(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6918372
(24)【登録日】2021年7月27日
(45)【発行日】2021年8月11日
(54)【発明の名称】マルチセンサートラッキングシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A63B 69/36 20060101AFI20210729BHJP
A63B 69/00 20060101ALI20210729BHJP
A63B 71/06 20060101ALI20210729BHJP
【FI】
A63B69/36 522A
A63B69/00 A
A63B69/36 541S
A63B71/06 R
A63B69/36 541P
【請求項の数】18
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-88103(P2019-88103)
(22)【出願日】2019年5月8日
(62)【分割の表示】特願2017-512999(P2017-512999)の分割
【原出願日】2014年9月2日
(65)【公開番号】特開2019-166334(P2019-166334A)
(43)【公開日】2019年10月3日
【審査請求日】2019年6月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】520032631
【氏名又は名称】フライングティー テック,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルブレヒト,ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルブレヒト,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】タウウォーター,ライアン
【審査官】
大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−101294(JP,A)
【文献】
国際公開第2007/037705(WO,A1)
【文献】
特開2012−231908(JP,A)
【文献】
特開2013−220355(JP,A)
【文献】
特開平02−291882(JP,A)
【文献】
特開2001−145718(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 69/36
A63B 69/00
A63B 71/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフボールの全移動経路に関する複数のパラメータを検知及び表示する、方法であって、本方法は、
コンピュータが、前記複数のセンサーの第1センサータイプを備える第1センサーを用いて、前記ゴルフボールとのインパクトの瞬間を含む第1の複数のパラメータを検知するステップと、
前記コンピュータが、前記複数のセンサーの前記第1センサータイプとは異なる第2センサータイプを備える第2センサーを用いて、前記第1の複数のパラメータを検知するステップと、
前記コンピュータが、前記第1センサーを用いて、前記ゴルフボールの飛行経路を含む第2の複数のパラメータを検知するステップと、
前記コンピュータが、前記複数のセンサーの前記第2センサーを用いて、前記第2の複数のパラメータを検知するステップと、
前記コンピュータが、前記第1の複数のパラメータと前記第2の複数のパラメータが利用可能なとき、前記ゴルフボールの移動経路を計算するために、前記第1の複数のパラメータを、又は、前記第2の複数のパラメータを、又は、前記第1の複数のパラメータと前記第2の複数のパラメータの両方を、利用するか否かを決定するために、前記第1の複数のパラメータと前記第2の複数のパラメータの両方を評価するステップと、
前記コンピュータが、前記第2の複数のパラメータが利用不可なとき、前記第1の複数のパラメータを利用して、前記ゴルフボールの全移動経路を計算するステップと、
前記コンピュータが、前記ゴルフボールの計算された移動経路を表示するステップと、
を含んでいる方法。
【請求項2】
前記複数のセンサーの前記第1センサーと、該複数のセンサーの前記第2センサーの両方が前記第2の複数のパラメータを検知したとき、前記第2センサーによって検知された前記第2の複数のパラメータは前記計算された移動経路を表示するために利用される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記複数のセンサーの前記第1センサーが前記第2の複数のパラメータを検出しなかったときには、該第2センサーによって検知された前記第2の複数のパラメータが前記計算された移動経路を表示するのに利用される、請求項1記載の方法。
【請求項4】
本方法は、前記コンピュータが、前記複数のセンサーの前記第1のセンサータイプおよび前記第2のセンサータイプと異なる第3のセンサータイプを有する第3センサーを使用して、前記ゴルフボールの地上経路を含む第3の複数のパラメータを検知するステップをさらに含んでいる、請求項1記載の方法。
【請求項5】
