特許第6918589号(P6918589)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6918589
(24)【登録日】2021年7月27日
(45)【発行日】2021年8月11日
(54)【発明の名称】矯正装置、実装装置、矯正方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20210729BHJP
【FI】
   H05K13/04 G
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-115531(P2017-115531)
(22)【出願日】2017年6月13日
(65)【公開番号】特開2019-3983(P2019-3983A)
(43)【公開日】2019年1月10日
【審査請求日】2020年5月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003399
【氏名又は名称】JUKI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100150304
【弁理士】
【氏名又は名称】溝口 勉
(72)【発明者】
【氏名】加藤 慎也
【審査官】 小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−021553(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/038087(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に対して実装されるリード部品を矯正治具に押し込むことで、前記リード部品のリード間隔を、前記基板に前記リード部品が実装可能な実装可能範囲よりも狭い許容範囲に矯正する矯正装置であって、
リード部品のリード間隔を測定する測定部と、
前記矯正治具に対するリード部品の押し込み量を記憶する記憶部と、
前記押し込み量で前記矯正治具にリード部品を押し込んで矯正する矯正部と、
矯正後のリード間隔が前記許容範囲外の場合に前記押し込み量を調整する調整部と、
矯正後のリード間隔が前記許容範囲内の場合に前記押し込み量を更新する更新部とを備え、
前記調整部及び前記矯正部で矯正後のリード間隔が許容範囲内になるまで押し込み量を調整しながら矯正を繰返し、前記更新部で前記記憶部に記憶された押し込み量を調整後の押し込み量に更新し、
最初のリード部品の矯正動作では、前記調整部及び前記矯正部で矯正後のリード間隔が前記許容範囲内になるまで押し込み量を調整しながら矯正を繰返し、前記更新部で前記記憶部に記憶された押し込み量を調整後の押し込み量に更新し、
後続のリード部品の矯正動作では、前記調整部及び前記矯正部で矯正後のリード間隔が前記実装可能範囲内になるまで押し込み量を調整しながら矯正することを特徴とする矯正装置。
【請求項2】
前記矯正治具は、リード間隔を狭める凹型の矯正治具又はリード間隔を広げる凸型の矯正治具であり、
矯正前のリード間隔が基準サイズ以上の場合には凹型の矯正治具が選択され、矯正前のリード間隔が基準サイズよりも小さい場合には凸型の矯正治具が選択されることを特徴とする請求項1に記載の矯正装置。
【請求項3】
前記調整部で押し込み量の調整を規定回数だけ繰り返しても、矯正後のリード間隔が前記実装可能範囲外の場合にエラー処理を実施することを特徴とする請求項又は請求項に記載の矯正装置。
【請求項4】
請求項1から請求項のいずれかに記載の矯正装置と、
前記矯正装置で矯正したリード部品を基板に実装する実装ヘッドとを備えたことを特徴とする実装装置。
【請求項5】
基板に対して実装されるリード部品を矯正治具に押し込むことで、前記リード部品のリード間隔を、前記基板に前記リード部品が実装可能な実装可能範囲よりも狭い許容範囲に矯正する矯正方法であって、
リード部品のリード間隔を測定する測定ステップと、
前記矯正治具に対するリード部品の押し込み量を記憶する記憶ステップと、
前記押し込み量で前記矯正治具にリード部品を押し込んで矯正する矯正ステップと、
矯正後のリード間隔が前記許容範囲外の場合に前記押し込み量を調整する調整ステップと、
矯正後のリード間隔が前記許容範囲内の場合に前記押し込み量を更新する更新ステップとを備え、
前記調整ステップ及び前記矯正ステップで矯正後のリード間隔が前記許容範囲内になるまで押し込み量を調整しながら矯正を繰返し、前記更新ステップで前記記憶ステップに記憶された押し込み量を調整後の押し込み量に更新し、
最初のリード部品の矯正動作では、前記調整ステップ及び前記矯正ステップで矯正後のリード間隔が前記許容範囲内になるまで押し込み量を調整しながら矯正を繰返し、前記更新ステップで前記記憶ステップに記憶された押し込み量を調整後の押し込み量に更新し、
