【文献】
「シーマスター〜ララ〜旅立ちのプレリュード〜」,パチスロ攻略マガジンドラゴン2015年2月号,株式会社プラントビア,2014年12月20日,p.52-57
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、本発明の第1実施形態例に係るスロットマシンSは、筐体1、筐体1の前面上部に開閉自在に取り付けられた上扉2、筐体1の前面下部に開閉自在に取り付けられた下扉3を主として備えている。
【0014】
上扉2には、光演出を実行するランプ4、音演出を実行する一対のスピーカ5、画像演出を実行するサブモニタ6、クレジットされたメダル(遊技媒体)の枚数を表示するクレジット表示器7、遊技者に払い出されるメダル枚数を表示する払出枚数表示器8、スロットマシンSに投入(ベット)されたメダル枚数を表示するベットランプ9a〜c、後述のストップボタン16〜18の操作順序に係る情報を表示するメインモニタ10が設けられている。
【0015】
下扉3には、メダルをスロットマシンSに投入するためのメダル投入口11、クレジットされたメダルをスロットマシンSに投入するためのMAXベットボタン12および1枚ベットボタン13、スロットマシンSに投入されたメダルおよびクレジットされたメダルを精算するための精算ボタン14、後述の各リール34〜36を回転させるためのスタートレバー15、各リール34〜36の回転をそれぞれ停止させるための左ストップボタン16,中ストップボタン17,右ストップボタン18、遊技者にメダルを払い出すためのメダル払出口19、メダル払出口19から払出されたメダルを収容する受皿20が設けられている。
【0016】
スロットマシンSは、筐体1の内部に、ホッパーユニット21(
図3参照)、リールユニット30、電源ユニット(図示省略)等を備えている。
【0017】
ホッパーユニット21は、メダルを貯留する貯留タンク(図示省略)、貯留タンクに貯留されたメダルをメダル払出口19より払い出すためのホッパー駆動モータ(図示省略)を有している。
【0018】
リールユニット30は、左リール34、中リール35および右リール36を有しており、各リール34〜36は、図示せぬステッピングモータの駆動によりそれぞれ回転する。
【0019】
図2に示すように、左リール34の外周面に左図柄列34a、中リール35の外周面に中図柄列35a、右リール36の外周面に右図柄列36aがそれぞれ付されており、各図柄列34a〜36aは均等な20の領域(20コマ)にそれぞれ区画されている。図柄列の各領域に1個の図柄が配置され、各図柄に図柄番号0〜19がそれぞれ対応付けられている。
【0020】
各図柄列34a〜36aは、上扉2が閉鎖状態にあるときに、上扉2の下部中央に透明材料で形成された表示窓50を通して視認可能になる。各リール34〜36が停止した状態では、各図柄列を構成する20個の図柄のうち連続する3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)が表示窓50に表示されて、3行3列に配置された合計9個の図柄を目視できる。
【0021】
表示窓50には、各リール34〜36の上段図柄、中段図柄および下段図柄がそれぞれ停止する上段、中段および下段の停止位置が設けられており、各リールの停止位置をそれぞれ組み合わせた有効ラインが設定されている。具体的には、
図1に示すように、有効ラインLは、左リール34の上段、中リール35の下段、右リール36の上段の各停止位置の組み合わせからなる。
【0022】
各図柄列34a〜36aには、王冠、弓、リプレイ、ベル、ドル、ダイヤ、ハート、スペード、クローバーおよび盾の合計10種類の図柄が配置されており、これら図柄の組合せが予め対応付けられた役が設けられている。
【0023】
役は、規定数のメダルの投入によらずに次回の遊技を可能とさせる再遊技役(REP1〜REP16)、所定枚数のメダルを遊技者に払い出し可能な小役(NML1〜NML17)、後述のCB作動への移行契機となるCB役に大別される。役については詳しく後述する。
【0024】
電源ユニットは、スロットマシンSの電源をON/OFFするための電源スイッチ(図示省略)、スロットマシンSの出玉率(メダルの投入総数に対する払出総数の割合)を示す設定値を変更するための設定キー(図示省略)および設定変更ボタン(図示省略)を有している。
【0025】
本実施形態例のスロットマシンSには6段階の出玉率が設けられており、これら6段階の出玉率が1〜6までの設定値にそれぞれ対応付けられている。遊技場の管理者は、設定キーや設定変更ボタン等を操作することにより設定値1〜6の間で設定値を変更可能になっている。
【0026】
次に、
図3を用いて、スロットマシンSを構成する各制御処理部について説明する。
【0027】
主制御処理部100は、筐体1の内部に設けられており、メインCPU、メインROM、メインRAMを備えている。主制御処理部100には、メダル投入口11から投入されたメダルの通過を検知する投入メダルセンサ11a、MAXベットボタン12、1枚ベットボタン13、精算ボタン14、スタートレバー15、各ストップボタン16〜18、その他の装置が接続されている。
【0028】
メインCPUは、主制御処理部100に接続された各装置からの信号や図示せぬタイマカウンタからの信号が主制御処理部100に入力されたことに基づいて、メインROMに格納されたプログラムを読み出して様々な処理を実行したり、当該処理の結果に応じて副制御処理部200にコマンドを送信したりする。なお、メインRAMは、メインCPUの処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0029】
副制御処理部200は、サブCPU、サブROM、サブRAMを備えており、主に遊技中に行われる各演出の実行を制御する。副制御処理部200は、主制御処理部100に対して当該主制御処理部100から副制御処理部200への一方向に通信可能に接続されている。
【0030】
サブCPUは、主制御処理部100から送信されたコマンド等に基づいて、サブROMに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うと共に、当該処理に基づいて、ランプ4、一対のスピーカ5、サブモニタ6等の演出装置を制御する。なお、サブRAMは、サブCPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0031】
主制御処理部100のメインROMには、規定数のメダルの投入によりスタートレバー15の操作を有効化させるスタートレバー有効化手段101、有効化されたスタートレバー15の操作(以下、遊技開始操作と言う。)に基づいて役の対応付けられた当選エリアを複数種類の中から一つ内部抽選で決定する内部抽選手段102、内部抽選で決定された当選エリアに対応付けられた役の当選フラグを成立させる当選フラグ制御手段103、各リール34〜36の回転および停止を制御するリール制御手段110、小役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示された(以下、単に「小役が入賞した」と言う。)場合に、当該小役に予め対応付けられた所定枚数のメダルを払い出すメダル払出手段105、再遊技役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示された場合に、規定数のメダルの投入によらずに次回の遊技を可能とさせる再遊技を設定する再遊技設定手段106、主制御処理部100の作動状態である遊技状態を制御する遊技状態制御手段107、メインモニタ10の表示を制御するメインモニタ制御手段108、副制御処理部200の作動状態である演出モードを制御する演出モード制御手段120、が構築されている。
【0032】
遊技状態は、
図9に示すように、小役の当選確率が通常の確率に設定された通常状態と、内部抽選の結果に拘わらず小役の全てが当選している状態に設定されるCB作動とに大別される。各遊技状態は、再遊技役の当選確率に応じて非RT、RT1、RT2、RT3に分別され、再遊技役の当選確率は、非RTおよびRT1で約1/7.3に設定され、RT2およびRT3で約1/2に設定されている。遊技状態の詳細については後述する。
【0033】
演出モードは、
図10に示すように、通常の遊技が行われる非ARTモードと、通常の遊技よりも遊技者に有利なART遊技が行われるARTモードとに大別される。ART遊技とは、ストップボタンの操作順序をメインモニタ10およびサブモニタ6に表示してメダルの獲得を容易にさせるAT遊技と、内部抽選で再遊技役が高確率で当選するRT遊技とを兼ねた遊技のことをいう。
【0034】
非ARTモードは、通常モード、CZ1潜伏モード、CZ1モード、前兆モード、CZ2モードの5種類に分別される。一般的に、遊技者がスロットマシンSの前に着席して遊技を開始させたとき、演出モードは一般状態の通常モードに滞在している。通常モードでは、演出モードの移行契機となる後述のCZ1抽選を実行しており、このCZ1抽選に当選したことに基づいて、演出モードは、通常モード、CZ1潜伏モード、CZ1モード、前兆モード、CZ2モードの順に移行可能に制御される。
【0035】
本実施形態例のスロットマシンSは、ARTモードで多くのメダルを獲得することを目的としたゲーム性を有しており、演出モードを非ARTモードからARTモードへ移行させるためには、非ARTモードでARTモードへの移行の権利(特典)を獲得する必要がある。具体的には、非ARTモードのうちCZ1潜伏モード、CZ1モード、前兆モード、CZ2モードの各演出モードでARTモードへの移行の権利を獲得する機会が設けられており、通常モードではARTモードへの移行の権利を獲得する機会が設けられていない。このため、演出モードを非ARTモードからARTモードへ移行させるためには、まず、一般状態の通常モードでCZ1抽選に当選して演出モードをCZ1モード等の他の演出モードに移行させる必要があるが、これら演出モードの遷移等については詳しく後述する。
【0036】
図3に説明を戻し、主制御処理部100のメインRAMには、ARTモードへの移行の権利などの遊技に関する遊技情報を記憶する遊技情報記憶領域140が構築されている。演出モード制御手段120は、遊技情報記憶領域140に記憶されている遊技情報に基づいて、演出モードの移行を制御するように構成されている。
【0037】
副制御処理部200のサブROMには、主制御処理部100の指示に基づいて、演出モードを複数種類の演出モードの間で移行させる演出モード移行手段201、演出を決定する演出決定手段202、決定された演出をサブモニタ6等の演出装置で実行する演出実行手段(移行手段)203が構築されている。
【0038】
まず、主制御処理部100のメインROMに構築された各手段について説明する。
【0039】
スタートレバー有効化手段101は、通常状態およびCB作動において3枚(規定数)のメダルの投入によりスタートレバー15の操作を有効化させる。
【0040】
内部抽選手段102は、スタートレバー15の遊技開始操作が行われたタイミングで内部抽選用の乱数を取得し、この取得された乱数と現在の遊技状態の種類とに基づいて、複数種類の当選エリアの中から1つの当選エリアを決定する。なお、役の対応付けられた当選エリアについては詳しく後述する。
【0041】
当選フラグ制御手段103は、今回の遊技における内部抽選に基づいて成立させた(ONにセットした)当選フラグが小役または再遊技役の当選フラグである場合には、これらの当選フラグを次回の遊技に持ち越さないように、次回の遊技の開始前までにOFFにセットする。また、当選フラグ制御手段103は、遊技状態がCB作動に滞在している場合には、内部抽選の結果に拘わらず、遊技の開始時に小役の当選フラグを全てONにセットし、これらの当選フラグを次回の遊技に持ち越さないように次回の遊技の開始前までにOFFにセットする。
【0042】
リール制御手段110は、遊技開始操作に基づいて各リール34〜36の回転を開始させる回転開始手段111、各リール34〜36が定常回転(約80回転/分)となるまでリールの回転を加速させ、各リールが定常回転に到達すると回転速度を維持する回転速度制御手段112、各リールの回転速度が定常回転に到達すると、全てのストップボタン16〜18の操作を有効化させるストップボタン有効化手段113、有効化されたストップボタン16〜18の操作態様に応じて対応するリールの回転を停止させる回転停止手段114、遊技の進行を一時的に中断するフリーズとして回胴演出を実行する回胴演出制御手段115を有している。
【0043】
回転停止手段114は、各ストップボタン16〜18の停止操作時から190ms以内に、押下操作されたストップボタンに対応するリールの回転を停止させる。なお、各リールの定速回転数は約80回/分であるため、定速回転数の下で各リールが一回転に要する時間は60s/約80回≒約750msとなり、1つの図柄が1コマ(1領域)分だけ移動するのに必要な時間は750ms/20図柄=37.5msとなる。このため、リールは対応するストップボタンの押下タイミングから最大で4図柄(4コマ)分(ストップボタンの押下タイミングで有効ラインに表示されていた図柄を含めると5コマ分)だけ回転可能となる((190ms/37.5ms)−1図柄≒4図柄)。
【0044】
また、回転停止手段114は、当選フラグの成立状態に応じて、メダル払出枚数の最も多い役に対応する図柄組合せを優先的に有効ラインLに表示するようリールを制御する枚数優先制御、図柄組合せの個数が最も多くなる役に対応する図柄組合せを優先的に有効ラインLに表示するようリールを制御する個数優先制御、CB作動で再遊技役よりも小役に対応する図柄組合せを優先的に有効ラインLに表示するようリールを制御する役付け優先制御、により最も引き込み優先順位の高い図柄を検索するロジック演算、および/または、予めメインROMに記憶された停止制御テーブル(図示省略)の参照に基づいて、成立している当選フラグに対応する役に係る図柄組合せのうち優先順位の最も高い図柄を有効ラインLに表示するように引き込み、かつ、成立している当選フラグ以外の当選フラグに係る役に対応付けられた図柄組合せを有効ラインLに表示しないよう蹴飛ばし、各ストップボタンに対応するリールを停止させる。
【0045】
回胴演出制御手段115は、ARTモードへの移行の権利を含む複数種類の特典を付与可能なCZ1モードにおいて回胴演出を実行するようにリールを制御する。なお、本実施形態例では、複数種類の回胴演出(回胴演出A〜C)が設けられており、CZ1潜伏モードやCZ1モードで付与される特典の種類に基づいて、複数種類の回胴演出の中から一の回胴演出を実行するように構成されている。
【0046】
遊技状態制御手段107は、通常状態およびCB作動の間で遊技状態の移行を制御する(
図9)。以下に、役、当選エリア、遊技状態の遷移について
図2、
図4〜
図9を用いて説明する。なお、
図6,7中に示す打順とは、各ストップボタン16〜18の操作順序のことであり、打順1は左ストップボタン16→中ストップボタン17→右ストップボタン18の順序、これと同様に、打順2は左→右→中の順序、打順3は中→左→右の順序、打順4は中→右→左の順序、打順5は右→左→中の順序、打順6は右→中→左の順序を意味する。
【0047】
CB作動への移行契機となるCB役は、当選エリア「CB」(以下、CBと言う。)に対応付けられており、CBは、通常状態およびCB作動で内部抽選の対象となっている(
図7)。
【0048】
CB役には、ストップボタンの押下から4コマの範囲内で各リール34〜36の停止制御が行われる通常状態において、ストップボタンの操作態様に拘わらず有効ラインLに表示可能な図柄組合せ(以下、CB図柄組合せと言う。)が対応付けられている(
図2,
図5)。
【0049】
図9に示すように、例えば、通常状態のRT3でCBに当選してCB図柄組合せが有効ラインLに表示されると、遊技状態をCB作動のRT3に移行させる。CB作動では、内部抽選の結果に拘わらず小役の当選フラグを全て成立させると共に、再遊技役よりも小役を優先させる役付け優先制御によりリールを停止させる。そして、CB作動で1回の遊技が行われると遊技状態を通常状態のRT3に移行させる。なお、通常状態のRT3以外の通常状態でCBに当選した場合も、通常状態のRT3でCBに当選した場合の遊技状態の遷移と同様であるため、その説明を省略する。
【0050】
なお、本実施形態例において、CB作動に替えてCBB作動を設けると共に、CBに替えてCBB役の対応付けられた当選エリア「CBB」を設け、遊技状態制御手段107は、通常状態で当選エリア「CBB」に当選してCBB役に対応付けられた図柄組合せが有効ラインLに表示されると、遊技状態をCBB作動に移行させ、CBB作動におけるメダル払出枚数が所定枚数を超過すると元の通常状態に移行させる構成であっても良い。
【0051】
再遊技役(REP1〜16)は、遊技状態の維持機能を有する再遊技役、通常状態のRT1(以下、通常RT1と言う。)への移行機能を有する再遊技役、通常状態のRT2(以下、通常RT2と言う。)への移行機能を有する再遊技役、通常状態のRT3(以下、通常RT3と言う。)への移行機能を有する再遊技役、ARTモードへの移行機能を有する再遊技役に大別される。
【0052】
本実施形態例では、非ARTモードにおける通常モードでARTモードへの移行機能を有する再遊技役に当選したことに基づいて、通常モードからCZ1モードへの移行の可否をCZ1抽選により決定しており、CZ1抽選の当選に基づいて、ARTモードへの移行の権利を付与可能なCZ1モード等に演出モードを移行させる構成となっている。
【0053】
REP4は、通常RT2への移行機能を有しており、当選エリア「RT2移行リプ」、当選エリア「RT1リプ1」〜「RT1リプ6」(以下、RT1リプと言う。)、当選エリア「RT3リプ1」〜「RT3リプ6」(以下、RT3リプと言う。)にそれぞれ対応付けられている(
図6)。
【0054】
RT1リプは、通常RT1で内部抽選の対象となっており、RT1リプにはREP4の他にも遊技状態の維持機能を有するREP1等が重複して対応付けられている(
図6)。
【0055】
図6,
図9に示すように、当選エリア「RT1リプ1」にREP1〜4が対応付けられており、例えば、通常RT1で当選エリア「RT1リプ1」に当選したとする。この場合、打順1でストップボタンが操作されたことに基づいてREP4に対応する図柄組合せを有効ラインLに表示して遊技状態を通常RT1から通常RT2へ移行(昇格)させ(
