特許第6918892号(P6918892)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オギハラ工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6918892-育苗箱洗浄機 図000002
  • 特許6918892-育苗箱洗浄機 図000003
  • 特許6918892-育苗箱洗浄機 図000004
  • 特許6918892-育苗箱洗浄機 図000005
  • 特許6918892-育苗箱洗浄機 図000006
  • 特許6918892-育苗箱洗浄機 図000007
  • 特許6918892-育苗箱洗浄機 図000008
  • 特許6918892-育苗箱洗浄機 図000009
  • 特許6918892-育苗箱洗浄機 図000010
  • 特許6918892-育苗箱洗浄機 図000011
  • 特許6918892-育苗箱洗浄機 図000012
  • 特許6918892-育苗箱洗浄機 図000013
  • 特許6918892-育苗箱洗浄機 図000014
  • 特許6918892-育苗箱洗浄機 図000015
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6918892
(24)【登録日】2021年7月27日
(45)【発行日】2021年8月11日
(54)【発明の名称】育苗箱洗浄機
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/06 20060101AFI20210729BHJP
   B08B 3/02 20060101ALI20210729BHJP
   B08B 9/30 20060101ALI20210729BHJP
【FI】
   A01G9/06
   B08B3/02 A
   B08B3/02 C
   B08B9/30
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-192008(P2019-192008)
(22)【出願日】2019年10月21日
(65)【公開番号】特開2021-65128(P2021-65128A)
(43)【公開日】2021年4月30日
【審査請求日】2020年5月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】391005134
【氏名又は名称】オギハラ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092691
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 勇治
(74)【代理人】
【識別番号】100199543
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 隆史
(72)【発明者】
【氏名】荻原 潔
【審査官】 坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特開平6−153706(JP,A)
【文献】 特開2018−64488(JP,A)
【文献】 韓国登録特許第10−1734786(KR,B1)
【文献】 韓国公開実用新案第20−2012−0000852(KR,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 9/06
B08B 3/02
B08B 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種の育苗箱を水平搬送する搬送機構と、該育苗箱を搬送案内する案内機構と、該育苗箱の搬送経路途中に該育苗箱を洗浄する洗浄水機構とを備えてなり、上記洗浄水機構として、上記水平搬送される育苗箱の上方位置及び下方位置に上導水管及び下導水管が配設され、該上導水管及び下導水管に該育苗箱に高圧の洗浄水を噴射可能な複数個の噴射ノズルが配設され、上記案内機構として、上記育苗箱の搬送方向左右両側位置に該育苗箱の両側辺部を搬送案内可能な側ガイド部材、該育苗箱の上方位置に該育苗箱の上面部を搬送案内可能な上ガイド部材、及び該育苗箱の下方位置に該育苗箱の底面部を搬送案内可能な下ガイド部材がそれぞれ配設され、該側ガイド部材は左右方向に位置調節自在に設けられ、上ガイド部材は上下方向に位置調節自在に設けられ、さらに、上記上導水管は上下方向に位置調節自在に設けられてなることを特徴とする育苗箱洗浄機。
