特許第6919069号(P6919069)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6919069
(24)【登録日】2021年7月27日
(45)【発行日】2021年8月11日
(54)【発明の名称】気圧エンジン
(51)【国際特許分類】
   F01D 1/06 20060101AFI20210729BHJP
【FI】
   F01D1/06
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-519168(P2020-519168)
(86)(22)【出願日】2018年5月24日
(65)【公表番号】特表2020-523522(P2020-523522A)
(43)【公表日】2020年8月6日
(86)【国際出願番号】CN2018088142
(87)【国際公開番号】WO2018228158
(87)【国際公開日】20181220
【審査請求日】2019年12月16日
(31)【優先権主張番号】201710458557.3
(32)【優先日】2017年6月16日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519448049
【氏名又は名称】▲傳▼孚科技(厦▲門▼)有限公司
【氏名又は名称原語表記】TRANF TECHNOLOGY (XIAMEN) CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100181021
【弁理士】
【氏名又は名称】西尾 剛輝
(72)【発明者】
【氏名】▲許▼水▲電▼
(72)【発明者】
【氏名】李延福
(72)【発明者】
【氏名】曾景▲華▼
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼智敏
(72)【発明者】
【氏名】金▲凱▼▲しん▼
(72)【発明者】
【氏名】▲許▼涛
(72)【発明者】
【氏名】潘建臣
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼建明
【審査官】 高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第01216162(US,A)
【文献】 特開昭52−041747(JP,A)
【文献】 特開平10−047002(JP,A)
【文献】 特表2014−513243(JP,A)
【文献】 特開2005−188378(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 1/06
F02C 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転外輪、中間軸及び直接駆動動力コアを含み、前記回転外輪、直接駆動動力コアは中間軸に同軸に設けられ、回転外輪は中間軸と直接駆動動力コアに対して回転し、前記中間軸にメイン入気口とメイン排気口が設けられ、直接駆動動力コアに入気流路、排気流路が設けられ、回転外輪の内周面には複数の駆動溝が設けられ、圧縮ガスは中間軸のメイン入気口から入り、直接駆動動力コアの入気流路から噴出し、外輪の駆動面上に作用し、回転外輪を押す推力を発生し、最後に直接駆動動力コアの排気流路を通して圧縮ガスがメイン排気口に戻り、速度とトルクが連続的に出力され
前記直接駆動動力コアの入気流路の方向は、中央から外側へ延びる対数螺旋線であり、
前記駆動溝は輪郭底面と駆動面を有し、前記輪郭底面の輪郭線は対数螺旋線であり、前記輪郭底面の輪郭線は前記直接駆動動力コアの入気流路の走向の延長線である、ことを特徴とする気圧エンジン。
【請求項2】
前記回転外輪は側板を介して中間軸に結合され、且つ密閉空間を形成し、密閉空間の内部に直接駆動動力コアが段階的に設けられ、多段動力出力装置を形成することができることを特徴とする請求項1に記載の気圧エンジン。
【請求項3】
前記対数螺旋線の極点は中間軸の軸線に設けられ、対数螺旋線の走向角は2−15°であることを特徴とする請求項に記載の気圧エンジン。
【請求項4】
前記直接駆動動力コアに1本以上の入気流路及び対応する排気流路が設けられることを特徴とする請求項1に記載の気圧エンジン。
【請求項5】
前記回転外輪の内周面において、極点が中間軸の軸線に設けられている駆動溝が2つ以上設けられることを特徴とする請求項1に記載の気圧エンジン。
【請求項6】
前記中間軸は、少なくとも1つのメイン入気口と1つのメイン排気口を有し、また少なくとも1つの段階的入気口と1つの段階的排気口を有し、