図9のA)、打順2〜6でストップボタンが操作されたことに基づいて、REP4以外のREP1等に対応する図柄組合せを有効ラインLに表示して遊技状態を通常RT1で維持する。
【0056】
RT3リプは、通常RT3で内部抽選の対象となっており、RT3リプにはREP4の他にも遊技状態の維持機能を有するREP1等が重複して対応付けられている(
図6)。
【0057】
図6,
図9に示すように、当選エリア「RT3リプ1」にREP1〜4,6が対応付けられており、例えば、通常RT3で当選エリア「RT3リプ1」に当選したとする。この場合、打順1でストップボタンが操作されたことに基づいて、REP4以外のREP1等に対応する図柄組合せを有効ラインLに表示して遊技状態を通常RT3で維持し、打順2〜6でストップボタンが操作されたことに基づいて、REP4に対応する図柄組合せを有効ラインLに表示して遊技状態を通常RT3から通常RT2へ移行(転落)させる(
図9のD)。
【0058】
REP5は、通常RT1への移行機能を有しており、当選エリア「RT2リプ1」〜「RT2リプ6」(以下、RT2リプと言う。)に対応付けられている。RT2リプは通常RT2で内部抽選の対象となっており、RT2リプにはREP5の他にも遊技状態の維持機能を有するREP1等が重複して対応付けられている(
図6)。
【0059】
図6,
図9に示すように、当選エリア「RT2リプ1」にREP1〜3、5が対応付けられており、例えば、通常RT2で当選エリア「RT2リプ1」に当選したとする。この場合、打順1でストップボタンが操作された場合にREP5以外のREP1等に対応する図柄組合せを有効ラインLに表示して遊技状態を通常RT2で維持し、打順2〜6でストップボタンが操作された場合にREP5に対応する図柄組合せを有効ラインLに表示して遊技状態を通常RT2から通常RT1へ移行(転落)させる(
図9のB)。
【0060】
REP6は、通常RT3への移行機能を有しており、当選エリア「RT3移行リプ」(以下、RT3移行リプと言う。)に単独で対応付けられている。RT3移行リプは、通常RT1、通常RT2および通常RT3の全てにおいて内部抽選の対象となっている(
図6)。
【0061】
図4に示すように、REP6には、「ドル図柄またはリプレイ図柄」−「弓矢図柄」−「リプレイ図柄」の組合せが対応付けられている。内部抽選でREP6の対応付けられたRT3移行リプに当選したとき、
図2に示す左図柄列34aの図柄番号12番に配置されたドル図柄を有効ラインLに表示させる態様で左ストップボタン16が操作され、中図柄列35aの図柄番号14番に配置されたドル図柄を表示窓50の中リール35に対応する中段位置に表示させる態様で中ストップボタン17が操作され、右図柄列36aの図柄番号14番に配置されたドル図柄を表示窓50の右リール36に対応する下段位置に表示させる態様で右ストップボタン18が操作されたとする(以下、第1特殊操作態様と言う。)。この場合、
図8に示すように、ドル図柄が右下がりに直線状に揃う態様(以下、第1特殊停止態様と言う。)で各リール34〜36が停止する。これに対し、RT3移行リプの当選時に第1特殊操作態様で各ストップボタン16〜18が操作されなかった場合には、ドル図柄が右下がりに直線状に揃う第1特殊停止態様でリールを停止させないように各リール34〜36を制御する。
【0062】
このように、RT3移行リプの当選時に第1特殊操作態様でストップボタンが操作された場合には、ドル図柄が右下がりに直線状に揃う特徴的な第1特殊停止態様でリールを停止させるため、遊技者は、リールの第1特殊停止態様によりRT3移行リプの当選および通常RT3への移行を認識することができる。一方、RT3移行リプの当選時に第1特殊操作態様でストップボタンが操作されなかった場合には、第1特殊停止態様でリールを停止させないように制御するため、遊技者は、リールの停止態様によりRT3移行リプの当選および通常RT3への移行を認識することが困難となる。
【0063】
本実施形態例では、先述のように、RT3移行リプは、通常RT1、通常RT2および通常RT3の全てにおいて内部抽選の対象となっており、RT3移行リプに単独で対応付けられたREP6には、ストップボタンの操作態様に拘わらず有効ラインLに表示される図柄組み合わせが対応付けられている。このため、通常RT1および通常RT2でRT3移行リプに当選することにより、遊技状態を必ず通常RT3に移行させることができる。つまり、通常RT3は、通常RT1および通常RT2の何れの遊技状態からも移行可能な遊技状態であるといえる(
図9のC,E)。なお、後述するように、通常RT3は、ARTモードへの移行契機となる再遊技役の対応付けられた当選エリアの当選確率が通常状態のなかで最も高確率に設定されている遊技状態である。
【0064】
REP7〜16(特定役)は、ARTモードへの移行機能を有しており、当選エリア「レアリプ1」〜「レアリプ7」(以下、レアリプと言う。)に対応付けられている(
図6)。
【0065】
レアリプは、通常状態の非RT(以下、通常非RTと言う。)、通常RT1、通常RT2および通常RT3の全ての通常状態において内部抽選の対象となっており(
図6)、レアリプの当選確率は、通常非RT、通常RT1および通常RT2で約1/120、通常RT3で約1/10にそれぞれ設定されている(
図9)。つまり、通常RT3におけるレアリプの当選確率は、通常状態の中で最も高確率に設定されている。
【0066】
本実施形態例では、通常モードにおけるレアリプの当選に基づいてCZ1抽選を行い、CZ1抽選の当選に基づいてCZ1モードに移行させる構成となっており、CZ1抽選の当選確率は、レアリプの種別(当選エリア「レアリプ1」〜「レアリプ7」)に拘わらず、同一の当選確率(例えば15%)に設定されている。
【0067】
なお、本実施形態例において、CZ1抽選の当選確率は、レアリプの種別に応じて異なるように構成されていても良い。例えば、当選エリア「レアリプ1」の当選に基づいてCZ1抽選を5%の当選確率で実行し、当選エリア「レアリプ2」〜「レアリプ4」の当選に基づいてCZ1抽選を10%の当選確率で実行し、当選エリア「レアリプ5」〜「レアリプ7」の当選に基づいてCZ1抽選を25%の当選確率で実行するようにする。
【0068】
本実施形態例では、演出モードがARTモードに滞在している場合には、再遊技役の当選確率が約1/7.3に設定されている通常RT1に遊技状態を移行させないようなストップボタンの操作に係る打順演出をサブモニタ6等で実行する。例えば、ARTモードで通常RT1に滞在している場合において、通常RT2への移行機能を有するREP4の対応付けられたRT1リプに当選すると、遊技状態を通常RT2に移行させるための打順演出をサブモニタ6等で実行し、この打順演出に従ってストップボタンを操作することにより、遊技状態を通常RT2に移行させる。また、ARTモードで通常RT2に滞在している場合において、通常RT1への移行機能を有するREP5の対応付けられたRT2リプに当選すると、遊技状態を通常RT2で維持するための打順演出をサブモニタ6等で実行し、この打順演出に従ってストップボタンを操作することにより、遊技状態を通常RT2で維持する。このため、一般的に、ARTモードでは遊技状態が通常RT2に滞在している。一方、演出モードが非ARTモードに滞在している場合には、遊技状態の移行に係る打順演出をサブモニタ6等で実行しないように制御するため、一般的に、非ARTモードでは遊技状態が通常RT1に滞在しやすくなっている。
【0069】
小役であるNML1〜17は、入賞によりメダルを払い出す役として機能し、
図7に示すように、当選エリア「打順ベル1」〜「目押しベル」(以下、ベルと言う。)に対応付けられている。
【0070】
ベルは、通常状態の全てにおいて内部抽選の対象となっており(
図7)、通常状態における当選エリア「打順ベル1」〜「打順ベル10」(以下、打順ベルと言う。)の当選確率は約1/7、当選エリア「ハズレベル」、「レアベル」および「目押しベル」の当選確率は約1/250にそれぞれ設定されている。
【0071】
本実施形態例では、当選エリア「レアベル」(以下、レアベルと言う。)の当選に基づいて、演出モードを通常モードからCZ1モードへ移行させるか否かのCZ1抽選を実行するように構成されている。つまり、レアベルに対応付けられたNML16は、REP7〜16と同様に、ARTモードへの移行機能を有している。
【0072】
先述のように、レアリプの当選確率は、通常非RT、通常RT1および通常RT2で約1/120、通常RT3で約1/10にそれぞれ設定され、また、レアベルの当選確率は、通常状態の全てにおいて同一の約1/250に設定されている。このため、CZ1抽選の実行契機となるレアリプおよびレアベル(以下、特殊エリアと言う。)の当選確率は、通常状態の中で通常RT3が最も高確率となる。よって、通常状態の中で通常RT3が最もARTモードに移行しやすい遊技状態であるといえる。
【0073】
なお、本実施形態例において、CZ1抽選の当選確率は、レアリプよりもレアベルの方が高確率に設定されている構成であっても良いし、その逆の構成であっても良い。また、例えば、CZ1抽選の当選確率は、当選エリア「レアリプ1」よりもレアベルの方が高確率で、レアベルよりも当選エリア「レアリプ5」〜「レアリプ7」の方が高確率に設定されているような構成であっても良い。
【0074】
図5に示すように、NML16には「リプレイ図柄またはベル図柄」−「王冠図柄、ドル図柄または盾図柄」−「リプレイ図柄」の組合せが対応付けられている。内部抽選でNML16の対応付けられたレアベルに当選したとき、
図2に示す左図柄列34aに配置された王冠図柄の上にある図柄番号3番のリプレイ図柄を有効ラインLに表示する態様(以下、第2特殊操作態様と言う。)で左ストップボタン16が操作されると共に、中,右ストップボタン17,18が任意のタイミングで操作されたとする。この場合、
図8に示すように、表示窓50の左リール34に対応する中段位置に特徴的で印象的な図柄である王冠図柄が停止する態様(以下、第2特殊停止態様と言う。)でリールを停止させる。一方、レアベルの当選時に第2特殊操作態様で左ストップボタン16が操作されなかった場合には、王冠図柄が中段位置に停止する第2特殊停止態様でリールを停止させないようにリールを制御する。
【0075】
このように、レアベルの当選時に第2特殊操作態様で左ストップボタン16が操作された場合には、王冠図柄が中段位置に停止する特徴的な第2特殊停止態様でリールを停止させるため、遊技者は、リールの第2特殊停止態様によりレアベルの当選およびCZ1抽選の実行を認識することができる。一方、レアベルの当選時に第2特殊操作態様で左ストップボタン16が操作されなかった場合には、第2特殊停止態様でリールを停止させないように制御するため、遊技者は、リールの停止態様によりレアベルの当選およびCZ1抽選の実行を認識することが困難となる。
【0076】
打順ベルには、規定数が3枚の通常状態においてメダルの払出枚数が9枚の小役(NML1やNML2)および1枚の小役(例えばNML6)の双方が対応付けられている(
図5,
図7)。本実施形態例では、通常状態でARTモードに滞在している場合には、ベルの当選時に9枚のメダルを払い出し可能な小役の入賞を補助する打順に係る打順演出をサブモニタ6等で実行する一方、演出モードが非ARTモードに滞在している場合には、サブモニタ6等で打順演出を実行しないように制御する。このように、ARTモードにおける打順演出に従ってストップボタンを操作することによりメダルの獲得を容易にさせている。
【0077】
例えば、通常RT3でARTモードに滞在している場合において、当選エリア「打順ベル1」に当選した場合には、メダル払出枚数9枚のNML1の入賞を補助する打順1,2に係る打順演出を実行する。この打順演出に従ってストップボタンが操作された場合には、NML1を入賞させて9枚のメダルを払い出す。一方、当選エリア「打順ベル1」に当選した場合に打順3〜6でストップボタンが操作された場合には、ストップボタンの操作タイミングに応じて、1/2の確率でNML5またはNML7を入賞させて1枚のメダルを払い出し、残り1/2の確率でNML1,5,7の何れの小役も非入賞とさせる。このとき、何れの小役も非入賞となった場合には、
図5に示すSPF1またはSPF2に対応する図柄組合せ(以下、SPF図柄組合せと言う。)の一方を有効ラインLに表示するよう各リールを停止させ、これに基づいて、遊技状態を通常RT3から通常RT1へ移行(転落)させる(
図9のF)。
【0078】
このように、本実施形態例では、通常RT3で打順ベルに当選して小役が非入賞となったことに基づいて遊技状態を通常RT3から通常RT1へ移行させるが(
図9のF)、先述のように、通常RT3でRT3リプに当選してREP4に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示された場合には、遊技状態を通常RT3から通常RT2へ移行させる(
図9のD)。また、通常RT1でRT3移行リプに当選したことに基づいて遊技状態を通常RT1から通常RT3へ移行させ(
図9のE)、通常RT2でRT3移行リプに当選したことに基づいて遊技状態を通常RT2から通常RT3へ移行させる(
図9のC)。つまり、特殊エリアの当選確率が低確率の通常RT1と、特殊エリアの当選確率が低確率の通常RT2と、特殊エリアの当選確率が高確率の通常RT3とは、相互に移行可能な遊技状態である。言い換えると、通常RT3は、通常RT1および通常RT2の何れの遊技状態からも移行可能な遊技状態であって、通常RT3移行前の元の通常状態に戻ることも可能な遊技状態である。
【0079】
図3に説明を戻し、メインモニタ制御手段108は、サブモニタ6等で打順演出が実行される場合に、打順演出に対応するストップボタンの打順に係る情報をメインモニタ10に表示するよう制御する。
【0080】
次に、演出モード制御手段120によって制御される演出モードの概要について
図10を参照しながら説明する。
【0081】
一般状態の通常モードは、ARTモードへの移行の権利を獲得する機会が設けられていない演出モードである。このため、演出モードを非ARTモードからARTモードに移行させるためには、まず、ARTモードへの移行の権利を付与可能なCZ1潜伏モードやCZ1モード(第1演出状態)に移行させる必要がある。通常モードでは、特殊エリア(レアリプ,レアベル)の当選に基づいてCZ1モードへの移行の可否をCZ1抽選により決定し、CZ1抽選の当選に基づいて演出モードを通常モードからCZ1潜伏モードへ移行させる(
図10のA)。
【0082】
CZ1潜伏モードは、CZ1モードへの移行の前提となる演出モードであって、CZ1モードへの移行を示唆するような演出がサブモニタ6等で実行される。CZ1潜伏モードで予め定められた例えば5回(以下、CZ1潜伏回数と言う。)の遊技を実行すると、演出モードをCZ1潜伏モードからCZ1モードへ移行させる(
図10のB)。
【0083】
本実施形態例では、CZ1潜伏モードおよびCZ1モードの双方でARTモードへの移行の権利を獲得する機会が設けられている。具体的には、遊技に関する特典として、ARTモードへの移行の権利(以下、適宜、「ART」と省略する。)、CZ2モードへの移行の権利(以下、適宜、「CZ2」と省略する。)、演出モードの移行に関する演出ポイントが設けられており、CZ1潜伏モードにおける最後の遊技(5回目の遊技)で特典の付与に関する1回目の特典処理を実行し、次の遊技、すなわち、CZ1モードにおける最初の遊技(1回目の遊技)で特典の付与に関する2回目の特典処理を実行するように構成されている。なお、各特典処理で付与された特典(ART,CZ2,演出ポイント)は主制御処理部100のメインRAMに構築された遊技情報記憶領域140に記憶されるようになっており、特典として付与された演出ポイントは遊技情報記憶領域140に累積的に加算記憶される。
【0084】
本実施形態例では、遊技情報記憶領域140に記憶されている演出ポイントの累計値が所定値(例えば10000)に到達すると、遊技情報記憶領域140に記憶されている演出ポイントを所定値だけ抽出(減算)し、この抽出に基づいて遊技情報記憶領域140にARTを記憶する。つまり、演出ポイントの累計値が所定値に到達すると、特典としてARTモードへの移行の権利を付与する構成になっている。
【0085】
ここで、演出ポイントには、「200」を遊技情報記憶領域140に加算する通常ポイント(以下、通常PTと言う。)と、「1000」を遊技情報記憶領域140に加算する特殊ポイント(以下、特殊PTと言う。)が設けられている。そして、本実施形態例では、特典処理で付与された演出ポイントをサブモニタ6で報知するように構成されているが、通常PTと特殊PTとでは、報知タイミングが互いに相違する。
【0086】
通常PTの付与の報知は、CZ1モードの終了後に演出モードを即時に通常モードに移行させて通常モードで行われる(
図10のD)。これに対し、特殊PTの付与の報知は、CZ1モードの終了後に演出モードを前兆モードに移行させ(
図10のC)、この前兆モードの終了の際、または、前兆モードの終了後に演出モードを通常モードに移行させて通常モードで行われる(
図10のH)。つまり、特典処理で特殊PTを付与した場合には、演出モードをCZ1モードから前兆モードに移行させるが、通常PTを付与した場合には、演出モードを前兆モードに移行させることなく通常モードに移行させることになる。別言すると、通常PTは前兆無しの特典であるといえ、特殊PTは前兆有りの特典であるといえる。なお、特典として特殊PTを付与した場合には、遊技情報記憶領域140に演出ポイントとして「1000」を加算すると共に、前兆モードへの移行の権利(以下、適宜、「特殊PT前兆」と言う。)を記憶するように構成されている。
【0087】
CZ1モードにおける最後の遊技(2回目の遊技)では、1回目の特典処理および2回目の特典処理の双方で付与した特典に基づいて、リールの動作態様を用いた回胴演出(回胴演出A〜C)を実行すると共に、トランプ等で用いられるカードを模した複数種類の画像によるカード演出をサブモニタ6で実行する。これらの演出により、特典処理で付与した特典の種類等を示唆する構成になっている。
【0088】
