特許第6918484号(P6918484)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6918484
(24)【登録日】2021年7月27日
(45)【発行日】2021年8月11日
(54)【発明の名称】画像処理装置及び医用画像診断装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20210729BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20210729BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20210729BHJP
【FI】
   A61B6/03 360E
   A61B6/03 377
   A61B5/00 G
   G06T1/00 290A
【請求項の数】9
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-251539(P2016-251539)
(22)【出願日】2016年12月26日
(65)【公開番号】特開2017-140365(P2017-140365A)
(43)【公開日】2017年8月17日
【審査請求日】2019年9月18日
(31)【優先権主張番号】特願2016-21291(P2016-21291)
(32)【優先日】2016年2月5日
(33)【優先権主張国】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】特許業務法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】石井 秀明
(72)【発明者】
【氏名】坂口 卓弥
【審査官】 亀澤 智博
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/134289(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/031742(WO,A1)
【文献】 国際公開第2015/137260(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0022371(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00 − 6/14
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管を含む画像データから生成された血管形状データを用いた流体解析により前記血管の血流に関する指標値を算出する算出部と、
前記画像データ中の血管において、治療の対象となる複数の対象部位を設定する設定部と、
前記血管形状データの形状及び境界に関する条件を変化させずに、前記治療の対象となる対象部位の位置の前記流体解析の解析条件を変更する変更部と、
複数の前記対象部位について、前記変更部によって変更された前記解析条件ごとに、前記算出部によって算出された前記血流に関する指標値を比較表示させる表示制御部と、
を備える、画像処理装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記解析条件ごとに算出された複数の指標値を、算出に用いられた解析条件を示す情報に対応付けて比較表示させる、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記変更部は、前記解析条件として、前記対象部位における圧力、前記対象部位に留置されるステントの条件、前記対象部位における断面積、又は、前記対象部位に対して施される手技を変更させる、請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記変更部は、前記ステントの条件として、前記ステントを配置する位置、前記ステントの長さ及び前記ステントの直径のうち少なくとも1つを変更する、請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記算出部は、前記血流に関する指標値として、前記血管の各位置における心筋血流予備量比、圧力、血液の流量、血液の流速、ベクトル及びせん断応力のうち少なくとも1つを算出する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記解析条件として前記ステントの長さ及び直径のうち少なくとも一方が変更される場合に、前記血管における心筋血流予備量比が所定の値を上回る前記ステントの最短の長さ及び最小の直径のうち少なくとも一方を表示させる、請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項7】
血管を含む画像データから生成された血管形状データを用いた流体解析により前記血管の血流に関する指標値を算出する算出部と、
前記画像データ中の血管において、治療の対象となる複数の対象部位を設定する設定部と、
前記血管形状データの形状及び境界に関する条件を変化させずに、前記治療の対象となる対象部位の位置の前記流体解析に用いられる圧力条件を変更する変更部と、
前記圧力条件の変更前後における前記血流に関する指標値を比較表示させる表示制御部と、
を備える、画像処理装置。
【請求項8】
血管を含む画像データを収集する収集部と、
前記血管を含む画像データから生成された血管形状データを用いた流体解析により前記血管の血流に関する指標値を算出する算出部と、
前記画像データ中の血管において、治療の対象となる複数の対象部位を設定する設定部と、
前記血管形状データの形状及び境界に関する条件を変化させずに、前記治療の対象となる対象部位の位置の前記流体解析の解析条件を変更する変更部と、
複数の前記対象部位について、前記変更部によって変更された前記解析条件ごとに、前記算出部によって算出された前記血流に関する指標値を比較表示させる表示制御部と、
を備える、医用画像診断装置。
【請求項9】
血管を含む画像データを収集する収集部と、
前記血管を含む画像データから生成された血管形状データを用いた流体解析により前記血管の血流に関する指標値を算出する算出部と、
前記画像データ中の血管において、治療の対象となる複数の対象部位を設定する設定部と、
前記血管形状データの形状及び境界に関する条件を変化させずに、前記治療の対象となる対象部位の位置の前記流体解析に用いられる圧力条件を変更する変更部と、
前記圧力条件の変更前後における前記血流に関する指標値を比較表示させる表示制御部と、
を備える、医用画像診断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、画像処理装置及び医用画像診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、臓器の虚血性疾患の原因には、大別して血行障害と臓器そのものの機能障害とがあることが知られている。例えば、冠動脈の血行障害の一例である狭窄は、虚血性心疾患に至る重大な病変であるが、そのような虚血性心疾患では、薬物治療を行うべきか、ステント治療を行うべきか等を判断する必要がある。近年では、冠動脈の血行性虚血評価を行う診断として、カテーテルによる冠動脈造影検査(CAG:Coronary Angiography)においてプレッシャーワイヤを用いて心筋血流予備量比(FFR:Fractional Flow Reserve)を計測する手法が推奨されつつある。
【0003】
