(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1A-1C】経皮対皮下経路により投与されたアバロパラチドの様々な製剤の薬物動態プロファイルである。
図1A:アバロパラチド−SC処置の1つの可能な生物学的均等性「ウィンドウ」であり、縦軸上のスケール%は、それ自体の最大(C
max)、すなわち、100=C
maxの%により表される血漿アバロパラチド濃度を示し、本明細書において、以降「正規化血漿濃度」と呼ばれる。
図1B:ZnCl
2を含むアバロパラチドの調製製剤を使用したサルへの経皮送達であり、縦軸は、正規化ペプチド血漿濃度を示す。
図1C:PEGを含むアバロパラチドの調製製剤を使用した経皮送達である。
【
図2】経皮対皮下経路(SC)により投与されたアバロパラチドの製剤の薬物動態プロファイルである。経皮送達用のアバロパラチドのアバロパラチド調製製剤は、ZnCl
2またはPEGを含まなかったが、(PBS緩衝液のみ)SCと比較した経皮送達の極めて迅速なC
max、および送達の増加する拍動性に留意されたい。四角:経皮送達(TD);および菱形:アバロパラチド−SC処置。健常な閉経後の女性における投与であり、縦軸上の%スケールは、各群のC
maxの%により表されるアバロパラチドの正規化血漿濃度を示す。
図3〜
図24は、腹部へのsc投与、PBS緩衝液(1倍)のみを伴うtd150ug、および凡例に示されるパッチに使用された用量(約100、150、または200ugのアバロパラチド)による約0.7M(「M」は、コーティング溶液中のアバロパラチドに対する賦形剤のモル比、例えば、コーティング溶液中のZnCl
2対アバロパラチドとして全体を通して定義される)のコーティング溶液を含む溶液から調製されたZnCl
2賦形剤を伴うtdである。TDパッチは腹部に貼付する。
【
図3】経皮(TD)対皮下(SC)経路により投与されたアバロパラチドの薬物動態プロファイルであり、健常な閉経後の女性における、中央血漿アバロパラチド濃度の経度対投与後の時間である。
【
図4】経皮対皮下経路により投与されたアバロパラチドの製剤の薬物動態プロファイルであり、健常な閉経後の女性における、中央血漿アバロパラチド濃度対投与後の時間である。
【
図5】経皮対皮下経路により投与されたアバロパラチドの製剤の薬物動態プロファイルであり、健常な閉経後の女性における、中央血漿アバロパラチド濃度の経度対投与後の時間である。
【
図6】経皮対皮下経路により投与されたアバロパラチドの製剤の薬物動態プロファイルであり、健常な閉経後の女性における、平均血漿アバロパラチド濃度対投与後の時間である。
【
図7】経皮対皮下経路により投与されたアバロパラチドの製剤の薬物動態プロファイルであり、健常な閉経後の女性における、用量正規化血漿アバロパラチド濃度の中央値の経度対投与後の時間である。
【
図8】経皮対皮下経路により投与されたアバロパラチドの製剤の薬物動態プロファイルであり、健常な閉経後の女性における、用量正規化血漿アバロパラチド濃度の中央値対投与後の時間である。
【
図9】経皮対皮下経路により投与されたアバロパラチドの製剤の薬物動態プロファイルであり、用量正規化血漿アバロパラチド濃度の平均値の経度対投与後の時間である。
【
図10】経皮対皮下経路により投与されたアバロパラチドの製剤の薬物動態プロファイルであり、健常な閉経後の女性における、用量正規化血漿アバロパラチド濃度の平均値対投与後の時間である。
【
図11】健常な閉経後の女性における、経皮対皮下経路により投与されたアバロパラチドの製剤のC
maxの比較である。
【
図12】健常な閉経後の女性における、経皮対皮下経路により投与されたアバロパラチドの製剤のC
maxの比較である。
【
図13】健常な閉経後の女性における、経皮対皮下経路により投与されたアバロパラチドの製剤のAUC
lastの比較である。
【
図14】健常な閉経後の女性における、経皮対皮下経路により投与されたアバロパラチドの製剤のAUC
lastの比較である。
【
図15】健常な閉経後の女性における、経皮対皮下経路により投与されたアバロパラチドの製剤のAUC
infの比較である。
【
図16】健常な閉経後の女性における、経皮対皮下経路により投与されたアバロパラチドの製剤のAUC
infの比較である。
【
図17】健常な閉経後の女性における、経皮対皮下経路により投与されたアバロパラチドの製剤のC
max/D(投薬毎のC
max)の比較である。
【
図18】健常な閉経後の女性における、経皮対皮下経路により投与されたアバロパラチドの製剤のC
max/D(投薬毎のC
max)の比較である。
【
図19】健常な閉経後の女性における、経皮対皮下経路により投与されたアバロパラチドの製剤のCL/Fの比較である。
【
図20】健常な閉経後の女性における、経皮対皮下経路により投与されたアバロパラチドの製剤のCL/Fの比較である。
【
図21】健常な閉経後の女性における、経皮対皮下経路により投与されたアバロパラチドの製剤のHL_Lambda_zの比較である。
【
図22】健常な閉経後の女性における、経皮対皮下経路により投与されたアバロパラチドの製剤のHL_Lambda_zの比較である。
【
図23】健常な閉経後の女性における、経皮対皮下経路により投与されたアバロパラチドの製剤のT
maxの比較である。
【
図24】健常な閉経後の女性における、経皮(腹部)対皮下経路により投与されたアバロパラチドの製剤のT
maxの比較である。
【
図25】選択された患者における経皮経路対健常な閉経後の女性における皮下用量により投与されたZnCl
2(0.7Mのコーティング溶液から)を含むアバロパラチド製剤の製剤の薬物動態プロファイルである。
【
図26】骨粗しょう症を有する閉経後の女性における経皮送達またはSC注射を介してアバロパラチドで処置された対象の腰椎における、ベースラインからのBMD変化のパーセントである。経皮送達には、PBS緩衝液(追加の賦形剤を加えない)を用いたアバロパラチド製剤を使用した。
【
図27】骨粗しょう症を有する閉経後の女性における経皮送達またはSC注射を介してアバロパラチドで処置された対象の全股関節における、ベースラインからのBMD変化のパーセントである。経皮送達には、PBS緩衝液(追加の賦形剤なし)を用いたアバロパラチド製剤を使用した。
【
図28】骨粗しょう症を有する閉経後の女性における経皮送達を介してアバロパラチドで処置された対象の局所耐性データである。経皮送達には、PBS緩衝液(追加の賦形剤なし)を用いたアバロパラチド製剤を使用した。
【
図29】健常な閉経後の女性(菱形)における、PBS緩衝液のみを含むアバロパラチド製剤を使用した経皮送達対皮下(四角)経路により投与されたアバロパラチドの製剤の薬物動態プロファイルである。SC投与と比較して、経皮送達における極めて迅速かつ拍動性である放出に留意されたい。
【
図30A-30B】骨粗しょう症を有する閉経後の女性における、経皮および皮下経路により投与されたアバロパラチドの製剤のPK/PD関係である。
図30A:経皮および皮下経路により投与されたアバロパラチドの製剤の、C
max対BMD改善(%)である。
図30B:経皮および皮下経路により投与されたアバロパラチドの製剤の、AUC対BMD改善(%)である。
【
図31】sc組み合わせコホート(80μg)、(200μgアバロパラチド+PBS緩衝液のみ(「第1世代」と表示))、および(200μgアバロパラチド+ZnCl
2)からのpK曲線の比較である。値は幾何平均である。
【
図32】sc処置された患者と比較した、(200μgアバロパラチド+ZnCl
2)で処置されている選択された個々の患者のpK曲線の比較である。値は幾何平均である。
【
図33】PEG3350NFおよび100μgのアバロパラチドが配合されたパッチを健常な閉経後の女性(N=12)の腹部に貼付した後の濃度−時間グラフであり、血漿濃度時点は算術平均である。
【
図34】PEG3350NFおよび150μgのアバロパラチドが配合されたパッチを健常な閉経後の女性(N=13)の腹部に貼付した後の濃度−時間グラフであり、血漿濃度時点は算術平均である。
【
図35】PEG3350NFおよび200μgのアバロパラチドが配合されたパッチを健常な閉経後の女性(N=14)の腹部に貼付した後の濃度−時間グラフであり、血漿濃度時点は算術平均である。
【
図36】PEG3350NFおよびZnCl
2、ならびに100μgのアバロパラチドが配合されたパッチを健常な閉経後の女性(N=8)の腹部に貼付した後の濃度−時間グラフであり、血漿濃度時点は算術平均である。
【
図37】PEG3350NFおよびZnCl
2、ならびに150μgのアバロパラチドが配合されたパッチを健常な閉経後の女性(N=7)の腹部に貼付した後の濃度−時間グラフであり、血漿濃度時点は算術平均である。
【
図38】PEG3350NFおよびZnCl
2、ならびに200μgのアバロパラチドが配合されたパッチを健常な閉経後の女性(N=8)の腹部に貼付した後の濃度−時間グラフであり、血漿濃度時点は算術平均である。
【
図39】サルにおける、アバロパラチドの様々な製剤のC
max(ピーク血漿濃度(pg/mL))の比較である。
【
図40】サルにおける、経皮対皮下経路により投与されたアバロパラチドの様々な製剤のAUC(曲線下面積)の比較である。
【
図41】皮下経路(SC)または経皮投与(TD)により投与されたアバロパラチドの製剤の血漿濃度(pg/mL)の比較であり、経皮投与には、サルにおいて異なる経皮製剤を使用してコーティングされた経皮パッチを利用した。
【
図42】参照アバロパラチド80μgのsc用量と重ね合わせた、ZnCl
2を含有する経皮製剤におけるアバロパラチド投与のpKプロファイルである。幾何平均線周辺の網掛け領域は、90%信頼区間を表す
。
【
図43】
直径がA−Bで示される円形のパッチの図解である。
【0013】
表1 アバロパラチド−SC処置の生物学的均等性に関するTD−A32データのモデリング。
【0014】
表2 TD100μg、150μg、200μgでのTDアバロパラチド(コーティング溶液中のZnCl
2(アバロパラチドに対して0.7のモル比));SCアバロパラチド80μg(参照1);およびTDアバロパラチド150μg(PBS緩衝液のみ)のpK結果である。
【0015】
表3 TD100μg、150μg、200μgでのTDアバロパラチド(ZnCl
2(アバロパラチドに対して0.7のモル比)コーティング溶液);SCアバロパラチド80μg、参照1;およびTDアバロパラチド150μg(PBS緩衝液のみ)の、SC(参照2)に対するpK結果である。
【0016】
表4 TD100μgでのアバロパラチド(ZnCl
2(アバロパラチドに対して0.7のモル比)コーティング溶液)、TDアバロパラチド150μg、TDアバロパラチド200μg;SCアバロパラチド80μg(参照1);およびTD150μg(PBS緩衝液のみ)のpK結果であり、投与部位は腹部である。
【0017】
表5 経皮パッチを使用したアバロパラチドの経皮送達(PBSのみ)の第2相試験の設計である。
【0018】
表6 経皮パッチを使用したアバロパラチドの経皮送達(PBS緩衝液のみで、TD−50mcg、TD−100mcg、およびTD−150mcg)、およびアバロパラチドの皮下送達(SC−80mcg)の第2相試験のC
max、AUC、およびBMDの改善である。
【0019】
表7 80μgのscで処置された女性の参照群と比較した、TD製剤例8〜13の薬物動態パラメータである。幾何LSは、TDおよびscの平均および比である。
【0020】
表8 1つの研究コホートからの個人の薬物動態パラメータである。
【0021】
表9 1つの研究コホートからの個人の薬物動態パラメータである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
アバロパラチドは、配列番号1に記載の配列を有する合成PTHrP類似体である。アバロパラチドは、減少した骨吸収、より少ないカルシウム動員能、および改善された室温安定性と共に、強力な同化活性を示した(Obaidi 2010)。動物において行われた試験では、アバロパラチドの投与後の顕著な骨同化活性と共に、卵巣摘出誘発性骨粗しょう症ラットおよびサルにおける骨量減少の完全な逆転が実証された(Doyle 2013a;Doyle 2013b;Hattersley 2013)。アバロパラチドは、骨減少(例えば、グルココルチコイド誘発性骨減少)、骨粗しょう症(例えばグルココルチコイド誘発性骨粗しょう症)、および/または変形性関節炎の処置のための有望な同化剤として開発されている。
【0023】
80μgのアバロパラチドの皮下投与(本明細書において、以降「アバロパラチド−SC処置」と呼ばれる)は、プラセボに対して、新たな脊椎、非脊椎、大きな骨粗しょう症性および臨床的骨折の発生を著しく低減することが示されている。また、皮下アバロパラチド投与は、処置された対象の腰椎、全股関節、および大腿骨頸部における骨ミネラル濃度(BMD)および/または骨梁スコア(TBS)を改善することが示されている。ある特定の実施形態において、アバロパラチド−SC処置は、pH約4.5から5.6、または約5.1の酢酸緩衝液中のアバロパラチド(約2mg/mL)を含む水性製剤の皮下投与を含む。任意選択で、水性製剤は、フェノール(約5mg/mL)をさらに含む。これらの実施形態のある特定の例において、酢酸緩衝液は、酢酸で調整されたpH(例えば約4.5〜約5.6、または約5.1)を有する三水和酢酸ナトリウム(約5mg/mL)を含む。別段の記載がない限り、比較アバロパラチドsc用量には、患者の腹部の臍周囲領域に皮下的に送達される80μg用量を使用する。
【0024】
アバロパラチドの経皮投与は、そのより低い侵襲性のため、皮下投与の魅力的な代替法である。特に、その証明されているsc有効性から利益を得るために、皮下アバロパラチド投与と実質的に生物学的に均等であるかまたは生物学的に均等である経皮アバロパラチド投与を開発することが、一部の背景において有利であり得る。
【0025】
本明細書で開示されるように、予想外にも、アバロパラチドと、記載される賦形剤のうちの1つ以上とを含む調製製剤を用いて調製されたパッチを使用した経皮アバロパラチド投与により、scによって投与されるアバロパラチドの薬物動態プロファイルを改変できることが判明した。
【0026】
