(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6918771
(24)【登録日】2021年7月27日
(45)【発行日】2021年8月11日
(54)【発明の名称】椎間スペーサー及びプレート
(51)【国際特許分類】
A61F 2/44 20060101AFI20210729BHJP
A61F 2/46 20060101ALI20210729BHJP
【FI】
A61F2/44
A61F2/46
【請求項の数】18
【全頁数】56
(21)【出願番号】特願2018-502091(P2018-502091)
(86)(22)【出願日】2016年7月15日
(65)【公表番号】特表2018-520792(P2018-520792A)
(43)【公表日】2018年8月2日
(86)【国際出願番号】US2016042664
(87)【国際公開番号】WO2017015165
(87)【国際公開日】20170126
【審査請求日】2019年4月25日
(31)【優先権主張番号】14/802,229
(32)【優先日】2015年7月17日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/097,466
(32)【優先日】2016年4月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507400686
【氏名又は名称】グローバス メディカル インコーポレイティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】サイフェルト,ジョディ エル.
(72)【発明者】
【氏名】バークハート,アレックス
(72)【発明者】
【氏名】ガーマン,ケヴィン
(72)【発明者】
【氏名】グレールム,チャド
(72)【発明者】
【氏名】ウェイマン,マーク
(72)【発明者】
【氏名】マシューズ,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】アシュリー,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ギル,シーン
(72)【発明者】
【氏名】ミッキオ,マーク
【審査官】
寺澤 忠司
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2013/0023994(US,A1)
【文献】
国際公開第2014/116891(WO,A1)
【文献】
特開昭63−145650(JP,A)
【文献】
特表2000−513263(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0029635(US,A1)
【文献】
米国特許第8273129(US,B2)
【文献】
特表2004−524091(JP,A)
【文献】
特表2013−539396(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/44
A61F 2/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向軸を有するインプラントであって、
第1の端板と、
第2の端板と、
前記第1の端板と前記第2の端板との間に延在する第1の傾斜体であって、前記第1の傾斜体が、並進可能な傾斜体であり、かつ前記第1の端板と係合する少なくとも1つの上向き傾斜面、及び前記第2の端板と係合する少なくとも1つの下向き傾斜面を備える、第1の傾斜体と、
前記第1の傾斜体と係合するアクチュエータであって、前記アクチュエータの回転が、前記第1の傾斜体の並進を引き起こし、それにより前記インプラントの拡張を引き起こす、アクチュエータと、を備える、インプラントと、
前記インプラントと係合するように構成されたインサータであって、長手方向軸を有する外側シャフト、及び前記外側シャフトに対してある角度での遠位係合部分を備える、インサータと、を備え、
前記インプラントの長手方向軸は、前記外側シャフトの長手方向軸に対して斜めであり、
前記インサータの前記外側シャフトは、第1の内腔、および前記第1の内腔と隣接する第2の内腔を収納する、外科用システム。
【請求項2】
前記インサータが、前記遠位係合部分内に受容される第1の係合先端を備える、請求項1に記載の外科用システム。
【請求項3】
前記インサータが、前記遠位係合部分内に受容される第2の係合先端を備える、請求項2に記載の外科用システム。
【請求項4】
前記第1の係合先端が、前記インプラント内の螺刻開口部と係合するように構成され、前記第2の係合先端が、前記アクチュエータと係合し、それにより前記インプラントの拡張を引き起こすように構成される、請求項3に記載の外科用システム。
【請求項5】
前記インサータが、前記第1の係合先端と流体連通する第1の内腔と、前記第2の係合先端と流体連通する第2の内腔と、を更に備える、請求項3に記載の外科用システム。
【請求項6】
前記インサータが、前記第1の内腔または前記第2の内腔のいずれかに延在して、前記第1の係合先端または前記第2の係合先端を作動させるように構成された駆動シャフト、を更に備える、請求項5に記載の外科用システム。
【請求項7】
前記インサータの前記外側シャフトが、第2の内腔に隣接する第1の内腔を収納する、請求項1に記載の外科用システム。
【請求項8】
前記第1の内腔が、第1の係合先端と流体連通し、前記第2の内腔が、第2の係合先端と流体連通する、請求項7に記載の外科用システム。
【請求項9】
前記第1の係合先端が前記インプラントと係合して保持するように構成され、前記第2の係合先端が前記インプラントを拡張または収縮するように構成される、請求項8に記載の外科用システム。
【請求項10】
前記インサータが、第1の内腔と流体連通する第1の係合先端と、前記第1の内腔を通って延在する駆動シャフトとを備える、請求項1に記載の外科用システム。
【請求項11】
インプラントであって、
第1の端板と、
第2の端板と、
前記第1の端板と前記第2の端板との間に延在する第1の傾斜体と、
前記第1の傾斜体と係合するアクチュエータであって、前記アクチュエータの回転が、前記第1の傾斜体の並進を引き起こし、それにより前記インプラントの拡張を引き起こす、アクチュエータと、を備える、インプラントと、
前記インプラントと係合するように構成されたインサータであって、前記インサータが、外側シャフト、及び前記外側シャフトに対してある角度での遠位係合部分、を備え、前記遠位係合部分が、前記インプラント内の開口部内に受容可能な第1の係合先端、前記アクチュエータと係合するように構成された第2の係合先端、及び前記第1の係合先端と係合するための駆動シャフトを備える、インサータと、を備え、
前記駆動シャフトが、1つ以上の勾配付き端部を有する遠位部分を備える、外科用システム。
【請求項12】
前記インサータが、前記第1の係合先端と流体連通する第1の内腔と、前記第2の係合先端と流体連通する第2の内腔と、を更に備える、請求項11に記載の外科用システム。
【請求項13】
前記インサータが、前記第1の内腔及び前記第2の内腔のいずれかを通って延在可能であり、前記第1の係合先端または前記第2の係合先端のいずれかと係合する単一の駆動シャフト、を更に備える、請求項12に記載の外科用システム。
【請求項14】
前記第1の係合先端が、1つ以上の勾配付き端部を有する近位部分を備え、前記駆動シャフトと前記第1の係合先端との間の係合部が、1つ以上の歯車を備える、請求項11に記載の外科用システム。
【請求項15】
前記インプラントが、第2の傾斜体を更に備える、請求項11に記載の外科用システム。
【請求項16】
前記アクチュエータが、前記第1の傾斜体及び前記第2の傾斜体を通って延在する、請求項15に記載の外科用システム。
【請求項17】
前記第1の傾斜体が、その中心を通る開口部を有するフレームを備える、請求項16に記載の外科用システム。
【請求項18】
第1の締結具を受容するための第1の伸長部分が、前記第2の傾斜体から上向きに延在し、第2の締結具を受容するための第2の伸長部分が、前記第2の傾斜体から下向きに延在する、請求項15に記載の外科用システム。
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2015年7月17日に出願された米国特許出願第14/802,229号の一部継続出願であり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
[技術分野]
【0002】
本開示は、椎間装置及びこれらの装置を設置するために使用される方法に関する。
[背景技術]
【0003】
多くのタイプの脊柱不整は、痛みを引き起こし、運動の範囲を制限し、脊柱内の神経系を傷つける可能性がある。これらの不整は、外傷、腫瘍、椎間板変性症、及び疾患に起因するものであり得るが、これらに限定されない。椎間板変性症から生じ得る脊髄不整の一例は、脊髄または馬尾といった脊髄神経の圧迫をもたらす脊柱管狭窄症、脊柱管の狭窄である。次に、神経圧迫は、痛み、麻痺、または衰弱をもたらし得る。椎間板変性症から生じ得る状態の他の例は、変形性関節症及び椎間板ヘルニアである。
【0004】
しばしば、これらの不整は、椎間板切除及び/または脊柱の一部を固定化することを行うことによって治療することができる。例えば、治療は、罹患した椎間板のプロテーゼによる除去及び置換、及びその後の隣接する椎骨の固定を含む外科的処置を含むことができる。椎体間ケージまたはスペーサーのようなプロテーゼは、単独で、またはロッド、スクリュー、及び/またはプレートなどの1つ以上の追加の装置との組み合わせで使用され得る。
[発明の概要]
【0005】
本明細書のいくつかの実施形態は、第1の嵌合要素を備えるスペーサー部材と、固定部材であって、そこを通って延在する第1の孔及び第2の嵌合要素を備え、第2の嵌合要素が第1の嵌合要素と連接可能に(articulably)係合するように構成される、固定部材と、を含み得る、脊椎椎体固定装置を対象とする。
【0006】
本明細書の他の実施形態は、第1の伸長部分を備える第1の端板であって、第1の伸長部分がそこを通って延在する第1の孔を備える、第1の端板と、第2の伸長部分を備える第2の端板であって、第2の伸長部分がそこを通って延在する第2の孔を備える、第2の端板と、第1及び第2の端板と嵌合するように構成された第1の傾斜面と、第1及び第2の端板と嵌合するように構成された第2の傾斜面と、を含み得る脊椎椎体固定装置であって、第1及び第2の孔が、それぞれ、軸を備え、軸のうちの少なくとも1つが装置の垂直長手方向平面と交差し、脊椎椎体固定装置が調整可能な高さを備える、脊椎椎体固定装置を対象とする。
【0007】
本明細書の更に他の実施形態は、第1の伸長部分を備える第1の端板であって、第1の伸長部分がそこを通って延在する第1の孔を備える、第1の端板と、第2の伸長部分を備える第2の端板であって、第2の伸長部分がそこを通って延在する第2の孔を備える、第2の端板と、第1及び第2の端板と嵌合するように構成された第1の傾斜面と、第1及び第2の端板と嵌合するように構成された第2の傾斜面と、を含み得る脊椎椎体固定装置であって、第1及び第2の孔が、それぞれ、軸を備え、軸のうちの少なくとも1つが装置の垂直長手方向平面と交差する、脊椎椎体固定装置を対象とする。
【0008】
本明細書のいくつかの実施形態は、脊椎椎体固定装置を折り畳まれた構成で提供することを含む得る脊椎椎体固定装置の設置方法を対象とし、脊椎椎体固定装置が、第1の伸長部分を備える第1の端板及び第2の伸長部分を備える第2の端板であって、第1及び第2の端板の両方が、装置の第1の側から装置の第2の側に延在する、第1の端板及び第2の端板と、第1の傾斜面及び第2の傾斜面であって、第1の傾斜面及び第2の傾斜面の両方が第1及び第2の端板と嵌合するように構成され、第1の傾斜面及び第2の傾斜面の両方が装置の第1の側から装置の第2の側に延在する、第1の傾斜面及び第2の傾斜面と、を含み、装置の第1及び第2の側のうちの少なくとも1つが、枢動点を中心として枢動可能に拡張するように構成され、装置が、枢動点に対して第1の角度を画定する。この方法は、枢動点を中心にして装置の第1及び第2の側のうちの少なくとも1つを、装置が枢動点に対して第1の角度よりも大きい第2の角度を画定するまで枢動可能に拡張することと、第1の伸長部分の孔に第1の締結具を挿入することと、第2の伸長部分の孔に第2の締結具を挿入することと、を含む、固定装置を折り畳まれた構成から拡張構成に移行させることと、を含むこともできる。
【0009】
本明細書の他の実施形態は、脊椎椎体固定装置を折り畳まれた構成で提供することを含む得る脊椎椎体固定装置の設置方法を対象とし、脊椎椎体固定装置が、第1の伸長部分を備える第1の端板及び第2の伸長部分を備える第2の端板であって、第1及び第2の端板の両方が、装置の第1の側から装置の第2の側に延在する、第1の端板及び第2の端板と、第1の傾斜面及び第2の傾斜面であって、第1の傾斜面及び第2の傾斜面の両方が第1及び第2の端板と嵌合するように構成され、第1の傾斜面及び第2の傾斜面の両方が装置の第1の側から装置の第2の側に延在する、第1の傾斜面及び第2の傾斜面と、を含み、装置の第1及び第2の側のうちの少なくとも1つが枢動点を中心として枢動可能に拡張するように構成され、装置が枢動点に対して第1の角度を画定する。この方法は、装置が枢動点に対して第1の角度よりも大きい第2の角度を画定するまで、枢動点を中心として装置の第1及び第2の側のうちの少なくとも1つを枢動可能に拡張することと、第1の軸に沿って第1の締結具を第1の伸長部分内に挿入することと、第2の軸に沿って第2の締結具を第2の伸長部分内に挿入することと、を含み、第1及び第2の軸のうちの少なくとも1つが脊椎椎体固定装置の垂直長手方向平面からオフセットされる、固定装置を折り畳まれた構成から拡張構成に移行させることも含み得る。
【0010】
本明細書の更に他の実施形態は、脊椎椎体固定装置を折り畳まれた構成で提供することを含み得る脊椎椎体固定装置の設置方法を対象とし、脊椎椎体固定装置が第1の伸長部分を備える第1の端板及び第2の伸長部分を備える第2の端板であって、第1及び第2の端板の両方が、装置の第1の側から装置の第2の側に延在する、第1の端板及び第2の端板と、第1の傾斜面及び第2の傾斜面であって、第1の傾斜面及び第2の傾斜面の両方が第1及び第2の端板と嵌合するように構成され、第1の傾斜面及び第2の傾斜面の両方が装置の第1の側から装置の第2の側に延在する、第1の傾斜面及び第2の傾斜面と、を含み、装置の第1及び第2の側のうちの少なくとも1つが、枢動点を中心として枢動可能に拡張するように構成され、装置が、枢動点に対して第1の角度を画定する。この方法は、装置が枢動点に対して第1の角度よりも大きい第2の角度を画定するまで、枢動点を中心として装置の第1及び第2の側のうちの少なくとも1つを枢動可能に拡張することと、第1及び第2の伸長部分の少なくとも1つの位置を、第1及び第2の端板のうちの少なくとも1つの本体部分に対して調整することと、第1の軸に沿って第1の締結具を第1の伸長部分内に挿入することと、第2の軸に沿って第2の締結具を第2の伸長部分内に挿入することと、を含み、第1及び第2の軸のうちの少なくとも1つが脊椎椎体固定装置の垂直長手方向平面からオフセットされる、固定装置を折り畳まれた構成から拡張構成に移行させることも含み得る。
【0011】
本開示の適用性のさらなる領域は、以下に提供される詳細な説明から明らかになるであろう。詳細な説明及び特定の実施例は、特定の実施形態を示しているが、例示のみを目的としており、本開示の範囲を限定するものではないことを理解されるべきである。
【0012】
本開示は、詳細な説明及び添付図面からより十分に理解されるであろう。
[図面の簡単な説明]
【0013】
[
図1A]本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の概略図を例解する。
[
図1B]本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の概略図を例解する。
[
図2A〜C]本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の斜視図を例解する。
[
図2D]本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の概略図を例解する。
[
図3A]本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の斜視図を例解する。
[
図3B]本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の概略図を例解する。
[
図4]本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の概略図を例解する。
[
図5]本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の概略図を例解する。
[
図6]本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の概略図を例解する。
[
図7A]本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の概略図を例解する。
[
図7B]本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の概略図を例解する。
[
図8A〜B]本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の概略図を例解する。
[
図9]本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の概略図を例解する。
[
図10A〜B]本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の概略図を例解する。
[
図11A〜B]本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の概略図を例解する。
[
図12A〜B]本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の分解図を例解する。
[
図12C〜D]本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の斜視図を例解する。
[
図12E]本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の断面図を例解する。
[
図12F]本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の斜視図を例解する。
[
図13A]本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の分解図を例解する。
[
図13B〜E]本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の斜視図を例解する。
[
図14A〜B]いくつかの実施形態による脊椎椎体固定装置と係合するインサータの斜視図を例解する。
[
図15A〜D]いくつかの実施形態によるインサータ及び特定の構成要素の異なる図を例解する。
[
図16A〜E]いくつかの実施形態による代替インサータ及び特定の構成要素の異なる図を例解する。
[
図17]いくつかの実施形態による代替インサータの断面図を例解する。
[発明を実施するための形態]
【0014】
脊椎固定処置では、隣接する椎骨間の罹患組織を除去し、椎体間ケージ、スペーサー、または他の脊椎インプラントなどのプロテーゼに置き換えられ得る。プロテーゼを椎間板腔内に締着するために、プレート及び/またはスクリューを使用することもできる。椎間板腔は、様々なアプローチ(例えば、前方、後方、経椎間孔、及び/または側方)によりアクセスすることができる。側方処置では、プロテーゼは、患者の横腹の切開を通して挿入することができ、好都合なことに、このタイプのアプローチは、さもなければ、一般に、前部、後部、及び/または経椎間孔アプローチで遭遇する可能性のある筋肉及び神経を避け得る。しかしながら、患者の腰椎(例えば、L4椎骨とL5椎骨との間)では、腸骨稜、腰神経叢、及び/または腰筋などの患者の骨、神経、及び/または筋肉組織は、スクリューの軌道を阻止する可能性があるため、側方アプローチが困難な場合がある。したがって、側方腰椎椎体間固定(LLIF)処置での使用のために構成された椎体間スペーサー及びプレートを含むことができ、腸骨稜及び他の解剖学的構造の近傍であってもインプラント及びスクリューを配置することができる脊椎椎体固定装置が本明細書に開示される。
【0015】
本明細書のいくつかの実施形態は、側方処置(例えば、側方腰椎椎体間固定)により、隣接する椎骨間に挿入するように構成され得る脊椎椎体固定装置を対象としてもよい。例えば、本装置は、それぞれ、その幅(例えば、前後方向に測定したとき)よりも約100〜300%大きい長さ(例えば、前端部と後端部の間で測定したとき)を有してもよい。装置はまた、椎骨端板が側面にわたるように構成されている長さを有してもよい。例えば、装置は、約35mm〜約65mmの範囲の長さを有してもよい。本装置はまた、約15mm〜約30mmの範囲の幅を有してもよい。本明細書のいくつかの実施形態は、側方処置での使用のために構成され得る拡張可能な脊椎椎体固定装置を対象としてもよい。本明細書に記載の拡張可能な脊椎椎体固定装置は、可変高さを有してもよく、挿入前にはより低い高さに折り畳み、かつ/または挿入後にはより高い高さに拡張するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、拡張した高さは、折り畳まれた高さよりも約25%〜約200%高くてもよい。他の実施形態では、拡張した高さは、折り畳まれた高さよりも約100%〜約150%高くてもよい。いくつかの実施形態では、折り畳まれた高さは、約5mm〜約10mmの範囲内であってもよく、かつ/または拡張した高さは約15mm〜約20mmの範囲内であってもよい。いくつかの実施形態では、拡張可能な脊椎椎体固定装置は、可変前弯角を有してもよい。これらの装置は、枢動点を中心にして枢動するように構成された1つ以上の部材を備えてもよい。これらの装置は、挿入前により小さい角度(例えば、10.4度)に折り畳み、かつ/または挿入後により大きい角度(例えば、22.5度)に拡張するように構成されてもよい。したがって、これらの装置は、低侵襲手術(MIS)での使用のために構成されてもよい。例えば、それらは、比較的小さい切開部及び/またはカニューレを通して挿入され得、それにより患者への外傷が減少する。反対に、本明細書に記載の拡張可能な脊椎椎体固定装置は、より大きい切開部を必要とすることなく、当該技術分野における他のインプラントの幅よりも大きい幅まで拡張するように構成され得る。更に、拡張可能な脊椎椎体固定装置の高さ及び/または前弯角は、挿入後に調整されてもよく、それにより椎間腔内でカスタマイズされた適合を提供することができる。
【0016】
本明細書で開示される装置及びシステムの全ての部品は、金属(例えば、チタン)、金属合金(例えば、ステンレス鋼、チタン合金、及び/またはコバルト−クロム合金)、セラミックス、ポリマー(例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンスルフォン(PPSU)、ポリスルホン(PSU)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリプロピレン(PP)、ポリアセタール、またはそれらの混合物もしくはコポリマー)、同種移植片、及び/またはそれらの組み合わせを含む、当業者に既知の材料から製造することができる。例えば、本明細書に記載のスペーサー部材は、高分子材料を含むことができ、本明細書に記載の固定部材は、金属材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、システム及び装置は、放射線透過性及び/または放射線不透過性材料を含むことができる。他の実施形態では、1つ以上の成分を、ヒドロキシアパタイトのような骨成長増強材料でコーティングしてもよい。部品はまた、当業者に既知の技術を使用して機械加工及び/または製造することができる。例えば、ポリマー部品は、射出成形またはブロー成形することができる。加えて、本明細書に開示される装置は、骨移植材料、脱塩骨気質、骨片及び/または骨形成タンパク質のような骨成長を促進する材料と一緒に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、これらの材料は、本明細書に記載の装置の中空領域内に有利に詰められてもよい。
【0017】
