(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6918786
(24)【登録日】2021年7月27日
(45)【発行日】2021年8月11日
(54)【発明の名称】ポンプおよびモータのオンボードステータ回路基板を制御装置回路基板に電気的に接続するための方法
(51)【国際特許分類】
H02K 11/30 20160101AFI20210729BHJP
H02K 5/22 20060101ALI20210729BHJP
H05K 1/14 20060101ALI20210729BHJP
【FI】
H02K11/30
H02K5/22
H05K1/14 E
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-513370(P2018-513370)
(86)(22)【出願日】2016年9月15日
(65)【公表番号】特表2018-536371(P2018-536371A)
(43)【公表日】2018年12月6日
(86)【国際出願番号】US2016051874
(87)【国際公開番号】WO2017048913
(87)【国際公開日】20170323
【審査請求日】2019年7月2日
(31)【優先権主張番号】62/218,632
(32)【優先日】2015年9月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/264,782
(32)【優先日】2016年9月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516173429
【氏名又は名称】ジーエイチエスピー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】GHSP, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100166235
【弁理士】
【氏名又は名称】大井 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100179936
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 明日香
(74)【代理人】
【識別番号】100195006
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 勇蔵
(72)【発明者】
【氏名】ミッター、デイヴィッド・マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ヴェチェッリオ、ブラッドリー・ジョン
【審査官】
服部 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−083064(JP,A)
【文献】
特開2006−024454(JP,A)
【文献】
実開平01−089478(JP,U)
【文献】
特開平11−339892(JP,A)
【文献】
特開2015−095920(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 11/30
H02K 5/22
H05K 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され前記車両に保持される流体のための圧送動作を提供するポンプであって、
ステータとロータとを有し、前記ステータがステータ回路基板上に設けられたモータと、
前記車両の電気的制御システムの一部を形成している制御装置回路基板と、
前記ステータ回路基板上の前記ステータを前記制御装置回路基板上の制御回路に電気的に接続するための装置と、
を備え、
前記装置は、
前記ステータと前記制御回路とを接続するための導電性材料からなる離間されたパッドを伴うエッジを含む、前記ステータ回路基板および前記制御装置回路基板のうち一方と、
電気的接触のために前記パッドと係合するとともに機械的保持のために前記パッドと摩擦係合するために配置された少なくとも1つの突出アームを(それぞれ)有する導電体を伴うエッジコネクタを含む、前記ステータ回路基板および前記制御装置回路基板のうち他方と、
を備え、
前記導電体のそれぞれの前記少なくとも1つの突出アームは、対向する複数のアームを含み、
前記対向する複数のアームは、それらの間にピンチ点を画定し、
前記ピンチ点は、前記対向する複数のアームを、それぞれ、前記パッドのうち対応する1つと接触させかつ摩擦係合させる寸法であり、
前記装置は、前記パッド上の前記導電体によって形成される保持力の他には、実質的な保持力を形成するいかなる機械的接続構造も含まない、ポンプ。
【請求項2】