本方法は、前記第1の複数のパラメータ、前記第2の複数のパラメータおよび前記第3の複数のパラメータを使用して、前記ゴルフボールの前記移動経路を計算するステップをさらに含んでいる、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記第3の複数のパラメータは、前記地上経路の3次元座標、前記ゴルフボールの停止点、またはそれらの組み合わせをさらに含んでいる、請求項4記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、前記コンピュータが、前記第1の複数のパラメータと前記第2の複数のパラメータの両方が取得可能である時には、前記第1の複数のパラメータ又は前記第2の複数のパラメータを利用するかどうかを決定するために、前記第1の複数のパラメータと前記第2の複数のパラメータの両方を評価するステップをさらに含んでいる、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、前記コンピュータが、前記第1センサーと前記第2センサーの両方が前記第1の複数のパラメータを検知するが、前記第1センサーが前記第2の複数のパラメータを検知しない時は、前記第2センサーによって検知された前記第1の複数のパラメータと前記第2の複数のパラメータを利用して、前記ゴルフボールの全移動経路を計算するステップをさらに含んでいる、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記第1の複数のパラメータは、前記ゴルフボールの始動点、前記ゴルフボールの放出角、前記ゴルフボールの横スピン、前記ゴルフボールの縦スピン、前記ゴルフボールの当初位置、前記ゴルフボールのインパクトポイント、前記ゴルフボールの放出速度、前記ゴルフボールの放出球速、またはそれらの組み合わせをさらに含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の複数のパラメータは、ゴルフクラブヘッドの経路、クラブヘッドの放出スピード、ゴルフクラブヘッドの放出速度、またはそれらの組み合わせをさらに含んでいる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第2の複数のパラメータは、前記飛行経路の3次元座標、前記ゴルフボールの放出角、前記ゴルフボールの横スピン、前記ゴルフボールの縦スピン、前記ゴルフボールの当初位置、前記ゴルフボールのインパクトポイント、前記ゴルフボールの放出スピード、前記ゴルフボールの放出速度、またはそれらの組み合わせをさらに含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記コンピュータが、前記第1のセンサーを使用して、前記ゴルフボールの前記インパクトの瞬間の第1の検知フィールドと関連付けられた前記第1の複数のパラメータを検知するステップであって、前記第1のセンサーは、ドライビングレンジの複数のヒッティングステーションのうち、少なくとも1つに配置され、前記第1の検知フィールドは、前記ゴルフボールの前記インパクトの瞬間の、実質的に妨害されない画像を有するステップと、
前記コンピュータが、前記第2のセンサーを使用して、前記ゴルフボールの前記インパクトの瞬間の第2の検知フィールドと関連付けられた前記第2の複数のパラメータを検知するステップであって、前記第2のセンサーは、前記ヒッティングステーションの側方に配置され、前記第2の検知フィールドは、前記ゴルフボールの前記飛行経路の、実質的に妨害されない画像を有するステップと、をさらに含んでいる請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の検知フィールドおよび前記第2の検知フィールドは、重複した検知フィールドを有さない、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の検知フィールドおよび前記第2の検知フィールドは、重複した検知フィールドを有する、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記コンピュータが、前記第1のセンサータイプおよび前記第2のセンサータイプと異なる第3のセンサータイプを有する第3センサーを使用して、第3の検知フィールドと関連付けられた第3の複数のパラメータを検知するステップであって、前記第3の検知フィールドは、前記ゴルフボールの地上経路の実質的に妨害されない画像を有するステップをさらに含んでいる、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の検知フィールド、前記第2の検知フィールド、および第3の検知フィールドは前記ゴルフボールの前記移動経路の実質的に妨害されない画像を提供する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の検知フィールド、前記第2の検知フィールド、および第3の検知フィールドは重複した検知フィールドを有する、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の検知フィールド、前記第2の検知フィールド、および第3の検知フィールドは重複した検知フィールドを有さない、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的にゴルフボールのトラッキング(追尾)システムに関し、特には、限定はしないが、ディスプレー(表示装置)上にゴルフボールの経路の表示を可能にする複数のセンサーを利用したシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフというゲームは、数世紀前にそれが発明されて以来、人気が高い趣味であり、気晴らし活動であった。