これらの所見に基づき、本明細書において、アバロパラチド製剤、これらの製剤を使用して調製された経皮パッチ、これらの調製製剤を含む経皮パッチ、これらのパッチを作製する方法、ならびに、アバロパラチドを経皮様式で投与し、骨粗しょう症、骨減少、および変形性関節炎を処置し、BMDを改善し、TBSを改善し、また対象における骨折を処置、予防、および低減するために、開示された調製製剤およびパッチを使用する方法が提供される。本明細書において提供される調製製剤、経皮パッチ、および方法のある特定の実施形態において、アバロパラチドの経皮送達は、約20μg〜約200μg、約40μg〜約120μg、約60μg〜約100μg、約70μg〜約90μg、または約80μgの投薬量で、アバロパラチドの皮下送達との実質的な生物学的均等性または生物学的均等性をもたらす。本明細書において提供される調製製剤、経皮パッチ、および方法のある特定の実施形態において、アバロパラチドの経皮送達は、アバロパラチド−SC処置と実質的に生物学的に均等または生物学的に均等である。
【0027】
本明細書において使用される場合、活性薬剤の2つの処置は、曲線下面積(AUC)および/または活性薬剤のピーク血清濃度(C
max)の比の90%信頼区間が、完全に80〜125%の範囲内に収まる場合、互いに生物学的に均等である。例えば、チャイニーズカニクイザルにおけるアバロパラチド−SC処置の生物学的均等性ウィンドウを示す
図1Aを参照されたい。血清アバロパラチド濃度は、C
maxのパーセンテージとして示される。
【0028】
本明細書において使用される場合、「実質的に」、「実質的」、または「本質的に」生物学的に均等であるという用語は、scアバロパラチド製剤、例えば、80ugのアバロパラチドsc製剤と、ほとんど完全にまたは完全に生物学的に均等であることを意味する。一実施形態において、製剤は、生物学的に均等な範囲内にある場合に、実質的にまたは本質的に生物学的に均等である。一実施形態において、生物学的に均等な範囲は、経皮送達用の特定の製剤における化合物の参照製剤に対する平均または幾何平均比の90%信頼区間が、AUC(
0−tおよび/または
0−inf)および/またはC
maxについて80%〜125%にあることを意味する。いくつかの実施形態において、参照製剤は、本明細書に記載の80μgのアバロパラチドのSC製剤である。ある特定の実施形態において、化合物、またはより具体的にはアバロパラチドの経皮送達は、実質的に生物学的に均等な範囲内に収まり、該範囲は、参照製剤および送達方法(例えば、SC)に対する試験製剤(および送達方法、例えば、TD)のAUC(
0−tおよび/または
0−inf)および/またはC
maxの90%信頼区間(CI)の平均または幾何平均について、50%〜200%、または60%〜147%、または60%〜167%、または65%〜141%、65%〜154%、70%〜136%、70%〜143%、または75%〜133%である。ある特定の実施形態では、信頼区間は、より狭くてもより広くてもよく、例えば70〜95%、または75%、80%、85%、90%、もしくは95%の信頼区間が該当し得る。いくつかの実施形態では、t
1/2および/またはt
maxは、生物学的均等性計算の成分であり、いくつかの実施形態では、本明細書に記載の信頼区間および範囲も同様に適用される。
【0029】
いくつかの実施形態において、参照に対する試験物質のバイオアベイラビリティは、上部および下部信頼区間を含む上限および下限によって定義され、以下の式として表すことができ、式中、Tは試験であり、Rは参照である。得られた比率に100%を乗じることで、信頼上限および下限が得られ、ここでは、所望の信頼区間(例えば90%)に従ってt
df1−α値が設定される。いくつかの実施形態において、生物学的均等性は、標準的な2方向交叉設計に従って確立される。
【数1】
【0030】
場合によっては、全体の生物学的均等性は、90%信頼区間の周辺の異なるパラメータを内に収める必要があることによって確立される。例えば、生物学的均等性は、AUCパラメータに関して80〜125%の範囲内に収まり、同時にCmaxを70〜143%の範囲内に収め、かつ依然として許容可能であることを必要とし得る。同様に、信頼区間は、状況に応じて変化し得る。通常、90%信頼ウィンドウが使用されるが、一部の事例においては、より低い信頼区間(例えば、85%または95%)が必要とされることもある。より広義には、特定の製品の特定の生物学的均等性の定義は、状況の特定の要件に従って調整され得る。
【0031】
本発明の一態様は、t
maxが本発明の賦形剤の実施形態によって影響されることである。本発明の多くの実施形態の1つの特徴は、経皮送達のt
maxを調節できることである。ある特定の実施形態において、t
maxは、賦形剤不含パッチ(例えば、PBS緩衝液のような緩衝液のみ)の投与と比較して増加する。いくつかの実施形態において、本発明の製剤実施形態を用いたアバロパラチドのヒトへの経皮投与により、t
maxは、本発明の製剤実施形態のうちの1つを有しないことを除いて同じ条件下にあるt
maxよりも大きくなる。いくつかの事例では、本発明の経皮パッチ実施形態の貼付後に、0.135時間超、または0.15時間超、または0.2時間超、0.3時間超、0.35時間超、または0.135時間〜0.45時間、または0.135時間〜0.4時間、または0.15時間〜0.4時間、0.2時間〜0.5時間、または0.2時間〜0.6時間の平均t
maxが達成される。ある特定の実施形態において、t
maxは中央値t
maxとして定義され得る。中央値t
maxとして表すと、本発明の実施形態は、0.1時間超、または0.16時間超、0.2時間超、もしくは0.3時間超、または約0.17時間、もしくは約0.33時間、または0.1時間〜0.4時間に達し得る。
【0032】
いくつかの態様において、本発明の実施形態は、投与された薬物、例えばアバロパラチドの見かけのt
1/2を増加させる方法を提供する。見かけのt
1/2は、本発明の製剤または賦形剤実施形態を含む経皮パッチの投与のために増加させることができる。本発明の経皮実施形態の投与により、0.70時間超、または0.8時間超、または1時間超、または1.09時間超、または1.25時間超、または1.5時間超、または0.8時間〜2.0時間、または1.0時間〜2.0時間の対象における見かけの平均t
1/2をもたらすことができる。中央値t
1/2は、0.6時間超、または0.75時間超、または1時間超、または1.4時間超、または1.5時間超とすることができる。
【0033】
本発明の実施形態による経皮投与後のアバロパラチドの幾何平均AUC
0−last(または0−t)は、ある特定の範囲に収まり得る。例えば、幾何平均AUC
0−tは、386〜916h*pg/mL、または375時間*pg/mL超、または450時間*pg/mL超、または525時間*pg/mL超、または550時間*pg/mL超、または600時間*pg/mL超、または700時間*pg/mL超、または600〜1000時間*pg/mL、または700〜1100時間*pg/mL、または700〜1000時間*pg/mLで、治療的に有効であり得る。
【0034】
本発明の実施形態による経皮投与後のアバロパラチドの幾何平均AUC
0−infは、ある特定の範囲に収まり得る。例えば、幾何平均AUC
0−tは、444〜1292時間*pg/mL、または400時間*pg/mL超、または450時間*pg/mL超、または550時間*pg/mL超、または700時間*pg/mL超、または600〜1000時間*pg/mL、または700〜1100時間*pg/mL、または700〜1000時間*pg/mLで、治療的に有効であり得る。
【0035】
経皮投与後のアバロパラチドのC
maxは、ある特定の範囲に収まり得る。例えば、幾何平均C
maxは、358pg/ml〜707pg/ml、または350pg/ml超、または500pg/ml超、または600pg/ml超、または700pg/ml超、または300〜850pg/mL、または400〜900pg/mlで、治療的に有効であり得る。
【0036】
概して、また別途記載されない限り、生物学的均等性または実質的な生物学的均等性は、比較されているsc投薬量に対する用量パリティが存在することではなく、むしろC
maxおよび/またはAUCが、本明細書で提供される各々の定義に従って実質的に生物学的に均等であるかまたは生物学的に均等であることを必要とする。例えば、経皮用量は、sc用量より高くても、依然として本明細書で説明される生物学的均等性の定義を満たすことができる。
【0037】
本明細書において使用される場合、「約」または「ほぼ」という用語は、±0〜10%、または±0〜5%の範囲、またはその用語の後の数字を意味する。
【0038】
本明細書で使用される場合、「SC参照1」は、再利用可能なペン型送達デバイスを使用した皮下へのアバロパラチドの80ug送達を指す。「SC参照2」は、使い捨てペン型送達デバイスを指す。別途記載されない限り、両方とも同じ製剤および注射部位を使用し、参照(複数可)に対する本発明の比較特徴を確立するために、一方または両方が使用され得る。80μgのsc用量が言及されるが参照によってではない場合、それはいずれか一方である。
【0039】
本明細書において使用される場合、「経皮送達」という用語は、貫通後に大きな痛みを伴わずに皮内空間に接触する角質層を通した活性薬剤の送達を指す。角質層は神経を有しないため、神経を刺激することなく穿刺され得る。本明細書において、「経皮」および「皮内」という用語は、同義的に使用される。角質層は、主に死んだ皮膚細胞のいくつかの層で構成され、血管が形成されていない。したがって、角質層は、多くの場合、活性薬剤の経皮送達、特にペプチドなどの荷電巨大分子に対して厄介な障壁となる。ほぼ血流への完全な進入を提供する皮下注射により送達される活性薬剤とは異なり、多くの因子(および障壁)が、経皮経路により送達される薬物の薬物動態に影響し得る。例えば、皮膚の適用部位、厚さ、完全性、および保水状態、適用部位の皮膚の下の脂肪組織の密度、薬物分子のサイズ、pH条件、ならびに経皮デバイスの膜の浸透性などが全て、経皮送達された薬物のバイオアベイラビリティに影響し得る。ある特定の実施形態において、経皮送達は、最大約700μm、または最大約600μm、または最大約500μm、または最大約400μm、または最大約300μm、または最大約250μm、または最大約150μmの深さまでの角質層を通した真皮内への皮膚の貫通を含む。いくつかの実施形態において、平均針貫通深度は、ほぼ800μm、または約700μm、または約600μm、または約500μm、または約400μm、または約300μm、または約250μm、または約150μmである。
【0040】
I.経皮送達のための調製製剤
本明細書のある特定の実施形態において、アバロパラチドの経皮送達のための調製製剤が提供される。ある特定の実施形態において、経皮送達により、例えばアバロパラチドの(例えば80μgでの)皮下送達との実質的な生物学的均等性または生物学的均等性がもたらされる。これらの製剤は、アバロパラチドと、Zn
2+の塩、Mg
2+の塩、Ca
2+の塩、ヒスチジンの塩、カルボン酸(例えば脂肪酸)の塩、NaCl、PEG、PVP、シクロデキストリン(CD、例えば2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(HPβCD))、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の賦形剤とを含む。ある特定の実施形態において、Zn
2+の塩は、Zn(OAc)
2、ZnCl
2、Zn
3(PO
4)
2、クエン酸亜鉛(クエン酸Zn)、シュウ酸亜鉛(シュウ酸Zn)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択され、Ca
2+の塩は、ソルビン酸カルシウム(ソルビン酸Ca)、クエン酸カルシウム(クエン酸Ca)、アスコルビン酸カルシウム(アスコルビン酸Ca)、Ca
3(PO
4)
2、CaCl
2、CaCO
3、CaSO
4、Ca(OAc)
2、およびそれらの組み合わせからなる群から選択され、Mg
2+の塩は、MgO、クエン酸マグネシウム(クエン酸Mg)、MgSO
4、オロチン酸マグネシウム(オロチン酸Mg)、乳酸マグネシウム(乳酸Mg)、MgCO
3、MgCl
2、Mg(OAc)
2、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、本明細書に記載のようなMg
2+、Zn
2+、および/またはCa
2+のうちの2つ以上の塩が、経皮製剤を目的として互いに組み合わされる。ある特定の実施形態において、調製製剤は、注射用水、ブラインまたはPBSをさらに含む。ある特定の実施形態において、アバロパラチドの経皮送達は、約20μg〜約200μg、約40μg〜約120μg、約60μg〜約100μg、約70μg〜約90μg、または約80μgの投薬量で、アバロパラチドの皮下送達との実質的な生物学的均等性または生物学的均等性をもたらす。ある特定の実施形態において、アバロパラチドの経皮送達は、アバロパラチド−SC処置と実質的に生物学的に均等であるかまたは生物学的に均等である。ある特定の実施形態において、アバロパラチドは、調製製剤を使用して調製された、少なくとも1つの微小突起(例えば微小針)を備える経皮パッチにより送達される。
【0041】
ある特定の実施形態において、調製製剤は、約3,000〜約3,700、約2,000〜約5,000、約3,00〜約3,500、または約1,000〜約6,000の分子量を有するPEGを含む。調製製剤の総量に対するPEGの重量濃度は、約0.01%〜約50%、約5%〜約50%、約5%〜約45%、約5%〜約40%、約5%〜約35%、約5%〜約30%、約5%〜約25%、約5%〜約20%、約5%〜約15%、約10%〜約50%、約10%〜約45%、約10%〜約40%、約10%〜約35%、約10%〜約30%、約10%〜約25%、約10%〜約20%、約10%〜約15%、約15%〜約50%、約15%〜約45%、約15%〜約40%、約15%〜約35%、約15%〜約30%、約15%〜約25%、約15%〜約20%、約13%〜約17%、約14%〜約16%、または約14.9%である。
【0042】
ある特定の実施形態において、調製製剤は、水およびZn
2+塩(Zn塩、Znの塩、またはZn
2+の塩とも呼ばれる)を含み、いくつかの実施形態において、前記コーティング製剤は、ZnCl
2、またはZn(OAc)
2、またはZn
3(PO
4)
2、またはクエン酸Zn、またはシュウ酸Zn、またはそれらの組み合わせを含む。別途明記されない限り、「調製製剤」、「コーティング製剤」、および「コーティング溶液」という用語は、本開示では同義である。調製製剤中のZn
2+塩(例えばZnCl
