3次元物体の変換と成長を含む、前記の方法。
【0084】
形態3.
混合物を調製することが、固体ポリマー粒子の分散物を硬化性結合剤と組み合わせることを含み、しかも、分散物が溶媒を含み、硬化性結合剤の少なくとも一部が溶媒中に可溶な、形態1又は2の方法。
【0085】
形態4.
溶媒が水である、形態3の方法。
【0086】
形態5.
形成された3次元物体から、化学処理又は熱処理によって、硬化した結合剤の少なくとも一部を除去すること;
その後、焼結して、焼結した3次元物体を得ること、
を更に含む、前記形態のいずれかの方法。
【0087】
形態6.
焼結が、固体粒子の熱転移温度よりも、60℃以上、例えば、50℃以上、30℃以上、20℃以上、15℃以上、10℃以上、又は5℃以上低い焼結温度で実施される、形態5の方法。
【0088】
形態7.
焼結が、固体粒子の分解温度よりも、5℃以上、例えば、10℃以上、15℃以上、又は20℃以上低い焼結温度で実施される、形態5の方法。
【0089】
形態8.
混合物が界面活性剤を更に含む、前記形態のいずれかの方法。
【0090】
形態9.
界面活性剤が、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、又はそれらのいかなる組合せを含む、形態8の方法。
【0091】
形態10.
界面活性剤が、脂肪酸エステル、フルオロ界面活性剤、又はそれらのいかなる組合せを含む、形態9の方法。
【0092】
形態11.
混合物が、染料を更に含む、前記形態のいずれかの方法。
【0093】
形態12.
染料が蛍光染料を含む、形態11の方法。
【0094】
形態13.
蛍光染料が、ローダミン染料、フルオロン染料、シアニン染料、アクリジン染料、シアニン染料、フェナントリジン染料、オキサジン染料、又はそれらのいかなる組合せから選択される、形態12の方法。
【0095】
形態14.
蛍光染料がローダミン染料を含む、形態12又は13の方法。
【0096】
形態15.
ローダミン染料がローダミンBを含む、形態13又は14の方法。
【0097】
形態16.
染料の量が、混合物の総重量に基づき、少なくとも0.01wt%、例えば、少なくとも0.025wt%、又は少なくとも0.05wt%である、形態11〜15のいずれかの方法。
【0098】
形態17.
染料の量が、混合物の総重量に基づき、1wt%以下、例えば、0.5wt%以下、0.2wt%以下、0.15wt%以下又は0.1wt%以下である、形態11〜16のいずれかの方法。
【0099】
形態18.
ローダミンBが、混合物の総重量に基づき、少なくとも0.01wt%〜0.2wt%以下の量で存在する、形態15の方法。
【0100】
形態19.
混合物が、混合物の総容積に基づき少なくとも10vol%の固体粒子、例えば、混合物の総容積に基づき少なくとも15vol%、少なくとも20vol%、少なくとも25vol%、又は少なくとも30vol%の固体粒子を含む、前記形態のいずれかの方法。
【0101】
形態20.
混合物が、混合物の総容積に基づき70vol%以下の固体粒子、例えば、混合物の総容積に基づき65vol%以下、60vol%以下、55vol%以下、又は50vol%以下の固体粒子を含む、前記形態のいずれかの方法。
【0102】
形態21.
固体粒子が、少なくとも60nm、例えば、少なくとも70nm、少なくとも80nm、少なくとも100nm、少なくとも150nm、少なくとも200nm、少なくとも230nm、又は少なくとも260nmの平均一次粒子径を有する、前記形態のいずれかの方法。
【0103】
形態22.
固体粒子が、10ミクロン以下、例えば、8ミクロン以下、5ミクロン以下、又は1ミクロン以下の平均一次粒子径を有する、前記形態のいずれかの方法。
【0104】
形態23.
混合物が、固体ポリマー粒子から形成された固体ポリマー粒子凝集体を含み、しかも、固体ポリマー粒子凝集体の平均粒子径が、50ミクロン以下、例えば、35ミクロン以下、20ミクロン以下、又は15ミクロン以下である、前記形態のいずれかの方法。
【0105】
形態24.
固体粒子が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン(FEP)、ペルフルオロアルコキシエチレン(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリフッ化ビニリドン(PVDF)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン(ECTFE)、ペルフルオロメチルビニルエーテル(MFA)、又はそれらのいかなる組合せを含む、前記形態のいずれかの方法。
【0106】
形態25.