【請求項2】
上記搬送機構として、上記育苗箱の搬送経路の入口側から出口側、戻り側を経て再び入口側へと循回可能な搬送チェーンが配設され、該搬送チェーンを循回させる搬送用モータが設けられ、該搬送チェーンに上記育苗箱を押送搬送可能な押送部が複数個所定ピッチで配置されてなることを特徴とする請求項1記載の育苗箱洗浄機。
【請求項3】
上記搬送機構の搬送用モータの回転速度を制御可能な速度制御手段が設けられてなることを特徴とする請求項2記載の育苗箱洗浄機。
【請求項4】
上記上導水管及び下導水管に高圧の洗浄水を供給可能な圧送ポンプの吐出口が接続され、該上導水管及び下導水管の下方位置に洗浄水の受樋部が配設され、該受樋部に洗浄水の貯水部が接続され、該貯水部に上記圧送ポンプの吸込口を接続してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の育苗箱洗浄機。
【請求項5】
上記各噴射ノズルは洗浄水が薄膜扇形状に噴射される構造とされ、該複数個の噴射ノズルは洗浄水の噴射形状の膜厚が相互に平行配列して配設されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の育苗箱洗浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はセルトレイ状の野菜用育苗箱及び箱トレイ状の水稲用育苗箱等の各種の育苗箱を洗浄する育苗箱洗浄機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種の育苗箱洗浄機として、図12図13に示す、セルトレイ状の野菜用育苗箱Sや、図14に示す箱トレイ状の水稲用育苗箱Hの育苗使用後の両育苗箱S・Hに付着する泥土を除去洗浄する育苗箱洗浄機が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6434472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記従来構造の場合、野菜用育苗箱S及び水稲用育苗箱Hの両育苗箱を洗浄することができるものの、近年の育苗箱の用途の拡大化もあって育苗箱の幅や高さ等の形状が様々存在して使用されており、このため、様々な形状の育苗箱を洗浄する必要が生じ、これに対応する専用の洗浄機を用意する必要があり、それだけ、経済性が低下することがあるという不都合を有している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はこれらの不都合を解決することを目的とするもので、本発明のうちで、請求項1記載の発明は、各種の育苗箱を水平搬送する搬送機構と、該育苗箱を搬送案内する案内機構と、該育苗箱の搬送経路途中に該育苗箱を洗浄する洗浄水機構とを備えてなり、上記洗浄水機構として、上記水平搬送される育苗箱の上方位置及び下方位置に上導水管及び下導水管が配設され、該上導水管及び下導水管に該育苗箱に高圧の洗浄水を噴射可能な複数個の噴射ノズルが配設され、上記案内機構として、上記育苗箱の搬送方向左右両側位置に該育苗箱の両側辺部を搬送案内可能な側ガイド部材、該育苗箱の上方位置に該育苗箱の上面部を搬送案内可能な上ガイド部材、及び該育苗箱の下方位置に該育苗箱の底面部を搬送案内可能な下ガイド部材がそれぞれ配設され、該側ガイド部材は左右方向に位置調節自在に設けられ、上ガイド部材は上下方向に位置調節自在に設けられ、さらに、上記上導水管は上下方向に位置調節自在に設けられてなることを特徴とする育苗箱洗浄機にある。
【0006】
又、請求項2記載の発明は、上記搬送機構として、上記育苗箱の搬送経路の入口側から出口側、戻り側を経て再び入口側へと循回可能な搬送チェーンが配設され、該搬送チェーンを循回させる搬送用モータが設けられ、該搬送チェーンに上記育苗箱を押送搬送可能な押送部が複数個所定ピッチで配置されてなることを特徴とするものであり、又、請求項3記載の発明は、上記搬送機構の搬送用モータの回転速度を制御可能な速度制御手段が設けられてなることを特徴とするものである。