2)の濃度は、例えば、調製製剤の総量に対して、約0.01重量%〜約30重量%、0.1重量%〜約30%、0.3重量%〜約30%、約0.5重量%〜約30%、約0.8重量%〜約30%、約1重量%〜約30%、約1.5重量%〜約30%、約2重量%〜約30%、約5重量%〜約30%、10重量%〜約30%、15重量%〜約30%、約20重量%〜約30%、約25重量%〜約30%、約0.01重量%〜約20%、0.1重量%〜約20%、0.3重量%〜約20%、約0.5重量%〜約20%、約0.8重量%〜約20%、約1重量%〜約20%、約1.5重量%〜約20%、約2重量%〜約20%、約5重量%〜約20%、10重量%〜約20%、15重量%〜約20%、約0.01重量%〜約10%、0.1重量%〜約10%、0.3重量%〜約10%、約0.5重量%〜約10%、約0.8重量%〜約10%、約1重量%〜約10%、約1.5重量%〜約10%、約2重量%〜約10%、約5重量%〜約10%、約0.01重量%〜約5%、0.1重量%〜約5%、0.3重量%〜約5%、約0.5重量%〜約5%、約0.8重量%〜約5%、約1重量%〜約5%、約1.5重量%〜約5%、約2重量%〜約5%、約0.01重量%〜約3%、0.1重量%〜約3%、0.3重量%〜約3%、約0.5重量%〜約3%、約0.8重量%〜約3%、約1重量%〜約3%、約1.5重量%〜約3%、約2重量%〜約3%、約0.01重量%〜約30%、0.1重量%〜約30%、0.3重量%〜約30%、約0.5重量%〜約30%、約0.8重量%〜約2%、約1重量%〜約2%、約1.5重量%〜約2%、約0.01重量%〜約1%、0.1重量%〜約1%、0.3重量%〜約1%、約0.5重量%〜約1%、約0.8重量%〜約1%、または0.8%である。
【0043】
コーティング製剤中のアバルパラチド重量は、全コーティング製剤に対するアバロパラチドの重量を指す。
【0044】
本開示のある特定の実施形態は、アバロパラチドに対する賦形剤が、別途記載されない限り本明細書では「M」と表されるモル比として記載される、コーティング製剤を記載する。例えば、0.7MのZnCl
2と記載されるコーティング溶液は、コーティング溶液中のZnCl
2のアバロパラチドに対するモル比が0.7であることを示す。この計算のために、モル比は、コーティング溶液中の特定の賦形剤のアバロパラチドに対する比の計算によって決定される。
【0045】
コーティング溶液中のモル分数比Mは、約0.1M〜4.4M、または約0.35M〜4.4M、または約0.35〜3.0M、または約0.35M〜2.5M、または約0.35M〜2.2M、または約0.7M〜2.2Mの間で異なってもよく、あるいは約0.35Mであるか、または約0.5Mであるか、または約0.7Mであるか、または約1.4Mであるか、または約2.2Mであるか、または約2.9Mであるか、または約3.6Mである。
【0046】
ある特定の実施形態において、コーティング製剤は、Ca
2+塩を含み、該Ca
2+塩は、ソルビン酸Ca、クエン酸Ca、アスコルビン酸Ca、Ca
3(PO
4)
2、CaCl
2、CaCO
3、CaSO
4、Ca(OAc)
2またはそれらの組み合わせを含み得る。Ca
2+塩はまた、Ca塩、Caの塩、またはCa
2+の塩とも呼ばれる。調製製剤中のCa
2+塩(例えばCaSO
4)の濃度は、例えば、調製製剤の総量に対して、約0.01重量%〜約30重量%、0.1重量%〜約30%、0.3重量%〜約30%、約0.5重量%〜約30%、約0.8重量%〜約30%、約1重量%〜約30%、約1.5重量%〜約30%、約2重量%〜約30%、約5重量%〜約30%、10重量%〜約30%、15重量%〜約30%、約20重量%〜約30%、約25重量%〜約30%、約0.01重量%〜約20%、0.1重量%〜約20%、0.3重量%〜約20%、約0.5重量%〜約20%、約0.8重量%〜約20%、約1重量%〜約20%、約1.5重量%〜約20%、約2重量%〜約20%、約5重量%〜約20%、10重量%〜約20%、15重量%〜約20%、約0.01重量%〜約10%、0.1重量%〜約10%、0.3重量%〜約10%、約0.5重量%〜約10%、約0.8重量%〜約10%、約1重量%〜約10%、約1.5重量%〜約10%、約2重量%〜約10%、約5重量%〜約10%、約0.01重量%〜約5%、0.1重量%〜約5%、0.3重量%〜約5%、約0.5重量%〜約5%、約0.8重量%〜約5%、約1重量%〜約5%、約1.5重量%〜約5%、約2重量%〜約5%、約0.01重量%〜約3%、0.1重量%〜約3%、0.3重量%〜約3%、約0.5重量%〜約3%、約0.8重量%〜約3%、約1重量%〜約3%、約1.5重量%〜約3%、約2重量%〜約3%、約0.01重量%〜約30%、0.1重量%〜約30%、0.3重量%〜約30%、約0.5重量%〜約30%、約0.8重量%〜約2%、約1重量%〜約2%、約1.5重量%〜約2%、約0.01重量%〜約1%、0.1重量%〜約1%、0.3重量%〜約1%、約0.5重量%〜約1%、約0.8重量%〜約1%、または0.8%である。
【0047】
コーティング溶液中のCa塩のモル比Mは、約0.1M〜4.4M、または約0.35M〜4.4M、または約0.35〜3.0M、または約0.35M〜2.5M、または約0.35M〜2.2M、または約0.7M〜2.2Mの間で異なってもよく、あるいは約0.35Mであるか、または約0.5Mであるか、または約0.7Mであるか、または約1.4Mであるか、または約2.2Mであるか、または約2.9Mであるか、または約3.6Mである。
【0048】
いくつかの実施形態において、コーティング溶液は、Mg
2+塩を含み、該Mg
2+塩は、MgO、クエン酸Mg、MgSO
4、オロチン酸Mg、乳酸Mg、MgCO
3、MgCl
2、Mg(OAc)
2、またはそれらの組み合わせを含み得る。Mg
2+塩はまた、Mg塩、Mgの塩、またはMg
2+の塩とも呼ばれる。調製製剤中のMg
2+塩(例えばMgCl
2)の濃度は、例えば、調製製剤の総量に対して、約0.01重量%〜約30重量%、0.1重量%〜約30%、0.3重量%〜約30%、約0.5重量%〜約30%、約0.8重量%〜約30%、約1重量%〜約30%、約1.5重量%〜約30%、約2重量%〜約30%、約5重量%〜約30%、10重量%〜約30%、15重量%〜約30%、約20重量%〜約30%、約25重量%〜約30%、約0.01重量%〜約20%、0.1重量%〜約20%、0.3重量%〜約20%、約0.5重量%〜約20%、約0.8重量%〜約20%、約1重量%〜約20%、約1.5重量%〜約20%、約2重量%〜約20%、約5重量%〜約20%、10重量%〜約20%、15重量%〜約20%、約0.01重量%〜約10%、0.1重量%〜約10%、0.3重量%〜約10%、約0.5重量%〜約10%、約0.8重量%〜約10%、約1重量%〜約10%、約1.5重量%〜約10%、約2重量%〜約10%、約5重量%〜約10%、約0.01重量%〜約5%、0.1重量%〜約5%、0.3重量%〜約5%、約0.5重量%〜約5%、約0.8重量%〜約5%、約1重量%〜約5%、約1.5重量%〜約5%、約2重量%〜約5%、約0.01重量%〜約3%、0.1重量%〜約3%、0.3重量%〜約3%、約0.5重量%〜約3%、約0.8重量%〜約3%、約1重量%〜約3%、約1.5重量%〜約3%、約2重量%〜約3%、約0.01重量%〜約30%、0.1重量%〜約30%、0.3重量%〜約30%、約0.5重量%〜約30%、約0.8重量%〜約2%、約1重量%〜約2%、約1.5重量%〜約2%、約0.01重量%〜約1%、0.1重量%〜約1%、0.3重量%〜約1%、約0.5重量%〜約1%、約0.8重量%〜約1%、または0.8%である。
【0049】
コーティング溶液中のMgのモル比Mは、約0.1M〜4.4M、または約0.35M〜4.4M、または約0.35〜3.0M、または約0.35M〜2.5M、または約0.35M〜2.2M、または約0.7M〜2.2Mの間で異なってもよく、あるいは約0.35Mであるか、または約0.5Mであるか、または約0.7Mであるか、または約1.4Mであるか、または約2.2Mであるか、または約2.9Mであるか、または約3.6Mである。
【0050】
本発明のいくつかの実施形態において、すぐに包装および使用可能な製剤化パッチ(最初のコーティング溶液が乾燥されて水が除去されている)が提供され、該製剤化パッチは、Zn
2+塩を含む。ある特定の実施形態において、Zn
2+塩はZn(OAc)
2であり、いくつかの実施形態において、Zn
2+塩はZnCl
2であり、ある特定の実施形態において、それはZn
3(PO
4)
2であり、いくつかの実施形態において、それはクエン酸Znであり、ある特定の実施形態において、それはシュウ酸Znであるか、あるいはそれらの組み合わせである。ある特定の実施形態において、製剤化パッチは、1回または複数回のコーティングの反復でコーティング溶液によってコーティングした後、ほぼ一定の重量まで該パッチを乾燥するか、または該パッチを乾燥させ、次いで該パッチを、その対イオンを含む金属である塩の重量パーセントとして特性評価することにより作製される。ある特定の実施形態において、乾燥されすぐに使用可能なコーティングされたパッチは、Zn塩を含む。いくつかの実施形態において、Zn塩はZn
2+塩であり、いくつかの実施形態では、Zn塩は、製剤の0.5%〜30%w/w、または1.0%〜20%w/w、1.5%〜15%w/wのZn塩を含む。いくつかの実施形態において、コーティングされ乾燥されたパッチは、Zn塩を、1.5%〜10%w/w、または1.0%〜10%w/w、1.8%〜8.5%w/w、または1.9%〜5.9%w/w、または約1.9%〜8.5%w/w、または約2.0%〜約8%w/w、または5%〜8%w/w含み、あるいは7〜9%であるか、または1.7%〜2.25%w/wであるか、または5%〜7%w/w、または約7.7%、または約5.8%w/w、または約1.9%w/wである。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態において、すぐに包装および使用可能な製剤化パッチ(最初のコーティング溶液が乾燥されて水が除去されている)が提供され、該製剤化パッチは、Ca
2+塩を含む。いくつかの実施形態において、Ca
2+塩は、ソルビン酸Ca、クエン酸Ca、アスコルビン酸Ca、Ca
3(PO
4)
2、CaCl
2、CaCO
3、CaSO
4、Ca(OAc)
2、またはそれらの組み合わせである。ある特定の実施形態において、製剤化パッチは、1回または複数回のコーティングの反復でコーティング溶液によってコーティングした後、ほぼ一定の重量まで該パッチを乾燥するか、または該パッチを乾燥させ、次いで該パッチを、その対イオンを含む金属である塩の重量パーセントとして特性評価することにより作製される。ある特定の実施形態において、乾燥されすぐに使用可能なコーティングされたパッチは、製剤の1.0〜20重量%のCa塩を含む。ある特定の実施形態において、該コーティングされたパッチは、1.5%〜15%w/wのCa塩を含む。いくつかの実施形態において、コーティングおよび乾燥されたパッチは、Ca塩を、1.5%〜10%w/w、または1.8%〜8.5%w/w、または1.9%〜5.9%w/w、または約1.9%〜8.5%w/w、または約2.0%〜約8%w/w、または5%〜8%w/w含む。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態において、すぐに包装および使用可能な製剤化パッチ(最初のコーティング溶液が乾燥されて水が除去されている)が提供され、該製剤化パッチは、Mg
2+塩を含む。いくつかの実施形態において、Mg
2+塩は、MgO、クエン酸Mg、MgSO
4、オロチン酸Mg、乳酸Mg、MgCO
3、MgCl
2、Mg(OAc)
2、またはそれらの組み合わせである。ある特定の実施形態において、製剤化パッチは、1回または複数回のコーティングの反復でコーティング溶液によってコーティングした後、ほぼ一定の重量まで該パッチを乾燥するか、または該パッチを乾燥させ、次いで該パッチを、その対イオンを含む金属である塩の重量パーセントとして特性評価することにより作製される。ある特定の実施形態において、乾燥されすぐに使用可能なコーティングされたパッチは、残留水を除く製剤に対して0.5〜15%w/wのMg塩を含む。ある特定の実施形態において、該コーティングされたパッチは、残留水を覗く製剤に対して1.0%〜10%w/wのMg塩を含む。いくつかの実施形態において、コーティングおよび乾燥されたパッチは、残留水を除く製剤に対して1.5%〜10%w/wのMg塩、または残留水を除く製剤に対して1.8%〜8.5%w/wの塩、または残留水を除く製剤に対して1.9%〜5.9%w/wの塩、または約1.9%〜8.5%w/wの塩、または残留水を除く製剤に対して約2.0%〜約8%w/wの塩、または残留水を除く製剤に対して5%〜8%w/wの塩を含む。
【0053】
ある特定の実施形態において、製剤化パッチは、すぐ上に記載されたZn
2+、Ca
2+、および/またはMg
2+塩の2つ以上を含む。
【0054】
コーティング溶液およびパッチ製剤の内容物の例。範囲が以下の実施例において下記に提示される場合、製剤は詳述の材料を含むように読み取られ、追加の賦形剤(活性または不活性)を含有し得ることを理解されたい。総合した物質が100%になるように特定の量が提供される場合、本質的に、列挙される割合で詳述される成分からなるものとして読み取られるべきであることを理解されたい。
【表1】
【0075】
ある特定の実施形態において、調製製剤は、ヒスチジン(例えば一塩酸塩一水和物)を含む。ヒスチジンの濃度(調製製剤の総量に対する重量で)は、約1%〜約15%、約1%〜約10%、約1%〜約5%、約3%〜約15%、約3%〜約10%、約3%〜約5%、約5%〜約15%、約5%〜約10%、約3%、約5%、または約10%である。
【0076】
ある特定の実施形態において、調製製剤は、PEG、ZnCl
2、およびヒスチジンからなる群から選択される2つまたは3つの賦形剤を含み、各賦形剤の濃度は、本明細書で開示されるものと同じである。
【0077】
ある特定の実施形態において、調製製剤は、PEG、ZnCl
2、およびヒスチジンからなる群から選択される2つの賦形剤、例えばPEGおよびZnCl
2、ヒスチジンおよびPEGの組み合わせ、ならびにヒスチジンおよびZnCl
2の組み合わせを含む。
【0078】
ある特定の実施形態において、調製製剤は、PEG、ZnCl
2、およびヒスチジンの組み合わせを含む。
【0079】
ある特定の実施形態において、調製製剤は、約5重量%〜約15重量%、約12.5重量%〜約20重量%、約15重量%〜約60重量%、約40重量%〜約48重量%、約43重量%〜約48重量%、約40重量%〜約46重量%、約40重量%〜約52重量%、約46重量%〜約48重量%、約46重量%〜約52重量%、約50重量%〜約62重量%、約52重量%〜約60重量%、または約54重量%〜約58重量%の濃度のアバロパラチドを含む。
