特許第6918385号(P6918385)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6918385車両整備用の車両情報管理システム及び車両整備用の車両情報管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6918385
(24)【登録日】2021年7月27日
(45)【発行日】2021年8月11日
(54)【発明の名称】車両整備用の車両情報管理システム及び車両整備用の車両情報管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20210729BHJP
   G08G 1/017 20060101ALI20210729BHJP
   G08G 1/04 20060101ALI20210729BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20210729BHJP
【FI】
   G08G1/00 D
   G08G1/017
   G08G1/04 C
   G06Q50/10
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2020-189884(P2020-189884)
(22)【出願日】2020年11月13日
【審査請求日】2020年11月14日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518306193
【氏名又は名称】有限会社相沢自動車ボデー工場
(74)【代理人】
【識別番号】100166073
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 秀治
(72)【発明者】
【氏名】相澤 敏広
【審査官】 田中 純一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−004527(JP,A)
【文献】 特開2010−108146(JP,A)
【文献】 特開2008−009725(JP,A)
【文献】 特開2016−136398(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/113986(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 − 99/00
G06Q 10/00 − 10/10
G06Q 30/00 − 30/08
G06Q 50/00 − 50/20
G06Q 50/26 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
時間順に記録された車両に関する複数の画像データから、ナンバープレート撮影画像を区別してナンバーを認識するナンバー認識手段と、
ナンバーに基づいて、各車両の情報をフォルダ毎に記録する記録手段と、
該記録手段に記録された情報を管理する車両管理データベースと、
前記フォルダ情報と、前記ナンバー認識手段によって認識されたナンバーとを比較するナンバー比較手段と、
該ナンバー比較手段によって、新規のナンバーと判断された場合には、該新規のナンバーに基づきフォルダを作成するフォルダ作成手段と、
時間順に記録された車両に関する複数の画像データから、一つのナンバープレート撮影画像を基準として他のナンバープレート撮影画像の前の画像データを、該当するナンバーに基づくフォルダにコピー若しくは移動する画像データ取込手段とを有し、
前記画像データが、各車両に関する情報を記録する際に、始めに該当車両のナンバープレートを記録した後で、各車両に関する画像を記録し
ナンバープレートの情報に基づき、各車両の整備状態を管理するものであることを特徴とする、車両整備用の車両情報管理システム。
【請求項2】
時間順に記録された車両に関する複数の画像データから、ナンバープレート撮影画像を区別してナンバーを認識するナンバー認識ステップと、
ナンバーに基づいて、各車両の情報をフォルダ毎に記録する記録ステップと、
該記録ステップで記録された情報を管理する車両管理データベースと、
前記フォルダ情報と、前記ナンバー認識手段によって認識されたナンバーとを比較するナンバー比較ステップと、
該ナンバー比較ステップによって、新規のナンバーと判断された場合には、該新規のナンバーに基づきフォルダを作成するフォルダ作成ステップと、
時間順に記録された車両に関する複数の画像データから、一つのナンバープレート撮影画像を基準として他のナンバープレート撮影画像の前の画像データを、該当するナンバーに基づくフォルダにコピー若しくは移動する画像データ取込ステップとを有し、
前記画像データが、各車両に関する情報を記録する際に、始めに該当車両のナンバープレートを記録した後で、各車両に関する画像を記録し