これに対し、例えば、X線CT(Computed Tomography)装置やMRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、超音波診断装置等の医用画像診断装置によって収集された心臓の医用画像を用いて冠動脈の血行性虚血評価を非侵襲的に行う手法も知られている。このように、種々の手法により血行性虚血評価が行われ、評価に応じた治療が行われるが、近年、実際の治療効果について治療前に判定することが望まれてきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2013/031744号
【特許文献2】特開2014−188323号公報
【特許文献3】特開2014−079649号公報
【特許文献4】特開2015−134196号公報
【特許文献5】特開2014−100249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、血行障害に対する治療効果を事前に判定することができる画像処理装置及び医用画像診断装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る画像処理装置は、算出部と、設定部と、変更部と、表示制御部とを備える。算出部は、血管を含む画像データを用いた流体解析により前記血管の血流に関する指標値を算出する。設定部は、前記画像データ中の血管における複数の対象部位を設定する。変更部は、前記対象部位の場所に対応する前記流体解析の解析条件を変更する。表示制御部は、複数の前記対象部位について、前記変更部によって変更された前記解析条件ごとに、前記算出部によって算出された前記血流に関する指標値を比較表示させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1の実施形態に係る画像処理装置の構成の一例を示す図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る処理の一例を説明するための図である。
図3A図3Aは、第1の実施形態に係る圧力変更の一例を説明するための図である。
図3B図3Bは、第1の実施形態に係る表示制御機能によって表示される表示情報の一例を示す図である。
図4A図4Aは、第1の実施形態に係る断面積変更の一例を説明するための図である。
図4B図4Bは、第1の実施形態に係る断面積の変更操作の一例を示す図である。
図4C図4Cは、第1の実施形態に係る表示制御機能によって表示される表示情報の一例を示す図である。
図5A図5Aは、第1の実施形態に係る直径変更の一例を説明するための図である。
図5B図5Bは、第1の実施形態に係る直径の変更操作の一例を示す図である。
図5C図5Cは、第1の実施形態に係る表示制御機能によって表示される表示情報の一例を示す図である。
図6A図6Aは、第1の実施形態に係る範囲変更の一例を説明するための図である。
図6B図6Bは、第1の実施形態に係る表示制御機能によって表示される表示情報の一例を示す図である。
図7図7は、第1の実施形態に係る画像処理装置による処理手順を示すフローチャートである。
図8A図8Aは、第2の実施形態に係る変更機能によるステントの条件変更を説明するための図である。
図8B図8Bは、第2の実施形態に係る変更機能によるステントの条件変更を説明するための図である。
図9図9は、第2の実施形態に係る画像処理装置による処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、本願に係る画像処理装置及び医用画像診断装置の実施形態を詳細に説明する。なお、本願に係る画像処理装置及び医用画像診断装置は、以下に示す実施形態によって限定されるものではない。
【0009】
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態について説明する。第1の実施形態では、本願が開示する技術を画像処理装置に適用した場合の例を説明する。なお、以下では、3次元画像データとして、3次元CT画像データを用いる場合の例を説明する。また、以下では、一例として、心臓の血管を解析対象とした場合の例を説明する。
【0010】
図1は、第1の実施形態に係る画像処理装置の構成の一例を示す図である。例えば、図1に示すように、第1の実施形態に係る画像処理装置300は、ネットワーク400を介して、X線CT(Computed Tomography)装置100と、画像保管装置200とに接続される。なお、画像処理装置300は、ネットワーク400を介して、MRI装置や超音波診断装置、PET(Positron Emission Tomography)装置等の他の医用画像診断装置にさらに接続されてもよい。
【0011】
X線CT装置100は、被検体のCT画像データを収集する。具体的には、X線CT装置100は、被検体を略中心にX線管及びX線検出器を旋回移動させ、被検体を透過したX線を検出して投影データを収集する。そして、X線CT装置100は、収集された投影データに基づいて、時系列の3次元CT画像データを生成する。
【0012】
画像保管装置200は、各種の医用画像診断装置によって収集された画像データを保管する。例えば、画像保管装置200は、サーバ装置等のコンピュータ機器によって実現される。本実施形態では、画像保管装置200は、ネットワーク400を介してX線CT装置100からCT画像データを取得し、取得したCT画像データを装置内又は装置外に設けられた記憶回路に記憶させる。
【0013】
画像処理装置300は、ネットワーク400を介して各種の医用画像診断装置から画像データを取得し、取得した画像データを処理する。例えば、画像処理装置300は、ワークステーション等のコンピュータ機器によって実現される。本実施形態では、画像処理装置300は、ネットワーク400を介してX線CT装置100又は画像保管装置200からCT画像データを取得し、取得したCT画像データに対して各種画像処理を行う。そして、画像処理装置300は、画像処理を行う前又は行った後のCT画像データをディスプレイ等に表示する。
【0014】
例えば、図1に示すように、画像処理装置300は、I/F(インターフェース)回路310と、記憶回路320と、入力回路330と、ディスプレイ340と、処理回路350とを有する。
【0015】
I/F回路310は、処理回路350に接続され、ネットワーク400を介して接続された各種の医用画像診断装置又は画像保管装置200との間で行われる各種データの伝送及び通信を制御する。例えば、I/F回路310は、ネットワークカードやネットワークアダプタ、NIC(Network Interface Controller)等によって実現される。本実施形態では、I/F回路310は、X線CT装置100又は画像保管装置200からCT画像データを受信し、受信したCT画像データを処理回路350に出力する。
【0016】
記憶回路320は、処理回路350に接続され、各種データを記憶する。例えば、記憶回路320は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等によって実現される。本実施形態では、記憶回路320は、X線CT装置100又は画像保管装置200から受信したCT画像データを記憶する。
【0017】
入力回路330は、処理回路350に接続され、操作者から受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路350に出力する。例えば、入力回路330は、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、タッチパネル等によって実現される。例えば、入力回路330は、対象部位を設定するための入力操作を受け付ける。
【0018】
ディスプレイ340は、処理回路350に接続され、処理回路350から出力される各種情報及び各種画像データを表示する。例えば、ディスプレイ340は、液晶モニタやCRT(Cathode Ray Tube)モニタ、タッチパネル等によって実現される。
【0019】
