【文献】
Radin A. Nasirudin,"Electronic cleansing for CT colonography using spectral-driven iterative reconstruction",Proc. of SPIE,2017年03月03日,Vol.10134,pp.1013436-1 - 1013436-6
【文献】
W. Cai,"Electronic Cleansing in Fecal-Tagging Dual-Energy CT Colonography Based on Material Decomposition and Virtual Colon Tagging",IEEE Transactions on Biomedical Engineering,2015年02月,Vol.62, No.2,pp.754-765
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記処理ユニットは、連結成分を決定するために、各スペクトル画像の前記物質画像のうちの少なくとも1つを分析し、前記身体部分に関係する少なくとも1つのトポロジー的制約は、前記身体部分が少なくとも1つの連結成分から構成されることを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
前記少なくとも1つのトポロジー的制約に基づいた前記物質画像のうちの前記少なくとも1つの操作は、前記少なくとも1つの連結成分のもの以外の物質係数をゼロに設定することを含む、請求項5又は6に記載の装置。
前記少なくとも1つのトポロジー的制約に基づいた前記物質画像のうちの前記少なくとも1つの操作は、最大の連結成分のもの以外の物質係数をゼロに設定することを含む、請求項5から7のいずれか一項に記載の装置。
前記処理ユニットは、再構成前の前記スペクトル画像内の対応する複数のロケーションにおける強度間の複数の勾配を計算し、前記処理ユニットは、前記複数の勾配を前記再構成スペクトル画像とともに利用して、複数の勾配導出補正を決定し、各スペクトル画像の前記更新された複数の物質画像の修正は、対応する前記複数の勾配導出補正の利用を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
再構成前の前記スペクトル画像内の複数の第1のロケーションと複数の第2のロケーションとの間の強度の複数の勾配を決定することと、前記複数の勾配を前記再構成スペクトル画像内の前記複数の第1のロケーションに適用して、前記再構成スペクトル画像内の前記複数の第2のロケーションにおける複数の勾配導出強度を決定することとを含み、前記複数の勾配導出補正を決定することは、前記再構成画像内の前記複数の第2のロケーションにおける前記複数の勾配導出強度を、前記再構成スペクトル画像内の前記複数の第2のロケーションにおける複数の強度と比較することを含む、請求項9に記載の装置。
前記再構成画像内の前記複数の第2のロケーションにおける前記複数の勾配導出強度を、前記再構成スペクトル画像内の前記複数の第2のロケーションにおける前記複数の強度と比較することは、前記再構成スペクトル画像内の前記複数の第2のロケーションにおける前記複数の強度から、前記再構成画像内の前記複数の第2のロケーションにおける前記勾配導出強度を減算して、複数の強度補正を提供することを含み、各スペクトル画像の前記更新された複数の物質画像の修正は、対応する前記複数の強度補正によって前記再構成画像内の前記複数の第1のロケーションにおける前記複数の強度を補正することと、各スペクトル画像の前記更新された複数の物質画像の各物質画像について、補正されている前記強度に前記物質係数を乗算することとを含む、請求項10に記載の装置。
前記複数のスペクトル画像の各スペクトル画像の複数の物質画像及びオフセット画像への分解は、前記複数のスペクトル画像内のロケーションにおける物質濃度の合計が1以下になるような濃度制約を施行することを含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
プロセッサによって実行されると、請求項14に記載の方法を実行する、請求項1から12のいずれか一項に記載の装置、及び/又は、請求項13に記載の医療システムを制御するためのコンピュータプログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
マルチスペクトル画像データの反復的物質分解のための改善された装置を有することが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、独立請求項の主題によって解決され、さらなる実施形態が、従属請求項において組み込まれる。本発明の以下の説明されている態様及び例は、マルチスペクトル画像データの反復的物質分解のための装置、マルチスペクトル画像データの反復的物質分解のためのシステム、マルチスペクトル画像データの反復的物質分解のための方法、並びに、コンピュータプログラム要素及びコンピュータ可読媒体にも適用されることに留意されたい。
【0010】
第1の態様によれば、マルチスペクトル画像データの反復的物質分解のための装置であって、当該装置は、
入力ユニットと、
処理ユニットと、
出力ユニットと
を備える、装置が提供される。
【0011】
入力ユニットは、身体部分を含む関心領域の複数のスペクトル画像を処理ユニットに提供するように構成されている。入力ユニットはまた、複数の物質の物質係数の複数のセットを処理ユニットに提供するようにも構成されている。物質係数のセットに対して各物質係数は、対応する物質と関連付けられ、物質係数の各セットは、複数のスペクトル画像のうちの対応するスペクトル画像と関連付けられる。処理ユニットは、
