特許第6918504号(P6918504)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6918504
(24)【登録日】2021年7月27日
(45)【発行日】2021年8月11日
(54)【発明の名称】無端ベルト
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/00 20060101AFI20210729BHJP
   G03G 15/16 20060101ALI20210729BHJP
   B29D 29/00 20060101ALI20210729BHJP
【FI】
   G03G15/00 552
   G03G15/16
   B29D29/00
【請求項の数】1
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-14320(P2017-14320)
(22)【出願日】2017年1月30日
(65)【公開番号】特開2018-124334(P2018-124334A)
(43)【公開日】2018年8月9日
【審査請求日】2019年12月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000219602
【氏名又は名称】住友理工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】特許業務法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 大輝
(72)【発明者】
【氏名】金原 輝佳
(72)【発明者】
【氏名】藤田 司
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 里志
【審査官】 市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−009287(JP,A)
【文献】 特開2005−017664(JP,A)
【文献】 特開平10−063013(JP,A)
【文献】 特開2009−156981(JP,A)
【文献】 特開2016−133534(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/00
B29D 29/00
G03G 15/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子写真機器における中間転写ベルトに用いられる筒状の無端ベルトであって
筒状に形成されたポリアミドイミド製の基層を有しており、
ベルト幅方向の少なくとも一方のベルト端縁に、ベルト幅方向外方に向かって先細に形成されたエッジ部を有しており、
上記エッジ部は、
ベルト外周面からベルト内周面寄りに傾斜する外側傾斜面とベルト内周面とが交わっており、当該外側傾斜面と当該ベルト内周面のなす角θが鋭角である第1エッジ部より構成されている、または、
ベルト内周面からベルト外周面寄りに傾斜する内側傾斜面とベルト外周面とが交わっており、当該内側傾斜面と当該ベルト外周面のなす角θが鋭角である第2エッジ部より構成されている、または、
上記外側傾斜面と上記内側傾斜面とが交わっており、当該外側傾斜面と当該内側傾斜面のなす角θを1/2倍したθ/2が鋭角である第3エッジ部より構成されており、
上記θ、上記θ、および、上記θ/2は、いずれも、56°以上75°以下であり、
上記エッジ部が第1エッジ部より構成されている場合、上記ベルト外周面の上記外側傾斜面寄りの部分に、
上記エッジ部が第2エッジ部より構成されている場合、上記ベルト内周面の上記内側傾斜面寄りの部分に、
上記エッジ部が第3エッジ部より構成されている場合、上記ベルト外周面の上記外側傾斜面寄りの部分、および、上記ベルト内周面の上記内側傾斜面寄りの部分の少なくとも一方に、
ベルト材料が熱によって材質変化してなる熱影響部を有しており、
上記熱影響部の幅が、いずれも100μm以下である、
無端ベルト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無端ベルトおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の複写機、プリンター、印刷機等の電子写真機器が知られている。これらの電子写真機器には、例えば、中間転写ベルト、定着ベルト、搬送ベルト等の無端ベルトが組み込まれている。
【0003】
