(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数配設された歩車道境界ブロックの対向面は、前記歩道側エプロン部と車道側エプロン部のうち、短く形成された一方側の隙間が無く、長く形成された他方側に隙間を有することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の歩車道境界構造体。
複数配設された歩車道境界ブロックの対向面は、前記歩道側エプロン部と車道側エプロン部のうち、長く形成された他方側の隙間が無く、短く形成された一方側に隙間を有することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の歩車道境界構造体。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
本実施形態は、本発明の一実施形態にすぎず、何等これに限定解釈されるものではなく、本発明の範囲内で設計変更可能である。
図1乃至
図11は第一実施形態、
図12乃至
図13は第二実施形態、
図14は比較例、
図15は第三実施形態、
図16は第四実施形態をそれぞれ示す。
図1及び
図2は、道路の長さ方向(図中、符号L1で示す方向)にわたって配設される側溝などの所定の排水路(所定長さ領域にわたって排水機能を有する構造を全て含む)30上に、本発明の第一実施形態の歩車道境界ブロック100と第四実施形態の歩車道境界ブロック200とともに、その他の歩車道境界ブロック300,400,500を複数配設することにより、歩道と車道の境界となる本発明の道路構造物(歩車道境界構造)Aの実施の一形態を部分的に示す概略図である。それぞれの歩車道境界ブロック100,200,300,400,500は、道路の長さ方向(図中、矢印L1にて示す方向)にわたって所定の勾配(縦断勾配)をもって敷設されている。
【0012】
「第一実施形態」
本実施形態では、
図3に示す歩道切下部タイプの歩車道境界ブロック100を示し、歩車道境界ブロック100は、所定の成形型内にコンクリート材料を流し込んで、歩道と車道の境界を示す境界部(以下、突起部という)12と、突起部12の車道側に配され水平方向に突出する平坦板状のエプロン部14a、突起部12の歩道側に配され水平方向に突出する平坦板状のエプロン部14bとを備えて一体成形されたコンクリート二次成形品本体10と、コンクリート二次成形品本体10に一体成形される集水溝部16及び排水孔部18とで構成されている(
図3乃至
図9)。
【0013】
突起部12は、先端(上端)に備えられる平坦部12bと、平坦部12bの車道側および歩道側にそれぞれ一体に、先端(平坦部12b)に向けて徐々に幅が小さくなる先窄まり形状の一対の肩部12c,12cとによって、所定長さの断面視台形状に形成されている。
また、突起部12の高さ(一対の肩部12c,12cの高さ)は、歩行者が踏み越え容易な高さに設定される。例えば、本実施形態では、約20mmに設定されている。一対の肩部12c,12cが形成される先窄まり形状の角度は、歩行者が踏み越え容易になだらかな角度に設定される。例えば、本実施形態では、約45度に設定されている。また、突起部12と一対の肩部12c,12cとの接点(肩部12c,12cの先端)は面取り加工が施されることにより滑らかに接続している。なお、突起部12の形状・高さなどは、車道と歩道を行き来する歩行者が踏み越え容易であれば任意であって本発明の範囲内で設計変更可能である。
【0014】
車道側エプロン部14a(
図3及び
図5及び
図6で向かって左側のエプロン部)は、突起部12の車道側側面から水平方向に一体に車道に向けて突出するとともに歩道に沿って設けられ、歩道側エプロン部14b(
図3及び
図5及び
図6で向かって左側のエプロン部)は、突起部12の車道側側面から水平方向に一体に歩道に向けて突出するとともに歩道に沿って設けられ、いずれの車道側エプロン部14a,歩道側エプロン部14bも平坦状で同一幅の平面視略矩形状に形成されている。
また、本実施形態では、車道側エプロン部14aの車道に沿った縁辺15a
図4で上側の辺)と、歩道側エプロン部14bの歩道に沿った縁辺15b(
図4で下側の辺)とは平行に形成されている。なお、車道側エプロン部14aと歩道側エプロン部14bは互いに相似する形状に形成されている。
【0015】
車道側エプロン部14a,歩道側エプロン部14bは、突起部12よりも鉛直方向で厚肉状に形成され、かつ突起部12と略同一の長さ方向幅に形成されている。
また、車道側エプロン部14a,歩道側エプロン部14bは、僅かではあるが、それぞれの表面領域14cが、突起部12に向かって(
図6、
図7、
図9にて矢印L2で示す方向に向かって)下り傾斜状に角度(勾配)をもって形成されている。