固体粒子がPTFEから本質的に成る、形態24の方法。
【0107】
形態26.
固体ポリマー粒子の熱転移温度が、少なくとも300℃、例えば、少なくとも310℃、又は少なくとも320℃である、前記形態のいずれかの方法。
【0108】
形態27.
固体ポリマー粒子の熱転移温度が、360℃以下、例えば、340℃以下、又は330℃以下である、前記形態のいずれかの方法。
【0109】
形態28.
固体粒子が、少なくとも1×10
5g/mol、例えば、少なくとも5×10
5g/mol、少なくとも1×10
6g/mol、少なくとも5×10
6g/mol、又は少なくとも1×10
7g/molの分子量を有する、前記形態のいずれかの方法。
【0110】
形態29.
固体粒子が、9×10
7g/mol以下、例えば、6×10
7g/mol以下、又は3×10
7g/mol以下の分子量を有する、前記形態のいずれかの方法。
【0111】
形態30.
固体粒子が、少なくとも65%、例えば、少なくとも70%、少なくとも80%、又は少なくとも90%の結晶性を有する、前記形態のいずれかの方法。
【0112】
形態31.
混合物中の溶媒の量が、混合物の総重量に基づき、少なくとも10wt%、例えば、少なくとも15wt%、少なくとも20wt%、少なくとも25wt%、少なくとも30wt%、又は少なくとも35wt%である、形態3〜30のいずれかの方法。
【0113】
形態32.
混合物中の溶媒の量が、混合物の総重量に基づき、65wt%以下、例えば、60wt%以下、55wt%以下、50wt%以下、45wt%以下、又は40wt%以下である、形態3〜31のいずれかの方法。
【0114】
形態33.
硬化性結合剤が、重合性モノマー又は重合性オリゴマーを含み、重合性モノマー又は重合性オリゴマーが、アクリレート、アクリルアミド、ウレタン、ジエン、ソルベート、ソルビド、カルボン酸エステル、又はそれらのいかなる組合せを含む、前記形態のいずれかの方法。
【0115】
形態34.
硬化性結合剤が、二官能性アクリルモノマー及びポリエステルアクリレートオリゴマーを含む、形態33の方法。
【0116】
形態35.
混合物中の硬化性結合剤の量が、混合物の総重量に基づき、少なくとも1wt%、例えば、少なくとも2wt%、少なくとも3wt%、又は少なくとも5wt%である、前記形態のいずれかの方法。
【0117】
形態36.
混合物中の硬化性結合剤の量が、混合物の総重量に基づき、20wt%以下、例えば、15wt%以下、10wt%以下、又は8wt%以下である、前記形態のいずれかの方法。
【0118】
形態37.
混合物が光開始剤を更に含む、前記形態のいずれかの方法。
【0119】
形態38.
光開始剤がラジカル光開始剤である、形態37の方法。
【0120】
形態39.
光開始剤が、過酸化物、ケトン、ホスフィンオキシド、又はそれらのいかなる組合せを含む、形態38の方法。
【0121】
形態40.
形成が、少なくとも1mm/時間、例えば、少なくとも5mm/時間、少なくとも10mm/時間、少なくとも20mm/時間、少なくとも25mm/時間、少なくとも40mm/時間、少なくとも50mm/時間、又は少なくとも60mm/時間の形成速度で実施される、前記形態のいずれかの方法。
【0122】
形態41.
形成が、5000mm/時間以下、例えば、3000mm/時間以下、1000mm/時間以下、500mm/時間以下、又は100mm/時間以下の形成速度で実施される、前記形態のいずれかの方法。
【0123】
形態42.
硬化が、少なくとも370nm〜450nm以下の波長範囲内の電磁放射線を使用する放射を含む、前記形態のいずれかの方法。
【0124】
形態43.
電磁放射線が、少なくとも5mJ/cm
2〜450mJ/cm
2以下の範囲内のエネルギーを有する、形態42の方法。
【0125】
形態44.
硬化が、少なくとも1mJ/cm
2、例えば、少なくとも10mJ/cm
2、少なくとも20mJ/cm
2、少なくとも30mJ/cm
2、少なくとも50mJ/cm
2又は少なくとも80mJ/cm
2のエネルギーを有する電磁放射線を混合物に適用することを含む、前記形態のいずれかの方法。
【0126】
形態45.