【0007】
又、請求項4記載の発明は、上記上導水管及び下導水管に高圧の洗浄水を供給可能な圧送ポンプの吐出口が接続され、該上導水管及び下導水管の下方位置に洗浄水の受樋部が配設され、該受樋部に洗浄水の貯水部が接続され、該貯水部に上記圧送ポンプの吸込口を接続してなることを特徴とするものであり、又、請求項5記載の発明は、上記各噴射ノズルは洗浄水が薄膜扇形状に噴射される構造とされ、該複数個の噴射ノズルは洗浄水の噴射形状の膜厚が相互に平行配列して配設されてなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明は上述の如く、請求項1記載の発明にあっては、育苗箱を搬送経路の入口側に人為的又は自動的に供給し、育苗箱の底面部は下ガイド部材上に載置され、育苗箱は搬送方向に押送水平搬送され、搬送経路の途中において、洗浄水機構の上導水管及び下導水管に配列された複数個の噴射ノズルから高圧の洗浄水が噴射され、育苗箱の上面部及び底面部は洗浄されることになり、この際、上記育苗箱を搬送案内する案内機構として、上記育苗箱の搬送方向左右両側位置に育苗箱の両側辺部を搬送案内可能な側ガイド部材、育苗箱の上方位置に育苗箱の上面部を搬送案内可能な上ガイド部材、及び育苗箱の下方位置に育苗箱の底面部を搬送案内可能な下ガイド部材がそれぞれ配設され、側ガイド部材は左右方向に位置調節自在に設けられ、上ガイド部材は上下方向に位置調節自在に設けられ、上記上導水管は上下方向に位置調節自在に設けられているから、各種の幅及び高さの異なる育苗箱であっても確実に搬送案内することができ、育苗箱に付着する泥土を確実に除去洗浄することができ、洗浄作業を良好に行うことができると共に洗浄作業性を向上することができる。
【0009】
又、請求項2記載の発明にあっては、上記搬送機構として、上記育苗箱の搬送経路の入口側から出口側、戻り側を経て再び入口側へと循回可能な搬送チェーンが配設され、搬送チェーンを循回させる搬送用モータが設けられ、搬送チェーンに上記育苗箱を押送搬送可能な押送部が複数個所定ピッチで配置されてなるから、育苗箱の供給、搬送及び取出を容易に行うことができ、洗浄作業性を向上することができ、搬送機構の構造を簡素化することができ、又、請求項3記載の発明にあっては、上記搬送機構の搬送用モータの回転速度を制御可能な速度制御手段が設けられているから、育苗箱の搬送速度を調節することができ、各種の育苗箱の大きさや噴射ノズルからの洗浄水の噴射状況に対応することができ、円滑かつ確実に洗浄することができ、洗浄作業性を向上することができる。
【0010】
又、請求項4記載の発明にあっては、上記上導水管及び下導水管に高圧の洗浄水を供給可能な圧送ポンプの吐出口が接続され、上導水管及び下導水管の下方位置に洗浄水の受樋部が配設され、受樋部に洗浄水の貯水部が接続され、貯水部に上記圧送ポンプの吸込口を接続してなるから、洗浄水を繰り返して使用することができ、洗浄水を有効利用することができ、洗浄作業の場所に制約されることがなくなり、使用の融通性を図ることができ、又、請求項5記載の発明にあっては、上記各噴射ノズルは洗浄水が薄膜扇形状に噴射される構造とされ、複数個の噴射ノズルは洗浄水の噴射形状の膜厚が相互に平行配列して配設されてなるから、隣り合う噴射ノズルからの洗浄水の干渉を防ぐことができ、洗浄水は育苗箱の上面部及び底面部に確実に衝突して洗浄作業を良好に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態例の全体正断面図である。
図2】本発明の実施の形態例の全体平断面図である。
図3】本発明の実施の形態例の部分拡大正断面図である。
図4】本発明の実施の形態例の部分拡大平断面図である。
図5】本発明の実施の形態例の側断面図である。
図6】本発明の実施の形態例の部分平面図である。
図7】本発明の実施の形態例の部分側面図である。
図8】本発明の実施の形態例の部分平面図である。
図9】本発明の実施の形態例の部分側面図である。
図10】本発明の実施の形態例の部分拡大正断面図である。