この種の無端ベルトとしては、例えば、筒状のベルト体における両側のベルト端縁を、ベルト厚み方向に沿って刃物で裁断して製品寸法とした無端ベルトが公知である。また、特許文献1には、両側のベルト端縁がベルト周方向全体にわたって膨らんだ形状を有する無端ベルトが開示されている。同文献には、ベルト端縁を熱溶融することにより、上記の膨らんだ形状を形成する点が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016−133534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来知られる無端ベルトは、以下の点で課題がある。すなわち、無端ベルトは、一般に、回転走行時にベルト幅方向に蛇行しやすい。このような無端ベルトの蛇行を防止するため、無端ベルトを張架するローラの両端部には、通常、無端ベルトの蛇行を規制するためのフランジ部材が設けられている。ベルト厚み方向に沿って刃物で裁断されたベルト端縁を有する無端ベルトは、蛇行によってベルト端縁がフランジ部材に接触し続けると、ベルト端縁に過大な負荷がかかって亀裂が生じ、破断するおそれがある。
【0006】
一方、丸く膨らんだ形状に形成されたベルト端縁を有する無端ベルトは、その形状に起因して、ベルト主平面よりもベルト端縁が持ち上がった状態でローラに接触する。この状態で無端ベルトが回転走行し続けると、やはり、ベルト端縁に過大な負荷がかかって亀裂が生じ、無端ベルトが破断するおそれがある。
【0007】
本発明は、上記背景に鑑みてなされたものであり、従来に比べ、回転耐久性能を向上させることが可能な無端ベルトを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、電子写真機器における中間転写ベルトに用いられる筒状の無端ベルトであって
筒状に形成されたポリアミドイミド製の基層を有しており、
ベルト幅方向の少なくとも一方のベルト端縁に、ベルト幅方向外方に向かって先細に形成されたエッジ部を有しており、
上記エッジ部は、
ベルト外周面からベルト内周面寄りに傾斜する外側傾斜面とベルト内周面とが交わっており、当該外側傾斜面と当該ベルト内周面のなす角θが鋭角である第1エッジ部より構成されている、または、
ベルト内周面からベルト外周面寄りに傾斜する内側傾斜面とベルト外周面とが交わっており、当該内側傾斜面と当該ベルト外周面のなす角θが鋭角である第2エッジ部より構成されている、または、
上記外側傾斜面と上記内側傾斜面とが交わっており、当該外側傾斜面と当該内側傾斜面のなす角θを1/2倍したθ/2が鋭角である第3エッジ部より構成されており、
上記θ、上記θ、および、上記θ/2は、いずれも、56°以上75°以下であり、
上記エッジ部が第1エッジ部より構成されている場合、上記ベルト外周面の上記外側傾斜面寄りの部分に、
上記エッジ部が第2エッジ部より構成されている場合、上記ベルト内周面の上記内側傾斜面寄りの部分に、
上記エッジ部が第3エッジ部より構成されている場合、上記ベルト外周面の上記外側傾斜面寄りの部分、および、上記ベルト内周面の上記内側傾斜面寄りの部分の少なくとも一方に、
ベルト材料が熱によって材質変化してなる熱影響部を有しており、
上記熱影響部の幅が、いずれも100μm以下である、
無端ベルトにある。
【発明の効果】
【0010】
上記無端ベルトは、上記構成を有している。上記無端ベルトは、回転走行時に蛇行し、ベルト端縁がフランジ部材に当接した際に、ベルト幅方向外方に向かって先細に形成されたエッジ部の先端がフランジ部材に接触する。つまり、上記無端ベルトは、ベルト厚み方向に沿って刃物で裁断されたベルト端縁を有する無端ベルトに比べ、フランジ部材に接触する接触面積を小さくすることができる。また、上記無端ベルトは、ベルト端縁のエッジ部が、持ち上がった状態でローラに接触するのも回避することができる。それ故、上記無端ベルトは、ベルト端縁にかかる負荷を小さくすることができ、破断に至るような亀裂の発生を抑制することができる。よって、上記無端ベルトによれば、従来に比べ、回転耐久性能を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1参考例1の無端ベルトを模式的に示した説明図である。
図2図1のII−II断面における両ベルト端縁を拡大して模式的に示した説明図である。
図3】実施例2の無端ベルトを模式的に示した説明図であり、(a)は、図2に対応させて両ベルト端縁を拡大して模式的に示した説明図、(b)は、一方のベルト端縁(一部)をベルト外周面側から見た説明図である。
図4参考例3の無端ベルトを図2に対応させて模式的に示した説明図である。
図5参考例4の無端ベルトを図2に対応させて模式的に示した説明図である。
図6】試料1の無端ベルトにおける一方のベルト端縁のレーザー顕微鏡による断面写真である。
