(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の放射線量は、前記撮像データの第1のセットに基づいて決定され、前記第2の放射線量は、前記撮像データの第2のセットに基づいて決定される、請求項1に記載のシステム。
前記撮像データの第1および第2のセットは、陽電子消滅放出データ、kV X線データ、k空間内でのMRIサブサンプリング、およびMV検出器データから成る群から選択される、請求項2に記載のシステム。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書に開示されるものは、シャトルモード放射線送達のためのシステムおよび方法である。シャトルモード放射線送達は、連続的プラットフォーム運動または段階的プラットフォーム運動の有無を問わず、ヘリカルトモセラピにおいて使用されてもよい。ヘリカルトモセラピのための放射線療法システムは、患者治療領域を中心として回転する、回転可能ガントリと、回転可能ガントリ上に搭載される、療法用放射線源と、患者治療領域内で移動可能である、患者プラットフォームまたはカウチとを備えてもよい。いくつかの変形例では、本システムはさらに、(例えば、患者プラットフォームの移動の方向に沿って)移動可能であるジョーおよび療法用放射線源によって放出される放射線を成形する動的マルチリーフコリメータ(MLC)を含む、療法用放射線源のビーム経路内に配置される、ビーム成形要素を備えてもよい。放射線療法システムのいくつかの変形例はさらに、1つ以上のPET検出器を備えてもよい。放射線送達システムは、治療セッションの間に患者プラットフォームを患者治療領域の同一の区画を通して複数回移動させるように構成されてもよい。これは、患者プラットフォームまたはカウチシャトリング(すなわち、カウチシャトルモード)と称され得る。放射線量送達のためのシステムは、患者プラットフォームが治療セッションの間に患者治療領域を通して(連続的に、または段階的に)移動しながら、ある範囲の位置を横断してジョーを移動させるように構成されてもよい。ジョーは、治療セッションの間に同一範囲の位置を横断して複数回移動してもよい。これは、ジョーシャトリング(すなわち、ジョーシャトルモード)と称され得、これは、患者標的領域にわたって均一なジョー滞留時間を提供することに役立ち得る。いくつかの放射線送達システムは、カウチシャトリングおよびジョーシャトリングの両方を実施するように構成されてもよい。本明細書に説明されるシステムおよび方法は、腫瘍移動に起因する線量変調を軽減し、標的領域への均質な線量送達を助長することに役立ち得る。例えば、本明細書に説明されるシステムおよび方法は、腫瘍移動およびジョー/MLC相互作用アーチファクトに起因する線量変調を軽減することに役立ち得、また、腫瘍の低周波数運動(例えば、約数十秒の周期を有する腫瘍運動、数秒にわたる腫瘍偏移)に起因する線量変調を補償し得る。
【0005】
放射線送達システムの一変形例は、ガントリと、ガントリ上に搭載され、放射線治療ビーム平面内に放射線を印加するように構成される、療法用放射線源と、ガントリに対して移動可能である、プラットフォームと、ガントリ、放射線源、およびプラットフォームと通信する、コントローラとを備えてもよい。コントローラは、患者が放射線治療ビーム平面を通過するように、プラットフォーム上に位置する患者を第1の場所から第2の場所に移動させながら、撮像データの第1のセットを入手し、患者が放射線治療ビーム平面を通過する際、放射線源を用いて第1の放射線量を印加するように構成されてもよく、第1の放射線量は、撮像データの第1のセットから導出される。コントローラはさらに、患者が放射線治療ビーム平面を通過するように、患者を第2の場所から第1の場所に移動させながら、撮像データの第2のセットを入手し、患者が放射線治療ビーム平面を通過する際、放射線源を用いて第2の放射線量を印加するように構成されてもよく、第2の放射線量は、撮像データの第2のセットから導出され、第2の放射線量は、第1の放射線量と異なる。
【0006】
第1の放射線量は、撮像データの第1のセットに基づいて決定されてもよく、第2の放射線量は、撮像データの第2のセットに基づいて決定されてもよい。撮像データの第1および/または第2のセットは、例えば、陽電子消滅放出データ、kV X線データ、またはk空間内でのMRIサブサンプリングを含んでもよい。コントローラはさらに、第1の放射線量に基づいて、正規化係数k
2を計算するように構成されてもよく、第2の放射線量は、少なくとも部分的に、正規化係数および撮像データの第2のセットを使用して決定されてもよい。コントローラはさらに、放射線療法システムプラットフォーム上に位置する患者の標的領域のプレスキャン画像(X
prescan)を入手し、プレスキャン画像(X
prescan)に基づいて、第1の正規化係数k
1を計算するように構成されてもよく、正規化係数k
2は、第2の正規化係数である。患者を第1の場所から第2の場所に移動させるステップは、第1のシャトル通過を画定してもよく、患者を第2の場所から第1の場所に移動させるステップは、第2のシャトル通過を画定してもよく、コントローラは、シャトル通過の回数(N)および累積減衰係数(α)を選択し、正規化された減衰係数(β)を計算するように構成されてもよく、但し、i=1、…、Nに関して、
【化1】
である。さらに、第1の放射線量(D
1,calculated)は、撮像データの第1のセットに基づいて計算され、第1の正規化係数k
1によってスケーリングされてもよい。第1の放射線量(D
1,calculated)は、撮像データの第1のセットに治療計画の放射線発射マトリクス(RFM)を乗算し、標的領域の空間的場所に対応するビットマスクBFZを用いて空間的にフィルタ処理され、第1の正規化係数k
1を乗算されることによって計算されてもよい。第2の正規化係数k
2を計算するステップは、放射線送達の(N−1)回の通過にわたって送達された線量D
1,calculatedを合計することによって予測累積線量(D
1,predicted cumulative)を計算し、計画線量(D
plan)と第1の放射線量(D
1,calculated)との間の差異を計算し、予測累積線量(D
1,predicted cumulative)に対する線量差の比率を求めるステップを含んでもよい。第2の放射線量(D
2,calculated)は、撮像データの第2のセットに治療計画のRFMを乗算し、標的領域の空間的場所に対応するビットマスクBFZを用いて空間的にフィルタ処理され、第1の正規化係数k
2を乗算されることによって計算されてもよい。いくつかの変形例では、第1の正規化係数k
1は、以下によって決定されてもよく、
【化2】
但し、D
planは、治療計画において規定されるような放射線量またはフルエンスであり、D
0,rawは、以下によって与えられる放射線フルエンスであり、
【化3】
D
prescanは、プレスキャン画像(X
prescan)に治療計画の放射線発射マトリクス(RFM)を乗算し、標的領域の空間的場所に対応するビットマスクBFZを用いて空間的にフィルタ処理され、線量計算マトリクスを乗算されることによって計算される、放射線フルエンスである。予測累積線量(D
1,predicted cumulative)を計算するステップは、撮像データの第1のセットに治療計画の放射線発射マトリクス(RFM)を乗算し、標的領域の空間的場所に対応するビットマスクBFZを用いて空間的にフィルタ処理されることからもたらされる、任意の負の放射線フルエンスを加算するステップを含んでもよい。
【0007】
治療セッションの間に放射線を送達するための放射線送達システムの別の変形例は、ガントリと、ガントリ上に搭載される、療法用放射線源と、ガントリ上に搭載される、撮像システムと、ガントリ、放射線源、および撮像システムと通信する、コントローラとを備えてもよい。コントローラは、撮像システムを用いてプラットフォーム上に位置する患者の撮像データを入手し、治療計画量の放射線D
planを送達するために、放射線源を用いてある放射線量を患者に印加するように構成されてもよく、その放射線量は、入手された撮像データから導出される。コントローラはさらに、患者への放射線の印加を停止し、放射線の印加を停止することに先立って患者に印加された放射線の量D
delivered,pre−interruptおよび放射線印加が停止されたときのプラットフォームの場所を記憶し、付加的撮像データを入手しながら、患者への放射線印加を再開するように構成されてもよく、患者に印加される第2の放射線量は、付加的撮像データから導出され、D
planとD
delivered,pre−interruptとの間の差異に従って調節される。
【0008】
放射線印加を再開するステップは、放射線の印加が停止されたときのプラットフォームの場所に戻るように患者プラットフォームを移動させるステップを含んでもよい。放射線の印加を停止する前に印加される量は、第1の放射線量であってもよく、放射線の印加を停止する前に治療セッションの間に入手された撮像データx
iから導出されてもよい。さらに、第1の放射線量は、入手された撮像データx
iに放射線発射マトリクスRFMを乗算し、生物学的発射区域ビットマスクBFZを適用することによって導出されてもよく、RFMおよびBFZは、治療計画セッションの間に計算される。いくつかの変形例では、ある放射線量を患者に印加するステップは、患者プラットフォームを第1の場所から第2の場所に療法用放射線ビーム平面を通して移動させるとき、撮像データの第1のセットx
1を入手しながら、第1の通過の放射線を印加するステップを含んでもよく、第1の通過の間に放出される放射線量(D
1,calc)は、撮像データの第1のセットx
1に放射線発射マトリクスRFMを乗算し、生物学的発射区域ビットマスクBFZを適用し、D
1,rawを取得し、第1の正規化係数k
1によってD
1,rawをスケーリングすることによって導出されてもよい。さらに、いくつかの変形例では、第1の正規化係数k
1は、治療セッションの間に入手された患者のプレスキャン画像に放射線発射マトリクスRFMを乗算し、生物学的発射区域ビットマスクBFZを適用することによって、放射線量D
0,rawを計算し、D
0,rawに治療セッションにおける放射線通過合計回数Nを乗算することによって、累積予測線量D
0,predicted cumulativeを計算し、D
planと累積予測線量D
0,predicted cumulativeとの間の比率を求めることによって計算されてもよい。いくつかの変形例では、ある放射線量を患者に印加するステップはさらに、患者プラットフォームを第2の場所から第1の場所に療法用放射線ビーム平面を通して移動させるとき、撮像データの第2のセットx
2を入手しながら、第2の通過の放射線を印加するステップを含んでもよく、第2の通過の間に放出される放射線量(D
2,calc)は、撮像データの第2のセットx
2に放射線発射マトリクスRFMを乗算し、生物学的発射区域ビットマスクBFZを適用し、D
2,rawを取得し、第2の正規化係数k
2によってD
2,rawをスケーリングすることによって導出される。患者への放射線の印加を停止するステップは、放射線の第2の通過の間に放射線の印加を停止するステップを含んでもよい。加えて、または代替として、患者への放射線印加を再開するステップは、撮像データの再開されたセットx
2,resumedを入手し、ある放射線量を放出するステップを含んでもよく、その放射線量は、撮像データの再開されたセットx
2,resumedに放射線発射マトリクスRFMを乗算し、生物学的発射区域ビットマスクBFZを適用し、D
2,raw,post−interruptを取得し、第2の正規化係数k
2によってD
2,raw,post−interruptをスケーリングすることによって導出されてもよく、放射線の印加を停止する前に印加され得る放射線量は、D
2,raw,pre−interruptである。さらに、患者への放射線印加を再開するステップはさらに、患者プラットフォームを第1の場所から第2の場所に療法用放射線ビーム平面を通して移動させるとき、撮像データの第3のセットx
3を入手しながら、第3の通過の放射線を印加するステップを含んでもよく、第3の通過の間に放出される放射線量は、撮像データの第3のセットx
3に放射線発射マトリクスRFMを乗算し、生物学的発射区域ビットマスクBFZを適用し、第3の正規化係数k
3によってスケーリングすることによって導出されてもよい。いくつかの変形例では、第3の正規化係数k
3は、D
planと、第1の通過D
1,calcおよび第2の通過D
2,calcにおいて印加される累積放射線量との間の差異を計算し、(D
2,raw,pre−interrupt+D
2,raw,post−interrupt)にN−3を乗算することによって、累積予測線量D
2,predicted cumulativeを計算し、(D
plan−(D
1,calc+D
2,calc))と累積予測線量D
2,predicted cumulativeとの間の比率を求めることによって計算されてもよい。いくつかの変形例では、患者への放射線の印加を停止するステップは、放射線の第2の通過の間に放射線の印加を停止するステップを含んでもよく、患者への放射線印加を再開するステップは、患者の第2のプレスキャン画像を入手するステップと、放射線印加が停止されたときの患者プラットフォームの場所に戻るように患者プラットフォームを移動させるステップと、撮像データの再開されたセットx
2,resumedを入手し、撮像データの再開されたセットx
2,resumedに放射線発射マトリクスRFMを乗算し、生物学的発射区域ビットマスクBFZを適用し、D
2,raw,post−interruptを取得し、再開された正規化係数k
2_resumedによってD
2,raw,post−interruptをスケーリングすることによって導出される放射線量を放出するステップであって、放射線の印加を停止する前に印加される放射線量は、D
2,raw,pre−interruptである、ステップとを含んでもよい。さらに、再開された正規化係数k
2_resumedは、患者の第2のプレスキャン画像に放射線発射マトリクスRFMを乗算し、生物学的発射区域ビットマスクBFZを適用することによって、放射線量D
2,raw,post−interruptを計算し、(D
2,raw,pre−interrupt+D
2,raw,post−interrupt)にN−2を乗算することによって、累積予測線量D
2,predicted cumulativeを計算し、D
planと累積予測線量D
2,predicted cumulativeとの間の比率を求めることによって計算されてもよい。患者への放射線印加を再開するステップはさらに、患者プラットフォームを第1の場所から第2の場所に療法用放射線ビーム平面を通して移動させるとき、撮像データの第3のセットx
3を入手しながら、第3の通過の放射線を印加するステップを含んでもよく、第3の通過の間に放出される放射線量は、撮像データの第3のセットx
3に放射線発射マトリクスRFMを乗算し、生物学的発射区域ビットマスクBFZを適用し、第3の正規化係数k
3によってスケーリングすることによって導出される。第3の正規化係数k
3は、D
planと、第1の通過D
1,calcおよび第2の通過D
2,calcにおいて印加される累積放射線量との間の差異を計算し、(D
2,raw,pre−interrupt+D
2,raw,post−interrupt)にN−3を乗算することによって、累積予測線量D
2,predicted cumulative を計算し、(D
plan−(D
1,calc+D
2,calc))と累積予測線量D
2,predicted cumulativeとの間の比率を求めることによって計算されてもよい。
【0009】
放射線送達システムの別の変形例は、ガントリと、ガントリ上に搭載され、放射線治療ビーム平面内に放射線を印加するように構成される、療法用放射線源と、ガントリ上に搭載される、複数のPET検出器と、ガントリに対して移動可能である、プラットフォームと、ガントリ、療法用放射線源、およびプラットフォームと通信する、コントローラとを備えてもよい。コントローラは、プラットフォーム上の患者の画像を入手し、患者の画像に基づいて、正規化係数を計算し、事前選択された回数のシャトル通過を横断して患者に放射線を送達するように構成されてもよい。各シャトル通過において、コントローラは、計算された正規化係数を用いて治療計画の放射線発射マトリクスを更新し、患者内の標的領域が少なくとも2回放射線治療ビーム平面を横断するように、プラットフォームを第1の所定の場所から第2の所定の場所に、かつ第1の所定の場所に戻るように移動させ、PET検出器を使用してPETデータを入手し、更新された放射線発射マトリクスおよび入手されたPETデータに基づいて、患者に放射線を送達し、プラットフォームが第1の所定の場所に戻るように移動したとき、患者に送達されたフルエンスを計算し、患者に送達されたフルエンスと治療計画フルエンスとの間のフルエンス差を計算し、フルエンス差に基づいて、更新された正規化係数を計算するように構成されてもよい。
【0010】
PET検出器は、放射線治療ビーム平面と同一平面であってもよく、いくつかの変形例では、入手された画像は、PET画像であってもよい。例えば、正規化係数の計算は、入手されたPET画像内の標的領域のPET強度の平均を計算するステップを含んでもよい。シャトル通過の事前選択された回数は、偶数であってもよい。例えば、シャトル通過の事前選択された回数は、2回以上の回数であってもよい。いくつかの変形例では、更新された正規化係数を計算するステップは、療法用放射線源によって放出される放射線の平均フルエンス値を計算するステップを含んでもよい。加えて、または代替として、更新された正規化係数を計算するステップは、標的領域への放射線の平均計画線量値と放射線の平均送達線量値との比率を計算するステップを含んでもよい。更新された放射線発射マトリクスおよび入手されたPETデータに基づいて放射線を送達するステップは、更新された放射線発射マトリクスに入手されたPETデータの1つ以上の応答ライン(LOR)を乗算し、送達フルエンスマップを導出するステップと、送達フルエンスマップに従って、療法用放射線源を使用して放射線を生成するステップとを含んでもよい。いくつかの変形例では、放射線送達システムはさらに、療法用放射線源にわたって配置される、移動可能ジョーと、ジョーに結合される、マルチリーフコリメータとを備えてもよく、治療平面は、療法用放射線源に対する移動可能ジョーの位置およびマルチリーフコリメータの構成によって画定される。これらの変形例では、コントローラは、放射線が患者に送達されるとき、移動可能ジョーを第1のジョー場所から第2のジョー場所に、かつ第1のジョー場所に戻るように移動させるように構成されてもよい。いくつかの変形例では、コントローラは、計算された正規化係数によって画像を調節することによって、予測線量および線量値ヒストグラムを計算するように構成されてもよい。
【0011】
放射線送達システムの別の変形例は、ガントリと、療法用放射線源と、放射線療法システムプラットフォームと、コントローラとを備えてもよい。移動可能ジョーおよびマルチリーフコリメータの両方は、放射線源の放射線ビーム経路内に配置されてもよく、放射線源に対する移動可能ジョーの位置およびマルチリーフコリメータの構成は、治療平面を画定してもよい。加えて、コントローラは、ガントリ、放射線源、および放射線療法システムプラットフォームと通信してもよい。コントローラは、(a)患者内の1つ以上の標的領域が治療平面を横断するように、プラットフォームを第1の所定の場所から第2の所定の場所に移動させることによって、プラットフォーム上に位置する患者を移動させ、(b)1つ以上の標的領域の一部が治療平面を横断するとき、放射線源を用いて患者に放射線を送達するように構成されてもよく、放射線の送達は、次のプラットフォーム場所に移動する前に放射線源から放射線を放出しながら、移動可能ジョーを第1のジョー場所から第2の場所に、かつ第1のジョー場所に戻るように移動させるステップを含む。
【0012】
