特許第6918262号(P6918262)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6918262グローブ型マスクおよびグローブ型マスク体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6918262
(24)【登録日】2021年7月26日
(45)【発行日】2021年8月11日
(54)【発明の名称】グローブ型マスクおよびグローブ型マスク体
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20210729BHJP
   A41D 19/01 20060101ALI20210729BHJP
【FI】
   A41D13/11 A
   A41D19/01
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2021-33585(P2021-33585)
(22)【出願日】2021年3月3日
【審査請求日】2021年3月4日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521091608
【氏名又は名称】村上 正法
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】特許業務法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村上 正法
【審査官】 塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】 特許第6344875(JP,B1)
【文献】 中国実用新案第206390350(CN,U)
【文献】 登録実用新案第3074516(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3042084(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/11
A62B 18/02
A41D 19/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに略同一形状である第1シート材と第2シート材とを重ね合わせ、それらの間に中空部を形成するように前記第1シート材及び前記第2シート材の外周側縁部どうしを互いに接合することで略扁平な袋体状に構成された布接合体を有する、グローブ型マスクであって、
前記布接合体のうち一方側に設けられ、前記中空部に使用者の片手を挿入するための開口部と、
前記布接合体のうち他方側に設けられ前記片手の5本の指のうち親指以外の4本の指が挿入される覆い部であって、前記覆い部に前記4本の指が挿入されて前記使用者の顔の前にかざされるかざし状態において、前記使用者の前記顔のうち少なくとも口及び鼻を覆うように構成された、覆い部と、
前記布接合体のうち前記覆い部から別方向に分岐するように設けられ前記片手の親指が挿入される把持部であって、前記把持部に挿入された前記親指を曲げることにより前記覆い部に挿入された前記4本の指との協働によって被把持物を把持可能に構成された把持部と、
前記布接合体の外部において、互いに分岐して別方向をそれぞれ向く前記把持部と前記覆い部との間に略V字状に形成される露出部であって、前記覆い部により前記使用者の前記口及び鼻が覆われた前記かざし状態において前記顔のうち片目を露出させるように構成された露出部と、
前記布接合体を構成する前記第1シート材及び前記第2シート材のうち前記かざし状態において前記顔に対面する側のシート材に設けられ、前記使用者の前記口からの呼気に含まれる飛散物の飛散を抑制する飛散抑制部と、
を有することを特徴とするグローブ型マスク。
【請求項2】
請求項1記載のグローブ型マスクにおいて、
前記開口部を介し前記中空部に前記使用者の左手が挿入され、前記かざし状態において前記露出部が前記使用者の左目を露出するように構成されるか、
若しくは、
前記開口部を介し前記中空部に前記使用者の右手が挿入され、前記かざし状態において前記露出部が前記使用者の右目を露出するように構成されている
ことを特徴とするグローブ型マスク。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のグローブ型マスクにおいて、
前記飛散抑制部は、
前記顔に対面する側のシート材に設けられた吸湿処理部及び抗菌処理部のうち少なくとも一方を含む
ことを特徴とするグローブ型マスク。
【請求項4】
請求項3記載のグローブ型マスクにおいて、
前記飛散抑制部は、
前記顔に対面する側のシート材に、着脱可能に設けられる
ことを特徴とするグローブ型マスク。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のグローブ型マスクにおいて、
前記布接合体のうち、前記開口部の縁部近傍でかつ前記把持部と反対側の部位に、吊り掛け具を設けた