i)複数のスペクトル画像の各スペクトル画像を複数の物質画像及びオフセット画像に分解することであって、異なる物質画像は複数の物質のうちの異なる物質に対応し、物質画像は、対応する物質の物質係数に、異なる画像ロケーションにおける物質濃度を乗算した値によって表され、物質係数は、対応するスペクトル画像の物質係数のセットからの1つの物質係数である、分解することと、
ii)各スペクトル画像について、更新された複数の物質画像及びオフセット画像を決定するために、身体部分に関係する少なくとも1つのトポロジー的制約に基づいて、各スペクトル画像の物質画像のうちの少なくとも1つを操作することと、
iii)複数のスペクトル画像を再構成することであって、再構成される各スペクトル画像は、対応する更新された複数の物質画像及びオフセット画像から再構成される、再構成することと、
iv)複数の補正を決定するために、再構成スペクトル画像内の画像ロケーションにおける強度を、再構成前の対応するスペクトル画像内の画像ロケーションにおける強度と比較することであって、補正は画像ロケーションと関連付けられる、比較することと、
v)対応する複数の補正の利用を含め、各スペクトル画像の更新された複数の物質画像を修正することと、
vi)収束するまで,ii)〜v)を反復することと
を行うように構成されている。
【0012】
出力ユニットは、収束時に再構成スペクトル画像のうちの少なくとも1つを出力すること、及び/又は、収束時に更新された物質画像のうちの少なくとも1つを出力することを行うように構成されている。
【0013】
言い換えれば、K個のスペクトル画像が各々、N個の異なる基礎物質+オフセットに分解される。1つのスペクトル画像の撮像対象物内のロケーションは、N+1個の値によって表され、異なるスペクトル画像の撮像対象物内のこのロケーションは、N+1個の値によって表される。したがって、撮像対象物内のロケーションは、K*(N+1)個の値によって表される。撮像対象物内のすべてのロケーションは、同様にK*(N+1)個の値によって表される。例えば、非現実的な対象物構成を除去する形状制約などのトポロジー的制約を物質画像に反復的に適用し、これらの物質画像から再構成される画像を、分解前の画像と比較することによって、画像が、身体部分を周囲の物質からより明瞭に解像することができる解に向かって繰り返すことが可能になる。
【0014】
このように、例えば電子結腸洗浄がマルチスペクトル画像から可能にされ、腫瘍及びリンパ節コントラスト取り込み分析及びかん流が可能にされる。
【0015】
言い換えると、反復的形状制約複合物質分解は、身体部分の取得されるマルチスペクトル画像の画像処理を改善することを可能にする。
【0016】
さらに説明すると、K*(N+)個の値の正確な解はすべてのボクセルについて可能であるとは限らないが、説明されているように、形状制約複合物質分解及び再構成は、反復的に適用されるとき、解が導出されることを可能にする。
【0017】
一例において、複数のスペクトル画像の各スペクトル画像は、複数の物質画像及びオフセット画像の線形結合に分解される。
【0018】
一例において、第1のスペクトル画像と関連付けられるオフセットは、第2のスペクトル画像と関連付けられるオフセットとは異なる。
【0019】
一例において、処理ユニットは、再構成されている複数のスペクトル画像にガウス平滑化を適用するように構成されている。
【0020】
このようにしてスペクトル画像を取得するのに使用されるX線スキャナの点広がり関数(PSF)を考慮に入れることができる。スキャナは一定レベルの解像度を有し、これは、隣接するロケーション又はボクセルの強度が互いに流出し得ることを意味する。その後、スキャナのPSFが、合成(再構成)エネルギー(スペクトル)画像にガウス平滑化を適用することによって、前進モデリングにおいてシミュレートされる。これによって、取得されているエネルギー画像の逆畳み込みが不要になる。
【0021】
一例において、処理ユニットは、連結成分を決定するために、各スペクトル画像の物質画像のうちの少なくとも1つを分析するように構成されている。身体部分に関係する少なくとも1つのトポロジー的制約は、身体部分が少なくとも1つの連結成分から構成されることを含む。
【0022】
このように、結腸内の排泄物などの「浮遊」している物質を、そのようなものとして決定し、画像から取り除く又は消去することができる。
【0023】
一例において、少なくとも1つの連結成分は単一の連結成分である。
【0024】
言い換えれば、結腸壁などの身体部分が単一の連結成分であるという知識を使用して、物質画像を操作することができる。また、これによって、解剖学的に現実的ではないため、物質の浮遊する島が身体部分を形成すると考えないことが可能になる。加えて、穴は無視することができる。
【0025】
一例において、少なくとも1つのトポロジー的制約に基づいた物質画像のうちの少なくとも1つの操作は、少なくとも1つの連結成分のもの以外の物質係数をゼロに設定することを含む。
【0026】
このように、画像を反復的に洗浄して、結腸壁又は染色された腫瘍若しくはリンパ節などの特徴を存在したままにすることができる。
【0027】
一例において、少なくとも1つのトポロジー的制約に基づいた物質画像のうちの少なくとも1つの操作は、最大の連結成分のもの以外の物質係数をゼロに設定することを含む。
【0028】
