(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コイルエレメントが前記磁気共鳴信号を受信する受信期間を撮像条件に基づいて特定し、前記受信期間において前記ローカル信号を前記高周波コイル装置に出力させるローカル信号制御部をさらに具備する、
請求項7乃至12のうちいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、図面を参照して、実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置(以下、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置と呼ぶ)を説明する。以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0007】
図1を用いて、本実施形態におけるMRI装置1の全体構成について説明する。
図1は、本実施形態におけるMRI装置1の構成を示す図である。
図1に示すように、MRI装置1は、架台10と、傾斜磁場電源20と、送信回路(送信部)30と、高周波コイル装置40と、受信回路(受信部)50と、寝台装置60と、撮像制御回路(撮像制御部)70と、コンソール80とを有する。
【0008】
架台10は、静磁場磁石101と、傾斜磁場コイル103と、送信コイル105とを有する。なお、架台10は、静磁場磁石101と傾斜磁場コイル103との間において中空の円筒形状のシムコイルを有していてもよい。架台10は、検査室に設置される。
【0009】
静磁場磁石101は、中空の略円筒形状に形成された磁石である。なお、静磁場磁石101は、略円筒形状に限らず、開放型の形状で構成されてもよい。静磁場磁石101は、内部の空間に一様な静磁場を発生する。静磁場磁石101としては、例えば、超伝導磁石等が使用される。
【0010】
傾斜磁場コイル103は、中空の円筒形状に形成されたコイルである。傾斜磁場コイル103は、静磁場磁石101の内側に配置される。傾斜磁場コイル103は、互いに直交するX、Y、Zの各軸に対応する3つのコイルが組み合わされて形成される。Z軸方向は、静磁場の方向と同方向であるとする。また、Y軸方向は、鉛直方向とし、X軸方向は、Z軸及びY軸に垂直な方向とする。傾斜磁場コイル103における3つのコイルは、傾斜磁場電源20から個別に電流供給を受けて、X、Y、Zの各軸に沿って磁場強度が変化する傾斜磁場を発生させる。
【0011】
傾斜磁場コイル103によって発生するX、Y、およびZ各軸に関する傾斜磁場は、例えば、周波数エンコード用傾斜磁場(リードアウト傾斜磁場ともいう)G
r、位相エンコード用傾斜磁場G
φ、およびスライス選択用傾斜磁場G
sにそれぞれ対応している。スライス選択用傾斜磁場G
sは、任意に撮像断面を決めるために利用される。位相エンコード用傾斜磁場G
φは、空間的位置に応じて磁気共鳴(Magnetic Resonance:以下、MRと呼ぶ)信号の位相を変化させるために利用される。周波数エンコード用傾斜磁場G
rは、空間的位置に応じてMR信号の周波数を変化させるために利用される。
【0012】
送信コイル105は、傾斜磁場コイル103の内側に配置されたRFコイルである。送信コイル105は、送信回路30から高周波パルス(RF(Radio Frequency)パルスともいう)の供給を受けて、高周波磁場に相当する送信RF波を発生する。送信コイル105は、例えば、複数のコイルエレメントまたは一つのコイルを有する全身用コイル(whole body coil:WBコイル)である。WBコイルは、送受信コイルとして使用されてもよい。
【0013】
傾斜磁場電源20は、撮像制御回路70による制御のもとで、傾斜磁場コイル103に電流を供給する電源装置である。
図1において傾斜磁場電源20は、架台10の外部に図示されているが、架台10に搭載されてもよいし、架台10等が設置された検査室とは異なる制御室に設置されてもよい。制御室は、架台10からの漏洩磁場や外部からの電磁場等を遮蔽可能なシールドルームである。
【0014】
送信回路30は、撮像制御回路70による制御のもとで、静磁場および傾斜磁場に応じたラーモア周波数(共鳴周波数とも呼ぶ)で変調されたRFパルスを送信コイル105に供給する。
図1において送信回路30は、架台10の外部に図示されているが、架台10に搭載されてもよいし、制御室に設置されてもよい。
【0015】
高周波コイル装置40は、天板603に載置される。高周波コイル装置40は、被検体Pの撮像対象部位に応じた局所的な受信コイルを有する。受信コイルは、例えば、1以上、典型的には複数のコイルエレメントを有するコイルアレイである。以下、説明を具体的にするために、高周波コイル装置40は、MR信号を受信する複数のコイルエレメントを有するものとして説明する。高周波コイル装置40は、天板603とともに、ボア107内に挿入される。高周波コイル装置40は、一つの同軸コネクタを介した同軸ケーブル401を介して、天板603に設けられた接続ポート(同軸コネクタ)605に接続される。