後続のリード部品の矯正動作では、前記調整ステップ及び前記矯正ステップで矯正後のリード間隔が前記実装可能範囲内になるまで押し込み量を調整しながら矯正することを特徴とする矯正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リード部品のリード間隔を矯正する矯正装置、実装装置、矯正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
実装装置として、リード部品のリード間隔が規定範囲から外れていた場合に、矯正治具を用いてリード間隔を矯正する矯正装置を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の矯正装置では、レーザー認識によってリード部品のリード間隔が測定され、リード間隔に応じて凹型及び凸型の矯正治具が使い分けられている。リード間隔が広いリード部品は凹型の矯正治具に押し込まれることでリード間隔が狭められて矯正され、リード間隔が狭いリード部品は凸型の矯正治具に押し込まれることでリード間隔が広げられて矯正される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−021553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の矯正装置では、矯正治具に対するリード部品の押し込み量が一定であるため、矯正動作を繰り返したとしてもリード部品が適切に矯正されるとは限らない。特に、生産ロットに応じてリード部品の適切な押し込み量が変わるため、矯正動作のリトライ回数が増加して生産タクトが落ちたり、矯正に失敗したりするという問題が生じていた。
【0005】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、矯正動作のリトライ回数を減らして生産タクトを向上させると共に矯正失敗のリスクを軽減できる矯正装置、実装装置、矯正方法を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の矯正装置は、基板に対して実装されるリード部品を矯正治具に押し込むことで、前記リード部品のリード間隔を、前記基板に前記リード部品が実装可能な実装可能範囲よりも狭い許容範囲に矯正する矯正装置であって、リード部品のリード間隔を測定する測定部と、前記矯正治具に対するリード部品の押し込み量を記憶する記憶部と、前記押し込み量で前記矯正治具にリード部品を押し込んで矯正する矯正部と、矯正後のリード間隔が前記許容範囲外の場合に前記押し込み量を調整する調整部と、矯正後のリード間隔が前記許容範囲内の場合に前記押し込み量を更新する更新部とを備え、前記調整部及び前記矯正部で矯正後のリード間隔が許容範囲内になるまで押し込み量を調整しながら矯正を繰返し、前記更新部で前記記憶部に記憶された押し込み量を調整後の押し込み量に更新し、最初のリード部品の矯正動作では、前記調整部及び前記矯正部で矯正後のリード間隔が前記許容範囲内になるまで押し込み量を調整しながら矯正を繰返し、前記更新部で前記記憶部に記憶された押し込み量を調整後の押し込み量に更新し、後続のリード部品の矯正動作では、前記調整部及び前記矯正部で矯正後のリード間隔が前記実装可能範囲内になるまで押し込み量を調整しながら矯正する。
【0007】
本発明の一態様の矯正方法は、基板に対して実装されるリード部品を矯正治具に押し込むことで、前記リード部品のリード間隔を、前記基板に前記リード部品が実装可能な実装可能範囲よりも狭い許容範囲に矯正する矯正方法であって、リード部品のリード間隔を測定する測定ステップと、前記矯正治具に対するリード部品の押し込み量を記憶する記憶ステップと、前記押し込み量で前記矯正治具にリード部品を押し込んで矯正する矯正ステップと、矯正後のリード間隔が前記許容範囲外の場合に前記押し込み量を調整する調整ステップと、矯正後のリード間隔が前記許容範囲内の場合に前記押し込み量を更新する更新ステップとを備え、前記調整ステップ及び前記矯正ステップで矯正後のリード間隔が前記許容範囲内になるまで押し込み量を調整しながら矯正を繰返し、前記更新ステップで前記記憶ステップに記憶された押し込み量を調整後の押し込み量に更新し、最初のリード部品の矯正動作では、前記調整ステップ及び前記矯正ステップで矯正後のリード間隔が前記許容範囲内になるまで押し込み量を調整しながら矯正を繰返し、前記更新ステップで前記記憶ステップに記憶された押し込み量を調整後の押し込み量に更新し、後続のリード部品の矯正動作では、前記調整ステップ及び前記矯正ステップで矯正後のリード間隔が前記実装可能範囲内になるまで押し込み量を調整しながら矯正することを特徴とする矯正方法。
【0008】
これらの構成によれば、矯正後のリード間隔が許容範囲内になるまでリード部品の押し込み量の調整とリード部品の矯正が繰り返されて、記憶部の押し込み量がリード部品に適した調整後の押し込み量に更新される。よって、後続のリード部品は、適切な押し込み量で矯正治具に押し込まれて矯正されるため、矯正動作のリトライ回数を減らして生産タクトを向上することができると共に、矯正失敗のリスクを軽減することができる。また、前記調整部で押し込み量の調整を規定回数だけ繰り返しても、矯正後のリード間隔が前記実装可能範囲外の場合にエラー処理を実施する。この構成によれば、破損したリード部品を廃棄することができる。