ナンバープレートの情報に基づき、各車両の整備状態を管理するものであることを特徴とする、車両整備用の車両情報管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両整備用の車両情報管理システム及び車両整備用の車両情報管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
シャーシに様々なボディを組み合わせた構造のトラックは、整備すべき項目も、各車両の構造に応じて極めて多岐に渡っている。
そのため、各車両を管理する際には、車両毎の特徴、整備ポイント、整備履歴の車両情報を詳細に記録することが必要となる。
【0003】
ここで、車両情報の管理は、基本的にナンバープレート毎に区別し、車両管理用の台帳やデータベースに記録している。
従来、車両が入庫した際には、デジタルカメラ等を使用して、整備前の各所の状態を記録すると共に、整備後の状態を記録することが行われている。
すなわち、ナンバープレートの情報に基づき、各車両の整備状態等を管理している。
【0004】
なお、ナンバープレートの情報に基づき顧客情報を管理する技術として、特許文献1にはナンバー行動指示装置が記載されている。
該特許文献1に記載のナンバー行動指示装置は、ナンバー行動指示装置とPOSシステムとデータセンタとをネットワークを介して通信可能に接続して構成されたナンバー行動指示システムであって、ナンバー行動指示装置は、車両検出装置を介して読取ったナンバーに対応付けて顧客情報をデータセンタに送信し、POSシステムは、カード読取装置を介して読取ったカード番号に対応付けてカード番号マスタ情報をデータセンタに送信し、データセンタは、ナンバーとカード番号とを対応付ける変換テーブルを作成して、当該カード番号に対応するカード番号マスタ情報と、当該ナンバーに対応付けられた顧客情報と、を統合ナンバーマスタ情報として記憶部に格納することを特徴とするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016−15154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記のように、ナンバープレートの情報に基づき各車両情報を管理するに際し、デジタルカメラで何台もの車両を一度に撮影した場合は、車両管理データベースに記録する際に、車両毎の情報を正確に区別する必要があるので、かなりの手間がかかり、使い勝手に問題を有していた。
そこで、複数台の車両を一度に撮影した場合であっても、使い勝手に優れ、容易に車両情報を管理ができる手段が求められていた。
【0007】
なお、特許文献1に記載の装置は、複数台の車両を一度に撮影した場合を想定しておらず、特に、整備すべき項目が多岐に渡るトラック等の車両管理に適したものでなかった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の課題を解決するための手段は、下記のとおりである。
【0009】
第1に、
時間順に記録された車両に関する複数の画像データから、ナンバープレート撮影画像を区別してナンバーを認識するナンバー認識手段と、
ナンバーに基づいて、各車両の情報を記録する記録手段とを有し、
前記画像データが、各車両に関する情報を記録する際に、始めに該当車両のナンバープレートを記録した後で、各車両に関する画像を記録し、
ナンバープレートの情報に基づき、各車両の整備状態を管理するものであることを特徴とする、車両整備用の車両情報管理システム。
ここで、記録手段とは、車両の情報を記録可能な手段であれば良く、デジタル的・アナログ的であるかを問わず、例えば、インターネットに接続されたサーバまたはパーソナルコンピュータやスタンドアロンで使用するサーバまたはパーソナルコンピュータ等に、内蔵若しくは外付けされたハードディスクやテープメディア等の記録媒体によるものの他に、画像データを印刷したペーパによる台帳等によるものが該当する。
また、各車両に関する画像には、ナンバープレートの写真に加え、車両の前方、後方、両側方、天井側、左斜前方、右斜前方、左斜後方、右斜後方から写した写真、走行距離を示すメータの写真、車体番号の写真、修理箇所を示す写真等が含まれる。
【0010】
第2に、
時間順に記録された車両に関する複数の画像データから、ナンバープレート撮影画像を区別してナンバーを認識するナンバー認識手段と、
ナンバーに基づいて、各車両の情報をフォルダ毎に記録する記録手段と、
該記録手段に記録された情報を管理する車両管理データベースと、
前記フォルダ情報と、前記ナンバー認識手段によって認識されたナンバーとを比較するナンバー比較手段と、
該ナンバー比較手段によって、新規のナンバーと判断された場合には、該新規のナンバーに基づきフォルダを作成するフォルダ作成手段と、
