(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6918708
(24)【登録日】2021年7月27日
(45)【発行日】2021年8月11日
(54)【発明の名称】適応型電力供給装置及び電力供給方法
(51)【国際特許分類】
H02J 1/00 20060101AFI20210729BHJP
H02J 13/00 20060101ALI20210729BHJP
【FI】
H02J1/00 306F
H02J13/00 B
【請求項の数】11
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-560927(P2017-560927)
(86)(22)【出願日】2016年5月24日
(65)【公表番号】特表2018-516058(P2018-516058A)
(43)【公表日】2018年6月14日
(86)【国際出願番号】EP2016061699
(87)【国際公開番号】WO2016189002
(87)【国際公開日】20161201
【審査請求日】2019年5月13日
(31)【優先権主張番号】15169178.9
(32)【優先日】2015年5月26日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ウェント マティアス
(72)【発明者】
【氏名】イセブート レナート
【審査官】
田中 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2006/0149978(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0052546(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0135086(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 1/00−5/00
H02J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電力受信装置に電力を供給する電力供給装置であって、前記電力供給装置は、パワー・オーバ・イーサネット(登録商標)によって電力を供給する電源機器であって、前記電力供給装置は、
電力受信装置を検出し、前記電力受信装置との電力ネゴシエーションを実行する電力ネゴシエーションユニットと、
前記電力受信装置の各々の電力消費を監視する電力監視ユニットと、
前記電力受信装置の前記電力消費が所定の消費閾値を超過することに応じて、前記電力ネゴシエーションにおいて前記電力受信装置に割り当てられた電力バジェットを増加する電力制御ユニットと
を含み、
前記消費閾値は、
一定のマージンを付与されて前記割り当てられた電力バジェットになるもの、又は
前記割り当てられた電力バジェットの固定割合、又は
前記割り当てられた電力バジェットに経時的に近づくものであり、
前記電力制御ユニットは、前記電力受信装置の前記電力消費の変化率が所定の変化率閾値未満である場合にのみ、前記電力バジェットを増加し、
前記電力制御ユニットは、更に、前記電力受信装置の前記電力消費が前記電力バジェットを超過する場合に、前記電力受信装置への電力供給を少なくとも一時的に中断する、
電力供給装置。
【請求項2】
前記電力制御ユニットは、前記複数の電力受信装置に割り当てられた電力バジェットの合計が、前記複数の電力受信装置に前記電力供給装置によって供給可能な電力の合計未満である場合にのみ、前記電力バジェットを増加する、
請求項1に記載の電力供給装置。
【請求項3】
前記電力制御ユニットは、前記電力受信装置の前記電力消費の変化率、及び、前記複数の電力受信装置に割り当てられた電力バジェットの前記合計と前記複数の電力受信装置に前記電力供給装置によって供給可能な電力の前記合計との間の差に基づいて、前記電力バジェットが増加される時間を決定し、
前記電力供給装置は、決定された前記時間を示す信号を出力するための出力ユニットを更に含む、
請求項2に記載の電力供給装置。
【請求項4】
前記電力制御ユニットは、前記電力受信装置に割り当てられた電力バジェットを増加する際に、又はその前に、少なくとも1つの異なる電力受信装置に割り当てられた電力バジェットを低減する、
請求項1に記載の電力供給装置。
【請求項5】
前記電力制御ユニットは、電力受信装置の当初の電力バジェットと増加した電力バジェットとの間の差を決定し、
前記電力供給装置は、前記差が所定の差分閾値を超過する場合に、前記差が前記所定の差分閾値を超過することを示す信号を出力するための出力ユニットを更に含む、
請求項1に記載の電力供給装置。
【請求項6】
前記電力制御ユニットは、電力受信装置の当初の電力バジェットと増加した電力バジェットとの間の差を決定し、
前記電力制御ユニットは、前記当初の電力バジェットと前記増加した電力バジェットとの前記差が所定の範囲値未満である場合にのみ電力バジェットを増加し、前記所定の範囲値は、定数項であるか、又は前記当初の電力バジェットの比率に基づいて設定される、
