特許第6918354号(P6918354)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ロゴスコーポレーションの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6918354
(24)【登録日】2021年7月27日
(45)【発行日】2021年8月11日
(54)【発明の名称】ハンガー
(51)【国際特許分類】
   A47G 25/40 20060101AFI20210729BHJP
   A47G 25/18 20060101ALI20210729BHJP
【FI】
   A47G25/40 Z
   A47G25/18
【請求項の数】8
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2017-152266(P2017-152266)
(22)【出願日】2017年8月7日
(65)【公開番号】特開2018-23782(P2018-23782A)
(43)【公開日】2018年2月15日
【審査請求日】2020年4月7日
(31)【優先権主張番号】特願2016-156776(P2016-156776)
(32)【優先日】2016年8月9日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】391036404
【氏名又は名称】株式会社ロゴスコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100104569
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正夫
(72)【発明者】
【氏名】柴田 茂樹
【審査官】 石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−127464(JP,A)
【文献】 実開平01−105567(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3149906(JP,U)
【文献】 特開2007−167115(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 5/00−8/02
A47G 25/00−25/92
D06F 57/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
竿部と、
紐又は鎖である第1吊り下げ支持部と、
紐又は鎖である第2吊り下げ支持部とを備えており、
前記竿部は、第1方向の一方側の第1端部と、前記第1方向の他方側の第2端部とを有しており、
前記第1端部は、当該第1端部の前記第1方向の一方側の端部に設けられており且つ当該第1端部を前記第1方向に直交する第2方向に貫通した係合孔である第1係合部と、当該第1端部の前記第1係合部よりも前記第1方向の他方側に設けられており且つ当該第1端部を前記第2方向に貫通した係合孔である第2係合部とを有しており、
前記第2端部は、当該第2端部の前記第1方向の一方側の端部に設けられており且つ当該第2端部を前記第2方向に貫通した係合孔である第3係合部と、当該第2端部の前記第3係合部よりも前記第1方向の他方側に設けられており且つ当該第2端部を前記第2方向に貫通した係合孔である第4係合部とを有しており、
前記第1吊り下げ支持部は、第1部と、第2部とを有しており、前記第1部は、前記竿部の前記第1端部の前記第1係合部及び前記第2係合部の何れか一方に付け替え可能に係合されており、前記第1部は、結び目を有しており、前記第1係合部及び前記第2係合部の何れか一方内に前記第2方向の一方側から挿入され、前記第1部の前記結び目が前記第1係合部及び前記第2係合部の何れか一方の縁部に前記第2方向の他方側から当接することによって、前記第1部と前記第1係合部及び前記第2係合部の何れか一方との係合がなされており、前記第1部の前記結び目が解かれ、前記第1部が前記第1係合部及び前記第2係合部の何れか一方から抜かれることによって、前記第1部と前記第1係合部及び前記第2係合部の何れか一方との係合が解除されるようになっており、
前記第2吊り下げ支持部は、第3部と、第4部とを有しており、前記第3部は、前記竿部の前記第2端部の前記第3係合部及び前記第4係合部の何れか一方に付け替え可能に係合されており、前記第3部は、結び目を有しており、前記第3係合部及び前記第4係合部の何れか一方内に前記第2方向の一方側から挿入され、前記第3部の前記結び目が前記第3係合部及び前記第4係合部の何れか一方の縁部に前記第2方向の他方側から当接することによって、前記第3部と前記第3係合部及び前記第4係合部の何れか一方との係合がなされており、前記第3部の前記結び目が解かれ、前記第3部が前記第3係合部及び前記第4係合部の何れか一方から抜かれることによって、前記第3部と前記第3係合部及び前記第4係合部の何れか一方との係合が解除されるようになっており、
前記第1吊り下げ支持部の前記第2部と前記第2吊り下げ支持部の前記第4部が、直接的又は間接的に連結可能であるハンガー。
【請求項2】
筒である竿部と、
紐又は鎖である第1吊り下げ支持部と、
紐又は鎖である第2吊り下げ支持部とを備えており、
前記竿部は、第1方向の一方側の第1端部と、前記第1方向の他方側の第2端部とを有しており、前記第1端部には、前記第1方向に延びる第1溝が形成されており、前記第2端部には、前記第1方向に延びる第2溝が形成されており、前記第1溝の縁部にはゴム等で構成された第1滑り止めが取り付けられ、前記第2溝の縁部にはゴム等で構成された第2滑り止めが取り付けられており、
前記第1吊り下げ支持部は、第1部と、第2部とを有しており、前記第1部は、結び目と、前記結び目の上側部分である第1ランナー部とを有しており、前記第1部の前記結び目が前記竿部の前記第1端部に、当該第1端部の前記第1方向の一方側の端部から前記第1方向の他方側へ移動可能に案内されており、前記第1部の前記第1ランナー部が前記第1滑り止め部内を前記第1方向に摺動可能となっており、前記第1部の前記第1ランナー部と前記第1滑り止め部との間で生じる抵抗力によって、前記第1ランナーが位置固定されるようになっており、
前記第2吊り下げ支持部は、第3部と、第4部とを有しており、前記第3部は、結び目と、前記結び目の上側部分である第2ランナー部とを有しており、前記第3部の前記結び目が前記竿部の前記第2端部に、当該第2端部の前記第1方向の他方側の端部から前記第1方向の一方側へ移動可能に案内されており、前記第3部の前記第2ランナー部が前記第2滑り止め部内を前記第1方向に摺動可能となっており、前記第3部の前記第2ランナー部と前記第2滑り止め部との間で生じる抵抗力によって、前記第2ランナーが位置固定されるようになっており、
前記第1吊り下げ支持部の前記第2部と前記第2吊り下げ支持部の前記第4部が、直接的又は間接的に連結可能であるハンガー。
【請求項3】
筒である竿部と、
紐又は鎖である第1吊り下げ支持部と、
紐又は鎖である第2吊り下げ支持部とを備えており、
前記竿部は、第1方向の一方側の第1端部と、前記第1方向の他方側の第2端部とを有しており、前記第1端部には、前記第1方向に延びる第1溝が形成されており、前記第2端部には、前記第1方向に延びる第2溝が形成されており、
前記第1吊り下げ支持部は、第1部と、第2部とを有しており、前記第1部は、結び目と、前記結び目の上側部分である第1ランナー部とを有しており、前記第1部の前記結び目が前記竿部の前記第1端部内に、当該第1端部の前記第1方向の一方側の端部から前記第1方向の他方側へ移動可能に案内されており、前記第1部の前記第1ランナー部が前記第1溝内を前記第1方向に移動可能となっており、前記第1溝部に着脱可能に取り付けられた第1ストッパが前記第1ランナー部に前記第1方向の他方側から当接することによって、前記第1ランナー部が位置固定されるようになっており、
