(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6918744
(24)【登録日】2021年7月27日
(45)【発行日】2021年8月18日
(54)【発明の名称】カメラ付きLEDランプ、およびそれを利用した照明範囲監視・警報システム
(51)【国際特許分類】
F21K 9/278 20160101AFI20210805BHJP
F21V 33/00 20060101ALI20210805BHJP
F21K 9/238 20160101ALI20210805BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20210805BHJP
G08B 25/00 20060101ALI20210805BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20210805BHJP
F21Y 103/10 20160101ALN20210805BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20210805BHJP
【FI】
F21K9/278
F21V33/00 400
F21V33/00 430
F21K9/238
F21V23/00 113
F21V23/00 140
F21V23/00 190
G08B25/00 510M
G08B21/02
F21Y103:10
F21Y115:10 300
F21Y115:10 500
【請求項の数】14
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2018-94967(P2018-94967)
(22)【出願日】2018年5月16日
(65)【公開番号】特開2019-200922(P2019-200922A)
(43)【公開日】2019年11月21日
【審査請求日】2019年5月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】508136205
【氏名又は名称】浜井電球工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083437
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 實
(72)【発明者】
【氏名】濱井 重吏
(72)【発明者】
【氏名】川合 潤
(72)【発明者】
【氏名】富澤 健二
【審査官】
野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−154993(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2016/0234414(US,A1)
【文献】
特開2015−185075(JP,A)
【文献】
特開2017−037812(JP,A)
【文献】
特開2017−078606(JP,A)
【文献】
特開2009−188900(JP,A)
【文献】
特表2013−510386(JP,A)
【文献】
特開2013−041714(JP,A)
【文献】
特開2017−059414(JP,A)
【文献】
特開2013−088798(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/00
F21S 2/00−45/00
F21V 23/00−99/00
H05B 45/00、47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明灯装置のソケット部に交換自在に装着可能な直管形ランプの外郭形状および外郭寸法に設定され、端子を有する両端の口金、および、照明方向に向けられた透光カバー、および、該透光カバーの両端と各口金との間の少なくとも何れか一方に配され、該透光カバーからの照射光の妨げとならないよう、該直管形ランプの軸心線に対して5°ないし60°の角度に傾斜された姿勢の傾斜側壁を有する下向き膨出部が一体化された1または2個何れか一方の電装ボックスを有する直管形のランプ本体が設けられ、該透光カバーの内がわとなる該ランプ本体の内がわに、複数個のLEDチップが内装され、少なくとも何れか一方の電装ボックスの内がわに、複数個のLEDチップと該口金の端子を繋ぐ電源回路が内装され、少なくとも何れか一方の電装ボックスの内がわに、電源回路から供給される電力で機能する演算処理部と、該演算処理部に設けられた記憶部とが内蔵され、少なくとも何れか一方の電装ボックスの内がわに、電源回路から供給される電力で機能し、該ランプ本体の外がわに設定された撮像対象範囲に向けられた撮像部を有し、画像信号を演算処理部に送信する小型カメラを有し、少なくとも何れか一方の電装ボックスの内がわに、電源回路から供給される電力で機能し、該演算処理部と外部無線器との通信を可能とする無線器が、該傾斜側壁と同じ角度に傾斜された上、同傾斜側壁に沿って固着されてなるものとしたことを特徴とするカメラ付きLEDランプ。
【請求項2】
照明灯装置のソケット部に交換自在に装着可能な直管形ランプの外郭形状および外郭寸法に設定され、端子を有する両端の口金、および、照明方向に向けられた透光カバー、および、該透光カバーの両端と各口金との間の少なくとも何れか一方に配され、該透光カバーからの照射光の妨げとならないよう、該直管形ランプの軸心線に対して5°ないし60°の角度に傾斜された姿勢の傾斜側壁を有する下向き膨出部が一体化された1または2個何れか一方の電装ボックスを有する直管形のランプ本体が設けられ、該透光カバーの内がわとなる該ランプ本体の内がわに、複数個のLEDチップが内装され、少なくとも何れか一方の電装ボックスの内がわに、複数個のLEDチップと該口金の端子を繋ぐ電源回路が内装され、少なくとも何れか一方の電装ボックスの内がわに、電源回路から供給される電力で機能する演算処理部と、該演算処理部に設けられた記憶部とが内蔵され、少なくとも何れか一方の電装ボックスの内がわに、電源回路から供給される電力で機能し、該ランプ本体の外がわに設定された撮像対象範囲に向けられた撮像部を有し、画像信号を演算処理部に送信する小型カメラを有し、少なくとも何れか一方の電装ボックスの内がわに、電源回路から供給される電力で機能し、該演算処理部と外部無線器との通信を可能とする無線器が、該傾斜側壁と同じ角度に傾斜された上、同傾斜側壁に沿って固着され、該演算処理部が、少なくとも小型カメラおよび無線器を統合的に自動制御可能なものとされてなることを特徴とするカメラ付きLEDランプ。
【請求項3】
照明灯装置のソケット部に交換自在に装着可能な直管形ランプの外郭形状および外郭寸法に設定され、両端に端子を有する口金、および、該口金に一体化された透光カバー、および該透光カバーの両端と各口金との間の少なくとも何れか一方に配され、該透光カバーからの照射光の妨げとならないよう、該直管形ランプの軸心線に対して5°ないし60°の角度に傾斜された姿勢の傾斜側壁を有する下向き膨出部が一体化された1または2個何れか一方の電装ボックスを有する直管形のランプ本体が設けられ、該透光カバーの内がわとなる該ランプ本体の内がわに、複数個のLEDチップが内装され、少なくとも何れか一方の電装ボックスの内がわに、複数個のLEDチップと該口金の端子を繋ぐ電源回路が内装され、少なくとも何れか一方の電装ボックスの内がわに、電源回路から供給される電力で機能する演算処理部と、該演算処理部に設けられた記憶部とが内蔵され、少なくとも何れか一方の電装ボックスの内がわに、電源回路から供給される電力で機能し、透光カバーの外がわに設定された撮像対象範囲に向けられた撮像部を有し、画像信号を演算処理部に送信する、小型カメラを有し、少なくとも何れか一方の電装ボックスの内がわに、電源回路から供給される電力で機能し、該演算処理部と外部無線器との通信を可能とする無線器が、該傾斜側壁と同じ角度に傾斜された上、同傾斜側壁に沿って固着され、少なくとも何れか一方の電装ボックスの内がわに、電源回路から供給される電力で機能し、該演算処理部に周辺音声の音声信号を送信するマイクを有し、少なくとも何れか一方の電装ボックスの内がわに、電源回路から供給される電力で機能し、該演算処理部が送信する音声信号を外部に向けて音声出力するスピーカーが設けられ、該演算処理部が、少なくとも小型カメラ、無線器、マイクおよびスピーカーを統合的に自動制御可能なものとされてなることを特徴とするカメラ付きLEDランプ。
【請求項4】
スピーカーが、可聴帯域外の20KHz以上の警報音を発するものとされた、請求項3記載のカメラ付きLEDランプ。
