(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コントローラは、前記磁場と相互作用する金属製物体がないときに所定の期間において受信される前記波形のそれまでの最小値及び最大値に基づいて、前記検出閾値の最小値を求める雑音計算部を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の検出システム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面を参照すると、いくつかの図を通して同じ数字は同じ部品を示しており、
図1〜
図6においてモバイルカートは全体として30で示される。モバイルカート30は土台(ベース部)32を含み、土台32は、その土台32を支持し、移動を容易にするために利用される複数の車輪34によって支持される。支柱36が、土台32に動作可能に取り付けられ、土台32の上方に延びる(
図1を参照)。支柱36は、全体として38で示される取付台を支持する。別の実施形態において、使用時に取付台38に外部負荷がかけられた場合に、取付台38の剛性を改善し、撓みを低減するために、1つ以上の付加的な支柱36(図示せず)を追加することができる。取付台38は全体的に丸みを帯びた長方形の外形を有し、医療廃棄物コンテナ42(
図2を参照)を収容するように形作られる対応する形状の開口40を画定する。しかし、取付台38及び/又は開口40は、任意の適切な外形を有することができることは理解されよう。
【0013】
医療廃棄物コンテナ42は、取付台38に着脱可能に取付可能とすることができる。医療廃棄物コンテナ42は、取付台38の開口40に隣接して固定される開口部44を有する。そのために、モバイルカート30は、医療廃棄物コンテナ42を取付台38に解除可能に固定するために利用される、全体として46で示される、1つ以上の固定機構を含むことができる。本明細書において例示される典型的な実施形態において、医療廃棄物コンテナ42は、プラスチックから製造された袋として実現され、汚物、ごみ、医療廃棄物等の廃棄物をその中に収容するように構成される。しかし、以下の後続の説明から理解されるように、医療廃棄物コンテナ42は、任意の適切なタイプのものとすることができ、任意のタイプの廃棄物を収容するのに十分な任意の適切な方法において構成することができる。限定的ではない例として、医療廃棄物コンテナ42は、硬質の本体を備え、使い捨て袋を備えるか、又は備えない、従来の「ごみ箱」として実現することができる。医療廃棄物コンテナ42は、気づかれずに廃棄された金属製物体の回収を容易にするために透明にすることができ、及び/又はその中に収容されることを意図した医療廃棄物のタイプに対応する或る特定の色に着色することができる。
【0014】
モバイルカート30及び/又は医療廃棄物コンテナ42は、金属製物体が医療廃棄物コンテナ42の開口部44の中に廃棄されたことを検出するために、一実施形態による、全体として48で示される検出システムを利用する。いくつかの実施形態において、モバイルカート30は任意選択的なものである。
図3に示すように、検出システム48は、検出インジケータ50と、第1の受信コイル52と、第2の受信コイル54と、送信コイル56と、コントローラ58とを有する。検出インジケータ50は、金属製物体が医療廃棄物コンテナ42の開口部44を通り抜けたことを示すために利用される。一実施形態において、検出インジケータ50は、1つ以上のスピーカ、ディスプレイ、ライト等の少なくとも1つの可聴及び/又は可視インジケータを含む。
【0015】
図示される実施形態において、送信コイル56は、受信コイル52と受信コイル54との間に間隔を置いて配置される。コイル52、54、56は、後に更に詳細に説明するように、医療廃棄物コンテナ42(廃棄物コンテナ42は
図3に示していない)の開口部44に隣接し、廃棄物を受け入れるように形作られる。コイル52、54、56と電気的に導通するコントローラ58が配置される。コントローラ58は、送信信号60(例えば、
図11Aを参照)を生成し、その送信信号60を送信コイル56に送り、送信コイル56は送信信号60に基づいて磁場を生成する。そして、この磁場が受信コイル52及び54の各々に電圧を誘導して、第1の受信コイル52がコントローラ58によって受信される第1の受信信号62(例えば、
図11Bを参照)を生成し、第2の受信コイル54がコントローラ58によって受信される第2の受信信号64(例えば、
図11Cを参照)を生成する。後に更に詳細に説明するように、コントローラ58は、両受信信号62及び64に基づいて波形66を生成し、更に、波形66を解析して、受信信号62、64において生じる所定の変化に少なくとも部分的に基づいて、金属製物体が医療廃棄物コンテナ42の開口部44を通り抜けたことを検出する。以下の後続の説明から理解されるように、受信信号62、64の「所定の変化」には、振幅、大きさ、周波数の変化及び/又は位相のシフトが含まれ得る。
【0016】
引き続き
図3を参照すると、モバイルカート30によって利用される検出システム48は、金属製物体がコイル52、54、56を通り抜け、医療廃棄物コンテナ42の開口部44の中に入ると、ユーザに警告するように構成される。一実施形態において、検出システム48は、コントローラ58と電気的に導通し、検出システム48の動作を容易にするように配置される電源68(
図3に概略的に示される)を有する。一実施形態において、電源68は充電式電池として実現される。しかし、電源68が検出システム48を動作させるのに十分な任意の適切なタイプ又は構成のものとすることができることは当業者には理解されよう。
【0017】
図3に示すように、一実施形態において、検出システム48は、モバイルカート30に動作可能に取り付けられ、モバイルカート30によって支持される。このために、一実施形態において、検出システム48は、後に更に詳細に説明されるように、コイル52、54、56を支持するように構成されるコイル支持フレーム70を有する。コイル支持フレーム70は、モバイルカート30の取付台38又は他の支持構造に動作可能に取り付けられ、コイル52、54、56を支持するか、保持するか、又は別の方法で位置合わせするように協働する1つ以上の構成要素から作ることができる。コイル支持フレーム70は、接着剤、非金属締結具等を用いて取付台38に固定することができる。取付台38は、コイル52、54、56及び検出システム48の動作との干渉(例えば、電磁干渉)を抑えるために、プラスチックから形成することができる。本明細書において説明される検出システム48は、車輪34を備えないモバイルカート30とともに、壁又は他の静止した構造に構成される取付台38とともに等の、いくつかの異なる適用例において使用できることは理解されよう。限定的ではない例として、検出システム48は、使い捨て袋とともに従来の硬質のごみ箱として実現される医療廃棄物コンテナ42の上方にコイル52、54、54を垂直に支持するために、壁に設けられるように構成される取付台38を利用することができる。
【0018】
図3〜
図6に示すように、コイル支持フレーム70は、上記で言及されたように、医療廃棄物コンテナ42が廃棄物を収容するためにそれを通して位置決め可能である通路72を画定する。ここで、取付台38の開口40は、医療廃棄物コンテナ42の開口部44を通り抜ける物体が取付台38の開口40及びコイル支持フレーム70の通路72も通り抜けるように、コイル支持フレーム70の通路72に対して位置合わせされる。したがって、医療廃棄物コンテナ42の開口部44を通り抜ける物体は、医療廃棄物コンテナ42内に収容されてゆく際に、第1の受信コイル52、送信コイル56及び第2の受信コイル54を順次に通り抜ける。一実施形態において、取付台38は、コイル支持フレーム70がその中で支持される、全体として76で示される空洞を画定するために、開口30から間隔を置いて配置される内壁74を有する(
図5及び
図6を参照)。コイル52、54、56は、取付台38の内壁74と開口40との間に配置される。
【0019】
一実施形態において、隔離機構78が、取付台38とコイル支持フレーム70との間に設けられ、コイル支持フレーム38を、取付台38に作用する外力から隔離する(
図5及び
図6を参照)。より具体的には、隔離機構78は、モバイルカート30又は他の支持構造に作用する外力が、コイル52、54、56の相対位置を変位させるか、又は変化させるのを防ぐ。モバイルカート30の上に置かれた物体によって、モバイルカート30に「ぶつかる」か、又は別の方法で係わる人々又は物体によって等のいくつかの異なる状況において、外力が使用中に生じる場合があることは理解されよう。隔離機構78は、垂直(
図5を参照)及び水平(
図6を参照)等の複数の方向においてモバイルカート30に作用する外力からコイル支持フレーム70を隔離するために好適に位置決めされ、配置され、及び構成される。このために、隔離機構78は、コイル支持フレーム70に外力が伝わるのを減少させるか、減衰させるか、低減するか、又は別の方法で抑制するために、1つ以上の所定の場所において、内壁74に、及びコイル支持フレーム70に結合される1つ以上の個別の構成要素として実現することができる。
【0020】
本明細書に例示する典型的な実施形態において、隔離機構78は、取付台38に、そしてコイル支持フレーム70に動作可能に取り付けられる弾性部材80を備える。しかし、隔離機構78が、コイル支持フレーム70を取付台38に作用する外力から隔離するのに十分な任意の適切なタイプ及び/又は部品の構成要素を備えることができることは当業者には理解されよう。限定的ではない例として、隔離機構78は、発泡材又はゴム等の、弾性材料、エラストマ材料、緩衝材料、付勢部材等の種々の部品を含むことができる。
【0021】
図3〜
図10に示すように、本明細書に例示する典型的な実施形態において、コイル支持フレーム70は、取付台38の開口40を包囲する、全体として多角形の形状によって画定される外形を有する(
図4を参照)。ここで、コイル52、54、56はそれぞれ、コイル支持フレーム70の外形に合う外形を有する。具体的には、コイル支持フレーム70及びコイル52、54、56はそれぞれ、平行かつ正反対に位置する少なくとも一対の真っ直ぐな辺を有する不規則な六角形として画定される外形を有する。しかし、コイル支持フレーム70及び/又はコイル52、54、56は、代替的に、円形若しくは長円形の外形、又は任意の他の適切な外形を有することができることは理解されよう。