図11】本発明の実施の形態例の部分拡大正断面図である。
図12】野菜用育苗箱の斜視図である。
図13】他の野菜用育苗箱の斜視図である。
図14】水稲用育苗箱の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1乃至図11は本発明の実施の形態例を示し、洗浄すべき各種の育苗箱Qとして、例えば、図12図13に示す如く、四角板状の基板部Sに複数個の凹部状のポット部S・・が縦横に配列形成され、ポット部S・・に排水穴S・・が形成されたセルトレイ状の野菜用育苗箱Sや、図14に示す如く、四角板状の底板部Hの周囲縁部に立上壁部H・H・H・Hが形成され、底板部Hに複数個の排水穴H・・が形成された箱トレイ状の水稲用育苗箱H、その他、野菜用育苗箱Sにあっては、基板部Sの幅寸法及びポット部S・・の高さ寸法が様々な育苗箱Q、水稲用育苗箱Hにあっては、底板部Hの幅寸法、立上壁部H・H・H・Hの高さ寸法が様々な育苗箱Qが存在する。
【0013】
この場合、図1図2の如く、大別して、各種の育苗箱Qを水平搬送する搬送機構Aと、育苗箱Qを搬送案内する案内機構Bと、育苗箱Qの搬送経路L途中に育苗箱Qを洗浄する洗浄水機構Cとを備えて構成されている。
【0014】
そして、この場合、上記洗浄水機構Cとして、図3図4の如く、洗浄機体1に上記水平搬送される育苗箱Qの上方位置及び下方位置に上導水管2及び下導水管3が配設され、上導水管2及び下導水管3に育苗箱Qに高圧の洗浄水Wを噴射可能な複数個の噴射ノズルN・・がそれぞれ配設されている。
【0015】
又、この場合、図3図4の如く、上記案内機構Bとして、上記洗浄機体1の育苗箱Qの搬送方向F左右両側位置に育苗箱Qの両側辺部Q・Qを搬送案内可能な一対の側ガイド部材4・4を取付ボルト4b・・及びナット4c・・により取り付け、かつ、洗浄機体1の育苗箱Qの上方位置に育苗箱Qの裏面側としての上面部Qを搬送案内可能な上ガイド部材5・・を搬送方向F前後一対の横杆5a・5a及び桟杆5b・5bからなる四角枠状の支持枠5cの横杆5a・5aに前後一対計4個取り付け、さらに、洗浄機体1の育苗箱Qの下方位置に育苗箱Qの表面側としての底面部Qを搬送案内可能な左右一対の下ガイド部材6・6がそれぞれ配設されている。
【0016】
この場合、上記側ガイド部材4・4は左右位置調節機構4aにより左右方向に位置調節自在に設けられ、この左右位置調節機構4aにあっては、図5の如く、上記洗浄機体1の左右の側フレーム1a・1aに取付ボルト4b・・を挿通し、取付ボルト4b・・の先端部に上記側ガイド部材4・4を取付け、取付ボルト4b・・にナット4c及び蝶ナット4dを螺着し、ナット4c及び蝶ナット4dの弛緩及び締付回動により取付ボルト4b・・の側フレーム1a・1aからの突出量を調節し、これにより側ガイド部材4・4は左右方向に位置調節自在に設けられ、さらに、この場合、上ガイド部材5・・は上下位置調節機構5dにより上下方向に位置調節自在に設けられ、この上下位置調節機構5dにあっては、図5の如く、上記支持枠5cの横杆5a・5aに摘子ボルト5e・5e・・を螺着し、側フレーム1a・1aにそれぞれ上下方向に延びる長穴5f・5fを形成し、横杆5a・5aと摘子ボルト5e・5e・・とにより側フレーム1a・1aの長穴5f・5fの縁部を挟持し、摘子ボルト5e・5e・・の弛緩締付回動により長穴5f・5fに沿って上記支持枠5cを上下調節し、これにより上ガイド部材5・・は上下方向に位置調節自在に設けられ、さらに、この場合、上記上導水管2は位置調節機構2aにより上下方向に位置調節自在に設けられ、この位置調節機構2aにあっては、図3図5の如く、上導水管2の左右端部に取付板2b・2bを形成し、上記側フレーム1a・1aに取付板2b・2bを図3の下方位置2及び図10の上方位置2に取付ボルト2c・2cにより着脱自在に取付けて構成され、これにより上導水管2を上下方向に、この場合、2段階に位置調節自在に設けられている。
【0017】