【0009】
本発明の一態様の矯正装置において、前記矯正治具は、リード間隔を狭める凹型の矯正治具又はリード間隔を広げる凸型の矯正治具であり、矯正前のリード間隔が基準サイズ以上の場合には凹型の矯正治具が選択され、矯正前のリード間隔が基準サイズよりも小さい場合には凸型の矯正治具が選択される。この構成によれば、リード間隔が広すぎるリード部品は凹型の矯正治具によってリード間隔が狭められ、リード間隔が狭すぎるリード部品は凸型の矯正治具によってリード間隔が広げられる。
【0013】
本発明の一態様の実装装置において、上記の矯正装置と、前記矯正装置で矯正したリード部品を基板に実装する実装ヘッドとを備えたことを特徴とする。この構成によれば、適切な押し込み量でリード部品を矯正して、基板に対してリード部品を実装することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、矯正後のリード間隔が許容範囲内になるまで押し込み量の調整を繰返して調整後の押し込み量に更新することで、後続のリード部品の矯正動作のリトライ回数を減らして生産タクトを向上させると共に矯正失敗のリスクを軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施の形態の実装装置全体を示す模式図である。
図2】本実施の形態の実装ヘッド周辺を示す模式図である。
図3】リード部品の矯正動作の一例を示す図である。
図4】本実施の形態の矯正装置のブロック図である。
図5】本実施の形態の押し込み量の調整回数とリード間隔の関係を示す図である。
図6】本実施の形態の実装動作の一例を示すフローチャートである。
図7】本実施の形態の矯正動作の一例を示すフローチャートである。
図8】本実施の形態の矯正動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本実施の形態の実装装置について説明する。図1は、本実施の形態の実装装置全体を示す模式図である。図2は、本実施の形態の実装ヘッド周辺を示す模式図である。図3は、リード部品の矯正動作の一例を示す図である。なお、本実施の形態の実装装置は一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
【0017】
図1に示すように、実装装置1は、フィーダ20から供給された様々な部品P(図2参照)を、一対の実装ヘッド40によって基板Wの所定位置に実装するように構成されている。実装装置1には、X軸方向に基板Wを搬送する基板搬送部10が配設されている。基板搬送部10は、基板Wを搬送する一対のコンベアベルト11と各コンベアベルト11に沿って基板Wの搬送をガイドする一対のガイドレール12とによって搬送路を形成している。コンベアベルト11は、X軸方向の一端側から部品搭載前の基板Wを実装ヘッド40の下方に搬入して位置決めし、部品搭載後の基板WをX軸方向の他端側に搬出している。
【0018】
フィーダ20にはテープリール21が着脱自在に装着され、テープリール21には多数の部品Pをパッケージングしたキャリアテープが巻回されている。フィーダ20は、装置内のスプロケットホイールの回転によって、実装ヘッド40にピックアップされる受け渡し位置に向けて順番に部品Pを繰り出している。実装ヘッド40の受け渡し位置では、キャリアテープから表面のカバーテープが剥離され、キャリアテープのポケット内の部品Pが外部に露出される。なお、本実施の形態では、フィーダとしてテープフィーダを例示したが、ボールフィーダ等の他のフィーダで構成されていてもよい。
【0019】
基台上には、一対の実装ヘッド40をX軸方向及びY軸方向に水平移動させる移動機構30が設けられている。移動機構30は、Y軸方向に延びる一対のY軸駆動部31と、X軸方向に延びる一対のX軸駆動部32とを有している。一対のY軸駆動部31は基台の四隅に立設した支持部(不図示)に支持されており、一対のX軸駆動部32は一対のY軸駆動部31にY軸方向に移動可能に設置されている。また、各X軸駆動部32上には実装ヘッド40がX軸方向に移動可能に設置され、X軸駆動部32とY軸駆動部31とによって実装ヘッド40が水平移動されてフィーダ20からピックアップした部品が基板Wの所望の位置に実装される。
【0020】
図2に示すように、実装ヘッド40は、X軸駆動部32(図1参照)に支持されたヘッド本体41に複数のノズル42(本実施の形態では1つのみ図示)を設けて構成されている。各ノズル42は、ノズル駆動部43を介してヘッド本体41に支持されており、ノズル駆動部43によってZ軸方向に上下動すると共にノズル42をZ軸回りに回転する。各ノズル42は吸引源(不図示)に接続されており、吸引源からの吸引力によって部品Pを吸着保持する。ノズル42にはコイルバネが設けられており、コイルバネを収縮させながらノズル42に吸着された部品Pを基板Wに搭載している。
【0021】