図4に示す実施形態において、コイル支持フレーム70は、平行かつ正反対に位置する真っ直ぐな2つの辺70A、70Bと、平行かつ正反対にオフセットした真っ直ぐな2つの辺70C、70Dと、平行かつ正反対にオフセットした真っ直ぐな別の2つの辺70E、70Fとを有する。ここで、辺70C及び70E並びに辺70D及び70Fは、角度α1を有する頂点において接続し、この角度は、辺70Aと70Cとの間、辺70Aと70Fとの間、辺70Bと70Eとの間、及び70Bと70Dとの間の頂点の角度α2よりも大きい。ここで、角度α2は90度より大きく、角度α1は180度より小さい。具体的には、
図4に示すように、α2は約95度であり、角度α1は約170度である。
【0022】
後に更に詳細に説明するように、一実施形態において、検出システム48のコイル52、54、56は、有利には、動作中に感度及び検出精度を高めるために、互いに対して物理的に平衡な状態(バランスのとれた状態)とされる。そのために、本明細書に例示する典型的な実施形態において、コイル52、54、56は、コイル支持フレーム70内に画定されるそれぞれの溝82内に支持される。溝82は、コイル52、54、56を支持し、それにより、その間の対称性を通して物理的な平衡を達成できるように配置される。ここで、
図3、
図4及び
図8において最もわかりやすく示すように、コイル52、54、56は、互いに平行となるように位置合わせされ、互いに同軸となるように配置される。さらに、コイル52、54、56は、共通の形状及び共通の周囲長を有する共通の外形を有し(
図8を参照)、送信コイル56は、受信コイル52と54との間に両受信コイルから等距離に配置される。一態様において、各コイル52、54、56は、同じ巻数の銅等の導線を含む(詳細には図示していない)。別の態様において、各受信コイル52、54は、少なくとも50巻の導線を含む(詳細には図示していない)。別の態様において、各受信コイルは、少なくとも25巻の導線を含む。同じ長さの同じタイプ及びサイズの導線から形成され、同じ電磁環境内に位置決めされるコイル52、54、56は、同じ電気的インダクタンス、インピーダンス及びキャパシタンスを有することは理解されよう。一実施形態において、送信コイル56は、受信コイル52、54とは異なる巻数、それゆえ、異なる電気的特性を有することができる。さらに、本明細書において説明され、図面全体を通して例示される検出システム48の典型的な実施形態は、受信コイル52と54との間に配置される単一の送信コイル56を利用するが、以下の後続の説明から理解されるように、検出システム48は、受信コイル52と54との間に種々の態様において配置される、同じ周波数又は異なる周波数において動作する複数の送信コイル56を利用することができる。
【0023】
図8に示すように、一実施形態において、コイル52、54、56は、20mm〜50mmの所定の距離84だけ互いに間隔を置いて配置される。別の実施形態において、所定の距離84は、40mm〜60mmである。更に別の実施形態において、所定の距離84は有利には50mmである。しかし、所定の距離84は任意の適切な距離とすることができ、異なるタイプ、サイズ、形状及び/又は構成の医療廃棄物コンテナ42を収容する等の、具体的な適用例の要件に合うように調整できることは当業者には理解されよう。さらに、コイル52、54、56及び所定の距離84は、図面全体を通して概略的に、及び/又は例示的に示されており、縮尺どおりではなく、本明細書において他に規定されない限り、検出システム48の任意の他の部分に対する寸法的又は空間的な基準として使用されることは意図していないことは理解されよう。
【0024】
既に述べたように、コイル支持フレーム70内に形成される溝82は、コイル52、54、56を位置合わせし、支持する。
図3〜
図10に示す典型的な実施形態において、コイル支持フレーム70は、内面86及び外面88を有する一体の一部品構成要素として形成され(
図7を参照)、内面86は通路72を定め、溝82は外面88に形成される。全てのコイル52、54、56が、共通のコイル支持フレーム70によって、所定の距離84に配置された各溝82内に支持されるという点で、この構成は検出システム48の製造を容易にすることに寄与することは理解されよう。言い換えると、この構成は、上記のコイル52、54、56の物理的な位置合わせを簡単に、コストの点で効率良く達成する。しかし、コイル支持フレーム70は、コイル52、54、56を支持するために協働する任意の適切な数の構成要素から製造することができるか、又は任意の適切な数の構成要素として別の方法で実現できることは当業者には理解されよう。限定的ではない例として、コイル支持フレーム70は、それぞれのコイル52、54、56をそれぞれ支持し、同時に動くように互いに結合された3つの別部材として実現することができる。いくつかの実施形態において、コイル支持フレーム70は、撓みに耐えるために比較的硬質であり、それは、互いに対するコイル52、54、56の配置、向き及び間隔を保持するのを助ける。ここで、コイル支持フレーム70及び隔離機構78はそれぞれ、使用中にコイル52、54、56の撓み及び/又は相対運動を防ぐことに寄与することは理解されよう。
【0025】
図9A〜
図9Eに、コイル52、54、56(
図9Aに概略的に示される)を支持する
図3〜
図8のコイル支持フレーム70を示す。一実施形態において、検出システム48は、外部の電場からコイル52、54を遮蔽するように構成される、全体として符号90で示すファラデーシールドを備える。このために、ファラデーシールド90は、第1のファラデー部92(
図9B〜
図9Eを参照)と、絶縁体94(
図9C〜
図9Eを参照)と、第2のファラデー部96(
図9D〜
図9Eを参照)とを備える。
図9Bにおいて最もわかりやすく示すように、第1のファラデー部92は、銅又はアルミニウム等の材料ストリップを備え、材料ストリップは、間隔を置いて配置される第1の端部92Aと92Bとの間に重なり合うようにしながら、コイル支持フレーム70の外面88及び内面86に「巻き付け」られる。
【0026】
図9Cに最もわかりやすく示すように、第1の端部92A、92Bのそれぞれに絶縁体94が設けられる。絶縁体94は、絶縁テープを1回以上「巻いたもの」として実現することができ、第1のファラデー部92と第2のファラデー部96との間の接触を防ぐだけでなく、第1のファラデー部92の第1の端部92A、92Bを越えて電気的に接触することも防ぐように設けられる。
【0027】
図9Dに示すように、第2のファラデー部96は、銅又はアルミニウム等の材料ストリップを同様に備え、材料ストリップは、間隔を置いて配置される第2の端部96Aと96Bとの間に重なり合うように、コイル支持フレーム70の外面88及び内面86に「巻き付け」られるか、又は別の方法で外面88及び内面86を包み込む。ここで、第2のファラデー部96は、第1のファラデー部92の第1の端部92A、92Bを包み込むために、絶縁体96に巻き付けられて、コイル支持フレーム70全体(それゆえ、各受信コイル52、54の全ての部分)が第1のファラデー部92及び/又は第2のファラデー部96によって「巻き付けられる」か又は別の方法で包み込まれる。
【0028】
上記で説明され、
図9B〜
図9Eに示したファラデーシールド90は、受信コイル52、54の両方を包み込むように構成されるが、上記で言及されたように、コイル支持フレーム70がそれぞれのコイル52、54、56を支持する個別構成要素から構成される場合に実現されることがあるように、各受信コイル52、54にそれぞれのファラデーシールド90を設けることができることは理解されよう。さらに、本明細書において説明されるファラデー部92、96はそれぞれ、銅又はアルミニウム合金等の「巻き付けられる」材料ストリップを備えるが、或る特定の適用例に関して、任意の適切な非磁性及び導電性材料等の他の材料、並びに異なるタイプ又は構成のファラデー部92、96及び/又は絶縁体94を利用できることは理解されよう。
【0029】
図9E及び
図10を参照すると、一実施形態において、磁場を、コイル支持フレーム70の通路72に向かって、外部環境から離れるように誘導するか、集束させるか、又は別の方法で集中させるために、検出システム48は、後に更に詳細に説明されるように、使用時に送信コイル56により生成される磁場を整形する、全体として98で示す場整形(フィールドシェーピング)部を備える。このために、場整形部98は、磁場整形材料100のストリップ及び絶縁材料102のストリップを備え、それらのストリップは、コイル支持フレーム70の外面88に「巻き付けられる」か、又は別の方法で外面88を包み込む。ここで、場整形部98は、使用時にコイル52、54、56に対する一定の位置及び向きを保つために、コイル支持フレーム70に動作可能に取り付けられる。ここで、さらに、コイル支持フレーム70の剛性、及び隔離機構78によって与えられる外力からの隔離が、使用時にコイル52、54、56に対して場整形部98が撓むか、又は相対的に動くのを防ぐことに寄与する。本明細書に例示する典型的な実施形態において、各材料100、102の3つの「ループ」が、送信コイル56に隣接し、受信コイル52、54に相対して設けられる。
図10に示すように、場整形部98は、受信コイル52と54との間に垂直に配置される。しかし、他の構成及び配置を使用することもできる。磁場整形材料100の「ループ」間の物理的接触を防ぐために、絶縁材料102が設けられる。
図9E及び
図10に示す典型的な実施形態において、各材料100、102の3つの「ループ」が示されるが、磁場整形材料100のサイズ、形状及び/又は透磁率の、場整形部98の適用例の要件及び具体的な構成に応じて、4つ以上、又は2つ以下の「ループ」を利用できることは当業者には理解されよう。
【0030】