ゴルフ人気の一端はその様々な技能の熟達を追い求めることからきている。そのような技能の習得には頻繁で一貫した練習が必要である。ドライビングレンジ(ゴルフ練習場)は、そのような練習のために利用される一般的な施設である。近年、ビジネスとして企業は、他の形態の娯楽およびエンターテイメントを求めるゴルファの望みに応えることを意図して、さらに改良されたドライビングレンジを開設してきている。そのような施設は典型的なドライビングレンジだけでなく、ゴルファが練習ラウンドに加えて選択できるようにレストラン、バーおよびその他の娯楽性の選択肢を含んでいる。そのような選択肢には、米国特許願第14/321333で開示されているようなゴルフスイングに関する様々なバーチャル(仮想)ゲームが含まれている。
【0003】
そのような新形態のゴルフ/エンターテイメント施設の出現と平行して、技能の向上あるいは典型的な練習ラウンドを充実させることにおいてゴルファを補助する様々な技術が採用されてきた。そのような技術には、ゴルファのスイングおよびゴルフボールの飛行経路をトラッキングし、ゴルファにそれら両方の有用なフィードバックを提供するためのRF(無線周波)チップ、レーダ、レーザまたは光学カメラの利用が含まれる。残念なことには、それぞれのそのような技術は、ゴルフスイングまたはゴルフボールの経路の特定パラメータをトラッキングするには良く適しているが、いずれも妨害のないトラッキングはできず、ゴルフスイングや、その結果としてのゴルフショットの包括的な画像をゴルファに提供することができない。従って、複数のセンサーを展開して、それぞれのそのような技術で得られたパラメータを利用し、ゴルファに得られた情報を有用な形態で提供するシステムおよび方法が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が目指すのは、このこと、並びに従来技術におけるその他の限定要因の解消である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
好適実施態様においては、ドライビングレンジには、ゴルフボール、ゴルフクラブ、ヒッティングステーション(打球場所)、レンジサーフェス(ボール飛翔面)、複数のセンサー、コンピュータおよびディスプレーが含まれる。それら複数のセンサーのそれぞれは、ゴルフスイングまたはゴルフボールの飛行経路に関する少なくとも1つのパラメータを検知するように構成(設計)されている。さらに、それら複数のセンサーのそれぞれのセンサーはコンピュータに接続されている。コンピュータはプロセッサとデータベースを含んでいる。データベースは、ヒッティングステーション、複数のセンサーのそれぞれ、レンジサーフェスおよびゴルフクラブに関するパラメータを保存するように構成されている。さらに、データベースは、それら複数のセンサーのそれぞれによって検知されたパラメータを保存するように構成されている。最後に、データベースは、ゴルフスイングと飛行経路をディスプレー上に表示するにあたって、どのセンサーのパラメータが利用されるべきかを決定するのに利用できる規則および方法を保存するように構成されている。データベースに保存される全てのパラメータおよび規則は、プロセッサによって必要とされるとき、それらを検索および処理させる形態で保存されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】ドライビングレンジでのマルチセンサートラッキングシステムの第1実施例の後方斜視図である。
【
図2】ドライビングレンジでのマルチセンサートラッキングシステムの第1実施例の俯瞰図である。
【
図3】ドライビングレンジでのマルチセンサートラッキングシステムの第2実施例の俯瞰図である。
【
図4】複数のヒッティングステーションを備えたマルチセンサートラッキングシステムの第2実施例の俯瞰図である。
【
図5】飛行経路を表示するために、どのパラメータを利用するかを決定する方法を図示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、少なくとも1つのヒッティングステーション100、少なくとも1つのゴルフボール110、少なくとも1つのゴルフクラブ120およびレンジサーフェス200(ボールの飛翔面)を含んだドライビングレンジ10を図示する。ヒッティングステーション100はレンジサーフェス200(レンジの地表面、ゴルフ練習場の地表面)の1端に位置している。ヒッティングステーション100に立っているプレーヤ300はゴルフクラブ120を振ってゴルフボール110をヒット(打球)し、レンジサーフェス200の上方に向けて飛ばすことができる。
