【文献】
「不動産売買契約書類作成クラウド」サービス開始〜在宅勤務/テレワーク対策としても活用可能〜,[online],SREホールディングス株式会社,2020年 5月11日,[検索日 2021.03.29],URL,https://sre-group.co.jp/news/2020/200511.html
【文献】
fudo-san,不動産 賃貸 重説(重要事項説明)作成管理ソフト クラウド版 重要事項説明雛形(重説ひな形),[online],2019年11月26日,[検索日 2021.03.29],URL,https://note.com/realestatefudo3/n/n3e2b186c8f1f
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記重要事項説明書のフォーマットごとに前記関連情報の一覧を前記ユーザに提示し、ユーザが前記関連情報を選択し、前記関連情報の取得指示を受け付ける、請求項2に記載のプログラム。
前記入力項目への入力内容に対応する前記関連情報の一覧を前記ユーザに提示し、ユーザが前記関連情報を選択し、前記関連情報の取得指示を受け付ける、請求項2または請求項3に記載のプログラム。
前記関連情報の記載内容を読み取って前記入力項目との紐付けを行い、前記入力項目に入力された記載内容の正当性を判定する、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のプログラム。
前記メモリは、前記関連情報のフォーマット情報として、前記関連情報が記載された書類をスキャンした画像データにおける、前記関連情報の記載内容ごとの座標情報を記憶し、
前記関連情報の記載内容ごとの座標情報に基づいて前記関連情報の記載内容を特定し、前記関連情報の記載内容を読み取る、請求項10に記載のプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0017】
<概要>
以下、本開示に係る入力事項チェックシステムについて説明する。この入力事項チェックシステムは、不動産取引のために必要な重要事項説明書の入力事項をチェックするためのシステムである。本開示に係る入力事項チェックシステムにおける入力事項のチェック内容は、誤字脱字のチェック、記載漏れのチェックのみならず、重要事項説明書を作成するために参照される関連資料(関連情報)との間で突合を行い、記載内容の正当性をチェックすることも含む。ここで、関連情報とは、例えば当該物件についての不動産調査票、登記事項を示す不動産登記簿謄本(登記事項証明書)、当該物件の周辺の地図情報である道路台帳平面図を含むが、これらに限られない。
【0018】
重要事項説明書を作成するためには、不動産団体ごと、取引対象の不動産の種類ごとに異なるフォーマットが定められているため、必要なフォーマットを選択する必要がある。不動産団体とは、不動産業界の業界団体であるが、開業資金の負担が減らせること、不動産情報のネットワークが利用可能であること等のメリットにより、多くの不動産業者が加盟している団体である。主な不動産団体として、「全国宅地建物取引業協会連合会」、及び「全日本不動産協会」が挙げられる。また、取引対象の不動産の種類とは、例えばマンション、住宅用賃貸、事業用賃貸、土地建物等の種類である。さらに、一般仲介用、売主が宅建業者用の場合で異なるフォーマットが定められており、非常に多数のフォーマットが定められている。そこで、本開示に係る入力事項チェックシステムでは、それぞれ異なるフォーマットで作成された重要事項説明書について、ユーザから入力項目に記載内容が入力されたフォーマットのデータ(スキャンしてOCRで読み込んだデータでもよく、文書作成ソフト等により作成されたデータでもよい)を送信してもらい、そのフォーマットを受け付ける。また、不動産会社で運用している業務システムにおいて、それぞれ異なるフォーマットの重要事項説明書に入力する入力項目に記載内容が入力されたフォーマットデータを送信してもらい、そのフォーマットデータを受け付ける。さらに、それぞれ異なるフォーマットの一覧をユーザに提示し、ユーザから選択入力を受け付け、選択したフォーマットを提示する構成となっている。
【0019】
また、重要事項説明書には、売主、買主の情報、宅地建物取引業者の情報、取引対象である不動産の情報等を記載する必要がある。不動産の情報として、建物の構造、規模(地上何階、地下何階等)、延床面積の情報、土地の所在、地番、地積等の情報、登記記録に記載された事項等、非常に多岐にわたっている。これらの記載事項に誤りがあると、取引に支障をきたすおそれがあり、顧客への信頼失墜につながるため、正確に記載する必要がある。そこで、本開示に係る入力事項チェックシステムでは、ユーザから受け付けたフォーマット、または不動産会社から受け付けたフォーマットデータの入力項目への入力内容を取得する構成、または、ユーザが選択したフォーマットから入力項目を抽出してユーザに提示し、ユーザから入力項目への入力を受け付ける構成となっている。さらに、上記のように誤字脱字のチェック、記載漏れのチェックのみならず、重要事項説明書を作成するために参照される関連情報との間で突合を行い、記載内容の正当性をチェックしている。具体的には、例えば、登記記録に記載された事項の記載と、実際の不動産登記簿謄本(登記事項証明書)との間で記載内容に齟齬がないかチェックを行っている。
【0020】
本開示に係る入力事項チェックシステムでは、重要事項説明書を作成するための関連情報の収集を容易にし、その関連情報との突合による正当性の判定を行うことを可能にしている。
【0021】
<第1の実施の形態>
以下、入力事項チェックシステム1について説明する。以下の説明では、例えば、端末装置10がサーバ20へアクセスすることにより、サーバ20が、端末装置10で画面を生成するための情報を応答する。端末装置10は、サーバ20から受信した情報に基づいて画面を生成し表示する。
【0022】
<1 入力事項チェックシステム1の全体構成>
図1は、入力事項チェックシステム1の全体の構成を示す図である。
図1に示すように、入力事項チェックシステム1は、複数の端末装置(
図1では、端末装置10Aおよび端末装置10Bを示している。以下、総称して「端末装置10」ということもある)と、サーバ20と、外部サーバ30とを含む。端末装置10と、サーバ20と、外部サーバ30とは、ネットワーク80を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク80は、有線または無線ネットワークにより構成される。
【0023】
端末装置10は、各ユーザが操作する装置である。ここで、ユーザとは、端末装置10を使用して不動産物件に係る重要事項説明書の作成を行う者であり、具体的には、不動産物件の販売、仲介を行う不動産業者(宅地建物取引業者)及びその従業員である。端末装置10は、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPC等により実現される。この他、端末装置10は、例えば移動体通信システムに対応したタブレットや、スマートフォン等の携帯端末であるとしてもよい。