請求項1に記載の電力供給装置。
【請求項7】
前記電力制御ユニットが前記電力バジェットを増加することが可能でない場合、前記電力制御ユニットは、電力受信装置への電力供給を少なくとも一時的に中断することに加えて、更に、前記電力制御ユニットが前記電力バジェットを増加することを可能とされていないことを示す信号を供給する、
請求項1、2、又は6に記載の電力供給装置。
【請求項8】
要求に応じて及び/又は所定の条件を満たす際に、前記電力制御ユニットは、前記電力受信装置のそれぞれの現在の電力消費に基づいて、前記複数の電力受信装置の少なくとも2つに割り当てられた前記電力バジェットを設定するように設けられている、
請求項1に記載の電力供給装置。
【請求項9】
メモリをさらに含み、
前記電力制御ユニットは、前記電力バジェットを増加することに関する情報を前記メモリ内に記憶する、
請求項1に記載の電力供給装置。
【請求項10】
電力供給装置によって複数の電力受信装置に電力を供給する方法であって、前記電力供給装置は、パワー・オーバ・イーサネット(登録商標)によって電力を供給する電源機器であって、前記方法は、
電力受信装置を検出し、前記電力供給装置と前記電力受信装置との間で電力ネゴシエーションを実行する電力ネゴシエーションステップと、
前記電力受信装置の各々の電力消費を監視する前記電力供給装置による電力監視ステップと、
前記電力受信装置の前記電力消費が所定の消費閾値を超過することに応じて、前記電力ネゴシエーションにおいて前記電力受信装置に割り当てられた電力バジェットを増加する前記電力供給装置によるバジェット調整ステップと
を含み、
前記消費閾値は、
一定のマージンを付与されて前記割り当てられた電力バジェットになるもの、又は
前記割り当てられた電力バジェットの固定割合、又は
前記割り当てられた電力バジェットに経時的に近づくものであり、
前記バジェット調整ステップは、前記電力受信装置の前記電力消費の変化率が所定の変化率閾値未満である場合にのみ、前記電力バジェットを増加し、
前記方法は、前記電力受信装置の前記電力消費が前記電力バジェットを超過する場合に、前記電力受信装置への電力供給を少なくとも一時的に中断する前記電力供給装置による電力中断ステップを更に含む、
方法。
【請求項11】
前記電力供給装置から前記複数の電力受信装置への電力の供給を制御するコンピュータプログラムであって、請求項1に記載の電力供給装置に請求項10に記載の方法のステップを実行させるコード手段を含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電力受信装置に電力を適応的に供給するための方法と適応型電力供給装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第7,650,519B1号は、グラフィックユーザインターフェースをパワードネットワークに接続するためのシステム及び方法を記載する。ネットワーク式グラフィックユーザインターフェースシステムは、パワードネットワークケーブルを介して送信される符号化されたコンピュータユーザインターフェース信号を複数の信号セットに変換し、各セットは周辺装置インターフェースに関連付けられる。周辺装置の承認を管理するための方法についても記載されている。接続基準は、接続の電力バジェット、装置の特性、装置の電力要件、及びパワードネットワーク接続を共有する他の装置の特性を含む。
【0003】
電力供給装置から複数の電力受信装置に電力を供給するために商業的に実施されたシステムは、所謂“パワー・オーバ・イーサネット(登録商標)”(PoE)であり、電力供給装置は、“給電機器” (PSE)と呼ばれ、電力受信装置は、“受電装置”(PD)と呼ばれる。
【0004】
現在検討中のPoE規格(IEEE 802.3bt)では、“オートクラス”と呼ばれる仕組みが議論されており、これは、PSEが有効チャネル損失を含む有効最大PD電力に電力バジェットを設定し得るように、PDがその有効最大電力消費をPSEに伝達することを可能にする分類メカニズムである。これの目的は、有効に使用された電力だけがバジェットされるため、利用可能な電力をより効率的に使用することである。
【0005】
このための可能なプロセスは、(ケーブル等を挿入することによって接続が供給された後)制御された突入のステップを有し、配分された電力バジェットは、PDの(PDが起動された後)最大電力消費の、初期の最大可能電力に対応し、PSEが(最大)電力消費を測定し、最終的に(例えば、電力要件の変動及び測定の変動又は誤差に適応するマージンを追加することによって計算された)最大電力消費の測定値に基づいてPDに対しPSEによって電力バジェットの再配分を行う。
【0006】
このようなオートクラスのアプローチは、PoEによって供給される従来の電力クラスと比較して、電力の配分においてより細かい粒度、次いで改善された電力管理を可能にする。
【0007】
しかしながら、PD電力要件が寿命にわたって安定せずに変化する、いくつかのPoEアプリケーションでは依然として問題が存在する。PDの最大電力が経時的に増加している場合、過負荷検出はPSEのPDへの電力供給をオフに切り替えることの引き金となる。