前記パッドは、前記ステータ回路基板および前記制御装置回路基板の一方によって画定される平面を平行に延び、前記一方の回路基板の表面上に形成される、請求項1に記載のポンプ。
【請求項3】
前記パッドは、片面上の第1のパッドと、反対面上の第2のパッドとを含み、
前記第2のパッドは、前記第1のパッドと位置整合されて関連付けられ、前記エッジコネクタの前記導電体との冗長な電気的接続を形成するよう構成される、
請求項1に記載のポンプ。
【請求項4】
モータのオンボードステータ回路基板を制御装置回路基板に電気的に接続するための方法であって、
前記ステータ回路基板および前記制御装置回路基板のうち一方において、前記複数の電気的回路を接続するための導電性材料からなる離間されたパッドを伴うエッジを設けることと、
前記ステータ回路基板および前記制御装置回路基板のうち他方において、前記パッドと係合するよう配置された少なくとも1つの突出アームを(それぞれ)有する導電体を伴うエッジコネクタを設けることと、
前記導電体が、電気的接触のために前記パッドと電気的に係合し、かつ、機械的保持のために前記パッドと摩擦係合するように、前記エッジコネクタを前記エッジに組み付けることとを備え、
前記導電体のそれぞれの前記少なくとも1つの突出アームは、対向する複数のアームを含み、
前記対向する複数のアームは、それらの間にピンチ点を画定し、
前記ピンチ点は、前記対向する複数のアームを、それぞれ、前記パッドのうち対応する1つと接触させかつ摩擦係合させる寸法であり、
装置は、前記パッド上の前記導電体によって形成される保持力の他には、実質的な保持力を形成するいかなる機械的接続構造も含まない、方法。
【請求項5】
前記パッドは、前記回路基板のうち一方の両面上に形成された対向するパッドを含み、前記対向するパッドは、前記回路基板のうち前記一方によって画定される平面を平行に延びる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
モータを準備することをさらに備え、
前記回路基板のうち前記一方は、前記ステータ回路基板を備え、
前記ステータ回路基板は、前記モータに動作可能に取り付けられ前記モータによって支持される、
請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
前記制御装置回路基板は車両の電気的制御システムの一部を形成する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記パッドは、前記エッジコネクタの前記導電体と冗長な電気的接続を形成するよう構成される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
圧送動作および機械的運動のうち一方を含む車両の機能を提供する車両アクセサリを準備することを含み、前記車両アクセサリは、前記モータによって動作するよう前記モータに動作可能に接続される、請求項4に記載の方法。
【請求項10】
前記車両の機能は、前記車両に保持される流体のための前記圧送動作を提供するポンプを含む、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[背景]
本発明は、車両搭載型のセンサレスモータ装置であって、モータ相U,V,Wに対するモータ終端コネクタを有するセンサレスモータ装置に関する。より具体的には、モータに一体化されたステータ回路基板と、ステータ回路基板から分離された制御装置回路基板と、モータ相U,V,Wを制御するために各回路基板間で回路を接続するための嵌合型コネクタ(mating connectors)とを有するモータに関する。本革新は、自動変速機油ポンプ/モータ装置における使用によく適しているが、この用途には限定されないと考えられる。
【0002】
センサレス自動変速機油(ATF)モータは、車両において自動変速機油を圧送するためのポンプを駆動するために用いることができる。このようなモータは、コンパクトな設計、信頼性、制御およびコストの効率を含むいくつかの理由で有用である。センサレスATFモータは、典型的には、U,V,W相に対する回路基板上のコネクタベースの終端を有し、これによって、制御装置回路基板は、モータのロータを操作するために、部分的にステータ回路基板によって定義される回路を制御することができる。組立体は、コンパクトであることが重要であるが、簡単に接続されること(組み立てはブラインドアセンブリ(blind assembly)の可能性があるので)、しっかり接続されること(良好かつ安定した電気的接触を含み、引き剥がしに対して機械的に耐性があることも)、最低限の構成要素および低コストの構成要素で組み立てられること(競争力の面から)もまた重要である。
【0003】
従来技術の一例を