【0016】
高周波コイル装置40は、高周波磁場によって被検体Pから放射されたMR信号を、複数のコイルエレメント各々で受信する。高周波コイル装置40は、複数のコイルエレメントで受信された複数のMR信号を、後述するローカル信号を用いて多重化する。高周波コイル装置40は、多重化されたMR信号を受信回路50へ出力する。なお、高周波コイル装置40は、送受信コイル装置として実施されてもよい。このとき、高周波コイル装置40は、送信回路30からRFパルスの供給を受けて、複数のコイルエレメント各々から送信RF波を発生する。高周波コイル装置40の具体的な構成については、後程説明する。
【0017】
受信回路50は、撮像制御回路70による制御のもとで、高周波コイル装置40から出力されたMR信号をデジタル化することにより、MRデータを生成する。具体的には、受信回路50は、多重化されたMR信号を、コイルエレメントの総数に応じたMR信号に分離する。受信回路50は、分離されたMR信号に対して、前置増幅、中間周波変換、位相検波、低周波増幅、フィルタリング等の各種信号処理を施す。受信コイルは、各種信号処理が施されたMR信号に対して、アナログ/デジタル(A/D(Analog to Digital))変換を実行する。これにより、受信回路50は、MRデータを生成する。受信回路50は、生成されたMRデータを、撮像制御回路70に出力する。
図1において受信回路50は、架台10の外部に図示されているが、架台10に搭載されてもよいし、制御室に設置されてもよい。受信回路50の構成については後程説明する。
【0018】
寝台装置60は、寝台本体601と、天板603とを有する。寝台本体601は、撮像制御回路70による制御のもとで、天板603をボア107内へ挿入する。寝台本体601は、例えば、寝台本体601の長手方向が静磁場磁石101の中心軸と平行になるように、検査室内に設置される。寝台本体601は、インタフェース803を介した操作者の指示により駆動することで、天板603をX、Y、Zの各軸に沿って移動させる。天板603には、被検体Pおよび高周波コイル装置40が載置される。天板603には、高周波コイル装置40から伸びた同軸ケーブル401を接続するための複数の接続ポート605が設けられる。接続ポート605からの出力線は、寝台本体601を介して、受信回路50に接続される。
【0019】
撮像制御回路70は、ハードウェア資源として図示していないプロセッサ、ROM(Read−Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリ等を有する。撮像制御回路70は、処理回路809から出力された撮像プロトコルに従って、傾斜磁場電源20、送信回路30、受信回路50、及び寝台装置60等を制御し、被検体Pに対する撮像を行う。撮像プロトコルは、検査に応じた各種パルスシーケンスを有する。撮像プロトコルには、傾斜磁場電源20により傾斜磁場コイル103に供給される電流の大きさ、傾斜磁場電源20により電流が傾斜磁場コイル103に供給されるタイミング、送信回路30により送信コイル105または高周波コイル装置40におけるコイルエレメント各々に供給されるRFパルスの大きさや時間幅、送信回路30により送信コイル105または高周波コイル装置40におけるコイルエレメント各々にRFパルスが供給されるタイミング、高周波コイル装置40におけるコイルエレメント各々によりMR信号が受信されるタイミング等が定義されている。
図1において撮像制御回路70は、架台10の外部に図示されているが、架台10に搭載されてもよいし、制御室に設置されてもよい。撮像制御回路70におけるローカル信号制御機能701については、後述の応用例において説明する。
【0020】
コンソール80は、バス801と、インタフェース(入力部)803と、ディスプレイ(表示部)805と、記憶装置807と、処理回路(処理部)809とを有する。コンソール80は制御室に設置される。
【0021】
バス801は、インタフェース803と、ディスプレイ805と、記憶装置807と、処理回路809との間でデータを伝送させる伝送路である。バス801には、ネットワーク等を介して、各種生体信号計測器、外部記憶装置、各種モダリティなどが適宜接続されてもよい。
【0022】
インタフェース803は、操作者からの各種指示や情報入力を受け付ける回路を有する。インタフェース803は、例えば、マウス等のポインティングデバイス、あるいはキーボード等の入力デバイスに関する回路を有する。なお、インタフェース803が有する回路は、マウス、キーボードなどの物理的な操作部品に関する回路に限定されない。例えば、インタフェース803は、本MRI装置1とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、受け取った電気信号を種々の回路へ出力するような電気信号の処理回路を有していてもよい。
