【文献】
ソードアート・オンライン −ホロウ・リアリゼーション− ザ・コンプリートガイド,株式会社KADOKAWA,2017年 4月25日,第2版,pp.93,110,127
【文献】
SDガンダム ジージェネレーション ジェネシス ファイナルコンプリートガイド,カドカワ株式会社,2017年 1月20日,第1版,p.7
【文献】
ソードアート・オンライン −インフィニティ・モーメント− ザ・コンプリートガイド,株式会社KADOKAWA,2014年 2月21日,第3版,pp.50-51,74-78,86
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
<実施形態>
以下、本発明の一実施形態に係るゲームシステムおよびゲームプログラムについて、図面を参照しつつ説明する。
【0020】
[ハードウェア構成]
まず本発明の一実施形態に係るゲームシステム1の構成について説明する。
図1は、当該ゲームシステム1を構成するゲーム装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。
図1に示すように、ゲームシステム1は、ゲーム装置2と、その外部装置としての一以上のコントローラ(操作部)31、モニタ(表示部)32、スピーカ33を備えている。
【0021】
ゲーム装置2は、その動作を制御するコンピュータである制御部21を備える。制御部21は、例えばCPUを含む。制御部21には、メディアI/F部22、記憶部23、ネットワークI/F部24、無線通信制御部25、グラフィック処理部26およびオーディオ処理部27が、それぞれバス21aを介して接続されている。
【0022】
メディアI/F部22は、ゲームを実行するためのゲームメディア34を装填可能なインターフェースである。ゲームメディア34は、例えばDVD−ROM等のディスク型記録媒体であり、その中にゲームの実行に必要なゲームプログラム34aおよびゲームデータ34bが記録されている。このゲームデータ34bには、ゲームを実行するために必要な各種データが含まれる。
【0023】
記憶部23は、例えば、大容量記録媒体であるHDD、マスクROMまたはPROMなどの半導体メモリであるROM、および、DRAMまたはSRAMなどから成るRAMで構成される。記憶部23には、ゲームメディア34から読み込んだゲームプログラム34aおよびゲームデータ34b、並びにセーブデータ等が記録される。なお、本実施形態では、ゲーム起動時にゲームメディア34内の全てのゲームデータ34bを読み込まず、ゲームの進行状況(例えばゲームシーンの変わり目など)に応じて適宜必要となるゲームデータを読み込む。
【0024】
ネットワークI/F部24は、インターネットまたはLANなどの通信ネットワークNWに対してゲーム装置2を接続するインターフェースである。ゲーム装置2は、他のゲーム装置2およびサーバ装置3との間で通信ネットワークNWを介して互いに通信可能である。例えば、ゲーム装置2は、外部と通信しながらゲームを進行させる場合に、通信ネットワークNWを介して、他のゲーム装置2との間および/またはサーバ装置3との間でデータの送受信を行う。
【0025】
無線通信制御部25は、ゲーム装置2に付属するコントローラ31との間で無線により接続され、該コントローラ31との間でデータの送受信が可能となっている。コントローラ31は、ユーザによる操作を受け付ける操作装置であり、例えば複数のキー(ボタン等)を備えている。コントローラ31がユーザにより操作されることにより、その操作に対応した操作情報が、無線通信制御部25を介してコントローラ31からゲーム装置2の制御部21に送られる。制御部21は、コントローラ31からの操作情報に基づきゲームを進行させる。
【0026】
グラフィック処理部26は、制御部21の指示に従ってゲーム画像を動画形式で描画する。グラフィック処理部26によって描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてモニタ32に表示される。モニタ32は、ゲーム画像を表示する表示装置である。モニタ32は、例えば液晶ディスプレイである。
【0027】
オーディオ処理部27は、制御部21の指示に従ってデジタルのゲーム音声を再生および合成する。また、オーディオ処理部27には、外部のスピーカ33と接続される。オーディオ処理部27により再生および合成されたゲーム音声は、音響出力装置としてのスピーカ33から外部へ出力される。なお、オーディオ処理部27には、スピーカ33に加えてまたは代わりに、外部のヘッドフォンなどに接続され得る。
【0028】
[ゲーム概要]
本実施形態に係るゲームプログラム34aは、ゲーム装置2により実行されることにより、ユーザにより操作されるプレイヤキャラクタ(PC)と、コンピュータにより予め定めたプログラムなどに基づいて動きを制御されるノンプレイヤキャラクタ(NPC)とが仮想空間内に登場するコンピュータゲームを実現する。この種のコンピュータゲームとして、本実施形態では、サッカー選手を模したキャラクタである選手キャラクタが仮想空間内に登場するサッカーゲームが説明される。
【0029】
このサッカーゲームでは、あるリーグに参加する複数のサッカーチームのうちの一のチーム(以下、「ユーザチーム」と称する)に、ユーザにより操作されるプレイヤキャラクタが選手キャラクタとして入団する。ユーザチームは、リーグに参加する他のチームと総当たり式にサッカーの試合を行う。ユーザは、プレイヤキャラクタを操作して、ユーザチームのリーグ優勝を目指す。