【0008】
これが起こり得るPDの典型的な例はロボットシステムであり、例えば、歯車の摩耗又はグリースの経年劣化が移動抵抗を増加し、次いで電気駆動に必要とされる電力を増加する。照明用途において、LED効率の低下及び照明器具の光学品質の低下が、入力電力の必要性を増加させる。
【0009】
(以前の規格に対応する)草案規格IEEE 802.3btに現在含まれている方法によれば、分類サイクル中に分類されるよりも多くの電力を必要とするPDは、引き出された電力が、PSEが記憶している過電力閾値を上回るときはいつでもオフに切り替えられる。リトライサイクルにおいて、PSEは、PDが再度オンに切り替えられる前に、PDを再分類する。照明用途のランプでは、これは、それらが時間内のある時点でオフに切り替えられることを意味する。十分な電力バジェットの予備が利用可能である限り、ランプは再始動され得るが、不快なちらつきが照明スペースのユーザを刺激する。
【0010】
このような電力の増加に対処する直接的な可能性は、経時的に必要であり、オフ及びオンの切り替えを避けるためには、増加した電力であっても依然として配分された電力バジェット内に収まるように、マージンを適切に増加する。しかしながら、このようなアプローチは、草案規格IEEE 802.3btによって意図された、改善された電力管理を相殺してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、上記の問題に対処する複数の電力受信装置に電力供給装置によって電力を供給し、電源の切断及び再分類の従来の必要性を低減しながら、電力を適応的に供給することを可能にする方法と、複数の電力受信装置に電力を供給するための電力供給装置とを供給することである。
【0012】
本発明の第1の態様において、複数の電力受信装置に電力を供給するために設けられた電力供給装置が提示され、電力供給装置は、パワー・オーバ・イーサネット(登録商標)によって電力を供給する電源機器であって、電力供給装置は、電力受信装置を検出し電力受信装置との電力ネゴシエーションを実行する電力ネゴシエーションユニットと、各電力受信装置の電力消費を監視する電力監視ユニットと、前記電力受信装置の電力消費が電力ネゴシエーションにおいて割り当てられた前記電力受信装置への電力バジェットを超過した場合に、電力受信装置への電力供給を少なくとも一時的に中断する電力制御ユニットとを含み、電力制御ユニットは、更に、前記電力受信装置の電力消費が所定の消費閾値を超過することに応じて、前記電力受信装置に割り当てられた電力バジェットを更に増加するように構成される。
【0013】
本発明の更なる態様において、電力供給装置によって複数の電力受信装置に電力を供給する方法であって、電力供給装置は、パワー・オーバ・イーサネット(登録商標)によって電力を供給する電源機器であって、方法は、電力受信装置を検出し電力供給装置と電力受信装置との間で電力ネゴシエーションを実行する電力ネゴシエーションステップと、各電力受信装置の電力消費を監視する電力供給装置による電力監視ステップと、前記電力受信装置の電力消費が電力ネゴシエーションにおいて割り当てられた前記電力受信装置への電力バジェットを超過した場合に、電力受信装置への電力供給を少なくとも一時的に中断する電力供給装置による電力中断ステップとを含み、方法は、前記電力受信装置の電力消費が所定の消費閾値を超過することに応じて、電力供給装置によって前記電力受信装置に割り当てられた電力バジェットを増加するバジェット調整ステップを更に含む。
【0014】
上記の問題は、過電力限界に達する事象を回避するために、電力バジェットを調整する能力を、電力供給装置に与えることによって、克服されるか、少なくとも低減されることが、本発明者によって実現され、これにより電力受信装置の展開に次のバジェットを途切れなく供給できる。
【0015】
言い換えれば、本発明は、(電力供給装置の一例として)PSEにおける“動的電力クラス”メカニズムが、(電力受信装置の一例として)PDの監視された電力でバジェットした電力を絶えず調整していることを提供する。このようにして、電力受信装置の最大電力消費の増加の典型的な理由は、中間のパワーオフサイクリングなしで調整され得る。
【0016】
好ましい実施形態において、電力制御ユニットは、複数の電力受信装置に割り当てられた電力バジェットの合計が、複数の電力受信装置に電力供給装置によって供給可能な電力の合計未満である場合にのみ、電力バジェットを増加する。
【0017】
バジェット超過をある程度許容することが可能であって、全ての電力受信装置が同時にそれらの完全なバジェットを要求することはないことを考慮しても、全ての割り当てられた電力バジェットの合計は、総利用可能電力を超過しないことが好ましい。
【0018】
好ましい実施形態の変形例において、電力制御ユニットは、前記電力受信装置の電力消費の変化率、及び、複数の電力受信装置に割り当てられた電力予算の合計と複数の電力受信装置に電力供給装置によって供給可能な電力の合計との間の差に基づいて、電力バジェットが増加される時間を決定し、電力供給装置は、前記決定された時間を示す信号を出力するための出力ユニットを更に含む。