処理回路350は、入力回路330を介して操作者から受け付けた入力操作に応じて、画像処理装置300が有する各構成要素を制御する。例えば、処理回路350は、プロセッサによって実現される。本実施形態では、処理回路350は、I/F回路310から出力されるCT画像データを記憶回路320に記憶させる。また、処理回路350は、記憶回路320からCT画像データを読み出し、ディスプレイ340に表示する。
【0020】
このような構成のもと、本実施形態に係る画像処理装置300は、血行障害に対する治療効果を事前に判定することを可能にする。具体的には、画像処理装置300は、血管を含む医用画像(例えば、3次元CT画像データ等)を用いた流体解析により、血流に関する指標値を算出する。そして、画像処理装置300は、流体解析に用いた解析条件を治療に基づいて変更し、変更後の解析条件で血流に関する指標値を再算出する。従って、画像処理装置300は、解析条件の変更前後の指標値を比較させることにより、治療効果を事前に判定することを可能にする。
【0021】
ここで、画像処理装置300は、血流に関する指標値として、例えば、心筋血流予備量比(FFR:Fractional Flow Reserve)や、血管内の力学的な指標、血液の流量に関する指標などを算出する。FFRは、血管において心臓から近い近位部における圧力と、心臓から遠い遠位部における圧力との比であり、例えば、「FFR=Pd(遠位部の圧力)/Pa(近位部の圧力)」で表される。例えば、血管に狭窄(対象部位)が生じている場合、狭窄により遠位部の圧力が低下するため、FFRの値は低下する。画像処理装置300は、このような対象部位に治療を施した場合に、FFRの値がどのように変化するかをシミュレーションにより算出することで、治療効果の判定を事前に行うことを可能にする。なお、画像処理装置300は、血管内の力学的な指標として、例えば、圧力、ベクトル、せん断応力などを算出することができる。また、画像処理装置300は、血液の流量に関する指標として、流量及び流速などを算出することができる。
【0022】
以下、第1の実施形態では、冠動脈に生じた狭窄の治療効果を判定する場合を例に挙げて説明する。本実施形態に係る処理回路350は、取得機能351と、抽出機能352と、設定機能353と、変更機能354と、算出機能355と、表示制御機能356とを備える。ここで、変更機能354は、特許請求の範囲における変更部の一例である。また、算出機能355は、特許請求の範囲における算出部の一例である。また、表示制御機能356は、特許請求の範囲における表示制御部の一例である。
【0023】
取得機能351は、被検体の血管が描出された時系列の3次元CT画像データを取得する。具体的には、取得機能351は、ネットワーク400を介してX線CT装置100又は画像保管装置200から3次元CT画像データを取得し、取得した3次元CT画像データを記憶回路320に記憶させる。
【0024】
抽出機能352は、取得機能351によって取得された3次元CT画像データから血管の形状を表す時系列の血管形状データを抽出する。具体的には、抽出機能352は、記憶回路320から3次元CT画像データを読み出し、読み出した3次元CT画像データに対して画像処理を行うことで、血管形状データを抽出する。
【0025】
ここで、抽出機能352は、3次元CT画像データに含まれる血管領域に指標値を算出する対象領域を設定する。具体的には、抽出機能352は、操作者による入力回路330を介した指示又は画像処理によって、血管領域に対象領域を設定する。そして、抽出機能352は、設定した対象領域の血管形状データとして、例えば、血管の芯線(芯線の座標情報)、芯線に垂直な断面での血管及び内腔の断面積、芯線に垂直な断面での円柱方向の、芯線から内壁までの距離及び芯線から外壁までの距離などを3次元CT画像データから抽出する。なお、抽出機能352は、解析手法に応じて、その他種々の血管形状データを抽出することができる。
【0026】
設定機能353は、流体解析の解析条件を設定する。具体的には、設定機能353は、解析条件として、血液の物性値、反復計算の条件、解析の初期値などを設定する。例えば、設定機能353は、血液の物性値として、血液の粘性、密度などを設定する。また、設定機能353は、反復計算の条件として、反復計算における最大反復回数、緩和係数、残差の許容値などを設定する。また、設定機能353は、解析の初期値として、流量、圧力、流体抵抗、圧力境界の初期値などを設定する。なお、設定機能353によって用いられる各種値は、システムに予め組み込んでおいてもよいし、操作者が対話的に定義してもよいし、算出機能355の一部の機能を用いて設定してもよい。
【0027】
また、設定機能353は、画像データ中の血管における対象部位(例えば、治療対象部位など)を設定する。具体的には、設定機能353は、血管における複数の対象部位を、手動又は自動で設定する。例えば、設定機能353は、入力回路330を介して受け付けられた範囲を対象部位として設定する。かかる場合には、入力回路330が、解析条件を変更する範囲(対象部位)を受け付け、設定機能353が受け付けられた範囲を対象部位として設定する。また、設定機能353は、抽出機能352によって設定された対象領域内の形状に基づいて、対象部位を自動で設定する。例えば、設定機能353は、対象領域内の形状に基づいて狭窄部分を抽出し、抽出した狭窄部分のうち一定の狭窄度以上となる狭窄部分を対象部位として設定する。なお、狭窄部分の抽出は、任意の手法を用いることができる。
【0028】
変更機能354は、血管における対象部位について流体解析の解析条件を変更する。具体的には、変更機能354は、抽出機能352によって抽出された血管形状データや、設定機能353によって設定された解析条件を変更する。例えば、変更機能354は、対象部位における圧力、対象部位に留置されるステントの条件、対象部位における断面積、対象部位における形状、解析の対象範囲、又は、対象部位に対して施される手技を変更させる。すなわち、変更機能354は、狭窄などの対象部位に対して治療を施すことによって変化するであろうパラメータを変更させ、後述の算出機能355に指標値を再計算させる。なお、変更機能354による処理の詳細については、後述する。
【0029】
算出機能355は、血管を含む画像データを用いた流体解析により血管の血流に関する指標値を算出する。具体的には、算出機能355は、抽出機能352によって抽出された血管形状データと、設定機能353によって設定された解析条件とを用いた流体解析を実行し、血管の対象領域における血流に関する指標値を算出する。例えば、算出機能355は、血管の内腔や外壁の輪郭、血管の断面積及び芯線などの血管形状データと、血液の物性値、反復計算の条件及び解析の初期値などの設定条件に基づいて、血管の所定の位置ごとに、圧力、血液の流量、血液の流速、ベクトル及びせん断応力などの指標値を算出する。そして、算出機能355は、算出した指標値からさらにFFRなどの指標値を算出する。
【0030】
図2は、第1の実施形態に係る処理の一例を説明するための図である。図2に示すように、例えば、抽出機能352は、大動脈及び冠動脈を含む3次元CT画像データから、対象領域であるLADについて、芯線の座標や断面情報を含む血管形状データを抽出する。設定機能353は、抽出されたLADを対象とする解析の解析条件を設定する。算出機能355は、抽出されたLADの血管形状データ及び設定された条件を用いて流体解析を行うことで、例えば、対象領域LADの入口の境界から出口の境界まで、芯線に沿った所定の位置ごとに圧力、血液の流量、血液の流速、ベクトル及びせん断応力などの指標値を算出する。すなわち、算出機能355は、対象領域について、圧力、血液の流量、血液の流速、ベクトル及びせん断応力などの分布を算出する。そして、算出機能355は、例えば、算出した圧力分布に基づいて、対象領域における各位置のFFRを算出する。
【0031】