【0030】
ユーザチーム内の他の選手キャラクタ(以下、「味方キャラクタ」と称する)や対戦相手チーム内の選手キャラクタ(以下、「敵キャラクタ」と称する)は、コンピュータにより予め定めたプログラムなどに基づいて動きを制御されるノンプレイヤキャラクタである。なお、ユーザチーム内の他の選手キャラクタや対戦相手チーム内の選手キャラクタには、ノンプレイヤキャラクタだけでなく、他のユーザにより操作される他のプレイヤキャラクタが含まれ得るが、以下の説明では、味方キャラクタおよび敵キャラクタはノンプレイヤキャラクタであるものとして説明する。
【0031】
[機能的構成]
図2は、ゲーム装置2の制御部21の機能的な構成を示すブロック図である。ゲーム装置2の制御部21は、ゲームプログラム34aを実行することにより、仮想空間生成手段40、ゲーム進行手段41、状況判別手段42、プレイヤキャラクタ制御手段(PC制御手段)43、ノンプレイヤキャラクタ制御手段(NPC制御手段)44、プレイヤキャラクタ行動記録手段(PC行動記録手段)45、ノンプレイヤキャラクタ行動記録手段(NPC行動記録手段)46、経過時間カウント手段47、領域設定手段48、判定手段49、評価手段50、第1行動パラメータ変更手段51、および第2行動パラメータ変更手段52として機能する。
【0032】
仮想空間生成手段40は、上述したプレイヤキャラクタおよびノンプレイヤキャラクタ(味方キャラクタ、敵キャラクタ)が移動する仮想空間を生成する。仮想空間では、サッカーの試合が実施される。
図3は、仮想空間生成手段40により生成される仮想空間60の平面図である。仮想空間60は、互いに直交する3つの軸が設定された三次元空間である。仮想空間60には、長辺である2つのタッチライン62と短辺である2つのゴールライン63とにより囲まれたサッカーの試合を行うための長方形の平面であるフィールド61が配置される。また、フィールド61上には、現実世界のサッカーのフィールドと同様に、センターライン(ハーフウェイライン)64、センターサークル65、ペナルティエリア66、ゴールエリア67、ゴール68などが配置されている。
【0033】
仮想空間60のフィールド61上には、サッカーボールオブジェクト(以下、単に「ボール」と称する)70、およびサッカーの試合に出場する複数の選手キャラクタが配置される。複数の選手キャラクタには、上述したユーザチームの1体のプレイヤキャラクタ71および10体の味方キャラクタ72と、対戦相手チームの11体の敵キャラクタ73が含まれる。ユーザチームおよび対戦相手チームの各チームの11体の選手キャラクタには、ゴールキーパー、ディフェンダー、ミッドフィルダー、フォワードなど、フィールド61における主にいる位置や役割を表すポジションが設定されている。なお、
図3では、図の簡略化のため、味方キャラクタ72と敵キャラクタ73とを1体ずつ示す。
【0034】
また、仮想空間60には、その仮想空間60を撮像する仮想カメラCが配置されている。仮想カメラCで撮像された領域(撮像領域)は、ゲーム画面としてモニタ32に表示される。モニタ32に表示される撮像領域は、仮想カメラCの動作に応じて変化する。仮想空間60内での仮想カメラCの動作(位置変更、姿勢変更、ズームなど)に応じたフィールド61の一部が、ゲーム画面としてモニタ32に表示される。仮想カメラCは、例えばフィールド61上を移動するボール70の位置やプレイヤキャラクタ71の位置などに応じて、仮想空間60内で移動したり姿勢を変えたりズームしたりする。
【0035】
図2に戻って、ゲーム進行手段41は、ゲーム内のサッカーの試合を進行させる。例えばゲーム進行手段41は、競技時間の管理(例えば試合時間の停止、停止したあとの試合の再開、アディショナルタイムの決定など)、ボール70がフィールド61外に出たか否かの判定、フィールド61内の選手キャラクタとフィールド61外の選手キャラクタとの交代などを、試合の進行状況やユーザによるコントローラ31に対する操作に応じて実行する。
【0036】
状況判別手段42は、仮想空間60内における状況を判別する。本実施形態では、状況判別手段42は、ボール70の保持状況を判別する。例えば、状況判別手段42は、いずれかの選手キャラクタにボール70が保持された状況にあるか否か、および、ボール70が保持された状況である場合いずれの選手キャラクタがボール70を保持しているかを判別する。
【0037】
また、本実施形態では、状況判別手段42は、仮想空間60内における状況を、ボール70の保持状況の判別よりも更に細かく状況を判別する。具体的には、状況判別手段42は、仮想空間60内における状況を、プレイヤキャラクタ71および/または一部または全部のノンプレイヤキャラクタの位置で判別する。
【0038】
例えば、状況判別手段42は、プレイヤキャラクタ71や特定のノンプレイヤキャラクタの仮想空間60での絶対位置(絶対座標)を判別する。例えば状況判別手段42は、プレイヤキャラクタ71やボール70を保持した味方キャラクタ72が仮想空間60上のどの位置にいるか(例えば、センターライン64に対してどちらのゴール68側に位置するか、ペナルティエリア66内に位置するか、など)を判別する。また、状況判別手段42は、ノンプレイヤキャラクタに対するプレイヤキャラクタ71の仮想空間60での相対位置を判別する。例えば状況判別手段42は、例えばボール70を保持した味方キャラクタ72から一定の距離の範囲にプレイヤキャラクタ71が位置するか、プレイヤキャラクタ71の所定の近傍範囲に敵キャラクタ73がいるか否か(つまり、プレイヤキャラクタ71がフリーか否か)などを判別する。
