【課題を解決するための手段】
【0007】
その目的は、請求項1による本発明の特徴によって実現される。請求項1は、本発明によるモータに関し、請求項1に従属する請求項2
および3は、本発明の有利な実施形態を指定している。請求項
4は、埋め込み式構成体に関し、請求項
5から7は、本発明による
血液ポンプに関する。
【0008】
本発明によるモータは、ステータと軸線方向の周りに駆動され得るロータとを有しており、目的を実現するために、これらのうちの少なくとも1つ、とりわけステータは、電流を供給され得る巻線構成体を有しており、半径方向に圧縮可能および拡張可能である。
【0009】
本発明の範囲内で「半径方向の圧縮性」の用語は、問題の部品の直径がモータの回転の軸線に関して少なくとも部分的に縮小され得るということを意味するように理解されるべきである。これは、均一な直径縮小のすべての可能性を含むことが可能であり、その場合において、その他の点では形状において変化することなく、単に、円筒形状の本体部の直径が変化する。しかし、また、半径方向の圧縮性は、単に1つの軸線におけるステータおよび/またはロータの直径縮小を意味するように理解され得、それは、たとえば、部品を平坦に押圧することによって、または、部品(ステータおよび/またはロータ)が異なる円形ディスクから構成されている場合には、回転の軸線に対して円形ディスクを傾けることによって、発生させられる。特定の場合では、直径は、回転の軸線に対して垂直な第1の方向に縮小されるが、直径は、第1の方向に対して垂直な方向に一定のままである。
【0010】
電流を供給され得る巻線構成体を有するこのタイプの圧縮可能なステータは、先行技術では知られていない。本発明によれば、とりわけ、巻線構成体自体が、半径方向に圧縮可能であり得る。このタイプの巻線構成体は、導管の中へ導入される前に圧縮され得、それによって、とりわけ、ステータがモータの外径を決定するときには、モータの全体的な直径が縮小される。例として、ステータは、動作状態において、ロータを同軸に取り囲むことが可能である。この場合では、ステータの半径方向の圧縮は、モータの半径方向の圧縮と同等である。また、ステータは、ハウジングによって取り囲まれることも可能であり、たとえば、ハウジングは、弾性であることが可能であり、次いで、ステータとともに圧縮可能および拡張可能である。例として、ハウジングは、弾性フィルムから実質的に構成され得、弾性フィルムは、ステータの上に引き伸ばされる。しかし、モータがハウジングを有していないということも可能である。
【0011】
ステータがロータを同軸に取り囲むときには、ステータの圧縮に関する可能性は、内部に配置されているロータによって、狭い制限を受ける。有利には、たとえば、ロータおよびステータが、第1の位置と第2の位置との間で相互に軸線方向に変位させられ得、第1の位置では、ステータが半径方向に圧縮可能であり、第2の位置では、ステータが半径方向に拡張させられているときに、ステータのさらなる圧縮が可能である。この場合では、ステータの圧縮のために、ロータは、最初にステータから軸線方向に滑動して出され得、次いで、ステータは、たとえば、ロータの外径まで圧縮され得る。次いで、ステータおよびロータは、導管を通して目標位置へ軸線方向に順々に滑動させられ得る。したがって、ロータ自身が圧縮可能でない場合には、ロータの外部寸法を下回ってステータのさらなる圧縮は、提供されないか、または、いくつかの例示的な実施形態では可能でない。
【0012】
ステータおよびロータが目標位置に到着した場合には、ステータは、再び拡張させられ得、または、自動的に拡張することが可能であり、ロータは、ステータの中へ軸線方向に引き込まれ得る。
【0013】
また、ロータがステータの中へ変位させられ、または引き込まれ、この変位移動の間に半径方向に拡張させられるという点において、ステータは、半径方向に拡張させられ得る。この目的のために、ロータは、少なくとも部分的に円錐形状に先細になる様式で形成され得る。
【0014】
本発明のさらに有利な変形例によれば、ロータは、半径方向に圧縮可能である。ロータも半径方向に圧縮可能である場合には、変形例におけるロータは、ステータの中に残ることが可能であり、両方が、一緒に半径方向に圧縮され得、そうでなければ、ステータから外へロータを変位させ、これらの両方を互いに独立して半径方向に圧縮することも考えられる。
【0015】
