(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
遊技盤の遊技領域に固植される多数本の遊技釘の釘頭の正規の位置を透明シートに印刷した釘位置表示シートを該遊技盤の前面に配設される透明板に貼付し、該透明板を該遊技盤に対し上下左右に位置を微調整可能に配設する位置調整手段を備え、さらに前記遊技盤と前記釘位置表示シートとに正面視で合致位置し得る基準マークをそれぞれ表示してなることを特徴とする弾球遊技機の釘位置確認装置。
前記位置調整手段は、前記透明板を遊技盤に対して上下左右に微動可能に支持する遊嵌部と、前記透明板を遊技盤に対して移動不能に固定するロック部とをそれぞれ透明板を保持する保持枠に設けてなることを特徴とする請求項1に記載した弾球遊技機の釘位置確認装置。
前記位置調整手段は、遊技盤の遊技領域外に位置決孔を形成し、前記透明板を保持する保持枠に支軸を上下左右に位置を微調整可能なるように設け、該支軸が前記位置決孔に嵌合される位置合わせ機構を具備していることを特徴とする請求項1または2に記載した弾球遊技機の釘位置確認装置。
前記釘位置表示シートは釘頭の外径よりも小さい外径の釘位置マークにより正規の釘位置を表示することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載した弾球遊技機の釘位置確認装置。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機等の弾球遊技機は、遊技盤の遊技領域に多数本の遊技釘が固植され、遊技盤面に発射された遊技球は該遊技釘に誘導されながら流下し、その落下状況によって入賞口に入賞するか、入賞しないものに振り分けられる。このため遊技釘の状況は入賞状況に大きく影響する。
ところでこれらの遊技釘は、機種に応じて予め定められた遊技盤の所定位置に固植されるが、釘打ち機の精度にも限界があることから、必ずしも基準どうり正確に位置するとは限らないとともに、遊技場に長期間設置され遊技に使用されていると、遊技球が遊技釘に繰り返し衝突することにより、遊技釘が曲がってしまい釘頭も正規の位置から大きくずれてしまうことがある。
【0003】
一方、下記特許文献1に示された遊技機の釘位置調整方法は、遊技釘の基準位置を示す孔または画像を設けた透明または半透明の測定用シートを遊技盤の遊技領域に沿って平行に保持し、該測定用シートをめくりながら遊技釘の位置を調整するものであった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、遊技盤に固植された多数本の遊技釘について、正規の位置からのずれを把握することは容易でなく、その確認や調整を行うことは、経験豊富な専門の作業者であっても時間を要する大変な作業であった。
また、特許文献1に示された方法では、測定用シートが妄動し易いうえ、遊技釘を基準とし該遊技釘に対して該測定用シートを差し込んで位置合わせを行うものであるので、基準としている遊技釘自体が位置ズレしていると、誤った位置に釘調整がされてしまうおそれもある。
【0006】
そこで本発明は、遊技釘の位置確認を正確にすることができ、釘調整が的確にできる弾球遊技機の釘位置確認装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのために本発明に係る弾球遊技機の釘位置確認装置は、遊技盤の遊技領域に固植される多数本の遊技釘の釘頭の正規の位置を透明シートに印刷した釘位置表示シートを該遊技盤の前面に配設される透明板に貼付し、該透明板を該遊技盤に対し上下左右に位置を微調整可能に配設する位置調整手段を備え、さらに前記遊技盤と前記釘位置表示シートとに正面視で合致位置し得る基準マークをそれぞれ表示してなることを特徴とする。
このように基準マークを基として各遊技釘の位置を確認できるようにすることで、正確な確認ができる。
【0008】
また本発明は上記釘位置確認装置において、前記位置調整手段は、前記透明板を遊技盤に対して上下左右に微動可能に支持する遊嵌部と、前記透明板を遊技盤に対して移動不能に固定するロック部とをそれぞれ透明板を保持する保持枠に設けてなることを特徴とする。
このように透明板を微動可能に支持することで基準マークを合致させることが可能となる。また、ロック部により透明板を固定することで、基準マークを合致させた状態が保持され、検査・確認作業中に透明板がずれないようにできる。
【0009】