なお、車道側エプロン部14a,歩道側エプロン部14bの構成は特に限定解釈されるものではなく、車道側エプロン部14a,歩道側エプロン部14bが異なる幅に形成されているものであってもよく、また、車道側エプロン部14a,歩道側エプロン部14bのうち、いずれか一方のみが下り傾斜状(勾配を有する)で他方は平坦状であってもよく、あるいは双方共に平坦状に形成されているものであってもよい。
なお、本実施形態では、突起部12の車道側側面から突出し、歩道に沿って設けられた車道側エプロン部14aと、突起部12の歩道側側面から突出し歩道に沿って設けられ歩道側エプロン部14bとを備える一例を説明したが、車道側エプロン部14aと歩道側エプロン部14bのいずれか一方のみが設けられているものであっても良い。
【0016】
集水溝部16は、突起部12と左右の車道側エプロン部14a,歩道側エプロン部14bとのそれぞれの境界領域にて、コンクリート二次成形品本体10の長さ方向(図にて矢印L1で示す道路の長さ方向と同じ方向)にわたって連続して凹設されている。
【0017】
集水溝部16は、車道側エプロン部14a,歩道側エプロン部14bの端縁(突起部寄りの端縁)14dから内底面16bに向けて連続して設けられた内壁面16aと、対向するもう一方の内壁面を構成する突起部12の側壁面12aとで構成されている。
なお、本実施形態では、内壁面16aの傾斜角が、側壁面12aの傾斜角に対して急になるように構成されている。
内壁面16aを急傾斜とすることにより、車道側エプロン部14a,歩道側エプロン部14bから集水溝部16への雨水などの集水効率を高めることができる。
集水溝部16の溝幅・溝深さなどは特に限定されず任意で本発明の範囲内で設計変更可能である。
なお、本実施形態において集水溝部16は、片側1条で形成されているが、片側複数条ずつ形成するものであってもよい。例えば、歩道側のエプロン部14bとの境界には1条の集水溝部16とし、排水量の多い車道側のエプロン部14aとの境界には複数条の集水溝部16を形成するように設定することも可能である。
【0018】
排水孔部18は、コンクリート二次成形品本体10の型成形時に併せて一個乃至複数個が仕様に応じて選択して一体成形される。
排水孔部18は、集水溝部16の内底面16bからコンクリート二次成形品本体10の底面(ブロック底面)10aにわたって貫通して設けられ、排水路30へと開口している(
図3乃至
図9参照)。
【0019】
本実施形態の排水孔部18は、集水溝部16の内底面16bからコンクリート二次成形品本体10の底面10aに向けて徐々に拡開する裾広がり状に形成されている。すなわち、集水溝部16の内底面16bに設けた開口(入水側の開口)に比して、コンクリート二次成形品本体10の底面10aに設けた開口(出水側の開口)を大きく形成している(
図5及び
図7参照。)。
また、排水孔部18は、本実施形態では、溝方向に長尺の平面視で矩形状に形成されているが、この形状に限定解釈されるものではなく、平面視で円形状・三角形状など本発明の範囲内で設計変更可能である。
【0020】
本実施形態の排水孔部18は、集水溝部16の内壁面16a,側壁面(内壁面)12aとの間に、それぞれ所定の平坦面16b´,16b´を残して形成されている。
【0021】
平坦面16b´,16b´は、集水溝部16の溝連続方向に直交する方向において、排水孔部18の両側にそれぞれ備えられている。
【0022】
平坦面16b´,16b´は、本実施形態において次のように機能する。
砂や落ち葉などが集水溝部16に溜まってしまった場合、排水孔部18への排水効率が悪くなる虞があるため、集水溝部16に溜まった落ち葉などを定期的に取り除く必要がある。
このとき、例えば、集水溝部16の幅一杯に接する大きさのへら状のスクレイパー(scraper)などの掃除用治具を、集水溝部16に沿って移動させることで落ち葉などを溝内から掻き出すようにする。このとき、排水孔部18の幅方向両側に、平坦面16b´,16b´が設けられていることにより、溝内を移動するスクレイパーが排水孔部18内に落ちてしまうといった不具合も生じ得ない。すなわち、平坦面16b´,16b´は溝清掃時の掃除用治具落下防止機能を発揮する。
また、本実施形態では、集水溝部16を構成する内壁面16aと側壁面12aをそれぞれ下り傾斜状に形成しているため、スクレイパーを集水溝部16に挿入する際のガイドとして機能する。
また、本実施形態では、内壁面16aと内底面16bとの境界部分、及び側壁面12aと内底面16aとの境界部分を鈍角状に形成しているため、スクレイパーを使用した際に、それぞれの境界部分に砂や落ち葉などを掻き残す虞も少なく大変有用である。
【0023】
平坦面16b´,16b´の幅方向の大きさ(広さ)は特に限定されないが、あまりに大きく(広く)形成してしまうと、排水孔部18の大きさを制限してしまうため、排水孔部18を小さくし過ぎない程度に設計する。
【0024】