上述したように、算出機能355は、抽出機能352によって抽出された血管形状データと、設定機能353によって設定された条件とを用いた流体解析を行うことで、血流に関する指標値を算出する。ここで、本実施形態に係る算出機能355は、変更機能354によって変更された条件を用いて、再度流体解析を実行する。すなわち、算出機能355は、狭窄などの対象部位に対する治療を想定して変更された条件で流体解析を行うことで、治療後の指標値についてシミュレーションを実行する。
【0032】
表示制御機能356は、算出機能355によって算出された血流に関する指標値をディスプレイ340に表示させる。具体的には、表示制御機能356は、変更機能354による条件の変更前の流体解析の結果と、変更機能354による条件の変更後の流体解析の結果とをディスプレイ340に表示させる。
【0033】
上述したように、本実施形態に係る画像処理装置300は、画像データを用いた流体解析における解析条件を治療内容に応じて変更し、変更後の条件で再度流体解析を行って指標値を算出して表示する。これにより、観察者は、画像処理装置300によって表示された指標値を確認することで、治療の効果を判定することができる。ここで、本実施形態においては、解析条件として、対象部位における圧力、対象部位における断面積、対象部位における形状、又は、解析の対象範囲を変更させる。すなわち、入力回路330が、対象部位に対する治療内容の情報を受け付け、変更機能354に送信する。変更機能354は、入力回路330を介して受け付けた治療内容に応じて上記した条件を変更し、算出機能355が変更後の条件で指標値を算出する。以下、各条件の変更について、順に説明する。
【0034】
(圧力の変更)
まず、圧力を変更する場合について説明する。この場合、変更機能354は、入力回路330によって受け付けた治療内容に応じて流体解析の圧力の初期値を変更する。例えば、対象領域の血管において所定の位置にある狭窄に対して治療を行う旨の情報を受け付けた場合、変更機能354は、所定の位置の圧力を所定の値に変更する。図3Aは、第1の実施形態に係る圧力変更の一例を説明するための図である。図3Aにおいては、上段に血管の対象領域を示し、中段に条件変更前の入口から出口までの圧力分布のグラフを示し、下段に条件変更後の入口から出口までの圧力分布のグラフを示す。
【0035】
例えば、図3Aの上段に示すように、対象領域の血管に対象部位である「狭窄1」と「狭窄2」があった場合、これらの狭窄に対する治療に応じて、変更機能354は圧力の条件を変更する。一例を挙げると、図3Aにおける「狭窄1」に対してステントを留置する治療を行う場合、変更機能354は、対象領域の「狭窄1」の位置における圧力を治療に応じた値に変更する。例えば、変更機能354は、狭窄がない血管における圧力損失の情報に基づいて圧力の値を変更する。すなわち、変更機能354は、対象領域と同一の血管において、入口から「狭窄1」までの距離で狭窄がない場合の圧力損失の情報に基づいて、「狭窄1」の位置における圧力の値を変更する。
【0036】
例えば、変更機能354は、図3Aの中段の楕円で囲んだ圧力の分布を、図3Aの下段の対応する位置に示す圧力の分布に変更する。算出機能355は、変更機能354によって変更された圧力の条件で対象領域における指標値を算出する。換言すると、算出機能355は、「狭窄1」の位置の圧力が、変更後の圧力となるように流体解析を行うことで、種々の指標値を算出する。表示制御機能356は、算出機能355によって算出された指標値をディスプレイ340に表示させる。例えば、表示制御機能356は、図3Aに示すように、「狭窄1」に対応する位置の圧力が所定の値に変更され、再算出されたFFRをディスプレイ340に表示させる。
【0037】
ここで、変更機能354は、対象部位が複数含まれる場合に、各対象部位について、圧力を変更することができる。例えば、変更機能354は、図3Aに示す「狭窄1」と「狭窄2」について、それぞれ圧力を変更して、変更した条件ごとに指標値を算出させることができる。すなわち、変更機能354は、複数の対象部位についてそれぞれ条件を変更させることができ、算出機能355は、条件ごとの指標値を算出することができる。表示制御機能356は、血管における複数の対象部位について、変更機能354によって変更された解析条件ごとに、算出機能355によって算出された血流に関する指標値を比較表示させる。
【0038】
図3Bは、第1の実施形態に係る表示制御機能356によって表示される表示情報の一例を示す図である。図3Bにおいては、図3Aに示す血管の2つの狭窄に対して治療を行った場合の各条件におけるFFRのシミュレーション結果を示す。例えば、表示制御機能356は、図3Bに示すように、変更前「狭窄1(圧力:変更なし)、狭窄2(圧力:変更なし)」におけるFFRの解析結果と、変更後「狭窄1(圧力:変更なし)、狭窄2(圧力:b)」におけるFFRの解析結果と、変更後「狭窄1(圧力:a)、狭窄2(圧力:変更なし)」におけるFFRの解析結果と、変更後「狭窄1(圧力:a)、狭窄2(圧力:b)」におけるFFRの解析結果とを比較表示させる。
【0039】
ここで、観察者は、図3Bに示すFFRの解析結果を参照して、「狭窄1(圧力:変更なし)、狭窄2(圧力:b)」よりも「狭窄1(圧力:a)、狭窄2(圧力:変更なし)」の方がFFRの値が改善していることから、「狭窄1」を治療するほうが効果が高いと判断することができる。さらに、観察者は、FFRの値に基づいて、「狭窄1」だけの治療で十分なのか、或いは、「狭窄1」及び「狭窄2」の両方を治療すべきなのかを容易に判断することができる。
【0040】
(断面積の変更)
次に、断面積を変更する場合について説明する。この場合、変更機能354は、入力回路330によって受け付けた治療内容に応じて流体解析の断面積の値を変更する。例えば、対象領域の血管において所定の位置にある狭窄に対して治療を行う旨の情報を受け付けた場合、変更機能354は、所定の位置の断面積を所定の値に変更する。図4Aは、第1の実施形態に係る断面積変更の一例を説明するための図である。図4Aにおいては、上段に血管の対象領域を示し、中段に条件変更前の入口から出口までの血管の断面積のグラフを示し、下段に条件変更後の入口から出口までの血管の断面積のグラフを示す。
【0041】
例えば、図4Aの上段に示すように、対象領域の血管に対象部位である「狭窄1」と「狭窄2」があった場合、これらの狭窄に対する治療に応じて、変更機能354は断面積の条件を変更する。一例を挙げると、図4Aにおける「狭窄1」に対してステントを留置する治療を行う場合、変更機能354は、対象領域の「狭窄1」の位置における断面積をステントの断面積に応じた値に変更する。例えば、変更機能354は、治療に用いられるステントの半径方向の断面における断面積を取得し、「狭窄1」に対応する位置の断面積を取得した断面積に変更する。すなわち、変更機能354は、血管形状データにおいて、「狭窄1」に対応する位置の芯線に垂直な断面の断面積を、取得した断面積に変更する。
【0042】
例えば、変更機能354は、図4Aの中段の楕円で囲んだ領域の断面積を、図4Aの下段の対応する位置に示す断面積に変更する。算出機能355は、変更機能354によって変更された断面積の条件で対象領域における指標値を算出する。すなわち、算出機能355は、血管形状データにおける「狭窄1」の位置の断面積を変更して流体解析を行うことで、種々の指標値を算出する。表示制御機能356は、算出機能355によって算出された指標値をディスプレイ340に表示させる。例えば、表示制御機能356は、図4Aに示すように、「狭窄1」に対応する位置の断面積が治療に応じた値に変更され、再算出されたFFRをディスプレイ340に表示させる。
【0043】