【0023】
ディスプレイ805は、処理回路809におけるシステム制御機能811による制御のもとで、画像生成機能813により生成された各種MR画像、撮像および画像処理に関する各種情報などを表示する。ディスプレイ805は、例えば、CRTディスプレイや液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、又は当技術分野で知られている他の任意のディスプレイ、モニタ等の表示デバイスである。
【0024】
記憶装置807は、画像生成機能813によりk空間に充填されたMRデータ、画像生成機能813により生成されたMR画像のデータ等を記憶する。記憶装置807は、各種撮像プロトコル、撮像プロトコルを規定する複数の撮像パラメータを含む撮像条件等を記憶する。記憶装置807は、処理回路809で実行される各種機能に対応するプログラムを記憶する。記憶装置807は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスクドライブ(hard disk drive)、ソリッドステートドライブ(solid state drive)、光ディスク等で実現される。また、記憶装置807は、CD−ROMドライブやDVDドライブ、フラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体との間で種々の情報を読み書きする駆動装置等であってもよい。
【0025】
処理回路809は、ハードウェア資源として図示していないプロセッサ、ROMやRAM等のメモリ等を有し、本MRI装置1を統括的に制御する。処理回路809は、システム制御機能811、画像生成機能813等の各種機能を有する。システム制御機能811および画像生成機能813にて行われる各種機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶装置807に記憶されている。処理回路809は、これら各種機能に対応するプログラムを記憶装置807から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読みだした状態の処理回路809は、
図1の処理回路809内に示された複数の機能等を有することになる。
【0026】
なお、
図1においては単一の処理回路809にてこれら各種機能が実現されるものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路809を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより機能を実現するものとしても構わない。換言すると、上述のそれぞれの機能がプログラムとして構成され、1つの処理回路が各プログラムを実行する場合であってもよいし、特定の機能が専用の独立したプログラム実行回路に実装される場合であってもよい。なお、処理回路809が有するシステム制御機能811、画像生成機能813は、それぞれシステム制御部、画像生成部の一例である。
【0027】
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。
【0028】
プロセッサは、記憶装置807に記憶されたプログラムを読み出し実行することで各種機能を実現する。なお、記憶装置807にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、送信回路30、受信回路50、撮像制御回路70等も同様に、上記プロセッサなどの電子回路等により構成されてもよい。
【0029】
処理回路809は、システム制御機能811により、MRI装置1を統括的に制御する。具体的には、処理回路809は、記憶装置807に記憶されているシステム制御プログラムを読み出してメモリ上に展開し、展開されたシステム制御プログラムに従って本MRI装置1の各回路等を制御する。例えば、処理回路809は、システム制御機能811により、インタフェース803を介して操作者から入力された撮像条件に基づいて、撮像プロトコルを記憶装置807から読み出す。なお、処理回路809は、撮像条件に基づいて、撮像プロトコルを生成してもよい。処理回路809は、撮像プロトコルを撮像制御回路70に送信し、被検体Pに対する撮像を制御する。
【0030】
処理回路809は、画像生成機能813により、リードアウト傾斜磁場G
rの強度に従って、k空間のリードアウト方向に沿ってMRデータを充填する。処理回路809は、k空間に充填されたMRデータに対してフーリエ変換を行うことにより、MR画像を生成する。処理回路809は、生成されたMR画像を、ディスプレイ805や記憶装置807に出力する。
【0031】
以上が本実施形態に係るMRI装置1の全体構成についての説明である。以下、本実施形態における高周波コイル装置40および受信回路50等について説明する。
【0032】
図2は、高周波コイル装置40における構成の一例を示す図である。