【0024】
端末装置10は、ネットワーク80を介してサーバ20及び外部サーバ30と通信可能に接続される。端末装置10は、4G、5G、LTE(Long Term Evolution)等の通信規格に対応した無線基地局81、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11等の無線LAN(Local Area Network)規格に対応した無線LANルータ82等の通信機器と通信することにより、ネットワーク80に接続される。
図1に端末装置10Bとして示すように、端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、記憶部16と、プロセッサ19とを備える。
【0025】
通信IF12は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、キーボードや、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス等)である。出力装置14は、ユーザに対し情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)である。メモリ15は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。記憶部16は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0026】
サーバ20は、複数の重要事項説明書のフォーマット、フォーマットごとの入力項目、重要事項説明書の記載内容に関する資料である関連情報へのアクセス先を管理する装置である。サーバ20は、ユーザから重要事項説明書の選択の入力を受け付け、重要事項説明書の入力項目への入力を受け付け、関連情報へのアクセス先を提示して入力内容の正当性チェックを行う。
【0027】
サーバ20は、ネットワーク80に接続されたコンピュータである。サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0028】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、および、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。メモリ25は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0029】
外部サーバ30は、重要事項説明書のフォーマット、または関連情報を管理する装置である。具体的には、重要事項説明書のフォーマットを管理する不動産団体のサーバ、または関連情報を管理する所轄の公的機関のサーバである。
【0030】
<1.1 端末装置10の構成>
図2は、実施の形態1の入力事項チェックシステム1を構成する端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。
図2に示すように、端末装置10は、複数のアンテナ(アンテナ111、アンテナ112)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部121、第2無線通信部122)と、操作受付部130(キーボード131およびディスプレイ132を含む)と、音声処理部140と、マイク141と、スピーカ142と、カメラ150と、記憶部160と、制御部170とを含む。端末装置10は、
図2では特に図示していない機能及び構成(例えば、電力を保持するためのバッテリー、バッテリーから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路等)も有している。
図2に示すように、端末装置10に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
【0031】
アンテナ111は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ111は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部121へ与える。
【0032】
アンテナ112は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ112は、空間から電波を受信して受信信号を第2無線通信部122へ与える。
【0033】
第1無線通信部121は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ111を介して信号を送受信するための変復調処理等を行う。第2無線通信部122は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ112を介して信号を送受信するための変復調処理等を行う。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路等を含む通信モジュールである。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、端末装置10が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部170へ与える。
【0034】
操作受付部130は、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。具体的には、操作受付部130は、キーボード131と、ディスプレイ132とを含む。なお、操作受付部130は、例えば静電容量方式のタッチパネルを用いることによって、タッチパネルに対するユーザの接触位置を検出する、タッチスクリーンとして構成してもよい。
【0035】
キーボード131は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。キーボード131は、文字入力を行う装置であり、入力された文字情報を入力信号として制御部170へ出力する。
【0036】
ディスプレイ132は、制御部170の制御に応じて、画像、動画、テキスト等のデータを表示する。ディスプレイ132は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイによって実現される。
【0037】
音声処理部140は、音声信号の変復調を行う。音声処理部140は、マイク141から与えられる信号を変調して、変調後の信号を制御部170へ与える。また、音声処理部140は、音声信号をスピーカ142へ与える。音声処理部140は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク141は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部140へ与える。スピーカ142は、音声処理部140から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0038】
