(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1濃度計から得られた第1測定濃度と前記第2濃度計から得られた第2測定濃度とに基づいて前記第1バルブ機構及び前記第2バルブ機構の動作を制御する処理液用バルブ制御部を有する請求項1または2記載の処理液生成装置。
前記処理液用バルブ制御部は、前記第1測定濃度及び前記第2測定濃度のうちの少なくとも第1測定濃度に基づいて、前記第1濃度計が正常であるか否かを判定する第1判定部と、
前記第1判定部により前記第1濃度計が正常でないと判定されたときに、前記第1バルブ機構を前記第1処理液路が閉状態となるように制御する第1バルブ制御部と、
を有する請求項4記載の処理液生成装置。
前記処理液用バルブ制御部は、前記第1測定濃度及び前記第2測定濃度のうちの少なくとも第2測定濃度に基づいて、前記第2濃度計が正常であるか否かを判定する第2判定部と、
前記第2判定部により前記第2濃度計が正常でないと判定されたときに、前記第2バルブ機構を前記第2処理液路が閉状態となるように制御する第2バルブ制御部と、
を有する請求項4または5記載の処理液生成装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0016】
本発明の実施の一形態に係る処理液生成装置を含む基板処理装置は、
図1に示すように構成される。
【0017】
図1において、この基板処理装置は、2つの処理液生成装置と、2系統の処理液供給(処理液供給機構)・回収系と、スピン装置100とを有している。一方の処理液生成装置は、第1供給タンク11a、2つの積算流量計14a、15a、2つの調整バルブ16a、17a、第1ポンプ18a、開閉バルブ19a、生成循環系の2つの三方バルブ21、22、上流側第1バルブ群12a、上流側第2バルブ群12b、第1濃度
計測部20a、第2濃度
計測部20b、下流側第1バルブ群13a及び下流側第2バルブ群13bを有する構成となっている。他方の処理液生成装置は、生成循環系の2つの三方バルブ21、22、上流側第1バルブ群12a、上流側第2バルブ群12b、第1濃度
計測部20a、第2濃度
計測部20b、下流側第1バルブ群13a及び下流側第2バルブ群13bを前記一方の処理液生成装置と共用する他、第2供給タンク11b、2つの積算流量計14b、15b、2つの調整バルブ16b、17b、第2ポンプ18b及び開閉バルブ19bを有する構成となっている。一方の系統の処理液供給・回収系は、第1供給タンク11a及び第1ポンプ18aを前述した一方の処理液生成装置と共用するとともに、三方バルブ23、24及び回収タンク10を有する構成となっている。また、他方の系統の処理液供給・回収系は、第2供給タンク11b及び第2ポンプ18bを前述した他方の処理液生成装置と共用するとともに、回収タンク10及び2つの三方バルブ23、24を前述した一方の系統の処理液供給・回収系と共用する構成となっている。
【0018】
後述するように第1供給タンク11a内で濃度調整されて生成される処理液は、三方バルブ23が第1供給タンク11a側に切り換わり、第1ポンプ18aが動作することにより、第1供給タンク11aから三方バルブ23を通してスピン装置100内のノズル111に供給され、そのノズル111から処理液が吐出される(処理液供給機構)。スピン装置100には、モータ等の駆動機構112によって回転する支持ステージ110(テーブル)が設けられ、支持ステージ110にその周縁部が支持された半導体ウェーハWに対向するようにノズル111が配置されている。支持ステージ110の側方から下方を覆うカップ115が設けられている。ノズル111から吐出される処理液(例えば、エッチング液)は、支持ステージ110とともに回転する半導体ウェーハWの表面にかけられ、その処理液により半導体ウェーハWの表面が処理(エッチング処理)される。回転する半導体ウェーハWの表面から飛散する使用済み処理液は、カップ115内に収容され、更に、排出経路(図示略)を通って回収タンク10に回収される。そして、回収タンク10内の使用済み処理液は、第1供給タンク11a側に切り換えられた三方バルブ24を通って第1供給タンク11aに戻される。
【0019】
一方、2つの三方バルブ23、24が第2供給タンク11b側に切り換えられると、第2供給タンク11b内で濃度調整されて生成される処理液は、第2ポンプ18bの動作により、第2供給タンク11bから三方バルブ23を通してスピン装置100のノズル111に供給される(処理液供給機構)。そして、前述したのと同様に、ノズル111から吐出してスピン装置100内で回転する半導体ウェーハWの表面にかけられて使用済みとなった処理液は、回収タンク10に回収され、更に、回収タンク10から三方バルブ24を通して第2供給タンク11bに戻される。
【0020】
前述した第1供給タンク11aと第2供給タンク11bとによって分かれる2系統の処理液供給(処理液供給機構)・回収系のそれぞれは、各供給タンク11a、11b内の処理液の状態(量、濃度、不純物の量等)に応じて、三方バルブ23、24によって適宜切り換えられる。その結果、スピン装置100において、適正な状態(濃度等)の処理液による半導体ウェーハWの表面の処理を継続させることができる。
【0021】
次に、処理液生成装置の具体的な構成について説明する。なお、2つの処理液生成装置は、上流側第1バルブ群12a、上流側第2バルブ群12b、下流側第1バルブ群13a、下流側第2バルブ群13b、第1濃度
計測部20a、第2濃度
計測部20b及び2つの三方バルブ21、22を共用する他、複数の同種の構成部品を備えて、同じ動作をするので、第1供給タンク11aを含む一方の処理液生成装置について説明する。
【0022】
積算流量計14a及び調整バルブ16aの設けられた液路が第1供給タンク11aに接続されており、この液路を通して処理液(例えば、エッチング液としてのリン酸水溶液)の原液が第1供給タンク11aに供給されるようになっている。積算流量計15a及び調整バルブ17aの設けられた液路が第1供給タンク11aに接続されており、この液路を通して希釈液(例えば、純水)が第1供給タンク11aに供給されるようになっている。
【0023】