CZ1モードで予め定められた2回(以下、CZ1回数と言う。)の遊技を実行するとCZ1モードを終了させる。そして、CZ1モード終了時に遊技情報記憶領域140にART、CZ2、特殊PT前兆のうち何れかの特典が記憶されている場合には、演出モードをCZ1モード(第1演出状態)から前兆モード(特殊演出状態)に移行させ(
図10のC)、ART、CZ2、特殊PT前兆のうち何れかの特典も記憶されていない場合には、通常モードに移行させる(
図10のD)。
【0089】
本実施形態例では、前兆モードとして、ARTモードへの移行を前提としたART前兆モード、CZ2モードへの移行を前提としたCZ2前兆モード、通常モードへの移行を前提とした特殊PT前兆モードが設けられている。各前兆モードでは、前兆モードの種別を識別困難な態様の演出が実行されると共に、前兆モードにおける遊技毎にCZ1抽選を実行する。前兆モードでCZ1抽選に当選した場合には、演出モードを前兆モードからCZ1モードに移行させる(
図10のE)。
【0090】
前兆モード(特殊演出状態)でCZ1抽選に当選することなく予め定められた10回(以下、前兆回数と言う。)の遊技を実行(終了条件が成立)すると前兆モードを終了させて、遊技情報記憶領域140に記憶されている特典の種類に基づいて、演出モードを前兆モードからARTモード(第2演出状態)、CZ2モード(第2演出状態)または通常モード(第2演出状態)に移行させる(
図10のG,F,H)。
【0091】
ここで、各演出モードには互いに異なる識別値(変数とも言う。)が対応付けられており、これら識別値に基づいて演出モードの移行を制御している。識別値は遊技情報記憶領域140に更新記憶されるようになっており、演出モードの移行の決定に基づいて遊技情報記憶領域140に記憶されている識別値を移行先の演出モードに対応する識別値に更新し、この識別値の更新に応じて対応する演出モードに移行させる構成になっている。
【0092】
識別値について具体的に説明すると、
図10に示すように、通常モードに「0」、CZ1潜伏モードに「1」、CZ1モードに「2」、前兆モードに「3」、CZ2モードに「4」、ARTモードに「5」の識別値がそれぞれ対応付けられている。例えば、通常モードでCZ1抽選に当選した場合には、CZ1潜伏モードへの移行を決定すると共に、識別値をCZ1潜伏モードに対応する「1」に更新し、識別値「1」の情報を含む演出コマンドを副制御処理部200に送信する。これにより、副制御処理部200が識別値「1」の情報を含む演出コマンドを受信すると、演出モードが通常モードからCZ1潜伏モードへ切り替わる構成になっている。
【0093】
本実施形態例では、前兆モードとして、ART前兆モード、CZ2前兆モード、特殊PT前兆モードの3種類の前兆モードが設けられているにも拘わらず、前兆モードには同一の識別値「3」が対応付けられている。また、本実施形態例では、CZ1潜伏モードにおける最後の遊技とCZ1モードにおける最初の遊技との2回の遊技で構成された遊技区間(以下、特定遊技区間と言う。)において2回の特典処理を実行するよう構成されている。このため、遊技情報記憶領域140に前兆モードへの移行を伴うART、CZ2および特殊PT前兆の特典(以下、前兆有特典と言う。)のうち2種類以上の特典が記憶されることがある。このため、遊技情報記憶領域140に異なる複数の前兆有特典が記憶されている場合には、識別値「3」の情報のみでは、CZ1モードの終了後にART前兆モード、CZ2前兆モード、特殊PT前兆モードのうち何れの前兆モードに移行させればよいかを判別することができない。そこで、本実施形態例では、遊技情報記憶領域140に異なる複数の前兆有特典が記憶されている場合には、特殊PT前兆モードよりもCZ2前兆モードへの移行を優先し、CZ2前兆モードよりもART前兆モードへの移行を優先するように予め優先順序が定められている。これにより、全ての前兆モードに同一の識別値「3」を対応付けたとしても、CZ1モード終了後に何れの種別の前兆モードに移行させればよいかを判別することが可能になっている。
【0094】
具体的には、CZ1モードの終了時に遊技情報記憶領域140にARTが記憶されている場合には、演出モードをART前兆モードに移行させた後にARTモードへ移行させ(
図10のC,G)、CZ2が記憶されてARTが記憶されていない場合にはCZ2前兆モードに移行させた後にCZ2モードへ移行させ(
図10のC,F)、特殊PT前兆が記憶されてARTおよびCZ2が記憶されていない場合には特殊PT前兆モードに移行させた後に通常モードへ移行させる(
図10のC,H)。一方、遊技情報記憶領域140にART、CZ2および特殊PT前兆の何れの特典も記憶されていない場合には、CZ1モードの終了後に演出モードを即時に通常モードに移行させる(
図10のH)。
【0095】
CZ2モードは、ARTモードへの移行のチャンスとなる演出モードであり、CZ2モードにおける最初の遊技において、ARTモードへの移行の権利を付与するか否かをART抽選で決定する。このとき、ART抽選に当選した場合には、CZ2モードで予め定めされた例えば10回(以下、CZ2回数と言う。)の遊技を実行した後に演出モードをARTモードに移行させる(
図10のJ)。
【0096】
本実施形態例では、遊技情報記憶領域140に複数の特典が記憶されることがあるため、CZ2モードでART抽選に当選しなかったとしても、CZ2モードの終了の際に遊技情報記憶領域140にCZ2等の前兆有特典が記憶されていることがある。このため、ART抽選に当選しなかった場合には、CZ2モードの終了の際に遊技情報記憶領域140にCZ2および特殊PTの何れかの前兆有特典が記憶されているか否かを判断し、これら前兆有特典が記憶されている場合には、CZ2モードの終了後に演出モードを再び前兆モードに移行させる(
図10のK)。なお、詳しくは後述するが、本実施形態例では、CZ2モードへの移行を重ねるごとにART抽選の当選確率が高確率に変動可能になっている。
【0097】
なお、本実施形態例において、CZ1潜伏回数や前兆回数を抽選により決定する構成であっても良いし、演出モードをCZ1潜伏モードからCZ1モードへ移行させる際に、CZ1モードへの移行を遊技者に報知するための演出をサブモニタ6等で実行する構成であっても良い。また、前兆回数を前兆モードの種別に応じて決定する構成であっても良い。このようにすると、前兆回数に基づいて前兆モードの種別を判別させることができる。
【0098】
次に、演出モードを制御する演出モード制御手段120について
図3等を用いて説明する。
【0099】
演出モード制御手段120は、演出モードの移行を決定する演出モード移行決定手段121、演出モードの移行の決定に基づいて識別値を更新する識別値更新手段122、識別値の情報やストップボタンの打順に関する情報を含む演出コマンドや特典の情報を含む特典コマンド等を副制御処理部200に送信する演出コマンド送信手段123、遊技に関する特典の処理を制御する特典処理手段130、を備えている。
【0100】
演出モード移行決定手段121は、所定条件の成立に基づいて演出モードの移行を決定する。演出モードの移行の決定については、
図13〜18に示すフローを用いて詳しく後述するが、例えば、通常モードおよび前兆モードでCZ1抽選に当選したことに基づいてCZ1潜伏モードへの移行を決定する。
【0101】
識別値更新手段122は、通常モードへの移行の決定に基づいて識別値を「0」に更新し、CZ1潜伏モードへの移行の決定に基づいて識別値を「1」に更新し、CZ1モードへの移行の決定に基づいて識別値を「2」に更新し、前兆モードへの移行の決定に基づいて識別値を「3」に更新し、CZ2モードへの移行の決定に基づいて識別値を「4」に更新し、ARTモードへの移行の決定に基づいて識別値を「5」に更新する。
【0102】
演出コマンド送信手段123は、遊技情報記憶領域140に記憶されている識別値の情報を含む特典コマンドを1回の遊技の終了の際に副制御処理部200に送信し、CZ1潜伏モードにおける最後の遊技とCZ1モードにおける最初の遊技との2回の遊技で構成された特定遊技区間で付与された特典(遊技情報記憶領域140に記憶された特典)の情報を含む特典コマンドをCZ1モードで副制御処理部200に送信する。
【0103】
特典処理手段130は、CZ1抽選を実行するCZ1抽選手段(決定手段)131と、CZ1潜伏モードにおける最後の遊技で1回目の特典処理を実行する第1特典処理実行手段132と、CZ1モードにおける最初の遊技で2回目の特典処理を実行する第2特典処理実行手段133と、特典を管理する特典管理手段134と、回胴演出の種類を決定する回胴演出決定手段135と、ART抽選の当選確率(以下、ART当選確率と言う。)を決定するART当選確率決定手段136と、ART抽選を実行するART抽選手段137と、ART遊技の管理を行うART管理手段138と、を備えている。
【0104】
CZ1抽選手段131は、通常モードにおける特殊エリア(レアリプ,レアベル)の当選に基づいてCZ1抽選を実行する。なお、本実施形態例において、特殊エリアの当選のみならず、他の当選エリアの当選に基づいてCZ1抽選を行っても良い。この場合、他の当選エリアに当選した場合よりも特殊エリアに当選した場合の方がCZ1抽選の当選確率が高確率となるようにCZ1抽選を実行すると好適である。
【0105】
また、CZ1抽選手段131は、前兆モード(特殊演出状態)で遊技が行われる毎にCZ1抽選を実行する。なお、本実施形態例において、通常モードで行われるCZ1抽選と同様に、前兆モードで特殊エリアの当選に基づいてCZ1抽選を行う構成であっても良い。この場合、前兆モードと通常モードとでCZ1抽選の当選確率が異なるように、例えば、前兆モードにおけるCZ1抽選の当選確率を100%に設定すると共に、通常モードにおけるCZ1抽選の当選確率を10%に設定する構成、すなわち、通常モードよりも前兆モードの方がCZ1抽選の当選確率が高確率となるようにCZ1抽選を実行する構成であっても良いし、その逆の構成であっても良い。
【0106】
第1特典処理実行手段132は、CZ1潜伏モードの最後の遊技におけるスタートレバー15の操作に基づいて、複数種類の特典の中から1つの特典を決定する特典内容抽選の実行回数を実行回数決定抽選で決定し、決定した実行回数の分だけ特典内容抽選を実行する。
【0107】
実行回数決定抽選は、当たりまたはハズレを決定する抽選をハズレとなるまで繰り返し行うループ抽選であり、第1特典処理実行手段132は、実行回数決定抽選で当たりとなった回数を特典内容抽選の実行回数に決定する。
【0108】
特典内容抽選は、ART、CZ2、特殊PT、通常PTの中から何れか1つの特典を必ず決定するハズレ無しの抽選であり、第1特典処理実行手段132は、実行回数決定抽選で決定した実行回数の分だけ特典内容抽選を実行する。なお、特典処理については
図14のフローを用いて詳細に説明する。
【0109】
第2特典処理実行手段133は、CZ1モードにおける最初の遊技におけるスタートレバー15の操作に基づいて2回目の特典処理を実行する。2回目の特典処理は、1回目の特典処理と同じ処理が行われるため、詳細な説明を省略する。
【0110】
特典管理手段134は、1回目の特典処理および2回目の特典処理の双方で決定した特典を遊技情報記憶領域140に記憶する。また、特典管理手段134は、前兆モードの終了時に当該前兆モードへの移行契機となった前兆有特典を遊技情報記憶領域140から抽出(減算)する。例えば、ART前兆モードの終了時に遊技情報記憶領域140からARTを1つ抽出する。なお、前兆モードの終了時に遊技情報記憶領域140からARTを抽出した場合には、演出モードは前兆モードからARTモードへ移行する。なお、前兆モードの終了時に遊技情報記憶領域140から前兆有特典を抽出する処理については
図17のフローを用いて詳細に説明する。
【0111】
回胴演出決定手段135は、CZ1潜伏モードにおける最後の遊技で行われた1回目の特典処理と、CZ1モードにおける最初の遊技で行われた2回目の特典処理との双方で決定された特典の種類に基づいて、すなわち、特典遊技区間で付与された特典の種類に基づいてCZ1モードにおける2回目の遊技の開始時に実行する回胴演出を回胴演出A〜Cの中から1つ決定する。
【0112】
図示を省略するが、1回目および2回目の特典処理で決定された特典にARTが含まれている場合には、回胴演出Aを10%、回胴演出Bを30%、回胴演出Cを60%の確率で決定し、CZ2が含まれてARTが含まれていない場合には、回胴演出Aを40%、回胴演出Bを30%、回胴演出Cを30%の確率で決定し、特殊PTが含まれてARTおよびCZ2が含まれていない場合には、回胴演出Aを60%、回胴演出Bを30%、回胴演出Cを10%の確率で決定し、通常PTのみが含まれている場合には、回胴演出Aを100%、回胴演出Bを0%、回胴演出Cを0%の確率で決定する。このため、回胴演出Aの実行は、特典がARTに決定された可能性が低く通常PTに決定された可能性が高いことを示唆し、回胴演出Cの実行は、特典がARTに決定された可能性が高いことを示唆することができる。なお、回胴演出制御手段115は、CZ1モードにおける2回目の遊技の開始時に回胴演出決定手段135の決定した回胴演出を実行するよう制御する。
【0113】
ART当選確率決定手段136は、CZ2モードにおける最初の遊技の開始時にART当選確率を30%、50%、70%の中から決定し、決定したART当選確率を遊技情報記憶領域140に記憶する。
【0114】
ART抽選手段137は、CZ2モードにおける最初の遊技の開始時に、遊技情報記憶領域140に記憶されているART当選確率に基づいてART抽選を実行する。
【0115】
本実施形態例では、ART当選確率は初期状態で30%に設定されており、ART当選確率決定手段136は、CZ2モードへの移行毎に、遊技情報記憶領域140に記憶されているART当選確率を更新する構成になっている。このとき、ART当選確率決定手段136は、遊技情報記憶領域140に記憶されているART当選確率が低確率に更新されないように、CZ2モードにおける最初の遊技の開始時にART当選確率を30%、50%、70%の中から決定するように構成されている。つまり、前回のCZ2モードで行われたART抽選の当選確率よりも今回のCZ2モードで行われるART抽選の当選確率が低確率とならないように、ART当選確率を決定している。ただし、ART当選確率決定手段136は、CZ2モードでART抽選に当選した場合には、遊技情報記憶領域140に記憶されているART抽選の当選確率を30%に初期値化するように構成されている。このため、ART抽選の当選後に初めてCZ2モードへ移行した場合には、ART当選確率は30%、50%、70%の中から決定されることになる。
【0116】
そして、本実施形態例では、CZ2モードでART抽選に当選した場合には、遊技情報記憶領域140に記憶されているART抽選の当選確率を初期値化するが、特定遊技区間で行われた2回の特典処理でARTが付与されたとしても、ART抽選の当選確率を初期値化しない構成になっている。このため、遊技情報記憶領域140にARTが記憶されている状態であっても、ART抽選の当選確率が70%の高確率に設定される場合があり、この場合、CZ2モードでART抽選に当選して遊技情報記憶領域140にARTを更に記憶するチャンスとなる。
【0117】
なお、本実施形態例において、特定遊技区間で遊技情報記憶領域140にARTが記憶された場合には、ART抽選の当選確率を初期値化する構成であっても良い。また、遊技情報記憶領域140に記憶されているART当選確率に基づいてCZ2モードにおける演出の態様を変更するように構成しても良い。例えば、CZ2モードにおける演出の態様として演出A〜Cを設け、CZ2モードにおけるART当選確率が30%に決定された場合にはCZ2モードで演出Aを実行し、50%に決定された場合にはCZ2モードで演出Bを実行し、70%に決定された場合にはCZ2モードで演出Cを実行するようにする。このようにすると、ART抽選の当選の可能性をCZ2モードにおける演出で示唆することが可能になる。
【0118】
ART管理手段138は、ARTモードへの移行の際に遊技情報記憶領域140に所定回数のART遊技を記憶し、ARTモードで遊技が行われる毎に遊技情報記憶領域140に記憶されているART遊技の回数を「1」減算する。なお、演出モード移行決定手段121は、遊技情報記憶領域140に記憶されているART遊技の回数が「0」になったことに基づいて非ARTモードへの移行を決定する。
【0119】
このように、本実施形態例では、CZ1潜伏モードにおける最後の遊技とCZ1モードにおける最初の遊技との2回の遊技で構成された特定遊技区間において、特典を決定する特典処理を2回に分けて実行しており、これら各特典処理では、実行回数決定抽選で決定した実行回数の分だけ特典内容抽選を実行し、この特典内容抽選では、ART、CZ2、特殊PT、通常PTの中から必ず1の特典を決定するように構成されている。このため、CZ1抽選の当選に基づいて移行する特定遊技区間で複数の特典が付与される場合があり、本実施形態例では、特定遊技区間で付与された特典の数および種類を
図11に示す複数種類のカード(カードA〜F)でサブモニタ6に表示するように構成されている。
【0120】
次に、特定遊技区間で決定された特典に基づいてカードの種類および数(演出態様,表示態様)を決定する演出決定手段202について説明する。
【0121】
演出決定手段202は、特定遊技区間で付与された特典毎にカードの種類および枚数を決定する。具体的には、特定遊技区間で付与された特典の情報を含む特典コマンドを副制御処理部200が受信したことに基づいて、この特典コマンドに含まれている1つの特典情報に対して1または2以上のカードをカードA〜Fの中から決定する一連の処理(以下、カード決定処理と言う。)を、特典コマンドに含まれている全ての特典情報に対して実行する。例えば、特定遊技区間で遊技情報記憶領域140にCZ2が2つ記憶されたことにより、2個のCZ2の情報を含む特典コマンドを副制御処理部200が受信した場合には、特典コマンドからCZ2の情報を1個抽出してカードの種類および枚数を決定した後に、再び特典コマンドからCZ2の情報を1個抽出してカードの種類および枚数を決定する。
【0122】
このように、本実施形態例では、特定遊技区間で決定された特典の数および種類に基づいて、サブモニタ6に表示されるカードの種類と枚数が決定される構成になっており、