【請求項5】
無線器が、ビーコン信号の受信信号を該演算処理部に送信するビーコン受信機能を有するものとされた、請求項1ないし4何れか一記載のカメラ付きLEDランプ。
【請求項6】
LEDチップの照射光、および、透光カバーの透過照明光の少なくとも何れか一方に、近赤外波長および遠赤外波長の少なくとも何れか一方の赤外光が重畳されて照射範囲に到達するものとされた、請求項1ないし5何れか一記載のカメラ付きLEDランプ。
【請求項7】
少なくとも1個の小型カメラが、CMOS(complementary metal oxide semiconductor)カメラからなるものとされた、請求項1ないし6何れか一記載のカメラ付きLEDランプ。
【請求項8】
少なくとも1個の小型カメラが、サーモグラフィ機能を有するものとされた、請求項1ないし7何れか一記載のカメラ付きLEDランプ。
【請求項9】
電装ボックスが、透光カバーの両端と各口金との間の両方に1個ずつ合計2個配され、双方の電装ボックスの内がわに、夫々1個の小型カメラが配設され、撮像された対象物(者)の位置を三角測量可能なものとされてなる、請求項1ないし8何れか一記載のカメラ付きLEDランプ。
【請求項10】
演算処理部が、その記憶部に、小型カメラを自動制御する画像処理ソフトウェア、および、無線器を自動制御する自動通信ソフトウェアを有し、該画像処理ソフトウェアおよび自動通信ソフトウェアを統合制御可能とする統合制御ソフトウェアが設けられてなるものとされた、請求項1ないし9何れか一記載のカメラ付きLEDランプ。
【請求項11】
演算処理部が、その記憶部に、マイクを自動制御する録音制御ソフトウェア、および、スピーカーを自動制御する音声出力ソフトウェアを有し、該録音制御ソフトウェアおよび音声出力ソフトウェアを統合制御可能とする統合制御ソフトウェアが設けられてなるものとされた、請求項3または4何れか一方記載のカメラ付きLEDランプ。
【請求項12】
無線器が、面状および棒状の少なくとも何れか一方の形状のアンテナ部を有し、該アンテナ部が、電装ボックスの下向き膨出部の傾斜側壁の内がわに配され、透光カバーの外表面に対し、5°ないし60°の何れかの角度姿勢に設けられてなる、前記請求項1ないし11何れか一記載のカメラ付きLEDランプ。
【請求項13】
建築物の適宜間隔を隔てて設置された複数個の照明灯装置に対し、夫々前記請求項1ないし12何れか一記載のカメラ付きLEDランプが組み込まれ、各カメラ付きLEDランプの無線器と通信可能な無線通信ネットワークを介して通信可能なホストコンピュータ・端末装置を有し、該ホストコンピュータ・端末装置が、無線通信ネットワークを介して各カメラ付きLEDランプの演算処理部と、アドホック・モードの通信が可能なものとされた上、各カメラ付きLEDランプの無線器と、各カメラ付きLEDランプの周辺に居る人々が夫々携帯し、各カメラ付きLEDランプの無線器と通信可能な夫々の携帯型端末とが通信可能なものとされ、当該ホストコンピュータ・端末装置から各携帯型端末に情報を送信可能なものとされた、前記請求項1ないし12何れか一記載のカメラ付きLEDランプを利用した照明範囲監視・警報システム。
【請求項14】
建築物の適宜間隔を隔てて設置された複数個の照明灯装置に対し、夫々前記請求項1ないし12何れか一記載のカメラ付きLEDランプが組み込まれ、各カメラ付きLEDランプの無線器と通信可能な無線通信ネットワークを介して通信可能なホストコンピュータ・端末装置を有し、該ホストコンピュータ・端末装置が、無線通信ネットワークを介して各カメラ付きLEDランプの演算処理部と、インフラストラクチャー・モードの通信が可能なものとされた上、各カメラ付きLEDランプの無線器と、各カメラ付きLEDランプの周辺に居る人々が夫々携帯し、各カメラ付きLEDランプの無線器と通信可能な夫々の携帯型端末とが各々通信可能なものとされ、当該ホストコンピュータ・端末装置から各携帯型端末に情報を送信可能なものとされた、前記請求項1ないし12何れか一記載のカメラ付きLEDランプを利用した照明範囲監視・警報システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ソケット装着用口金を有し、既存の蛍光灯や白熱電球などの何れかに交換可能としたLED(light emitting diode)照明技術に関連するものであり、特に、照明の機能に留まらず、カメラや無線
器などを搭載し、自動的な監視、通報などの機能を有する多機能型の照明灯を製造、提供する分野は勿論のこと、その輸送、保管、組み立ておよび設置に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
【背景技術】
【0002】
(着目点)
従来形の白熱電球や蛍光灯に比較し、LEDランプは、消費電力およびCO2の年間排出量が少なく、耐久寿命が長いという利点があり、経済的に有利な上、自然環境にも優しいという理由から、我が国内において近年新築された建築物の殆どに、LEDランプが設置されている外、既存の建築物であっても、従来型のソケット装着用口金を有するLEDランプの普及が進み、CO2排出量の削減に大きな効果を収めている。
【0003】
このような照明灯のLEDランプ化が進む一方、道路や鉄道などの公共施設では、このような照明設備に加え、要所々々に監視カメラが設置され、遠隔的に監視可能とする技術が導入され、道路の渋滞状況を把握したり、駅のホームの利用者の安全を確保したりするのに役立つものとなっており、現状にあっては、前述の照明設備と、監視カメラ設備とは、互いに独立させた別のシステムとして設置、利用されており、特に、監視カメラは、それ自体に多大な設置費用を要するばかりでなく、監視目的に適した設置場所の確保や、設置後の維持管理に多大な労力と経費とを要するものとなっていた。
【0004】
(従来の技術)
こうした状況を反映し、その打開策となるような提案もこれまでに散見されない訳ではない。
例えば、下記の特許文献1(1)に提案されているものに代表されるように、道路の長手方向に沿って間隔をおいて複数設けられた照明柱に道路状況を撮影するためのカメラが設置され、カメラを効率良くかつ経済的に道路に設置することができるものとした道路状況撮影装置や、同特許文献1(2)に見られるような、太陽光で発電するソーラー電池と、当該ソーラー電池によって発電された電力を蓄える蓄電池と、当該蓄電池から電力が供給される照明灯と、前記蓄電池から供給される電力で動作可能な監視カメラと、前記照明灯の動作および前記監視カメラの動作を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記照明灯の照度を低下させることのない点灯状態で前記監視カメラを作動させるとともに、前記監視カメラの消費電力量に応じて所定期間の間、前記照明灯へ供給される電力を低減させることから成り、電力消費を抑制することができる監視カメラ付きソーラー照明灯装置などが散見される。
【0005】
しかし、前者特許文献1(1)に示されているような道路状況撮影装置は、照明柱に対して照明ランプとカメラとが夫々個別に組み込まれたものとされており、照明ランプとカメラとを個別に維持、管理しなければならず、維持経費の節減が難しいという欠点があり、特許文献1(2)の監視カメラ付きソーラー照明灯装置に示されたものなどは、ソーラー電池によって得た電力を、該監視カメラ付きソーラー照明灯装置に組み込まれている照明灯や監視カメラおよび無線送信回路などへ供給し、監視カメラや無線送信回路などの追加による電力消費量を軽減可能とする技術に特徴を有するものであり、監視カメラの設置や維持の経費を大幅に削減可能とするものとはならないという欠点があり、さらに、特許文献1(3)ないし(8)に示されている駅のプラットホームの監視装置などは、カメラの設置場所を必要とし、カメラ設備の維持、管理に要する労力や経費を軽減できるものではなかった。
【特許文献1】(1)特開2004−5206号公報 (2)特開2009−188900号公報 (3)特開2003−63402号公報 (4)特開2014−184803号公報 (5)特開2017−19351号公報 (6)特許第3785456号公報 (7)特許第4041678号公報 (8)特許第5508963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
(問題意識)
