特許第6918234号(P6918234)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6918234
(24)【登録日】2021年7月26日
(45)【発行日】2021年8月11日
(54)【発明の名称】電子整流モータ及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02P 6/10 20060101AFI20210729BHJP
   H02P 6/16 20160101ALI20210729BHJP
【FI】
   H02P6/10
   H02P6/16
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2020-524302(P2020-524302)
(86)(22)【出願日】2017年11月9日
(65)【公表番号】特表2021-501555(P2021-501555A)
(43)【公表日】2021年1月14日
(86)【国際出願番号】EP2017078770
(87)【国際公開番号】WO2019091560
(87)【国際公開日】20190516
【審査請求日】2020年4月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】515069336
【氏名又は名称】ピアーブルグ パンプ テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Pierburg Pump Technology GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】特許業務法人ナガトアンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】シュルツ, クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ビリンシ, エルカン
(72)【発明者】
【氏名】ケルステン, ティモ
(72)【発明者】
【氏名】ステパナウ, ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ヘルミス, マルティン
【審査官】 池田 貴俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−007991(JP,A)
【文献】 特開2015−169528(JP,A)
【文献】 特開2001−145384(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02916108(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 6/10
H02P 6/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの固定子コイル(21、22、23)を有する固定子(20)と、
回転軸(31)を中心に回転可能であり、励磁界を発生させる少なくとも2つの対向する磁極(N、S)を有する着磁回転子(30)と、
前記励磁界を検出し、信号エッジ(Eas)、全波信号周期(P)、並びに、N極及びS極信号レベルのそれぞれに対する半波長さ(LN、LS)を有する矩形のセンサ信号を生成する、静磁界センサ(40)と、
前記少なくとも1つの固定子コイル(21、22、23)を駆動するモータ通電装置(50)であって、回転固定子界磁を生成するトリガ信号により起動されるモータ通電装置(50)と、
センサ信号または較正パラメータを保存する、メモリユニット(60)と、
前記トリガ信号を生成する評価ユニット(70)と、を備え、
前記評価ユニット(70)は、受信された前記センサ信号の信号エッジ(Eas,n)の位置、前記全波信号周期(P)、及び前記センサ信号の前記それぞれの半波長さ(LN、LS)から、前記トリガ信号は前記センサ信号の前記全波信号周期(P)に対応する全波信号周期を有し、前記トリガ信号のN極信号レベルおよびS極信号レベルが同じ半波長さを有するように、前記トリガ信号の信号エッジ(Eas)を計算するように構成される、電子整流モータ(10)。
【請求項2】
前記着磁回転子(30)は永久磁化されている、請求項1に記載の電子整流モータ(10)。
【請求項3】
前記磁界センサ(40)はホールセンサである、請求項1に記載の電子整流モータ(10)。
【請求項4】
請求項1に記載の構造的特徴を有する電子整流モータ(10)を制御方法であって、
前記静磁界センサ(40)から前記センサ信号を受信するステップと、
前記メモリユニット(60)に前記受信されたセンサ信号を保存するステップと、
前記受信されたセンサ信号の各信号エッジ(Eas)を決定するステップと、
前記センサ信号の、前記全波信号周期(P)並びにN極及びS極信号レベルの半波長さ(LN、LS)を決定するステップと、
前記センサ信号の、前記受信されたセンサ信号エッジ(Eas,n)の前記位置、前記全波信号周期(P)、及び、前記それぞれの波長さ(LN、LS)を用いて、前記センサ信号の全波信号周期と同一の全波信号周期(P)を有する、対称トリガ信号の各々の信号エッジ(Ecs)、を計算するステップと、
前記計算された信号エッジ(Ecs)を有する前記対称トリガ信号を生成するステップと、