図11に示すように、1つのARTに1枚のカードA、1つのCZ2に1枚のカードB、1つの特殊PTに1枚のカードD、1つの通常PTに1枚のカードFがそれぞれ対応付けられている。このため、サブモニタ6に表示される1枚のカードAは、複数種類の特典の中で最も遊技利益の高いARTが特定遊技区間で付与されたことを遊技者に報知する。同様に、1枚のカードBはARTの次に遊技利益の高いCZ2の付与を報知し、1枚のカードDはCZ2の次に遊技利益の高い特殊PTの付与を報知し、1枚のカードFは最も遊技利益の低い通常PTの付与を報知する。ただし、本実施形態では、特定遊技区間でARTが1つ付与された場合に、サブモニタ6にカードA以外のカードを複数(複数枚)表示したり、特定遊技区間でCZ2が1つ付与された場合に、サブモニタ6にカードAおよびB以外のカードを複数表示したりする場合がある。なお、付与される特典に基づいてカードの種類および枚数を決定するカード決定処理については
図22に示すフローを用いて詳細に後述する。
【0123】
次に、本実施形態例のスロットマシンSに係る遊技の処理手順について
図12〜
図23のフローチャートを用いて説明する。
【0124】
(ステップS1〜S5)
図12に示すように、規定数のメダルがスロットマシンSに投入されると(S1)、スタートレバー15が有効化され(S2)、この後にスタートレバー15が操作されると(S3)、内部抽選が行われる(S4)。そして、内部抽選で決定された役に対応する当選フラグがONにセットされる(S5)。
【0125】
本実施形態例では、ステップS5において、ONにセットされている当選フラグの情報を含む演出コマンドを副制御処理部200に送信し、副制御処理部200が当該演出コマンドを受信すると、演出モードの種類に応じて内部抽選で決定された役に対応する様々な演出(例えば、打順演出等)をサブモニタ6等で実行する。
【0126】
(ステップS100)
次に、演出モードの種別に応じて第1演出モード制御処理を実行し、この処理の実行が終了するとステップS6に処理を移す。なお、第1演出モード制御処理については後述する。
【0127】
(ステップS6〜S8)
次に、前回の遊技における各リール34〜36の回転開始時点から所定時間(例えば4.1秒)の経過を条件に各リール34〜36の回転を一斉に開始し(S6)、全てのリールが定常回転に達した後に全てのストップボタンの操作を有効化する(S7)。そして、有効化された各ストップボタン16〜18の操作に基づいて対応するリールを停止させる(S8)。
【0128】
(ステップS200)
次に、演出モードの種別に応じて第2演出モード制御処理を実行し、この処理の実行が終了するとステップS9に処理を移す。なお、第2演出モード制御処理については後述する。
【0129】
(ステップS9〜S13)
次に、ステップS4の内部抽選で決定された当選エリアに対応付けられた役に係る図柄組合せが有効ラインLに表示されているか否かの遊技結果判定処理を行い(S9)、この遊技結果判定処理に応じて、小役の入賞によるメダル払出処理(S10)、再遊技役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示されたことによる再遊技設定処理(S11)、遊技状態を通常状態内で移行させる役として機能する再遊技役やCB役に係る図柄組合せが有効ラインLに表示されたこと等による遊技状態の移行処理(S12)、遊技結果判定処理の結果に応じて当選フラグのON・OFFを制御する当選フラグ制御処理(S13)を行う。
【0130】
このように、本実施形態例では、規定数のメダルの投入下におけるスタートレバー15の遊技開始操作に基づいて複数種類の当選エリアの当否を決定する内部抽選を行うと共に、各リール34〜36の回転を開始させ、有効化されたストップボタン16〜18の操作および内部抽選の結果に基づいて各リール34〜36の回転を停止させて1回の遊技を行う。そして、この1回の遊技が行われる間に、演出コマンドや特典コマンドに代表される複数種類のコマンドを所定のタイミングで副制御処理部200に送信し、これら複数種類のコマンドに基づいて演出モード移行手段201が演出モードを移行し、演出決定手段202が演出の態様を決定し、演出実行手段203が各演出装置で打順演出やカードによるカード演出等の様々な演出を実行する構成になっている。
【0131】
次に、第1演出モード制御処理(S100)について
図13〜19を用いて以下に説明する。まず、演出モードがCZ1潜伏モードに滞在している場合に行われる第1演出モード制御処理について
図13を用いて説明する。なお、CZ1潜伏モードは識別値「1」に対応する演出モードであり、5回の遊技で構成されている(CZ1潜伏回数が5回)。
【0132】
(ステップS101)
まず、CZ1潜伏モードにおいて、遊技情報記憶領域140に記憶されているCZ1潜伏回数から「1」を減算し(S101)、ステップS102に処理を移す。
【0133】
(ステップS102〜S104,S120)
次に、CZ1潜伏回数が「0」であるか否かを判断し(S102)、CZ1潜伏回数が「0」でない場合(S102でNo)には第1演出モード制御処理を終了し、CZ1潜伏回数が「0」の場合(S102でYes)には、CZ1モードへの移行を決定し(S103)、遊技情報記憶領域140に記憶されている識別値を「2」に更新し(S104)、1回目の特典処理を実行する(S120)。つまり、CZ1潜伏モードにおける最後の遊技で1回目の特典処理を実行する。以下に、特典処理について
図14を用いて説明する。
【0134】
(ステップS121〜S123)
まず、ハズレとなるまで繰り返し行われる実行回数決定抽選(ループ抽選)を行い(S121)、この抽選に当選したか否かを判断する(S122)。実行回数決定抽選に当選した場合(S122でYes)には、遊技情報記憶領域140に実行回数決定抽選の当選回数「1」を加算する(S123)と共に、ステップS121の手前に戻り、再び実行回数決定抽選を行う(S121)。
【0135】
本実施形態例では、実行回数決定抽選はスタートレバー15の操作を契機に行われる構成になっているが、この構成に限られず、全てのストップボタン16〜18の操作のうち三番目(最後)のストップボタンを押下して当該押下を解除したことを契機に行う構成であっても良い。
【0136】
(ステップS124)
ステップS122でNoの場合、すなわち、実行回数決定抽選に当選しなかった場合には本ステップS124に処理を移し、遊技情報記憶領域140に記憶されている実行回数決定抽選の当選回数が「0」であるか否かを判断する。なお、本実施形態例では、1回の特典決定処理において実行回数決定抽選に平均して約4回当選するように実行回数決定抽選の当選確率が予め設定されている。
【0137】
(ステップS125,S126)
次に、ステップS124でNoの場合、すなわち、遊技情報記憶領域140に記憶されている実行回数決定抽選の当選回数が「1」以上の場合には、遊技情報記憶領域140に記憶されている実行回数決定抽選の当選回数から「1」を減算すると共に(S125)、この1の減算に基づいて特典内容抽選を1回実行する(S126)。特典内容抽選は、ART、CZ2、特殊PT、通常PTの中から必ず1つの特典を決定する。
【0138】
(ステップS127)
次に、ステップS126の特典内容抽選で決定した特典を遊技情報記憶領域140に記憶して、ステップS128に処理を移す。
【0139】
(ステップS128)
次に、遊技情報記憶領域140に記憶されている演出ポイントの累計値が「100000」に到達しているか否かを判断する。演出ポイントの累計値が「100000」に到達している場合(S128でYes)にはステップS129に処理を移す。一方、演出ポイントの累計値が「100000」に到達していない場合(S128でNo)には、再びステップS124に処理を移し、遊技情報記憶領域140に記憶されている実行回数決定抽選の当選回数が「0」となるまでステップS124〜S129の処理を繰り返し実行する。つまり、実行回数決定抽選で当選した回数の分だけ特典内容抽選を実行する。
【0140】
(ステップS129)
次に、演出ポイントの累計値が「100000」に到達した場合には、遊技情報記憶領域140から演出ポイント「100000」を抽出(減算)すると共に、この抽出に基づいて遊技情報記憶領域140に1つのARTを記憶(加算)する(S129)。かかる後に、再びステップS124に処理を移し、ステップS124〜S129の処理を繰り返し実行する。
【0141】
次に、演出モードがCZ1モードに滞在している場合に行われる第1演出モード制御処理について
図15を用いて説明する。なお、CZ1モードは、識別値「2」に対応する演出モードであり、2回の遊技で構成されている(CZ1回数が2回)。
【0142】
(ステップS131)
まず、CZ1モードにおいて、遊技情報記憶領域140に記憶されているCZ1回数から「1」を減算し、ステップS132に処理を移す。
【0143】
(ステップS132,S120,S133)
次に、CZ1回数が「1」であるか否かを判断し(S132)、CZ1回数が「1」の場合(S132でYes)には、2回目の特典処理を実行する(S120)。つまり、CZ1モードにおける最初の遊技で2回目の特典処理を実行する。なお、2回目の特典処理は1回目の特典処理と同一の処理(
図14の処理)であるため説明を省略する。2回目の特典処理が終了するとステップS133に処理を移し、1回目および2回目の特典処理で決定した特典の種類に基づいて回胴演出A〜Cの中から実行する回胴演出の種類を決定する(S133)。
【0144】
(ステップS134〜S138)
次に、ステップS132でNoの場合、すなわち、CZ1回数が「1」でない場合(CZ1モードにおける最後の遊技である場合)にはステップS134に処理を移し、遊技情報記憶領域140に、ART、CZ2、特殊PT前兆のうち何れかの前兆有特典が1以上記憶されているか否かを判断する(S134)。このとき、前兆有特典が1以上記憶されている場合(S134でYes)には、前兆モードへの移行を決定し(S135)、遊技情報記憶領域140に記憶されている識別値を「3」に更新し(S136)ステップS139に処理を移す。一方、前兆有特典が記憶されていない場合(S134でNo)には、通常モードへの移行を決定し(S137)、遊技情報記憶領域140に記憶されている識別値を「0」に更新し(S138)ステップS139に処理を移す。
【0145】
(ステップS139〜S140)
次に、ステップS133で決定した回胴演出を実行すると共に、1回目および2回目の特典処理で決定(付与)した特典の情報を含む特典コマンドを副制御処理部200に送信する。なお、副制御処理部200が特典コマンドを受信した場合に行われるカード決定処理については
図22のフローを用いて後述する。
【0146】
次に、演出モードが前兆モードに滞在している場合に行われる第1演出モード制御処理について
図16を用いて説明する。なお、前兆モードは識別値「3」に対応する演出モードであり、10回の遊技で構成されている(前兆回数が10回)。つまり、ART前兆モード、CZ2前兆モード、特殊PT前兆モードの種別に拘わらず、前兆モードにおける遊技回数は同じ回数に設定されている。
【0147】
(ステップS151)
まず、前兆モードにおいて、遊技情報記憶領域140に記憶されている前兆回数から「1」を減算し(S151)、ステップS152に処理を移す。
【0148】
(ステップS152〜S155)
次に、CZ1抽選を実行し(S152)、CZ1抽選に当選したか否かを判断する(S153)。このとき、CZ1抽選に当選した場合(S153でYes)には、CZ1潜伏モードへの移行を決定し(S154)、遊技情報記憶領域140に記憶されている識別値を「1」に更新する(S155)。なお、前兆モードにおけるCZ1抽選の当選に基づいて演出モードが前兆モードからCZ1潜伏モードに移行したとしても、このCZ1潜伏モードへの移行は、遊技者に判別困難な態様で行われる。
【0149】
(ステップS156,S160)
次に、ステップS153でNoの場合、すなわち、前兆モードにおけるCZ1抽選に当選していない場合には、ステップS156に処理を移し、遊技情報記憶領域140に記憶されている前兆回数が「0」であるか否かを判断する。このとき、前兆回数が「0」でない場合(S156でNo)には、前兆モードにおける第1演出モード制御処理を終了し、前兆回数が「0」の場合(S156でYes)には、ステップS160に処理を移して前兆モード終了処理を実行する。以下に前兆モード終了処理について
図17を用いて説明する。
【0150】
(ステップS161)
まず、遊技情報記憶領域140にARTが1以上記憶(ストック)されているか否かを判断し、ARTが1以上記憶されている場合(S161でYes)には、ステップS162に処理を移す。なお、本実施形態例では、CZ1モードの終了時に遊技情報記憶領域140にARTを含む複数の特典が記憶されている場合には、ARTモードへの移行を最優先してCZ1モードの終了後にART前兆モードに移行させる構成になっている(
図21のS231,232を参照)。このため、ステップS161でYes、すなわち、遊技情報記憶領域140にARTが記憶されているということは、現在、ART前兆モードに滞在していることになる。
【0151】
(ステップS162〜S164)
次に、ARTモードへの移行を決定し(S162)、遊技情報記憶領域140に記憶されている識別値を「5」に更新すると共に(S163)、遊技情報記憶領域140からARTを1つ抽出(ARTのストックを1減算)して(S164)、前兆モード終了処理を終える。
【0152】
(ステップS165)
次に、ステップS161でNoの場合、すなわち、遊技情報記憶領域140にARTが記憶されていない場合には、遊技情報記憶領域140にCZ2が1以上記憶されているか否かを判断し(S165)、CZ2が1以上記憶されている場合(S165でYes)には、ステップS166に処理を移す。なお、本実施形態例では、CZ1モードの終了の際に遊技情報記憶領域140にCZ2が記憶されているがARTが記憶されていない場合には、CZ2モードへの移行を優先してCZ1モードの終了後にCZ2前兆モードに移行させる構成になっている(
図21のS231,233を参照)。このため、ステップS165でYes、すなわち、遊技情報記憶領域140にCZ2が記憶されているがARTが記憶されていないということは、現在、CZ2前兆モードに滞在していることになる。
【0153】
(ステップS166〜S168)
次に、CZ2モードへの移行を決定し(S166)、遊技情報記憶領域140に記憶されている識別値を「4」に更新すると共に(S167)、遊技情報記憶領域140からCZ2を1つ抽出(CZ2のストックを1減算)して(S168)、前兆モード終了処理を終える。
【0154】
(ステップS169〜S171)
次に、ステップS165でNoの場合、すなわち、遊技情報記憶領域140に特殊PT前兆が記憶されている(ARTおよびCZ2の何れも記憶されていない)場合には、通常モードへの移行を決定し(S169)、遊技情報記憶領域140に記憶されている識別値を「0」に更新すると共に(S170)、遊技情報記憶領域140から特殊PT前兆を1つ抽出(特殊PT前兆のストックを1減算)して(S171)、前兆モード終了処理を終える。なお、本実施形態例では、CZ1モードの終了の際に遊技情報記憶領域140に特殊PT前兆が記憶されているがARTおよびCZ2が記憶されていない場合には、CZ1モードの終了後に演出モードを特殊PT前兆モードに移行させる構成になっている(
図21のS233,235を参照)。このため、ステップS165でNoであるということは、現在、特殊PT前兆モードに滞在していることになる。
【0155】
本実施形態例では、特典として、前兆モードへの移行を伴うART、CZ2、特殊PT(前兆有特典)と、前兆モードへの移行を伴わない通常PT(以下、前兆無特典と言う。)が設けられており、特定遊技区間で特典として前兆有特典が付与された場合には、演出モードを前兆モードに移行させ、前兆モード終了時に遊技情報記憶領域140から当該前兆モードへの移行契機となった前兆有特典を1減算する構成になっている(
図17のS164,S168,S171)。このため、
図16に示すように、前兆モード中にCZ1抽選に当選して(同図のS153でYes)、前兆モードで予め定められた所定回数(前兆回数)の遊技を実行する前に前兆モードが終了して演出モードがCZ1潜伏モードに移行した場合には、遊技情報記憶領域140から前兆有特典を減算することなく演出モードをCZ1潜伏モードに移行させることになる。このとき、遊技情報記憶領域140には少なくとも前兆有特典が記憶されていることから、この前兆有特典に基づいて、演出モードがCZ1潜伏モードおよびCZ1モードを経て再び前兆モードに移行し、この前兆モードでCZ1抽選に当選しないことを条件に所定回数(前兆回数)の遊技が行われるまで前兆モードに滞在することになる。つまり、本実施形態例では、前兆モードにおけるCZ1抽選の当選に基づいて前兆モードが中断された場合には、前兆モードが再セットされて再び前兆モードに滞在することになる。このため、前兆モードにおけるCZ1抽選の当選は、前兆モードの滞在期間を長期化させて、CZ1抽選の実行機会を増加させることができる。
【0156】
なお、本実施形態例において、特定遊技区間で遊技情報記憶領域140に特殊PT前兆が記憶されたこと(特典として特殊PTが付与されたこと)に基づいて、特定遊技区間の終了後に特殊PT前兆モードに移行した場合には、この前兆モード終了時ではなく、当該前兆モード開始時に遊技情報記憶領域140から特殊PT前兆を1抽出(減算)する構成であっても良い。この場合、特殊PT前兆モードの移行時に遊技情報記憶領域140から特殊PT前兆を1つ減算するため、特殊PT前兆モードでCZ1抽選に当選した場合には、この特殊PT前兆モードへの移行契機となった特殊PT前兆は既に遊技情報記憶領域140から抽出されている。したがって、遊技情報記憶領域140に記憶されている1つの特殊PT前兆に基づいて特殊PT前兆モードに1回だけ移行することになる。このようにすると、遊技情報記憶領域140に記憶されている1つの特殊PT前兆に基づいて繰り返し特殊PT前兆モードがセットされることはない。これにより、前兆モードの滞在期間が長期化することを防止することができる。
【0157】
次に、演出モードがCZ2モードに滞在している場合に行われる第1演出モード制御処理について