一例において、処理ユニットは、再構成前のスペクトル画像内の対応する複数のロケーションにおける強度間の複数の勾配を計算するように構成されている。処理ユニットは、複数の勾配を再構成スペクトル画像とともに利用して、複数の勾配導出補正を決定するように構成されており、各スペクトル画像の更新された複数の物質画像の修正は、対応する複数の勾配導出補正の利用を含む。
【0029】
このように、勾配は、不良設定問題の解決の支援における追加の情報源を提供する。
【0030】
一例において、処理ユニットは、再構成前のスペクトル画像内の複数の第1のロケーションと複数の第2のロケーションとの間の強度の複数の勾配を決定し、複数の勾配を再構成スペクトル画像内の複数の第1のロケーションに適用して、再構成スペクトル画像内の複数の第2のロケーションにおける複数の勾配導出強度を決定するように構成されている。このとき、複数の勾配導出補正の決定は、再構成画像内の複数の第2のロケーションにおける複数の勾配導出強度を、再構成スペクトル画像内の複数の第2のロケーションにおける複数の強度と比較することを含む。
【0031】
一例において、再構成画像内の複数の第2のロケーションにおける複数の勾配導出強度を、再構成スペクトル画像内の複数の第2のロケーションにおける複数の強度と比較することは、再構成スペクトル画像内の複数の第2のロケーションにおける複数の強度から、再構成画像内の複数の第2のロケーションにおける勾配導出強度を減算して、複数の強度補正を提供することを含む。各スペクトル画像の更新された複数の物質画像の修正は、対応する複数の強度補正によって再構成画像内の複数の第1の位置における複数の強度を補正することと、各スペクトル画像の更新された複数の物質画像の各物質画像について、補正されている強度に物質係数を乗算することとを含む。
【0032】
一例において、複数のスペクトル画像の各スペクトル画像の複数の物質画像及びオフセット画像への分解は、複数のスペクトル画像内のロケーションにおける物質濃度の合計が1以下になるような濃度制約を施行することを含む。
【0033】
第2の態様によれば、マルチスペクトル画像データの反復的物質分解のための医療システムであって、当該医療システムは、
画像取得ユニットと、
第1の態様によるマルチスペクトル画像データの反復的物質分解のための装置と
を備える、医療システムが提供される。
【0034】
画像取得ユニットは、身体部分を含む関心領域の複数のスペクトルX線画像を取得するように構成されている。
【0035】
第3の態様によれば、マルチスペクトル画像データの反復的物質分解のための方法であって、当該方法は、
a)身体部分を含む関心領域の複数のスペクトル画像を提供するステップと、
b)複数の物質の物質係数の複数のセットを提供するステップであって、物質係数のセットに対して各物質係数は、対応する物質と関連付けられ、物質係数の各セットは、複数のスペクトル画像のうちの対応するスペクトル画像と関連付けられる、物質係数の複数のセットを提供するステップと、
c)複数のスペクトル画像の各スペクトル画像を複数の物質画像及びオフセット画像に分解するステップであって、異なる物質画像は複数の物質のうちの異なる物質に対応し、物質画像は、対応する物質の物質係数に、異なる画像ロケーションにおける物質濃度を乗算した値によって表され、物質係数は、対応するスペクトル画像の物質係数のセットからの1つの物質係数である、分解するステップと、
e)各スペクトル画像について、更新された複数の物質画像及びオフセット画像を決定するために、身体部分に関係する少なくとも1つのトポロジー的制約に基づいて、各スペクトル画像の物質画像のうちの少なくとも1つを操作するステップと、
f)複数のスペクトル画像を再構成するステップであって、再構成される各スペクトル画像は、対応する更新された複数の物質画像及びオフセット画像から再構成される、再構成するステップと、
g)複数の補正を決定するために、再構成スペクトル画像内の画像ロケーションにおける強度を、再構成前の対応するスペクトル画像内の画像ロケーションにおける強度と比較するステップであって、補正は画像ロケーションと関連付けられる、比較するステップと、
i)対応する複数の補正の利用を含め、各スペクトル画像の更新された複数の物質画像を修正するステップと、
j)収束するまで、ステップe)〜i)を反復するステップと、
k)収束時に再構成スペクトル画像のうちの少なくとも1つを出力すること、及び/又は、収束時に更新された物質画像のうちの少なくとも1つを出力することを行うステップと
を有する、方法が提供される。
【0036】
別の態様によれば、前述したような装置を制御するコンピュータプログラム要素であって、コンピュータプログラム要素は処理ユニットによって実行され、前述したような方法のステップを実施するように適合されている、コンピュータプログラム要素が提供される。
【0037】
有利には、上記態様のいずれかによって与えられる利点は、他の態様のすべてに等しく適用され、逆も同様である。
【0038】
上記態様及び例は、以降説明される実施形態から明らかになり、それらの実施形態を参照することによって解明される。
【0039】
以下において、例示的な実施形態を、添付の図面を参照して説明する。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1は、マルチスペクトル画像データの反復的物質分解のための装置10の一例を示す。装置10は、入力ユニット20と、処理ユニット30と、出力ユニット40とを備える。入力ユニット20は、身体部分を含む関心領域の複数のスペクトル画像を処理ユニット30に提供するように構成されている。入力ユニット20はまた、複数の物質の物質係数の複数のセットを処理ユニット30に提供するようにも構成されている。物質係数のセットに対して各物質係数は、対応する物質と関連付けられ、物質係数の各セットは、複数のスペクトル画像のうちの対応するスペクトル画像と関連付けられる。処理ユニット30は、以下を行うように構成されている。