図2に示すように、高周波コイル装置40は、複数のコイルエレメントと、複数のアンプと、複数の多重化回路とを有する。複数の多重化回路各々は、2つのデュプレクサ(Duplexer)と、ミキサ回路と狭帯域整合回路とを有する。複数のアンプの総数は、複数のコイルエレメントの総数に相当する。複数の多重化回路の総数は、複数のコイルエレメントの半数に相当する。なお、高周波コイル装置40が送受信コイル装置として機能する場合、同軸ケーブル401を介して送信回路30から入力されたRFパルスは、不図示の分波器を介して、複数のコイルエレメント各々に出力される。
【0033】
図2において、複数のコイルエレメントの総数と、複数のアンプの総数と、複数のデュプレクサの総数とは、2n(nは、自然数)として記載されている。また、
図2において、複数の多重化回路の総数と、複数のミキサ回路の総数と、複数の狭帯域整合回路の総数とは、2nの半数nとして記載されている。2nは、例えば64である。このとき、複数の多重化回路の総数は、64/2=32となる。
【0034】
複数のコイルエレメントで受信された複数のMR信号は、複数のアンプでそれぞれ増幅される。増幅された複数のMR信号のうち2つが、複数の多重化回路各々に入力する。複数の多重化回路各々は、後程説明する受信回路50で発生されたローカル信号を、同軸ケーブル401を介して受信回路50から受け取る。複数の多重化回路各々は、入力された2つのMR信号を、ローカル信号の周波数(以下、ローカル周波数と呼ぶ)を用いて多重化する。複数の多重化回路各々は、多重化された2つのMR信号(以下、多重化信号と呼ぶ)を、同軸ケーブル401を介して受信回路50に出力する。
【0035】
例えば、第1コイルエレメントは、第1MR信号を受信する。第1アンプは、第1MR信号を増幅する。増幅された第1MR信号は、第1多重化回路に出力される。第2コイルエレメントは、第2MR信号を受信する。第2アンプは、第2MR信号を増幅する。増幅された第2MR信号は、第1多重化回路に出力される。第1多重化回路は、ローカル信号を用いて第1MR信号と第2MR信号と多重化することで、第1多重化信号を生成する。第1多重化回路は、同軸ケーブル401を介して受信回路50に第1多重化信号を出力する。第3乃至2nコイルエレメント、第3乃至2nアンプ、第2乃至n多重化回路における機能は、上述した内容と同様なため、説明は省略する。また、
図2に示す多重化回路におけるミキサ回路および狭帯域整合回路については後程説明する。
【0036】
図3は、受信回路50における構成の一例を示す図である。
図3に示すように、受信回路50は、複数の分波器と、複数の帯域通過フィルタと、ローカル信号発生器501と、信号処理回路503と、A/D変換器505とを有する。複数の分波器の総数は、複数のコイルエレメントの半数に相当する。複数の帯域通過フィルタの総数は、複数のコイルエレメントの総数に相当する。
【0037】
ローカル信号発生器501は、撮像制御回路70による制御の下で、ローカル周波数を有するローカル信号を発生する。ローカル信号発生器501は、発生されたローカル信号を、複数の分波器に出力する。具体的には、ローカル信号発生器501は、ローカル信号を発生する発振器を有する。ローカル周波数は、静磁場により規定される共鳴周波数により設定される。すなわち、ローカル信号は、静磁場の強度ごと、例えばMRI装置の型番ごとに異なる。不図示の発振器により発生されるローカル信号の電力レベル(デシベルミリワット:dBm)は、ミキサ回路においてMR信号の周波数を変換する変換損失(電力損失)が所定の変換損失となるような電力レベル(以下、ローカル電力と呼ぶ)である。所定の変換損失とは、例えば、広帯域整合によりミキサ回路に入力されるローカル信号を用いてミキサ回路が駆動する際の変換損失に相当する。
【0038】
以下、説明を具体的にするために、静磁場が3Tである場合、ローカル周波数は182MHzとして設定されるものとする。なお、ローカル周波数は、182MHzに限定にされない。すなわち、共鳴周波数にスライス選択用傾斜磁場Gsを加減して規定される帯域にローカル周波数が含まれなければ、ローカル周波数は、どのような周波数であってもよい。
【0039】
なお、ローカル信号発生器501は、高周波コイル装置40に組み込まれてもよい。このとき、複数の分波器および高周波コイル装置40における第2デュプレクサは不要となり、高周波コイル装置40に組み込まれたローカル信号発生器501は、複数の狭帯域整合回路各々に接続される。
【0040】
複数の分波器各々は、同軸ケーブル401を介して高周波コイル装置40から入力された多重化信号を、2つの帯域通過フィルタに出力する。複数の分波器は、ローカル信号発生器501から入力されたローカル信号を、同軸ケーブル401を介して複数の多重化回路に出力する。
【0041】
複数の帯域通過フィルタ各々は、多重化信号から1つのMR信号に取りだす。複数の帯域通過フィルタ各々は、取り出されたMR信号を、信号処理回路503に出力する。
【0042】