第1供給タンク11aから出て、第1ポンプ18a及び開閉バルブ19aを介して第1供給タンク11aに戻る循環液路が形成されている。また、第1供給タンク11aから出て、第1ポンプ18a、三方バルブ21、上流側第1バルブ群12a、第1濃度
計測部20a、下流側第1バルブ群13a、及び三方バルブ22を介して第1供給タンク11aに戻る液路P1が形成されている。この液路P1を、以下、第1循環液路P1(第1処理液路)という。更に、第1供給タンク11aから出て、第1ポンプ18a、三方バルブ21、上流側第2バルブ群12b、第2濃度
計測部20b、下流側第2バルブ群13b、及び三方バルブ22を介して第1供給タンク11aに戻る液路P2が形成されている。この液路P2を、以下、第2循環液路P2(第2処理液路)という。
【0024】
上流側第1バルブ群12a、上流側第2バルブ群12b、下流側第1バルブ群13a及び下流側第2バルブ群13bは、
図2Aに示すように構成されている。
【0025】
上流側第1バルブ群12aは、三方バルブ21から続く第1循環液路P1に設けられた開閉バルブ120aを含み、上流側第2バルブ群12bは、三方バルブ21から続く第2循環液路P2に設けられた開閉バルブ120bを含む。下流側第1バルブ群13aは、第1濃度
計測部20aを通して三方バルブ22に向けて延びる第1循環液路P1に設けられた開閉バルブ130aを含み、下流側第2バルブ群13bは、第2濃度
計測部20bを通して三方バルブ22に向けて延びる第2循環液路P2に設けられた開閉バルブ130bを含む。
【0026】
上流側第1バルブ群12aに含まれる開閉バルブ120aと下流側第1バルブ群13aに含まれる開閉バルブ130aとの組は、第1循環液路P1(第1処理液路)の開閉を行う第1バルブ機構として構成される。また、上流側第2バルブ群12bに含まれる開閉バルブ120bと下流側第2バルブ群13bに含まれる開閉バルブ130bとの組は、第2循環液路P2(第2処理液路)の開閉を行う第2バルブ機構として構成される。
【0027】
図1には示されていないが、上流側第1バルブ群12a、上流側第2バルブ群12b、下流側第1バルブ群13a及び下流側第2バルブ群13bは、他の液路の開閉を行う複数の開閉バルブを含む。具体的には、
図2Aに示されるように、第1循環液路P1の他、第1濃度
計測部20aを通る2つの液路Pc1、Pp1が形成されており、第2循環液路P2の他、第2濃度
計測部20bを通る2つの液路Pc2、Pp2が形成されている。液路Pc1は、第1濃度
計測部20aにおける濃度計の校正に利用される校正液の液源から第1濃度
計測部20aを通って排出部に向けて延びる液路であって、第1校正液路Pc1を構成する。なお、上記校正液として、処理液と同成分の液体を用いることができる。第1校正液路Pc1には、濃度が既知である校正液が供給される。なお、少なくとも濃度計を通過する際の校正液の濃度が既知であればよく、校正液の液源から校正液がそのまま供給されてもいいし、液源からの校正液が所定濃度に調整されてから供給されるものでもかまわない。液路Pc2は、同様の校正液の液源から第2濃度
計測部20bを通って排出部に向けて延びる液路であって、この液路Pc2を流れる校正液も第2濃度
計測部20bにおける濃度計の校正に用いられ、第2校正液路Pc2を構成する。液路Pp1は、純水の液源から第1濃度
計測部20aを通って排出部に向けて延びる液路であって、第1洗浄液路Pp1を構成する。液路Pp2は、同様の純水の液源から第2濃度
計測部20bを通って排出部に向けて延びる液路であって、第2洗浄液路Pp2を構成する。
【0028】
上流側第1バルブ群12aは、第1洗浄液路Pp1に設けられた開閉バルブ121a、及び第1校正液路Pc1に設けられた開閉バルブ122aを含む。下流側第1バルブ群13aも、第1洗浄液路Pp1に設けられた開閉バルブ131a、及び第1校正液路Pc1に設けられた開閉バルブ132aを含む。また、上流側第2バルブ群12bは、第2洗浄液路Pp2に設けられた開閉バルブ121b、及び第2校正液路Pc2に設けられた開閉バルブ122bを含む。下流側第2バルブ群13bも、第2洗浄液路Pp2に設けられた開閉バルブ131b、及び第2校正液路Pc2に設けられた開閉バルブ132bを含む。
【0029】
上流側第1バルブ群12aの開閉バルブ122aと、下流側第1バルブ群13aの開閉バルブ132aとの組は、第1校正液路Pc1を開閉する第3バルブ機構として構成される。上流側第2バルブ群12bの開閉バルブ122bと、下流側第2バルブ群13bの開閉バルブ132bとの組は、第2校正液路Pc2を開閉する第4バルブ機構として構成される。また、上流側第1バルブ群12aの開閉バルブ121aと、下流側バルブ群13aの開閉バルブ131aとの組は、第1洗浄液路Pp1を開閉する第5バルブ機構として構成され、上流側第2バルブ群12bの開閉バルブ121bと、下流側第2バルブ群13bの開閉バルブ群131bとの組は、第2洗浄液路Pp2を開閉する第6バルブ機構として構成される。
【0030】
第1濃度
計測部20aは、例えば、
図2Bに示すように構成されており、また、第2濃度
計測部20bは、例えば、
図2Cに示すように構成されている。
【0031】
図2Bに示すように、第1濃度
計測部20aは、第1濃度計201a、上流側第1切換バルブ202a、及び下流側第1切換バルブ203aを有している。前述したように上流側第1バルブ群12a及び下流側第1バルブ群13aが設けられた
、第1循環液路P1、第1校正液路Pc1及び第1洗浄液路Pp1の3つの液路は、第1濃度
計測部20a内において、上流側にて上流
側第1切換バルブ202aに並列的に接続するとともに、下流側にて下流側第1切換バルブ203aに並列的に接続することにより、それら上流側第1切換バルブ202aと下流側第1切換バルブ203aとを結合する1つの
液路Pm1にまとまっている。そして、
液路Pm1の部分に第1濃度計201aが設けられている。
【0032】
このような第1濃度