i)複数のスペクトル画像の各スペクトル画像を、複数の物質画像及びオフセット画像に分解する。異なる物質画像は複数の物質のうちの異なる物質に対応し、物質画像は、対応する物質の物質係数に、異なる画像ロケーションにおける物質濃度を乗算した値によって表され、物質係数は、対応するスペクトル画像の物質係数のセットからの1つの物質係数である。
ii)各スペクトル画像について、更新された複数の物質画像及びオフセット画像を決定するために、身体部分に関係する少なくとも1つのトポロジー的制約に基づいて、各スペクトル画像の物質画像のうちの少なくとも1つを操作する。
iii)複数のスペクトル画像を再構成する。再構成される各スペクトル画像は、対応する更新された複数の物質画像及びオフセット画像から再構成される。
iv)複数の補正を決定するために、再構成スペクトル画像内の画像ロケーションにおける強度を、再構成前の対応するスペクトル画像内の画像ロケーションにおける強度と比較し、補正は画像ロケーションと関連付けられる。
v)対応する複数の補正の利用を含め、各スペクトル画像の更新された複数の物質画像を修正する。
vi)収束するまで,ii)〜v)を反復する。
【0042】
出力ユニット40は、収束時に再構成スペクトル画像のうちの少なくとも1つを出力すること、及び/又は、収束時に更新された物質画像のうちの少なくとも1つを出力することを行うように構成されている。
【0043】
一例において、複数のスペクトル画像は、2つ以上のスペクトル的に解像された画像の結合である画像を含む。したがって、この画像は、減衰又はスペクトル的に解像されていない画像であり得る。
【0044】
一例において、複数のスペクトル画像は、光電散乱全減衰係数画像及びコンプトン散乱全減衰係数画像などの、スペクトル画像から導出される複数の画像を含む。
【0045】
一例において、画像ロケーションはボリュームピクセル又はボクセルである。
【0046】
一例において、造影剤が、関心領域内に存在する。
【0047】
一例において、身体部分は、結腸又は結腸の一部分である。言い換えれば、マルチスペクトル画像分解は、トポロジー的制約を利用することによって反復的に使用され、身体部分が周囲の物質から分離されることを可能にする。このように、改善された電子結腸洗浄が可能にされる。
【0048】
一例において、身体部分は、腫瘍又はリンパ節である。したがって、造影剤が投入されるとき、腫瘍又はリンパ節の評価のために、造影剤の取り込みパターン及び強度を考慮することが重要である。ここで説明する反復的分解装置は、コントラスト物質画像が可能な限り精密に再構成されることを可能にする。
【0049】
一例によれば、複数のスペクトル画像の各スペクトル画像は、複数の物質画像及びオフセット画像の線形結合に分解される。
【0050】
一例によれば、第1のスペクトル画像と関連付けられるオフセットは、第2のスペクトル画像と関連付けられるオフセットとは異なる。
【0051】
一例によれば、処理ユニットは、再構成されている複数のスペクトル画像にガウス平滑化を適用するように構成されている。
【0052】
一例によれば、処理ユニットは、連結成分を決定するために、各スペクトル画像の物質画像のうちの少なくとも1つを分析するように構成されている。このとき、身体部分に関係する少なくとも1つのトポロジー的制約は、身体部分が少なくとも1つの連結成分から構成されることを含む。
【0053】
一例によれば、少なくとも1つの連結成分は単一の連結成分である。
【0054】
一例によれば、少なくとも1つのトポロジー的制約に基づいた物質画像のうちの少なくとも1つの操作は、少なくとも1つの連結成分のもの以外の物質係数をゼロに設定することを含む。
【0055】
一例によれば、少なくとも1つのトポロジー的制約に基づいた物質画像のうちの少なくとも1つの操作は、最大の連結成分のもの以外の物質係数をゼロに設定することを含む。
【0056】
一例によれば、処理ユニットは、再構成前のスペクトル画像内の対応する複数のロケーションにおける強度間の複数の勾配を計算するように構成されている。処理ユニットはまた、複数の勾配を再構成スペクトル画像とともに利用して、複数の勾配導出補正を決定するようにも構成されている。各スペクトル画像の更新された複数の物質画像の修正は、対応する複数の勾配導出補正の利用を含む。
【0057】
一例によれば、処理ユニットは、再構成前のスペクトル画像内の複数の第1のロケーションと複数の第2のロケーションとの間の強度の複数の勾配を決定するように構成されている。処理ユニットはまた、複数の勾配を再構成スペクトル画像内の複数の第1のロケーションに適用して、再構成スペクトル画像内の複数の第2のロケーションにおける複数の勾配導出強度を決定するようにも構成されている。複数の勾配導出補正の決定は、再構成画像内の複数の第2のロケーションにおける複数の勾配導出強度を、再構成スペクトル画像内の複数の第2のロケーションにおける複数の強度と比較することを含む。
【0058】
一例によれば、再構成画像内の複数の第2のロケーションにおける複数の勾配導出強度を、再構成スペクトル画像内の複数の第2のロケーションにおける複数の強度と比較することは、再構成スペクトル画像内の複数の第2のロケーションにおける複数の強度から、再構成画像内の複数の第2のロケーションにおける勾配導出強度を減算して、複数の強度補正を提供することを含む。各スペクトル画像の更新された複数の物質画像の修正は、対応する複数の強度補正によって再構成画像内の複数の第1の位置における複数の強度を補正することと、各スペクトル画像の更新された複数の物質画像の各物質画像について、補正されている強度に物質係数を乗算することとを含む。