図7】試料1の無端ベルトにおける一方のベルト端縁をベルト外周面側から見たレーザー顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上記無端ベルトについて説明する。
【0014】
上記無端ベルト(シームレスベルト)は、電子写真機器に用いられる。電子写真機器としては、例えば、帯電像を用いる電子写真方式の複写機、プリンター、ファクシミリ、複合機、オンデマンド印刷機等の画像形成装置を例示することができる。
【0015】
上記無端ベルトは、具体的には、例えば、中間転写ベルトとして用いられる。なお、中間転写ベルトは、潜像担持体に担持されたトナー像をベルト表面に一次転写させた後、このトナー像をベルト表面から紙等の印字媒体へ二次転写させるために、画像形成装置に組み込まれる無端ベルトである。上記構成によれば、回転耐久性能が向上された中間転写ベルトが得られる。
【0016】
上記無端ベルトは、具体的には、(1)筒状の基層単層を有する構成、(2)筒状の基層と、基層の外周面に沿って形成された弾性層とを有する構成、(3)筒状の基層と、基層の外周面に沿って形成された表層とを有する構成、(4)筒状の基層と、基層の外周面に沿って形成された弾性層と、弾性層の外周面に沿って形成された表層とを有する構成、(5)筒状の基層と、基層の外周面に沿って形成された導電層と、導電層の外周面に沿って形成された弾性層と、弾性層の外周面に沿って形成された表層とを有する構成、(6)筒状の基層と、基層の外周面に沿って形成された下地層と、下地層の外周面に沿って形成された導電層と、導電層の外周面に沿って形成された弾性層と、弾性層の外周面に沿って形成された表層とを有する構成などとすることができる。なお、構成(1)〜(4)は、中間転写ベルト、搬送ベルトなどの形態として好適である。また、構成(5)〜(6)は、定着ベルトなどの形態として好適である。
【0017】
上記無端ベルトは、ベルト幅方向外方に向かって先細に形成されたエッジ部を、ベルト幅方向の両方のベルト端縁に有していてもよいし、ベルト幅方向のいずれか一方のベルト端縁に有していてもよい。好ましくは、上記無端ベルトは、ベルト幅方向外方に向かって先細に形成されたエッジ部を、ベルト幅方向の両方のベルト端縁に有しているとよい。この構成によれば、上記無端ベルトが回転走行時に左右のどちら側に蛇行した場合であっても、上述した効果を発揮させることができる。なお、エッジ部は、ベルト周方向全体にわたって設けることができる。
【0018】
上記無端ベルトにおいて、エッジ部は、ベルト外周面からベルト内周面寄りに傾斜する外側傾斜面とベルト内周面とが交わっており、当該外側傾斜面と当該ベルト内周面のなす角θが鋭角である第1エッジ部より構成することができる。また、エッジ部は、ベルト内周面からベルト外周面寄りに傾斜する内側傾斜面とベルト外周面とが交わっており、当該内側傾斜面と当該ベルト外周面のなす角θが鋭角である第2エッジ部より構成することができる。また、エッジ部は、上記外側傾斜面と上記内側傾斜面とが交わっており、当該外側傾斜面と当該内側傾斜面のなす角θを1/2倍したθ/2が鋭角である第3エッジ部より構成することができる。なお、上記無端ベルトは、両方のベルト端縁に、それぞれ第1エッジ部、第2エッジ部、または、第3エッジ部を有することができる。また、上記無端ベルトは、一方のベルト端縁に、それぞれ第1エッジ部、第2エッジ部、または、第3エッジ部を有するとともに、他方のベルト端縁に、それぞれ一方のベルト端縁とは異なる構成の第1エッジ部、第2エッジ部、または、第3エッジ部を有することもできる。上記構成によれば、回転耐久性能の向上をより確実なものとすることが可能な無端ベルトが得られる。また、両方のベルト端縁におけるエッジ部が同じ種類である場合には、製造性に優れた無端ベルトが得られる。
【0019】
上記無端ベルトにおいて、上記θ、上記θ、および、上記θ/2は、いずれも、56°以上75°以下される。この構成によれば、第1エッジ部、第2エッジ部、第3エッジ部をフランジ部材に線状に接触させやすくなる上、フランジ部との長期接触による第1エッジ部、第2エッジ部、第3エッジ部の座屈も発生し難くなる。そのため、上記構成によれば、回転耐久性能の向上をより確実なものとすることが可能な無端ベルトが得られる。
【0020】
上記θ、上記θ、上記θ/2は、第1エッジ部、第2エッジ部、第3エッジ部の耐座屈性の向上による回転耐久性能の向上などの観点から、56°以上とされる。また、上記θ、上記θ、上記θ/2は、第1エッジ部、第2エッジ部、第3エッジ部のフランジ部材との接触面積をより小さくし、長期にわたってフランジ部と線状に接触させやすくなるなどの観点から、75°以下とされる。
【0021】