【0080】
ある特定の実施形態において、アバロパラチドのための調製製剤は、約500センチポアズ超、約550センチポアズ超、約600センチポアズ超、約700センチポアズ超、約800センチポアズ超、約900センチポアズ超、約1,000センチポアズ超、約1,500センチポアズ超、約2,000センチポアズ超、約10,000センチポアズ、約500〜約5,000センチポアズ、約500〜約2,000センチポアズ、または約500〜約1,000センチポアズ、約550〜約5,000センチポアズ、約550〜約2,000センチポアズ、または約550〜約1,000センチポアズの25℃における粘度を有する。
【0081】
ある特定の実施形態において、本明細書で開示される調製製剤は、生物活性ペプチドまたはタンパク質をさらに含む。ある特定の実施形態において、本明細書で開示される調製製剤は、抗体を含む。
【0082】
II.経皮パッチ
本明細書において開示される調製製剤を使用して調製された1つ以上の微小針を備えるアバロパラチドの投与のための経皮パッチが、ある特定の実施形態において本明細書で提供され、本パッチを使用するアバロパラチドの経皮送達により、いくつかの事例においては所与の用量での皮下投与と実質的に生物学的に均等であるかまたは生物学的に均等である薬物動態プロファイルがもたらされる。ある特定の実施形態において、アバロパラチドの経皮送達により、約20μg〜約250μg、約20μg〜約200μg、約40μg〜約120μg、約60μg〜約100μg、約70μg〜約90μg、約80μg、約100μg、約150μg、または約200μgの投薬量で、アバロパラチドの皮下送達との実質的な生物学的均等性または生物学的均等性がもたらされる。
【0083】
ある特定の実施形態において、アバロパラチドの経皮送達により、アバロパラチド−SC処置との実質的な生物学的均等性または生物学的均等性がもたらされる。
【0084】
所与の投与量では、本明細書に記載の1つ以上の賦形剤を含むパッチ製剤の実施形態は、投与後に、1つ以上の賦形剤(複数可)を含まないパッチ製剤(例えば、PBS緩衝液などの単純な緩衝化製剤)よりも高いC
max、所与の投薬量で、1超、もしくは1.2超、もしくは1.5超、または1.2〜1.5のC
max/C
max比、および所与の投薬量で、1超、もしくは1.2超、もしくは1.5超、または1.2〜1.5のAUC/AUC(
lastおよび/または
inf)を生むことができる。
【0085】
いくつかの実施形態において、経皮パッチは、外部エネルギー源を使用したアバロパラチドの能動的送達用に設計される。
【0086】
ある特定の実施形態において、アバロパラチドの調製製剤は、経皮パッチ上の1つ以上の微小突起を作製するために使用され、アバロパラチドを含む経皮パッチが得られる。例えば、経皮パッチ上の1つ以上の微小突起の少なくとも一部は、アバロパラチドを含む。ある特定の実施形態において、経皮パッチ上の1つ以上の微小突起の少なくとも一部は、PEG、ZnCl
2、およびヒスチジンからなる群から選択される1つ以上の賦形剤をさらに含む。
【0087】
ある特定の実施形態において、パッチ当たりの各賦形剤の量は、約1μg〜約300μg、約10μg〜約300μg、約100μg〜約300μg、約200μg〜約300μg、約1μg〜約200μg、約10μg〜約200μg、約100μg〜約200μg、約150μg〜約200μg、約1μg〜約150μg、約10μg〜約150μg、約100μg〜約150μg、約1μg〜約100μg、約10μg〜約100μg、約50μg〜約100μg、約1μg〜約50μg、約10μg〜約50μg、約20μg〜約50μg、約1μg〜約20μg、約10μg〜約20μg、約15μg〜約20μg、約1μg、約5μg、約10μg、約20μg、約30μg、約40μg、約50μg、約60μg、約70μg、約80μg、約90μg、約100μg、約110μg、約120μg、約130μg、約140μg、約150μg、約160μg、約170μg、約180μg、約190μg、約200μg、約210μg、約220μg、約230μg、約240μg、約250μg、約260μg、約270μg、約280μg、約290μg、または約300μgである。
【0088】
ある特定の実施形態において、すぐに使用できるパッチ(製造によって処理され、薬学的に使用に好適であるパッチ)当たりのアバロパラチドの量は、100〜450μg;または約150〜375μg;または約200〜400μg、または約200〜350μg、または約250〜350μg、または約160〜240μg、または約200〜300μg、または約220〜330μg、または約240〜360μg、または約260〜390μg、または約280〜420μg、または約300〜450μg、または約320〜480μg、または約180〜220μg、または約225〜275μg、または約247.5〜302.5μg、または約270〜330μg、または約282.5〜357.5μg、または約315〜385μg、または約337.5〜412.5μg、または約360〜440μg、または約382.5〜467.5μg、または約405〜495μg、約200μg、約210μg、約220μg、約230μg、約240μg、約250μg、約260μg、約270μg、約280μg、約290μg、または約300μgである。
【0089】
ある特定の実施形態において、本明細書において提供される経皮パッチは、複数のこれらの微小突起を備える。「微小突起」という用語は、本明細書において使用される場合、皮膚の角質層を穿刺することができる経皮パッチ上の任意の形状またはサイズの穿刺要素を指す。これらの小さい穿刺要素は、様々な材料、形状および寸法を有し得る。ある特定の実施形態において、開示される経皮パッチの微小突起の1つ以上は、微小針である。「微小針」という用語は、本明細書において使用される場合、基部および先端を備える微小突起を指し、先端は、基部より小さい直径、幅、外周または周長を有する。1つ以上の微小針を備える経皮パッチは、「経皮微小針パッチ」または「微小針経皮パッチ」とも称され得る。
【0090】
本開示の特定のある特定の実施形態の微小突起パッチは、異なる形状、例えば、多角形、長方形、円形などとすることができる。パッチは、状況の特定の必要性を満たすために面積が変化し得る。パッチのサイズは、パッチ上の領域と称されてもよい。いくつかの実施形態において、この領域は、連続的な境界を形成し、微小突起の基部と直接接触する領域、または微小突起と共に成形された領域(
図43のA−Bのような「支持領域」)として定義される。代替的に、パッチの領域は、微小突起それ自体の基部の周囲に描かれた最も外側の外周によって画定され得る。この外周は、概して、最も外側(外周)の針の全てではないにせよ大部分が微小針支持領域の外周まで延在しないが、依然として本明細書に記載される領域範囲内に入るため、上で考察された支持領域の外周より小さい。または、パッチ領域は、患者の皮膚に接触するが接着剤は含まない領域である。
【0091】
ある特定の実施形態において、パッチの支持領域は円形であり、パッチサイズは、微小針を支持し、針層を直接的に支持しないパッチの部分、例えば、パッチの接着剤部分からの追加の直径を除外するパッチ部分を横切る直径を特徴とし得る。本開示のある特定の実施形態のパッチ直径(円形の支持領域に対する)は、直径が0.75〜2.5cmの範囲内に収まる。いくつかの実施形態において、パッチの直径は、直径約1cm〜約1.6cm、または約1.4cm〜約1.6cm、または約1.4cm、または約1.25、または約1.5cm、または約1.6cm、または約1.8cm、または約1.9cmである。パッチの面積(任意の形状の支持領域を有する)は、約0.2cm
2〜約3cm
2、または約0.8cm
2〜約2cm
2、または約1.0cm
2〜約2cm
2、または約0.8cm
2、または約0.9cm
2、または約1.1cm
2、または約1.3cm
2、または約1.5cm
2、または約1.8cm
2、または約2.0cm
2、または約2.5cm
2、または約2.8cm
2、または約3.0cm
2、または約0.8cm
2〜約3cm
2、または約1.26cm
2、または約2.52cm
2であり得る。
【0092】
記載されたパッチ面積およびパッチ面積範囲は、単一のパッチを網羅するか、または相互に短い時間内に貼付される複数のパッチも定義し得る(例えば、単一の薬物投与とみなされる)。そのような事例では、貼付されるパッチの領域は、例えば、相互に5〜30秒以内に、または少なくとも1分以内に、緊密な同時性の範囲内で貼付される2つ以上のパッチの合計となる。本明細書で提供される経皮パッチ中の微小突起(例えば微小針)は、当該技術分野で一般的に使用される任意のサイズ、形状、または設計を有し得る。ある特定の実施形態において、微小突起は、基部においてその最大の直径、幅、外周、または周長を有する。ある特定の実施形態において、微小突起はテーパ型設計を有し、すなわち、微小突起は、基部から先端まで、その長さにわたり比較的一定に狭まる形態を反映する。ある特定の実施形態において、微小針の先端における直径、幅、外周、または周長に対する、微小突起の基部における直径、幅、外周、または周長の比は、2超である。他の実施形態において、比は、4超または6超である。ある特定の実施形態において、微小突起は、先端よりも基部においてより幅広い、軸周りの略円形の外周を有する。ある特定の実施形態において、微小突起は、頂部に向けてテーパするほぼ長方形の基部を有するピラミッド形状であり、該頂部は、ほぼ長方形である。ある特定の実施形態において、微小突起は、頂部に向けてテーパする正方形の基部を有するピラミッド形状であり、該頂部は、ほぼ正方形である。ある特定の実施形態において、微小突起は、長方形または正方形の基部を有するピラミッド形状、および頂部が長方形または正方形として容易に特徴付けられない形状である。ある特定の実施形態において、微小突起の基部における幅は、針の長さ(突起のアスペクト比)を上回る。ある特定の実施形態において、アスペクト比は、約2:1、約3:1、または約4:1である。
【0093】
所与のパッチ上の微小突起は、一般に、同じ長さを有するが、異なる微小突起パッチは、様々な長さ、例えば、約30μm〜約1,500μm、約50μm〜約1,500μm、約100μm〜約1,500μm、約250μm〜約1,500μm、約500μm〜約1,500μm、約600μm〜約1,500μm、約750μm〜約1,500μm、約800μm〜約1,500μm、約1,000μm〜約1,500μm、約30μm〜約1,00μm、約50μm〜約1,500μm、約30μm〜約1,000μm、約50μm〜約1,000μm、約750μm〜約1,200μm、約800μm〜約1,200μm、約100μm〜約1,000μm、約250μm〜約1,000μm、約500μm〜約1,000μm、約600μm〜約1,000μm、約750μm〜約1,000μm、約800μm〜約1,000μm、約30μm〜約750μm、約50μm〜約750μm、約100μm〜約750μm、約250μm〜約750μm、約500μm〜約750μm、約600μm〜約750μm、約600μm〜約800μm、約30μm〜約600μm、約50μm〜約600μm、約100μm〜約600μm、約250μm〜約600μm、約500μm〜約600μm、約30μm〜約500μm、約50μm〜約500μm、約100μm〜約500μm、約250μm〜約500μm、約30μm〜約250μm、約50μm〜約250μm、約100μm〜約250μm、約30μm、約50μm、約100μm、約150μm、約200μm、約250μm、約300μm、約500μm、約750μm、または約1,500μmの微小突起を含んでもよい。ある特定の実施形態において、長さは、300〜1,000μm、600〜1,000μm、400〜600μm、または約500μm、または約750μmである。
【0094】
本明細書において提供される経皮パッチ上の微小突起は、所望の曲げ弾性率を達成するために、例えば、炭素、ポリマー、金属、またはそれらの組み合わせを含む任意の好適な材料から作製され得る。いくつかの実施形態において、微小突起は、1,000MPa超、2,000MPa超、3,000MPa超、または3,000MPa〜15,000MPaの曲げ弾性率を有する。本明細書で使用される場合、「ISO178」は、プラスチックの曲げ特性の決定のためのISO試験基準を指す。
【0095】
ある特定の実施形態において、本明細書において提供される経皮パッチは、微小突起が配列される第1の裏打ち層を備える。これらの実施形態において、微小突起は、第1の裏打ち層に貼られる、またはそれと統合され得る。ある特定の実施形態において、微小突起は、第1の裏打ち層と同じ材料から作製される。例えば、微小突起は、第1の裏打ち層からのエッチングまたは打ち抜きにより形成されてもよい。ある特定の実施形態において、微小突起は、射出成形プロセスにより作製される。他の実施形態において、微小突起は、第1の裏打ち層とは異なる材料で作製されてもよい。ある特定の実施形態において、微小突起は、接着剤により第1の裏打ち層に貼られる。ある特定のこれらの実施形態において、微小突起は、第1の裏打ち層および/または第2の裏打ち層から取り外し可能である。
【0096】
ある特定の実施形態において、本明細書において提供される経皮パッチは、第1の裏打ち層が貼られる第2の裏打ち層をさらに備える。第2の裏打ち層は、可撓性であっても非可撓性であってもよい。
【0097】
ある特定の実施形態において、本明細書で提供される経皮パッチは、アバロパラチドの経皮投与の前および/またはその間に対象の皮膚上の定位置にパッチが留まるのを促進するために、接着材料を備える。ある特定のこれらの実施形態において、接着材料は、第1および/または第2の裏打ち層(複数可)上に備えられる。
【0098】
本明細書において開示される経皮パッチのある特定の実施形態において、1つ以上の微小突起の縦軸は、第1および/第2の裏打ち層(複数可)から少なくとも45度または少なくとも60度の角度で延在する。いくつかの実施形態において、微小突起は、第1および/または第2の裏打ち層(複数可)に対して垂直である。
【0099】
本明細書において提供される経皮パッチのある特定の実施形態において、パッチは、1cm
2当たり約20〜約2,000個の微小突起、1cm
2当たり約50〜約2,000個の微小突起、1cm
2当たり約100〜約2,000個の微小突起、1cm
2当たり約250〜約2,000個の微小突起、1cm