前記第2吊り下げ支持部は、第3部と、第4部とを有しており、前記第3部は、結び目と、前記結び目の上側部分である第2ランナー部とを有しており、前記第3部の前記結び目が前記竿部の前記第2端部内に、当該第2端部の前記第1方向の他方側の端部から前記第1方向の一方側へ移動可能に案内されており、前記第3部の前記第2ランナー部が前記第2溝内を前記第1方向に移動可能となっており、前記第2溝部に着脱可能に取り付けられた第2ストッパが前記第2ランナー部に前記第1方向の一方側から当接することによって、前記第2ランナー部が位置固定されるようになっており、
前記第1吊り下げ支持部の前記第2部と前記第2吊り下げ支持部の前記第4部が、直接的又は間接的に連結可能であるハンガー。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載のハンガーにおいて、
前記竿部は、前記第1方向に並ぶ複数のパーツを有しており、前記パーツのうち隣り合う二つのパーツが着脱可能に連結されているハンガー。
【請求項5】
請求項1〜3の何れかに記載のハンガーにおいて、
前記竿部は、前記第1端部と前記第2端部との間に設けられており且つ展開位置から折り畳み位置にかけて折り曲げ可能な折り曲げ部を有しており、
前記展開位置は、前記竿部の前記第1端部が前記第1方向の一方側に向き、且つ前記竿部の前記第2端部が前記第1方向の他方側に向く位置であり、
前記折り畳み位置は、前記竿部の前記第1端部と前記竿部の前記第2端部とが互いに沿う又は当接する位置であるハンガー。
【請求項6】
請求項1〜3の何れかに記載のハンガーにおいて、
前記竿部は、前記第1方向に伸縮可能な構成であるハンガー。
【請求項7】
請求項1〜6の何れかに記載のハンガーにおいて、
係合手段を更に備えており、
前記係合手段は、互いに連結された前記第1吊り下げ支持部の前記第2部及び前記第2吊り下げ支持部の前記第4部の少なくとも一方が接続されているハンガー。
【請求項8】
請求項1〜6の何れかに記載のハンガーにおいて、
係合手段を更に備えており、
前記第1吊り下げ支持部の前記第2部及び前記第2吊り下げ支持部の前記第4部は、前記係合手段を介して連結されているハンガー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はハンガーに関する。
【背景技術】
【0002】
登山等では、登山者は雨に濡れることがあるため、濡れた衣類を干すためにハンガーを持ち歩くことがある。このような従来のハンガーが下記特許文献1に記載されている。このハンガーは、二つ折り可能な衣服掛け部と、衣服掛け部に吊り下げられた複数のクリップと、衣服掛け部を吊り下げるためのH字状の吊り紐と、吊り紐の二つの上端に各々連結された二つのカラビナとを備えている。カラビナをリュックに係合させ、衣服掛け部に衣服を掛け、当該衣服をクリップで留めることによって、登山者が歩きながら、洗濯物を乾かすことができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3143351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、登山者が雨に濡れるときには、衣服だけでなく、リュック、靴及び靴下等の多種の物が同時に濡れる。これらについても、宿泊所で干し、乾かすことが求められている。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、衣類だけでなく、多種の物を干すことができるハンガーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様のハンガーは、竿部と、紐又は鎖である第1吊り下げ支持部と、紐又は鎖である第2吊り下げ支持部とを備えている。竿部は、第1方向の一方側の第1端部と、第1方向の他方側の第2端部とを有している。第1端部は、第1係合部と、第2係合部とを有している。第1係合部は、第1端部の第1方向の一方側の端部に設けられており且つ当該第1端部を前記第1方向に直交する第2方向に貫通した係合孔である。第2係合部は、第1端部の第1係合部よりも第1方向の他方側に設けられており且つ当該第1端部を前記第2方向に貫通した係合孔である。第2端部は、第3係合部と、第4係合部とを有している。第3係合部は、第2端部の第1方向の一方側の端部に設けられており且つ当該第2端部を前記第2方向に貫通した係合孔である。第4係合部は、第2端部の第3係合部よりも第1方向の他方側に設けられており且つ当該第2端部を前記第2方向に貫通した係合孔である。第1吊り下げ支持部は、第1部と、第2部とを有している。第1部は、竿部の第1端部の第1係合部及び第2係合部の何れか一方に付け替え可能に係合されている。第1部は、結び目を有しており、第1係合部及び第2係合部の何れか一方内に前記第2方向の一方側から挿入され、第1部の結び目が第1係合部及び第2係合部の何れか一方の縁部に前記第2方向の他方側から当接することによって、第1部と第1係合部及び第2係合部の何れか一方との係合がなされており、第1部の結び目が解かれ、第1部が第1係合部及び第2係合部の何れか一方から抜かれることによって、第1部と第1係合部及び第2係合部の何れか一方との係合が解除されるようになっている。第2吊り下げ支持部は、第3部と、第4部とを有している。第3部は、竿部の第2端部の第3係合部及び第4係合部の何れか一方に付け替え可能に係合されている。第3部は、結び目を有しており、第3係合部及び第4係合部の何れか一方内に前記第2方向の一方側から挿入され、第3部の結び目が第3係合部及び第4係合部の何れか一方の縁部に前記第2方向の他方側から当接することによって、第3部と第3係合部及び第4係合部の何れか一方との係合がなされており、第3部の結び目が解かれ、第3部が第3係合部及び第4係合部の何れか一方から抜かれることによって、第3部と第3係合部及び第4係合部の何れか一方との係合が解除されるようになっている。第1吊り下げ支持部の第2部と第2吊り下げ支持部の第4部が、直接的又は間接的に連結されている。
【0007】
このような態様のハンガーによる場合、多種の物を干すことができる。具体的には以下の通りである。第1吊り下げ支持部の第1部が第1係合部に、第2吊り下げ支持部の第3部が第3係合部に係合された状態で、第1吊り下げ支持部が上着の一対の肩部の一方を支持可能になり、第2吊り下げ支持部が衣服の肩部の他方を支持可能になるので、この状態のハンガーは、上着をかけるのに適する。一方、第1吊り下げ支持部の第1部が第2係合部に、第2吊り下げ支持部の第3部が第3係合部に係合されているときには、竿部の第1端部の第2係合部よりも第1方向の一方側の部分が第1部よりも第1方向の一方側に延出し(第1延出部)、竿部の第2端部の第4係合部よりも第1方向の他方側の部分が第3部よりも第1方向の他方側に延出する(第2延出部)。よって、竿部の第1端部の第1延出部にリュックの一対のショルダーストラップの一方を掛け、且つ竿部の第2端部の第2延出部にリュックのショルダーストラップの他方を掛けたり、竿部の第1端部の第1延出部に一対の靴の一方又は一対の靴下の一方を掛け、且つ竿部の第2端部の第2延出部に靴の他方又は靴下の他方を掛けたりすることができる。
【0008】
本発明の別の態様のハンガーは、筒である竿部と、紐又は鎖である第1吊り下げ支持部と、紐又は鎖である第2吊り下げ支持部とを備えており、竿部は、第1方向の一方側の第1端部と、第1方向の他方側の第2端部とを有しており、第1端部には、第1方向に延びる第1溝が形成されており、第2端部には、第1方向に延びる第2溝が形成されており、第1溝の縁部にはゴム等で構成された第1滑り止めが取り付けられ、第2溝の縁部にはゴム等で構成された第2滑り止めが取り付けられており、第1吊り下げ支持部は、第1部と、第2部とを有しており、第1部は、結び目と、結び目の上側部分である第1ランナー部とを有しており、第1部の結び目が竿部の第1端部内に、当該第1端部の第1方向の一方側の端部から第1方向の他方側へ移動可能に案内されており、第1部の第1ランナー部が第1滑り止め部内を第1方向に摺動可能となっており、第1部の第1ランナー部と第1滑り止め部との間で生じる抵抗力によって、第1ランナーが位置固定されるようになっており、第2吊り下げ支持部は、第3部と、第4部とを有しており、第3部は、結び目と、結び目の上側部分である第2ランナー部とを有しており、第3部の結び目が竿部の第2端部内に、当該第2端部の第1方向の他方側の端部から第1方向の一方側へ移動可能に案内されており、第3部の第2ランナー部が第2滑り止め部内を第1方向に摺動可能となっており、第3部の第2ランナー部と第2滑り止め部との間で生じる抵抗力によって、第2ランナーが位置固定されるようになっており、第1吊り下げ支持部の第2部と第2吊り下げ支持部の第4部が、直接的又は間接的に連結可能になっている。