なお、上記θ、上記θ、上記θは、次のようにして測定される。ベルト幅方向で無端ベルトを切断したときの断面をレーザー顕微鏡で観察し、観察像を取得する。そして、θについては、観察像における外側傾斜面に対応する外側斜辺、および、ベルト内周面に対応する内側辺に沿ってそれぞれ線を引き、外側斜辺と内側辺とのなす角を測定することにより測定される。同様に、θについては、観察像における内側傾斜面に対応する内側斜辺、および、ベルト外周面に対応する外側辺に沿ってそれぞれ線を引き、内側斜辺と外側辺とのなす角を測定することにより測定される。θについては、観察像における外側傾斜面に対応する外側斜辺、および、内側傾斜面に対応する内側斜辺に沿ってそれぞれ線を引き、外側斜辺と内側斜辺とのなす角を測定することにより測定される。
【0022】
上記無端ベルトは、エッジ部が第1エッジ部より構成されている場合、ベルト外周面の外側傾斜面寄りの部分に、熱影響部を有する。また、上記無端ベルトは、エッジ部が第2エッジ部より構成されている場合、ベルト内周面の内側傾斜面寄りの部分に、熱影響部を有する。また、上記無端ベルトは、エッジ部が第3エッジ部より構成されている場合、ベルト外周面の外側傾斜面寄りの部分、および、ベルト内周面の内側傾斜面寄りの部分の少なくとも一方に、熱影響部を有する。熱影響部は、ベルト材料が熱によって材質変化してなる部位のことである。上記いずれの場合でも、熱影響部の幅は、100μm以下である。
【0023】
上記構成によれば、ベルト端縁における熱影響部による材質変化に起因する回転耐久性能の低下を抑制しやすい無端ベルトが得られる。熱影響部としては、例えば、炭酸ガスレーザー加工による裁断時の熱によって生じた炭化部などを例示することができる。なお、熱影響部は、外側傾斜面、内側傾斜面の表面部分に存在していても構わない。
【0024】
熱影響部の幅は、上述した作用効果を確実なものとするなどの観点から、好ましくは、95m以下、より好ましくは、90μm以下、さらに好ましくは、85μm以下、さらにより好ましくは、80μm以下とすることができる。
【0025】
ベルト外周面の外側傾斜面寄りの部分にある熱影響部の幅は、レーザー顕微鏡によるベルト外周面側から観察される観察像を用いて、ベルト外周面上にある熱影響部について測定されるベルト幅方向の測定幅の値の平均値(n=10)をいう。同様に、ベルト内周面の内側傾斜面寄りの部分にある熱影響部の幅は、レーザー顕微鏡によるベルト内周面側から観察される観察像を用いて、ベルト内周面上にある熱影響部について測定されるベルト幅方向の測定幅の値の平均値(n=10)をいう。
【0026】
なお、上記無端ベルトは、熱影響部を有していなくてもよい。ベルト端縁に熱影響部を有さない構成は、例えば、筒状のベルト体のベルト端縁を、ベルト厚み方向に沿って刃物で裁断した後、所定の傾斜面が形成されるようにベルト端縁を研磨することなどによって形成することができる。
【0027】
次に、上記無端ベルトの製造方法について説明する。上記無端ベルトは、筒状のベルト体におけるベルト幅方向の少なくとも一方のベルト端縁を、ベルト外周面側およびベルト内周面側の少なくとも一方側から炭酸ガスレーザーで裁断することにより形成することができる。以下、これについて説明する。
【0028】
上記無端ベルトの製造方法において、ベルト体は、無端ベルトに比べ、ベルト幅方向の寸法が大きく形成されている。つまり、ベルト体は、裁断されることによって、所定の製品寸法を有する無端ベルトとなるものである。
【0029】
上記無端ベルトの製造方法において、ベルト体は、ディスペンサのノズルからベルト材料を吐出させ、金型の外周面上にらせん状に塗工する工程を経ることによって金型の外周に成形されたものとすることができる。この構成によれば、金型上にベルト体を成形した後、そのまま、金型上でベルト体のベルト端縁を炭酸ガスレーザーにて焼き切ることで、上述した第1エッジ部を有する無端ベルトを比較的簡単に製造することが可能になる。なお、ベルト体を積層構造とする場合には、その層の形成に応じたベルト材料を順次らせん状に重ねて塗工することができる。より具体的には、例えば、上記無端ベルトを基層単層より構成する場合には、金型の外周面上に基層形成用材料をらせん状に塗工し、らせん状塗膜の連続体からなる全体塗膜(1層目)を形成した後、これを必要に応じて熱処理すればよい。また、例えば、上記無端ベルトを基層および弾性層より構成する場合には、上述した熱処理後の全体塗膜(1層目)上に弾性層形成用材料をらせん状に塗工し、らせん状塗膜の連続体からなる全体塗膜(2層目)を形成した後、これを必要に応じて熱処理すればよい。また、例えば、上記無端ベルトを基層、弾性層および表層より構成する場合には、上述した熱処理後の全体塗膜(2層目)上に表層形成用材料をらせん状に塗工し、らせん状塗膜の連続体からなる全体塗膜(3層目)を形成した後、これを必要に応じて熱処理すればよい。