段階的入気口と直接駆動動力コアの入気流路が連通し、段階的排気口と直接駆動動力コアの排気流路が連通し、
圧縮ガスは中間軸のメイン入気口を通して前記段階的入気口に入り、圧縮ガスは最後に直接駆動動力コアの排気流路を通して前記段階的排気口に入ってからメイン排気口に戻る、ことを特徴とする請求項1に記載の気圧エンジン。
【請求項7】
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の気圧エンジンを含むことを特徴とする気圧エンジン組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエンジンに関し、主に気圧エンジンに関する。
【背景技術】
【0002】
大気汚染は世界的な環境問題となっており、世界中の主要都市では、自動車の排ガスが大気汚染の主な原因となっているため、新エネルギー自動車が継続的に探索されている。電力、水素エネルギー、太陽エネルギー、風力、原子力、バイオマスエネルギー、ガスエネルギーなど、無限の知恵が湧いてくるが、そのうち空力車が最も注目されている。
【0003】
空力車は、気圧エンジンにより、圧力エネルギーを機械的エネルギーに変換して、車両を前進させるように駆動する。初期の気圧エンジンは、蒸気エンジンのような構造を用い、体積がかさばり、作業効率が低く、実際の使用上の要件を満たすことができない。現在は、構造がコンパクトであり、効率的で信頼できる小型気圧エンジンの開発を研究方向とする。現在の世界中に、中国に加えて、米国、英国、フランスなどの国家は気圧エンジン及び気動車の研究を行っているが、試験、即ち試作段階にあるものが多く、商業上に大規模に使用されていない。
【0004】
アメリカ合衆国エネルギー省の援助の下で、米国のワシントン大学は1997年に液体窒素を動力とする空力プロトタイプカーを開発した。それが使用した空気エンジンは、古い直列5気筒エンジンを改良したものである。米国の州立のノーステキサス大学は州現金技術プロジェクト基金の支援の下で、液体窒素動力車について研究し、液体窒素が熱交換器を介して得た高圧の窒素ガスを、ベーン式空気モータに供給し、機械的仕事に変換して車両を走行させるように駆動する。タンクに48ガロン(約182L)の液体窒素が満ちる場合は、20kmphの時速で15km走行し、非効率的である。
【0005】
英国ロンドンのウェストミンスター大学のC.J.Marquand教授は、試験型の2段偏心ベーン式空気エンジンを設計し、該空気エンジンは重量が50KGであり、動作圧力が4.5MPaであり、2段にそれぞれ12個のベーンが設けられた偏心ベーンローターを用いるものであり、該空気エンジンにはヒートパイプ式熱交換システムが利用され、高圧の圧縮空気がエンジンに入る前に、周囲の空気からの熱を吸収するために、長いチューブ型のアルミ製熱交換器で部分的に膨張される必要があり、結局的に、非効率性は依然として当該エンジンの問題である。
【0006】
1991年、フランス人のエンジニアGury Negreは圧縮空気エンジンの特許を取得したが、その動作原理は、車内に蓄えられた高圧の圧縮空気を用いてエンジンシリンダー内のピストン運動を駆動して車が前進するように駆動することであり、これは本当の空力車に最も近いものである。Gury Negreのリーダーシップの下で、フランスのMDI会社が空気自動車の研究を目的として設立され、その研究成果がインドのTATA集団のAIRPOD空力車に適用され、車の長さは2.13メートルであり、車の重量は275キログラムであり、最大乗客数は3人であり、最高時速は70キロメートルである。車には30MPaの圧縮空気を入れることができるタンクが内蔵され、容量が175リットルであり、1回の十分な空気入れで、最大の走行距離は200キロメートル程度である。
【0007】
中国国内では、空力車についての研究が遅れ、製品試験段階に入るものも少なく、中国中央テレビ(CCTV)は2015年5月に祥天空力車について報道した。その動作原理から見れば、祥天空力バスのパワートランスミッションは、「圧縮空気−エンジン−発電機−電動機」という一連の流れを経て、それはヨーロッパのMDI(フランス人のエンジニアGury Negreによって設立された)の空力車よりも複雑であるため、その過程でより多くのエネルギーが失われる。このため、空力車の鍵は、空気(ガス)エンジンの効率にかかっている。
【0008】
ほとんどの空気エンジンは、既存のピストンエンジン又はベーンポンプに基づいて用いられ、且つ熱交換器によって受熱してエネルギー変換を実現し、動力の出力を実現し、構造が複雑であるだけでなく、非効率的であるため、航続上の要件が満足しにくい。