また本発明は上記釘位置確認装置において、前記位置調整手段は、遊技盤の遊技領域外に位置決孔を形成し、前記透明板を保持する保持枠に支軸を上下左右に位置を微調整可能なるように設け、該支軸が前記位置決孔に嵌合される位置合わせ機構を具備していることを特徴とする。
このように微動可能に支持することで基準マークをより合致させ易くなる。
【0010】
また本発明は上記釘位置確認装置において、前記釘位置表示シートは印刷面が前側となるように透明板の前面に貼付されていることを特徴とする。
この貼付により遊技中に遊技球が釘位置表示シートに当たることなく、該釘位置表示シートの損耗が防止される。
また本発明は上記釘位置確認装置において、前記釘位置表示シートは釘頭の外径よりも小さい外径の釘位置マークにより正規の釘位置を表示するものであることを特徴とする。
正面視にて釘位置マークに対し釘頭がどの程度移動しているかが容易に判るようになり、検査・確認が容易になる。
【0011】
また本発明は上記釘位置確認装置において、前記釘位置マークは釘頭の色と同系色であることを特徴とする。
釘位置マークを目立たなくできるので、釘位置表示シートが貼付られた透明板を遊技中もそのまま利用できる。
また本発明は上記釘位置確認装置において、釘位置マークは円形であることを特徴とする。
釘位置マークに対する釘頭の移動程度を判別し易くなり、検査・確認が容易になる。
【発明の効果】
【0012】
遊技釘の位置を正確にしかも容易に確認することができる。従って釘調整も的確に行われるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に係る弾球遊技機の遊技盤と透明板と釘位置表示シートの分解斜視図。
【
図4】本発明に係る弾球遊技機の位置合わせ機構の分解斜視図。
【
図5】本発明に係る弾球遊技機の位置合わせ機構の分解斜視図。
【
図6】本発明に係る弾球遊技機の位置合わせ機構の分解斜視図。
【
図7】本発明に係る弾球遊技機の位置合わせ機構の内部構造の正面図。
【
図8】本発明に係る弾球遊技機の位置合わせ機構の内部構造の背面図。
【
図9】本発明に係る弾球遊技機の遊技盤に透明板をセットする際の斜視図。
【
図10】本発明に係る弾球遊技機の遊技盤に透明板をセットする際の斜視図。
【
図12】本発明に係る弾球遊技機の遊技盤に透明板を固定した状態の斜視図。
【
図13】本発明に係る弾球遊技機の遊技盤に透明板を固定した状態の正面図。
【
図15】本発明に係る弾球遊技機の遊技盤に透明板を固定した状態の要部の裏面図。
【
図16】本発明に係る弾球遊技機の遊技盤と透明板と釘位置表示シートの縦断面図。
【
図17】本発明に係る弾球遊技機の釘位置確認状況を示す正面図。
【
図18】本発明に係る弾球遊技機の位置合わせ機構の他の実施例を示す斜視図。
【
図23】本発明に係る弾球遊技機の遊技盤と透明板と釘位置表示シートの縦断面図。
【
図24】本発明に係る弾球遊技機の遊技盤と透明板と釘位置表示シートの縦断面図。
【
図25】本発明に係る弾球遊技機の遊技盤と透明板と釘位置表示シートの縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に本発明に係る弾球遊技機の釘位置確認装置の構成を図面に従い説明する。
図1は、この弾球遊技機に交換可能に設けられる遊技盤10と、該遊技盤10の前面に装着される透明板40と、該透明板40に貼付される釘位置表示シート90を示す。遊技盤10は
図2にも示したように中央に液晶等の図柄表示装置や演出装置(図示せず)を配設するための大きな窓孔11を形成したプラスチック製厚板状のもので、該遊技盤10の前面に球誘導用レール12a,12bが固着され、該球誘導レール12a,12bによって囲われた遊技領域13に多数本の遊技釘14が固植される。なお、この実施形態に示した該各遊技釘14は、表面が金色で、その釘頭を直径4.2mmの半球状に形成したものを使用している。また、該遊技領域13には、風車や電飾装置(図示せず)が配設されるほか、通過チャッカー,普通入賞口,始動入賞口,可変入賞口等(図示せず)等をそれぞれ配設するための取付孔15a〜15dが形成される。また、該遊技盤10の裏側には入賞球集合樋、遊技制御基板等(図示せず)が設けられる。遊技中に前記球誘導レール12a,12bに沿って遊技球が発射され、該遊技球は遊技領域13を遊技釘14に誘導されながら流下する。そして、前記普通入賞口,始動入賞口等の入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト球排出口21より排出される。