ここで、断面積の変更は、上述したステントのサイズに基づく変更であってもよいが、観察者によって画像上で変更操作が実行されてもよい。図4Bは、第1の実施形態に係る断面積の変更操作の一例を示す図である。ここで、図4Bは、血管の対象領域のCPR(Curved Multi Planar Reconstruction)画像を示す。例えば、抽出機能352は、図4Bに示すように、取得機能351によって取得された3次元CT画像データから芯線を抽出し、抽出した芯線に沿って血管を展開したCPR画像を生成する。ここで、抽出機能352は、図4Bに示すように、狭窄が描出されるようにCPR画像を生成する。そして、表示制御機能356が、生成されたCPR画像をディスプレイ340に表示させ、入力回路330が断面積の変更操作を受け付ける。例えば、入力回路330は、図4Bに示すように、CPR画像上に直線L1及び直線L2を設定する操作を受け付ける。
【0044】
抽出機能352は、入力回路330を介して受け付けた直線L1及び直線L2に基づいて、血管形状データを修正し、断面積を再抽出する。すなわち、抽出機能352は、直線L1及び直線L2を血管の内腔の壁として(直線L1及び直線L2によって狭窄領域を削除して)断面積を再抽出する。なお、図4Bに示すCPR画像は、指標値の解析結果とともにディスプレイ340に表示される場合であってもよい。すなわち、表示制御機能356は、断面積の変更後の形状を示す画像を解析結果とともに表示させる。図4Bでは、1方向からのCPR画像を示したが、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、複数方向から展開したCPR画像をそれぞれ表示させ、断面積の変更操作に用いられる場合であってもよい。
【0045】
また、変更機能354は、圧力の変更と同様に、対象部位が複数含まれる場合に、各対象部位について、断面積を変更することができる。例えば、変更機能354は、図4Aに示す「狭窄1」と「狭窄2」について、それぞれ断面積を変更して、変更した条件ごとに指標値を算出させることができる。図4Cは、第1の実施形態に係る表示制御機能356によって表示される表示情報の一例を示す図である。図4Cにおいては、図4Aに示す血管の2つの狭窄に対して治療を行った場合の各条件におけるFFRのシミュレーション結果を示す。例えば、表示制御機能356は、図4Cに示すように、変更前「狭窄1(断面積:変更なし)、狭窄2(断面積:変更なし)」におけるFFRの解析結果と、変更後「狭窄1(断面積:変更なし)、狭窄2(断面積:d)」におけるFFRの解析結果と、変更後「狭窄1(断面積:c)、狭窄2(断面積:変更なし)」におけるFFRの解析結果と、変更後「狭窄1(断面積:c)、狭窄2(断面積:d)」におけるFFRの解析結果とを比較表示させる。ここで、観察者は、圧力の場合と同様に、図4Cに示すFFRの解析結果を参照して、治療の効果を判定することができる。
【0046】
(直径の変更)
次に、直径を変更する場合について説明する。この場合、変更機能354は、入力回路330によって受け付けた治療内容に応じて流体解析の直径の値を変更する。例えば、対象領域の血管において所定の位置にある狭窄に対して治療を行う旨の情報を受け付けた場合、変更機能354は、所定の位置の直径を所定の値に変更する。図5Aは、第1の実施形態に係る直径変更の一例を説明するための図である。図5Aにおいては、上段に血管の対象領域を示し、中段に条件変更前の入口から出口までの血管の直径のグラフを示し、下段に条件変更後の入口から出口までの血管の直径のグラフを示す。
【0047】
例えば、図5Aの上段に示すように、対象領域の血管に対象部位である「狭窄1」と「狭窄2」があった場合、これらの狭窄に対する治療に応じて、変更機能354は直径の条件を変更する。一例を挙げると、図5Aにおける「狭窄1」に対してステントを留置する治療を行う場合、変更機能354は、対象領域の「狭窄1」の位置における直径をステントの直径に応じた値に変更する。例えば、変更機能354は、治療に用いられるステントの直径を取得し、「狭窄1」に対応する位置の直径を取得した直径に変更する。すなわち、変更機能354は、血管形状データにおいて、「狭窄1」に対応する位置の芯線に垂直な断面の直径を、取得した直径に変更する。
【0048】
例えば、変更機能354は、図5Aの中段の楕円で囲んだ領域の直径を、図5Aの下段の対応する位置に示す直径に変更する。算出機能355は、変更機能354によって変更された直径の条件で対象領域における指標値を算出する。すなわち、算出機能355は、血管形状データにおける「狭窄1」の位置の直径を変更して流体解析を行うことで、種々の指標値を算出する。表示制御機能356は、算出機能355によって算出された指標値をディスプレイ340に表示させる。例えば、表示制御機能356は、図5Aに示すように、「狭窄1」に対応する位置の直径が治療に応じた値に変更され、再算出されたFFRをディスプレイ340に表示させる。
【0049】
ここで、直径の変更は、上述したステントのサイズに基づく変更であってもよいが、観察者によって画像上で変更操作が実行されてもよい。図5Bは、第1の実施形態に係る直径の変更操作の一例を示す図である。ここで、図5Bは、「狭窄1」の位置に対応する芯線に垂直な断面のMPR(Multi Planar Reconstruction)画像を示す。例えば、抽出機能352は、図5Bに示すように、取得機能351によって取得された3次元CT画像データから芯線を抽出し、「狭窄1」の位置で芯線に垂直な断面のMPR画像を生成する。そして、表示制御機能356が、生成されたMPR画像をディスプレイ340に表示させ、入力回路330が直径の変更操作を受け付ける。例えば、入力回路330は、図5Bに示すように、MPR画像上に円L3を設定する操作を受け付ける。
【0050】
抽出機能352は、入力回路330を介して受け付けた円L3に基づいて、血管形状データを修正し、直径を再抽出する。すなわち、抽出機能352は、円L3を血管の内腔の壁として直径を再抽出する。なお、図5Bに示すMPR画像は、指標値の解析結果とともにディスプレイ340に表示される場合であってもよい。図5Bでは、「狭窄1」に対応する位置の1断面のMPR画像を示したが、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、「狭窄1」に対応する位置の複数の断面のMPR画像をそれぞれ表示させ、直径の変更操作に用いられる場合であってもよい。また、直径の変更操作において、図4Bに示すCPR画像が用いられる場合であってもよい。逆に、断面積の変更操作において、図5Bに示すMPR画像が用いられる場合であってもよい。
【0051】
また、変更機能354は、対象部位が複数含まれる場合に、各対象部位について、直径を変更することができる。例えば、変更機能354は、図5Aに示す「狭窄1」と「狭窄2」について、それぞれ直径を変更して、変更した条件ごとに指標値を算出させることができる。図5Cは、第1の実施形態に係る表示制御機能356によって表示される表示情報の一例を示す図である。図5Cにおいては、図5Aに示す血管の2つの狭窄に対して治療を行った場合の各条件におけるFFRのシミュレーション結果を示す。例えば、表示制御機能356は、図5Cに示すように、変更前「狭窄1(直径:変更なし)、狭窄2(直径:変更なし)」におけるFFRの解析結果と、変更後「狭窄1(直径:変更なし)、狭窄2(直径:f)」におけるFFRの解析結果と、変更後「狭窄1(直径:e)、狭窄2(直径:変更なし)」におけるFFRの解析結果と、変更後「狭窄1(直径:e)、狭窄2(直径:f)」におけるFFRの解析結果とを比較表示させる。ここで、観察者は、図5Cに示すFFRの解析結果を参照して、治療の効果を判定することができる。
【0052】
(範囲の変更)