【0009】
中国文献CN201410167469.4は、インペラ室とインペラとを含む可変圧力ジェットエアエンジンを開示し、インペラ室には、圧縮ガスを吹き込むための吹込み孔と圧縮ガスを噴出するための排気孔とが設けられ、インペラは回転軸を介してインペラ室内に設けられ、インペラは回転周面に沿って等分して設けられたインペラ歯部を含み、インペラの回転周面とインペラ室の内面とエアギャップで結合し、インペラ室の内面にはさらに可変圧力ジェット溝が設けられ、インペラの回転方向に沿って可変圧力ジェット溝と隣接する吹込み孔との間の距離が1つの歯部のピッチよりも大きく、あるインペラ歯部の歯端部が可変圧力ジェット溝の位置に回転した時、当該インペラ歯部の前後にある2つの作業室が、前記可変圧力ジェット溝を介して連通する。可変圧力ジェット溝を設けることにより、吹込み孔から吹き込まれたガスは排気孔から噴出される前に再作業することができる。該文献の目的は、エンジンのエネルギー効率と動力を向上させることであるが、該構造はベーンポンプに似ており、非効率的である。また、該可変圧力ジェット溝の設置により、該エアエンジンは回転数が低く、甚だしくは回転できないようになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、従来技術の欠点を考慮して、圧縮ガスが直接駆動動力コアを介して回転外輪の駆動溝を駆動し、回転外輪を押す推力を発生し、動力の出力を実現する気圧エンジンを提供し、簡単な構造、高い伝達効率、強い航続力、省エネルギー及び環境保護などの利点を有する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
気圧エンジンであって、回転外輪、中間軸及び直接駆動動力コアを含み、前記回転外輪、直接駆動動力コアは中間軸に同軸に設けられ、回転外輪は中間軸と直接駆動動力コアに対して回転し、前記中間軸にメイン入気口とメイン排気口が設けられ、直接駆動動力コアに入気流路、排気流路が設けられ、回転外輪の内周面には複数の駆動溝が設けられ、圧縮ガスは中間軸のメイン入気口から入り、直接駆動動力コアの入気流路から噴出し、外輪の駆動面上に作用し、回転外輪を押す推力を発生し、最後に直接駆動動力コアの排気流路を通して圧縮ガスがメイン排気口に戻り、速度とトルクが連続的に出力される。
【0012】
さらに、前記回転外輪は側板を介して中間軸に結合され、且つ密閉空間を形成し、密閉空間に直接駆動動力コアが段階的に配置され、多段動力出力装置を形成することができる。
【0013】
さらに、前記直接駆動動力コアの入気流路の走向は、中央から外側へ延びる螺旋線である。
【0014】
さらに、前記直接駆動動力コアの入気流路の走向は、中央から外側へ延びる対数螺旋線であり、該対数螺旋線の極点は中間軸の軸線に配置され、対数螺旋線の走向角は2−15°である。
【0015】
さらに、前記直接駆動動力コアに1本以上の入気流路及び対応する排気流路が設けられる。
【0016】
さらに、前記回転外輪の内周面において、輪郭線が対数螺旋線であり、且つ極点が中間軸の軸線に設けられている輪郭底面と駆動面を有する駆動溝が2つ以上設けられる。
【0017】
さらに、前記中間軸は、少なくとも1つのメイン入気口と1つのメイン排気口を有し、また少なくとも1つの段階的入気口と1つの段階的排気口を有する。
【0018】
さらに、段階的入気口と直接駆動動力コアの入気流路が連通し、段階的排気口と直接駆動動力コアの排気流路が連通する。
【0019】
さらに、気圧エンジン組立体は上記の気圧エンジンを含む。
【発明の効果】
【0020】
本発明の気圧エンジンは、構造が簡単であり、伝達効率が高く、航続力が強い。乗物、発電機器及び動力出力装置を必要とする各分野で幅広く利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の気圧エンジンの構造図である。
図2】本発明の直接駆動動力コアA-A断面図である。
図3】本発明の直接駆動動力コアB-B断面図である。
図4】本発明の多段直接駆動動力コアの概略図である。
図5】エンジン組立体の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明についてさらに説明する。
【実施例1】
【0023】