硬化が、450mJ/cm
2以下、例えば、400mJ/cm
2以下、350mJ/cm
2以下、300mJ/cm
2以下、250mJ/cm
2以下、200mJ/cm
2以下、又は100mJ/cm
2以下のエネルギーを有する電磁放射線を混合物に適用することを含む、前記形態のいずれかの方法。
【0127】
形態46.
硬化が、少なくとも0.1mW/cm
2、例えば、少なくとも0.5mW/cm
2、少なくとも1.0mW/cm
2、少なくとも2mW/cm
2、又は少なくとも3mW/cm
2のパワーを有する電磁放射線を混合物に適用することを含む、前記形態のいずれかの方法。
【0128】
形態47.
硬化が、250mW/cm
2以下、例えば、100mW/cm
2以下、50mW/cm
2以下、又は10mW/cm
2以下のパワーを有する電磁放射線を混合物に適用することを含む、前記形態のいずれかの方法。
【0129】
形態48.
混合物が、約5Hz未満のせん断速度で少なくとも10000cPの25℃での粘度、及び、約25Hzよりも大きいせん断速度で50cP未満の粘度を有する、前記形態のいずれかの方法。
【0130】
形態49.
焼結した3次元物体が、少なくとも10%、例えば、少なくとも13%、少なくとも20%、又は少なくとも30%の結晶性を有する、形態5〜48のいずれかの方法。
【0131】
形態50.
焼結した3次元物体が、少なくとも0.2g/cm
3、例えば、少なくとも0.5g/cm
3、少なくとも1.0g.cm
3、少なくとも1.5g/cm
3、少なくとも1.8g/cm
3、少なくとも1.9g/cm
3、少なくとも2.0g/cm
3、少なくとも2.05g/cm
3、又は少なくとも2.1g/cm
3のかさ密度を有する、形態5〜48のいずれかの方法。
【0132】
形態51.
焼結した3次元物体が、少なくとも5MPa、例えば、少なくとも10MPa、少なくとも12MPa、少なくとも14MPa、少なくとも16MPa、又は少なくとも18MPaの最大荷重での引張強度を有する、形態5〜50のいずれかの方法。
【0133】
形態52.
焼結した3次元物体が、35MPa以下、例えば、30MPa以下、25MPa以下、又は22MPa以下の最大荷重での引張強度を有する、形態5〜51のいずれかの方法。
【0134】
形態53.
焼結した3次元物体が、少なくとも50%、例えば、少なくとも70%、少なくとも90%、少なくとも100%、少なくとも110%、少なくとも150%、などの少なくとも160%、少なくとも170%、少なくとも180%、少なくとも190%、又は少なくとも200%の、25℃の温度での破断伸びを有する、形態5〜52のいずれかの方法。
【0135】
形態54.
焼結した3次元物体が、1000%以下、例えば、800%以下、600%以下、400%以下、350%以下、330%以下、又は300%以下の、25℃の温度での破断伸びを有する、形態5〜53のいずれかの方法。
【0136】
形態55.
焼結した3次元物体が、2.2g/cm
3の密度を有するフルオロポリマー材料に関して、少なくとも40%、例えば、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%の相対密度を有する、形態5〜54のいずれかの方法。
【0137】
形態56.
当該物体の形成が、連続的に実施される、前記形態のいずれかの方法。
【0138】
形態57.
形成された3次元物体が、300ミクロン以下、例えば、280ミクロン以下、260ミクロン以下、240ミクロン以下、220ミクロン以下、200ミクロン以下、又は190ミクロン以下のサイズ解像度を有する、前記形態のいずれかの方法。
【0139】
形態58.