又、この場合、上記搬送機構Aとして、図1図2図3図4の如く、上記育苗箱Qの搬送経路Lの入口側Lから出口側L、戻り側を経て再び入口側Lへと循回可能な搬送チェーン7が複数個のスプロケット7b・・・により配設され、搬送チェーン7を循回させる搬送用モータ8が設けられ、搬送チェーン7に上記育苗箱Qの前後の端辺部Qを押送搬送可能な押送部7a・・が複数個、この場合、3個所定ピッチで配置され、又、この場合、図1の如く、上記搬送機構Aの搬送用モータ8の回転速度を制御可能な速度制御手段9が設けられている。
【0018】
又、この場合、図5の如く、上記上導水管2に高圧の洗浄水Wを供給可能な圧送ポンプPの吐出口Pが送水管Tに接続され、送水管Tはカバー部材1bに取り付けられ、上導水管2と下導水管3は接続管Kにより接続され、洗浄機体1の上記上導水管2及び上記下導水管3の下方位置に洗浄水Wの受樋部10が配設され、受樋部10に排水管Tを介して洗浄水Wの貯水部11が接続され、貯水部11に上記圧送ポンプPの吸込口Pを接続して構成している。
【0019】
又、この場合、図6図7図8図9の如く、上記各噴射ノズルN・・は洗浄水Wが扇角度θ、この場合、略60度の薄膜扇形状Wθに噴射される構造とされ、この複数個の噴射ノズルN・・は洗浄水Wの薄膜扇形状Wθの膜厚Wの噴出軸線O・・が上導出管2及び下導出管3の管軸線Dに対して傾角α、この場合、相互に逆向きの約15度の傾角αをもって各膜厚W・・が相互に平行配列して配設されて構成されている。
【0020】
この実施の形態例は上記構成であるから、図1乃至図4の如く、例えば、図12に示すセルトレイ状の育苗箱Qの洗浄作業にあっては、育苗箱Qを複数個の凹部状のポット部S・・が下方に開口する裏返状態で搬送経路Lの入口側Lに人為的又は自動的に供給し、育苗箱Qの表面側としての底面部Qは下ガイド部材6・6上に載置され、上記搬送機構Aの搬送チェーン7が搬送用モータ8により循回移送して押送部7aは育苗箱Qの後部の端辺部Qを押送し、育苗箱Qは出口側Lに向けて図中矢印方向の搬送方向Fに押送水平搬送され、これらの搬送経路Lの途中において、洗浄水機構Cの上導水管2及び下導水管3に配列された複数個の噴射ノズルN・・から高圧の洗浄水Wが噴射され、育苗箱Qの裏面側としての上面部Q及び表面側としての底面部Qは洗浄されることになる。
【0021】
この際、上記育苗箱Qを搬送案内する案内機構Bとして、上記育苗箱Qの搬送方向F左右両側位置に育苗箱Qの両側辺部Q・Qを搬送案内可能な側ガイド部材4・4、育苗箱Qの上方位置に育苗箱Qの裏面側としての上面部Qを搬送案内可能な上ガイド部材5・・、及び育苗箱Qの下方位置に育苗箱Qの表面側としての底面部Qを搬送案内可能な下ガイド部材6・6がそれぞれ配設され、側ガイド部材4・4は左右方向に位置調節自在に設けられ、上ガイド部材5・・は上下方向に位置調節自在に設けられ、上記上導水管2は上下方向に位置調節自在に設けられているから、各種の幅及び高さの異なる育苗箱Qであっても確実に搬送案内することができ、育苗箱Qに付着する泥土を確実に除去洗浄することができ、洗浄作業を良好に行うことができると共に洗浄作業性を向上することができる。
【0022】
又、例えば、図13に示すセルトレイ状の育苗箱Qの洗浄作業にあっては、図10の如く、育苗箱Qの側辺部Q・Q間の幅寸法及び上面部Qの高さに対応して上記側ガイド部材4・4及び上ガイド部材5・・を位置調節すると共に上記上導水管2を位置調節し、育苗箱Qを複数個の凹部状のポット部S・・が下方に開口する裏返状態で搬送経路Lの入口側Lに人為的又は自動的に供給し、育苗箱Qの表面側としての底面部Qは下ガイド部材6・6上に載置され、上記搬送機構Aの搬送チェーン7が搬送用モータ8により循回移送して押送部7aは育苗箱Qの後部の端辺部Qを押送し、育苗箱Qは出口側Lに向けて図中矢印方向の搬送方向Fに押送水平搬送され、これらの搬送経路Lの途中において、洗浄水機構Cの上導水管2及び下導水管3に配列された複数個の噴射ノズルN・・から高圧の洗浄水Wが噴射され、育苗箱Qの裏面側としての上面部Q及び表面側として底面部Qは洗浄されることになる。
【0023】