車道側エプロン部14a,歩道側エプロン部14bにおける反境界部の端部には、コンクリート二次成形品本体10の長さ方向に連続して凹設された係合部20が一体成形されている。
【0025】
係合部20は、車道側エプロン部14a,歩道側エプロン部14bの端縁(反突起部寄りの端縁)14eから連続して設けられた内側壁面部20aと、内側壁画部20aから連続して設けられた底面部20bと、底面部20bから連続して設けられた外側壁画部20cとによって、コンクリート二次成形品本体10の長さ方向に連続した凹条溝に形成されている。
なお、外側壁画部20cの反底面部20b側には、外側壁画部20cと一体に連続して外側突条24が形成されている。
【0026】
内側壁画部20aは、車道側エプロン部14a,歩道側エプロン部14bの端縁14eから連続して設けられた第一の面部21と、前記第一の面部21と連続し、かつ第一の面部21とは異なる傾斜角度をもって前記底面部20bに一体に連続して設けられた第二の面部22とを含む(
図8参照)。
すなわち、本実施形態では、第一の面部21に対して緩やかな傾斜角をもって第二の面部22を構成している。さらに、第二の面部22は、外側壁面部20cと比しても緩やかな傾斜角をもって構成されている。なお、外側壁面部20cは第一の面部21より緩やかな傾斜角をもって構成している(
図8参照。)。
【0027】
係合部20は、舗装路40の敷設時に舗装路40との接触面積を増やして強固かつ緊密に係合し得るために設けられている。
さらに、本実施形態では、上述したとおり、第一の面部21の傾斜角に対して第二の面部22の傾斜角を緩やかに構成するとともに、第二の面部22に対して外側壁面部20cの傾斜角を急に構成することによって、舗装路40の敷設時(ローラで転圧する時)に、転圧が容易で、かつ転圧後に空洞ができてしまう虞もないため敷設した舗装路の係合が緊密となり強固な固着が図れる。
【0028】
また、本実施形態の歩車道境界ブロック100は、歩道側エプロン部14bの歩道に沿った縁辺15b(
図4で上側の辺)の長さが、車道側エプロン部14aの車道に沿った縁辺15a(
図4で下側の辺)の長さに比して短く形成されている。
【0029】
具体的には、
図4および表1(製品長の欄参照)に示すように、車道側エプロン部14aの車道に沿った縁辺15aの長さW1が490mmに設定されているのに対して、歩道側エプロン部14bの歩道に沿った縁辺15bの長さW2が470mmに設定されている。
この場合、歩車道境界ブロック100を歩道と車道との間に複数配設した際に、互いに対向する歩車道境界ブロック100左右の対向面のうち、歩車道境界ブロック100の長さ方向(矢印L1で示す方向)の一端側対向面(
図4中、右端の面)15cは、歩道側エプロン部14bの縁辺15b(
図4中、下側の辺)において、車道側エプロン部14aの縁辺15aの端よりも10mm内寄り(左寄り)となり、縁辺15aから縁辺15bに至るまで連続した傾斜面として形成されている。
さらに、前記互いに対向する歩車道境界ブロック100左右の対向面のうち、歩車道境界ブロック100の長さ方向(矢印L1で示す方向)の他端側対向面(
図4中、左端の面)15dは、歩道側エプロン部14bの縁辺15b(
図4中、下側の辺)の端において、車道側エプロン部14aの縁辺15aの端よりも10mm内寄り(右寄り)となる傾斜面として形成されている。
すなわち、歩道側エプロン部14bの縁辺15bの長さW2は、車道側エプロン部14aの縁辺15aの長さW1よりも20mm短い(小幅な)W1>W2の関係にある。
【0030】
「第二実施形態」
上記第一実施形態では、歩車道境界ブロック100の歩道側エプロン部14bの歩道に沿った縁辺15bの長さW2が、車道側エプロン部14aの車道に沿った縁辺15aの長さW1よりも20mm短く設定された一例を説明したが、本実施形態による歩車道境界ブロック100は、図示は省略するが、車道側エプロン部14aの車道に沿った縁辺15aの長さW1が490mmに設定されているのに対して、歩道側エプロン部14bの歩道に沿った縁辺15bの長さW2が450mmに設定されている。
【0031】
この場合、歩車道境界ブロック100を歩道と車道との間に複数配設した際に、互いに対向する歩車道境界ブロック100の左右の対向面のうち、歩車道境界ブロック100の長さ方向(矢印L1で示す方向)の一端側対向面(
図4中、右端の面)15cは、歩道側エプロン部14bの歩道に沿った縁辺15b(
図4中、下側の辺)において、車道側エプロン部14aの車道に沿った縁辺15aよりも20mm内寄り(左寄り)となり、縁辺15aから縁辺15bに至るまで連続した傾斜面として形成されている。
さらに、前記互いに対向する歩車道境界ブロック100左右の対向面のうち、歩車道境界ブロック100の長さ方向(矢印L1で示す方向)の他端側対向面(
図4中、左端の面)15dは、歩道側エプロン部14bの歩道に沿った縁辺15b(