【0030】
なお、上述した各構成は、上述した各作用効果等を得るなどのために必要に応じて任意に組み合わせることができる。
【実施例】
【0031】
以下、実施例および参考例の無端ベルトおよびその製造方法について、図面を用いて説明する。
【0032】
参考例1)
参考例1の無端ベルトについて、図1および図2を用いて説明する。図1および図2に示されるように、本例の無端ベルト1は、筒状に形成されており、電子写真機器に用いられる。本例では、無端ベルト1は、筒状の基層を有しており、電子写真方式の画像形成装置に中間転写ベルトとして組み込まれて使用される。また、無端ベルト1は、導電性を有している。
【0033】
無端ベルト1は、ベルト幅方向の少なくとも一方のベルト端縁に、ベルト幅方向外方に向かって先細に形成されたエッジ部2を有している。図2では、ベルト幅方向の一方のベルト端縁と他方のベルト端縁の両方に、エッジ部2を有している例が示されている。
【0034】
本例では、具体的には、エッジ部2は、ベルト外周面OSにおけるベルト幅方向外方の端部からベルト内周面IS寄りに傾斜する外側傾斜面OTとベルト内周面ISとが交わっており、当該外側傾斜面OTと当該ベルト内周面ISのなす角θが鋭角である第1エッジ部21より構成されている。θは、56°以上75°以下の範囲内とされている。なお、ベルトの厚みは、例えば、30μm以上300μm以下の範囲内とすることができる。
【0035】
本例の無端ベルト1は、例えば、次のようにして製造することができる。先ず、ディスペンサ(液体定量吐出装置)のノズルからベルト材料(本例では、基層形成用材料)を吐出させ、金型の外周面上にらせん状に塗工する工程を経ることによって金型(不図示)の外周にベルト体(不図示)を成形する。次いで、金型上でベルト体の両方のベルト端縁を、ベルト厚み方向に沿って刃物で裁断する。次いで、裁断したベルト体を金型から抜き取り、外側傾斜面OTが形成されるように裁断部分を研磨する。これにより、本例の無端ベルト1を製造することができる。
【0036】
(実施例2)
実施例2の無端ベルトについて、図3を用いて説明する。図3に示されるように、本例の無端ベルト1は、実施例1の無端ベルトと同様に、ベルト幅方向の一方のベルト端縁と他方のベルト端縁の両方に、エッジ部2を有している。エッジ部2は、第1エッジ部21より構成されている。
【0037】
本例では、ベルト外周面OSの外側傾斜面OT寄りの部分に、ベルト材料が熱によって材質変化してなる熱影響部Hを有している。熱影響部Hの幅Wは、100μm以下とされている。なお、本例では、熱影響部Hは、ベルト外周面OSの外側傾斜面OT寄りの部分から外側傾斜面OTの表面部分にも連続的に存在している。本例の無端ベルト1は、両方のベルト端縁に、熱影響部Hを有している。その他の構成は、参考例1と同様である。
【0038】
本例の無端ベルトの製造方法は、筒状のベルト体におけるベルト幅方向の少なくとも一方のベルト端縁を、ベルト外周面側およびベルト内周面側の少なくとも一方側から炭酸ガスレーザーで裁断することにより無端ベルトを製造する方法である。
【0039】
ここでは、本例の無端ベルト1を製造するべく、筒状のベルト体におけるベルト幅方向の両方のベルト端縁が、ベルト外周面側から炭酸ガスレーザーで裁断される。
【0040】
具体的には、本例の無端ベルトの製造方法では、ディスペンサ(液体定量吐出装置)のノズルからベルト材料(本例では、基層形成用材料)を吐出させ、金型の外周面上にらせん状に塗工する工程を経ることによって金型の外周にベルト体が成形される。次いで、金型上にあるベルト体のベルト端縁に、ベルト外周面側から金型面と垂直に炭酸ガスレーザーが照射され、ベルト周方向にベルト体の端縁が焼き切られる。この際、ベルト体の筒軸回りに金型を回転させてもよいし、炭酸ガスレーザーのレーザー照射部をベルト体の周方向に回転させてもよい。次いで、金型上に形成された無端ベルト1を脱型する。これにより、無端ベルト1を得ることができる。
【0041】
参考例3)
参考例3の無端ベルトについて、図4を用いて説明する。図4に示されるように、本例の無端ベルト1は、参考例1の無端ベルトと同様に、ベルト幅方向の一方のベルト端縁と他方のベルト端縁の両方に、エッジ部2を有している。
【0042】