上述したとおり、従前までに提案のある各種のカメラ付き照明灯装置類、および各種の駅のプラットホームの監視装置類などは、何れも照明ランプとカメラとが別体のものとして組み込まれているものが殆どであって、夫々を個別に維持管理する必要があり、メンテナンスコストを削減するのが困難なものであり、より多くの監視カメラを簡単且つより経済的に設置可能であり、しかも設置後の維持管理の労力と経費とを大幅に削減することができるようにした、新たなカメラ付きLED照明装置開発の必要性を痛感するに至ったものである。
【0007】
(発明の目的)
そこで、この発明は、白熱ランプや蛍光ランプなどの既存の照明ランプとの置き換えが容易なLEDランプであると共に、カメラを一体に有し、既存の照明ランプと置き換えるだけで監視カメラを兼ねた照明ランプを設置、利用することができる新たなLEDランプ技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造のカメラ付きLEDランプ、およびそれを利用した新規な照明範囲監視・警報システムを実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明のカメラ付きLEDランプは、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、照明灯装置のソケット部に交換自在に装着可能な
直管形ランプの外郭形状および外郭寸法に設定され、端子を有する両端の口金、照明方向に向けられた透光カバー、および、該透光カバーの両端と各口金との間の少なくとも何れか一方に配され、該透光カバーからの照射光の妨げとならないよう
、当該直管形ランプの軸心線に対して5°ないし60°の角度に傾斜された姿勢の傾斜側壁を有する下向き膨出部が一体化された1または2個何れか一方の電装ボックスを有する直管形のランプ本体が設けられ、該透光カバーの内がわとなる該ランプ本体の内がわに、複数個のLEDチップが内装され、少なくとも何れか一方の電装ボックスの内がわに、複数個のLEDチップと該口金の端子を繋ぐ電源回路が内装され、少なくとも何れか一方の電装ボックスの内がわに、電源回路から供給される電力で機能する演算処理部と、該演算処理部に設けられた記憶部とが内蔵され、少なくとも何れか一方の電装ボックスの内がわに、電源回路から供給される電力で機能し、該ランプ本体の外がわに設定された撮像対象範囲に向けられた撮像部を有し、画像信号を演算処理部に送信する小型カメラを有し、少なくとも何れか一方の電装ボックスの内がわに、電源回路から供給される電力で機能し、該演算処理部と外部無線器との通信を可能とする無線器が
、該傾斜側壁と同じ角度に傾斜された上、同傾斜側壁に沿って固着されてなるものとした構成を要旨とするカメラ付きLEDランプである。
【0009】
この基本的な構成からなるカメラ付きLEDランプは、その表現を変えて示すならば、照明灯装置のソケット部に交換自在に装着可能な
直管形ランプの外郭形状および外郭寸法に設定され、端子を有する両端の口金、照明方向に向けられた透光カバー、および、該透光カバーの両端と各口金との間の少なくとも何れか一方に配され、該透光カバーからの照射光の妨げとならないよう
、当該直管形ランプの軸心線に対して5°ないし60°の角度に傾斜された姿勢の傾斜側壁を有する下向き膨出部が一体化された1または2個何れか一方の電装ボックスを有する直管形のランプ本体が設けられ、該透光カバーの内がわとなる該ランプ本体の内がわに、複数個のLEDチップが内装され、少なくとも何れか一方の電装ボックスの内がわに、複数個のLEDチップと該口金の端子を繋ぐ電源回路が内装され、少なくとも何れか一方の電装ボックスの内がわに、電源回路から供給される電力で機能する演算処理部と、該演算処理部に設けられた記憶部とが内蔵され、少なくとも何れか一方の電装ボックスの内がわに、電源回路から供給される電力で機能し、該ランプ本体の外がわに設定された撮像対象範囲に向けられた撮像部を有し、画像信号を演算処理部に送信する小型カメラを有し、少なくとも何れか一方の電装ボックスの内がわに、電源回路から供給される電力で機能し、該演算処理部と外部無線器との通信を可能とする無線器が
、該傾斜側壁と同じ角度に傾斜された上、同傾斜側壁に沿って固着され、該演算処理部が、少なくとも小型カメラおよび無線器を統合的に自動制御可能なものとされた構成からなるカメラ付きLEDランプとなる。
【0010】
より具体的には、照明灯装置のソケット部に交換自在に装着可能な
直管形ランプの外郭形状および外郭寸法に設定され、端子を有する両端の口金、照明方向に向けられた透光カバー、および該透光カバーの両端と各口金との間の少なくとも何れか一方に配され、該透光カバーからの照射光の妨げとならないよう
、当該直管形ランプの軸心線に対して5°ないし60°の角度に傾斜された姿勢の傾斜側壁を有する下向き膨出部が一体化された1または2個何れか一方の電装ボックスを有する直管形のランプ本体が設けられ、該透光カバーの内がわとなる該ランプ本体の内がわに、複数個のLEDチップが内装され、少なくとも何れか一方の電装ボックスの内がわに、複数個のLEDチップと該口金の端子を繋ぐ電源回路が内装され、少なくとも何れか一方の電装ボックスの内がわに、電源回路から供給される電力で機能する演算処理部と、該演算処理部に設けられた記憶部とが内蔵され、少なくとも何れか一方の電装ボックスの内がわに、電源回路から供給される電力で機能し、透光カバーの外がわに設定された撮像対象範囲に向けられた撮像部を有し、画像信号を演算処理部に送信する、小型カメラを有し、少なくとも何れか一方の電装ボックスの内がわに、電源回路から供給される電力で機能し、該演算処理部と外部無線器との通信を可能とする無線器が
、該傾斜側壁と同じ角度に傾斜された上、同傾斜側壁に沿って固着され、少なくとも何れか一方の電装ボックスの内がわに、電源回路から供給される電力で機能し、該演算処理部に周辺音声の音声信号を送信するマイクを有し、少なくとも何れか一方の電装ボックスの内がわに、電源回路から供給される電力で機能し、該演算処理部が送信する音声信号を外部に向けて音声出力するスピーカーが設けられ、該演算処理部が、少なくとも小型カメラ、無線器、マイクおよびスピーカーを統合的に自動制御可能なものとされた構成からなるカメラ付きLEDランプとなる。
【0011】
(関連する発明1)
上記したカメラ付きLEDランプに関連し、この発明には、それを利用した照明範囲監視・警報システムも包含している。
即ち、建築物の適宜間隔を隔てて設置された複数個の照明灯装置に対し、夫々この発明の基本をなす前記何れか一に記載のカメラ付きLEDランプが組み込まれ、各カメラ付きLEDランプの無線器と通信可能な無線通信ネットワークを介して通信可能なホストコンピュータ・端末装置を有し、該ホストコンピュータ・端末装置が、無線通信ネットワークを介して各カメラ付きLEDランプの演算処理部と、アドホック・モードの通信が可能なものとされた上、各カメラ付きLEDランプの無線器と、各カメラ付きLEDランプの周辺に居る人々が夫々携帯し、各カメラ付きLEDランプの無線器と通信可能な夫々の携帯型端末とが通信可能なものとされ、当該ホストコンピュータ・端末装置から各携帯型端末に情報を送信可能なものと
された、この発明の基本をなす前記何れか一に記載のカメラ付きLEDランプを利用した照明範囲監視・警報システムである。
【0012】
この照明範囲監視・警報システムを、表現を変えて示すと、建築物の適宜間隔を隔てて設置された複数個の照明灯装置に対し、夫々この発明の基本をなす前記何れか一に記載のカメラ付きLEDランプが組み込まれ、各カメラ付きLEDランプの無線器と通信可能な無線通信ネットワークを介して通信可能なホストコンピュータ・端末装置を有し、該ホストコンピュータ・端末装置が、無線通信ネットワークを介して各カメラ付きLEDランプの演算処理部と、インフラストラクチャー・モードの通信が可能なものとされた上、各カメラ付きLEDランプの無線器と、各カメラ付きLEDランプの周辺に居る人々が夫々携帯し、各カメラ付きLEDランプの無線器と通信可能な夫々の携帯型端末とが通信可能なものとされ、当該ホストコンピュータ・端末装置から各携帯型端末に情報を送信可能なものと
された、この発明の基本をなす前記何れか一に記載のカメラ付きLEDランプを利用した照明範囲監視・警報システムということができる。
【発明の効果】
【0013】