図4中、下側の辺)において、車道側エプロン部14aの車道に沿った縁辺15aよりも20mm内寄り(右寄り)となり、縁辺15aから縁辺15bに至るまで連続した傾斜面として形成されている。
すなわち、歩道側エプロン部14bの歩道に沿った縁辺15bの長さW2は、車道側エプロン部14aの車道に沿った縁辺15aの長さW1よりも40mm短い(小幅な)W1>W2の関係にある。
なお、歩道側エプロン部14bの歩道に沿った縁辺15bの長さW2と、車道側エプロン部14aの車道に沿った縁辺15aの長さW1との関係以外の構成は、前述した第一実施形態と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0032】
上記第一実施形態および第二実施形態において説明した歩車道境界ブロック100は、道路の曲線部の曲率半径(R)に応じて凸状に複数並べて配設(中央側が車道側(外側)方向に迫り出した配置)されて歩車道境界構造体を構成する。
以下に、曲率半径(R)と、複数並べて配設された歩車道境界ブロック100の対向する一端側対向面(
図4中、左端の面)15cと他端側対向面(
図4中、右端の面)15dとの隙間(目地開き量)との関係について説明する。
【0034】
表1は、前記第一実施形態による歩車道境界ブロック100の(車道側(他方、外側)エプロン部14aの縁辺15aの長さW1が490mm/歩道側(一方、内側)エプロン部14bの縁辺15bの長さW2が470mm)を凸状に複数並べて配設した場合の曲率半径(R)と目地開き量の関係を示す。
まず、表1の3.5R欄および
図10に示すように、曲率半径(R)が3.5mである道路の曲線部に歩車道境界ブロック100の車道側エプロン部14aの縁辺15a(外側の縁)を沿わせて配設した場合には、対向する歩車道境界ブロック100の歩道側エプロン部14bの縁辺15b(内側の縁)同士が接しており(目地開き量が0mm)、対向する歩車道境界ブロック100の車道側エプロン部14aの縁辺15a(外側の縁)の間P(目地開き量)は39mmとなる。すなわち、歩車道境界ブロック100の長さ方向の一端側対向面15cと、対向する歩車道境界ブロック100の長さ方向の他端側対向面15dとの間には、車道側が39mm開いて、歩道側に向けて窄まった楔形の隙間が生じている。
【0035】
次に、表1の6.0R欄に示すように、曲率半径(R)が6.0mである道路の曲線部に歩車道境界ブロック100の車道側エプロン部14aの縁辺15a(外側の縁)を沿わせて配設した場合(図示せず)には、対向する歩車道境界ブロック100の歩道側エプロン部14bの縁辺15b(内側の縁)同士が接しており(目地開き量が0mm)、対向する歩車道境界ブロック100の車道側エプロン部14aの縁辺15a(外側の縁)の間P(目地開き量)が13mmとなる。すなわち、歩車道境界ブロック100の長さ方向の一端側対向面15cと、対向する歩車道境界ブロック100の長さ方向の他端側対向面15dとの間には、車道側が13mm開いて、歩道側に向けて窄まった楔形の隙間が生じている。
【0036】
さらに、表1の10.0R欄および
図11に示すように、曲率半径(R)が10.0mである道路の曲線部に歩車道境界ブロック100の車道側エプロン部14aの縁辺15a(外側の縁)を沿わせて配設した場合には、対向する歩車道境界ブロック100の車道側エプロン部14aの縁辺15a(外側の縁)同士が接しており(目地開き量が0mm)、対向する歩車道境界ブロック100の歩道側エプロン部14bの縁辺15b(内側の縁)の間P(目地開き量)が1mmとなる(10.0Rの欄参照)。すなわち、歩車道境界ブロック100の長さ方向の一端側対向面15cと、対向する歩車道境界ブロック100の長さ方向の他端側対向面15dとの間には、歩道側(内側)が1mm開いて、車道側に向けて窄まった楔形の隙間が生じている。
【0037】
なお、本実施形態による歩車道境界ブロック100は、歩道側エプロン部14bの縁部15bの長さW2が、車道側エプロン部14aの縁部15a(外側の縁)の長さW1よりも短く形成されているため、対向する歩車道境界ブロック100の車道側エプロン部14aの縁辺15a(外側の縁)同士が接した場合であっても、対向する歩車道境界ブロック100の歩道側エプロン部14bの縁辺15b(内側の縁)同士を近づけて凸状に配設することができる。
【0038】
次に、表1の12.0R欄に示すように、曲率半径(R)が12.0mである道路の曲線部に歩車道境界ブロック100の車道側エプロン部14aの縁辺15a(外側の縁)を沿わせて配設した場合(図示せず)には、対向する歩車道境界ブロック100の車道側エプロン部14aの縁辺15a(外側の縁)同士が接しており(目地開き量が0mm)、対向する歩車道境界ブロック100の歩道側エプロン部14bの縁辺15b(内側の縁)の間P(目地開き量)が4mmとなる(12.0Rの欄参照)。すなわち、歩車道境界ブロック100の長さ方向の一端側対向面15cと、対向する歩車道境界ブロック100の長さ方向の他端側対向面15dとの間には、歩道側(内側)が4mm開いて、車道側に向けて窄まった楔形の隙間が生じている。