プラットフォームを移動させるステップは、プラットフォームを一連の所定の増分の患者プラットフォーム場所において移動させるステップを含んでもよく、患者に放射線を送達するステップは、標的領域が治療平面を横断する各プラットフォーム場所において放射線を送達するステップを含んでもよい。プラットフォームを移動させるステップは、縦方向軸に沿ってプラットフォームを平行移動させるステップを含み、移動可能ジョーを移動させるステップは、治療平面が縦方向軸に沿って偏移するようにジョーを移動させるステップを含む。移動可能ジョーを移動させるステップは、治療平面を縦方向軸に沿って約3cm〜約6cm、および/または約0.5cm/秒の速度において偏移させてもよい。さらに、コントローラは、放射線が患者に送達される前に患者の画像を入手するように構成されてもよい。例えば、本システムは、応答ライン(LOR)を含むPETデータを入手するように構成される、複数のPET検出器を備えてもよく、患者に放射線を送達するステップは、治療計画の放射線発射マトリクスに1つ以上のLORを乗算し、送達フルエンスマップを導出するステップと、送達フルエンスマップに従って、療法用放射線源を使用して放射線を生成するステップとを含んでもよい。入手された画像は、PET画像であってもよい。いくつかの変形例では、コントローラは、シャトル通過の事前選択された回数だけステップ(a)および(b)を繰り返すように構成されてもよい。例えば、シャトル通過の事前選択された回数は、2回以上の回数であってもよい。
【0013】
放射線送達システムの別の変形例は、ガントリと、療法用放射線源と、ガントリおよび放射線源と通信する、コントローラとを備えてもよい。コントローラは、以前の放射線送達セッションの間に患者標的領域に送達された放射線フルエンスを計算し、標的領域への送達放射線フルエンスを標的領域への治療計画フルエンスと比較し、フルエンス差を計算し、計算されたフルエンス差に基づいて、放射線発射マトリクスを計算し、計算された放射線発射マトリクスおよび後続放射線送達セッションの間に入手されるPETデータに基づいて、後続放射線送達セッションにおいて患者に放射線を送達するように構成されてもよい。送達放射線フルエンスおよび計画放射線フルエンスを比較するステップは、標的領域に送達された平均放射線フルエンスを標的領域への平均治療計画フルエンスと比較するステップと、平均送達放射線フルエンスと平均治療計画フルエンスとの間の差異を求めることによって、フルエンス差を計算するステップとを含んでもよい。いくつかの変形例では、PETデータは、応答ライン(LOR)データを含んでもよい。
【0014】
放射線送達のための方法の一変形例は、放射線療法システムプラットフォーム上の患者の画像を入手するステップであって、放射線療法システムはさらに、治療平面内に放射線を印加するように構成される、療法用放射線源と、複数のPET検出器とを備える、ステップと、患者の画像に基づいて、正規化係数を計算するステップと、事前選択された回数のシャトル通過を横断して患者に放射線を送達するステップとを含んでもよい。各シャトル通過は、計算された正規化係数を用いて治療計画の放射線発射マトリクスを更新するステップと、患者内の標的領域が治療平面を1回横断するように、患者プラットフォームを第1の所定の場所から第2の所定の場所に移動させるステップと、PET検出器を使用してPETデータを入手するステップと、更新された放射線発射マトリクスおよび入手されたPETデータに基づいて、患者に放射線を送達するステップとを含んでもよい。プラットフォームが第2の所定の場所に移動したとき、放射線療法システムは、患者に送達されたフルエンスを計算し、患者に送達されたフルエンスと治療計画フルエンスとの間のフルエンス差を計算し、患者に送達されたフルエンスと治療計画フルエンスとの間のフルエンス差を計算してもよい。PET検出器は、治療平面と同一平面であってもよい。画像を入手するステップは、PET画像を入手するステップを含んでもよい。シャトル通過の事前選択された回数は、偶数、例えば、2回以上の回数であってもよい。正規化係数を計算するステップは、入手されたPET画像内の標的領域のPET強度の平均を計算するステップを含んでもよい。更新された正規化係数を計算するステップは、療法用放射線源によって放出される放射線の平均フルエンス値を計算するステップを含んでもよい。加えて、または代替として、更新された正規化係数を計算するステップは、標的領域への放射線の平均計画線量値と放射線の平均送達線量値との比率を計算するステップを含んでもよい。更新された放射線発射マトリクスおよび入手されたPETデータに基づいて放射線を送達するステップは、更新された放射線発射マトリクスに入手されたPETデータの1つ以上の応答ライン(LOR)を乗算し、送達フルエンスマップを導出するステップと、送達フルエンスマップに従って、療法用放射線源を使用して放射線を生成するステップとを含んでもよい。放射線療法システムはさらに、療法用放射線源にわたって配置される、移動可能ジョーと、ジョーに結合される、マルチリーフコリメータとを備えてもよく、治療平面は、療法用放射線源に対する移動可能ジョーの位置およびマルチリーフコリメータの構成によって画定されてもよい。本方法はさらに、患者に放射線を送達しながら、移動可能ジョーを第1のジョー場所から第2のジョー場所に、かつ第1のジョー場所に戻るように移動させるステップを含んでもよい。いくつかの変形例はさらに、計算された正規化係数によって画像を調節することによって、予測線量および線量値ヒストグラムを計算するステップを含んでもよい。
【0015】
放射線送達のための方法の別の変形例は、(a)放射線療法システムプラットフォーム上の患者を第1の所定の場所から第2の所定の場所に移動させるステップであって、放射線療法システムはさらに、療法用放射線源と、両方が療法用放射線源の放射線ビーム経路内に配置される、移動可能ジョーおよびマルチリーフコリメータとを備え得、療法用放射線に対する移動可能ジョーの位置およびマルチリーフコリメータの構成は、治療平面を画定し、患者を第1の場所から第2の場所に移動させるステップは、患者内の1つ以上の標的領域に治療平面を横断させる、ステップと、(b)1つ以上の標的領域の一部が治療平面を横断するとき、患者に放射線を送達するステップとを含んでもよい。放射線を送達するステップは、次のプラットフォーム場所に移動する前に療法用放射線源から放射線を放出しながら、移動可能ジョーを第1のジョー場所から第2の場所に、かつ第1のジョー場所に戻るように移動させるステップを含んでもよい。患者プラットフォームを移動させるステップは、プラットフォームを一連の所定の増分の患者プラットフォーム場所において移動させるステップを含んでもよく、患者に放射線を送達するステップは、標的領域が治療平面を横断する各プラットフォーム場所において放射線を送達するステップを含む。プラットフォームを移動させるステップは、縦方向軸に沿ってこれを平行移動させるステップを含んでもよく、移動可能ジョーを移動させるステップは、治療平面が縦方向軸に沿って偏移するようにジョーを移動させるステップを含む。移動可能ジョーを移動させるステップは、治療平面を縦方向軸に沿って約3cm〜約6cm偏移させてもよい。移動可能ジョーを移動させるステップは、治療平面を約0.5cm/秒の速度において偏移させる。本方法はさらに、患者に放射線を送達する前に患者の画像を入手するステップを含んでもよい。放射線療法システムはさらに、応答ライン(LOR)を含むPETデータを入手するように構成される、複数のPET検出器を備えてもよく、患者に放射線を送達するステップは、治療計画の放射線発射マトリクスに1つ以上のLORを乗算し、送達フルエンスマップを導出するステップと、送達フルエンスマップに従って、療法用放射線源を使用して放射線を生成するステップとを含む。入手された画像は、PET画像であってもよい。本方法はさらに、シャトル通過の事前選択された回数だけステップ(a)および(b)を繰り返すステップを含んでもよく、シャトル通過の事前選択された回数は、2回以上の回数である。
【0016】
放射線送達のための方法の別の変形例は、以前の放射線送達セッションの間に患者標的領域に送達された放射線フルエンスを計算するステップと、標的領域への送達放射線フルエンスを標的領域への治療計画フルエンスと比較し、フルエンス差を計算するステップと、計算されたフルエンス差に基づいて、放射線発射マトリクスを計算するステップと、計算された放射線発射マトリクスおよび後続放射線送達セッションの間に入手されるPETデータに基づいて、後続放射線送達セッションにおいて患者に放射線を送達するステップとを含んでもよい。送達放射線フルエンスおよび計画放射線フルエンスを比較するステップは、標的領域に送達された平均放射線フルエンスを標的領域への平均治療計画フルエンスと比較するステップと、平均送達放射線フルエンスと平均治療計画フルエンスとの間の差異を求めることによって、フルエンス差を計算するステップとを含んでもよい。いくつかの変形例では、PETデータは、応答ライン(LOR)データを含んでもよい。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
放射線送達システムであって、
ガントリと、
療法用放射線源であって、上記療法用放射線源は、上記ガントリ上に搭載され、放射線治療ビーム平面内に放射線を印加するように構成される、療法用放射線源と、
上記ガントリに対して移動可能であるプラットフォームと、
上記ガントリ、上記放射線源、および上記プラットフォームと通信するコントローラであって、上記コントローラは、
患者が上記放射線治療ビーム平面を通過するように、上記プラットフォーム上に位置する上記患者を第1の場所から第2の場所に移動させながら、撮像データの第1のセットを入手することと、
上記患者が上記放射線治療ビーム平面を通過する際、上記放射線源を用いて第1の放射線量を印加することであって、上記第1の放射線量は、上記撮像データの第1のセットから導出される、ことと、
上記患者が上記放射線治療ビーム平面を通過するように、上記患者を上記第2の場所から上記第1の場所に移動させながら、撮像データの第2のセットを入手することと、
上記患者が上記放射線治療ビーム平面を通過する際、上記放射線源を用いて第2の放射線量を印加することであって、上記第2の放射線量は、上記撮像データの第2のセットから導出され、上記第1の放射線量と異なる、ことと
を行うように構成される、コントローラと
を備える、システム。
(項目2)
上記第1の放射線量は、上記撮像データの第1のセットに基づいて決定され、上記第2の放射線量は、上記撮像データの第2のセットに基づいて決定される、項目1に記載のシステム。
(項目3)
上記撮像データの第1および第2のセットは、陽電子消滅放出データ、kV X線データ、およびk空間内でのMRIサブサンプリングから成る群から選択される、項目2に記載のシステム。
(項目4)
上記コントローラは、上記第1の放射線量に基づいて、正規化係数k2を計算するように構成され、上記第2の放射線量は、少なくとも部分的に、上記正規化係数および上記撮像データの第2のセットを使用して決定される、上記の項目のいずれか1項に記載のシステム。
(項目5)
上記コントローラは、放射線療法システムプラットフォーム上に位置する上記患者の標的領域のプレスキャン画像(Xprescan)を入手し、上記プレスキャン画像(Xprescan)に基づいて、第1の正規化係数k1を計算するように構成され、上記正規化係数k2は、第2の正規化係数である、上記の項目のいずれか1項に記載のシステム。
(項目6)
上記患者を上記第1の場所から第2の場所に移動させることは、第1のシャトル通過を画定し、上記患者を上記第2の場所から上記第1の場所に移動させることは、第2のシャトル通過を画定し、上記コントローラは、シャトル通過の回数(N)および累積減衰係数(α)を選択し、正規化された減衰係数(β)を計算するように構成され、但し、
i=1、…、Nに関して、
【数1】
である、上記の項目のいずれか1項に記載のシステム。
(項目7)
上記第1の放射線量(D1,calculated)は、上記撮像データの第1のセットに基づいて計算され、上記第1の正規化係数k1によってスケーリングされる、項目6に記載のシステム。
(項目8)
上記第1の放射線量(D1,calculated)は、上記撮像データの第1のセットに治療計画の放射線発射マトリクス(RFM)を乗算し、上記標的領域の空間的場所に対応するビットマスクBFZを用いて空間的にフィルタ処理され、第1の正規化係数k1を乗算されることによって計算される、項目7に記載のシステム。
(項目9)
上記第2の正規化係数k2を計算することは、放射線送達の(N−1)回の通過にわたって送達された線量D1,calculatedを合計することによって予測累積線量(D1,predicted cumulative)を計算し、計画線量(Dplan)と上記第1の放射線量(D1,calculated)との間の差異を計算し、上記予測累積線量(D1,predicted cumulative)に対する上記線量差の比率を求めることを含む、項目7および8のいずれか1項に記載のシステム。
(項目10)
上記第2の放射線量(D2,calculated)は、上記撮像データの第2のセットに上記治療計画のRFMを乗算し、上記標的領域の空間的場所に対応するビットマスクBFZを用いて空間的にフィルタ処理され、第1の正規化係数k2を乗算されることによって計算される、項目8に記載のシステム。
(項目11)
上記第1の正規化係数k1は、
【数2】
によって決定され、但し、Dplanは、治療計画において規定されるような放射線量またはフルエンスであり、D0,rawは、
【数3】
によって与えられる放射線フルエンスであり、Dprescanは、プレスキャン画像(Xprescan)に治療計画の放射線発射マトリクス(RFM)を乗算し、上記標的領域の空間的場所に対応するビットマスクBFZを用いて空間的にフィルタ処理され、線量計算マトリクスを乗算されることによって計算される、放射線フルエンスである、項目6に記載のシステム。
(項目12)
上記予測累積線量(D1,predicted cumulative)を計算することは、上記撮像データの第1のセットに治療計画の放射線発射マトリクス(RFM)を乗算し、上記標的領域の空間的場所に対応するビットマスクBFZを用いて空間的にフィルタ処理されることからもたらされる、任意の負の放射線フルエンスを加算することを含む、項目9に記載のシステム。
(項目13)
治療セッションの間に放射線を送達するための放射線送達システムであって、上記放射線送達システムは、
ガントリと、
上記ガントリ上に搭載される療法用放射線源と、
上記ガントリ上に搭載される撮像システムと、
上記ガントリ、上記放射線源、および上記撮像システムと通信するコントローラであって、上記コントローラは、
上記撮像システムを用いてプラットフォーム上に位置する患者の撮像データを入手することと、
治療計画量の放射線Dplanを送達するために、上記放射線源を用いてある放射線量を上記患者に印加することであって、上記放射線量は、上記入手された撮像データから導出される、ことと、
上記患者への上記放射線の印加を停止することと、
上記放射線の印加を停止することに先立って上記患者に印加された放射線の量Ddelivered,pre−interruptおよび上記放射線印加が停止されたときの上記プラットフォームの場所を記憶することと、
付加的撮像データを入手しながら、上記患者への放射線印加を再開することであって、上記患者に印加される第2の放射線量は、上記付加的撮像データから導出され、DplanとDdelivered,pre−interruptとの間の差異に従って調節される、ことと
を行うように構成される、コントローラと
を備える、システム。
(項目14)
放射線印加を再開することは、上記放射線の印加が停止されたときの上記プラットフォームの場所に戻るように上記患者プラットフォームを移動させることを含む、項目13に記載のシステム。
(項目15)
上記放射線の印加を停止する前に印加された上記放射線量は、第1の放射線量であり、上記放射線の印加を停止する前に上記治療セッションの間に入手された撮像データxiから導出される、項目13に記載のシステム。
(項目16)
上記第1の放射線量は、入手された撮像データxiに放射線発射マトリクスRFMを乗算し、生物学的発射区域ビットマスクBFZを適用することによって導出され、上記RFMおよび上記BFZは、治療計画セッションの間に計算される、項目15に記載のシステム。
(項目17)
ある放射線量を上記患者に印加することは、上記患者プラットフォームを第1の場所から第2の場所に療法用放射線ビーム平面を通して移動させるとき、撮像データの第1のセットx1を入手しながら、第1の通過の放射線を印加することを含み、上記第1の通過の間に放出される放射線量(D1,calc)は、上記撮像データの第1のセットx1に上記放射線発射マトリクスRFMを乗算し、上記生物学的発射区域ビットマスクBFZを適用し、D1,rawを取得し、第1の正規化係数k1によってD1,rawをスケーリングすることによって導出される、項目15に記載のシステム。
(項目18)
上記第1の正規化係数k1は、
上記治療セッションの間に入手された上記患者のプレスキャン画像に上記放射線発射マトリクスRFMを乗算し、上記生物学的発射区域ビットマスクBFZを適用することによって、放射線量D0,rawを計算することと、
D0,rawに上記治療セッションにおける放射線通過合計数Nを乗算することによって、累積予測線量D0,predicted cumulativeを計算することと、
Dplanと上記累積予測線量D0,predicted cumulativeとの間の比率を求めることと
によって計算される、項目17に記載の方法。
(項目19)
ある放射線量を上記患者に印加することはさらに、上記患者プラットフォームを上記第2の場所から上記第1の場所に上記療法用放射線ビーム平面を通して移動させるとき、撮像データの第2のセットx2を入手しながら、第2の通過の放射線を印加することを含み、上記第2の通過の間に放出される放射線量(D2,calc)は、上記撮像データの第2のセットx2に上記放射線発射マトリクスRFMを乗算し、上記生物学的発射区域ビットマスクBFZを適用し、D2,rawを取得し、第2の正規化係数k2によってD2,rawをスケーリングすることによって導出される、項目17および18のいずれか1項に記載のシステム。
(項目20)
上記患者への上記放射線の印加を停止することは、上記放射線の第2の通過の間に上記放射線の印加を停止することを含み、上記患者への放射線印加を再開することは、撮像データの再開されたセットx2,resumedを入手し、上記撮像データの再開されたセットx2,resumedに上記放射線発射マトリクスRFMを乗算し、上記生物学的発射区域ビットマスクBFZを適用し、D2,raw,post−interruptを取得し、第2の正規化係数k2によってD2,raw,post−interruptをスケーリングすることによって導出される放射線量を放出することを含み、上記放射線の印加を停止する前に印加される放射線量は、D2,raw,pre−interruptである、項目19に記載のシステム。
(項目21)
上記患者への放射線印加を再開することはさらに、上記患者プラットフォームを上記第1の場所から上記第2の場所に上記療法用放射線ビーム平面を通して移動させるとき、撮像データの第3のセットx3を入手しながら、第3の通過の放射線を印加することを含み、上記第3の通過の間に放出される放射線量は、上記撮像データの第3のセットx3に上記放射線発射マトリクスRFMを乗算し、上記生物学的発射区域ビットマスクBFZを適用し、第3の正規化係数k3によってスケーリングすることによって導出される、項目20に記載のシステム。
(項目22)
上記第3の正規化係数k3は、
Dplanと、上記第1の通過D1,calcおよび上記第2の通過D2,calcにおいて印加される累積放射線量との間の差異を計算することと、
(D2,raw,pre−interrupt+D2,raw,post−interrupt)にN−3を乗算することによって、累積予測線量D2,predicted cumulative を計算することと、
(Dplan−(D1,calc+D2,calc))と上記累積予測線量D2,predicted cumulativeとの間の比率を求めることと
によって計算される、項目21に記載のシステム。
(項目23)
上記患者への上記放射線の印加を停止することは、上記放射線の第2の通過の間に上記放射線の印加を停止することを含み、上記患者への放射線印加を再開することは、
上記患者の第2のプレスキャン画像を入手することと、
上記放射線印加が停止されたときの上記患者プラットフォームの場所に戻るように上記患者プラットフォームを移動させることと、
撮像データの再開されたセットx2,resumedを入手し、上記撮像データの再開されたセットx2,resumedに上記放射線発射マトリクスRFMを乗算し、上記生物学的発射区域ビットマスクBFZを適用し、D2,raw,post−interruptを取得し、再開された正規化係数k2_resumedによってD2,raw,post−interruptをスケーリングすることによって導出される放射線量を放出することであって、上記放射線の印加を停止する前に印加される放射線量は、D2,raw,pre−interruptである、ことと