以上のとおり、この発明のカメラ付きLEDランプによれば、従前までのものとは違い、上記したとおりの固有の特徴ある構成から、既存の白熱電球や蛍光灯と簡単に交換、利用可能となり、従来品よりもランプ寿命を大幅に延命化し、電力消費量およびCO2排出を大幅削減する上、ランプ本体に演算処理部、小型カメラおよび無線器が設けられているから、照明範囲の一部または全部の何れか一方を含む範囲を自動的に撮像し、撮像された画像に基づき、自動的に画像分析するものとすることができ、さらに、画像分析の結果を自動的に、無線器を通じて外部無線器に接続された端末機器などに送信可能なものとなるから、LEDランプに監視カメラの機能を追加することができ、従前までであれば、監視カメラ専用の設置場所の確保や、監視カメラシステムの設置およびメンテナンスに多大な経費を費やさざる得なかった駅のホーム、道路、大型商業施設、大型建築物、および、一般住宅に至る様々な照明灯に、格段に経済的に導入し、メンテナンスコストを大幅削減することができるものになるという秀でた特徴が得られるものである。
【0014】
さらに、この発明のカメラ付きLEDランプは、演算処理部、小型カメラ、無線器に加えて、マイクおよびスピーカーも一体に設けられたものとすることにより、小型カメラの画像情報に加え、マイクによる周辺の音声情報も捕らえることが可能となり、それらの画像および音声の情報は、演算処理部で適宜分析可能である外、無線器を介して外部無線器と通信可能なものとしてあるから、当該カメラ付きLEDランプが設置された場所のより正確な状況を遠隔的に知ることができるものとなり、演算処理部が、画像や音声情報に基づき必要と判断した場合には、スピーカーを通じて、説明音声や警報音声などを発することができるものとなり、監視カメラの機能に加えて、警報装置としての機能を兼ねることができる外、施設内の案内音声や誘導音声などを放送したり、遠隔地からの無線を介した会話などを可能なものとしたりすることができるものとなる。
特に、スピーカーが、可聴帯域外の20KHz以上の警報音を発するようにした、この発明のカメラ付きLEDランプによれば、盲導犬やペット、家畜、野生動物、可聴帯域外の音を捕らえる補聴器を装着した人、および、マイクを有するロボットや携帯型パーソナルコンピュータなどへの警報や忌避、誘引、案内などを可能とする機能を有するものとすることができる。
【0015】
また、無線器が、ビーコン信号の受信信号を該演算処理部に送信するビーコン受信機能を有するものとされた、この発明のカメラ付きLEDランプによれば、ランプ交換の際の位置情報の管理が容易になり、複数のカメラ付きLEDランプが、ホストコンピュータ・端末装置の無線器や携帯型端末などの外部無線器とインフラストラクチャー・モードの通信や、アドホック・モードの通信など様々な形態の通信が可能となり、多様な照明範囲監視・警報システムの構築を可能とすることができ、特に、無線LAN(Local Area Network)、Wi−Fi(登録商標)、BLE(Bluetooth,Bluetooth Low Energy),Beaconの少なくとも何れか一の通信が可能なものとされたものは、既存のネットワークシステムに容易に組み込むことができ、さらに、ネットワークシステムを発展させることも簡単になるという利点が得られる。
【0016】
LEDチップの照射光、および、透光カバーの透過照明光の少なくとも何れか一方に、近赤外波長および遠赤外波長の少なくとも何れか一方の赤外光が重畳されて照射範囲に到達するものとされた、この発明のカメラ付きLEDランプによれば、小型カメラが捕らえた画像から、近赤外波長を加えた照明下の白杖と白い傘およびビニール傘を、より正確に識別可能なものとすることができ、より具体的には、例えば、近赤外波長を加えた照明で傘のカバーを透過し、骨(金属部品)を写すことによって杖と傘とをより正確に区別できるものとすることができ、また、サーモグラフィカメラの機能を有する小型カメラが装備されたものとすることにより、遠赤外線の放射温度を検知し、これによって盲導犬とバッグとをより正確に識別することができるものとなり、駅のホームや道路などの安全を格段に高めることができるものとなる。
【0017】
少なくとも1個の小型カメラが、CMOS(complementary metal oxide semiconductor)カメラからなるものとされた、この発明のカメラ付きLEDランプによれば、この発明のカメラ付きLEDランプに要求される監視カメラとしての性能を充分に達成することができる上、それ以外の既存の小型カメラを搭載したものよりも消費電力が少なく、製造コストも削減できるから、格段に経済的に生産、提供できるものになるという効果が得られる。
【0018】
少なくとも1個の小型カメラが、サーモグラフィ機能を有するものとされた、この発明のカメラ付きLEDランプによれば、前述したように、発熱物を明確に識別できるものとなり、例えば、駅のホームの盲導犬とバッグとをより正確に識別することができるものとなり、空港の乗降客の中の伝染病感染者を識別したりすることができる外、火事の発生を自動的に報知したり、未然に発見し報知したりすることが可能なものとなる。
【0019】
小型カメラが、複数個互いに適宜間隔を隔てて配設され、撮像された対象物(者)の位置を三角測量可能なものとされてなる、この発明のカメラ付きLEDランプによれば、この発明のカメラ付きLEDランプの設置位置から、撮像された対象物(者)までの距離および位置をより正確に把握することが可能となり、より高精度の監視を実現可能なものとなる。
【0020】
演算処理部が、その記憶部に、小型カメラを自動制御する画像処理ソフトウェア、および無線器を自動制御する自動通信ソフトウェアを有し、該画像処理ソフトウェア、および自動通信ソフトウェアを統合制御可能とする統合制御ソフトウェアが設けられてなるものとされた、この発明のカメラ付きLEDランプによれば、統合制御ソフトウェアが制御する画像処理ソフトウェアおよび自動通信ソフトウェアによって小型カメラが撮影した画像情報を、自動的に画像処理することが可能となる上、画像処理によって得られた情報が、無線器を介して遠隔地に自動送信されるものとなり、遠隔地からの自動的監視機能を大幅に高めたものとすることができる。
【0021】
演算処理部が、その記憶部に、マイクを自動制御する録音制御ソフトウェア、およびスピーカーを自動制御する音声出力ソフトウェアを有し、該録音制御ソフトウェア、および音声出力ソフトウェアを統合制御可能とする統合制御ソフトウェアが設けられてなるものとされた、この発明のカメラ付きLEDランプによれば、統合制御ソフトウェアが制御する録音制御ソフトウェアおよび音声出力ソフトウェアによってマイクが集音した音声を、自動的に音声分析したり、その分析結果を、無線器を介して遠隔地に自動送信したりすることができる上、スピーカーを通じて自動的に音声出力したり、無線器を介して遠隔地から受信した音声を音声出力したりすることが可能となり、自動的または遠隔地からの音声検知、音声誘導、音声案内、通話などの機能を有するものとすることができる。
【0022】
無線器が、面状および棒状の少なくとも何れか一方の形状のアンテナ部を有し、該アンテナ部が、透光カバーの外表面に対して所定の傾斜角度姿勢に設けられてなる、この発明のカメラ付きLEDランプによれば、無線器が、照明光を遮り、照明範囲を狭めてしまうのを防止して、より広範囲の照明を実現化するものとなる上、無線器が、口金や電源回路などの周囲の部品に影響されず、より確実な通信を実現化できるものになり、格段に信頼性に優れた通信機能を達成できるものとなる。
【0023】
透光カバーおよび口金が、直管タイプの透光カバーの両端に一個ずつ合計2個の口金を有する、直管型蛍光灯の外郭形状および外郭寸法に設定されてなる、この発明のカメラ付きLEDランプによれば、従来型の直管型蛍光灯の照明灯装置のソケット部に簡便に交換する要領で、設置することができるものとすることができる外、直管型蛍光灯型のLEDランプ専用の照明灯装置のソケット部に簡便に交換して設置できるものとすることができるから、直管型蛍光灯の設備を整えるだけで、監視カメラを別に設置する必要がなくなり、それら設置費用と維持管理費用とを大幅に削減することができるものとなる。
【0024】
そして、建築物の適宜間隔を隔てて設置された複数個の照明灯装置に対し、夫々この発明のカメラ付きLEDランプが組み込まれ、各カメラ付きLEDランプの無線器と通信可能な無線通信ネットワークを介して通信可能なホストコンピュータ・端末装置を有し、該ホストコンピュータ・端末装置が、無線通信ネットワークを介して各カメラ付きLEDランプの演算処理部と、アドホック・モードの通信が可能なものとされた、この発明のカメラ付きLEDランプを利用した照明範囲監視・警報システムによると、広大な範囲や、駅のホームや道路沿いなど長い距離に渡って一定の間隔を置いて多数設置される照明灯装置を対象とする場合に、より経済的により確実な通信を確保できるものになるという優れた効果が得られる。
【0025】