信号処理回路503は、コイルエレメントの総数に対応する複数のMR信号各々に対して、上述の各種信号処理を実行する。信号処理回路503は、各種信号処理が実行された複数のMR信号をA/D変換器505に出力する。
【0043】
A/D変換器505は、各種信号処理が実行された複数のMR信号各々に対してA/D変換を実行する。なお、A/D変換器505は、分波器と帯域通過フィルタとの間、または帯域通過フィルタと信号処理回路503との間に設けられてもよい。
【0044】
図2乃至
図4を用いて、第1多重化回路における各種構成要素について説明する。なお、第2乃至n多重化回路における各種構成要素の機能については、第1多重化回路における各種構成要素の機能と同様なため、説明は省略する。
図4は、第1狭帯域整合回路Mcにおける回路構成と第1ミキサ回路Mxとの一例を示す図である。
【0045】
第1アンプにより増幅された第1MR信号は、第1アンプから、第1多重化回路における第1デュプレクサに出力される。第2アンプにより増幅された第2MR信号は、第1多重化回路における第1ミキサ回路Mxに出力される。
【0046】
第1ミキサ回路Mxは、ローカル周波数を有するローカル信号が入力するローカルポートLoを有する。一般的に、ローカルポートLoは、ローカルポートLoに入力される信号(以下、入力信号と呼ぶ)に対して周波数特性を有する。周波数特性とは、入力信号の周波数に対するインピーダンスの依存性と、入力信号の周波数に対する位相の変化の依存性とを意味している。
【0047】
第1ミキサ回路Mxには、第1狭帯域整合回路Mcおよび第1ローカルポートLoを介して、ローカル周波数に対して狭帯域で整合されたローカル信号が入力される。また、第1ミキサ回路Mxには、増幅された第2MR信号が第2アンプから入力される。第1ミキサ回路Mxは、入力されたローカル信号のローカル周波数に従って、入力された第2MR信号の周波数を変換する。このとき、第1ミキサ回路Mxは、ローカルポートLoへの入力前のローカル信号をローカル周波数に広帯域で整合した広帯域整合の場合に比べて少ないローカル電力で駆動する。加えて、第1ミキサ回路Mxは、広帯域整合の場合における周波数の変換に関する変換損失と同等の変換損失で駆動する。すなわち、第1ミキサ回路Mxは、広帯域整合の場合におけるミキサ回路の性能と同等の性能で駆動する。第1ミキサ回路Mxは、周波数変換された第2MR信号を第1デュプレクサに出力する。
【0048】
以下、説明を具体的にするために、共鳴周波数は123MHzであるものとする。この共鳴周波数の値は、あるスライスにおけるZ方向の中心磁場すなわち静磁場(例えば3T)とスライス選択用傾斜磁場G
sとの合計磁場が2.9Tの場合、水素
1Hの磁気回転比(γ≒42.58MHz/T)を用いて計算される水素
1Hの共鳴周波数に相当する。共鳴周波数123MHzは、第1MR信号と第2MR信号とにおける周波数に対応する。
【0049】
第1ミキサ回路Mxは、123MHzを有する増幅された第2MR信号と、182MHzを有するローカル信号とを乗算する。この乗算により生成される乗算信号は、182MHzと123MHzとの和の305MHzと、182MHzと123MHzとの差の59MHzとの2つの周波数成分を有する。これら2つの周波数成分のうち所望の周波数成分は、例えば低周波数成分であるものとする。なお、所望の周波数成分は、これら2つの周波数成分のうち高周波成分であってもよい。このとき、第1ミキサ回路Mxは、低域通過フィルタ等により、これら2つの周波数成分から、低周波数成分、すなわち59MHzの乗算信号を抽出する。第1ミキサ回路Mxは、抽出された乗算信号、すなわち59MHzに周波数変換された第2MR信号を、中間周波数(intermediate frequency:IF)信号として第1デュプレクサに出力する。
【0050】
第1デュプレクサは、第1MR信号と中間周波数を有する第2MR信号とを加算することにより、第1多重化信号を生成する。第1デュプレクサは、第1多重化信号を第2デュプレクサに出力する。
【0051】
第2デュプレクサは、第1デュプレクサから出力された第1多重化信号を、同軸ケーブル401を介して第1分波器に出力する。第2デュプレクサは、同軸ケーブル401を介して受信回路50から出力されたローカル信号を、第1狭帯域整合回路Mcに出力する。
【0052】
第1狭帯域整合回路Mcは、第2デュプレクサから出力されたローカル信号、すなわちローカルポートLoへの入力前のローカル信号を、ローカル周波数に狭帯域で整合する。狭帯域は、例えば、磁気共鳴信号に関する静磁場により規定される共鳴周波数により設定されたローカル周波数とローカル周波数の近傍とを含む帯域である。なお、狭帯域は、ローカル周波数を中心周波数として、プラスマイナス250kHzで規定されてもよい。また、狭帯域は、ローカル周波数を中心周波数として、MR信号の受信に関する帯域幅を有していてもよい。
【0053】