ヘッド本体41には、基板Wからの高さを検出する高さセンサ(不図示)や、部品形状を認識する認識部45が設けられている。高さセンサでは、基板Wからノズル42までの距離が検出され、検出結果に基づいてノズル42の上下方向の移動量が制御される。認識部45では、発光部46と受光部47とが水平方向で対向され、発光部46からの光が部品Pで遮光された遮光幅の変化から部品形状が認識される。なお、認識部45は、発光部から受光部に向かって発光されたLED光の遮光幅から部品形状を認識してもよいし、発光部から受光部に向かって発光されたレーザー光の遮光幅から部品形状を認識してもよい。
【0022】
ヘッド本体41には、基板W上のBOCマークを真上から撮像する基板撮像部(不図示)と、ノズル42による部品Pの搭載動作を斜め上方から撮像する部品撮像部48とが設けられている。基板撮像部では、BOCマークの撮像画像に基づいて基板Wの位置、反り等が認識され、これらの認識結果に基づいて基板Wに対する部品Pの搭載位置が補正される。部品撮像部48では、フィーダ20に対する部品Pの吸着前後が撮像される他、基板Wに対する部品Pの搭載前後が撮像される。これら撮像画像によって、ノズル42による部品Pの吸着有無、基板Wにおける部品Pの搭載有無が検査される。
【0023】
また、実装装置1では、基板Wに対してチップ部品だけでなく、リード部品Paが実装されている。リード部品Paは、パッケージ71(図3参照)から一対のリード72が延出しており、一対のリード72を基板Wのスルーホールに差し込むことで実装される。リード部品Paとしては、例えば、基板Wに対して直立実装されるラジアル部品であり、フィルムコンデンサ、抵抗、LED(Light Emitting Diode)、コネクタ、トランジスタ等でもよい。また、実装装置1には、リード部品Paのリード間隔を矯正する凹型及び凸型の矯正治具51、55(図3参照)が設けられている。
【0024】
図3Aに示すように、リード部品Paのリード間隔が広い場合には、リード部品Paが凹型の矯正治具51に押し込まれる。リード部品Paの一対のリード72が矯正治具51の凹面52に沿ってスライドして、一対のリード72が互いに接近する方向に変位される。また、図3Bに示すように、リード部品Paのリード間隔が狭い場合には、リード部品Paが凸型の矯正治具55に押し込まれる。リード部品Paの一対のリード72が矯正治具55の凸面56に沿ってスライドして、一対のリード72が互いに離間する方向に変位される。このように、リード間隔に応じて凹型又は凸型の矯正治具51、55を使用してリード部品Paが矯正される。
【0025】
図2に戻り、実装装置1には、装置各部を統括制御する制御装置59と、リード部品Paのリード間隔を矯正する矯正装置60とが設けられている。これらの装置の各部は、各種処理を実行するプロセッサやメモリ等により構成されている。メモリは、用途に応じてROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の一つ又は複数の記憶媒体で構成されており、実装装置1の制御プログラムや、矯正装置60に矯正方法を実行させるための矯正プログラム等、リード部品Paの矯正有無の判定閾値、押し込み量の調整有無の判定閾値等の各種パラメータが記憶されている。
【0026】
このように構成された実装装置1では、フィーダ20から供給された部品Pをノズル42でピックアップして、部品Pの搬送中に認識部45によって部品形状が認識されている。このとき、部品Pがリード部品Paである場合には、部品形状から基板Wのスルーホールの間隔にリード間隔が対応しているか否かが判断される。スルーホールの間隔にリード間隔が合っていないと、矯正装置60によってリード部品Paが矯正治具51、55(図3参照)に押し込まれてリード間隔が矯正される。一度の矯正でリード間隔が矯正されない場合には、矯正動作がリトライされてリード間隔が理想的な間隔である基準サイズに近づけられる。
【0027】
ところで、一般的な矯正動作は、リード部品Paの押し込み量が一定であるため、適切な押し込み量でリード部品Paが矯正治具51、55に押し込まれているとは限らない。特にリード部品Paは生産ロット毎にリードの開き具合が変わるため、一定の押し込み量で押し込み続けると矯正動作のリトライ回数が増加すると共に、リード部品Paを適切に矯正できないおそれがある。そこで、本実施の形態の矯正装置60では、押し込み量の調整とリード部品Paの矯正を繰り返して、リード部品Paに応じた適切な押し込み量を見つけ出し、後続のリード部品Paに対して適切な押し込み量で矯正を実施している。
【0028】
以下、矯正装置の制御構成について説明する。図4は、本実施の形態の矯正装置のブロック図である。図5は、本実施の形態の押し込み量の調整回数とリード間隔の関係を示す図である。なお、図4のブロック図には、矯正装置が簡略化して記載されているが、矯正装置が通常備える構成については備えているものとする。
【0029】