【0039】
PC制御手段43は、ユーザによるコントローラ31への操作に応じて、仮想空間60内でのプレイヤキャラクタ71の行動を制御する。
【0040】
プレイヤキャラクタ71がとることのできる行動は、状況判別手段42により判別された状況に応じて異なる。言い換えれば、プレイヤキャラクタ71は、判別された状況に対応した1または複数の行動の中から、コントローラ31に対するユーザの操作により選択された1の行動をとることができる。例えば、プレイヤキャラクタ71がボール70を保持している状況では、プレイヤキャラクタ71は、「シュート」、「パス」、「ドリブル」などの行動をとることができる。例えば、敵キャラクタ73がボール70を保持している状況では、プレイヤキャラクタ71は、「タックル」、「スライディング」、「ボールクリア」などの行動をとることができる。また、プレイヤキャラクタ71がボール70を保持しているか否かに関わらず、プレイヤキャラクタ71はフィールド61上を移動することができる。このように、PC制御手段43は、判別された状況に対応して選択可能な行動の中から、ユーザにより選択された行動をプレイヤキャラクタ71に行わせる。
【0041】
NPC制御手段44は、記憶部23に記憶された行動パラメータに基づき、仮想空間60内での味方キャラクタ72および敵キャラクタ73などのノンプレイヤキャラクタの行動を制御する。味方キャラクタ72および敵キャラクタ73などのノンプレイヤキャラクタがとることのできる行動も、プレイヤキャラクタ71がとることのできる行動と同様に、状況判別手段42により判別された状況に応じて異なる。NPC制御手段44は、判別された状況に対応して選択可能な行動の中から、行動パラメータに基づき選択した行動をノンプレイヤキャラクタに行わせる。
【0042】
ここで、行動パラメータについて、
図4を参照して説明する。
図4は、NPCである味方キャラクタ72の行動パラメータの一例を示す。行動パラメータは、ノンプレイヤキャラクタの行動の傾向を示すパラメータである。本実施形態では、行動パラメータは、ノンプレイヤキャラクタごとに設定されている。このため、ノンプレイヤキャラクタごとに行動の傾向が異なり得る。
【0043】
本実施形態では、
図4に示すように、行動パラメータは、状況判別手段42に判別可能な仮想空間60内の状況に関する状況情報、および、その状況においてノンプレイヤキャラクタが選択可能な行動に関する行動情報と関連付けて記憶されている。行動パラメータは、ノンプレイヤキャラクタが、対応する状況情報が示す状況において、対応する行動情報が示す行動をとるとりやすさを示す。
【0044】
本例では、行動パラメータの値が大きい行動ほど、味方キャラクタ72がその行動を選択する傾向が高いことを意味する。例えば、
図4に示した味方キャラクタAの行動パラメータを例に説明すると、ある状況X(例えばペナルティエリア66内でボール70を保持しているという状況)において、味方キャラクタAが選択可能な行動である「シュート」、「パス」、「ドリブル」の行動パラメータ値が、それぞれ「50」、「15」、「30」であるとする。この場合、NPC制御手段44は、仮想空間60の状況が状況Xにあるときに、最も行動パラメータの高い行動である「シュート」を選択する頻度または確率が高くなるよう味方キャラクタAを制御する。
【0045】
なお、本実施形態では、状況判別手段42は、味方キャラクタ72がボール70を保持しているか否かだけでなく、ボール70を保持している味方キャラクタ72の位置やボール70を保持していない選手キャラクタの位置も判別する。このため、本実施形態では、選択可能な行動が同じであっても、プレイヤキャラクタ71および/または一部または全部のノンプレイヤキャラクタの位置に応じて味方キャラクタ72の行動の傾向を変えている(例えば
図4の「状況X」と「状況Y」)。このように、本実施形態では、各キャラクタの様々な状況に応じて行動パラメータが設定されているため、ノンプレイヤキャラクタごとの行動の特徴を区別しやすくなっている。
【0046】
図2に戻って、PC行動記録手段45は、ユーザによるコントローラ31への操作に応じて、仮想空間60内でプレイヤキャラクタ71がとった行動を行動情報として記憶部23に記録する。NPC行動記録手段46は、仮想空間60内で味方キャラクタ72がとった行動を行動情報として記憶部23に記録する。PC行動記録手段45およびNPC行動記録手段46は、それぞれ、プレイヤキャラクタ71および味方キャラクタ72の全ての行動を記録せず、予め定めた種類の行動のみ記録する。本実施形態では、PC行動記録手段45およびNPC行動記録手段46により記録される予め定めた種類の行動は、「パス」、「ドリブル」、「シュート」、「タックル」、「スライディング」、「ボールクリア」である。
【0047】
図5は、NPC行動記録手段46による味方キャラクタ72の行動の記録を説明するための図である。NPC行動記録手段46は、味方キャラクタ72のいずれかが予め定めた種類の行動をとるたびに、その行動情報と、行動を行ったキャラクタの情報(キャラクタ情報)と、行動を行ったときの状況判別手段42により判別される状況情報と、行動が行われた時刻とを関連付けて記憶部23に記録する。なお、PC行動記録手段45は、プレイヤキャラクタ71が予め定めた種類の行動をとるたびに、少なくともその行動情報と、行動を行ったときの状況判別手段42により判別される状況情報とを関連付けて記憶部23に記録する。
【0048】
