特許第6918586号(P6918586)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6918586
(24)【登録日】2021年7月27日
(45)【発行日】2021年8月11日
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 31/06 20060101AFI20210729BHJP
   H01R 13/04 20060101ALI20210729BHJP
【FI】
   H01R31/06 Z
   H01R13/04 B
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-115032(P2017-115032)
(22)【出願日】2017年6月12日
(65)【公開番号】特開2019-3733(P2019-3733A)
(43)【公開日】2019年1月10日
【審査請求日】2020年5月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】特許業務法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 剛
(72)【発明者】
【氏名】東儀 俊紀
【審査官】 太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−040704(JP,A)
【文献】 特開平7−94225(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 31/06
H01R 13/00−13/08
H01R 13/11
H01R 13/15−13/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入方向に沿って延在する平板状の第1端子接続部を有する第1オス端子と、
挿入方向に沿って延在する平板状の第2端子接続部を有する第2オス端子と、
前記第1端子接続部と前記第2端子接続部とが互いに挿入方向の反対側から挿入されるメス端子と、
前記メス端子の内部で、挿入方向と直交する方向の中央部分に設けられた板バネと、を備え、
前記第1オス端子および前記第2オス端子が前記メス端子に挿入された嵌合状態では、前記第1端子接続部と前記第2端子接続部とは、挿入方向で重なる位置に嵌合し、かつ前記板バネは、前記挿入方向と直交する方向において、前記第1端子接続部と前記第2端子接続部とを互いに離間する側に押し、
前記メス端子は、前記挿入方向と直交する方向の中央部分に保持部を設け、
前記板バネは、前記挿入方向の一方の端部を前記保持部に引っ掛けることで前記メス端子の内部に保持されて前記メス端子の内部の前記中央部分に全部が配置される、
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記メス端子は、
挿入方向の一方側から前記第1端子接続部が挿入される第1端子挿入口と、
挿入方向の他方側から前記第2端子接続部が挿入される第2端子挿入口と、
前記第1端子挿入口と連通し、挿入方向に沿って延びる第1収容室と、
前記第1収容室と挿入方向で重なる位置、かつ前記挿入方向と直交する方向で前記第1収容室とずれた位置に設けられ、前記第2端子挿入口と連通し、挿入方向に沿って延びる第2収容室と、を有し、
前記板バネは、前記第1収容室と前記第2収容室とを仕切る位置に設けられ、
前記嵌合状態では、前記板バネが前記第1収容室の内壁面に前記第1端子接続部を押し付けるとともに、前記第2収容室の内壁面に前記第2端子接続部を押し付ける
ことを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記第1収容室の内壁面は、挿入方向に沿った平坦面であり、
前記第2収容室の内壁面は、前記挿入方向と直交する方向で前記第1収容室の内壁面と対向し、挿入方向に沿った平坦面であり、
前記嵌合状態では、前記第1収容室の内壁面と前記第1端子接続部とが面接触し、かつ前記第2収容室の内壁面と前記第2端子接続部とが面接触する
ことを特徴とする請求項2に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
コネクタとして、二つのオス端子が互いに反対側から挿入されるメス端子を有し、オス端子、メス端子、オス端子の順に直線接続する構成が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−263096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、二つのオス端子がメス端子を介して直線接続されるので、嵌合状態のコネクタではオス端子の挿入方向における体格が大きくなってしまう。