【0059】
一例において、強度補正は、第1の位置における強度から減算され、結果もたらされる値が、各物質画像の物質係数と乗算される。
【0060】
一例によれば、複数のスペクトル画像の各スペクトル画像の複数の物質画像及びオフセット画像への分解は、複数のスペクトル画像内のロケーションにおける物質濃度の合計が1以下になるような濃度制約を施行することを含む。
【0061】
一例において、複数のスペクトル画像内のロケーションにおける物質濃度の合計が1よりも大きいとき、濃度制約の施行は、各物質濃度を物質濃度の合計で除算することを含む。
【0062】
一例において、複数のスペクトル画像の各スペクトル画像の複数の物質画像及びオフセット画像への分解は、濃度制約を施行することを含み、異なる画像ロケーションにおける物質濃度は1以上にならなければならない。
【0063】
図2は、マルチスペクトル画像データの反復的物質分解のための医療システム100の一例を示す。システムは、画像取得ユニット110と、
図1の任意の例に関連して説明したようなマルチスペクトル画像データの反復的物質分解のための装置10とを備える。画像取得ユニット110は、身体部分を含む関心領域の複数のスペクトルX線画像を取得するように構成されている。
【0064】
一例において、画像取得ユニットは、例えば、トモシンセシス装置など、X線撮像デバイスを含む。
【0065】
図3は、マルチスペクトル画像データの反復的物質分解のための方法200を、その基本ステップにおいて示す。方法200は、以下のステップを有する。
【0066】
ステップa)としても参照される提供ステップ210において、身体部分を含む関心領域の複数のスペクトル画像を提供する。
【0067】
ステップb)としても参照される提供ステップ220において、複数の物質の物質係数の複数のセットを提供する。物質係数のセットに対して各物質係数は、対応する物質と関連付けられ、物質係数の各セットは、複数のスペクトル画像のうちの対応するスペクトル画像と関連付けられる。
【0068】
ステップc)としても参照される分解ステップ230において、複数のスペクトル画像の各スペクトル画像を、複数の物質画像及びオフセット画像に分解する。異なる物質画像は、複数の物質の異なる物質に対応する。物質画像は、対応する物質の物質係数に、異なる画像ロケーションにおける物質濃度を乗算した値によって表され、物質係数は、対応するスペクトル画像の物質係数のセットからの1つの物質係数である。
【0069】
ステップe)としても参照される操作ステップ240において、各スペクトル画像について、更新された複数の物質画像及びオフセット画像を決定するために、身体部分に関係する少なくとも1つのトポロジー的制約に基づいて、各スペクトル画像の物質画像のうちの少なくとも1つを操作する。
【0070】
ステップf)としても参照される再構成ステップ250において、複数のスペクトル画像を再構成する。再構成される各スペクトル画像は、対応する更新された複数の物質画像及びオフセット画像から再構成される。
【0071】
ステップg)としても参照される比較ステップ260において、複数の補正を決定するために、再構成スペクトル画像内の画像ロケーションにおける強度を、再構成前の対応するスペクトル画像内の画像ロケーションにおける強度と比較する。補正は画像ロケーションと関連付けられる。
【0072】
ステップi)としても参照される修正ステップ270において、対応する複数の補正の利用を含め、各スペクトル画像の更新された複数の物質画像を修正する。
【0073】
ステップj)としても参照される反復ステップ280において、収束するまで、ステップe)〜i)を反復する。
【0074】
ステップk)としても参照される出力ステップ290において、収束時に再構成スペクトル画像のうちの少なくとも1つを出力すること、及び/又は、収束時に更新された物質画像のうちの少なくとも1つを出力することを行う。
【0075】
一例において、収束は、ステップg)において、修正後の物質画像内に小さい平均シフトが存在するときに発生する。
【0076】
一例において、複数のスペクトル画像の各スペクトル画像は、複数の物質画像及びオフセット画像の線形結合に分解される。
【0077】
一例において、第1のスペクトル画像と関連付けられるオフセットは、第2のスペクトル画像と関連付けられるオフセットとは異なる。
【0078】
一例において、再構成されている複数のスペクトル画像にガウス平滑化が適用される。
【0079】
一例において、方法は、連結成分を決定するために、各スペクトル画像の物質画像のうちの少なくとも1つを分析するステップd)(300)を有し、ステップe)は、身体部分が少なくとも1つの連結成分から構成されることを含む。
【0080】
一例において、少なくとも1つの連結成分は単一の連結成分である。
【0081】
一例において、ステップe)は、少なくとも1つの連結成分のもの以外の物質係数をゼロに設定することを含む。
【0082】
一例において、ステップe)は、最大の連結成分のもの以外の物質係数をゼロに設定することを含む。
【0083】
一例において、方法は、再構成前のスペクトル画像内の対応する複数のロケーションにおける強度間の複数の勾配を計算するステップh)(310)を有する。方法はこのとき、複数の勾配を再構成スペクトル画像とともに利用して、複数の勾配導出補正を決定するステップを有する。ステップi)はこのとき、対応する複数の勾配導出補正の利用を含む。
