特許第6918340号(P6918340)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6918340
(24)【登録日】2021年7月27日
(45)【発行日】2021年8月11日
(54)【発明の名称】パチンコ球研磨揚送装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20210729BHJP
【FI】
   A63F7/02 346A
   A63F7/02 351A
   A63F7/02 342
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-84477(P2017-84477)
(22)【出願日】2017年4月21日
(65)【公開番号】特開2018-175769(P2018-175769A)
(43)【公開日】2018年11月15日
【審査請求日】2020年4月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】593187010
【氏名又は名称】株式会社中京遊技
(74)【代理人】
【識別番号】100112531
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】三谷 泰史
【審査官】 中村 祐一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−129640(JP,A)
【文献】 特開平05−049751(JP,A)
【文献】 特開2004−321288(JP,A)
【文献】 実開平07−039886(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パチンコ島台の長手方向の略々中間部位に揚送装置本体を設け、該揚送装置本体の両側に設けられた一対の貯留タンクから該揚送装置本体にパチンコ球を流入させて該パチンコ球を上部タンクに揚送するパチンコ球研磨揚送装置であって、モータにより回転駆動される螺旋状回転体を内部に配設した揚送筒を鉛直に支持し、該揚送筒の下方部をパチンコ島台の長手方向と直交する方向に緩やかに湾曲する曲線状に形成し、該揚送筒の湾曲する下方部の上側に研磨ペレットを貯留するペレットタンクを配置し、該ペレットタンクよりも下方であって該揚送筒の上面に流入口を開設し、該流入口の両脇に一対のパチンコ球流込筺を設け、前記貯留タンクから流出させたパチンコ球を該パチンコ球流込筺から該流入口に流入させ、前記ペレットタンクの下縁部から流出する研磨ペレットと該パチンコ球とが該流入口にて混合されるようにしたことを特徴とするパチンコ球研磨揚送装置。
【請求項2】
前記揚送筒の下方部は600mm〜1200mmの曲率半径にてパチンコ島台の長手方向と直交する方向の幅400mm〜700mmに亘って緩やかに湾曲する曲線状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載したパチンコ球研磨揚送装置。
【請求項3】
前記流入口は揚送筒の下端部の周壁の上半部を切除することにより形成され、該流入口の上方部を前記パチンコ球流込筺の側壁および囲壁によって囲うとともに、前記ペレットタンクの下縁部に形成されたペレット流出口に前記流入口の上方部に延びる一対の縦板部を備えたペレット流入用スロートを設け、該ペレット流入用スロートの両側にパチンコ球流入部が形成されるようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載したパチンコ球研磨揚送装置。
【請求項4】
前記囲壁は開閉可能に設けられ、該囲壁を開くことにより研磨ペレットを交換のため外部に排出し得るようにしたことを特徴とする請求項3に記載したパチンコ球研磨揚送装置。
【請求項5】
前記揚送筒の上端部に設けられたモータにより前記螺旋状回転体が回転駆動されるようにしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載したパチンコ球研磨揚送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場におけるパチンコ島台の内部に設けられるパチンコ球研磨揚送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多数のパチンコ機を並設してなるパチンコ遊技場のパチンコ島台は、周知のように内部に貯留タンクが設けられ、各パチンコ機から排出されたパチンコ球が該貯留タンクに貯留される。そして、該パチンコ島台内に設けられたパチンコ球揚送装置により、該貯留タンクのパチンコ球が上部タンクに揚送され、該上部タンクから該パチンコ球が球供給樋を通して各パチンコ機に供給されるようにしている。