計測部20aでは、上流側第1切換バルブ202a及び下流側第1切換バルブ203aの切換え動作により、第1循環液路P1に液路Pm1が連通されると、第1循環液路P1を流れる処理液が液路Pm1を流れるようになる。これにより、第1濃度計201aによって液路Pm1を流れる処理液の濃度、つまり第1循環液路P1を流れる処理液の濃度を計測することができる。また、上流側第1切換バルブ202a及び下流側第1切換バルブ203aの切換え動作により、第1校正液路Pc1に
液路Pm1が連通されると、第1校正液路Pc1を流れる校正液が液路Pm1を流れるようになり、第1濃度計201aの校正を行うことができる。更に、上流側第1切換バルブ201a及び下流側第1切換バルブ203aの切換え動作により、第1洗浄液路Pp1に
液路Pm1が連通されると、第1洗浄液路Pp1を流れる洗浄液が液路Pm1を流れるようになり、その洗浄液により液路Pm1及び第1濃度計201aを洗浄することができる。
【0033】
また、
図2Cに示すように、第2濃度
計測部20bは、第2濃度計201b、上流側第2切換バルブ202b、及び下流側第2切換バルブ203bを有している。前述したように上流側第2バルブ群12b及び下流側第2バルブ群13bが設けられた
、第2循環液路P2、第2校正液路Pc2及び第2洗浄液路Pp2の3つの液路は、第2濃度
計測部20b内において、上流側にて上流側第2切換バルブ202bに並列的に接続するとともに、下流側にて下流側第2切換バルブ203bに並列的に接続することにより、それら上流側第2切換バルブ202bと下流側第2切換バルブ203bとを結合する液路Pm2にまとまっている。そして、液路Pm2の部分に第2濃度計201bが設けられている。
【0034】
このような第2濃度
計測部20bでは、上流側第2切換バルブ202b及び下流側第2切換バルブ203bの切換え動作により、第2循環液路P2に液路Pm2が連通されると、第2循環液路P2を流れる処理液が液路Pm2を流れるようになり、第2濃度計201bによって液路Pm2を流れる処理液の濃度
、つまり第2循環液路P2を流れる処理液の濃度を計測することができる。また、上流側第2切換バルブ202b及び下流側第2切換バルブ203bの切換え動作により、第2校正液路Pc2に液路Pm2が連通されると、第2校正液路Pc2を流れる校正液が液路Pm2を流れるようになり、第2濃度計201aの校正を行うことができる。更に、上流側第2切換バルブ202b及び下流側第2切換バルブ203bの切換え動作により、第2洗浄液路Pp
2に
液路Pm2が連通されると、第2洗浄液路Pp2を流れる洗浄液が液路Pm2を流れるようになり、その洗浄液により液路Pm2及び第2濃度計201bを洗浄することができる。
【0035】
第1濃度
計測部20aに設けられた第1濃度計201aと第2濃度
計測部20bに設けられた第2濃度計201bとは、異なる測定原理によってそれら濃度
計測部20a、20bを流れる処理液(校正液)の濃度を測定し、その測定濃度に対応した測定信号を出力する。つまり、第1濃度計201aと第2濃度計201bとは、第1循環液路P1及び第2循環液路P2のそれぞれを流れる処理液(より詳細には、液路Pm1及びPm2のそれぞれを流れる処理液)の濃度を異なる測定原理によって測定する。第1濃度計201a(
図2B参照)として、例えば、対象となる液体の電気伝導率に基づいて濃度を測定するものを用いることができる。第2濃度計201bとして、例えば、
図2Cに示すように、液路Pm2の透明部TPを挟んで設けられたレーザ光源と受光部とによって構成され、対象となる液体の濃度を光学的に測定するものを用いることができる。第1濃度計201a及び第2濃度計201bのそれぞれとして、その他、例えば、超音波を利用して濃度を測定するもの、赤外線を利用して濃度を測定するものなどを用いることができる。
【0036】
また、第1濃度計201aと第2濃度計201bとは、処理液中の第1供給タンク11aまたは第2供給タンク11b(処理液調整部に含まれる)での濃度調整に係る同じ成分の濃度を
処理液の濃度として測定するものである。例えば、処理液がリン酸水溶液であるエッチング処理液であって、そのエッチング処理液中のリン酸の濃度調整が
処理液の濃度調整として行われる場合、第1濃度計201aと第2濃度計201bとは、エッチング処理液中のリン酸の濃度を
処理液の濃度として測定する。また、一般に、処理液が複数の成分を含有する場合であっても、第1濃度計201aと第2濃度計201bとは、第1供給タンク11aまたは第2供給タンク11b(処理液調整部に含まれる)での濃度調整に係る同じ成分についての濃度を処理液の濃度として測定する。
【0037】
また、第1濃度計201a及び第2濃度計201bの少なくともいずれか一方が、複数の成分(例えば、リン酸の濃度と水分濃度)の濃度測定が可能である場合があり得る。一方の濃度計が濃度調整に係る成分を含む複数の成分の濃度測定を行なう場合、他方の濃度計は、少なくとも前記濃度調整に係る成分の濃度測定を行なえばよい。これにより、第1濃度計201a及び第2濃度計201bの双方において、少なくとも前記濃度調整に係る成分の濃度測定が可能になり、第1濃度計201a及び第2濃度計201bの少なくとも一方での測定濃度に基づいて処理液中の成分濃度の調整が可能になる。
【0038】
前述したように構成される処理液生成装置の制御系は、例えば、
図3に示すように構成される。
【0039】
図3において、この処理液供給装置は、制御ユニット30を有している。制御ユニット30は、第1濃度
計測部20a(
図2B参照)において第1循環液路P1に液路Pm1が連通され、第2濃度
計測部20b(
図2C参照)において第2循環
液路P2に液路Pm2が連通されるように、第1濃度
計測部20aの上流側第1切換バルブ202a及び下流側第1切換バルブ203aを
駆動制御し、第2濃度
計測部20bの上流側第2切換バルブ202b及び下流側第2切換バルブ203bを駆動制御する。この状態で、制御ユニット30は、積算流量計14aからの処理液(例えば、リン酸水溶液であるエッチング処理液)の流量情報及び積算流量計15aからの希釈液(例えば、純水)の流量情報を監視しつつ、第1濃度
計測部20a(第1濃度計201a:
図2B参照)及び第2濃度
計測部20b(第2濃度計201b:
図2C参照)での測定濃度(例えば、リン酸の測定濃度)に基づいて、処理液及び希釈液を第1供給タンク11aに供給する2つの液路に設けられた調整バルブ16a、17aを駆動する駆動回路31aを制御する。これにより、第1供給タンク11a内で生成される処理液の濃度(例えば、リン酸の濃度)が調整される。また、制御ユニット30は、積算流量計14bからの処理液の流量情報及び積算流量計15bからの希釈液の流量情報を監視しつつ、第1濃度
計測部20a及び第2濃度
計測部20bでの測定値に基づいて、処理液及び希釈液を第2供給タンク11bに供給する2つの液路に設けられた調整バルブ16b、17bを駆動する駆動回路31bを制御する。これにより、第2供給タンク11b内で生成される処理液の濃度が調整される。なお、この濃度調整の詳細については、後述する。
【0040】
制御ユニット30は、スピン装置100(ノズル111)に対する処理液の供給源を第1供給タンク11a及び第2供給タンク11bのいずれかに切り換えるために、処理液供給・回収系の三方バルブ23を切換え駆動する駆動回路34aを制御する。また、制御ユニット30は、スピン装置100から回収タンク10に戻された使用済み処理液の送り先を第1供給タンク11a及び第2供給タンク11bのいずれか
に切り換えるために、処理液供給・回収系の三方バルブ24を切換え駆動する駆動回路34aを制御する。
【0041】
制御ユニット30は、第1濃度
計測部20a及び第2濃度
計測部20bを通して循環させて濃度調整すべき処理液の貯留源を第1供給タンク11a及び第2供給タンク11bのいずれかに切り換えるために、生成循環系の三方バルブ21、22の切換え制御する駆動回路34bを制御する。その濃度調整に際して、制御ユニット30は、第1循環液路P1(
図2A参照)に設けられた上流側第1バルブ群12aの開閉バルブ120a及び下流側第1バルブ群13aの開閉バルブ130aの開閉駆動を行う駆動回路33aを制御する。また、その際、制御ユニット30は、第2循環液路P2(
図2A参照)に設けられた上流側第2バルブ群12bの開閉バルブ120b及び下流側第2バルブ群13bの開閉バルブ130bの開閉駆動を行う駆動回路33bを制御する。
【0042】
更に、制御ユニット30は、第1濃度
計測部20aの第1濃度計201aの校正に際して、第1校正液路Pc1(
図2参照)に設けられた上流側第1バルブ群12aの開閉バルブ122a及び下流側第1バルブ群13aの開閉バルブ132aの開閉駆動と、第1洗浄液路Pp1(
図2参照)に設けられた上流側第1バルブ群12aの開閉バルブ121a及び下流側第1バルブ群13aの開閉バルブ131aの開閉駆動とを行う駆動回路33aを制御する。その際、制御ユニット30は、第1濃度
計測部20a(
図2B参照)において、第1校正液路Pc1に液路Pm1が連通される状態と、第1洗浄液路Pp1に液路Pm1が連通される状態とを切り換えるように、上流側第1切換バルブ202a及び下流側第1切換バルブ203bの切換え制御を行なう。更に、また、制御ユニット30は、第2濃度
計測部20bの第2濃度計201bの校正に際して、第2校正液路Pc2(
図2参照)に設けられた上流側第2バルブ群12bの開閉バルブ122b及び下流側第2バルブ群13bの開閉バルブ132bの開閉駆動と、第2洗浄液路Pp2(
図2A参照)に設けられた上流側第2バルブ群12bの開閉バルブ121b及び下流側第2バルブ群13bの開閉バルブ131bの開閉駆動とを行う駆動回路33bを制御する。その際、制御ユニット30は、第2濃度
計測部20b(
図2C参照)において、第2校正液路Pc2に液路Pm2が連通される状態と、第2洗浄液路Pp2に液路Pm2が連通される状態とを切り換えるように、上流側第2切換バルブ202b及び下流側第2切換バルブ203bの切換え制御を行なう。また、制御ユニット30は、第1ポンプ18aを駆動させる駆動回路35a及び第2ポンプ18bを駆動させる駆動回路35bを制御する。また、制御ユニット30は、開閉バルブ19aの開閉駆動を行う駆動回路32a及び開閉バルブ19bの開閉駆動を行う駆動回路32bを制御する。
【0043】
制御ユニット30は、
図4A及び
図4Bに示す手順に従って、第1供給タンク11a及び第2供給タンク11bで生成される処理液(例えば、エッチング処理液としてのリン酸水溶液)の濃度調整に係る処理を行なう。なお、以下、第1供給タンク11aで生成される処理液の濃度調整に係る処理について説明するが、第2供給タンク11bで生成される処理液の濃度調整に係る処理についても同様の手順にて行われる。
【0044】
制御ユニット30は、積算流量計14a、15aからの流量情報を監視しつつ、調整バルブ16a、17aを開状態にし、所定量の処理液(原液)及び希釈液が第1供給タンク11aに貯められると、調整バルブ16a、17aを閉状態にする。その後、制御ユニット30は、開閉バルブ19aを開状態にし、三方バルブ21、23の第1供給タンク11a側を閉じた状態で、第1ポンプ18aを駆動させる。これにより、第1供給タンク11aから出る処理液及び希釈液が開閉バルブ19aの設けられた循環液路を通って第1供給タンク11aに戻り、循環する。その過程で、処理液と希釈液とが混合されて希釈化された処理液が第1供給タンク11a内で生成される。第1供給タンク11a内において処理液と希釈液とを混合させて処理液の濃度(例えば、エッチング液中のリン酸濃度)を調整する仕組み全体が、つまり、第1供給タンク11a内において処理液を生成するときに関わる構成が、処理液調整部として機能する。
【0045】
その後、制御ユニット30は、開閉バルブ19aを閉状態に切り換えるとともに、循環系の三方バルブ21、22を第1供給タンク11a側に切換える。また、このとき、制御ユニット30は、第1循環液路P1に設けられた上流側第1バルブ群12aの開閉バルブ120a及び下流側第1バルブ群13aの開閉バルブ130a(第1バルブ機構:
図2A参照)を開状態
にするとともに、第2循環液路P2に設けられた上流側第2バルブ群12bの開閉バルブ120b及び下流側第2バルブ群13bの開閉バルブ130b(第2バルブ機構:
図2A参照)を開状態にする。この状態で、第1供給タンク11aから出る処理液が第1循環液路P1及び第2循環液路P2を並列的に通って第1供給タンク11aに戻り、循環する。
【0046】
このようにして、処理液の第1循環液路P1及び第2循環液路P2を通した循環が開始されると、制御ユニット30は、