図18を用いて説明する。なお、CZ2モードは識別値「4」に対応する演出モードであり、10回の遊技で構成されている(CZ2回数が10回)。
【0158】
(ステップS181)
まず、CZ2モードにおいて、遊技情報記憶領域140に記憶されているCZ2回数から「1」を減算し(S181)、ステップS182に処理を移す。
【0159】
(ステップS182)
次に、遊技情報記憶領域140に記憶されているCZ2回数が「9」であるか否かを判断し(S182)、CZ2回数が「9」でない場合(S182でNo)には、ステップS187に処理を移す。一方、CZ2回数が「9」の場合、すなわち、CZ2モードにおける最初の遊技(1回目の遊技)の場合(S182でYes)には、ステップS200に処理を移しART当選確率決定処理を実行する。以下に
図19を用いてART当選確率決定処理について説明する。
【0160】
(ステップS201〜207)
ART当選確率決定処理において、遊技情報記憶領域140に記憶されているART抽選の当選確率(ART当選確率)が30%の場合(S201でYes)には、ART当選確率を30%、50%、70%の中から決定し(S202)、遊技情報記憶領域140に記憶されているART当選確率が50%の場合(S203でYes)には、ART抽選の当選確率を50%および70%の中から決定し(S204)、遊技情報記憶領域140に記憶されているART当選確率が70%の場合(S205でYes)には、ART当選確率を70%に決定する(S206)。そして、決定したART当選確率を遊技情報記憶領域140に記憶して(S207)ART当選確率決定処理を終了する。つまり、前回のCZ2モードで行われたART抽選の当選確率よりも今回のCZ2モードで行われるART抽選の当選確率が低確率とならないように、ART当選確率を決定している。
【0161】
(ステップS183〜S186)
図18に説明を戻し、ART当選確率決定処理(S200)の終了後に遊技情報記憶領域140に記憶されているART当選確率でART抽選を実行し(S183)、ART抽選に当選したか否かを判断する(S184)。このとき、ART抽選に当選した場合(S184でYes)には、遊技情報記憶領域140にARTを1つ加算し(S185)、遊技情報記憶領域140に記憶されているART当選確率を30%に初期値化する(S186)。
【0162】
(ステップS187)
次に、遊技情報記憶領域140に記憶されているCZ2回数が「0」であるか否かを判断し(S187)、CZ2回数が「0」でない場合(S187でNo)には、CZ2モードにおける第1演出モード制御処理を終了し、CZ2回数が「0」である場合(S187でYes)には、ステップS188に処理を移す。
【0163】
(ステップS188〜S191)
次に、遊技情報記憶領域140にARTが1以上記憶(ストック)されているか否かを判断し(S188)、ARTが1以上記憶されている場合(S188でYes)には、ARTモードへの移行を決定し(S189)、遊技情報記憶領域140に記憶されている識別値を「5」に更新すると共に(S190)、遊技情報記憶領域140に記憶されている1つのARTを抽出(ARTのストックを1減算)して(S191)、CZ2モードにおける第1演出モード制御処理を終える。
【0164】
(ステップS192〜S194)
次に、ステップS188でNoの場合、すなわち、遊技情報記憶領域140にARTが記憶されていない場合には、遊技情報記憶領域140に1以上のCZ2が記憶されているか、あるいは、遊技情報記憶領域140に1以上の特殊PT前兆が記憶されているかを判断し(S192)、CZ2または特殊PT前兆が1以上記憶されている場合(S192でYes)には、前兆モードへの移行を決定し(S193)、遊技情報記憶領域140に記憶されている識別値を「3」に更新して(S194)、CZ2モードにおける第1演出モード制御処理を終える。
【0165】
(ステップS195,S196)
次に、ステップS192でNoの場合、すなわち、遊技情報記憶領域140にART、CZ2および特殊PT前兆の何れの前兆有特典も記憶されていない場合には、通常モードへの移行を決定し(S195)、遊技情報記憶領域140に記憶されている識別値を「0」に更新して(S196)、CZ2モードにおける第1演出モード制御処理を終える。
【0166】
次に、1回の遊技の終了の際に行われる第2演出モード制御処理(S210)について
図20を用いて以下に説明する。
【0167】
(ステップS211〜S222)
まず、遊技情報記憶領域140に記憶されている識別値を確認し(S211)、識別値「0」が記憶されている場合(S212でYes)には、通常モードの情報を含む演出コマンドを副制御処理部200に送信し(S213)、同様に、識別値「1」が記憶されている場合(S214でYes)には、CZ1潜伏モードの情報を含む演出コマンドを送信し(S215)、識別値「2」が記憶されている場合(S216でYes)には、CZ1モードの情報を含む演出コマンドを送信し(S217)、識別値「4」が記憶されている場合(S219でYes)には、CZ2モードの情報を含む演出コマンドを送信し(S220)、識別値「5」が記憶されている場合(S221でYes)には、ARTモードの情報を含む演出コマンドを送信する(S222)。そして、遊技情報記憶領域140にART前兆モード、CZ2前兆モードおよび特殊PT前兆モードの全ての前兆モードに対応付けられた識別値「3」が記憶されている場合(S218でYes)には、ステップS230に処理を移して前兆モード種別決定処理を実行する。この前兆モード種別決定処理について
図21を用いて以下に説明する。
【0168】
(ステップS231〜S235)
前兆モード種別決定処理において、遊技情報記憶領域140にARTが1以上記憶(ストック)されている場合(S231でYes)には、ART前兆モードの情報を含む演出コマンドを送信し(S232)、遊技情報記憶領域140にCZ2が1以上記憶されているがARTが記憶されていない場合(S233でYes)には、CZ2前兆モードの情報を含む演出コマンドを送信し(S234)、遊技情報記憶領域140に特殊PT前兆が1以上記憶されているがARTおよびCZ2が記憶されていない場合(S233でNo)には、特殊PT前兆モードの情報を含む演出コマンドを送信し(S235)、前兆モード種別決定処理を終了する。つまり、識別値が「3」に更新されて演出モードがCZ1モードから前兆モードに移行する際には、特殊PT前兆モードよりもCZ2前兆モードの移行が優先され、CZ2前兆モードよりもART前兆モードの移行が優先される。
【0169】
次に、CZ1潜伏モードにおける最後の遊技とCZ1モードにおける最初の遊技との2回の遊技で構成された特定遊技区間で付与された特典に基づいて、カードの種類および枚数を決定するカード決定処理(S240)について
図22を用いて以下に説明する。なお、カード決定処理は、CZ1モードにおける
図15に示すステップS140で副制御処理部200に送信された特典コマンドに基づいて行われる。
【0170】
(ステップS241,S242)
まず、CZ1モードで送信された特典コマンドを副制御処理部200が受信したか否かを判断し(S241)、特典コマンドを受信している場合(S241でYes)には特典コマンドに含まれている特典の情報を確認し(S242)、ステップS243に処理を移す。一方、特典コマンドを受信していない場合(S241でNo)にはカード決定処理を終了する。
【0171】
(ステップS243〜S245)
次に、特典コマンドにARTの情報が1以上含まれているか否かを判断し(S243)、ARTの情報が1以上含まれている場合(S243でYes)、特典コマンドからARTの情報を1つ抽出し(S244)、この抽出に基づいてカードの枚数を複数枚にするか否かを決定する(S245)。
【0172】
(ステップS246,S247)
次に、カードの枚数を複数枚に決定したか否かを判断し(S246)、カードの枚数を複数枚に決定した場合(S246でYes)には、カードの枚数を例えば2枚〜5枚の範囲内で決定すると共に、決定したカードの枚数毎にカードの種類を決定する(S247)。このとき、ARTに対応するカードAを選択しないようにカードB〜Dの中からカードの種類を決定する。
【0173】
(ステップS248)
次に、ステップS246でNoの場合、すなわち、カードの枚数を複数枚に決定していない場合には、本ステップS248において、1枚のカードをARTに対応するカードAに決定する。
【0174】
ステップS247,248において、特典コマンドに含まれている1つのARTの情報に基づいてカードの種類および枚数を決定すると、再びステップS243の手前に戻り、特典コマンドに含まれているARTの情報が全て抽出されるまで、すなわち、特典コマンドに含まれているARTの情報が「0」になるまでステップS243〜S248までの処理を繰り返し実行する。そして、特典コマンドに含まれているARTの情報が「0」の場合(S243でNo)には、ステップS249に処理を移す。
【0175】
(ステップS249〜S251)
次に、特典コマンドにCZ2の情報が1以上含まれているか否かを判断し(S249)、CZ2の情報が1以上含まれている場合(S249でYes)、特典コマンドからCZ2の情報を1つ抽出し(S250)、この抽出に基づいてカードの枚数を複数枚にするか否かを決定する(S251)。
【0176】
(ステップS252,S253)
次に、カードの枚数を複数枚に決定したか否かを判断し(S252)、カードの枚数を複数枚に決定した場合(S252でYes)には、カードの枚数を例えば2枚〜5枚の範囲内で決定すると共に、決定したカードの枚数毎にカードの種類を決定する(S253)。このとき、CZ2に対応するカードBおよびARTに対応するカードAを選択しないようにカードC〜Fの中からカードの種類を決定する。
【0177】
(ステップS254)
次に、ステップS252でNoの場合、すなわち、カードの枚数を複数枚に決定していない場合には、本ステップS254において、1枚のカードをCZ2に対応するカードBに決定する。
【0178】
ステップS253,254において、特典コマンドに含まれている1つのCZ2の情報に基づいてカードの種類および枚数を決定すると、再びステップS249の手前に戻り、特典コマンドに含まれているCZ2の情報が全て抽出されるまで、すなわち、特典コマンドに含まれているCZ2の情報が「0」になるまでステップS249〜S254までの処理を繰り返し実行する。そして、特典コマンドに含まれているCZ2の情報が「0」の場合(S249でNo)には、ステップS255に処理を移す。
【0179】
(ステップS255〜S257)
次に、特典コマンドに特殊PT前兆の情報が1以上含まれているか否かを判断し(S255)、特殊PT前兆の情報が1以上含まれている場合(S255でYes)、特典コマンドから特殊PT前兆の情報を1つ抽出し(S256)、この抽出に基づいて、カードの枚数を1枚、カードの種類を特殊PT前兆に対応するカードDに決定する(S257)。かかる後にステップS255の手前に戻り、特典コマンドに含まれている特殊PT前兆の情報が「0」になるまでステップS255〜S257までの処理を繰り返し実行する。そして、特典コマンドに含まれている特殊PT前兆の情報が「0」の場合(S255でNo)には、ステップS258に処理を移す。
【0180】
(ステップS258〜S260)
次に、特典コマンドに通常PTの情報が1以上含まれているか否かを判断し(S258)、通常PTの情報が1以上含まれている場合(S258でYes)には、特典コマンドから通常PTの情報を1つ抽出し(S259)、この抽出に基づいて、カードの枚数を1枚に、カードの種類を通常PTに対応するカードFに決定する(S260)。かかる後にステップS258の手前に戻り、特典コマンドに含まれている通常PTの情報が「0」になるまでステップS258〜S260までの処理を繰り返し実行する。そして、特典コマンドに含まれている通常PTの情報が「0」の場合(S258でNo)には、カード決定処理を終了する。
【0181】
このように、特定遊技区間で付与された1つの特典に対して1枚のカードをサブモニタ6に表示することにより特典の種類を報知または示唆する場合があり、ARTの付与はカードAで表示し、CZ2の付与はカードBで表示し、特殊PTの付与はカードDで表示し、通常PTの付与はカードFで表示する。
【0182】
そして、本実施形態例では、特定遊技区間でARTが付与された場合には、このARTに対してARTに対応するカードAと異なる複数枚のカードB〜Dをサブモニタ6に表示することにより特典の種類を示唆する場合があり、特定遊技区間でCZ2が付与された場合には、このCZ2に対してARTに対応するカードAおよびCZ2に対応するカードBと異なる複数枚のカードC〜Fをサブモニタ6に表示することにより特典の種類を示唆する場合がある。なお、カードがサブモニタ6に表示される具体例については後述する。
【0183】
次に、非ARTモードにおける遊技状態の遷移の具体例について
図23を用いて説明する。なお、
図23に示す具体例は、通常モードでCZ1抽選に当選したことに基づいて前兆モードに移行し、この前兆モードで再びCZ1抽選に当選したことに基づいて特典としてARTモードへの移行の権利(ART)が付与されてARTモードに移行した場合の例である。すなわち、通常モード→CZ1潜伏モード(1回目)→CZ1モード(1回目)→前兆モード(1回目)→CZ1潜伏モード(2回目)→CZ1モード(2回目)→前兆モード(2回目)→ARTモードの順番で演出モードが移行した場合の例である。
【0184】
図23(a)に示すように、通常モードでCZ1抽選に当選すると、2回の特典処理が行われる特定遊技区間(図中に示す1回目の特定遊技区間)に移行する。この1回目の特定遊技区間で、特典として1つの特殊PTと4つの通常PTが付与された。これにより、回胴演出の種類が回胴演出Aに決定され、
図23(b)に示すように、1回目のCZ1モードにおける最後の遊技(2回目の遊技)の開始時に回胴演出Aが実行された。回胴演出AはARTの付与の可能性が低いことを示唆する演出であるため、これを見た遊技者は遊技利益の低い特典が付与されたかもしれないと予測することになる。
【0185】
図23(c)に示すように、回胴演出Aの実行終了後に1枚のカードDと4枚のカードFがサブモニタ6に表示された。1枚のカードDは特殊PTに対応するカードであり、1枚のカードFは通常PTに対応するカードであるが、CZ2が付与された場合に、1枚のカードDと複数枚のカードFがサブモニタ6に表示される可能性がある(
図11,
図22のS253参照)。このため、カード演出を見た遊技者は、1回目の特定遊技区間でARTが付与されなかったことを認識するが、ART抽選の行われるCZ2モードへの移行に期待することになる。
【0186】
1回目の特定遊技区間で1つの特殊PTが付与されているため、
図23(a)に示すように、1回目のCZ1モードの終了後に演出モードが特殊PT前兆モードに移行する。
【0187】
特殊PT前兆モードでは、前兆モードの種別を判別することが困難な態様の演出がサブモニタ6等で行われる。このため、遊技者は、何れの種別の前兆モードに移行したかを判別することは困難であるが、1回目のCZ1モードで行われたカード演出によりARTが付与されなかったことを認識しているため、少なくとも、1回目の特定遊技区間でCZ2および特殊PTのうち何れかの特典が付与されたことを認識することができる。
【0188】
図23(a)に示すように、特殊PT前兆モード中にCZ1抽選に当選した。これにより、再び2回の特典処理が行われる特定遊技区間(図中に示す2回目の特定遊技区間)に移行して、特典として、1つのARTと2つの通常PTが付与された。これにより、回胴演出の種類が回胴演出Cに決定され、
図23(d)に示すように、2回目のCZ1モードにおける最後の遊技(2回目の遊技)の開始時に回胴演出Cが実行された。回胴演出CはARTの付与の可能性が高いことを示唆する演出であるため、これを見た遊技者はARTが付与されたかもしれないと予測することになる。
【0189】
2回目の特定遊技区間で付与された1つのART、2つの通常PTに基づいて、
図23(e)に示すように、3枚のカードBと、2枚のカードFがサブモニタ6に表示された。
【0190】
ここで、ARTに対応するカードAはサブモニタ6に表示されていないが、ARTが付与された場合には、複数枚のカードBがサブモニタ6に表示される可能性がある(
図22のS247参照)。また、1枚のカードBはCZ2に対応するカードであるため、これを見た遊技者は、ART、CZ2、特殊PT、通常PTの中で遊技利益が上位の特典であるCZ2が付与されたことを確信すると共に、遊技利益の最も高いARTの付与に大いに期待することになる。
【0191】
2回目の特定遊技区間で1つのARTと2つの通常PTが付与され、また、2回目の特定遊技区間に移行する前の特殊PT前兆モード中にCZ1抽選に当選して遊技情報記憶領域140から特殊PT前兆が抽出されずに残存している。このため、2回目のCZ1モード終了時には、1つのARTと1つの特殊PT前兆が遊技情報記憶領域140に記憶されていることになる。このとき、ART前兆モードへの移行(ARTモードへの移行)を最優先するため遊技情報記憶領域140から1つのARTを抽出し、この抽出により、2回目のCZ1モードの終了後にART前兆モードに移行する(
図23(a))。そして、図示は省略するが、ART前兆モードの終了時にARTモードへの移行がサブモニタ6等で報知されて演出モードがARTモードに移行する。
【0192】
次に、非ARTモードにおける遊技状態の遷移の具体例について
図24を用いて説明する。なお、
図24に示す具体例は、特定遊技区間で特典として3つのCZ2が付与されてCZ2モードへの移行を合計で3回繰り返した場合の具体例であり、1回目のCZ2モードおよび2回目のCZ2モードではART抽選の結果がハズレとなったが、3回目のCZ2モードでART抽選に当選してARTモードへ移行した場合の具体例である。
【0193】
図24(a)に示すように、通常モードでCZ1抽選に当選すると、2回の特典処理が行われる特定遊技区間に移行する。この特定遊技区間で3つのCZ2が付与され、これら3つのCZ2に基づいて、1回目のCZ1モードにおける最後の遊技(2回目の遊技)の開始時に回胴演出が実行され、この回胴演出の実行後にカード演出がサブモニタ6で実行された。なお、特定遊技区間で付与された3つのCZ2のうち1つのCZ2に基づいて、CZ1モードの終了後にCZ2前兆モードに移行した後に1回目のCZ2モードへ移行した。