また、建築物の適宜間隔を隔てて設置された複数個の照明灯装置に対し、夫々この発明のカメラ付きLEDランプが組み込まれ、各カメラ付きLEDランプの無線器と通信可能な無線通信ネットワークを介して通信可能なホストコンピュータ・端末装置を有し、該ホストコンピュータ・端末装置が、無線通信ネットワークを介して各カメラ付きLEDランプの演算処理部と、インフラストラクチャー・モードの通信が可能なものとされた、この発明のカメラ付きLEDランプを利用した照明範囲監視・警報システムによると、通信速度を高め、より迅速な監視作業、避難誘導、案内などを実現化できるものになるという利点が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
照明灯装置は、この発明のカメラ付きLEDランプが交換自在に機械的に組み込まれ、電気的に接続可能となり、カメラ付きLEDランプに電力を供給可能とする機能を担い、LEDランプ専用とすることが可能である外、既存の白熱ランプおよび蛍光ランプの少なくとも何れか一方を交換自在に組み込み可能とされたものとすることが可能であり、白熱ランプ用のソケット部、白熱ランプ型LEDランプ用のソケット部、蛍光ランプ用のソケット部、および、蛍光ランプ型LEDランプ用のソケット部の少なくとも何れか一種のソケット部が設けられたものとしなければならず、照明灯の設置位置、および、監視カメラの設置位置の少なくとも何れか一方の位置に設置されたものとするのが望ましい。
【0027】
この発明のカメラ付きLEDランプの口金は、該カメラ付きLEDランプを照明灯装置に対し、機械的および電気的に着脱自在に組み込み可能とする機能を担っており、照明灯装置に対し、電気的に着脱自在に組み込み可能な端子を有するものとしなければならず、該端子が、照明灯装置に対し、機械的に着脱自在に組み込み可能とする機能を兼ねたものとすることが可能であり、また、複数個設けられた端子の中の一部が、電気的接続が不能であり、機械的接続のみを担うようにされたものとすることが可能であり、口金は、既存の白熱ランプ型のもの、既存の蛍光ランプ形のもの、およびLEDランプ用のものの何れか一とするのが良い。
【0028】
この発明のカメラ付きLEDランプの透光カバーは、内蔵されるLEDチップが発する照明光を、カメラ付きLEDランプの外がわに透過、照射可能とすると共に、外観を各種白熱ランプ、各種蛍光ランプ、各種LEDランプ、その他の各種ランプの中の少なくとも何れか一の外観形状を呈するという機能を分担し、LEDチップ、およびその他の内蔵部品類などが外部に露出しないよう包囲すると共に、照明光を適度に分散したり、集光したり、波長を選択したりする機能が付加されたものとすることができる。
【0029】
LEDチップは、電源回路からの電力を受けて発光し、この発明のカメラ付きLEDランプの照明光を発する機能を分担し、照射範囲を昼光色、昼白色、白色、温白色および電球色の少なくとも何れか一の発光色に照明するものとすることができる外、昼光色、昼白色、白色、温白色および電球色の外の青色、紫色、赤色、橙色、黄色、緑色などの有色光の何れか一の発光色に照明するものとすることが可能であり、赤外光や紫外光が重畳されて照射範囲に到達するようにされたものとすることが可能であって、LEDチップの種類は、砲弾型、表面実装型(SMD:Surface Mount Device)、チョップオンボード(COB:Chip−On−Board)、その他の構造のもの中の少なくとも何れか一種とすることが可能であり、透光カバーに包囲されるよう設けられた基板に対して複数個が搭載されたものとするのが望ましい。
【0030】
演算処理部は、小型カメラおよび無線器などの各機能的部品を自動的に制御可能とする機能を担い、記憶部を有し、電源回路からの電力を受けて動作するものとすべきであり、より具体的には、読み取り可能、および読み書き可能の何れか一方の半導体メモリーが接続されたCPU(Central Processing Unit)、およびリレー回路などの制御回路の何れか一とすることが可能であって、後述する実施例にも示すとおり、記憶部は、小型カメラを自動制御する画像処理ソフトウェア、無線器を自動制御する自動通信ソフトウェア、マイクを自動制御する録音制御ソフトウェア、スピーカーを自動制御する音声出力ソフトウェアを記憶し、さらに、それら画像処理ソフトウェア、自動通信ソフトウェア、録音制御ソフトウェアおよび音声出力ソフトウェアを統合制御可能とする統合制御ソフトウェアを記憶したものとすることができ、
各制御ソフトウェアは、無線器および無線通信ネットワークを介したホストコンピュータ・端末装置(外部無線器)からの通信を通じて、この発明のカメラ付きLEDランプの管理者によって書き換えることが可能なものとすることができる。
【0031】
小型カメラは、透光カバーの外がわに設定された撮像対象範囲を撮像し、その画像信号を演算処理部に送信する機能を担い、撮像部が、この発明のカメラ付きLEDランプの照明灯装置のソケット部に交換自在に装着可能な外郭形状および外郭寸法内に収まり、該カメラ付きLEDランプの照明の妨げにならないよう配され、該カメラ付きLEDランプの設置条件に応じて撮像対象範囲を調節できるよう、撮像部の角度姿勢を調節可能とする撮像範囲調節機構が組み込まれたものとすることが可能であり、CCD(Charge Coupled Device)カメラなどの小型カメラとすることができ、CMOSカメラとするのが望ましく、サーモグラフィ機能を有するものとすることができ、後述する実施例にも示すように、一個のカメラ付きLEDランプの複数箇所に2台以上の小型カメラが設けられ、撮像された対象物(者)の位置を三角測量可能なものとされてなるものとすることが可能であり、画像処理ソフトウェアに従い、演算処理部の自動制御を受けて動作するものとするのが良い。
【0032】
無線器は、この発明のカメラ付きLEDランプの演算処理部の外部無線器との通信を可能とする機能を担い、より具体的には、この発明の照明範囲監視・警報システムにおける無線通信ネットワークに接続された、別のこの発明のカメラ付きLEDランプの無線器およびホストコンピュータ・端末装置の外部無線器の少なくとも何れか一方と通信可能とする機能を有し、無線通信、無線LAN(Local Area Network)、Wi−Fi(登録商標)、BLE(Bluetooth,Bluetooth Low Energy),Beaconの少なくとも何れか一の通信が可能なものとされたものとすべきであり、後述する実施例にも示しているように、面状および棒状の少なくとも何れか一方の形状のアンテナ部を有し、該アンテナ部が、透光カバーの外表面に対して所定の傾斜角度姿勢に設けられてなるものとするのが良い。
【0033】
マイクは、この発明のカメラ付きLEDランプの設置場所の周辺音声を感知し、その周辺音声の音声信号を演算処理部に送信する機能を分担し、カメラ付きLEDランプの設置場所の周辺の、小型カメラの撮像対象範囲に向けられたものとするのが望ましく、集音の向きを調節可能とする集音方向調節機構が組み込まれたものとすることが可能であり、スピーカーは、演算処理部が送信する音声信号を外部に向けて音声出力する機能を分担し、この発明のカメラ付きLEDランプの設置場所の周辺に接近する人や動物、その他の音声を感知可能な対象物などに向けて音声を出力可能とする機能を有し、後述する実施例にも示すように、盲導犬、野鳥、犬、猫、鹿、猪、その他の動物、可聴帯域を超えた音声を受信可能な自動機械、ロボットなどに感知されるよう、可聴帯域外の20KHz以上の警報音を発するものとされたものとすることが可能である。
【0034】
無線通信ネットワークは、この発明の照明範囲監視・警報システムが設置される対象範囲内の各照明灯装置に交換自在に装着されたこの発明のカメラ付きLEDランプ、および、ホストコンピュータ・端末装置が無線接続可能な環境であり、例えば、無線LAN、Wi−Fi(登録商標)、Bluetooth,BLEによる無線通信のネットワークや、センサネットワーク、その他の無線ネットワークの中の少なくとも何れか一の無線通信技術を利用したものとするのが望ましく、ホストコンピュータ・端末装置は、この発明の照明範囲監視・警報システムが設置される対象範囲内の各照明灯装置に交換自在に装着されたこの発明のカメラ付きLEDランプと通信可能であり、各カメラ付きLEDランプを個別に制御可能とする機能を担い、ホストコンピュータ・端末装置が、その無線器(外部無線器)を介してカメラ付きLEDランプの無線器と通信したり、小型カメラの中継画像、および、演算処理部が記憶部に自動的に記録した録画画像をホストコンピュータ・端末装置のディスプレイに表示したり、マイクが検知した音声、および演算処理部が記憶部に自動的に記録した録音音声をホストコンピュータ・端末装置のスピーカーから出力したり、ホストコンピュータ・端末装置のマイクで検知した音声および、演算処理部が記憶部に予め記録されている音声をカメラ付きLEDランプのスピーカーから音声出力したりすることが可能である外、後述する実施例にも示しているように、BLE(Bluetooth,Bluetooth Low Energy)通信によってBeaconの機能を搭載したスマートフォンやタブレットPC(Personal computer)などと個別に通信可能なものとすることができる。