を含む、項目19に記載のシステム。
(項目24)
上記再開された正規化係数k2_resumedは、
上記患者の第2のプレスキャン画像に上記放射線発射マトリクスRFMを乗算し、上記生物学的発射区域ビットマスクBFZを適用することによって、放射線量D2,raw,post−interruptを計算することと、
(D2,raw,pre−interrupt+D2,raw,post−interrupt)にN−2を乗算することによって、累積予測線量D2,predicted cumulativeを計算することと、
Dplanと上記累積予測線量D2,predicted cumulativeとの間の比率を求めることと
によって計算される、項目23に記載のシステム。
(項目25)
上記患者への放射線印加を再開することはさらに、上記患者プラットフォームを上記第1の場所から上記第2の場所に上記療法用放射線ビーム平面を通して移動させるとき、撮像データの第3のセットx3を入手しながら、第3の通過の放射線を印加することを含み、上記第3の通過の間に放出される放射線量は、上記撮像データの第3のセットx3に上記放射線発射マトリクスRFMを乗算し、上記生物学的発射区域ビットマスクBFZを適用し、第3の正規化係数k3によってスケーリングすることによって導出される、項目24に記載のシステム。
(項目26)
上記第3の正規化係数k3は、
Dplanと、上記第1の通過D1,calcおよび上記第2の通過D2,calcにおいて印加される累積放射線量との間の差異を計算することと、
(D2,raw,pre−interrupt+D2,raw,post−interrupt)にN−3を乗算することによって、累積予測線量D2,predicted cumulativeを計算することと、
(Dplan−(D1,calc+D2,calc))と上記累積予測線量D2,predicted cumulativeとの間の比率を求めることと
によって計算される、項目25に記載のシステム。
(項目27)
放射線送達システムであって、
ガントリと、
療法用放射線源であって、上記療法用放射線源は、上記ガントリ上に搭載され、放射線治療ビーム平面内に放射線を印加するように構成される、療法用放射線源と、
上記ガントリ上に搭載される複数のPET検出器と、
上記ガントリに対して移動可能であるプラットフォームと、
上記ガントリ、上記療法用放射線源、および上記プラットフォームと通信するコントローラであって、上記コントローラは、上記プラットフォーム上の患者の画像を入手し、上記患者の画像に基づいて、正規化係数を計算し、事前選択された回数のシャトル通過を横断して上記患者に放射線を送達するように構成される、コントローラと
を備え、
各シャトル通過において、上記コントローラは、
上記計算された正規化係数を用いて治療計画の放射線発射マトリクスを更新することと、
上記患者内の標的領域が少なくとも2回上記放射線治療ビーム平面を横断するように、上記プラットフォームを第1の所定の場所から第2の所定の場所に、かつ上記第1の所定の場所に戻るように移動させることと、
上記PET検出器を使用してPETデータを入手することと、
上記更新された放射線発射マトリクスおよび入手されたPETデータに基づいて、上記患者に放射線を送達することと、
上記プラットフォームが上記第1の所定の場所に戻るように移動したとき、上記患者に送達されたフルエンスを計算することと、
上記患者に送達されたフルエンスと治療計画フルエンスとの間のフルエンス差を計算することと、
上記フルエンス差に基づいて、更新された正規化係数を計算することと
を行うように構成される、システム。
(項目28)
上記PET検出器は、上記放射線治療ビーム平面と同一平面である、項目27に記載のシステム。
(項目29)
上記入手された画像は、PET画像である、項目27に記載のシステム。
(項目30)
上記正規化係数の計算は、上記入手されたPET画像内の上記標的領域のPET強度の平均を計算することを含む、項目29に記載のシステム。
(項目31)
上記シャトル通過の事前選択された回数は、偶数である、項目27に記載のシステム。
(項目32)
上記シャトル通過の事前選択された回数は、2以上である、項目30に記載のシステム。
(項目33)
更新された正規化係数を計算することは、上記療法用放射線源によって放出される上記放射線の平均フルエンス値を計算することを含む、項目27に記載のシステム。
(項目34)
更新された正規化係数を計算することは、上記標的領域への放射線の平均計画線量値と上記放射線の平均送達線量値との比率を計算することを含む、項目27に記載のシステム。
(項目35)
上記更新された放射線発射マトリクスおよび入手されたPETデータに基づいて放射線を送達することは、
上記更新された放射線発射マトリクスに上記入手されたPETデータの1つ以上の応答ライン(LOR)を乗算し、送達フルエンスマップを導出することと、
上記送達フルエンスマップに従って、上記療法用放射線源を使用して放射線を生成することと
を含む、項目27に記載のシステム。
(項目36)
上記療法用放射線源にわたって配置される移動可能ジョーと、上記ジョーに結合されるマルチリーフコリメータとをさらに備え、上記治療平面は、上記療法用放射線源に対する上記移動可能ジョーの位置および上記マルチリーフコリメータの構成によって画定される、項目27に記載のシステム。
(項目37)
上記コントローラは、放射線が上記患者に送達されるとき、上記移動可能ジョーを第1のジョー場所から第2のジョー場所に、かつ上記第1のジョー場所に戻るように移動させるように構成される、項目36に記載のシステム。
(項目38)
上記コントローラは、上記計算された正規化係数によって上記画像を調節することによって、予測線量および線量値ヒストグラムを計算するように構成される、項目27に記載のシステム。
(項目39)
放射線送達システムであって、
ガントリと、
療法用放射線源であって、移動可能ジョーおよびマルチリーフコリメータの両方が、上記放射線源の放射線ビーム経路内に配置され、上記放射線源に対する上記移動可能ジョーの位置および上記マルチリーフコリメータの構成は、治療平面を画定する、療法用放射線源と、
放射線療法システムプラットフォームと、
上記ガントリ、上記放射線源、および上記放射線療法システムプラットフォームと通信するコントローラであって、上記コントローラは、
(a)患者内の1つ以上の標的領域が上記治療平面を横断するように、上記プラットフォームを第1の所定の場所から第2の所定の場所に移動させることによって、上記プラットフォーム上に位置する上記患者を移動させることと、
(b)上記1つ以上の標的領域の一部が上記治療平面を横断するとき、上記放射線源を用いて上記患者に放射線を送達することであって、上記放射線の送達は、次のプラットフォーム場所に移動する前に上記放射線源から放射線を放出しながら、上記移動可能ジョーを第1のジョー場所から第2の場所に、かつ上記第1のジョー場所に戻るように移動させることを含む、ことと
を行うように構成される、コントローラと
を備える、システム。
(項目40)
上記プラットフォームを移動させることは、上記プラットフォームを一連の所定の増分の患者プラットフォーム場所において移動させることを含み、上記患者に放射線を送達することは、上記標的領域が上記治療平面を横断する各プラットフォーム場所において放射線を送達することを含む、項目39に記載のシステム。
(項目41)
上記プラットフォームを移動させることは、縦方向軸に沿って上記プラットフォームを平行移動させることを含み、上記移動可能ジョーを移動させることは、上記治療平面が上記縦方向軸に沿って偏移するように上記ジョーを移動させることを含む、項目39に記載のシステム。
(項目42)
上記移動可能ジョーを移動させることは、上記治療平面を上記縦方向軸に沿って約3cm〜約6cm偏移させる、項目41に記載のシステム。
(項目43)
上記移動可能ジョーを移動させることは、上記治療平面を約0.5cm/秒の速度において偏移させる、項目42に記載のシステム。
(項目44)
上記コントローラは、放射線が上記患者に送達される前に上記患者の画像を入手するように構成される、項目39に記載のシステム。
(項目45)
応答ライン(LOR)を含むPETデータを入手するように構成される複数のPET検出器をさらに備え、上記患者に放射線を送達することは、治療計画の放射線発射マトリクスに1つ以上のLORを乗算し、送達フルエンスマップを導出することと、上記送達フルエンスマップに従って、上記療法用放射線源を使用して放射線を生成することとを含む、項目44に記載のシステム。
(項目46)
上記入手された画像は、PET画像である、項目44に記載のシステム。
(項目47)
上記コントローラは、シャトル通過の事前選択された回数だけステップ(a)および(b)を繰り返すように構成される、項目39に記載のシステム。
(項目48)
上記シャトル通過の事前選択された回数は、2以上である、項目47に記載のシステム。
(項目49)
放射線送達システムであって、
ガントリと、
療法用放射線源と、
上記ガントリおよび上記放射線源と通信するコントローラであって、上記コントローラは、
以前の放射線送達セッションの間に患者標的領域に送達された放射線フルエンスを計算することと、
上記標的領域への上記送達放射線フルエンスを上記標的領域への治療計画フルエンスと比較し、フルエンス差を計算することと、
上記計算されたフルエンス差に基づいて、放射線発射マトリクスを計算することと、
上記計算された放射線発射マトリクスおよび後続放射線送達セッションの間に入手されるPETデータに基づいて、上記後続放射線送達セッションにおいて上記患者に放射線を送達することと
を行うように構成される、コントローラと
を備える、システム。
(項目50)
比較することは、上記標的領域に送達された平均放射線フルエンスを上記標的領域への平均治療計画フルエンスと比較することと、上記平均送達放射線フルエンスと上記平均治療計画フルエンスとの間の差異を求めることによって、フルエンス差を計算することとを含む、項目49に記載のシステム。
(項目51)
上記PETデータは、応答ライン(LOR)データを含む、項目49に記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1A】
図1Aは、放射線療法システムの一変形例を描写する。
【0018】
【
図1B】
図1Bは、放射線療法システム(例えば、
図1Aの放射線療法システム)の斜視コンポーネント図を描写する。
【0019】
【
図1C】
図1Cは、ビーム成形モジュールの一変形例を描写する。
【0020】
【
図2A】
図2Aは、呼吸運動の周波数スペクトルを表す、プロットを描写する。
【0021】
【
図2B】
図2Bは、治療セッションの間の標的領域の運動を表す、プロットを描写する。
【0022】
【0023】
【0024】
【
図3A】
図3Aは、治療セッションの間の標的領域の運動を表す、プロットを描写する。
【0025】
【
図3B】
図3Bは、シャトルモードにおける治療セッションの間の標的領域の運動を表す、プロットを描写する。
【0026】
【
図3C】
図3Cは、1回のシャトル通過後および8回のシャトル通過後に標的領域に送達された線量を表す、表を描写する。
【0027】
【0028】
【
図3E】
図3Eは、シャトルモードにおいて送達された放射線に関する送達線量分布プロットを描写する。
【0029】
【
図4】
図4は、患者プラットフォームまたはカウチシャトルモードに関する方法の一変形例のフローチャート表現を描写する。
【0030】
【
図5】
図5は、ジョーシャトルモードに関する方法の一変形例のフローチャート表現を描写する。
【0031】
【
図6】
図6は、治療セッションの間に放射線発射マトリクス(RFM)を更新するための方法の一変形例のフローチャート表現を描写する。
【0032】
【
図7】
図7は、放出誘導放射線療法セッションの間にRFMを動的に更新するための方法の一変形例のフローチャート表現を描写する。
【0033】
【
図8A】
図8Aは、放射線送達のための方法の一変形例を描写する。
【0034】
【
図8B】
図8Bは、放射線送達が正規化係数に従って修正される方法の一変形例を描写する。
【0035】
【
図8C】
図8Cは、パイプライン正規化方法の一変形例を描写する。
【0036】
【
図9A】
図9A−9Dは、計画標的領域(PTV)および生物学的発射区域(BFZ)領域への4回のカウチシャトル通過にわたる放射線送達の方法の一変形例に基づく、シミュレーション線量−体積プロットまたはヒストグラム(DVH)を描写する。
図9Aは、1回のシャトル通過後のDVH曲線を描写し、
図9Bは、2回のシャトル通過後のDVH曲線を描写し、
図9Cは、3回のシャトル通過後のDVH曲線を描写し、
図9Dは、4回のシャトル通過後のDVH曲線を描写する。
【
図9B】
図9A−9Dは、計画標的領域(PTV)および生物学的発射区域(BFZ)領域への4回のカウチシャトル通過にわたる放射線送達の方法の一変形例に基づく、シミュレーション線量−体積プロットまたはヒストグラム(DVH)を描写する。
図9Aは、1回のシャトル通過後のDVH曲線を描写し、
図9Bは、2回のシャトル通過後のDVH曲線を描写し、
図9Cは、3回のシャトル通過後のDVH曲線を描写し、
図9Dは、4回のシャトル通過後のDVH曲線を描写する。
【
図9C】
図9A−9Dは、計画標的領域(PTV)および生物学的発射区域(BFZ)領域への4回のカウチシャトル通過にわたる放射線送達の方法の一変形例に基づく、シミュレーション線量−体積プロットまたはヒストグラム(DVH)を描写する。
図9Aは、1回のシャトル通過後のDVH曲線を描写し、
図9Bは、2回のシャトル通過後のDVH曲線を描写し、
図9Cは、3回のシャトル通過後のDVH曲線を描写し、
図9Dは、4回のシャトル通過後のDVH曲線を描写する。
【
図9D】
図9A−9Dは、計画標的領域(PTV)および生物学的発射区域(BFZ)領域への4回のカウチシャトル通過にわたる放射線送達の方法の一変形例に基づく、シミュレーション線量−体積プロットまたはヒストグラム(DVH)を描写する。
図9Aは、1回のシャトル通過後のDVH曲線を描写し、
図9Bは、2回のシャトル通過後のDVH曲線を描写し、
図9Cは、3回のシャトル通過後のDVH曲線を描写し、
図9Dは、4回のシャトル通過後のDVH曲線を描写する。
【0037】
【
図10】
図10は、放射線送達のための方法の一変形例を描写する。
【0038】
【
図11A】
図11A−11Bは、計画標的領域(PTV)および生物学的発射区域(BFZ)への4回のカウチシャトル通過にわたる放射線送達の2つの方法の結果を描写する、シミュレーションDVHプロットである。
図11Aは、負のフルエンス値が放射線送達の一部として組み込まれるときのDVHプロットを描写する。
【0039】
【
図11B】
図11Bは、負のフルエンス値が放射線送達の一部として組み込まれないときのDVHプロットを描写する。
【0040】
【
図12A】
図12A−12Cは、計画線量分布の複数の図を描写する。
図12Aは、IEC−Z/IEC−X平面上の計画線量分布の投影を描写し、
図12Bは、IEC−Z/IEC−Y平面上の計画線量分布の投影を描写し、
図12Cは、IEC−Y/IEC−X平面上の計画線量分布の投影を描写する。
【
図12B】
図12A−12Cは、計画線量分布の複数の図を描写する。
図12Aは、IEC−Z/IEC−X平面上の計画線量分布の投影を描写し、
図12Bは、IEC−Z/IEC−Y平面上の計画線量分布の投影を描写し、
図12Cは、IEC−Y/IEC−X平面上の計画線量分布の投影を描写する。
【
図12C】
図12A−12Cは、計画線量分布の複数の図を描写する。
図12Aは、IEC−Z/IEC−X平面上の計画線量分布の投影を描写し、
図12Bは、IEC−Z/IEC−Y平面上の計画線量分布の投影を描写し、
図12Cは、IEC−Y/IEC−X平面上の計画線量分布の投影を描写する。
【0041】
【
図13A】
図13A−13Cは、計画線量分布の複数の図を描写する。
図13Aは、IEC−Z/IEC−X平面上の送達線量分布の投影を描写し、
図13Bは、IEC−Z/IEC−Y平面上の送達線量分布の投影を描写し、
図13Cは、IEC−Y/IEC−X平面上の送達線量分布の投影を描写する。
【
図13B】
図13A−13Cは、計画線量分布の複数の図を描写する。
図13Aは、IEC−Z/IEC−X平面上の送達線量分布の投影を描写し、
図13Bは、IEC−Z/IEC−Y平面上の送達線量分布の投影を描写し、
図13Cは、IEC−Y/IEC−X平面上の送達線量分布の投影を描写する。
【
図13C】
図13A−13Cは、計画線量分布の複数の図を描写する。
図13Aは、IEC−Z/IEC−X平面上の送達線量分布の投影を描写し、
図13Bは、IEC−Z/IEC−Y平面上の送達線量分布の投影を描写し、
図13Cは、IEC−Y/IEC−X平面上の送達線量分布の投影を描写する。
【0042】
【
図14A】
図14A−14Cは、γ(ガンマ)メトリック分布の複数の図を描写する。
図14Aは、IEC−Z/IEC−X平面上のγ(ガンマ)メトリック分布の投影を描写し、
図14Bは、IEC−Z/IEC−Y平面上のγ(ガンマ)メトリック分布の投影を描写し、
図14Cは、IEC−Y/IEC−X平面上のγ(ガンマ)メトリック分布の投影を描写する。
【
図14B】
図14A−14Cは、γ(ガンマ)メトリック分布の複数の図を描写する。
図14Aは、IEC−Z/IEC−X平面上のγ(ガンマ)メトリック分布の投影を描写し、
図14Bは、IEC−Z/IEC−Y平面上のγ(ガンマ)メトリック分布の投影を描写し、
図14Cは、IEC−Y/IEC−X平面上のγ(ガンマ)メトリック分布の投影を描写する。
【
図14C】
図14A−14Cは、γ(ガンマ)メトリック分布の複数の図を描写する。
図14Aは、IEC−Z/IEC−X平面上のγ(ガンマ)メトリック分布の投影を描写し、
図14Bは、IEC−Z/IEC−Y平面上のγ(ガンマ)メトリック分布の投影を描写し、
図14Cは、IEC−Y/IEC−X平面上のγ(ガンマ)メトリック分布の投影を描写する。
【0043】
【
図14D】
図14Dは、4回のシャトル通過を伴う治療セッションに関するビームステーションの関数としての累積フルエンスを表す、プロットを描写する。
【0044】
【
図15A】
図15Aは、放射線送達が新しいプレスキャン画像を伴わずに再開される、シャトル通過の間に中断が存在しているときの放射線送達の方法の一変形例を描写する。
【0045】
【
図15B】
図15Bは、放射線送達が新しいプレスキャン画像を使用して再開される、シャトル通過の間に中断が存在しているときの放射線送達の方法の一変形例を描写する。
【0046】
【
図16】
図16は、種々の中断特性を伴う、治療が第2のシャトル通過において中断された4回のシャトル通過を伴う治療セッションに関するビームステーションの関数としての累積フルエンスを描写する、プロットである。
【発明を実施するための形態】
【0047】
放射線療法システム
シャトルモード放射線送達において使用され得る放射線療法システムは、患者治療領域を中心として回転する、回転可能ガントリと、回転可能ガントリ上に搭載される、療法用源と、患者治療領域内で、またはそれを通して移動可能である、患者プラットフォームとを備えてもよい。回転可能ガントリは、0°〜360°(例えば、連続的に回転可能なガントリ)回転する、または角度のサブセット(例えば、0°〜180°、0°〜270°等)を掃引する弧区画に沿ってのみ回転するように構成されてもよい。療法用放射線源の一実施例は、線形加速器(リニアック)である。1つ以上のビーム成形要素が、治療平面を画定するために、療法用放射線源のビーム経路内に配置されてもよい。例えば、ビーム成形要素は、ジョーおよび動的マルチリーフコリメータ(MLC)を備えてもよい。ジョーは、療法用放射線源とMLCとの間に位置してもよい、またはMLCの下方に位置してもよい。代替として、ジョーは、分割ジョーであってもよく、ジョーの第1の部分は、療法用放射線源とMLCとの間に位置し、ジョーの第2の部分は、MLCの下方に位置し、両方の部分がともに移動するようにジョーの第1の部分に結合される。ジョーは、ジョーによって画定される治療平面が患者プラットフォームの運動に平行である方向において偏移し得るように、療法用放射線源のビーム内で移動可能であってもよい。例えば、患者プラットフォームが、IEC−Y方向において患者治療領域を通して移動する場合、ジョーおよびMLCは、IEC−XZ平面内に治療平面を画定してもよく、ジョーを移動させるステップは、IEC−Y方向に沿って治療平面を偏移させてもよい。MLCおよびジョーは、ジョーを偏移または移動させるステップがMLCを移動させないように、別個である、または結合解除されてもよいが、他の変形例では、MLCおよびジョーは、ジョーを偏移または移動させるステップがまた、MLCの対応する偏移または移動を引き起こすように、ともに結合されてもよい。放射線療法システムのいくつかの変形例は、療法用放射線源と対向して、ガントリ上に搭載される放射線検出器を備えてもよい。例えば、いくつかの変形例は、リニアックと対向して位置するMV放射線検出器を備えてもよい。