上記で言及したように、コイル支持フレーム70の通路72に向かって磁場を誘導するか、集束させるか、又は別の方法で集中させるために、磁場整形材料100が構成され、形作られ、及び配置される。このために、磁場整形材料100は、処理されるときに、上記で言及された絶縁材料102としての役割を果たすことができる酸化物層を形成する、CarTech(商標)High Permeability“49”(商標)Alloy等の適切な材料から構成することができる。しかし、場整形部98は、いくつかの異なる方法において構成することができ、任意の適切なタイプの磁場整形材料100及び/又は絶縁材料102を含むことができることは当業者には理解されよう。
【0031】
後に更に詳細に説明するように、波形66は、送信コイル56によって生成された磁場において金属製物体との相互作用がないことに対応する基準(又は基準値)104の状態を有する。ここで、波形66は、コントローラ58によっていくつかの異なる方法において生成することができるので、基準104も同様に異なる方法において規定できることは当業者には理解されよう。非限定的な例として、基準104はゼロ電圧を表すものとすることができ、波形66は、種々の正の電圧と負の電圧との間で基準104からその大きさが経時的に変化し得る。したがって、基準104は任意の適切な方法において定めることができ、波形66は、基準104に対して変化する任意の適切なパラメータに基づいて生成することができ、基準104は、上記で言及されたように、金属製物体が医療廃棄物コンテナ42の開口部44に入るのを検出するのに十分な任意の適切な領域において、送信コイル56により生成される磁場と相互作用する金属が存在しないときに確立されるものであることは理解されよう。一実施形態において、波形66の基準104は、0よりも大きいDCオフセット電圧を含むことができる。
【0032】
ここで
図11A及び
図11Bを参照すると、種々のグラフが示される。ここで、明確にし、かつ一貫性を保つために、他に指示がない限り、これらのグラフはそれぞれ、時間に関して水平に、かつ0からオフセットされた電圧に関して垂直にプロットされる。その場合に、以下の説明において、「大きさが増える」等の言い回しは、経時的に0から正の方向に離れていく電圧(例えば、1vから2.5v)を示す一方で、「大きさが減少する」等の言い回しは、経時的に0に向かって負の方向に進む電圧(例えば、2.5vから1v)を示す。この用語は、明確にし、かつ一貫性を保つ非限定的な目的のために本明細書において使用されることは理解されよう。
【0033】
ここで
図11A〜
図11Dに、7つの等間隔に配置される時間基準T1A、T2A、T3A、T4A、T5A、T6A及びT7A間に描かれる、共通の時間スケールに沿ったグラフの組を示す。ここで、グラフはそれぞれ、検出システム48の或る動作状態の、送信コイル56の送信信号60(
図11Aを参照)、第1の受信コイル52の第1の受信信号62(
図11Bを参照)、第2の受信コイル54の第2の受信信号64(
図11Cを参照)、及び受信信号62、64に基づいてコントローラ58により生成される波形66(
図11Dを参照)を表す。波形66の基準104の状態は、上記で言及したように、金属製物体と磁場との相互作用がないことに対応する。ここで、送信信号60は正弦波振動電圧であり、磁場は交番磁場である。以下の後続の説明から理解されるように、この正弦波送信信号60は、開口部70のサイズ、検出対象の金属製品のサイズ及びタイプ、システムを動作させるために使用される電源68のタイプ等の特性に応じて、異なる電力レベル、電圧及び周波数において動作することができる。一実施形態において、送信信号の動作周波数は、5KHz〜71KHzである。一実施形態において、送信信号の動作周波数は7KHz〜25KHzである。別の実施形態において、送信信号の動作周波数は、24KHz以下である。一実施形態において、送信信号の動作周波数は、電池駆動システムに関して7KHzである。
【0034】
図11Bに示す第1の受信信号62及び
図11Cに示す第2の受信信号64は、第1の時間基準T1Aから第7の時間基準T7Aまで互いに等しく、かつ正反対である(
図11B及び
図11Cに示す大きさ(変位量)、周波数及び位相を比較されたい)。したがって、受信信号62と64との間に不平衡が生じないので、結果的にコントローラ58が生成する波形66は、基準104が経時的に実質的に一定のままであることを示すために(
図11Dを参照)、第1の時間基準T1Aから第7の時間基準T7Aまで実質的に平坦な線として示される。言い換えると、基準104はこの動作状態中に大きさ(変位量)がゼロである(AC成分を含まない)。ここで、受信信号62、64が足し合わされて、結果として生じる波形66が生成される。より具体的には、コイル52、54、56の電気的平衡及び物理的対称性と、金属製物体と磁場との相互作用がないこととに起因して、ここでは、第1の受信信号62と第2の受信信号64との間に不平衡は生じないので、波形66は、第1の時間基準T1Aから第7の時間基準T7Aまで基準104にとどまる。
【0035】
次に
図12A〜
図12Cを参照すると、7つの等間隔に配置される時間基準T1B、T2B、T3B、T4B、T5B、T6B及びT7B間に描かれる、異なる共通の時間スケールに沿った別のグラフの組を示す。ここで、グラフはそれぞれ、検出システム48の或る動作状態時の、第1の受信コイル52内の第1の受信信号62(
図12Aを参照)、第2の受信コイル54内の第2の受信信号64(
図12Bを参照)、及び受信信号62、64に基づいてコントローラ58によって生成される波形66(
図12Cを参照)を表す。この動作状態では、波形66は、両受信信号62、64に同時に影響を及ぼす、金属製物体と磁場との一時的な相互作用に対応する基準104の状態を有する。
【0036】
上記で説明され、
図12A〜
図12Cにおいて図示されるグラフにおいて表される一時的な金属製物体は、液体バッグをつり下げるために使用されるポータブル型スチール製点滴スタンド(IVポール)とすることができる(図示していないが、当技術分野において一般的に既知である)。ここで、IVポールは、第3の時間基準T3Bにおいて、モバイルカート30の設置面積(フットプリント)外ではあるものの、検出システム48付近に配置されるので、第3の時間基準T3Bにおいて受信信号62、64の大きさに同時に影響を及ぼし始める(
図12A及び
図12Bにおける大きさ(変位量)を比較されたい)。しかし、スチール製IVポールは、受信信号62、64に対して同時に、かつ等しく影響を及ぼすため、受信信号62と64との間に差が生じないことから、結果としてコントローラ58により生成される波形66は、第1の時間基準T1Bから第7の時間基準T7Bまで実質的に平坦な線として示され、基準104が経時的に実質的に一定のままであることが示される(
図12Cを参照)。言い換えると、基準104はこの動作状態中に大きさがゼロである(AC成分を含まない)。したがって、受信信号62、64において同時に変化が生じても、コントローラ58によって合成されると波形66には表れないので、高い感度に寄与し、一時的な金属製物体が検出システム48の近くを通り過ぎるのに応じて、検出インジケータ50が想定外に、かつ不正確に起動することを防ぐのに役立つ。
【0037】
続いて
図13A〜
図13Cを参照すると、7つの等間隔に配置される時間基準T1C、T2C、T3C、T4C、T5C、T6C及びT7C間に描かれる、異なる共通の時間スケールに沿った別のグラフの組を示す。ここで、グラフはそれぞれ、検出システム48の或る動作状態時の、第1の受信コイル52内の第1の受信信号62(
図13Aを参照)、第2の受信コイル54内の第2の受信信号64(
図13Bを参照)、及び受信信号62、64に基づいてコントローラ58によって生成される波形66(
図13Cを参照)を表す。この動作状態では、金属製物体が医療廃棄物コンテナ42の開口部44を通り抜ける。
図13Cに示すように、一実施形態において、受信信号62、64は算術的に合成され、第1の受信信号62の絶対値から第2の受信信号64の絶対値を減算することから得られる、全体として106で示される単一の合成信号になる。ここで、コントローラ58は、合成信号106の包絡線を形成する(envelope)ことによって、
図13Cに示す波形66を生成することができる。合成信号106の包絡線形成は、整流器、インバータ及び/又は他の回路若しくはモジュールを用いる等のいくつかの異なる方法において達成できることは理解されよう。より具体的には、波形66は、合成信号106の時間領域曲線下の面積を求めるのに十分な任意の適切なタイプの積分回路を用いて生成することができる。
【0038】
上記で説明され、
図13A〜
図13Cに図示されるグラフにおいて表される金属製物体は、ステンレス鋼から製造される再利用可能な手術器具とすることができる(図示していないが、当該技術分野において一般的に既知である)。この手術器具が、第1の受信コイル52、送信コイル56、その後、第2の受信コイル54を連続して通り抜ける。この典型的な実施形態において、手術器具が第1の受信コイル52に接近するにつれて、手術器具は第2の時間基準T2Cと第3の時間基準T3Cとの間の第1の受信信号62の大きさに影響を及ぼし始め、その後、第1の受信コイル52及び送信コイル56を通り抜けた後に、手術器具が第2の受信コイル54に接近するにつれて、第4の時間基準T4Cと第5の時間基準T5Cとの間の第2の受信信号64の大きさに影響を及ぼし始める。したがって、第1の受信信号62は、第2の受信信号64が変化する前に変化し(
図13A及び
図13Bを比較されたい)、それにより、結果として生じる波形66が、それに応じて、基準104から移動する。具体的には、
図13Cに示すように、波形66は、第2の時間基準T2C後に基準104から移動し始め、手術器具が第1の受信コイル52に接近するにつれて、その大きさが基準104から増加し、その後、手術器具が第1の受信コイル52を通り抜けた後に、送信コイル56に接近するにつれて、その大きさが基準104に向かって戻るように減少する。
【0039】