2当たり約500〜約2,000個の微小突起、1cm
2当たり約750〜約2,000個の微小突起、1cm
2当たり約1,000〜約2,000個の微小突起、1cm
2当たり約1,500〜約2,000個の微小突起、1cm
2当たり約300〜約500個の微小突起の微小突起密度を有する。ある特定の実施形態において、パッチは、約50〜約4,000個の微小突起、約100〜約4,000個の微小突起、約250〜約4,000個の微小突起を備え、パッチは、約1,400〜約4,000個の微小突起、約1,600〜約4,000個の微小突起、約2,000〜約4,000個の微小突起、約3,000〜約4,000個の微小突起、約3,500〜約4,000個の微小突起を備え、パッチは、約50〜約3,500個の微小突起、約100〜約3,500個の微小突起、約250〜約3,500個の微小突起、約1,400〜約3,500個の微小突起、約1,600〜約3,500個の微小突起、約2,000〜約3,500個の微小突起、約3,000〜約3,500個の微小突起、約50〜約3,000個の微小突起、約100〜約3,000個の微小突起、約250〜約3,000個の微小突起、約1,400〜約3,000個の微小突起、約1,600〜約3,000個の微小突起、約2,000〜約3,000個の微小突起、1cm
2当たり約50〜約600個の微小突起、1cm
2当たり約100〜約500個の微小突起、1cm
2当たり約150〜350個の微小突起、1cm
2当たり約250〜約400個の微小突起、1cm
2当たり約300〜約375個の微小突起、 1cm
2当たり約300〜約750個の微小突起約366個の微小突起、1cm
2当たり約316個の微小突起、または1cm
2当たり約320個の微小突起、または1cm
2当たり約250個の微小突起を備える。
【0100】
ある特定の実施形態において、アバロパラチドを含有する経皮パッチは、アバロパラチドで少なくとも部分的にされた少なくとも1つの微小突起を備える(本明細書において、以降「コーティングされた微小突起」と呼ばれる)。
【0101】
「コーティングされた」という用語は、本明細書において個々の微小突起に関連して使用される場合、微小突起がその表面の少なくとも一部上にアバロパラチドを含むことを意味する。ある特定の実施形態において、微小突起は、アバロパラチド組成物を、微小針の全表面積の約1%〜約100%、1%〜約80%、約1%〜約50%、約2%〜約40%、約5%〜約35%、約5%〜約50%、約30%〜約50%、約10%〜約30%、約15%〜約20%、もしくは約30%〜約50%、またはその表面の約1〜100%、もしくは約1〜80%、もしくは約1〜50%、もしくは約2〜40%、もしくは約35%に含む。ある特定の実施形態において、微小突起は、アバロパラチドを微小突起の最上部の約30%〜約50%に含む(本明細書において使用される場合、「最上部」は、皮膚に接触する微小突起の端部を意味する)。
【0102】
「コーティングされた」という用語は、本明細書において複数の微小突起に関連して使用される場合、その複数のうちの2つ以上の微小突起が、この用語が個々の微小突起に関連して上で使用されたようにコーティングされていることを意味する。ある特定の実施形態において、複数の微小突起における全微小突起表面積の10%超、20%超、30%超、40%超、50%超、60%超、70%超、80%超、または90%超がコーティングされ、複数の微小突起における全微小突起表面積の約1〜約100%、約1%〜約80%、約1%〜約50%、約2%〜約40%、ある特定の実施形態では、約1%〜約100%、1%〜約80%、約1%〜約50%、約2%〜約40%、約5%〜約35%、10%〜約30%、15%〜約20%、または約30%〜約50%がコーティングされている。「微小突起表面積」は、本明細書において使用される場合、単一の経皮パッチ上の全ての微小突起の組み合わされた表面積を指す。
【0103】
ある特定の実施形態において、1つ以上のコーティングされた微小突起を備える経皮パッチは、第1の裏打ち層のその表面の少なくとも一部上にアバロパラチドをさらに含んでもよい。例えば、経皮パッチは、第1の裏打ち層のその全表面積の約1%〜約100%、1%〜約80%、約1%〜約50%、約2%〜約40%、約5%〜約35%、10%〜約30%、15%〜約20%、または約30%〜約50%超にアバロパラチドを含む。
【0104】
ある特定の実施形態において、アバロパラチドの経皮パッチは、第1の裏打ち層に概して平行(例えば、少なくとも約80%平行、少なくとも約90%平行、または少なくとも約95%平行)に配置された複数の層を備える少なくとも1つの微小突起を備え、複数の層の少なくとも1つの層は、アバロパラチド(本明細書において、以降「活性薬剤層」と呼ばれる)を備える(本明細書において、以降「層状微小突起」と呼ばれる)。このような場合、層状の微小突起(複数可)が皮膚に浸透すると、活性薬剤層が組織マトリックスに溶解して活性薬剤を送達することが理解される。ある特定の実施形態において、調製製剤は、活性薬剤層を形成し、その構造を提供するために使用される他の材料(例えば、典型的には生理学的に不活性な可溶性ポリマー)をさらに含む。
【0105】
ある特定の実施形態において、少なくとも1つの層状微小突起を備える経皮パッチの第1の裏打ち層は、活性薬剤層をさらに備える。ある特定の実施形態において、活性薬剤層は、経皮送達のために角質層を貫通し得る微小突起の先端を形成する。微小突起の先端は、微小突起の形状に関して上記で開示された任意の形状をとり得る(例えば、ピラミッド、正方形、長方形など)。
【0106】
他の実施形態において、本明細書において提供される微小突起は、対象に適用されると皮膚と流体連通する貯蔵部を備える。貯蔵部には、投与されるアバロパラチドが充填される。貯蔵部は、適用されると皮膚と流体連通する微小突起、例えば中空部分を含む微小突起の内部空間であってもよい。ある特定の実施形態において、中空部分は、側方開口部を有してもよい。
【0107】
ある特定の実施形態において、本明細書で開示される経皮パッチは、複数の微小突起を備え、アレイ内の少なくとも1つの微小突起(例えば微小針)は、少なくとも部分的にコーティングによりコーティングされ、該コーティングは、治療活性物質と、Zn
2+塩、Mg
2+塩、Ca
2+塩、ポリエチレングリコール、およびヒドロキシプロピルベータ−シクロデキストリンからなる群から選択される1つ以上の賦形剤とを含む。ある特定の実施形態において、治療活性物質は、生物活性ペプチドまたはタンパク質を含む。ある特定の実施形態において、治療活性物質は、抗体を含む。ある特定の実施形態において、本明細書で開示される経皮パッチが有する1つ以上の賦形剤は、ZnCl
2、Zn(OAc)
2、Zn
3(PO
4)
2、クエン酸Zn、シュウ酸Zn、MgO、クエン酸Mg、MgSO
4、オロチン酸Mg、乳酸Mg、MgCO3、ソルビン酸Ca、クエン酸Ca、アスコルビン酸Ca、Ca
3(PO
4)
2、CaCl
2、CaCO
3、CaSO
4、およびCa(OAc)
2からなる群から選択される。ある特定の実施形態において、本明細書で開示される経皮パッチが有する1つ以上の賦形剤は、ZnCl
2およびZn(OAc)
2、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、本明細書で開示される経皮パッチは、約0.1〜約3.0、約0.2〜約2.5、または約0.25〜約1.0の範囲からの、アバロパラチドに対する賦形剤(単数または複数)のモル比を有する。
【0108】
経皮パッチはまた、米国特許出願第14/361,787号、同第14/361,802号、同第13/452,412号、同第13/791,170号、同第13/791,360号において開示されているように調製されてもよく、これらは図面を含めてそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0109】
本明細書に具体化されるコーティングされたパッチは、所望の治療的目的を達成するために循環中への生物活性物質(例えば、アバロパラチド)の放出に影響を及ぼすように作用することができる本明細書に記載の賦形剤実施形態のうちの1つ以上を含む。
【0110】
III.経皮パッチの調製方法
本明細書のある特定の実施形態において、本明細書で開示されるアバロパラチドの投与用の経皮パッチを調製する方法であって、本明細書で開示される調製製剤を有する経皮パッチ上に少なくとも1つの微小突起を作製することを含む方法が提供される。ある特定の実施形態において、微小突起は、微小針である。ある特定の実施形態において、アバロパラチドは、アバロパラチドを含む、それからなる、または本質的にそれからなる。ある特定の実施形態において、アバロパラチドの経皮送達は、約20μg〜約200μg、約40μg〜約120μg、約60μg〜約100μg、約70μg〜約90μg、または約80μgの投薬量で、アバロパラチドの皮下送達との実質的な生物学的均等性または生物学的均等性をもたらす。ある特定の実施形態において、アバロパラチドの経皮送達は、アバロパラチド−SC処置と実質的な生物学的均等性または生物学的均等性をもたらす。
【0111】
ある特定の実施形態において、本明細書において提供される調製方法は、ブランク(すなわち以前にアバロパラチドを含まない)経皮パッチ上の1つ以上の微小突起を本明細書において提供される調製製剤と接触させることを含む。ある特定の実施形態において、微小突起は、本明細書に開示される調製製剤を接触させることによってコーティングされる。いくつかの実施形態において、調製製剤との接触は、ブランク経皮パッチを調製製剤中に浸漬し、次いでパッチを取り出して乾燥させることにより達成される。
【0112】
いくつかの実施形態において、調製製剤は、微小突起上に噴霧またはブラッシングされ、乾燥される。
【0113】
ある特定のこれらの実施形態において、微小突起は、層状微小突起であり、層を第1および/または第2の裏打ち層上にキャストまたは堆積させ、次いでパッチを取り出して乾燥させることにより作製される。
【0114】
ある特定の実施形態において、例えば、循環空気流、乾燥剤、真空、および/または熱を含む加速された乾燥条件が経皮パッチに適用される。
【0115】
IV.処置方法
本明細書のある特定の実施形態において、対象における骨粗しょう症、骨減少、および変形性関節炎を処置するため、骨ミネラル濃度(BMD)を改善するため、骨梁スコア(TBS)を改善するため、ならびに/または骨折を処置、予防、および/もしくは低減する方法であって、本明細書において提供される調製製剤に含まれる、治療有効量のアバロパラチドを経皮投与することを含む方法が提供される。骨粗しょう症は、処置できる骨粗しょう症の種類に限定されるものではないが、閉経後の骨粗しょう症および重度の閉経後の骨粗しょう症であり得る。骨粗しょう症はまた、男性の骨粗しょう症であり得る。男性および女性における骨粗しょう症は、性腺機能低下症に起因し得るか、またはホルモンレベルが性腺であるが、例えば、患者が抗ホルモン剤で処置されている場合、またはホルモンの性腺機能の正常なレベルに対する患者のホルモン応答が何らかの理由により弱められている場合がある。処置される骨粗しょう症は、栄養欠乏またはコルチコステロイドなどの骨損失を引き起こす他の薬物の摂取によって引き起こされ得る。患者は、骨ミネラル濃度が標準偏差より1標準偏差、標準偏差より2標準偏差、または標準標準より3標準偏差が下回る1つ以上の部位で低骨ミネラル濃度を示す場合に処置され得る。加えて、正常な骨ミネラル濃度を有する患者であっても、骨の質によって骨折のリスクが高い可能性がある。骨の質が低い場合、骨ミネラル濃度の観点からは正常であるように見えるかもしれないが、任意の数の構造的および/または物理化学的要因により、患者をより高い危険にさらし得る。これに関連して、患者は、1つ以上の骨折の病歴を有する高リスクの患者であってもよい。したがって、患者は、本開示のある特定の実施形態の方法および製品による処置に推奨され得る。異なるタイプの骨折の予防または処置は、本明細書に記載の方法および製品によって支援される。例えば、椎骨、非脊椎、臨床的および/または大きな骨粗しょう症性骨折を処置および/または予防することは、開示される方法および製品の特徴である。本明細書に記載される骨粗しょう症治療は、例えば、本明細書に記載の微小突起パッチの1日1回の貼付、およびいくつかの実施形態においては、投与後に、SC注射、例えば、アバロパラチドの80μgのsc注射と生物学的に均等なまたは実質的に生物学的に均等なプロファイルをもたらす微小突起アレイによって達成することができる。
【0116】
本明細書に開示される方法のある特定の実施形態はまた、アバロパラチドと、本開示に記載される構成、製剤などのうちの1つ以上とを含む微小突起パッチの貼付を、それを必要とする患者において行うことを含む、変形性関節炎の処置を含む。いくつかの実施形態において、処置される変形性関節炎は、患者の膝(複数可)および/または肘(複数可)および/または手首(複数可)および/または肩(複数可)に関連する。処置方法のうちのいくつかにおいて、変形性関節炎は、原発性であり、いくつかの実施形態においては、続発性であり、ある特定の実施形態においては、不確定である。
【0117】
本明細書に開示される方法の特定の実施形態はまた、1つ以上の骨折に罹患し、骨折が完全には治癒していない患者における骨折治癒を促進するための、本明細書に記載される微小突起アレイのその様々な実施形態における使用を含む。骨折(例えば、長骨骨折)の治癒には、軟骨内骨および膜内骨形成が関与し、これらは共に、骨強度の和合、安定化、および徐々の回復を達成する仮骨を形成する。前臨床的に、5または25μg/kg/日(毎日のsc)のアバロパラチドにより、ラットの大腿骨骨折モデルにおいて骨折治癒が加速することが示されている。各群からの16匹のラットを4週間および6週間の治癒後に剖検し、群当たり12個の骨折した大腿骨をマイクロCTおよび生体力学試験に使用し、他の4匹をマイクロCTおよび組織学に使用した。骨折間隙にかけての皮質架橋の半定量的な組織学的採点により、VEH対照と比較して、4週目にアバロパラチド5または25μg/kg/d群で有意に優れた架橋を示した。4週目の組織形態計測により、VEHと比較して、アバロパラチド5μg/kg/d群およびアバロパラチド25μg/kg/d群で有意に優れた仮骨領域が示され、これは、アバロパラチド群について6週目まで持続した。骨折仮骨のマイクロCTにより、アバロパラチド5および25ug/kg/d群は、VEHと比較して、4週および6週目で、仮骨の骨量、骨量分率、およびBMCが有意に優れていたことが示された。4週目の3点曲げ試験では、仮骨硬度がアバロパラチド5および25ug/kg/d群でそれぞれ60%および96%高いことが示された(両方ともP<0.05対VEH)。6週目で、仮骨高度は、アバロパラチド5ug/kg/d群で112%高かった(P<0.05対VEH)。仮骨のピーク負荷は、VEHと比較して、4週目でアバロパラチド25μg/kg/d群で77%高く(P<0.05対VEH)、6週目で両方のアバロパラチド群で数値的に高いままであった。これらのデータにより、全身投与されたアバロパラチドが、前臨床的骨折モデルにおける局所治癒を促進し得ることが示唆される。