【0048】
さらに、いくつかの放射線療法システムは、同一の回転可能ガントリ上、または患者治療領域を中心として回転可能である場合とそうではない場合がある別個/第2のガントリ上に搭載され得る、1つ以上のPET検出器を備えてもよい。陽電子消滅事象によって放出される一致する511 keV光子の対によって画定される応答ライン(LOR)が、PET検出器によって検出され、システムコントローラに伝送されてもよい。いくつかの変形例では、患者は、治療セッションに先立ってPETトレーサを注入されてもよく、PETトレーサからのLORが、PET検出器によって検出されてもよい。例えば、PETトレーサは、腫瘍領域等の高い代謝率を伴う患者領域において蓄積し得る。システムコントローラは、放射線療法システムのコンポーネントの全てと通信してもよく、例えば、PET検出器および/またはMV検出器によって入手されたデータに基づいて、療法用放射線源、および/またはガントリ、および/またはビーム成形要素、および/または患者プラットフォームへのコマンドを生成してもよい。システムコントローラはまた、本明細書に説明される計算および方法のうちのいずれかを実施するようにプログラムまたは構成され得る、1つ以上のプロセッサを備えてもよい。コントローラはまた、限定ではないが、撮像データ(例えば、PET検出器によって検出されるようなLORデータ)、放射線送達パラメータおよび/または調節係数、機械コマンド、機械構成、センサデータ、および本明細書に説明されるような任意の他のデータを含む、本明細書に説明される計算および方法のうちのいずれかと関連付けられるデータを記憶し得る、1つ以上のメモリを備えてもよい。
【0049】
放射線療法システムの一変形例が、
図1Aに描写される。
図1Aは、シャトルモード放射線送達において使用され得る放射線送達療法システムの一変形例を描写する。放射線療法システム(100)は、患者治療領域(104)を中心として回転可能である、ガントリ(102)と、ガントリ上に搭載される、1つ以上のPET検出器(106)と、ガントリ上に搭載される、療法用放射線源(108)と、療法用放射線源のビーム経路内に配置される、ビーム成形モジュール(110)と、患者治療領域(104)内で移動可能である、患者プラットフォーム(112)とを備えてもよい。ビーム成形モジュール(110)は、移動可能ジョーと、動的マルチリーフコリメータ(MLC)とを備えてもよい。ビーム成形モジュールは、システムアイソセンタ(例えば、患者治療領域の中心)において1cm、2cm、または3cmの縦方向における可変コリメーション幅を提供するように配列されてもよい。ジョーは、療法用放射線源とMLCとの間に位置してもよい、またはMLCの下方に位置してもよい。代替として、ビーム成形モジュールは、分割ジョーを備えてもよく、ジョーの第1の部分は、療法用放射線源とMLCとの間に位置し、ジョーの第2の部分は、MLCの下方に位置し、両方の部分がともに移動するようにジョーの第1の部分に結合される。
図1Bは、放射線療法システム(100)の斜視コンポーネント図である。そこで示されるように、ビーム成形モジュールはさらに、バイナリMLC(122)の上方に配置される、主要コリメータまたはジョー(107)を備えてもよい。随意に、放射線療法システム(100)はさらに、ガントリ(102)を回転させることがまた、リング(111)を回転させるように、回転可能ガントリ(102)に取り付けられる、回転可能リング(111)上のkV CT走査装置(109)を備えてもよい。療法用放射線源またはリニアック(108)およびPET検出器(106)は、ガントリの同一の断面平面上に搭載され得る(すなわち、PET検出器は、リニアックおよびビーム成形モジュールによって画定される治療平面と同一平面である)一方、kV CT走査装置およびリングは、異なる断面平面上に搭載され得る(すなわち、治療平面と同一平面ではない)。
【0050】
図1Cは、分割ジョー(120)と、動的MLC(122)とを備える、ビーム成形モジュールの一変形例の概略描写である。本変形例では、動的MLC(122)は、バイナリMLCであってもよいが、任意のタイプのMLC(例えば、2−D MLC)であり得る。分割ジョー(120)は、療法用放射線源(128)(例えば、リニアック)とMLC(122)との間に位置する上側ジョー(124)と、MLC(122)の下方に位置する下側ジョー(126)とを備えてもよい。上側ジョー(124)および下側ジョー(126)は、1つ以上の板(130)またはフレームによってともに結合されてもよい。ジョーは、1つ以上の湾曲線形レール上に搭載されてもよい。例えば、分割ジョー(120)は、1つ以上の湾曲線形レール(132)上に摺動可能に搭載されてもよい。分割ジョーの1つ以上の板またはフレームは、レールの断面サイズよりも大きいようにサイズ決めおよび成形される1つ以上のスロットを有してもよく、したがって、スロットは、(矢印(134)によって示されるように)レールにわたって摺動することができる。随意に、ジョーにさらなる支持を提供するために、レール(132)に直交する付加的レールが存在してもよい。レール(132)は、本実施例では、湾曲するが、それらは、他の変形例では、湾曲しない場合がある(すなわち、それらは、いかなる曲線も伴わず、直線であってもよい)。ジョーは、湾曲線形レールに沿ってジョーの位置を移動させる、アクチュエータまたはモータに結合されてもよい。レールに沿ったジョーの移動は、IEC−Y軸に沿った(すなわち、患者プラットフォームの運動の軸に平行な)治療平面の対応する偏移をもたらしてもよい。他の変形例では、ジョーは、代わりに、1つ以上のヒンジまたは枢軸等の1つ以上の移動可能または回転可能取付機構を介してガントリに搭載されてもよい。ジョーは、アイソセンタの右または左に約0.5cm〜約2cm移動することが可能であり、約1cm〜約4cmの合計移動範囲(端部間)を伴ってもよい。これは、治療平面における類似する偏移に対応してもよく、治療平面は、患者プラットフォームの縦方向軸に沿って偏移し、約1cm〜約4cmの合計移動範囲を伴ってもよい。患者プラットフォームの縦方向軸(例えば、IEC−Y)に沿った合計移動範囲は、約1cm〜約12cm、例えば、約1cm、約2cm、約3cm等であり得ることを理解されたい。いくつかの変形例では、バイナリMLCは、約40cmの視野(FOV)につながる、アイソセンタにおける幅がそれぞれ0.6cmである、軸方向平面(IEC−XZ)を画定する64個のリーフを備えてもよい。ジョーアクチュエータは、約0.25cm/秒〜約2cm/秒、例えば、約0.5cm/秒、約1cm/秒等の速度においてジョーを移動させるように構成されてもよい。いくつかの変形例では、ジョーの速度は、患者プラットフォームの速度を上回ってもよい。
図1A−1Cに描写および説明されるビーム成形モジュールは、相互に移動可能に取り付けられないジョーおよびMLCを備える(すなわち、ジョーを移動または偏移させることは、必ずしもMLCを移動させ偏移させるわけではない)が、他の変形例では、ジョーおよびMLCは、移動可能に取り付けられてもよい(すなわち、ジョーおよびMLCは、協働してともに移動または偏移する)。
【0051】
いくつかの変形例では、放射線療法システムは、PET検出器の第1のアレイ(106a)および第1のアレイから横断して配置されるPET検出器の第2のアレイ(106b)と、線形加速器(108)またはリニアックと、ジョーと、動的バイナリMLCとを備える、ビーム成形モジュール(110)とを備えてもよい。本システムはさらに、ガントリ、PET検出器、リニアック、およびMLCと通信する、コントローラを備えてもよく、コントローラは、治療計画、放射線発射マトリクス、フルエンスマップ、システム命令/コマンドを記憶し得る、1つ以上のメモリと、本明細書に説明される計算および方法を実行するように構成される、プロセッサとを有する。患者治療領域(104)内の患者プラットフォーム(112)上に位置する、または配置される患者は、陽電子を放出するPETトレーサを注入されている場合があり、PETトレーサは、患者の特定の領域(例えば、腫瘍領域等)において蓄積し得る。近傍の電子による陽電子の消滅は、対向する方向に進行する2つの光子の放出をもたらし、LORまたは陽電子消滅放出経路を画定し得る。PET検出器は、1つ以上のLORを検出してもよい。いくつかの変形例では、PET検出器は、陽電子消滅事象の場所を識別することに役立ち得る、飛行時間PET検出器であってもよい。以前に計算された治療計画Pおよび/または放射線発射マトリクスRFMが、リニアックおよびMLCリーフ構成/ビームレット選択が腫瘍移動を考慮するように治療計画フルエンスマップを更新するために、療法用放射線源と対向して位置するMV検出器によって入手されたデータおよび/またはPET検出器によって入手されたLORデータおよび/またはPET撮像データに従って構成されてもよい。治療計画フルエンスマップは、患者が患者治療領域を通して(例えば、所定の患者プラットフォームステップまたは増分、または患者治療領域および/または治療平面を通した連続的患者プラットフォーム移動において)移動される際、LORデータおよび/またはPET撮像データおよび/またはMV検出器データを使用して更新されてもよい。随意に、放射線療法システム(100)は、療法用放射線源と同一のガントリ上に搭載される、または別個のガントリ上に搭載される、CT撮像システムを備えてもよい。PETベースの放射線療法システムの付加的詳細および実施例が、2017年11月15日に出願された、米国特許出願第15/814,222号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明されている。
【0052】
ガントリ(102)は、約15RPM〜約70RPM(例えば、約50RPM、約60RPM)のレートで回転するように構成されてもよく、バイナリ動的MLCは、約15ミリ秒またはそれ未満(例えば、約10ミリ秒またはそれ未満、約8ミリ秒またはそれ未満)以内にリーフ構成を変更するように構成されてもよく、患者プラットフォーム(112)は、約0.5mm/秒またはそれ未満のレートで移動するように構成されてもよい。例えば、高速バイナリマルチリーフコリメータは、上記に説明される時間制約内で開放および閉鎖構成の間でMLCリーフを移動させるために十分な原動力を提供するために、空気圧システムに結合されるばねシステムを有する、リーフ作動機構を備えてもよい。ガントリ(102)は、これが回転するにつれて、離散される所定の円周発射位置に(および/またはそれを横断して)移動してもよい。いくつかのシステムは、100個の発射位置または角度(例えば、各位置が規則的な角度間隔だけ分離される、約0度〜約360度)を有する。
【0053】
治療計画は、放射線療法システムによって患者内の各標的領域に送達されるべき放射線量を規定してもよい。治療計画のフルエンスマップおよび/または線量マップは、治療セッションの間のジョー位置/構成、MLC位置/構成、ガントリ位置および/または運動、およびカウチ位置および/または運動を決定するために使用されてもよい。いくつかの変形例では、放射線発射マトリクス(RFM)は、治療計画の一部として計算されてもよい。RFMは、部分画像(例えば、LORのセットまたは不完全な画像データ)から治療セッションの間に患者に印加されるべき放射線ビームレットパターンおよび/またはビームレット強度への変換を指定するマトリクスであり得る。例えば、療法用放射線が検出されたPET LORに基づいて標的領域に印加される、放出誘導放射線療法等の生物学誘導放射線療法では、RFMは、各患者標的領域に送達されるべき放射線量を規定するフルエンスマップを生成するために、治療セッションの間にLORデータを乗算されてもよい。治療計画方法および放射線発射マトリクスの計算に関する付加的詳細が、2017年7月26日に出願された、米国仮特許出願第62/537,384号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に提供されている。
【0054】
線量変調アーチファクト
治療計画および/またはRFMは、治療セッションに先立って、多くの場合、治療セッションの数週間または数日前に患者および/または標的領域の画像およびデータに基づいて計算される。標的領域、特に、肺またはその近傍における標的領域(例えば、肺腫瘍)が、治療セッションの間に移動し、特に、治療計画の間のその場所から逸脱することは、珍しくはない。ジョー、および/またはMLC、および/またはカウチの運動と併せた標的領域の不規則および/または予測不可能な運動は、送達される線量を変調させ得、したがって、放射線が、非標的組織に提供される、および/または標的領域のある面積が、過剰に放射線照射される、または不十分に放射線照射される(例えば、それぞれ、ホットスポットおよびコールドスポット)。患者プラットフォームまたはカウチが、縦方向(IEC−Y)に沿って標的領域内で前進するにつれて、標的体積は、本システムのビーム成形要素によって画定されるような放射線のファンビーム(例えば、治療平面)を使用して放射線照射される。高速回転ガントリ(例えば、約15RPMを上回るもの、例えば、約60RPMまたは約70RPM)および高速バイナリMLC(例えば、約8ミリ秒〜約15ミリ秒のリーフ遷移時間を伴う)を伴う放射線療法システムは、約0.3未満であるピッチ(すなわち、IEC−Yに沿った一回転におけるカウチ移動とコリメータ厚さとの比率)をもたらし得る。IEC−Y(縦方向)に沿った患者およびカウチ運動は、線量変調アーチファクトに有意に寄与し得ることが示唆されている。
【0055】
腫瘍運動に起因する線量変調の一実施例が、
図2A−2Dに描写される。
図2Aおよび2Bは、約0.5mm/秒またはそれ未満の速度で移動する患者プラットフォームまたはカウチと、縦方向(例えば、IEC−Y)において20mmのサイズのバイナリMLCリーフとを有し、縦方向においてビームを横断する時間は、約40秒(20mm/[0.5mm/秒])であろう、放射線療法システム上の(呼吸運動に起因する)腫瘍運動を表す、プロットである。ビームを横断する時間は、「ジョー滞留時間」と称され得る。横断平面(例えば、IEC−XZ平面)にある間、バイナリMLCに関する時間スケール(例えば、リーフ遷移速度)は、100個の発射位置を伴うシステムにおいて約0.01秒で1桁高くなる。本放射線療法システムでは、バイナリMLCリーフの開放および閉鎖のレートは、カウチ運動の速度と比較して、比較的に速い。
図2Aに描写されるように、呼吸運動の支配的成分は、約0.2Hzの周波数を有する。呼吸運動および患者プラットフォーム運動に起因する線量変調は、ジョー滞留時間の変動の関数として解説されることができる。ジョー基準フレームにおける縦方向軸(IEC軸)に沿った任意の所与の点(y)において受容される線量Dは、以下のように表されてもよい。
【化4】
但し、yは、縦方向(IEC−Y)におけるビーム中心または機械の場所であり、Bは、所与のシステムに関するビームプロファイルを定義する。y(t)は、ジョー基準フレームにおいて見られるような腫瘍運動のプロファイルであり、以下のように説明されることができる。
【化5】
【0056】
経時的な積分は、上記の段落に説明されるようなある時間周期にわたる運動の平均化を表し、また、
図2Bに表される。呼吸運動のため、標的領域(例えば、肺腫瘍)は、ジョー窓(200)の前後、内外に偏移し得、その標的領域への不規則な線量送達をもたらす。所与の点yにおける線量は、ジョー窓(200)の内側の腫瘍の滞留時間に正比例し得る。滞留時間の変動は、線量変調および線量分布不規則につながる。
図2Cは、黒い実線で輪郭を描かれる臨床標的体積(CTV)および計画標的体積(PTV)に関する計画線量分布(例えば、IMRT計画線量プロファイル)を描写する。理想的な放射線送達は、標的領域の境界内に十分な量の均質な線量分布を送達するものである。しかしながら、(例えば、患者呼吸、治療平面を通した患者プラットフォーム移動、および/または患者を中心とする療法用放射線源回転に起因して)放射線が送達されている際に標的領域が移動するとき、送達線量は、計画分布から逸脱し得る。
図2Dは、
図2Aおよび2Bに説明および描写される呼吸運動と類似する方式でこれが移動する際の標的領域への放射線送達からもたらされる、シミュレートされた線量分布を描写する。そこで示されるように、過剰放射線照射の領域(「ホットスポット」)(202)および放射線照射不足の領域(「コールドスポット」)(204)が存在する。
【0057】
シャトルモード
患者または標的領域運動に起因する線量変調に対処することに役立ち得る方法は、呼吸運動と相関していない周波数成分を有する(例えば、約2Hz付近の周波数帯域外である周波数成分を有する)所定かつ既知の運動を放射線療法システムに導入するステップを含んでもよい。方法の一変形例は、患者標的領域が治療セッションの間に複数回にわたって治療平面を通過するように、繰り返しまたは周期的方式で患者プラットフォーム(またはカウチ)および/またはビーム成形要素(ジョー等)を移動させるステップを含んでもよい。例えば、治療セッションの間、患者プラットフォームは、標的領域が治療平面を少なくとも2回横断するように、第1の所定の場所から第2の所定の場所に、かつ第1の所定の場所に戻るように移動されてもよい。そのような繰り返しカウチ運動は、カウチシャトリングと称され得、1回のカウチシャトルサイクルまたは通過は、療法用放射線源から放射線を送達しながら、第1の場所から第2の場所に移動するステップを含む。継続的シャトル通過は、療法用放射線源から放射線を送達しながら、第2の場所から第1の場所に戻るようにカウチを移動させるステップを含んでもよい。カウチは、放射線が送達される際に連続的に移動されてもよい、またはカウチがこれらの所定の場所(またはビームステーション)において停止されるときのみ放射線が送達されるように、縦方向軸に沿った(IEC−Yに沿った)一連のカウチ場所に段階的に移動されてもよい。代替として、または加えて、治療セッションの間、ジョーは、少なくとも部分的にジョーによって画定される治療平面が2回のジョー通過において少なくとも2回標的領域を横断して掃引するように、第1の所定のジョー場所から第2の所定のジョー場所に(すなわち、第1のジョーシャトル通過において)、かつ第1の所定のジョー場所に戻るように(すなわち、第2のジョーシャトル通過において)移動されてもよい。そのような繰り返しジョー運動は、ジョーシャトリングと称され得、1回のジョーシャトルサイクルまたは通過は、療法用放射線源から放射線を送達しながら、第1のジョー場所から第2のジョー場所に移動するステップを含む。継続的ジョーシャトル通過は、療法用放射線源から放射線を送達しながら、第2のジョー場所から第1のジョー場所に戻るようにジョーを移動させるステップを含んでもよい。ジョー開口部または開口は、ジョーが往復する際に一定に保たれてもよい。他の変形例では、ジョー開口部または開口は、ジョーが往復する間に変化してもよい。カウチおよび/またはジョーシャトルモードの間のカウチおよび/またはジョー運動の速度を調節することは、呼吸運動の周波数ピークと相関していない周波数において標的領域にわたって治療平面を掃引することによって、呼吸運動から生じる線量変調アーチファクトに対処することに役立ち得る。例えば、約70秒の時間スケールでカウチおよび/またはジョーを往復させることは、約5秒の時間スケールで周波数ピークまたは成分(例えば、約0.2Hz)を有する呼吸運動から生じるアーチファクトを軽減することに役立ち得る。
図3Aおよび3Bは、
図3Aの1回のカウチまたはジョーシャトル通過および
図3Bの8回のカウチシャトル通過を伴う、300秒の治療時間間隔またはセッションにわたる標的領域運動を表す、プロットである。シャトルモードでは、カウチまたはジョーは、約70秒毎に元々の位置に戻る(ただし、カウチまたはジョー速度は、カウチが往復軌道(すなわち、通過の対)を約80秒毎、約90秒毎、約100秒毎等に完了するように調節されてもよい)。