前記生成された前記対称トリガ信号用いて、前記少なくとも1つの固定子コイル(21、22、23)に通電するステップと、を備える電子整流モータ(10)の制御方法。
【請求項5】
前記センサ信号の、前記受信されたセンサ信号エッジ(Eas,n)の前記位置、前記全波信号周期(P)、及び、前記それぞれの半波長さ(LN、LS)を用いて、対称トリガ信号の前記信号エッジ(Ecs)を計算するステップは、プリコミュテーション(φ)を使用することをさらに含む、請求項に記載の電子整流モータ(10)の制御方法。
【請求項6】
前記センサ信号の前記全波信号周期(P)及び前記それぞれの半波長さ(LN、LS)は、前記静磁界センサ(40)から受信される前記センサ信号の、最後に受信された前記センサ信号エッジ(Eas,n)を含む信号周期を解析して決定される、請求項4または5に記載の電子整流モータ(10)の制御方法。
【請求項7】
前記センサ信号の、前記全波信号周期(P)及び前記それぞれの半波長さ(LN、LS)は一度に決定され、そして、前記メモリユニット(60)に較正パラメータとして保存される、請求項4または5に記載の電子整流モータ(10)の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子整流モータ及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなモータは、少なくとも1つの固定子コイルを有する固定子と、回転軸を中心として固定子に対して回転可能な着磁回転子と、励磁界を生成する少なくとも2つの対向する磁極と、励磁界を検出して矩形のセンサ信号を発生する静磁界センサと、を備えている。センサ信号は、信号エッジEas、信号周期P、並びに、更にN極及びS極信号レベルの半波長さLN及びLSをそれぞれ有することを特徴とする。又、モータは、少なくとも1つの固定子コイルを駆動するモータ通電装置を備え、このモータ通電装置は、回転固定子界磁を生成するトリガ信号によって起動される。更に、モータは、パラメータ値を保存するためのメモリユニットと、トリガ信号を生成する評価ユニットとを備える。
【0003】
電子整流モータは、磁化回転子により固定子コイルに発生する逆起電力(CEMF)に基づいて回転子の回転位置を検出したり、回転子の回転位置を決定したりするセンサを備えている。回転固定子界磁を生成させるために、モータの固定子コイルは、検出された回転位置信号に依存するトリガ信号によって励起されて通電される。通常、一連の全てのモータは、検出された回転位置信号と固定子コイルに通電するためのトリガ信号との間に、同一の所定の関係がプログラムされている。
【0004】
特許文献1は、電子整流モータの回転子の回転位置を判定する位相検出器を開示する。この位相検出器には複数のモータ位置センサが設けられ、これにより、高い精度で回転位置を検出することができる。
【0005】
特許文献2は、異なる回転速度及びトルクに対するトリガ角度パラメータを含む特性トリガマップを含む制御ユニットを備えた電子整流モータを開示する。固定子コイルを駆動する制御信号は、この特性トリガマップに基づいて、すなわち、現在の回転速度及びトルクに応じて生成される。これにより、様々な基準、例えば、効率、ノイズ及び電磁放射に関する動作中の動作挙動を最適化し得るモータが提供される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2916108号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102015108617号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これらのモータは、回転位置信号、特に磁界センサによって検出される場合、に非対称性を生じるという欠点を有する。これは、例えば、センサの個々の測定誤差及び/又は着磁された回転子の個々の非対称な半径方向磁化によって生じる位置信号の非対称性が、固定子コイルに通電するためのトリガ信号の非対称性に直接反映されることに起因する。その結果、トルク脈動を引き起こし、モータの効率や堅牢性を低下させ、騒音や振動を誘発し得る。
【0008】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、センサにより制御されるモータのトルク脈動を個別に低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、請求項1に記載の特徴を有する電子整流モータ、又は請求項3に記載の特徴を有する電子整流モータの制御方法によって達成される。
【0010】
本発明に係る電子整流モータは、少なくとも1つの固定子コイルを有する固定子を備えている。好ましくは、固定子は、複数の固定子コイルを有することで、より均一な固定子界磁を生成し、従って、トルク脈動をより低減する。
【0011】
又、本発明に係る電子整流モータは、回転軸を中心として固定子に対して回転可能な着磁回転子を備えている。回転子は、回転する回転子励磁場を生成する少なくとも2つの対向する磁極を備える。
【0012】