図2に戻って、経過時間カウント手段47は、先に実行された味方キャラクタ72の行動ごとに、味方キャラクタ72の行動の発生時点からの経過時間をカウントする。なお、NPC行動記録手段46は、記録した行動情報、キャラクタ情報および状況情報などについて、ともに記録した実行時刻からの経過時間が所定の時間(後述する評価可能時間)を超えたときに、記憶部23から消去する。
【0049】
領域設定手段48は、味方キャラクタ72に対して伝達可能領域Rを設定する。伝達可能領域Rは、味方キャラクタ72とプレイヤキャラクタ71との間で情報伝達可能な領域である。
【0050】
ここで、伝達可能領域Rについて、
図6および7を参照して説明する。
図6は、味方キャラクタ72に設定される伝達可能領域Rの一例を示すための、味方キャラクタ72を平面視した模式的平面図である。伝達可能領域Rには、視野領域R1および可聴領域R2が含まれる。本実施形態では、視野領域R1および可聴領域R2は、互いに一部重なる。
【0051】
視野領域R1は、味方キャラクタ72の仮想的な視野範囲を示す領域である。可聴領域R2は、味方キャラクタ72の仮想的な可聴範囲を示す領域である。
図6に示すように、例えば視野領域R1は、味方キャラクタ72の頭部オブジェクトの前方(つまり味方キャラクタ72の視線方向G)に広がる二次元または三次元の領域である。例えば視野領域R1の形状は、味方キャラクタ72を中心としてその味方キャラクタ72の前方に放射状に広がる平面視して(フィールド61に直交する方向から見て)扇形の領域である。例えば可聴領域R2は、平面視して味方キャラクタ72を囲むように広がる二次元または三次元の領域である。例えば可聴領域R2は、味方キャラクタ72を中心としてその味方キャラクタ72の全周囲に広がる平面視して円形の領域である。
【0052】
図7は、味方キャラクタ72ごとに設定される領域パラメータの一例を示す。記憶部23には、味方キャラクタ72ごとに領域パラメータが記憶されており、領域設定手段48は、領域パラメータに基づき伝達可能領域Rを設定する。領域パラメータは、視野領域R1および可聴領域R2の各領域の大きさや形状を規定するパラメータである。
図7では、視野領域R1についての領域パラメータの一例として、平面視扇形状を呈する視野領域R1の半径r
1と中心角θが示され、可聴領域R2についての領域パラメータの一例として、平面視円形状を呈する可聴領域R2の半径r
2が示されている。
【0053】
また、
図7には、プレイヤキャラクタ71と味方キャラクタ72との間の友好度も示されている。友好度は、味方キャラクタ72とプレイヤキャラクタ71との間の親密さを示す指標である。友好度は、味方キャラクタ72ごとに記憶部23に記憶されている。本実施形態では、領域設定手段48が、味方キャラクタ72の領域パラメータを、その味方キャラクタ72の友好度に応じた値に設定している。例えば、プレイヤキャラクタ71と味方キャラクタ72との友好度が上昇した場合、領域設定手段48は、味方キャラクタ72の領域パラメータを、伝達可能領域Rの大きさが大きくなるように変更する。また、プレイヤキャラクタ71と味方キャラクタ72との友好度が減少した場合、領域設定手段48は、味方キャラクタ72の領域パラメータを、伝達可能領域Rの大きさが小さくなるように変更する。
【0054】
また、
図7には、味方キャラクタ72の体力値も示されている。体力値は、味方キャラクタ72の体力を示す値である。体力値は、味方キャラクタ72ごとに記憶部23に記憶されている。体力値は、予め設定された初期値から試合中に変動する。体力値は、予め定めた条件に従って、試合中に変動する。例えば、体力値は、予め設定された初期体力値から競技時間の経過とともに一定の割合で減少する。また、例えば、体力値は、試合中の味方キャラクタ72の総移動距離が増加するにつれて減少する。また、例えば、体力値は、センターライン64を横切る回数が増加するにつれて減少する。体力値は、試合中断時間(ハーフタイム)で一定量増加してもよい。
【0055】
本実施形態では、領域設定手段48が、味方キャラクタ72の領域パラメータを、その味方キャラクタ72の体力値に応じて変更する。例えば、領域設定手段48は、味方キャラクタ72の体力値が減少したときに、その味方キャラクタ72の領域パラメータを、伝達可能領域Rの大きさが小さくなるように変更する。
【0056】
図2に戻って、判定手段49は、プレイヤキャラクタ71が味方キャラクタ72の伝達可能領域Rに位置するか否かを判定する。
【0057】
なお、NPC制御手段44は、味方キャラクタ72に対し設定された友好度が高いほど、一定の時間内において、プレイヤキャラクタ71とその味方キャラクタ72の伝達可能領域Rに位置する時間が占める割合が増加するように、仮想空間60内で味方キャラクタ72を移動させる。
【0058】
評価手段50は、ユーザによるコントローラ31への操作に応じて、先に実行された味方キャラクタ72の行動に対する評価を行う。第1行動パラメータ変更手段51は、評価手段50により評価が行われ、かつ、判定手段49によりプレイヤキャラクタ71が味方キャラクタ72の伝達可能領域Rに位置すると判定された場合は、その評価に基づく行動パラメータの変更を行う。すなわち、味方キャラクタ72の行動に対する評価を行うことで、その時点以降の味方キャラクタ72の行動の傾向が変わり得る。
【0059】
ここで、本実施形態における評価手段50による評価について、
図8〜10を参照して説明する。