【0035】
無線通信ネットワークは、建築物の適宜間隔を隔てて設置された複数個の照明灯装置に対し、夫々この発明のカメラ付きLEDランプが組み込まれ、各カメラ付きLEDランプの無線器と通信可能な無線通信ネットワークを介して通信可能なホストコンピュータ・端末装置を有し、該ホストコンピュータ・端末装置が、無線通信ネットワークを介して各カメラ付きLEDランプの演算処理部と、インフラストラクチャー・モードの通信が可能とされたものとすることが可能である外、建築物の適宜間隔を隔てて設置された複数個の照明灯装置に対し、夫々この発明のカメラ付きLEDランプが組み込まれ、各カメラ付きLEDランプの無線器と通信可能な無線通信ネットワークを介して通信可能なホストコンピュータ・端末装置を有し、該ホストコンピュータ・端末装置が、無線通信ネットワークを介して各カメラ付きLEDランプの演算処理部と、アドホック・モードの通信が可能とされたものとすることができる。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図面は、この発明のカメラ付きLED照明、およびそれを利用した照明範囲監視・警報システムの技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
【
図2】カメラ付きLED照明の要部を示す斜視図である。
【
図3】マイクとスピーカーが増設されたカメラ付きLED照明を示す下面図である。
【
図4】マイク、スピーカーおよび小型カメラが増設されたカメラ付きLED照明を示す下面図である。
【
図5】片側給電タイプのカメラ付きLED照明を示す概念図である。
【
図6】両側給電タイプのカメラ付きLED照明を示す概念図である。
【
図7】照明灯装置に装着されたカメラ付きLED照明を示す斜視図である。
【
図8】アドホック・モードの通信の照明範囲監視・警報システムを示す概念図である。
【
図9】インストラクチャー・モードの通信の照明範囲監視・警報システムを示す概念図である。
【
図10】白熱電球型のカメラ付きLED照明を示す正面図である。
【
図11】角型引掛シーリングタイプのカメラ付きLED照明を示す三面図である。
【
図12】駅のホームに設置された照明範囲監視・警報システムを示す概念図である。
【
図13】
駅のホームに設置された照明範囲監視・警報システムの機能ブロック図である。
【実施例1】
【0037】
図1、
図2および
図7に示す事例は、照明灯装置3のソケット部30,30に交換自在に装着可能な外郭形状および外郭寸法に設定され、端子51,51を有する両端の口金5,50、照明方向に向けられた透光カバー6、および、該透光カバー6の両端と各口金5,50との間の少なくとも何れか一方に配され、該透光カバー6からの照射光の妨げとならないよう傾斜された姿勢の傾斜側壁43を有する下向き膨出部42が一体化された1または2個何れか一方の電装ボックス41を有する直管形のランプ本体4が設けられ、該透光カバー6の内がわとなる該ランプ本体4の内がわに、複数個のLEDチップ7,7,……が内装され、少なくとも何れか一方の電装ボックス41の内がわに、複数個のLEDチップ7,7,……と該口金5,50の端子51,51を繋ぐ電源回路8が内装され、少なくとも何れか一方の電装ボックス41の内がわに、電源回路8から供給される電力で機能する演算処理部9と、該演算処理部9に設けられた記憶部90とが内蔵され、少なくとも何れか一方の電装ボックス41の内がわに、電源回路8から供給される電力で機能し、該ランプ本体4の外がわに設定された撮像対象範囲に向けられた撮像部Cを有し、画像信号を演算処理部9に送信する小型カメラCを有し、少なくとも何れか一方の電装ボックス41の内がわに、電源回路8から供給される電力で機能し、該演算処理部9と外部無線器との通信を可能とする無線器Rが設けられてなるものとした、この発明のカメラ付きLEDランプにおける代表的な一実施例を示すものである。
【0038】
図1、
図5および
図7から明確に把握できるとおり、この発明のカメラ付きLEDランプ4は、40形タイプ(管長1198mm/G13口金)直管蛍光灯形の外郭形状に設定した直管形ランプ本体4の周回りの設置の際天井(上方:照明方向とは反対がわ)向きとなる一側壁に、アルミニウム合金製であって外周壁に放熱用の複数の溝が刻設された筐体ヒートシンク部40、それとは反対がわの設置の際床(下方:照明方向)向きとなる周回りの他側周壁に、乳白色磨りガラス状の仕上げとしたポリカーボネート製の透光カバー6が設けられ、該直管形ランプ本体4の両端に従来形(G13形ソケット)の照明灯装置3のソケット部30,30に組み込み可能な、PBT(polybutylene terephthalate)製の口金5,50が設けられ、各口金5,50の中の一方のみに、照明灯装置3のソケット部30に対して機械的および電気的に接続可能な外部電力供給用の端子51,51が設けられた片側給電タイプのものとされ、該一方の口金部5の端子51,51を通じて外部電力(商用電源80:AC100/200V)の供給を受けるものとされ、該外部電力(商用電源80:AC100/200V)の供給を受ける一方の口金部5とは反対がわの、他方に配された口金部50には、照明灯装置3のソケット部30に対して機械的に接続可能且つ電気的に接続不能な端子52,52が設けられたものとされ、一方の口金5の近傍適所外壁に、電力接続用の口金部5であることを表示する注意表示部53が、不透明な貼着シール53の貼り付けによって表示したものとされており、該注意表示部53は、該不透明な貼着シール53の外に、照明の障害とならない透明または半透明な貼着シールの貼り付けによる表示、直接的印刷表示、または刻印表示などの何れかによって設けたものとすることが可能である。
【0039】
図6に示すように、110形タイプ(管長2367mm/R17d形口金)直管蛍光灯形の外郭形状に設定した直管形ランプ本体4とされ、
図1のカメラ付きLEDランプ4と同様に、アルミニウム合金製の筐体ヒートシンク部40、およびポリカーボネート製の透光カバー6が設けられ、直管形ランプ本体4の両端に従来形(R17d形ソケット)のソケット部30,30に組み込み可能な口金5,5を有し、各口金5,5および透光カバー6は、燃性グレードUL94V−O(SNE標準仕様はV−2)とされ、各口金5,5に夫々外部電力供給用の端子51,51が設けられた両側給電タイプとされ、当該、直管形ランプ本体4内の適所に、各口金5,5の電源回路8,8の少なくとも何れか一方を通じて外部電力(商用電源80:AC100/200V)の供給を受け、発光する複数個のLEDチップ7,7,……、および同口金5,5の電源回路8,8の少なくとも何れか他方からの外部電力(商用電源80:AC100/200V)が、演算処理部9、CMOS(complementary metal oxide semiconductor)カメラC、無線器Rに供給されるものとすることが可能である。
【0040】
また、
図6および
図7に示すように、両側給電タイプのカメラ付きLEDランプ4は、照明灯装置3の一対のソケット部30,30の双方より、両口金5,5の各端子51,51を通じて商用電源80から電力供給(AC100/200V)を受けるものとなり、直管形ランプ本体4の両端がわ夫々に電源回路8,8が内蔵され、一端がわの電源回路8から、演算処理部9、CMOSカメラCおよび無線器Rに電力が供給され、これとは反対側の他端がわの電源回路8から、複数個のLEDチップ7,7,……に電力が供給されるようにされたものとすることができる外、複数個のLEDチップ7,7,……が、左右端双方の口金5,5の各端子51,51から、商用電源80の電力供給を受けるものとし、演算処理部9、CMOSカメラC、無線器Rが、左右端の何れか近接する端がわの口金5,5の各端子51,51から、商用電源80の電力供給を受けるもの