【0003】
特許文献1に示されたパチンコ球研磨揚送装置は、粒状の合成樹脂からなる研磨ペレットをパチンコ球に混合して揚送することにより、パチンコ球の汚れを該研磨ペレットに付着させ、揚送と同時に該パチンコ球が研磨されるようにしたものである。
図11にこのようなパチンコ島台内に設けられる従来からのパチンコ球研磨揚送装置100と、その左右両側に設けられた貯留タンク101aおよび貯留タンク101bと、上部タンク102を示す。パチンコ球研磨揚送装置100は、パチンコ島台の長手方向略中間位置に揚送筒110を鉛直に設け、その上端部に設けたモータにより回転駆動されるパチンコ球揚送用螺旋状回転体111を該揚送筒110内に設けるとともに、該揚送筒の下端開口にエルボ112を介して連なる横送筒部113を該パチンコ島台の長手方向に沿うように組付板124上に設け、該横送筒部113内にモータ114によって回転駆動されるパチンコ球横送用螺旋状回転体115を設け、貯留タンク101aと貯留タンク101bに貯留されたパチンコ球を傾斜樋116a,116bおよび該横送筒部の一側に設けられたパチンコ球流込筺117を経て該横送筒部113内に流入させ、流入したパチンコ球は該横送筒部113内からエルボ112を経て揚送筒110内に送り込まれ、回転する前記パチンコ球揚送用螺旋状回転体111によって上部タンク102に揚送されるようにしている。なお、120はペレットタンクで、該タンクから排出された研磨ペレットがパチンコ球流込筺117にてパチンコ球と合流し、パチンコ球と混合されて揚送筒110内を通って上部タンク102に揚送され、該上部タンク102内でパチンコ球と分離される。そして、ペレット戻管121を通ってペレットタンク120に回収され循環する。なお、122a,122bはそれぞれ傾斜樋116a,116bに設けた電動シャッターで、該電動シャッターを開閉することにより、貯留タンク101a,101bからのパチンコ球の流出が制御される。また、123a,123bは、この島台のパチンコ機(島台長手方向の略々中間部に設けられているパチンコ機)から排出されたパチンコ球を貯留タンク101a,101bに導くために設けられた傾斜状の球回収樋である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2610164号公報
【特許文献2】特許第3739426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、パチンコ球研磨揚送装置100は、パチンコ島台の各パチンコ機に滞りなくパチンコ球を供給すると同時に、該各パチンコ機から排出されたパチンコ球を回収するため、該パチンコ島台の長手方向略中間位置に配置され、その左右両側に貯留タンク101aおよび貯留タンク101bが設けられるが、図11に示した如くの従来のパチンコ球研磨揚送装置100では、揚送筒110の一方に横送筒部113が設けられ、該横送筒部113にパチンコ球流込筺117が設けられていた。このため、一方の貯留タンク101aと揚送筒110との距離aが他方の貯留タンク101bと揚送筒110との距離bよりも大幅に長くなることとなり、揚送筒110を貯留タンク101aおよび貯留タンク101bから等距離に配置できないこととなっていた。なお、前記球回収樋123a,123bや傾斜樋116a,116bの傾斜角度、および、貯留タンク101a,101b内の上板124a,124bおよび底板125a,125bの傾斜角度は一定角度以上に保つ必要があることから、このような配置であると、貯留タンク101aおよび貯留タンク101bに実際に貯留可能なパチンコ球数は、該タンク内の底板125a,125bと上板124a,124b間の略三角形の空間(図5中に網掛部分で示した)に限られる。このため特に距離aが長くなってしまう貯留タンク101aには充分な量のパチンコ球を貯留できないという問題があった。
【0006】
なお、特許文献2の図3に、揚送筒の下部を円弧状に湾曲させ、該下部から揚送筒内に研磨ペレットおよびパチンコ球を流入させるようにしたパチンコ球揚送装置が示されている。しかし、たとえこのように揚送筒を湾曲させた構造にしたとしても、上記のようなアンバランスは解消されないので、貯留タンク101aに充分な量のパチンコ球を貯留できないことに変わりがない。
【0007】
また、従来のこのようなパチンコ球研磨揚送装置は、揚送筒内にてパチンコ球と研磨ペレットとが均一に分散せず、パチンコ球が塊となって螺旋状回転体に過大な負荷を掛け、摩擦抵抗も増すため、搬送トラブルを発生するおそれがあった。