本発明の更に別の態様のハンガーは、筒である竿部と、紐又は鎖である第1吊り下げ支持部と、紐又は鎖である第2吊り下げ支持部とを備えており、竿部は、第1方向の一方側の第1端部と、第1方向の他方側の第2端部とを有しており、第1端部には、第1方向に延びる第1溝が形成されており、第2端部には、第1方向に延びる第2溝が形成されており、第1吊り下げ支持部は、第1部と、第2部とを有しており、第1部は、結び目と、結び目の上側部分である第1ランナー部とを有しており、第1部の結び目が竿部の第1端部内に、当該第1端部の第1方向の一方側の端部から第1方向の他方側へ移動可能に案内されており、第1部の第1ランナー部が第1溝内を第1方向に移動可能となっており、第1溝部に着脱可能に取り付けられた第1ストッパが第1ランナー部に第1方向の他方側から当接することによって、第1ランナー部が位置固定されるようになっており、第2吊り下げ支持部は、第3部と、第4部とを有しており、第3部は、結び目と、結び目の上側部分である第2ランナー部とを有しており、第3部の結び目が竿部の第2端部内に、当該第2端部の第1方向の他方側の端部から第1方向の一方側へ移動可能に案内されており、第3部の第2ランナー部が第2溝内を第1方向に移動可能となっており、第2溝部に着脱可能に取り付けられた第2ストッパが第2ランナー部に第1方向の一方側から当接することによって、第2ランナー部が位置固定されるようになっており、第1吊り下げ支持部の第2部と第2吊り下げ支持部の第4部が、直接的又は間接的に連結可能になっている
【0009】
このような態様のハンガーによる場合、第1吊り下げ支持部の第1部を竿部の第1端部の第1方向の一方側の端部に位置させ、且つ第2吊り下げ支持部の第3部を竿部の第2端部の第1方向の他方側の端部に位置させた状態で、第1吊り下げ支持部が上着の肩部の一方を支持可能になり、第2吊り下げ支持部が衣服の肩部の他方を支持可能になるので、この状態のハンガーは、上着をかけるのに適する。一方、第1吊り下げ支持部の第1部を竿部の第1端部の第1方向の一方側の端部から第1方向の他方側に移動させ、第2吊り下げ支持部の第3部を竿部の第2端部の第1方向の他方側の端部から第1方向の一方側に移動させた状態で、竿部の第1端部の第1部よりも第1方向の一方側の部分が第1部よりも第1方向の一方側に延出し(第1延出部)、竿部の第2端部の第3部よりも第1方向の他方側の部分が第3部よりも第1方向の他方側に延出する(第2延出部)。よって、竿部の第1端部の第1延出部にリュックのショルダーストラップの一方を掛け、且つ竿部の第2端部の第2延出部にリュックのショルダーストラップの他方を掛けたり、竿部の第1端部の第1延出部に靴の一方又は靴下の一方を掛け、且つ竿部の第2端部の第2延出部に靴の他方又は靴下の他方を掛けたりすることができる。
【0010】
竿部は、第1方向に並ぶ複数のパーツを有する構成とすることが可能である。この場合、パーツのうち隣り合う二つのパーツが着脱可能に連結された構成とすることが可能である。このような態様のハンガーは、竿部が複数のパーツに分離することによって、コンパクトになるので、当該ハンガーの可搬性が向上する。
【0011】
竿部は、折り曲げ部を更に有する構成とすることが可能である。折り曲げ部は、第1端部と第2端部との間に設けられており且つ展開位置から折り畳み位置にかけて折り曲げ可能な構成とすることが可能である。展開位置は、竿部の第1端部が第1方向の一方側に向き、且つ竿部の第2端部が第1方向の他方側に向く位置とすることが可能である。折り畳み位置は、竿部の第1端部と竿部の第2端部とが互いに沿う又は当接する位置とすることが可能である。このような態様のハンガーは、竿部を折り曲げ部で折り曲げることによって、コンパクトになるので、当該ハンガーの可搬性が向上する。
【0012】
竿部は、第1方向に伸縮可能な構成とすることが可能である。このような態様のハンガーは、竿部を縮めることによって、コンパクトになるので、当該ハンガーの可搬性が向上する。
【0014】
上記した何れかの態様のハンガーは、係合手段を更に備えた構成とすることが可能である。係合手段に、互いに連結された第1吊り下げ支持部の第2部及び第2吊り下げ支持部の第4部の少なくとも一方が接続された構成とすることが可能である。又は、第1吊り下げ支持部の第2部及び第2吊り下げ支持部の第4部が、係合手段を介して連結されていても良い。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1A】本発明の実施例1に係るハンガーの正面図であって、前記ハンガーの第1吊り下げ支持部が竿部の第1係合部に、前記ハンガーの第2吊り下げ支持部が竿部の第3係合部に係合された状態を示す図である。
図1B】前記ハンガーの平面図である。
図1C】前記ハンガーの底面図である。
図1D】前記ハンガーの右側面図である。
図1E】前記ハンガーの縦断面である。
図1F】前記ハンガーの正面図であって、前記ハンガーの第1吊り下げ支持部が竿部の第2係合部に、前記ハンガーの第2吊り下げ支持部が竿部の第4係合部に係合された状態を示す図である。
図1G】前記ハンガーの前記竿部の二つのパーツを分離した状態を示す正面図である。
図2A】実施例1に係るハンガーの設計変更例の正面図であって、前記ハンガーの第1吊り下げ支持部が竿部の第1係合部に、前記ハンガーの第2吊り下げ支持部が竿部の第3係合部に係合された状態を示す図である。
図2B】前記設計変更例のハンガーの平面図である。
図2C】前記設計変更例のハンガーの底面図である。
図2D】前記設計変更例のハンガーの右側面図である。
図2E】前記ハンガーの縦断面である。
図2F】前記設計変更例のハンガーの正面図であって、前記ハンガーの第1吊り下げ支持部が竿部の第2係合部に、前記ハンガーの第2吊り下げ支持部が竿部の第4係合部に係合された状態を示す図である。
図3A】前記設計変更例のハンガーの正面図であって、前記竿部を三つのパーツを連結して構成した状態を示す図である。
図3B】前記設計変更例のハンガーの正面図であって、前記竿部を三つのパーツを連結して構成した状態で、前記ハンガーの第1吊り下げ支持部が竿部の第2係合部に、前記ハンガーの第2吊り下げ支持部が竿部の第4係合部に係合された状態を示す図である。
図4】本発明の実施例2に係るハンガーの正面図であって、前記ハンガーの第1吊り下げ支持部が竿部の第1係合部に、前記ハンガーの第2吊り下げ支持部が竿部の第3係合部に係合された状態を示す図である。
図5】本発明の実施例3に係るハンガーの正面図である。
図6】本発明の実施例4に係るハンガーの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の複数の実施例について説明する。
【実施例1】
【0017】
以下、本発明の実施例1を含む複数の実施例に係るハンガーH1について、図1A図1Gを参照しつつ説明する。図1A図1Gには、実施例1に係るハンガーH1が示され、図2A図3Bには、実施例1の設計変更例に係るハンガーH1が示されている。
【0018】
ハンガーH1は、竿部100と、第1吊り下げ支持部200aと、第2吊り下げ支持部200bとを備えている。図1A図1E図2A図2E及び図3Aに示されるX−X’方向は、竿部100の長手方向及び特許請求の範囲の第1方向に相当する。X方向は第1方向の一方、X’方向は第1方向の他方に相当する。図1A図1E図2A図2E及び図3Aに示されるZ−Z’方向(特許請求の範囲の第2方向に相当)は、Z−Z’方向に直交している。
【0019】
竿部100は、第1吊り下げ支持部200a及び第2吊り下げ支持部200bに吊り下げ支持されるものであれば良い。竿部100は、例えば、図1A図3Bに示されるように、X−X’方向に直線状に延びた棒又は筒とすることが可能である。又は、竿部100は、X−X’方向に延び且つZ方向又はZ’方向に凸の円弧状又は逆V字状の棒又は筒とすることが可能である。又は、竿部100は、X−X’方向に延びた略Ω字状の棒又は筒とすることが可能である。