第1狭帯域整合回路Mcは、ローカルポートLoにおける周波数特性に従って狭帯域でのインピーダンス整合と位相の整合とを実現するために、
図4に示すように、複数の抵抗(例えば整合用抵抗)と複数のコイルと複数のコンデンサとにより構成される。なお、
図4に示す回路構成は、一例であり、第1乃至第(n/2)狭帯域整合回路各々は、複数の抵抗と複数のコイルと複数のコンデンサとのうち少なくとも一つを直列または並列で接続する回路構成により構成されてもよい。なお、狭帯域整合回路における回路構成の段数は、狭帯域整合の目的に応じて、適宜設定可能である。また、第1乃至第(n/2)狭帯域整合回路各々は、静磁場内で動作可能な非磁性部品で構成される。
【0054】
以上に述べた構成によれば、以下に示す効果を得ることができる。
本実施形態に係るMRI装置1および高周波コイル装置40によれば、ミキサ回路におけるローカルポートへの入力前のローカル信号をローカル周波数に狭帯域で整合し、狭帯域整合されたローカル信号のローカル周波数に従って、複数のコイルエレメントにより受信されたMR信号の周波数を変換することができる。すなわち、本実施形態によれば、静磁場の強度ごと例えばMRI装置の型番ごとに共鳴周波数は一定であるため、周波数変換に用いられるローカル周波数を狭帯域に制限することができる。
【0055】
また、本実施形態によれば、静磁場により規定される共鳴周波数により設定されたローカル周波数とローカル周波数の近傍とを含む帯域、ローカル周波数を中心周波数としてプラスマイナス250kHzの帯域、またはローカル周波数を中心としてMR信号の受信に関する帯域幅を有する帯域で、狭帯域を規定することができる。
【0056】
また、本実施形態によれば、多重化回路における狭帯域整合回路を、ローカルポートにおける周波数特性に従って狭帯域でのインピーダンス整合と位相の整合とを実現するための整合用抵抗とコイルとコンデンサとのうち少なくとも一つにより実現することができる。
【0057】
これらのことから、本実施形態によれば、狭帯域整合により、ローカルポートに対するローカル信号の入力電力レベルに対する反射電力レベルの比(S11)を、ミキサ回路に入力前のローカル信号をローカル周波数に広帯域で整合した広帯域整合の場合に比べて小さくすることができる、すなわち、本実施形態によれば、広帯域整合の場合に比べてリターンロスを少なくして、ローカル信号をより効率よくミキサ回路に入力することができる。これにより、本実施形態におけるミキサ回路は、ミキサ回路に入力前のローカル信号をローカル周波数に広帯域で整合した広帯域整合の場合に比べて少ないローカル電力で駆動することができる。また、本実施形態によれば、広帯域整合の場合における周波数の変換に関する変換損失と同等の変換損失でミキサ回路が駆動するようなローカル電力を有するローカル信号を、ミキサ回路に入力することができる。
【0058】
例えば、広帯域整合の場合においてローカル電力が+10dBmである場合、本実施形態におけるローカル信号のローカル電力は、0dBmに設定することができる。すなわち、本実施形態によれば、ミキサ回路の動作に必要なローカル電力は、広帯域整合の場合に比べて1/10程度の低電力に設定することができる。ローカルポートで発生する熱は、ローカル電力の大きさに依存するため、本実施形態によれば、高周波コイル装置40における発熱を軽減および抑制することができ、被検体Pに対する安全性を向上することができる。
【0059】
(応用例)
本実施形態との相違は、複数のコイルエレメントがMR信号を受信する受信期間を含む期間においてローカル信号を高周波コイル装置40に出力することにある。
【0060】
撮像制御回路70は、ローカル信号制御機能701を有する。ローカル信号制御機能701は、コンピュータによって実行可能なプログラム(以下、ローカル信号制御プログラムと呼ぶ)の形態で、撮像制御回路70におけるメモリまたは記憶装置807に記憶されている。撮像制御回路70は、ローカル信号制御プログラムを自身のメモリまたは記憶装置807から読み出し、実行することでローカル信号制御機能701を実現するプロセッサである。換言すると、ローカル信号制御プログラムを読みだした状態の撮像制御回路70は、ローカル信号制御機能701を有する。撮像制御回路70が有するローカル信号制御機能701は、ローカル信号制御部の一例である。以下、ローカル信号制御機能701に関する処理手順の動作について、
図5を用いて説明する。
図5は、ローカル信号制御機能701に関する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0061】
(動作)
(ステップSa1)
インタフェース803を介した操作者の指示により、撮像条件が入力、設定されると、撮像制御回路70は、自身のメモリまたは記憶装置807からローカル信号制御プログラムを読み出し、実行する。これにより、ローカル信号制御機能701が実現される。次いで、撮像制御回路70は、撮像条件に基づいて、コイルエレメントがMR信号を受信する受信期間を特定する。受信期間は、パルスシーケンスにおける正のリードアウト傾斜磁場G