図18〜21に示す。この例では、貯留された自動変速機油を必要に応じて車両の構成要素に圧送するために自動変速機油パンの内部に配置されたポンプに接続されたATFモータ100が図示される。モータ100は、ステータ回路基板101(基板101にはんだ付けされた第1のマルチポイント(メス型)コネクタ102(しばしば「端子ヘッダ」と呼ばれる)を有する)と、制御装置回路基板103(基板103にはんだ付けされた嵌合する第2のマルチポイント(オス型)コネクタ104(しばしば「ソケットヘッダ」と呼ばれる)を有する)とを含む。嵌合型コネクタ102および104は、モータのロータを回転させるためにモータ100のU,V,W相を制御するために回路基板101と回路基板103との間の異なる回路を接続する嵌合用ピンおよびソケットを有する。コネクタ102は、ステータ回路基板101内の電子装置にはんだ付けされ、コネクタ104は、制御装置回路基板103の電子装置にはんだ付けされ、これは費用をかなり追加し、また、品質上の懸念事項である。オス型コネクタ104は、複数の小型化された平行ピン105を含む。平行ピン105は、電気的接続のために嵌合用ソケットにぴたりと嵌合するよう構成される。変速機油パン内のスペースは小さいので、これらのピンは、スペース/サイズ、重量および機能的要件に適合するよう可能な限り小さく設計されるが、一方で、電気的接続を提供する良好な表面積のために十分に大きくなければならない。コネクタ102および104は、いずれも、非導電性材料(プラスチック等)によって保持された金属導電体を含み、この非導電性材料は、組み立ておよび相互接続の間、ピンおよびソケットの正確な位置合わせを支援するよう設計され、また、組み立て後には良好な保持力も提供する。組み立て作業中にピン1つ以上が変形または損傷すると品質上の問題が発生し、結果として不十分な電気的接続につながる(または電気的接続がなくなる)。この問題は、ブラインドアセンブリと、ピンのサイズが小さく曲げ抵抗力が低いこととによって複雑なものとなる。組み立てを簡素化し、コストを低減し、組み立て能力を向上させ(とくにブランドアセンブリの間)、組み立て後の保持の信頼性を高め、組み立て作業中に複数の回路において形成される電気的接続の整合性および信頼性を向上させ、構成要素および組立体のコストを低く維持しながらこれらを実現し、構成要素/組立体によって占有されるスペースをできるだけ小さくする設計を提供しながらこれらを実現するために、改善が望まれる。
【0004】
[本発明のサマリー]
本発明の一態様では、モータのオンボードステータ回路基板を制御装置回路基板に電気的に接続する装置は、A)ステータ回路基板および制御装置回路基板の一方(これら複数の電気的回路に接続するための導電性材料からなる離間されたパッドを伴うエッジを含む)と、B)ステータ回路基板および制御装置回路基板の他方(パッドを電気的接触のために係合させるとともに、パッドを機械的保持のために摩擦係合させるために配置された、少なくとも1つの突出アームを(それぞれ)有する導電体を伴うエッジコネクタを含む)と、を備える。
【0005】
より狭い態様では、パッドは、片面上の第1のパッドと、反対面上の第2のパッドとを含み、第2のパッドは、第1のパッドと位置整合され、各導電体の少なくとも1つの突出アームは、対向する複数のアームを含み、対向する複数のアームは、それらの間にピンチ点を画定し、ピンチ点は、前記対向する複数のアームを、それぞれ、パッドのうち対応する1つと接触させる寸法である。
【0006】
別のより狭い態様では、装置は、パッド上の導電体によって形成される保持力の他には、実質的な保持力を形成するいかなる機械的接続構造も含まない。
【0007】
別のより狭い態様では、パッドは回路基板の両面上の二重パッドを含み、二重パッドは双方とも電気的回路に接続され、結果として、より信頼性が高く頑強な二重接続となる。
【0008】
本発明の別の態様では、モータのオンボードステータ回路基板を制御装置回路基板に電気的に接続する方法は、A)ステータ回路基板および制御装置回路基板のうちの一方に、これら複数の電気的回路に接続するための導電性材料からなる離間されたパッドを伴うエッジを設けることと、B)ステータ回路基板および制御装置回路基板のうちの他方に、パッドと双方係合するよう配置された少なくとも1つの突出アームを(それぞれ)有する導電体を伴うエッジコネクタを設けることと、C)導電体が、電気的接触のためにパッドと電気的に係合し、また、機械的保持のためにパッドと摩擦係合するよう、エッジコネクタをエッジに組み付けることとを備える。
【0009】
本発明の、これらの態様、他の態様、目的、および特徴は、以下の詳細説明、添付の特許請求の範囲および図面を検討することにより、当業者によって理解される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】変速機油パン内で変速機油に沈められるATFモータ/ポンプ装置を示す側面図であり、一部概略化している。モータは制御装置回路基板に接続されたステータ回路基板を含む。制御装置回路基板は、ステータ回路基板のエッジに沿って嵌合導電パッドを係合させるための音叉状の導電体を伴う基板エッジ電気的コネクタ(「エッジコネクタ」と呼ばれる)を含む。