【0194】
図24(a)に示すように、1回目のCZ2モードにおける最初の遊技(1回目の遊技)でART抽選の当選確率を決定する処理(ART当選確率決定処理)が行われた。このとき、遊技情報記憶領域140に記憶されていたART当選確率が初期値の30%であったため、ART当選確率は30%、50%、70%の中から決定される。
【0195】
図24(b)に示すように、1回目のCZ2モードではART当選確率が50%に決定され、この50%の当選確率で行われたART抽選でハズレとなった。このとき、遊技情報記憶領域140に前兆モードへの移行を伴う2つのCZ2(前兆有特典)が記憶されているため、1回目のCZ2モードの終了後に再びCZ2前兆モードに移行し、かかる後に2回目のCZ2モードへ移行した。
【0196】
図24(a)に示すように、2回目のCZ2モードにおける最初の遊技でART当選確率決定処理が行われた。このとき、遊技情報記憶領域140に記憶されていたART当選確率が50%であったため、ART当選確率は50%および70%の中から決定される。
【0197】
図24(b)に示すように、2回目のCZ2モードではART当選確率が50%に決定され、この50%の当選確率で行われたART抽選でハズレとなった。このとき、遊技情報記憶領域140に前兆モードへの移行を伴う1つのCZ2(前兆有特典)が記憶されているため、2回目のCZ2モードの終了後に再びCZ2前兆モードに移行し、かかる後に3回目のCZ2モードへ移行した。
【0198】
図24(a)に示すように、3回目のCZ2モードにおける最初の遊技でART当選確率決定処理が行われた。このとき、遊技情報記憶領域140に記憶されていたART当選確率が50%であったため、ART当選確率は50%および70%の中から決定される。そして、
図24(b)に示すように、3回目のCZ2モードではART当選確率が70%に決定され、この70%の当選確率で行われたART抽選で当たりとなった。これにより、3回目のCZ2モードの終了時にART抽選の当選が報知されて演出モードがARTモードに移行した。なお、
図24(b)に示すように、3回目のCZ2モードにおけるART抽選に当選したことにより遊技情報記憶領域140に記憶されていたART当選確率が30%に初期値化された。
【0199】
以上のように、第1実施形態例では、CZ1潜伏モードにおける最後の遊技とCZ1モードにおける最初の遊技で構成された特定遊技区間において、特典の付与に関する特典処理を2回に分けて実行するように構成されており、1回目の特典処理および2回目の特典処理の双方で決定された特典の種類(特典内容抽選で決定した特典の種類)に基づいて複数種類の回胴演出の中から一の回胴演出を実行する構成になっている。このため、2回の特典処理で決定した全ての特典を反映した一の回胴演出を実行することができるため、回胴演出による演出効果を高めることができる。
【0200】
仮に、特典処理の実行毎に回胴演出を実行するように構成したとすると、本実施形態例では、連続する2回の遊技の各遊技で特典処理を実行する構成になっているため、回胴演出が2回の遊技で連続して実行されることになり遊技の邪魔となり煩わしい。本実施形態例では、2回の特典処理で決定した全ての特典に基づいて一の回胴演出を実行するように構成されているため、回胴演出の実行が遊技の邪魔となることを防止することができると共に、累積的に獲得した特典を1つの演出で遊技者に報知可能となる。
【0201】
なお、第1実施形態例では、複数の遊技で構成された特定遊技区間で得られた特典処理の結果(遊技情報)の全てを用いて一の回胴演出を実行するように構成されているが、この構成に限られず、特定遊技区間で得られた特典処理の結果(遊技情報)のみならず、特定遊技区間で行われた内部抽選の結果等、その他の遊技情報を用いて一の回胴演出を実行するように構成されていても良い。
【0202】
なお、第1実施形態例において、CZ1抽選の当選からCZ1モードの終了までを特定遊技区間とし、特定遊技区間で遊技が行われる毎に、遊技に関する特典の付与に関する特典処理を実行するように構成しても良い。例えば、CZ1抽選の当選からCZ1モードの終了までの特定遊技区間をN回(例えば5回)の遊技で構成し、特定遊技区間で合計5回の特典処理を行い、これら5回の特典処理で得られた全ての特典(遊技情報)に基づいて一の回胴演出を実行しても良い。また、上記構成において、特定遊技区間の最初の遊技で1回目の特典処理を行い、特定遊技区間の3回目の遊技で2回目の特典処理を行い、特定遊技区間の最後(5回目)の遊技で3回目の特典処理を行う。そして、これら3回の特典処理で得られた全ての特典(遊技情報)に基づいて一の回胴演出を実行したり、あるいは、1回目の特典処理および3回目の特典処理で得られた特典(遊技情報)に基づいて一の回胴演出を実行したりしても良い。
【0203】
また、第1実施形態例では、2回の特典処理で決定された特典の種類(特典内容抽選で決定した特典の種類,遊技情報)に基づいて複数種類の回胴演出の中から一の回胴演出を決定する構成となっているが、この構成に限られず、2回の特典処理で決定された特典の数(実行回数決定抽選で決定した特典内容抽選の実行回数,遊技情報)に基づいて複数種類の回胴演出の中から一の回胴演出を決定する構成であっても良いし、2回の特典処理で決定された特典の種類および数の双方(遊技情報)に基づいて複数種類の回胴演出の中から一の回胴演出を決定する構成であっても良い。
【0204】
また、第1実施形態例では、特定遊技区間がCZ1潜伏モードにおける最後の遊技とCZ1モードにおける最初の遊技との2回の遊技で構成され、特定遊技区間における各遊技おいて、特典の付与に関する特典処理を実行するように構成されているが、この構成に限られず、特定遊技区間は、1回の遊技が行われる期間(以下、1遊技区間と言う。)のうち一部の区間で構成されていても良い。例えば、特定遊技区間は、スタートレバー15が操作されてから最初のストップボタンが操作されるまでの第1区間と、最初のストップボタンが操作されてから2番目のストップボタンが操作されるまでの第2区間とで構成され、第1区間および第2区間の双方で特典に関する所定抽選を実行することにより特典処理を行うように構成されていても良い。また、例えば、特定遊技区間は、最初のストップボタンが操作されてから2番目のストップボタンが操作されるまでの第2区間と、2番目のストップボタンが操作されてから最後のストップボタンが操作されるまでの第3区間と、で構成され、第2区間および第3区間の双方で特典処理を実行するように構成されていても良い。
【0205】
また、第1実施形態例では、特定遊技区間で得られた特典の種類をリールの動作態様を用いた回胴演出で示唆する構成になっているが、この構成に限られず、演出専用の可動体を設け、特定遊技区間で得られた特典の種類を可動体の動作態様を用いた可動体演出で示唆する構成であっても良い。
【0206】
また、第1実施形態例では、特定遊技区間で前兆モードへの移行を伴う前兆有特典(ART、CZ2、特殊PT前兆)を付与した場合には、付与した特典に基づいて前兆モード終了後の演出モードを変化させる構成になっているため、前兆モード終了後の演出モードの移行先に遊技者の興味を惹き付けることができる。
【0207】
なお、第1実施形態例では、非ARTモード内で遷移可能な演出モードとして、CZ1モードやCZ2モード等を設ける構成としたが、この構成に限られず、CZ1モードやCZ2モード等をARTモード内で遷移可能な演出モードとしても良い。
【0208】
第1実施形態例では、複数種類の演出モードに互いに異なる識別値「0〜5」がそれぞれ対応付けられており、特定遊技区間で前兆モードへの移行を伴う前兆有特典(ART、CZ2、特殊PT前兆)が付与された場合には、前兆モードへの移行を決定し、前兆モードへの移行の決定により識別値を「3」(特定識別値)に更新し、識別値を「3」に更新したことに基づいて演出モードを前兆モードに移行させる。このとき、遊技情報記憶領域140に異なる種類の前兆有特典が記憶されている場合には、ART前兆モードへの移行をCZ2前兆モードへの移行より優先し、CZ2前兆モードへの移行を特殊PT前兆モードへの移行より優先させる構成になっている。このように、識別値が「3」に更新された場合には、予め定められた優先順位に従って演出モードを所定の前兆モードに移行させる構成になっているため、ART前兆モード、CZ2前兆モード、特殊PT前兆モードの全ての前兆モードに同一の識別値「3」を対応付けたとしても、演出モードの移行を制御(管理)することができる。
【0209】
仮に、ART前兆モード、CZ2前兆モード、特殊PT前兆モードのそれぞれに異なる識別値を対応付けたとすると、前兆モードの種別ごとに前兆モードで行われる処理や遊技の進行を管理するための個別のプログラムが必要となり、主制御処理部100のメインROM等の容量を圧迫してしまうことになる。本実施形態例では、種別の異なる前兆モードを1つの識別値で管理することにより、
図16に示すように、前兆モードの種別ごとに個別のプログラムが不要となりプログラムの圧縮を実現することができる。
【0210】
なお、第1実施形態例において、前兆モード以外の演出モード(例えばCZ2モード)を複数種類設け、これら複数種類の演出モードの全てに同一の特定識別値を対応付けて、識別値が特定識別値に更新された場合には、予め定められた優先順位に従って演出モードを移行させるような構成であっても良い。
【0211】
また、第1実施形態例では、ART前兆モード、CZ2前兆モード、特殊PT前兆モードの全ての前兆モードに同一の識別値「3」が対応付けられ、これら前兆モードでは、前兆モードの種別を認識困難な態様で演出が実行される構成になっているが、この構成に限られず、前兆モードの種別を判別可能な演出を前兆モード中に実行する構成であっても良い。
【0212】
第1実施形態例では、通常モードでCZ1抽選に当選したことに基づいて、ART、CZ2、特殊PT、通常PTの中から何れかの特典を付与し、付与した特典の数および種類をカードA〜F(表示態様)でサブモニタ6に表示するように構成されている。このため、サブモニタ6に表示したカードに基づいて付与された特典の数および種類(遊技情報記憶領域140に記憶された特典)を、言い換えると、これから移行する演出モードの種別を遊技者に予測させることができる。
【0213】
また、第1実施形態例では、特定遊技区間で付与された1つの特典に対して複数枚のカードをサブモニタ6に表示することにより特典の種類を示唆可能に構成されており、ART(特殊特典)の付与を複数枚のカードで表示する場合には、ARTの付与の確定を報知するカードAと異なる複数枚のカード(カードB〜D)をサブモニタ6に表示する構成になっている。このため、カードAがサブモニタ6に表示されない場合であっても、特典としてARTが付与されている可能性もあるため、ARTの付与に対する期待感を与えることができる。
【0214】
特に、第1実施形態例では、ART(特殊特典)の付与を複数枚のカードで表示する場合には、ARTよりも遊技利益の低い特典に対応するカードを複数枚サブモニタ6に表示し、CZ2(特殊特典)の付与を複数枚のカードで表示する場合には、CZ2よりも遊技利益の低い特典に対応するカードを複数枚サブモニタ6に表示する構成になっているため、ARTやCZ2の付与を必ず対応するカードで表示する従来の単調な演出に比べて演出のバリエーションを豊富なものとして演出効果を高めることができる。
【0215】
なお、第1実施形態例では、特定遊技区間で決定された1つの特典に対して1枚のカードをサブモニタ6に表示することにより特典を報知または示唆する場合には、ARTの付与をカードA、CZ2の付与をカードB、特殊PTの付与をカードD、通常PTの付与をカードFでそれぞれ表示する構成、すなわち、ART、CZ2、特殊PT、通常PTの全ての特典に互いに異なる1枚のカードがそれぞれ対応付けられている構成になっている。また、特定遊技区間で決定された1つの特典に対して複数枚のカードをサブモニタ6に表示することにより特典を示唆する場合には、ARTの付与を複数枚のカードB〜D、CZ2の付与を複数枚のカードC〜Fでそれぞれ表示する構成になっている。ただし、この構成に限られなくとも良く、当該構成の変形例について
図25を用いて以下に説明する。
【0216】
図25に示すように、特定遊技区間で決定された1つの特典に対して1枚のカードをサブモニタ6に表示することにより特典を示唆する場合には、ARTの付与をカードA〜Dの何れか1枚、CZ2の付与をカードB〜Fの何れか1枚、特殊PTの付与をカードC〜Fの何れか1枚でそれぞれサブモニタ6に表示するようにする。また、特定遊技区間で決定された1つの特典に対して複数枚のカードをサブモニタ6に表示することにより特典を示唆する場合には、ARTの付与を2枚のカードB、3枚のカードC、5枚のカードFのうちの何れか一つ、CZ2の付与を2枚のカードC、3枚のカードD、5枚のカードFのうちの何れか一つ、特殊PTの付与を2枚のカードD、3枚のカードE、5枚のカードFのうちの何れか一つでそれぞれサブモニタ6に表示するようにする。つまり、2枚のカードBや3枚のカードCのように複数枚の同種のカードのグループを予め複数用意しておき、これら複数のグループを各特典に対応付ける構成とする。
【0217】
上記変形例によると、1枚のカードAはARTの付与を報知し、1枚のカードBはARTおよびCZ2の何れか一方の付与を報知し、1枚のカードCおよび1枚のカードDは、ART、CZ2および特殊PTのうち何れか1つの特典の付与を報知し、1枚のカードEは、CZ2および特殊PTの何れか1つの付与を報知することができる。このように、ARTの付与をカードA〜Dの何れか1枚でサブモニタ6に表示する構成としても、本実施形態例と同様に、サブモニタ6に表示される1枚のカードAは、ARTモードへの移行の確定を遊技者に報知することができる。そして、1枚のカードFは、複数種類の特典の中で最も遊技利益の低い通常PTの付与を遊技者に報知可能であるが、ART、CZ2、特殊PTの何れの特典が付与された場合であっても、カードFが5枚表示されることがあるため、サブモニタ6に表示されたカードの枚数および種類に基づいて、特典の種別および数を認識困難として趣向性の異なる遊技機を提供することができる。
【0218】
第1実施形態例では、CZ1潜伏モードにおける最後の遊技とCZ1モードにおける最初の遊技との2回の遊技で構成された特定遊技区間において、特典を決定する特典処理を2回に分けて実行しており、これら各特典処理では、実行回数決定抽選で決定した実行回数の分だけ特典内容抽選を実行し、この特典内容抽選では、ART、CZ2、特殊PT、通常PTの中から必ず1の特典を決定するように構成されているため、特典が付与されないことによる遊技意欲の低下を防止することができる。
【0219】
そして、第1実施形態例では、特典内容抽選で特典としてCZ2が付与された場合には、CZ2モードに移行してART抽選が行われ、このART抽選に当選した場合にはARTモードに移行する。また、特典内容抽選で特典として演出ポイント(特殊PT、通常PT)が付与されて、遊技情報記憶領域140に記憶されている演出ポイントが所定値(10000)に到達した場合には、ARTモードへの移行が決定される。つまり、ART、CZ2、特殊PT、通常PTの全ての特典は、演出モードをARTモードへ移行させるための特典であり、本実施形態例では、特典内容抽選でARTモードへ移行させるための恩恵を必ず遊技者に与えるように構成されているのである。このように、本実施形態例では、特典内容抽選の実行毎に何らかの特典を獲得することができるため、CZ1抽選の当選を契機に移行する特定遊技区間に繰り返し滞在することにより、ARTモードへの移行の可能性を高めることが可能であり、CZ1抽選に何度も当選したにも拘らず、ARTモードに移行できないといった事態を防止して遊技性を高めることができる。
【0220】
なお、第1実施形態例では、特典内容抽選で複数種類の特典のうち1つの特典を必ず決定するように構成されているが、この構成に限られず、特典内容抽選で1つの特典を必ず決定することを条件に、2つ以上の特典を決定するように構成されていても良い。
【0221】
なお、第1実施形態例では、特典内容抽選の実行回数を、ハズレとなるまで繰り返し行われる実行回数決定抽選(ループ抽選)で決める構成になっているため、実行回数決定抽選に一度も当選しないことにより、特典内容抽選が実行されず特典が付与されない可能性もある。そこで、本実施形態例において、実行回数決定抽選に必ず1回以上は当選するように実行回数決定抽選の当り補償回数を予め設定する構成としても良いし、実行回数決定抽選に一度も当選しなかった場合には、ART、CZ2、特殊PT、通常PTの中でもっとも遊技利益の低い通常PTを最低限の恩恵として必ず付与するように構成しても良い。このようにすると、CZ1抽選の当選を契機に移行する特定遊技区間で必ず特典を遊技者に付与することができるため、遊技者の遊技意欲の維持を図ることができる。
【0222】
なお、第1実施形態例において、遊技情報記憶領域140に記憶されている演出ポイントが所定値(例えば10000)に到達した場合には、CZ1抽選の当選を特典として付与する構成、すなわち、特定遊技区間で演出ポイント(特別特典)が付与されたことに基づいて、特定遊技区間の終了後に再び特定遊技区間へ移行させる構成であっても良い。当該変形例について
図26を用いて以下に説明する。
【0223】
図26に示すように、1回目の特定遊技区間で特殊PTが付与されて演出ポイントが「10000」に到達しCZ1抽選の当選が付与された場合には、1回目のCZ1モードの終了後に演出モードを特殊PT前兆モードに移行させ、特殊PT前兆モードの終了時に演出ポイントが所定値に到達した旨を報知し、かかる後に演出モードを2回目のCZ1モードに移行させる。このようにすると、特殊PT前兆モードが2回目のCZ1モードへの移行の前提となる演出モードとなり、CZ1潜伏モードの役割を担うことになる。すなわち、