ことを特徴とするグローブ型マスク。
【請求項6】
互いに略同一形状である第1シート材と第2シート材とを重ね合わせ、それらの間に中空部を形成するように前記第1シート材及び前記第2シート材の外周側縁部どうしを互いに接合することで略扁平な袋体状に構成された布接合体をそれぞれ有する、左手用のグローブ型マスク及び右手用のグローブ型マスクからなるグローブ型マスク体であって、
前記左手用のグローブ型マスク及び前記右手用のグローブ型マスクのそれぞれは、
前記布接合体のうち一方側に設けられ、前記中空部に使用者の手を挿入するための開口部と、
前記布接合体のうち他方側に設けられ前記手の5本の指のうち親指以外の4本の指が挿入される覆い部であって、前記覆い部に前記4本の指が挿入されて前記使用者の顔の前にかざされるかざし状態において、前記使用者の前記顔のうち少なくとも口及び鼻を覆うように構成された、覆い部と、
前記布接合体のうち前記覆い部から別方向に分岐するように設けられ前記手の親指が挿入される把持部であって、前記把持部に挿入された前記親指を曲げることにより前記覆い部に挿入された前記4本の指との協働によって被把持物を把持可能に構成された把持部と、
前記布接合体の外部において、互いに分岐して別方向をそれぞれ向く前記把持部と前記覆い部との間に略V字状に形成される露出部であって、前記覆い部により前記使用者の前記口及び鼻が覆われた前記かざし状態において前記顔のうち少なくとも片目を露出させるように構成された露出部と、
前記布接合体を構成する前記第1シート材及び前記第2シート材のうち前記かざし状態において前記顔に対面する側のシート材に設けられ、前記使用者の前記口からの呼気に含まれる飛散物の飛散を抑制する飛散抑制部と、
を有し、
前記左手用のグローブ型マスクは、
前記開口部を介し前記中空部に前記使用者の左手が挿入され、前記かざし状態において前記露出部が前記使用者の左目を露出するように構成されており、
前記右手用のグローブ型マスクは、
前記開口部を介し前記中空部に前記使用者の右手が挿入され、前記かざし状態において前記露出部が前記使用者の右目を露出するように構成されている
ことを特徴とするグローブ型マスク体。
【請求項7】
請求項6記載のグローブ型マスク体において、
前記左手用のグローブ型マスク及び前記右手用のグローブ型マスクを互いに着脱可能に連結する連結部をさらに有する
ことを特徴とするグローブ型マスク体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グローブ型マスクおよびグローブ型マスク体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、顔に装着できる立体不織布マスクが知られている(例えば、特許文献1参照)。この従来技術のマスクは、装着者の顔へのフィット性に優れ、ウイルス等に対するフィルタ効果を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3221095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術のマスクは、マスクに設けられた掛け紐を耳にかけて装着するものであるため、飲食時には飲み物や食べ物を口に運ぶためにマスクを外したままでいる必要があった。そのため飲食中は口からのウイルス等の飛散を防止することが困難であった。
【0005】
本発明の目的は、複数人で飲食を楽しむ時において、ウイルス等の飛散防止のマスクとしての機能を維持しつつ、飲食時におけるグラスや食器の把持を行うことができるグローブ型マスクおよびグローブ型マスク体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願発明は、互いに略同一形状である第1シート材と第2シート材とを重ね合わせ、それらの間に中空部を形成するように前記第1シート材及び前記第2シート材の外周側縁部どうしを互いに接合することで略扁平な袋体状に構成された布接合体を有する、グローブ型マスクであって、前記布接合体のうち一方側に設けられ、前記中空部に使用者の片手を挿入するための開口部と、前記布接合体のうち他方側に設けられ前記片手の5本の指のうち親指以外の4本の指が挿入される覆い部であって、前記覆い部に前記4本の指が挿入されて前記使用者の顔の前にかざされるかざし状態において、前記使用者の前記顔のうち少なくとも口及び鼻を覆うように構成された、覆い部と、前記布接合体のうち前記覆い部から別方向に分岐するように設けられ前記片手の親指が挿入される把持部であって、前記把持部に挿入された前記親指を曲げることにより前記覆い部に挿入された前記4本の指との協働によって被把持物を把持可能に構成された把持部と、前記布接合体の外部において、互いに分岐して別方向をそれぞれ向く前記把持部と前記覆い部との間に略V字状に形成される露出部であって、前記覆い部により前記使用者の前記口及び鼻が覆われた前記かざし状態において前記顔のうち片目を露出させるように構成された露出部と、前記布接合体を構成する前記第1シート材及び前記第2シート材のうち前記かざし状態において前記顔に対面する側のシート材に設けられ、前記使用者の前記口からの呼気に含まれる飛散物の飛散を抑制する飛散抑制部と、を有することを特徴とする。