カメラ150は、受光素子により光を受光して、撮影画像として出力するためのデバイスである。カメラ150は、例えば、カメラ150から撮影対象までの距離を検出できる深度カメラである。
【0039】
記憶部160は、例えばフラッシュメモリ等により構成され、端末装置10が使用するデータおよびプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部160は、ユーザ情報161と、広告情報162とを記憶する。
【0040】
ユーザ情報161は、端末装置10を使用して入力事項チェックシステム1の機能である重要事項説明書を作成するユーザの情報である。ユーザ情報としては、ユーザを識別する情報(ユーザID)、ユーザの氏名や名称、宅地建物取引業者としての免許証番号等が含まれる。
【0041】
制御部170は、記憶部160に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、端末装置10の動作を制御する。制御部170は、例えば予め端末装置10にインストールされているアプリケーションである。制御部170は、プログラムに従って動作することにより、入力操作受付部171と、送受信部172と、データ処理部173と、通知制御部174としての機能を発揮する。
【0042】
入力操作受付部171は、キーボード131等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。
【0043】
送受信部172は、端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0044】
データ処理部173は、端末装置10が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。
【0045】
通知制御部174は、ユーザに対し情報を提示する処理を行う。通知制御部174は、表示画像をディスプレイ132に表示させる処理、音声をスピーカ142に出力させる処理、振動をカメラ150に発生させる処理等を行う。
【0046】
<1.2 サーバ20の機能的な構成>
図3は、実施の形態1の入力事項チェックシステム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。
図3に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0047】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0048】
記憶部202は、サーバ20が使用するデータ及びプログラムを記憶する。記憶部202は、フォーマットデータベース2021と、関連情報リンクデータベース2022等を記憶する。
【0049】
フォーマットデータベース2021は、入力事項チェックシステム1においてユーザに提示される、複数の重要事項説明書のフォーマット、及び入力項目を保持するためのデータベースであり、外部サーバ30(不動産団体のサーバ)から取得した情報である。詳細は後述する。
【0050】
関連情報リンクデータベース2022は、入力事項チェックシステム1においてユーザに掲示される関連情報、及びそのフォーマットとしての記載項目を保持するためのデータベースであり、外部サーバ30(所轄の公的機関のサーバ)から取得した情報である。詳細は後述する。
【0051】
制御部203は、サーバ20のプロセッサがプログラムに従って処理を行うことにより、各種モジュールとして受信制御モジュール2031、送信制御モジュール2032、フォーマット一覧提示モジュール2033、入力項目抽出モジュール2034、入力受付モジュール2035、関連情報取得モジュール2036、正当性判定示モジュール2037、及び出力モジュール2038に示す機能を発揮する。
【0052】
受信制御モジュール2031は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0053】
送信制御モジュール2032は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0054】
フォーマット一覧提示モジュール2033は、複数のそれぞれ異なる重要事項説明書のフォーマットの一覧をユーザの端末装置10へ表示させて提示し、ユーザから、作成する重要事項説明書を選択する入力を受け付ける処理を制御する。フォーマット一覧提示モジュール2033は、例えば、不動産団体ごと、取引対象の不動産の種類ごとに重要事項説明書のフォーマットの一覧を表示させる。また、フォーマット一覧提示モジュール2033は、フォーマットデータベース2021から重要事項説明書のフォーマットの一覧を抽出して提示する。なお、後述する入力受付モジュール2035において、重要事項説明書の入力項目に記載内容が入力されたフォーマットの送信を受け付ける場合、フォーマット一覧提示モジュール2033は備えなくてもよい。
【0055】
具体例として、フォーマット一覧提示モジュール2033は、サーバ20が提供するWebページにおいて、不動産団体の選択画面、取引対象の不動産の種類の選択画面を表示し、それぞれ段階的にユーザに選択させることでフォーマット一覧の絞り込みを行って表示してもよく、キーワード検索によりフォーマット一覧の絞り込みを行って表示してもよい。さらに、サーバ20でユーザID等によりユーザ認証を行い、当該ユーザの使用履歴情報を保持してその使用履歴情報により使用するフォーマットをレコメンドする構成にしてもよい。
【0056】
入力項目抽出モジュール2034は、フォーマット一覧提示モジュール2033によりユーザから選択を受け付けた重要事項説明書のフォーマットから、重要事項説明書を作成するための入力項目を抽出し、ユーザの端末装置10へ表示させて提示する処理を制御する。入力項目抽出モジュール2034は、例えば、重要事項説明書を作成するための入力項目として、売主、買主の情報、宅地建物取引業者の情報、取引対象である不動産の情報等の項目を抽出して提示する。また、入力項目抽出モジュール2034は、フォーマットデータベース2021から該当の重要事項説明書の入力項目を抽出して提示する。なお、後述する入力受付モジュール2035において、重要事項説明書の入力項目に記載内容が入力されたフォーマットの送信を受け付ける場合、入力項目抽出モジュール2034は備えなくてもよい。
【0057】