【0005】
本発明は、メス端子にオス端子が嵌合している状態でオス端子の挿入方向における体格を小型化することができるコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係るコネクタは、挿入方向に沿って延在する平板状の第1端子接続部を有する第1オス端子と、挿入方向に沿って延在する平板状の第2端子接続部を有する第2オス端子と、前記第1端子接続部と前記第2端子接続部とが互いに挿入方向の反対側から挿入されるメス端子と、前記メス端子の内部で、挿入方向と直交する方向の中央部分に設けられた板バネと、を備え、前記第1オス端子および前記第2オス端子が前記メス端子に挿入された嵌合状態では、前記第1端子接続部と前記第2端子接続部とは、挿入方向で重なる位置に嵌合し、かつ前記板バネは、前記挿入方向と直交する方向において、前記第1端子接続部と前記第2端子接続部とを互いに離間する側に押し、前記メス端子は、前記挿入方向と直交する方向の中央部分に保持部を設け、前記板バネは、前記挿入方向の一方の端部を前記保持部に引っ掛けることで前記メス端子の内部に保持されて前記メス端子の内部の前記中央部分に全部が配置される、ことを特徴とする。
【0007】
また、上記コネクタにおいて、前記メス端子は、挿入方向の一方側から前記第1端子接続部が挿入される第1端子挿入口と、挿入方向の他方側から前記第2端子接続部が挿入される第2端子挿入口と、前記第1端子挿入口と連通し、挿入方向に沿って延びる第1収容室と、前記第1収容室と挿入方向で重なる位置、かつ前記挿入方向と直交する方向で前記第1収容室とずれた位置に設けられ、前記第2端子挿入口と連通し、挿入方向に沿って延びる第2収容室と、を有し、前記板バネは、前記第1収容室と前記第2収容室とを仕切る位置に設けられ、前記嵌合状態では、前記板バネが前記第1収容室の内壁面に前記第1端子接続部を押し付けるとともに、前記第2収容室の内壁面に前記第2端子接続部を押し付けることが好ましい。
【0008】
また、上記コネクタにおいて、前記第1収容室の内壁面は、挿入方向に沿った平坦面であり、前記第2収容室の内壁面は、前記挿入方向と直交する方向で前記第1収容室の内壁面と対向し、挿入方向に沿った平坦面であり、前記嵌合状態では、前記第1収容室の内壁面と前記第1端子接続部とが面接触し、かつ前記第2収容室の内壁面と前記第2端子接続部とが面接触することが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るコネクタは、第1オス端子の第1端子接続部と第2オス端子の第2端子接続部とが挿入方向に重なった位置でメス端子に嵌合する。これにより、嵌合状態のコネクタでは、オス端子の挿入方向における体格を小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係るコネクタが嵌合している状態を模式的に示す斜視図である。
図2図2は、実施形態に係るコネクタが離脱している状態を模式的に示す斜視図である。
図3図3は、嵌合状態のコネクタを延在方向に沿って切断した断面を模式的に示す断面図である。
図4図4は、メス端子の保持部を含む部分を延在方向と直交する方向に切断した断面を模式的に示す断面図である。
図5図5は、メス端子内部の収容室が板バネで仕切られている部分を延在方向と直交する方向に切断した断面を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、下記の実施形態により本発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、いわゆる当業者が置換可能且つ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。また、下記の実施形態における構成要素は、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
【0012】
図1図5を参照して、実施形態に係るコネクタについて説明する。図1は、実施形態に係るコネクタが嵌合している状態を模式的に示す斜視図である。図2は、実施形態に係るコネクタが離脱している状態を模式的に示す斜視図である。図3は、嵌合状態のコネクタを延在方向に沿って切断した断面を模式的に示す断面図である。図4は、メス端子の保持部を含む部分を延在方向と直交する方向に切断した断面を模式的に示す断面図である。図5は、メス端子内部の収容室が板バネで仕切られている部分を延在方向と直交する方向に切断した断面を模式的に示す断面図である。