時間順に記録された車両に関する複数の画像データから、一つのナンバープレート撮影画像を基準として他のナンバープレート撮影画像の前の画像データを、該当するナンバーに基づくフォルダにコピー若しくは移動する画像データ取込手段とを有し、
前記画像データが、各車両に関する情報を記録する際に、始めに該当車両のナンバープレートを記録した後で、各車両に関する画像を記録し、
ナンバープレートの情報に基づき、各車両の整備状態を管理するものであることを特徴とする、車両整備用の車両情報管理システム。
ここで、「一つのナンバープレート撮影画像を基準として他のナンバープレート撮影画像の前の画像データ」とは、基準となる一つのナンバープレート撮影画像のそのものを含む他に、このナンバープレート撮影画像を除いた場合も該当する。
【0011】
第3に、
時間順に記録された車両に関する複数の画像データから、ナンバープレート撮影画像を区別してナンバーを認識するナンバー認識ステップと、
ナンバーに基づいて、各車両の情報をフォルダ毎に記録する記録ステップと、
該記録ステップで記録された情報を管理する車両管理データベースと、
前記フォルダ情報と、前記ナンバー認識手段によって認識されたナンバーとを比較するナンバー比較ステップと、
該ナンバー比較ステップによって、新規のナンバーと判断された場合には、該新規のナンバーに基づきフォルダを作成するフォルダ作成ステップと、
時間順に記録された車両に関する複数の画像データから、一つのナンバープレート撮影画像を基準として他のナンバープレート撮影画像の前の画像データを、該当するナンバーに基づくフォルダにコピー若しくは移動する画像データ取込ステップとを有し、
前記画像データが、各車両に関する情報を記録する際に、始めに該当車両のナンバープレートを記録した後で、各車両に関する画像を記録し、
ナンバープレートの情報に基づき、各車両の整備状態を管理するものであることを特徴とする、車両整備用の車両情報管理プログラム。
ここで、「一つのナンバープレート撮影画像を基準として他のナンバープレート撮影画像の前の画像データ」とは、基準となる一つのナンバープレート撮影画像のそのものを含む他に、このナンバープレート撮影画像を除いた場合も該当する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば以下の効果を奏することができる。
【0013】
時間順に記録された車両に関する複数の画像データから、ナンバープレート撮影画像のナンバーを認識し、一つのナンバープレート撮影画像を基準として次のナンバープレート撮影画像の前までの画像データをまとめて処理するので、複数台の車両を一度に撮影した場合であっても、自動的に適切なフォルダ等に記録することができ、使い勝手に優れ、車両情報を容易に管理ができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施例の概念図である。
図2】本発明の一実施例の画像データである。
図3】本発明の一実施例におけるナンバー認識ステップ、ナンバー比較ステップ、フォルダ作成ステップ、画層データ取込ステップのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しつつ具体的に説明する。
なお、ここでの説明は本発明が実施される一形態であることから、本発明は該当形態に限定されるものではない。
【実施例】
【0016】
図1に示すように、本実施例の車両情報管理システムは、画像データ10、ナンバー認識手段20、記録手段30、車両管理データベース31、ナンバー比較手段40、フォルダ作成手段50、画像データ取込手段60を備えている。
同様に、本実施例の車両情報管理プログラムは、画像データ10、ナンバー認識手段20によるナンバー認識ステップ、記録手段30による記録ステップ、車両管理データベース31、ナンバー比較手段40によるナンバー比較ステップ、フォルダ作成手段50によるフォルダ作成ステップ、画像データ取込手段60による画像データ取込ステップを備えている。
【0017】
前記画像データ10は、各車両に関する情報を記録する際に、始めに該当車両のナンバープレートを記録した後で、各車両に関する画像を記録したものである。
例えば、画像データ10は、図2に示すように、始めにナンバープレートが認識された画像の次から順次、そのナンバープレートの車両に関する各種の写真が記録されている。
そして、次の車両の写真を撮る場合には、同様に、始めにナンバープレートの写真を撮影してから、順次、次の車両の写真を撮ることで画像データを構築している。
【0018】
前記ナンバー認識手段20は、時間順に記録された車両に関する複数の画像データから、ナンバープレート撮影画像を区別してナンバーを認識するものである。