サイズ解像度が220ミクロン以下である、形態57の方法。
【0140】
例
下記の非限定的な例は、本発明を例証する。
【0141】
例1
PTFE粒子を含む硬化性混合物の調製
76.6vol%の水性PTFE分散物(DAIKIN D-610C from Daikin)を、2つの水溶性結合剤:1)18.4vol%のアクリル二官能性ポリエチレングリコール(SR344 from Sartomer, Arkema)及び2)4.6vol%のポリエステルアクリレートオリゴマー(CN2302 from Sartomer, Arkema)及び0.4vol%の光開始剤IRGACURE 819 from BASFと、組み合わせることによって、混合物が調製された。DAIKIN D610C PTFE分散物は、界面活性剤及び水を含む70vol%の液体と、平均粒子径200nmを有する30vol%のPTFE粒子とを、含有した。DAIKIN分散物中の界面活性剤の量は、固体PTFE粒子の量に基づき、6wt%であった。混合物の総重量及び容積に基づく混合物の構成材の概要は、表1にも示される。混合物は、25℃の温度で及び0.1s
−1〜100s
−1の範囲内のせん断速度で、約50000〜100cPの間の粘度を有した(
図3を参照)。
【0142】
例2
PTFE粒子を含む3次元物体の連続的形成
例1で調製された混合物が、
図2A及び
図2Bで示されるように、同様の設計を有するアセンブリのチャンバーの中に、置かれた。電磁放射線装置は、405nmで最大のUV波長を有するLEDsのアレイであった。
【0143】
一連の花芽形状の物体が、5mW/cm
2の放射線強度及び形成速度(1mm/分〜15mm/分の間)を実験ごとに変動させることによって。形成された。最良の結果は、5mW/cm
2の放射線強度及び10mm/分の形成速度で、得ることができた。
【0144】
形成された花芽物体は、室温でオープンラボ環境中で約12時間、安定な重量に、乾燥させた(水分の除去)。当該物体は、水分の蒸発に対応して28wt%の重量減少を有した。乾燥の間に、花芽物体は、約15%収縮した。
【0145】
乾燥後、当該物体は、加熱処理レジームに更に付され、硬化した結合剤を除去して、高温焼結を実施した。温度は、1℃/分の速度で、最大焼結温度380℃まで、上昇させた。温度は、380℃で30分間維持され、その後、フリークーリングされた(オーブンの制御されないフリークーリング速度、約5〜10℃/分)。焼結後、物体の収縮は、乾燥及び焼結前の形成された物体のサイズに基づき、約32%であったが、物体の形状は維持された(
図4をも参照)。焼結後の重量減少は、乾燥後の物体の総重量に基づき、23wt%であった。これは、約20wt%の結合剤含有量及び乾燥物体中の約3wt%の残りの水に対応する。
【0146】
焼結したPTFE物体の材料は、Archimedes法によって測定して、2g/cm
3〜2.1g/cm
3の間の密度を有した。これは、緻密な非多孔性PTFEでの2.2g/cm
3の密度を想定して、90%−95%の相対密度に対応する。
【0147】
例3
染料の存在下でPTFE粒子を含む3次元物体の形成
例1と同様に、固体PTFE粒子を含む混合物が、調製された。ただし、混合物の総重量に基づき、0.05wt%の量の染料が更に添加され(ローダミンB)、そして、混合物の総容積に基づき、22.8vol%の量の1つのタイプのみの結合剤(SR344)が、使用された。正確な組成(S2)を、下記の表1A及び表1Bに見ることができる。
【0148】
異なるタイプの3次元物体は、例2に記載の印刷条件に従って、混合物S2から形成された。
【0149】
形成された物体は、例2(S1)の3次元物体と比較して改善された解像度を示した。乾燥後及び焼結前の様々な形状を、
図5A、5B、及び5Cに見ることができる。
【0150】
物体は、下記の加熱処理レジームに従って、乾燥及び焼結に付された:120℃まで1℃/分;380℃まで2℃/分;380℃で5分の等温加熱;及び10℃/分で室温に冷却。
【0151】
図6は、混合物S2から印刷されたPTFEを含む物体の比較を示す。左の画像は、形成直後の物体を示し、右の画像は、乾燥及び焼結後のものである。焼結後の収縮率は、約30%であった(乾燥前のサイズと比較して)。焼結したPTFE物体は、2.0g/cm
3の密度及び約90%の相対密度を有した。
【0152】
例4:
PFA又はFEP粒子を含む3次元物体の形成
水溶性結合剤(SR344)、光開始剤(IRGACURE 819)、及び染料(Rhodamine B from Sigma Aldrich)と混合された、200nmサイズのPFA粒子(Teflon PFAD 335D from Chemours)の水性分散物を含有する混合物が、調製された。同様の混合物が、PFA分散物の代わりに180nmの平均サイズを持つ固体FEP粒子(Teflon FEPD 121 from Chemours)の水性分散物を使用して、調製された。混合物の他の成分の量は、同じであった。混合物の総量に基づく各々の成分の量は、表1A及び表1Bに示される(サンプルS3及びサンプルS4)。