図2を説明すると、ゴルフクラブ120とのインパクトポイント(始動点160)からゴルフボール110が当初にレンジサーフェス200上に落下するポイント(落下点170)までゴルフボール110が移動する経路が図示されている。始動点160から落下点170にまでゴルフボール110が移動する経路が飛行経路130である。ゴルフボール110が落下点170から、レンジサーフェス200上で静止するポイント(停止点180)にまで移動する経路が地上経路140である。全移動経路150とは、ゴルフボール110が移動する始動点160から停止点180までの完全経路のことであり、飛行経路130と地上経路140の組み合わせに等しい。
図2と図
3はボール110の飛行経路130、地上経路140および全移動経路150を図示する。
【0008】
前出の
図1と
図2には、本発明の1好適実施例により、ドライビングレンジ10で使用されたゴルフボール110の全移動経路150をトラッキングし、その全移動経路150をプレーヤ300に表示するように特に構成されているマルチセンサートラッキングシステムの1好適実施例が図示されている。このマルチセンサートラッキングシステムは、好適には複数のセンサー410、420、430、ディスプレー450およびプロセッサとデータベースを有するコンピュータを含んでいる。
【0009】
複数のセンサーのそれぞれのセンサーは、全移動経路150に関する特定のパラメータを記録するように構成されている。このようなパラメータは、インパクトの瞬間、始動点150、飛行経路130のボール放出角、ゴルフボール110の横スピン、ゴルフボール110の縦スピン、ゴルフボール110の当初位置、インパクトポイント160、飛行経路130上のゴルフボール110の速度/球速、飛行経路130の3D(三次元)座標、地上経路140の3D座標、および停止点180の検知を、これらに限定されることなく、含むことができる。さらに、特定のセンサーは、限定はしないが、クラブの経路およびクラブスピード/スイング速度を含んでプレーヤ300のゴルフスイングに関する他のパラメータを検知(検出)するように構成することができる。
【0010】
当該技術の技術者であれば、例えば、限定はしないが、赤外線センサー、レーダセンサー、圧力センサー、音響センサー、レーザセンサーおよびカメラ(赤外線カメラと可視光カメラ)を含んで、パラメータの検知のために利用が可能な多数のタイプのセンサーと技術が存在することを理解するであろう。さらに、特定のセンサーは、全移動経路150に関して利用が可能な全パラメータのサブセットを検知できることも理解されよう。例えば、赤外線センサーはインパクトの瞬間を検知するのに特に適しているが、ゴルフボール110の横スピン、インパクトポイント170、その他の類似パラメータの検知や、その他の決定はできない。一方、ゴルフボールの方向、速度およびインパクトポイント170のごとき飛行経路130に関するパラメータの決定には適しているが、停止点180等の地上経路140に関するパラメータの決定には正確ではない精巧なカメラセンサーの利用が可能である。別な例として、レーダセンサーは、当初飛行経路130でのゴルフボール110の横スピンと縦スピン、並びにクラブのスイング経路(軌道)とクラブのヘッドスピードの検知に特に適しているが、地上経路140に関係するパラメータは決定することができない。
【0011】
特定のパラメータを検知するように構成されていることに加えて、それぞれのセンサータイプは検知のフィールドも有している。検知フィールドは、センサーがそこからパラメータを検知することができるセンサーの前方の全般的な領域である。検知フィールドはそれぞれのセンサータイプに応じて調節できるが、パラメータを検知するのに利用される特定の技術によって規制される場合があることは理解されるであろう。さらに、それぞれのセンサーのポジション(位置)はその検知フィールドに影響を及ぼすことがある。例えば、
図2は検知フィールド411を備えたヒッティングステーション100の後方に位置するセンサー410を図示している。そのようなポジションでは、飛行経路130のセンサー410の画像はゴルファによって妨害されるか、複数のヒッティングステーション100のそれぞれ間の仕切りによって妨害され得る。
【0012】
本発明の重要な改良点は、複数のセンサー内でその他のセンサーを、それぞれの検知フィールド411、421、431が同様に妨害されないように配置することである。そのような配置によって、検知フィールド411、421、431の組み合わせが全移動経路(150)の妨害されない画像を提供する高確率を保証することができることは理解され
るであろう。例えば、
図2に図示する好適実施例においては、それぞれのセンサー410、420、430のための検知フィールド411、421、431はオーバラップするものの、ゴルフボール110が全移動経路150で移動する異なる複数の領域をカバーすることが示されている。
【0013】
複数のセンサー内に異なるタイプのセンサー410、420、430を含ませ、それらセンサーをドライビングレンジ10の異なる場所に配置することによりマルチセンサートラッキングシステムの多数の実施形態が可能であることは理解されるであろう。
図2はそのような1好適実施例を図示する。ドライビングレンジ10は