具体例として、入力項目抽出モジュール2034は、サーバ20が提供するWebページにおいて、重要事項説明書のフォーマットを端末装置10へ表示させ、当該フォーマットにおける入力項目の表示態様を強調表示(例えば、色彩を変更)してもよく、重要事項説明書のフォーマットと並列に入力項目欄を設けてもよい。さらに、それぞれの入力項目に入力すべき情報が選択的に入力可能な場合(例えば、日付や都道府県等)、入力すべき情報をプルダウンメニューにより選択可能に表示させ、ユーザに選択入力させるように構成してもよく、ラジオボタン、またはチェックボックス等により選択可能に構成してもよい。さらに、複数の入力項目に同一情報を入力する場合、入力欄を統合してもよい。
【0058】
入力受付モジュール2035は、ユーザから、重要事項説明書の入力項目に記載内容が入力されたフォーマットの送信を、端末装置10から受け付ける処理を制御する。入力受付モジュール2035は、例えば、重要事項説明書を作成するための入力項目として、上記のような売主、買主の情報、宅地建物取引業者の情報、取引対象である不動産の情報等の項目へ入力されたデータを受け付ける。入力受付モジュール2035が受け付けるデータは、入力項目に記載内容が入力されたフォーマットのデータ(スキャンしてOCRで読み込んだデータでもよく、文書作成ソフト等により作成されたデータでもよい)でもよく、不動産会社で運用している業務システムにおいて入力項目に記載内容が入力されたフォーマットデータでもよい。
【0059】
または、入力受付モジュール2035は、ユーザから、入力項目抽出モジュール2034により抽出した入力項目への入力を、端末装置10から受け付ける処理を制御する。入力受付モジュール2035は、例えば、重要事項説明書を作成するための入力項目として、ユーザから、上記のような売主、買主の情報、宅地建物取引業者の情報、取引対象である不動産の情報等の項目への入力を受け付ける。
【0060】
具体例として、サーバ20が提供するWebページにて入力項目抽出モジュール2034が端末装置10へ表示させた、重要事項説明書のフォーマットにおける入力項目の強調表示(例えば、色彩を変更)について、入力受付モジュール2035は、入力を受け付けるとともに強調表示を解除してもよく、重要事項説明書のフォーマットと並列に設けられた入力項目欄から入力を受け付けてもよい。さらに、入力項目抽出モジュール2034が表示させた、プルダウンメニュー、ラジオボタン、またはチェックボックス等により入力された入力項目について、入力受付モジュール2035は、選択された情報を取得してもよい。
【0061】
関連情報取得モジュール2036は、フォーマット一覧提示モジュール2033によりユーザから選択を受け付けた重要事項説明書の記載内容に関する資料として、あらかじめ定義された関連情報を取得する処理を制御する。ここで、関連情報とは、上記のように当該物件についての不動産調査票、登記事項を示す不動産登記簿謄本(登記事項証明書)、当該物件の周辺の地図情報である道路台帳平面図等である。関連情報取得モジュール2036は、ユーザから、重要事項説明書の記載内容に関する資料として、あらかじめ定義された関連情報のスキャンデータや電子データの送信を、端末装置10から受け付けてもよく、関連情報へのアクセス先を提示してもよい。関連情報へのアクセス先とは、所轄の公的機関(例えば、法務局、市区町村の役所等)のサーバである外部サーバ30のリンク先でもよく、外部サーバ30からあらかじめダウンロードしてサーバ20または他のサーバ(クラウドサーバを含む)に格納しておいた格納先でもよい。この場合、関連情報取得モジュール2036は、関連情報リンクデータベース2022から該当の関連情報のアクセス先を抽出して提示する。
【0062】
また、関連情報取得モジュール2036は、関連情報のアクセス先を提示した場合、ユーザから、提示した関連情報の取得指示を受け付けて関連情報を取得する処理を制御する。関連情報取得モジュール2036は、ユーザが関連情報へのアクセス先(リンク先)をクリック等して選択すると、当該リンク先へ遷移し、またはファイル等のダウンロードを開始し、関連情報を取得する。
【0063】
このとき、関連情報取得モジュール2036は、重要事項説明書のフォーマットごとに必要な情報として定義されている関連情報の一覧をユーザに提示し、ユーザから、取得する関連情報を選択する取得指示を受け付けて関連情報を取得してもよい。例えば、重要事項説明書のフォーマットが取引対象の不動産の種類ごとに異なるため、必要な関連情報が異なる場合もある。そのため、重要事項説明書のフォーマットごとに必要な関連情報を提示する。
【0064】
また、関連情報取得モジュール2036は、重要事項説明書の入力項目への入力内容に対応する関連情報の一覧をユーザに提示し、ユーザから、取得する関連情報を選択する取得指示を受け付けて関連情報を取得してもよい。例えば、重要事項説明書の入力項目として、当該建物の状況を入力するが、当該建物の状況に対応して必要な関連情報が異なる場合もある。また、重要事項説明書の入力項目として当該不動産の所在を入力するが、その所在により所管の市区町村役所が異なる。そのため、重要事項説明書のフォーマットごとに必要な関連情報及びリンク先を提示する。
【0065】
さらに、関連情報取得モジュール2036は、重要事項説明書のフォーマット、及び入力項目への入力内容の両方に対応する関連情報の一覧をユーザに提示し、関連情報を取得してもよい。
【0066】
さらにまた、関連情報取得モジュール2036は、提示した関連情報を自動取得、例えばスクレイピング等の手法による自動取得を行ってもよい。
【0067】
正当性判定示モジュール2037は、関連情報取得モジュール2036により取得した関連情報の内容に基づき、ユーザが重要事項説明書の入力項目として入力した記載内容の正当性を判定する処理を制御する。入力受付モジュール2035において、例えば、重要事項説明書の入力項目として、取引対象である不動産の情報として、登記事項に記載された権利関係の情報、各種法規制による制限事項の情報の記載を受け付けるが、正当性判定示モジュール2037は、これらの記載が、例えば、関連情報取得モジュール2036により取得した関連情報としての不動産調査票、不動産登記簿謄本との間で齟齬がないかチェックを行い、正当性を判定する。また、正当性判定示モジュール2037は、判定結果として、正当であること、または入力項目のうちのいずれかが正当でないことをユーザに提示する。
【0068】
例えば、正当性判定示モジュール2037は、関連情報リンクデータベース2022から関連情報のフォーマットとして格納されている記載項目の情報を読み取り、記載項目の情報に基づいて、取得した関連情報から必要な情報を読み取って取得する。関連情報の記載項目の情報とは、不動産調査票、不動産登記簿謄本等のフォーマット(ひな形)として定められている項目の、それぞれのフォーマットにおける位置情報(座標情報)であり、不動産調査票、不動産登記簿謄本等の関連情報が記載された書類をスキャンしたデータからOCR等により読み取る際に使用される。
【0069】