【0013】
なお、以下の説明では、オス端子の端子接続部が延在する方向を「延在方向」または「挿入方向」と記載する。また、延在方向と直交する方向を「厚さ方向」と記載する。厚さ方向および延在方向と直交する方向を「幅方向」と記載する。
【0014】
図1に示すように、コネクタ1は、第1オス端子10と、第2オス端子20と、各オス端子10,20を電気的に接続するジョイント端子としてのメス端子30とを備える。メス端子30には、延在方向の一方側から第1オス端子10が挿入され、かつ延在方向の他方側から第2オス端子20が挿入される。
【0015】
第1オス端子10は、図2に示すように、メス端子30に挿入される平板状の第1端子接続部11と、電線の導体(図示せず)が圧着される第1導体圧着部とを有する。第1端子接続部11は、略長方形の板状に形成され、第1導体圧着部よりも挿入方向の下側に延在する。この第1オス端子10は、第1導体圧着部に電線が接続された状態で、第1端子接続部11が挿入方向に沿ってメス端子30の内部に挿入されてメス端子30と嵌合する。
【0016】
第2オス端子20は、図2に示すように、メス端子30に挿入される平板状の第2端子接続部21と、電線の導体(図示せず)が圧着される第2導体圧着部とを有する。第2端子接続部21は、略長方形の板状に形成され、第2導体圧着部よりも挿入方向の上側に延在する。この第2オス端子20は、第2導体圧着部に電線が接続された状態で、第2端子接続部21が挿入方向に沿ってメス端子30の内部に挿入されてメス端子30と嵌合する。
【0017】
メス端子30は、図1図3に示すように、挿入方向に沿って延在する略四角形の筒状に形成され、挿入方向の両側に、第1オス端子10が挿入される第1端子挿入口31と、第2オス端子20が挿入される第2端子挿入口32とが開口している。
【0018】
第1端子挿入口31は、挿入方向の一方側(上側)の端部に開口しており、第1オス端子10の第1端子接続部11が挿入方向上側から挿入される。第2端子挿入口32は、挿入方向の他方側(下側)の端部に開口しており、第2オス端子20の第2端子接続部21が挿入方向下側から挿入される。そして、各オス端子10,20がメス端子30に挿入されると、第1端子接続部11と第2端子接続部21とは、挿入方向に重なる位置でメス端子30に嵌合する。すなわち、コネクタ1では、互いに挿入方向の反対側から挿入された各オス端子10,20が、厚さ方向(挿入方向と直交する方向)にオフセットされた位置に嵌合する。
【0019】
図3図5に示すように、メス端子30の内部には、第1端子挿入口31と連通する第1収容室33と、第2端子挿入口32と連通する第2収容室34とが形成されている。さらに、メス端子30の内部には、第1収容室33と第2収容室34との間を仕切る板バネ40が設けられている。
【0020】
第1収容室33は、第1端子接続部11を収容する部分である。図3に示すように、第1収容室33は、第1端子挿入口31から挿入方向に沿って下側に延びている空間であり、メス端子30の厚さ方向左側の内壁面(以下「第1内壁面」という)35によって厚さ方向の一方側(左側)が区画されている。第1内壁面35は、挿入方向に沿った平坦面であり、挿入方向を長手方向とし、幅方向を短手方向とする略長方形状の面をなしている。そして、第1収容室33は、厚さ方向の他方側(右側)が板バネ40によって区画されている。
【0021】
第2収容室34は、第2端子接続部21を収容する部分である。この第2収容室34は、第1収容室33とは厚さ方向にオフセットされた位置で、第1収容室33と挿入方向に重なる位置に設けられている。図3に示すように、第2収容室34は、第2端子挿入口32から挿入方向に沿って上側に延びている空間であり、メス端子30の厚さ方向右側の内壁面(以下「第2内壁面」という)36によって厚さ方向の他方側(右側)が区画されている。第2内壁面36は、挿入方向に沿った平坦面であり、第1内壁面35と厚さ方向に対向するようにして、挿入方向を長手方向とし、幅方向を短手方向とする略長方形状の面をなしている。そして、第2収容室34は、厚さ方向の一方側(左側)が板バネ40によって区画されている。
【0022】