図4で示すようにレンジサーフェス200の1端に沿って湾曲形態に配置された複数のヒッティングステーション100を含むことができる。第1タイプのセンサー410はヒッティングステーション100のそれぞれの後方に位置している。この実施例では、第1タイプのセンサー410はクラブスイング経路、クラブフェース角度、放出角度、横スピン、縦スピンおよび初速の検知にレーダを使用する。第2タイプのセンサー430はレンジサーフェス200の別端に位置しており、
図4で示すように複数のヒッティングステーション110にほぼ対面するように配置されている。この第2タイプのセンサー430はさらに狭い検知フィールド431を有しており、地上経路140に関するパラメータを検知するのに使用される。この実施例では、第2タイプのセンサーは狭角カメラを使用して地上経路140の3D座標と、ゴルフボール110の速度/球速を検知する。1つのセンサー430だけがこの実施例では示されているが、レンジサーフェス200の異なる箇所で発生する地上経路150のパラメータの検知のために幾つかの第2タイプのセンサー430を組み合わせて使用することができる。
【0014】
図示されている実施例においては、2つの第3タイプのセンサー430が複数のヒッティングステーション100の反対端に配置されている。この第3タイプのセンサーはレンジサーフェス200に向かって内側に対面し、オーバラップする検知フィールド421を有するように構成されている。このようなオーバラップする検知フィールド421は特定タイプのセンサーにとって必要であるか、あるいは検知されるパラメータの精度を向上させるようにオプションで採用されることもできる。
【0015】
図3と
図4に言及すれば、マルチセンサートラッキングシステムの別な好適実施例が図示されており、
図1と
図2で示す第1好適実施例の第1タイプのセンサー410が第4タイプのセンサー460と置換されている。図示の別な好適実施例においては、第4タイプのセンサー460は単純な赤外線指向性トリップセンサーであるように構成されている。そのようなセンサー460はヒッティングステーション100の反対側に配置されているビームエミッタとビーム検知器とを含んでいる。最も単純な実施例では、センサー460のビームエミッタは赤外線光ビームをヒッティングステーション100の他方側に送り、そこで、ビーム検知器によって検知される。ゴルフボール110が打球されると、それはセンサー460のビーム検知器とビームエミッタの間を移動し、ビーム検知器によって検知される赤外線光ビームを妨害(遮断)するであろうことは理解されよう。このようにセンサー460は飛行経路130がいつ開始したかを特定できるが、全移動経路150と関係する他のさらに進んだパラメータは検知することができない。
【0016】
コンピュータのデータベースはマルチセンサートラッキングシステムに必要な全てのパラメータを保存するが、それらにはヒッティングステーションのサイズ、形状および位置、複数のセンサーのそれぞれのセンサーの位置、複数のセンサーのそれぞれのセンサーが検知できるパラメータ、レンジサーフェス200の位置と境界、並びにゴルフクラブ120で打球されたショットの数、予測距離および飛行軌道が含まれる。そのようなパラメータはマルチセンサートラッキングシステムを運用するために必要に応じてプロセッサにより取得できる。
【0017】
マルチセンサー410、420、430(あるいは460、420、430)を利用することで、マルチセンサートラッキングシステムは全移動経路150の特定の所望パラメータを取得することができる。センサー410、420、430は同じパラメータを検知するので、全移動経路150をディスプレー450上に表示するにはどのパラメータが選択されるべきかを決定する方法が必要である。
図5はそのような決定を下す方法を図示する。
【0018】
図5の方法はゴルフクラブ120によってゴルフボール110が打球されるステップ500で開始する。インパクトの瞬間はステップ504でセンサー410によって(または上述のようにセンサー460によって)検知されるであろう。もしセンサー410がそのインパクトの瞬間を検知したなら、処理はステップ506に移る。ステップ506でコンピュータは、飛行経路130の3D座標および予測インパクトポイント170を予測するためにゴルフボールの放出角、初速および始動ポジションを利用する。第1の好適実施例においては、それら放出角、初速および始動ポジションは全てセンサー410で検知できるパラメータである。続いて処理はステップ508に移る。
【0019】
ステップ508の目的は、センサー420がステップ504でセンサー410によって検知されたゴルフショットに対応するゴルフショットを検知したか否か決定することである。これはステップ506で予測された3Dパラメータを、センサー420で検知された実際の3Dパラメータと比較することによって実行される。典型的なドライビングレンジ10においては、