本例では、具体的には、エッジ部2は、ベルト内周面ISにおけるベルト幅方向外方の端部からベルト外周面OS寄りに傾斜する内側傾斜面ITとベルト外周面OSとが交わっており、当該内側傾斜面ITと当該ベルト外周面OSのなす角θが鋭角である第2エッジ部22より構成されている。θは、56°以上75°以下の範囲内とされている。なお、ベルトの厚みは、例えば、30μm以上300μm以下の範囲内とすることができる。その他の構成は、参考例1と同様である。
【0043】
本例の無端ベルト1は、例えば、次のようにして製造することができる。先ず、ディスペンサ(液体定量吐出装置)のノズルからベルト材料(本例では、基層形成用材料)を吐出させ、金型の外周面上にらせん状に塗工する工程を経ることによって金型(不図示)の外周にベルト体(不図示)を成形する。次いで、金型上でベルト体の両方のベルト端縁を、ベルト厚み方向に沿って刃物で裁断する。次いで、裁断したベルト体を金型から抜き取り、内側傾斜面ITが形成されるように裁断部分を研磨する。これにより、本例の無端ベルト1を製造することができる。
【0044】
参考例4)
参考例4の無端ベルトについて、図5を用いて説明する。図5に示されるように、本例の無端ベルト1は、実施例1の無端ベルトと同様に、ベルト幅方向の一方のベルト端縁と他方のベルト端縁の両方に、エッジ部2を有している。
【0045】
本例では、具体的には、エッジ部2は、外側傾斜面OTと内側傾斜面ITとが交わっており、当該外側傾斜面OTと当該内側傾斜面ITのなす角θを1/2倍したθ/2が鋭角である第3エッジ部23より構成されている。θ/2は、56°以上75°以下の範囲内とされている。なお、ベルトの厚みは、例えば、30μm以上300μm以下の範囲内とすることができる。その他の構成は、参考例1と同様である。
【0046】
本例の無端ベルト1は、例えば、次のようにして製造することができる。先ず、ディスペンサ(液体定量吐出装置)のノズルからベルト材料(本例では、基層形成用材料)を吐出させ、金型の外周面上にらせん状に塗工する工程を経ることによって金型(不図示)の外周にベルト体(不図示)を成形する。次いで、金型上でベルト体の両方のベルト端縁を、ベルト厚み方向に沿って刃物で裁断する。次いで、裁断したベルト体を金型から抜き取り、外側傾斜面OT、内側傾斜面ITが形成されるように裁断部分を研磨する。これにより、本例の無端ベルト1を製造することができる。
【0047】
<実験例>
以下、上記無端ベルトを、実験例を用いてより具体的に説明する。
【0048】
<基層形成用材料の調製>
ポリアミドイミド(PAI)(東洋紡績社製「バイロマックスHR−16NN」)100質量部と、カーボンブラック(電気化学工業社製「デンカブラック」)10質量部と、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)800質量部とを混合することにより基層形成用材料を調製した。
【0049】
<無端ベルト試料の作製>
−試料1〜試料5の無端ベルト−
基体として、アルミニウム製の円筒状金型を準備した。また、ノズルを有するディスペンサ(液体定量吐出装置)を準備した。このディスペンサのノズルは、内径φ=1mmのニードルノズルである。次いで、上記調製した基層形成用材料をエアー加圧タンクに収容し、金型の外周面とノズルとのクリアランスを1mmとして、金型およびノズルをセットした。次いで、金型を垂直にした状態で、回転数200rpmで軸中心に回転させながら、基層形成用材料を吐出するノズルを、1mm/secの移動速度で軸方向下方に移動させるとともに、エアー加圧タンクに0.4MPaの圧力をかけて基層形成用材料をノズルに圧送し、ノズルから基層形成用材料を吐出させ、金型の外周面上にらせん状に塗工した。これにより、らせん状塗膜の連続体からなる全体塗膜を形成した。次いで、形成された全体塗膜に対して、常温から2時間で250℃まで昇温し、250℃で1時間保持するという条件にて熱処理を施した。これにより、金型の外周面上に、筒状に形成されたポリアミドイミド製の基層よりなるベルト体(厚み80μm)を形成した。
【0050】
次いで、試料1〜試料5については、炭酸ガスレーザー装置(パナソニック社製、「COレーザーマーカー LP−4000」)を用い、金型上にあるベルト体のベルト端縁に、ベルト外周面側から金型面と垂直に炭酸ガスレーザーを照射し、製品寸法のベルト幅となるように裁断した。
【0051】
この際、ベルト体の両方のベルト端縁について、順次、炭酸ガスレーザーによる裁断を行った。また、炭酸ガスレーザーのレーザー照射部の位置を固定し、ベルト体の筒軸回りに金型を回転させることで、ベルト体のベルト端縁をベルト周方向全体にわたって裁断した。また、炭酸ガスレーザーの照射強度を変えることで、表1に示されるなす角θを有する第1エッジ部を形成した。
【0052】