本明細書に記載されているように、本開示の脊椎インプラントは、例えば、脊椎固定処置の一部として、2つの隣接する椎骨の間に配置するように構成されてもよい。これらの脊椎インプラントは、これらに限定するものでないが、椎体間スペーサー、椎体間固定装置、脊椎椎体固定装置、椎体間ケージ及び/または椎間ケージと呼ばれてもよい。本明細書に記載された脊椎インプラントのそれぞれは、椎骨端板または他の椎骨表面と係合及び/または接触するように構成されている上位及び/または下位面を備えてもよい。いくつかの実施形態では、上位及び/または下位面は、端板のトポグラフィに対応して凸状であってもよい。加えて、本明細書に記載される脊椎インプラントのそれぞれの上位及び/または下位面は、一つ以上のテクスチャライジング部材を備えてもよい。このようなテクスチャライジング部材の例には、突出部、隆起(bump)、歯、溝、ピーク、スパイク、及び/またはローレット加工が含まれるが、これらに限定されない。これらのテクスチャライジング特徴は、インプラントと椎骨との間の、相互作用またはフィクションを有利に高め、及び/または動きを低減し得る。本開示の脊椎インプラントは、隣接する椎骨間に挿入するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の脊椎インプラントは、腰椎間(例えば、L4〜L5椎骨間)に挿入するように構成されてもよい。本明細書に記載の脊椎インプラントは、(例えば、カニューレを通して)低侵襲処置を用いて挿入するように構成されてもよい。本明細書に記載の脊椎インプラントは、様々なアプローチを用いて挿入するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、脊椎インプラントは、側方挿入のために構成されてもよい。他の実施形態では、本開示の脊椎インプラントは、前方、後方、及び/または経椎間孔挿入のために構成されてもよい。当業者であれば、「前方」、「後方」、「上位」、「下位」、「頂部」、「底部」などの方向を示す用語は、本明細書では説明の目的で使用され、装置が使用され得る方向を限定するものではないことを理解するであろう。例えば、当業者であれば、使用時に、「上位」面を下椎骨に隣接して設置することができ、逆もまた同様であることを理解するであろう。したがって、頂部にあるものとして記載された特徴は、設置後に実際に底部に配向されてもよい。
【0018】
本明細書で開示されるいくつかの実施形態は、スペーサー部材及び固定部材(例えば、プレート)を備えることができる脊椎椎体固定装置を対象とする。スペーサー部材及び固定部材は別個であってもよく、または一体化されていてもよい。いくつかの実施形態では、装置は、2つ以上の固定部材及び/または多部品固定部材を備えることができる。いくつかの実施形態では、固定部材(複数可)は、スペーサー部材に対して、1つ以上の経路に沿って移動するように構成されてもよい。固定部材は、そこを通って締結具(例えば、骨スクリュー、アンカー、及び/またはステープル)を受容するように構成された孔を備えることができる。これらの実施形態は、有利なことに、腰神経叢、大腰筋、及び/または腸骨稜などの解剖学的構造を避けるために、締結具の軌道を導くことができ、かつ/または使用者が締結具の軌道を変更できるようにすることができる。いくつかの実施形態では、スペーサー部材は、拡張可能であってもよい。例えば、スペーサー部材は、可変高さ及び/または可変前弯角を備えてもよい。
【0019】
ここで、
図1A〜Bを参照すると、本明細書のいくつかの実施形態は、スペーサー部材及び固定部材を備えることができる脊椎椎体固定装置を対象とする。
図1Aに関連して、脊椎椎体固定装置10は、スペーサー部材2及び固定部材(またはプレート)4を備えてもよく、固定部材4は、スペーサー部材2の垂直長手方向平面6からオフセットされるように構成され得る。スペーサー部材2は、側方処置(例えば、側方腰椎椎体間固定)を介して、隣接する椎骨間に挿入するように構成されてもよい。例えば、スペーサー部材2は、その幅(例えば、前後方向に測定したとき)よりも約100〜300%大きい長さ(例えば、前端部14と後端部16の間で測定したとき)を有してもよい。スペーサー部材2はまた、椎骨端板が側面にわたるように構成されている長さを有してもよい。例えば、スペーサー部材2は、約40mm〜約60mmの範囲の長さを有してもよい。固定部材4は、そこを通って締結具12を受容するように構成された少なくとも1つの孔8を備えてもよい。締結具12は、例えば、骨スクリュー、アンカー、ステープル、またはスパイクであってもよい。いくつかの実施形態では、固定部材4は、そこを通って締結具を受容するように構成された2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の孔を備えてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの孔は、互いに水平方向及び/または垂直方向に変位されてもよい。固定部材4は、スペーサー部材2の高さよりも高い高さを有してもよい。例えば、固定部材4は、2つの隣接する椎骨間の距離よりも大きい高さを有してもよい。2つの孔を備えるいくつかの実施形態では、2つの孔は、2つの隣接する椎骨間の距離よりも大きい距離分、離間配置されてもよい。固定部材4は、垂直長手方向平面6から、例えば約5度〜約90度の範囲の角度αだけ(例えば、前方に)オフセットされるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、αは、約5度〜約45度の範囲であってもよい。他の実施形態では、αは約20度〜約30度の範囲であってもよい。
【0020】
本明細書の他の実施形態は、脊椎椎体固定装置10の設置方法を対象とする。これらの実施形態では、スペーサー部材2は、第1の軌道に沿って(例えば、横方向に)挿入されてもよい。第1の軌道は、垂直長手方向平面6に沿って及び/または平行であってもよい。固定部材4は、第1の軌道と交差する第2の軌道(例えば、斜め及び/または前外側)に沿って挿入されてもよい。第1及び第2の軌道は、例えば、約5度〜約90度の範囲で、角度αを形成するように交差してもよい。締結具12は、第1の軌道と交差する第3の軌道(例えば、斜め及び/または前外側)に沿って孔8に挿入されてもよい。いくつかの実施形態では、第3の軌道は、第2の軌道と平行であってもよい。
【0021】
別の実施形態を
図1Bに例解する。その図中に例解されているように、脊椎椎体固定装置30は、明示的に別段の記載がない限り、脊椎椎体固定装置10の特徴の一部または全てを備えることができる。更に、脊椎椎体固定装置30は、締着部材32を備えてもよい。締着部材32は、ヘッド34及び細長い本体36を備えてもよい。ヘッド34は、インサータ及び/またはドライバなどの工具と係合するように構成されてもよい。細長い本体36は、螺合部または掛止部などの係合特徴部を備えてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、締着部材32はスクリューであってもよい。締着部材32は、スペーサー部材2及び/または固定部材4を連結するように構成されてもよい。例えば、細長い本体36は、固定部材4内の螺刻開口部31及び/またはスペーサー部材2内の螺刻開口部33と係合するように構成されてもよい。使用時には、スペーサー部材2、固定部材4、及び/または締結具12を挿入した後、固定部材4は、スペーサー部材2に連結されてもよい。いくつかの実施形態では、このステップは、例えば、その中で締着部材32に螺合することによって、締着部材32を固定部材4及びスペーサー部材2に連結することを含んでもよい。締着部材32はまた、垂直長手方向平面6からオフセットされた軌道(例えば、第4の軌道)に沿って挿入されてもよい。第4の軌道は、脊椎椎体固定装置10に関して本明細書に記載のとおり、第2及び第3の軌道と平行であってもよい。
【0022】
本明細書のいくつかの実施形態は、スペーサー部材と、固定部材であって、それに連結されたときにスペーサー部材に対して移動するように構成された固定部材と、を備えることができる、脊椎椎体固定装置を対象とする。
図2A〜Cを参照すると、本明細書に記載のいくつかの実施形態は、スペーサー部材52及び固定部材54を備えることができる脊椎椎体固定装置50を対象とする。
図2Bに示すとおり、スペーサー52は、第1の(例えば、先)端部56、第2の(例えば、後)端部58、第1の(例えば、前)側66、及び第2の(例えば、後)側68を含むことができる。スペーサー部材52は、上部表面(例えば、上位面)60、下部表面(例えば、下位面)(図示せず)、及びその外周に沿った外側面62を備えてもよい。スペーサー部材52は、略長方形であってもよい。いくつかの実施形態では、外側面62は、例えば
図2Cに例解するとおり、少なくとも1つの湾曲部分70を備えることができる。湾曲部分70は、上面60及び/または下面から見たときに湾曲しているように見えてもよい(例えば、凹面)。湾曲部分70は、スペーサー部材52の後端部58及び/または前側66に位置してもよい。
図2A〜Cに例解するとおり、湾曲部分は、少なくとも部分的に、後端部58及び/または前側66に沿って延在してもよい。
図2A〜Bに例解するとおり、スペーサー部材52は中心空洞64を備えることができる。いくつかの実施形態では、中心空洞64は、その中に骨成長材料を受容するように構成されてもよい。スペーサー部材52は、側方処置(例えば、側方腰椎椎体間固定)を介して、隣接する椎骨間に挿入するように構成されてもよい。例えば、スペーサー部材52は、その幅(例えば、前後方向に測定したとき)よりも約100〜300%大きい長さ(例えば、先端部56と後端部58との間で測定したとき)を有してもよい。スペーサー部材52はまた、椎骨端板が側面にわたるように構成されている長さを有してもよい。例えば、スペーサー部材52は、約40mmから約60mmの範囲の長さを有してもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、スペーサー部材52は、
図2Bに例解するとおり、第1の嵌合要素72を備えてもよい。
図2Bに例解するとおり、第1の嵌合要素72は、溝、スロット、ノッチ、チャネル、及び/または陥部を備えてもよい。いくつかの実施形態では、溝、スロット、ノッチ、チャネル、及び/または陥部は、テーパ状断面を備えてもよい。他の実施形態では、T字型断面を備えることができ、T字型スロットと称されることもある。更に他の実施形態では、第1の嵌合要素72は、突起部、突出部、リップ及び/または張出部を備えてもよい。突起部及び/または突出部は、テーパ状断面を備えることもできる。第1の嵌合要素72は、湾曲した経路に沿って延在することができる。第1の嵌合要素は、外側面62の湾曲部分70上に配設されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の嵌合要素72は、後端部58の少なくとも一部分及び前側66の少なくとも一部分に配設されてもよい。
【0024】
固定部材54は、第2の嵌合要素74を備えてもよい。
図2Cに例解するとおり、第2の嵌合要素74は、固定部材の連結部分80上に配設され得る。連結部分80は、スペーサー部材52の上面と下面との間に少なくとも部分的に配設されるように構成されてもよい。連結部分80は、固定部材54の固定部分82に対してほぼ垂直であってもよい。いくつかの実施形態では、第2の嵌合要素74は、溝、スロット、ノッチ、チャネル、及び/または陥部を備えることができる。溝、スロット、ノッチ、チャネル、及び/または陥部は、テーパ状断面を備えてもよい。他の実施形態では、T字型断面を備えることができ、T字型スロットと称されることもある。更に他の実施形態では、第2の嵌合要素74は、突起部、突出部、リップ及び/または張出部を備えてもよい。突起部及び/または突出部は、テーパ状断面を備えることもできる。第1及び/または第2の嵌合要素72、74は、それぞれ湾曲した経路に沿って延在してもよい。いくつかの実施形態では、第1及び第2の嵌合要素72、74は同じ曲率半径を有してもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、第1の嵌合要素72は溝を備えることができ、第2の嵌合要素74は突起部を備えることができ、またはその逆でもよい。当業者であれば、第1及び第2の嵌合要素72、74が係合されると、それらは継手(例えば、アリ継手、さねはぎ継手、及び/または重ね継手)を形成し得ることを理解するであろう。したがって、固定部材54は、スペーサー部材52に関節連結するように構成されてもよい。第2の嵌合要素74は、第1の嵌合要素72と連接可能に、枢動可能に、及び/または摺動可能に係合するように構成されてもよい。第2の嵌合要素74は、固定部材54の先端側に配設されてもよい。例えば、固定部材54は、第2の嵌合要素74を第1の嵌合要素72に沿って並進させることによって、スペーサー部材52を中心にして少なくとも部分的に連接するように構成されてもよい。
【0026】
図2Aに例解するとおり、固定部材54は、少なくとも1つの孔76を備えてもよい。孔76は、固定部材54の固定部分82上に配設されてもよい。孔76は、そこを通って締結具を受容するように構成されてもよい。締結具は、例えば、骨スクリュー、アンカー、ステープル、またはスパイクであってもよい。いくつかの実施形態では、固定部材54は、そこを通って締結具を受容するように構成された2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の孔を備えてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの孔は、互いに水平方向及び/または垂直方向にオフセットされてもよい。
図2Aに例解するとおり、締結具部材54は、互いに水平方向及び垂直方向にオフセットされている2つの孔76を備えてもよい。固定部材54は、スペーサー部材52の上面60及び/または下面を越えて延在するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、スペーサー部材52及び固定部材54が連接可能に連結されているとき、少なくとも1つの孔76はスペーサー部材52の上面60の上に位置してもよい。固定部材54は、スペーサー部材52の高さ(例えば上面60と下面との間で測定したとき)よりも高い高さを有してもよい。例えば、固定部材4は、2つの隣接する椎骨間の距離よりも大きい高さを有してもよい。2つの孔を備えるいくつかの実施形態では、2つの孔は、2つの隣接する椎骨間の距離よりも大きい距離分、離間配置されてもよい。固定部材54は、そこを通る受け部(receptacle)78も備えることができる。受け部78は、螺刻内部を備えることができる。いくつかの実施形態では、受け部78は、その中にインサータまたはインプラントホルダを螺合可能に受容するように構成され得る。固定部材54の固定部分82はまた、
図2Aに例解するとおり、1つ以上のノッチ84を備えることができる。ノッチ84は、インサータ上のタブなどの突起部と係合するようにそれぞれ構成されてもよい。使用時には、突起部は、ノッチ84及び/またはスペーサー部材52の中に差し込むことができ、挿入中の固定部材54の動きを有利に阻止する。
【0027】
いくつかの実施形態では、脊椎椎体固定装置50はまた、係止部材(図示せず)を備えてもよい。係止部材は、スペーサー部材52及び/または固定部材54と可逆的と係合するように構成され得る。いくつかの実施形態では、係止部材は、クランプ、留め金、及び/または掛金を備えてもよい。係止部材は、係止構成のときに、スペーサー部材52に対する固定部材54の移動を阻止するように構成され得る。係止解除構成にあるとき、係止部材により、固定部材54をスペーサー部材52に対して移動させることができる。脊椎椎体固定装置50は、係止構成と係止解除構成との間を可逆的に移行することができる。
【0028】
また、本明細書には、脊椎椎体固定装置50を設置するための方法を記載する。これらの方法は、スペーサー部材52及び固定部材54を、連接可能に、枢動可能に、及び/または摺動可能に係合する(例えば、第1及び第2の係合要素72、74を、連接可能に、枢動可能に、及び/または摺動可能に係合し得る)脊椎椎体固定装置50を提供することを含み得る。係止部材を備える実施形態では、脊椎椎体固定装置50は、本明細書に記載の係止構成で提供されてもよい。いくつかの実施形態では、脊椎椎体固定装置50は、例えば、横方向アプローチに沿って、2つの隣接する椎骨(例えば、L4とL5の椎骨の間)の間に提供(例えば、挿入)されてもよい。いくつかの実施形態では、インサータは、挿入過程中、例えば、受け部78と螺合可能に係合する、かつ/またはノッチ84に差し込むことによって、脊椎椎体固定装置50に連結されてもよい。いくつかの実施形態では、インサータは、固定部材54及びスペーサー部材52の両方に連結されてもよい。有利なことに、インサータは、挿入中及び/または配置中の固定部材54の移動を阻止してもよい。係止部材を備える実施形態では、装置50は、次に、例えば、係止部材を解放することによって係止解除してもよい。次に、スペーサー部材52に対して、固定部材54の位置(例えば、配向)(例えば、孔76の位置)を調整することができる。固定部材54の位置は、例えば、第1の嵌合要素72によって画定される経路に沿って固定部材54を連接し、枢動し、かつ/または摺動することによって調整してもよい。この方法はまた、孔76に第1の締結具部材を挿入することを含むこともできる。いくつかの実施形態では、第1の締結具部材は、前外側軌道に沿って挿入してもよい。他の実施形態では、第1の締結具部材は、上向き軌道に沿って(例えば、上椎骨に向かって)挿入してもよい。使用中、当業者であれば、脊椎椎体固定装置50により、有利なことに、使用者による孔76の位置の調整を可能にし、それにより締結具の配置を調整することを理解することができる。したがって、使用者は、大腰筋、腰神経叢及び/または腸骨稜などの特定の解剖学的構造を避けるように、孔76を位置付けることができてもよい。
【0029】
代替的実施形態である脊椎椎体固定装置100を
図2Dに例解する。他に特に明記しない限り、脊椎椎体固定装置100は、脊椎椎体固定装置50の特徴のいくつかまたは全てを備えてもよい。例えば、脊椎椎体固定装置100は、スペーサー部材52と同じ特徴の一部または全てを備えるスペーサー部材114を備えてもよい。脊椎椎体固定装置100は、改変した固定部材102を備えてもよい。固定部材102は、螺刻支柱104、連結部分106、及び固定部分108、を備えてもよい。固定部分108は、固定部材54に関して記述した、1つ以上の孔(図示せず)を備えてもよい。連結部分106は、連結部分80の特徴の一部または全て(例えば、本明細書に記載の嵌合要素)を備えてもよい。螺刻支柱104は、連結部分106から、例えば、近位に延在することができる。固定部分108は、そこを通って螺刻支柱104の少なくとも一部分を受容するように構成された貫通穴110を備えることができる。貫通穴110は、滑らかな(例えば、非螺刻)内面を備えてもよい。固定部分108は、アクチュエータ112に連結されてもよい。アクチュエータ112は、螺刻支柱104と嵌合するように構成された螺合穴を備えてもよい。アクチュエータ112はまた、外部工具係合面を備えてもよい。いくつかの実施形態では、アクチュエータ112は、ナットを備えてもよい。使用時には、固定部分108は、螺刻支柱104によって画定された軸に沿って、スペーサー部材114に向かって、かつ/またはスペーサー部材114から離れて並進するように構成されてもよい。
【0030】
また、本明細書には、脊椎椎体固定装置100を設置するための方法が記載されている。これらの方法は、脊椎椎体固定装置50に関して記述したものと同じであるか、または類似であってもよい。更に、固定部材102の位置(例えば、配向)を調整するステップは、スペーサー部材114と固定部材102との間の距離を調整(例えば、増加及び/または縮小)することを含んでもよい。距離は水平方向に測定可能である。固定部材102を調整するステップは、アクチュエータ112と係合することを含んでもよい。アクチュエータ112がナットを備える実施形態では、このステップは、螺刻支柱104に沿ってナットと螺合するか、螺合を外すことを含んでもよい。ナットを螺刻支柱104に沿って移動させることで、有利なことに、同じ方向(例えば、近位方向及び/または遠位方向)に固定部材102の並進運動を引き起こすこともできる。有利なことに、並進及び連接によって固定部材102(例えば、孔(複数可))の位置を調整できることにより、使用者にとって、締結具の配置の自由度が増す可能性がある。
【0031】
本明細書の他の実施形態は、本明細書に記載の可動式(例えば、連接可能な及び/または並進可能な)固定部材を備え得、拡張可能なスペーサー部材も備え得る脊椎椎体固定装置を対象とする。拡張可能なスペーサー部材は、可変高さ(例えば、上面と下面との間で測定したとき)を含み得る。拡張可能なスペーサー部材は、略長方形であってもよく、いくつかの実施形態では、本明細書に記載のような側方挿入のために構成されてもよい。
図3A〜Bを参照すると、脊椎椎体固定装置150は、拡張可能なスペーサー部材152を備えてもよい。拡張可能なスペーサー部材152は、第1(例えば上側)端板156、第2(例えば、下側)端板158、フレーム160、連接スクリュー支持体162、連係部164、及びナット166を備えてもよい。拡張可能なスペーサー部材152はまた、駆動連係部(図示なし)を備えてもよい。駆動連係部は、第1及び第2の端板156、158と係合するように構成されてもよく、また端板156、158をフレーム160に対して引っ張るように、かつ/または変位させるように構成されてもよい。拡張可能なスペーサー部材152はまた、第1の(例えば、遠位及び/または先)端部170及び第2の(例えば、近位及び/または後)端部172を備えてもよい。いくつかの実施形態では、脊椎椎体固定装置150は、2014年9月4日に公開された米国特許公開第2014/0249628号表題「ARTICULATING EXPANDABLE INTERVERTEBRAL IMPLANT」に記載されている装置の1つ以上の特徴を備えることができ、全ての目的のためにその全体が本明細書に援用される。
【0032】
フレーム160は、その上面及び/または下面に1つ以上の上向き傾斜面168を含み得る。各上向き傾斜面168は、フレーム160の中間部分から近位端部172に向かって上り傾斜している表面を有し得る。各上向き傾斜面168は、第1及び/または第2の端板156、158上の拡張傾斜面174と摺動可能に係合するように構成されてもよい。各拡張傾斜面174は、第1及び/または第2の端板156、158の中間部分から遠位端部170に向かって上り傾斜している表面を有してもよい。使用時には、スペーサー部材152は、フレーム160を第1及び第2端板156、158に対して並進させることによって拡張してもよい。上向き傾斜面168は、拡張傾斜面174と係合し、第1及び第2の端板156、158を押し離し、それによりスペーサー部材152の高さを増加させてもよい。
【0033】
ナット166は、連係部164の雄ねじと嵌合するように構成され得る雌ねじを備えることができる。ナット166は、その外面に配設された1つ以上の工具係合部分176を備えることもできる。ナット166は、連接スクリュー支持体162内の固定された軸の配向に沿って回転可能に保持されてもよい。使用時には、工具(例えば、ドライバ)によりナット166を係合し、回転させることができる。ナット166が回転すると、連係部164がフレーム160に対して前進または後退してもよく、それにより端板156、158をフレーム160に対して移動させ、拡張可能なスペーサー部材152の高さの拡張または収縮を引き起こすことができる。
【0034】
連接スクリュー支持体162は、フレーム160に移動可能に(例えば、摺動可能に、連接可能に、及び/または枢動可能に)連結されてもよい。フレーム160はまた、第1の嵌合要素178を備えることもできる。第1の嵌合要素178は、溝、スロット、ノッチ、チャネル、及び/または陥部を備えてもよい。いくつかの実施形態では、溝、スロット、ノッチ、チャネル、及び/または陥部は、テーパ状断面を備えてもよい。他の実施形態では、T字型断面を備えることができ、T字型スロットと称されることもある。更に他の実施形態では、第1の嵌合要素178は、突起部、突出部、リップ及び/または張出部を備えてもよい。突起部及び/または突出部は、テーパ状断面を備えることもできる。第1の嵌合要素178は、後端部172の湾曲部分に配設されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の嵌合要素178は、後端部172の少なくとも一部分及び/または前側の少なくとも一部分に配設されてもよい。
【0035】