【0084】
一例において、ステップh)は、再構成前のスペクトル画像内の複数の第1のロケーションと複数の第2のロケーションとの間の強度の複数の勾配を決定することを含む。方法はこのとき、複数の勾配を再構成スペクトル画像内の複数の第1のロケーションに適用して、再構成スペクトル画像内の複数の第2のロケーションにおける複数の勾配導出強度を決定するステップを有する。このとき、複数の勾配導出補正の決定は、再構成画像内の複数の第2のロケーションにおける複数の勾配導出強度を、再構成スペクトル画像内の複数の第2のロケーションにおける複数の強度と比較することを含む。
【0085】
一例において、再構成画像内の複数の第2のロケーションにおける複数の勾配導出強度を、再構成スペクトル画像内の複数の第2のロケーションにおける複数の強度と比較するステップh)は、再構成スペクトル画像内の複数の第2のロケーションにおける複数の強度から、再構成画像内の複数の第2のロケーションにおける勾配導出強度を減算して、複数の強度補正を提供することを含む。ステップi)はこのとき、対応する複数の強度補正によって再構成画像内の複数の第1の位置における複数の強度を補正することと、各スペクトル画像の更新された複数の物質画像の各物質画像について、補正されている強度に物質係数を乗算することとを含む。
【0086】
一例において、ステップc)は、複数のスペクトル画像内のロケーションにおける物質濃度の合計が1以下になるような濃度制約を施行することを含む。
【0087】
このように、方法を適用するアルゴリズムは、身体部分の画像及びファントムに適用することができる。
【0088】
ここで、マルチスペクトル画像データの反復的物質分解のための装置、システム及び方法を、
図4〜
図7に関連してより詳細に説明する。
【0089】
装置は、要約すると、以下を行うアルゴリズムを実施する。
【0090】
アルゴリズムは、K個のスペクトル入力画像ボリュームを取り込み、それらをM個の物質画像ボリュームへと線形的に分解する。他の手法とは異なり、入力画像及び物質画像の数は、例えばK=2又はM=2に限定されない。他の手法とは異なり、分解は、各ボクセルについて独立しておらず、隣接関係(例えば、勾配)を考慮する。
【0091】
物質画像は、物質特有に操作される(例えば、タグ付けされた物質成分が消去又は取り除かれる)。特定のトポロジー的制約が適用され、解剖学的事前形状を使用したモルフォロジー演算が適用される。
【0092】
K個のスペクトル入力画像ボリュームが、M個の物質画像から再構成される。再構成画像は、ステップ(2)の操作によって(特定の用途に関して)改善することができる。
【0093】
したがって、例えば、3つの入力ボリューム/画像データセットは、80kV画像データ、120kV画像データ及び非エネルギー解像画像データであり得、この場合、K=3であるが、より多くの画像データセットがあり得、例えば、マルチスペクトルデータは、将来のマルチスペクトルシステムについて、3つ、4つ、さらには12以上など、2つを超えるエネルギーバンドを有する。さらに、80kV画像データ及び120kV画像データが入力として使用されるのではなく、入力は、例えば、例として減衰画像を有するコンプトン散乱画像データ及び光電効果画像データであり得る。その上、正則化を助けるために、エネルギー解像ボリュームのうちの1つ又は複数のエッジ保存平滑化の結果などの、追加の導出ボリュームも追加することができる。
【0094】
撮像対象物内の各点におけるデータは、例えば水、ヨウ素、PMMAなど、又は他の基底物質などの基底物質の線形結合として表すことができる。それゆえ、上記の例を続けると、撮像対象物内の点(ロケーション又はボクセル)における80kVデータは、C1*m1(80)+C2*m2(80)+C3*m3(80)+C4*m4(80)+オフセット(80)として表すことができる。ここで、m1、m2、m3、及びm4は基底物質であり、C1、C2、C3及びC4は、実質的に、撮像対象物内のその点におけるその物質の量である。それゆえ、この事例においては、4つの物質M=4及び追加のオフセットが存在し、したがって、M+1=(5)個の値となる。同様に、撮像対象物内のその点における120kVデータは、C1*m1(120)+C2*m2(120)+C3*m3(120)+C4*m4(120)+オフセット(120)として表すことができる。したがって、ここでもM+1=(5)個の値が得られる。同様に、第3のKデータセット、非エネルギー解像データについて、データは同様に表すことができる。それゆえ、値の総数は、撮像対象物内のその点についてK*(M+1)=15個の値である。
【0095】
したがって、K=3であるこの事例において、撮像対象物内の点における80kVデータ、120kVデータ及び非エネルギー解像データを表す3つの一次方程式が存在し、ここで、C1、C2、C3及びC4は、方程式の各セットにおいて同じであるが、m個の値及びオフセットは異なる。
【0096】
アルゴリズムのワークフローの詳細な記述
スペクトル入力画像k∈Kの各画像ボクセル値Iは、物質濃度c
iの線形結合として定式化され、i∈Kである。
【数1】
ここで、mは、非ボクセル特有の物質係数、すなわち、物質の特定の濃度cが特定のスペクトル画像タイプkに寄与する密度である。K×(M+1)個の物質係数が必要とされる。
【0097】
上記の式は、空気(m
a)、軟組織(m
s)及びタグ付けされているコントラスト(m
t)の物質、並びに追加の定数(m
c)(画像の暗電流又はDC成分と呼ばれることがある)による例を与える。
【0098】