【0020】
竿部100は、第1端部111aと、第2端部111bとを有している。第1端部111aは竿部100のX方向の端部であり、第2端部111bは竿部100のX’方向の端部である。第1端部111aは第1係合部112a及び第2係合部113aを有し、第2端部111bは第3係合部112b及び第4係合部113bを有している。第1係合部112aは第1端部111aのX方向の端部に設けられており、第2係合部113aは第1端部111aの第1係合部112aよりもX’方向側に設けられている。第3係合部112bは第2端部111bのX’方向の端部に設けられており、第4係合部113bは第2端部111bの第3係合部112bよりもX方向側に設けられている。
【0021】
第1係合部112a及び第2係合部113aは、第1吊り下げ支持部200aの第1部210aを着脱可能に係合できるものであれば良い。例えば、第1係合部112a及び第2係合部113aは、図1A図3Bに示されるように、第1端部111aをZ−Z’方向に各々貫通する係合孔とすることが可能である。
【0022】
第3係合部112b及び第4係合部113bは、第2吊り下げ支持部200bの第3部210bを着脱可能に係合できるものであれば良い。例えば、第3係合部112b及び第4係合部113bは、図1A図3Bに示されるように、第2端部111bをZ−Z’方向に各々貫通する係合孔とすることが可能である。
【0023】
第1吊り下げ支持部200a及び第2吊り下げ支持部200bは、図1A図3Bに示されるように可撓性を有する部材(例えば、紐や鎖)で構成されていても良いし、リジットな部材(例えば、線材や棒)で構成されていても良い。第1吊り下げ支持部200aは、竿部100の第1端部111aを吊り下げ支持し、第2吊り下げ支持部200bは、竿部100の第2端部111bを吊り下げ支持する。第1吊り下げ支持部200aは第1部210a及び第2部220aを有している。第2吊り下げ支持部200bは第3部210b及び第4部220bを有している。
【0024】
第1吊り下げ支持部200aの第1部210aは、第1吊り下げ支持部200aの第2部220aに対してZ’方向側の部分であって、第1係合部112a及び第2係合部113aの何れか一方に付け替え可能に係合される構成であれば良い。例えば、第1部210aは、図1A図3Bに示されるように第1吊り下げ支持部200aのZ’方向の端部とすることができるし、第1吊り下げ支持部200aの中間部とすることが可能である。第1係合部112a及び第2係合部113aが上記係合孔である場合、第1部210aは、更に以下の1)又は2)の構成とすることが可能である。1)第1部210aは、第1係合部112a及び第2係合部113aの何れか一方に挿通され、そのZ’方向側で固定されている。第1部210aの前記固定は、図1A図3Bに示されるように、第1部210aが第1係合部112a及び第2係合部113aの何れか一方のZ’方向側で結ばれていても良いし、第1部210aが第1係合部112a及び第2係合部113aの何れか一方のZ’方向側でピンや樹脂キャップ等が着脱可能に留められていても良い。2)第1部210aは、第1係合部112a及び第2係合部113aの何れか一方に付け替え可能に係合されるフックやカラビナ等の係合手段を有している。
【0025】
第2吊り下げ支持部200bの第3部210bは、第2吊り下げ支持部200bの第4部220bに対してZ’方向側の部分であって、第3係合部112b及び第4係合部113bの何れか一方に付け替え可能に係合される構成であれば良い。例えば、第3部210bは、図1A図3Bに示されるように第2吊り下げ支持部200bのZ’方向の端部とすることができるし、第2吊り下げ支持部200bの中間部とすることが可能である。第3係合部112b及び第4係合部113bが上記係合孔である場合、第3部210bは、更に以下の1)又は2)の構成とすることが可能である。1)第3部210bは、第3係合部112b及び第4係合部113bの何れか一方に挿通され、そのZ’方向側で固定されている。第3部210bの前記固定は、図1A図3Bに示されるように、第3部210bが第3係合部112b及び第4係合部113bの何れか一方のZ’方向側で結ばれていても良いし、第3部210bが第3係合部112b及び第4係合部113bの何れか一方のZ’方向側でピンや樹脂キャップ等が着脱可能に留められていても良い。2)第3部210bは、第3係合部112b及び第4係合部113bの何れか一方に付け替え可能に係合される構成フックやカラビナ等の係合手段を有している。
【0026】
第1部210aが第1係合部112aに係合され且つ第3部210bが第3係合部112bに係合された状態(図1A図1E図2A図2Eおよび図3A参照)で、第1吊り下げ支持部200aは図示しない上着の一対の肩の一方を支持可能なハンガーH1の一方の肩部となり、且つ第2吊り下げ支持部200bは上着の前記肩の他方を支持可能なハンガーH1の他方の肩部となる。一方、第1部210aが第2係合部113aに係合され且つ第3部210bが第4係合部113bに係合された状態(図1F図2Fおよび図3B参照)で、竿部100の第1端部111aの第2係合部113aよりもX方向側の部分が、第1吊り下げ支持部200aの第1部210aよりもX方向に延出し、竿部100の第2端部111bの第4係合部113bよりもX’方向側の部分が、第2吊り下げ支持部200bの第3部210bよりもX’方向に延出する。以下、第1端部111aの延出部を第1延出部と称し、第2端部111bの延出部を第2延出部と称する。第1延出部にリュックの一対のショルダーストラップの一方、一対の靴の一方又は一対の靴下の一方等を掛け、第2延出部にリュックの一対のショルダーストラップの他方、一対の靴の他方又は一対の靴下の他方等を掛けることが可能になる。
【0027】
第2部220aは、第1吊り下げ支持部200aの第1部210aに対してZ方向側の部分であれば良い。例えば、第2部220aは、図1A図3Bに示されるように第1吊り下げ支持部200aのZ方向の端部とすることができるし、第1吊り下げ支持部200aの中間部とすることが可能である。
【0028】
第4部220bは、第2吊り下げ支持部200bの第3部210bに対してZ方向側の部分であれば良い。例えば、第4部220bは、図1A図3Bに示されるように第1吊り下げ支持部200aのZ方向の端部とすることができるし、第1吊り下げ支持部200aの中間部とすることが可能である。
【0029】
第1吊り下げ支持部200aの第2部220aと第2吊り下げ支持部200bの第4部220bは、直接的又は間接的に連結可能であれば良い。図1A図3Bでは、第2部220aと第4部220bとが互いに結ばれ、直接的に連結されている。又は、第2部220a及び第4部220bが連結部材を介して間接的に連結されていても良い。又は、第2部220a及び第4部220bが物干し竿や家屋の梁等に結ばれ、間接的に連結されるようになっていても良い。
【0030】
上記した何れかの態様のハンガーH1は、係合手段300を更に備えた構成とすることが可能である。係合手段300はフックやカラビナ等であって、物干し竿や家屋の窓枠等に係合可能である。係合手段300は、図1A図3Bに示されるように互いに連結された第2部220a及び第4部220bの一方が接続されていても良いし、互いに連結された第2部220a及び第4部220bの双方が接続されていても良い。後者の場合、上記の通り、第2部220a及び第4部220bが係合手段300を介して連結される構成とすることが可能である。この場合、係合手段300が上記連結部材となる。なお、第2部220a及び第4部220bが物干し竿や家屋の梁等に結ばれる場合には、係合手段300は省略すると良い。
【0031】
竿部100は、更に以下の1)〜3)の何れかの構成を有していても良いが、これに限定されることはない。すなわち、竿部100は、1)〜3)の何れかの構成を有していなくても良い。
【0032】