連接スクリュー支持体162は、第2の嵌合要素180を備えることができる。第2の嵌合要素180は、連接スクリュー支持体162の内面に配設されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の嵌合要素180は、溝、スロット、ノッチ、チャネル、及び/または陥部を備えることができる。溝、スロット、ノッチ、チャネル、及び/または陥部は、テーパ状断面を備えてもよい。他の実施形態では、T字型断面を備えることができ、T字型スロットと称されることもある。更に他の実施形態では、第2の嵌合要素180は、突起部、突出部、リップ及び/または張出部を備えてもよい。突起部及び/または突出部は、テーパ状断面を備えることもできる。第1及び/または第2の嵌合要素178、180は、それぞれ湾曲した経路に沿って延在してもよい。いくつかの実施形態では、第1及び第2の嵌合要素178、180は同じ曲率半径を有してもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、第1の嵌合要素178は溝を備えることができ、第2の嵌合要素180は突起部を備えることができ、またはその逆でもよい。当業者であれば、第1及び第2の嵌合要素178、180が係合されるとき、それらは継手(例えば、アリ継手、さねはぎ継手、及び/または重ね継手)を形成し得ることを理解するであろう。したがって、連接スクリュー支持体162は、拡張可能なスペーサー部材152に関節連結されるように構成されてもよい。第2の嵌合要素180は、第1の嵌合要素178と連接可能に、枢動可能に、及び/または摺動可能に係合するように構成されてもよい。例えば、連接スクリュー支持体162は、第2の嵌合要素180を第1の嵌合要素178に沿って並進させることによって、拡張可能なスペーサー部材152を中心にして少なくとも部分的に連接するように構成されてもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、連接スクリュー支持体162は、
図3Bに例解する固定部材154などの固定部材、または本明細書に記載の他の固定部材と係合するように構成されてもよい。固定部材154は、連接スクリュー支持体162への直接的または間接的な取り付け、装着、及び/または連結が可能である。いくつかの実施形態では、固定部材154は、連接スクリュー支持体162に機械的に連結され得る。使用時には、ナット166を可動にすることができ、これによって、様々なアプローチからの拡張可能なスペーサー部材152の拡張及び/または収縮が可能になる。更に、固定部材は、可動式であってもよく、それにより、使用者が、本明細書に記載される特定の解剖学的構造を避ける配向に固定部材を位置付けることができる。
【0038】
図3Bに示すように、いくつかの実施形態では、固定部材154は、連接スクリュー支持体162と間接的に係合することができる。脊椎椎体固定装置150は、螺刻支柱182を備えることができる。いくつかの実施形態では、螺刻支柱182は、連係部164の軸方向の伸長部であってもよい(例えば、螺刻支柱182は、軸186に沿って長手方向に延在してもよい)。固定部材154は、固定部材102の特徴の一部または全部を備えることができる。例えば、固定部材154は、そこを通って螺刻支柱182の少なくとも一部分を受容するように構成された貫通穴184を備えることができる。貫通穴184は、滑らかな(例えば、非螺刻)内面を備えてもよい。脊椎椎体固定装置150はまた、アクチュエータ188を備えてもよい。アクチュエータ188は、螺刻支柱182と嵌合するように構成された螺合穴を備えてもよい。アクチュエータ188はまた、外部工具係合面を備えてもよい。いくつかの実施形態では、アクチュエータ188は、ナットを備えてもよい。使用中、固定部材154は、有利なことに、拡張可能なスペーサー部材152に向かって、及び/または拡張可能なスペーサー部材152から離れて、軸186に沿って並進するように構成されてもよい。
【0039】
また、本明細書には、脊椎椎体固定装置150を設置するための方法を記載する。これらの方法は、折り畳まれた構成の脊椎椎体固定装置150を提供することを含み得、装置150は、第1の高さ(例えば、端板156の上面から端板158の下面までを測定したとき)を有する。いくつかの実施形態では、このステップは、例えば、横方向、斜方または前外側アプローチに沿って、2つの隣接する椎骨間(例えば、L4とL5の椎骨間)に脊椎椎体固定装置を挿入することを含むことができる。これらの方法はまた、拡張可能なスペーサー部材152に対する連係部164及び/または固定部材154の位置(例えば、配向)を調整することを含むことができる。連係部164及び/または固定部材154の位置は、例えば、第1の嵌合要素178によって画定された経路に沿って連接スクリュー支持体162を連接させ、枢動させ、かつ/または摺動させることによって調整することができる。これらの方法はまた、脊椎椎体固定装置150を拡張構成に拡張することを含むことができ、装置150は、第1の高さよりも高い第2の高さを有する。このステップは、ナット166を回転させ、それにより、フレーム160に力が加わり、本明細書に記載のとおり、端板156、158を分離することを含むことができる。いくつかの実施形態では、このステップは、ナット166と係合して回転させる工具(例えば、ドライバ)を挿入することを含むこともできる。この工具は、横方、斜方、または前外側アプローチに沿って挿入することができる。有利なことに、第1の嵌合要素178の湾曲した経路では、スペーサー152の長手方向軸に対してある角度でナット166を作動させることができる。この様式では、スペーサー部材152は、例えば、経椎間孔、後方、及び/または側方挿入中に、非直線的経路に沿って本体内に挿入され得、また、連接スクリュー支持体162は、回転させるためにナット166と係合する工具端部への挿入経路(例えば、斜方及び/または前外側)に沿って更に容易に到達可能になるように位置付けてもよく、それにより身体組織の妨害を最小限に抑える。いくつかの実施形態では、装置150を横方向経路に沿って挿入することができ、工具は、斜め及び/または前外側経路に沿って挿入することができる。他の実施形態では、装置150は、斜方及び/または前外側経路に沿って挿入し、側方位置に連接してもよい(例えば、拡張可能なスペーサー部材152は、連係部164及び/または固定部材154に対して連接させることができる)。
【0040】
この方法はまた、第1の締結具部材を固定部材154の孔に挿入することを含むことができる。いくつかの実施形態では、第1の締結具部材は、前外側及び/または斜方軌道に沿って挿入してもよい。他の実施形態では、第1の締結具部材は、上向き軌道に沿って(例えば、上椎骨に向かって)挿入してもよい。使用中、当業者であれば、脊椎椎体固定装置150により、有利なことに、使用者による孔の位置の調整を可能にし、それにより締結具の配置を調整することを理解することができる。したがって、使用者は、大腰筋、腰神経叢及び/または腸骨稜などの特定の解剖学的構造を避けるように、孔を位置付けることができてもよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、例えば、これらは
図3Bに例解する脊椎椎体固定装置に関し、更に、固定部材154の位置(例えば、配向)を調整するステップは、スペーサー部材152と固定部材154との間の距離を調整(例えば、増加及び/または縮小)することを含んでもよい。距離は、軸186に沿って測定することができる。固定部材154を調整するステップは、アクチュエータ188と係合することを含んでもよい。アクチュエータ188がナットを備える実施形態では、このステップは、螺刻支柱182に沿ってナットと螺合するか、螺合を外すことを含んでもよい。ナットを螺刻支柱182に沿って移動させることで、有利なことに、同じ方向(例えば、近位方向及び/または遠位方向)に固定部材154の並進運動を引き起こすこともできる。有利なことに、並進及び連接によって固定部材154(例えば、孔(複数可))の位置を調整できることにより、使用者にとって、締結具の配置の自由度が増す可能性がある。
【0042】
図4を参照すると、本明細書のいくつかの実施形態は、スペーサー部材202及び第1の可動式固定部材204を備えることができる脊椎椎体固定装置200を対象とする。第1の可動式固定部材204は、例えば、脊椎椎体固定装置50、100及び/または150に関して本明細書に記載されているとおり、スペーサー部材204に移動可能に(例えば、連接可能に、枢動可能に、及び/または摺動可能に)連結及び/または係合するように構成されてもよい。例えば、第1の可動式固定部材204は、スペーサー部材202上の対応する第1の係合要素に係合するように構成される、第2の係合要素を備えることができる。いくつかの実施形態では、第1の可動式固定部材204は、例えば、脊椎椎体固定装置100に関して本明細書に記載されるように、スペーサー部材202に向かって及び/または離れて並進するように構成され得る。第1の可動式固定部材204は、スペーサー部材202に連結されたとき、スペーサー部材の中央部分206からスペーサー部材202の上面または下面208、210の上及び/もしくは超えた位置まで延在する高さを備えることができる。
図4に例解するとおり、第1可動式固定部材204の高さは、スペーサー部材202の上面208を越えて/上に延在することができる。これらの実施形態では、第1の可動式固定部材204は、上側固定部材と称されることもある。他の実施形態では、第1の可動式固定部材204の高さは、スペーサー部材の下面210を越えて延在することができる。これらの実施形態では、第1の可動式固定部材204は、下部固定部材と称されることもある。
【0043】
図4に例解するとおり、いくつかの実施形態では、第1の可動式固定部材204は、単一の孔212を備えることができる。孔212は、そこを通って締結具(例えば、骨スクリュー、アンカー、及び/またはステープル)を受容するように構成することができる。他の実施形態では、第1の可動式固定部材204は、2つ以上の孔を備えることができる。2つ以上の孔は、互いに対して水平方向に変位してもよい(例えば、固定部材204の幅に沿って変位される)。いくつかの実施形態では、2つ以上の孔は、垂直に整列されてもよい(例えば、固定部材204の高さに沿って整列されてもよい)。
【0044】
図4に例解するとおり、脊椎椎体固定装置200は、第2の固定部材214を備えることができる。第2の固定部材214は、可動であっても、静止していてもよい。第2の固定部材214が可動である実施形態では、第1の固定部材204と同じ特徴の一部または全てを備えてもよい。これらの実施形態では、スペーサー部材202は、第2の固定部材214上の対応する嵌合要素と係合するように構成される、追加の嵌合要素(例えば、湾曲したさね(tongue)または溝)を備えてもよい。第2の固定部材214が静止している実施形態では、スペーサー部材202に連結されてもよい(例えば、取り付けられてもよい)。いくつかの実施形態では、第2の固定部材214及びスペーサー部材202は、共に単体構造体を構成することができる。第2の固定部材214は、スペーサー部材202に連結されたとき、スペーサー部材202の中央部分206から、スペーサー部材202の上面または下面208、210の上方及び/または超えた位置まで延在する高さを備えることができる。
図4に例解するとおり、第2の固定部材214の高さは、スペーサー部材202の下面210を越えて/下方に延在してもよい。これらの実施形態では、第2の固定部材は、下部固定部材と称されることもある。他の実施形態では、第2の固定部材214の高さは、スペーサー部材202の上面208を越えて/上方に延在することができる。これらの実施形態では、第2の固定部材は、上部固定部材と称されることもある。
図4に例解するとおり、第2の固定部材214は、第1の固定部材204とは反対の方向にスペーサー部材202から離れて延在してもよい。
【0045】
本明細書の実施形態はまた、脊椎椎体固定装置200の設置方法も対象とする。これらの方法は、例えば、脊椎椎体固定装置50、100、及び150に関して本明細書に記載のステップの一部または全て含むことができる。これらの方法は、スペーサー部材202及び固定部材204を、連接可能に、枢動可能に、及び/または摺動可能に係合する(例えば、第1及び第2の係合要素(図示せず)を、連接可能に、枢動可能に、及び/または摺動可能に係合し得る)脊椎椎体固定装置200を提供することを含み得る。係止部材を備える実施形態では、脊椎椎体固定装置200は、係止構成で提供されてもよい。係止部材は、可動式固定部材(複数可)の移動を阻止し得る。いくつかの実施形態では、脊椎椎体固定装置200は、例えば、横方向アプローチに沿って、2つの隣接する椎骨(例えば、L4とL5の椎骨の間)の間に提供(例えば、挿入)されてもよい。係止部材を備える実施形態では、装置200は、次に、例えば、係止部材を解放することによって係止解除してもよい。次に、スペーサー部材202に対して、第1の可動式固定部材204の位置(例えば、配向)(例えば、孔212の位置)を調整することができる。第1の可動式固定部材204の位置は、例えば、第1の嵌合要素によって画定される経路に沿って固定部材204を連接し、枢動し、かつ/または摺動することによって調整してもよい。いくつかの実施形態では、このステップは、固定部材204をスペーサー部材202に向かって及び/またはスペーサー部材202から離れて軸方向に並進させることを含むこともできる。この方法はまた、孔212に第1の締結具部材を挿入することを含むこともできる。いくつかの実施形態では、第1の締結具部材は、前外側軌道に沿って挿入してもよい。他の実施形態では、第1の締結具部材は、上向き軌道に沿って(例えば、上椎骨に向かって)挿入してもよい。
【0046】
第2の固定部材214が静止している実施形態では、第2の締結具部材は、第1の締結具部材が孔212に挿入される前または後のいずれかに、孔216に挿入され得る。有利なことに、第2の固定部材214は、静止しているとき、装置200に安定性をもたらすことができ、第1の固定部材204は調整可能な締結具の配置をもたらすことができる。第2の固定部材214が可動式である実施形態では、本明細書の方法は、スペーサー部材202に対する第2の固定部材214の位置(例えば、配向)を調整するステップ、及び締結具部材をその孔に挿入するステップ、を含むこともできる。これらの実施形態では、第1及び第2の固定部材204、214は、有利なことに独立して調整可能であってもよい。したがって、第1及び第2の固定部材204、214の各々は、患者の特定の解剖学的特徴及び/または関連する締結具の計画された軌道(例えば、下椎骨に向かってまたは上椎骨に向かって)に適合するように、異なって位置付けられてもよい。
【0047】
本明細書の他の実施形態は、スペーサー部材及び固定部材を備えることができる脊椎椎体固定装置を対象とし、固定部材は、スペーサー部材に対して並進する(例えば、畳み込む、延在する、かつ/または後退する)ように構成される。いくつかの実施形態では、固定部材は、水平軸に沿って並進するように構成されてもよい。他の実施形態では、固定部材は、垂直軸に沿って並進するように構成されてもよい。更に他の実施形態では、固定部材は、スペーサー部材の側面に対して約0度〜約180度の範囲の角度を画定する軸に沿って並進するように構成されてもよい。
【0048】
図5に例解するとおり、脊椎椎体固定装置250は、スペーサー部材252及び固定部材254を備えることができ、固定部材254は、スペーサー部材252と並進可能に連結及び/または係合することができる。スペーサー部材252は、第1の(例えば、遠位及び/または先端)側256、第2の(例えば、近位及び/または後端)側258、第3の(例えば、前)側260、及び/または第4の(例えば、後)側262を含むことができる。4つの側は、略長方形の形状を画定することができる。スペーサー部材252は、垂直長手方向平面274を備えることができる。スペーサー部材252は、空洞264を備えることができる。空洞264は、スペーサー部材252の第3の側260に開口部266を備えることができる。スペーサー部材252はまた、第1の嵌合要素(図示せず)を備えることができる。スペーサー部材252の第1の係合要素は、本明細書に記載の固定部材254の第2の係合要素268と係合するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、スペーサー部材252は、2つ以上の第1の嵌合要素を備えることができる。第1の嵌合要素は、空洞264内に配設されてもよい。第1の嵌合要素は、例えば、傾斜面、ラック、及び/またはトラックを備えることができる。いくつかの実施形態では、第1の嵌合要素は、湾曲した、角度を付けた、及び/または直線である経路を画定することができる。経路は、開口部266に向かって及び/または開口部266から離れて概ね横方向に延在してもよい。いくつかの実施形態では、経路は、スペーサー部材252の水平面に平行であってもよい。他の実施形態では、経路は、水平面に対して垂直であるか、または斜めになっていてもよい。
【0049】
固定部材254は、第2の嵌合要素268を備えてもよい。固定部材254は、2つ以上の第2の嵌合要素268を備えることができる。第2の嵌合要素268は、スペーサー部材252の空洞264内に配設されるように構成されてもよい。第2の嵌合要素268は、例えば、傾斜面、レール、ロッド、ピニオン、及び/またはスペーサー部材252の嵌合要素に対して係合し、並進するように構成された他の要素を備えることができる。
図5に例解するとおり、2つの第2の嵌合要素268はそれぞれレールを備えることができる。第2の嵌合要素268は、経路を画定することもできる。第2の嵌合要素268の経路は、第1の嵌合要素の経路に平行であってもよい。第2の嵌合要素268(複数可)は、それぞれ異なる特徴(例えば、長さ、曲率、及び/または角度)を有してもよい。第2の嵌合要素268は、固定部材254に対して垂直に連結されてもよい。他の実施形態では、第2の嵌合要素268は、固定部材254に対して垂直でない角度(例えば、90度未満)であってもよい。固定部材254は、第2の嵌合要素268(複数可)及び/またはスペーサー部材252に対して任意の方向に角度を付けてもよい。例えば、
図5に例解するとおり、固定部材254は、第2の側258に向かって(例えば、斜めに及び/または前外側に)角度を付けてもよい。他の実施形態では、固定部材254は、スペーサー部材252の上面270または下面(図示せず)に向かって角度を付けてもよい。固定部材254は、そこを通って延在する1つ以上の孔278を備えることができ、各孔は、その中に締結具を受容するように構成されてもよい。各孔278は軸276を備えることができる。装置250が組み立てられた構成にあるとき、軸276は、垂直長手方向平面274から、例えば約5度〜約90度の範囲の角度βだけオフセットされてもよい(例えば、前外側及び/または斜めに)。いくつかの実施形態では、βは約5度〜約45度の範囲あってもよい。他の実施形態では、βは約20度〜約30度の範囲であってもよい。第2の嵌合要素268は、固定部材254に静的にまたは動的に(例えば、枢動可能に及び/または連接可能に)連結されてもよい。使用中、固定部材254は、少なくとも部分的に、スペーサー部材252の空洞264の内及び外に並進するように構成されてもよい。この並進は、スペーサー部材252及び固定部材254の嵌合要素が互いに係合するときに生じ得る(例えば、固定部材254に連結された2つのレールがスペーサー部材252の空洞264内の2つのトラックに沿って摺動し得る)。
【0050】
いくつかの実施形態では、装置はアクチュエータ(図示せず)を更に備えてもよい。アクチュエータは、スペーサー部材252に対して固定部材254の並進を促すように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、アクチュエータは、ドライバなどの工具に係合するように構成されてもよい。他の実施形態では、装置250は、係止部材(図示せず)を更に備えることができる。係止部材は、スペーサー部材252に対して固定部材254の位置を維持するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、係止部材は、空洞264に向かう固定部材254の後退を阻止するように構成されてもよい。他の実施形態では、嵌合要素は、固定部材254の後退を阻止するように構成されてもよい。例えば、嵌合要素は、歯及び/または掛止部を備えてもよい。
【0051】
本明細書の実施形態はまた、脊椎椎体固定装置250の設置方法も対象とする。これらの方法は、折り畳まれた構成の脊椎椎体固定装置250を提供することを含むことができる。いくつかの実施形態では、このステップは、本明細書に記載されるような横方向の軌道に沿って隣接する椎骨の間に脊椎椎体固定装置250を挿入することを含むことができる。折り畳まれた構成では、脊椎椎体固定装置250は、第1の幅を備えてもよい。いくつかの実施形態では、第1の幅は、第3の側260から第4の側262まで測定したとき、スペーサー部材252の幅に等しくてもよい。固定部材254の外面272は、スペーサー部材252の第3の面260から第1の距離であってもよい。更に、折り畳まれた構成では、嵌合要素268の少なくとも一部は、スペーサー部材252の空洞264内に位置してもよい。いくつかの実施形態では、固定部材254は、部分的にまたは完全に空洞264内に位置してもよい。更に、折り畳まれた構成では、脊椎椎体固定装置250は、スペーサー部材252単独の外径を超えない外径(例えば、長さ、幅、及び/または高さ)を含むことができる。折り畳まれた構成にあるとき、装置250はまた、患者の椎間板腔に完全に収容されてもよい。
【0052】
これらの方法はまた、脊椎椎体固定装置250を折り畳まれた構成から拡張構成に移行させるステップを含むことができる。拡張構成では、装置250は、第1の幅よりも大きい第2の幅を備えることができる。固定部材254の外面272は、第3の面260から第2の距離にあってもよく、第2の距離は第1の距離よりも大きい。嵌合要素268の一部は、空洞264の外側に位置してもよい。移行ステップは、固定部材254をスペーサー部材252から離れて(例えば、前方に)並進させる(例えば、延在させる)ことを含むことができる。このステップは、スペーサー部材252から離れて固定部材254を直接的に押し進めることによって、またはアクチュエータと係合することによって間接的に、実施することができる。いくつかの実施形態では、このステップは、スペーサー部材252の嵌合要素に沿って固定部材254の嵌合要素268を摺動させることを含むことができる。いくつかの実施形態では、固定部材254は、スペーサー部材252の水平面と平行でない軸に沿って並進してもよい。他の実施形態では、固定部材254は、スペーサー部材252から離れて並進、回転、及び/または枢動してもよい。係止部材を備える実施形態では、これらの方法は、拡張構成において、固定部材254を係止することを含むこともできる。
【0053】
いくつかの方法は、締結具を軸276に沿って孔278に挿入することを更に含むことができる。いくつかの実施形態では、このステップは、垂直長手方向平面274に対して、約5度から約90度の範囲のある角度で締結具を挿入することを含んでもよい。他の実施形態では、このステップは、前外側/斜方軌道に沿って締結具を挿入することを含んでもよい。有利なことに、使用者は、第1の軌道に沿ってスペーサー部材252及び固定部材254を設置することができ、かつ、第2の軌道に沿って締結具(複数可)を設置することができる。本明細書に記載のとおり、使用中、締結具を前外側及び/または斜方軌道に沿って設置すると、有利なことに様々な解剖学的構造を避けることができる。
【0054】
図6を参照すると、本明細書のいくつかの実施形態は、スペーサー部材302及び固定部材304を備えることができる脊椎椎体固定装置300を対象とする。スペーサー部材302は、本明細書に記載の他のスペーサー部材の特徴を備えることができる。例えば、スペーサー部材302は、側方処置(例えば、側方腰椎椎体間固定)を介して、隣接する椎骨間に挿入するように構成されてもよい。スペーサー部材302は、それぞれ、その幅(例えば、前後方向に測定したとき)よりも約100〜300%大きい長さ(例えば、前端部306と後端部308との間で測定されたとき)を有してもよい。スペーサー部材302はまた、椎骨端板が側面にわたるように構成されている長さを有してもよい。例えば、スペーサー部材302は、約40mmから約60mmの範囲の長さを有してもよい。
【0055】
固定部材304は、基部構成要素310及び可動式構成要素312を備えることができる。基部構成要素310は、第1の(例えば、上位)端部314、第2の(例えば、下位)端部316、遠位面318、及び近位面320を備えることができる。基部構成要素310は、そこを通って締結具323を受容するように構成された少なくとも1つの孔322を備えることができる。基部構成要素310は、例えばその後端部308において、スペーサー部材302と係合するように構成することもできる。例えば、基部構成要素310は、スペーサー部材302と静的にまたは動的に(例えば、枢動可能及び/または連接可能に)係合させることができる。いくつかの実施形態では、基部構成要素310をスペーサー部材302と一体化させることができる。他の実施形態では、止めねじなどの連結部材は、基部構成要素310をスペーサー部材302に連結するように構成されてもよい。更に他の実施形態では、基部構成要素310は、スペーサー部材302と係合していなくてもよい。