【0007】
本願発明のグローブ型マスクにおいては、複数人で飲食を楽しむ時において、飛散防止のマスクとしての機能を維持しつつ、飲食時におけるグラスや食器の把持を行うことができる。
【0008】
すなわち、友人又は知人等と飲食を楽しむ際における、飲み物を飲むタイミングや食べ物を口に運ぶタイミングでは一種の手袋として使用し、把持部に挿入した親指を曲げつつ、覆い部に挿入した4本の指との協働によって、グラスや食器等を把持することができる(把持状態)。一方、飲み物を飲むタイミングや食べ物を口に運ぶタイミング以外のタイミングでは一種のマスクとして使用し、覆い部を使用者の顔の前にかざし少なくとも口及び鼻を覆うようにする(かざし状態)。これにより、そのかざし状態で会話をしたとしても口からの飛散物の飛散を防止することができる。
【0009】
飲食の際には、使用者がかざし状態と上記把持状態との素早い切り替えを繰り返すことで、飛散防止を図りつつ飲み物を飲む(又は食べ物を口に運ぶ)ことができ、飲食に支障をきたさない。これにより、通常のマスクを使用する場合のようにマスクが外しっぱなしになって飛散防止を全く図れなくなるのを防止し、確実な感染予防を図ることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数人で飲食を楽しむ時において、ウイルス等の飛散防止のマスクとしての機能を維持しつつ、飲食時におけるグラスや食器の把持を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態によるグローブ型マスクを左手に装着して使用者の顔の前にかざしたかざし状態を表す斜視図である。図である。
図2】本発明の一実施形態によるグローブ型マスクを右手に装着して使用者の顔の前にかざしたかざし状態を表す斜視図である。
図3】本発明の一実施形態によるグローブ型マスク体を連結して使用者の顔の前にかざしたかざし状態を表す斜視図である。
図4】飛散抑制部に吸湿処理部及び抗菌処理部のうち少なくとも一方を含む変形例によるグローブ型マスクの詳細構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
図1に、本実施形態のグローブ型マスクを左手に装着して使用者の顔の前にかざしたかざし状態を示す。
【0013】
グローブ型マスク1は互いに略同一形状である第1シート材と第2シート材とを重ね合わせ、それらの間に中空部を形成するように前記第1シート材及び前記第2シート材の外周側縁部どうしを互いに接合することで略扁平な袋体状に構成された布接合体を有する。第一シート材および第2シート材は、各種の布材や紙材により構成することができ、例えば縫製などによって接合されている。第一シート材および第2シート材はそれぞれ平面であってもよいし、完全な平面でなく中空部の構造に合わせて立体的な丸みを有していたり、シワなどを有した状態で接合されていてもよい。グローブ型マスク1は前記布接合体以外の紐やマジックテープ(登録商標)等をさらに備えていてもよい。なお、この図においては前記布接合体はグローブ型マスク1そのものの形状と一致する(ただし吊り掛け具7を除く)。
【0014】
使用者Mは前記布接合体のうち手首側に設けられた開口部2を介して前記中空部に左手を挿入し、顔の前にかざしているかざし状態にある。使用者Mの左手の5本の指のうち親指以外の4本の指は、前記布接合体の覆い部3に挿入されている。覆い部3は、前記かざし状態において使用者Mの口、鼻及び右目を覆うように構成されている。
【0015】
使用者Mの左手の親指は、前記布接合体の把持部4に挿入されている。把持部4は、前記布接合体のうち覆い部3から別方向に分岐するように設けられ、前記親指を曲げることにより覆い部3に挿入された前記4本の指との協働によってグラス、箸、フォークやスプーン等の被把持物を把持可能に構成されている。
【0016】
露出部5は、前記布接合体の外部において、互いに分岐して別方向をそれぞれ向く把持部4と覆い部3との間に略V字状に形成される。露出部5は、前記かざし状態において使用者Mの左目を露出させるように構成されている。
【0017】
飛散抑制部6は、グローブ型マスク1の前記布接合体を構成する前記第1シート材及び前記第2シート材のうち前記かざし状態において使用者Mの顔に対面する側のシート材に設けられ、前記使用者の前記口からの呼気に含まれる飛散物の飛散を抑制する。
【0018】
飛散抑制部6の領域は、使用者Mの顔に対面する側のシート材の表面の全面であってもよく、シート材の任意の一部の領域であってもよい。この例では、使用者Mの顔に対面する側のシート材の略全表面を飛散抑制部6として図示している。飛散抑制部6は、前記シート材を未処理のまま用いることもできるし、前記シート材に抗菌処理、その他特殊加工等の処理を施してもよい。ガーゼ等の別の部材を飛散抑制部6として前記シート材に接合してもよい。