なお、正当性判定示モジュール2037は、関連情報としてそれぞれの記載項目が構造化データとして格納された情報を取得可能な場合、当該構造化データにおける位置情報を関連情報リンクデータベース2022から取得し、記載項目の取得に使用してもよい。また、正当性判定示モジュール2037は、ユーザが重要事項説明書の入力項目として入力した記載内容の誤字脱字チェック、記載漏れチェックを行う。
【0070】
出力モジュール2038は、正当性判定示モジュール2037による判定結果が正当であった場合、入力受付モジュール2035で受け付けた入力内容が記載された重要事項説明書を出力する処理を制御する。出力する重要事項説明書は、例えばPDF等の文書データである。
【0071】
<2 データ構造>
図4は、サーバ20が記憶するフォーマットデータベース2021、関連情報リンクデータベース2022のデータ構造を示す図である。
【0072】
図4に示すように、フォーマットデータベース2021のレコードのそれぞれは、項目「フォーマットID」と、項目「書類種類」と、項目「ファイル名」と、項目「入力項目情報」等を含む。
【0073】
項目「フォーマットID」は、入力事項チェックシステム1にて作成及び入力事項のチェックを行う、重要事項説明書のフォーマットそれぞれを識別する情報である。
【0074】
項目「書類種類」は、入力事項チェックシステム1にて作成及び入力事項のチェックを行う、重要事項説明書のフォーマットの名称を示す情報であり、例えば不動産団体の別、取引対象の不動産の種類別の情報が格納されている。
【0075】
項目「ファイル名」は、入力事項チェックシステム1にて作成及び入力事項のチェックを行う、重要事項説明書のフォーマットのファイル名を示す情報であり、例えばXML形式の帳票データである。
【0076】
項目「入力項目情報」は、入力事項チェックシステム1にて作成及び入力事項のチェックを行う、重要事項説明書のフォーマットにおける入力項目に関する情報であり、具体的には、項目「入力項目ID」と、項目「入力項目」と、項目「位置情報」等を含む。この項目「入力項目情報」は、入力項目抽出モジュール2034が重要事項説明書の入力項目を抽出する際、及び正当性判定示モジュール2037が入力項目の記載内容の正当性を判定する際に使用される項目である。
【0077】
項目「入力項目ID」は、入力項目それぞれを識別する情報である。
【0078】
項目「入力項目」は、入力項目の名称を示す情報であり、例えば売主、買主、宅地建物取引業者の情報等が格納されている。
【0079】
項目「位置情報」は、重要事項説明書のフォーマットにおける入力項目の位置情報を示す情報であり、例えば、XML形式の帳票データにおける各入力項目の定義名称の情報である。
【0080】
サーバ20の入力項目抽出モジュール2034は、重要事項説明書の入力項目を抽出するすることに伴って、フォーマットデータベース2021を参照する。また、正当性判定示モジュール2037は、入力項目の記載内容の正当性を判定することに伴って、フォーマットデータベース2021を参照する。
【0081】
関連情報リンクデータベース2022のレコードのそれぞれは、項目「関連情報ID」と、項目「書類名」と、項目「ファイル名」と、項目「記載項目情報」等を含む。
【0082】
項目「関連情報ID」は、入力事項チェックシステム1にて入力事項のチェックを行うための、判定基準となる関連情報それぞれを識別する情報である。
【0083】
項目「書類名」は、入力事項チェックシステム1にて入力事項のチェックを行うための、判定基準となる関連情報の名称を示す情報であり、例えば不動産調査票、登記事項証明書、道路台帳平面図等の名称が格納されている。
【0084】
項目「ファイル名」は、入力事項チェックシステム1にて入力事項のチェックを行うための、判定基準となる関連情報のファイル名を示す情報であり、例えばPDF形式の帳票データである。
【0085】
項目「記載項目情報」は、入力事項チェックシステム1にて入力事項のチェックを行うための、判定基準となる関連情報のフォーマット(ひな形)における記載項目に関する情報であり、具体的には、項目「記載項目ID」と、項目「記載項目」と、項目「位置情報」等を含む。この項目「記載項目情報」は、正当性判定示モジュール2037が重要事項説明書の入力項目の記載内容の正当性を判定する際に使用される項目である。
【0086】
項目「記載項目ID」は、記載項目それぞれを識別する情報である。
【0087】
項目「記載項目」は、記載項目の名称を示す情報であり、例えば権利関係の情報、各種法規制による制限事項の情報等が格納されている。
【0088】
項目「位置情報」は、関連情報のフォーマット(ひな形)における記載項目の位置情報を示す情報であり、例えば、PDF形式の帳票データにおける各記載項目の座標情報である。
【0089】
サーバ20の正当性判定示モジュール2037は、入力項目の記載内容の正当性を判定することに伴って、関連情報リンクデータベース2022を参照する。
【0090】
<3 動作>
以下、
図5及び
図6を参照しながら、第1の実施の形態における入力事項チェックシステム1によるフォーマット入力処理及び正当性チェック処理について説明する。なお、
図5及び
図6に示すフローチャートは、フォーマットの一覧をユーザに提示し、ユーザから選択入力を受け付け、選択したフォーマットを提示する場合のフローチャートであり、重要事項説明書の入力項目に記載内容が入力されたフォーマットの送信を受け付ける場合、後述するステップS111〜S112,S121〜122を備えなくてもよい。
【0091】
図5は、実施の形態1の入力事項チェックシステム1によるフォーマット入力処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【0092】
ステップS111において、端末装置10の入力操作受付部171は、重要事項説明書のフォーマットの一覧を表示させる指示入力を、ユーザから受け付ける。送受信部172は、受け付けた指示入力の情報をサーバ20へ送信する。送受信部172は、サーバ20から送信された重要事項説明書のフォーマット一覧の情報を受け付ける。通知制御部174は、受け付けた重要事項説明書のフォーマット一覧の情報を、ディスプレイ132に表示させる。
【0093】
ステップS121において、サーバ20のフォーマット一覧提示モジュール2033は、端末装置10から送信された重要事項説明書のフォーマット一覧を表示させる指示情報を、通信部201を介して受け付ける。フォーマット一覧提示モジュール2033は、受け付けた指示情報に基づき、フォーマットデータベース2021を読み取り、複数のそれぞれ異なる重要事項説明書のフォーマットの一覧の情報を、端末装置10へ通信部201を介して送信する。
【0094】
ステップS112において、端末装置10の入力操作受付部171は、表示された重要事項説明書のフォーマット一覧から、ユーザが作成する重要事項説明書を選択する入力を、当該ユーザから受け付ける。送受信部172は、受け付けた重要事項説明書の選択情報をサーバ20へ送信する。送受信部172は、サーバ20から送信された重要事項説明書のフォーマットと、入力項目の情報とを受け付ける。通知制御部174は、受け付けた重要事項説明書のフォーマットと、入力項目の情報とを、ディスプレイ132に表示させる。