【0040】
表2は、前記第二実施形態による歩車道境界ブロック100(車道側(他方、外側)のエプロン部の縁辺15aの長さW1が490mm/歩道側(一方、内側)のエプロン部の縁辺15bの長さW2が450mm)を凸状に複数並べて配設した場合の曲率半径(R)と目地開き量の関係を示す。
まず、表2の3.5R欄および
図12に示すように、曲率半径(R)が3.5mである道路の曲線部に歩車道境界ブロック100の車道側エプロン部14aの縁辺15a(外側の縁)を沿わせて配設した場合には、対向する歩車道境界ブロック100の歩道側エプロン部14bの縁辺15b(内側の縁)同士が接しており(目地開き量が0mm)、対向する歩車道境界ブロック100の車道側エプロン部14aの縁辺15a(外側の縁)の間P(目地開き量)は16mmとなる。すなわち、歩車道境界ブロック100の長さ方向の一端側対向面15cと、対向する歩車道境界ブロック100の長さ方向の他端側対向面15dとの間には、車道側が16mm開いて、歩道側に向けて窄まった楔形の隙間が生じている。
【0041】
次に、表2の6.0R欄に示すように、曲率半径(R)が6.0mである道路の曲線部に、歩車道境界ブロック100の車道側エプロン部14aの縁辺15a(外側の縁)を沿わせて配設した場合には、対向する歩車道境界ブロック100の車道側エプロン部14aの縁辺15a(外側の縁)同士が接しており(目地開き量が0mm)、対向する歩車道境界ブロック100の歩道側エプロン部14bの縁辺15b(内側の縁)の間P(目地開き量)が8mmとなる。すなわち、歩車道境界ブロック100の長さ方向の一端側対向面15cと、対向する歩車道境界ブロック100の長さ方向の他端側対向面15dとの間には、歩道側(内側)が8mm開いて、車道側に向けて窄まった楔形の隙間が生じている。
【0042】
さらに、表2の10.0R欄および
図13に示すように、曲率半径(R)が10.0mである道路の曲線部に、歩車道境界ブロック100の車道側エプロン部14aの縁辺15a(外側の縁)を沿わせて配設した場合には、対向する歩車道境界ブロック100の車道側エプロン部14aの縁辺15a(外側の縁)同士が接しており(目地開き量が0mm)、対向する歩車道境界ブロック100の歩道側エプロン部14bの縁辺15b(内側の縁)の間P(目地開き量)が21mmとなる。すなわち、歩車道境界ブロック100の長さ方向の一端側対向面15cと、対向する歩車道境界ブロック100の長さ方向の他端側対向面15dとの間には、歩道側(内側)が21mm開いて、車道側に向けて窄まった楔形の隙間が生じている。
【0043】
次に、表2の12.0R欄に示すように、曲率半径(R)が12.0mである道路の曲線部に、歩車道境界ブロック100の車道側エプロン部14aの縁辺15a(外側の縁)を沿わせて配設した場合には、対向する歩車道境界ブロック100の車道側エプロン部14aの縁辺15a(外側の縁)同士が接しており(目地開き量が0mm)、対向する歩車道境界ブロック100の歩道側(内側)エプロン部14bの縁辺15b(内側の縁)の間P(目地開き量)が24mmとなる。すなわち、歩車道境界ブロック100の長さ方向の一端側対向面15cと、対向する歩車道境界ブロック100の長さ方向の他端側対向面15dとの間には、歩道側(内側)が24mm開いて、車道側に向けて窄まった楔形の隙間が生じている。
【0044】
表3は、車道側エプロン部14aの縁辺15a(外側の縁)と歩道側エプロン部14bの縁辺15b(内側の縁)の長さが同一である従来の歩車道境界ブロック100を凸状に複数並べて配設した場合の曲率半径(R)と目地開き量の関係を比較例として示す。
以下に、比較例による歩車道境界ブロック100の配列の目地開き量(表3)と、前記第一実施形態による歩車道境界ブロック100の配列の目地開き量(表1)および、第二実施形態による歩車道境界ブロック100の配列の目地開き量(表2)を比較して説明する。
【0045】
具体的には、比較例の歩車道境界ブロック100は、(車道側(他方、外側)のエプロン部の縁辺15aの長さW1と、歩道側(一方、内側)のエプロン部の縁辺15bの長さW2とが双方とも490mmに設定され、平面視矩形に形成された場合を想定する。また、その他の構成は第一実施形態と同様である。
なお、比較例(従来例)の歩車道境界ブロック100を凸状に複数並べて配設した場合には、必然的に、対向する歩車道境界ブロック100の歩道側エプロン部14bの縁辺15b(内側の縁)同士が接する(隙間が0mm)ことになる。車道側エプロン部14aの縁辺15a(外側の縁)同士が接した場合には、歩車道境界ブロック100が直線状あるいは凹状に配設(中央側の歩車道境界ブロック100が歩道側に迫り出す形状に配設)されるからである。
【0047】