例として、この目的のために、ロータは、複数の磁石を有することが可能であり、複数の磁石は、磁石部品と称することが可能であり、複数の磁石は、とりわけ軸線方向に、相互に可逆的に移動可能である。例として、ロータは、強磁性のコアを有する永久磁石または電磁石を有することが可能であり、それらは、磁石部品としてそれぞれ指定されることとなる。磁石の個々のセグメントが相互に変位させられ得るように、そのような磁石は、磁石セグメントへとそれぞれ分割され得、半径方向への磁石の寸法の縮小によってロータの直径を縮小させるようになっている。
【0016】
例として、少なくとも1つの磁石は、くさび形状の複数のセグメントから構成され得、くさび形状のセグメントは、一緒に、および、相手から離れるように軸線方向に押され得、また、相手から離れるように押されるときには、半径方向に考えたときに、一緒に押された状態のときよりも、全体として少ないスペースを取る。しかし、また、異なる他の平面における分割も提供され得、ロータの円周方向に、および/または、モータの半径方向に、磁石の個々のセグメントを変位させることも考えられる。また、磁石のセグメントは、磁石部品と称することが可能であり、したがって、「磁石部品」の用語は、磁石のセグメントおよび磁石全体の両方を含む。
【0017】
説明されている磁石の移動または磁石のセグメントの移動は、直径縮小につながり、可逆的であり、ロータのその後の拡張のために簡単な様式で逆にされ得るということが重要である。
【0018】
ステータの最も簡単な可能性のある半径方向の圧縮を可能にするために、巻線構成体は、有利には、たとえば少なくとも1つのサブ巻線を有することが可能であり、少なくとも1つのサブ巻線は、可逆的に変形可能である。例として、このタイプのサブ巻線は、弾性であることが可能であり、たとえば、弾性リードを含有することが可能であり、弾性リードは、サブ巻線の一時的な変形を可能にする。このタイプの変形は、弾性および塑性の両方であることが可能である。
【0019】
また、巻線構成体は、少なくとも2つのサブ巻線を有しており、少なくとも2つのサブ巻線は、相互に可逆的に変位させられ得るということも可能である。たとえば、このタイプのサブ巻線は、型成形されなくてもよく、または、剛体のまたは弾性の型成形材で成形されてもよく、また、ステータの半径方向の圧縮の場合に、板葺き屋根の板のような様式で重ねられ、とりわけステータの円周方向に、一方が他方の上に滑動させられ得る。しかし、ロータがステータから除去されたとすれば、サブ巻線の枢動または回転も考えられる。
【0020】
巻線構成体の改善された変形性に関して、巻線構成体は、たとえば、弾性材料で型成形された少なくとも1つのサブ巻線を有することが可能である。例として、サブ巻線は、エラストマーで、たとえば、シリコーンエラストマーで、または、ゴム材料で型成形され得る。また、巻線構成体のより大きいパーツは、たとえば、巻線構成体全体でも、このタイプの弾性材料で型成形され得る。
【0021】
有効性を増加させるために、弾性マトリックスには、とりわけ外側に、強磁性の充填材が設けられ得る。
【0022】
巻線構成体の個々のパーツがそれぞれ別々に型成形される場合には、たとえば、サブ巻線が、弾性リードを有するときに、および/または、弾性材料で型成形されるときに、弾性変形性は、これにより、変位可能性と組み合わせられることも可能である。
【0023】
例として、巻線構成体は、形状記憶合金から構成されるリードを少なくとも部分的に有することも可能である。この場合では、サブ巻線または巻線構成体全体は、たとえば目標温度の選択的な設定によって、目標場所において、所望の形状およびサイズをとることが可能である。医学用途の場合では、合金は、たとえば、患者の体温が仮定されると巻線構成体が所望の目標形状をとるように、設定され得る。
【0024】
相互に移動可能な複数のサブ巻線から構成される巻線構成体の場合において、繰り返される圧縮および拡張、ならびに、圧縮移動および拡張移動の再現可能な過程を確実にするために、たとえば、巻線構成体が、相互に移動可能な部品同士の間に画定される曲げ領域および/またはねじれ領域を有すると有利である可能性がある。このタイプの曲げ領域および/またはねじれ領域は、たとえば、ストランデッドワイヤーとして形成されたリードの長さ部分を提供することによって、または、とりわけ、細いリード領域によって、軟質のおよび/または可撓性のリードパーツの形態で提供され得る。