図4A及び
図4Bに示す手順に従って処理を開始する。
【0047】
図4Aにおいて、制御ユニット30は、第1濃度
計測部20a(第1濃度計201a:
図2B参照)及び第2濃度
計測部20b(第2濃度計201b:
図2C参照)が校正中であるか否かを確認し(S11、S12)、第1濃度
計測部20a及び第2濃度
計測部20bの双方が校正中でなければ(S11でNO、S12でNO)、第1濃度計201a(第1濃度
計測部20a)からの測定信号に基づいた濃度C1と、第2濃度計201b(第2濃度
計測部20b)からの測定信号に基づいた濃度C2とを取得する(S13、S14)。そして、制御ユニット30は、それら2つの測定濃度C1、C2に基づいて、第2濃度計201bが正常であるか否か(S15:第2判定部(処理液用バルブ制御部))、及び第1濃度計201aが正常であるか否か(S16:第1判定部(処理液用バルブ制御部))を判定する。
【0048】
第1濃度計201aと第2濃度計201bとは、同じ処理液の濃度(具体的には、エッチング処理液中のリン酸の濃度)を測定しているので、測定濃度は、本来同じになる。このため、第1濃度計201aでの測定濃度C1と第2濃度計201bでの測定濃度C2との差が、予め設定された所定範囲内であれば、第1濃度計201aと第2濃度計201bとは正常であると判定することができる。一方、循環する処理液の濃度が急激に変動する可能性は低い。そして、第1濃度計201a及び第2濃度計201bの双方が同時に故障する可能性も低い。特に、第1濃度計201aの濃度測定原理と第2濃度計201bの濃度測定原理とが異なるので、同じような環境で使用される第1濃度計201aと第2濃度計201bとが同時に故障する可能性は更に低い。従って、一方の濃度計での測定濃度の推移が安定している状態において、他方の濃度計での測定濃度が急激に変動した場合(例えば、一方の濃度計と他方の濃度計からそれぞれ得られた測定濃度の差が、予め設定された所定範囲を超え、しかも、他方の濃度計で測定される濃度の単位時間当たりの変動幅が予め設定した許容値を超えた場合、あるいは他方の濃度計による測定濃度の単位時間当たりの変動幅が予め設定した許容値を超えた場合)、その他方の濃度計が正常でないと判定することができる。つまり、本実施の形態においては、濃度計に関して、自己診断機能を有している。なお、第1濃度計201aでの測定濃度C1と第2濃度計201bでの測定濃度C2とがともに急激に変動した場合で、測定濃度C1とC2の差が予め設定された許容範囲内であれば、第1濃度計201a、第2の濃度計201bはともに正常で、第1供給タンク11aでの処理液の濃度調整に不具合があると判定することができる。
【0049】
第2濃度計201b及び第1濃度計201aの双方が正常であると判定すると(S15でYES、S16でYES)、制御ユニット30は、第1濃度計201aからの測定濃度C1に基づいて処理液の濃度調整処理を行なう(S17)。具体的には、制御ユニット30は、測定濃度C1が目標濃度となるように、積算流量計14a、
15aでの流量情報を監視しつつ、調整バルブ16a、17aの開閉状態を調整する。その後、制御ユニット30は、処理液の濃度調整のため循環を終了させるための条件、例えば、所定時間が経過した、あるいは、測定濃度C1が目標濃度を中心とした所定濃度範囲に達した等の条件が満たされたか否かを判定する(S18)。処理液の濃度調整のための循環を終了させる条件が満たされていないと判定すると(S18でNO)、制御ユニット30は、上述した手順と同様の手順(S11〜S18)に従って処理を実行する。そして、制御ユニット30は、第1濃度計201a及び第2濃度計201bが正常である状況において、同様の手順(S11〜S18)に従ってその処理を繰返し実行する。その結果、第1濃度計201aでの測定濃度C1に基づいて第1供給タンク11a(処理液調整部)内において処理液の濃度調整(具体的には、エッチング処理液中のリン酸の濃度調整)が行われ、予め設定された目標濃度に調整された処理液(具体的には、リン酸の濃度が目標濃度に調整されたエッチング処理液)が生成される。そして、処理液の濃度調整のための循環が開始されてから所定時間が経過した、あるいは、測定目標C1が目標濃度を中心とした所定濃度範囲に達した等の処理液の濃度調整のための循環を終了させるための条件が満たされると(S18でYES)、制御ユニット30は、第1ポンプ18aを停止させ、第1循環液路P1に設けられた上流側第1バルブ群12aの開閉バルブ120a及び下流側第1バルブ群13aの開閉バルブ130a(第1バルブ機構:
図2A参照)を閉状態に切り換えるとともに、第2循環液路P2に設けられた上流側第2バルブ群12bの開閉バルブ120b及び下流側第2バルブ群13bの開閉バルブ130b(第2バルブ機構:
図2A参照)を閉状態に切り換える。これにより、第1供給タンク11a内における処理液の濃度調整のための循環が停止する。
【0050】
上述した処理の過程で、制御ユニット30は、第2濃度計201bでの測定濃度C2が安定した状態において第1濃度計201aでの測定濃度C1が急激に変動する状況(例えば、第1濃度計201aと第2濃度計201bからそれぞれ得られた測定濃度の差が、予め設定された所定範囲を超え、しかも、第1濃度計201aで検出される濃度C1の単位時間当たりの変動幅が予め設定した許容値を超える状況)になる等により、第1濃度計201aが正常ではないと判定する(S16でNO)と、第1循環
液路P1に設けられた上流側第1バルブ群12aの開閉バルブ120a及び下流側第1バルブ群13aの開閉バルブ130a(第1バルブ機構:
図2A参照)を閉状態に切り換えた(第1バルブ制御部(処理液用バルブ制御部)としての機能)後、並行して第1濃度計201aの校正処理を開始する(S20)。この状態で、前述した第1濃度計測部20a(
図2B参照)における上流側第1切換バルブ202a及び下流側第1切換バルブ203aの切換え動作により、第1濃度計201a(液路Pm1)に処理液が供給されることなく、第1濃度計201aの校正処理が行われる。なお、校正処理については後述する。その後、制御ユニット30は、処理液の濃度調整のための循環を終了させる条件が満たされていないと判定すると(S18でNO)、更に、第1濃度計201aが校正中であるか否かを判定する(S11)。