又、本発明に係る電子整流モータは、励磁界を検出し、信号エッジEas、信号周期P並びに、N極信号レベル及びS極信号レベルのそれぞれに対する半波長さLN及びLSを有する矩形のセンサ信号を生成する、静磁界センサを備えている。全波信号周期Pは、半波長さLNとLSの和である。この文脈における「半波」という用語は、定義された信号レベル(N又はSのいずれでも)の信号区間を意味し、信号区間の長さに関するいかなる情報も意味しない。又、「半波」という用語は、N極信号レベルの区間とS極信号レベルの区間とが同じ長さを有することを意味するものではない。磁界センサは、モータ回転子に対して半径方向又は軸方向に配置することができる。磁界センサは、固定子によって生成される空中磁界が当該磁界センサの位置で比較的弱くなるように、前記少なくとも1つの固定子コイルからできるだけ離れた位置に配置されることが好ましい。
【0013】
又、本発明に係る電子整流モータは、少なくとも1つの固定子コイルを駆動するモータ通電装置を備えている。モータ通電装置は、回転固定子界磁を生成するトリガ信号により励起される。モータ通電装置は、少なくとも1つの固定子コイルを駆動する電気エネルギーを整流させるいくつかのパワー半導体を備える。
【0014】
又、本発明による電子整流モータには、パラメータ値を保存するメモリユニットが設けられている。例えば、受信されたセンサ信号又は較正パラメータを、パラメータ値として保存することができる。
【0015】
本発明に係る電子整流モータは、トリガ信号を生成する評価ユニットを備えている。評価ユニットは、センサ信号の信号エッジEasの非対称シフトをシフト補償して対称なトリガ信号を生成する。シフト補償は、センサ信号の、最後の受信信号エッジEas,nの位置、信号周期P、並びに、半波長さLN及びLSに基づいて計算される。
【0016】
その結果、少なくとも1つの固定子コイルは、理想的な対称トリガ信号に基づいて駆動される。この理想的な対称トリガ信号は、信号半波長さLNとLSとが同じ長さを持つ等間隔信号エッジEcsによって特徴づけられる。このことは、個々の電子整流モータのトルク脈動を著しく減少させ、モータの効率及び堅牢性の向上のみならず、騒音の低減及びモータの振動の低減にもつながる。
【0017】
一般に、着磁モータ回転子は、異なる方法で実現可能である。例えば、モータ回転子には、ブラシ接点を介して常時電気的に通電される電磁コイルを設けることができる。本発明の好ましい実施形態によれば、着磁モータ回転子は永久磁化されている。回転子は、別個の永久磁石の複数個を有する強磁性回転子体として実現し得るが、代替的に、1個の単一の永久磁化回転子体として提供することもできる。これにより、回転可能なモータ回転子又は摩耗しやすいブラシ接点のための励磁電子機器を全く必要としない、モータ回転子の簡略で信頼性の高い実施形態が可能になる。
【0018】
この励磁界を検出する磁界センサは、ホールセンサであることが好ましい。通常、ホールセンサには矩形の出力信号を生成する一次評価ユニットが設けられている。
【0019】
本発明の電子整流モータ(10)を制御方法は、
・磁界センサからセンサ信号を受信するステップと、
・メモリユニットに受信されたセンサ信号を保存するステップと、
・受信されたセンサ信号の各信号エッジEasを決定するステップと、
・センサ信号の、全波信号周期P及び更にそれぞれの半波長さLN、LSを決定するステップと、
・センサ信号の、最後に受信されたセンサ信号エッジEas,nの位置、全波信号周期P、及び、半波長さLN、LS及を用いて、そのセンサ信号と同一の全波信号周期Pを有する、対応する対称信号の複数の信号エッジEcs、を算出するステップと、
・前記計算された信号エッジEcsを有する対称なトリガ信号を生成するステップと、
・この生成された対称なトリガ信号用いて、少なくとも1つの固定子コイルに通電するステップと、を備える。
【0020】
好ましくは、センサ信号の、最後に受信されたセンサ信号エッジEas,nの位置、全波信号周期P、及び、半波長さLN、LS及を用いた、前記対応する対称信号の信号エッジEcsの計算は、プリコミュテーション(pre-commutation)φを実現するために調整される。
【0021】
好ましくは、センサ信号の信号周期P及び半波長さLN及びLSは、最後に完全に受信された、磁界センサから受信されるセンサ信号の信号周期を解析して決定される。このように、補償機構は、モータの動作中にセンサ信号の変化に合わせて自動的に適応する。これらの変化は、例えば、モータの回転速度又はモータの負荷の変化により生じ得る。
【0022】
あるいは、計算量を軽減するために、センサ信号の信号周期P及び半波長さLN及びLSは一度に決定され、そして、較正パラメータとしてメモリユニットに保存される。較正は、モータの製造直後に一度実行することにでき、又は、例えば、評価ユニットの電力がなくなった後に行い、あるいは規定された時間スパンの後に周期的に繰り返すことができる。
【0023】
メモリユニットは、モータの異なる動作モード、例えば回転速度、に対する較正パラメータを含むことが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、本発明による電子整流モータの概略図である。
図2図2は、信号エッジEasを有する典型的な非対称センサ信号と、信号エッジEcsを有し、非対称センサ信号と同じ信号周期Pの対応する対称信号を示す。
図3図3は、本発明による電子整流モータを制御する方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、モータ固定子20と、永久磁石モータ回転子30と、静磁界センサ40と、モータ通電装置50と、メモリユニット60と、評価ユニット70と、エンジン制御ユニット80とを備える電子整流モータ10を示す。