次に、範囲を変更する場合について説明する。この場合、変更機能354は、入力回路330によって受け付けた治療内容に応じて流体解析の解析範囲を変更する。例えば、対象領域の血管において所定の位置にある狭窄に対して治療を行う旨の情報を受け付けた場合、変更機能354は、所定の位置を削除するように、解析範囲を変更する。図6Aは、第1の実施形態に係る範囲変更の一例を説明するための図である。図6Aにおいては、血管の対象領域を示し、変更前後の解析範囲を示す。
【0053】
例えば、図6Aに示すように、対象領域の血管に対象部位である「狭窄1」と「狭窄2」があった場合、これらの狭窄に対する治療に応じて、変更機能354は解析範囲を変更する。一例を挙げると、図6Aにおける「狭窄1」に対してステントを留置する治療を行う場合、図6Aに示すように、変更機能354は、対象領域の「狭窄1」に対応する範囲を除外して、その他の範囲を対象範囲とするように解析範囲を変更する。
【0054】
算出機能355は、変更機能354によって変更された範囲を解析対象の範囲として指標値を算出する。すなわち、算出機能355は、血管形状データにおける「狭窄1」の位置を除外して流体解析を行うことで、種々の指標値を算出する。例えば、算出機能355は、図6Aにおいて、入口側の対象範囲の右端における圧力の値を用いて、出口側の対象範囲の左端における圧力の値を算出する。すなわち、算出機能355は、出口側の対象範囲における血流に関する指標値を、入口側の対象範囲における値を用いて算出する。表示制御機能356は、算出機能355によって算出された指標値をディスプレイ340に表示させる。例えば、表示制御機能356は、図6Aに示すように、「狭窄1」に対応する範囲が除外され、再算出されたFFRをディスプレイ340に表示させる。
【0055】
また、変更機能354は、対象部位が複数含まれる場合に、各対象部位について、範囲を変更することができる。例えば、変更機能354は、図6Aに示す「狭窄1」と「狭窄2」について、それぞれ範囲を変更して、変更した条件ごとに指標値を算出させることができる。図6Bは、第1の実施形態に係る表示制御機能356によって表示される表示情報の一例を示す図である。図6Bにおいては、図6Aに示す血管の2つの狭窄に対して治療を行った場合の各条件におけるFFRのシミュレーション結果を示す。例えば、表示制御機能356は、図6Bに示すように、変更前「狭窄1(変更なし)、狭窄2(変更なし)」におけるFFRの解析結果と、変更後「狭窄1(変更なし)、狭窄2(除外)」におけるFFRの解析結果と、変更後「狭窄1(除外)、狭窄2(変更なし)」におけるFFRの解析結果と、変更後「狭窄1(除外)、狭窄2(除外)」におけるFFRの解析結果とを比較表示させる。ここで、観察者は、図6Bに示すFFRの解析結果を参照して、治療の効果を判定することができる。
【0056】
以上、処理回路350が有する各処理機能について説明した。ここで、例えば、上述した各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路320に記憶される。処理回路350は、各プログラムを記憶回路320から読み出し、読み出した各プログラムを実行することで、各プログラムに対応する処理機能を実現する。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路350は、図1に示した各処理機能を有することとなる。
【0057】
なお、図1では、単一の処理回路350によって各処理機能が実現される場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、処理回路350は、複数の独立したプロセッサを組み合わせて構成され、各プロセッサが各プログラムを実行することにより各処理機能を実現するものとしても構わない。また、処理回路350が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。
【0058】
次に、第1の実施形態に係る画像処理装置300による処理の手順について説明する。図7は、第1の実施形態に係る画像処理装置300による処理手順を示すフローチャートである。ここで、図7におけるステップS101は、例えば、処理回路350が取得機能351に対応するプログラムを記憶回路320から呼び出して実行することにより実現される。また、ステップS102及びステップS104は、例えば、処理回路350が算出機能355に対応するプログラムを記憶回路320から呼び出して実行することにより実現される。また、ステップS103及びステップS104は、例えば、処理回路350が変更機能354に対応するプログラムを記憶回路320から呼び出して実行することにより実現される。また、ステップS105は、例えば、処理回路350が表示制御機能356に対応するプログラムを記憶回路320から呼び出して実行することにより実現される。
【0059】
本実施形態に係る画像処理装置300では、まず、処理回路350が、時系列の3次元CT画像データを取得する(ステップS101)。そして、処理回路350が、対象範囲の指標値を算出する(ステップS102)。続いて、処理回路350が、変更操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS103)。ここで、変更操作を受け付けると(ステップS103肯定)、処理回路350は、流体解析の条件を変更して、指標値を再度算出する(ステップS104)。さらに、処理回路350は、条件ごとの指標値を比較表示させる(ステップS105)。
【0060】
上述したように、第1の実施形態によれば、算出機能355は、血管を含む画像データを用いた流体解析により血管の血流に関する指標値を算出する。変更機能354は、血管における対象部位について流体解析の解析条件を変更する。表示制御機能356は、血管における複数の対象部位について、変更機能354によって変更された解析条件ごとに、算出機能355によって算出された血流に関する指標値を比較表示させる。従って、第1の実施形態に係る画像処理装置300は、複数の対象部位に関して、血行障害に対する治療効果を事前に判定することを可能にする。
【0061】
また、第1の実施形態によれば、表示制御機能356は、解析条件ごとに算出された複数の指標値を、算出に用いられた解析条件を示す情報に対応付けて比較表示させる。従って、第1の実施形態に係る画像処理装置300は、複数の対象部位に対する治療効果を容易に判定することを可能にする。
【0062】
また、第1の実施形態によれば、変更機能354は、解析条件として、対象部位における圧力、対象部位に留置されるステントの条件、対象部位における断面積、対象部位における形状、解析の対象範囲、又は、対象部位に対して施される手技を変更させる。従って、第1の実施形態に係る画像処理装置300は、治療による変化を反映させた流体解析を実行することができる。
【0063】
また、第1の実施形態によれば、算出機能355は、血流に関する指標値として、血管の各位置におけるFFR、圧力、血液の流量、血液の流速、ベクトル及びせん断応力のうち少なくとも1つを算出する。従って、第1の実施形態に係る画像処理装置300は、血流に関する種々の指標値を用いて治療効果の判定を行うことができる。
【0064】
上述したように、第1の実施形態に係る画像処理装置300は、解析条件を変更し、血流に関する指標値を算出して比較表示させることで、複数の対象部位に関して、血行障害に対する治療効果を事前に判定することを可能にする。さらに、画像処理装置300は、例えば、圧力などの血流に関する情報を変更して指標値を算出することから、流体解析に係る処理負荷や処理時間を低減することができる。すなわち、画像処理装置300は、血流系の情報を変更して指標値を算出することで、血管の形状を変化させずに流体解析を行うことができる。近年、ボリュームデータの高精細化に伴い、データサイズが大きくなっているため、流体解析に係る処理負荷が大きくなるとともに、処理時間が長くなる場合がある。これに対して、第1の実施形態に係る画像処理装置300は、血管の形状を変化させずに、圧力などの血流系の情報を修正して流体解析を行うことで、処理負荷と処理時間を低減させることができる。