図3Cの表に示されるように、複数のシャトルサイクル(例えば、8回のシャトル通過)を含む治療セッションは、単回のシャトルサイクル(例えば、1回のシャトル通過)を有する治療セッションよりも計画線量に近接する線量分布をもたらす。結果として生じる線量分布は、
図3Eに描写される(一方、計画線量分布は、
図3Dに再現される)。CTVおよびPTV(ともに、標的領域または放射線発射区域を含み得る)は、黒い実線で輪郭を描かれる。そこで見られるように、
図3Eの線量分布は、
図2Dの線量分布よりも計画線量分布と類似する。
【0058】
カウチシャトルモードおよびジョーシャトルモードが別個に説明され得るが、カウチおよびジョーの両方は、治療セッション(例えば、ジョーシャトルモードにおける第1の通過、カウチシャトルモードにおける第2の通過等)の間に同時に、および/または連続的に往復され得ることを理解されたい。カウチとジョーとの間の運動の組み合わせが、
図3Bの運動曲線を達成するために使用されてもよい。本組み合わせられたカウチおよびジョーシャトルは、特に、シャトル通過が増加した場合に、これが患者加速度を有意に低減させるために使用され得るため、有益であり得る。例えば、
図3Bの(シャトリングが方向を変化させる)「ピーク」では、シャトリング効果は、ジョーシャトリングによって達成され得る(したがって、殆どの加速度は、ジョーにおいてであり、カウチにおける加速度は、ほぼゼロである)。これらの方法は、連続的カウチ運動および/または段階発射カウチ運動のために構成される放射線療法システムと併用されてもよい。
【0059】
カウチシャトル
カウチシャトリングに関する方法の一変形例が、
図4のフローチャート図によって表される。方法(400)は、随意に、放射線療法システムプラットフォーム上に患者を装填するステップ(402)と、患者の画像を入手するステップ(404)とを含んでもよい。入手された画像は、患者の位置および場所を放射線療法システムの座標系と位置合わせする、および/またはビームをオンにする前に治療計画を正規化するために使用されてもよい。方法(400)は、患者内の標的領域の全てが治療平面を横断し、療法用放射線源によって放射線照射されるように、患者プラットフォームを第1の所定のプラットフォーム場所から第2の所定のプラットフォーム場所に移動させるステップ(406)を含んでもよい。いくつかの変形例では、療法用放射線源、ビーム成形モジュール(例えば、ジョーおよび動的バイナリMLC)、およびガントリは、治療計画RFMを畳み込まれた、または乗算された、検出されたLORデータに基づいて、患者にあるフルエンスを印加してもよい。随意に、方法(400)は、入手されたPETデータおよび/またはMV検出器データに基づいて、放射線送達パラメータを更新するステップ(407)を含んでもよい。例えば、放射線送達パラメータを更新するステップは、入手されたPETデータにRFMを乗算することによって導出される放射線フルエンスを正規化するステップ、送達線量またはフルエンス計算に基づいてRFMを再計算するステップ、および/またはジョー、MLC、カウチ、および/またはガントリ命令を更新するステップ、および/または1つ以上の正規化係数、1つ以上の減衰係数等の1つ以上のスケーリング係数を使用して、送達に関する放射線フルエンスを調節または修正するステップを含んでもよい。(例えば、単回のシャトル通過の、および/または累積)放出フルエンスおよび/または送達線量が、随意に、計算されてもよい。方法(400)は、標的領域が治療平面を横断する際に治療平面内に療法用放射線を提供しながら、患者プラットフォームを第2の所定のプラットフォーム場所から第1の所定のプラットフォーム場所に移動させるステップ(408)を含んでもよい。方法(400)は、随意のステップ(407)の有無を問わず、任意の回数(例えば、1回以上の回数)にわたってステップ(406)および(408)を繰り返すステップ(410)を含んでもよい。いくつかの変形例では、ステップ(406)および(408)は、治療セッションの間に偶数のシャトルサイクルまたは回数(例えば、2、4、6、8、10回)繰り返されてもよい。
【0060】
ジョーシャトル
ジョーシャトリングに関する方法の一変形例が、
図5のフローチャート図によって表される。方法(500)は、随意に、放射線療法システムプラットフォーム上に患者を装填するステップ(502)と、患者の画像を入手するステップ(504)とを含んでもよい。入手された画像は、患者の位置および場所を放射線療法システムの座標系と位置合わせする、および/またはビームをオンにする前に治療計画を正規化するために使用されてもよい。方法(500)は、患者内の標的領域の全てが治療平面を横断し、療法用放射線源によって放射線照射されるように、患者プラットフォームを第1の所定のプラットフォーム場所から第2の所定のプラットフォーム場所に移動させると同時に、ジョーを第1の所定のジョー位置から第2の所定のジョー位置に、かつ第1の所定のジョー位置に戻るようにn回移動させるステップ(506)を含んでもよい。nは、任意の数(例えば、1、2、3、4、5、7、9、11等)であってもよく、いくつかの変形例では、nは、偶数、例えば、2、4、6、8、10等であってもよく、ジョーが移動するレートまたは速度は、約0.25cm/秒〜約2cm/秒、例えば、約0.5cm/秒、約1cm/秒であってもよい。いくつかの変形例では、療法用放射線源、ビーム成形モジュール(例えば、ジョーおよび動的バイナリMLC)、およびガントリは、治療計画RFMを畳み込まれた、または乗算された、検出されたLORデータに基づいて、患者にあるフルエンスを印加してもよい。ジョーは、第1の所定のジョー位置と第2の所定のジョー位置との間を往復しているが、MLCの構成は、RFMにLORデータを乗算する、または畳み込むことから導出されるフルエンスマップに従って(例えば、フルエンスマップのセグメント化からの命令に基づいて)、変化してもよい(すなわち、リーフは、開放状態と閉鎖状態との間で遷移してもよい)。随意に、方法(500)は、入手されたPETデータおよび/またはMV検出器データに基づいて、放射線送達パラメータを更新するステップ(507)を含んでもよい。例えば、放射線送達パラメータを更新するステップは、RFMを正規化するステップ、送達線量またはフルエンス計算に基づいてRFMを再計算するステップ、および/またはジョー、MLC、カウチ、および/またはガントリ命令を更新するステップ、および/または1つ以上の正規化係数、1つ以上の減衰係数等の1つ以上のスケーリング係数を使用して、送達に関する放射線フルエンスを調節または修正するステップを含んでもよい。(例えば、単回のシャトル通過の、および/または累積)放出フルエンスおよび/または送達線量が、随意に、計算されてもよい。方法(500)は、患者内の標的領域の全てが治療平面を横断し、療法用放射線源によって放射線照射されるように、患者プラットフォームを第2の所定のプラットフォーム場所から第1の所定のプラットフォーム場所に移動させると同時に、ジョーを第1の所定のジョー位置から第2の所定のジョー位置に、かつ第1の所定のジョー位置に戻るようにn’回移動させるステップ(508)を含んでもよい。n’は、任意の数(例えば、n’=1、2、3、4、5、7、9、11等)であってもよく、いくつかの変形例では、n’は、偶数、例えば、2、4、6、8、10等であってもよく、nと同一である場合とそうではない場合がある。方法(500)は、随意に、随意のステップ(507)の有無を問わず、治療セッションにおいて偶数のシャトルサイクルまたは回数(例えば、2、4、6、8、10回)にわたってステップ(506)および(508)を繰り返すステップ(510)を含んでもよい。随意のステップ(510)を含むことは、カウチシャトリングおよびジョーシャトリングの両方を組み合わせる。前述で説明されるように、ジョーは、約0.25cm/秒〜約2cm/秒、例えば、約0.5cm/秒、約1cm/秒のレートで移動されてもよく、第1および第2の所定のジョー位置の間の距離は、約1cm〜約4cm、例えば、約1cm、約2cmであってもよい。ジョーシャトリングの周波数は、呼吸運動の支配的周波数成分の約4倍〜約5倍であってもよい。
【0061】
送達および相互作用アーチファクト軽減
上記に簡潔に説明されるように、放射線送達パラメータは、随意に、治療セッションの間に更新されてもよい。送達パラメータを更新することは、患者運動に起因する線量変調アーチファクトを軽減することに役立ち得る。いくつかの変形例では、方法は、シャトル通過(カウチおよび/またはジョーシャトル通過)の間に患者に送達されるフルエンスを計算するステップと、送達フルエンスを治療計画フルエンスと比較し、フルエンス差を計算するステップと、治療計画のRFMを更新し、後続シャトル通過におけるフルエンス差を送達するステップとを含んでもよい。フルエンス計算は、1つ以上の標的領域にわたる平均フルエンスであってもよい。フルエンス差は、静的患者基準フレームにおいて計算/推定され、いかなるさらなる撮像データも要求することなく(例えば、いかなるPET撮像データ、CT撮像データ、またはMV検出器データも伴わずに)1回以上の後続通過において送達されることができる。代替として、これは、腫瘍視点(POV)基準フレームにおいて計算されることができる。いくつかの変形例では、本方法は、(単回のシャトル通過において送達されるフルエンスだけではなく)治療セッションにおける全ての以前のシャトル通過を横断する累積送達フルエンスを計算するステップを含んでもよい。代替として、または加えて、方法は、シャトル通過(カウチおよび/またはジョーシャトル通過)の間に患者に送達される線量を計算するステップと、送達線量を治療計画線量と比較し、線量差を計算するステップと、治療計画のRFMを更新し、後続シャトル通過における線量差を送達するステップとを含んでもよい。線量計算は、1つ以上の標的領域にわたる平均線量であってもよい。これらの方法はまた、放射線療法システム限界/制約に起因する線量変調アーチファクトを補償または補正することに役立ち得る。システム限界/制約は、フィルタ処理された部分画像(例えば、RFMを乗算されたLORデータに基づいて計算されたフルエンスマップ)に厳密に合致しない動的バイナリMLC構成または放射線ビーム形状からもたらされる雑音、撮像システム(例えば、PET、CT、MRI撮像システム)における雑音等を含んでもよい。リアルタイム送達値/メトリック(例えば、フルエンス、線量、PET LOR等の撮像データ)に基づいて治療セッションの間にRFMおよび/または送達パラメータ(例えば、送達フルエンスマップ、セグメント化された機械命令等)を更新することは、セッションの間の連続的アーチファクト補正を促進し得る。RFMおよび/または送達パラメータの規則的な更新は、累積送達フルエンスまたは線量が、計画/処方フルエンスまたは線量送達分布に向かって収束するように、各連続的放射線送達区画(またはシャトル通過)を調整することに役立ち得る。
【0062】
図6は、治療セッションの間にRFMを更新するための一方法のフローチャート表現を描写する。方法(600)は、第1のシャトル通過後に標的領域に送達されたフルエンスを計算するステップ(602)を含んでもよい。シャトル通過は、ジョーシャトリングおよび/またはカウチシャトリングであってもよい。送達フルエンスは、療法用放射線源線量チャンバ測定および/または放射線ビームパルスパラメータ(例えば、周波数、持続時間、デューティサイクル、パルス数等)、および/またはMLCリーフ構成、および/またはジョー構成に基づいて計算されてもよい。随意に、送達フルエンスは、MV検出器データを使用して計算されてもよい。方法(600)は、標的領域への送達フルエンス(例えば、標的領域にわたる平均送達フルエンス)を標的領域への治療計画フルエンス(例えば、標的領域にわたる平均計画フルエンス)と比較し、フルエンス差Δf(例えば、標的領域にわたる平均フルエンス差)を計算するステップ(604)と、フルエンス差Δfに基づいて、新しいまたは更新された放射線発射マトリクス(RFM)を計算するステップ(606)とを含んでもよい。RFMを更新した後、放射線療法システムは、更新されたRFMを使用して、後続シャトル通過の間に標的領域にフルエンス差Δfを送達(608)してもよい。例えば、生物学誘導放射線療法では、フルエンス差Δfは、治療セッションの間に入手された撮像データ(例えば、部分画像)に更新されたRFMを乗算することによって送達されてもよい。放出誘導放射線療法(あるタイプの生物学誘導放射線療法)では、更新されたRFMは、送達フルエンスマップを生成するために、1つ以上の検出されたLORを乗算されてもよい。送達フルエンスマップは、次いで、フルエンスマップに従って患者に放射線を放出する機械命令(例えば、MLC、リニアック、ガントリ、患者プラットフォーム/カウチ、および/またはジョー命令)にセグメント化されてもよい。方法(600)はまた、複数の標的領域にわたってRFMを更新するために使用されてもよい。例えば、複数の標的領域に送達されるフルエンス(例えば、平均フルエンス)が、計算され、標的領域毎の差異(i番目の標的領域に関するΔf
TRi)を計算するために複数の標的領域のそれぞれの計画フルエンス(例えば、平均計画フルエンス)と比較されてもよく、全ての標的領域を横断するフルエンス差が、RFMを更新するためにともに平均化されてもよい(または別様に正規化される)。いくつかの変形例では、RFMは、フルエンスまたは線量送達メトリックが最大数の標的領域に関して満たされるように更新または最適化されてもよい。方法(600)はまた、フルエンス計算の代わりに、線量計算を使用して実施されてもよい。放出誘導放射線療法では、方法(600)は、PETまたはLORデータ(例えば、標的領域にわたる平均PET強度)を使用して実施されてもよい。
【0063】
パイプライン正規化
典型的な放射線送達では、治療計画および/または放射線送達パラメータの補正または調節が、治療が開始される前に一度適用される。すなわち、入手される治療セッションプレスキャン画像に基づく補正または調節が、一度計算され、ビームをオンにする前に一度治療計画および/または放射線送達パラメータに適用される。しかしながら、本更新は、治療セッションの開始時に一度だけ起こるため、いかなる線量変調アーチファクトも、補正されない場合がある。本明細書に説明されるカウチおよび/またはジョーシャトルモードでは、治療計画および/または放射線送達パラメータの補正または調節は、シャトル通過の間に計算および適用されてもよい。各通過で、以前の通過から入手されたデータ(例えば、PET撮像データまたはLOR、MV検出器データ等)が、標的領域に送達されたフルエンスまたは線量の量を推定するために使用されてもよい。すなわち、以前の撮像データは、次の通過における将来の線量を予測するために使用されてもよい。次のシャトル通過は、例えば、RFMを調節することによって、および/または以前のシャトル通過において送達されたフルエンスおよび/または線量に基づいて動的に更新され得る正規化係数を使用して、現在のシャトル通過に関する放出フルエンスをスケーリングまたは偏移させることによって、その時点までに治療セッションにおいて送達された放射線フルエンスまたは線量によって補正されることができる。本動的またはパイプライン正規化は、標的領域の外側にあり得る構造を移動させることからの減衰アーチファクトの変化を含む、送達の間に検出される画像雑音の誤差または変化を補正することに役立ち得る。複数の腫瘍領域が放射線照射されるべきいくつかの変形例では、正規化係数は、領域毎に計算されてもよく、各領域特有正規化係数は、その特定の腫瘍領域に特有の係数および変動を組み込んでもよい。領域毎の各正規化係数は、本明細書に説明される方法のうちのいずれかを使用して計算されてもよい。代替として、全ての腫瘍領域のための単一の包括的正規化係数が存在してもよい。
【0064】
放出誘導放射線療法セッションの間にRFMを動的に更新するための例証的方法が、
図7に描写される。これらの方法(および本明細書に含まれる他の方法)は、PET画像(例えば、LOR)データに基づいて放射線を送達する文脈において説明されるが、これらの方法は、限定ではないが、CT部分画像データに基づく放射線送達、MRI部分画像データに基づく放射線送達を含む、任意の生物学誘導放射線療法撮像モダリティのために使用され得ることを理解されたい。方法(700)は、随意に、放射線療法システム患者プラットフォームまたはカウチ上に患者を装填するステップ(702)と、患者内の1つ以上の標的領域を含む、患者の画像を入手するステップ(704)とを含んでもよい。放出誘導放射線療法では、PETトレーサ(例えば、腫瘍領域において蓄積するもの)が、患者の中に導入されてもよく、プレスキャンは、PET画像であってもよい。
【0065】
方法(700)は、プレスキャン画像および治療計画を生成するために使用される画像に基づいて、正規化係数(NF)を計算するステップ(706)を含んでもよい。NFは、標的領域(すなわち、治療野または放射線発射区域)内のプレスキャンの平均PET撮像信号を計算し、同一の標的領域(すなわち、治療野または放射線発射区域)内の治療計画画像の平均PET信号を計算することによって計算されてもよい。NFは、平均計画PET撮像信号と平均プレスキャンPET撮像信号との比率であってもよい。
【0066】
随意に、いくつかの変形例では、PETプレスキャン画像は、プレスキャンのすぐ後に続くシャトル通過において送達されるであろう線量またはフルエンスを予測するために使用されてもよい。例えば、プレスキャン画像は、ある送達メトリックを満たすであろう、送達されるであろうリアルタイムフルエンスまたは線量を予測または推定するために使用されることができる。プレスキャン画像は、NFによって正規化されることができる。プレスキャン画像は、ここでは、放射線送達の線量を推定するために使用されることができ、PET画像の画像雑音に対する感度が有意に低くあり得る。正規化係数はまた、標的領域への平均治療計画フルエンスまたは平均治療計画放射線量を正規化するために使用されることができる。
【0067】
方法(700)は、計算されたNFに基づいて、治療計画RFMを調節するステップ(708)を含んでもよい。NFによってRFMを調節するステップは、NFに基づく任意の線形演算または変換を使用してRFMを修正するステップを含んでもよい。線形演算の実施例は、NFによってRFMを乗算する、畳み込む、および/またはスケーリングするステップを含んでもよい。いくつかの変形例では、これはまた、NFに基づく定数をRFMに加算する、またはそれから減算するステップを含んでもよい。方法(700)は、次いで、患者内の標的領域の全てが少なくとも一度(例えば、1回以上の回数、2回以上の回数等)治療平面と交差するように、患者プラットフォームを第1の所定のプラットフォーム場所から第2の所定のプラットフォーム場所に(すなわち、第1のカウチシャトル通過)、かつ第1の所定のプラットフォーム場所に戻るように(すなわち、第2のカウチシャトル通過)移動させるステップ(710)を含んでもよい。患者プラットフォームを移動させる間、標的領域は、調節されたRFMおよびPET検出器によって入手されたPET LORデータに基づいて放射線照射されてもよい。患者プラットフォームが、第1の所定のプラットフォーム場所に戻ったとき、NFは、シャトル通過の間に送達されたフルエンスおよび/または線量に基づいて、更新(712)されてもよい。いくつかの変形例では、NFは、シャトル通過の間に入手されたPET LORデータに基づいて更新されてもよい。例えば、更新されたNFは、標的領域(例えば、治療野、放射線発射区域)への計画フルエンス(例えば、平均計画フルエンス)とその標的領域への実際の送達フルエンス(例えば、平均送達フルエンス)との比率を求めることによって計算されてもよい。代替として、または加えて、更新されたNFは、標的領域(例えば、治療野、放射線発射区域)への計画線量(例えば、平均計画線量)とその標的領域への実際の送達線量(例えば、平均送達線量)との比率を求めることによって計算されてもよく、送達線量は、送達フルエンスおよびプレスキャン画像または治療計画画像に基づいて計算される。フルエンス計算に基づいてNFを更新することは、モニタユニットの全体的保存等のフルエンスベースのメトリックを満たすための放射線送達に役立ち得る一方、線量計算に基づいてNFを更新することは、線量ベースのメトリック(例えば、D95カバレッジ、最大OAR線量)を満たすための放射線送達に役立ち得る。放出誘導放射線療法では、NFは、標的領域にわたるPET強度(例えば、PET計画またはプレスキャン画像に基づく標的領域の平均PET強度と治療セッションの間に入手されるLORデータに基づく標的領域の平均PET強度との比率)に基づいて更新されてもよい。RFMは、上記に説明されるように、NFに基づく任意の線形演算または変換を使用して更新されてもよい。随意に、方法(700)は、治療セッションの間に任意の回数、いくつかの変形例では、治療セッションの間に偶数の回数にわたってステップ(710)、(712)を繰り返すステップ(714)を含んでもよく、送達フルエンスまたは線量が計画フルエンスまたは線量に収束すると、停止されてもよい。