【0056】
可動式構成要素312は、カプラ部分328から延在する締結具部分330を備えることができる。いくつかの実施形態では、組み立てられたとき、締結具部分330が、カプラ部分328よりも上位であってもよく、またはその逆であってもよい。締結具部分330は、そこを通って締結具333を受容するように構成された孔332を備えることができる。カプラ部分328は、基部構成要素310を連結及び/または係合するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、カプラ部分328は、基部構成要素310内に少なくとも部分的に受容されるように構成されてもよい。他の実施形態では、カプラ部分328は、基部構成要素310の遠位面318または近位面320に連結されてもよい。
【0057】
基部構成要素310は、可動式構成要素312に移動可能に連結されるように構成されてもよい。したがって、基部構成要素310は、可動式構成要素312上の第2の連結特徴部326と係合するように構成され得る第1の連結特徴部324を備えることができる。いくつかの実施形態では、第1の連結特徴部324は、基部構成要素310の第1の端部314に配設されてもよい。他の実施形態では、第1の連結特徴部324は、基部構成要素310の第2の端部316に配設されてもよい。第2の連結特徴部326は、可動式構成要素312のカプラ部分328上に配設されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の連結特徴部324は、先尖部、ピン、隆起、さね、及び/またはレールなどの突起部を備えることができ、第2の連結特徴部326は、スロット、チャネル、穴、溝、棚、及び/またはトラックなどの受け部を備えることができる。他の実施形態では、第1の連結特徴部324は受け部を備えることができ、第2の連結特徴部326は突起部を備えることができる。更に他の実施形態では、第1及び第2の連結特徴部324、326は、継手(例えば、アリ継手、さねはぎ継手、及び/または重ね継手)を介して連結されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の連結特徴部326は、第1の連結特徴部324に沿って並進(例えば、摺動)するように構成されてもよい。他の実施形態では、第2の連結特徴部326は、第1の連結特徴部324を中心にして枢動するように構成されてもよい。
図6に例解するとおり、第1の連結特徴部324は、基部構成要素の第1の端部314にスロットを備え、第2の連結特徴部326は、可動式構成要素312のカプラ部分328から延在するフランジを備えることができる。いくつかの実施形態では、基部構成要素310の第1の端部314のスロットは、その中に第1の連結特徴部324を備えることができる。他の実施形態では、固定部材304は、基部構成要素310と係合する2つ以上の可動式構成要素を備えることができる。例えば、固定部材304は、上位に並進するように構成された上部可動式構成要素及び/または下位に並進するように構成された下部可動式構成要素を備えることができる。
【0058】
使用中、固定部材304は、拡張構成と後退構成との間で可逆的に移行するように構成されてもよい。後退構成では、固定部材304は、第1の高さを有することができる。いくつかの実施形態では、高さは、可動式構成要素312の締結具部分330から基部構成要素310の第2の端316まで測定することができる。締結具部分330は、第2の端部316から第1の距離だけ分離されてもよい。いくつかの実施形態では、カプラ部分328の少なくとも1つの区画が、基部構成要素310内に配設されてもよい。拡張構成では、固定部材304は、第1の高さよりも高い第2の高さを有することができる。締結具部分300は、第1の距離よりも大きい第2の距離だけ第2の端部316から分離されてもよい。いくつかの実施形態では、基部構成要素310内に配設されたカプラ部分328の区画が、基部構成要素310の外側にあってもよい。いくつかの実施形態では、装置300はまた、係止部材(図示せず)を備えてもよい。これらの実施形態では、係止部材は、可動式構成要素312の伸長及び/または収縮を阻止するように構成されてもよい。例えば、係止部材は、歯、掛止部、締結具、及び/または他の遮断特徴部を備えることができる。
【0059】
また、本明細書には、脊椎椎体固定装置300を設置するための方法を記載する。これらの方法は、本明細書に記載の後退構成で脊椎椎体固定装置300を提供することを含むことができる。いくつかの実施形態では、このステップは、横方向軌道に沿って、装置300を隣接する椎骨間(例えば、L4とL5の椎骨の間)に挿入することを含むことができる。これらの方法は、例えば、可動式構成要素312を延在させることによって、固定構成要素304を後退構成から拡張構成に移行させることも含むことができる。いくつかの実施形態では、可動式構成要素312は、基部構成要素310に対して並進(例えば、摺動)することができる。例えば、可動式構成要素312は、少なくとも部分的に基部構成要素310の外に畳み込むことができる。他の実施形態では、このステップは、基部構成要素310から離れて可動式構成要素312を枢動させることを含むことができる。このステップは、例えば、基部構成要素310上で少なくとも部分的にスロットの外から可動式構成要素312を摺動させることによって、基部構成要素310から離れて可動式構成要素312を直接的に押し進めることによって実施することができる。他の実施形態では、このステップは、可動式構成要素312と係合されたアクチュエータを作動させることによって間接的に実施することができる。係止部材を備える実施形態では、この方法は、拡張構成において固定部材304を係止することを含むこともできる。
【0060】
いくつかの方法は、締結具323を孔322に挿入すること、及び/または締結具333を孔332に挿入することを更に含むことができる。当業者であれば、可動式構成要素312の動的能力により、個々の患者の特定の解剖学的構造に基づいて、有利なことに、使用者が締結具333の位置を調整できることを理解するであろう。したがって、いくつかの方法は、締結具の配置場所を較正及び/または改善するために、可動式構成要素312を複数回延在及び/または後退させることを更に含むことができる。
【0061】
本明細書に記載の脊椎椎体固定装置は、1つ以上の締結具(例えば、骨スクリュー、アンカー、及び/またはステープル)と共に使用することができる。これらの実施形態のいずれにおいても、湾曲締結具を使用することができる。1つの例を
図7Aに例解する。
図7Aを参照すると、本明細書のいくつかの実施形態は、スペーサー部材352、固定部材354、及び湾曲締結具356を備えることができる脊椎椎体固定装置350を対象とする。いくつかの実施形態では、装置350は、直線締結具374も備えることができる。スペーサー部材352及び固定部材354は、本明細書に記載のスペーサー部材及び固定部材の一部または全ての特徴を備えることができる。例えば、スペーサー部材352は、側方処置(例えば、側方腰椎椎体間固定)を介して、隣接する椎骨間に挿入するように構成されてもよい。スペーサー部材352は、それぞれ、その幅(例えば、前後方向に測定したとき)よりも約100〜300%大きい長さ(例えば、前端部306と後端部308との間で測定されたとき)を有してもよい。スペーサー部材352はまた、椎骨端板が側面にわたるように構成されている長さを有してもよい。例えば、スペーサー部材352は、約40mmから約60mmの範囲の長さを有してもよい。
【0062】
固定部材354は、第1の(例えば、上位)端部362、第2の(例えば、下位)端部364、遠位面366、及び近位面368を含むことができる。固定部材354は、そこを通って締結具を受容するように構成された少なくとも1つの孔を備えることができる。
図7Aに例解するとおり、第1の端部362は、第1の孔370を備えることができ、第2の端部364は、第2の孔372を備えることができる。第1及び/または第2の孔370、372は、それぞれ軸を備えてもよい(図示せず)。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの軸(例えば、第1の孔370の軸)は、固定部材354に対して垂直であり得る。他の実施形態では、少なくとも1つの軸は、スペーサー部材352の垂直長手方向平面351に平行になるように構成され得る。いくつかの実施形態では、固定部材354は、基部部材352の高さよりも高い高さ(例えば、第1の端部362から第2の端部364まで測定したとき)を備えることができる。他の実施形態では、固定部材354の高さは、基部部材352の高さ以下であってもよい。更に他の実施形態では、装置350は、椎間板腔内に適合するように構成されている高さを有してもよい。
【0063】
固定部材354は、例えばその後端部360でスペーサー部材352と係合させるように構成され得る。例えば、固定部材354は、スペーサー部材352と静的にまたは動的に(例えば、枢動可能及び/または連接可能に)係合させることができる。いくつかの実施形態では、固定部材354をスペーサー部材352と一体化させることができる。他の実施形態では、止めねじなどの連結部材は、固定部材354をスペーサー部材352に連結するように構成されてもよい。更に他の実施形態では、固定部材354は、スペーサー部材352と係合していなくてもよい。
【0064】
湾曲締結具356は、ヘッド378から延在する湾曲した細長い本体376を備えることができる。細長い本体376は、その長手方向軸に沿って湾曲することができる。使用中、細長い本体376は、スペーサー部材352から離れて湾曲するように構成されてもよい。細長い本体376は、孔(例えば、第1の孔370及び/または第2の孔372)を通過するように構成されてもよい。したがって、本体376は、第1の孔370の直径よりも小さい直径及び/または幅を有してもよい。湾曲締結具356は、インプラントを骨に連結するように構成された任意の好適な締結具部材であり得る。例えば、湾曲締結具356は、アンカー、ステープル、及び/またはスクリューを備えることができる。いくつかの実施形態では、本体376は、螺刻されていてもよい。他の実施形態では、本体376は、歯及び/または掛止部などの1つ以上の後退防止部材を備えることができる。本体376は、テーパ状の先端を備えることができる。いくつかの実施形態では、湾曲締結具356にカニューレを挿入することができる。ヘッド378は、拡大し、かつ/または丸みをつけてもよい。他の実施形態では、ヘッド378は、円筒形、円錐形、及び/または円錐台形であってもよい。ヘッド378は、固定部材354と係合するように構成されてもよい。例えば、ヘッドは、孔のうちの1つの中にあるように構成されてもよい。
図7Aに例解するように、湾曲締結具356を第1の(例えば、上)孔370と係合させることができ、直線締結具374を第2の(例えば、下)孔372と係合することができる。他の実施形態では、湾曲締結具356を第2の(例えば、下)孔372と係合することができ、直線締結具374を第1の(例えば、上)孔370と係合することができる。
【0065】
本明細書の実施形態はまた、脊椎椎体固定装置350の設置方法も対象とする。これらの実施形態は、他の脊椎椎体固定装置に関して本明細書に記載のとおり、装置350を提供することを含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、このステップは、横方向軌道に沿って、装置350を隣接する椎骨間(例えば、L4とL5の椎骨の間)などの空隙に挿入することを含むことができる。いくつかの実施形態では、スペーサー部材352及び固定部材354は、挿入前に連結されてもよい。他の実施形態では、スペーサー部材352及び固定部材354は、挿入後に連結されてもよい(例えば、その場で)。この方法はまた、湾曲締結具356を、固定部材354の第1の(例えば、上位)端部362で第1の孔370に挿入することを含むことができる。更に、湾曲締結具356は、本体376の長手方向軸と同軸である湾曲した軌道に沿って挿入することができる。いくつかの実施形態では、このステップは、本体376を上椎骨内に挿入することを含むことができる。当業者であれば、上椎骨におけるこの湾曲した軌道は、有利なことに、本明細書に記載の特定の解剖学的構造を避けるように構成され得ることを理解するであろう。
【0066】
本明細書に記載の脊椎椎体固定装置は、本明細書に記載されているような特定の解剖学的構造を避けるために選択及び/または変更された軌道に従うように構成された締結具を備えることができる。脊椎椎体固定装置350に関して本明細書で説明するように、いくつかの実施形態では、湾曲締結具を備えることができる。代替的実施形態では、
図7Bに例解するとおり、脊椎椎体固定装置350は、後角に沿って側方挿入のために構成された1つ、2つ、またはそれ以上の締結具380を備えることができる。締結具380は、ヘッド384から延在する細長い本体382を備えることができる。細長い本体382は、軸386に沿って一直線に延在することができる。細長い本体382は、垂直長手方向平面351に対してある角度で孔370を通って挿入するように構成された長さを備えることができる。いくつかの実施形態では、細長い本体382は、他の締結具(例えば、湾曲締結具356及び/または直線締結具374)の長さよりも短い長さを有してもよい。当業者であれば、後角に沿って締結具を挿入することは、様々な解剖学的構造に対する損傷の危険を伴い得ることを理解するであろう。しかしながら、細長い本体382の長さがより短いと、有利なことに、本体内に突出している締結具によって引き起こされる可能性のある傷害を阻止しながら、後方方向への挿入が可能になる。
【0067】
使用中、スペーサー部材352及び固定部材354を設置した後、締結具380は、後方及び/または後側外方向に(例えば、スペーサー部材352の後側388に向かって)第1の孔370に挿入され得る。締結具380はまた、上椎骨(例えば、L4椎骨)に挿入されてもよい。
図7Bに例解するとおり、締結具380は、軸386がスペーサー部材352の垂直長手方向平面351と交差するように、軌道に沿って挿入されてもよい。軸386と平面351とは、約5度〜約90度の範囲内であり得る角度γを形成するように交差してもよい。他の実施形態では、γは約5度〜約45度の範囲であり得る。更に他の実施形態では、γは約20度〜約30度の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、締結具380の遠位端部390がスペーサー部材352の後側388を越えて突出しないように、締結具380を軌道に沿って挿入してもよい。当業者であれば、この後方アプローチに沿って締結具380を使用することにより、本明細書に記載の特定の解剖学的構造を避けつつ、締結具の配置が可能になることを理解し得る。いくつかの実施形態では、締結具(例えば、湾曲締結具356、直線締結具374、及び/または締結具380)を第2の孔372及び/または下椎骨(例えば、L5椎骨)に挿入してもよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、固定部材の1つ以上の孔は、締結具の軌道を向けるように角度を付けられてもよい。
図8A〜Bに例解するとおり、脊椎椎体固定装置400は、スペーサー部材402及び固定部材404を備えることができる。スペーサー部材402及び固定部材404は、他に記載がない限り、本明細書に記載のスペーサー部材及び固定部材の一部または全ての特徴を備えることができる。
図8Bに例解するとおり、固定部材404は、第1の(例えば、上位)端部406、第2の端部(例えば、下位)端部408、遠位面410、及び近位面412を含むことができる。第1の端部406は、第1の孔414を備えることができ、第2の端部408は、第2の孔416を備えることができる。いくつかの実施形態では、第1及び/または第2の端部406、408は、2つ以上の孔を備えることができる。
図8Aに例解するとおり、例えば、第1の端部406は、第1の孔414及び孔418を備えることができる。第1の孔414は、スペーサー部材402及び/または固定部材404に対して垂直でない角度を付けることができる軸420を備えることができる。
図8Aに例解するとおり、軸420は、スペーサー部材352の垂直長手方向平面422と交差するように構成されてもよい。軸420は、後及び/または後外側方向に(例えば、スペーサー部材402の後側426に向かって)延在してもよい。軸420及び平面422は、交差して約5度〜約90度の範囲内にあり得る角度(図示せず)を形成することができる。他の実施形態では、角度は、約5度から約45度の範囲であってもよい。更に他の実施形態では、角度は、約20度から約30度の範囲であってもよい。
図8Bに例解するとおり、軸420は、スペーサー部材352の水平長手方向平面424と交差するように構成することもできる。軸420は、上向きまたは上位方向に(例えば、スペーサー部材402の上面428から離れて)延在してもよい。軸420と平面424とは、約5度〜約90度の範囲内であり得る角度δを形成するように交差してもよい。他の実施形態では、δは約5度〜約45度の範囲であり得る。更に他の実施形態では、δは約20度〜約30度の範囲であり得る。固定部材404上に配設された他の任意の孔(例えば、孔418)は、軸420に関して記載したのと同様の軌道を有する軸を備えることができる。
【0069】
使用中は、スペーサー部材402及び固定部材404を設置した後、締結具430を軸420に沿って第1の孔414に挿入してもよい。
図8A〜Bに例解するとおり、湾曲締結具(例えば、湾曲締結具356)をその中に挿入してもよい。他の実施形態では、直線締結具を使用してもよい。締結具は、スクリュー、アンカー、及び/またはステープルであってもよい。締結具は、前外側及び/または斜めの位置から挿入してもよく、後及び/または後外側に延在してもよい。有利なことに、孔414の角度を付けた軸420は、これに限定するものではないが、腸骨稜、大腰筋、硬膜、及び/または腰神経叢など、本明細書に記載の特定の解剖学的構造から離れて締結具に向けることができる。
【0070】
ここで
図9を参照すると、脊椎椎体固定装置の代替的実施形態を例解している。脊椎椎体固定装置450は、スペーサー部材452と、固定部材454と、クランプ部材456と、を備えることができる。スペーサー部材452及び固定部材454は、本明細書に記載のスペーサー部材及び固定部材の一部または全ての特徴を備えることができる。例えば、スペーサー部材452は、側方処置(例えば、側方腰椎椎体間固定)を介して、隣接する椎骨間に挿入するように構成されてもよい。スペーサー部材452は、それぞれ、その幅(例えば、前後方向に測定したとき)よりも約100〜300%大きい長さ(例えば、前端部と後端部の間で測定しとき)を有してもよい。スペーサー部材452はまた、椎骨端板が側面にわたるように構成されている長さを有してもよい。例えば、スペーサー部材452は、約40mmから約60mmの範囲の長さを有することができる。スペーサー部材452は、その後端部に複数の水平溝を備えることもできる。いくつかの実施形態では、溝は、スペーサー部材452の近位面及び/または内面に配設され得る。各溝は、非対称のスロープを備えることができる。例えば、各溝は、斜め状、テーパ状、及び/または鋸歯状にすることができる。溝は、本明細書で更に説明するように、クランプ部材456と係合するように構成されてもよい。
【0071】
いくつかの実施形態では、スペーサー部材452は、固定部材454と係合するように構成されてもよい。固定部材454は、第1(例えば、上位)端部458、及び第2(例えば、下位)端部460を含むことができる。固定部材454は、そこを通って締結具を受容するように構成された少なくとも1つの孔を備えることができる。
図9に例解するとおり、第2の端部460は、そこを通る単一の孔462を備えることができる。いくつかの実施形態では、固定部材454は、1つ以上の孔を備えてもよい。他の実施形態では、第1の端部458は、いかなる孔も含まなくてもよい。更に他の実施形態では、第2の端部460は、いかなる孔も含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、固定部材454は、スペーサー部材452の高さよりも高い高さ(例えば、第1の端部458から第2の端部460までを測定したとき)を備えることができる。他の実施形態では、固定部材454の高さは、スペーサー部材452の高さ以下であってもよい。更に他の実施形態では、装置450は、椎間板腔に(例えば、2つの隣接する椎骨の間に)適合するように構成されている高さを有することができる。
【0072】
クランプ部材456は、本体部分468からほぼ垂直に延在する第1及び第2の先突部464、466を備えることができる。本体部分468は、直線であっても、または湾曲していてもよい。いくつかの実施形態では、本体部分468は湾曲していてもよい。いくつかの実施形態では、本体部分468は、締結具本体の曲率半径より大きく、締結具ヘッドの曲率半径よりも大きくない曲率半径を有してもよい。本体部分468、ならびに第1及び第2の先突部464、466は、U字形開口部470を画定してもよい。各先突部464、466は、その上に保持特徴部476、478を有する先端472、474を備えることができる。保持特徴部476、478は、鋸歯、矛先部(barb)、または掛止部など、先端から離れて角度が付けられた突出部を備えることができる。保持特徴部476、478は、スペーサー部材452の溝に係合するように構成されてもよい。
【0073】
また、本明細書には、脊椎椎体固定装置450を設置するための方法を記載する。これらの実施形態は、他の脊椎椎体固定装置に関して本明細書に記載のとおり、装置450を提供することを含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、このステップは、横方向軌道に沿って、装置450を隣接する椎骨間(例えば、L4とL5の椎骨の間)などの空隙に挿入することを含むことができる。いくつかの実施形態では、スペーサー部材452及び固定部材454は、挿入前に連結されてもよい。他の実施形態では、スペーサー部材452及び固定部材454は、挿入後に連結されてもよい(例えば、その場で)。締結具480は、固定部材454の第2の端部460の孔462に挿入されてもよい。本明細書に記載の締結具のいずれを使用してもよい。いくつかの実施形態では、このステップは、締結具480を下椎骨に挿入することを含んでもよい。
【0074】
本明細書に記載の方法は、クランプ部材456を固定部材454の上方に置くことも含むことができる。いくつかの実施形態では、このステップは、上椎骨の表面(例えば、側方面)上にクランプ部材456を表面的に置くことを含むことができる。次いで、締結具482をクランプ部材456のU字形開口部470内に挿入することができる。締結具482はまた、固定部材454の上方に挿入されてもよい。当業者であれば、締結具482は固定部材内の孔に挿入されないことがあることを理解するであろう。有利なことに、この特徴部は、締結具の配置に関して更なる柔軟性を使用者にもたらすことができる。この方法はまた、クランプ部材456の保持特徴部476、478がスペーサー部材452の溝に係合するまで、クランプ部材456をスペーサー部材452に向けて並進(例えば、圧縮)することを含むことができる。当業者であれば、クランプ部材456及びスペーサー部材452の特徴部は、掛止機構を形成することができ、この機構では、スペーサー部材452の溝によりスペーサー部材に向かう(例えば、下位及び/または下向き方向)クランプ部材456の並進を可能にし、クランプ部材456の逆方向(例えば、上位及び/または上向き方向)への並進を阻止することを理解するであろう。更に、締結具部材482のヘッドが、クランプ部材456の横方向の動きを阻止することができる。他の実施形態では、当業者であれば、固定部材454が第1の端部458のみに孔を備え、クランプ部材456は、固定部材454の下に(例えば、下椎骨上に)置くことができることは理解するであろう。
【0075】
図10A〜Bを参照すると、脊椎椎体固定装置の代替的実施形態を例解している。脊椎椎体固定装置500は、スペーサー部材502を備えることができる。脊椎椎体固定装置500は、締結具506を備えることもできる。スペーサー部材502は、他に記載されていない限り、本明細書に記載のスペーサー部材の特徴の一部または全てを備えることができる。