又、例えば、図14に示す箱トレイ状の育苗箱Qの洗浄作業にあっては、図11の如く、育苗箱Qの側辺部Q・Q間の幅寸法及び上面部Qの高さに対応して上記側ガイド部材4・4及び上ガイド部材5・・を位置調節すると共に上記上導水管2を位置調節し、育苗箱Qを搬送経路Lの入口側Lに人為的又は自動的に供給し、育苗箱Qの底面部Qは下ガイド部材6・6上に載置され、上記搬送機構Aの搬送チェーン7が搬送用モータ8により循回移送して押送部7aは育苗箱Qの後部の端辺部Qを押送し、育苗箱Qは出口側Lに向けて図中矢印方向の搬送方向Fに押送水平搬送され、これらの搬送経路Lの途中において、洗浄水機構Cの上導水管2及び下導水管3に配列された複数個の噴射ノズルN・・から高圧の洗浄水Wが噴射され、育苗箱Qの上面部Q及び底面部Qは洗浄されることになる。
【0024】
したがって、図12図13に示すセルトレイ状の育苗箱Qや、図14に示す箱トレイ状の育苗箱Q、幅及び高さの異なる各種の育苗箱Qであっても、上記育苗箱Qの搬送方向F左右両側位置に育苗箱Qの両側辺部Q・Qを搬送案内可能な側ガイド部材4・4、育苗箱Qの上方位置に育苗箱Qの上面部Qを搬送案内可能な上ガイド部材5・・、及び育苗箱Qの下方位置に育苗箱Qの底面部Qを搬送案内可能な下ガイド部材6・6がそれぞれ配設され、側ガイド部材4・4は左右方向に位置調節自在に設けられ、上ガイド部材5・・は上下方向に位置調節自在に設けられ、上記上導水管2は上下方向に位置調節自在に設けられているから、各種の幅及び高さの異なる育苗箱Qであっても確実に搬送案内することができ、育苗箱Qに付着する泥土を確実に除去洗浄することができ、洗浄作業を良好に行うことができると共に洗浄作業性を向上することができる。
【0025】
又、この場合、上記搬送機構Aとして、図3図4の如く、上記育苗箱Qの搬送経路Lの入口側Lから出口側L、戻り側を経て再び入口側Lへと循回可能な搬送チェーン7が配設され、搬送チェーン7を循回させる搬送用モータ8が設けられ、搬送チェーン7に上記育苗箱Qを押送搬送可能な押送部7a・・が複数個所定ピッチで配置されてなるから、育苗箱Qの供給、搬送及び取出を容易に行うことができ、洗浄作業性を向上することができ、搬送機構Aの構造を簡素化することができ、又、この場合、上記搬送機構Aの搬送用モータ7の回転速度を制御可能な速度制御手段9が設けられているから、育苗箱Qの搬送速度を調節することができ、各種の育苗箱Qの大きさや噴射ノズルN・・からの洗浄水Wの噴射状況に対応することができ、円滑かつ確実に洗浄することができ、洗浄作業性を向上することができる。
【0026】
又、この場合、図3図5図10の如く、上記上導水管2及び下導水管3に高圧の洗浄水Wを供給可能な圧送ポンプPの吐出口Pが接続され、上導水管2及び下導水管3の下方位置に洗浄水Wの受樋部10が配設され、受樋部10に洗浄水Wの貯水部11が接続され、貯水部11に上記圧送ポンプPの吸込口Pを接続してなるから、洗浄水Wを繰り返して使用することができ、洗浄水Wを有効利用することができ、洗浄作業の場所に制約されることがなくなり、使用の融通性を図ることができ、又、この場合、上記各噴射ノズルN・・は洗浄水Wが薄膜扇形状Wθに噴射される構造とされ、複数個の噴射ノズルN・・は洗浄水Wの噴射形状の膜厚Wが相互に平行配列して配設されてなるから、隣り合う噴射ノズルN・Nからの洗浄水Wの干渉を防ぐことができ、洗浄水Wは育苗箱Qの上面部Q及び底面部Qに確実に衝突して洗浄作業を良好に行うことができる。
【0027】
尚、本発明は上記実施の形態例に限られるものではなく、育苗箱Q、搬送機構A、案内機構B、洗浄水機構C、洗浄水W、噴射ノズルN、搬送経路L、側辺部Q、上面部Q、底面部Q、薄膜扇形状Wθ、膜厚W、上導水管2、下導水管3、側ガイド部材4・4、上ガイド部材5、下ガイド部材6・6、速度制御手段9、受樋部10、貯水部11の構造や形状、数等は適宜変更して設計されるものである。
【0028】
以上、所期の目的を充分達成することができる。
【符号の説明】
【0029】
Q 育苗箱
側辺部
上面部
底面部
A 搬送機構
B 案内機構
C 洗浄水機構
F 搬送方向
L 搬送経路
入口側
出口側
W 洗浄水
θ 薄膜扇形状
膜厚
N 噴射ノズル
P 圧送ポンプ
吐出口
吸込口
2 上導水管
3 下導水管
4 側ガイド部材
5 上ガイド部材
6 下ガイド部材
7 搬送チェーン
7a 押送部
8 搬送用モータ
9 速度制御手段
10 受樋部
11 貯水部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14