【0068】
方法(700)は、患者プラットフォームまたはカウチシャトリングを使用する動的正規化の実施例を提供するが、方法(700)はまた、ジョーシャトリングモードにおいて使用され得、NFおよびRFMは、各ジョーシャトル通過後に更新されることを理解されたい。ジョーシャトルモードでは、ジョーが、単回のプラットフォームシャトル通過にわたって複数回のシャトル通過を完了しているため、患者プラットフォームは、治療セッションの間に1回の通過のみを完了している場合がある。代替として、または加えて、方法(700)は、組み合わせられたカウチおよびジョーシャトリングモードにおいて使用されてもよい。
【0069】
いくつかの変形例では、放射線送達のための方法は、正規化係数、減衰係数、加重係数、および同等物のうちの1つ以上のもの等の1つ以上の調節係数を使用して、放出または送達されるべき放射線フルエンスまたは線量を調節するステップを含んでもよい。特定のシャトル通過(例えば、カウチ/プラットフォームシャトルおよび/またはジョーシャトル)の間に放出または送達されるべき放射線フルエンスまたは線量は、調節係数によってスケーリングおよび/または偏移されてもよい。いくつかの変形例では、調節係数は、調節係数が(例えば、撮像データ、および/または画像、および/または他の生理学的データを使用して)患者の最新の状態および治療セッションの間に送達される放射線を反映し得るように、シャトル通過毎に調節および/または更新されてもよい。例えば、調節係数は、以前のシャトル通過の間に放出された放射線フルエンスまたは送達された線量および治療計画によって規定されるようなフルエンスまたは線量の量に基づいて、更新または調整されてもよい。一変形例では、シャトル通過において送達されるべきフルエンス(または線量)は、少なくとも部分的に、以前のシャトル通過において送達された放射線および以前のシャトル通過の間に入手された撮像データ(および/または治療セッションの間に入手された任意の他の撮像データ)に基づいて計算され得る、正規化係数(および/または随意に、減衰係数)によってスケーリングされてもよい。シャトル通過毎に調節される正規化係数によって放射線フルエンスまたは線量をスケーリングすることは、計画放射線フルエンスまたは線量(すなわち、治療計画によって処方される放射線フルエンスまたは線量)に向かう送達される累積放射線の収束を促進し得る。患者に印加される放射線フルエンスまたは線量が、治療セッションの間に入手される撮像データ(例えば、PET撮像データ)に基づいて計算される、放出誘導放射線療法の場合では、セッションの間にすでに送達された累積フルエンスまたは線量および送達放射線量と計画放射線量(例えば、治療計画および/または臨床医によって規定されるような)との間の差異を考慮する正規化係数を用いて放射線フルエンスまたは線量をスケーリングまたは別様に調節することは、腫瘍運動、患者運動、および/または可変トレーサ取り込み、および同等物に起因するいかなる放射線送達誤差、揺らぎ、および/または予期せぬ、または意図しない変動を補償することに役立ち得る。本明細書に含まれる方法は、PETトレーサおよび陽電子放出データを使用する放出誘導または生物学的誘導放射線療法の文脈において説明されるが、これらの方法はまた、治療セッションの間にリアルタイムで入手されるデータを使用して放射線を印加する任意の放射線療法モダリティにおいて使用され得ることを理解されたい。加えて、1つ以上の正規化係数の計算に関して本明細書に説明される方法は、放射線フルエンスを使用し得るが、本方法は、代替として、または加えて、正規化係数を計算するために放射線量を使用してもよい。放射線量値またはプロファイルは、線量計算マトリクスAを使用してフルエンス値またはプロファイルから導出されてもよく、マトリクスAは、画像空間内でフルエンスを線量にマッピングする線形演算子であってもよい。本明細書に説明される方法のうちのいずれかにおける放射線フルエンスまたは線量の具体的言及は、より一般的には、標的領域に放出または送達される放射線の量を指し得る。
【0070】
随意に、本明細書に説明される方法のうちのいずれかに関して、治療時間および/またはカウチシャトル通過の回数Nは、放射線送達の前に選択されてもよい(但し、これらの方法はまた、ジョーシャトリングとの併用のために適合されてもよい)。治療時間および/またはシャトル通過の回数Nは、例えば、治療計画の間、患者が治療セッションのために設定される前、または患者が治療のために設定された後であるが、治療ビームがアクティブ化される前に決定または選択されてもよい。随意に、減衰係数α(それから正規化された減衰係数βが導出され得る)が、複数のシャトル通過を横断する所望の放射線送達レートに従って選択されてもよい。シャトル通過の回数Nおよび減衰係数αを前提として、正規化された減衰係数βは、以下のように導出されてもよい。
【化6】
【0071】
例えば、いくつかの変形例では、減衰係数αは、より大きい割合の処方または計画放射線フルエンスまたは線量が、後のシャトル通過よりも先のシャトル通過において導出される(すなわち、最初の通過において放出される放射線フルエンスが、最後の通過において放出される放射線フルエンスを上回る)ように選択されてもよい。そのような様式では、先のシャトル通過は、計画放射線量の大部分を送達するように機能する一方、後のシャトル通過は、フルエンス補正または調節を送達し、治療セッションの間に起こった可能性がある、いかなる誤差、アーチファクト、および/または運動(例えば、相互作用アーチファクト、患者または腫瘍運動)も補償するように機能する。本明細書に含まれる方法のうちのいずれかでは、減衰係数αは、0〜約1、例えば、約0.5、0.6、0.7、0.75、0.77、0.8、0.83、0.85、0.90、0.91、0.97、1等であってもよい。シャトル通過の回数Nを規定することに加えて、治療セッション持続時間もまた、規定されてもよい。いくつかの変形例では、治療セッション持続時間は、一定に保持されてもよく、シャトル通過あたりの費やされる時間は、シャトル通過の回数に従って調節されてもよい。すなわち、シャトル通過の回数が増加するにつれて、シャトル通過あたりの時間は、減少し得、特定のシャトル通過に関する療法用放射線ビーム平面内の標的領域の滞留時間は、低減され得る。治療セッション全体を横断する(例えば、全てのN回のシャトル通過を横断する)累積滞留時間は、滞留時間がそれに応じて低減されるため、シャトル通過の回数にかかわらず、ほぼ一定のままであり得る。本明細書に説明される実施例では、シャトル通過の回数Nは、4であってもよく、減衰係数αは、0.83(すなわち、1/1.2)であってもよいが、Nおよびα(続けて、β)は、所望に応じて変動し得る。例えば、N=4およびα=(1/1.2)または0.8333である治療セッションでは、4回の通過のそれぞれに関する正規化された減衰係数は、β
1=0.33、β
2=0.28、β
3=0.23、β
4=0.19であってもよい。正規化係数および1つ以上の減衰係数(α,β)が、シャトル通過の間に標的領域に放出される放射線フルエンスを調節するために使用され得るが、放射線フルエンスは、ある正規化係数、複数の正規化係数、単一の減衰係数、および/または治療セッションの間に患者および/またはシステム条件を反映するために放出される放射線を調整する任意の他の付加的係数のみを用いて調節されてもよい。
【0072】
図8Aは、治療セッションの間に印加される放射線がシャトル通過毎に調節される方法の一変形例を描写する。前述で説明されるように、シャトル通過は、患者内の1つ以上の腫瘍領域が、一度療法用放射線ビーム平面を通過するように、患者プラットフォームまたはカウチを第1の場所から第2の場所に移動させるステップを含んでもよい。カウチは、放射線が送達される際に連続的に移動されてもよい(例えば、螺旋放射線送達)、またはカウチが所定のカウチ場所またはステップにおいて停止されるときのみ放射線が送達されるように、段階的に移動されてもよい(例えば、ビームステーション送達、すなわち、カウチが移動している間に療法用放射線ビームが停止され、カウチが停止されるときにオンになる)。下記に説明される方法は、カウチシャトリングの文脈であるが、類似する方法が、ジョーシャトリングにおける使用のために適合され得ることを理解されたい。方法(800)は、撮像データを入手しながら、患者が放射線治療平面を通過するように、患者を第1の場所から第2の場所に(すなわち、患者プラットフォームを移動させることによって)移動させるステップ(802)と、患者が放射線ビーム平面を通過する際に第1の放射線量を印加するステップ(804)とを含んでもよい。これは、第1のシャトル通過と称され得、第1の放射線量は、少なくとも部分的に、1つ以上の調節係数(例えば、第1の正規化係数および/または第1の減衰係数)とともに、治療計画、第1の通過の間に入手された撮像データ(例えば、治療セッションの開始時に入手された患者のプレスキャン画像X
prescan等の完全画像、および/または1つ以上のLORまたは陽電子消滅放出経路等の部分画像)に基づいて決定されてもよい。方法(800)は、次いで、撮像データを入手しながら、患者が放射線治療平面を通過するように、患者を第2の場所から第1の場所に(すなわち、患者プラットフォームを移動させることによって)移動させるステップ(806)と、患者が放射線ビーム平面を通過する際に第2の放射線量を印加するステップ(808)であって、第2の放射線量は、第1の放射線量と異なる、ステップとを含んでもよい。これは、第2のシャトル通過と称され得、第2の放射線量は、少なくとも部分的に、1つ以上の調節係数(例えば、第2の正規化係数および/または第2の減衰係数)および以前の(第1の)通過において送達された放射線量とともに、治療計画、第2の通過の間に入手された撮像データ(例えば、治療セッションの開始時に入手された患者のプレスキャン画像X
prescan等の完全画像、および/または1つ以上のLORまたは陽電子消滅放出経路等の部分画像)に基づいて決定されてもよい。第2の正規化係数および/または第2の減衰係数は、第1の正規化係数および/または第1の減衰係数と異なってもよい。ステップ(802−804)および/または(806−808)は、所望または規定に応じた回数だけ(例えば、最大N回のシャトル通過)繰り返されてもよい。シャトル通過の回数Nは、奇数または偶数であってもよく、療法用放射線は、患者が第1および第2の場所の間を交互に往復されている際に印加されてもよい。いくつかの変形例では、第1の場所と第2の場所との間の距離は、患者の身体の実質的長さに及んでもよく、例えば、少なくとも、相互に最も遠い(すなわち、縦方向IEC−Y軸に沿った)標的領域の間の距離と同程度に長い、または少なくとも、単一の標的領域の最大寸法(すなわち、縦方向IEC−Y軸に沿った標的領域の長さ)と同程度に長くてもよい。
【0073】
標的領域に送達される放射線が、少なくとも部分的に、治療セッションの間に入手される撮像データ(および/または任意の患者またはシステムデータ)によって決定され得るいくつかの変形例では、放射線療法システムによって放出されるフルエンスは、蓄積的に、送達線量が、処方線量(すなわち、治療計画によって規定される線量またはD
plan)に収束することを確実にすることに役立つために調節されてもよい。特定のシャトル通過に関する調節係数は、入手された撮像データ(および/または患者またはシステムデータ)、すでに送達された放射線の量、治療計画パラメータ、および/または任意の他のフィルタまたはスケーリングまたは加重係数に基づいて導出されてもよく、調節係数は、シャトル通過毎に計算および/または更新されてもよい。
【0074】
図8Bは、シャトル通過の間に印加される放射線が、シャトル通過が開始される前に計算される正規化係数に従って修正または調節され、正規化係数が、シャトル通過毎に更新される(すなわち、パイプライン正規化)方法の一変形例を描写する。方法(820)は、正規化係数k
iを計算するステップ(822)と、撮像データを入手しながら、放射線のi番目の通過を印加するステップ(824)であって、放出される放射線フルエンスは、入手された撮像データおよび計算された正規化係数k
iに基づいて計算される、ステップと、正規化係数k
i+1を計算するステップ(826)と、撮像データを入手しながら、放射線のi番目の通過を印加するステップ(828)であって、放出される放射線フルエンスは、入手された撮像データおよび計算された正規化係数k
i+1に基づいて計算される、ステップと、放射線送達通過のi=1、…、N回にわたって正規化係数の計算および放射線の印加(826−828)を繰り返すステップ(830)とを含んでもよい。一変形例では、正規化係数k
i+1は、累積計画放射線フルエンスまたは線量D
planとこれまで(すなわち、全ての以前のシャトル通過において)送達された放射線フルエンスとの間の差異を求め、計画および送達されたフルエンスの間の差異を、将来のシャトル通過のそれぞれが以前のシャトル通過において送達されたものと同一量の放射線を送達した場合に標的領域に印加されるであろう(離散フルエンス値またはレベルにセグメント化されない場合がある)予測累積フルエンスを用いて正規化する(例えば、除算する)ことによって計算されてもよい。以前のシャトル通過の間に累積的に放出された放射線は、放射線療法システムコマンドおよび構成(例えば、療法用放射線源からのパルスパラメータ、MLC構成、ガントリ回転等)および/またはセンサデータ(例えば、MV検出器データ、線量チャンバデータ、MLC、カウチ、ガントリからの位置センサデータ等)、および/または撮像データ(例えば、PETデータ、CTデータ、MRIデータ等)に基づいて計算されてもよい。撮像データが陽電子消滅放出データ(すなわち、LORデータ)を含む放出誘導放射線療法(例えば、生物学的誘導放射線療法)では、放射線療法システムによって放出される放射線は、入手されたPET放出データ(x
i)に治療計画システムからのRFMを乗算し、標的領域(すなわち、生物学的発射区域)への放射線送達を限定する空間フィルタ(BFZ)でマスクされ、随意に、1つ以上の正規化係数(k
i)および/または減衰係数(β
i)を用いてスケーリングされることによって計算されてもよい。入手されたPET放出データ(x
i)は、1つ以上のLORを含んでもよいが、完成または完全PET画像の生成のために十分な数のLORを含んでいない場合がある。他の放射線療法システムに関して、撮像データは、2−D投影X線画像(CT撮像システムに関して)またはk空間内のMRIサブサンプリング(MRI撮像システムに関して)を含んでもよい。第1のシャトル通過に関する正規化係数(k
1)は、治療セッションの開始時に入手された患者のプレスキャン画像(X
prescan)に基づいて計算されてもよい。
【0075】
一変形例では、シャトル通過指数i(i=1、2、…、N回のシャトル通過)に関する正規化係数は、以下のように計算されてもよい。
【化7】
但し、D
planは、治療計画において規定されるような放射線量またはフルエンスであり、β
iは、減衰係数であり、D
i,rawは、リアルタイム治療セッションデータに基づくいかなる調節も伴わない治療計画による、シャトル通過iに関して送達された(または送達されるべき)放射線フルエンスである。D
i,rawは、計算された放射線フルエンス(例えば、連続的フルエンス値を伴う)またはセグメント化された放射線フルエンス(例えば、離散フルエンス値またはレベルを伴う)であってもよく、セグメント化された放射線フルエンスは、放射線療法システムによって送達可能なフルエンス値を表すフルエンス値を含んでもよい。いくつかの変形例では、治療セッションの間に入手される撮像データに基づく放射線送達に関して、以下であり、
【化8】
但し、Aは、画像空間内でフルエンスを線量にマッピングする放射線療法システムパラメータに基づいて生成される、線量計算マトリクスであり、X
prescanは、いかなる療法用放射線も送達される前の治療セッションの開始時に入手された画像(例えば、完全PET画像、完全CT画像、および/または完全MRI画像等の完全画像)であり、RFMは、画像データ(例えば、LORのセットまたは2−D X線投影またはk空間内のMRIサブサンプリング、または不完全な画像データ等の部分画像)から放射線ビームレットパターンおよび/またはビームレット強度への変換を指定する治療計画システムによって生成される放射線発射マトリクスであり、BFZは、非標的領域をマスクして除外しながら標的領域を規定するビットマップを含む、空間フィルタである。「治療時間」は、臨床医またはユーザによって選択または決定され得る、治療計画システムによって定義される合計治療送達時間であり、「プレスキャン時間」は、プレスキャン画像X
prescanを入手するために費やされる合計時間である。
【0076】
項
【化9】
は、将来のシャトル通過のそれぞれが以前のシャトル通過において送達されたものと同一量の放射線を送達した場合に標的領域に印加されるであろう予測累積フルエンスを表し得、また、D
i,predicted cumulative(放射線療法システムによって送達可能なフルエンスレベルまたは値にセグメント化されない場合がある)と称され得る。いくつかの変形例では、D
i,predicted cumulativeは、以下のように表されてもよい。
【化10】
【0077】
第1のシャトル通過に続くシャトル通過(2<=i<=N)に関して、正規化係数k
iはまた、以下のように記載されてもよい。
【化11】
【0078】
但し、x
iは、シャトル通過iの間に入手される撮像データを表す。方法(820)では、ステップ(822)および(826)は、上記に説明されるように、正規化係数k
iおよびk
i+1を計算してもよい。
【0079】
i番目のシャトル通過において送達される放射線フルエンス(D
i,calc)は、以下のように計算されてもよい。
【化12】
【0080】
方法(820)に適用されるとき、(824)において放出される放射線フルエンスは、
【化13】
であってもよく、(828)において放出される放射線フルエンスは、
【化14】
であってもよく、但し、x
i,x
i+1は、それぞれ、シャトル通過iおよびi+1の間に入手される撮像データを表す。
【0081】
図8Cは、シャトル通過の間に印加される放射線が、最も直近で入手された撮像データ(例えば、部分および/または完全画像)に基づいて計算される正規化係数に従って修正または調節される、パイプライン正規化方法の一変形例を描写する。方法(840)は、撮像データおよび/または患者データおよび/またはシステムデータが、放射線療法セッションの間に入手され、放射線送達を適合させる、修正する、または別様に調節するために使用される、任意の画像誘導または放出誘導(例えば、生物学的誘導)放射線療法と併用されてもよい。
図8Cのフローチャートは、放射線送達の第1のシャトル通過および第2のシャトル通過に適用される方法を描写するが、本方法はまた、所望され得るように、付加的シャトル通過のために拡張され得ることを理解されたい。方法(840)は、随意に、放射線療法システムプラットフォーム上に患者を装填するステップ(842)と、患者の画像(例えば、プレスキャンPETおよび/またはCT画像X
prescan)を入手するステップ(844)と、随意に、通過の回数(N)および減衰係数(α)を選択し、通過(β
1、β
2、…、β
N)毎に正規化された減衰係数(β
i)を計算するステップ(846)と、プレスキャン画像X
prescanに基づいて、第1の正規化係数k
1を計算するステップ(848)と、撮像データx
1を入手しながら、放射線の第1の通過を印加するステップ(850)とを含んでもよく、放出される放射線フルエンスD
1,calcは、入手された撮像データおよび正規化係数k
1に基づいて計算される。通過の回数およびシャトル通過のそれぞれに関する減衰係数の計算は、前述で説明されるように、治療セッションの前の任意の時点で、例えば、治療計画の間に、患者設定の前に、および/または療法用放射線源がアクティブ化される(すなわち、ビームをオンにする)前に計算されてもよく、本ステップは、本明細書に説明される他の方法のうちのいずれかに含まれてもよい。本実施例では、正規化係数k