〔曲率半径(R)が3.5mの場合〕
まず、表3の3.5R欄および
図14に示すように、曲率半径(R)が3.5mである道路の曲線部に、比較例の歩車道境界ブロック100の車道側エプロン部14aの縁辺15a(外側の縁)を沿わせて配設した場合には、対向する歩車道境界ブロック100の車道側エプロン部14aの縁辺15a(外側の縁)の間P(目地開き量)が61mmとなる。すなわち、歩車道境界ブロック100の長さ方向の一端側対向面15cと、対向する歩車道境界ブロック100の長さ方向の他端側対向面15dとの間には、車道側が61mm開いて、歩道側に向けて窄まった楔形の隙間が生じている。
【0048】
これに対して、第一実施形態(表1の3.5R欄参照)では、車道側エプロン部14aの縁辺15a(外側の縁)の間(目地開き量)が39mmであり、第二実施形態(表2の3.5R欄参照)では、車道側エプロン部14aの縁辺15a(外側の縁)の間(目地開き量)が16mmである。
この比較から、目地開き量は、第一実施形態および第二実施形態ともに比較例よりも小さくなっており、そのなかでも、第二実施形態による歩車道境界ブロック100を配設した場合に、目地開き量を最も小さくする効果が発揮されることが判る。
【0049】
〔曲率半径(R)が6.0mの場合〕
次に、表3の6.0R欄に示すように、曲率半径(R)が6.0mである道路の曲線部に、比較例の歩車道境界ブロック100の車道側エプロン部14aの縁辺15a(外側の縁)を沿わせて配設した場合には、対向する歩車道境界ブロック100の車道側エプロン部14aの縁辺15a(外側の縁)の間P(目地開き量)が34mmとなる。すなわち、歩車道境界ブロック100の長さ方向の一端側対向面15cと、対向する歩車道境界ブロック100の長さ方向の他端側対向面15dとの間には、車道側が34mm開いて、歩道側に向けて窄まった楔形の隙間が生じている。
【0050】
これに対して、第一実施形態(表1の6.0R欄参照)では、車道側エプロン部14aの縁辺15a(外側の縁)の間(目地開き量)が13mmであり、第二実施形態(表2の6.0R欄参照)では、歩道側エプロン部14bの縁辺15b(内側の縁)の間(目地開き量)が8mmである。
この比較から、目地開き量は、第一実施形態および第二実施形態ともに比較例よりも小さくなっており、そのなかでも、第二実施形態による歩車道境界ブロック100を配設した場合に、目地開き量を最も小さくする効果が発揮されることが判る。
【0051】
〔曲率半径(R)が10.0mの場合〕
さらに、表3の10.0R欄に示すように、曲率半径(R)が10.0mである道路の曲線部に、比較例の歩車道境界ブロック100の車道側エプロン部14aの縁辺15a(外側の縁)を沿わせて配設した場合には、対向する歩車道境界ブロック100の車道側エプロン部14aの縁辺15a(外側の縁)の間P(目地開き量)が20mmとなる。すなわち、歩車道境界ブロック100の長さ方向の一端側対向面15cと、対向する歩車道境界ブロック100の長さ方向の他端側対向面15dとの間には、車道側が20mm開いて、歩道側に向けて窄まった楔形の隙間が生じている。
【0052】
これに対して、第一実施形態(表1の10.0R欄参照)では、歩道側エプロン部14bの縁辺15b(内側の縁)の間(目地開き量)1mmであり、第二実施形態(表2の10.0R欄参照)では、歩道側エプロン部14bの縁辺15b(内側の縁)の間(目地開き量)が21mmである。
この比較から、目地開き量は、第二実施形態は比較例とほぼ同等であり、第一実施形態は比較例よりも極端に小さくなっているので、第一実施形態による歩車道境界ブロック100を配設した場合に、目地開き量を最も小さくする効果が発揮されることが判る。
【0053】
〔曲率半径(R)が12.0mの場合〕
次に、表3の12.0R欄に示すように、曲率半径(R)が12.0mである道路の曲線部に、比較例の歩車道境界ブロック100の車道側エプロン部14aの縁辺15a(外側の縁)を沿わせて配設した場合には、対向する歩車道境界ブロック100の車道側エプロン部14aの縁辺15a(外側の縁)の間P(目地開き量)が17mmとなる。すなわち、歩車道境界ブロック100の長さ方向の一端側対向面15cと、対向する歩車道境界ブロック100の長さ方向の他端側対向面15dとの間には、車道側が17mm開いて、歩道側に向けて窄まった楔形の隙間が生じている。
【0054】
これに対して、第一実施形態(表1の12.0R欄参照)では、歩道側エプロン部14bの縁辺15b(内側の縁)の間(目地開き量)4mmであり、第二実施形態(表2の12.0R欄参照)では、歩道側エプロン部14bの縁辺15b(内側の縁)の間(目地開き量)が24mmである。
この比較から、目地開き量は、第二実施形態は比較例よりも大きくなるものの、第一実施形態では比較例よりも極端に小さくなっているので、第一実施形態による歩車道境界ブロック100を配設した場合に、目地開き量を最も小さくする効果が発揮されることが判る。