【0095】
ステップS122において、サーバ20のフォーマット一覧提示モジュール2033は、端末装置10から送信された重要事項説明書の選択情報を、通信部201を介して受け付ける。入力項目抽出モジュール2034は、受け付けた重要事項説明書のフォーマットから、重要事項説明書を作成するための入力項目を抽出する。入力項目抽出モジュール2034は、重要事項説明書のフォーマットと、抽出した入力項目の情報を、端末装置10へ通信部201を介して送信する。
【0096】
ステップS113において、端末装置10の入力操作受付部171は、表示された重要事項説明書のフォーマットにおける、入力項目への入力を当該ユーザから受け付ける。送受信部172は、受け付けた入力項目への入力情報をサーバ20へ送信する。
【0097】
ステップS123において、サーバ20の入力受付モジュール2035は、端末装置10から、重要事項説明書の入力項目に記載内容が入力されたフォーマットの送信を、通信部201を介して受け付ける。または、ステップS122で抽出した入力項目への入力情報を、通信部201を介して受け付ける。正当性判定示モジュール2037は、受け付けた入力項目への入力情報について、誤字脱字チェック、記載漏れチェックを行う。
【0098】
以上のように、入力事項チェックシステム1のユーザは、重要事項説明書のフォーマットの一覧から、作成する重要事項説明書を選択する入力を行う。端末装置10に重要事項説明書のフォーマットと、入力項目が表示されるので、ユーザは、入力項目への入力を行う。そのため、重要事項説明書として定められた非常に多数のフォーマットから、所望のフォーマットを選択することが容易になる。
【0099】
図6は、実施の形態1の入力事項チェックシステム1による正当性チェック処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【0100】
ステップS211において、端末装置10の入力操作受付部171は、重要事項説明書の入力項目への入力を行ったユーザから、重要事項説明書の記載内容に関する資料としてあらかじめ定義された関連情報へのアクセス先の一覧を表示させる指示入力を受け付ける。送受信部172は、受け付けた指示入力の情報をサーバ20へ送信する。送受信部172は、サーバ20から送信された関連情報の一覧の情報を受け付ける。通知制御部174は、受け付けた関連情報の一覧の情報を、ディスプレイ132に表示させる。
【0101】
ステップS221において、サーバ20の関連情報取得モジュール2036は、端末装置10から送信された関連情報へのアクセス先の一覧を表示させる指示情報を、通信部201を介して受け付ける。関連情報取得モジュール2036は、受け付けた指示情報に基づき、関連情報リンクデータベース2022を読み取り、該当の関連情報のアクセス先の一覧の情報を、端末装置10へ通信部201を介して送信する。
【0102】
ステップS212において、端末装置10の入力操作受付部171は、表示された関連情報の一覧から、ユーザが必要とする関連情報を選択する入力を、当該ユーザから受け付ける。送受信部172は、受け付けた関連情報の選択情報をサーバ20へ送信する。送受信部172は、サーバ20またはリンク先から送信(ダウンロード)された関連情報を受け付ける。通知制御部174は、受け付けた関連情報を、ディスプレイ132に表示させる。
【0103】
ステップS222において、サーバ20の関連情報取得モジュール2036は、端末装置10から送信された関連情報の選択情報を、通信部201を介して受け付ける。関連情報取得モジュール2036は、受け付けた関連情報のリンク先へ遷移し、またはファイル等のダウンロードを開始し、関連情報を取得する。関連情報取得モジュール2036は、関連情報を、端末装置10へ通信部201を介して送信する。
【0104】
ステップS223において、サーバ20の正当性判定示モジュール2037は、ステップS222で取得した関連情報の内容に基づき、ユーザが重要事項説明書の入力項目として入力した記載内容の正当性を判定する。正当性判定示モジュール2037は、正当性の判定結果である、チェック内容、及び正当であるか否かの情報を、端末装置10へ通信部201を介して送信する。
【0105】
ステップS213において、端末装置10の送受信部172は、サーバ20から送信された正当性の判定結果である、チェック内容、及び正当であるか否かの情報を受け付ける。通知制御部174は、受け付けた判定結果の情報を、ディスプレイ132に表示させる。
【0106】
ステップS214において、端末装置10の入力操作受付部171は、表示された判定結果が正当である場合、ユーザから、入力内容が記載された重要事項説明書を出力する指示入力を、当該ユーザから受け付ける。送受信部172は、受け付けた出力指示入力の情報をサーバ20へ送信する。送受信部172は、サーバ20またはリンク先から送信された重要事項説明書の情報を受け付ける。通知制御部174は、受け付けた重要事項説明書を、ディスプレイ132に表示させ、ユーザの指示により印刷させる。
【0107】
ステップS224において、サーバ20の出力モジュール2038は、端末装置10から送信された出力指示情報を、通信部201を介して受け付ける。出力モジュール2038は、重要事項説明書の情報を、端末装置10へ通信部201を介して送信する。
【0108】
以上のように、入力事項チェックシステム1では、ユーザが重要事項説明書の入力項目への入力を行うと、ユーザに対して重要事項説明書の記載内容に関する資料である関連情報へのアクセス先の一覧を提示し、関連情報を取得する。関連情報の内容に基づき、ユーザが重要事項説明書の入力項目として入力した記載内容の正当性を判定する。これにより、登記記録に記載された事項の記載と、実際の不動産登記簿謄本(登記事項証明書)との間で記載内容に齟齬がないかチェックを行うことが可能である。
【0109】
<4 画面例>
以下、
図7ないし
図10を参照しながら、入力事項チェックシステム1による正当性チェック処理の画面例について説明する。
【0110】
図7は、実施の形態1の入力事項チェックシステム1によるフォーマット一覧の表示処理の画面例を示す図である。
図7の画面例は、端末装置10のディスプレイ132に、サーバ20から送信された重要事項説明書のフォーマット一覧が表示された状態の画面例を示す。
図5のステップS111に相当する。
【0111】