【0019】
グローブ型マスク1は前記布接合体のうち、開口部2の縁部近傍でかつ把持部4と反対側の部位に、吊り掛け具7を備えてもよい。
【0020】
図2に、本実施形態のグローブ型マスク1を右手に装着して使用者Mの顔の前にかざしたかざし状態を示す。開口部2を介して使用者Mの右手がグローブ型マスク1に備えられた布接合体の中空部に挿入されている。使用者Mの右手の親指が把持部4に挿入され、親指以外の4本の指が覆い部3に挿入され、覆い部3が使用者Mの鼻、口及び左目を覆っている。また、露出部5により、使用者Mの右目が露出されている。グローブ型マスク1の前記布接合体を構成する第1シート材と第2シート材のうち使用者Mの顔に対面する側の前記シート材の表面に飛散抑制部6が備えられている。
【0021】
図3に、本実施形態のグローブ型マスク体10の構成を示す。グローブ型マスク体10は、左手用のグローブ型マスク8と、右手用のグローブ型マスク9とからなる。左手用のグローブ型マスク8と右手用のグローブ型マスク9とは、互いに略同一形状である第1シート材と第2シート材とを重ね合わせ、それらの間に中空部を形成するように前記第1シート材及び前記第2シート材の外周側縁部どうしを互いに接合することで略扁平な袋体状に構成された布接合体をそれぞれ有する。
【0022】
使用者Mは、左手用のグローブ型マスク8の開口部2を介して左手を前記布接合体の中空部に挿入し、右手用グローブ型マスク9の開口部2を介して右手を前記布接合体の中空部に挿入し、両手を顔の前にかざしたかざし状態にある。右手用グローブ型マスク9の覆い部3により使用者Mの鼻及び口が覆われている。把持部4に挿入された親指を曲げることにより覆い部3に挿入された4本の指との協働によってグラス等を把持可能に構成されている。左手用グローブ型マスク8も同様の構成になっている。左手用グローブ型マスク8の露出部5により、使用者Mの左目が露出されている。同様に、右手用グローブ型マスク9の図示されない露出部により、使用者Mの右目が露出されている。
【0023】
左手用グローブ型マスク8と右手用グローブ型マスク9はそれぞれ、前記布接合体を構成する前記第1シート材及び前記第2シート材のうち前記かざし状態において使用者Mの顔に対面する側のシート材上に、前記使用者の前記口からの呼気に含まれる飛散物の飛散を抑制する飛散抑制部を備えている。
【0024】
グローブ型マスク体10は、左手用のグローブ型マスク8及び前記右手用のグローブ型マスク9を互いに着脱可能に連結する連結部11をさらに備えていてもよい。連結部11は、例えば、左手用のグローブ型マスク8及び前記右手用のグローブ型マスク9の両方、もしくはどちらか一方に備えられたマジックテープ(登録商標)である。そのほか、例えばホックやボタンなどを用いて連結部を形成してもよい。
【0025】
<実施形態の効果>
以上のように、本実施形態に係るグローブ型マスク1によれば、複数人で飲食を楽しむ時において、飛散防止のマスクとしての機能を維持しつつ、飲食時におけるグラスや食器の把持を行うことができる。すなわち、友人又は知人等と飲食を楽しむ際における、飲み物を飲むタイミングや食べ物を口に運ぶタイミングでは一種の手袋として使用し、把持部4に挿入した親指を曲げつつ、覆い部3に挿入した4本の指との協働によって、グラスや食器等を把持することができる(把持状態)。一方、飲み物を飲むタイミングや食べ物を口に運ぶタイミング以外のタイミングでは一種のマスクとして使用し、覆い部3を使用者Mの顔の前にかざし少なくとも口及び鼻を覆うようにする(かざし状態)。これにより、そのかざし状態で会話をしたとしても口からの飛散物の飛散を防止することができる。
【0026】
飲食の際には、使用者Mがかざし状態と上記把持状態との素早い切り替えを繰り返すことで、飛散防止を図りつつ飲み物を飲む(又は食べ物を口に運ぶ)ことができ、飲食に支障をきたさない。これにより、通常のマスクを使用する場合のようにマスクが外しっぱなしになって飛散防止を全く図れなくなるのを防止し、確実な感染予防を図ることができる。
【0027】
その他、布や紙で形成されたグローブ型マスク1を折り畳んで持ち運びハンカチのように使うこともできる。また、グローブ型マスク1は特殊な製造装置を用いなくても製造できるので、飲食店舗等がキッチンペーパーなどの裏表を貼り合わせる等の簡易的な方法で安価に大量に自主制作することが可能である。また、例えば薄手の素材を用いて製造し、グラス等をつかみやすくするなどの設計が可能である。さらに、布や紙の素材や柄などを自由にデザインすることができ、使用者の好みに合わせたファッション性を付加できる。
【0028】
さらに、左手装着型のグローブ型マスク8においては、使用者Mの手のひら中央部を口の真ん前に持ってきて顔の前にかざすことで左目が露出部5の前に位置し、無理のない態勢で左目により自然な前方視界を得ることができる。