図4に示すように、如何なる時点においても、トラッキングされている幾つかの異なるゴルフショットが存在することは理解されるであろう。この好適実施例においては、センサー420は、それぞれのそのようなゴルフショットに関係する多数の(それぞれでなければ)飛行経路130の実際の3Dパラメータを検知するであろう。従ってステップ508では、コンピュータはまず、センサー410がステップ506で処理されたパラメータを取得したときときのタイムウィンドー(時間窓)中にセンサー420によって検知されたそれぞれの飛行経路130に関係する実際の3Dパラメータを収集する。そのタイムウィンドーの特定時間幅は、使用されるセンサーのタイプ、気象条件、ドライビングレンジ10の複数のヒッティングステーションの特定配置、レンジサーフェスのサイズと形状、複数のセンサーの配置、または、それぞれの検出フィールド411、421、431においてゴルフボール110が移動すると予測される時間量に影響を及ぼすと想定される任意の他の諸条件によって変動する。適したタイムウィンドーのための飛行経路130の実際の3Dパラメータの取得後に、コンピュータは、それぞれの飛行経路130のためのそのような実際の3Dパラメータを飛行経路130の予測3D座標と比較し、実際の3Dパラメータの1つでも予測3Dパラメータと対応するか否かを決定する。
【0020】
実際の3D座標は予測D座標の一部とオーバラップするので、そのような対応は直ちに明確になる。あるいは、実際の3D座標が実際の始動位置で開始しない場合には、コンピュータは飛行経路130の3Dパラメータを反対方向に推測することによって予測始動位置160を計算することができる。続いて、それぞれの飛行経路130のための予測始動位置160(および、それらが存在する範囲までセンサー420によって検知される実際の始動位置160)が、センサー410によって検知された実際の始動位置160と比較される。もし、センサー420によって検知された対応する実際/予測始動位置160が、センサー410によって検知された実際の始動位置160のために発見されたなら、処理はステップ510に進む。もし、実際/予測始動位置160がセンサー420によって全く検知されなければ、処理はステップ514に進む。
【0021】
ステップ514において、飛行経路130は、センサー420によって検知された3Dパラメータを使用してディスプレー450上に表示される。ステップ510において、飛
行経路130は、センサー410によって検知された3Dパラメータを使用してディスプレー450上に表示されるか、あるいは、センサー410が全飛行経路の3Dパラメータを検知しなかった場合には、コンピュータは検知された3Dパラメータを放物曲線に沿って推定することにより予測するであろう。
【0022】
続いて処理はステップ516に移り、そこでセンサー430はゴルフボール120の地上経路140に関係するパラメータを検知するであろう。もしセンサー430が地上経路140と関係するパラメータを検知すると、続いてステップ520で、全移動経路150が、センサー430によって検知された地上経路140のためのパラメータを使用して表示される飛行経路130から続いて表示される。典型的なドライビングレンジ10においては、センサー430は多数の異なるゴルフショット(
図4に図示)の地上経路140のためのパラメータを検知できる。従ってステップ516において、コンピュータは地上経路140のためのパラメータを対応する飛行経路130と整合させるべく試みるであろう。これは飛行経路130を表示するために使用された3Dパラメータを利用し、予測インパクトポイント170を計算することによって達成される。もしセンサー430が予測インパクトポイントに対応する地上経路140のためのパラメータを検知すれば、続いて処理はステップ520に進行する。もしセンサー430が予測インパクトポイント170に対応するパラメータを検知しなければ、続いて処理はステップ518に移る。
【0023】
ステップ518において、コンピュータは地上経路140のためのパラメータを計算し、その地上経路130をディスプレー450上に表示する。この計算は、飛行経路130を表示するために使用されたパラメータを使用することによって実行されるが、それは、実際/予測速度/球速および方向性、並びにレンジサーフェス200とゴルフボール130との間の摩擦の影響を記述するパラメータを含むことができる。ステップ520において、地上経路130は、センサー430によって検知された地上経路130のための実際のパラメータを使用してディスプレー450上に表示される。
【0024】
もしセンサー410がステップ504においてインパクトの瞬間を検知することができなかったなら、処理はステップ512に移り、そこでセンサー420は飛行経路130と関係するパラメータを検知するであろう。もしセンサー410がインパクトの瞬間は検知できず、センサー420が飛行経路130に関係するパラメータを検知したら、処理はステップ514に移る。もしセンサー410がインパクトの瞬間を検知できず、センサー420が飛行経路130に関係するパラメータを検知できなかった場合には、処理はステップ500に戻る。
【0025】
本発明の様々な実施例の多数の特徴および利点が、本発明の様々な実施例の構造および機能の詳細と共に上述されてきたが、この開示内容は説明のためだけであり、以下の請求項で表現されている用語の広い一般的な意味により示される全範囲内における本発明の原理内の細部、特に部品の構造および配置の観点における変更は可能である。当該技術の技術者であれば、本発明の教示は本発明のスコープおよび精神から逸脱せずに他のシステムにも適用できることは理解できよう。