とすることが可能であり、また、複数個のLEDチップ7,7,……への電力供給回路が、直管形ランプ本体4の左右端間の略中央位置から左右に分割され、左端の口金5,5の各端子51,51からの商用電源80からの電力が、左がわに分割された複数個のLEDチップ7,7,……へ供給され、右端の口金5,5の各端子51,51からの商用電源80からの電力が、右がわに分割された複数個のLEDチップ7,7,……へ供給され、演算処理部9、CMOSカメラC、無線器Rが、左右端の何れか近接する端がわの口金5,5の各端子51,51から、商用電源80の電力を受けるもの
とするなど、様々な電力供給回路のものとすることが可能である。
複数個のLEDチップ7,7,……は、近赤外波長および遠赤外波長の赤外光が重畳された昼光色、昼白色、白色、温白色および電球色の少なくとも何れか一の発光色に照明するものとされており、CMOSカメラCは、可視光画像に加えて近赤外波長および遠赤外波長の画像も捕らえることができるものとされている。
【0041】
図1に示すように、直管形ランプ本体4の筐体ヒートシンク部40および透光カバー6の一端と、一方の口金部5との間には、該筐体ヒートシンク部40の設置の際床(下方:照明方向)向きとなる周壁が、下向きに膨出され、該透光カバー6に面する側壁が、該透光カバー6からの照射光の妨げとならないよう、該透光カバー6に対して該一方の口金部5がわに5°ないし60°望ましくは15°の適宜角度αに傾斜された姿勢(
図1中に直管形ランプ本体4の中心線CLを示す)とされた傾斜側壁43を有する下向き膨出部42が一体化された電装ボックス41が設けられ、該電装ボックス41の下向き膨出部42の、該直管形ランプ本体4の設置の際床(下方:照明方向)向きとなる周壁の、一方の口金部5寄りとなる位置には、その撮像部Cが該直管形ランプ本体4の設置の際床(下方:照明方向)向きとなる姿勢に支持された小型カメラCとしてのCMOS(complementary metal oxide semiconductor)カメラCが設けられている。
【0042】
直管形ランプ本体4内の筐体ヒートシンク部40および透光カバー6の内側であって、他方の口金部50と電装ボックス41との間には、該筐体ヒートシンク部40の設置の際、床(下方:照明方向)向きとなる壁面がわに対し、複数個のLEDチップ7,7,……を互いに等間隔配置に整列するよう搭載されたLED基板70が、該LED基板70の背面の一部または全部が接するよう配され、該LED基板70のLEDチップ7,7,……が搭載された表面が透光カバー6に対峙するよう架設され、該LED基板70と筐体ヒートシンク部40との間の空間、口金部5,50内の適所、および、電装ボックス41内の適所の少なくとも何れか一箇所、望ましくは電装ボックス41内の適所に電源回路8が設けられ、電装ボックス41内に記憶部90を備えた演算処理部9が設けられ、電装ボックス41の下向き膨出部42の傾斜側壁43の内がわに、無線器Rが、その無線回路およびアンテナ部R1が搭載された無線回路基板R0を、透光カバーの外表面(直管形ランプ本体4の中心線CL)に対し、5°ないし60°望ましくは15°の適宜角度αに傾斜、固着されたものとして内蔵され、電源回路8、CMOSカメラCおよび無線器Rが、演算処理部9の自動制御を受けて動作するものとなっている。
【0043】
無線器Rは、BLE(Bluetooth Low Energy)により、位置情報を発信すると共に、双方向無線通信可能なビーコンモジュールRとされ、演算処理部9は、記憶部90に、CMOSカメラCを自動制御する画像処理ソフトウェア、無線器Rを自動制御する自動通信ソフトウェア、および、画像処理ソフトウェアならびに自動通信ソフトウェアを統合制御可能とする統合制御ソフトウェアを、書き換え可能または書き換え不能の何れか一方の状態に記憶し、演算処理部9が、統合制御ソフトウェアに従い、通信ソフトウェアおよび画像処理ソフトウェアを自動的に制御可能なものとされている。
【0044】
統合制御ソフトウェアは、画像処理ソフトウェアを起動し、該画像処理ソフトウェアは、CMOSカメラCが捕らえた画像情報を、カラー映像として自動的に記録する上、CMOSカメラCが捕らえた画像情報の中、近赤外波長の画像情報を抽出し、白杖、白い傘およびビニール傘との形状の違い、例えば、傘のカバーを透視して骨(金属)部分を識別可能とするよう画像処理し、白杖と認識し、さらに、例えば、該白杖を持つ人が、撮像対象範囲内に予め設定された危険区域に近づくか、進入したと判断した場合には、統合制御ソフトウェアが、自動通信ソフトウェア(無線器R)およびホストコンピュータ・端末装置PCの外部無線器を介してホストコンピュータ・端末装置PCに警報を発するものとすることができる。
【0045】
また、統合制御ソフトウェアによって起動された画像処理ソフトウェアは、CMOSカメラCが捕らえた画像情報を、カラー映像として自動的に記録する上、CMOSカメラCがサーモグラフィ機能によって捕らえた遠赤外波長の画像情報を抽出し、放射温度の違いにより、盲導犬とバッグとを識別可能とするよう画像処理し、盲導犬と認識し、さらに、例えば、該盲導犬を連れた人が、撮像対象範囲内に予め設定された危険区域に近づくか、進入したと判断した場合には、統合制御ソフトウェアが、自動通信ソフトウェア(無線器R)およびホストコンピュータ・端末装置PCの外部無線器を介してホストコンピュータ・端末装置PCに警報を発するものとすることができる。
【0046】
(実施例1の作用・効果)
以上のとおりの構成からなるこの発明のカメラ付きLEDランプ4は、CMOSカメラCが撮影した画像に基づき、白杖を持つ人や、盲導犬を連れた人などを自動的に検知し、無線器Rを通じて遠隔した場所に設置されたホストコンピュータ・端末装置PCに報知することができるから、視覚障害者を自動的に識別し、より安全な保護および誘導を確実に行えるようにすることが可能であり、また、無線器Rが無線LAN(Local Area Network)、Wi−Fi(登録商標)、BLE(Bluetooth,Bluetooth Low Energy),Beaconなどの何れかの通信が可能とされたものとすることにより、それらの無線通信が可能な携帯型端末を携帯した人や視覚障害者などに対して、無線器Rを通じて携帯型端末に各種情報を送信したり、携帯型端末が案内音声や警報音声などを発するよう通信したりすることなどが可能となる外、ビッグデータの収集および活用にも利用可能となるなど、幅広い利用が可能なものとなる。
【実施例2】
【0047】
図3および
図13に示すように、この発明のカメラ付きLEDランプ4は、前記実施例1に示した構造のCMOSカメラCおよび無線器Rに加え、電装ボックス41内には、該直管形ランプ本体4の設置の際、床(下方:照明方向)向きとなる下向き膨出部42の壁面に、集音部M0を露出したマイクM、および音声出力部S0を露出したスピーカーSが夫々設けられ、演算処理部9の記憶部90に、マイクMを自動制御する録音制御ソフトウェア、スピーカーSを自動制御する音声出力ソフトウェア、および前記実施例1に記載の自動通信ソフトウェアおよび画像処理ソフトウェアに加え、録音制御ソフトウェアおよび音声出力ソフトウェアを統合制御可能とする統合制御ソフトウェアが記憶され、統合制御ソフトウェアに従い、画像処理ソフトウェア、自動通信ソフトウェア、録音制御ソフトウェアおよび音声出力ソフトウェアを自動的に制御可能なものとされている。
【0048】
また、
図4に示すように、この発明のカメラ付きLEDランプ4は、直管形ランプ本体4の筐体ヒートシンク部40および透光カバー6と一端がわの口金5との間に、CMOSカメラC、無線器R、マイクMおよびスピーカーSを有する電装ボックス41が設けられたのに加え、直管形ランプ本体4の筐体ヒートシンク部40および透光カバー6と一端とは反対がわとなる他端がわの口金5との間にも、CMOSカメラC、マイクMおよびスピーカーSを有する電装ボックス41が設けられ、左右のCMOSカメラC,CがステレオカメラC,Cを構成し、左右のマイクM,MがステレオマイクM,Mを構成し、左右のスピーカーS,SがステレオスピーカーS,Sを構成するものとなっている。
【0049】
(実施例2の作用・効果)
以上のとおりの構成からなるこの発明のカメラ付きLEDランプ4は、
図3に示すように、CMOSカメラCおよび無線器Rに加え、マイクMおよびスピーカーSが設けられているから、音声の検知、録音、および分析などが可能となる上、設置場所の周囲に対して、スピーカーSを通じて音声による案内や誘導および警報などが可能となり、さらに、マイクMおよびスピーカーSと無線器Rとを連繋し、遠隔地との通話が可能になるという効果を奏するものとなる。
【0050】
そして、