図26に示す特殊PT前兆モードはCZ1潜伏モードとも言える。このため、当該変形例における2回目の特定遊技区間は、特殊PT前兆モードにおける最後の遊技とCZ1モードにおける最初の遊技で構成されることになり、1回目の特典処理を特殊PT前兆モードにおける最後の遊技で行い、2回目の特典処理を2回目のCZ1モードにおける最初の遊技で行うようにする。このように、特定遊技区間で演出ポイントが付与されて演出ポイントの累計値が所定値に到達した場合には、今回の特定遊技区間の終了後に再び特定遊技区間に移行することになる。すなわち、特定遊技区間では特定遊技区間自身への移行契機となる特典を獲得可能であり、特典付与の機会を多く与えて遊技者の興味を惹き付けることができる。なお、図示を省略するが、遊技情報記憶領域140に記憶されている演出ポイントが所定値に到達したことによりCZ2モードへの移行の権利(CZ2)を特典として付与する構成であっても良い。
【0224】
第1実施形態例では、特定遊技区間で特典としてCZ2を付与した場合には、演出モードをCZ2モードに移行させ、CZ2モードの開始時にCZ2モードで行われるART抽選の当選確率を30%、50%、70%の中から決定するように構成されている。このとき、遊技情報記憶領域140に記憶されているART当選確率が低確率に更新されないように、すなわち、前回のCZ2モードで行われたART抽選の当選確率よりも今回のCZ2モードで行われるART抽選の当選確率が低確率とならないように、ART当選確率を決定している。言い換えると、遊技上の利益である遊技利益の異なる複数種類の特典(ART当選確率30%、50%、70%)を付与するCZ2モードにおいて、前回のCZ2モードで付与した特典よりも今回のCZ2モードで付与する特典の方が遊技利益の低い特典とならないように、前回のCZ2モードで決定した特典の遊技利益に基づいて、今回のCZ2モードで付与する特典を決定している。これにより、CZ2モードへの移行を重ねることにより、ART当選確率を高確率に変動させてARTモードへの移行の可能性を高めることが可能になり、CZ2モードへの移行毎にART抽選の結果がハズレとなって遊技者に喪失感を与えてしまうことを防止することができる。
【0225】
そして、第1実施形態例では、CZ2モードにおけるART抽選に当選した場合には、遊技情報記憶領域140に記憶しているART当選確率を30%に初期値化する構成になっているため、長期間に亘りART当選確率が高確率に維持されてART抽選に頻繁に当選してしまうことを防止することができる。
【0226】
なお、本実施形態例では、CZ2モードにおけるART抽選の当選に基づいてART当選確率を30%に初期値化する構成になっているが、ART当選確率が高確率で維持されることを防止するような構成であれば良く、例えば、ART抽選に当選した場合には、前回のCZ2モードにおけるART当選確率に拘わらず、今回のCZ2モードにおけるART当選確率を決定する構成、すなわち、本実施形態例のようにART抽選の当選に基づいてART当選確率を初期値化するのではなく、ART抽選の当選後に初めてCZ2モードに移行した場合には、このCZ2モードの開始時にART抽選の当選確率を30%、50%、70%の中から決定するように構成しても良い。このようにすると、ART抽選の当選確率を初期値化する処理をしなくとも、ART当選確率が高確率に維持され続けることを防止することができる。
【0227】
なお、第1実施形態例では、CZ2モードへの移行(所定条件の成立)に基づいてART抽選の当選確率を決定するように構成されているが、この構成に限られず、特定遊技区間(CZ1潜伏モード,CZ1モード)への移行に基づいて、すなわち、CZ1抽選の当選(所定条件の成立)に基づいてCZ2モードにおけるART抽選の当選確率を決定するように構成しても良い。このようにすると、特定遊技区間で特典としてCZ2が付与されずにCZ2モードへ移行しなかったとしても、特定遊技区間の移行毎にCZ2モードにおけるART抽選の当選確率を決定することになり、本実施形態例と同様に、前回決定したART当選確率よりも低確率とならないように、今回のART当選確率を決定することになる。このように、CZ2モードに移行しなくとも、CZ1抽選の当選を重ねることにより、CZ2モードにおけるART抽選の当選確率を高確率に変動させることができるため、ARTモードへの移行機会を増加させて遊技性を向上させることができる。
【0228】
第1実施形態例では、遊技状態として、通常RT1、通常RT2および通常RT3が設けられており、通常RT1および通常RT2で当選エリア「RT3移行リプ」に当選してREP6に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示されたことに基づいて遊技状態を通常RT3に移行させ、この通常RT3で当選エリア「RT2リプ」に当選してREP5に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示されたことに基づいて遊技状態を通常RT1に移行させ、通常RT3で当選エリア「RT1リプ」に当選してREP4に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示されたことに基づいて遊技状態を通常RT2に移行させる構成になっている。このように、本実施形態例では、通常RT1および通常RT2の何れからも通常RT3に移行可能に構成されているのみならず、通常RT3から通常RT3に移行する前の元の通常RT1および通常RT2の何れにも移行可能に構成されている。このため、遊技状態の移行を多様化させることができる。
【0229】
特に、第1実施形態例では、通常RT3は、通常RT1および通常RT2よりもCZ1抽選の実行契機となる当選エリア「レアリプ」(レアリプ)の当選確率が高確率に設定されており、レアリプの当選確率が低確率の通常RT1から通常RT3への直接的な遊技状態の移行を実現することが可能である。すなわち、内部抽選手段102は、通常RT3への移行に基づいて、レアリプの当選確率を高確率に変動させるように内部抽選の抽選態様を変更するように構成されている。このため、レアリプの当選確率を低確率から高確率に変動させるために、通常RT1で通常RT2への移行機能を有する役(当選エリア)に当選して遊技状態を通常RT1から通常RT2へ一旦移行させ、かかる後に通常RT2で通常RT3への移行機能を有する役(当選エリア)の当選を再び待ち、当該役の当選により遊技状態を通常RT2から通常RT3へ移行させるような無駄な手順を省くことができるため、遊技者による遊技の労力を軽減することができる。
【0230】
さらに、第1実施形態例では、通常RT3への移行を実現する当選エリア「RT3移行リプ」(RT3移行リプ)には、ストップボタンの操作態様に拘わらず有効ラインLに図柄組合せを表示可能なREP6が単独で対応付けられている。このため、RT3移行リプの当選時にストップボタンの操作順序に係る打順演出を実行しなくとも、通常RT1および通常RT2の何れかでRT3移行リプに当選することにより、通常RT1および通常RT2の何れの遊技状態からも通常RT3へ直接的に移行させることが可能である。つまり、打順演出の実行を不可とする非ARTモードでRT3移行リプに当選することにより、遊技状態を通常RT3に移行させて特殊エリアの当選確率を高確率に変動させることが可能となる。そこで、ARTモードよりも遊技者に有利な演出モードとして特化モードを更に設け、通常RT3に対応する演出モードを特化モードに設定する。そうすると、非ARTモードで一般的に滞在する通常RT1において、RT3移行リプの当選時に打順演出を実行することなく、遊技状態を通常RT3に移行させて演出モードを特化モードに滞在させ、通常RT3への移行によりレアリプの当選確率を低確率から高確率に変動させて、特化モードにおけるレアリプやレアベルの当選により遊技者に特典を付与するというゲーム性を実現することができる。このように、本実施形態例では、従来のように、ARTモードで一般的に滞在する通常RT2をRT3移行リプの当選により通常RT3に移行させて特化モードに滞在させることが可能になるのみならず、打順演出を不要とするRT3移行リプの当選により、遊技状態を通常RT1から通常RT3へ移行させることにより、演出モードを非ARTモードから最上位の特化モードへ直接的に移行させることができるので、遊技のバリエーションを豊富なものにすることができる。
【0231】
なお、第1実施形態例では、通常RT3への移行に基づいて、特殊エリアの当選確率を高確率に変動させるように内部抽選の態様を変更するように構成されているが、この構成に限られず、通常RT3への移行に基づいて、特殊エリアの当選確率を低確率に変動させるように内部抽選の態様を変更するように構成されていても良い。この場合、演出モードの中で最も遊技者に不利な通常モードを通常RT3に対応付けると好適である。
【0232】
また、第1実施形態例では、再遊技役の当選確率は、通常RT1で約1/7.3、通常RT2および通常RT3で約1/2、レアリプの当選確率は、通常RT1および通常RT2で約1/120、通常RT3で約1/10にそれぞれ設定されているが、この構成に限られず、通常RT3におけるレアリプの当選確率が通常状態の中で最も高確率に設定されていることを前提に、例えば、再遊技役の当選確率は、通常RT1および通常RT2で約1/7.3、RT3で約1/2にそれぞれ設定されている構成であっても良い。
【0233】
第1実施形態例では、通常モードでCZ1抽選に当選したことに基づいて、CZ1潜伏モードを経由させてCZ1モードに移行させ、CZ1潜伏モードにおける最後の遊技で1回目の特典処理を実行すると共に、CZ1モードにおける最初の遊技で2回目の特典処理を実行するように構成されているため、特典を付与する機会を2度確保して遊技性を向上させることができる。
【0234】
また、第1実施形態例では、2回の特典処理を行う特定遊技区間への移行契機となるCZ1抽選を通常モードのみならず前兆モード(特殊演出状態)でも実行しており、前兆モードでCZ1抽選に当選する毎に、2回の特典処理が行われる特定遊技区間へ繰り返し移行させることができる。これにより、ARTモード(第2演出状態)やCZ2モード(第2演出状態)等への移行の前提となる前兆モードに特典を獲得可能なチャンスモードとしての役割を担わせて、前兆モードにおける遊技性を向上させることができる。
【0235】
特に、第1実施形態例では、CZ1モード(第1演出状態)の終了時に遊技情報記憶領域140に前兆モードへの移行を伴う前兆有特典(ART、CZ2、特殊PT前兆)が記憶されている場合には、CZ1モードの終了後に演出モードを前兆モード(特殊演出状態)に移行させるが、前兆モードでは遊技毎にCZ1抽選を行っており、CZ1抽選に当選した場合には、当該前兆モードへの移行契機となった前兆有特典を遊技情報記憶領域140から減算(抽出)することなく、再び特定遊技区間に移行させる構成になっている。このように、本実施形態例では、前兆モードにおけるCZ1抽選の当選に基づいて前兆モードが中断された場合には、前兆モードが再セットされて再び前兆モードに滞在することになるため、前兆モードにおけるCZ1抽選の当選により、CZ1抽選の実行機会を増加させることができる。
【0236】
なお、第1実施形態例において、前兆モード中にCZ1抽選に当選して再び特定遊技区間に移行した場合には、前回の特定遊技区間で付与された特典よりも遊技利益の高い上位の特典を今回の特定遊技区間で付与可能に構成しても良いし、前回の特定遊技区間で付与された特典よりも遊技利益の低い下位の特典の付与を今回の特定遊技区間で禁止するように構成しても良い。
【0237】
また、第1実施形態例では、遊技に関する特典として、ARTモードへの移行の権利(ART)や特殊PT前兆モードへの移行の権利(特殊PT前兆)等の複数種類の特典が設けられており、前兆モード(特殊演出状態)の滞在中にCZ1抽選に当選したことに基づいて、前兆モードを中断(終了)させて演出モードをCZ1潜伏モードおよびCZ1モード(第1演出状態)に再び移行させる。この場合、演出モードは、CZ1潜伏モードおよびCZ1モード(1回目の特定遊技区間)→1回目の前兆モード→CZ1潜伏モードおよびCZ1モード(2回目の特定遊技区間)→2回目の前兆モードの順番で移行することになる。このとき、
図23に示すように、1回目の特定遊技区間と2回目の特定遊技区間とで互いに異なる種類の特典が付与されたことに基づいて、CZ1抽選の当選により中断された前兆モード(
図23中の特殊PT前兆モード)を新たな前兆モード(
図23中のART前兆モード)に切り替えて、2回目の特定遊技区間の終了後に新たな前兆モード(新たな特殊演出状態)に移行させる構成になっている。このように、第1実施形態例では、前兆モードにおけるCZ1抽選の当選に基づいて、前兆モードと特定遊技区間との間を繰り返し移行することになるが、特定遊技区間で付与される特典の種類に応じて、前兆モードの種類を切り替える(乗り換える)ため、演出モードの遷移のバリエーションを豊富なものにして演出効果を高めることができると共に、前兆モードの種類が切り替わることにより、前回の特定遊技区間と今回の特定遊技区間とで異なる種類の特典が付与されたことを示唆することが可能である。
【0238】
特に、第1実施形態例では、前兆モードへの移行が決定されとき、遊技情報記憶領域140に複数種類の前兆有特典(ART,CZ2,特殊PT前兆)が記憶されている場合には、ART前兆モードへの移行をCZ2前兆モードへの移行より優先し、CZ2前兆モードへの移行を特殊PT前兆モードへの移行より優先させるように、遊技利益の高い順番で前兆モードの移行を行うように構成されているため、前兆モードにおけるCZ1抽選の当選に基づいて前兆モードの種類が切り替わる場合には、より遊技利益の高い前兆モードに移行したことになる。このため、前兆モードの種類に遊技者の興味を強く惹き付けることができる。
【0239】
なお、第1実施形態例では、前兆モードでCZ1抽選に当選した場合には、CZ1潜伏モードを経由させて演出モードをCZ1モードに移行させ、CZ1潜伏モードとCZ1モードの双方、すなわち、特定遊技区間で特典付与の機会を与える構成になっているが、この構成に限られず、CZ1潜伏モードを経由させることなく直接的にCZ1モードへ移行させる構成であっても良い。つまり、前兆モード(特殊演出状態)で所定回数(10回)の遊技が実行される前(終了条件の成立前)にCZ1抽選に当選したことに基づいて前兆モードを終了させると共に、特典処理を行うCZ1モード(第1演出状態)に移行させる構成とする。このように構成すると、CZ1潜伏モードに移行しないため、CZ1潜伏モードで行われる1回目の特典処理が行われないことになるが、その替わりに1回目の特典処理をCZ1抽選の当選時に行うようにすると好適である。この場合、特定遊技区間は、前兆モードでCZ1抽選に当選した遊技と、この遊技の次の遊技に相当するCZ1モードにおける最初の遊技とで構成されることになる。
【0240】
続いて、本発明の第2実施形態例に係るスロットマシンについて説明する。第1実施形態例と第2実施形態例とを比較すると、前兆モードは予め定められた所定回数(前兆回数,例えば10回)の遊技で構成されている点、前兆モードでCZ1抽選に当選した場合に当該前兆モード(以下、前回の前兆モードと言う。)を終了させてCZ1モードに移行させる点、このCZ1モードの終了後に演出モードを再び前兆モード(以下、今回の前兆モードと言う。)へ移行させる点で共通するが、第2実施形態例に係るスロットマシンは、前回の前兆モードでCZ1抽選に当選したことに基づいて今回の前兆モードの滞在期間を調整する滞在期間調整手段(図示省略)を備えている点で相違する。そこで、第1実施形態例と相違する部分について説明をし、同じ部分については説明を省略する。
【0241】
第2実施形態例に係る滞在期間調整手段は、前回の前兆モードでCZ1抽選に当選したことに基づいて、前回の前兆モードで未だ実行されていない未実行の遊技の回数を遊技情報記憶領域140に未実行回数として記憶する。そして、滞在期間調整手段は、前回の前兆モードの終了後に今回の前兆モードに移行してきた場合には、今回の前兆モードの滞在期間を遊技情報記憶領域140に記憶されている未実行回数に決定する。以下に、第2実施形態例に係る前兆モードの制御処理について
図27を用いて説明する。なお、前兆モードは、第1実施形態例と同様に、前兆モードの種別に拘わらず、予め定められた10回の遊技で構成されている(前兆回数が10回)。
【0242】
(ステップS301〜S303)
まず、前回の前兆モードでCZ1抽選に当選したことにより遊技情報記憶領域140に未実行回数が記憶されているか否かを判断する(S301)。このとき、遊技情報記憶領域140に未実行回数が記憶されている場合(S301でYes)には、この未実行回数を今回の前兆モードにおける前兆回数(滞在期間)に決定し、この前兆回数を遊技情報記憶領域140に記憶する(S302)。一方、遊技情報記憶領域140に未実行回数が記憶されていない場合(S301でNo)には、予め定められた「10回」を今回の前兆モードにおける前兆回数(滞在期間)に決定し、この前兆回数「10」を遊技情報記憶領域140に記憶する(S302)。
【0243】
(ステップS304)
次に、遊技情報記憶領域140に記憶されている前兆回数から「1」を減算し(S304)、CZ1抽選を実行する(S305)。かかる後に、CZ1抽選に当選したか否かを判断し(S306)、CZ1抽選に当選した場合(S306でYes)には、前兆モードで未だ実行されていない未実行の遊技の回数を遊技情報記憶領域140に未実行回数として記憶する(S307)。そして、CZ1潜伏モードへの移行を決定し(S308)、遊技情報記憶領域140に記憶されている識別値を「1」に更新する(S309)。一方、CZ1抽選に当選していない場合(S306でNo)には、遊技情報記憶領域140に記憶されている前兆回数が「0」であるか否かを判断し(S310)、前兆回数が「0」でない場合(S310でNo)には、前兆モードにおける第1演出モード制御処理を終了し、前兆回数が「0」の場合(S310でYes)には、ステップS160に処理を移して、前兆モード終了後に何れの演出モードに移行させるかを決定する前兆モード終了処理を実行する。なお、第2実施形態例に係る前兆モード終了処理は、第1実施形態例に係る前兆モード終了処理と同じ処理が行われるため説明を省略する。
【0244】
例えば、前回の前兆モードにおける3回目の遊技でCZ1抽選に当選した場合には、未実行の遊技の回数が7回(10回―3回)となり、遊技情報記憶領域140に未実行回数「7」が記憶され、CZ1抽選の当選に基づいて移行したCZ1モードが終了して再び前兆モードに移行してきた場合には、未実行回数「7」が今回の前兆モードの滞在期間となる。