【0025】
上記に説明されているタイプのモータの場合では、ある距離からでも、ロータおよびステータを相互に目標位置に変位させることができるようにするために、本発明は、有利には、接続部品を提供し、接続部品は、モータから離れるように延在しており、接続部品によって、ロータおよびステータは、相互に軸線方向に変位させられ得る。接続部品は、たとえばボーデンケーブルなどの様式で、典型的な操作部品として形成され得、接続部品の異なるパーツは、一方では、ステータに接続され、他方ではロータに接続され得る。
【0026】
接続部品によって、ステータおよびロータの相対変位、ならびに、したがって、目標位置でのステータの中へのロータの引き込みが可能であり、ステータは、事前にすでに拡張させられているか、または、ステータの中へロータを引き込むことによって半径方向に拡張させられるかのいずれかである。
【0027】
また、本発明は、中空のカテーテルと、中空のカテーテルの中に圧縮されて配置されているステータおよびロータとを有する埋め込み式構成体に関する。このタイプの埋め込み式構成体の範囲内において、半径方向に圧縮可能なモータは、中空のカテーテルの中へ簡単な形態で引き込まれ得、モータは、通常、圧縮された形態で中空のカテーテルの中に受け入れられる。次いで、中空のカテーテルは、たとえば、ポートによって患者の血管の中へ導入され、これを通して変位させられ、そして、目標位置へ連れて行かれ、たとえば、大動脈弓、心臓弁、または心室の中へ導入され得る。次いで、中空のカテーテルは後退させられ得、モータは、中空のカテーテルから滑動して出され、このプロセスの間にまたはその後に、半径方向に拡張させられる。
【0028】
また、本発明は、上記に説明されているタイプのモータおよび埋め込み式構成体に関し、また、説明されているタイプのモータを位置決めするための方法に関し、ステータおよびロータは、導管を通して目標位置まで変位させられ、少なくともステータは、半径方向に圧縮され、少なくともステータは、その後に半径方向に拡張させられる。
【0029】
方法の有利な実施形態によれば、ステータおよびロータが目標位置へと変位させられると、ステータおよびロータは、相互に軸線方向に変位させられる。
【0030】
また、本発明は、モータを含有するポンプ、とりわけ、血液ポンプに関し、モータは、ステータと軸線方向の周りに駆動され得るロータとを有しており、これらのうちの少なくとも1つ、とりわけステータは、電流を供給され得る巻線構成体を有しており、半径方向に圧縮可能および拡張可能である。ここで、モータおよびポンプは、有利には、互いにしっかりと一体化されている。したがって、とりわけ小さい構造のポンプを作り出すことが可能である。とりわけ、非常に小さい半径方向の直径を有するポンプが、使用の部位へ持っていかれ、次いで、そこで半径方向に拡張させられ、実際のポンプ性能を提供するようになっていると有利である。
【0031】
ここで、実施形態によれば、ロータは、ポンプロータに接続されており、ポンプロータは、流体を搬送するためのブレード構成を有している。例として、ポンプロータは、実際の磁気ロータの上に装着され得、または、これを半径方向に取り囲むことが可能である。しかし、また、たとえば、磁気ロータがポンプロータの中に型成形され/埋め込まれているという点において、これらが別の方式で相互接続されることも可能である。
【0032】
さらなる実施形態によれば、ポンプロータは、動作状態において、ステータの中に少なくとも部分的に位置付けされている。したがって、半径方向に積層された配置が、動作状態において提供され、それは、半径方向外向きから出発して中心に向かって、1
.ステータ、2.ポンプロータ、3.磁気ロータの通りになっている。ポンプロータおよび磁気的なモータが相互接続されている他の形態では、これは、潜在的に異なることも可能である。
【0033】
有利な実施形態によれば、ポンプロータは、半径方向に圧縮可能であり、とりわけ、ポンプロータは、半径方向に弾性的に圧縮可能である。ここで、変形例によれば、ポンプロータのブレード構成は、主として弾性的に圧縮可能であり、たとえば、ポンプロータのハブを支える。
【0034】
本発明によるポンプの異なる変形例が可能であり、本発明によるモータのすべての変形例が、ポンプ用として使用され得る。
【0035】
本発明は、例示的な実施形態に基づいて、さまざまな図に示され、以降で説明されることとなる。