【
図1A】
図1において、モータが
図1とは異なる向き(すなわち反対の向き)に延びている図である。
【
図2】
図1の制御装置回路基板および回路基板に取り付けられたエッジコネクタの側面図である。
【
図3】(円形の)ステータ回路基板上のパッドと係合するエッジコネクタの斜視図である。
【
図4】音叉状の導電体によってステータ回路基板上のパッドに提供される電気的接続を示す断面図である。
【
図5】
図3の分解図である(中央の1つのコネクタ31のみを示す)。
【
図8】1つの音叉状の導電体上の、回路基板に取り付けられるピンの拡大図である。
【
図10】
図3のエッジコネクタの直交図の一つである。
【
図11】
図3のエッジコネクタの直交図の一つである。
【
図12】
図3のエッジコネクタの直交図の一つである。
【
図13】
図3のエッジコネクタの、非導電性プラスチック材料の内部の導電体を示す断面図である。
【
図15】エッジコネクタが制御装置回路基板と係合する際の制御装置回路基板の端部の拡大図である。
【
図16】エッジコネクタが制御装置回路基板と係合する際の制御装置回路基板の端部の、
図15とは反対方向の拡大図である。
【
図17】車両の電気的システムを示す概略図である。電気的システムは制御装置PCBを含む。制御装置PCBは、第1のオンボードスタティックモータPCB上の導電パッドに、音叉コネクタを用いて接続される。電気的システムは第2のオンボードスタティックモータPCBを含む。第2のオンボードスタティックモータPCBは、第1のオンボードスタティックモータPCB上の導電パッドに、音叉コネクタを用いて接続される。
【
図17A】ステータ回路基板の層である。層はステータ回路基板上の回路に接続される冗長なパッドを示す。冗長なパッドは、制御装置回路基板およびステータ回路基板の冗長な接続を発生させ、電気的接続の確実性および頑強性を向上させる。
【
図18】従来技術の側面図である。オス型端子ヘッダコネクタ(突出するピンの周りの円周状のシールドを伴う)およびソケットヘッダコネクタによって制御装置回路基板に組み付けられたステータ回路基板を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[好適な実施形態の詳細な説明]
本装置20(
図1)は、変速機油で部分的に満たされた変速機油パン21内に配置されたものとして図示される。本装置20は、様々な車両構成要素に自動変速機油を圧送するためのポンプ23を駆動するロータ22を有するモータ21を含む。モータ21は、ステータ回路基板25(モータに一体化されステータ26に動作可能に接続される)と、ステータ回路基板25から分離した制御装置回路基板27と、制御装置回路基板27上のコネクタ28(U,V,W相を介してモータのロータの動作を制御するために回路基板25と回路基板27との間の様々な回路に接続するために、ステータ回路基板25上のパッド30の接続構成に電気的に(かつ機械的に)接続するためのもの)とを有する。ステータ回路基板25上のパッド30は、ステータ回路基板25の互いに対向する両面上、ステータ回路基板25のエッジの近くに、導電性材料の拡大されたスポットを備える。便宜上、本明細書ではパッド30を「コネクタ構成」と呼ぶ(各パッド30は、コネクタ28内の音叉状導電体31のアームを係合させることによって、接続を提供するために、また、摩擦による保持力を提供するために構成されるからである)。最も広い意味では、図示される装置において、制御回路基板27上に従来のコネクタは存在しないということが理解される。
【0012】
コネクタ28は
図1および
図4に図示され、これは組立体を示し、また、
図6〜
図8に示され、これは導電体31を示し、また、
図10〜13に示され、これらは導電体31を伴うコネクタ28を示す。コネクタ28は、モールドされた非導電性本体(プラスチック製)を含む。本体は、平行位置にある複数の音叉状導電体31(3個が図示されている)(それぞれパッド30に対応する入口「ジョー」を画定する)を保持する。この構成により、上で説明され
図18〜
図21に示される従来のコネクタ101において用いられるソケットヘッダが不要となり、これは材料、組み立てコストにおける途方もないコスト節約であり、スペース消費における節約である。導電体31は平行方向に延びる導電アーム31Aを有し、角度がつけられたアームの内側表面(漏斗形の入口31B(ステータ回路基板25のエッジへのブラインドアセンブリを容易にする)を形成する)と、内側に突出するバンプ31C(パッド30への良好な電気的接続を促進するピンチ点を形成するとともに、ステータ回路基板25の両面上のパッド30に積極的摩擦保持力を形成する)と、離間された内側部分31D(ステータ回路基板25のエッジを収容するためのもの)とを伴う。ステータ回路基板25の両面上のパッド30を用いる電気的接触により、電気的接続の質および確実性が大きく増大されるということを注記しておく。