【0019】
このような決定された又は推定された時間に基づいて、ユーザは、例えば、電力限界に達する前の適切な時間に増加した電力需要を示す電力受信装置を交換するためのステップに進む。
【0020】
好ましい実施形態において、電力制御ユニットは、前記電力受信装置に割り当てられた電力バジェットを増加する際に、又はその前に、少なくとも1つの異なる電力受信装置に割り当てられた電力バジェットを低減する。
【0021】
電力バジェット上の動的アプローチは、別の割り当てられた電力バジェットを一時的に低減することも可能にし、時間内の後の時点で(再び)増加される。
【0022】
好ましい実施形態において、電力制御ユニットは、前記電力受信装置の電力消費の変化率が所定のレート閾値未満である場合にのみ、電力バジェットを増加する。
【0023】
ある変化率を超えた電力消費の変化は、誤作動を示し、この状況においては好ましくは割り当てられた電力バジェットにおいて増加がない。
【0024】
好ましい実施形態において、電力制御ユニットは、電力受信装置の当初の電力バジェットと増加した電力バジェットとの間の差を決定し、電力供給装置は、所定の差分閾値を超過する前記差を示す信号を出力するための出力ユニットを更に含む。
【0025】
差分閾値は、電力需要を増加させる電力受信装置でのある程度の劣化等を示す手段として使用される。
【0026】
好ましい実施形態において、電力制御ユニットは、電力受信装置の当初の電力バジェットと増加した電力バジェットとの間の差を決定し、電力制御ユニットは、当初の電力バジェットと増加した電力バジェットとの差が所定の範囲値未満である場合にのみ電力バジェットを増加し、所定の範囲値は、定数項であるか、又は当初の電力バジェットの比率に基づいて設定される。
【0027】
総利用可能電力がこのような調整を可能にし、許容可能な経時的変化が制限される限り、割り当てられた電力バジェットが調整されるか又は増加されることは必ずしも必要ではない。
【0028】
複数の電力受信装置に割り当てられた電力バジェットの合計が、複数の電力受信装置に電力供給装置によって供給可能な電力の合計未満である場合にのみ、前記電力受信装置の電力消費の変化率が所定のレート閾値未満である場合にのみ、及び/又は、当初の電力バジェットと増加した電力バジェットとの差が所定の範囲値未満である場合にのみ、電力バジェットの増加が可能になる、好ましい実施形態の変更例において、所定の範囲値は、定数項であるか、又は当初の電力バジェットの比率に基づいて設定され、電力制御ユニットが電力バジェットを増加することが可能でない場合、電力制御ユニットは、電力受信装置への電力供給を少なくとも一時的に中断することに加えて、電力制御ユニットが電力バジェットを増加することを可能とされていないことを示す信号を更に供給する。
【0029】
好ましくは、電力供給の中断が行われる前に、この実施形態による電力供給装置は、例えば、データ信号を用いて、音及び/又は光によって、電力バジェットの調整が不可能であり、したがって、割り当てられた電力バジェットの超過が将来予測されることを示す。
【0030】
好ましい実施形態において、要求に応じて及び/又は所定の条件を満たす際に、前記電力受信装置のそれぞれの現在の電力消費に基づいて、複数の電力受信装置の少なくとも2つに割り当てられた電力バジェットを設定するように電力制御ユニットが設けられる。
【0031】
いくつかの電力バジェットを再設定又は再割り当てすることは、特定の割り当てられた電力バジェットを調整する前に、全ての利用可能な電力を再分配することを可能にする。
【0032】
好ましい実施形態において、電力供給装置は、メモリを更に含み、電力制御ユニットは、電力バジェットを増加することに関する情報をメモリ内に記憶する。
【0033】
本発明の更なる態様において、電力供給装置から複数の電力受信装置への電力の供給を制御するソフトウェア製品が供給され、ソフトウェア製品は、本発明による電力供給装置に本発明による方法のステップを実行するコード手段を含む。
【0034】
請求項1に記載の複数の電力受信装置に電力を供給する電力供給装置、請求項11に記載の複数の電力受信装置に電力供給装置によって電力を供給する方法、及び、請求項12に記載のコンピュータプログラムは、特に、従属請求項に規定されたような、同様の及び/又は同一の好ましい実施形態を有することを理解されたい。
【0035】
本発明の好ましい実施形態は、従属請求項又は上記の実施形態のそれぞれの独立請求項との任意の組み合わせであってもよいことを理解されたい。
【0036】
本発明のこれらの態様及び他の態様は、以下に記載される実施形態を参照して明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】電源の切断による再分類を含む、電力バジェットの従来の配分による経時的な展開を示す。
【
図2】本発明の実施形態による経時的な展開を示しています。
【
図3】本発明の一実施形態による電力供給機器の概略図を示す。