図13Cに示すように、波形66は、手術器具が送信コイル56を通り抜け、第2の受信コイル54に接近するにつれて、その大きさが減少し続ける。波形66は、その後、手術器具が第2の受信コイル54を通り抜けた後に、その大きさが基準104に向かって戻るように増加する。手術器具と金属検出システムとの相互作用についての更なる情報を特定できることは理解されよう。例えば、手術器具が両方の受信信号62、64と同等に相互作用する時点は、時点T9において合成信号106が基準104と交わる時点である。これは通常、物体が送信コイル56によって形成される中心面にある時点に非常に近いであろう。さらに、物体が磁場を通って進行するのに要する時間は、合成信号106が最初に、時点T8においてその基準から外れ、時点T9において中点を通り、その後、時点T10において磁場から離れる時間になるであろう。いくつかの実施形態において、検出イベントの特定を向上させるか、検出イベントをカウントするか、又は検出インジケータ50を設定するために、合成信号106又は波形66に関連する種々の時点を解析することができる。
【0040】
コントローラ58は、第1の検出閾値108との関係で波形66を解析し、また、第1の検出閾値108と反対に位置する第2の検出閾値110との関係で波形66を解析する。基準104は、第1の検出閾値108と第2の検出閾値110との間にある。ここで、コントローラ58は、金属手術器具がコイル52、54、56を通り抜けるのに応じて、波形66が第1の時点112において第1の検出閾値108を超え、後続の第2の時点114において第2の検出閾値110を超えたことに基づいて、検出インジケータ50を起動する。
【0041】
図11Dに示すように、金属製物体と磁場との相互作用が生じない間は、受信信号62、64は、送信信号60から直接的に生じ、上記で言及したように、検出システム48のコイル52、54、56の電気的平衡及び物理的対称性に起因して、互いに実質的に等しく、かつ正反対である。より具体的には、送信コイル56によって生成される磁場と相互作用する磁性物体がないときは、磁場からの磁束が有利には受信コイル52と54との間に均等に分布するので、受信信号62、64は互いに実質的に等しく、かつ正反対である。しかし、受信信号62と64との間に差が生じると、波形66は、一例において
図13Cに示すように、それに応じて基準104から移行する。このようにして、金属製物体と、送信コイル56によって生成される磁場との相互作用は、受信信号62、64に反映される。ここで、コントローラ58は、基準104からの波形66の動きを検出閾値108、110との関係で解析し、金属製物体が医療廃棄物コンテナ42の開口部44を通り抜けたことを検出する。
【0042】
物体が送信コイル56によって生成される磁場と、いくつかの異なる方法において相互作用できることは理解されよう。詳細には、物体の材料特性及び物理的特性が、磁場との相互作用に応じて受信信号62、64がいかに変化するかに影響を及ぼす。そのため、コイル52、54、56を通り抜ける異なるサイズ、形状及び材料組成の物体が、それに応じて異なる方法において、基準104からの波形66の動きに影響を及ぼすことができる。
【0043】
一例として、フェライトタイル等の非導電性の磁性材料(強磁性体又は常磁性体)が、送信コイル56によって生成される磁場と相互作用する場合には、送信コイル56から受信コイル52、54の周りへの磁束の分布が、コイル52、54、56に隣接する体積内の全透磁率の変化に起因して変更されることになる。同様に、金属針等の導電性の磁性材料(強磁性体、常磁性体又は反磁性体)が送信コイル56によって生成される磁場と相互作用する場合には、物体内に渦電流が誘導されることになり、それにより、送信コイル56によって生成される磁場と反対方向に二次的な磁場が生成される。
【0044】
渦電流の結果として生成される二次的な磁場の具体的な構成は、導電率、透磁率、サイズ、形状及び向き等の導電性磁性物体の物理的特性によって決まることは理解されよう。高い比透磁率を有する導電性材料(例えば、鋼)は、渦電流によって材料内に生成される二次的な磁場が送信コイル56によって生成される磁場に対抗するには一般に不十分であるので、コイル52、54、56に隣接する体積内の全透磁率を増加させる傾向がある。しかしながら、低い比透磁率を有する高導電性材料(例えば、銅又はアルミニウム)は、渦電流によって高導電性材料内に生成される二次的な磁場が送信コイル56によって生成される磁場と反発する傾向があるので、コイル52、54、56に隣接する体積内の全透磁率を減少させる傾向がある。さらに、低い比透磁率を有する中程度の導電性材料(例えば、スズ、鉛、チタン及び或る特定のタイプのステンレス鋼)は、相対的に小さい渦電流から中程度の導電性材料内に二次的な磁場が生じるので、コイル52、54、56に隣接する体積内の全透磁率に相対的に小さい影響を及ぼすことになる。
【0045】
上記で説明された典型的な動作状態において、コイル52、54、56を通ってステンレス鋼製手術器具が通過すると、受信信号62、64の大きさに連続的な変化を引き起こし、それにより、波形66が基準104から移行する。ここで、各受信信号62、64の大きさは、鋼製手術器具がそれぞれの受信コイル52、44に接近するときに低減されるが、波形66を基準104から移行させるのに十分な他の方法において、受信信号62と64との間の差動不平衡(differential imbalance)が生じる可能性があることは当業者には理解されよう。非限定的な例として、受信信号62、64は、或る特定の金属製物体がコイル52、54を通り抜けるのに応じて、連続して大きさが増加し、周波数が増加又は減少し、及び/又は位相がシフトすることができる。
【0046】
したがって、コントローラ58によって生成される波形66は、受信信号62と64との間に生じる任意の適切な所定のタイプの差動変化に応じて、基準104から移行できることは理解されよう。さらに、送信コイル56によって生成される磁場と相互作用するときに、上記で言及されたように、サイズ、形状、導電率、透磁率等に基づいて、異なるタイプの材料が、それに応じて受信信号62、64内に異なる差の変化をもたらすことは理解されよう。したがって、検出システム48は、受信信号62、64及び/又は波形66の大きさ、周波数及び/又は位相において生じる特徴的な差動変化に少なくとも部分的に基づいて、或る特定の材料又は物体を認識するように構成することができる。その場合に、コントローラ58は、認識された特定の物体に応じて異なる動作をするように更に構成することができる。非限定的な例として、コントローラ58は、一般的に廃棄される金属製物体(例えば、フォイルラッパー、接地パッド、器具類の先端又はセンサケーブル)等の、或る特定の認識された金属製物体がコイル52、54、56を通り抜けるときに、検出インジケータ50を起動しないように、又は検出インジケータ50を異なる方法において(異なる可聴音又はライト起動/点滅率を用いる等で)起動するように構成することができる。
【0047】
ここで
図14Aを参照すると、
図13Cに示されるグラフの代替の拡大したグラフが更に詳細に示される。
図14Aに示されるグラフは、同様に、7つの等間隔に配置された時間基準T1C、T2C、T3C、T4C、T5C、T6C及びT7C間に描かれる時間スケールに沿って示される。ここでも、グラフは、ステンレス鋼製手術器具等の金属製物体が医療廃棄物コンテナ42の開口部44に入る検出システム48の動作状態時に、受信信号62、64に基づいてコントローラ58によって生成される波形66を表す。検出システム48のこの動作状態において、波形66は第1の時点112において第1の検出閾値108を超え、その後、第2の時点114において第2の検出閾値110を超える。
【0048】
一実施形態において、コントローラ58は、金属製物体が医療廃棄物コンテナ42の開口部44の中に入るのを検出するために、基準104及び検出閾値108、110に対して波形66を監視する解析回路116(
図16を参照)を備える。一実施形態において、コントローラ58の解析回路116(
図16を参照)は、波形66が第1の時点112において第1の検出閾値108を超え、第2の時点114において第2の検出閾値110を超えるのに応じて、検出インジケータ50を起動する。一実施形態において、コントローラ58の解析回路116(
図16を参照)は、波形66が後続の第3の時点118において検出閾値108と110との間にあるのに応じて、検出インジケータ50を起動する。
【0049】
以下の後続の説明から理解されるように、検出閾値108、110は、コントローラ58が、各検出閾値108、110を横切って波形66が連続して動くのを検出できるようにするのに十分な、任意の適切な方法及び互いに対する任意の適切な向きにおいて規定することができる。非限定的な例として、
図14Aに示す波形66は、鋼製物体がコイル52、54、56を通って医療廃棄物コンテナ42の開口部44に入ることを表すことができる。ここで、第2の検出閾値110は、大きさに関して第1の検出閾値108に等しいが、波形66の第1の検出閾値108及び基準104よりも「低くなる」ように定められる。逆に、
図14Bに示す波形66は、アルミニウム製物体がコイル52、54、56を通って医療廃棄物コンテナ42の開口部44に入ることを表すことができる。ここでは、第2の検出閾値110は、大きさに関して第1の検出閾値108に等しいが、波形66の第1の検出閾値108及び基準104より「高くなる」ように規定される。したがって、検出閾値108、110は、金属製物体が医療廃棄物コンテナ42の開口部44に入るときに、波形66が第2の検出閾値110の前に第1の検出閾値108を超えるように、互いに対して任意の適切な方法において定めることができる。
【0050】
上記で言及されたように、
図14Aに示す検出システム48の動作状態は、ステンレス鋼製物体が医療廃棄物コンテナ42の開口部44に入ることを表す。波形66は、ステンレス鋼製物体が第1のコイル52に接近するにつれて、その大きさが増加しながら第1の検出閾値108に向かって動く。連続的に、第1の期間120において大きさが基準104から第1の検出閾値108を超えるまで増加して第1の検出イベント点122が生じ、第2の期間124において大きさが第1の検出イベント点122から基準104まで減少し、第3の期間126において大きさが基準104から第2の検出閾値110を超えるまで減少して第2の検出イベント点128が生じるという波形66に基づいて、コントローラ58は検出インジケータ50を起動する。一実施形態において、第1の期間120及び第2の期間124は実質的に同じ時間である。他の実施形態においては、第1の期間120及び第2の期間124は異なる時間である。これらの第1の期間120及び第2の期間124は、金属製品が送信コイル56により形成される中心面に達するまでの、該金属製品が最初に磁場に入る時間の長さに比例する。