【0118】
本明細書に開示される方法の特定の実施形態はまた、1つ以上の骨折に罹患し、骨折が完全には治癒していない患者における骨折治癒を促進するための、本明細書に記載される微小突起アレイのその様々な実施形態における使用を含む。いくつかの事例において、患者は、骨折の適切な治癒を加速するためおよび/またはそれを確実にするのを助けるために、骨折の直後に処置される。ある特定の実施形態において、患者は、ある期間にわたって適切に治癒しなかった同定された骨折を有し、本明細書に開示されるある特定の微小突起の実施形態により処置される。投与は、1日1回から、少なくとも8時間間隔で行われる1日2回までであり得る。日数は、特定の患者のニーズに応じて変わり得る。いくつかの実施形態において、患者は、18カ月、もしくは12カ月、6カ月、4カ月、3カ月、2カ月、または1カ月〜12カ月、もしくは2ヶ月〜6ヶ月の期間毎日、1日1回または2回処置される。代替的に、処置する医師または施設は、骨折を監視し、満足のいく結果が維持されるまで処置を継続することができる。いくつかの実施形態において、患者は、骨折が閉じるまで処置され、いくつかの実施形態においては、それ以上の改善効果が観察されなくなるまで、治療が継続される。例えば、骨折はある程度まで閉じることができるが、完全に閉じることはできず、あるいは骨折の間のいくつかの間隙においては閉じることができるが、完全に閉じることはできない場合がある。処置の結果は、同じ部位での再骨折率の低下(予想されたまたは対照の率と比較して)、骨折の放射線学的に検出された改善(例えば、骨折の閉鎖)、痛みの減少、患部の再使用までの時間の短縮などを含む多くの方法で示され得る。
【0119】
「対象」という用語は、本明細書において使用される場合、哺乳動物対象を指す。好適な対象の例には、限定されないが、骨減少、グルココルチコイド誘発性骨減少、骨粗しょう症、グルココルチコイド誘発性骨粗しょう症、変形性関節炎、骨折、および高い皮質空隙率からなる群から選択される1つ以上の状態に罹患した対象(例えば、糖尿病、特にII型糖尿病に罹患した対象)、雌の哺乳動物、雄の哺乳動物、イヌ、ネコ、ヒト、男性、女性、骨粗しょう症に罹患した女性、閉経後の女性、骨粗しょう症に罹患した閉経後の女性、高い皮質空隙率を有する哺乳動物、ならびに高い皮質空隙率を有する男性および女性が挙げられる。
【0120】
本明細書において使用される場合、「皮質空隙率」は、骨に占有されていない皮質骨容積の割合を意味する。皮質空隙率は、外側領域から出発して再帰(上昇)アルゴリズムを使用して皮質骨領域内の局所的強度最小値(「穴」)の推定を提供するために、デジタルX線ラジオグラメトリー(DXR)または他の方法により測定され得る(Dhainaut 2013)。組み合わされた空隙率測定値は、関連した骨にわたり平均化することにより全体の皮質面積に対する皮質部分において見られた穴の面積パーセントから得られ、投影面積よりも体積比率を反映させるように縮尺される。「高い皮質空隙率」は、対照と同じ年齢群からの健常対象の空隙率より約10%高い、約15%高い、約20%高い、約50%高い、約100%高い、または約150%高い空隙率を意味する。例えば、対象は、約0.01256の皮質空隙率を有してもよく、対照群は、約0.01093の皮質空隙率を有する(Dhainaut 2013)。II型糖尿病に罹患した対象は、対照の2倍までの皮質空隙率を有し得る(Oei 2013)。対象は、高い皮質空隙率を有する一方で、正常なBMDまたは若干低いBMDを有し得る。
【0121】
アバロパラチドの経皮送達後に改善されたBMDおよび/またはTBSを示し得る骨の例には、限定されないが、対象における腰椎、全股関節、手首、大腿、大腿の皮質骨(大腿骨幹)、および/または大腿骨頸部が挙げられる。
【0122】
アバロパラチドの経皮送達は、治療有効性に必要な任意の処置間隔で施すことができる。ある特定の実施形態において、アバロパラチドの経皮送達は、毎日施される。他の実施形態において、アバロパラチドの経皮送達は、1日おき、2日おき、3日おき、4日おき、週1回、または月1回もしくは2回施されてもよい。当業者には、処置間隔が処置過程にわたって変動し得ることが理解される。例えば、アバロパラチドの経皮送達は、処置の開始時により頻繁に施され、次いで1つ以上の治療基準が達成されるにつれて経時的に低頻度となってもよい。代替として、アバロパラチドの経皮送達は、処置の開始時により低頻度で施され、経時的に処置間隔が減少されてもよい。
【0123】
本明細書において提供される方法のそれらの実施形態において、アバロパラチドの経皮送達は、本明細書において提供される経皮パッチを使用して施される。経皮パッチは、満足のいく類似体送達を達成するために必要な任意の期間、皮膚と接触して設置され得る。ある特定の実施形態において、経皮パッチは、約1秒〜約30秒、約1秒〜約1分、約15秒〜約30秒、約15秒〜約1分、約30秒〜約1分、約1分〜約5分、約5分〜約10分、約10分〜約15分、約15分〜約20分、約20分〜約25分、約25分〜約30分、少なくとも5分、少なくとも10分、少なくとも15分、少なくとも20分、少なくとも25分、少なくとも30分、少なくとも35分、少なくとも40分、少なくとも45分、少なくとも50分、少なくとも55分、少なくとも60分、少なくとも75分、少なくとも90分、または少なくとも120分の間、皮膚と接触したままであってもよい。ある特定の実施形態において、所望の用量/プロファイルを達成するために、2つ以上の経皮パッチが逐次的に皮膚に接触して設置されてもよい。
【0124】
本明細書において提供される方法のある特定の実施形態において、事前に決定された設定期間、処置が行われる。他の実施形態において、処置は、1つ以上の治療基準に達するまで行われる。処置の好適な時間枠の例には、限定されないが、6週間、12週間、3ヶ月、24週間、6ヶ月、48週間、12ヶ月、18ヶ月、および24ヶ月が挙げられる。ある特定の実施形態において、処置は、18ヶ月の間、経皮パッチの1日1回の貼付により行われる。
【0125】
ある特定の実施形態において、アバロパラチド製剤は、例えばアレンドロン酸塩治療を含む1つ以上の追加的な骨粗しょう症治療と組み合わせて投与される。これらの実施形態において、追加的な骨粗しょう症治療は、アバロパラチドによる処置の前、その間、またはその後に施され得る。
【0126】
本明細書で開示される方法のある特定の実施形態において、該貼付は、患者の角質層に微小突起の1つ以上を突き通すのに十分な力を経皮パッチに印加することを含む。本明細書で開示される方法のある特定の実施形態において、貼付部位は、腹部または大腿部である。
【0127】
以下の実施例は、請求される発明をより良く例示するために提供されるものであり、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。特定の材料が言及される場合、それは単に例示を目的としており、本発明を限定することを意図しない。当業者は、発明の能力を行使することなく、また本発明の範囲から逸脱することなく、均等の手段または反応物質を開発することができる。本発明の境界内であることを維持しながら、本明細書に記載の手順に多くの変更を行うことができることが理解される。本発明者は、そのような変更が本発明の範囲内に含まれることを意図する。
【実施例】
【0128】
実施例1:非ヒト霊長類における、PEGまたはZnCl
2を含む調製製剤を使用して調製された経皮パッチにより送達されたアバロパラチドの薬物動態学
すぐに使用可能な様々なアバロパラチド製剤でコーティングされた微小針経皮パッチを提供し、2〜8℃で冷蔵保存した。使用の少なくとも1時間前に、個々のパウチ内の経皮パッチを室温に置いた。以下に提示する実施例の目的のために、微小針を有する単一のパッチの面積は、典型には、約1.26cm
2であった。2つのパッチを使用した場合、それらのパッチの合計面積は、約2.52cm
2であった。パッチは、典型的には、皮膚を張らせることで、針が送達されるときにパッチ送達時の皮膚の動きを低減するのを助けるいくらかの力を用いて、パッチを含む送達デバイスを皮膚に押しつけることによって適用される。典型的な力は、15〜25ニュートンであり得る。適切な力が加えられると、デバイスが起動され、パッチが皮膚に押し込まれた。送達時のパッチへの衝撃の際のエネルギーは、一般に、例えば、50ミリ秒未満、またはさらに10ミリ秒未満の浸透時間と、微小突起のうちの1つ以上(理想的には微小突起の全て)が、少なくとも50マイクロメートル、または100マイクロメートル超、一般には500マイクロメートル未満、角質層に浸透するのに十分なエネルギーとによって、角質層に極めて迅速に送達される。
【0129】
8匹の雌非ナイーブチャイニーズカニクイザル(投薬時2〜4kg)を試験に含めた。各製剤を試験するために同じ8匹の動物を使用し、試験間に3日間のウォッシュアウト期間を設けた。各動物に、体重に関して補正せずにアバロパラチドの固定用量を与えた。
【0130】
各経皮パッチ適用の24時間前に、皮膚を準備した。背側脇腹の小さいエリア(5×5cm)を、小型の家畜用バリカンで毛を丸刈りすることで準備した。丸刈り手順の間、皮膚の擦過を回避するように注意した。皮膚炎のない側が確実に用量投与に使用されるように、両側の背側脇腹(大腿部)を各投与用に準備した。パッチ適用の15分前に、アルコール消毒綿で皮膚を拭いた。適用前に、確実にパスの襟部がアプリケータにしっかりと取り付けられ、また経皮パッチが投与のために脚の上にしっかりと据え付けられるように特に注意した。
【0131】
1日目の前に、動物の体重を記録した。1日目の投薬前に、全血1ml当たり15μL(の2.5mgタンパク質/mL/アプロチニン溶液)を含有するK
3EDTA/アプロチニン管内に、末梢血管からの全血1.5mLを採取した。
【0132】
経皮パッチを、設置後15分間所定位置に保持した。投薬後の観察を可能にするために、投与部位の周りに線を引いた。Draize採点システムを使用して、1日目の投薬前、ならびに投薬から1時間および24時間後に、各投薬部位を採点した。パッチ除去後、残留物含量に関して経皮パッチを分析した。
【0133】
パッチ適用から5、10、20、30、60、および90分後に、全血1ml当たり15μL(の2.5mgタンパク質/mL/アプロチニン溶液)を含有するK
3EDTA/アプロチニン管に、末梢血管からの全血1.5mLを採取した。スケジュールされた採取時間の±5%以内で全血試料を採取し、実際の採取時間を記録した。処理するまで湿潤した氷上で試料を維持した。各試験血液採取時点で動物を観察した。いかなる異常も例外により記録し、すぐに報告した。
【0134】
全血試料を血漿に処理した。血液を冷却遠心分離機内で10±2分間遠心分離した。血漿試料を2つのほぼ等しいアリコート(アリコート1およびアリコート2)に移した。試料を−70℃±10℃で冷凍した。
【0135】
アバロパラチド濃度をLC−MS/MSにより分析した。アバロパラチド血清濃度を、
図1A〜1Bおよび
図2においてC
maxのパーセンテージとして示した。
【0136】
アバロパラチド−SC処置の生物学的均等性「ウィンドウ」は、アバロパラチド−SC処置後の時間に対するアバロパラチドの80%〜125%血清濃度を特定することにより確立した(
図1A)。アバロパラチド−SC処置は、80μg用量のアバロパラチドと共にフェノール(5mg/mL)をさらに含む酢酸緩衝液(5mg/mLの三水和酢酸ナトリウム、pH5.1、酢酸により調整)中のアバロパラチドの水性製剤(2mg/mL)の単回皮下投与により行った。
【0137】
微小針アレイを、注射用の水中0.89%w/w%のZnCl
2および約40%のアバロパラチドを含むアバロパラチドコーティング製剤(調製製剤A32、
図1B)でコーティングすることにより調製した経皮パッチ(本明細書において、以降「TD−A32」と呼ばれる)の適用により、
図1Aの生物学的均等性ウィンドウと著しく重複する薬物動態プロファイルがもたらされた。パッチ(「パッチ−A32」)には、79μgのアバロパラチドが投入されている。
【0138】
微小針アレイを、水中14.5%のPEGおよび約40%のアバロパラチドを含むアバロパラチド調製製剤(調製製剤A31、
図1C)でコーティングすることにより調製された経皮パッチの適用により、
図1aの生物学的均等性ウィンドウと著しく重複する薬物動態プロファイルがもたらされた。パッチには、125μgのアバロパラチドが投入されている。
【0139】
さらに、上記のように得られたTD−A32の薬物動態プロファイルに対し、固定増分を使用したモデル化を行った。アバロパラチド−SC処置データおよび79μgの用量でのTD−A32データは、上記の実験から得られた(表1)。118.5μg、146.95μg、158μg、および177.75μgの用量でのTD−A32データ(表1)は、以下の製剤による79μgの用量でのTD−A32の実験データのモデル化により得られた。
【数2】
【数3】
【0140】
共に80〜125%の範囲内であるC
max 90%CIおよびAUC 90%CIによるTD−A32モデル化データは、アバロパラチド−SC処置と生物学的に均等であった(例えば、表1、約177.75μgの用量でのTD−A32)。したがって、表は、経皮投与のアバロパラチドの用量を調節することにより、アバロパラチド−SC処置との生物学的均等性または実質的な生物学的均等性を達成するようにPKプロファイルを調節することができることを示している。
【0141】
実施例2:ヒトにおける、PBS緩衝液を含む調製製剤を使用して調製された経皮パッチにより送達されたアバロパラチドの薬物動態学
【0142】
アバロパラチドの経皮投与およびアバロパラチド−SC処置の薬物動態プロファイルを、50歳〜80歳(これらの数字を含む)の健常な閉経後の女性において評価した。対象に、1×PBS緩衝液中54%のアバロパラチドを含むアバロパラチド製剤でコーティングすることにより作製された経皮パッチ(100μgアバロパラチド)の単回適用(