本発明はこうした問題点を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのために本発明に係るパチンコ球研磨揚送装置は、パチンコ島台の長手方向の略々中間部位に揚送装置本体を設け、該揚送装置本体の両側に設けられた一対の貯留タンクから該揚送装置本体にパチンコ球を流入させて該パチンコ球を上部タンクに揚送するパチンコ球研磨揚送装置であって、モータにより回転駆動される螺旋状回転体を内部に配設した揚送筒を鉛直に支持し、該揚送筒の下方部をパチンコ島台の長手方向と直交する方向に緩やかに湾曲する曲線状に形成し、該揚送筒の湾曲する下方部の上側に研磨ペレットを貯留するペレットタンクを配置し、該ペレットタンクよりも下方であって該揚送筒の上面に流入口を開設し、該流入口の両脇に一対のパチンコ球流込筺を設け、前記貯留タンクから流出させたパチンコ球を該パチンコ球流込筺から該流入口に流入させ、前記ペレットタンクの下縁部から流出する研磨ペレットと該パチンコ球とが該流入口にて混合されるようにしたことを特徴とする。
【0009】
また本発明は上記パチンコ球研磨揚送装置において、前記揚送筒の下方部は600mm〜1200mmの曲率半径にてパチンコ島台の長手方向と直交する方向の幅400mm〜700mmに亘って緩やかに湾曲する曲線状に形成されていることを特徴とする。
【0010】
また本発明は上記パチンコ球研磨揚送装置において、前記流入口は揚送筒の下端部の周壁の上半部を切除することにより形成され、該流入口の上方部を前記パチンコ球流込筺の側壁および囲壁によって囲うとともに、前記ペレットタンクの下縁部に形成されたペレット流出口に前記流入口の上方部に延びる一対の縦板部を備えたペレット流入用スロートを設け、該ペレット流入用スロートの両側にパチンコ球流入部が形成されるようにしたことを特徴とする。
【0011】
また本発明は上記パチンコ球研磨揚送装置において、前記囲壁は開閉可能に設けられ、該囲壁を開くことにより研磨ペレットを交換のため外部に排出し得るようにしたことを特徴とする。
また本発明は上記パチンコ球研磨揚送装置において、前記揚送筒の上端部に設けられたモータにより前記螺旋状回転体が回転駆動されるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、パチンコ球研磨揚送装置の両側近距離に貯留タンクを配設することができるので、該各貯留タンクに充分な量のパチンコ球が貯留可能となる。また、揚送筒の流入口にパチンコ球が両側から流入し、その間に研磨ペレットが流入するので、研磨ペレットが一方に片寄ることなくパチンコ球と均等に混合される。このためパチンコ球どうしの接触が緩和され、パチンコ球が塊となって螺旋状回転体に過大な負荷を及ぼしトラブルが発生するようなことが解消されるとともに、該研磨ペレットによるパチンコ球の研磨作用も如何なく発揮される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係るパチンコ球研磨揚送装置をパチンコ島台の内部に設けた状況を示す正面図。
図2】本発明に係るパチンコ球研磨揚送装置の斜視図。
図3】本発明に係るパチンコ球研磨揚送装置の要部の縦断面図。
図4】本発明に係るパチンコ球研磨揚送装置の下方部の斜視図。
図5】本発明に係るパチンコ球研磨揚送装置の下方部の水平断面図。
図6図5のA−A線断面図。
図7】本発明に係るパチンコ球研磨揚送装置の下方部の斜視図。
図8】本発明に係るパチンコ球研磨揚送装置の下方部の縦断面図。
図9図8のB−B線断面図。
図10図8のC−C線断面図。
図11】従来のパチンコ球研磨揚送装置をパチンコ島台の内部に設けた状況を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施例1)
図1に示したパチンコ球研磨揚送装置1が設置されるパチンコ島台の内部の概略から説明する。パチンコ島台内部の長手方向両側に一対の貯留タンク2a,2bが配設され、該パチンコ島台の各パチンコ機から排出された多数のパチンコ球が該貯留タンク2a,2bに貯留される。そして、該貯留タンク2a,2bに貯留されたパチンコ球は、傾斜樋3a,3bを通してパチンコ球研磨揚送装置1の下部に流下し、揚送筒4を通して上部タンク5に揚送される。なお、3a′,3b′は該傾斜樋3a,3bにそれぞれ設けられたシャッターである。前記上部タンク5に揚送されたパチンコ球は、該上部タンク5の両側面に設けられた整流器6a,6bから球供給樋(図示せず)に排出され、該パチンコ島台の各パチンコ機に供給される。なお、7は揚送筒4の前側に設けられたオーバーフロー管を示し、該オーバーフロー管7の下端部は変向ボックス8、球回収樋9を介して前記貯留タンク2a,2bに連通している。