【0051】
第1濃度計201aの校正処理が開始されているので、制御ユニット30は、第1濃度計201aが校正中であると判定すると(S11でYES)、
図4Bに示す手順に移行し、第2濃度計201b(第2濃度計測部20b:
図2C参照)が校正中であるか否かを判定する(S21)。第2濃度計201bが校正中でなければ(S21でNO)、制御ユニット30は、第2濃度計201bでの測定濃度C2が安定した状態を維持しているか否か(例えば、第2濃度計201bで検出される濃度C2の単位時間当たりの変動幅が予め設定した許容値を超えないか否か)に基づいて第2濃度計201bが正常であるか否かを判定する(S22)。第2濃度計201bが正常であると判定すると(S22でYES)、制御ユニット30は、第2濃度計201bから測定信号に基づいた濃度C2を取得し(S23)、その測定濃度C2に基づいて処理液の濃度調整処理を行なう(S24)。具体的には、制御ユニット30は、測定濃度C2が目標濃度となるように、積算流量計14a、15aでの流量情報を監視しつつ、調整バルブ16a、17aの開閉状態を調整する。その後、制御ユニット30は、
図4Aの手順に戻って、処理液の濃度調整のため循環を終了させるための条件が満たされたか否かを判定し(S18)、処理液の濃度調整のための循環を終了させる条件が満たされていないと(S18でNO)、制御ユニット30は、上述した手順と同様の手順に従って処理を実行する。この場合、第1濃度計201aが校正中であるので、第2濃度計201bでの測定濃度C2に基づいて第1供給タンク11a(処理液調整部)内において処理液の濃度調整が行われ、その調整された濃度の処理液(具体的には、調整された濃度のリン酸を含有するエッチング処理液)が生成される。そして、測定濃度C2が目標濃度を中心とした所定濃度範囲に達した等の処理液の濃度調整のための循環を終了させるための条件が満たされると(S18でYES)、制御ユニット30は、同様に、第1ポンプ18aを停止させる等して、処理液の濃度調整のための循環を終了させる(S19)
【0052】
なお、上述したように第2濃度計201bでの測定濃度C2に基づいて第1供給タンク11a内において処理液の濃度調整(具体的には、エッチング処理液中のリン酸の濃度調整)が行われている状況において、第1濃度計201aの校正処理が終了すると、制御ユニット30は、第1濃度計201a(第1濃度計測部20a)及び第2濃度計201b(第2濃度計測部20b)双方が校正中でない(S11でNO、S12でNO)、と判定するので、閉状態であった第1循環液路P1に設けられた上流側第1バルブ群12aの開閉バルブ120a及び下流側第1バルブ群13aの開閉バルブ130a(第1バルブ機構:
図2A参照)を開状態に切り換えた後、前述した処理の手順と同様の手順(S11〜S18)を繰返し実行する。その結果、再び、第1濃度計201aでの測定濃度C1に基づいて第1供給タンク
11a内において処理液の濃度調整が行われるようになる。
【0053】
更に、第1濃度計201a及び第2濃度計201bの双方が正常であって、第1濃度計201aでの測定濃度C1に基づいて濃度調整処理がなされている過程(S11〜S18)において、例えば、その測定濃度C1の安定が維持された状態で、測定濃度C2が急激に変動する(これは例えば、第1濃度計201aと第2濃度計201bからそれぞれ得られた濃度の差が、予め設定された所定範囲を超え、しかも、第2濃度計201bで検出される濃度C2の単位時間当たりの変動幅が予め設定した許容値を超える)ことによって、第2濃度計201bが正常でないと判定されると(S15でNO)、制御ユニット30は、第2循環液路P2に設けられた上流側第2バルブ群12bの開閉バルブ120b及び下流側第2バルブ群13bの開閉バルブ130b(第2バルブ機構:
図2A参照)を閉状態に切り換えた(第2バルブ制御部(処理液用バルブ制御部)としての機能)後、前述した第2濃度計測部20b(
図2C参照)における上流側第2切換バルブ202b及び下流側第2切換バルブ203bの切換え動作を行って、第2濃度計201bの校正処理を並行して開始する(S25)。以後、制御ユニット30は、第1濃度計201aが校正中ではなく、第2濃度計201bが校正中であることを確認しつつ(S11でNO、S12でYES)、第1濃度計201aからの測定信号に基づいた濃度C1を取得し(S26)、その測定濃度C1が安定した状態を維持していること(この場合は、例えば、第1濃度計201aで検出される濃度C1の単位時間当たりの変動幅が予め設定した許容値を超えないこと)、即ち、第1濃度計201aが正常であることを確認しつつ(S16でYES)、測定濃度C1に基づいて第1供給タンク11aにおける処理液の濃度調整処理(具体的には、エッチング処理液中のリン酸の濃度調整処理)を行なう(S17)。
【0054】
なお、第1濃度計201aが校正中であって、
安定していた第2濃度計201bの
測定濃度C2が急激に変動(例えば、第2濃度計201bで検出される濃度C2の単位時間当たりの変動幅が予め設定した許容値を超えるなど)して、第2濃度計201bが正常でないと判定されると(
図4BのS22でNO)、制御ユニット30は、更に、第2循環液路P2に設けられた上流側第2バルブ群12bの開閉バルブ120b及び下流側第2バルブ群13bの開閉バルブ130b(第2バルブ機構:
図2A参照)を閉状態に切り換えた後、並行して第2濃度計201bの校正処理を開始する(S27)。この状況では、第1濃度計201a及び第2濃度計201bの双方が校正中であるので、制御ユニット30は、第1ポンプ18aを停止させる等して、処理液の濃度調整のための循環を終了させる(S19)。
また、第1濃度計201a及び第2濃度計201bの双方が校正中であると判定されると(
図4AのS11でYES、
図4BのS21でYES)、この場合も、制御ユニット30は、第1ポンプ18aを停止させる等して、処理液の濃度調整のための循環を終了させる(S19)
【0055】