図7に示すように、端末装置10のディスプレイ132には、重要事項説明書のフォーマットの一覧として、フォーマット選択ボタン1031a〜1031fが表示されている。フォーマット選択ボタン1031a〜1031fは、後続処理であるステップS112において、ユーザが重要事項説明書を選択するためのボタンであり、例えば、フォーマット選択ボタン1031aは、一般売主の場合のマンション用重要事項説明書を示している。同様に、フォーマット選択ボタン1031bは、売主が宅建業者の場合のマンション用重要事項説明書を示しており、フォーマット選択ボタン1031cは、事業用賃貸物件用の重要事項説明書を示しており、フォーマット選択ボタン1031dは、住宅用賃貸物件の重要事項説明書を示しており、フォーマット選択ボタン1031eは、一般売主の場合の土地建物用重要事項説明書を示しており、フォーマット選択ボタン1031fは、売主が宅建業者の場合の土地建物用重要事項説明書を示している。なお、この例は、不動産団体が、「全国宅地建物取引業協会連合会」の場合の例である。
【0112】
後続処理のステップS112では、ユーザがフォーマット選択ボタン1031a〜1031fのいずれか、または
図7に示されていない他のフォーマット選択ボタンを押下することにより、重要事項説明書を選択する。
【0113】
図8は、実施の形態1の入力事項チェックシステム1によるフォーマット表示処理の画面例を示す図である。
図8の画面例は、端末装置10のディスプレイ132に、サーバ20から送信された重要事項説明書のフォーマットと、入力項目が表示された状態の画面例を示す。
図5のステップS112に相当する。
【0114】
図8に示すように、端末装置10のディスプレイ132には、重要事項説明書のフォーマット1032aが表示されている。このフォーマット1032aには、重要事項説明書の入力項目の例として、買主名入力欄1032bと、売主名入力欄1032cと、宅地建物取引業者入力欄1032d,1032eとが設けられている。これらの入力欄1032b〜1032eは、重要事項説明書のフォーマット1032aから抽出された入力項目である。
【0115】
後続処理のステップS113では、ユーザが入力欄1032b〜1032e、及び
図8に示されていない他の入力項目に対して、入力を行う。
【0116】
図9は、実施の形態1の入力事項チェックシステム1による関連情報一覧の表示処理の画面例を示す図である。
図9の画面例は、端末装置10のディスプレイ132に、サーバ20から送信された関連情報の一覧が表示された状態の画面例を示す。
図6のステップS211に相当する。
【0117】
図9に示すように、端末装置10のディスプレイ132には、関連情報一覧1033aが表示されている。この関連情報一覧1033aには、関連情報一覧の中からどの関連情報を取得するかを選択する例として、チェックボックス1033bと、一括ダウンロードを指示する一括ダウンロードボタン1033cとが設けられている。
【0118】
後続処理のステップS212では、ユーザがチェックボックス1033bから必要とする関連情報を選択してクリック等してチェックを入れ、一括ダウンロードボタン1033cを押下することで、サーバ20またはリンク先から送信(ダウンロード)された関連情報を取得する。
【0119】
図10は、実施の形態1の入力事項チェックシステム1による正当性チェック結果の表示処理の画面例を示す図である。
図10の画面例は、端末装置10のディスプレイ132に、サーバ20から送信された正当性の判定結果である、チェック内容、及び正当であるか否かの情報が表示された状態の画面例を示す。
図6のステップS213に相当する。
図10の画面例は、正当性の判定結果が正当ではない場合の例である。
【0120】
図10に示すように、端末装置10のディスプレイ132には、
図8に示す重要事項説明書のフォーマット1032aと同様の、フォーマット1034aが表示されている。このフォーマット1034aには、
図8に示す買主名入力欄1032b、売主名入力欄1032c、宅地建物取引業者入力欄1032d,1032eと同様の、買主名入力欄1034b、売主名入力欄1034c、宅地建物取引業者入力欄1034d,1034eが設けられている。さらに、
図10には、チェック結果の例として、チェック結果表示1034fが表示されている。
図10に示す例では、チェック結果表示1034fは正当でない入力項目に重ねて吹き出しで表示しているが、当該項目を強調表示(例えば、色彩を変更)してもよく、リストとして一覧表示してもよい。
【0121】
<小括>
以上のように、本実施形態によると、重要事項説明書のフォーマットの一覧をユーザに提示し、ユーザの選択により重要事項説明書のフォーマットを提示し、入力項目を抽出して提示する。ユーザが重要事項説明書の入力項目への入力を行うと、重要事項説明書の記載内容に関する資料である関連情報へのアクセス先の一覧を提示して、関連情報を取得する。関連情報の内容に基づき、ユーザが重要事項説明書の入力項目として入力した記載内容の正当性を判定する。そのため、重要事項説明書を作成するための関連情報の収集、及びその関連情報との突合による正当性の判定を行うことが可能である。これにより、不動産取引における顧客からの信頼の維持につなげることが可能になる。
【0122】
また、それぞれ異なる複数の重要事項説明書のフォーマットの一覧をユーザに提示し、ユーザから選択入力を受け付け、選択した重要事項説明書のフォーマットをユーザに提示する。これにより、非常に多数のフォーマットが定められている重要事項説明書から、適切なフォーマットを選択することが可能である。
【0123】
さらに、正当性の判定結果が正当であった場合、作成した重要事項説明書を出力する。これにより、入力した重要事項説明書を利用することが可能である。
【0124】
以上、開示に係る実施形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換および変更を行なって実施することが出来る。これらの実施形態および変形例ならびに省略、置換および変更を行なったものは、特許請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。
【0125】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を、以下に付記する。
【0126】
(付記1)プロセッサ29と、メモリ25とを備えるコンピュータに実行させ、重要事項説明書の出力を行うためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、ユーザから、重要事項説明書の入力項目に記載内容が入力されたフォーマットの送信を受け付けるステップ(S123)と、重要事項説明書の記載内容に関する資料としてあらかじめ定義された関連情報を取得するステップ(S222)と、関連情報の内容に基づき、入力項目に入力された記載内容の正当性を判定するステップと、入力項目に入力された記載内容の正当性の判定結果を出力するステップ(S223)と、を実行させる、プログラム。
【0127】