【0055】
上記各比較から、第一実施形態の歩車道境界ブロック100は、曲率半径(R)が10.0mおよび12.0mである道路の曲線部に配設するのに最適であり、第二実施形態の歩車道境界ブロック100は、曲率半径(R)が3.5mおよび6.0mである道路の曲線部に配設するのに最適である。
【0056】
このように、第一実施形態および第二実施形態による歩車道境界ブロック100は、いずれも複数の道路の曲率半径(R)に対して、対向する面間に生じる隙間(目地開き量)を従来の平面視矩形の歩車道境界ブロック100(比較例)よりも小さくすることができる。このため、楔形の隙間も小さく、後工事で隙間を埋めるためのコンクリートが少量で済み破損し難いだけでなく、施工時間の短縮や補修作業の減少などの効果がある。
また、第一実施形態および第二実施形態による歩車道境界ブロック100は、その配列方法を適宜選択することによって、同一の歩車道境界ブロック100の配列で複数の道路の曲率半径(R)に対応して、対向する面間に生じる隙間(目地開き量)を小さくすることが可能であるため、道路の曲率半径(R)に対する汎用性が高く、道路の曲率半径(R)ごとに歩車道境界ブロック100を作成する必要も無いので経済性が高い。
【0057】
なお、本実施形態では、同じ形状の歩車道境界ブロック100を複数配設して歩車道境界構造体を構成した例を説明したが、これに限定解釈されるものではなく、違う形状の歩車道境界ブロック100同士が並ぶように配設されても良い。
例えば、第一実施形態による歩車道境界ブロック100と第二実施形態による歩車道境界ブロック100とが並んで配設して歩車道境界構造体を構成していても良いし、一部に従来の(比較例の)歩車道境界ブロック100を含んで配設して歩車道境界構造体を構成しても本発明の範囲内である。
また、上述した第一実施形態および第二実施形態で示した、車道側エプロン部14aの縁辺15a(外側の縁)の長さW1と歩道側エプロン部14bの縁辺15bの長さW2との数値および、歩車道境界ブロック100のその他の数値は一例であり、これに限定解釈されるものではなく、本発明の特徴を有している限りにおいて本発明の範囲内であり、需要に応じて適宜設定されれば良い。
【0058】
また、長く形成された他方(外側)のエプロン部の縁辺15aが車道側として道路の曲線部(曲率半径)に沿って配設されて歩車道境界構造体を構成した場合を説明したが、これに限定解釈されるものではなく、短く形成された一方(内側)のエプロン部の縁辺15bが車道側して道路の曲線部(曲率半径)に沿って配設されて歩車道境界構造体を構成しても良い。
例えば、歩車道境界ブロック100を道路の曲線部(カーブ)の幅員の外周縁の歩道と車道の間に配する場合には、一方(内側)のエプロン部側の縁辺15bが車道側(他方(外側)のエプロン部側の縁辺15aが歩道側)となるように複数並べて配設すれば、歩車道境界ブロック100は、一方(内側)のエプロン部側の縁辺15bが道路の曲線部(曲率半径)に沿うように凹状に配列することができる。
【0059】
また、その場合も、対向する歩車道境界ブロック100の車道側エプロン部14aの縁辺15a(外側の縁)の目地開き量(隙間)と、対向する歩道側エプロン部14bの縁辺15b(内側の縁)の目地開き量(隙間)との関係については、道路の曲線部(曲率半径)に沿うように、隙間無く配列される側と隙間を有して配列される側が適宜選択さればよい。また、同一形状のブロックの組み合わせや、異なった形状のブロックの組み合わせについても適宜選択されて配設されれば良い。
【0060】
また、上述した第一実施形態および第二実施形態では、歩車道境界ブロック100の車道側エプロン部14aの縁辺15aと歩道側エプロン部14bの縁辺15bを平行に形成した一例を説明したが、これに限定解釈されるものではなく、車道側エプロン部14aの縁辺15aと歩道側エプロン部14bの縁辺15bは角度を有して形成(平行でなく形成)されていても、上述した特徴を備えていれば本発明の範囲内であり、需要に応じて適宜設定されれば良い。
【0061】
なお、歩車道境界ブロック100が、車道側エプロン部14aと歩道側エプロン部14bとのいずれか一方のみが設けられた構成の場合には、エプロン部が無い側の長さは、突起部12の長さとしても良く、この場合であっても、一方のエプロン部の長さと突起部12の長さとのいずれか一方がいずれか片方に比して短く形成されていれば良い。
【0062】
「第三実施形態」
図15は第三実施形態を示す。
本実施形態は、前記説明した第一実施形態の歩車道境界ブロック100における係合部20の変形例である。
本実施形態の係合部20は、舗装路の敷設完了までの間に係合部20の溝内に溜まった泥・砂などをスクレイパーなどで掃き出しやすいように、端部領域に掃き出し用の切り欠き溝23が型成形時において一体成形されている(
図15参照。)。