上述したような手順に従って濃度を調整して処理液を生成する装置(処理液生成装置)では、第1濃度計201aが正常でないと判定されても、正常と判定された第2濃度計201bでの測定濃度C2に基づいて処理液の濃度調整(具体的には、エッチング処理液中のリン酸の濃度調整)の処理が継続されるので、正常でない濃度計での測定濃度に基づいた処理液の濃度調整が継続的になされることが防止され、その生成される処理液の濃度の信頼性を向上させることができる。
【0056】
また、1つの濃度計が校正中のときでも、他の濃度計を使って正確な濃度を計測することができるので、処理液の濃度調整を中断させることなく、継続して行うことができる。
【0057】
また、一方の濃度計が故障しても、他方の濃度計での測定濃度に基づいて濃度調整の処理が継続されるので、処理液の濃度調整に係る処理の効率を向上させることができる。
【0058】
なお、前述した処理では、第1濃度計201a及び第2濃度計201bの双方が正常な場合、第1濃度計201aでの測定濃度C1に基づいて濃度調整の処理がなされた(S17参照)が、第1濃度計201a及び第2濃度計201bの双方での測定濃度C1、C2に基づいて、例えば、それらの平均値に基づいて濃度調整の処理を行なうこともできる。
【0059】
上述した校正処理は、
図5に示す手順に従って行われる。なお、第1濃度
計測部20a(
図2B参照)の第1濃度計201a及び第2濃度
計測部20b(
図2C参照)の第2濃度計201bの双方で校正処理は行われるが、それらの校正処理は同じであるので、以下、第1濃度
計測部20a(
図2B参照)の第1濃度計
201aの校正処理を例に説明する。
【0060】
制御ユニット30は、第1循環液路P1に設けられた上流側第1バルブ群12aの開閉バルブ120a及び下流側第1バルブ群13aの開閉バルブ130a(第1バルブ機構:
図2参照)を閉状態に切り換えた後、
図5に示す手順に従って処理を実行する。
図5において、制御ユニット30は、第1洗浄液路Pp1に設けられた上流側第1バルブ群12aの開閉バルブ121a及び下流側第1バルブ群13aの開閉バルブ131a(第5バルブ機構:
図2参照)を開状態にするとともに、第1洗浄液路Pp1に第1濃度
計測部20aにおける液路Pm1が連通されるように、上流側第1切換バルブ202a及び下流側第1切換バルブ203aを動作させる。そして、その第1洗浄液路Pp1に洗浄液(例えば、純水)を所定時間流した後に開閉バルブ121a、131a(第5バルブ機構)を閉状態に切り換える(S31(1))。これにより、第1洗浄液路Pp1を通る洗浄液が第1濃度計測部20aの第1濃度計201aが設けられた液路Pm1を流れ、その液路Pm1とともに第1濃度計
201a(濃度検出部)が洗浄される。
【0061】
その後、制御ユニット30は、第1洗浄液路Pp1に設けられた前記開閉バルブ121a及び131aを閉状態に切り換えた後、第1校正液路Pc1に設けられた上流側第1バルブ群12aの開閉バルブ122a及び下流側第1バルブ群13aの開閉バルブ132a(第3バルブ機構:
図2A参照)を開状態にする(第1校正液用バルブ制御部(第2校正液用バルブ制御部に相当)としての機能)とともに、第1濃度計201aの設けられた液路Pm1が第1校正液路Pc1に連通されるように、上流側第1切換バルブ202a及び下流側第1切換バルブ203aを動作させる。そして、その第1校正液路Pc1に濃度が既知となる第1校正液Lc1を流す(S32(1))。これにより、第1校正液路Pc1を通る第1校正液Lc1が第1濃度
計測部20aの第1濃度計
201a(濃度検出部)が設けられた液路Pm1を流れる。この状態で、制御ユニット30は、第1濃度計201aから出力される測定信号の値(例えば、レベル値)を取得する(S33(1))。その後、制御ユニット30は、第1校正液Lc1の供給を停止させる(S34(1))。
【0062】
以後、濃度の異なる校正液を順次切り換えながら、n番目の校正液Lcnまで、同様の処理(S31(n)〜S34(n)
)を繰返し実行する。そして、制御ユニット30は、各校正液Lc1〜Lcnの濃度と対応する測定信号の値との関係(相関関係)に基づいて、測定信号値と濃度との対応情報を生成する(S35:第1校正処理部(第2校正処理部に相当))。そして、制御ユニット30は、その対応情報に基づいて第1濃度計201aに対して記憶している測定信号値
と濃度との対応テーブルを更新する。このように、本実施の形態においては、正常ではないと判定された濃度計に関して、自己校正機能を有している。このような校正処理が終了した制御ユニット30は、その対応テーブルを参照して第1濃度計201aからの測定信号に基づいた濃度C1を取得する。
【0063】
なお、本実施の形態では、濃度計の自己校正機能について、濃度の異なる校正液を順次用い、各測定信号値と濃度との対応テーブルを更新する例を説明した。しかしながら、校正機能は、例えば、濃度が既知である特定濃度の校正液だけを用いて達成されるものでもよい。例えば、第1洗浄液路Pp1が
液路Pm1に連通する状態で、予め設定された所定時間、洗浄液を流した後、第1校正液路Pc1を
液路Pm1に連通させ、
液路Pm1に特定濃度の校正液を流す。この状態で制御ユニット30は、第1濃度計201aから出力される測定信号の値を取得する。そして、第1濃度計201aが測定した濃度C1が、
液路Pm1に流した特定濃度と一致すれば、濃度計の電極や、濃度計が設けられた
液路内面に付着していたごみなどの除去が行われ、正常に校正されたと判断することができる。このような処理機能を校正機能としてもよい。さらには、第1濃度計201aが測定した濃度C1が、
液路Pm1に流した特定濃度に一致しなかった場合には、
液路Pm1への洗浄液の供給と、校正液の供給とを、予め設定された回数を上限に、繰り返すようにしてもよい。
【0064】
上述したような校正処理が終了すると、制御ユニット30は、第1校正液路Pc1に設けられた開閉バルブ122a及び132aを閉状態に切り換えた後、第1循環
液路P1に設けられた開閉バルブ120a、130aを開状態に切り換える(第1バルブ復帰制御手段(第2バルブ復帰制御手段に相当))。これにより、第1濃度計測部20aの第1濃度計201aを処理液の濃度調整に復帰させることができるようになる。
【0065】