図8は、試合の一場面を表示したゲーム画面Dの一例を示す図である。より詳しくは、ゲーム画面Dには、対戦相手チーム側のゴール68に向かって、ペナルティエリア66付近の味方キャラクタ72がシュートを打つシーンが表示されている。なお、ゲーム画面Dには、プレイヤキャラクタ71、シュートを打つ味方キャラクタ72の前に立つ敵キャラクタ73、およびゴールキーパーである敵キャラクタ73も示されているが、それ以外の選手キャラクタは図の簡単化のため省略する。
【0060】
図9は、
図8に示した味方キャラクタ72がシュートを打った状況の後に、プレイヤキャラクタ71が味方キャラクタ72の行動に対し評価する状況を示すゲーム画面Dの一例を示す図である。なお、実際のゲーム画面Dでは、伝達可能領域Rはユーザに視認可能に表示されないが、
図9および10ではプレイヤキャラクタ71が伝達可能領域R内に位置することを明確にするために示している。例えば
図8に示した状況での味方キャラクタ72のとった「シュート」という行動に対して評価を行いたい場合、ユーザは、コントローラ31を操作して、プレイヤキャラクタ71を、その味方キャラクタ72の伝達可能領域R内に移動させる。プレイヤキャラクタ71を伝達可能領域R内に移動させた後、ユーザがコントローラ31に対し所定の操作を行うことにより、評価手段50は、先に実行された味方キャラクタ72の行動に対して評価を行う。
【0061】
本実施形態では、評価手段50は、ユーザによるコントローラ31に対する操作に応じて、味方キャラクタ72の肯定的な評価と否定的な評価のいずれかを行う。例えば、ある状況で味方キャラクタ72がとった行動に対して、評価手段50により肯定的評価が行われた場合、第1行動パラメータ変更手段51は、評価の後で同じ状況が生じたときにその味方キャラクタ72が同じ行動をとる可能性を上げるまたは維持するように行動パラメータを変更する、つまり先に実行された行動に対応する行動パラメータを上昇させるあるいは維持する。また、例えば、ある状況で味方キャラクタ72がとった行動に対して、評価手段50により否定的評価が行われた場合、第1行動パラメータ変更手段51は、評価の後で同じ状況が生じたときにその味方キャラクタ72が同じ行動をとる可能性を下げるように行動パラメータを変更する、つまり先に実行された行動に対応する行動パラメータを減少させる。
【0062】
更に本実施形態では、評価手段50は、ユーザによるコントローラ31に対する操作により、否定的な評価に加えて、ユーザがその味方キャラクタ72に今後とってほしい別の行動を指定することも可能となっている。例えば、ある状況で味方キャラクタ72がとった行動に対して、評価手段50により否定的評価が行われ、かつ別の行動が指定された場合、第1行動パラメータ変更手段51は、評価の後で同じ状況が生じたときにその味方キャラクタ72が同じ行動をとる可能性を下げ、かつ指定された行動をとる可能性を上げるように行動パラメータを変更する。具体例を用いて説明すれば、例えば状況X(
図4参照)で味方キャラクタ72がとった「シュート」という行動に対して、評価手段50により「シュートではなく、パスをしてくれ」という否定的評価および別の行動指定が実行された場合(
図9参照)、第1行動パラメータ変更手段51は、状況Xの「シュート」という行動に対応する行動パラメータを下げ、状況Xの「パス」という行動に対応する行動パラメータを上げる。
【0063】
評価手段50は、ユーザによるコントローラ31に対する操作に応じて評価を行ったときに、プレイヤキャラクタ71が評価に対応した伝達を行う様子を示すゲーム画像をモニタ32に出力する。プレイヤキャラクタ71の伝達態様は、味方キャラクタ72への声掛けやジェスチャなど、いかなる態様であってもよい。
【0064】
本実施形態では、プレイヤキャラクタ71が視野領域R1および可聴領域R2のいずれに位置するかによって、プレイヤキャラクタ71の伝達態様が異なる。
図9に示すように、プレイヤキャラクタ71が可聴領域R2内に位置する場合は、評価手段50は、ユーザによるコントローラ31に対する操作に応じて評価を行ったときに、プレイヤキャラクタ71が味方キャラクタ72へ声掛けをするゲーム画像をモニタ32に出力する。
図10は、
図9に示した状況とは異なる、プレイヤキャラクタ71が味方キャラクタ72の行動に対し評価する状況を示すゲーム画面Dを示す図である。プレイヤキャラクタ71が可聴領域R2内に位置せず、視野領域R1にのみ位置する場合は、評価手段50は、ユーザによるコントローラ31に対する操作に応じて評価を行ったときに、プレイヤキャラクタ71が味方キャラクタ72に対しジェスチャをするゲーム画像をモニタ32に出力する。
【0065】
判定手段49によりプレイヤキャラクタ71が味方キャラクタ72の伝達可能領域Rに位置しないと判定された場合、第1行動パラメータ変更手段51は、評価に基づく行動パラメータの変更を行わない。
【0066】
本実施形態では、味方キャラクタ72の行動に対して評価手段50が評価できる時間は、その行動の発生時点から予め定めた評価可能時間内に制限されている。
図11は、味方キャラクタ72の行動と評価可能時間Tとの関係を示す模式図である。第1行動パラメータ変更手段51は、経過時間カウント手段47によりカウントされる経過時間が所定の評価可能時間T内である味方キャラクタ72の行動に対しては、評価手段50による評価に基づく行動パラメータの変更を行う。
【0067】