右手装着型のグローブ型マスク9においては、使用者Mの手のひら中央部を口の真ん前に持ってきて顔の前にかざすことで右目が露出部5の前に位置し、無理のない態勢で右目により自然な前方視界を得ることができる。
【0029】
さらに、吊り掛け具7によって、不使用時にグローブ型マスク1を適宜の箇所に掛けておくことができる。使用前の多数のグローブ型マスク1を1箇所に束ねて吊り下げておくこともできる。
【0030】
また、本実施形態に係るグローブ型マスク体10は、両手に装着可能であり、飲食時に一方の手でかざし状態を行うと同時に、もう一方の手でグラス等の把持状態を行うことができる。また、両方の手でかざし状態を行うこともできる。さらに、左手装着型のグローブ型マスク8と右手装着型のグローブ型マスク9の2つを連結した状態で両手を2つのグローブ型マスク内にそれぞれ指し入れ、両手を顔の前で合わせることで、使用者の顔を幅広く覆うことができる。この結果、飛散防止の面で万全を期すことができる。
【0031】
<変形例>
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0032】
(1)飛散抑制部が吸湿部及び抗菌処理部のうち少なくとも一方を含む場合
図4に、本変形例のグローブ型マスク1の詳細構造を示す。グローブ型マスク1の布接合体を構成する第1シート材および第2シート材のうち、使用者Mの顔に対面する側のシート材の表面に飛散抑制部6が設けられている。この図では、左手に装着する用のグローブ型マスク1を飛散抑制部6が設けられたシート材の側から見た図になっている。
【0033】
飛散抑制部6は吸湿部12及び抗菌処理部13のうち少なくとも一方を含んでいる。吸湿部12は例えばガーゼや脱脂綿等を用いることができる。抗菌処理部13は例えば、吸湿部12として備えられたガーゼや脱脂綿等に抗菌成分を抗菌処理したものを用いることができる。吸湿部12及び抗菌処理部13は前記布接合体の顔に対面する側のシート材に接着されていてもよいが、この例では、マジックテープ(登録商標)などを用いた接合部14により吸湿部12及び抗菌処理部13の少なくとも一方がシート材に着脱可能に接合されている。飛散抑制部6、吸湿部12、抗菌処理部13の形状や面積はこの例に限定されるものではなく、適宜変更可能である。また接合部14の構造も適宜公知の接合方法を用いることができる。前記抗菌成分としては特に制限されないがアルコールや銀等の金属成分等を適宜使用できる。
【0034】
飛散抑制部6が吸湿部12及び抗菌処理部13のうち少なくとも一方を含むことにより、飛散抑制部6をただのシート材で構成する場合よりも、飛散防止効果を向上させることができる。また、飛散抑制部6を着脱可能とすることで、飛散抑制部6が汚れた場合に容易に取り替えることができる。
【0035】
(2)グローブ型マスクの表面にメッセージを入れる場合
グローブ型マスク1またはグローブ型マスク体10に備えられた布接合体の生地の表面の任意の場所に、メッセージを表記することができる。例えば”食後は通常のマスクを”等と表記することで飲食後の飛沫防止行動について注意喚起を促すことができる。
【0036】
なお、以上の説明において、外観上の寸法や大きさが「同一」「等しい」「異なる」等の記載がある場合は、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「同一」「等しい」「異なる」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に同一」「実質的に等しい」「実質的に異なる」という意味である。
【0037】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0038】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0039】
1 グローブ型マスク
2 開口部
3 覆い部
4 把持部
5 露出部
6 飛散抑制部
7 吊り掛け具
8 左手用のグローブ型マスク
9 右手用のグローブ型マスク
10 グローブ型マスク体
11 連結部
12 吸湿処理部
13 抗菌処理部
14 接合部
【要約】
【課題】複数人で飲食を楽しむ時において、ウイルス等の飛散防止のマスクとしての機能を維持しつつ、飲食時におけるグラスや食器の把持を行うことができるグローブ型マスクおよびグローブ型マスク体を提供する。
【解決手段】
グローブ型マスク1は、使用者Mの片手を挿入するための開口部2と、前記片手の5本の指のうち親指以外の4本の指が挿入される覆い部3であって、前記覆い部3に前記4本の指が挿入されて前記使用者Mの顔の前にかざされるかざし状態において、前記使用者Mの前記顔のうち少なくとも口及び鼻を覆うように構成された、覆い部3と、被把持物を把持可能に構成された把持部4と、前記かざし状態において前記顔のうち片目を露出させるように構成された露出部5と、前記使用者Mの前記口からの呼気に含まれる飛散物の飛散を抑制する飛散抑制部6と、を有する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4