一般性を損なうことなく、空気の密度をゼロに設定することができる。
【数2】
また、任意の数Mは導入される物質であり得る。
【数3】
【0099】
一般的に、スペクトル入力画像は、従来の(結合)画像、光効果画像、散乱効果画像、及び単一エネルギー画像の任意の結合であり得る(
図4〜
図5)。
【0100】
アルゴリズムは、K×(M+1)個の値を有する物質係数の最初の推測(例えば文献又は最後の分解からの値)によって開始する。
【0101】
各ボクセルについて、組成(又は濃度)ベクトルc
iが、K個の一次方程式を解くことによって導出される。各ボクセルについて解くべきM個の未知数が存在する。(この方程式系が劣決定系である場合、任意の選択される物質をc=0に設定することができる。)
【0102】
これによって、物質画像の最初の推測(フローチャート
図6の第1のエントリ)がもたらされる。代替的に、物質画像のそのような最初の推測は、それぞれの物質画像内で1に設定することができる、実質的に純粋な空気又は純粋なコントラスト物質、及び、0に設定することができるすべての他の値などの、特定のスペクトル画像内で非常に高い又は低い、固有に決定されるボクセルを考慮することによって確立することができる。
【0103】
一般的に、各物質画像は、各ボクセルについて濃度値c=0..1を含む。
【0104】
すべてのボクセルについて(又は代替的に大きい画像領域について)、線形方程式系が、物質係数m
kiについて解かれる。ここで、N個のボクセルからの多数N個の方程式が存在するが、K×(M+1)個の未知数はほんのわずかであり、結果、最良に適合する大域最小二乗偏差(又はL1ノルム)を効率的に求めることができる。
【0105】
スペクトル画像は、物質係数の現在の推定値及び各スペクトル画像の各ボクセルの線形結合を使用して、物質画像の現在の推定値から合成される。
【0106】
各合成スペクトル画像へのPSFの適用(例えば、ガウス平滑化による)。マルチスペクトル及び減衰データを取得するために使用されるスキャナは、制限された空間解像度を有し、これは、点広がり関数(PSF)として表すことができる。すなわち、隣接するボクセルが互いへと流出するため、方程式はもはや各ボクセルについて真に線形ではない。それゆえ、PSFは、(観察されているエネルギー画像を逆畳み込みしようとするのではなく)ガウス平滑化を合成エネルギー画像に適用することによって、前進モデリングにおいてシミュレートされる。
【0107】
合成スペクトル画像を元のスペクトル画像k∈Kと比較することによって、各ボクセルの偏差ΔI
kがもたらされる。これまでのスペクトル画像の合成値と元の値との間の偏差のこの計算はすべてのボクセルについて行われるが、(任意選択的に)付加的に隣接するボクセルと中央ボクセルとの間のすべての勾配について実行することができる。ここで、元の勾配と合成勾配との間の相違が計算される。各勾配相違は中央ボクセルに起因する。
【0108】
物質画像が正しく仮定された場合、それらは観測強度を「説明」することが可能であるだけでなく、ボクセル間の観測勾配も説明することが可能であるはずである。それゆえ、強度に加えて、勾配も比較することができる。
【0109】
位置xにあるボクセルと、位置x’にあるその隣接ボクセルとの間の観測勾配g(x,x’)を、以下のようにする。
g(x,x’)=o(x)−o(x’)
ここで、oは特定のスペクトル画像k内の観測強度である。このとき、合成強度sは合成隣接強度s(x’)+観測勾配に等しくなるはずであると期待される。
s(x)!=s(x’)+g(x,x’)
【0110】
それゆえ、均等s(x)−(s(x’)+g(x,x’))からの任意の偏差が、中央ボクセルs(x)に対する補正Dsとして逆投影される。
Ds=−gamma*(s(x)−(s(x’)+g(x,x’)))
【0111】
この補正は、現在の物質係数推定値mに比例する特定の物質iに変換する。
Dc
i=−gamma*(s(x)−(s(x’)+g(x,x’)))*m
i
【0112】
合成強度は、観測強度に等しくなるはずである。それゆえ、合成強度が高すぎる場合、物質濃度推定値は低下されるはずであり、逆も同様である。さらに、物質濃度は、物質係数mに比例して変化するはずである。補正ステップは、数値的に安定した低速の収束を可能にするために、小さい一定のガンマによってのみ適用される。
【0113】
ここで、要約する点5における、説明されている状況を、より詳細に説明する。物質画像kの各々に対する各ボクセルの偏差(相違)
【数4】
の逆伝播が、勾配∇D
k=(∂D
k/∂c
i)の負の方向に従うことによって行われ、その成分は、濃度c
iに関する偏導関数から構成される。
【数5】
【0114】
その後、各濃度が、以下によって反復的に更新される。
【数6】
【0115】
濃度制約c
i≧0及びΣc
i≦1.0が物質画像に対して施行され、すなわち、濃度c
iにわたる合計が1.0よりも大きい場合、すべてのc
iをΣc
iで除算する。
【0116】
物質特有のトポロジー的制約が、物質画像に対して施行される。(例えば、軟組織は、トポロジー的に単純な連結成分でなければならない。したがって、軟組織の「浮遊」する島は解剖学的に現実的ではなく、穴(ハンドル)も現実的ではない。)物質特有のモルフォロジー演算が、物質画像に対して適用される。(例えば、エッジ保存平滑化の適用、薄い遷移層の除去、解剖学的事前形状の強調、特定の空間周波数成分のフィルタリングなど)。例えば、反復の各ステップにおいて、物質ボリュームの1つである結腸壁画像ボリュームが、連結成分に関して分析される。条件は、結腸壁が単一の連結成分であることである。より分離した成分が存在する場合、最も大きいものを除くすべての成分が消去される、すなわち、次の反復について、物質濃度値がゼロに設定される。