図4に示されるように、左右のCMOSカメラC,CがステレオカメラC,Cとされたものは、直管形ランプ本体4の両端がわに配された左右のCMOSカメラC,Cによって、左右双方のCMOSカメラC,Cが捕らえた人や物などの三角測量が可能となり、左右双方のCMOSカメラC,Cが捕らえた人や物の位置を正確に演算処理することが可能となり、撮影範囲における特定の人や物の位置情報をより高精度に取得できるものとなり、また、左右のマイクM,MがステレオマイクM,Mを構成したものは、音源から音が到達するまでの左右の時間差を利用して音源位置を演算処理によって特定することが可能である外、遠隔地でホストコンピュータ・端末装置PCを操作する者が、該端末装置PCに接続されたステレオスピーカーやステレオヘッドフォンなどを通じて、カメラ付きLEDランプ4が設置された場所の音声を、より臨場感をもって聞き取れるようになり、左右のスピーカーS,SがステレオスピーカーS,Sを構成するものは、ステレオ音源をより中実に再現できるものとなる上、モノラル音声の場合には、スピーカーSが一つの場合より、より広範囲に音声を届けることが可能となる。
【実施例3】
【0051】
図10に示す、カメラ付きLEDランプ4は、白熱ランプと交換可能な外郭形状および外郭寸法に設定された白熱球形ランプ本体4とされ、白熱球形ランプ本体4の基端に、白熱ランプ用のソケットに装着可能な形状および寸法に設定された端子51を有する口金5が設けられ、該口金5の先端には、先端方向に向かうに従い口径が拡大する錐状外壁を有する筒状ヒートシンク部40が、該口金5と同心上に一体化され、該筒状ヒートシンク部40の口金5とは反対がわとなる先端に、球面形の透光カバー6が設けられたものとされ、該筒状ヒートシンク部40の内部には、電源回路8、記憶部90を有する演算処理部9および無線器Rが内蔵され、さらに、該筒状ヒートシンク部40の先端寄りの外周囲には、該筒状ヒートシンク部40の内部に収容されたCMOSカメラCの撮像部C、マイクMの集音部M0、およびスピーカーSの音声出力部S0が、例えば周回りに90°置き毎の間隔を隔てて露出するよう配され、該筒状ヒートシンク部40の先端の透光カバー6の内壁に対峙する位置には、LED基板70が、搭載されたLEDチップ7を外がわ(透光カバー6がわ)に向けるよう設けられたものとなっており、演算処理部9が、CMOSカメラC、無線器R、マイクMおよびスピーカーSを制御するものとされている。
【0052】
また、
図11に示す、シーリングタイプのカメラ付きLEDランプ4は、円筒形ランプ本体4の基端に、角型引掛シーリングタイプの一対の鈎型端子51,51が突設された口金5が設けられ、該円筒形ランプ本体4の口金5とは反対がわとなる先端に、非球面形の透光カバー6が設けられたものとされ、該円筒形ランプ本体4の内部には、電源回路8、記憶部90を有する演算処理部9および無線器Rが内蔵され、さらに、該筒状ヒートシンク部40の外周囲には、該筒状ヒートシンク部40の内部に収容されたマイクMの集音部M0、およびスピーカーSの音声出力部S0が、例えば周回りに180°置き毎の間隔を隔てて露出するよう配され、該筒状ヒートシンク部40の内部に収容されたCMOSカメラCの撮像部Cが、透光カバー6の適所に露出するよう配設され、該筒状ヒートシンク部40の先端の透光カバー6の内壁に対峙する位置には、LEDチップ7が搭載されたLED基板70が、該LEDチップ7を外がわ(透光カバー6がわ)に向けるよう設けられたものとなっており、演算処理部9が、CMOSカメラC、無線器R、マイクMおよびスピーカーSを制御するものとされている。
【0053】
(実施例3の作用・効果)
以上のとおりの構成からなるこの発明のカメラ付きLEDランプ4は、
図10に示されるように、白熱ランプと交換可能なものとすることや、
図11に示すように、シーリングタイプの照明灯と交換可能なものとすることなどができ、前記実施例1および2に示したような直管形ランプ本体4を有するものと同様の利用が可能となり、例えば、
図12に示すように、アドホック・モードの通信が可能な無線通信ネットワーク2による照明範囲監視・警報システム1を実現化するなど、より幅広い照明装置に利用可能なものとすることができる。
【実施例4】
【0054】
図8に示すように、この発明のカメラ付きLEDランプ4を利用した照明範囲監視・警報システム1は、例えば駅のホームなどの屋根の天井に所定距離置き毎に複数設置された照明灯装置3,3,……に対して、夫々カメラ付きLEDランプ4,4,……が設置された上、それらカメラ付きLEDランプ4,4,……と、ホームから離れた駅舎内の適所などに設置されたホストコンピュータ・端末装置PCの無線器(外部無線器)とが、アドホック・モードの通信で通信可能となるよう構築された無線通信ネットワーク2を有するものとすることができる外、
図9に示すように、夫々カメラ付きLEDランプ4,4,……とホストコンピュータ・端末装置PCの無線器(外部無線器)とが、インフラストラクチャー・モードの通信で通信可能となるよう構築された無線通信ネットワーク2とすることが
可能である。
【0055】
(実施例4の作用・効果)
以上のとおりの構成からなるこの発明のカメラ付きLEDランプ4を利用した照明範囲監視・警報システム1は、アドホック・モードの通信か、または、インフラストラクチャー・モードの通信かの何れか一方の形態の通信が可能とされたものであり、夫々の通信の利点を活かして利用することが可能であり、
図8および
図9に示すように、各カメラ付きLEDランプ4,4,……が取得した画像情報および音声情報をホストコンピュータ・端末装置PCに収集し、分析利用することが可能となる上、個々のカメラ付きLEDランプ4,4,……の画像や音声の検知情報に基づき、ホストコンピュータ・端末装置PCが、各カメラ付きLEDランプ4,4,……の周辺状況を自動的に監視し、必要に応じて個々のカメラ付きLEDランプ4,4,……から、個別の誘導音声や、無線信号の出力などが行えるものとなり、例えば、ビーコン機能を有する携帯型端末SPを携帯する人が、カメラ付きLEDランプ4に接近すると、その携帯型端末SPを携帯する人の位置情報が、ホストコンピュータ・端末装置PCに無線通信によって到達され、該携帯型端末SPを携帯する人に有益と判断される情報(例えば、近くの販売店の公告情報や、災害発生時の避難情報など)を、該携帯型端末SPに対し、無線通信によって自動的に提供可能なものとすることが可能となり、さらに、携帯型端末SPを携帯する人が、ホストコンピュータ・端末装置PCに予め設定された危険区域内に接近したり、進入したりした場合には、該携帯型端末SPに対し、無線通信によって自動的に警告音声が出力されるよう制御するものとすることが可能となるなど、様々な利用が可能となる。
【0056】
(結 び)
叙述の如く、この発明のカメラ付きLEDランプ、およびそれを利用した照明範囲監視・警報システムは、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前から利用されてきた照明灯装置類に、電球を交換する程度の簡単な作業によって短時間の中に設置することができる上、LEDランプの使用によってランプの寿命を延命化し、電力消費量を大幅に節減して遙かに経済的なものとすることができる上、従前までのような監視カメラを別に設置する場所の確保や、工数および経費を大幅に削減することができるから遥かに経済的なものとすることができ、広範囲の照明施設の管理や監視カメラの設置が必要な鉄道や道路などの管理者、および大型建築物の管理者などはもとより、こうした施設を利用する人々にも高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
【符号の説明】
【0057】
1 照明範囲監視・警報システム
2 無線通信ネットワーク
PC ホストコンピュータ・端末装置(外部無線器)
3 照明灯装置
30 同 ソケット部
4 カメラ付きLEDランプ(直管形ランプ本体、白熱球形ランプ本体、円筒形ランプ本体)
40 同 筐体ヒートシンク部(筒状ヒートシンク部)
41 同 電装ボックス
CL 同 中心線
42 同 下向き膨出部
43 同 傾斜側壁
5 口金
50 同 口金
51 同 端子(鈎型端子)
52 同 端子(機械的接続のみ)
53 同 不透明な貼着シール(注意表示部)
6 透光カバー
7 LEDチップ
70 同 LED基板
8 電源回路
80 同 商用電源
9 演算処理部
90 同 記憶部
C 小型カメラ(CMOSカメラ、撮像部)
R 無線器(ビーコンモジュール)
R0 同 無線回路基板
R1 同 アンテナ部
M マイク
M0 同 集音部
S スピーカー
S0 同 音声出力部
SP 携帯型端末