球誘導レール12a,12bの外側領域であって該遊技盤10の向かって左側上部には、該球誘導レール12a,12bの起立厚さと同程度に前方に突出する側枠部材21aがビスによって固着され、該遊技盤10の向かって左側下部に側枠部材21bがビスによって固着され、該遊技盤10の向かって右側上部に側枠部材21cがビスによって固着され、該遊技盤10の向かって右側下部に側枠部材21dがビスによってそれぞれ固着されている。
【0015】
また、遊技盤10の向かって左側の上下縁部に相当する前記側枠部材21a,21bにそれぞれ略正方形の遊嵌孔22a,22bを形成し、該遊嵌孔22a,22bの内底部に後述する
図11に示したように板バネ23を設けている。また、該遊技盤10の向かって右側の上縁部に小円形の位置決孔24を切削加工により形成し、該位置決孔24を基準として前記遊技領域13に多数の釘孔を穴開切削加工により形成し、該釘孔に前記遊技釘14を固植することにより、位置決孔24および多数本の遊技釘14が該位置決孔24に対して高精度で正確に位置し得るようにしている。
【0016】
前記側枠部材21cの上縁部にルーズクリップ25を回転自在に軸着している。また、前記側枠部材21dに凹窪部26を形成し、該凹窪部26に遊技盤10の裏側まで貫通する略小判形の係合孔27を形成している。また、前記側枠部材21cの上縁部寄りの前面と前記側枠部材21dの前面にそれぞれ十字状の基準マーク28a,28bを表示する。なお、これら側枠部材21a,21bは、前記位置決孔24を基準として切削加工された図示しない取付孔に取り付けられる。したがって、前記基準マーク28a,28bは、前記位置決孔および前記各釘孔に対して高精度に位置し得ることとなる。
【0017】
一方、透明板40はプラスチック製の保持枠42によって全周が囲われている。また、釘位置表示シート90は、透明シート91の表面に釘位置マーク92を印刷することにより、前記遊技釘14の正規の位置を表示している。なお、該各釘位置マーク92は、前記遊技釘14の釘頭と同じく金色または同系色の黄色の円形に表記され、その円形の外径は前記遊技釘14の釘頭の外径よりも小さい2.2mmにしている。また、該各釘位置マーク92の位置の基準となる十字状の基準マーク93a,93bを該釘位置表示シート90の向かって右上および左下に印刷によって表示している。
また、該釘位置表示シート90の下縁部に機種名94を印刷している。また、ホログラム式の偽造防止ラベル95を該釘位置表示シート90の下縁部に貼付し、該釘位置表示シート90がコピー機によって容易に偽造されないようにしている。
そして、該釘位置表示シート90は、裏面に塗着した粘着剤により、
図3、
図16等に示したように透明板40の表面に貼付される。
【0018】
次に前記保持枠42に設けられる位置調整手段の構成を説明する。該位置調整手段は、遊嵌部43とロック部44と位置合わせ機構45とからなるが、先ず、遊嵌部43から説明すると、保持枠42の向かって左側辺に
図11に示したように先端部がL字状に折れ曲がった鉤状片43a,43bを一体に形成し、該鉤状片43a,43bを前記遊嵌孔22a,22bに遊嵌することにより、該保持枠42および透明板40が遊技盤10に対して上下左右に微動可能に支持され、該鉤状片43a,43bが前記板バネ23により押圧することで、該透明板40が遊技盤10の前面に一定間隔で保持されるようにしている。
また、ロック部44は、
図3,
図9に示されるように、保持枠42の下辺の向かって右側寄りに遊技盤10の前記凹窪部26に遊嵌し得る水平断面コ字形の垂下部46を延設し、該垂下部46に縦長孔47および正面視円弧状のクサビ部49を形成してなり、該縦長孔47に
図14に示したようにロック片48を装着し得るようにしている。なお、該ロック片48は、縦長孔47に貫挿する軸部48aの前端に鉤状の摘子部48bを一体に形成するとともに後端に直交状の係合部48cを一体に形成してなる。
【0019】
また、位置合わせ機構45は、保持枠42の上辺の向かって右側寄りにビス50a〜50cによって止着される。また、該位置合わせ機構45の向かって右側近傍に板状止片51が該保持枠42に一体に形成される。
次に位置合わせ機構45の構成を
図4〜
図8に従い詳しく説明する。この位置合わせ機構45は、前記ビス50a〜50cおよびビス54a,54bをケース52と蓋体53に貫挿することにより、該ケース52と蓋体53とを固着してなり、