図2、正方形)(本明細書で別途記載されない限り、PBS緩衝液は1倍のPBS緩衝液濃度を指す)、または酢酸緩衝液(5mg/mLの三水和酢酸ナトリウム、pH5.1、酢酸で調整)、5mg/mLのフェノール、および2mg/mLのアバロパラチドを含む水性製剤中の80μgのアバロパラチドのSC−注射(
図2、菱形)を行った。ベースライン、および投薬から5、10、15、20、30、60、90および120分後に、血液試料を採取した。アバロパラチド濃度をLC−MS/MS法により分析した。
【0143】
PEGまたはZnCl
2を含まないアバロパラチド製剤を使用して作製された経皮パッチを使用したアバロパラチドの経皮送達は、アバロパラチド−SC処置よりもはるかに速いアバロパラチドの放出を提供した。賦形剤としてZnCl
2またはPEGを含むアバロパラチド製剤を使用して作製された経皮パッチを使用した経皮送達は、アバロパラチド−SC処置のPKプロファイルにはるかにより類似したPKプロファイルをもたらした。
【0144】
実施例3(コホート1 100μg、150μg、200μg):ZnCl
2を含む調製製剤を使用して調製された経皮パッチにより送達されたアバロパラチドの薬物動態
健常な閉経後の女性において、アバロパラチドの経皮投与およびアバロパラチド−SC処置の薬物動態プロファイルを評価した。
【0145】
対象に、100μg、150μg、もしくは200μgのアバロパラチドが投入された経皮パッチ(500×550パッチ;針は長さ500μmであり、針の先端は相互に550μm離間した)、または80μgのアバロパラチドのSC−注射の単回適用を行った。
【0146】
ある特定の経皮パッチを、0.89%w/w%のZnCl
2、約45%w/w%のアバロパラチド、残りの注射用水を含むアバロパラチド製剤(コーティング製剤A)でコーティングすることにより調製した(アバロパラチド100μg TD、アバロパラチド150μg TD、およびアバロパラチド200μg TD)。あるいは、コーティング製剤は、例えば、約0.89%w/w%を有するコーティング溶液がアバロパラチドAPIに対するモル比約0.7のZnCl
2を有した場合、アバロパラチドに対する賦形剤(例えばZnCl
2)のモル比として表される(モル比は便宜上本明細書では0.7MのZnCl
2と表される)。以下の実施例で使用される製剤Aを用いたコーティングにより、製剤重量に対して約1.93%w/wのZnCl
2を含むパッチが得られた。ある特定の経皮パッチには、追加の賦形剤を含まないPBS緩衝液中のアバロパラチドを含む第1の一般的なアバロパラチド製剤を使用して150μgのアバロパラチドが投入された。
【0147】
80μgのアバロパラチドのSC−注射を、酢酸緩衝液(5mg/mLの三水和酢酸ナトリウム、pH5.1、酢酸により調整)、5mg/mLのフェノール、および2mg/mLのアバロパラチドを含む水性製剤の注射ペン(再利用型がSC参照1であり、使い捨て型がSC参照2)により投与した。
【0148】
ベースライン、および投薬から4時間後までの様々な時点で、血液試料を採取した。アバロパラチド濃度をLC−MS/MS法により分析した。血管外モデルを使用して、NCA(非コンパートメント分析)を行った。可能な場合には相対的な実時間を使用し、さもなくば相対的な公称時間を使用した。公称用量を分析に使用した。BQLはゼロに設定し、対象または試料除外は適用しなかった。別途指定されない限り、
図11〜24において、ボックスは、観察の25から75パーセンタイルを表し、破線は、観察の中央値を表し、実線は、観察の平均値を表し、ウィスカーは、極端な観察値を表す。
【0149】
PK結果は、それぞれ、表2、
図3(中央血漿アバロパラチド濃度の経度対投与後の時間)、
図4(中央血漿アバロパラチド濃度対投与後の時間)、
図5(平均血漿アバロパラチド濃度の経度対投与後の時間)、
図6(平均血漿アバロパラチド濃度対投与後の時間)、
図7(用量正規化血漿アバロパラチド濃度の中央値の経度対投与後の時間)、
図8(用量正規化血漿アバロパラチド濃度の中央値対投与後の時間)、
図9(用量正規化血漿アバロパラチド濃度の平均の経度対投与後の時間)、および
図10(用量正規化血漿アバロパラチド濃度の平均対投与後の時間に要約される。
【0150】
アバロパラチド100μg TD、アバロパラチド150μg TD、アバロパラチド200μg TD、アバロパラチド80μg SC参照1、および150μg TD(PBS緩衝液のみ)の処置のPK結果を、SC参照2と比較し(表3)、C
max、AUC
last、AUC
inf、C
max/D(投薬当たりのC
max)、CL/F、HL_Lambda_z、およびT
maxについて、それぞれ、
図11、13、15、17、19、21、および23に示す。
【0151】
Abaloparatide100μg TD、Abaloparatide150μg TD、Abaloparatide200μg TD、Abaloparatide80μg SC参照1、およびSC参照2の処置のPK結果を、150μg TD(PBS緩衝液)と比較した(表4)。150μg TDと比較したアバロパラチド200μg TDおよびアバロパラチド80μg SCの処置のPK結果を、C
max、AUC
last、AUC
inf、C
max/D(投薬当たりのC
max)、CL/F、HL_Lambda_z、およびT
maxに関してそれぞれ
図12、14、16、18、20、22、および24に示す。コーティング製剤Aから調製した、アバロパラチド100μg TD、アバロパラチド150μg TD、およびアバロパラチド200μg TD処置は全て、TD PBS緩衝液のみの製剤と比較して、より低いC
max(約60%対約70%)、より長いt
1/2(約2倍)、およびより長いT
maxまでの時間を伴って、アバロパラチド送達を著しく向上させた(AUCの約2倍)。変動性は2つの投与経路(SCおよびTD)の間で類似していたが、範囲(AUC最大−最小)はTD投与においてより低いようであった(
図16)。製剤AのTDおよびSC送達のC
maxの比較では、より同等となるには、小増分の用量上昇が必要となり得ることが示唆された(
図12)。
図25は、製剤Aを使用して調製された経皮パッチで処置された対象のPKプロファイルが、SC参照2の同等範囲内であったことを示している。
図31および
図32に、データの追加の図を示す。SCアームはSC参照1であり、「TD第1世代」は、PBS緩衝液のみの中のアバロパラチドであり、「TD製剤」は製剤Aを指す。
【0152】
実施例4:PBS緩衝液のみによるアバロパラチドを使用して調製された経皮パッチの第2相試験
アバロパラチドおよびPBSを含む第1世代アバロパラチド製剤を使用して調製された経皮パッチを使用して、無作為化、並行群間、プラセボ対照、実薬対照第2相試験を行った。6ヶ月間、対象に、50μg、100μg、もしくは150μgのアバロパラチド(それぞれ、TD ABL 50mcg、TD ABL 100mcg、およびTD ABL 150mcg)が投入された経皮パッチ(長さ500マイクロメートルの微小突起を有する)の毎日のTD適用、80μgのアバロパラチド(SC ABL 80mcg)またはプラセボ(TDプラセボ)の毎日のSC−注射を行った(表5)。
【0153】
対象のベースラインからのパーセントBMD変化を、腰椎(
図26)、および全股関節(
図27)においてそれぞれ決定した(N=合計231)。局所耐性データを、腫脹または皮膚反応を示す対象の%に関して
図28に要約した。
【0154】
アバロパラチド経皮パッチ(TD−50mcg、TD−100mcgおよびTD−150mcg)およびアバロパラチドSC−注射(SC−80mcg)で処置された対象のベースラインからのC
max、AUC、およびBMDパーセント変化の概要を、表6にさらに要約する。
【0155】
PK/PD関係(C
max対BMDおよびAUC対BMD)の分析では、用量依存性およびAUCとの直線関係が明らかとなり、C
maxよりもむしろAUCが有効性の重要な促進力であることが示唆された(
図30A〜30B)。アバロパラチド経皮パッチで処置された対象(緑色の菱形)およびアバロパラチドSC−注射で処置された対象(橙色の菱形)のAUCは、対象のベースラインからのBMDパーセント変化に対して直線関係を示した(
図30B)が、これらの対象のC
maxは示さなかった(
図30A)。そのようなデータは、AUCがアバロパラチド処置の有効性の重要な促進力であることを示していた。
【0156】
図28に示されるように、TDパッチは、十分な耐性を示した。アバロパラチドのTD送達のPOCが示されたが、SC送達と比較してより低いBMDゲインが達成された。
【0157】
第1世代アバロパラチド製剤を使用して作製されたTDパッチのPKプロファイルは、同等のC
maxおよびより低いAUC(SCの約25〜30%)(
図29)と共に、SC送達よりも拍動性の送達を示した。
【0158】
実施例5:ヒトにおいて使用するためのポリエチレングリコールを含むアバロパラチド製剤D
【0159】
製剤Dを使用して、ポリエチレングリコールを賦形剤として含んだ、100μg、150μg、および200μgのアバロパラチドパッチを有するコーティングされたパッチを調製した。コーティング製剤Dは、約40%w/wのアバロパラチド、約14%w/wのPEG 3350NF、および残りの注射用無菌水を含有した。すぐに使用できる乾燥パッチは、約22%〜30%のPEG 3350 NFおよび残りのアバロパラチドを含有した。調製したパッチを腹部に貼付し、pK測定のために試料を採取した。3つの用量群についてのPEGコーティングパッチのpKプロファイルを
図33〜35に示す。
【0160】
貼付部位は腹部であり、着用時間は15分であり、pKパラメータは
図33〜35に示されている。
【0161】
実施例6:PEG/ZnCl
2を含有する経皮製剤の薬物動態
健常な閉経後の志願者を、以前に説明したように80μgのsc注射で、または100、150、もしくは200μgのアバロパラチドを含有するように製剤化された経皮パッチで処置した。経皮製剤を、ほぼ35%w/wのアバロパラチド、約13%w/wのPEG3350NF、約0.89%w/wのZnCl
2、および約52%w/wの水からなるコーティング溶液で、PEG3350NF/ZnCl
2でコーティングした。乾燥後のPEG/ZnCl
2パッチは、本質的に、70〜75%%のアバロパラチドおよび24%〜28%%のPEG33550NF、ならびに約1.5%のZnCl
2からなった。貼付部位は腹部であり、15分の着用時間で、pKパラメータは
図36〜38に示されている。
【0162】
実施例7〜12
【0163】
実施例5〜6に記載したのと同様の様式で、以下の実施例7〜12で簡単に説明するように、追加の変形を実施した。実施例7〜12の薬物動態データを表7〜9に示す。
【0164】
実施例7(4P1)−
【0165】
微小針パッチを、記載したようにコーティング製剤Aから作製し、200μgのアバロパラチド用量で評価し、健常な閉経後の女性におけるその薬物動態プロファイルについて評価した。貼付部位は大腿部であった。
【0166】
実施例8(4P3)
【0167】
実施例8と同じ調製製剤(コーティング製剤A)を150μgのアバロパラチドと共に使用した。2つのコーティングされたパッチの一方を貼付した直後にもう一方を貼付し(合計300μgのアバロパラチド)、両方の貼付は患者の腹部に行った。
【0168】
実施例9(5P1)
【0169】
微小針パッチは、約2.2M(コーティング溶液コーティング製剤B中のZnCl
2対アバロパラチドのモル比)のZnCl
2濃度(約2.2%w/w)および約36%w/wのアバロパラチド(注射用水からの残りの重量)を含有する調製製剤から調製し、約5.83%w/wのZnCl
2、約94.16%w/wのアバロパラチド(いかなる残留水画分も含まない)を含有する乾燥パッチを得、アバロパラチドペプチドの重量は200μgであった。貼付部位は大腿部であった。
【0170】
実施例10(5P2)
【0171】
パッチを、0.7MのZn(OAc)
2コーティング溶液C(1.38w/wのZn(OAc)
2)を使用して調製し、約97%w/wのアバロパラチドおよび約3.3%w/wのZn(OAc)
2を有し、パッチ上に合計約200μgのアバロパラチドを有する、すぐに使用できるパッチを得た。貼付部位は大腿部であった。
【0172】
実施例11(5P3)
【0173】
260μgのアバロパラチドを含有し、15分の着用時間で大腿部に適用した以外は実施例7と同じ調製製剤を使用して、微小針パッチを調製した。
【0174】
実施例12(5P4)
パッチは円形であり、実施例9の記載に従って同じ用量で調製した。これは2×200μgのパッチ試験であり、両方のパッチを、一方の貼付の直後に他方を貼付して大腿部に送達した。2つのパッチを用いたため、単一のパッチとして用いた相当面積はおよそ2.52cm
2であり、同等の単一パッチ直径はおよそ2.52cm(それぞれ1.26cm)である。実施例13からのアバロパラチドを投与したパッチの薬物動態曲線に、アバロパラチド80μg SCによる参照データセットを重ね合わせる。
【0175】
実施例13:経皮パッチによるアバロパラチドの投与後の雌非ヒト霊長類からの血液試料採取:
すぐに使用可能な様々なアバロパラチド製剤でコーティングされた微小針経皮パッチを提供し、2〜8℃で冷蔵保存した。使用の少なくとも1時間前に、個々のパウチ内の経皮パッチを室温に置いた。8匹の雌非ナイーブチャイニーズカニクイザル(投薬時2〜4kg)を試験に含めた。各製剤を試験するために同じ8匹の動物を使用し、試験間に3日間のウォッシュアウト期間を設けた。
【0176】
時点は、投薬後5分、10分、20分、30分、1時間、および1.5時間のパッチ適用の時間から計算した。投薬前の時点を1日目とした。1.5mLの全血を各時点で採取した。K
3EDTA/アプロチニンを抗凝固剤として使用した。
【0177】
各動物に、体重に関して補正せずにアバロパラチドの固定用量を与えた。以下のように用量投与を行った。
【0178】
1日目:経皮パッチの適用により試験物質を送達した。各経皮パッチ適用の24時間前に、以下のように皮膚を準備した。背側脇腹の小さいエリア(5×5cm)を、小型の家畜用バリカンで毛を丸刈りすることで準備した。丸刈り手順の間、皮膚の擦過を回避するように注意した。皮膚炎のない側が確実に用量投与に使用されるように、両側の背側脇腹(大腿部)を各投与用に準備した。パッチ適用の15分前に、アルコール消毒綿で皮膚を拭いた。適用前に、確実にパスの襟部がアプリケータにしっかりと取り付けられ、また経皮パッチが投与のために脚の上にしっかりと据え付けられるように特に注意した。
【0179】