1は、以下のように計算または決定されてもよい。
【化15】
【0082】
但し、線量計算マトリクスA、放射線発射マトリクスRFM、および生物学的発射区域ビットマスクBFZは、前述で説明されるようなものである。入手された撮像データに基づいて、第1の通過において標的領域(例えば、生物学的発射区域または放射線発射区域)に印加される放射線は、以下のように計算されてもよい。
【化16】
【0083】
第1のシャトル通過の間に入手される画像データx
1は、例えば、1つ以上のLOR(PET検出器を用いて入手される画像データに関して)、1つ以上の2−D投影X線画像(CT検出器を用いて入手される画像データに関して)、および/またはk空間内のサブサンプリング(MRI検出器を用いて入手される画像データに関して)を含む、部分画像であってもよい。治療計画パラメータ(例えば、RFM、BFZ)は、標的領域への放射線フルエンスD
1,rawの送達を指定し得るが、正規化係数および減衰係数は、D
1,rawを調節(すなわち、スケーリングまたは正規化)し、セッションの間のリアルタイム治療条件を反映する、および/または第1のシャトル通過の間に入手された撮像データx
1内の変動および/またはアーチファクトを補償してもよい。D
1,rawは、計算された放射線フルエンス(例えば、連続的フルエンス値を伴う)またはセグメント化された放射線フルエンス(例えば、離散フルエンス値またはレベルを伴う)であってもよく、セグメント化された放射線フルエンスは、放射線療法システムによって送達可能なフルエンス値を表すフルエンス値を含んでもよい。
【0084】
方法(840)はさらに、N回の通過にわたって合計することによって第1の通過の間に入手された撮像データに基づいて、予測累積フルエンス(D
1,predicted cumulative)を計算するステップ(852)と、放射線送達の第2の通過に関する正規化係数k
2を計算するステップ(854)であって、k
2は、D
planと第1の通過において放出される合計フルエンスとの間の差異を計算し、予測累積フルエンスに対する差異の比率を求めることによって計算される、ステップと、撮像データを入手しながら、放射線の第2の通過を印加するステップ(856)であって、放出される放射線フルエンスD
2,calcは、入手された撮像データおよび正規化係数k
2に基づいて計算される、ステップとを含んでもよい。予測累積フルエンスは、第1のシャトル通過の間に入手された撮像データに基づいて計算(852)されてもよい。
【化17】
【0085】
第2のシャトル通過に関する正規化係数k
2は、計画放射線フルエンスまたは線量と第1のシャトル通過において放出されるフルエンスとの間の差異を求め、予測累積フルエンスにわたって正規化されることによって計算(854)されてもよい。
【化18】
【0086】
故に、第2のシャトル通過の間に入手された撮像データに基づいて、第2のシャトル通過において標的領域(例えば、生物学的発射区域または放射線発射区域)に印加される放射線は、以下のように計算されてもよい。
【化19】
【0087】
但し、第2のシャトル通過の間に入手される画像データx
2は、前述で全体を通して説明されるように、例えば、1つ以上のLOR(PET検出器を用いて入手される画像データに関して)、1つ以上の2−D投影X線画像(CT検出器を用いて入手される画像データに関して)、および/またはk空間内のサブサンプリング(MRI検出器を用いて入手される画像データに関して)を含む、部分画像であってもよい。D
2,rawは、計算された放射線フルエンス(例えば、連続的フルエンス値を伴う)またはセグメント化された放射線フルエンス(例えば、離散フルエンス値またはレベルを伴う)であってもよく、セグメント化された放射線フルエンスは、放射線療法システムによって送達可能なフルエンス値を表すフルエンス値を含んでもよい。
【0088】
いくつかの変形例では、第1のシャトル通過に関する正規化係数は、プレスキャン画像から導出される線量値を使用して計算され得る一方、継続的シャトル通過に関する正規化係数は、フルエンス値を使用して計算されてもよい(随意に、任意のフルエンスセグメント化誤差を含む、セグメント化されたフルエンス値である)。線量計算は、フルエンス計算よりもコンピュータ的に集約的であり得(フルエンスは、画像データに放射線発射マトリクスを乗算することによって計算され得る一方、線量計算は、線量計算マトリクスでの付加的乗算を伴い得るため)、したがって、いくつかの放射線療法システムは、撮像データの入手と放射線の印加との間の待ち時間が低減されるように、放射線量の代わりに放射線フルエンスを使用して治療セッションの間に正規化係数を計算することが、好ましくあり得る。第1の正規化係数は、療法用ビームをオンにする前に計算されるため、放射線療法システムは、プレスキャン画像から導出される線量値に基づいて第1の正規化係数を計算するためにコンピュータ的に利用可能であり得る。放射線療法システムのいくつかの変形例は、さらなる算出能力を伴う1つ以上のプロセッサを備えてもよく、その場合では、正規化係数は、治療セッションの間に入手された撮像データから導出される線量値を使用して計算されてもよい。代替として、または加えて、全ての正規化係数は、治療セッションの間に入手された画像データから導出されるフルエンス値に基づいて計算されてもよい。
【0089】
図9A−9Dは、本明細書に説明されるパイプライン正規化方法のうちの1つ以上のものを使用する、4回のカウチシャトル通過にわたる計画標的領域(PTV)および生物学的発射区域(BFZ)領域への放射線送達の方法を描写する、シミュレーション線量−体積プロットまたはヒストグラム(DVH)である。BFZ領域は、PTVと、PTVの周囲のマージンとを含む。
図9Aは、第1のシャトル通過後のDVH曲線を描写する。PTVに関する計画DVHは、線(903)によって表され、最大DVH境界(すなわち、治療のために許容可能な上限閾値)は、線(905)によって表され、最小DVH境界(すなわち、治療のために許容可能な下限閾値)は、線(907)によって表される。PTVへの予測送達線量は、送達DVH線(901)によって表される。同様に、BFZ領域に関する計画DVHは、線(904)によって表され、最大DVH境界(すなわち、治療のために許容可能な上限閾値)は、線(906)によって表され、最小DVH境界(すなわち、治療のために許容可能な下限閾値)は、線(908)によって表される。BFZ領域への予測送達線量は、送達DVH線(902)によって表される。第1のシャトル通過後、PTVに関する予測DVH曲線(901)は、PTVに関する計画DVH曲線(905)を超え、最大DVH境界(905)の範囲から外れる。同様に、BFZ領域に関する予測DVH曲線(902)は、BFZ領域に関する計画DVH曲線(904)を超え、最大DVH境界(906)の範囲から外れる。PTVおよびBFZ領域に送達される放射線が、複数のシャトル通過にわたって蓄積するにつれて、
図9Bは、第2のシャトル通過後に
図9Aと同一のDVH曲線を描写し、
図9Cは、第3のシャトル通過後にDVH曲線を描写し、
図9Dは、第4のシャトル通過後にDVH曲線を描写し、送達DVH曲線(PTV DVH 909およびBFZ領域DVH 910)が、それぞれ、計画DVH曲線(PTV DVH 903およびBFZ領域DVH 904)に向かって収束する、および/またはPTVおよびBFZ領域に関する最大および最小DVH曲線によって画定される境界内に留まる様子が見られ得る。
【0090】
負のフルエンス値を伴うパイプライン正規化
いくつかの変形例では、送達に関する放射線フルエンスを計算するとき、計算された
【化20】
値は、負の放射線フルエンス値をもたらし得る。負の放射線フルエンス値は、同一のシャトル通過において放射線療法システムによって送達可能ではない場合があるが、しかしながら、そのような負のフルエンス値がゼロにされる、および/または無視される場合、累積送達放射線は、計画フルエンスまたは線量値から実質的に逸脱し得る。1回のシャトル通過において生じた負のフルエンス値を処理するための方法の一変形例は、負のフルエンス値を次のシャトル通過に組み込むステップを含んでもよく、それらは、非負のフルエンス値と組み合わせられてもよい。次のフルエンス値は、正であり得、したがって、1回以上の後のシャトル通過において送達可能である。いくつかの変形例では、1回のシャトル通過における負のフルエンス値は、残りのシャトル通過にわたって送達されるであろう予測累積フルエンスの計算において組み込まれ、D
planとD
i,calc(すなわち、次のシャトル通過までの治療セッションにおける合計累積送達放射線)との間の差異を正規化するために使用されてもよい。
図10は、シャトル通過の間に印加される放射線が、シャトル通過が開始される前に計算される正規化係数に従って修正または調節され、以前の通過における放射線送達の間に遭遇する負のフルエンス値を組み込む方法の一変形例を描写する。方法(1000)は、撮像データを入手しながら、放射線のi番目の通過を印加するステップ(1002)であって、放出される放射線フルエンスは、入手された撮像データおよび計算された正規化係数k
iに基づいて計算される、ステップと、N回の通過にわたって合計することによって、(存在する場合)負のフルエンス値を含む、第1の通過の間に入手される撮像データに基づいて、予測累積フルエンスを計算するステップ(1004)と、予測累積フルエンスに基づいて、次の通過に関する正規化係数k
i+1を計算するステップ(1006)と、撮像データを入手しながら、放射線の(i+1)番目の通過を印加するステップ(1008)であって、放出される放射線フルエンスは、入手された撮像データおよび計算された正規化係数k
i+1に基づいて計算される、ステップとを含んでもよい。随意に、方法(1000)はさらに、i=1、…、Nにわたって正規化係数の計算および放射線の印加(1004−1008)を繰り返すステップを含んでもよい。予測累積フルエンスは、以下のように負のフルエンス値を組み込んでもよい。
【化21】
【0091】
負のフルエンス値をD
i,predicted cumulativeに組み込むことによって、D
i,predicted cumulativeが、計画放射線フルエンスと送達放射線フルエンスとの間の差異を正規化するために使用されるため、そのような負のフルエンスは、次のシャトル通過に関するk
iの生成において考慮される。
【0092】
図11A−11Bは、4回のカウチシャトル通過にわたる計画標的領域(PTV)および生物学的発射区域(BFZ)への放射線送達の2つの方法の結果を描写する、シミュレーションDVHプロットである。
図11Aは、負のフルエンス値が予測累積フルエンス値に組み込まれ、正規化係数kの計算に含まれるときの(前述で説明されるような)PTVおよびBFZ領域への放射線送達の結果を描写する。PTVに関する計画DVH曲線は、線(1101)によって表され、最大DVH曲線は、線(1103)によって表され、最小DVH曲線は、線(1105)によって表される。PTVに関する送達DVH曲線は、線(1107)によって表され、DVH曲線の立下りエッジに沿って見られるように、PTVに関する送達DVH曲線は、最小および最大DVH境界内に位置する。同様に、BFZ領域に関して、BFZ領域に関する計画DVH曲線は、線(1102)によって表され、最大DVH曲線は、線(1104)によって表され、最小DVH曲線は、線(1106)によって表される。BFZ領域に関する送達DVH曲線は、線(1108)によって表され、DVH曲線の立下りエッジに沿って見られるように、BFZに関する送達DVH曲線は、最小および最大DVH境界内に位置する。対照的に、
図11Bは、負のフルエンス値が無視されるときの(前述で説明されるような)PTVおよびBFZ領域への放射線送達の結果を描写する。PTVに関する計画DVH曲線は、線(1101’)によって表され、最大DVH曲線は、線(1103’)によって表され、最小DVH曲線は、線(1105’)によって表される。PTVに関する送達DVH曲線は、線(1107’)によって表され、プロットに見られるように、PTVに関する送達DVH曲線は、最小および最大DVH曲線によって画定される境界内に位置していない。同様に、BFZ領域に関して、BFZ領域に関する計画DVH曲線は、線(1102’)によって表され、最大DVH曲線は、線(1104’)によって表され、最小DVH曲線は、線(1106’)によって表される。BFZ領域に関する送達DVH曲線は、線(1108’)によって表され、プロットに見られるように、BFZに関する送達DVH曲線は、最小および最大DVH曲線によって画定される境界内に位置していない。正規化係数の計算に負のフルエンス値を含むステップは、本明細書に説明される方法のうちのいずれかに組み込まれてもよい。
【0093】
本明細書に説明される放射線送達のためのパイプライン正規化方法は、送達フルエンス(または線量)の平均を制約するために、計画フルエンス(または線量)の平均を使用してもよい。これは、放射線療法システムが、平均計画フルエンスに収束する平均フルエンスを有する放射線を送達することに役立ち得、これは、治療セッションの間に遭遇する運動および/または撮像アーチファクトに対処することに役立ち得る。
図12A−12C、13A−C、および14A−Cは、それぞれ、複数の平面からの計画線量分布、4回のシャトル通過にわたる送達線量分布、およびγメトリックの複数の図を描写する。γ(ガンマ)メトリックは、2つの線量分布の間の一致距離(DTA)およびパーセンテージ線量差(DD)の自乗和の平方根として計算されてもよい。線量分布のうちの一方は、基準線量分布(典型的には、グラウンドトゥルース)として定義されてもよく、他方のものは、評価された線量分布として定義されてもよい。DTAに関する確立された値は、3mmであってもよく、DDは、3%であってもよい。ガンマメトリックは、最初に、2つの線量分布におけるボクセルの全ての対に関して計算されてもよく、合格値は、ガンマ<=1の値として定義されてもよく、失敗は、ガンマ>1の値として定義されてもよい。ガンマ合格率は、ガンマ評価に合格する治療体積におけるボクセルのパーセンテージとして計算されてもよい。治療体積は、典型的には、処方線量の10%を上回るものを受容する基準線量分布におけるボクセルとして定義されてもよい。
図12A、13A、および14Aは、IEC−Z/IEC−X平面(すなわち、カウチ運動の方向に直交する平面)上の線量分布の投影を描写し、
図12B、13B、および14Bは、IEC−Z/IEC−Y平面上の線量分布の投影を描写し、
図12C、13C、および14Cは、IEC−Y/IEC−X平面(すなわち、治療ビームに直交する平面、すなわち、「ビームのアイビュー」)上の線量分布の投影を描写する。
図14A−Cに見られ得るように、γメトリック合格率(すなわち、1未満またはそれに等しいガンマ値)は、治療セッションの間に入手された撮像データに基づく放射線送達が、本明細書に説明される方法のうちの1つ以上のものを使用して生成される正規化係数を用いて調節または修正されるとき、99%を上回る。ガンマメトリックが1を超える(矢印(1400)によって示されるような)領域は、
図14A−14Cに描写される合計分布の1%未満を構成する。
図14Dは、4回のシャトル通過を伴う治療セッションに関するビームステーションの関数としての累積フルエンスを描写する、プロットである。予測通過はそれぞれ、残りの通過に関する予測フルエンスおよび送達フルエンスの和として計算される。送達フルエンスは、腫瘍部位に送達される最終フルエンスである。各ビームステーションは、カウチが停止され得る一方、療法用放射線ビームがアクティブ化され、患者に放射線を印加する、IEC−Y軸に沿った所定のカウチ場所またはステップである。療法用放射線ビームは、カウチがビームステーションの間を移動している間にオフである(すなわち、アクティブ化されない)。正方形の印を伴う線は、計画フルエンスを表し、十字形の印を伴う線は、4回のシャトル通過後に送達されたフルエンスを表す。そこで描写されるように、平均送達累積フルエンスは、付加的シャトル通過毎に計画フルエンスの平均に向かって収束する。本明細書に説明される実施例は、4回のシャトル通過にわたって放射線を印加するステップを含むが、治療セッションにわたるシャトル通過の回数は、変動し得、2回のシャトル通過〜100回のシャトル通過、例えば、4回のシャトル通過、6回のシャトル通過、7回のシャトル通過、8回のシャトル通過、10回のシャトル通過、12回のシャトル通過等であり得ることを理解されたい。
【0094】
治療中断
治療セッションが(例えば、患者不快感または病気、システムコンポーネント誤動作等に起因して)完了されない、または中断される場合、「埋め合わせ」部分が、実施されてもよい。埋め合わせ部分は、(例えば、新しい患者設定を要求する)完全に新しい治療セッションまたは部分である、または単純に、中断が起こった時点からの(例えば、新しい患者設定を要求することがない)不完全な部分の継続であり得る。埋め合わせ部分が新しい患者設定を要求する場合、異なる設定誤差は、いわゆるフィールド接合誤差を引き起こし得、これは、腫瘍標的領域および/または重要構造の線量不足または過剰線量部分をもたらし得る。接合誤差は、上記に説明され、
図6に描写されるものと類似する方法を使用して軽減されてもよい。中断が起こるまでに患者に送達されたフルエンスまたは線量が、計算されてもよい。本計算された送達フルエンスおよび/または線量は、計画フルエンスおよび/または線量と比較されてもよい。送達および計画フルエンスおよび/または線量の間のフルエンスおよび/または線量差Δfは、RFMを更新するために使用されてもよい。フルエンスΔfは、次いで、後の治療セッションまたは部分において更新されたRFMを使用して患者に送達されてもよい。
【0095】
中断の前および後に患者がプラットフォーム上またはカウチ上に留まる、中断後に放射線療法を継続するための方法の一変形例(すなわち、同一の患者設定パラメータおよびプレスキャン画像を使用する中断治療セッションの継続)は、患者プラットフォームを中断が起こったビームステーションに移動させ、中断前に使用されたものと同一の正規化係数を使用して放射線送達を再開することによって、中断されたシャトル通過を継続するステップと、中断の前に入手された撮像データおよび中断の後に入手された撮像データに基づいて、次のシャトル通過に関する正規化係数を計算するステップとを含んでもよい。中断に続くシャトル通過に関する正規化係数は、D
planと、完了されたシャトル通過、中断前の部分的シャトル通過、および中断後の再開された部分的シャトル通過の間に送達された放射線の和との間の差異を求め、将来のシャトル通過のそれぞれが中断された通過において送達されたものと同一量の放射線を送達した場合に送達されるであろう予測累積フルエンス(すなわち、中断前の部分的シャトル通過および中断後の再開された部分的シャトル通過の間に送達される放射線)にわたって差異を正規化することによって計算されてもよい。例えば、N回の合計シャトル通過およびm番目の通過において起こった中断を伴う治療セッションに関する正規化係数k
iは、以下のように計算されてもよい。
【0096】
D
i−1,calcは、前述で定義されるようなi−1通過に関する送達線量として定義される。分子は、D
planおよび全ての以前の通過に関するD
i−1,calcの和の差異として計算される。
【化22】
【0097】
但し、
【化23】
およびD
plan、D
i,calc等は、前述で説明されるように計算される。
【0098】
図15Aは、シャトル通過の間に中断が存在し、患者がプラットフォーム上に留まり、中断された治療セッションを継続する(すなわち、いかなる新しいプレスキャン画像もない)ときの放射線送達の方法の一変形例を描写する。方法(1500)は、治療がN回の合計シャトル通過のm番目の通過において中断されるまでに患者に印加された累積放射線量(D
delivered_before_interrupt)を計算するステップ(1502)と、累積放射線量D
delivered_before_interrupt、m番目の通過に関する正規化係数k
m、および治療が中断されたときの患者プラットフォーム場所をシステムメモリ内に記憶するステップ(1504)と、患者プラットフォームを治療が中断された場所(例えば、ビームステーション)に移動させ、放射線フルエンスを放出することによって、m番目の通過に関する放射線送達を再開するステップ(1506)であって、放出フルエンスは、k