図1図3に示すように、気圧エンジンであって、回転外輪1、中間軸2及び直接駆動動力コア3を含み、回転外輪1、直接駆動動力コア3は中間軸2に同軸に設けられ、回転外輪1は中間軸2と直接駆動動力コア3に対して回転し、中間軸2と直接駆動動力コア3は固定されている。前記中間軸2にメイン入気口21とメイン排気口22が設けられ、直接駆動動力コア3に入気流路31、排気流路32が設けられ、回転外輪1の内周面には複数の駆動溝11が設けられ、圧縮ガスは中間軸のメイン入気口21から入り、直接駆動動力コア3の螺旋状入気流路31から噴出され、回転外輪1の駆動面a上に作用し、回転外輪1を押す推力を発生し、最後に直接駆動動力コア3の排気流路32を通して圧縮ガスがメイン排気口22に戻り、速度とトルクが連続的に出力される。
【0024】
回転外輪1は、左右バッフル4、5を介して中間軸2に結合され、左右サポートバッフルは、本発明の回転外輪1と結合する側板であり、且つ密閉空間を形成し、密閉空間に直接駆動動力コア3が段階的に配置され、多段動力出力装置を形成することができる。
【0025】
直接駆動動力コア3の入気流路31の中心から外側に延びる走向は対数螺旋線であり、前記対数螺旋線の極点は中間軸2の中心軸線上に配置され、対数螺旋線の圧力角が一定である特性のため、噴射プロセスでの圧縮ガスの損失を最小化させ、また圧縮ガスが駆動溝11に同じ時間と推力で作用し、円滑に伝動することを確保することができる。対数螺旋線の走向角は、圧縮ガスの噴射角度を決定し、その大きさは、回転外輪1の駆動速度及び回転モーメントに影響を与える。走向角が大きすぎると、回転外輪1の接線方向における駆動力の分力が小さくなり、甚だしくは回転できない現象もあり、走向角が小さすぎると、外輪の駆動面aの力を受ける面積が小さすぎ、回転駆動力も小さい。従って、対数螺旋線の走向角は2−15°であることが好ましい。また、対数螺旋線の走向角は、直接駆動動力コア3の噴射口33により同時に作用される駆動溝11の数を決定し、1つの噴射口33は2つの駆動溝を同時に駆動してもよく、3つを駆動してもよく、必要に応じて設計することができる。
【0026】
回転外輪1の内周面において、輪郭線が対数螺旋線であり、且つ極点が中間軸2の軸線に設けられている輪郭底面bと駆動面aを有する駆動溝11が2つ以上設けられる。輪郭底面bの輪郭線も対数螺旋線である直接駆動動力コア3の入気流路31の走向の延長線であってもよい。回転外輪1の駆動溝11の力受けが一致し且つ力受けの方向が駆動面aに向いていることを確保し、回転外輪1の円滑な回転を確保する。
【0027】
直接駆動動力コア3には、回転外輪1の内周面に設けられた駆動溝11の数と一致する1本以上の入気流路及び対応する排気流路が設けられ、2本、3本、又は4本、又はより多数の入気流路を有してもよく、排気流路はそれに対応的に設けられる。主に、圧縮ガスにより駆動される回転外輪1の回転の連続性と円滑性、且つ回転速度等のパラメータとの対応マッチングすることにより、より高い回転速度とトルクを得て、且つ連続的で円滑に出力することができると考えられるためである。
【0028】
中間軸上の入気口は、少なくとも1つのメイン入気口と少なくとも1つの段階的入気口を有し、排気口は、1つのメイン排気口と少なくとも1つの段階的排気口を有する。
【0029】
前記中間軸は、少なくとも1つのメイン入気口と1つのメイン排気口を有し、また少なくとも1つの段階的入気口と1つの段階的排気口を有する。段階的入気口と直接駆動動力コアの入気流路が連通し、段階的排気口と直接駆動動力コアの排気流路が連通する。気圧エンジンの圧縮ガスは、中間軸2のメイン入気口を通して段階的入気口に入り、入気流路を通して回転外輪を駆動した後、小さい圧力で段階的排気口に入り、最後に中間軸2のメイン入気口から排出される。
【0030】
気圧エンジン組立体は上記の気圧エンジンを含む。
【実施例2】
【0031】
図2図4に示すように、気圧エンジンであって、回転外輪1、中間軸2、1段直接駆動動力コア3、2段直接駆動動力コア7及び左右サポートバッフル4、5を含み、前記回転外輪1、1段直接駆動動力コア3、2段直接駆動動力コア7及び左右サポートバッフル4、5は中間軸2に同軸に設けられ、左右サポートバッフルは、本発明の回転外輪とバッフルする側板であり、前記回転外輪1は左右サポートバッフル4、5と一体に連結され、軸受6を介して中間軸2に結合して連結され、仕切り板8を介して区切られて2段の密閉空間が形成され、前記中間軸2にメイン入気口21とメイン排気口22が設けられ、1段直接駆動動力コア3及び2段直接駆動動力コア7に入気流路31と71、排気流路32と72が設けられ、回転外輪1の内周面には複数の駆動溝11が設けられ、圧縮ガスは、中間軸2のメイン入気口21から入り、そして1段入気口を通して1段直接駆動動力コア3の入気流路31に流れ、ガスは外輪の駆動面a上に作用し、そして1段直接駆動動力コア3の排気流路32を通して2段直接駆動動力コア7の入気流路71に入り、このとき、気圧は95%まで低下して外輪の駆動溝11の表面に再作用し、回転外輪1を押す推力を発生し、最後に圧縮ガスは直接駆動動力コア7の排気流路72を通してメイン排気口22に戻り、速度とトルクが連続的に出力される。