【0155】
調製された混合物から、1mm/分の形成速度で及び10mW/cm
2の放射線強度を適用して、例2に記載の方法に従って、3次元物体が形成された。染料の存在は、形成された物体の解像度の大きな改善を示した、ということが観察できた。
図7A及び
図7Bは、乾燥後の混合物S3で形成されたFEPを含む3次元物体を、例証する。0.05wt%のローダミンの添加は、染料の存在なしで形成された物体(左の画像、
図7A)と比較して、ハニカム構造の物体(右の画像、
図7B)の解像度の顕著な改善を引き起こすことができた。非常に良好な解像度を持つ物体が、花芽又はねじなどの他の複雑な物体構造でも、得ることができた。
【0156】
FEPを含む物体の乾燥及び焼結のために、下記の加熱処理レジームが適用された:
A)120℃まで2℃/分;380℃まで5℃/分、380℃で30分間、等温加熱、その後、10℃/分の速度で室温に冷却。
B)120℃まで2℃/分;300℃まで5℃/分、300℃で15分間、等温加熱、その後、10℃/分の速度で室温に冷却。
【0157】
380℃までの加熱処理レジームA)に従った高温焼結後、物体は、部分的に崩壊した。
【0158】
より低い最大焼結温度300℃で(加熱処理レジームB)、焼結した物体は、それらの形状を維持した。
図8A、
図8B、及び
図8Cを参照。
【0159】
乾燥後のFEPを含む物体(すなわち、水の除去後のサンプル3)の熱重量分析(TGA)が、
図9に例証される。乾燥後、非常に少量のみの水(<3%)が物体中にとどまった、と見ることができる。重量の著しい減少が、温度200℃で開始した。これは、硬化した結合剤の分解に対応する。結合剤の総量に基づき約5wt%結合剤の重量減少が、約210℃の温度で達した。これは、本開示に従う結合剤の分解温度に関する。最大焼結温度(380℃)及びFEP粒子の融点(260℃)まで、重量減少の速度の何の顕著な相違も観察できなかった。これは、焼結後に、特定の量の結合剤が、物体中に依然として存在した、ということを示す。第一の平坦域は、約450℃の温度で、達した。これは、この点では全ての結合剤が除去された、ということを示す。約525℃で開始する次の質量の大きな低下は、FEP粒子の分解に関するようにみえる。380℃での焼結後のFEPベースの物体の材料の密度は、2.19g/cm
3であった。密度は、Archimedes法によって決定された。
【0160】
例5
印刷されたPTFE物体の解像度に対する染料濃度の影響
様々な濃度のローダミンBで、固体PTFE粒子を含む混合物が調製された。混合物は、76.6vol%の水性PTFE分散物(DAIKIN D-610C from Daikin)(平均粒子径200nmを有する)、22vol%のアクリル二官能性ポリエチレングリコール(SR344 from Sartomer, Arkema)、0.11vol%の光開始剤(IRGACURE 819 from BASF)及び約1.4vol.%の消泡剤を、含有した。ローダミンB濃度は、混合物の総重量に基づき、0.025wt%、0.075wt%、0.1wt%、及び0.2wt%の濃度で変動させた。
【0161】
試験された組成物の概要が、表2A及び表2Bに示される。全ての濃度は、混合物の総容積又は総重量に基づき、vol%及びwt%で示される。
【0164】
表2A/表2Bにリストされた混合物から、形成速度0.5mm/分及び適用放射線強度4mW/cm
2で、例2に記載の方法に従って、定義された3次元物体が、連続的に形成された。3次元物体は、混合物S5−S7から形成された(混合物S8は、定義された条件下では、印刷可能ではなかった)。印刷された物体の形態は、混合物中のローダミンBの量に依存して最小の印刷可能な特徴サイズを詳細に調べるために、具体的に設計された3Dモデルに基づいた。当該3Dモデルは、1mmの高さで、50ミクロン、100ミクロン、150ミクロン、300ミクロン、450ミクロン、及び600ミクロンの変動する壁厚を持つ、6つの平行に配置された壁を、含有した。当該3Dモデルの拡大図面は、
図11A及び
図11Bに、示される。
【0165】
乾燥後の形成された物体の得られた解像度の相違は、
図12A;
図12B、及び
図12Cの比較で例証され、それらは、それぞれ、0.025wt%、0.075wt%、及び0.1wt%のローダミンBを含む混合物から印刷された、形成された3次元乾燥物体の画像を示す。乾燥は、安定な重量が得られるまで、40℃で実施された。0.025wt%(