次いで、基層の一端縁と金型の外周面との間に高圧エアーを吹き込み、金型を抜き取った。以上により、エッジ部として第1エッジ部を有する試料1〜試料5の無端ベルトを作製した。代表として、図6に、試料1の無端ベルトにおける一方のベルト端縁のレーザー顕微鏡による断面写真を示す。また、図7に、試料1の無端ベルトにおける一方のベルト端縁をベルト外周面側から見たレーザー顕微鏡写真を示す。図6図7に示されるように、試料1〜試料5の無端ベルトは、ベルト外周面の外側傾斜面寄りの部分と外側傾斜面の表面部分に、炭酸ガスレーザー加工による熱によってベルト材料が炭化してなる熱影響部が確認された。なお、後述する試料7および試料8の無端ベルトも同様に熱影響部が確認された。
【0053】
−試料6の無端ベルト−
試料1と同様にして、金型上にベルト体を成形した。次いで、金型上にあるベルト体の両方のベルト端縁を、ベルト厚み方向に沿って刃物で裁断し、製品寸法のベルト幅とした。次いで、裁断したベルト体を金型から抜き取り、所定の傾斜を有する外側傾斜面が形成されるように裁断部分をラッピングフィルムシート(住友スリーエム社製)にてベルト周方向全体にわたって研磨した。なお、ラッピングフィルムシートは、砥粒:酸化アルミニウム(粒度30μm)、基材厚み:3ミルである。以上により、エッジ部として第1エッジ部を有する試料6の無端ベルトを作製した。なお、試料6の無端ベルトは、炭酸ガスレーザー加工を実施していないので、熱影響部を有していない。
【0054】
−試料7の無端ベルト−
試料1と同様にして、金型上にベルト体を成形した。次いで、ベルト裏面側から炭酸ガスレーザーを照射できる治具にベルト体を取り付け、ベルト端縁を炭酸ガスレーザーで裁断し、製品寸法のベルト幅とした。以上により、エッジ部として第2エッジ部を有する試料7の無端ベルトとした。
【0055】
−試料8の無端ベルト−
試料1と同様にして、金型上にベルト体を成形した。次いで、試料1と同様にして、炭酸ガスレーザー装置を用い、金型上にあるベルト体のベルト端縁を、炭酸ガスレーザーにより裁断した。次いで、ベルト裏面側から炭酸ガスレーザーを照射できる治具にベルト体を取り付け、ベルト端縁を炭酸ガスレーザーで裁断した(裁断面に裏側からレーザーを当てた)。以上により、エッジ部として第3エッジ部を有する試料8の無端ベルトを作製した。
【0056】
−試料1Cの無端ベルト−
試料6の無端ベルトの作製において、刃物による裁断後、研磨を実施しなかった以外は同様にして、試料1Cの無端ベルトを作製した。
【0057】
−試料2Cの無端ベルト−
試料1Cの無端ベルトにおける両方のベルト端縁を熱源に近づけて熱溶融させることにより、両方のベルト端縁がベルト周方向全体にわたって膨らんだ形状を形成した。これにより、試料2Cの無端ベルトを作製した。
【0058】
<θ、θ、θの測定>
レーザー顕微鏡(「キーエンス社製、「KEYENCE VK−X100」)を用い、上述した方法により、各エッジ部におけるθ、θ、θを測定した。この際、測定倍率は、10000倍、測定ピッチは、0.10μmとした。
【0059】
<熱影響部の幅Wの測定>
レーザー顕微鏡(キーエンス社製、「KEYENCE VK−X100」)を用い、上述した方法により、熱影響部の幅Wを測定した。なお、熱影響部の幅Wは、ベルト外周面側から観察される観察像におけるベルト外周面と外側傾斜面との交わり部分から、ベルト幅方向内方に向かってベルト外周面が変色している部分までの距離を測定することにより求めた。この際、測定倍率は、10000倍、測定ピッチは、0.10μmとした。
【0060】
<回転耐久性能試験>
直径10mmの駆動ローラおよび従動ローラに、作製した試料の無端ベルトを、張架荷重5kgで張架した。この際、駆動ローラおよび従動ローラは、無端ベルトの回転走行中に、駆動ローラの両端部にあるポリアセタール樹脂製のフランジ部材の片方に、一方のベルト端縁が常に押し付けられるよう傾けて設定した。なお、駆動ローラおよび従動ローラの傾斜角は、ベルト端縁のフランジ部材への押し付け荷重が13Nで一定となるように設定した。
【0061】
上記の状態にて駆動ローラを回転駆動させ、無端ベルトを回転速度418mm/秒にて回転させた。無端ベルトの走行距離が150km以上で、ベルト端縁に亀裂が発生しなかった場合を、高い回転耐久性能を有するとして「A」とした。また、無端ベルトの走行距離が100km以上150km未満で、ベルト端縁に亀裂が見られたが、破断に至らず、実用上問題がなかった場合を、回転耐久性能の向上が認められるとして「B」とした。また、無端ベルトの走行距離が100km未満で、ベルト端縁に亀裂が見られた、または、無端ベルトが破断した場合を、回転耐久性能がないとして「C」とした。
【0062】