その他の構成及び作用効果は第一実施形態と同じであるため説明は省略する。
【0063】
切り欠き溝23は、外側突条24の前後の端部領域を所定長さで切り欠いて形成している。
従って、道路の長さ方向L1に本実施形態の歩車道境界ブロック100を隣り合わせに配設していくと、隣り合う切り欠き溝23,23によって係合部20の凹条溝に連通する幅方向の凹条溝(図示省略)が形成される。
この切り欠き溝23,23によって形成される幅方向の凹条溝は、コンクリート二次成形品本体10の幅方向の端部(外側突条24の幅方向の端部)に開放状に形成されるため、係合部20の溝内に溜まった泥・砂などをスクレイパーなどで掃き出して前記幅方向の凹状溝を介して排出することが可能である。
【0064】
また、本実施形態では、切り欠き溝23の面部24a(外側突条24の端部切り欠き面部)を下り傾斜状の傾斜面をもって構成しているため、集水溝部16と同様に、スクレイパーなどの挿入時におけるガイド機能を有するとともに、スクレイパー使用時における掻き残しが少なく大変有用である。
本実施形態によれば、切り欠き溝23を形成することによって、舗装路の敷設時における舗装路との接触面積がさらに増えるため、強固かつ緊密に係合し得る。
【0065】
また、本実施形態においても、車道側エプロン部14aの縁辺15a(外側の縁)と歩道側エプロン部14bの縁辺15b(内側の縁)との関係は、前述した第一実施形態および第二実施形態と同様であり、その他の構成および作用効果については前述した第一実施形態および第二実施形態と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0066】
「第四実施形態」
図16乃至
図17は、第四実施形態を示す。
本実施形態は、身障者乗り入れ部タイプの歩車道境界ブロック200に本発明を実施した一形態である。本実施形態の歩車道境界ブロック200は、第三実施形態の歩車道境界ブロック1を構成する突起部12の略中央領域を切除するとともに、車道側から歩道側に向けて所定の昇り傾斜状(勾配を有する)に形成した車椅子の車輪が通過可能な通路201が形成されている点において形態を異にしているのみでその他の形態は略同一である。なお、前記切除して形成された通路の端縁面203は、車椅子の車輪が引っ掛かり難いようにR状に面取り加工されている。
【0067】
また、本実施形態においても、車道側エプロン部14aの縁辺15a(外側の縁)と歩道側エプロン部14bの縁辺15b(内側の縁)との関係は、前述した第一実施形態および第二実施形態と同様であり、
図1及び
図2に示す所定位置にて、道路の曲線部の曲率半径(R)に応じて凸状に(中央側が車道側に迫り出す形状の線形に沿った配置)配設されている。その他構成および作用効果については前述した第一実施形態および第二実施形態と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0068】
その場合には、例えば、
図17に示すように、前述した歩道切下部タイプの歩車道境界ブロック100に挟まれるようにして、2つの身障者乗り入れ部タイプの歩車道境界ブロック200を配設すると、車椅子の左右の車輪が、左右それぞれの身障者乗り入れ部タイプの歩車道境界ブロック200の通路201に誘導されるので好ましい。この様な場合であっても、道路の曲線部の曲率半径(R)に応じて複数並べて配設すれば、対向する面間に生じる隙間(目地開き量)を小さくすることができる。その他の構成・作用効果は前記第一実施形態乃至第三実施形態と同様であるため説明は省略する。
【0069】
なお、本実施形態に示す身障者乗り入れ部タイプの歩車道境界ブロック200の場合、歩道側エプロン部14bと突起部12との境界には集水溝部16と排水孔部18は設けられていない。すなわち、身障者乗り入れ部タイプの歩車道境界ブロック200の場合、突起部12の上端縁と同一平面まで歩道側エプロン部14b上に舗装路が敷き設されるため、集水溝部16と排水孔部18は不要だからである。なお、歩道側の排水などは、舗装路から突起部12の傾斜状の頂面部(車道側に向けて下り傾斜状)を介して道路側の集水溝部18に流れ込み、排水溝部18を介して側溝などの排水路30内に排水される。
【0070】
なお、本発明の歩車道境界ブロックは、例えば、
図1乃至
図2に示す他の歩車道境界ブロック、すなわち、乗り入れ部タイプの歩車道境界ブロック300や標準タイプの歩車道境界ブロック400および隅型部タイプの歩車道境界ブロック500においても利用可能であって、これらの歩車道境界ブロックであっても、車道側エプロン部14aの縁辺15a(外側の縁)と歩道側エプロン部14bの縁辺15b(内側の縁)との関係は、前述した第一実施形態および第二実施形態と同様である。この様な場合であっても、道路の曲線部の曲率半径(R)に応じて複数並べて配設すれば、対向する面間に生じる隙間(目地開き量)を小さくすることができる。