【
図4】本発明の別の実施形態による電力供給機器の概略図を示す。
【
図5】本発明の一実施形態によるプロセスを示すフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、パワー・オーバ・イーサネット(登録商標)の場合の、電源の切断による再分類を含む、電力バジェットの従来の配分による経時的な展開を示す。
図1(及び
図2)において、縦軸は電力を示し、横軸は時間を示す。
【0039】
線100は、PDによる電力消費又はPSEによって供給された電力を示す。
【0040】
上記のように、PDの動作開始時(時間軸の位置A)に、PSEはPDによって消費される最大電力120を検出し、その上にマージン121を追加して過電力閾値122に至り、結果として割り当てられる電力バジェットが得られる。オンに切り替えた時(101)からのPDは、長期間(縮尺通りではない)にわたってより多くの電力量を消費している(102)。これが103(時間軸の位置B)で過電力閾値に達すると、PSEは関連するポートを非アクティブにし、新しいネゴシエーションサイクルを開始する(このサイクルの間、ランプであるPDはオフに切り替えられ、関連スペースは照明されない)。このとき、PDは、より高い所要電力量130を通知するために、“オートクラス”を使用し得る。更に、マージン131が追加され、新たな過電力閾値132、すなわち割り当てられた電力バジェットに至る。PDが再びオンに切り替えられる104(時間軸の位置C)。PDが再び位置105で過電力閾値に達すると(時間軸の位置D)、PSEは非アクティブ化し、以下同様である。これは、(時間軸の位置Eに続いて)過電力スイッチがオフに切り替えられた後、新たなネゴシエーションが開始しないか又はネゴシエーションが続行しない時に、代替的に、PSEによってネゴシエーションが開始されたが、バジェットが使い尽くされてPDの再給電に至っていない場合、より多くの電力のためのバジェットが利用できなくなるまで(位置107)(時間軸の位置F)続く。
【0041】
図2は、本発明の実施形態による経時的な展開を示す。
【0042】
PDによる電力消費又はPSEによる電力供給の展開の開始(線200によって示される)は、上記の議論及び
図1の場合、すなわち通常の“オートクラス”PoEシステムの場合に対応する。開始後(時間軸の位置G)、電力バジェットは、追加のマージン221を有する前のパルスレベル201においてPDによって提示された“オートパワー”値に対応する値222で初期化される。ここでもまた、電力消費閾値220が設定される。
【0043】
この実施形態において、たとえ異なる設定も可能であるとしても、電力初期消費は、前に測定した最大初期電力消費201に設定される。
【0044】
PDは、分類が完了された後に初期電力202を引き出す。(203によって示されるように)PDの電力需要が緩やかに増加し、点204で当初の設定消費閾値220に(平均して)達すると、バジェット及び消費閾値は(バジェットに対して一定のマージンを維持しながら)、電力需要に沿って増加する。
【0045】
この実施形態において、消費閾値220は、割り当てられた電力バジェット222に対して一定のマージン221が供給されるが、これは本発明の全ての実施形態において必ずしも当てはまるわけではないことに留意されたい。代替的に、消費閾値は、割り当てられた電力バジェットの固定された部分であってもよいし(すなわち、消費閾値と電力バジェットとの間の比率を維持している)、又は、割り当てられた電力バジェットに経時的に近づくこともできる。
【0046】
位置205でPSEの最大利用可能なバジェット91に達すると(時間軸の位置H)、(バジェットをレベル223に保持したまま)自動調整は終了し、したがって消費閾値はレベル90に留まる。
【0047】
最終的に、消費電力が割り当てられた電力バジェットに達すると(点206又は時間軸の位置I)、電力バジェットの更なる調整はもはや不可能であり、過電力管理が電力供給を遮断する。
【0048】
図2の場合、検出は、過電流を監視するためにPSEによっても使用される電流監視が、PD電力消費の任意の変化を観察するために使用されることを意味する。したがって、電力は、電流のみを見て、PDの電圧が変化していないと推定することによって推定される。電力バジェットは、PD電流リップル及び測定時の任意のノイズに十分なマージンを保持する値に設定される。
【0049】
それにも関らず、PDでの電圧における可能な変化を考慮に入れることも可能である。
【0050】
図3は、本発明の実施の形態に従う電力供給機器の概略図を示す。
【0051】
具体的に、
図3は、電力供給装置の一例として本発明によるPoE PSE 2を示し、主電源から電力を受信するための引込線1とPD3へのいくつかの接続線6とを含む。この図において、電力ネゴシエーションユニットは示されない。
【0052】