【0015】
次にパチンコ球研磨揚送装置1の詳細を図2図6に従い説明する。このパチンコ球研磨揚送装置1の揚送筒4は、直径90mmの円筒形の鋼菅からなり、起立フレーム10によって鉛直に支持される。該揚送筒4の上部は前記上部タンク5中に挿通され、該揚送筒4の上端4aが前記上部タンク5内に設けられたスノコ状フィルター11よりも高所にて開口している。そして、該揚送筒4の内部に鋼線をピッチ44mmでコイル状に形成してなる螺旋状回転体12を配設し、該揚送筒4の上端4a開口から上方に突出する該螺旋状回転体12の上端部に減速機付のモータ13の回転出力軸を連結し、該螺旋状回転体12を所定方向に回転駆動し得るようにしている。前記スノコ状フィルター11はパチンコ球と樹脂ペレットとを分離させるためのもので、パチンコ球よりも小径の樹脂ペレットは該スノコ状フィルター11から落下し、落下した樹脂ペレットはペレット戻管14を流下して後述するペレットタンク15に集められる。また、上部タンク5内は仕切板16を設けることにより上段の貯留室17と下段の溢出室18が形成され、該貯留室17と溢出室18とは鉛直に設けられた溢出筒19によって連通している。また、上部タンク5には、隣接する両隣の島へ球を供給する球排出口20と隣島からの球を受け入れる球受入口21が設けられている。そして、貯留室17の両側壁に前記整流器6a,6bが設けられ、該貯留室17に貯留されたパチンコ球が該整流器6a,6bを経て該パチンコ島台の各パチンコ機に供給される。また、該溢出室18の底部に前記オーバーフロー管7が連結される。
【0016】
揚送筒4の下方部4bはパチンコ島台の長手方向と直交する方向に緩やかに湾曲する曲線状に形成され、該下方部4bの上側に研磨ペレットを貯留する前記ペレットタンク15を配置する。そして、該ペレットタンク15よりも下方であって該揚送筒4の上面に流入口22を開設し、該流入口22の両脇に一対のパチンコ球流込筐23a,23bを設け、前記貯留タンク2a,2bから流出させたパチンコ球を傾斜樋3a,3bを通して該パチンコ球流込筐23a,23bに流入させる。該パチンコ球流込筐23a,23bの前記流入口22と相対する側壁面にはそれぞれ球流出口24a,24bが形成され、前記ペレットタンク15の下縁部で前記流入口22と相対する部分にはペレット流出口25が形成されている。また、流入口22の上方部は、ペレット流出口25から流出する研磨ペレット、および球流出口24a,24bから流出するパチンコ球が外に零れないようにするために囲壁26が形成されている。そして該囲壁26および前記揚送筒4、前記起立フレーム10の下部を組付板27上に支持している。なお、該揚送筒4の下端部に軸受28を設け、該軸受28によって該螺旋状回転体12の下端部を回転自在に軸支している。なお、前記ペレット戻管14には集塵用のホース(図示せず)が接続され、図1に示した集塵装置14aに該ペレット戻管14中のダストが真空吸引される。
【0017】
このように構成したパチンコ球研磨揚送装置では、揚送筒4の下方部4b上面に形成された流入口22の両側にパチンコ球流込筐23a,23bの球流出口24a,24bが対峙しているので、パチンコ球が該流入口22に両側から流入すると同時に、ペレット流出口25から流出する研磨ペレットがその間から該流入口22に流入する。このため、パチンコ球と研磨ペレットとが一方に片寄ることなく均等に混合され、螺旋状回転体12をモータ13によって回転駆動することにより、揚送筒4中にて該パチンコ球と研磨ペレットが均一に混合した状態で揚送され、パチンコ球ばかりが一か所に固まって揚送されてしまうことなく、螺旋状回転体12に過大な負荷が掛かることがないとともに、パチンコ球と研磨ペレットとの接触が確実になされるので、パチンコ球がこの揚送により非常に綺麗に研磨される。
【0018】
また、揚送筒4の下方部4bは、パチンコ島台の長手方向と直交する方向に緩やかに湾曲する曲線状に形成され、該揚送筒の上面に開設された流入口22の両脇に一対のパチンコ球流込筐23a,23bを設け、前記貯留タンク2a,2bから流出させたパチンコ球を該パチンコ球流込筐23a,23bから該流入口22に流入させるものであるので、このパチンコ球研磨揚送装置1の両側近距離に貯留タンク2a,2bを配設することができる。そのために、貯留タンク2a,2bに貯留されたパチンコ球を自重によって傾斜樋を転動させて揚送筒4の流入口22に導くことが容易になり、充分な量のパチンコ球を該各貯留タンク2a,2bに貯留できるようになる。