図10A〜Bに例解するとおり、スペーサー部材502は、先端部508、後端部510、第1の(例えば、前)側512、第2の(例えば、後)側514、上(例えば、上位)側516、及び下(例えば、下位)側518を含むことができる。スペーサー部材502は、側方処置(例えば、側方腰椎椎体間固定)を介して、隣接する椎骨間に挿入するように構成されてもよい。スペーサー部材502は、その幅(例えば、前後方向に測定したとき)よりも約100〜300%大きい長さ(例えば、前端部508と後端部510の間で測定したとき)を有してもよい。スペーサー部材502はまた、椎骨端板が側面にわたるように構成されている長さを有してもよい。例えば、スペーサー部材502は、約40mmから約60mmの範囲の長さを有してもよい。
【0076】
スペーサー部材502は、
図10Bに例解するように、そこを通って締結具506の少なくとも一部分を受容するように構成された受け部520(例えば、孔及び/またはチャネル)も備えることができる。いくつかの実施形態では、受け部520は、上側及び/または下側516、518に開口部を備えることができる。他の実施形態では、受け部520は、第1及び/または第2の側512、514に開口部を備えることができる。受け部520は、軸526を備えることができる。いくつかの実施形態では、軸526は概ね直線であってもよく、他の実施形態では、軸526は概ね湾曲していてもよい。
図10Bに例解するとおり、軸526は、スペーサー部材502の垂直面(例えば、垂直長手方向平面522及び/または垂直横断面524)からオフセットすることができる。軸526は、スペーサー部材502の垂直面から、約5度〜約90度の範囲の角度だけオフセットされてもよい。いくつかの実施形態では、軸526は、スペーサー部材502の垂直面から約5度〜約45度の範囲の角度だけオフセットされてもよい。他の実施形態では、軸526は、スペーサー部材502の垂直面から、約20度〜約30度の範囲の角度だけオフセットされてもよい。いくつかの実施形態では、軸526は、スペーサー部材502の垂直面と交差することができる。スペーサー部材502は、その中に締結具506を保持するように構成され得る、掛止部、歯、矛先部、及び/もしくはブレードなどの係止部材、ならびに/または保持部材を備えることができる。
【0077】
脊椎椎体固定装置500は、固定部材(図示せず)を備えても、備えなくてもよい。いくつかの実施形態では、スペーサー部材502は、固定部材と係合するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、固定部材は、前端部508、後端部510、第1の側512、第2の側514、上側516、及び/または下側518など、スペーサー部材502の1つ以上の領域と係合するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、固定部材は、スペーサー部材502の外面と係合するように構成されてもよい。他の実施形態では、固定部材は、スペーサー部材502の内面と係合するように構成されてもよい。固定部材は、スペーサー部材500の寸法よりも大きくない1つ以上の寸法(例えば、長さ、幅、及び/または高さ)を備えることができる。固定部材は、概ね平坦及び/または平面であってもよい。固定部材は、そこを貫通する孔を備え、その中に締結具506を受容するように構成されてもよい。
【0078】
スペーサー部材502は、締結具506を係合(例えば受容)するように構成されてもよい。
図10Aに例解するように、締結具506は、ヘッド530から延在する細長い本体528を備えることができる。締結具506は、スクリュー、アンカー、及び/またはステープルを備えることができる。締結具506は、本明細書に記載の締結具の1つ以上の特徴を備えることができる。細長い本体528は、螺刻されていてもよい。細長い本体528は、スペーサー部材502の孔520を貫通するように構成されてもよい。細長い本体528は、
図10Aに例解するとおり、椎間腔よりも大きいように構成可能な長さを有してもよい。細長い本体528の長さは、スペーサー部材502の高さよりも大きくすることができる。
図10Aに例解するとおり、細長い本体528は、2つの隣接する椎体と係合するように構成されてもよい。
【0079】
本明細書の実施形態はまた、脊椎椎体固定装置500の設置方法も対象とする。これらの方法は、他の脊椎椎体固定装置に関して本明細書に記載のとおり、装置500を提供することを含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、このステップは、横方向軌道に沿って、装置500を隣接する椎骨間(例えば、L4とL5の椎骨の間)などの空隙に挿入することを含むことができる。本明細書に記載される方法はまた、スペーサー部材502の孔520を通って締結具506を挿入するステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、締結具506が挿入されるとき、締結具506は、装置500の上方及び下方に(例えば、上側及び下側516、518を越えて)延在し得る。他の実施形態では、締結具506が挿入されるとき、締結具506は、装置500の周囲内に(例えば、先端部508、後端部510、第1の側512、及び第2の側514内に)位置することができる。いくつかの実施形態では、このステップは、下椎骨、装置500、及び上椎骨を通って、締結具506を挿入することを含んでもよい。他の実施形態では、このステップは、上椎骨、装置500、及び下椎骨を通って、締結具506を挿入することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、締結具506は、前外側及び/または斜めの位置(例えば、直接的な横方向の進入点と直接的な前方の進入点の間)から挿入することができる。他の実施形態では、締結具506は、腸骨稜に対して前方の位置から挿入することができる。有利なことに、当業者であれば、これらのアプローチによって、隣接する椎体間において装置500を保持しつつ、特定の解剖学的構造を避けることができることを理解するであろう。いくつかの実施形態は、スペーサー部材502に対して締結具506を係止することも含むことができる。このステップは、係止部材を作動させることを含むことができる。他の実施形態では、保持部材は、別途作動ステップがなく、スペーサー部材502に対して締結具506を保持することができる。
【0080】
ここで
図11A〜Bを参照すると、脊椎椎体固定装置の代替的実施形態を例解している。脊椎椎体固定装置550は、スペーサー部材552及び固定部材554を備えることができる。スペーサー部材552及び固定部材554は、他に記載がない限り、本明細書に記載のスペーサー部材及び固定部材の一部または全ての特徴を備えることができる。例えば、スペーサー部材552は、側方処置(例えば、側方腰椎椎体間固定)を介して、隣接する椎骨間に挿入するように構成されてもよい。スペーサー部材552は、それぞれ、その幅(例えば、前後方向に測定したとき)よりも約100〜300%大きい長さ(例えば、前端部と後端部の間で測定したとき)を有してもよい。スペーサー部材552はまた、椎骨端板が側面にわたるように構成されている長さを有してもよい。例えば、スペーサー部材552は、約40mmから約60mmの範囲の長さを有することができる。
図11A〜Bに例解するとおり、スペーサー部材552はまた、1つ以上の保持部材556を備えることができる。いくつかの実施形態では、スペーサー部材552は、複数の保持部材556を備えることができる。各保持部材556は、椎骨間空隙内で脊椎椎体固定装置550を押し進め、促進し、かつ/または保持するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、各保持部材556は、スパイク、アンカー、及び/またはシムを備えることができる。有利なことに、保持部材(複数可)556は、展開可能、延在可能、及び/または拡張可能であり得る。いくつかの実施形態では、保持部材556(複数可)は、スペーサー部材552内に位置してもよい。各保持部材556は、保持部材556がスペーサー部材552内に収容される後退状態と、保持部材556の少なくとも一部がスペーサー部材552を越えて突出する展開状態との間で移行するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、スペーサー部材552は、例えば、上面558上にそこを通って保持部材(複数可)556が貫通し得る1つ以上の穴を備えることができる。他の実施形態では、装置550は、保持部材(複数可)556を展開し、かつ/または後退させるように構成され得るアクチュエータ(図示せず)を更に備えることができる。
【0081】
いくつかの実施形態では、スペーサー部材552は、固定部材554と係合するように構成されてもよい。これらの実施形態では、固定部材554は、本明細書に記載のとおり、静的にまたは動的に(例えば、枢動可能に及び/または連接可能に)スペーサー部材552と係合するように構成され得る。固定部材554は、第1(例えば、上位)端部560、及び第2(例えば、下位)端部562を含むことができる。固定部材554は、そこを通って締結具を受容するように構成された少なくとも1つの孔を備えることができる。
図11A〜Bに例解するとおり、第2の端部562は、そこを通る単一の孔564を備えることができる。いくつかの実施形態では、固定部材554は、1つ以上の孔を備えてもよい。他の実施形態では、第1の端部560は、いかなる孔も含まなくてもよい。更に他の実施形態では、第2の端部562は、いかなる孔も含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、固定部材554は、スペーサー部材552の高さ(例えば、上面558と下面559の間を測定したとき)よりも高い高さ(例えば、第1の端部560から第2の端部562までを測定したとき)を備えることができる。他の実施形態では、固定部材554の高さは、スペーサー部材552の高さ以下であってもよい。組み立てられた構成にあるとき、
図11A〜Bに例解するように、第1の端部560は、スペーサー部材552の上面558を越えて延在していなくてもよく、第2の端部562は、スペーサー部材552の下面559を越えて延在していてもよい。
【0082】
また、本明細書には、脊椎椎体固定装置550を設置するための方法を記載する。これらの実施形態は、他の脊椎椎体固定装置に関して本明細書に記載のとおり、装置550を提供することを含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、このステップは、横方向軌道に沿って、装置550を隣接する椎骨間(例えば、L4とL5の椎骨の間)などの空隙に挿入することを含むことができる。いくつかの実施形態では、スペーサー部材552及び固定部材554は、挿入前に連結されてもよい。他の実施形態では、スペーサー部材552及び固定部材554は、挿入後に連結されてもよい(例えば、その場で)。脊椎椎体固定装置550は、後退構成において、保持部材(複数可)556を備えていてもよい。この構成では、保持部材(複数可)556はスペーサー部材552内で保持されてもよい。締結具566は、固定部材554の第2の端部562の孔564に挿入されてもよい。本明細書に記載の締結具のいずれを使用してもよい。いくつかの実施形態では、このステップは、締結具566を下椎骨に挿入することを含んでもよい。これらの方法はまた、保持部材(複数可)556を後退構成から展開構成に移行させることを含むことができる。このステップは、保持部材(複数可)556がスペーサー部材552の外面(例えば、上面558)を越えて少なくとも部分的に突出するように、保持部材(複数可)556を展開すること、延在させること、及び/または拡張することを含むことができる。このステップはまた、保持部材(複数可)556と上椎骨を係合(例えば、把持、咬合、貫入及び/または穿孔)することを含むことができる。当業者であれば、装置550が上椎骨と係合するために内部保持部材556を使用するので、使用者は、腸骨稜及び他の解剖学的特徴からの干渉を有利にも回避し得ることを理解するであろう。
【0083】
ここで
図12A〜Fを参照すると、いくつかの実施形態による脊椎椎体固定装置の代替的実施形態が例解されている。本明細書で他に記載されていない限り、脊椎椎体固定装置600は、2014年6月12日公開の米国特許出願第14/449,428号(表題「EXPANDABLE VERTEBRAL IMPLANT」)及び2013年1月23日公開の米国特許出願第2013/0023993号(表題「EXPANDABLE FUSION DEVICE AND METHOD OF INSTALLATION THEREOF」)に記載されている脊椎椎体固定装置の特徴の一部または全てを備えることができる。これらは全て、全ての目的においてその全体が参照によって本明細書に援用される。脊椎椎体固定装置600は、第1の(例えば、上部及び/または上位)端板602、第2の(例えば、下部及び/または下位)端板604、第1の係合用角度付き本体もしくは傾斜体606、または第2の係合用角度付き本体もしくは傾斜体608を含むことができる。
図12Cに例解するとおり、装置600は、第1の側601及び第2の側603を備えることもできる。本明細書に更に記載するとおり、脊椎椎体固定装置600は、調整可能な高さ及び/または前弯角を備えてもよい。これらの実施形態では、第1及び/または第2の端板602、604は、脊椎椎体固定装置800に関して本明細書に記載のとおり、枢動点を中心として枢動するように構成されてもよい。脊椎椎体固定装置600は、緯度軸(latitudinal axis)に沿ってくさび形状であってもよい。例えば、装置600は、第1の側601から第2の側603まで増大する高さを有してもよい。いくつかの実施形態では、第1及び/または第2の傾斜体606、608はくさび形状であってもよい。
【0084】
第1の端板602は、第1の(例えば、先及び/または遠位)端部610、第2の(例えば、後及び/または近位)端部612、第1の(例えば、後)側618、及び第2の(例えば、前)側620を含むことができる。第1の端板602の本体部分は、外面614、内面616、上面622、及び下面628を含み得る。
図12Aに例解するとおり、上面622は、椎体と係合するように構成される、複数の突起部(例えば、隆起、歯、及び/または頂点)を含むことができる。上面622は、概して、平面、凹面、及び/または凸面であってもよい。第1の端板602は、1つ以上の嵌合特徴部624を備えることができる。いくつかの実施形態では、嵌合特徴部(複数可)624は、内面616に位置してもよい。他の実施形態では、第1の側618は、少なくとも1つの嵌合特徴部624を備えてもよく、第2の側620は、少なくとも1つの嵌合特徴部624を備えてもよい。更に他の実施形態では、第1及び/または第2の側618、620は、それぞれ、第1の端部610に嵌合特徴部、中間部分に嵌合特徴部、及び第2の端部612に嵌合特徴部を備えることができる。
【0085】
図12Aに例解するとおり、第1の端板602は、第1の伸長部分648を備えることもできる。第1の伸長部分648は、第1の端板602の本体部分の第2の端部612から、例えば、垂直に延在することができる。第1の伸長部分648は、第1の端板602の本体部分の高さよりも高い高さを有することができる。例えば、第1の伸長部分648は、上面622を越えて延在することができる。いくつかの実施形態では、第1の伸長部分648は、第1の端板602に連結(例えば、取り付け、接合、及び/または接続)されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の伸長部分648は、例えば、脊椎椎体固定装置50に関して本明細書に記載のとおり、第1の端板602の本体部分に移動可能に(例えば、連接可能に)連結されてもよい。例えば、第1の端板602の本体部分及び伸長部分648は、共にあり継手を形成してもよい。いくつかの実施形態では、第1の伸長部分648及び第1の端板602の本体部分は、それぞれ異なる材料(例えば、金属及び/またはポリマー)を含んでもよい。他の実施形態では、第1の端板602の第1の伸長部分648及び本体部分は、単体構造体を形成してもよい。第1の伸長部分648は、そこを貫通する孔650を備えることができる。孔650は、その中に締結具651を受容するように構成され得る。第1の伸長部分648は、受け部654も備えることができる。受け部654は、少なくとも部分的に孔650と重なってもよい。受け部654は、その中に保持部材656を受容するように構成されてもよい。
【0086】
図12Bに例解するとおり、孔650は、軸652を備えることができる。いくつかの実施形態では、軸652は、第1の端板602の長手方向軸(例えば、中心線)626にほぼ平行であってもよい。他の実施形態では、軸652は、長手方向中心線626に対して斜めになっていてもよい。更に他の実施形態では、軸652は、
図12Cに例解するとおり、組み立てられた装置600の垂直長手方向平面658と交差するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、軸652、孔650、及び/または第1の伸長部分648は、長手方向中心線626及び/または垂直長手方向平面658から水平方向にオフセットされてもよい。いくつかの実施形態では、軸652、孔650、及び/または第1の伸長部分648は、第2の側620に向かって水平方向にオフセットされてもよい。
図12Cに例解するとおり、軸652は、平面658と角度εだけ交差することができる。いくつかの実施形態では、εは、約0度から約90度の範囲であってもよい。他の実施形態では、εは約5度〜約45度の範囲であり得る。更に他の実施形態では、εは約20度〜約30度の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、
図12Bに例解するとおり、別の角度γを設けることができる。いくつかの実施形態では、軸652は、0度〜90度の角度γで配列することができる。
【0087】
第2の端板604は、第1の端板602と同じ特徴の一部または全部を備えることができる。いくつかの実施形態では、第1及び第2の端板602、604は、互いに対して対称であってもよい。
図12Aに例解するとおり、第2の端板604は、第1の(例えば、先及び/または遠位)端部630、第2の(例えば、後及び/または近位)端部632、第1の(例えば、後)側634、及び第2の(例えば、前)側636を含むことができる。第2の端板604の本体部分は、外面638、内面640、上面642、及び下面644を含み得る。下面644は、椎体と係合するように構成される、複数の突起部(例えば、隆起、歯、及び/または頂点)を含み得る。下面644は、概して、平面、凹面、及び/または凸面であってもよい。第2の端板604は、1つ以上の嵌合特徴部646を備えることができる。いくつかの実施形態では、嵌合特徴部(複数可)646は、内面640に位置してもよい。他の実施形態では、第1の側634は、少なくとも1つの嵌合特徴部646を備えてもよく、第2の側636は、少なくとも1つの嵌合特徴部646を備えてもよい。更に他の実施形態では、第1及び/または第2の側634、636は、それぞれ、第1の端部630に嵌合特徴部、中間部分に嵌合特徴部、及び第2の端部632に嵌合特徴部を備えることができる。
【0088】
図12Aに例解するとおり、第2の端板604は、第2の伸長部分660を備えることもできる。第2の伸長部分660は、第2の端板604の本体部分の第2の端部632から、例えば、垂直に延在することができる。第2の伸長部分660は、第2の端板604の本体部分の高さよりも高い高さを有することができる。例えば、第2の伸長部分660は、上面644を越えて延在することができる。いくつかの実施形態では、第2の伸長部分660は、第2の端板604の本体部分に連結(例えば、取り付け、接合、及び/または接続)されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の伸長部分660は、例えば、脊椎椎体固定装置50に関して本明細書に記載のとおり、第2の端板604の本体部分に連接可能に連結されてもよい。例えば、第2の端板604の本体部分及び第2の伸長部分660は、共にあり継手を形成し得る。いくつかの実施形態では、第2の伸長部分660及び第2の端板604の本体部分は、それぞれ異なる材料(例えば、金属及び/またはポリマー)を含んでもよい。他の実施形態では、第2の端板604の第2の伸長部分660及び本体部分は、単体構造体を形成してもよい。第2の伸長部分660は、そこを貫通する孔662を備えることもできる。孔662は、その中に締結具663を受容するように構成され得る。第2の伸長部分660は、受け部664も備えることができる。受け部664は、少なくとも部分的に孔662と重なってもよい。受け部664は、その中に保持部材666を受容するように構成されてもよい。
【0089】
図12Bに例解するとおり、孔662は、軸668を備えることができる。いくつかの実施形態では、軸668は、第2の端板604の長手方向軸(例えば、中心線)670にほぼ平行であってもよい。他の実施形態では、軸668は、長手方向中心線670に対して斜めになっていてもよい。更に他の実施形態では、軸668は、第1の端板602の垂直長手方向平面658と同一平面上にあり得る第2の端板604の垂直長手方向平面(図示せず)と交差するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、軸668、孔662、及び/または第2の伸長部分660は、長手方向中心線670及び/または垂直長手方向平面から水平方向にオフセットされてもよい。いくつかの実施形態では、軸668、孔662、及び/または第2の伸長部分660は、第2の側636に向かって水平方向にオフセットされてもよい。いくつかの実施形態では、軸668は、平面(例えば平面658を含む)とある角度によって交差できる。いくつかの実施形態では、角度は、約0度から約90度の範囲であってもよい。他の実施形態では、角度は、約5度から約45度の範囲であってもよい。更に他の実施形態では、角度は、約20度から約30度の範囲であってもよい。更に他の実施形態では、角度は本明細書に記載されるεに等しくてもよい。
【0090】
図12Bに例解するとおり、第1の端板602の嵌合特徴部624は、第2の端部612から第1の端部610に向かう方向に、長手方向軸626に沿って上り傾斜していてもよい(例えば、下面628から上面622に向かって延在してもよい)。いくつかの実施形態では、嵌合特徴部624は、例えば、第1の端部610に向かって角度を付けてもよい。他の実施形態では、嵌合特徴部624は、第1の端部610から第2の端部612に向かう方向に長手方向軸626に沿って上り傾斜していてもよい。いくつかの実施形態では、第2の端板604の嵌合特徴部646は、第2の端部632から第1の端部640に向かう方向に、長手方向軸670に沿って下り傾斜していてもよい(例えば、上面642から下面644に向かって延在することができる)。いくつかの実施形態では、嵌合特徴部646は、例えば、第1の端部630に向かって角度を付けてもよい。他の実施形態では、嵌合特徴部646は、第1の端部630から第2の端部632に向かう方向に長手方向軸670に沿って下り傾斜していてもよい。
【0091】
本明細書に更に記載のとおり、第1及び/または第2の端板602、604は、第1の傾斜体606と係合(例えば、嵌合)するように構成されてもよい。
図12Aに例解するとおり、第1の傾斜体606は、第1の(例えば、先及び/または遠位)端部672、第2の(例えば、後及び/または近位)端部674、第1の(例えば、前)側部分676、第2の(例えば、後)側部分678、を含むことができる。
図12Bに例解するとおり、第1の傾斜体606はまた、第3の(例えば、上位)端部680及び第4の(例えば、下位)端部682を含むことができる。第3の端部680は、第1の端板602と係合するように構成される、1つ以上の嵌合特徴部684を備えてもよく、第4の端部682は、第2の端板604と係合するように構成された1つ以上の嵌合特徴部686を備えてもよい。第1の側部分676及び/または第2の側部分678は、第1及び/または第2の端板602、604と係合するように構成される、1つ以上の嵌合特徴部684、686を備えることができる。いくつかの実施形態では、第1の端部672は、第3の端部680に2つ以上の嵌合特徴部684を備え、第4の端部682に2つ以上の嵌合特徴部686を備えることができる。第1の傾斜体606の嵌合特徴部の各々は、第1及び/または第2の端板602、604上の対応する嵌合特徴部624、646と嵌合するように構成(例えば、成形)されてもよい。嵌合特徴部684、686は、組み立てられた構成にあるとき、それらの対応する嵌合特徴部624、646と実質的にほぼ同じ傾斜を有し得る。いくつかの実施形態では、各嵌合特徴部684は、第1の傾斜体606の第1の端部672に向かって上り傾斜し、各嵌合特徴部686は、第1の傾斜体606の第1の端部672に向かって下り傾斜する。他の実施形態では、嵌合特徴部684及び嵌合特徴部686は、第2の端部674に比較的隣接している位置から第1の端部672に比較的隣接している位置まで、長手方向軸に沿って互いから分岐してもよい。更なる他の実施形態では、嵌合特徴部684、686は、例えば、第1の端部672に向かって角度を付けてもよい。更に他の実施形態では、1つ以上の嵌合特徴部684が、傾斜体606の第2の端部674に向かって上り傾斜していてもよく、かつ/または1つ以上の嵌合特徴部686が、傾斜体606の第2の端部674に向かって、下り傾斜していてもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の嵌合特徴部684、686は、突起部(例えば、さね、レール及び/または肩部)を備えることができる。他の実施形態では、1つ以上の嵌合特徴部684、686は、陥部(例えば、溝、トラック、及び/またはチャネル)を備えることができる。いくつかの実施形態では、例えば、