rの印加期間に相当する。具体的には、撮像制御回路70は、パルスシーケンスにおいて、受信期間における受信開始時を示すタイミング(以下、受信開始タイミングと呼ぶ)と、受信期間における受信終了時を示すタイミング(以下、受信終了タイミングと呼ぶ)とを特定する。
【0062】
図6は、スピンエコー法におけるパルスシーケンスにおいて、受信期間と受信開始タイミングと受信終了タイミングとの一例を示す図である。
図6に示すように、受信期間Tpは、正のリードアウト傾斜磁場G
rの印加期間と一致する。また、受信開始タイミングTsは、正のリードアウト傾斜磁場G
rの印加開始時刻に対応する。受信終了タイミングTeは、正のリードアウト傾斜磁場G
rの印加終了時刻に対応する。受信期間Tpの中心時刻は、被検体Pへの送信RF波の照射間隔の中心からエコー時間TEが経過した時刻に対応する。
【0063】
以下、説明を具体的にするため、磁気共鳴撮像において実行されるパルスシーケンスは、
図6に示すパルスシーケンスであるものとする。なお、本応用例において適用可能なパルスシーケンスは、
図6に示すパルスシーケンスに限定されず、任意のパルスシーケンスに対して適用可能である。
【0064】
(ステップSa2)
インタフェース803を介した操作者の指示により、撮像制御回路70は、撮像条件に対応する磁気共鳴撮像を実行する。撮像制御回路70は、例えば、
図6に示すようなシーケンスを実行するように、傾斜磁場電源20、送信回路30、及び受信回路50等を制御し、被検体Pに対する撮像を行う。
【0065】
(ステップSa3)
撮像制御回路70は、磁気共鳴撮像の実行中において、受信期間Tpが開始されるか否かを判定する。磁気共鳴撮像の実行中において、受信期間Tpが開始される(ステップSa3のYes)と、ステップSa4の処理が実行される。すなわち、磁気共鳴撮像の実行中における時間tが受信開始タイミングTsに到達したことに応答して、撮像制御回路70は、ステップSa4の処理を実行する。
【0066】
換言すれば、磁気共鳴撮像の実行中において、受信期間Tpが開始されるまで、すなわち時間tが受信開始タイミングTsに到達するまで(ステップSa3のNo)、撮像制御回路70は、ステップSa3の処理を繰り返す。このとき、ローカル信号は生成されないため、ローカルポートは発熱しない。
【0067】
(ステップSa4)
撮像制御回路70は、受信期間Tpにおいて、ローカル信号を高周波コイル装置40に出力させる。具体的には、撮像制御回路70は、受信開始タイミングTsを契機として、ローカル信号を発生させるためにローカル信号発生器501における発振器を制御する。この制御により、受信期間Tpに亘って、発振器はローカル信号を発生する。ローカル信号発生器501は、発生されたローカル信号を、高周波コイル装置40へ出力する。
【0068】
(ステップSa5)
撮像制御回路70は、磁気共鳴撮像の実行中において、受信期間Tpが終了されるか否かを判定する。磁気共鳴撮像の実行中において、受信期間Tpが終了される(ステップSa5のYes)と、ステップSa6の処理が実行される。すなわち、磁気共鳴撮像の実行中における時間tが受信終了タイミングTeに到達したことに応答して、撮像制御回路70は、ステップSa6の処理を実行する。換言すれば、磁気共鳴撮像の実行中において、受信期間Tpが終了されるまで、すなわち時間tが受信終了タイミングTeに到達するまで(ステップSa5のNo)、撮像制御回路70は、ステップSa5の処理を繰り返す。
【0069】
(ステップSa6)
撮像制御回路70は、高周波コイル装置40へのローカル信号の出力を停止する。すなわち、複数のコイルエレメントがMR信号を受信しない非受信期間において、撮像制御回路70は、ローカル信号を停波する。具体的には、撮像制御回路70は、受信終了タイミングTeを契機として、ローカル信号を停止させるために発振器を制御する。この制御により、受信終了タイミングTe以降において、時間tが新たな受信開始タイミングTsとなる時刻まで、発振器は、ローカル信号の発生を停止する。
【0070】
(ステップSa7)
撮像制御回路70は、磁気共鳴撮像が終了するまで(ステップSa7のNo)、ステップSa3乃至ステップSa7の処理を繰り返す。
【0071】
ステップSa4およびステップSa6の処理では、発振器の動作のON/OFF制御により、撮像制御回路70は高周波コイル装置40へのローカル信号の出力の有無を制御しているが、本応用例においては、発振器の動作のON/OFF制御に限定されない。
【0072】