PSEは、ポート制御手段22を介してPSEポート23に給電する主電源21を含む。このユニット22(電力制御ユニットの一部の例として)は、ポート23毎に絶縁スイッチ291‐29n及び電流測定手段281‐28nを有する。測定された電流は、PDの電力使用量が一貫して増加していることを(特に)検出し、それに応じて(メモリの一例として)PSEポート電力バジェットリスト24を変更するために、(電力監視ユニットの一例として)PSE‐PI電力モニタ25内で使用される。このリストの情報は、バジェットした電力よりも多くの電力を消費するポート23(又はPD3)を順番に切り替えるために、(電力制御ユニットの更なる一例として)PSE PI過負荷保護システム26によって使用される。PSE‐PI電力モニタ25からPSE PI過負荷リスト24への情報フロー27は、分類時間中に提示される最大電力にバジェットが調整されるので、議論された“オートクラス”PSEに既に存在する。したがって、このコンテキストにおいて、“オートクラスPSE”と比較して動的電力クラスのメカニズムを実施するための新しいハードウェアは必要とされない。
【0053】
ここで説明されるメカニズムは、割り当てられた電力バジェットと当初決定された最大電力消費との間のマージンを、電流測定のノイズ及びPD電流のリップルであった当初の使用目的だけでなく、使用している。本明細書に記載された動的電力クラスのメカニズムでは、PDが一貫してバジェットしたものよりも多くの電力を使用し、したがってマージンが一貫して使用されるときはいつでも、バジェットを調整するためにマージンが使用される。
【0054】
図4は、本発明の別の実施形態による電力供給機器の概略図を示す。
【0055】
電力供給装置2’は、パワー・オーバ・イーサネット(登録商標)によって電力供給機器の形態で供給される。PSE2’は、電源(図示せず)に接続され、内部電源31で電力を受信する。電源31(その制御自体は本明細書では図示されない又は議論されない)は、PSEのポート33に接続され、受電装置(図示せず;電力受信装置の例)が接続され得る。
【0056】
PSE2’は、電源31によって各ポート33に供給される電力を監視する電力監視ユニット35を含む。特に、電力監視ユニット35は、それぞれのポート33に接続された各PDによって引き出される電流を検出する手段を含む。
【0057】
更に、PSE’において、電力制御ユニット32が含まれ、電源31と各ポート33との間の接続を選択的に遮断するスイッチが供給される。それぞれのポートへの電力供給の制御は、電力受信装置に電力を供給することに応じて、任意の他のやり方でも供給されることに留意されたい。当業者はこのような措置に十分に精通しているので、これ以上の説明は必要とされない。
【0058】
PSE2’は、ポート33への接続に結合された電力ネゴシエーションユニット37を追加的に含むので、ポート33に接続されたPDとの電力ネゴシエーションを実行する。更に、当業者はこのような電力交渉に精通しているので、追加の説明は必要とされない。
【0059】
電力ネゴシエーションユニット37は、メモリ34に接続され、そこに電力ネゴシエーションの結果を記憶するので、それぞれの電力バジェット及び消費閾値は電力制御ユニット32によって確認され得る。消費閾値は、電力ネゴシエーションユニット37によって設定されてもよいし、又は、他の手段、例えば電力制御ユニット32によって設定されてもよい。
【0060】
動作中、電力監視ユニット35は、それぞれのPDの電力消費を監視し、それに応じて電力制御ユニット32に通知する。電力制御ユニット32は、それぞれの電力消費を消費閾値と比較する。
【0061】
現在の電力消費が消費閾値未満である場合、何の措置も取られない。
【0062】
特定のPDの現在の電力消費が消費閾値を超過する場合、電力制御ユニット32は、割り当てられた電力バジェットの増加が可能かどうかを確認し、例えば、現在の利用可能電力の合計が現在供給された又は割り当てられた電力よりも大きいかどうかを確認する。
【0063】
追加的に、電力制御ユニット32は、電力消費の増加が異常だと考慮されるべきかどうか、例えば、増加率がレート閾値を超過するかどうかを確認し、それは例えば短絡状況を示す。
【0064】
更に、電力制御ユニット32は、PDの当初の設定又は割り当てられた電力バジェットに基づいて、割り当てられた電力バジェットの調整が許容範囲を超過するかどうかを確認する。
【0065】
全ての確認が肯定的な結果を出す場合、電力制御ユニット32は、それぞれのPD又はポート33のために割り当てられた電力バジェットにつき、メモリ34内のエントリを変更する。
【0066】
電力バジェットの変更が不可能であると判明する場合、電力制御ユニット32は、出力ユニット38がその状況を外部、例えばPSE2’のユーザに示すようにさせる。
【0067】
追加的に、電力制御ユニット32は、PD(又はポート33)の電力消費がそれぞれ割り当てられた電力バジェットを超過するかどうかを確認する。過剰消費がある場合、電力制御ユニット32は、ポート33への電力供給が、(次の電力ネゴシエーションまで)少なくとも一時的に遮断されるか、又は完全に停止されることを供給する。
【0068】
図5は、本発明の一実施形態によるプロセスを示すフロー図を示す。
【0069】