図12A)及び0.1wt%(
図12C)のローダミンBでは、形成された物体の解像度はシャープではなく、各々の壁は、大きな凹凸を示し、壁の間の何のクリアーなギャップも形成されることはできなかった、と見ることができる。0.075wt%のローダミンB濃度(
図12B)では、印刷された3次元物体は、3Dモデルの6つの壁の3つを含み、50ミクロン、100ミクロン及び150ミクロンの厚さを持つ最も薄い壁のみがなかった。
【0166】
図13A及び
図13Bは、0.075wt%のローダミンBで形成された、
図12Bで側面図として示されるPTFE物体の上面図画像を示す。壁はお互いに接続していないと見ることができる。
図13Aでは、形成された壁の各々の厚さは、5つの異なる位置で測定され、対応するモデルの壁厚と比較された。
図13Bでは、5つの異なる位置での2つの隣接して形成された壁の間のギャップサイズが測定され、平均値が計算された。測定データの概要が、表3及び表4に示される。形成できた最も薄い分離した壁構造は、246ミクロン±39ミクロンの厚さを有した。解像度データは、印刷混合物中のローダミンBの濃度を注意深く選択することによって、250ミクロン以下のサイズ解像度を有する微細な構造ユニットが乾燥物体中に形成できることを、示す。ここで使用されるように、用語「250ミクロン以下のサイズ解像度」は、乾燥後に少なくとも1mmの高さ及び250ミクロン以下の厚さを有する分離した構造ユニットの印刷に関する。
【0167】
平均ギャップサイズ(5つの異なる位置での測定ギャップサイズの平均値及び標準偏差)は、最も大きな厚い壁と中間の厚い壁との間で、671ミクロン±27ミクロンであった。その一方で、中間の形成された壁と最も小さく形成された壁との間のギャップは、585ミクロン±60ミクロンであった。壁の間の距離(ギャップ)が予測乾燥収縮15%と良好に一致している一方で、形成された壁厚は、15%収縮から推定されるものよりも低かった。これは、(薄い壁のような)微細な特徴が、十分に形成されるべき大きな特徴よりも、印刷の間により多くのUV暴露を要求し得るという事実に、関連し得る。この効果は、望ましい特徴サイズを実現して補償するために、オーバースケーリングによって、又は、微細な特徴を形成する時に、より多くの放射線強度を追加することによって、修正され得る
【0170】
0.075wt%のローダミンBの濃度で形成された3次元物体は、下記の加熱処理レジームの高温焼結に、更に付された:120℃まで1℃/分;380℃まで2℃/分;380℃で5分の等温加熱;及び10℃/分で室温に冷却。
【0171】
焼結後の3次元物体の画像が、
図14A、
図14B、
図14C、及び
図14Dに、示される。物体の3つの壁(解像度ライン)は、焼結プロセスを切り抜けた、と見ることができる。
図14Cは、焼結後の壁厚を測定する位置を例証する。
図14Dは、ここではギャップとも呼ばれる、壁の間の距離を測定する位置を示す。
【0172】
データは、印刷混合物中のローダミンBの濃度を注意深く選択することによって、焼結したPTFE物体中に190ミクロン以下のサイズ解像度で微細な薄い構造装置(ユニット)を形成することが可能であることを、例証する。
【0173】
例6
連続的に形成された焼結したPTFE物体の機械的特性
平均粒子径220−250nmを持つPTFE粒子を含有するDaikin210CをPTFE分散物として、及び、0.05wt%ローダミンBを使用して、例5に記載のような混合物から、長方形のPTFEロッドが、連続的に形成された。PTFEを含む物体を連続的に形成して乾燥後、乾燥物体は、例3に記載の温度レジームに従って高温焼結された。長方形のロッドは、修正ASTM4894に従って破断点伸び及び最大荷重での引張強度の試験が、x−y方向でなされた。ここで使用されるように、修正ASTM4894は、試験された物体の形状が異なったことを、意味する。試験されるべき焼結したPTFE物体の長方形の形状は、長さ18mm、幅3.95mm、及び、厚さ1.46mmを有した。各々の試験は、6回繰り返され、試験回数の平方根で割り算された標準偏差の3倍と推定される誤差で、平均値が計算された。試験結果の概要が、表5に示される。歪み破壊前後の試験PTFE物体の説明図が、
図15に示される。
【0175】
前述の明細書中では、特定の形態を参照して概念が記載された。しかし、当業者は、添付の特許請求の範囲に記載されたような本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更をすることができると、理解する。従って、明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例証としてみなされるべきであり、全てのそのような修正が、本発明の範囲内に含まれることが意図される。