【0065】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態に係る画像処理装置の構成は、基本的には、図1に示した画像処理装置300の構成と同じである。そのため、以下では、第1の実施形態に係る画像処理装置300と異なる点を中心に説明することとし、図1に示した構成要素と同様の役割を果たす構成要素については同じ符号を付すこととして詳細な説明を省略する。
【0066】
上述した第1の実施形態では、治療に応じて条件を変更することで、治療効果を判定する場合について説明した。第2の実施形態では、効果の高い治療を提示する場合について説明する。例えば、第2の実施形態に係る画像処理装置300は、狭窄に対してステントを留置する場合に、ステントを留置する位置や、ステントのサイズなどを切り替えてシミュレーションを実行し、結果を提示する。
【0067】
第2の実施形態に係る変更機能354は、ステントの条件として、ステントを配置する位置、ステントの長さ及びステントの直径のうち少なくとも1つを変更する。図8A及び図8Bは、第2の実施形態に係る変更機能354によるステントの条件変更を説明するための図である。ここで、図8Aは、ステントの位置を変更する場合を示す。また、図8Bは、ステントの長さを変更する場合を示す。
【0068】
例えば、変更機能354は、図8Aに示すように、狭窄に対するステントの配置を少しずつ変更し、算出機能355は、各配置におけるFFRの値を算出する。一例を挙げると、変更機能354は、ステントのサイズを一定にして、留置する位置をずらしながら、各位置におけるFFRの値を算出させる。表示制御機能356は、FFRの値が最も高くなる位置の情報を観察者に提示する。例えば、表示制御機能356は、図8Aに示すように、FFRの値が最も高くなる位置にステント画像を配置したCPR画像をディスプレイ340に表示させる。これにより、観察者は、効果の高いステントの留置位置を容易に把握することができる。
【0069】
また、変更機能354は、図8Bに示すように、狭窄に対して留置するステントのサイズを少しずつ変更し、算出機能355は、各サイズにおけるFFRの値を算出する。ここで、体内にステントを留置する場合、サイズが小さい方が被検体に対する影響が少ない。そこで、変更機能354は、ステントのサイズが小さいほうから順に変更し、FFRの値を算出させる。例えば、変更機能354は、短いステントから順に所定の長さまでステントサイズを変更し、各サイズでのFFRの値を算出させる。また、変更機能354は、例えば、直径の小さいステントから順に所定の大きさまでステントサイズを変更し、各サイズでのFFRの値を算出させる。
【0070】
ここで、長さ及び直径は、留置される血管のサイズに基づいて上限が決められてもよい。すなわち、変更機能354は、ステントを留置する血管のサイズ(例えば、直径や、血管壁の厚みなど)に基づいて、留置するステントの長さや直径の下限と上限の範囲をそれぞれ設定する。そして、変更機能354は、設定した範囲において短いもの、或いは、直径が小さいものから順にステントを変更してFFRの値を算出させる。
【0071】
第2の実施形態に係る表示制御機能356は、解析条件としてステントの長さ及び直径のうち少なくとも一方が変更される場合に、血管におけるFFRが所定の値を上回るステントの最短の長さ及び最小の直径のうち少なくとも一方を表示させる。すなわち、表示制御機能356は、治療効果の高いステントのうち、被検体に最も影響の少ないステントの情報を表示する。例えば、表示制御機能356は、FFRの値が所定の閾値(例えば、0.9など)を超えたときのステントの条件をディスプレイ340に表示させる。
【0072】
次に、第2の実施形態に係る画像処理装置300による処理の手順について説明する。図9は、第2の実施形態に係る画像処理装置300による処理手順を示すフローチャートである。ここで、図9におけるステップS201は、例えば、処理回路350が取得機能351に対応するプログラムを記憶回路320から呼び出して実行することにより実現される。また、ステップS202は、例えば、処理回路350が変更機能354及び算出機能355に対応するプログラムを記憶回路320から呼び出して実行することにより実現される。また、ステップS203及びステップS204は、例えば、処理回路350が表示制御機能356に対応するプログラムを記憶回路320から呼び出して実行することにより実現される。
【0073】
本実施形態に係る画像処理装置300では、まず、処理回路350が、時系列の3次元CT画像データを取得する(ステップS201)。そして、処理回路350が、ステントの条件ごとに指標値を算出する(ステップS202)。続いて、処理回路350が、指標値が所定の閾値を超えたか否かを判定する(ステップS203)。ここで、所定の閾値を超えると(ステップS203肯定)、処理回路350は、指標値が所定の閾値を超えたステントの条件を表示させる(ステップS204)。
【0074】
上述したように、第2の実施形態によれば、変更機能354は、ステントの条件として、ステントを配置する位置、ステントの長さ及びステントの直径のうち少なくとも1つを変更する。従って、第2の実施形態に係る画像処理装置300は、治療効果の高いステントの条件を提示することを可能にする。
【0075】
また、第2の実施形態によれば、表示制御機能356は、解析条件としてステントの長さ及び直径のうち少なくとも一方が変更される場合に、血管におけるFFRが所定の値を上回るステントの最短の長さ及び最小の直径のうち少なくとも一方を表示させる。従って、第2の実施形態に係る画像処理装置300は、被検体への影響が小さく、かつ、治療効果が高いステントの条件を提示することを可能にする。
【0076】
(第3の実施形態)
さて、これまで第1及び第2の実施形態について説明したが、上述した第1及び第2の実施形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
【0077】
上述した実施形態では、血流に関する指標値としてFFRを算出する場合を例に挙げて説明したが、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、圧力、流速、流量、ベクトル及びせん断応力が算出される場合であってもよい。例えば、断面積及び直径が変更された場合に、圧力や、流量、流速などが算出されてもよい。また、範囲や形状などが変更された場合に、圧力、流速、流量、ベクトル及びせん断応力などが算出されてもよい。
【0078】
また、上述した実施形態では、血管の断面積や直径が変更される場合について説明したが、実施形態ではこれに限定されるものではなく、例えば、血管の形状を変化させる場合であってもよい。例えば、血管にバイパスを形成する場合などのFFR、圧力、流速、流量、ベクトル及びせん断応力などが算出される場合であってもよい。
【0079】
また、上述した実施形態では、冠動脈を対象とする場合について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、頸動脈や大腿動脈にステントを留置する場合の治療効果の判定に用いられる場合であってもよい。
【0080】
また、上述した実施形態では、対象部位に対する手技として、ステントを留置する場合を一例に挙げて説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、種々の手技を適用することができる。具体的には、変更機能354は、対象部位に対して施される手技を変更する。以下、第1の実施形態で説明した画像処理装置300及び第2の実施形態で説明した画像処理装置300が、対象部位に対して施される手技を変更する例についてそれぞれ説明する。