一方、第1行動パラメータ変更手段51は、経過時間カウント手段47によりカウントされる経過時間が所定の評価可能時間T外である味方キャラクタ72の行動に対しては、評価手段50による評価に基づく行動パラメータの変更を行わない。なお、本実施形態では、評価可能時間Tを過ぎた行動は評価対象外となるため、NPC行動記録手段46は、評価対象外となった行動情報とそれに関連して記録された状況情報等を、評価可能時間Tを超えたときに記憶部23から消去する。
【0068】
また、例えば
図11に示すように、前の行動(
図11の「ドリブル」)と後の行動(
図11の「シュート」)の互いの評価可能時間T同士が重なる時間においては、評価手段50は、後の行動についてのみ評価できてもよい。あるいは、評価手段50は、ユーザによるコントローラ31に対する操作に応じて、前の行動と後の行動のうちのいずれかの行動を指定して、指定した行動に対して評価してもよい。
【0069】
本実施形態では、友好度が所定の閾値より低い味方キャラクタ72は、プレイヤキャラクタ71の評価を無視する。具体的には、第1行動パラメータ変更手段51は、判定手段49によりプレイヤキャラクタ71が味方キャラクタ72の伝達可能領域Rに位置すると判定され、かつ評価手段50による評価が行われた場合でも、味方キャラクタ72の友好度が所定の閾値より低いときは、その味方キャラクタ72の行動パラメータを変更しない。
【0070】
なお、第1行動パラメータ変更手段51は、評価手段50による評価を行動パラメータの変更に反映させなかったときは、味方キャラクタ72が評価を無視したことを示す返答やジェスチャなどをするゲーム画像をモニタ32に出力してもよい。また、第1行動パラメータ変更手段51は、評価手段50による評価に基づく行動パラメータ変更を行ったときは、味方キャラクタ72が評価を受け入れたことを示す返答やジェスチャなどをするゲーム画像をモニタ32に出力してもよい(
図9および10参照)。
【0071】
図2に戻って、第2行動パラメータ変更手段52は、PC行動記録手段45により記録されたプレイヤキャラクタ71の行動と同じ行動を味方キャラクタ72がとる頻度または確率を上げるように行動パラメータを変更する。
【0072】
本実施形態では、第2行動パラメータ変更手段52は、仮想空間60内において味方キャラクタ72に所定の状況が発生したときに、PC行動記録手段45により記録された所定の状況に対するプレイヤキャラクタ71の行動と同じ行動を選択する頻度または確率を上げるように行動パラメータを変更する。例えばプレイヤキャラクタ71がある状況X(例えばペナルティエリア66内でボール70を保持しているという状況)において「シュート」という行動をとった場合、PC行動記録手段45がその状況情報と行動情報とを関連付けて記憶部23に記録する。そして、第2行動パラメータ変更手段52は、PC行動記録手段45により記録された状況情報および行動情報にそれぞれ対応する行動パラメータ(例えば状況Xおよび「シュート」という行動に対応する行動パラメータ)の値を上昇させる。なお、PC行動記録手段45により記録された状況情報および行動情報は、第2行動パラメータ変更手段52により利用されたあとに消去されてもよい。
【0073】
次に、評価手段50による評価によって行動パラメータが変更される行動パラメータ変更処理の流れについて、
図12を参照しながら説明する。
【0074】
行動パラメータ変更処理では、仮想空間60内において味方キャラクタ72が予め定めた種類の行動のうちの1の行動をとると、NPC行動記録手段46は、その行動に関する行動情報を、その行動をとった状況に関する状況情報と関連付けて記憶部23に記録する(ステップS1)。なお、ステップS1で、NPC行動記録手段46は、行動情報および状況情報を、過去に記録された行動情報および状況情報(例えば後述するステップS7で消去の対象となった情報)に対して上書きしてもよい。
【0075】
また、経過時間カウント手段47は、その味方キャラクタ72の行動の発生時点からの経過時間をカウントする(ステップS2)。
【0076】
経過時間が評価可能時間T内である間(ステップS3:Yes)、第1行動パラメータ変更手段51は、評価手段50による評価が行われたか否かを判定する(ステップS4)。
【0077】
評価手段50による評価が行われたと判定された場合(ステップS4:Yes)、判定手段49は、プレイヤキャラクタ71が味方キャラクタ72に対して設定された伝達可能領域Rに位置するか否かを判定する(ステップS5)。なお、ステップS4とS5とは、逆の順番で行われてもよい。
【0078】
プレイヤキャラクタ71が伝達可能領域Rに位置すると判定された場合(ステップS5:Yes)、第1行動パラメータ変更手段51は、ステップS4の評価に基づき、その伝達可能領域Rが設定された味方キャラクタ72の行動パラメータの変更を行う(ステップS6)。行動パラメータの変更が行われた後、NPC行動記録手段46は、ステップS1で記録された行動に関する情報を記憶部23から消去する(ステップS7)。
【0079】
ステップS4で評価手段50による評価がない場合(ステップS4:No)、およびプレイヤキャラクタ71が伝達可能領域Rに位置しないと判定された場合(ステップS5:No)には、ステップS3に戻り、経過時間が評価可能時間T内である間、ステップS4およびS5を繰り返す。ステップS3で経過時間が評価可能時間Tを超えた場合(ステップS3:No)、NPC行動記録手段46は、ステップS1で記録された行動に関する情報を記憶部23から消去する(ステップS7)。
【0080】