図4を参照して、矯正装置60の制御構成について簡単に説明する。矯正装置60は、認識部45に接続されており、認識部45からリード部品Paの部品形状を取得して、部品形状に応じてリード部品Paのリード間隔を矯正している。この場合、生産開始時に矯正治具51、55(図3参照)に対するリード部品Paの押し込み量を調整して適切な押し込み量を決めてから、調整後の押し込み量で後続のリード部品Paを矯正している。矯正装置60には、測定部61、矯正判定部62、治具選択部63、記憶部64、矯正部65、調整判定部66、調整部67、更新部68が設けられている。
【0030】
認識部45では、ノズル42(図2参照)によってリード部品Paが保持された状態で、リード部品Paの一対のリード72の先端に認識高さが調整される。そして、発光部46から直進性の高い光が一対のリード72の先端に向けて出射され、一対のリード72で遮光されなかった光が受光部47で受光される。これにより、受光部47の受光面には一対のリード72が投影され、一対のリード72が部品形状として矯正装置60の測定部61に出力される。測定部61では、一対のリード72の部品形状からリード先端でリードセンター同士の距離が測定され、リード部品Paのリード間隔が測定される。
【0031】
矯正判定部62では、リード部品Paのリード間隔に基づいて矯正有無が判定される。この場合、リード部品Paの矯正が不要な実装可能範囲とリード間隔とが比較される。リード間隔が実装可能範囲内であれば、リード部品Paに対する矯正が不要と判定されて矯正動作が終了される。また、リード間隔が実装可能範囲外であれば、リード部品Paに対する矯正が必要と判定されて矯正動作が開始される。なお、実装可能範囲は、基板Wの一対のスルーホールに対してリード72が実装可能な上限値と下限値とによって設定されている(図5参照)。
【0032】
治具選択部63では、リード部品Paのリード間隔に基づいて、リード間隔を狭める凹型の矯正治具51又はリード間隔を広げる凸型の矯正治具55が選択される。リード間隔が規定の基準サイズ以上の場合には凹型の矯正治具51が選択され、リード間隔が基準サイズよりも小さい場合には凸型の矯正治具51が選択される。なお、基準サイズは、例えば、基板Wのスルーホールのセンター間隔と一致する理想的なリード間隔に設定されている(図5参照)。記憶部64には、凹型又は凸型の矯正治具51、55に対するリード部品Paの初回の押し込み量が記憶されている。
【0033】
矯正部65では、記憶部64に記憶された押し込み量でリード部品Paが矯正治具51、55に押し込まれて矯正される。リード間隔が広い場合には、凹型の矯正治具51に向けて所定の押し込み量だけリード部品Paが押し込まれてリード間隔が狭められる。リード間隔が狭い場合には凸型の矯正治具55に向けて所定の押し込み量だけリード部品Paが押し込まれてリード間隔が広げられる。また、一度の矯正動作でリード間隔が矯正されない場合には、矯正装置60にリトライ回数として規定された回数分だけ、調整部67によって押し込み量を変えながらリード部品Paに対して矯正動作が繰り返される。
【0034】
調整判定部66では、矯正後のリード間隔に基づいて、リード部品Paの押し込み量の調整有無が判定される。この場合、押し込み量の調整が不要な調整完了範囲(許容範囲)と矯正後のリード間隔とが比較される。矯正後のリード間隔が調整完了範囲内(許容範囲内)であれば、押し込み量の調整が不要と判定されて押し込み量の調整動作が終了される。矯正後のリード間隔が調整完了範囲外(許容範囲外)であれば、押し込み量の調整が必要と判定されて押し込み量の調整動作が開始される。なお、調整完了範囲は、実装可能範囲よりも狭い上限値と下限値とによって設定されている(図5参照)。
【0035】
調整部67では、矯正後のリード間隔が許容範囲外の場合に押し込み量が調整される。この場合、矯正動作のリトライ回数に応じて、リード部品Paの押し込み量が数ミリずつ増減され、矯正後のリード間隔が調整完了範囲内になるまで押し込み量の調整が繰り返される。更新部68では、矯正後のリード間隔が調整可能範囲内の場合に押し込み量が更新される。この場合、記憶部64の初回の押し込み量が調整後の押し込み量に更新される。これにより、後続のリード部品Paは、調整後の押し込み量で矯正動作が開始されるため、矯正動作のリトライ回数が低減される。
【0036】
また、更新部68によって適切な押し込み量に更新されると、再度の更新処理は不要であるとして、調整判定部66では調整完了範囲の代わりに実装可能範囲を用いて、後続のリード部品Paの押し込み量の調整有無が判定される。そして、矯正後のリード間隔が実装可能範囲内であれば、押し込み量の調整が不要と判定されて矯正動作が終了される。矯正後のリード間隔が実装可能範囲外であれば、押し込み量の調整が必要と判定されて、調整部67及び矯正部65で押し込み量を調整しながら矯正動作が開始される。このように、押し込み量の更新後は実装可能範囲を用いて押し込み量の調整有無が判定されている。
【0037】
図5に示すように、リード部品Paの基準サイズを中心にして、調整動作の判定用の調整完了範囲の上限値及び下限値と、調整完了範囲の外側に矯正動作の判定用の実装可能範囲の上限値及び下限値とが設定されている。リード部品Paは押し込み量が調整される度に矯正されて、矯正後のリード間隔が徐々に基準サイズに近づけられている。例えば、押し込み量の2回目までの調整では、リード間隔が実装可能範囲の上限値よりも広く矯正され、矯正後のリード部品Paを基板Wに実装することができない。2回目までの調整では、リード部品Paが十分に矯正されておらず、押し込み量の調整も十分ではない。