【0117】
収束、すなわち、物質画像及び物質係数の小さい平均シフトまで、ステップ(1)において再開し、このプロセスを反復する。
【0118】
仮想内視鏡レンダリングのボリュームレンダリングのための入力として洗浄された画像を得るために、2つの選択肢が存在する(
図7)。
【0119】
コントラストによってタグ付けされた物質の物質画像が洗浄された(すべてのボクセルについて0に設定された)後、合成スペクトル画像の1つを取り込む。
【0120】
タグ付けされた物質の画像(例えば軟組織物質画像)以外の物質画像のうちの1つ(又は物質画像の適切な線形結合)を取り込む。
【0121】
上記の手法は、以下の利点を提供する。
【0122】
反復的手法は、部分的なボリューム効果(1ボクセル内のPVE)を考慮するだけでなく、その上、隣接条件及び演算(勾配、点広がり関数(PSF)、解剖学的事前形状、トポロジー的制約)を含むことを可能にする。
【0123】
非冗長情報を追加する、任意の数のマルチスペクトル入力画像タイプを使用することができる(例えば、従来の画像、光効果画像、散乱効果画像、ノイズ画像、任意の仮想単一エネルギー画像)。
【0124】
マルチスペクトル入力は、任意の数の物質画像に分解することができる(隣接するボクセルが追加の情報を含むため)。
【0125】
改良された物質分解は、電子洗浄の改善をもたらす。
【0126】
アルゴリズムは(例えば、GPU上での)超並列実装を可能にする。
【0127】
別の例示的な実施形態において、適切なシステム上で、先行する実施形態のうちの1つによる方法のステップを実行するように構成されていることを特徴とするコンピュータプログラム又はコンピュータプログラム要素が提供される。それゆえ、コンピュータプログラム要素は、同じく一実施形態の一部であり得る、コンピュータユニット上に記憶され得る。このコンピューティングユニットは、上述した方法のステップを実施するか、又は、実施を誘導するように構成される。その上、コンピューティングユニットは、上述した装置及び/又はシステムの構成要素を操作するように構成される。コンピューティングユニットは、自動的に動作し、及び/又は、ユーザの命令を実行するように構成することができる。コンピュータプログラムが、データプロセッサの作業メモリにロードされる。したがって、データプロセッサは、先行する実施形態のうちの1つによる方法を実行するように装備される。
【0128】
本発明のこの例示的な実施形態は、最初から本発明を使用するコンピュータプログラムと、更新によって既存のプログラムを、本発明を使用するプログラムにするコンピュータプログラムの両方をカバーする。
【0129】
さらに、コンピュータプログラム要素は、上述したような方法の例示的な実施形態の手順を満たすのに必要なすべてのステップを提供することが可能であり得る。
【0130】
本発明のさらなる例示的な実施形態によれば、CD−ROMなどのコンピュータ可読媒体が提示され、コンピュータ可読媒体は、コンピュータプログラム要素を記憶しており、コンピュータプログラム要素は、先行する節によって説明されている。
【0131】
コンピュータプログラムは、他のハードウェアとともに又はその一部として供給される光記憶媒体又はソリッドステート媒体のような、適切な媒体上に記憶及び/又は分散されるが、インターネット又は他の有線若しくはワイヤレス電気通信システムを介してなど、他の形態で分散されてもよい。
【0132】
しかしながら、コンピュータプログラムはまた、ワールドワイドウェブのようなネットワークを介して提示されてもよく、そのようなネットワークからデータプロセッサの作業メモリにダウンロードすることができる。本発明のさらなる例示的な実施形態によれば、コンピュータプログラム要素をダウンロードに利用可能にする媒体が提供され、コンピュータプログラム要素は、本発明の前述の実施形態のうちの1つによる方法を実施するように構成されている。
【0133】
本発明の実施形態は、複数の異なる主題を参照して説明されていることに留意されたい。特に、いくつかの実施形態は、方法タイプの請求項を参照して説明されており、一方、他の実施形態は、装置タイプの請求項を参照して説明されている。しかしながら、当業者は、上記及び以下の説明から、別途注記されない限り、1つのタイプの主題に属する特徴の任意の組み合わせに加えて、異なる主題に関係する特徴間の任意の組み合わせも、本出願によって開示されるとみなすことになる。しかしながら、すべての特徴を組み合わせて、特徴を単純に加えることを超える相乗効果を提供することができる。
【0134】
図面及び上記の説明において本発明が詳細に図解及び説明されているが、そのような図解及び説明は限定ではなく実例又は例示と考えられるべきである。本発明は開示されている実施形態に限定されるものではない。当業者は、図面、本開示、及び従属請求項を研究することから、特許請求されている本発明を実践することにおいて、開示されている実施形態に対する他の変形形態を理解し、実行することができる。
【0135】
特許請求の範囲において、「備える」という単語は、他の要素又はステップを除外せず、単数形は複数を除外しない。単一のプロセッサ又は他のユニットが、特許請求の範囲内で記載されているいくつかの項目の機能を満たす。特定の方策が相互に異なる従属請求項に記載されているというだけのことは、これらの方策の組み合わせを好都合に使用することができないということを示すものではない。特許請求の範囲内の任意の参照符号は、それらの範囲を限定されるようには解釈されないものとする。