表1に、作製した無端ベルトの詳細な構成、評価結果をまとめて示す。
【0063】
【表1】
【0064】
表1によれば、以下のことがわかる。試料1Cの無端ベルトは、ベルト厚み方向に沿って刃物で裁断されたベルト端縁を有している。そのため、ベルト端縁がフランジ部材に接触したまま回転され続けることで、ベルト端縁に過大な負荷がかかって亀裂が生じ、破断した。
【0065】
試料2Cの無端ベルトは、丸く膨らんだ形状に形成されたベルト端縁を有している。そのため、ベルト端縁がフランジ部材に接触したまま回転され続けることで、ベルト端縁に過大な負荷がかかって亀裂が生じ、破断した。
【0066】
これらに対し、試料1〜8の無端ベルトは、ベルト幅方向外方に向かって先細に形成されたエッジ部を有している。具体的には、試料1〜試料6の無端ベルトは、エッジ部が第1エッジ部、試料7の無端ベルトは、エッジ部が第2エッジ部、試料8の無端ベルトは、エッジ部が第3エッジ部より構成されている。
【0067】
試料1〜8の無端ベルトは、長距離の回転走行時でも破断に至るような亀裂の発生を抑制することができ、回転耐久性能を向上させることができた。これは、以下の理由による。すなわち、試料1〜8の無端ベルトでは、ベルト幅方向外方に向かって先細に形成されたエッジ部の先端がフランジ部材に接触するため、フランジ部材に接触する接触面積を小さくすることができる。また、試料1〜8の無端ベルトでは、ベルト端縁のエッジ部が、持ち上がった状態でローラに接触するのも回避することができる。それ故、試料1〜8の無端ベルトは、ベルト端縁にかかる負荷を小さくすることが可能となり、破断に至るような亀裂の発生を抑制することができた。
【0068】
次に、試料1〜試料6の無端ベルト同士を比較すると、第1エッジ部における外側傾斜面とベルト内周面のなす角θが50°以上85°以下の範囲にある場合には、第1エッジ部の耐座屈性の向上により、回転耐久性能を向上させやすくなることがわかる。また、この結果によれば、第2エッジ部における内側傾斜面とベルト外周面のなす角θ、第3エッジ部における外側傾斜面と内側傾斜面のなす角θを1/2倍したθ/2についても、同様に、50°以上85°以下とすることで、第2エッジ部、第3エッジ部の耐座屈性が向上し、回転耐久性能を向上させやすくなることが類推可能である。
【0069】
また、試料1〜試料5の無端ベルトは、少なくともベルト外周面の外側傾斜面寄りの部分に、炭酸ガスレーザーによって形成された熱影響部を有している。しかしながら、試料1〜試料5の無端ベルトは、上記熱影響部を有していても、熱影響部の幅が100μm以下に規制されている。そのため、試料1〜試料5の無端ベルトは、熱影響部がない試料6の無端ベルトと同じように、回転耐久性能を向上させることができた。なお、試料5の無端ベルトの回転耐久性能が、試料1〜試料4の無端ベルトに比べて若干劣ったのは、θが50°を下回った影響によるものである。
【0070】
また、上述した無端ベルトは、エッジ部として第1エッジ部を有するものが最適である。何故なら、この場合には、金型上にベルト体を配置したまま、ベルト体のベルト外周面側より炭酸ガスレーザーを照射してベルト端縁を焼き切ることで、研磨等を行わなくても第1エッジ部を有する無端ベルトを製造することができ、ベルト製造工程の削減、簡略化等に有利なためである。
【0071】
以上、本発明の実施例および参考例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例、参考例、実験例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲内で種々の変更が可能である。
【0072】
例えば、参考例3の無端ベルトにおけるベルト内周面ISの内側傾斜面IT寄りの部分に、熱影響部Hが形成されていてもよい。このような無端ベルトは、例えば、参考例1と同様に無端ベルトを製造後、ベルト裏面側から炭酸ガスレーザーを照射できる治具にベルト体を取り付け、ベルト端縁を炭酸ガスレーザーで裁断し、製品寸法のベルト幅とすることなどによって製造することができる。また、同様に、参考例4の無端ベルトにおけるベルト外周面OSの外側傾斜面OT寄りの部分、および、ベルト内周面ISの内側傾斜面IT寄りの部分に、熱影響部Hが形成されていてもよい。このような無端ベルトは、例えば、実施例2の無端ベルトを製造後、ベルト裏面側から炭酸ガスレーザーを照射できる治具にベルト体を取り付け、ベルト端縁を炭酸ガスレーザーで裁断することなどによって製造することができる。
【符号の説明】
【0073】
1 無端ベルト
2 エッジ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7