本応用例の変形例として、例えば、ローカル信号発生器501は、ローカル信号発生器501から複数の分波器までローカル信号が伝送される信号線(以下、ローカル信号伝送線と呼ぶ)のON/OFFを切り替えるスイッチ、すなわち発振器とローカル信号伝送線との間に設けられたスイッチを有する。このとき、ローカル信号発生器501における発振器は、常時ローカル信号を発生する。撮像制御回路70は、ローカル信号制御機能701によりスイッチのON/OFFを制御する。具体的には、ステップSa4における処理おいて、撮像制御回路70は、受信期間Tpにおいて発振器の後段に設けられたスイッチをONにすることで、ローカル信号をローカル信号発生器501から高周波コイル装置40に出力させる。また、ステップSa6における処理おいて、撮像制御回路70は、非受信期間においてスイッチをOFFにすることで、ローカル信号発生器501から高周波コイル装置40へのローカル信号の供給を遮断する。
【0073】
なお、ローカル信号を発生させる期間(以下、ローカル信号発生期間と呼ぶ)、またはローカル信号を高周波コイル装置40に出力させる期間(以下、ローカル信号出力期間と呼ぶ)は、MR信号の受信期間Tpに限定されない。例えば、撮像制御回路70は、ローカル信号制御機能701により、受信期間Tpを包含するように、ローカル信号発生期間またはローカル信号出力期間を拡張して設定してもよい。
図6における期間eTpは、拡張されたローカル信号発生期間を示している。
図6に示すように、ローカル信号発生期間の第1拡張幅Ew1および第2拡張幅Ew2は、予め設定され、例えば、撮像制御回路70におけるメモリまたは記憶装置807等に記憶される。第1拡張幅Ew1および第2拡張幅Ew2は、それぞれ異なる時間幅であってもよいし、同一の時間幅であってもよい。第1拡張幅Ew1および第2拡張幅Ew2は、例えば操作者の指示により、設定・変更可能である。
【0074】
撮像制御回路70は、受信開始タイミングTsから第1拡張幅Ew1だけ遡った時点を、ローカル信号発生期間の開始時点またはローカル信号出力期間の開始時点として設定する。撮像制御回路70は、受信終了タイミングTeから第2拡張幅Ew2だけ経過した時点を、ローカル信号発生期間の終了時点またはローカル信号出力期間の終了時点として設定する。撮像制御回路70は、拡張されたローカル信号発生期間eTpに亘ってローカル信号を発生させるために、ローカル信号発生器501における発振器を制御する。また、撮像制御回路70は、拡張されたローカル信号出力期間に亘ってスイッチをONにすることで、ローカル信号をローカル信号発生器501から高周波コイル装置40に出力させる。本変形例によれば、安定したローカル信号を、受信期間Tpに亘って高周波コイル装置40に確実に出力させることができる。
【0075】
本応用例の変形例として、複数のMR信号をローカル信号を用いて多重化することが適用されるパルスシーケンス(以下、多重化適用シーケンスと呼ぶ)が設定されると、多重化適用シーケンスの開始時点にローカル信号が発生され、多重化適用シーケンスの終了時点に、ローカル信号が停波されてもよい。具体的には、撮像制御回路70は、例えば、インタフェース803を介した操作者の指示、または高周波コイル装置40と接続ポート605との接続等を契機として、多重化適用シーケンスを設定する。多重化適用シーケンスが設定されると、撮像制御回路70は、ローカル信号制御機能701により、多重化適用シーケンスの開始時点において、ローカル信号を発生させるためにローカル信号発生器501における発振器を制御する。撮像制御回路70は、多重化適用シーケンスの終了時点において、ローカル信号を停波させるためにローカル信号発生器501における発振器を制御する。
【0076】
図7は、本変形例に係る多重化適用シーケンスにおいて、多重化適用シーケンスの開始時点STsと、多重化適用シーケンスの終了時点STeと、高周波コイル装置40へのローカル信号の出力期間との一例を示す図である。
図7に示すように、多重化適用シーケンスの実行期間に亘ってローカル信号は高周波コイル装置40に出力される。これにより、本変形例によれば、多重化適用シーケンスの実行時において、安定したローカル信号を、受信期間Tpに亘って高周波コイル装置40に確実に出力させることができる。
【0077】
以上に述べた構成によれば、本実施形態における効果に加えて、以下に示す効果を得ることができる。
本実施形態に係るMRI装置1によれば、コイルエレメントがMR信号を受信する受信期間を撮像条件に基づいて特定し、特定された受信期間においてローカル信号を高周波コイル装置40に出力させることができる。これにより、MR信号の受信時のみミキサ回路にローカル信号を供給することができるため、すなわちRF信号を受信しない期間ではローカル信号を停波することができるため、ミキサ回路のローカルポートで消費されるローカル電力をさらに削減することができる。これらのことから、本応用例によれば、高周波コイル装置40における発熱をさらに軽減およびさらに抑制することができ、被検体Pに対する安全性をさらに向上することができる。
【0078】
以上に述べた実施形態および応用例等のMRI装置1および高周波コイル装置40によれば、高周波コイル装置における発熱を軽減することができる。
【0079】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。