1)竿部100は、X−X’方向に並ぶ複数のパーツを有する構成とすることが可能である。複数のパーツのうちの隣り合うパーツは着脱可能に連結されている。複数のパーツは、少なくともパーツ110a及びパーツ110bを含んでいると良い。パーツ110aは、複数のパーツのうちの最もX方向の端に位置しており、パーツ110bは、複数のパーツのうちの最もX’方向の端に位置している。パーツ110aは、上記した何れかの態様の第1端部111aを有していても良く、パーツ110bは、上記した何れかの態様の第2端部111bを有しても良い。又は、パーツ110aを含む複数のパーツが、上記した何れかの態様の第1端部111aを構成しており、パーツ110bを含む複数のパーツが上記した何れかの態様の第2端部111bを構成していても良い。
【0033】
図1A図1Fでは、竿部100は、隣り合い且つ着脱可能に連結されたパーツ110a及びパーツ110bを有している。より具体的には、パーツ110bの嵌合突部114bが、パーツ110aのX’方向の端部内(嵌合孔114a)に着脱可能に嵌合している。図1Gに示されるようにパーツ110bの嵌合突部114bをパーツ110aの嵌合孔114aから抜くことで、パーツ110aとパーツ110bと分離できる。図2A図2Fでは、竿部100は、パーツ110a、110b、110c及び110dを有しており、隣り合うパーツ110a、110cが着脱自在に連結され、隣り合うパーツ110c、110dが着脱自在に連結され、隣り合うパーツ110d、110bが着脱自在に連結されている。より具体的には、パーツ110bのX方向の端部(嵌合突部114b)が、パーツ110dのX’方向の端部内(嵌合孔114d)に着脱可能に嵌合し、パーツ110dのX方向の端部(嵌合突部115d)が、パーツ110cのX’方向の端部内(嵌合孔115c)に着脱可能に嵌合し、且つパーツ110cのX方向の端部(嵌合突部114c)が、パーツ110aのX’方向の端部内(嵌合孔114a)に着脱可能に嵌合している。パーツ110bの嵌合突部114bをパーツ110dの嵌合孔114dから抜き、パーツ110dの嵌合突部115dをパーツ110cの嵌合孔115cから抜き、且つパーツ110cの嵌合突部114cをパーツ110aの嵌合孔114aから抜くことで、パーツ110a〜110dを各々分離できる。図3Aに示されるように、パーツ110dを除去することも可能である。この場合、パーツ110bのX方向の端部(嵌合突部114b)が、パーツ110cのX’方向の端部内(嵌合孔115c)に着脱可能に嵌合し、且つパーツ110cのX方向の端部(嵌合突部114c)が、パーツ110aのX’方向の端部内(嵌合孔114a)に着脱可能に嵌合している。
なお、パーツ110aは第1端部111aを有し、パーツ110bは第2端部111bを有している。
【0034】
2)竿部100は、第1端部111aと第2端部111bとの間に図示しない折り曲げ部が設けられた態様とすることが可能である。折り曲げ部は、展開位置から折り畳み位置にかけて折り曲げ可能である。展開位置は、竿部100の第1端部111aがX方向に向き、且つ竿部100の第2端部111bがX’方向に向く位置とすると良い。折り畳み位置は、竿部100の第1端部111aと竿部100の第2端部111bとが互いに沿う又は当接する位置とすると良い。
【0035】
3)竿部100は、X−X’方向に伸縮可能な構成である。例えば、竿部100は、異なる内径を有する複数の円筒又は異なる内形を有する複数の多角筒を有しており、隣り合う円筒又は多角筒のうちの一方が他方内にX−X’方向に移動自在に内嵌している。円筒又は多角筒のうちの最もX方向の端に位置する円筒又は多角筒は、上記した何れかの態様の第1端部111aを有していても良い。円筒又は多角筒のうちの最もX’方向の端に位置する円筒又は多角筒は、上記した何れかの態様の第2端部111bを有していても良い。又は、最もX方向の端に位置する円筒又は多角筒を含む複数の円筒又は多角筒が上記した何れかの態様の第1端部111aを構成しており、最もX’方向の端に位置する円筒又は多角筒を含む複数の円筒又は多角筒が上記した何れかの態様の第2端部111bを構成していても良い。
【0036】
以下、図1A図3Bに示されるハンガーH1の使用方法について説明する。第1吊り下げ支持部200aの第1部210aを竿部100の第1端部111aの第1係合部112a内に挿入し、そのZ’方向側で結ぶ。これにより、第1部210aの結び目が第1係合部112aの縁部に当接する。このようにして第1部210aが第1係合部112aに係合される。同様に、第2吊り下げ支持部200bの第3部210bを竿部100の第2端部111bの第3係合部112b内に挿入し、そのZ’方向側で結ぶ。これにより、第3部210bの結び目が第3係合部112bの縁部に当接する。このようにして第3部210bが第3係合部112bに係合される。この状態で、係合手段300を物干し竿や家屋の窓枠に係合させ、上着をハンガーH1に掛けると、上着の一対の肩の一方が第1吊り下げ支持部200aに支持され、一対の肩の他方が第2吊り下げ支持部200bに支持される。なお、第1部210aの結び目を解き、第1部210aを第1係合部112aから抜くことで、第1部210aと第1係合部112aとの係合を解除でき、第3部210bの結び目を解き、第3部210bを第3係合部112bから抜くことで、第3部210bと第3係合部112bとの係合を解除できる。
【0037】
一方、第1吊り下げ支持部200aの第1部210aを竿部100の第1端部111aの第2係合部113a内に挿入し、そのZ’方向側で結ぶ。これにより、第1部210aの結び目が第2係合部113aの縁部に当接する。このようにして第1部210aが第2係合部113aに係合される。すると、第1端部111aの第1延出部が第1部210aよりX方向に延出する。同様に、第2吊り下げ支持部200bの第3部210bを竿部100の第2端部111bの第4係合部113b内に挿入し、そのZ’方向側で結ぶ。これにより、第3部210bの結び目が第4係合部113bの縁部に当接する。このようにして第3部210bが第4係合部113bに係合される。すると、第2端部111bの第2延出部が第3部210bよりX’方向に延出する。この状態で、係合手段300を物干し竿や家屋の窓枠に係合させ、第1端部111aの第1延出部にリュックの一対のショルダーストラップの一方、一対の靴の一方又は一対の靴下の一方等を掛け、第2端部111bの第2延出部にリュックの一対のショルダーストラップの他方、一対の靴の他方又は一対の靴下の他方等を掛ける。なお、第1部210aの結び目を解き、第1部210aを第2係合部113aから抜くことで、第1部210aと第2係合部113aとの係合が解除でき、第3部210bの結び目を解き、第3部210bを第4係合部113bから抜くことで、第3部210bと第4係合部113bとの係合を解除できる。
【0038】
以上のようなハンガーH1は以下の技術的特徴及び効果を有している。第1に、第1吊り下げ支持部200aの第1部210aを第1係合部112a及び第2係合部113aに選択的に係合させると共に、第2吊り下げ支持部200bの第3部210bを第3係合部112b及び第4係合部113bに選択的に係合させることによって、上記の通りハンガーH1に多種の物を干すことができる。
【0039】
第2に、ハンガーH1の竿部100が、上記複数のパーツを有する場合、折り曲げ部を有する場合又は伸縮可能な構成である場合、ハンガーH1の可搬性が向上する。その理由は以下の通りである。1)竿部100を複数のパーツに分離にするよって、ハンガーH1をコンパクトにすることができる。2)竿部100を折り曲げ部で折り曲げ、竿部100の第1端部111aと第2端部111bとを互いに沿う又は互いに当接するように竿部100を折り畳むことによって、ハンガーH1をコンパクトにすることができる。3)竿部100を縮めることによって、ハンガーH1をコンパクトにすることができる。また、ハンガーH1の第1吊り下げ支持部200a及び第2吊り下げ支持部200bが紐や鎖で構成されている場合も、第1吊り下げ支持部200a及び第2吊り下げ支持部200bを可撓させ、ハンガーH1をコンパクトにすることができるので、ハンガーH1の可搬性が向上する。