【0051】
別の実施形態において、コントローラ58の解析回路116は、波形66の大きさが第4の期間130において第2の検出イベント点128から基準104まで増加するのに基づいて、検出インジケータ50を起動する。ここで、波形66が基準104に落ち着く前に所定の長さの時間が経過しなければならないので、コントローラ58の解析回路116は、代替的には、波形66の大きさが第4の期間130にわたって第2の検出イベント点128から、第2の検出イベント点128において生じる波形66の大きさの15%以内等の、基準104に対する所定の閾値以内まで増加するのに基づいて、検出インジケータ50を起動するように構成することができる。一実施形態において、コントローラ58の解析回路116(
図16を参照)は、波形66が第1の検出閾値108を超え、第2の時点114において第2の検出閾値110を越えるのに応じて、検出インジケータ50を起動するように構成される。コントローラ58は、閾値108、110に基づいて、上記の期間に関係なく、検出インジケータ50を起動できることは理解されよう。
【0052】
第1の時点112において第1の検出閾値108が超えられると、コントローラ58は、検出イベントの開始を指示する。第1の検出イベント点122に達すると、現下の検出イベントによって、波形66は、上記で言及されたように、再び基準104を通って、第2の時点114において第2の閾値110を超えた後に第2の検出イベント点128まで進むことになる。第2の検出イベント点128における波形66の大きさは、第1の検出イベント点122において生じる反対方向の大きさの少なくとも20%になるだけでなく、第2の閾値110の少なくとも100%になるべきである。ここで、波形66の大きさが第2の時点114において第2の閾値110を超えない場合には、金属製物体が受信コイル52、54の両方を通り抜けなかったので、検出イベントは生じない。同様に、波形66の大きさが第2の時点114において第2の閾値110を超えるが、第2の検出イベント点128において生じる大きさが、第1の検出イベント点122において生じる反対方向の大きさの20%未満である場合には、金属製物体が受信コイル52、54の両方を通り抜けなかったので、検出イベントは生じない。
【0053】
上記で言及されたように、
図14Bに示す検出システム48の動作状態は、アルミニウム製物体が医療廃棄物コンテナ42の開口部44に入ることを表す。波形66は、アルミニウム製物体が第1のコイル52に接近するにつれて、その大きさが減少しながら第1の検出閾値108に向かって動く。連続的に、第1の期間120において大きさ(amplitude)が基準104から第1の検出閾値108を超えるまで減少して第1の検出イベント点122が生じ、第2の期間124において大きさが第1の検出イベント点122から基準104まで増加し、第3の期間126において大きさが基準104から第2の検出閾値110を超えるまで増加して第2の検出イベント点128が生じるという波形66に基づいて、コントローラ58は検出インジケータ50を起動する。一実施形態において、大きさが第4の期間130において第2の検出イベント点128から基準104まで減少するという波形66に基づいて、コントローラ58は検出インジケータ50を起動する。
【0054】
検出システム48は有利には、金属製物体が後に医療廃棄物コンテナ42から取り出されるときに、ユーザを苛立たせる可能性がある、検出インジケータ50の起動を行わないように構成される。しかし、上記で言及されたように、医療廃棄物コンテナ42の開口部44に入る異なるタイプの金属製物体が、異なる方法において、送信コイル56によって生成される磁場と相互作用する。非限定的な例として、
図14Aに示される波形66は、鋼製物体が医療廃棄物コンテナ42に入ることを表し、
図14Bに示される波形66は、アルミニウム製物体が医療廃棄物コンテナ42に入ることを表すが、
図14Bに示す波形66は、代替的には、鋼製物体が医療廃棄物コンテナ42から取り出されることを表すことができる。より具体的には、鋼製物体が医療廃棄物コンテナ42から取り出される動きは、結果として、アルミニウム製物体が医療廃棄物コンテナ42に入る結果として生成される波形66に類似の波形66を生じる可能性がある。
【0055】
金属製物体が医療廃棄物コンテナ42から取り出される動作状態において検出インジケータ50の起動を防ぐために、一実施形態において、コントローラ58の解析回路116は、受信信号62、64から生成される波形66だけでなく、受信信号62、64を同時に解析するように構成される。コントローラ58は、第1の受信コイル52の第1の受信信号62において生じる所定の変化と、第2の受信コイル54の第2の受信信号64において生じる後続の所定の変化とに基づいて、さらには、波形66が第1の時点112において第1の検出閾値108を超え、後続の第2の時点114において第2の閾値110を超えるのに基づいて、検出インジケータ50を起動するように構成される。医療廃棄物コンテナ42の開口部44の中に落下した物体が、第2の受信コイル54を通り抜ける前に第1の受信コイル52を通り抜けるように、第1の受信コイル52は第2の受信コイル54の上方に間隔を置いて配置されるので(
図3、
図7、及び
図8を参照)、それゆえ、第1の受信信号62の前に第2の受信信号64において生じる変化は、物体の特定の物理的構成又は材料特性に関係なく、金属製物体を取り出すことを表し、コントローラ58はそれに応じて検出インジケータ50を起動しない。
【0056】
検出システム48の或る特定の動作状態時に、コイル52、54、56付近を通り過ぎる一時的な金属製物体が、波形66がそれに応じて基準104から少なくとも部分的に移行するように、送信コイル56によって生成される磁場と相互作用する可能性がある。具体的には、検出システム48付近の一時的な金属製物体が、コイル52、54、56の配置に対して不均等に動く場合、上記の電気的及び物理的平衡によって与えられるフィルタ作用にもかかわらず、結果として生じる波形66は基準104から移行する可能性がある。
【0057】
ここで
図15A及び
図15Bを参照すると、コイル52、54、56を通り抜けない場合でも、金属製物体の一時的な動きが波形66を基準104から移行させるのに十分に受信信号62、64のうちの一方に影響を及ぼす、検出システム48の或る特定の動作状態を示すグラフが示される。非限定的な例として、そのような一時的な金属製物体は、モバイルカート30の近くを歩いている人が着けている腕時計とすることができる。
図15Aに示される波形66は、腕時計が、第2の受信コイル54より、第1の受信コイル52の近くに垂直に位置決めされた場合に生成されることになる。ここで、第2の受信信号64が実質的に変化しないままである一方、第1の受信信号62が変化する。同様に、
図15Bに示される波形66は、腕時計が、第1の受信コイル52より、第2の受信コイル54の近くに垂直に位置決めされた場合に生成されることになる。ここで、第1の受信信号62が実質的に変化しないままである一方、第2の受信信号64が変化する。
【0058】
したがって、受信コイル52、54付近を少なくとも部分的に水平方向に通過する一時的な金属製物体が、波形66を基準104から移行させるのに十分な、受信信号62と64との間の差動変化を引き起こす可能性がある。しかし、このタイプの一時的な動きは、波形66が検出閾値108、110の両方を連続して超えるわけではないため、結果として、金属製物体が医療廃棄物コンテナ42の開口部44に入ることを示す波形66が生じない。むしろ、上記の動作状態の結果として、コントローラ58の解析回路116は、検出閾値108、110のうちの一方のみが超えられるのを見ることになり、金属製物体が磁場から離れるにつれて、その後、波形66は基準104に戻ることになる。
【0059】
ここで
図14A及び
図16〜
図20を参照すると、上記で言及されたように、コントローラ58は、第1の検出閾値108及び第2の検出閾値110が連続して超えられるのに応じて、検出インジケータ50を起動する。一実施形態において、検出閾値108、110は、全体として132において示される(
図1及び
図3も参照)、ユーザ入力制御によって調整可能である。ユーザ入力制御132はコントローラ58と電気的に通信し、後に更に詳細に説明されるように、ユーザが検出システム48の感度及び/又は動作モードを手動で調整できるようにする。非限定的な例として、ユーザ入力制御132は、波形66の基準104に対して検出閾値108、110を少なくとも部分的に変更するために利用される回転式ポテンショメータとして実現することができる。しかし、ユーザ入力制御132はいくつかの異なる方法において実現することができ、それゆえ、ユーザ操作による調整機能及び/又は制御をもたらすのに十分な任意の適切な方法において検出システム48と通信するか、又は別の方法で検出システム48を制御するように構成することができる。例えば、ユーザ入力制御132は、タッチスクリーン上の入力、スイッチを起動する物理的なボタン等として実現することができる。さらに、ユーザ入力制御132は、検出インジケータ50を停止する等の他の目的を果たすことができることは理解されよう。
【0060】
一実施形態において、コントローラ58は、所定の期間にわたって受信された波形66のそれまでの最小値及び最大値に基づいて、第1の雑音境界136及び第2の雑音境界138を定める雑音計算部134を有する(
図14Aを参照)。雑音計算部134を利用して、設定された雑音境界136、138に少なくとも部分的に基づいて、検出閾値108、110を決定するのを助け、それにより、雑音境界136、138を超えない基準104からの波形66の後続の動きを無視することができるか、又は別の方法で除去することができる。したがって、雑音境界136、138を超えない波形66の変化は雑音と見なすことができ、雑音境界136、138を超える波形66のある特定の変化から、医療廃棄物コンテナ42の開口部44に入る金属製物体の存在を判断することができる。
【0061】