図10に示されるように該ケース52の背面に前記位置決孔24に嵌合し得る支軸55が突設され、該支軸55を左右に微動させるための左右動ダイヤル56が蓋体53に形成されたダイヤル孔56aから前面に露出し、該支軸55を上下に微動させるための上下動ダイヤル57が蓋体53に形成されたダイヤル孔57aから前面に露出する。該左右動ダイヤル56はダイヤル軸56bの下端部にウオーム56cが固着され、該ダイヤル軸56bをケース52に形成された軸受部52aに垂直に貫挿することにより回転自在に支持するとともに、該ウオーム56cと噛合するウオームホイール56dが該ケース52に形成された支持軸52bに回転自在に支持され、該ウオームホイール56dにはピニオン56eを一体に形成している。なお、支軸55は位置決孔24に嵌合させ易いように先端部が先細テーパー状に形成されている。
【0020】
また、
図6に示したように、成形部材61a,61bにビス62a,62bを貫挿することにより左右動組体63が組み立てられる。該左右動組体63は、前記ケース52に水平方向に長いスリット状のガイド孔52cが形成され、成形部材61bの背面に形成された突縁63bを該ガイド孔52c中に摺動可能に貫挿することにより該ケース52内にて左右方向にのみ移動するように設けられる。また、
図7に示されるように該成形部材61bの下縁部にラック歯63cが一体に形成され、該ラック歯63cを前記ピニオン56eに噛合させている。
【0021】
また、前記上下動ダイヤル57にダイヤル軸57bをEリング57′で固着し、該ダイヤル軸57bを成形部材61aに形成された軸受部61dに水平に貫挿することにより該上下動ダイヤル57を回転自在に支持し、該ダイヤル軸57bの先端にウオーム57c固着し、前記成形部材61bに形成された支持軸61cにピニオン57dが一体に形成されたウオームホイール57eを回転自在に支持し、該ウオームホイール57eをウオーム57cに噛合させている。
また、前記支軸55の基端部に前記ピニオン57dと噛合するラック歯65aおよび上下方向に長いガイド孔65bが形成された軸基枠65が固着され、前記成形部材61bに突設されたガイド軸63dが該ガイド孔65bに遊嵌し、支軸55は前記成形部材61bに形成された上下方向に長い長孔63eに上下動可能に貫挿され、さらに該支軸55はケース52に形成された大径孔52dを貫通して該位置合わせ機構45の背面に突出している。
【0022】
このため、左右動ダイヤル56を回転させると、ピニオン56eが回転し左右動組体63を左右動させ支軸55を左右動させる一方、上下動ダイヤル57を回転させると、ピニオン57dが回転し軸基枠65を上下動させるので該支軸55を上下動させる。
【0023】
このように構成した釘位置確認装置では、遊技盤10に固植された多数本の遊技釘14が正規の位置からずれていないかどうかを検査・確認するにあたり、先ず
図9および
図10に示したように、保持枠42の一側縁に形成された鉤状片43a,43bを該遊技盤10の遊嵌孔22a,22bに遊嵌し、前記支軸55を位置決孔24に嵌合する。このとき保持枠42は遊技盤10に対して上下左右に微動可能に支持されていることから、該保持枠42を必要に応じていずれかの方向に動かすことで、位置決孔24に対して支軸55を嵌合することができる。また、前記ルーズクリップ25は、回転させて前記板状止片51の表面上に摺接させることで、該保持枠42を微動可能に支持し得る。
【0024】
次いで、前記左右動ダイヤル56および上下動ダイヤル57を回転操作して支軸55を左右および上下に微動させる。このとき、該支軸55は位置決孔24に嵌合されているので、実際は保持枠42および該保持枠と一体の透明板40が左右および上下に微動する。また、手で直接、保持枠42を左右に動かすことにより支軸55を支点として該保持枠42を左右に僅かに傾斜させることもできる。このような微調整をすることにより、遊技板10に表示された前記基準マーク28a,28bに対し前記基準マーク93a,93bを正面視で完全に合致位置させる。そして、合致できたところで、前記係合孔27に貫挿されたロック片48の摘子部48bを回転操作し、
図14、
図15に示したように係合部48cを遊技盤10の裏側面に係合させる。なおこのとき摘子部48bが前記クサビ部49上に乗り上ることにより、軸部48aが前方に牽引されるので、保持枠42をしっかりと遊技板10に固定することができる。
そしてこの状態で遊技盤10を正面から見て各遊技釘14の釘頭が釘位置マーク92と合致するかどうかを検査・確認する。その際、デジタル顕微鏡、マイクロスコープ等を透明板40の表面に当てて遊技釘14の釘頭と釘位置マーク92とのズレを検知するようにしてもよい。そして、例えば