【0038】
押し込み量の3回目の調整で、リード間隔が実装可能範囲の上限値に一致する間隔に矯正されるため、3回目以降の調整で矯正後のリード部品Paを基板Wに実装することができる。ただし、3回目から5回目までの調整では、矯正後のリード部品Paを基板Wに実装することができるが、リード間隔が調整完了範囲の上限値よりも広く矯正されているため、押し込み量が十分に調整されていない。そして、押し込み量の6回目の調整で、リード間隔が調整完了範囲よりも狭く矯正されるため、リード部品Paに対して適切な押し込み量に調整される。
【0039】
このように、矯正後のリード間隔が調整完了範囲内に収まるように押し込み量が調整されるため、調整後の押し込み量でリード部品Paを矯正することで、調整完了範囲よりも広い実装可能範囲内にリード間隔が収まり易くなっている。このため、調整後の押し込み量でリード部品Paを矯正することで、後続のリード部品Paに対する矯正動作のリトライ回数を減らして生産タクトを向上することが可能になっている。なお、押し込み量の調整を繰り返しても、矯正後のリード間隔が実装可能範囲外の場合には、リード部品Paが破損しているとしてエラー処理が実施される。
【0040】
図6は、本実施の形態の実装動作の一例を示すフローチャートである。図7及び図8は、本実施の形態の矯正動作の一例を示すフローチャートである。図6から図8の説明では、図4の各ブロックに付された符号を適宜使用して説明する。
【0041】
図6に示すように、生産が開始されると、最初の矯正動作で押し込み量の更新処理が実施されるように、押し込み量の調整完了フラグがOFFに設定される(ステップS01)。次に、ノズル42(図2参照)によってリード部品Paが把持されて(ステップS02)、リード部品Paの一対のリード72の先端が認識部45に位置付けられる。次に、認識部45によってリード部品Paの部品形状が認識され、測定部61によって部品形状からリード部品Paのリード間隔が測定される(ステップS03)。次に、矯正判定部62によってリード間隔が実装可能範囲外か否かが判定される(ステップS04)。
【0042】
リード間隔が実装可能範囲内であると判定されると(ステップS04でNo)、矯正動作が不要であるとしてリード部品Paの実装動作が実施される(ステップS09)。リード間隔が実装可能範囲外であると判定されると(ステップS04でYes)、調整完了フラグがOFFか否かが判定される(ステップS05)。調整完了フラグがOFFであると判定されると(ステップS05でYes)、最初のリード部品Paの矯正動作であるとして更新処理有りの矯正動作が実施される(ステップS06)。調整完了フラグがONであると判定されると(ステップS05でNo)、後続のリード部品Paの矯正動作であるとして更新処理無しの矯正動作が実施される(ステップS07)。
【0043】
図7に示すように、更新処理有りの矯正動作では、リード間隔の基準サイズが読み込まれ(ステップS21)、記憶部64からリード部品Paに対する押し込み量が読み込まれる(ステップS22)。次に、リード間隔が基準サイズ以上か否かが判定される(ステップS23)。リード間隔が基準サイズ以上であると判定されると(ステップS23でYes)、治具選択部63によって凹型の矯正治具51が選択される(ステップS24)。リード間隔が基準サイズよりも小さいと判定されると(ステップS23でNo)、治具選択部63によって凸型の矯正治具55が選択される(ステップS25)。
【0044】
次に、選択した矯正治具51、55に対して押し込み量分だけリード部品Paが押し込まれ、リード部品Paのリード間隔が矯正される(ステップS26)。次に、認識部45によって矯正後のリード部品Paの部品形状が認識され、測定部61によって矯正後の部品形状からリード間隔が測定される(ステップS27)。次に、矯正後のリード間隔が調整完了範囲内か否かが判定される(ステップS28)。矯正後のリード間隔が調整完了範囲外と判定されると(ステップS28でNo)、矯正動作のリトライ回数が規定回数以上か否かが判定される(ステップS29)。
【0045】
矯正動作のリトライ回数が規定回数よりも少ないと判定されると(ステップS29でNo)、矯正治具51、55に対するリード部品Paの押し込み量が調整される(ステップS30)。そして、矯正後のリード間隔が調整完了範囲内になるまで、リード間隔の矯正動作と押し込み量の調整動作が繰り返される(ステップS23からステップS30)。矯正動作と調整動作の繰返し中にリード間隔が調整完了範囲内になると(ステップS28でYes)、記憶部64に記憶された押し込み量が調整後の押し込み量に更新され(ステップS31)、調整完了フラグがONにされて矯正処理が終了する(ステップS32)。
【0046】