以上をまとめると、本実施形態に係るゲームプログラム34aは、操作部と記憶部とコンピュータとを備えるゲームシステムにおいて前記コンピュータに実行させるゲームプログラムであって、前記コンピュータを、プレイヤキャラクタ71および味方キャラクタ72が移動する仮想空間60を生成する仮想空間生成手段40、前記ユーザによるコントローラ31(操作部)への操作に応じて、前記仮想空間60内でのプレイヤキャラクタ71の行動を制御するPC制御手段43、前記記憶部23に記憶された行動パラメータに基づき、前記仮想空間60内での味方キャラクタ72の行動を制御するNPC制御手段44、先に実行された味方キャラクタ72の行動に対する評価を行う評価手段50、味方キャラクタ72に対して伝達可能領域Rを設定する領域設定手段48、プレイヤキャラクタ71が味方キャラクタ72の伝達可能領域Rに位置するか否かを判定する判定手段49、および、前記評価手段50により評価が行われ、かつ、前記判定手段49によりプレイヤキャラクタ71が味方キャラクタ72の伝達可能領域Rに位置すると判定された場合は、前記評価に基づく前記行動パラメータの変更を行い、前記判定手段49によりプレイヤキャラクタ71が味方キャラクタ72の伝達可能領域Rに位置しない判定された場合は、前記評価に基づく前記行動パラメータの変更は行わない第1行動パラメータ変更手段51(行動パラメータ変更手段)、として機能させる、ゲームプログラムである。
【0081】
現実世界では、自己が他者から見えない位置にいたり、自己の声が届かない位置に他者が位置したりといった、現実世界で自己と他者とがコミュニケーションをとれない状況がある。自己から他者に情報が伝わらない状況では、他者が自己からの情報によって行動を変えるということは起こらない。本実施形態のゲームプログラム34aによれば、第1行動パラメータ変更手段51が、プレイヤキャラクタ71が味方キャラクタ72の伝達可能領域Rに位置するか否かに応じて、評価手段50による評価に基づく行動パラメータの変更を行ったり行わなかったりする。このため、仮想空間60にプレイヤキャラクタ71および味方キャラクタ72が登場するゲームにおいて、味方キャラクタ72が行動を変える事象を、現実世界で他者が行動を変える事象により近づけたものにすることができる。
【0082】
また、本実施形態では、伝達可能領域Rに視野領域R1が含まれるため、プレイヤキャラクタ71が味方キャラクタ72から見えない位置にいる場合にプレイヤキャラクタ71からの情報が味方キャラクタ72に伝達されない状況を表現できる。また、伝達可能領域Rに可聴領域R2が含まれるため、プレイヤキャラクタ71の声が届かない位置に味方キャラクタ72がいる場合にプレイヤキャラクタ71からの情報が味方キャラクタ72に伝達されない状況を表現できる。
【0083】
また、本実施形態では、発生から所定の時間を超えた行動については、評価手段50による評価に基づく行動パラメータの変更を行われないため、発生から所定の時間を超えた行動の履歴は削除して記憶部23の容量を節約できる。
【0084】
また、本実施形態では、第1行動パラメータ変更手段51は、判定手段49によりプレイヤキャラクタ71が味方キャラクタ72の伝達可能領域Rに位置すると判定された場合でも、友好度が所定の閾値より低いときは、行動パラメータを変更しない。このため、プレイヤキャラクタ71と味方キャラクタ72との間の友好度が低い場合に味方キャラクタ72がプレイヤキャラクタ71の指示を受け付けない状況を表現できる。
【0085】
また、本実施形態では、NPC制御手段44は、友好度が高いほど、一定の時間内において、プレイヤキャラクタ71が味方キャラクタ72の伝達可能領域Rに位置する時間が占める割合が増加するように、仮想空間60内で味方キャラクタ72を移動させる。このため、プレイヤキャラクタ71と味方キャラクタ72との間の友好度が高い場合に味方キャラクタ72がプレイヤキャラクタ71の指示を受け付けやすい状況を表現できる。
【0086】
また、本実施形態では、第2行動パラメータ変更手段52が、ユーザによるコントローラ31への操作に応じてプレイヤキャラクタ71がとった行動と同じ行動を選択する頻度または確率を上げるように行動パラメータを変更する。このため、プレイヤキャラクタ71の行動の傾向に味方キャラクタ72の行動の傾向を近づけることができる。
【0087】
<その他の実施形態>
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0088】
ゲームプログラム34aは、ゲームメディア34に記録されていなくてもよく、例えば、外部から通信ネットワークNWを介してゲーム装置2にダウンロードされてもよい。例えば、本発明のゲームシステムが備えるゲーム装置2は、スマートフォンなどの携帯情報端末であってもよく、操作装置および表示装置はタッチスクリーンなどであってもよい。また、ゲーム画面を表示する表示装置は、ヘッドマウントディスプレイなどであってもよい。
【0089】
制御部21は、ゲームプログラム34aを実行することにより、仮想空間生成手段40、ゲーム進行手段41、状況判別手段42、プレイヤキャラクタ行動記録手段(PC行動記録手段)45、ノンプレイヤキャラクタ行動記録手段(NPC行動記録手段)46、経過時間カウント手段47、領域設定手段48、および第2行動パラメータ変更手段52として機能しなくてもよい。
【0090】
上記実施形態では、状況判別手段42は、仮想空間60内における状況を、プレイヤキャラクタ71および/または一部または全部のノンプレイヤキャラクタの位置でも判別したが、単にボール70の保持状況のみ判別してもよい。また、行動パラメータは、状況情報に関連付けられていなくてもよい。例えば、ある一つの行動にたいして、一の行動パラメータが設定されていてもよい。