板バネ40は、各オス端子10,20にメス端子30との間での接触荷重を生じさせる弾性体である。図3に示すように、板バネ40は、厚さ方向でメス端子30の中央部分に設けられ、メス端子30の内部に形成された保持部37に取り付けられている。この板バネ40は、厚さ方向に凸凹形状の山部と谷部とを有し、挿入方向に所定長さを有する。保持部37は、図3および図4に示すように、メス端子30の厚さ方向中央部分に設けられ、メス端子30の幅方向両側の壁部を繋ぐようにして延びている梁形状の部位である。板バネ40は、挿入方向上側の端部が保持部37に引っ掛けられた状態でメス端子30の内部に保持される。また、板バネ40の両面は、各オス端子10,20を厚さ方向で反対側に押す押圧面である。
【0023】
離脱状態のコネクタ1では、第1オス端子10と第2オス端子20とが板バネ40に接触しないので、板バネ40は弾性変形していない。一方、嵌合状態のコネクタ1では、板バネ40が、第1端子接続部11と第2端子接続部21とに厚さ方向(挿入方向と直交する方向)に挟まれて弾性変形する。コネクタ1が離脱状態から嵌合状態になる際、第1オス端子10および第2オス端子20がメス端子30の内部に挿入されることにより板バネ40が弾性変形し、この弾性変形した板バネ40は厚さ方向両側に付勢力を生じる。すなわち、板バネ40は、第1オス端子10を厚さ方向で左側に押す力(付勢力)を生じるとともに、第2オス端子20を厚さ方向で右側に押す力(付勢力)を生じる。つまり、板バネ40は、挿入方向と直交する方向において、第1端子接続部11と第2端子接続部21とを互いに離間する側に押す。さらに、この付勢力によって、第1端子接続部11の一面が第1内壁面35に押し付けられる力、および第2端子接続部21の一面が第2内壁面36に押し付けられる力が生じる。すなわち、第1端子接続部11と第1内壁面35とが面接触する箇所で接触荷重が生じるとともに、第2端子接続部21と第2内壁面36とが面接触する箇所で接触荷重が生じる。この接触荷重は、挿入方向と直交する方向の力(保持力)である。これにより、第1端子接続部11が第1端子挿入口31から挿入方向上側に離脱することを防止するための保持力が生じるとともに、第2端子接続部21が第2端子挿入口32から挿入方向下側に離脱することを防止するための保持力が生じる。
【0024】
以上説明したコネクタ1によれば、メス端子30の厚さ方向中央部分に板バネ40を設けることにより、第1オス端子10と第2オス端子20とを厚さ方向にずらして挿入することが可能になる。そして、嵌合状態のコネクタ1では、第1端子接続部11と第2端子接続部21とが挿入方向で重なった位置に嵌合される。これにより、嵌合状態のコネクタ1では、オス端子の挿入方向における大きさを小型化することができる。
【0025】
さらに、メス端子30の厚さ方向中央部分に板バネ40を設けることによって、第1オス端子10と第2オス端子20とを挿入方向に上下一直線に並べるのではなく、挿入方向と直交する方向(厚さ方向)にずらして挿入することができる。また、挿入方向の上下反対側から挿入された各オス端子10,20をメス端子30の内部に保持する力(保持力)を板バネ40の付勢力によって確保することができる。このように、コネクタ1では板バネ40を介した厚さ方向両側で接触荷重が生じるので、嵌合状態における接触安定性を確保することができる。
【0026】
なお、第1端子接続部11と第1内壁面35とが面接触する箇所は、第1オス端子10とメス端子30とを電気的に接続する接点となる。同様に、第2端子接続部21と第2内壁面36とが面接触する箇所は、第2オス端子20とメス端子30とを電気的に接続する接点となる。そして、嵌合状態のコネクタ1では、第1オス端子10と第2オス端子20とがメス端子30を介して電気的に接続される。
【0027】
また、上述した実施形態では、第1端子挿入口31がメス端子30の挿入方向上側で端部の全体に開口しており、第2端子挿入口32がメス端子30の挿入方向下側で端部の全体に開口している。この場合、第1端子挿入口31のうち第1端子接続部11が挿入される部分と、第2端子挿入口32のうち第2端子接続部21が挿入される部分とが、厚さ方向にオフセットされていればよい。さらに、第1端子接続部11の先端(挿入方向の下端)は、メス端子30を貫通して、挿入方向下側に突出してもよい。第2端子接続部21の先端(挿入方向の上端)も、メス端子30を貫通して、挿入方向上側に突出してもよい。
【符号の説明】
【0028】
1 コネクタ
10 第1オス端子
11 第1端子接続部
20 第2オス端子
21 第2端子接続部
30 メス端子
31 第1端子挿入口
32 第2端子挿入口
33 第1収容室
34 第2収容室
35 第1内壁面
36 第2内壁面
37 保持部
40 板バネ
図1
図2
図3
図4
図5