また、揚送筒4を中間としてその両側に左右対称的にパチンコ球流込筐23a,23b、傾斜樋3a,3b等を設け、両貯留タンク2a,2bを該揚送筒4から等距離に配置することもできるので、左右で共通の部品を使用することが可能となり、製造コストを軽減させる。
【0019】
そして、上部タンク5に揚送されたパチンコ球は、スノコ状フィルター11上を通過して貯留室17に貯留され、該貯留室17から該パチンコ島台の各パチンコ機に供給されると共に隣接する両島へ不足球が供給され、該貯留室17がパチンコ球で満杯になると、前記溢出筒19を通って下段の溢出室18に流入し、前記オーバーフロー管7、変向ボックス8、球回収樋9を経て前記貯留タンク2a,2bに戻される。
【0020】
(実施例2)
次に実施例1にて示した揚送筒4の好ましい形態を実施例2として図7図10に従いさらに詳細に説明する。この実施例2に示す揚送筒4は、図8に示したように、下方部4bの曲率半径Rが600mm〜1200mm(最も好ましくは900mm)にて緩やかに湾曲し、パチンコ島台の長手方向と直交する方向の幅(島幅)Wが400mm〜700mm(最も好ましくは500mm)に亘るように曲線状に形成される。このように、揚送筒4の下方部4bの曲率半径Rおよび幅Wによって定まる湾曲度を設定することにより、該揚送筒4の下端部に開設された流入口22に研磨ペレットおよびパチンコ球を流入し易くすることができるとともに、該揚送筒4内に配置された螺旋状回転体12の回転に伴うストレスを軽減することができる。即ち、曲率半径Rおよび幅Wを上記範囲内に設定することにより、螺旋状回転体12の回転時の変形に伴う応力を最小限にしつつ、流入口22を研磨ペレットおよびパチンコ球の流入を可能にする角度で上向きに開設することができる。
また、このように螺旋状回転体12の回転に伴うストレスが軽減されることにより、揚送筒4の上端部に設けられた一台のモータ13だけで該螺旋状回転体12をスムースに回転駆動することが可能となる。
【0021】
なお、流入口22は揚送筒4の下端部の周壁の上半部を切除することにより形成され、該流入口22の上方部が前記パチンコ球流込筐23a,23bの側壁および板状の囲壁26によって囲われるようにしている。そして、該囲壁26は両側縁部にビス29を締付することにより開閉可能なるように止着されている。
また、前記ペレットタンク15の下縁部に形成されたペレット流出口25に流入口22の上方部に延びる一対の縦板部31a,31bを備えたペレット流入用スロート30を設けている。そして、該ペレット流入用スロート30の両側にパチンコ球流入部32a,32bが形成されるようにしている。
【0022】
このようにペレット流入用スロート30を設けたことによっては、ペレットタンク15から流出した研磨ペレットを流入口22の直上にガイドするとともに、球流出口24a,24bから流出したパチンコ球が該ペレット流入用スロート30の両側から該流入口22に流入し得るようにガイドするので、一方のパチンコ球の勢力が強くて研磨ペレットの流入を邪魔するようなことがなく、常に均等にバランスを保持して研磨ペレットとパチンコ球とを該流入口22に流入させることができる。
これによってパチンコ球の揚送研磨が常にスムースに行われる。
【0023】
一般に研磨ペレットは使用により摩耗するため定期的に交換することを要するが、その場合、前記ビス29を緩めて囲壁26を外すことにより該研磨ペレットを外部に排出することができ、該囲壁26はパチンコ島台間の通路と相対する方向であるので、通路からこうしたペレット交換作業を容易に行うことができる。
なお、囲壁26は一側縁に蝶番を設けて開閉可能に支持するとともに他側縁に係脱操作可能な係合部材を設け、該係合部材を外すことにより該囲壁26を開閉できるようにしてもよく、或いは、囲壁26の両側縁にスライド部材を設け、該囲壁26をスライド可能に設けることで簡単に開閉できるようにしてもよい。要するに、囲壁26を開閉可能に固定する手段は適宜考えられる。
【符号の説明】
【0024】
1 パチンコ球研磨揚送装置
2a,2b 貯留タンク
3a,3b 傾斜樋
4 揚送筒
4b 下方部
5 上部タンク
12 螺旋状回転体
13 モータ
14 ペレット戻管
15 ペレットタンク
22 流入口
23a,23b パチンコ球流込筺
24a,24b 球流出口
25 ペレット流出口
26 囲壁
29 ビス
30 ペレット流入用スロート
31a,31b 縦板部
32a,32b パチンコ球流入部
R 曲率半径
W 幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11