ここで、検出閾値108、110は、雑音境界136、138の100%よりも大きい割合として定められる。一実施形態において、検出閾値108、110は、雑音境界136、138の150%として定められる。別の実施形態において、検出閾値108、110は、雑音境界136、138の130%として定められる。別の実施形態において、検出閾値108、110は、雑音境界136、138の115%として定められる。しかし、検出システム48が利用される適用例及び動作環境に応じて、検出閾値108、110を雑音境界136、138に対して異なる方法で設定できることは理解されよう。さらに、雑音境界136、138に接近する値として設定される検出閾値108、110は検出感度を改善することができ、それゆえ、検出システム48が相対的に小さい磁場特性(magnetic field signature)から金属製物体を検出する能力を向上させることができることは理解されよう。
【0062】
検出閾値108、110が雑音境界136、138の近くに設定されるほど、検出システム48の感度が高くなることは当業者には理解されよう。さらに、検出システム48は、使用中に生じる環境変化を補償するために、雑音境界136、138を経時的に調整するように構成できることは理解されよう。したがって、雑音境界136、138及び検出閾値108、110を最初に設定することに加えて、或る特定の動作状態下で検出システム48を再較正するのも有利である。そのために、一実施形態において、コントローラ58の解析回路116は、較正回路140を利用する。較正回路140は、補償回路142及び利得増幅回路144と協働して、波形66を経時的に監視し、検出精度を確保するために再較正が必要であることを示す所定の変化を見つける。
【0063】
上記で論じられたように、検出システム48は、有利には、高い感度及び検出精度を達成するために電気的に平衡状態とされる。そのために、コントローラ58を利用して、コイル52、54、56の電気的平衡を達成する。一実施形態において、補償回路142は第1の受信コイル52及び第2の受信コイル54と電気的に導通するように構成されるとともに、受信信号62、64を誘導的に平衡状態にするように構成されて、波形66の基準104を最小化し、その基準104からの後続の変化を正確に解析することができるようになる。ここで、補償回路142は、金属製物体が送信コイル56によって生成される磁場と相互作用しない検出システム48の動作状態において、振幅、周波数及び位相に関して第1の受信信号62を第2の受信信号64と平衡状態にすることによって、検出システム48の感度を高める。そのために、補償回路142は、検出システム48が初期化されるときに、又は動作中に必要に応じて、受信信号62、64を平衡状態にするように構成される1つ以上のマイクロプロセッサ/マイクロコントローラを利用することができる(不図示)。その場合に、検出システム48が金属製の材料、構成要素、構造等をできる限り利用しない場合にその高い感度が促進されることは理解されよう。しかし、検出システム48が、或る程度、検出を達成するために内部で金属製の構成要素(コイル等)を使用することを必然的に伴うことは理解されよう。
【0064】
一実施形態において、コントローラ58は、平衡状態の受信信号62、64を合成して波形66を出力するために合成回路146を利用する。そのために、一実施形態において、合成回路146は、受信信号62、64を合成して波形66を出力するように構成され、波形66を大きさが0である基準104まで減衰させるように更に構成される差動増幅器として実現される。コントローラ58は、利得増幅回路144を利用して、波形66を増幅する。ここで、利得増幅回路144は、基準104からの波形66の後続の動きが、金属製物体と送信コイル56によって生成される磁場との相互作用によって生じる受信信号62及び64間の不平衡を反映するように、合成された平衡状態の受信信号62、64から生成された波形66を増幅することによって、検出システム48の感度を高める。
【0065】
ここで
図17、
図19及び
図20に示す論理的マップを参照すると、検出システム48によって利用される種々の論理ステップが大まかに示される。ここで、明確にし、かつ一貫性を保つために、それらのステップは、符号200から始めて、それらのステップを示すときに用いる符号に関してのみ特定される。
【0066】
送信コイル56によって生成される磁場と磁性物体との相互作用がないときに、検出システム48が有利にはステップ200において初期化される。ステップ200における初期化後に、ステップ202において、補償回路142が受信信号62、64を平衡状態にし、ステップ204において、雑音計算器134が波形66に基づいて雑音境界136、138を定める。次に、ステップ206において、雑音境界136、138に基づいて、検出閾値108、110が定められる。ここで、ステップ206において、検出閾値108、110は、上記のように、ユーザ入力制御132を介して等、ユーザによって操作することも可能である。検出閾値108、110が定められると、その後、ステップ208において、コントローラ58が基準104に対する変化を見つけるために波形66を監視する。具体的には、コントローラ58の解析回路116が、ステップ210において行われる検出閾値108、110を超える基準104からの動きを見つけるために、ステップ208において波形66を監視する。また、コントローラ58は、ステップ212において再較正に関しても同時に監視し、再較正は、較正回路140によって自動的に促すことができるか、又はユーザ入力制御132を介して等、ユーザによって手動により促すことができる。一実施形態において、再較正が進められる場合には、コントローラ58は、ステップ202に戻ることによって受信信号62、64を再び平衡状態にし、ステップ204において、雑音境界136、138を再び定め、ステップ206において検出閾値108、110を再び定め、その後、ステップ208において波形66を監視し続ける。
【0067】
図17及び
図19を引き続き参照すると、コントローラ58の解析回路116が、ステップ210において検出閾値108、110を超えたと判断すると、ステップ214において、コントローラ58が、その後、検出インジケータ50を起動する。また、
図19に示す実施形態において、コントローラ58の解析回路116は、金属製物体が医療廃棄物コンテナ42の開口部44に入れられることと、金属製物体が医療廃棄物コンテナ42から取り出されることとを区別するために、ステップ213において、第2の受信信号64の前に第1の受信信号62が変化したことを確認する。
【0068】
上記で言及されたように、検出インジケータ50は、可聴警告及び/又は可視警告として実現することができる。一例として、検出インジケータ50は、ステップ210において判定されるように、金属製物体が医療廃棄物コンテナ42の開口部44に入るときにはいつでも、ステップ214において可聴警告音を出すことができ、コントローラ58はステップ208に戻って波形66を監視し続け、ステップ210において判断された後続の検出イベントに応じて、ステップ214において警告音を再び出すことができる。
【0069】
同様に、検出インジケータ50は、ステップ210において判断されるように、金属製物体が医療廃棄物コンテナ34の開口部44に入ると、ステップ214において光源を点灯させることができ、コントローラ58はステップ208に戻って、そのステップ208において波形66を監視し続け、ステップ210において判断された後続の検出イベントに応じて、ステップ214において光源を再び点灯させることができる。さらに、ステップ216において、コントローラ58によって自動的に、又はユーザ入力制御132を介して等、ユーザによって手動で停止が促されるまで、検出インジケータ50は起動されたままとすることができ、その後、ステップ218において停止することができる。一例として、コントローラ58は、その後、金属製物体が取り出されるまで、又はユーザがステップ216においてユーザ入力制御部132を操作するまで、ステップ214において検出インジケータ50を通して警告音を出すように構成することができる。
【0070】
光源は、複数の発光ダイオード、複数の多色発光ダイオード等の、ユーザに情報を示すのに適した任意の光源とすることができる。さらに、光源は、検出イベントを示す赤色、検出イベントがないことを示すものの検出システム48のレディ状態を表示する緑色等の、ユーザに伝達される異なる情報に基づいて、異なる色の可視光を生成するように構成することができる。さらに、検出インジケータ50は、閾値108、110を超えた時点、検出イベント点122、128が確立された時点、時点112、114、118が生じた時点等に、異なる光源を連続して点灯させること等によって、検出イベントが生じたときに、光源を利用して、その検出イベントの進行を示すことができる。さらに、検出インジケータ50は、生じた検出イベントの数を表示するカウンタを含むことができる。
【0071】
検出閾値108、110は波形66の雑音境界136、138に基づいて定められるため、送信コイル56によって生成される磁場内で任意の金属製物体が相互作用する結果として、検出システム48の感度が低下する場合があることは理解されよう。上記で言及されたように、雑音境界136、138は、設定された期間にわたる、基準104からの波形66の偏差の最小値及び最大値を表す。さらに、金属製物体と磁場との任意の相互作用によって、上記のように、波形66が基準104から動く可能性がある。この動きによって、雑音境界136、138が上昇し、それに応じて検出閾値108、110が上昇し、それゆえ、感度が低下する。その場合に、送信コイル56によって生成される磁場との一時的な物体の相互作用によって引き起こされる感度低下と、金属製物体がコイル52、54、56を通り抜けることによって引き起こされる波形66の動きとを制御システム48が補償することが有利である。そのために、較正回路140は、再較正する時点を判断するように構成される。再較正の時点は、所定の時間が経過すること、検出イベントが生じること、又は波形66において所定の変動が生じることに基づくことができる。再較正は、受信信号62、64を再び平衡状態にすることによって、及び/又は、ある動作状態に対して雑音境界136、138及び/又は検出閾値108、110を再び定めることによって等の、いくつかの異なる方法において達成できることは理解されよう。