図17に「OK」として示したように、釘位置マーク92が遊技釘14の釘頭円の範囲内に位置しておれば合格とし、「NG」として示したように、釘位置マーク92が遊技釘14の釘頭円の範囲外に位置していると不合格とする。このように、釘位置マーク92を釘頭円よりも小径の円で表示することにより、許容される一定の測定誤差を考慮したうえでの合否の判定が容易になる。
【0025】
一方、
図18〜
図22に位置合わせ機構45の他の実施形態を示す。この実施形態では、前記実施形態と同一機能を果たす部分については前記
図4〜
図8中の符号と同一符号を付すことによりその説明を割愛する。なお、この実施形態では、支軸55を左右に微動させるための左右動ダイヤル56が縦向きに軸支され、支軸55を上下に微動させるための上下動ダイヤル57が横向きに軸支される。即ち、この実施形態では、左右動ダイヤル56のダイヤル軸56bの外周、および、上下動ダイヤル57のダイヤル軸57bの外周にそれぞれ螺子溝を形成するとともに、箱状に形成された上下動体70に鉛直軸71を貫挿することで該上下動体70に該鉛直軸71に沿って上下動自在なるように支持し、該上下動体70にダイヤル軸57bを螺合するとともに、左右動体72に水平軸73を貫挿することにより該左右動体72を該上下動体70内にて該水平軸73に沿って左右動自在なるように支持し、該左右動体72に前記ダイヤル軸56bを螺合する。そして該左右動体72の背面に支軸55を突設し、該支軸55を52dから突出させる。このため、上下動ダイヤル57を回転操作すると上下動体70が上下動するにつれて支軸55が上下動し、左右動ダイヤル56を回転操作すると左右動体72が左右動するにつれて支軸55が左右動する。
このようにこの実施形態は、
図4〜
図8に示した実施形態におけるウオームとウオームホイールとからなる直交伝動機構を無くすことにより、構成を簡略化し得る。そして、該左右動ダイヤル56および上下動ダイヤル57を回転操作することにより、前記実施形態と同様に透明板40が微動し、基準マーク28a,28bと基準マーク93a,93bとを合致位置させられる。
【0026】
なお、透明板40は、上記のように各遊技釘14の状態を検査・確認作業するときに遊技盤10の前面に止着されるようにしてもよいが、遊技中にも該透明板40を遊技盤10の前面に止着した状態とすることによっては、該透明板40を従来からのパチンコ遊技機の二重の透明板のうちの内側の透明板として機能させることができる。その場合、
図23に示したように、該透明板40の外側に透明板75を配置することで透明板を二重にできる。こうした場合、釘位置マーク92が遊技中の遊技者に見えることとなるので、目立ち難くするために、該釘位置マーク92を遊技釘14の釘頭の色と同系色とするのがよい。
また、釘位置表示シート90を透明板に事前に貼り付けておかないで、検査・確認作業をするときに添付しても構わない。その場合は、釘位置表示シート90を添付した後に、位置合わせ機構を操作することにより、基準マーク28a,28bと基準マーク93a,93bとを合致位置させてから検査・確認作業を行うことになる。
また、釘位置マーク92が印刷された釘位置表示シート90は
図24に示したように透明板40の後側面に貼付してもよい。なお、こうした場合でも、該釘位置マーク92に遊技釘14の釘頭が対向しているので、遊技中に遊技球が該釘位置マーク92に接触するおそれは少なく、該釘位置マーク92が接触により摩耗し消えるようなおそれは略々ない。また、
図25に示したように、釘位置表示シート90に印刷された釘位置マーク92が透明板40の後側面と接するように貼付することもできるが、そうすると該釘位置マーク92の印刷インクの厚みにより気泡ができるおそれがあるので注意を要する。この点、
図16または
図23に示したように、釘位置表示シート90を印刷面が前側となるように透明板40の前面に貼付することによっては、こうした懸念はない。
また、実施形態においては、
図1に示したように、パチンコ遊技機の二重の透明板を一枚ずつに分離し、そのうちの内側の透明板を位置調整可能なものとして説明したが、二重の透明板が一体化した複層透明板の構造であってもよい。また、このような複層透明板の構造である場合には、釘位置表示シート90を透明板40の後面側に剥離可能な粘着剤を使用して添付することで機種変更に対応することが可能になる。逆に釘位置表示シート90の不正対策を行う場合には、釘位置表示シート90を複層透明板の内側の透明板40の前面に添付しておけば、釘位置表示シート90を貼り変えるような不正行為を未然に防止することが可能となる。