【実施例2】
【0040】
以下、本発明の実施例2を含む複数の実施例に係るハンガーH2について、図4を参照しつつ説明する。図4には、前記実施例のうちの一つの実施例(実施例2)に係るハンガーH2が示されている。図4にも、X−X’方向及びZ−Z’方向が、実施例1と同様に示されている。
【0041】
ハンガーH2は、第1係合部112a’、第2係合部113a’、第3係合部112b’及び第4係合部113b’の構成がハンガーH1の第1係合部112a、第2係合部113a、第3係合部112b及び第4係合部113bの構成と相違している以外、ハンガーH1と同じ構成である。よって、その相違点についてのみ詳しく説明し、ハンガーH1と重複する説明は省略する。
【0042】
第1係合部112a’は竿部100’の第1端部111a’のX方向の端部に設けられ、第2係合部113a’は第1端部111a’の第1係合部112a’よりもX’方向側に設けられている。第1係合部112a’及び第2係合部113a’は、以下の1)又は2)の構成とすることが可能である。1)第1係合部112a’及び第2係合部113a’は、Z方向に凸のタブを各々有しており、当該タブに係合孔が設けられている。2)第1係合部112a’及び第2係合部113a’は、フック等の係合手段を各々有している。
【0043】
第3係合部112b’は竿部100’の第2端部111b’のX’方向の端部に設けられ、第4係合部113b’は第2端部111b’の第3係合部112b’よりもX方向側に設けられている。第3係合部112b’及び第4係合部113b’も、第1係合部112a’及び第2係合部113a’の上記1)又は2)の構成と同様の構成とすることが可能である。
【0044】
第1係合部112a’及び第2係合部113a’が上記係合孔を有している場合、第1吊り下げ支持部200aの第1部210aは、以下の1)又は2)の構成とすることが可能である。1)第1部210aは、第1係合部112a’及び第2係合部113a’の何れか一方の係合孔に挿通され、固定されている。2)第1部210aは、第1係合部112a’及び第2係合部113a’の何れか一方の係合孔に係合可能なフックやカラビナ等の係合手段を有している。
【0045】
第1係合部112a’及び第2係合部113a’が上記係合手段を有している場合、第1吊り下げ支持部200aの第1部210aには、第1係合部112a’の係合手段及び第2係合部113a’の係合手段が選択的に係合可能なリングが設けられていると良い。
【0046】
第3係合部112b’及び第4係合部113b’が上記係合孔を有している場合、第2吊り下げ支持部200bの第3部210bは、以下の1)又は2)の構成とすることが可能である。1)第3部210bは、第3係合部112b’及び第4係合部113b’の何れか一方の係合孔に挿通され、固定されている。2)第3部210bは、第3係合部112b’及び第4係合部113b’の何れか一方の係合孔に係合可能なフックやカラビナ等の係合手段を有している。
【0047】
第3係合部112b’及び第4係合部113b’が上記係合手段を有している場合、第2吊り下げ支持部200bの第3部210bには、第3係合部112b’の係合手段及び第4係合部113b’の係合手段が選択的に係合可能なリングが設けられていると良い。
【0048】
なお、竿部100’は、竿部100と同様に、複数のパーツを有する構成、折り曲げ部を有する構成又は伸縮可能な構成とすることが可能である。図4に示される110a’及び110b’は、竿部100’のパーツである。
【0049】
以下、ハンガーH2の使用方法について説明する。第1吊り下げ支持部200aの第1部210aを竿部100’の第1端部111a’の第1係合部112a’に係合させる。同様に、第2吊り下げ支持部200bの第3部210bを竿部100’の第2端部111b’の第3係合部112b’に係合させる。この状態で、係合手段300を物干し竿や家屋の窓枠に係合させ、上着をハンガーH2に掛けると、上着の一対の肩の一方が第1吊り下げ支持部200aに支持され、一対の肩の他方が第2吊り下げ支持部200bに支持される。なお、付け替え時に、第1部210aと第1係合部112a’との係合が解除でき、第3部210bと第3係合部112b’との係合を解除できる。
【0050】
一方、第1吊り下げ支持部200aの第1部210aを竿部100’の第1端部111a’の第2係合部113a’に係合される。すると、第1端部111a’の第1延出部が第1部210aよりX方向に延出する。同様に、第2吊り下げ支持部200bの第3部210bを竿部100’の第2端部111b’の第4係合部113b’に係合される。すると、第2端部111b’の第2延出部が第3部210bよりX’方向に延出する。この状態で、係合手段300を物干し竿や家屋の窓枠に係合させ、第1端部111a’の第1延出部にリュックの一対のショルダーストラップの一方、一対の靴の一方又は一対の靴下の一方等を掛け、第2端部111b’の第2延出部にリュックの一対のショルダーストラップの他方、一対の靴の他方又は一対の靴下の他方等を掛ける。なお、付け替え時に、第1部210aと第2係合部113a’との係合を解除でき、第3部210bと第4係合部113b’との係合を解除できる。
【0051】
以上のようなハンガーH2は、ハンガーH1の第1及び第2技術的特徴と同様の技術的特徴及び効果を有している。
【実施例3】
【0052】
以下、本発明の実施例3を含む複数の実施例に係るハンガーH3について、図5を参照しつつ説明する。図5には、前記実施例のうちの一つの実施例(実施例3)に係るハンガーH3が示されている。図5にも、X−X’方向及びZ−Z’方向が、実施例1と同様に示されている。
【0053】
ハンガーH3は、下記1)及び2)の相違点以外、ハンガーH1と略同じ構成である。1)ハンガーH3の竿部100’’の構成がハンガーH1の竿部100の構成と相違している。2)第1吊り下げ支持部200aの第1部210aが竿部100’’の第1端部111a’’にX−X’方向に移動自在に接続され、第2吊り下げ支持部200bの第3部210bが竿部100’’の第2端部111b’’にX−X’方向に移動自在に接続されている。よって、これらの相違点についてのみ詳しく説明し、ハンガーH1と重複する説明は省略する。
【0054】
竿部100’’は、上記の通り第1吊り下げ支持部200aの第1部210a及び第2吊り下げ支持部200bの第3部210bが移動自在に接続されており、且つ第1吊り下げ支持部200a及び第2吊り下げ支持部200bに吊り下げ支持されるものであれば良い。竿部100’’は、例えば、図5に示されるように、X−X’方向に直線状に延びた棒又は筒とすることが可能である。又は、竿部100’’は、X−X’方向に延び且つZ方向又はZ’方向に凸の円弧状又は逆V字状の棒又は筒とすることが可能である。又は、竿部100’’は、X−X’方向に延びた略Ω字状の棒又は筒とすることが可能である。
【0055】
竿部100’’は、第1端部111a’’と、第2端部111b’’と、第1ランナー400aと、第2ランナー400bとを有している。第1端部111a’’は、竿部100’’のX方向の端部であり、第2端部111b’’は竿部100’’のX’方向の端部である。
【0056】
第1ランナー400aは、第1端部111a’’に第1位置と第2位置との間でX−X’方向に移動自在に案内される構成であれば良い。第1位置は、図5に示されるように第1ランナー400aが第1端部111a’’のX方向の端部に位置する位置である。第2位置は、第1ランナー400aが第1端部111a’’の第1位置よりもX’方向側に位置する位置である。図示しないストッパが第1ランナー400aのX’方向側から当接するように第1端部111a’’に着脱可能に取り付けられることによって、第1ランナー400aは、第1位置又は第2位置で位置固定される構成とすることが可能である。又は、第1ランナー400aは、ランナー本体と、摺動部とを有する構成とすることが可能である。摺動部は、第1端部111a’’にX−X’方向に摺動自在に外嵌したゴムスリーブ等である。スライダ本体は、摺動部に固定されており且つ摺動部と共に抵抗力に抗してX−X’方向に移動自在である。前記抵抗力は、摺動部と第1端部111a’’との間に生じる。この抵抗力によって、第1ランナー400aが第1位置又は第2位置で位置固定される。