mによってスケーリングされる、ステップとを含んでもよい。再開されたm番目の部分的通過において送達される放射線は、以下のように計算されてもよい。
【化24】
【0099】
方法(1500)は、N回の通過にわたって合計することによって、m番目の通過の間に入手された撮像データに基づいて、予測累積フルエンスを計算するステップ(1508)と、予測累積フルエンスに基づいて、次の通過に関する正規化係数k
m+1を計算するステップ(1510)と、撮像データを入手しながら、放射線の(m+1)番目の通過を印加するステップ(1512)であって、放出される放射線フルエンスは、入手された撮像データおよび計算された正規化係数k
m+1に基づいて計算される、ステップと、正規化係数k
m+2を計算し、N回の通過が完了されるまで(m+2)番目の通過の間に入手された撮像データに基づいて、放射線の(m+2)番目の通過を印加するステップ(1514)とを含んでもよい。予測累積フルエンスは、以下のように計算(1508)されてもよい。
【化25】
【0100】
正規化係数k
m+1は、以下のように計算(1510)されてもよい。
【化26】
【0101】
例えば、放射線送達が、第2のシャトル通過において(新しい設定または新しいプレスキャン画像の必要性を伴わずに)中断される場合、第2のシャトル通過は、正規化係数k
2(すなわち、中断前のものと同一)を使用して再開されてもよく、後続シャトル通過に関する正規化係数は、以下のように計算されてもよい。
【化27】
【0102】
図16は、いかなる中断も伴わない治療セッション(十字形の印を伴う線)と比較した治療中断を処理するための上記に説明される方法の正確度を評価および特性評価するための種々の中断特性を伴う、治療が第2のシャトル通過において中断された、4回のシャトル通過を伴う治療セッションに関するビームステーションの関数としての累積フルエンスを描写する、プロットである。本シミュレーションのために使用される減衰係数の値は、(α=1/1.2)である。正方形の印を伴う線は、計画フルエンスを表し、十字形の印を伴う線は、いかなる中断も伴わない4回のシャトル通過後に送達されたフルエンスを表す。菱形の印を伴う線は、第2のシャトル通過の途中に単回の中断を伴う4回のシャトル通過後に送達されたフルエンスを表す。星形の印を伴う線は、カウチが第2の通過と第3の通過との間に方向を変更している際に第2のシャトル通過の終了時に単回の中断を伴う4回のシャトル通過後に送達されたフルエンスを表す。円形の印を伴う線は、3回の中断を伴う4回のシャトル通過後に送達されたフルエンスを表す。プロットに描写されるように、中断の前および後に放出されたフルエンスを用いて正規化係数を更新することは、累積送達放射線フルエンスの平均が、治療セッションにおける中断にかかわらず、平均計画放射線フルエンスに向かって収束することに役立つ。中断を伴う治療セッションに関するフルエンス曲線(すなわち、菱形、星形、および円形の印を伴う線)は、中断を伴わない治療セッションに関する曲線(すなわち、十字形の印を伴う線)に密接に追従する。
【0103】
いくつかの変形例では、放射線送達は、同一のセッションにおいて再開されることが不可能であり(または所望されない)、患者は、本システムから除去され、別の機会に治療を再開するようにスケジューリングされてもよい。例えば、患者は、具合が悪く、特定の日に放射線送達を進めることができない場合がある、および/または放射線療法システムコンポーネントは、規定された許容誤差内で機能しない場合があり、バンカ内の患者で較正されることができない。患者が放射線送達を再開するために戻るとき、新しい設定および新しいプレスキャン画像が、入手されてもよい。いくつかの変形例では、患者プラットフォームは、以前の治療において中断が起こった場所および/またはビームステーションに移動されてもよい。放射線送達方法は、放射線送達を再開するための正規化係数を計算するとき、新しい設定および/またはプレスキャン画像および以前の中断されたセッションにおいて送達された放射線フルエンスを考慮してもよい。
図15Bは、送達される放射線が、少なくとも部分的に、事前治療セッションにおいて送達された放射線フルエンスに基づいて導出される正規化係数によって調節され得る、放射線送達方法の一変形例を描写し、現在のセッションのために入手されるプレスキャン画像が、
図15Bに描写される。方法(1520)は、治療が、N回の合計通過のm番目の通過において中断されるまでに患者に印加された累積放射線量(D
delivered_before_interrupt)を計算するステップ(1522)と、累積放射線量D
delivered_before_interrupt、m番目の通過に関する正規化係数k
m、および治療が中断されたときの患者プラットフォーム場所(例えば、IEC−Y軸および/またはビームステーションインデックスに沿った場所)をシステムメモリ内に記憶するステップ(1524)と、患者が放射線療法システムに戻った後、患者の新しいプレスキャン画像(例えば、PETおよび/またはCT画像X
p_prescan)を入手し、X
p_prescanに基づいて正規化係数k
p_mを計算するステップ(1526)と、患者プラットフォームを治療が中断された場所に移動させ、放射線フルエンスを放出することによって、m番目の通過における放射線送達を再開するステップ(1528)であって、放出フルエンスは、k
p_mによってスケーリングされる、ステップとを含んでもよい。正規化係数k
p_mは、以下のように計算(1526)されてもよい。
【化28】
【0104】
但し、D
plan、β
jは、前述で説明されるようなものであり、D
prescanは、新しいプレスキャン画像X
p_prescanに基づいて計算された放射線フルエンスである。中断されたm番目のシャトル通過を再開するために送達される放射線フルエンス(1528)は、以下のように決定(1528)されてもよい。
【化29】
【0105】
但し、x
m,post−interruptは、中断後にm番目のシャトル通過において入手された撮像データである。方法(1520)はまた、N回の通過にわたって合計することによって、m番目の通過の間に入手された撮像データに基づいて、予測累積フルエンスを計算するステップ(1530)と、予測累積フルエンスに基づいて、次の通過に関する正規化係数k
m+1を計算するステップ(1532)と、撮像データを入手しながら、放射線の(m+1)番目の通過を印加するステップ(1534)であって、放出される放射線フルエンスは、入手された撮像データおよび計算された正規化係数k
m+1に基づいて計算される、ステップと、随意に、正規化係数k
m+2を計算し、N回の通過が完了されるまで(m+2)番目の通過の間に入手された撮像データに基づいて、放射線の(m+2)番目の通過を印加するステップ(1536)とを含んでもよい。予測累積フルエンスは、以下のように計算(1530)されてもよい。
【化30】
【0106】
但し、x
m,pre−interruptは、中断前のm番目のシャトル通過において入手された撮像データを含み、x
m,post−interruptは、中断後の(すなわち、中断されたシャトル通過を再開する)m番目のシャトル通過において入手された撮像データを含む。正規化係数k
m+1は、以下のように計算(1532)されてもよい。
【化31】
【0107】
但し、D
delivered_before_interruptは、中断されたシャトル通過の前に送達された累積放射線フルエンスであり、D
partial mth passは、再開された中断された通過(例えば、中断に起因して送達されなかったm番目の通過の部分)の間に送達された放射線フルエンスである。
【0108】
コントローラ
療法用放射線を患者に送達するように構成され得るシステム(例えば、治療計画システム、放射線療法システム)は、放射線療法システムの撮像システムおよび/または療法用放射線源および/またはマルチリーフコリメータおよび/またはガントリと通信する、コントローラを備えてもよい。コントローラは、本明細書に説明される方法(例えば、
図4、5、6、7、8A−8C、10、15A−15Bに説明および描写される方法)のうちのいずれかを実行または実施するように構成され得る、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサと通信する1つ以上の機械可読メモリとを備えてもよい。放射線療法システムのコントローラは、有線または無線通信チャネルによって他のシステムに接続されてもよい。いくつかの変形例では、治療計画システムのコントローラは、患者と同一または異なる部屋内に位置してもよい。例えば、コントローラは、患者プラットフォームに結合される、または患者および/またはオペレータに隣接するトロリーまたは医療カート上に配置されてもよい。
【0109】
コントローラは、多数の汎用または専用コンピューティングシステムまたは構成と一貫して実装されてもよい。本明細書に開示されるシステムおよびデバイスと併用するために好適であり得る種々の例示的コンピューティングシステム、環境、および/または構成は、限定ではないが、パーソナルコンピューティングデバイス、ネットワークアプライアンス、ルーティング/コネクティビティコンポーネント等のサーバまたはサーバコンピューティングデバイス、ポータブル(例えば、ハンドヘルド)またはラップトップデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースのシステム、および分散コンピューティングネットワーク内の、またはその上で具現化されるソフトウェアまたは他のコンポーネントを含んでもよい。
【0110】
ポータブルコンピューティングデバイスの実施例は、スマートフォン、携帯電話、タブレットPC、ファブレット(スマートフォンよりも大きいが、タブレットよりも小さいパーソナルコンピューティングデバイス)、および同等物を含む。
【0111】
プロセッサ
いくつかの実施形態では、プロセッサは、命令またはコードのセットを起動および/または実行するように構成される任意の好適な処理デバイスであってもよく、1つ以上のデータプロセッサ、画像プロセッサ、グラフィックス処理ユニット、物理処理ユニット、デジタル信号プロセッサ、および/または中央処理ユニットを含んでもよい。プロセッサは、例えば、汎用プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、または同等物であってもよい。プロセッサは、本システムおよび/またはそれと関連付けられるネットワークと関連付けられるアプリケーションプロセスおよび/または他のモジュール、プロセス、および/または機能を起動および/または実行するように構成されてもよい。基礎となるデバイス技術は、種々のコンポーネントタイプ、例えば、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)のような金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)技術、エミッタ結合論理(ECL)のようなバイポーラ技術、ポリマー技術(例えば、シリコン共役ポリマーおよび金属共役ポリマー金属構造)、混合アナログおよびデジタル、または同等物において提供されてもよい。
【0112】
メモリ
いくつかの実施形態では、メモリは、データベースを含んでもよく、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、メモリバッファ、ハードドライブ、消去可能プログラマブル読取専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能読取専用メモリ(EEPROM)、読取専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ等であってもよい。メモリは、1つ以上の治療計画、完全または高SNR画像、部分または低SNR画像、治療計画および/または臨床目標に基づくフルエンスマップの計算、(例えば、ガントリ、療法用放射線源、マルチリーフコリメータ、および/または放射線療法システムおよび/または診断または治療計画システムの任意の他のコンポーネントの動作を指図し得る)放射線療法システム命令へのフルエンスマップのセグメント化、正規化係数、減衰係数、送達または放出放射線フルエンスまたは線量の計算および/または測定された量、患者プラットフォームまたはカウチ位置、および治療計画および/または送達と関連付けられる画像および/またはデータ処理等、プロセッサに本システムと関連付けられるモジュール、プロセス、および/または機能を実行させるための命令を記憶してもよい。
【0113】
本明細書に説明されるいくつかの実施形態は、種々のコンピュータ実装動作を実施するための命令またはコンピュータコードをその上に有する、非一過性コンピュータ可読媒体(非一過性プロセッサ可読媒体とも称され得る)を伴うコンピュータ記憶装置製品に関する。コンピュータ可読媒体(またはプロセッサ可読媒体)は、これがそれ自体が一過性伝搬信号(例えば、空間またはケーブル等の伝送媒体上で情報を搬送する伝搬電磁波)を含まないという意味で、非一過性である。媒体およびコンピュータコード(コードまたはアルゴリズムとも称され得る)は、具体的目的または複数の目的のために設計および構築されるものであってもよい。非一過性コンピュータ可読媒体の実施例は、限定ではないが、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、および磁気テープ等の磁気記憶媒体、コンパクトディスク/デジタルビデオディスク(CD/DVD)等の光学記憶媒体、コンパクトディスク読取専用メモリ(CD−ROM)およびホログラフィックデバイス、光学ディスク等の光磁気記憶媒体、ソリッドステートドライブ(SSD)およびソリッドステートハイブリッドドライブ(SSHD)等のソリッドステート記憶デバイス、搬送波信号処理モジュール、および特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、読取専用メモリ(ROM)、およびランダムアクセスメモリ(RAM)デバイス等のプログラムコードを記憶および実行するように特別に構成されるハードウェアデバイスを含む。本明細書に説明される他の実施形態は、例えば、本明細書に開示される命令および/またはコンピュータコードを含み得る、コンピュータプログラム製品に関する。
【0114】
ユーザインターフェースが、オペレータまたは臨床医と放射線療法システムとの間の通信インターフェースとしての役割を果たしてもよい。ユーザインターフェースは、入力デバイスおよび出力デバイス(例えば、タッチスクリーンおよびディスプレイ)を備え、支持アーム、外部磁石、センサ、送達デバイス、入力デバイス、出力デバイス、ネットワーク、データベース、およびサーバのうちの1つ以上のものから入力データおよび出力データを受信するように構成されてもよい。1つ以上のセンサからのセンサデータは、ユーザインターフェースによって受信され、1つ以上の出力デバイスによって、視覚的に、可聴的に、および/または触覚フィードバックを通して出力されてもよい。別の実施例として、入力デバイス(例えば、ジョイスティック、キーボード、タッチスクリーン)のオペレータ制御は、ユーザによって受信され、次いで、ユーザインターフェースが制御信号を放射線療法システムコンポーネント(例えば、ガントリ、MLC、療法用放射線源、撮像システム、PET検出器等)に出力するためにプロセッサおよびメモリによって処理されてもよい。
【0115】
療法用放射線を送達するための放射線療法システムのいくつかの変形例は、オペレータが、フルエンスマップ、および/または線量分布、および/または着目領域、および/または着目体積、および/または患者解剖学的画像、および/または患者データ(例えば、生理学的および/または生物学的)、DVH曲線、線量プロット、および同等物のグラフィカルおよび/またはテキスト表現を閲覧することを可能にし得る、ディスプレイデバイスを備えてもよい。いくつかの変形例では、出力デバイスは、発光ダイオード(LED)、液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネッセントディスプレイ(ELD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、薄膜トランジスタ(TFT)、有機発光ダイオード(OLED)、電子ペーパ/電子インクディスプレイ、レーザディスプレイ、および/またはホログラフィックディスプレイのうちの少なくとも1つを含むディスプレイデバイスを備えてもよい。
【0116】
通信
いくつかの実施形態では、治療計画システムおよび/または放射線療法システムは、例えば、そのそれぞれが任意のタイプのネットワーク(例えば、有線ネットワーク、無線ネットワーク)であり得る、1つ以上のネットワークを介して他のコンピューティングデバイスと通信してもよい。無線ネットワークは、いかなる種類のケーブルによっても接続されない任意のタイプのデジタルネットワークを指し得る。無線ネットワークにおける無線通信の実施例は、限定ではないが、セルラー、無線、衛星、およびマイクロ波通信を含む。しかしながら、無線ネットワークは、インターネット、他のキャリア音声およびデータネットワーク、ビジネスネットワーク、およびパーソナルネットワークとインターフェースをとるために、有線ネットワークに接続してもよい。有線ネットワークは、典型的には、銅ツイストペア、同軸ケーブル、および/または光ファイバケーブルを経由して搬送される。広域ネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネットエリアネットワーク(IAN)、キャンパスエリアネットワーク(CAN)、グローバルエリアネットワーク(GAN)、インターネットのようなもの、および仮想プライベートネットワーク(VPN)を含む、多くの異なるタイプの有線ネットワークが存在する。以降では、ネットワークは、統一ネットワーキングおよび情報アクセスシステムを提供するために、典型的には、インターネットを通して相互接続される、無線、有線、公共、およびプライベートデータネットワークの任意の組み合わせを指す。
【0117】
セルラー通信は、GSM(登録商標)、PCS、CDMAまたはGPRS、W−CDMA、EDGEまたはCDMA2000、LTE、WiMAX、および5Gネットワーキング標準等の技術を包含し得る。いくつかの無線ネットワーク展開は、複数のセルラーネットワークからのネットワークを組み合わせる、またはセルラー、Wi−Fi、および衛星通信の混合物を使用する。いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるシステム、装置、および方法は、1つ以上のデバイスおよび/またはネットワークと通信するために、無線周波数受信機、送信機、および/または光学(例えば、赤外線)受信機および送信機を含んでもよい。
【0118】
種々の発明的変形例が、本明細書に説明および例証されているが、当業者は、機能を実施する、および/または結果および/または本明細書に説明される利点のうちの1つ以上のものを得るための種々の他の手段および/または構造を容易に想定し、そのような変形例および/または修正はそれぞれ、本明細書に説明される発明的実施形態の範囲内であると見なされる。より一般的には、当業者は、本明細書に説明される全てのパラメータ、寸法、材料、および構成が、例示的であることを意味し、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構成は、発明的教示が使用される具体的用途または複数の用途に依存するであろうことを容易に理解するであろう。当業者は、ルーチン実験のみを使用して、本明細書に説明される具体的発明的変形例の多くの均等物を認識する、またはそれを確認することが可能であろう。したがって、前述の変形例は、実施例としてのみ提示され、添付される請求項およびその均等物の範囲内で、発明的変形例が、具体的に説明および請求されるものと別様に実践され得ることを理解されたい。本開示の発明的変形例は、本明細書に説明される各個々の特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法を対象とする。加えて、2つ以上のそのような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法の任意の組み合わせが、そのような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法が相互に一貫する場合、本開示の発明的範囲内に含まれる。