【0245】
このように、第2実施形態例に係るスロットマシンでは、前回の前兆モードでCZ1抽選に当選して未実行となった遊技の回数が今回の前兆モードの滞在期間に設定される構成、すなわち、前回の前兆モードで未実行となった未実行回数を今回の前兆モードにおける遊技回数として引継ぐ構成となっている。このため、前兆モードでCZ1抽選に当選する毎に予め定められた所定回数の遊技で構成された前兆モードに移行して、前兆モードに滞在する期間が長期化してしまうことを防止することができる。
【0246】
仮に、前回の前兆モードで未実行となった未実行回数を今回の前兆モードの遊技回数として引継がずに、前兆モードでCZ1抽選に当選する毎に予め定められた所定回数の遊技で構成された前兆モードに移行する構成とした場合には、ARTモードへの移行を前提とするART前兆モードでCZ1抽選に頻繁に当選してARTモードへの移行が先送りされてしまう結果となり、意図的にART前兆モードを長期化させているのではないかという不信感を遊技者に与える虞があり、遊技性の低下を招来するという課題が生じる。本実施形態例では、前兆モードにおけるCZ1抽選の当選により前兆モードの滞在期間が変動することはないため、上記課題を解消することができる。
【0247】
また、第2実施形態例では、第1実施形態例と同様に、CZ1モードの終了時に遊技情報記憶領域140に異なる種別の前兆有特典が記憶されている場合には、特殊PT前兆モードの移行よりもCZ2前兆モードの移行を優先し、CZ2前兆モードの移行よりもART前兆モードの移行を優先する構成になっている。このため、前兆モードにおけるCZ1抽選の当選に基づいて、前兆モードの書き換えが行われて前回の前兆モードと今回の前兆モードとが異なる種別の前兆モードとなる場合があるが、このような場合であっても、前兆モードの滞在期間が変動することはない。仮に、前回の前兆モードと今回の前兆モードの種別が異なる場合に、前回の前兆モードにおける未実行回数を今回の前兆モードの遊技回数として引継がない構成とすると、前兆モードの滞在期間の長短で前兆モードの書き換えが行われたことを判別可能になり、前兆モードに対する遊技者の興味が失われる虞がある。本実施形態例では、前兆モードの種別に拘わらず、前回の前兆モードにおける未実行回数を今回の前兆モードの遊技回数として引継ぐ構成であるため前兆モードに対する遊技者の興味を維持させることができる。
【0248】
なお、第2実施形態例において、前兆モードの種別に応じて前兆モードにおける演出態様を変更するように構成した場合には、演出態様に基づいて前兆モードを判別することが可能となる。このように構成した場合に、前回の前兆モードにおける未実行回数を今回の前兆モードの遊技回数として引継がない構成とすると、遊技者が前兆モードにおける演出態様により前兆モードの種別をART前兆モードであることを確信した状態でCZ1抽選に当選してしまうこともある。この場合には、前兆モードの滞在期間が長期化してしまい、ARTモードへの移行が先送りになる結果となる。これにより、著しく遊技性が低下してしまう可能性がある。このように、前兆モードの種別に応じて前兆モードにおける演出態様を変更するように構成したとしても、第2実施形態例では、前回の前兆モードにおける未実行回数を今回の前兆モードの遊技回数として引継ぐため、遊技性の低下を防止することができる。
【0249】
なお、第2実施形態例では、前兆モード(特殊演出状態)でCZ1抽選に当選したことに基づいてCZ1モード(第1演出状態)へ再移行させることにより、ARTやCZ2等の特典を付与する特典処理を実行する構成になっているが、この構成に限られず、前兆モードでART抽選やCZ2抽選等の特典付与抽選を実行し、特典付与抽選に当選したことに基づいてARTやCZ2等の特典を付与し、付与した特典に対応する新たな前兆モード(新たな特殊演出状態)に切り替えて、この新たな前兆モードに移行させる構成であっても良い。例えば、特殊PT前兆モードで特典付与抽選に当選したことに基づいてARTを付与した場合には、特殊PT前兆モードを終了させて新たなART前兆モードに移行させる。このとき、第1実施形態例と同様に、特殊PT前兆モードにおける未実行の遊技回数をART前兆モードの滞在期間に設定すると好適である。
【0250】
続いて、本発明の第3実施形態例に係るスロットマシンについて説明する。第1実施形態例と第3実施形態例とを比較すると、特典を報知または示唆可能な複数種類のカード(表示態様)が設けられている点、ARTに1枚のカードA、CZ2に1枚のカードB、特殊PTに1枚のカードD、通常PTに1枚のカードFがそれぞれ対応付けられている点(
図11参照)、特定遊技区間でARTおよびCZ2(以下、第3実施形態例において特殊特典と言う。)の何れか一方を特典として付与した場合には、特殊特典に対応するカードと異なる複数のカードをサブモニタ6に表示する点(
図11参照)で共通するが、第3実施形態例では、特定遊技区間で付与した特殊特典(ART,CZ2)に対応するカードと異なる複数のカードを表示した後に、これら異なる複数のカードに替えて特定遊技区間で付与した特殊特典に対応するカードをサブモニタ6に表示する構成になっている。以下に、第3実施形態例の具体例について
図28を用いて説明する。
【0251】
図28に示す具体例は、特定遊技区間で特典として1つのARTと1つの通常PTが付与された場合にサブモニタ6に複数枚のカードが表示された場合の例である。なお、スロットマシンSには、演出用の演出ボタン60が設けられている。
【0252】
図28(a)に示すように、CZ1モードにおける最後の遊技でサブモニタ6に4枚のカード61〜64が表示された。このとき、カード61〜64は、カードの種別を秘匿とする態様でサブモニタ6に表示されている。そして、図示を省略するが、カード61〜64がサブモニタ6に表示された後に、一対のスピーカ5やサブモニタ6等で演出ボタン60の操作を促す演出が実行される。
【0253】
図28(b)に示すように、演出ボタン60を操作すると、
図28(c)に示すように、4枚のカード61〜64のうち1枚のカード61の種別がカードFであることが開示された。1枚のカードFは、複数種類の特典の中で最も遊技利益の低い通常PTに対応するカードである。このため、これを見た遊技者は、カードの種別が秘匿とされているカード62〜64の種別に期待することになる。
【0254】
図28(d)に示すように、カード62〜64の種別が秘匿とされた状態で演出ボタン60を操作すると、
図28(e)に示すように、カード62の種別がカードDであることが開示された。1枚のカードDに対応する特典は特殊PTであるが、特典としてARTやCZ2(特殊特典)が付与された場合には、カードDを含む複数枚のカードがサブモニタ6に表示されることもある(
図11,
図22のS247,S253参照)。このため、これを見た遊技者は、遊技利益の高い特典の付与に期待することになる。
【0255】
図28(f)に示すように、カード63,64の種別が秘匿とされた状態で演出ボタン60を操作すると、
図28(g)に示すように、カード62の種別がカードBであることが開示された。1枚のカードBに対応する特典はCZ2であるが、特典としてARTが付与された場合に、カードBを含む複数枚のカードがサブモニタ6に表示されることもあり、少なくともARTまたはCZ2の付与が確定的となる(
図11,
図22のS247参照)。これを見た遊技者は、遊技利益の高い上位の特典の付与を確信し、まだ秘匿とされているカード64の種別に期待することになる。
【0256】
図28(h)に示すように、カード64のみの種別が秘匿とされた状態で演出ボタン60を操作すると、
図28(j)に示すように、カード64の種別がカードCであることが開示された。1枚のカードCに対応する特典は設けられていないため(
図11参照)、カードCがサブモニタ6に表示されたということは、特定遊技区間で付与された特典が複数枚のカードでサブモニタ6に表示されたことを意味する。そして、カード64の種別がカードCであることが開示されたタイミングと略同期して、サブモニタ6に「ボタンを押せ!」という表示の演出65が実行され、この演出に従って
図28(k)に示すように演出ボタン60が操作された。このとき、演出ボタン60が振動を開始し、図示を省略するが、カードD、B、Cの全てを合成(合体、混成、結合)して新たなカードAを生成するような演出がサブモニタ6で実行され、
図28(m)に示すように、カード62〜64のカードD、B、Cに替えて、1枚のカードAが表示された。これにより、ARTの付与が報知され、遊技者はARTモードへの移行を確信して遊技意欲を向上させる。
【0257】
このように、第3実施形態例では、サブモニタ6にカードの種別を秘匿とする態様で複数枚のカードが表示され、複数枚のカードは演出ボタン60の押下毎にカード種別が開示されて演出が進展する。このため、演出ボタン60の押下毎に遊技者を一喜一憂させてカードの種別に対する関心を高めることができる。
【0258】
特に、第3実施形態例では、特定遊技区間でART(CZ2)が付与されたことに基づいて、ART(CZ2)に対応付けられているカードA(カードB)と異なるカードを複数サブモニタ6に表示し、これら表示した複数のカードを合成(合体、混成、結合)してカードA(カードB)を生成することにより、サブモニタ6に表示されている複数のカードに替えてART(CZ2)に対応するカードA(カードB)をサブモニタ6に表示するように構成されている。このため、実際には、特定遊技区間でARTが付与されたことに基づいて最終的にカードAがサブモニタ6に表示されたのだが、あたかも、特定遊技区間では特殊PTや通常PT等のARTと異なる他の特典が複数付与されたように見せかけて、特定遊技区間で付与された複数の他の特典がART(特殊特典)に変換された(昇格した、進化した)かのような印象を遊技者に与えることができる。これにより趣向性の高い演出を実行可能な遊技機を提供することができる。
【0259】
なお、第3実施形態例では、演出ボタン60の操作毎に秘匿とされたカードの種別を1つ開示する構成になっているが、この構成に限られず、例えば、遊技の実行毎に秘匿とされたカードの種別を1つ開示する構成、すなわち、カードの種別が秘匿にされたカードの枚数の分だけ遊技を実行することにより秘匿とされたカードの種別を全て開示する構成であっても良いし、演出ボタン60の1回の操作で全てのカードの種別を開示する構成であっても良い。
【0260】
また、第3実施形態例では、
図11に示すように、カードCやカードEに特典が対応付けられていないが、カードCやカードEにCZ2よりも遊技利益の低い下位の特典を対応付ける構成であっても良い。例えば、CZ2よりも下位の特典として、演出ポイント1000を付与可能な前兆モードへの移行を伴う第1特殊PT、演出ポイント500を付与可能な前兆モードへの移行を伴う第2特殊PT、演出ポイント100を付与可能な前兆モードへの移行を伴わない第1通常PT、演出ポイント50を付与可能な前兆モードへの移行を伴わない第2通常PTを設け、ARTに1枚のカードA、CZ2に1枚のカードB、第1特殊PTに1枚のカードC、第2特殊PTに1枚のカードD、第1通常PTに1枚のカードE、第2通常PTに1枚のカードFを対応付ける構成とする。
このように構成した場合、CZ2をカードBと異なる複数枚のカードで表示する場合には、CZ2よりも上位の特典であるARTに対応付けられたカードAとCZ2自身に対応付けられているカードBとを除いたCZ2よりも下位の特典に対応付けられたカード(カードC〜F)を複数枚サブモニタ6に表示した後に、これら複数枚のカードに替えてCZ2に対応付けられている1枚のカードBを表示する構成とする。つまり、当該変形例では、カードBは、カードC〜Fよりも上位のカードであって、カードAよりも下位のカードであり、CZ2(特殊特典)の付与を複数枚の下位のカードでサブモニタ6に表示した後に、これら複数枚の下位のカードの全てを合成(合体、混成、結合)して上位のカードBを生成し、この生成した1枚の上位のカードBを複数枚のカードに替えてサブモニタ6に表示する構成になっている。
なお、当該変形例において、カードの上位および下位に拘わらず、例えば、特定遊技区間で特典が付与された場合に、当該特典に対応付けられたカードと異なる他の全てのカードのうち何れかのカードを複数枚サブモニタ6に表示した後に、これら表示した複数枚のカードを付与された特典に対応付けられたカードに合成し、この合成した1枚のカードをサブモニタ6に表示する構成としても良い。このようにすると、カードの上位および下位に拘わらず、複数枚のカードを1枚のカードに変更して特定遊技区間で付与された特典を遊技者に報知することができるため、遊技者に意外性を与えることができる。
【0261】
また、第3実施形態例において、特定遊技区間で決定された1つの特典に対して複数枚のカードをサブモニタ6に表示することにより特典を示唆する場合に、
図25に示すように、ARTの付与を2枚のカードB、3枚のカードC、5枚のカードFのうちの何れか一つ、CZ2の付与を2枚のカードC、3枚のカードD、5枚のカードFのうちの何れか一つ、特殊PTの付与を2枚のカードD、3枚のカードE、5枚のカードFのうちの何れか一つでそれぞれサブモニタ6に表示するよう構成したとする。この場合、サブモニタ6に2枚のカードBが表示された後に演出ボタン60を操作すると、2枚のカードBが1枚のカードAに変更され、同様に、3枚のカードCが1枚のカードAに、5枚のカードFが1枚のカードAに変更されるため、サブモニタ6に同種のカードが複数枚表示された場合にはカードの種別が上位のカードにランクアップ(昇格)するかのような演出を行うことができる。
【0262】
なお、第1,第3実施形態例では、ARTモードへの移行の権利、CZ2モードへの移行の権利、演出ポイントの付与のそれぞれにカードを対応付けて、カードの種類や枚数に基づいて、非ARTモードで付与される特典の種類および数を示唆または報知する構成になっているが、この構成に限られず、ARTモードで付与される特典として、例えば10回のART遊技の加算、50回のART遊技の加算、100回のART遊技の加算等の異なる種類の特典を予め用意しておき、これら異なる種類の特典にそれぞれカードを対応付けて、カードの種類や枚数に基づいて、ARTモードで付与される特典の種類および数を示唆または報知する構成であっても良い。
【0263】
また、第1,第3実施形態例において、ARTモードよりも遊技者に有利な特化モードを設け、特化モードへの移行の権利が特典として付与された場合には、ARTモードへの移行の権利(ART)に対応付けられたカードAをサブモニタ6に例えば2枚表示した後に、この2枚のカードAを特化モードへの移行の権利に対応付けられたカードSに替えて特化モードへの移行の権利の付与を報知する構成であっても良い。
【0264】
また、第1,第3実施形態例において、特典の付与をランプ4で報知または示唆する構成であっても良い。例えば、ランプ4内に複数(例えば10個)のLEDを設け、ARTの付与を赤色、CZ2の付与を緑色、特殊PTの付与を黄色、通常PTの付与を青色でそれぞれ表示する構成とし、例えば、CZ2(特殊特典)が付与されたことに基づいて、まず、ランプ4内に設けられた10個のLEDのうち、5個のLEDをCZ2と異なる特殊PTに対応付けられた黄色で表示し、残り5個のLEDをCZ2と異なる通常PTに対応付けられた青色で表示した後に、これら10個のLEDをCZ2に対応する緑色に変更して表示するようにする。
【0265】
続いて、本発明の第4実施形態例に係るスロットマシンについて説明する。第4実施形態例は他の実施形態例と比較して、特定遊技区間で複数の特典が決定された場合には、これら複数の特典を1つの特典に合成する特典合成手段(図示省略)を備えている点で相違する。そこで、他の実施形態例と相違する部分について説明をし、同じ部分については説明を省略する。
【0266】
第4実施形態例に係る特典合成手段は、特定遊技区間で遊技情報記憶領域140に予め定められた特典(以下、特別特典と言う。)が2以上記憶された場合には、当該特定遊技区間において、これら2つの特別特典を1つの特典(以下、第4実施形態例において特殊特典と言う。)に合成する。具体的には、
図29に示すように、特定遊技区間で遊技情報記憶領域140に2つのCZ2が記憶されている場合には2つのCZ2を1つのARTに合成し、1つのCZ2と1つの特殊PTが記憶されている場合には1つのCZ2と1つの特殊PTを1つのARTに合成し、2つの特殊PTが記憶されている場合には2つの特殊PTを1つのCZ2に合成する。つまり、遊技利益が下位の2つの特典を遊技利益が上位の1の特典に合成する。
【0267】
上記した第3実施形態例では、実際には、特定遊技区間で遊技利益の高い上位のARTが付与されているのだが、あたかも、特定遊技区間で遊技利益の低い下位の特典が複数付与されたかのうように見せかけるため、まず、遊技利益の低い特典に対応するカードを複数表示した後に、これら複数のカードに替えてARTに対応するカードAを表示するように構成されている。これに対し、第4実施形態例では、特定遊技区間で付与された2つの下位の特典(特別特典、他の特典)を1つの上位の特典(特殊特典)に合成(変換、変更)して付与する構成になっているため、下位の特典を2つ得た結果に対して上位の特典を1つ与えるというゲーム性を実現することができる。
【0268】
なお、第4実施形態例において、特定遊技区間で遊技情報記憶領域140に特別特典が2以上記憶された場合には、これら2つの特別特典に基づいて1つの特殊特典を合成するか否かを抽選等で決定する構成であっても良いし、特典の遊技利益の上位下位に拘わらず、複数の特典を1つの特典に合成して付与する構成であっても良い。また、例えば、3つのCZ2を1つのARTに合成したり、5つの通常PTを2つの特殊PTに変換したり、7つの通常PTを1つのARTに合成するなど、複数(N個)の下位の特典を複数(M個、ただし、N>M)の上位の特典に合成(変換)する構成であっても良い。また、例えば、1つのARTを5つのCZ2に変換したり、2つのCZ2を5つの特殊PTに変換したり、7つの通常PTを1つのARTに合成するなど、複数(N個)の上位の特典を複数(M個、ただし、M>N)の下位の特典に合成(変換)する構成であっても良い。