【0057】
第1ランナー400aは、更に以下の1)又は2)の構成とすることが可能である。1)第1ランナー400aは、Z方向に凸のタブを各々有しており、当該タブに係合孔が設けられている。2)第1ランナー400aは、フック等の係合手段を有している。
【0058】
第2ランナー400bは、第2端部111b’’に第3位置と第4位置との間でX−X’方向に移動自在に案内される構成であればと良い。第3位置は、第2ランナー400bが第2端部111b’’のX’方向の端部に位置する位置である。第4位置は、第2ランナー400bが第2端部111b’’の第3位置よりもX方向側に位置する位置である。これら以外については、第2ランナー400bは、上記した何れかの態様の第1ランナー400aと同様の構成とすることが可能である。
【0059】
第1ランナー400aが上記係合孔を有している場合、第1吊り下げ支持部200aの第1部210aは、以下の1)又は2)の構成とすることが可能である。1)第1部210aは第1ランナー400aの係合孔に挿通され、固定されている。2)第1部210aは第1ランナー400aの係合孔に係合されるフックやカラビナ等の係合手段を有している。第1ランナー400aが上記係合手段を有している場合、第1吊り下げ支持部200aの第1部210aには、第1ランナー400aの係合手段が係合されるリングが設けられていると良い。
【0060】
第2ランナー400bが上記係合孔を有している場合、第2吊り下げ支持部200bの第3部210bは、以下の1)又は2)の構成とすることが可能である。1)第3部210bは第2ランナー400bの係合孔に挿通され、固定されている。2)第3部210bは第2ランナー400bの係合孔に係合されるフックやカラビナ等の係合手段を有している。第2ランナー400bが上記係合手段を有している場合、第2吊り下げ支持部200bの第3部210bには、第2ランナー400bの係合手段が係合されるリングが設けられていると良い。
【0061】
第1ランナー400a及び第1部210aが第1位置に位置し且つ第2ランナー400b及び第3部210bが第3位置に位置している状態で、第1吊り下げ支持部200aは図示しない上着の一対の肩の一方を支持可能なハンガーH3の一方の肩部となり、且つ第2吊り下げ支持部200bは上着の前記肩の他方を支持可能なハンガーH3の他方の肩部となる。一方、第1ランナー400a及び第1部210aが第2位置に位置し且つ第2ランナー400b及び第3部210bが第4位置に位置している状態で、竿部100’’の第1端部111a’’の第1ランナー400aよりもX方向側の部分が、第1吊り下げ支持部200aの第1部210a(第1ランナー400a)よりもX方向に延出し、竿部100’’の第2端部111b’’の第2ランナー400bよりもX’方向側の部分が、第2吊り下げ支持部200bの第3部210b(第2ランナー400b)よりもX’方向に延出する。以下、第1端部111a’’の延出部を第1延出部と称し、第2端部111b’’の延出部を第2延出部と称する。第1延出部にリュックの一対のショルダーストラップの一方、一対の靴の一方又は一対の靴下の一方等を掛け、第2延出部にリュックの一対のショルダーストラップの他方、一対の靴の他方又は一対の靴下の他方等を掛けることが可能になる。
【0062】
なお、竿部100’’は、竿部100と同様に、複数のパーツを有する構成、折り曲げ部を有する構成又は伸縮可能な構成とすることが可能である。図5に示される110a’’及び110b’’は、竿部100’’のパーツである。
【0063】
以下、図5に示されるハンガーH3の使用方法について説明する。第1吊り下げ支持部200aの第1部210a及び第1ランナー400aを竿部100’’の第1端部111a’’上の第1位置に位置固定させる。同様に、第2吊り下げ支持部200bの第3部210b及び第2ランナー400bを竿部100’’の第2端部111b’’上の第3位置に位置固定させる。この状態で、係合手段300を物干し竿や家屋の窓枠に係合させ、上着をハンガーH3に掛けると、上着の一対の肩の一方が第1吊り下げ支持部200aに支持され、一対の肩の他方が第2吊り下げ支持部200bに支持される。
【0064】
第1吊り下げ支持部200aの第1部210a及び第1ランナー400aを竿部100’’の第1端部111a’’上の第1位置から第2位置へ移動させ、第2位置で位置固定させる。すると、竿部100’’の第1端部111a’’の第1延出部が第1部210aよりX方向に延出する。同様に、第2吊り下げ支持部200bの第3部210b及び第2ランナー400bを竿部100’’の第2端部111b’’上の第3位置から第4位置へ移動させ、第4位置で位置固定させる。すると、第2端部111b’’の第2延出部が第3部210bよりX’方向に延出する。この状態で、係合手段300を物干し竿や家屋の窓枠に係合させ、第1端部111a’’の第1延出部にリュックの一対のショルダーストラップの一方、一対の靴の一方又は一対の靴下の一方等を掛け、第2端部111b’’の第2延出部にリュックの一対のショルダーストラップの他方、一対の靴の他方又は一対の靴下の他方等を掛ける。
【0065】
以上のようなハンガーH3は、ハンガーH1の第1及び第2技術的特徴と同様の技術的特徴及び効果を有している。
【実施例4】
【0066】
以下、本発明の実施例4を含む複数の実施例に係るハンガーH4について、図6を参照しつつ説明する。図6には、前記実施例のうちの一つの実施例(実施例4)に係るハンガーH4が示されている。
【0067】
ハンガーH4は、ハンガーH4の竿部500の構成がハンガーH4の竿部100’’の構成と相違している以外、ハンガーH3と略同じ構成である。よって、これらの相違点についてのみ詳しく説明し、ハンガーH3と重複する説明は省略する。
【0068】
竿部500は、第1吊り下げ支持部200aの第1部210a及び第2吊り下げ支持部200bの第3部210bが移動自在に接続されており、且つ第1吊り下げ支持部200a及び第2吊り下げ支持部200bに吊り下げ支持されるものであれば良い。竿部500は、例えば、図6に示されるように、X−X’方向に直線状に延びた棒又は筒とすることが可能である。又は、竿部500は、X−X’方向に延び且つZ方向又はZ’方向に凸の円弧状又は逆V字状の棒又は筒とすることが可能である。又は、竿部500は、X−X’方向に延びた略Ω字状の棒又は筒とすることが可能である。
【0069】
竿部500は、第1端部511aと、第2端部511bとを有している。第1端部511aは、竿部500のX方向の端部であり、第2端部511bは竿部500のX’方向の端部である。
【0070】
第1端部511aには、X−X’方向に延びる第1溝512aが形成されている。第2端部511bには、X−X’方向に延びる第2溝512bが形成されている。図6に示されるように、第1溝512aにはゴム等で構成された第1滑り止め520aが、第2溝512bにはゴム等で構成された第2滑り止め520bが取り付けられていても良いが、これに限定されることはない。
【0071】
第1吊り下げ支持部200aの第1部210aは、第1端部511aに第1位置と第2位置との間でX−X’方向に移動自在に案内される第1ランナーを有している。第1位置は、図6に示されるように第1ランナーが第1端部511aのX方向の端部に位置する位置である。第2位置は、第1ランナーが第1端部511aの第1位置よりもX’方向側に位置する位置である。
【0072】
第1ランナーは、例えば、以下の1)又は2)の構成とすることが可能である。1)第1ランナーは、図6に示されるように、第1部210aを結んだ結び目及びその上側部分であって、第1端部511a内をX−X’方向に移動自在に案内されている。第1溝512aに第1滑り止め520aが取り付けられている場合、第1部210aの結び目の上側部分が第1滑り止め520a内をX−X’方向に摺動する。第1部210aの結び目の上側部分と第1滑り止め520aとの間で生じる抵抗力によって、第1ランナーが第1位置で位置固定される。第1部210aの結び目の上側部分が第1滑り止め520aのX’方向の端に当接することによって、第1ランナーが第2位置で位置固定される。第1溝512aに第1滑り止め520aが取り付けられていない場合、図示しないストッパが第1位置の第1部210aの結び目の上側部分にX’方向側から当接するように第1溝512aに着脱可能に取り付けられることによって、第1ランナーは第1位置で位置固定され、第1部210aの結び目の上側部分が第1溝512aのX’方向の端に当接することによって、第1ランナーが第2位置で位置固定される。