図12Bに例解するとおり、嵌合特徴部684、686は、第1及び/または第2の側676、678に沿って長手方向に交互にすることができる。他の実施形態では、例えば、
図12Bに例解するとおり、嵌合特徴部684、686は、第1及び/または第2の側676、678に沿って横方向に交互に起こり得る。第1の傾斜体606上の各嵌合特徴部684は、概ね同じであり得る。各嵌合特徴部686は、概ね同じであってもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの嵌合特徴部684及び/または686は、他の嵌合特徴部684、686と比較して異なる特性を備えてもよい。
【0092】
第1及び第2の端板602、604上の嵌合特徴部624、646は、第1の傾斜体606上の対応する嵌合特徴部684、686と共に摺動可能な継手を形成するように構成され得る。したがって、第1の傾斜体606は、第1及び/または第2の端板602、604と摺動可能に係合するように構成されてもよい。摺動型継手は、有利なことに、脊椎椎体固定装置600が拡張構成と収縮構成との間で可逆的に移行することを可能にする。摺動型継手としては、例えば、接合されたくい込み継手、あり継手、さねはぎ、または別の好適な継手を挙げることができる。いくつかの実施形態では、第1及び/または第2の端板602、604上の1つ以上の嵌合特徴部は、陥部(例えば、溝、トラック及び/またはチャネル)を備えることができ、第1傾斜体606上の1つ以上の嵌合特徴部は、溝内を摺動するように構成された突起部(例えば、さね、レール、及び/または肩部)を備えることができる。他の実施形態では、第1及び/または第2端板602、604の1つ以上の嵌合特徴部は、突起部を備えることができ、第1の傾斜体606の1つ以上の嵌合特徴部は、陥部を備えることができる。
【0093】
図12Aに例解するとおり、第1の傾斜体606の第2の端部674は、その端部を長手方向に貫通する第1のねじ孔688を備えることができる。第1のねじ孔688は、アクチュエータ702の螺合部材704を受容する(例えば、螺合可能に係合する)ように構成されてもよい。
図12Aに例解するとおり、アクチュエータ702の螺合部材704は、工具係合凹部710を有する近位端部を含むことができる。
図12A〜Bに例解するとおり、アクチュエータ702は、ワッシャ706及び/またはスナップ留めリング708を備えることもできる。第1の傾斜体606の第2の端部674は、その端部を長手方向に貫通する第2の孔690を備えることもできる。いくつかの実施形態では、第2の孔690は、螺刻されていてもよい。第2の孔690は、インサータに係合するように構成されてもよく、他の実施形態では、第2の孔690は、有利なことに、移植片材料を装置600の空洞692(
図12Cに例解する)内に送達することを可能にするためにアクセスポートとして使用するために構成され得る。第2の孔690は、第1のねじ孔688から横方向に変位させ得る。いくつかの実施形態では、第1のねじ孔688は、第1の傾斜体606の第2の側678に隣接して位置してもよく、第2の孔690は、第1の側676に隣接して位置してもよく、またはその逆であってもよい。他の実施形態では、第1のねじ孔688は、第2の孔690に対して前方にオフセットされてもよく、またはその逆であってもよい。いくつかの実施形態では、
図12A〜12Dに例解するとおり、インサータと係合するための第2の孔690は、固定装置600を通って延在する中心長手軸に対して実質的に直線であり、かつ平行である。代替的実施形態では、
図12E及び12Fに例解するとおり、インサータと係合するための第2の孔690は、第2の側678に隣接して、及び/または第1のねじ孔688に対して前方にオフセットして置くことができる。これらの実施形態では、装置600は、有利なことに、平面658からオフセットした角度でインサータと係合するように構成してもよく、それにより、使用者は、腰筋との相互作用を少なくして、装置600を、例えば、患者の腰椎などの直接的横配向に位置付けることができる。
【0094】
第1のねじ孔688及び/または第2の孔690は、垂直長手方向平面658から水平方向にオフセットされている軸を備えることができる。いくつかの実施形態では、(例えば、第1のねじ孔688及び/または第2の孔690の)軸は、第2の側678に向かって水平方向にオフセットすることができる。いくつかの実施形態では、第1のねじ孔688及び/または第2の孔690の軸は、平面658と交差してある角度を形成することができる。いくつかの実施形態では、角度は、約0度から約90度の範囲であってもよい。他の実施形態では、角度は、約5度から約45度の範囲であってもよい。更に他の実施形態では、角度は、約20度から約30度の範囲であってもよい。更に他の実施形態では、角度は本明細書に記載されるεに等しくてもよい。
【0095】
組み立てられた構成にあるとき、第2の傾斜体608は、第1の傾斜体606に隣接して、配設され得る。第2の傾斜体608は、第1及び/または第2の端板602、604上の対応する嵌合特徴部624、646と係合するように構成される、1つ以上の嵌合特徴部を備えることができる。第2の傾斜体608上の嵌合特徴部は、第1の傾斜体606の嵌合特徴部684、686と同じ特徴の一部または全部を備えることができる。
図12Aに例解するとおり、第2の傾斜体608は、第1の孔694を備えることができる。第1の孔694は、組み立てられた構成にあるとき、第1の傾斜体606の第1のねじ孔688と同軸になるように構成され得る。第1の孔694は、アクチュエータ702のヘッド部分をその中に受容するように構成されてもよい。使用中、ヘッド部分は、第1の孔694内で回転するように構成されてもよい。第2の傾斜体608はまた、第2の孔696を備えることができる。第1及び/または第2の孔694、696は、螺刻されていてもよい。いくつかの実施形態では、第2の孔696は、インサータと係合するように構成されてもよい。第2の孔696は、組み立てられた構成にあるとき、第1の傾斜体606の第2の孔690と同軸になるように構成され得る。第2の孔696は、第1の孔694から横方向に変位させ得る。いくつかの実施形態では、第1の孔694は、第2の傾斜体608の第2の側698に隣接して位置してもよく、第2の孔696は、第1の側697に隣接して置かれてもよく、またはその逆であってもよい。他の実施形態では、第1の孔694は、第2の孔696に対して前方にオフセットされてもよく、またはその逆であってもよい。いくつかの実施形態では、
図12Eに例解するとおり、第2の孔696は、第2の側698に隣接して、及び/または第1の孔694に対して前方にオフセットして置くことができる。これらの実施形態では、装置600は、有利なことに、平面658からオフセットした角度でインサータと係合するように構成してもよく、それにより、使用者は、腰筋との相互作用を少なくして、装置600を、例えば、患者の腰椎などの直接的横配向に位置付けることができる。
【0096】
第1の孔694及び/または第2の孔696は、垂直長手方向平面658から水平方向にオフセットされている軸を備えることができる。いくつかの実施形態では、第1の孔694及び/または第2の孔696の軸は、第2の側698に向かって水平方向にオフセットすることができる。いくつかの実施形態では、第1の孔694及び/または第2の孔696の軸は、平面658と交差してある角度を形成することができる。いくつかの実施形態では、角度は、約0度から約90度の範囲であってもよい。他の実施形態では、角度は、約5度から約45度の範囲であってもよい。更に他の実施形態では、角度は、約20度から約30度の範囲であってもよい。更に他の実施形態では、角度は本明細書に記載されるεに等しくてもよい。
【0097】
脊椎椎体固定装置600は、有利なことに、調整可能な高さ及び/または前弯角を備えてもよい。いくつかの実施形態では、装置600は拡張可能であってもよい。脊椎椎体固定装置600は、有利なことに、折り畳まれた構成と拡張された構成との間で可逆的に移行するように構成されてもよい。例えば、
図12Dに例解するとおり、脊椎椎体固定装置600は、折り畳まれた構成では、第1の高さ(例えば、第1の端板602の上面622から第2の端板604の下面644までを測定したとき)を備えることができる。例えば、
図12Fに例解するとおり、脊椎椎体固定装置600は、拡張された構成では、第1の高さよりも高い第2の高さを備えることができる。いくつかの実施形態では、第2の高さは、第1の高さよりも約25%〜約200%高くてもよい。他の実施形態では、第2の高さは、第1の高さよりも約100%〜約150%高くてもよい。いくつかの実施形態では、第1の高さは約5mm〜約10mmの範囲であってもよく、かつ/または第2の高さは、約15mm〜約20mmの範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、高さの変化は、第1及び第2端板602、604の互いに向かっての移動及び/または互いから離れる方向への移動によって引き起こされ得る。これらの実施形態では、第1及び第2の端板602、604は、折り畳まれた構成のときは第1の距離で、拡張された構成のときは第2の距離だけ分離することができ、第2の距離は第1の距離より大きい。当業者であれば、使用中、脊椎椎体固定装置600の高さを調整して個々の患者の解剖学的構造に適応させることができることを理解するであろう。更に、装置600は、折り畳まれた構成において椎間腔内に挿入されてもよく、これは、そのサイズがより小さいことから周囲組織に与える外傷をより少なくすることができる。
【0098】
本明細書の実施形態はまた、脊椎椎体固定装置600の設置方法も対象とする。方法は、例えば、
図12Dに例解するとおり、折り畳まれた構成で装置600を提供することを含むことができる。いくつかの実施形態では、このステップは、2つの隣接する椎骨の間(例えば、L4椎骨とL5椎骨の間)に装置600を提供(例えば、挿入)することを含むことができる。いくつかの実施形態では、装置600は、直線インサータまたは角度付きインサータなどのインサータを使用して挿入することができる。これらの実施形態では、設置方法は、例えば、インサータの螺合部材を第1及び/または第2傾斜面606、608の第2の孔690、696に螺合することなど、インサータを装置600に連結することを含むことができる。いくつかの実施形態では、装置600は、例えば、直線インサータを使用する場合など、側方アプローチに沿って挿入されてもよい。他の実施形態では、装置600は、例えば角度を付けたインサータを使用する場合、前外側及び/または斜方アプローチに沿って挿入することができる。これらの実施形態では、装置600は、引き続き、椎間腔内にある間に横配向に枢動することができる。いくつかの実施形態では、装置600は、低侵襲方法を使用して挿入してもよい。いくつかの実施形態では、例えば、椎間板の一部または全部を除去するために椎間板切除術を行うことによって、椎間腔を事前に準備することができる。
【0099】
本明細書の方法は、例えば、装置600を折り畳まれた構成から拡張構成に移行させることによって、装置600を拡張することも含むことができる。装置600を拡張するために、第2の傾斜体608は、第1の傾斜体606に向かって、またはその逆に動かすことができる。第1及び第2傾斜面606、608が互いに向かって並進するとき、第1及び第2傾斜面606、608のそれぞれの嵌合特徴部が第1及び第2端板602、604の対応する嵌合特徴部に押し付けられてもよく、それにより第1及び第2端板602、604が押し離され、装置600の高さが増す。
【0100】
いくつかの実施形態では、装置600を拡張するステップは、アクチュエータ702を作動させることを含むことができる。このステップは、螺合部材704に回転力を加えて第1の傾斜体606に螺合可能に係合することを含むことができる。回転力は、直接的に(例えば、手動で)及び/または間接的に(例えば、駆動体または他の道具を介して)加えることができる。いくつかの実施形態では、螺合部材704が第1の方向に回転すると、螺合部材704が第1の傾斜体606を第2の傾斜体608に向けて引っ張ることができる。第1の傾斜体606が第2の傾斜体608に向かって移動するとき、第1の傾斜体606の嵌合特徴部は第1及び/または第2の端板602、604の嵌合特徴部に係合してもよく、それにより第1及び第2の端板602、604は押し離される(くさび留めにする)。他の実施形態では、螺合部材704が第2の方向に回転すると、螺合部材704が第1の傾斜体606を第2の傾斜体608から押し離され得る。当業者であれば、装置600が可逆的に拡張可能であることを理解するであろう。したがって、いくつかの実施形態は、例えば、第1及び第2の端板602、604を一緒にすることによって、装置600の高さを低減することを含むことができる。
【0101】
いくつかの実施形態では、装置600は、装置600を所望の構成(例えば、所望の高さ)に係止するように構成された係止部材を備えることができる。
図12Fに例解するように、他の実施形態では、装置600の拡張後、骨成長材料は、チャネル691を通って空洞692に導入されてもよい。チャネル691は、外面614、638から空洞692まで第1及び/または第2の端板602、604を貫通していてもよい。いくつかの実施形態では、チャネル691は、第1及び/または第2の端板602、604の第2の側620、636に置かれてもよい。有利なことに、チャネル691は、外科医による現場での直接的アクセスを可能にするように構成された場所(例えば、第2の側620及び/または636)に位置付けられてもよい。可動式伸長部分648、660を備える実施形態では、本明細書の方法は、第1及び第2端板602、604の本体部分の少なくとも一方に対して、一方または両方の伸長部分648、660の位置を調整するステップも含むことができる。いくつかの実施形態では、このステップは、第1及び第2の端板602、604のそれぞれの本体部分に沿って一方または両方の伸長部分648、660を並進(例えば、摺動)することによって達成され得る。例えば、このステップは、第1及び/または第2の端板602、604のそれぞれの本体部分の少なくとも一方の溝部材内に、第1及び第2の伸長部分648、660のうちの少なくとも一方のさね部材を摺動させることを含むことができる。他の実施形態では、第1及び/または第2の伸長部分648、660は、第1及び/または第2の端板602、604のそれぞれの本体部分に対して枢動させ、かつ/または連接させることができる。いくつかの実施形態は、第1及び/または第2の端板602、604のそれぞれの本体部分に対して第1及び第2の伸長部分648、660の少なくとも一方の位置を係止することも含むことができる。
【0102】
本明細書の方法は、締結具651を孔650に挿入するステップ、及び/または締結具663を孔662に挿入するステップを含むこともできる。このステップは、長手方向軸626及び/または垂直長手方向平面658と交差するように構成されている軸(例えば、軸652)に沿って締結具651を挿入することを含むことができる。このステップはまた、長手方向軸670及び/または垂直の垂直長手方向平面658と交差するように構成されている軸(例えば、軸668)に沿って締結具663を挿入することを含むことができる。いくつかの実施形態では、このステップは、前外側及び/または斜方軌道に沿って締結具651及び/または締結具663を挿入することを含むことができる。他の実施形態では、このステップは、締結具651を上椎骨に挿入すること、及び締結具663を下椎骨に挿入することを含むことができる。本明細書に記載されているように、当業者であれば、この軌道が、大腰筋、腰神経叢及び/または腸骨稜などの特定の解剖学的構造を有利なことに避けることができることを理解するであろう。したがって、いくつかの実施形態では、装置600は、腰椎間に横方向に挿入され、引き続き、最小限の干渉で椎骨に連結されてもよい。締結具651及び/また663を挿入した後、締結具は、保持部材656及び/または666によって締着されてもよい。保持部材656、666は、受け部654、664内に配設されてもよい。保持部材656、666は、保持部材656、666の一部分が孔650、662と重なるまで回転し、締結具651、663の後退を防止するように構成されてもよい。当業者であれば、いくつかの実施形態では、締結具651、663は、装置600の拡張前に挿入され得ることを理解するであろう。
【0103】
ここで
図13A〜Eを参照すると、脊椎椎体固定装置の代替的実施形態を例解している。本明細書で特に記載しない限り、脊椎椎体固定装置800は、2014年8月1日出願の米国特許出願第14/449,428号、表題「VARIABLE LORDOSIS SPACER AND RELATED METHODS OF USE」、2014年6月12日に公開の米国特許公開第2014/0163683号、表題「EXPANDABLE VERTEBRAL IMPLANT」、及び2013年1月23日に公開の米国特許公開第2013/0023993号、表題「EXPANDABLE FUSION DEVICE AND METHOD OF INSTALLATION THEREOF」に記載の脊椎椎体固定装置の特徴の一部または全てを備えることができる。脊椎椎体固定装置800は、第1の(例えば、上部及び/または上位)端板802、第2の(例えば、下部及び/または下位)端板804、第1の係合用角度付き本体もしくは傾斜体806、または第2の係合用角度付き面もしくは傾斜体808を含むことができる。
図13Dに例解するとおり、装置800は、第1の側801及び第2の側803を備えることもできる。本明細書に更に記載するとおり、脊椎椎体固定装置800は、調整可能な高さ及び/または前弯角を備えてもよい。いくつかの実施形態では、第1及び第2の側801、803の一方または両方は、枢動点Pを中心にして枢動可能に拡張するように構成されてもよい。脊椎椎体固定装置800は、
図13Dに示す正面図から見られるような緯度軸に沿ってくさび形状であってもよい。例えば、装置800は、第1の側801から第2の側803まで増大する高さを有してもよい。いくつかの実施形態では、第1及び/または第2の傾斜体806、808はくさび形状であってもよい。
【0104】
図13Aに例解するとおり、第1の端板802は、第1の(例えば、先及び/または遠位)端部810、第2の(例えば、後及び/または近位)端部812、第1の(例えば、後)側818、及び第2の(例えば、前)側820を含むことができる。第1の端板802は、装置800の第1の側801から第2の側803まで延在することができる。第1の端板802の本体部分は、外面814、内面816、上面822、及び下面828を含み得る。上面822は、椎体と係合するように構成される、複数の突起部(例えば、隆起、歯、及び/または頂点)を備えてもよい。上面822は、概して、平面、凹面、及び/または凸面であってもよい。本明細書に更に記載するとおり、第1の端板802は、1つ以上の嵌合特徴部を備えることができる。いくつかの実施形態では、嵌合特徴部(複数可)は、内面816に置かれてもよい。第1の側818は、少なくとも1つの嵌合特徴部823を備えてもよく、第2の側820は、少なくとも1つの嵌合特徴部824を備えてもよい。更に他の実施形態では、第1及び/または第2の側818、820は、それぞれ、第1の端部810に嵌合特徴部、中間部分に嵌合特徴部、及び/または第2の端部812に嵌合特徴部を備えることができる。
【0105】
図13Aに例解するとおり、第1の端板802は、第1の伸長部分848を備えることもできる。第1の伸長部分848は、第1の端板802の本体部分の第2の端部812から延在することができる。第1の伸長部分848は、第1の端板802の本体部分の高さよりも高い高さを有することができる。例えば、第1の伸長部分848は、上面822を越えて延在することができる。いくつかの実施形態では、第1の伸長部分848は、第1の端板802の本体部分に連結(例えば、取り付け、接合、及び/または接続)されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の伸長部分848は、例えば、脊椎椎体固定装置50に関して本明細書に記載のとおり、第1の端板802の本体部分に移動可能に連結(例えば、連接可能に連結及び/または関節連結)されてもよい。例えば、第1の端板802の本体部分及び伸長部分848は、共にあり継手を形成してもよい。いくつかの実施形態では、第1の伸長部分848及び第1の端板802の本体部分は、それぞれ異なる材料(例えば、金属及び/またはポリマー)を含んでもよい。他の実施形態では、第1の端板802の第1の伸長部分848及び本体部分は、単体構造体を形成してもよい。第1伸長部分848は、そこを貫通する孔850を備えることができる。孔850は、その中に締結具を受容するように構成され得る。第1の伸長部分848は、受け部854も備えることができる。受け部854は、少なくとも部分的に孔850と重なってもよい。受け部854は、その中に保持部材856を受容するように構成されてもよい。
【0106】
図13Bに例解するとおり、孔850は、軸852を備えることができる。いくつかの実施形態では、軸852は、組み立てられた装置800の長手方向軸(例えば中心線)及び/または垂直長手方向平面858にほぼ平行であってもよい。他の実施形態では、軸852は、垂直長手方向平面858に対して斜めになっていてもよい。更に他の実施形態では、軸852は、垂直長手方向平面858と交差するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、軸852、孔850、及び/または第1の伸長部分848は、長手方向中心線及び/または垂直長手方向平面858から水平方向にオフセットされてもよい。いくつかの実施形態では、軸852、孔850、及び/または第1の伸長部分848は、第2の側820に向かって水平方向にオフセットされてもよい。他の実施形態では、軸852、孔850、及び/または第1の伸長部分848は、第1の側818に向かって水平方向にオフセットされてもよい。いくつかの実施形態では、軸852は、平面858と約0度〜約90度の範囲の角度で交差することができる。他の実施形態では、軸852は、平面858と約5度〜約45度の範囲の角度で交差することができる。更に他の実施形態では、軸852は、平面858と約20度〜約30度の範囲の角度で交差することができる。
【0107】
第2の端板804は、第1の端板802と同じ特徴の一部または全部を備えることができる。いくつかの実施形態では、第1及び第2の端板802、804は、互いに対して対称であってもよい。
図12Aに例解するとおり、第2の端板804は、第1の(例えば、先及び/または遠位)端部830、第2の(例えば、後及び/または近位)端部832、第1の(例えば、後)側834、及び第2の(例えば、前)側836を含むことができる。第2の端板804は、装置800の第1の側801から第2の側803まで延在することができる。
図13Aに例解するとおり、第2の端板804の本体部分は、外面838、内面840(
図13Dに例解)、上面842、及び下面844を含み得る。下面844は、椎体と係合するように構成される、複数の突起部(例えば、隆起、歯、及び/または頂点)を含み得る。下面844は、概して、平面、凹面、及び/または凸面であってもよい。本明細書に更に記載するとおり、第2の端板804は、1つ以上の嵌合特徴部を備えることができる。いくつかの実施形態では、嵌合特徴部(複数可)は、内面840に位置してもよい。第1の側834は、少なくとも1つの嵌合特徴部845を備えてもよく、第2の側820は、少なくとも1つの嵌合特徴部846を備えてもよい。更に他の実施形態では、第1及び/または第2の側834、836は、それぞれ、第1の端部830に嵌合特徴部、中間部分に嵌合特徴部、及び/または第2の端部832に嵌合特徴部を備えることができる。
【0108】