4、7、および10日目:経皮パッチの適用により試験物質を送達した。各経皮パッチ適用の24時間前に、上述のように皮膚を準備した。適用前に、確実にパスの襟部がアプリケータにしっかりと取り付けられ、また経皮パッチが投与のために脚の上にしっかりと据え付けられるように特に注意した。
【0180】
1、4、7、および10日目:経皮パッチを、設置後15分間所定位置に保持した。投薬後の観察を可能にするために、投与部位の周りに線を引いた。パッチ除去後、残留物含量に関して経皮パッチを分析した。
【0181】
各試験血液採取時点で動物を観察した。いかなる異常も例外により記録し、すぐに報告した。Draize採点システムを使用して、投薬前、投薬から1時間および24時間後の各投薬部位を採点した。1日目の前に、動物の体重を記録した。
【0182】
末梢血管から全血試料を採取した。1日目の投薬前に、全血1ml当たり15μL(の2.5mgタンパク質/mL/アプロチニン溶液)を含有するK
3EDTA/アプロチニン管内に、全血1.5mLを採取した。1、4、7、および10日目に、各時点(パッチ適用から5分、10分、20分、30分、60分および90分後)で、全血1ml当たり15μL(の2.5mgタンパク質/mL/アプロチニン溶液)を含有するK
3EDTA/アプロチニン管内に、1.5mLの全血を採取した。スケジュールされた採取時間の±5%以内で全血試料を採取し、実際の採取時間を記録した。処理するまで湿潤した氷上で試料を維持した。
【0183】
全血試料を血漿に処理した。血液を冷却遠心分離機内で10±2分間遠心分離した。血漿試料を2つのほぼ等しいアリコート(アリコート1およびアリコート2)に移した。試料を−70℃±10℃で冷凍した。
【0184】
B):経皮パッチにより送達された様々なアバロパラチド製剤の薬物動態
図39および40は、皮下投与されたアバロパラチドのCmaxおよびAUCと比較した、本明細書で開示される様々なコーティング製剤でコーティングされた経皮パッチによる投与後のアバロパラチドの送達のCmaxおよびAUCを示す。
【0185】
図41は、アバロパラチド(ABL)の皮下(SC)送達、およびコーティング用の様々な経皮製剤により調製されたパッチを使用したアバロパラチド(ABL)の経皮送達(TD)のPKプロファイルを示す。黒菱形:SC投与されたABL;白抜きの三角:TD投与された賦形剤なしのABL製剤;黒丸:TD投与されたPVPを含むABL製剤;黒正方形:TD投与されたPLGAを含むABL製剤;黒三角:TD投与されたPLGAを含むABL製剤;X:TD投与されたHPβCDを含むABL製剤;星型:TD投与されたPLGAを含むABL製剤;白抜きの丸:TD投与されたPEGを含むABL製剤;+:TD投与されたHPβCDを含むABL製剤;白抜きの正方形:TD投与されたZnCl
2を含むABL製剤。各投与後の様々な時間でのABL血漿濃度が、以下の表に要約される。
【表23】
【0186】
上記は、単に本発明の様々な実施形態を例示することを意図する。上で議論された特定の修正は、本発明の範囲の限定として解釈されるべきではない。当業者には、本発明の範囲から逸脱せずに様々な均等物、変更、および修正が実現され得ることが明らかであり、そのような均等な実施形態は本明細書に含まれることが理解される。本開示における全ての参考文献は、参照することにより本明細書にその全体が組み込まれる。
【0187】
【表24-1】
【表24-2】
【表24-3】
【表25】
【表26】
【表27】
【表28】
【表29】
【表30】
【表31】
【表32】
【表33】
【0188】
本発明の態様として以下のものが挙げられる。
[1]経皮パッチをコーティングするのに好適な調製製剤であって、アバロパラチドと、水と、Zn
2+塩、Mg
2+塩、Ca
2+塩、ポリエチレングリコール、およびヒドロキシプロピルベータ−シクロデキストリンからなる群から選択される1つ以上の賦形剤と、を含む、調製製剤。
[2]前記賦形剤が、ZnCl
2、Zn(OAc)
2、Zn
3(PO
4)
2、クエン酸Zn、シュウ酸Zn、MgO、クエン酸Mg、MgSO
4、オロチン酸Mg、乳酸Mg、MgCO
3、ソルビン酸Ca、クエン酸Ca、アスコルビン酸Ca、Ca
3(PO
4)
2、CaCl
2、CaCO
3、CaSO
4、およびCa(OAc)
2からなる群から選択される、[1]に記載の調製製剤。
[3]前記賦形剤が、ZnCl
2およびZn(OAc)
2ならびにそれらの組み合わせから選択される、[2]に記載の調製製剤。
[4]前記治療活性物質に対する前記賦形剤(単数または複数)のモル比が、0.1〜2.0である、[1]〜[3]のいずれかに記載の調製製剤。
[5]前記治療活性物質に対する前記賦形剤(単数または複数)のモル比が、0.2〜1.5である、[1]〜[4]のいずれかに記載の調製製剤。
[6]前記治療活性物質に対する前記賦形剤(単数または複数)のモル比が、0.25〜1.0である、[1]〜[5]のいずれかに記載の調製製剤。
[7]複数の微小突起を備える経皮パッチであって、アレイ内の少なくとも1つの微小突起が、少なくとも部分的にコーティングによりコーティングされ、前記コーティングが、アバロパラチドと、Zn
2+塩、Mg
2+塩、Ca
2+塩、ポリエチレングリコール、およびヒドロキシプロピルベータ−シクロデキストリンからなる群から選択される1つ以上の賦形剤と、を含む、経皮パッチ。
[8]前記微小突起が微小針である、[7]に記載の経皮パッチ。
[9]前記賦形剤が、ZnCl
2、Zn(OAc)
2、Zn
3(PO
4)
2、クエン酸Zn、シュウ酸Zn、MgO、クエン酸Mg、MgSO
4、オロチン酸Mg、乳酸Mg、MgCO
3、ソルビン酸Ca、クエン酸Ca、アスコルビン酸Ca、Ca
3(PO
4)
2、CaCl
2、CaCO
3、CaSO
4、およびCa(OAc)
2からなる群から選択される、[7]〜[8]のいずれか一項に記載の経皮パッチ。
[10]前記賦形剤が、ZnCl
2およびZn(OAc)
2ならびにそれらの組み合わせから選択される、[7]〜[9]のいずれか一項に記載の経皮パッチ。
[11]アバロパラチドに対する前記賦形剤(単数または複数)のモル比が、0.1〜2.0である、[7]〜[10]のいずれか一項に記載の経皮パッチ。
[12]アバロパラチドに対する前記賦形剤(単数または複数)のモル比が、0.2〜1.5である、[7]〜[11]のいずれか一項に記載の経皮パッチ。
[13]アバロパラチドに対する前記賦形剤(単数または複数)のモル比が、0.25〜1.0である、[7]〜[12]のいずれか一項に記載の経皮パッチ。
[14]アバロパラチドが、90〜110μg、140〜160μg、185〜220μg、225〜275μg、約100μg、約150μg、約200μg、または約250μgの量で前記微小突起アレイ上に存在する、[7]〜[13]のいずれか一項に記載の経皮パッチ。
[15]対象における骨粗しょう症、骨減少、変形性関節炎、および骨折からなる群から選択される状態を治療する方法であって、[7]〜[14]のいずれか一項に記載の経皮パッチを貼付することを含む、方法。
[16]脊椎、非脊椎、臨床的、および大きな骨粗しょう症性骨折を予防する方法であって、[7]〜[14]のいずれか一項に記載の経皮パッチを貼付することを含む、方法。
[17]対象における骨ミネラル濃度(BMD)を改善する、骨梁スコア(TBS)を改善する、および/または骨折を低減する方法であって、[7]〜[14]のいずれか一項に記載の経皮パッチを前記対象に貼付することを含む、方法。
[18]前記パッチが、300〜750個の微小突起を備える、[7]〜[14]のいずれか一項に記載の方法。
[19]前記貼付が、前記患者の角質層に前記微小突起のうちの1つ以上を突き通すのに十分な力を前記経皮パッチに印加することを含む、[7]〜[15]のいずれか一項に記載の方法。
[20]貼付部位が、腹部または大腿部である、[7]〜[16]のいずれか一項に記載の方法。
[21]複数の微小突起を備える経皮パッチであって、アレイ内の少なくとも1つの微小突起が、少なくとも部分的に製剤によりコーティングされ、前記製剤が、アバロパラチドと、Zn
2+塩、Mg
2+塩、およびCa
2+塩からなる群から選択される1つ以上の賦形剤と、を含む、経皮パッチ。
[22]前記微小突起が、微小針である、[21]に記載の経皮パッチ。
[23]前記賦形剤が、ZnCl
2、Zn(OAc)
2、Zn
3(PO
4)
2、クエン酸Zn、シュウ酸Zn、MgO、クエン酸Mg、MgSO
4、オロチン酸Mg、乳酸Mg、MgCO
3、ソルビン酸Ca、クエン酸Ca、アスコルビン酸Ca、Ca
3(PO
4)
2、CaCl
2、CaCO
3、CaSO
4、およびCa(OAc)
2からなる群から選択される、[21]〜[22]のいずれか一項に記載の経皮パッチ。
[24]前記賦形剤がZn
2+塩を含む、[21]〜[23]のいずれか一項に記載の経皮パッチ。
[25]前記Zn
2+塩がZnCl
2である、[24]に記載の経皮パッチ。
[26]前記Zn
2+塩がZn(OAc)
2である、[24]に記載の経皮パッチ。
[27]アバロパラチドに対する前記賦形剤(複数可)のモル比が、0.1〜3.0である、[21]〜[26]のいずれか一項に記載の経皮パッチ。
[28]前記アバロパラチドに対する前記賦形剤(複数可)のモル比が、0.2〜2.5である、[21]〜[27]のいずれか一項に記載の経皮パッチ。
[29]前記アバロパラチドに対する前記賦形剤(複数可)のモル比が、0.25〜1.0である、[21]〜[28]のいずれか一項に記載の経皮パッチ。
[30]前記アバロパラチドに対する前記賦形剤(複数可)のモル比が、1.5〜2.5である、[21]〜[28]のいずれか一項に記載の経皮パッチ。
[31]前記パッチ製剤が、1%〜10%w/wの前記賦形剤を含む、[21]〜[30]のいずれかに記載の経皮パッチ。
[32]前記パッチ製剤が、1.8%〜8.5%w/wの前記賦形剤を含む、[31]に記載の経皮パッチ。
[33]前記パッチ製剤が、2%〜10%w/wの前記賦形剤を含む、[31]に記載の経皮パッチ。
[34]前記パッチ製剤が、5%〜7%w/wの前記賦形剤を含む、[31]に記載の経皮パッチ。
[35]前記パッチ製剤が、1.7%〜2.25%w/wの前記賦形剤を含む、[31]に記載の経皮パッチ。
[36]前記パッチが、約200〜450μgの量のアバロパラチドをさらに含む、[21]〜[35]のいずれかに記載の経皮パッチ。
[37]前記パッチの面積が、約0.8cm
2〜約3cm
2である、[21]〜[36]のいずれか一項に記載の経皮パッチ。
[38]前記パッチの微小突起密度が、1cm
2当たり微小突起150〜350個である、[21]〜[37]のいずれか一項に記載の経皮パッチ。
[39]対象における骨粗しょう症、骨減少、変形性関節炎、および骨折からなる群から選択される状態を治療する方法であって、[21]〜[38]のいずれか一項に記載の経皮パッチを貼付することを含む、方法。
[40]前記状態が骨粗しょう症である、[39]に記載の方法。
[41]前記骨粗しょう症が閉経後骨粗しょう症である、[40]に記載の方法。
[42]前記閉経後骨粗しょう症が重度の閉経後骨粗しょう症である、[41]に記載の方法。
[43]前記骨粗しょう症により、それを有する前記対象が脊椎および/または非脊椎骨折の高いリスクにさらされる、[39]〜[42]のいずれかに記載の方法。
[44]前記骨粗しょう症が男性の骨粗しょう症である、[39]〜[40]のいずれかに記載の方法。
[45]前記治療することが、男性の骨粗しょう症患者の骨ミネラル濃度を増加させることを含む、[44]に記載の方法。
[46]前記骨粗しょう症がグルココルチコイド誘発性骨粗しょう症である、[39]〜[40]および[43]〜[45]のいずれか一項に記載の方法。
[47][21]〜[38]のいずれか一項に記載の経皮パッチを投与することを含む、脊椎、非脊椎、臨床的、および大きな骨粗しょう症性骨折を予防または治療する方法。
[48][21]〜[39]のいずれか一項に記載のパッチの貼付を含む、変形性関節炎を治療する方法。
[49]前記変形性関節炎が、膝、肘、手首、および/または肩に関連する、[48]に記載の方法。
[50]前記変形性関節炎が原発性である、[48]〜[49]に記載の方法。
[51]前記変形性関節炎が続発性である、[48]〜[49]に記載の方法。
[52][21]〜[38]のいずれか一項に記載のパッチの貼付を含む、骨折治癒を加速させるかもしくは促進する、または骨折を治療する方法。
[53]貼付部位が腹部または大腿部である、[39]〜[52]のいずれか一項に記載の方法。
[54]前記貼付部位が前記腹部である、[53]に記載の方法。
[55]前記貼付部位が前記大腿部である、[53]に記載の方法。
[56]前記貼付により、皮下投与された80ug用量のアバロパラチドのプロファイルと実質的に生物学的に均等なプロファイルがもたらされる、[39]〜[55]のいずれか一項に記載の方法。
[57]前記貼付により、アバロパラチドtd対アバロパラチドscの平均比または公比の90%CIの上限および下限が50%〜200%の間になる、Auc(
tおよび/または
inf)および/またはC
maxがもたらされる、[56]に記載の方法。
[58]前記貼付により、アバロパラチドtd対アバロパラチドscの平均比または公比の90%CIの上限および下限が70%〜143%の間になる、Auc(
tおよび/または
inf)および/またはC
maxがもたらされる、[57]に記載の方法。
[59]前記貼付により、アバロパラチドtd対アバロパラチドscの平均比または公比の90%CIの上限および下限が75%〜133%の間になる、Auc(
tおよび/または
inf)および/またはC
maxがもたらされる、[58]に記載の方法。
[60]前記貼付により、アバロパラチドtd対アバロパラチドscの平均比または公比の90%CIの上限および下限が80%〜125%の間になる、Auc(
tおよび/または
inf)および/またはC
maxがもたらされる、[58]に記載の方法。
[61]前記貼付により、0.135時間超のT
maxがもたらされる、[39]〜[60]のいずれか一項に記載の方法。
[62]前記貼付により、0.15時間超のT
maxがもたらされる、[61]に記載の方法。
[63]前記貼付により、0.2時間超のT
maxがもたらされる、[61]に記載の方法。
[64]前記貼付により、0.3時間超のT
maxがもたらされる、[61]に記載の方法。
[65]前記貼付により、0.2時間〜0.5時間のT
maxがもたらされる、[61]に記載の方法。
[66]前記パッチが、貼付後約5、10、または15分間、投与部位に残る、[39]〜[65]のいずれか一項に記載の方法。