図1に示す基板処理装置では、上述したようにして第1供給タンク11aでの処理液の濃度調整(具体的には、エッチング処理液中のリン酸の濃度調整)が終了すると、三方バルブ21、22が第2供給タンク11b(処理液調整部)側に切り換えられるとともに、三方バルブ23、24が第1供給タンク11a側に切り換えられる。この状態で、第1ポンプ18aの動作により、第1供給タンク
11a内で濃度調整がなされて生成された処理液(具体的には、エッチング処理液)がその第1供給タンク11aからスピン装置100(ノズル111)に供給され、スピン装置100内で第1供給タンク11aから供給される処理液により半導体ウェーハWの表面の処理(エッチング処理)が行われる。そして、スピン装置100から回収される使用済み処理液が回収タンク10を介して第1供給タンク11aに戻される。
【0066】
このように第1供給タンク11aからスピン装置100に処理液が供給されている状態で、第2供給タンク11bでは、上述した手順(
図4A、
図4B等参照)に従って、処理液の濃度調整に係る処理が行われ、所定の濃度となる処理液が生成される。その後、第1供給タンク11a及び第2供給タンク11bでの処理液の濃度調整とスピン装置100への処理液の供給とが相互に切り換えられながら継続的に行われる。
【0067】
上述したような手順に従って校正処理を行なう装置(処理液生成装置)では、正常でないと判定された濃度計であっても、自己校正機能を活用して、自己復帰させることができ、処理液の濃度の信頼性を高めることができる。しかも、先に述べた自己診断機能をも備えているため、処理液の信頼性を常に高めることができる。
【0068】
また、濃度計自体、または濃度計が設けられた液路内面を洗浄する際に使用される洗浄液路を個別に備えているので、濃度計の校正中において、
濃度計を洗浄した際に
濃度計の伝導板(電極)及び
液路内面に付着していたゴミが、処理液が流れる循環液路や校正液が流れる校正液路に混入することを防止することができる。
【0069】
なお、上記実施の形態においては、第1濃度計201aと第2濃度計201bとは、異なる測定原理によって処理液の濃度を測定するものを用いた。しかしながら、2つの濃度計が同時に正常でなくなる確率は低いことを考えると、同じ原理の濃度計としてもよい。
【0070】
また、
図2Aにおいては、第1循環液路P1、第1校正液路Pc1、第1洗浄液路Pp1を個別に設けたが、三方バルブを有する単一配管とし、第1濃度
計測部20aに対して、処理液、校正液、純水を交互に流すようにしてもよい。
第2濃度計測部20bに対して個別に設けられた第2循環液路P2、第2校正液路Pc2、第2洗浄液路Pp2についても同様である。
【0071】
また、上記実施の形態において、第1濃度計201a(
図2B参照)の例として、電気伝導率に基づく濃度計を、第2濃度計201b(
図2C参照)の例として、レーザ光を用いた例を説明した。この場合、洗浄液による濃度計の洗浄についてみると、第1濃度計201aに関しては、例えば第1濃度計201aが有する伝導板(電極)の洗浄などが行われ、第2濃度計201bに関しては、洗浄液による液路内面が洗浄されることになる。
【0072】
また、上記実施の形態においては、処理液としてエッチング液(例えば、リン酸水溶液)を例としたが、濃度を検知しつつ処理を行なう処理液であれば、レジスト剥離液など他の処理液にでも適用できる。また、処理液は、純水以外の複数の成分を含むものであってもよい。この場合、各濃度計は、全ての成分の濃度を測定するものであっても、一または複数の部分的な成分のそれぞれの濃度を測定するものであってもよい。
【0073】
上述した装置では、第1濃度計201aと第2濃度計201bの2つの濃度計が用いられたが、3つ以上の濃度計を用いることもできる。この場合、それら3つ以上の濃度計のうちのいずれか1つを第1濃度計
として、他の1つを第2濃度計とすることができ、また、いずれか1つを第1濃度計または第2濃度計として、残りの濃度計の組を第2の濃度計または第1濃度計とすることもできる。
【0074】
上述した装置では、各開閉バルブ、三方バルブ、調整バルブは、制御ユニット30にて制御される駆動回路によって行われたが、それらのバルブは手動で切り換えられるものであってもよい。この場合、操作者は、第1濃度計201a及び第2濃度計201bでの測定濃度を観察しつつ、上述した手順と同様の手順に従って、各バルブを切り換える。
【0075】
また、上述した装置では、濃度調整の終了した処理液が供給タンク11a(11b)からスピン装置100に供給されると、使用済み処理液が回収液として、供給タンク11a(11b)に戻される構成となっている。このような構成では、供給タンク11a(11b)からスピン装置100に処理液を供給しているときも、供給タンク11a(11b)内の処理液の濃度調整を行なうようにすることが好ましい。この場合、例えば、三方バルブ23、24を第1供給タンク11a側に切り換えて第1供給タンク11a内の処理液をスピン装置100に供給しているとき、三方バルブ21、22も第1供給タンク11a側に切り換える。三方バルブ21、22を第1供給タンク11a側に切り換えた後の、第1供給タンク11a内の処理液の濃度調整、濃度計の自己校正機能は、
図4A、
図4B、
図5を用いて説明した動作と同様である。また、第2供給タンク11bからスピン装置100に処理液を供給するときも同様である。このように構成すれば、スピン装置100への処理液の供給開始時だけでなく、供給中においても濃度管理を行なうことになり、基板処理を継続的に濃度管理された処理液で適切に処理することができる。また、2つの濃度計201a、201bの少なくとも一方が正常であれば、スピン装置100への処理液の供給を継続することができ、しかもその間に、正常ではないと判断された濃度計の校正も実施でき、歩留まり向上にも寄与する。
【0076】
以上、本発明のいくつかの実施形態及び各部の変形例を説明したが、この実施形態や各部の変形例は、一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上述したこれら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明に含まれる。