(付記2)プロセッサ29と、メモリ25とを備えるコンピュータに実行させ、重要事項説明書の出力を行うためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、複数の重要事項説明書のフォーマットの一覧を提示し、ユーザから重要事項説明書の選択の入力を受け付けるステップ(S121)と、選択された重要事項説明書における入力項目を抽出し、ユーザに提示するステップ(S122)と、ユーザから、入力項目に記載する情報の入力を受け付けるステップ(S123)と、重要事項説明書の記載内容に関する資料としてあらかじめ定義された関連情報へのアクセス先を提示し、関連情報の取得指示を受け付けて関連情報を取得するステップ(S222)と、関連情報の内容に基づき、入力項目に入力された記載内容の正当性を判定するステップ(S223)と、入力項目に入力された記載内容の正当性の判定結果を出力するステップ(S224)と、を実行させる、プログラム。
【0128】
(付記3)重要事項説明書のフォーマットごとに関連情報の一覧をユーザに提示し、ユーザが関連情報を選択し、関連情報の取得指示を受け付ける、(付記2)に記載のプログラム。
【0129】
(付記4)入力項目への入力内容に対応する関連情報の一覧をユーザに提示し、ユーザが関連情報を選択し、関連情報の取得指示を受け付ける、(付記2)または(付記3)に記載のプログラム。
【0130】
(付記5)関連情報の取得先のリンク情報をユーザに提示する、(付記2)から(付記4)のいずれかに記載のプログラム。
【0131】
(付記6)プログラムは、さらに、入力項目に入力された記載内容が正当であると判定した場合、重要事項説明書を出力する、(付記1)から(付記5)のいずれかに記載のプログラム。
【0132】
(付記7)プログラムは、さらに、関連情報へのアクセス先にアクセスし、関連情報を取得するステップを実行させる、(付記1)から(付記6)のいずれかに記載のプログラム。
【0133】
(付記8)重要事項説明書のフォーマット、入力項目への入力内容のいずれかまたは両方に対応する関連情報を取得する、(付記7)に記載のプログラム。
【0134】
(付記9)関連情報の記載内容を読み取って入力項目との紐付けを行い、入力項目に入力された記載内容の正当性を判定する、(付記1)から(付記8)のいずれかに記載のプログラム。
【0135】
(付記10)メモリは、関連情報のフォーマット情報を記憶し、関連情報のフォーマット情報に基づき、関連情報の記載内容を読み取る、(付記9)に記載のプログラム。
【0136】
(付記11)メモリは、関連情報のフォーマット情報として、関連情報が記載された書類をスキャンした画像データにおける、関連情報の記載内容ごとの座標情報を記憶し、関連情報の記載内容ごとの座標情報に基づいて関連情報の記載内容を特定し、関連情報の記載内容を読み取る、(付記10)に記載のプログラム。
【0137】
(付記12)メモリは、関連情報のフォーマット情報として、関連情報が格納された構造化データにおける、関連情報の記載内容ごとの位置情報を記憶し、関連情報の記載内容ごとの位置情報に基づいて関連情報の記載内容を特定し、関連情報の記載内容を読み取る、(付記10)に記載のプログラム。
【0138】
(付記13)制御部203と、記憶部202とを備え、重要事項説明書の出力を行う情報処理装置であって、制御部203は、ユーザから、重要事項説明書の入力項目に記載内容が入力されたフォーマットの送信を受け付ける(2035)ステップと、重要事項説明書の記載内容に関する資料としてあらかじめ定義された関連情報を取得する(2036)ステップと、関連情報の内容に基づき、前記入力項目に入力された記載内容の正当性を判定する(2037)ステップと、入力項目に入力された記載内容の正当性の判定結果を出力する(2038)ステップと、を行う、情報処理装置。
【0139】
(付記14)制御部203と、記憶部202とを備え、重要事項説明書の出力を行う情報処理装置であって、制御部は、複数の重要事項説明書のフォーマットの一覧を提示し、ユーザから重要事項説明書の選択の入力を受け付ける(2033)ステップと、選択された重要事項説明書における入力項目を抽出し、ユーザに提示する(2034)ステップと、ユーザから、入力項目に記載する情報の入力を受け付ける(2035)ステップと、重要事項説明書の記載内容に関する資料としてあらかじめ定義された関連情報へのアクセス先を提示し、関連情報の取得指示を受け付けて関連情報を取得する(2036)ステップと、関連情報の内容に基づき、入力項目に入力された記載内容の正当性を判定する(2037)ステップと、入力項目に入力された記載内容の正当性の判定結果を出力する(2038)ステップと、を行う、情報処理装置。
【0140】
(付記15)プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータにより実行され、重要事項説明書の出力を行うための方法であって、方法は、プロセッサが、ユーザから、重要事項説明書の入力項目に記載内容が入力されたフォーマットの送信を受け付けるステップ(S123)と、重要事項説明書の記載内容に関する資料としてあらかじめ定義された関連情報を取得するステップ(S222)と、関連情報の内容に基づき、入力項目に入力された記載内容の正当性を判定するステップ(S223)と、入力項目に入力された記載内容の正当性の判定結果を出力するステップ(S224)と、を実行する、方法。
【0141】
(付記16)プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータにより実行され、重要事項説明書の出力を行うための方法であって、方法は、プロセッサが、複数の重要事項説明書のフォーマットの一覧を提示し、ユーザから重要事項説明書の選択の入力を受け付けるステップ(S121)と、選択された重要事項説明書における入力項目を抽出し、ユーザに提示するステップ(S122)と、ユーザから、入力項目に記載する情報の入力を受け付けるステップ(S123)と、重要事項説明書の記載内容に関する資料としてあらかじめ定義された関連情報へのアクセス先を提示し、関連情報の取得指示を受け付けて関連情報を取得するステップ(S222)と、関連情報の内容に基づき、入力項目に入力された記載内容の正当性を判定するステップ(S223)と、入力項目に入力された記載内容の正当性の判定結果を出力するステップ(S224)と、を実行する、方法。
【解決手段】入力事項チェックシステム1のサーバ20は、その機能として、複数の重要事項説明書のフォーマットの一覧を提示して選択する入力を受け付けるフォーマット一覧提示モジュール2033と、受け付けた重要事項説明書のフォーマットから入力項目を抽出して提示する入力項目抽出モジュール2034と、入力項目への入力を受け付ける入力受付モジュール2035と、定義された関連情報へのアクセス先を提示して取得する関連情報取得モジュール2036と、関連情報の内容に基づき、入力した記載内容の正当性を判定する正当性判定示モジュール2037と、判定結果が正当な場合に重要事項説明書を出力する出力モジュール2038と、を備える。