第1のネゴシエーションステップ900において、PoE電力バジェット管理が供給される。これに続いて、監視ステップ902において、あるポートの(例えば、平均の)電力消費が消費閾値を超過するかどうかが確認される。
【0070】
過剰消費がない場合、フローはステップ902に戻り、ループを形成する。
【0071】
過剰消費がある場合、比較ステップ904において、現在割り当てられた総電力バジェットが、過剰消費を示すポート又はPDに割り当てられたバジェットを増加することが可能かどうかが確認される。この確認の結果に応じて、分岐ステップ906において、フローは、中断ステップ907又は調整ステップ908の何れかに進む。中断ステップ907において、消費閾値が超過されるかどうかだけでなく、割り当てられた電力バジェットが超過されるかどうかも確認される。電力バジェットも超過される場合、少なくともある程度の時間、PDへの電力供給が中断される。割り当てられた電力バジェットが超過されない場合、プロセスは、ステップ902に戻る。
【0072】
調整ステップ908において、割り当てられた電力バジェット及び消費閾値が調整され、ステップ902に戻る。
【0073】
本発明は、平均の引き出される電力をバジェットした電力に続けるかどうかを決定するプロセスを含む。上記のようなプロセスは、PSEのポート毎に実行される。監視ステップ902において、割り当てられた電力付近の限界よりも一貫して高い電力が検出される。平均の(又はピークの)電力は、利用可能なバジェット予備と比較される。十分な予備がある場合、新しい値に調整される。十分な予備が見つからない場合、割り当てられたバジェットが維持される。引き出される電力が(上記のマージンを含む)バジェットを上回る場合、PDは本明細書に図示されない過電力プロセスによってオフに切り替わられる。
【0074】
図6は、本発明の別の実施形態によるプロセスを示すフロー図を示す。
【0075】
プロセスは、電力受信装置としてPDを検出し、電力供給装置としてのPSEとPDとの間で電力ネゴシエーションを実行する電力ネゴシエーションステップ1001から始まる。
【0076】
照会ステップ1002において、要求があるかどうか、及び所定の条件が満たされるかどうかが確認され、その確認の結果に応じて、少なくとも2つのPDに割り当てられた電力バジェットが、第1の再割り当てステップ1003において前記PDのそれぞれの現在の電力消費に基づいて新たに割り当てられ、その後プロセスはステップ1002に戻る。
【0077】
要求も供給されず、条件も満たされない場合、プロセスは監視ステップ1004に進み、PSEは、結合されたPDの電力消費を監視する。
【0078】
第1の比較ステップ1005において、消費電力が消費閾値と比較される。消費電力が閾値未満である場合、プロセスはステップ1002に戻る。
【0079】
第2の比較ステップ1006において、それぞれのPDの電力消費の変化率は、所定のレート閾値と比較される。閾値が超過され、誤作動によって起こり得る電力消費の異常な増加を示す場合、プロセスは表示ステップ1007に進む。そうでない場合、次のステップは第3の比較ステップ1008であり、PDの当初の電力バジェットと増加し得た電力バジェット(又は現在増加した電力バジェット)との間の差を決定した後、この差は5Wといった所定の閾値と比較される。本明細書においては、所定の値は定数項に設定されるが、例えば当初の電力バジェットの比率に基づく設定等、他の設定のやり方又は所定のやり方も使用されてもよい。差が大きすぎる場合、次のステップはステップ1007となり、そうでない場合、プロセスは第4の比較ステップ1009に続く。
【0080】
第4の比較ステップ1009において、PDの当初の電力バジェットと増加した又は現在の電力バジェットとの間の差が確認され、その場合、所定の差分閾値を超過する前記差を示す信号が出力される。
【0081】
続く第5の比較ステップ1010において、複数のPDに割り当てられた電力バジェットの合計が、複数のPDへのPSEによって供給可能な電力の合計未満であるかどうか(すなわち、現在、割り当てられた電力バジェットの増加が全く可能であるかどうか)が確認される。現在割り当てられた電力バジェットに基づいて調整が可能でないと考えられる場合、第2の再割り当てステップ1011において、少なくとも1つの異なるPDに割り当てられた電力バジェットを低減するよう試みられる。成功した場合、フローは調整ステップ1012に進み、そうでない場合、フローはステップ1007に進む。
【0082】
調整ステップ1007において、割り当てられた電力バジェットの調整が不可能であることが、PSEのユーザに示される。割り当てられた電力バジェットが超過されるかどうか(第6の比較ステップ1014)に応じて、PDへの電力供給は、(従来の過負荷処理が続く)中断ステップ1015において(一時的に)中断又は停止されるか、さもなければプロセスはステップ1002に戻る。
【0083】
調整ステップ1012において、割り当てられた電力バジェット及び消費閾値が調整される。
【0084】