【0091】
上記実施形態では、選手キャラクタがとることのできる行動として、「シュート」、「パス」、「ドリブル」、「タックル」、「スライディング」、「ボールクリア」といった行動が説明されたが、これらは例示にすぎない。PCおよびNPCがとることのできる行動は、これらの一部であってもよいし、さらに別の行動を含んでもよいし、上記の1の行動を更に複数種類に分類したもの(例えば「ショートパス」、「ロングパス」、「グラウンダーパス」、「ロブパス」、「キャラクタの足元を狙ったパス」、「フィールド上のスペースを狙ったパス」など)であってもよい。選手キャラクタがとることのできる行動が、仮想空間におけるその選手キャラクタの位置、ポジション、他の選手キャラクタの位置などに応じて異なってもよい。
【0092】
また、領域設定手段48は、味方キャラクタ72に対してではなく、プレイヤキャラクタ71に対して、伝達可能領域Rを設定してもよい。この場合、判定手段49は、味方キャラクタ72が伝達可能領域Rに位置するか否かを判定してもよい。また、領域設定手段48は、プレイヤキャラクタ71および味方キャラクタ72の双方に伝達可能領域Rを設定してもよい。この場合、判定手段49は、プレイヤキャラクタ71および味方キャラクタ72の少なくとも一方のキャラクタが、他方のキャラクタに設定された伝達可能領域Rに位置するか否かを判定してもよい。あるいは、判定手段49は、プレイヤキャラクタ71が味方キャラクタ72に設定された伝達可能領域Rに位置し、かつその味方キャラクタ72がプレイヤキャラクタ71に設定された伝達可能領域Rに位置するか否かを判定してもよい。
【0093】
また、領域パラメータは、伝達可能領域Rのサイズおよび形状の少なくとも一方に関連していればよい。領域設定手段48は、評価手段50により行われた評価の内容に応じて、領域パラメータを変更してもよい。例えば、評価手段50により肯定的評価が行われた場合は、領域設定手段48は、味方キャラクタ72の領域パラメータを、伝達可能領域Rの大きさが大きくなるように変更し、例えば、評価手段50により否定的評価が行われた場合は、領域設定手段48は、味方キャラクタ72の領域パラメータを、伝達可能領域Rの大きさが小さくなるように変更してもよい。これにより、PCからの評価の内容によって、PCからの評価を受け付けやすくなったり受け付けにくくなったりする状況を表現できる。
【0094】
また、伝達可能領域R内のどの位置にキャラクタがいるかによって、第1行動パラメータ変更手段51による行動パラメータの変更度合いが変わってもよい。例えば、視野領域R1に位置するか可聴領域R2に位置するかによって、第1行動パラメータ変更手段51による行動パラメータの変更度合いが変わってもよい。また、キャラクタが視野領域R1と可聴領域R2との重なった領域に位置する場合、キャラクタが視野領域R1および可聴領域R2の一方のみ領域に位置する場合に比べて、第1行動パラメータ変更手段51による行動パラメータの変更度合いを大きくしてもよい。評価手段50による評価の伝達態様によって、第1行動パラメータによる行動パラメータの変更度合いが異なってもよい。
【0095】
また、上記実施形態では、第1行動パラメータ変更手段51により変更される行動パラメータは、味方キャラクタ72の行動パラメータであったが、第1行動パラメータ変更手段51は、味方キャラクタ72以外の行動パラメータを変更してもよい。例えば、第1行動パラメータ変更手段51は、敵キャラクタ73の行動パラメータを変更してもよい。
【0096】
また、評価手段50による評価の対象は、一の行動でなくてもよく、複数の行動、あるいは複数の行動をまとめたものであってもよい。また、評価手段50による評価可能時間は、設定されなくてもよいし、行動の直後でなく試合終了後など予め定めた時間に設定されてもよい。例えば、サッカーゲームにおける試合終了後などに、評価手段50による評価が行なえてもよく、この場合、評価手段50による評価は、一試合を通した味方キャラクタ72の全体的な行動に対して行えてもよい。
【0097】
また、判定手段49によりPCおよびNPCの一方のキャラクタに対して設定された伝達可能領域に、PCおよびNPCの他方のキャラクタが位置しない場合に、評価手段50は、評価を行うことができないように設定されていてもよい。
【0098】
評価手段50による評価は、ユーザによるコントローラ31(操作部)への操作以外の方法で行われなくてもよい。例えばゲームシステムがマイクロフォンなど音声入力装置を備える場合、評価手段は、音声入力装置を介して入力されるユーザの発した音声に応じて、先に実行されたNPCの行動に対する評価を行ってもよい。
【0099】
また、上記実施形態では、仮想空間内にPCとNPCが登場するコンピュータゲームの一例として、サッカーゲームが説明されたが、本発明に係るゲームプログラムおよびゲームシステムにより実現される対戦ゲームは、これに限られない。例えば、本発明は、武器などを用いてプレイヤキャラクタとノンプレイヤキャラクタである味方キャラクタとが協力して、仮想空間内の敵キャラクタと戦闘を行うアクションゲームにも適用可能である。
【0100】
第1行動パラメータ変更手段51は、評価手段50による評価が一定以上蓄積されたときに、行動パラメータを変更してもよい。これにより、NPCがPCから評価を受け付けてもすぐには行動に変化が表れないため、徐々にNPCが行動を変化する態様を表現することができる。