【0026】
固定子20は、モータ通電装置50に電気的に接続された3つの固定子コイル21、22、23を有する。
【0027】
永久磁石回転子30は、励磁界を発生させる2つの対向する磁極N、Sを備えており、回転軸線31を中心として固定子20に対して回転可能である。
【0028】
静磁界センサ40は、回転可能な永久磁石回転子30によって生成される励磁界を検出し、信号エッジEas、信号周期P、並びに、N極信号レベル及びS極信号レベルのそれぞれに対する半波長さLN及びLSを有する矩形センサ信号を生成する。静磁界センサ40は、評価ユニット70に電気的に接続されている。
【0029】
モータ通電装置50は、固定子コイル21,22,23、評価ユニット70及びエンジン制御ユニット80に電気的に接続されている。モータ通電装置50は、モータの動作モード(例えば、オン/オフ及び/又は目標回転速度)を指定するエンジン制御ユニット80からの制御信号を受け取る。受信された動作モードパラメータにより、モータ通電装置50は、トリガ信号に基づいて固定子コイル21、22、23を駆動し、回転軸線31を中心として回転する固定子界磁を生成する。
【0030】
メモリユニット60は、パラメータ値を保存することができ、評価ユニット70に電気的に接続されている。
【0031】
評価ユニット70には、静磁界センサ40、モータ通電装置50及びメモリユニット60が電気的に接続されている。評価ユニット70は、磁界センサ40からセンサ信号を受信し、メモリユニット60にセンサ信号を保存し、受信したセンサ信号を解析して信号エッジEasを検出する。以下に詳細に説明するように、評価ユニット70は、センサ信号の信号エッジEasの非対称シフトを補償し、信号エッジEcsを有する対称なトリガ信号を生成する。固定子コイル21、22、23を駆動するモータ通電装置50は、この対称トリガ信号を受信し、回転固定子界磁を生成する。
【0032】
センサ信号の信号エッジEasの非対称シフトを補償するために、評価ユニット70は、センサ信号の信号周期と同じ信号周期P有する、対応する対称信号の信号エッジEcsを算出する。
【0033】
図2は、信号エッジEasを有する典型的な非対称センサ信号と、信号エッジEcsを有し、磁界センサ40から受信される信号と同じ信号周期Pを有する、対応する対称信号とを示す。破線は、非対称センサ信号及び対応する対称信号に対して、N極信号レベル又はS極信号レベルにそれぞれ対応する両半波の暫定的中間点を示すが、これらの暫定的中間点は、非対称センサ信号とこれに対応する対称信号とについて同一である。T0は評価点を示す。
【0034】
対称信号Ecs,n+1の次の信号エッジを決定するために、センサ信号Eas,nの最後の受信信号エッジが、メモリユニット60に保存される受信センサ信号を解析して決定される。
【0035】
Eas,nから始めて、現在の半波の暫定的中間点が、現在の信号レベルの半波長さI(それぞれLN又はLS)の半分、ここではLN/2を加算することによって計算される。半波の暫定的中間点だけではなく信号周期Pは、非対称センサ信号及び対応する対称信号について同一であるので、対称信号Ecs,n+1の次の信号エッジは、周期Pの4分の1を加算することによって計算される。
【0036】
その結果、最後に受信したセンサ信号エッジEas,n、信号周期P、並びに、N極センサ信号レベル及びS極センサ信号レベルのそれぞれに対する半波長さLN及びLSが与えられると、対応する対称信号Ecs,n+1の次の信号エッジは、次の式により計算することができる。
Ecs,n+1=Eas,n + I/2 + P/4
【0037】
評価ユニット70は、算出された信号エッジEcsに基づいて対称のトリガ信号を生成し、固定子コイル21,22,23を駆動するモータ通電装置50に転送する。
【0038】
このように、固定子コイル21、22、23は、非対称な制御信号の代わりに対称な制御信号に基づいて駆動され、トルク脈動は著しく減少される。
【0039】
図3は、本発明による電子整流モータ10を制御方法のフローチャートを示す。
【0040】
本発明方法の第1の実施形態では、受信センサ信号を解析することによって、本信号レベルの信号周期Pだけではなく半波長さIも決定される。信号周期Pは、最後の信号エッジEas,nと、2つ前の信号エッジEas,n−2との減算によって決定される。現在の半波長さIは、1つ前の信号エッジEas,n−1と2つ前の信号エッジEas,n−2の減算によって決定される。
P=Eas,n − Eas,n−2
I=Eas,n−1 − Eas,n−2
【0041】
本発明の方法の第2の実施形態では、信号周期Pだけではなく、N極信号レベル及びS極信号レベルの半波長さLN及びLSも、それぞれ、較正パラメータとしてメモリユニット60に保存されている。評価ユニット70は、センサ信号を分析して、最後の信号エッジEas,n及び現在の信号レベル(N又はS)を決定する。信号周期P及び現在の半波長さIは、メモリユニット60から対応するパラメータを読み出すことによって決定される。
【0042】
本発明の方法の第3の実施の形態では、モータ10の評価ユニット70は、下式に従って次の信号エッジEcs,n+1を計算して、プリコミュテーションφを実現するように調整される。
Ecs,n+1=Eas,n + I/2 + P/4 − P・φ/360°
図1
図2
図3