ここで、ナンバープレート撮影画像の区別は、ナンバープレートが主に画像の中央部分に写っているか否か、ナンバープレート部分の面積が他の部分の面積に対する割合に対して充分に大きいか否かによって、判断することが可能となる。
例えば、画像全体を4分割した場合に、2つ以上の画像にナンバープレートが写っており、かつ、ナンバープレート部分の面積がナンバープレート部分以外の総面積に対して大きい場合にはナンバープレート撮影画像であると判断することができる。
【0019】
前記記録手段30は、各車両の情報を、図示は省略するがネットワークに接続されたサーバに内蔵されたハードディスクに、ナンバーに基づいてフォルダ毎に記録するものである。
例えば、ナンバープレートが、「大分100あ1111」の場合には、第1階層のフォルダとして「大分」、第2階層のフォルダとして「100」、第3階層のフォルダとして「あ」、第4階層のフォルダとして「1111」に、車両「大分100あ1111」に関する情報を記録するものである。
【0020】
前記車両管理データベース31は、記録手段30に記録されたフォルダ情報と共に、該当する車両の所有者、過去の修理箇所、修理時間、修理料金等の各種のデータを管理するものであり、記録手段30を構築するハードディスクに記録されている。
【0021】
前記ナンバー比較手段40は、フォルダ情報と、前記ナンバー認識手段20によって認識されたナンバーとを比較し、その後のステップにつなげるものである。
【0022】
前記フォルダ作成手段50は、ナンバー比較手段40によって、新規のナンバーと判断された場合には、該新規のナンバーに基づきフォルダを作成するものである。
【0023】
前記画像データ取込手段60は、時間順に記録された車両に関する複数の画像データから、一つのナンバープレート撮影画像を基準として他のナンバープレート撮影画像の前の画像データを、該当するナンバーに基づくフォルダにコピー若しくは移動するものである。
ここで、「一つのナンバープレート撮影画像を基準として他のナンバープレート撮影画像の前の画像データ」とは、基準となる一つのナンバープレート撮影画像を含む場合と、このナンバープレート撮影画像を除いた場合の両方が該当する。
【0024】
図3に示すように、画像データ10として写真データを取り込んだ後は、ナンバープレートがある画像に対して、ナンバープレート部分について台形補正を行う。
そして、ナンバー認識手段20によってナンバープレートがあると認識すると、ナンバー比較手段40によって認識したナンバーに該当するフォルダがあるか否かをフォルダ情報に基づいて行う。
【0025】
フォルダが無い場合には、フォルダ作成手段50によって認識したナンバーに基づき、新たにフォルダが作成される。
【0026】
その後、画像データ取込手段60によって、新たに作成したフォルダに、一つのナンバープレート撮影画像を含む撮影画像から、他のナンバープレート撮影画像の前の画像データが、コピーされる。
【0027】
フォルダが既に有る場合には、画像データ取込手段60によって、既に存在するフォルダに、一つのナンバープレート撮影画像を含む撮影画像から、他のナンバープレート撮影画像の前の画像データが、コピーされる。
【0028】
画像データの処理は、例えば、デジタルカメラで撮影して記録したデータを、無線LANを利用して、サーバに順次転送して行うことができる。
【0029】
上記のように、時間順に記録された車両に関する複数の画像データから、ナンバープレート撮影画像のナンバーを認識し、一つのナンバープレート撮影画像を基準として次のナンバープレート撮影画像の前までの画像データをまとめて処理するので、複数台の車両を一度に撮影した場合であっても、自動的に適切なフォルダ等に記録することができ、使い勝手に優れ、車両情報を容易に管理ができる
【符号の説明】
【0030】
10 画像データ
20 ナンバー認識手段
30 記録手段
31 車両管理データベース
40 ナンバー比較手段
50 フォルダ作成手段
60 画像データ取込手段
【要約】
【課題】複数台の車両を一度に撮影した場合であっても、使い勝手に優れ、容易に車両情報を管理ができる手段を提供する。
【解決手段】 複数の画像データ10からナンバープレート撮影画像を区別してナンバーを認識するナンバー認識手段20と、各車両の情報をフォルダ毎に記録する記録手段30と、該記録手段に記録された情報を管理する車両管理データベース31と、前記フォルダ情報と、前記ナンバー認識手段によって認識されたナンバーとを比較するナンバー比較手段40と、新規のナンバーに基づきフォルダを作成するフォルダ作成手段50と、一つのナンバープレート撮影画像を基準として他のナンバープレート撮影画像の前の画像データを、該当するナンバーに基づくフォルダに移動する画像データ取込手段60とを有し、前記画像データが、各車両に関する情報を記録する際に、始めに該当車両のナンバープレートを記録した後で、各車両に関する画像を記録した。
【選択図】図1
図1
図2
図3