図13Aに例解するとおり、第2の端板804は、第2の伸長部分860を備えることもできる。第2の伸長部分860は、第2の端板804の本体部分の第2の端部832から延在することができる。第2の伸長部分860は、第2の端板804の本体部分の高さよりも高い高さを有することができる。例えば、第2の伸長部分860は、上面844を越えて延在することができる。いくつかの実施形態では、第2の伸長部分860は、第2の端板804の本体部分に連結(例えば、取り付け、接合、及び/または接続)されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の伸長部分860は、例えば、脊椎椎体固定装置50に関して本明細書に記載のとおり、第2の端板804の本体部分に連接可能に連結されてもよく、かつ/または関節連結されてもよい。例えば、第2端板804の本体部分及び第2伸長部分860は、共にあり継手を形成し得る。いくつかの実施形態では、第2の伸長部分860及び第2の端板804の本体部分は、それぞれ異なる材料(例えば、金属及び/またはポリマー)を含んでもよい。他の実施形態では、第2の端板804の第2の伸長部分860及び本体部分は、単体構造体を形成してもよい。第2の伸長部分860は、そこを貫通する孔862を備えることもできる。孔862は、その中に締結具を受容するように構成され得る。第2の伸長部分860は、受け部864も備えることができる。受け部864は、少なくとも部分的に孔862と重なってもよい。受け部864は、その中に保持部材866を受容するように構成されてもよい。
【0109】
図13Bに例解するとおり、孔862は、軸868を備えることができる。いくつかの実施形態では、軸868は、長手方向軸(例えば、中心線)及び/または垂直長手方向平面858にほぼ平行であってもよい。他の実施形態では、軸868は、垂直長手方向平面858に対して斜めになっていてもよい。更に他の実施形態では、軸868は、垂直長手方向平面858と交差するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、軸868、孔862、及び/または第2の伸長部分860は、長手方向中心線及び/または垂直長手方向平面858から水平方向にオフセットされてもよい。いくつかの実施形態では、軸868、孔862、及び/または第2の伸長部分860は、第2の側836に向かって水平方向にオフセットされてもよい。他の実施形態では、軸868、孔862、及び/または第2の伸長部分860は、第1の側834に向かって水平方向にオフセットされてもよい。いくつかの実施形態では、軸868は、平面858と約0度〜約90度の範囲の角度で交差することができる。他の実施形態では、軸868は、平面858と約5度〜約45度の範囲の角度で交差することができる。更に他の実施形態では、軸868は、平面858と約20度〜約30度の範囲の角度で交差することができる。
【0110】
嵌合特徴部823は、嵌合特徴部824が嵌合特徴部823とは異なる(例えば、より大きい)寸法を有することを除いて、嵌合特徴部824と概ね類似していてもよい。いくつかの実施形態では、第1の端板802の嵌合特徴部823、824は、第2の端部812から第1の端部810に向かう方向に、長手方向軸826に沿って上り傾斜していてもよい(例えば、下面828から上面822に向かって延在することができる)(
図13Cに例解する)。いくつかの実施形態では、嵌合特徴部823、824は、例えば、第1の端部810に向かって角度を付けてもよい。他の実施形態では、嵌合特徴部823、824は、第1の端部810から第2の端部812に向かう方向に長手方向軸826に沿って上り傾斜していてもよい。嵌合特徴部845は、嵌合特徴部846が嵌合特徴部845とは異なる(例えば、より大きい)寸法を有することを除いて、嵌合特徴部846と概ね類似していてもよい。いくつかの実施形態では、第2の端板804の嵌合特徴部845、846は、第2の端部832から第1の端部830に向かう方向に、長手方向軸826に沿って下り傾斜していてもよい(例えば、上面842から下面844に向かって延在することができる)。いくつかの実施形態では、嵌合特徴部845、846は、例えば、第1の端部830に向かって角度を付けてもよい。他の実施形態では、嵌合特徴部845、846は、第1の端部830から第2の端部832に向かって長手方向軸826に沿って下り傾斜していてもよい。当業者であれば、第1の端板802の嵌合特徴部823、824は、第2の端板804の嵌合特徴部845、846と対称であってもよい(例えば、それらの鏡像である)ことを理解するであろう。
【0111】
本明細書に更に記載のとおり、第1及び/または第2の端板802、804は、第1の傾斜体806と係合(例えば、嵌合)するように構成されてもよい。
図13Aに例解するとおり、第1の傾斜体806は、第1の(例えば、先及び/または遠位)端部872、第2の(例えば、後及び/または近位)端部874、第1の(例えば、前)側部分876、第2の(例えば、後)側部分878を含むことができる。第1の傾斜体806はまた、第3の(例えば、上位)端部880及び第4の(例えば、下位)端部882を含むことができる。第1の傾斜体806は、装置800の第1の側801から第2の側803まで延在することができる。第1の傾斜体806は、第1及び/または第2の端板802、804の嵌合特徴部と係合するように構成される、複数の嵌合特徴部を備えることができる。
図13A及び
図13Eに例解するとおり、第3の端部880は、第1の側876上の1つ以上の嵌合特徴部883及び第2の側878上の1つ以上の嵌合特徴部884を備えることができる。第4の端部882は、第1の側876上の1つ以上の嵌合特徴部885、及び第2の側878上の1つ以上の嵌合特徴部886を備えることができる。当業者であれば、嵌合特徴部884、886は、ほぼ反対の垂直方向に延在することができることを理解するであろう。更に、嵌合特徴部883、885は、ほぼ反対の垂直方向に延在することができる。いくつかの実施形態では、第1の側部分876は、少なくとも2つの嵌合要素883、及び少なくとも2つの嵌合要素885とを備えることができる。他の実施形態では、第2の側878は、少なくとも2つの嵌合要素884、及び少なくとも2つの嵌合要素886を備えることができる。いくつかの実施形態では、第1の傾斜体806の第1の端部872は、嵌合特徴部883、884、885及び886を備えることができる。
【0112】
第1の傾斜体806の嵌合特徴部の各々は、第1及び/または第2の端板802、804上の対応する嵌合特徴部と嵌合するように構成(例えば、成形)されてもよい。嵌合特徴部883、884は、第1の端板802の嵌合特徴部823、824と係合するように構成されてもよい。嵌合特徴部885、886は、第2の端板804の嵌合特徴部845、846と係合するように構成されてもよい。嵌合特徴部884、886は、組み立てられた構成にあるとき、それらの対応する嵌合特徴部824、846と実質的にほぼ同じ傾斜を有し得る。いくつかの実施形態では、各嵌合特徴部884は、第1の傾斜体806の第1の端部872に向かって上り傾斜し、各嵌合特徴部886は、第1の傾斜体806の第1の端部872に向かって下り傾斜する。他の実施形態では、嵌合特徴部884及び嵌合特徴部886は、第2の端部874に比較的隣接する位置から第1の端部872に比較的隣接している位置まで、長手方向軸に沿って互いから分岐してもよい。更なる他の実施形態では、嵌合特徴部884、886は、例えば、第1の端部872に向かって角度を付けてもよい。更に他の実施形態では、1つ以上の嵌合特徴部884が、第1の傾斜体806の第2の端部874に向かって上り傾斜していてもよく、かつ/または1つ以上の嵌合特徴部886が、第1の傾斜体806の第2の端部874に向かって、下り傾斜していてもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の嵌合特徴部884、886は、突起部(例えば、さね、レール及び/または肩部)を備えることができる。いくつかの実施形態では、突起部は、第1の傾斜体806の本体と一体成形されてもよく、または別個の構成部品であってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、一連の外部ピンが、レール形態での突出部を形成することができる。他の実施形態では、1つ以上の嵌合特徴部884、886は、陥部(例えば、溝、トラック、及び/またはチャネル)を備えることができる。いくつかの実施形態では、例えば、
図13A及び13Eに例解するとおり、嵌合特徴部884、886は、第2の側878に沿って長手方向に交互に起こり得る。第1の傾斜体806上の各嵌合特徴部884は、概ね同じであり得る。各嵌合特徴部886は、概ね同じであってもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの嵌合特徴部884及び/または886は、他の嵌合特徴部884、886と比較して異なる特性を備えてもよい。嵌合特徴部(複数可)883は、嵌合特徴部(複数可)884が嵌合特徴部(複数可)883と異なる(例えば、より大きい)寸法を有し得ることを除いて、嵌合特徴部(複数可)884と同様であり得る。嵌合特徴部(複数可)885は、嵌合特徴部(複数可)886が嵌合特徴部(複数可)885と異なる(例えば、より大きい)寸法を有し得ることを除いて、嵌合特徴部(複数可)886と同様であり得る。いくつかの実施形態では、嵌合特徴部883、885は、第1の側876に沿って長手方向に交互に起こり得る。他の実施形態では、嵌合特徴部883、884は、第1及び/または第2の側876、878の第3の端部880に沿って横方向に交互に起こり得る。更に他の実施形態では、嵌合特徴部885、886は、第1及び/または第2の側876、878の第4の端部882に沿って横方向に交互に起こり得る。いくつかの実施形態では、各嵌合特徴部883は、概ね同じであってもよい。他の実施形態では、各嵌合特徴部885は、概ね同じであってもよい。更に他の実施形態では、嵌合特徴部883、885の少なくとも1つは、他の嵌合特徴部883、885と比較して異なる特性を備えてもよい。
【0113】
第1の端板802上の嵌合特徴部823、824は、第1の傾斜体806上の対応する嵌合特徴部883、884と共に摺動可能な継手を形成するように構成され得る。第2の端板804上の嵌合特徴部845、846は、第1の傾斜体806上の対応する嵌合特徴部885、886と共に摺動可能な継手を形成するように構成され得る。したがって、第1の傾斜体806は、第1及び/または第2の端板802、804と摺動可能に係合するように構成されてもよい。摺動型継手は、有利なことに、脊椎椎体固定装置800が拡張構成と収縮構成との間で可逆的に移行することを可能にする。摺動型継手としては、例えば、接合されたくい込み継手、あり継手、さねはぎ、または別の好適な継手を挙げることができる。いくつかの実施形態では、第1及び/または第2の端板802、804上の1つ以上の嵌合特徴部は、陥部(例えば、溝、トラック及び/またはチャネル)を備えることができ、第1傾斜体806上の1つ以上の嵌合特徴部は、溝内で摺動するように構成された突起部(例えば、さね、レール、及び/または肩部)を備えることができる。他の実施形態では、第1及び/または第2端板802、804の1つ以上の嵌合特徴部は、突起部を備えることができ、第1の傾斜体806の1つ以上の嵌合特徴部は、陥部を備えることができる。
【0114】
第1の傾斜体806上の嵌合特徴部883、884、885、886は、装置800の第1及び第2の側801、803に曲率を付与するために湾曲していてもよい。有利なことに、嵌合特徴部883、884、885、886の曲率のうちの1つ以上は、螺旋の形態であってもよく、その結果、第1の端板802及び第2の端板804は、互いから離れて平行に、かつ、ある角度で移動する(
図13Dに例解するとおり)。第1の傾斜体806の嵌合特徴部は、枢動点Pを中心にして曲率半径を有してもよい。更に、第1及び第2の端板802、804上の対応する嵌合特徴部と相補的であり得るので、第1の傾斜体806の嵌合特徴部は、第1及び/または第2の端板802、804上の嵌合特徴部も湾曲していてもよい(例えば、枢動点Pを中心にして曲率半径を有してもよい)。
【0115】
図13Aに例解するとおり、第1の傾斜体806の第2の端部874は、その端部を長手方向に貫通する第1のねじ孔888を備えることができる。第1のねじ孔888は、アクチュエータ902の螺合部材904を受容する(例えば、螺合可能に係合する)ように構成されてもよい。
図13Aに例解するとおり、アクチュエータ902の螺合部材904は、工具係合凹部910を有する近位端部を含むことができる。アクチュエータ902は、ワッシャ906及び/または1つ以上のスナップリング908、909も備えることができる。第1の傾斜体806の第2の端部874は、その端部を長手方向に貫通する第2の孔890を備えることもできる。いくつかの実施形態では、第2の孔890は、螺刻されていてもよい。第2の孔890は、インサータと係合するように構成されてもよい。他の実施形態では、第2の孔890は、骨成長材が装置800の空洞に送達されることを可能にするアクセスポートとして使用するために有利なことに構成され得る。第2の孔890は、第1のねじ孔888から横方向に変位させ得る。いくつかの実施形態では、第1のねじ孔888は、第1の傾斜体806の第2の側878に隣接して位置してもよく、第2の孔890は、第1の側876に隣接して位置してもよく、またはその逆であってもよい。他の実施形態では、第1のねじ孔888は、第2の孔890に対して前方にオフセットされてもよく、またはその逆であってもよい。いくつかの実施形態では、第2の孔890は、第2の側878に隣接して位置してもよく、かつ/または第1のねじ孔888に対して前方にオフセットされてもよい。これらの実施形態では、装置800は、有利なことに、平面858からオフセットした角度でインサータと係合するように構成してもよく、それにより、使用者は、腰筋との相互作用を少なくして、装置800を、例えば、患者の腰椎などの直接的横配向に位置付けることができる。
【0116】
第1のねじ孔888及び/または第2の孔890は、垂直長手方向平面858から水平方向にオフセットされている軸を備えることができる。いくつかの実施形態では、(例えば、第1のねじ孔888及び/または第2の孔890の)軸は、第2の側878に向かって水平方向にオフセットすることができる。いくつかの実施形態では、(例えば、第1のねじ孔888及び/または第2の孔890の)軸は、垂直長手方向平面858に対して平行または斜めにすることができる。他の実施形態では、第1のねじ孔888及び/または第2の孔890の軸は、平面858と交差してある角度を形成することができる。いくつかの実施形態では、角度は、約0度から約90度の範囲であってもよい。他の実施形態では、角度は、約5度から約45度の範囲であってもよい。更に他の実施形態では、角度は、約20度から約30度の範囲であってもよい。
【0117】
組み立てられた構成にあるとき、第2の傾斜体808は、第1の傾斜体806に隣接して、配設され得る。第2の傾斜体808は、装置800の第1の側801から第2の側803まで延在することができる。第2の傾斜体808は、第1及び/または第2の端板802、804上の対応する嵌合特徴部823、824、845、846と係合するように構成される、1つ以上の嵌合特徴部を備えることができる。第2の傾斜体808上の嵌合特徴部は、第1の傾斜体806の嵌合特徴部883、884、885、886と同じ特徴の一部または全部を備えることができる。第2の傾斜体808上の嵌合特徴部は、装置800の第1及び第2の側801、803に曲率を付与するために湾曲していてもよい。
図13Aに例解するとおり、第2の傾斜体808は、第1の孔894を備えることができる。第1の孔894は、組み立てられた構成にあるとき、第1の傾斜体806の第1のねじ孔888と同軸になるように構成され得る。第1の孔894は、アクチュエータ902のヘッド部分をその中に受容するように構成されてもよい。使用中、ヘッド部分は、第1の孔894内で回転するように構成されてもよい。第2の傾斜体808はまた、第2の孔896を備えることができる。第1及び/または第2の孔894、896は、螺刻されていてもよい。いくつかの実施形態では、第2の孔896は、インサータと係合するように構成されてもよい。第2の孔896は、組み立てられた構成にあるとき、第1の傾斜体806の第2の孔890と同軸になるように構成され得る。第2の孔896は、第1の孔894から横方向に変位させ得る。いくつかの実施形態では、
図13Aに例解するとおり、第1の孔894は、第2の傾斜体808の第2の側898に隣接して位置してもよく、第2の孔896は、第1の側897に隣接して位置してもよく、またはその逆であってもよい。他の実施形態では、第1の孔894は、第1の側897に隣接して位置してもよく、第2の孔896は、第2の側898に隣接して位置してもよい。他の実施形態では、第1の孔894は、第2の孔896に対して前方にオフセットされてもよく、またはその逆であってもよい。いくつかの実施形態では、第2の孔896は、第2の側898に隣接して位置してもよく、かつ/または第1の孔894に対して前方にオフセットされてもよい。これらの実施形態では、装置800は、有利なことに、平面858からオフセットした角度でインサータと係合するように構成してもよく、それにより、使用者は、腰筋との相互作用を少なくして、装置800を、例えば、患者の腰椎などの直接的横配向に位置付けることができる。
【0118】
第1のねじ孔894及び/または第2の孔896は、垂直長手方向平面858から水平方向にオフセットされている軸を備えることができる。いくつかの実施形態では、第1の孔894及び/または第2の孔896の軸は、第2の側898に向かって水平方向にオフセットすることができる。いくつかの実施形態では、第1の孔894及び/または第2の孔896の軸は、平面858に対して平行であり、かつ/または斜めであってもよい。他の実施形態では、第1の孔894及び/または第2の孔896の軸は、平面858と交差してある角度を形成することができる。いくつかの実施形態では、角度は、約0度から約90度の範囲であってもよい。他の実施形態では、角度は、約0度から約45度の範囲であってもよい。更に他の実施形態では、角度は、約20度から約30度の範囲であってもよい。
【0119】
脊椎椎体固定装置800は、有利なことに、調整可能な高さ及び/または前弯角を備えてもよい。いくつかの実施形態では、装置800は拡張可能であってもよい。脊椎椎体固定装置800は、有利なことに、折り畳まれた構成と拡張された構成との間で可逆的に移行するように構成されてもよい。折り畳まれた構成では、例えば、
図13B〜Cに例解するとおり、脊椎椎体固定装置800は、第1の高さ(例えば、第1の端板802の上面822から第2の端板804の下面844までを測定したとき)を備えることができる。いくつかの実施形態では、装置800(例えば、第1及び第2の端板802、804)は、折り畳まれた構成では第1の角度を画定することができる。他の実施形態では、第1及び第2の端板802、804は、折り畳まれた構成にあるとき、ほぼ平行であってもよい。いくつかの実施形態では、第1の端板802及び第2の端板804は、ある角度で開始することができ、かつより大きい角度に拡張できる。
【0120】
拡張された構成では、例えば、
図13D〜Eに例解するとおり、脊椎椎体固定装置800は、第1の高さよりも高い第2の高さを備えることができる。いくつかの実施形態では、第2の高さは、第1の高さよりも約25%〜約200%高くてもよい。他の実施形態では、第2の高さは、第1の高さよりも約100%〜約150%高くてもよい。いくつかの実施形態では、第1の高さは約5mm〜約10mmの範囲であってもよく、かつ/または第2の高さは、約15mm〜約20mmの範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、高さの変化は、第1及び第2端板802、804の互いに向かっての移動及び/または互いから離れる方向への移動によって引き起こされ得る。これらの実施形態では、第1及び第2の端板802、804は、折り畳まれた構成のときは第1の距離で、拡張された構成のときは第2の距離だけ分離することができ、第2の距離は第1の距離より大きい。当業者であれば、使用中、脊椎椎体固定装置800の高さを調整して個々の患者の解剖学的構造に適応させることができることを理解するであろう。更に、装置800は、折り畳まれた構成において椎間腔内に挿入されてもよく、これは、そのサイズがより小さいことから周囲組織に与える外傷をより少なくすることができる。
【0121】
他の実施形態では、第1及び第2の端板802、804の少なくとも1つは、
図13Dに例解する枢動点Pを中心にして枢動するように構成されてもよい。これらの実施形態では、高さの変化は、枢動点Pを中心にして第1及び/または第2の端板802、804を枢動することにより引き起こすことができる。これらの実施形態では、第1及び第2の端板802、804は、折り畳まれた構成にあるとき、第1の角度で配向される。第1及び/または第2の端板802、804は、枢動点Pを中心として離れるように枢動して、装置800を拡張し、第1及び第2の端板802、804を第2の角度で配向することができる。いくつかの実施形態では、第1の(例えば、折り畳まれた)角度は、約5度〜約20度の範囲であってもよい。例えば、第1の角度は、約10.4度であってもよい。他の実施形態では、第2の(例えば、拡張された)角度は、約10度〜約40度の範囲であってもよい。例えば、第2の角度は、約22.5度であってもよい。当業者であれば、いくつかの実施形態では、第1及び/または第2端板802、804の直線的及び枢動的移動の両方によって互いに離れるように装置800を拡張できることを理解するであろう。
【0122】
本明細書の実施形態はまた、脊椎椎体固定装置800の設置方法も対象とする。方法は、例えば、
図13B〜Cに例解するとおり、折り畳まれた構成で装置800を提供することを含むことができる。いくつかの実施形態では、このステップは、2つの隣接する椎骨間(例えば、L4椎骨とL5椎骨との間)に装置800を提供(例えば、挿入及び/または位置付け)することを含むことができる。いくつかの実施形態では、装置800は、直線インサータまたは角度付きインサータなどのインサータを使用して挿入することができる。これらの実施形態では、設置方法は、例えば、インサータの螺合部材を第1及び/または第2傾斜体806、808の第2の孔890、896に螺合することなど、インサータを装置800に連結することを含むことができる。いくつかの実施形態では、装置800は、例えば、直線インサータを使用する場合など、側方アプローチに沿って挿入されてもよい。他の実施形態では、装置800は、例えば角度を付けたインサータを使用する場合、前外側及び/または斜方アプローチに沿って挿入することができる。これらの実施形態では、装置800は、引き続き、椎間腔内にある間に横配向に枢動することができる。いくつかの実施形態では、装置800は、低侵襲方法を使用して挿入してもよい。いくつかの実施形態では、例えば、椎間板の一部または全部を除去するために椎間板切除術を行うことによって、椎間腔を事前に準備することができる。
【0123】
本明細書の方法は、例えば、装置800を折り畳まれた構成から拡張構成に移行させることによって、装置800を拡張することも含むことができる。このステップは、装置800の第1の側801及び第2の側803の少なくとも1つを枢動可能に拡張することを含むことができる。いくつかの実施形態では、第1及び第2の側801、803は、枢動点Pを中心にして同じ角度の変化率で枢動可能に拡張されてもよい。装置800を拡張するために、第1及び第2の傾斜体806、808の少なくとも1つは、第1及び第2端板802、804のうちの少なくとも1つに対して並進されてもよい。例えば、第2の傾斜体808は、第1の傾斜体806に向かって、またはその逆に動かすことができる。第1及び/または第2の傾斜体806、808の嵌合特徴部は、第1及び/または第2の端板802、804の嵌合特徴部に係合してもよい。第1及び第2傾斜体806、808が互いに向かって並進するとき、第1及び第2傾斜体806、808のそれぞれの嵌合特徴部が第1及び第2端板802、804の対応する嵌合特徴部に押し付けられてもよく、それにより第1及び第2端板802、804が離れて押し出され(例えば、枢動され)て、装置800の高さ及び/または角度が増す。装置800は、枢動点Pに対して第2の角度を画定するまで拡張され得、第2の角度は、第1の角度よりも大きい。
【0124】