【0081】
例えば、第1の実施形態において説明した治療に応じて条件を変更する場合、画像処理装置300における変更機能354は、選択された対象部位に対して施される手技を変更し、変更した手技に応じて、対象部位における圧力、対象部位における断面積、対象部位における形状、又は、解析の対象範囲を変更させる。すなわち、変更機能354は、入力回路330を介して受け付けた手技内容(治療内容)に応じて、上記した条件を変更し、算出機能355が変更後の条件で指標値を算出する。
【0082】
ここで、入力回路330は、手技として、上記したステントの留置の他、薬物療法や、DCA(Directional Coronary Atherectomy:方向性冠動脈粥腫切除術)、ロータブレータ(Rotational Coronary Atherectomy:回転性冠動脈粥腫切除術)などの指定操作を受け付ける。例えば、入力回路330が薬物療法の指定操作を受け付けると、変更機能354は、薬物による効果に応じて、対象部位における圧力、対象部位における断面積、対象部位における形状、又は、解析の対象範囲を変更させる。一例を挙げると、変更機能354は、対象部位における圧力をユーザにより入力された薬物療法プランの内容に応じた値(例えば、狭窄がない血管における圧力損失の情報に基づく圧力の値)に変更する。
【0083】
同様に、変更機能354は、対象部位における断面積及び形状、解析の対象範囲を、薬物療法プランの内容に応じた値に変更することができる。なお、薬物療法に応じた変更の程度は、任意に設定することができる。例えば、薬物の種類や、量、投与される被検体の性別や年齢、対象部位の状態ごとに、予め変更の程度が設定され、変更機能354は、入力回路330を介して入力されたそれらの情報に基づいて、対象部位における圧力、対象部位における断面積、対象部位における形状、又は、解析の対象範囲を変更させる。なお、対象部位に対する手技が薬物療法であり、変更機能354が解析の対象範囲を変更する場合、血管内のすべての対象部位(治療対象部位)に対して解析の対象範囲の変更が実行される。
【0084】
また、例えば、入力回路330がDCAや、ロータブレータの指定操作を受け付けると、変更機能354は、DCAや、ロータブレータ手技のシミュレートによって推測される血管形状変更の効果に応じて、対象部位における圧力、対象部位における断面積、対象部位における形状、又は、解析の対象範囲を変更させる。一例を挙げると、変更機能354は、対象部位における圧力をDCAや、ロータブレータに応じた値(例えば、対象部位において切除される予定の石灰化領域を除いた場合に推測される圧力の値)に変更する。例えば、変更機能354は、DCAや、ロータブレータによって切除される石灰化領域の割合に応じた圧力の値に変更する。
【0085】
同様に、変更機能354は、対象部位における断面積及び形状、解析の対象範囲を、DCAや、ロータブレータの手技内容に応じた値に変更することができる。なお、DCAや、ロータブレータに応じた変更の程度は、切除される石灰化領域の割合や、切除される位置などの情報を受け付けることにより、適宜調整することができる。
上述したように、変更機能354が条件を変更すると、算出機能355が、変更後の条件で指標値を再度算出する。そして、表示制御機能356が、条件ごとの指標値を比較表示させる。
【0086】
次に、第2の実施形態にて説明した画像処理装置300が、対象部位に対して施される手技を変更する例について説明する。この場合、画像処理装置300は、対象部位に対して施される手技の内容を切り替えてシミュレーションを実行し、結果を提示する。
【0087】
例えば、入力回路330は、対象部位に対してシミュレーションを行いたい手技の種類として、DCA及びロータブレータの指定操作を受け付ける。変更機能354は、対象部位における圧力の値を、DCAに応じた圧力の値と、ロータブレータに応じた圧力の値にそれぞれ変更する。算出機能355は、DCAに応じた圧力の値及びロータブレータに応じた圧力の値のそれぞれについて、FFRの値を算出する。表示制御機能356は、FFRの値の改善度合いの高くなる手技の情報を観察者に提示する。これにより、観察者は、効果の高い手技を容易に把握することができる。
【0088】
また、上述した実施形態は、3次元の流体解析に限らず、2次元、或いは、1次元の流体解析に適用する場合であってもよい。
【0089】
また、上述した各実施形態では、被検体の血管が描出された時系列の3次元医用画像データとして、X線CT装置によって収集された3次元CT画像データを用いる場合の例を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、時系列の3次元医用画像データとして、他の医用画像診断装置によって収集された医用画像が用いられてもよい。一例を挙げると、MRI装置や、超音波診断装置等によって収集された医用画像を用いる場合であってもよい。
【0090】
また、上述した実施形態では、画像処理装置300が各種処理を実行する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、医用画像診断装置において各種処理が実行される場合であってもよい。かかる場合には、X線CT装置や、MRI装置、超音波診断装置などの医用画像診断装置が、処理回路350と同様の処理回路を有し、収集した医用画像データを用いて上述した処理を実行する。
【0091】
また、上述した各実施形態の説明で用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。ここで、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合には、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。また、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて一つのプロセッサとして構成され、その機能を実現するようにしてもよい。
【0092】
ここで、プロセッサによって実行されるプログラムは、ROM(Read Only Memory)や記憶部等に予め組み込まれて提供される。なお、このプログラムは、これらの装置にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disk)−ROM、FD(Flexible Disk)、CD−R(Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記録されて提供されてもよい。また、このプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードされることにより提供又は配布されてもよい。例えば、このプログラムは、後述する各機能部を含むモジュールで構成される。実際のハードウェアとしては、CPUが、ROM等の記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより、各モジュールが主記憶装置上にロードされて、主記憶装置上に生成される。
【0093】
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、血行障害に対する治療効果を事前に判定することができる。
【0094】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0095】
300 画像処理装置
320 記憶回路
350 処理回路
354 変更機能
355 算出機能
356 表示制御機能
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9