矯正動作と調整動作の繰返し中にリトライ回数が規定回数以上と判定されると(ステップS29でYes)、押し込み量の調整失敗として矯正後のリード間隔が実装可能範囲内か否かが判定される(ステップS33)。矯正後のリード間隔が実装可能範囲内と判定されると(ステップS33でYes)、押し込み量の調整は失敗したがリード間隔の矯正は成功したとして矯正処理が完了する。矯正後のリード間隔が実装可能範囲外と判定されると(ステップS33でNo)、押し込み量の調整及びリード間隔の矯正に失敗したとしてエラーフラグがONにされて矯正処理が終了する(ステップS34)。
【0047】
図6に戻り、更新処理有りの矯正動作が終了すると、エラーフラグがONか否かが判定される(ステップS08)。エラーフラグがOFFであると判定されると(ステップS08でNo)、リード間隔の矯正成功として実装動作が実施される(ステップS09)。エラーフラグがONであると判定されると(ステップS08でYes)、リード間隔の矯正失敗としてリード部品Paの廃棄や一時停止等のエラー処理が実施される(ステップS10)。そして、生産が継続される場合には(ステップS11でNo)、後続のリード部品Paに対してステップS02からステップS11までの処理が繰り返される。
【0048】
最初のリード部品Paに対する矯正動作で押し込み量が適切に更新されている場合には、調整完了フラグがONになっているため(ステップS05でNo)、後続のリード部品Paに対する矯正動作として更新処理無しの矯正動作が実施される。なお、更新処理無しの矯正動作は、押し込み量の更新処理が無いため、調整完了範囲と比較しない点で更新処理有りの矯正動作と相違している。また、後続のリード部品Paの矯正動作では、最初のリード部品Paの矯正動作でリード部品Paに適した押し込み量が設定されているため、リード部品Paが矯正され易くなっており、少ないリトライ回数で矯正動作を終了することが可能になっている。
【0049】
図8に示すように、更新処理無しの矯正動作では、リード間隔が基準サイズ以上か否かが判定される(ステップS41)。リード間隔が基準サイズ以上であると判定されると(ステップS41でYes)、治具選択部63によって凹型の矯正治具51が選択される(ステップS42)。リード間隔が基準サイズよりも小さいと判定されると(ステップS41でNo)、治具選択部63によって凸型の矯正治具55が選択される(ステップS43)。選択した矯正治具51、55に対して押し込み量分だけリード部品Paが押し込まれ、リード部品Paのリード間隔が矯正される(ステップS44)。
【0050】
次に、認識部45によって矯正後のリード部品Paの部品形状が認識され、測定部61によって矯正後の部品形状からリード間隔が測定される(ステップS45)。次に、矯正後のリード間隔が実装可能範囲内か否かが判定される(ステップS46)。矯正後のリード間隔が実装可能範囲外と判定されると(ステップS46でNo)、矯正動作のリトライ回数が規定回数以上か否かが判定される(ステップS47)。矯正動作のリトライ回数が規定回数よりも少ないと判定されると(ステップS47でNo)、矯正治具51、55に対するリード部品Paの押し込み量が調整される(ステップS48)。
【0051】
そして、矯正後のリード間隔が実装可能範囲内になるまで、リード間隔の矯正動作と押し込み量の調整動作が繰り返される(ステップS41からステップS48)。矯正動作と調整動作の繰返し中にリード間隔が実装可能範囲内になると(ステップS46でYes)、リード間隔の矯正に成功したとして矯正処理が終了する。矯正動作と調整動作の繰返し中にリトライ回数が規定回数以上と判定されると(ステップS47でYes)、リード間隔の矯正に失敗したとしてエラーフラグがONにされて矯正処理が終了する(ステップS49)。
【0052】
図6に戻り、更新処理無しの矯正動作が終了すると、エラーフラグがONか否かが判定される(ステップS08)。エラーフラグがOFFであると判定されると(ステップS08でNo)、リード間隔の矯正成功として実装動作が実施される(ステップS09)。エラーフラグがONであると判定されると(ステップS08でYes)、リード間隔の矯正失敗としてリード部品Paの廃棄や一時停止等のエラー処理が実施される(ステップS10)。そして、生産が終了するまで、後続のリード部品Paに対してステップS02からステップS11までの処理が繰り返される。
【0053】
このように、最初のリード部品Paの矯正動作では、矯正後のリード間隔が調整完了範囲内になるまで押し込み量を調整しながら矯正を繰返し、記憶部64に記憶された押し込み量を調整後の押し込み量に更新する。また、後続のリード部品Paの矯正動作では、矯正後のリード間隔が実装可能範囲内になるまで押し込み量を調整しながら矯正する。最初のリード部品Paの矯正動作で適切な押し込み量に調整し、後続のリード部品Paで調整後の押し込み量で矯正することで、後続のリード部品Paのリード間隔を実装可能範囲内に容易に収めることができる。なお、更新部68は、リード部品Paのロット単位又は所定数単位でリード部品Paの押し込み量を更新することが好ましい。これにより、ロット単位又は所定数単位でリードの開き具合が変わる場合であっても、適切な押し込み量でリード部品Paを矯正することができる。