【0072】
その場合に、検出システム48は、いくつかの異なる方策を利用して、再較正を達成する時点を判断することができる。非限定的な例として、そのような方策の一実施形態を示す論理的マップを
図20に示す。ここで、検出システム48は使用禁止(do-not-use)インジケータ148を含む。使用禁止インジケータ148は、ステップ207において停止されるまで、ステップ202において較正又は再較正が行われるときにはいつでもステップ203において起動される。使用禁止インジケータ148の起動はユーザの認識に起因して実効的な較正を促すのを助長し、それにより、使用禁止インジケータ148が起動されている間に、例えば、金属製物体が検出システム48に極めて近接しつつあるのをユーザが観測した場合には、ユーザは、その後に、ユーザ入力制御部132を介して再較正できることは理解されよう。しかし、使用禁止インジケータ148は、検出システム48内で他の方法において実現することができるか、又は完全になくすことができることは理解されよう。
【0073】
図20を引き続き参照すると、コントローラ58は、ステップ208において、較正時に定められた基準104との関係で波形66を監視し、ステップ210Aにおいて第1の検出閾値108を超えたか否かを判断する。第1の検出閾値108を超えた場合には、コントローラ58は、ステップ210Bにおいて、5秒等の、所定の時間より短い時間だけ第1の検出閾値108を超えたか否かを判断し、
図17及び
図19に関連して上記で更に詳細に説明されたように、コントローラ58は、その後、ステップ210Cにおいて、検出イベントを示すために、第2の検出閾値110を超えた否かを確認する。しかし、この実施形態において、第1の検出閾値108を超えなかった場合には、又は所定の時間より短い時間だけ超えた場合には、再較正が行われるべきであるか否か、そして再較正がいかに行われるべきかを判断するために、コントローラ58は、その後、ステップ220において、新たな基準104N及び新たな雑音境界136N、138Nを計算する。
【0074】
ステップ222において、新たな雑音境界136N、138Nがそれまでに定められた雑音境界136、138よりも大きい場合には、コントローラ58は、ステップ224において、新たな雑音境界136N、138Nを較正時に定められた検出閾値108、110と比較する。ここで、新たな雑音境界136N、138Nが検出閾値108、110よりも大きい場合には、コントローラ58は、ステップ202において受信信号62、64を再び平衡状態にし、ステップ205において雑音境界136、138を再び定め、ステップ206において検出閾値108、110を再び定め、その後、ステップ208において波形66を監視し続ける。しかし、ステップ224において、新たな雑音境界136N、138Nが検出閾値108、110より小さい場合には、コントローラは、ステップ204において雑音境界136、138を再び定め、ステップ206において検出閾値108、110を再び定め、その後、ステップ208において波形66を監視し続ける。
【0075】
しかし、ステップ222において、新たな雑音境界136N、138Nがそれまでに定められた雑音境界136、138よりも小さく、かつ新たな基準104Nが、較正中に、以前に確立された基準104と比べて、ステップ226において20%以上だけシフトしたとコントローラ58が判断した場合、コントローラ58は、ステップ202において受信信号62、64を再び平衡状態にし、ステップ204において、雑音境界136、138を再び定め、ステップ206において検出閾値108、110を再び確立し、その後、ステップ208において波形66を監視し続ける。しかし、ステップ226において、新たな基準104Nが20%以上だけシフトしていなかった場合には、コントローラ58は、ステップ208において波形66を監視し続ける。順次、非順次及び/又は同時を含む、任意の適切な順序において、上記のステップのいずれか1つをコントローラ58によって実行できることは理解されよう。さらに、コントローラ58は、任意の適切な方法において編成されたステップを利用する異なる方策を実施できることは理解されよう。上記の例において、20%のシフトは非限定的な例として与えられ、適宜、別の、シフト率の閾値を使用することができる。
【0076】
上記で言及されたように、検出システム48はいくつかの異なる方法において、そしていくつかの異なる構成で実現することができる。具体的には、上記のコントローラ58、補償回路142、合成回路146、利得増幅回路144、解析回路116、較正回路140及び/又は雑音計算部134は、上記のように、コイル52、54、56を通り抜ける金属製物体の検出を達成するのに十分な任意の適切な方法において通信するか、又は別の方法で協働する、任意の適切な数の個別電気部品、モジュール、システム、サブシステム、プロセッサ、プログラム等によって実現できることは理解されよう。さらに、上記のコントローラ58の回路及び/又は機能のうちの1つ以上を、プロセッサ上で実行されるソフトウェアによって実現できるか、又は別の方法で実行できることは理解されよう。非限定的な例として、コントローラ58は、上記の補償回路142、合成回路146及び利得増幅回路144の機能を実行する信号処理アルゴリズムを実行するプロセッサを備えることができる。またここで、コントローラ58は、共通のプロセッサを利用して、送信信号60を生成するだけでなく、解析回路116の機能も実行することができる。
【0077】
このようにして、検出システム48は、高い検出精度を与えるのと同時に、医療廃棄物コンテナ42の開口部44の中に落下する金属製物体を検出する際に著しく高い感度を与える。具体的には、受信コイル52、54の物理的及び電気的平衡によって、コントローラ58は基準104からのごくわずかな変動を見つけるために波形66を監視できるようになり、それと同時に、検出システム48付近に位置決めされるか、又は検出システム48付近を移動している持続的及び/又は一時的な金属製物体、及び/又は医療廃棄物コンテナ42の開口部44を通り抜ける持続的及び/又は一時的な金属製物体の存在を補償できるようになることは理解されよう。さらに、検出システム48は、コイル52、54、56を通り抜ける或る特定の金属製物体を認識する能力、それゆえ、気づかずに廃棄される金属製物体と一般に廃棄される金属製物体とを区別する能力等の、検出システム48の機能を高める大きな機会を提供することは理解されよう。
【0078】
「含む、備える("include," "includes," and "including")」という用語は、「備える、含む("comprise," "comprises," and "comprising")」という用語と同じ意味を有することは更に理解されよう。さらに、「第1の」、「第2の」、「第3の」等の用語は、本明細書において、明確にし、一貫性を保つ非限定的で、例示的な目的のために或る特定の構造的特徴及び構成要素を区別するために使用されることは理解されよう。
【0079】
いくつかの実施形態が上記の説明で論じられた。しかし、本明細書で論じる実施形態は、網羅的であるか又は本発明を任意の特定の形態に限定することを意図されない。使用された用語は、制限的であるのではなく、説明の言葉(words of description)の性質内にあることを意図される。多くの変更及び変形が、上記教示を考慮して可能であり、本発明は、具体的に述べられる以外の方法で実施することができる。
【0080】
本開示の実施形態は以下の番号付けされた条項を参照しながら説明することができ、具体的な特徴が従属条項において説明される。
I.金属製物体が医療廃棄物コンテナの開口部の中に廃棄されたことを検出するための検出システムであって、該検出システムは、
金属製物体が前記医療廃棄物コンテナの前記開口部を通り抜けたことを示すための検出インジケータと、
一対の受信コイル、及び該受信コイル間に間隔を置いて配置される送信コイルであって、該コイルは、前記医療廃棄物コンテナの前記開口部に隣接して、廃棄物を受け入れるように形作られる、一対の受信コイル及び送信コイルと、
前記コイルと電気的に導通するコントローラであって、該コントローラは、送信信号を生成し、前記送信コイルが該送信信号に基づいて磁場を生成するように該送信信号を前記送信コイルに伝達するように構成され、前記磁場は、前記受信コイルがそれぞれ該コントローラによって受信される受信信号を生成するように、前記各受信コイル内に電圧を誘導する、コントローラと、
を備え、
前記コントローラは、前記受信信号の両方に基づいて波形を生成するように構成され、該波形は、金属製物体が前記磁場と相互作用しないことに対応する基準の状態を有し、
前記コントローラは、第1の検出閾値と、該第1の検出閾値と反対に位置する第2の検出閾値とに対して前記波形を解析するように構成され、前記基準は前記第1の検出閾値と前記第2の検出閾値との間にあり、
前記コントローラは、金属製物体が前記コイルを通り抜けるのに応答して、前記波形が第1の時点において前記第1の検出閾値を超え、後続の第2の時点において前記第2の検出閾値を超えるのに基づいて、前記検出インジケータを起動するように構成される、検出システム。
II.前記コントローラは、前記波形が後続の第3の時点において前記第1の検出閾値と前記第2の検出閾値との間にあるのに応答して、前記検出インジケータを起動するように構成される、条項Iに記載の検出システム。
III.前記コントローラは、前記波形の大きさが、
第1の期間にわたって前記基準から、第1の検出イベント点を規定する前記第1の検出閾値を超えるまで増加し、
第2の期間にわたって前記第1の検出イベント点から前記基準まで減少し、
第3の期間にわたって前記基準から、第2の検出イベント点を規定する前記第2の検出閾値を超えるまで減少するのに基づいて、前記検出インジケータを起動するように構成される、任意の先行する条項に記載の検出システム。
IV.前記コントローラは、前記波形の大きさが第4の期間にわたって前記第2の検出イベント点から前記基準まで増加するのに基づいて、前記検出インジケータを起動するように構成される、条項IIIに記載の検出システム。