いくつかの実施形態では、装置800を拡張するステップは、アクチュエータ902を作動させることを含むことができる。このステップは、螺合部材904を第2の傾斜体808の第1の孔894及び第1の傾斜体806の第1のねじ孔888に挿入することを含むことができる。このステップは、また、螺合部材904に回転力を加えて第1の傾斜体806に螺合可能に係合することを含むことができる。回転力は、直接的に(例えば、手動で)及び/または間接的に(例えば、駆動体または他の道具を介して)加えることができる。いくつかの実施形態では、螺合部材904が第1の方向に回転すると、螺合部材904が第1の傾斜体806を第2の傾斜体808に向けて引っ張ることができる。第1の傾斜体806が第2の傾斜体808に向かって移動するとき、第1の傾斜体806の嵌合特徴部は第1及び/または第2の端板802、804の嵌合特徴部に係合してもよく、それにより第1及び/または第2の端板802、804は押し離される(くさび留めする、かつ/または枢動する)。他の実施形態では、螺合部材904が第2の方向に回転すると、螺合部材904が第1の傾斜体806を第2の傾斜体808から押し離され得る。当業者であれば、装置800が可逆的に拡張可能であることを理解するであろう。したがって、いくつかの実施形態は、例えば、第1及び第2の端板802、804を一緒にすることによって、装置800の高さ及び/または角度を低減することを含むことができる。
【0125】
いくつかの実施形態では、装置800は、装置800を所望の構成(例えば、所望の高さ/または角度)に係止するように構成された係止部材を備えることができる。これらの実施形態では、本方法は、拡張構成において装置800を係止することを更に含むことができる。他の実施形態では、装置800の拡張後、骨成長材料は、第1及び第2の傾斜体806、808の第2の孔890及び/または896を通って装置800内の空洞に導入されてもよい。いくつかの実施形態では、第1及び/または第2の端板802、804は、外面から内面に通じるチャネルを備え、そこを通って骨移植片材料を受容するように構成される。可動式伸長部分848、860を備える実施形態では、本明細書の方法は、第1及び第2端板802、804の本体部分の少なくとも一方に対して、一方または両方の伸長部分848、860の位置を調整するステップも含むことができる。いくつかの実施形態では、このステップは、第1及び第2の端板802、804のそれぞれの本体部分に沿って一方または両方の伸長部分848、860を並進(例えば、摺動)することによって達成され得る。例えば、このステップは、第1及び/または第2の端板802、804のそれぞれの本体部分の少なくとも一方の溝部材内に、第1及び第2の伸長部分848、860のうちの少なくとも一方のさね部材を摺動させることを含むことができる。他の実施形態では、第1及び/または第2の伸長部分848、860は、第1及び/または第2の端板802、804のそれぞれの本体部分に対して枢動させ、かつ/または連接させることができる。いくつかの実施形態は、第1及び/または第2の端板802、804のそれぞれの本体部分に対して第1及び第2の伸長部分848、860の少なくとも1つの位置を係止することも含むことができる。
【0126】
本明細書の方法は、第1の軸852に沿って第1の締結具を孔850に挿入するステップ及び/または第2の軸868に沿って第2の締結具を孔862に挿入するステップも含むことができる。いくつかの実施形態では、このステップは、垂直長手方向平面858に対して平行であり、かつ/または斜めになっている軸に沿って締結具(複数可)を挿入することを含むことができる。他の実施形態では、このステップは、垂直長手方向平面858と交差するように構成されている軸に沿って締結具(複数可)を挿入することを含むことができる。他の実施形態では、このステップは、前外側/斜方軌道に沿って締結具(複数可)を挿入することを含んでもよい。他の実施形態では、このステップは、第1の締結具を上椎骨に挿入すること、及び第2の締結具を下椎骨に挿入することを含むことができる。本明細書に記載されているように、当業者であれば、この軌道が、大腰筋、腰神経叢及び/または腸骨稜などの特定の解剖学的構造を有利なことに避けることができることを理解するであろう。したがって、いくつかの実施形態では、装置800は、腰椎間に横方向に挿入され、引き続き、最小限の干渉で椎骨に連結されてもよい。締結具挿入後、締結具は保持部材856及び/または866によって締着されてもよい。保持部材856、866は、受け部854、864内に配設されてもよい。保持部材856、866は、保持部材856、866の一部分が孔850、862と重なるまで回転し、締結具の後退を防止するように構成されてもよい。当業者であれば、いくつかの実施形態では、第1及び/または第2の締結具は、装置800の拡張前に挿入され得ることを理解するであろう。
【0127】
外科医が腰椎及び腸骨稜の周りを進行させることができる固定装置を有利に提供することに加えて、本出願は、これらの利点を達成するために固定装置と共に使用することができる器具を提供する。固定装置を1つ以上の所望の外科手術部位に送達できる直線インサータの形態の器具を提供することに加えて、本出願は、固定装置を1つ以上の所望の手術部位に送達できる角度付きインサータも備える。有利なことに、角度付きのインサータは、腰筋を破壊することなく直接的な側方配置で椎間板腔に固定装置を挿入し、拡張することができる。
【0128】
図14A及び14Bには、いくつかの実施形態による脊椎椎体固定装置と係合するインサータの斜視図を例解する。特に、インサータ900は、固定装置に係合することができる角度付きインサータを備える。本実施形態において、固定装置600は、
図12Aに示したものと同じであり、第1の端板602と、第2の端板604と、それらの間に延在する第1の傾斜体606と、締結具を受容するための第1の伸長部分648と、締結具を受容するための第2の伸長部分660と、を有する、第2の傾斜体608を備える。インサータ900は角度が付いているため、有利なことに、固定装置600を椎間板腔内の所望の場所に送達しつつ、腰筋を避ける補助を行う。
【0129】
図14A及び14Bに示すとおり、インサータ900は、そこから延在する遠位係合部分908を有する外側本体またはシャフト906を備える。遠位係合部分908は、第2の傾斜体608を介して固定装置600に係合するように構成される。遠位係合部分908は、外側シャフト906に対して角度付けされている。いくつかの実施形態では、遠位係合部分908は、外側シャフト906に対して鋭角である。いくつかの実施形態では、遠位係合部分908は、外側シャフト906に対して10〜75度の角度である。他の実施形態では、遠位係合部分908は、外側シャフト906に対して10〜45度の角度である。
【0130】
図15A〜Dは、いくつかの実施形態による角度付きインサータ及び特定の構成要素の異なる図を例解する。
図15Aは、近位部分902、遠位部分904、及び近位部分902と遠位部分904との間に延在する外側シャフト906を備えるインサータ900aの側面図を示す。遠位部分904は、一対の係合先端912、922を備え、この対の一方は、固定装置900を把持及び保持するためのものであって、他方は、固定装置900の拡張を引き起こすためのものである。近位部分902は、一対の内腔910、920(
図15Bに示す)と流体連通する開口部を備え、一対の一方は係合先端912に対応し、他方は係合先端922に対応する。1つ以上の駆動シャフト950は、以下により詳細に考察されるように、内腔910、920を通って延在し、係合先端912、922に係合し、作動させることができる。
【0131】
図15B及び
図15Cは、
図15Aの角度付きインサータ900aの遠位部分904の断面図を示す。これらの図から、インサータ900aの遠位部分904の内部を見ることができる。
図15Bでは、駆動シャフト950は、インサータ900aを通って延在し、第1の係合先端912に係合する。
図15Cでは、同じ駆動シャフト950が、インサータ900aを通って延在し、第2の係合先端922に係合する。
【0132】
図15Bに示すとおり、インサータ900aは、外側シャフト906を備え、そこから遠位係合部分908が延在する。いくつかの実施形態では、遠位係合部分908は、一対の係合先端を収納する。第1の係合先端912は、固定装置600をインサータ900aに係合し、取り付けるように設計されているインサータ係合先端を備える。第2の係合先端922は、アクチュエータ702(
図12Aに示す)と係合するように設計されているアクチュエータ係合先端を備え、それにより固定装置600の所望の拡張を引き起こす。外側シャフト906は、第1の係合先端912と連通する第1の内腔910及び第2の係合先端922と連通する第2の内腔920を収納する。駆動シャフト950は、第1の係合先端912または第2の係合先端922に係合するために、内腔910、920のいずれかを通って送達され得る。いくつかの実施形態では、単一の駆動シャフト950が提供される。単一の駆動シャフト950は、一度に1つずつ、第1の係合先端912と第2の係合先端922の両方と係合するために使用することができる。他の実施形態では、2つ以上の駆動シャフト950が設けられる。第1の内腔910及び第2の内腔920に加えて、インサータ900aは、遠位係合部分908に直接誘導する角度付き出口925を備えることができる。
図16Eに示すとおり、有利なことに、角度付きの出口925は、駆動シャフト950が、ある角度で遠位係合部分908内に直接進入することを可能にする。
【0133】
第1の係合先端912は、固定装置600をインサータ900aに係合し、取り付けるように設計されているインサータ係合先端を備える。第1の係合先端912は、第2の孔696(
図12Dに示す)と係合するように構成される、螺合遠位端部を有する回転可能体914を備える。第2の孔696は、固定装置600をインサータ900aに保持するために、第1の係合先端912の螺合部に係合する対応する螺合部を備えることができる。第1の係合先端912は、駆動シャフト950の対応する勾配付きまたは角度付き端部952、954と係合可能な2つ以上の勾配付きまたは角度付き端部916、918を有する近位端部を更に備える。いくつかの実施形態では、第1の係合先端912の角度付き端部と駆動シャフト950の遠位端部との間のインターフェースは、第1の係合先端912が回転することを可能にする歯車として機能する。回転時、第1の係合先端912は、固定装置600のねじ孔696に螺合され得、それにより、インサータ900aを固定装置600に締着する。
図15Bに示すとおり、第1の係合先端912は、その近位端に球体ガイド917を更に備える。有利なことに、球体ガイド917は、第1の係合先端912と駆動シャフト950との間に形成された角度付き端部または歯車の間の適切な隔離距離を維持するように補助し、それにより歯車が確実に回転できるように補助する。いくつかの実施形態では、第1の係合先端912は、保持用締結具930によって遠位係合部分908に保持され得る。
【0134】
第2の係合先端922は、アクチュエータ702(
図12Aに示す)と係合するように設計されているアクチュエータ係合先端を備える。第2の係合先端922は、アクチュエータ702を回転させることができる突起部またはナブ(nub)の形態の遠位端部を有する回転可能体924を備える。第2の係合先端922は、駆動シャフト950の対応する勾配付きまたは角度付き端部952、954と係合可能な2つ以上の勾配付きまたは角度付き端部926、928を有する近位端部を更に備える。いくつかの実施形態では、第2の係合先端922の角度付き端部と駆動シャフト950の遠位端部との間のインターフェースは、第2の係合先端922を回転させることができる歯車として機能する。回転時に、第2の係合先端922は、アクチュエータ702の回転を引き起こし、それにより固定装置600の拡張を引き起こす。第2の係合先端922を反対方向に回転させて、アクチュエータ702の反対方向への回転を引き起こし、それにより固定装置600の高さの低下を引き起こす。
図15Bに例解するとおり、第2の係合先端922は、その近位端部に球体ガイド927を更に備える。有利なことに、球体ガイド927は、第2の係合先端922と駆動シャフト950との間に形成された角度付き端部または歯車の間の適切な隔離距離を維持するように補助し、それにより歯車が確実に回転できるように補助する。いくつかの実施形態では、第2の係合先端922は、保持用締結具930によって遠位係合部分908内に保持され得る(
図16Bに示すとおり)。
【0135】
駆動シャフト950は、1つ以上の角度付きまたは勾配付き端部952、954を有するシャフト本体を備える。いくつかの実施形態では、駆動シャフト950は、有利なことに、第1の係合先端912及び第2の係合先端922を係合させることができ、それにより、複数の器具または駆動シャフトの必要性が低減する。
【0136】
図15Dは、インサータ900aの近位部分902の拡大断面図を示す。この図から、駆動シャフト950がインサータ900aの本体内でどのように保持されているかを見ることができる。駆動シャフト950が内腔(例えば、第1の内腔910)を通って挿入されると、駆動シャフト950は、その中に駆動シャフト950を係止するための所定の位置にスナップ留めするテーパを有するばねボタン960によってインサータ900a内に係止される。
図15Dに示すとおり、駆動シャフト950は、ばねボタン960の1つ以上の突出部分963によって係合される1つ以上の陥部分953を備える。この係合は、駆動シャフト950がインサータ900aから押し出されるのを防止しつつ、上述の角度付きの歯車にトルクを加える。駆動シャフト950をインサータ900aから取り外すには、ばねボタン960を押下することができ、それによりばねボタン960を駆動シャフト950から外すことができる。
【0137】
図16A〜Eは、いくつかの実施形態による代替的インサータ及び特定の構成要素の異なる図を例解する。
図16Aは、
図15Aのインサータ900aと同様の特徴を備えるインサータ900bの拡大断面図を示す。インサータ900bは、第1の係合先端912と流体連通する第1の内腔910と、第2の係合先端922と流体連通する第2の内腔920とを収容する外側シャフト906を備える。駆動シャフト950は、第1の内腔及び第2の内腔を通って延在し、係合先端と係合し、作動させることができる。第1の係合先端912は、
図15Aの第1の係合先端と同様であり、第2の孔696(
図12Dに示す)の螺合部に係合するための螺刻遠位先端を有する回転可能体914と、駆動シャフト950の角度付き面または勾配付き面に係合するための一対の角度付き面または勾配付き面916、918と、球体ガイド917と、を備える。第2の係合先端922は、
図15Aの第2の係合先端とは異なり、以下に考察するように、並進先端を含む追加の特徴を備える。
【0138】
第2の係合先端922は、アクチュエータ702を回転させ、それにより固定装置600の高さを変更することができる突起部またはナブの形態の遠位端部を有する回転可能な本体924を備える。第2の係合先端922は、駆動シャフト950の対応する勾配付きまたは角度付き端部952、954と係合可能な2つ以上の勾配付きまたは角度付き端部926、928を有する近位端部を更に備える。これらの特徴に加えて、第2の係合先端922は、ばね929によって第2の係合先端922内にばねで留められている並進先端925を更に備える。並進先端925の目的は、有利なことに、第2の係合先端922をアクチュエータ702と適切に整列させることである。第2の係合先端922がアクチュエータ702と適切に整列しているときには、並進先端925は回転可能本体924の外側に延在し(
図16Aに示すとおり)、それにより、第2の係合先端922が回転する時に、並進先端925を介する、アクチュエータ702に対するトルクの印加が可能になる。第2の係合先端922がアクチュエータ702と適切に整列していないときには、並進先端925は、回転可能本体924内への視界から後退し(
図16Bに例解するとおり)、それにより、係合先端922が回転するときに、並進先端925を介する第2アクチュエータ702へのトルクの印加が防止される。いくつかの実施形態では、1つ以上の保持用締結具930は、インサータ900bの遠位係合部分908内に第1の係合先端912または第2の係合先端922を保持することができる。
【0139】
図16C及び
図16Dは、いくつかの実施形態による第2の係合先端922の拡大図及び断面図をそれぞれ例解する。第2の係合先端922は、その中に並進先端922を受容する本体924を備える。
図16Dの断面図から、球体ガイド927、ばね929、及び並進先端925を本体924がどのように収納しているかを見ることができ、これらは全て、第2の係合先端922の長手方向軸に沿って全て整列している。
【0140】
図16Eは、インサータ900bの遠位部分の拡大図を例解する。駆動シャフト950は、それによってインサータ900bの本体内に形成された角度付き出口925を通って延在する。角度付きの出口925を用いることで、駆動シャフト950によって異なる方向から第1の係合先端912を接近させることができ、それにより、第1の係合先端912に係合するときに外科医に融通性をもたらす。いくつかの実施形態では、第2の係合先端922も、駆動シャフト950によって異なる方向から接近することができるように、角度付き出口が第2の係合先端922に隣接して延在する。
【0141】
図17には、いくつかの実施形態による代替インサータの断面図を例解する。インサータ900cは、外側シャフト906から延在する角度付きの遠位係合部分908など、上述のインサータ900a、900bと同様の特徴を備える。先行実施形態とは対照的に、インサータ900cは、係合先端912と流体連通する単一の内腔910を備える。したがって、インサータ900cは、係合先端912を介してインプラント(例えば、固定装置600)を保持するように動作することができるが、別の手段で、または異なる器具を介して拡張することができる。インサータ900a、900b、900cは、固定装置600に関して示されているが、当業者であれば、これらの器具を単独で、または他の装置もしくはインプラントと共に使用できることを理解するであろう。
【0142】
本明細書に記載の装置は、脊椎手術に使用される様々な他のインプラント及び工具と組み合わせて使用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のインプラントは、プレート、ロッド及び椎弓根ねじを備える他の安定化部材を伴い得る。更に、これらの装置は、補綴装置または他の固定に基づく装置と共に使用することができる。
【0143】
このように本発明を説明したが、同じことが多くの方法で変更し得ることは明らかであろう。そのような変形は、本発明の精神及び範囲からの逸脱であると見なすべきではなく、当業者に明らかであるような全てのそのような変更は、次に述べる特許請求の範囲内に含まれることが意図されている。個々の実施形態が本明細書で論じられているが、本発明は、それら全ての実施形態の全ての組み合わせをカバーする。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【
図1A】本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の概略図を例解する。
【
図1B】本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の概略図を例解する。
【
図2A】本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の斜視図を例解する。
【
図2B】本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の斜視図を例解する。
【
図2C】本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の斜視図を例解する。
【
図2D】本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の概略図を例解する。
【
図3A】本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の斜視図を例解する。
【
図3B】本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の概略図を例解する。
【
図4】本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の概略図を例解する。
【
図5】本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の概略図を例解する。
【
図6】本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の概略図を例解する。
【
図7A】本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の概略図を例解する。
【
図7B】本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の概略図を例解する。
【
図8A】本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の概略図を例解する。
【
図8B】本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の概略図を例解する。
【
図9】本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の概略図を例解する。
【
図10A】本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の概略図を例解する。
【
図10B】本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の概略図を例解する。
【
図11A】本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の概略図を例解する。
【
図11B】本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の概略図を例解する。
【
図12A】本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の分解図を例解する。
【
図12B】本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の分解図を例解する。
【
図12C】本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の斜視図を例解する。
【
図12D】本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の斜視図を例解する。
【
図12E】本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の断面図を例解する。
【
図12F】本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の斜視図を例解する。
【
図13A】本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の分解図を例解する。
【
図13B】本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の斜視図を例解する。
【
図13C】本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の斜視図を例解する。
【
図13D】本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の斜視図を例解する。
【
図13E】本明細書に記載の脊椎椎体固定装置の一実施形態の斜視図を例解する。
【
図14A】いくつかの実施形態による脊椎椎体固定装置と係合するインサータの斜視図を例解する。
【
図14B】いくつかの実施形態による脊椎椎体固定装置と係合するインサータの斜視図を例解する。
【
図15A】いくつかの実施形態によるインサータ及び特定の構成要素の異なる図を例解する。
【
図15B】いくつかの実施形態によるインサータ及び特定の構成要素の異なる図を例解する。
【
図15C】いくつかの実施形態によるインサータ及び特定の構成要素の異なる図を例解する。
【
図15D】いくつかの実施形態によるインサータ及び特定の構成要素の異なる図を例解する。
【
図16A】いくつかの実施形態による代替インサータ及び特定の構成要素の異なる図を例解する。
【
図16B】いくつかの実施形態による代替インサータ及び特定の構成要素の異なる図を例解する。
【
図16C】いくつかの実施形態による代替インサータ及び特定の構成要素の異なる図を例解する。
【
図16D】いくつかの実施形態による代替インサータ及び特定の構成要素の異なる図を例解する。
【
図16E】いくつかの実施形態による代替インサータ及び特定の構成要素の異なる図を例解する。
【
図17】いくつかの実施形態による代替インサータの断面図を例解する。