【0054】
以上のように、本実施の形態の矯正装置60では、矯正後のリード間隔が調整完了範囲内になるまでリード部品Paの押し込み量の調整とリード部品Paの矯正が繰り返されて、記憶部64の押し込み量がリード部品Paに適した調整後の押し込み量に更新される。よって、後続のリード部品Paは、適切な押し込み量で矯正治具51、55に押し込まれて矯正されるため、矯正動作のリトライ回数を減らして生産タクトを向上することができると共に、矯正失敗のリスクを軽減することができる。
【0055】
なお、本実施の形態において、実装可能範囲よりも狭い調整完了範囲を、押し込み量の許容範囲として例示して説明したが、この構成に限定されない。押し込み量の許容範囲は、実装可能範囲よりも僅かに広く設定されていてもよいし、実装可能範囲と一致していてもよい。
【0056】
また、本実施の形態において、認識部がリード部品の遮光幅の変化から部品形状を認識する構成にしたが、この構成に限定されない。認識部はリード部品の部品形状を認識可能な構成であればよく、例えば、リード部品を撮像した撮像画像からリード部品の部品形状を認識してもよい。また、測定部は認識部で認識された部品形状からリード間隔を測定する構成にしたが、測定部が認識部を有していてもよい。また、測定部は、リード部品のリード間隔を測定可能な構成であれば、どのように構成されてもよい。
【0057】
また、本実施の形態において、基板は、プリント基板に限定されず、治具基板上に載せられたフレキシブル基板であってもよい。
【0058】
また、本実施の形態において、基板に対してリード部品を実装する構成にしたが、この構成に限定されない。リード部品は、基板以外の部材に実装されてもよい。
【0059】
また、本実施の形態において、制御プログラム及び矯正プログラムは記録媒体に記憶されてもよい。記録媒体は、特に限定されないが、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0060】
また、本実施の形態において、実装装置に矯正装置が備えられる構成について説明したが、この構成に限定されない。矯正装置は、実装装置とは別体の矯正専用の装置でもよい。
【0061】
また、本発明の実施の形態及び変形例を説明したが、本発明の他の実施の形態として、上記実施の形態及び変形例を全体的又は部分的に組み合わせたものでもよい。
【0062】
また、本発明の実施の形態は上記の実施の形態及び変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。さらには、技術の進歩又は派生する別技術によって、本発明の技術的思想を別の仕方で実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、本発明の技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様をカバーしている。
【0063】
また、本発明の実施の形態では、本発明を矯正装置に適用した構成について説明したが、リード部品の矯正が必要な他の装置に適用することが可能である。
【0064】
さらに、上記実施形態では、リード部品を矯正治具に押し込むことでリード間隔を矯正する矯正装置であって、リード部品のリード間隔を測定する測定部と、矯正治具に対するリード部品の押し込み量を記憶する記憶部と、押し込み量で矯正治具にリード部品を押し込んで矯正する矯正部と、矯正後のリード間隔が許容範囲外の場合に押し込み量を調整する調整部と、矯正後のリード間隔が許容範囲内の場合に押し込み量を更新する更新部とを備え、調整部及び矯正部で矯正後のリード間隔が許容範囲内になるまで押し込み量を調整しながら矯正を繰返し、更新部で記憶部に記憶された押し込み量を調整後の押し込み量に更新する。この構成によれば、矯正後のリード間隔が許容範囲内になるまでリード部品の押し込み量の調整とリード部品の矯正が繰り返されて、記憶部の押し込み量がリード部品に適した調整後の押し込み量に更新される。よって、後続のリード部品は、適切な押し込み量で矯正治具に押し込まれて矯正されるため、矯正動作のリトライ回数を減らして生産タクトを向上することができると共に、矯正失敗のリスクを軽減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
以上説明したように、本発明は、矯正動作のリトライ回数を減らして生産タクトを向上させると共に矯正失敗のリスクを軽減できるという効果を有し、特に、基板に実装されるリード部品のリード間隔を矯正する矯正装置、実装装置、矯正方法に有用である。
【符号の説明】
【0066】
1 実装装置
40 実装ヘッド
45 認識部
51 凹型の矯正治具
55 凸型の矯正治具
60 矯正装置
61 測定部
64 記憶部
65 矯正部
67 調整部
68 更新部
Pa リード部品
W 基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8