【0013】
図1は、モータのステータおよびロータが制御装置回路基板から離れる向きに延びるものとして図示される特定の配置を示す。しかしながら、これは便宜および図示の簡明さのために行われるが、モータのステータおよびロータは互いに対して任意の向きに延びることができるということが考えられる。
【0014】
当業者は、本革新的概念の範囲内に留まりつつ様々な材料および構成が可能であるということを理解する。図示されたステータ基板25は積層タイプであり、導電体31はヤング率131GPaを有する導電性金属であり、端子ハウジング(コネクタ29のプラスチック製本体)はヤング率10GPaを有する材料である。組立体の設置力および組立体の保持力は、いくつかのやり方で変化させることができる。たとえば、材料を変えたり、接触表面を表面処理によって処理したり(たとえばめっきまたはコーティング)、および/または、導電体アーム31Aの形状を変えたり(すなわち、漏斗入口の角度を変える、および/または、ピンチ点の寸法および形状を変える、および/または、アームの柔軟性/弾性を変える)である。図示の試作品は、いくつかの試験(より低い設置力/より高い保持力、電気的一体性/アンパシティ、熱的ショック、動力を供給されて熱を伴う振動、および、動力を供給された熱サイクル、の試験を含む)を成功裡にパスした。本図示の接続は、20アンペア以上を導電する間、効率的に動作したということを注記しておく。
【0015】
本構成は、自動変速機油を圧送するためのポンプを駆動するために用いられるセンサレスATF(自動変速機油)モータにおいて特に有用である。その理由は、信頼性およびコスト効率(現代の車両において要求される高品質基準に必要)を維持または改善しながら、非常にコンパクトな設計(車両変速機パンにおいて要求される小スペース要件に必要)を提供するからである。本装置は、最小限の数の構成要素を用いながら(従来の嵌合ピン・ソケット電気的コネクタにおいて用いられるコネクタのうち一方を省略することにも部分的に起因して)、かつ、低コスト構成要素および低コスト組み立て技術/工程を用いながら、頑強かつ積極的かつ比較的容易な接続(ブラインドアセンブリにおいてさえ)を提供し、接続において優れた信頼性(優れた二重の電気的接触と、引き剥がしに対する機械的耐性とを含む)を提供する。上述の革新的態様は、モータ(複数可)に接続されこれによって駆動される装置(たとえば、任意の流体ポンプ装置または空気ポンプ装置、パワーステアリング装置、AC圧縮機、モータ駆動パワーブレーキ、および、車両またはより大規模な組立体に用いられる実質的にすべてのモータ駆動構成要素またはアクセサリ)を含み得ると考えられる。
【0016】
図17は、第1のオンボードスタティックモータPCB25上の導電パッド30に係合するアーム状導電体31を伴う音叉コネクタ28を用いて接続される制御装置PCB27を含む車両電気的システムを備える代替的回路を示す概略図である。また、第1のオンボードスタティックモータPCB25のエッジ25’上の導電パッド30’に係合する導電体31’を伴う音叉状コネクタ28’を用いて接続される第2のオンボードスタティックモータPCB25’を含む。諸変形が本発明の範囲内であると考えられる。たとえば、双方のオンボードスタティックモータPCBが直接的に制御装置PCBに接続されてもよく、双方の音叉コネクタが制御装置PCB上にあってもよく、導電パッドが第1および第2のオンボードスタティックモータPCBに沿っていてもよい。また、音叉コネクタがスタティックモータPCB上にあってもよく、導電パッドが制御装置PCBのエッジに沿っていてもよい。事前組み立て/事前製造の電気的コネクタ構成要素を最小化または不要化しながらこれらのPCBを接続するために、追加の音叉コネクタを用いてもよいと考えられる。
【0017】
図17A〜
図17Dは、ステータ回路基板25の互いに隣り合う層を示す。各層は、ステータ回路基板上の回路に接続される冗長なパッド(項目C,U,V,Wとして識別する)を含み、これらの冗長なパッドは、制御装置回路基板とステータ回路基板との冗長な接続を発生させ、これによって電気的接続の確実性および頑強性を向上させる。
【0018】
本発明の概念から逸脱することなく上述の構造に変形および修正を加えることが可能であるということが理解されるべきである。さらに、添付の特許請求の範囲が、(そうでないと特許請求の範囲の語句が明示しない限り)そのような概念を包含するということが意図されるということが理解されるべきである。