V.前記第1の期間及び前記第2の期間は実質的に等しい持続時間のものである、条項IIIに記載の検出システム。
VI.前記基準は大きさが0である、任意の先行する条項に記載の検出システム。
VII.前記第2の検出閾値は前記第1の検出閾値に大きさが等しい、任意の先行する条項に記載の検出システム。
VIII.前記コントローラは、前記波形の大きさが、
第1の期間にわたって前記基準から、第1の検出イベント点を規定する前記第1の検出閾値を超えるまで減少し、
第2の期間にわたって前記第1の検出イベント点から前記基準まで増加し、
第3の期間にわたって前記基準から第2の検出イベント点を規定する前記第2の検出閾値を超えるまで増加するのに基づいて、前記検出インジケータを起動するように構成される、任意の先行する条項に記載の検出システム。
IX.前記コントローラは、前記波形の大きさが第4の期間にわたって前記第2の検出イベント点から前記基準まで減少するのに基づいて、前記検出インジケータを起動するように構成される、条項VIIIに記載の検出システム。
X.前記コントローラは、金属製物体が前記磁場と相互作用しないときに所定の期間にわたって受信される前記波形の先行する最小値及び最大値に基づいて、前記検出閾値の最小値を求めるように構成される雑音計算器を含む、任意の先行する条項に記載の検出システム。
XI.前記検出閾値は、波形雑音の100%より大きい、前記波形雑音の前記先行する最小値及び最大値の割合として確立される、条項Xに記載の検出システム。
XII.前記コントローラは、前記波形の前記基準を最小化するために、前記受信信号を誘導的に平衡状態にするように構成される補償回路を含む、任意の先行する条項に記載の検出システム。
XIII.前記コントローラは前記波形を増幅するように構成される利得増幅回路を含む、任意の先行する条項に記載の検出システム。
XIV.前記送信信号は振動電圧である、任意の先行する条項に記載の検出システム。
XV.前記送信信号は正弦曲線である、任意の先行する条項に記載の検出システム。
XVI.前記磁場は交番磁場である、任意の先行する条項に記載の検出システム。
XVII.前記検出システムを動作させるための電源を更に含む、任意の先行する条項に記載の検出システム。
XVIII.前記電源は充電式電池である、条項XVIIに記載の検出システム。
XIX.前記検出システムは、前記コイルを支持するコイル支持フレームを更に含み、前記コイル支持フレームは、廃棄物を収容するために前記医療廃棄物コンテナがそれを通して位置決め可能である通路を画定する、任意の先行する条項に記載の検出システム。
XX.前記コイル支持フレームは、円形、長円形又は多角形の形状によって画定される外形を有する、条項XIXに記載の検出システム。
XXI.前記検出システムは、取付台を有するモバイルカートを更に含み、前記コイル支持フレームは前記取付台に動作可能に取り付けられる、条項XIXに記載の検出システム。
XXII.前記コイルはそれぞれ少なくとも25巻きの導線を含む、任意の先行する条項に記載の検出システム。
XXIII.前記コイルは平行である、任意の先行する条項に記載の検出システム。
XXIV.前記コイルは同軸である、任意の先行する条項に記載の検出システム。
XXV.前記送信コイルは前記受信コイル間に等距離に配置される、任意の先行する条項に記載の検出システム。
XXVI.前記コイルは、20mm〜80mmの所定の距離だけ互いから間隔を置いて配置される、任意の先行する条項に記載の検出システム。
XXVII.前記所定の距離は40mm〜60mmである、条項XXVIに記載の検出システム。
XXVIII.前記所定の距離は50mmである、条項XXVIに記載の検出システム。
XXIX.前記コイルは、円形、長円形又は多角形の形状によって画定される外形を有する、任意の先行する条項に記載の検出システム。
XXX.前記コイルは共通の外形を有する、任意の先行する条項に記載の検出システム。
XXXI.前記コイルは不規則な六角形の外形を有する、任意の先行する条項に記載の検出システム。
XXXII.前記コイルは、少なくとも一対の平行な一直線の辺を含む外形を有する、任意の先行する条項に記載の検出システム。
XXXIII.前記第1の検出閾値及び前記第2の検出閾値はユーザ入力制御によって調整可能である、任意の先行する条項に記載の検出システム。
XXXIV.前記検出インジケータは、可聴インジケータ及び可視インジケータのうちの少なくとも一方を含む、任意の先行する条項に記載の検出システム。
XXXV.前記受信コイル及び前記送信コイルのそれぞれを支持するコイル支持フレームを更に含む、任意の先行する条項に記載の検出システム。
XXXVI.前記コイル支持フレームを支持するための取付台と、同時に動くために前記取付台に結合される土台とを更に含む、条項XXXVに記載の検出システム。
XXXVII.前記コイル支持フレームを前記取付台に作用する外力から隔離するために、前記取付台と前記コイル支持フレームとの間に介在する隔離機構を更に含む、条項XXXVIに記載の検出システム。
XXXVIII.前記隔離機構は、前記取付台及び前記コイル支持フレームに動作可能に取り付けられる弾性部材を備える、条項XXXVIIに記載の検出システム。
XXXIX.前記受信コイルを外部電場から遮蔽するように構成されるファラデーシールドを更に備える、任意の先行する条項に記載の検出システム。
XL.前記送信コイルによって生成される磁場を前記医療廃棄物コンテナの前記開口部に向かって誘導するように構成される場整形部を更に備える、任意の先行する条項に記載の検出システム。
XLI.金属製物体が医療廃棄物コンテナの開口部の中に廃棄されたことを検出するための検出システムであって、該検出システムは、
金属製物体が前記医療廃棄物コンテナの前記開口部を通り抜けたことを示すための検出インジケータと、
第1の受信コイル、第2の受信コイル、及び該受信コイル間に間隔を置いて配置される送信コイルであって、該コイルは、前記医療廃棄物コンテナの前記開口部に隣接して、廃棄物を受け入れるように形作られる、第1の受信コイル、第2の受信コイル、及び送信コイルと、
前記コイルと電気的に導通するコントローラであって、該コントローラは、送信信号を生成し、前記送信コイルが該送信信号に基づいて磁場を生成するように該送信信号を前記送信コイルに伝達するように構成され、前記磁場は、前記第1の受信コイルが第1の受信信号を生成し、前記第2の受信コイルが第2の受信信号を生成し、該受信信号がいずれも該コントローラによって受信されるように、前記各受信コイル内に電圧を誘導する、コントローラと、
を備え、
前記コントローラは、前記受信信号の両方に基づいて波形を生成するように構成され、該波形は、金属製物体が前記磁場と相互作用しないことに対応する基準の状態を有し、
前記コントローラは、第1の検出閾値と、該第1の検出閾値と反対に位置する第2の検出閾値とに対して前記波形を解析するように構成され、前記基準は前記第1の検出閾値と前記第2の検出閾値との間にあり、
前記コントローラは、前記受信信号及び前記波形を同時に解析するように構成され、金属製物体が前記コイルを通り抜けるのに応答して、前記第1の受信信号において所定の変化が生じ、前記第2の受信信号において後続の所定の変化が生じるのに基づいて、かつ前記波形が第1の時点において前記第1の検出閾値を超え、後続の第2の時点において前記第2の検出閾値を超えるのに基づいて、前記検出インジケータを起動するように更に構成される、検出システム。
XLII.前記第1の受信コイルは、前記医療廃棄物コンテナの前記開口部の中に落下する物体が、前記第2の受信コイルを通り抜ける前に、前記第1の受信コイルを通り抜けるように、前記第2の受信コイルの上方に間隔を置いて配置される、条項XLIに記載の検出システム。
XLIII.前記コントローラは、前記受信信号において所定の変化が生じるのに基づいて、その後、前記波形が前記検出閾値を超えるのに基づいて、前記検出インジケータを起動するように構成される、条項XLIに記載の検出システム。
XLIV.前記コントローラは、前記波形が前記検出閾値を超えるのに基づいて、その後、前記受信信号において所定の変化が生じるのに基づいて、前記検出インジケータを起動するように構成される、請求項XLIに記載の検出システム。
XLV.金属製物体が医療廃棄物コンテナの開口部の中に廃棄されたことを検出するための検出システムであって、該検出システムは、
金属製物体が前記医療廃棄物コンテナの前記開口部を通り抜けたことを示すための検出インジケータと、
一対の受信コイル、及び該受信コイル間に間隔を置いて配置される送信コイルであって、該コイルは、前記医療廃棄物コンテナの前記開口部に隣接して、廃棄物を受け入れるように形作られる、一対の受信コイル及び送信コイルと、
前記受信コイル及び前記送信コイルのそれぞれを支持するコイル支持フレームと、
前記コイル支持フレームを支持するための取付台と、
同時に動くために前記取付台に結合される土台と、
前記コイル支持フレームを前記取付台に作用する外力から隔離するために、前記取付台と前記コイル支持フレームとの間に介在する隔離機構と、
を備える、検出システム。
XLVI.前記検出システムは、前記コイルと電気的に導通するコントローラを更に備え、該コントローラは、送信信号を生成し、前記送信コイルが該送信信号に基づいて磁場を生成するように、該送信信号を前記送信コイルに伝達するように構成され、前記磁場は、前記受信コイルがそれぞれ前記コントローラによって受信される受信信号を生成するように、前記各受信コイル内に電圧を誘導する、条項XLVに記載の検出システム。
XLVII.前記コントローラは、前記受信信号の両方に基づいて、波形を生成するように構成され、該波形は、金属製物体と前記磁場との相互作用がないことに対応する基準の状態を有する、条項XLVIに記載の検出システム。
XLVIII.前記コントローラは、第1の検出閾値と、該第1の検出閾値と反対に位置する第2の検出閾値とに対して前記波形を解析するように構成され、前記基準は前記第1の検出閾値と前記第2の検出閾値との間にある、条項XLVIIに記載の検出システム。
XLIX.前記コントローラは、金属製物体が前記コイルを通り抜けるのに応答して、前記波形が第1の時点において前記第1の検出閾値を超え、後続の第2の時点において前記第2の検出閾値を超えるのに基づいて、前記検出インジケータを起動するように構成される、条項XLVIIに記載の検出システム。