【0032】
負荷上の要件に応じてエンジンを設計してもよく、直接駆動動力コア3を2段、3段、又は多段に段階的に設置してもよく、作動圧力は1段当たり5%下がり、すなわち前の段階の95%の圧力が次の段階に入って仕事をし、エネルギーを十分に活用し、使用効率を最大限に向上させ、これによって出力トルクと回転数上の要件を満たす。
【0033】
図5に示すように、気圧エンジン組立体は、1つ又は複数の気圧エンジン100によってフライホイール101を駆動することができ、入気圧力及び流量の調節と合わせて、出力トルク及び速度の変化を達成し、様々な道路状況の要件を満たす。
【実施例3】
【0034】
アウディ2.5LV6と一致するプロトタイプを設計する。
1.主なパラメータは以下のとおりである。
a)ソースガス:200Lの液体窒素、
b)気圧エンジンの駆動溝の直径:Φ108mm、回転外輪ギアの直径Φ136mm、
c)気圧エンジンの数:3つ、
d)回転外輪駆動溝の断面寸法:1段目20mm×8mm(長さ×高さ)、2段目20mm×8mm(長さ×高さ)、3段目16mm×8mm(長さ×高さ)、4段目12mm×8mm(長さ×高さ)、
e)フライホイールの直径:Φ244.8mm、
f)単一の気圧エンジンの質量:9kg、そのうち回転外輪の質量:8kg、
g)フライホイールの質量:20kg、
h)気圧エンジン組立体の質量:70Kg(3つの気圧エンジン、フライホイール及びベースなど、アタッチメントを含む)。
2、トルク
(1)気圧エンジン(気圧が0.6MPaである場合は、回転速度3000r/min)の2つの駆動溝が力を受ける。
単一の気圧エンジンの1段目のガス衝撃トルク Nガス1=10.4N・m、
単一の気圧エンジンの2段目のガス衝撃トルク Nガス2=9.8N・m、
単一の気圧エンジンの3段目のガス衝撃トルク Nガス3=7.5N・m、
単一の気圧エンジンの4段目のガス衝撃トルク Nガス4=5.3N・m、
単一の気圧エンジンの外輪の慣性モーメント N慣性=11.7N・m、
単一の気圧エンジンのトルク N=33+11.7=44.7N・m。
(2)フライホイール(フライホイールの回転速度n=1666r/min)
フライホイールの気圧エンジンによって駆動されたトルク Nフライホイール=44.7*1.8*3=241.3N・m、
フライホイールの慣性モーメント N慣性=18.2N・m。
(3)エンジン組立体の出力総トルク
エンジンの出力総トルク N出力=241.3+18.2=259.5N・m。
そのトルクはアウディA6L2.5V6エンジン250N・mと一致する。
【0035】
本実施例は、ソースガスとして200Lの液体窒素を使用し、液体窒素の膨張係数は800(0℃、1大気圧)であり、4ボトルの圧力20MPa、容積200Lの圧縮窒素、すなわち34ボトルの12MPa、容積40Lのプロトタイプのソースガスに相当する。ソースガスが0.6MPaで動作する場合は、約408分間、すなわち6.8時間連続して使用することができる。80KM/hの時速で計算すると、走行距離は約544KMに達することができ、それから算出した走行距離は既存の研究よりはるかに大きい。液体窒素の価格は1元/kgであり、200L満たすと約160Kgであり、価格は約160元で、1キロメートルあたり約0.3元に相当する。ソースガスとして液体空気を使用すれば、コストをさらに削減することができる。
【0036】
本発明の気圧エンジンは、元のピストンエンジン又はベーンポンプに基づいて改修して利用する方法を完全に変更し、新規なエンジン原理を発明する。それは構造が簡単であるだけでなく、さらに高い効率及び強い航続力などの利点を有する。環境にやさしく、温室効果を減らし、PM2.5を低減し、また、多くの補助的に利用されてもよく、経済的利益及び社会的利益が著しい。自動車、オートバイ、自転車などの乗物、発電機器及び動力出力装置を必要とする各分野で幅広く利用できる。
【0037】
以上の説明は、本発明の技術的内容の実施例に過ぎず、当業者が本発明を用いて行ったあらゆる変形や変更はいずれも本発明の特許請求の範囲に属し、実施例に開示されたものに限定されるものではない。
図1
図2
図3
図4
図5