【0073】
2)は、第1ランナーは、第1部210aに設けられており且つ第1溝512a内をX−X’方向に移動自在に案内されている。第1溝512aに第1滑り止め520aが取り付けられている場合、第1ランナーが第1滑り止め520a内をX−X’方向に摺動する。第1ランナーと第1滑り止め520aとの間で生じる抵抗力によって、第1ランナーが第1位置で位置固定される。第1ランナーが第1滑り止め520aのX’方向の端に当接することによって、第1ランナーが第2位置で位置固定される。第1溝512aに第1滑り止め520aが取り付けられていない場合、図示しないストッパが第1位置の第1ランナーにX’方向側から当接するように第1溝512aに着脱可能に取り付けられることによって、第1ランナーは第1位置で位置固定され、第1ランナーが第1溝512aのX’方向の端に当接することによって、第1ランナーが第2位置で位置固定される。
【0074】
第2吊り下げ支持部200bの第3部210bは、第2端部511bに第3位置と第4位置との間でX−X’方向に移動自在に案内される第2ランナーを有している。第3位置は、第2ランナーが第2端部511bのX’方向の端部に位置する位置である。第4位置は、第2ランナーが第2端部511bの第3位置よりもX方向側に位置する位置である。
【0075】
第2ランナーは、例えば、以下の1)又は2)の構成とすることが可能である。1)第2ランナーは、図6に示されるように、第3部210bを結んだ結び目及びその上側部分であって、第2端部511b内をX−X’方向に移動自在に案内されている。第2溝512bに第2滑り止め520bが取り付けられている場合、第3部210bの結び目の上側部分が第2滑り止め520b内をX−X’方向に摺動する。第3部210bの結び目の上側部分と第2滑り止め520bとの間で生じる抵抗力によって、第2ランナーが第3位置で位置固定される。第3部210bの結び目の上側部分が第2滑り止め520bのX方向の端に当接することによって、第2ランナーが第4位置で位置固定される。第2溝512bに第2滑り止め520bが取り付けられていない場合、図示しないストッパが第3位置の第3部210bの結び目の上側部分にX方向側から当接するように第2溝512bに着脱可能に取り付けられることによって、第2ランナーは第3位置で位置固定され、第3部210bの結び目の上側部分が第2溝512bのX方向の端に当接することによって、第2ランナーが第4位置で位置固定される。
【0076】
2)は、第2ランナーは、第3部210bに設けられており且つ第2溝512b内をX−X’方向に移動自在に案内されている。第2溝512bに第2滑り止め520bが取り付けられている場合、第2ランナーが第2滑り止め520b内をX−X’方向に摺動する。第2ランナーと第2滑り止め520bとの間で生じる抵抗力によって、第2ランナーが第3位置で位置固定される。第2ランナーが第2滑り止め520bのX方向の端に当接することによって、第2ランナーが第4位置で位置固定される。第2溝512bに第2滑り止め520bが取り付けられていない場合、図示しないストッパが第3位置の第2ランナーにX方向側から当接するように第2溝512bに着脱可能に取り付けられることによって、第2ランナーは第3位置で位置固定され、第2ランナーが第2溝512bのX’方向の端に当接することによって、第2ランナーが第4位置で位置固定される。
【0077】
第1ランナー及び第1部210aが第1位置に位置し且つ第2ランナー及び第3部210bが第3位置に位置している状態で、第1吊り下げ支持部200aは図示しない上着の一対の肩の一方を支持可能なハンガーH4の一方の肩部となり、且つ第2吊り下げ支持部200bは上着の前記肩の他方を支持可能なハンガーH4の他方の肩部となる。一方、第1ランナー及び第1部210aが第2位置に位置し且つ第2ランナー及び第3部210bが第4位置に位置している状態で、竿部500の第1端部511aの第1ランナーよりもX方向側の部分が、第1吊り下げ支持部200aの第1部210a(第1ランナー)よりもX方向に延出し、竿部500の第2端部511bの第2ランナーよりもX’方向側の部分が、第2吊り下げ支持部200bの第3部210b(第2ランナー)よりもX’方向に延出する。以下、第1端部511aの延出部を第1延出部と称し、第2端部511bの延出部を第2延出部と称する。第1延出部にリュックの一対のショルダーストラップの一方、一対の靴の一方又は一対の靴下の一方等を掛け、第2延出部にリュックの一対のショルダーストラップの他方、一対の靴の他方又は一対の靴下の他方等を掛けることが可能になる。
【0078】
なお、竿部500は、竿部100と同様に、複数のパーツを有する構成、折り曲げ部を有する構成又は伸縮可能な構成とすることが可能である。図6に示される510a及び510bは、竿部500のパーツであり、513aはパーツ510aの嵌合孔、513bはパーツ510bの嵌合突部である。
【0079】
図6に示されるハンガーH4は、ハンガーH3と同様に使用可能である。以上のようなハンガーH4は、ハンガーH3の第1及び第2技術的特徴と同様の技術的特徴及び効果を有している。
【0080】
なお、上記したハンガーは、上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載範囲において任意に設計変更することが可能である。
【0081】
なお、上記実施例の各態様及び設計変形例におけるハンガーの各構成要素を構成する素材、形状、寸法、数及び配置等はその一例を説明したものであって、同様の機能を実現し得る限り任意に設計変更することが可能である。上述した実施例の各態様及び設計変更例は、互いに矛盾しない限り、相互に組み合わせることが可能である。なお、本発明の第1方向は、本発明の竿部が延びた方向である限り任意に設定可能である。
【符号の説明】
【0082】
H1:ハンガー
100:竿部
110a:パーツ
111a:第1端部
112a:第1係合部
113a:第2係合部
114a:嵌合孔
110b:パーツ
111b:第2端部
112b:第3係合部
113b:第4係合部
114b:嵌合突部
200a:第1吊り下げ支持部
210a:第1部
220a:第2部
200b:第2吊り下げ支持部
210b:第3部
220b:第4部
300:係合手段
H2:ハンガー
100’:竿部
110a’:パーツ
111a’:第1端部
112a’:第1係合部
113a’:第2係合部
110b’:パーツ
111b’:第2端部
112b’:第3係合部
113b’:第4係合部
200a:第1吊り下げ支持部
210a:第1部
220a:第2部
200b:第2吊り下げ支持部
210b:第3部
220b:第4部
300:係合手段
H3:ハンガー
100’’:竿部
110a’’:パーツ
111a’’:第1端部
400a:第1ランナー
110b’’:パーツ
111b’’:第2端部
400b:第2ランナー
200a:第1吊り下げ支持部
210a:第1部
220a:第2部
200b:第2吊り下げ支持部
210b:第3部
220b:第4部
300:係合手段
H4:ハンガー
500:竿部
510a:パーツ
511a:第1端部
512a:第1溝
513a:嵌合孔
520a:第1滑り止め
510b:パーツ
511b:第2端部
512b:第2溝
513b:第2嵌合突部
520b:第2滑り止め
200a:第1吊り下げ支持部
210a:第1部
220a:第2部
200b:第2吊り下げ支持部
210b:第3部
220b:第4部
300:係合手段
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3A
図3B
図4
図5
図6