推定ステップ1013において、前記PDの電力消費の変化率、及び、複数のPDに割り当てられた電力バジェットの合計と複数のPDへのPSEによって供給可能な電力の合計との差に基づいて、時間が決定又は推定され、その間に特定のPDの電力バジェットが増加され、その後、前記決定された又は推定された時間を示す信号が出力され、その後、プロセスはステップ1002に戻る。
【0085】
本発明は、図面及び前述の説明において詳細に図示及び説明されてきたが、このような図示及び説明は、例示的又は模範的であって限定的ではないと考慮されるべきであり、本発明は、開示された実施形態に限定されない。
【0086】
開示された実施形態に対する他の変更は、図面、開示、及び添付の特許請求の範囲の研究から、請求された発明を実施するにつき、当業者によって理解され得、達成され得る。
【0087】
例えば、IEEE 802.3btについて議論されたようなオートクラスのアプローチに従ってではなく、従来の電力クラスに従って、パワー・オーバ・イーサネット(登録商標)等のコンテキストにおける分類が供給される実施形態において、本発明を動作することが可能である。このようなコンテキストにおいて、バジェットの配分は、(総利用可能電力が十分にある限り、)次の上位クラスに“ジャンプ”することによって供給される。標準に準拠するために、この方法は、恐らく、PDが(現在、タイプ3及び4クラスとして議論された)802.3btクラスの1つにあると特定された場合にのみ使用される。
【0088】
更に開発された実施形態において、通信プロトコルLLDP(又は同様のプロトコル)が使用されるので、引き出された実際の電力に(増加し続ける)バジェットをリセットするために、電力受信装置によってコマンドが発行され、このようにして、電力受信装置の制御下で電力バジェットが交換され得る。
【0089】
更に開発された実施形態において、通信プロトコルLLDP(又は同様のプロトコル)が使用されるので、引き出された実際の電力に(増加し続ける)バジェットをリセットするために、電力受信装置によってコマンドが発行され、このようにして、電力受信装置の制御下で電力バジェットが交換され得る。
【0090】
更なる精巧なシステムは、中央(例えば、照明)制御装置が、整備又は交換が必要な経年劣化した電力受信装置の建物管理に警告するために、調整を監視することを可能にする。電力供給装置は、任意の電力受信装置で入力電力の大幅な増加が現れるときはいつでも、関連する警告メッセージを送信さえし得る。
【0091】
本発明の特定の更なる実施形態は、PDによって引き出されたPoEプラグ(PSE PI)の電力を検出し、引き出された電力が一貫して経時的に増加する場合に、関連するポート電力バジェットを調整する、パワー・オーバ・イーサネット(登録商標)PSEを供給し、これにより過電力スイッチオフを回避する。PSEは動的に電力クラスを次のより高いクラスに向上する。過電力閾値は、観察される平均電力と比較して常に一定のマージンを保持しながら、より高い値に調整される。残りのバジェットは、更なる増加が可能かどうかを決定するために使用される可能性がある。実際の電力バジェットは、ある値にリセットされる。値は、ネットワークコマンドを介して書き込まれる。値は、関連するPDによって引き出された実際の(又は平均化された)電力から取得される。負荷(PD)は、バジェットを新しい値にリセットするよう要求する。建築制御システムのようにネットワークに接続された他のノード(PDs)は、バジェットを新しい値にリセットするよう要求し得る。PDは、バジェット処理のリセットが開始される前に入力電力を低減するように通知される。実際のバジェットは、例えば建物制御システムによるネットワークコマンドを介して読み取られる。バジェットの変更は、中央ノード、例えば建物制御システムに向けて通知される。
【0092】
特許請求の範囲において、「含む(comprising)」という用語は他の要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は複数を除外しない。
【0093】
単一のプロセッサ、装置又は他のユニットが、請求項に列挙された幾つかの項目の機能を果たす。特定の措置が相互に異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これらの措置の組み合わせが有利に使用できないことを示すものではない。
【0094】
電力受信装置の検出、電力ネゴシエーションの実行、電力消費の監視、電力供給の中断、電力バジェットの増加、及び更なる動作、管理及び診断ステップ等の動作は、コンピュータプログラムのプログラムコード手段及び/又は専用ハードウェアとして実施され得る。
【0095】
コンピュータプログラムは、他のハードウェアと一緒に又は他のハードウェアの一部として供給される、光記憶媒体又は固体媒体のような適切な媒体上に記憶及び/又は分配されるが、インターネット又は他の有線又は無線電気通信システムを介して等、他の形態でも分配される。
【0096】
特許請求の範囲内のいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。