【実施例1】
【0011】
図1を用いて本発明に適用される実施例1について説明する。
この図は上面部(1)の両端部に設けたテープ保持脚(8)、(8)をアーチ状に接続して、粘着テープロール(13)を粘着テープクリーナーにセットする直前の斜視図である。
【0012】
図2は留め蓋部(7)の爪を、左側面部(3)の爪孔に差し込む直前の図であり、粘着テープロール(13)のテープ先の粘着面が上に引き出せるようにセットして爪を留めればセットアップする。
【0013】
又、
図3は粘着テープロール(13)の紙管内にテープ保持脚(8)、(8)の下部を下方向に内設させてテープガイド孔(9)より粘着テープ先端を引き出してテープ挟持部(11)に貼付した図である。
【0014】
そして、粘着テープクリーナーとしての使い方は、
図3で示すように、粘着テープ先端の粘着面を上にしてテープガイド孔(9)より引き出したら、テープカッター部(10)でカットせずに、そのまま、反転させて底面部(2)に沿わせて粘着テープ先を後端部の蝶番状のテープ挟持部(11)に貼り付ける。
もし、粘着テープの弛みがあれば粘着テープロール(13)を逆転してテープの弛みをとって、粘着面をゴミ等に押し付けて貼りつけて採る。
【0015】
又、汚れた粘着面を替えるには、つまみ部(12)を引っ張ると、汚れていない粘着テープの先端が外れるので粘着面を2つ折りして、抜け毛やゴミなどを封じ込めてからテープカッター部(10)でカットして捨てる。
本発明は粘着テープをカットすると、つまみ易い状態で粘着テープ先が常にテープガイド孔(9)から出る構造なので、いつでも次の使用への待機状態にある。
【0016】
このように、現在主流のローリング式の粘着テープクリーナーの粘着面の交換時の欠点と異なり、抜け毛やゴミで汚れた粘着面に指を触れず又、ゴミ箱の口などにも貼り付かずに捨てる事が出来る。
更に、ローリング式では、待機中は付属の収納ケースに収めないと、抜け毛やゴミで汚れた粘着面は見た目にも悪く、又、他のものに貼り付いて困るが、本発明では、そのようなことは無い。
【0017】
又、粘着テープクリーナーとしてではなく、粘着テープカッターとしての使い方は、テープガイド孔(9)から粘着テープ先端を好みの長さまで引き出したら、テープカッター部(10)でカットして使う。
又、ダンボール箱等の梱包作業で直接貼り付ける時は、
図4のように本体を上下逆さに持って市販の荷造り用テープカッターと同様に、貼り付けながら粘着テープを引き出して、カットしたいところで一旦止めて、粘着テープを本体のテープカッター部(10)に当ててカットする。
【0018】
なお、従来品は粘着テープクリーナーを使用していると、少しずつ底面に沿わせた粘着テープが弛んでしまう欠点を課題にして、本発明は解決に取り組んだが、以上のように、テープガイド孔(9)に粘着テープを通すことで、クラフトテープだけの対応が、透明P.P粘着テープなどのテープをカットしても、テープ先がテープ巻癖や静電気等で戻って貼りつくことが無くなり、利用が可能になった。
このように、本粘着テープクリーナーでは、3点支持等の効果により、特許文献1〜3には無い有利な効果を奏したもので、粘着テープカッターとしても利用が可能な粘着テープクリーナーとなって提供される。
【0019】
なお、実施例1では正面板部(5)が底面部(2)に対して、粘着テープが切断刃に垂直に当たってカットし易いように、底面部(2)の前端部にテープカッター部(10)を設けると良い。
【0020】
<比較例1>
図5は、従来品を使用していると、少しずつ底面部(2)に沿わせた粘着テープが弛んでしまう課題を説明した図である。
一般の粘着テープの裏面は、粘着面を密着して巻いた粘着テープロール(13)から容易に引き出せるように、裏面は摩擦力を少なくする剥離剤を施して剥離面は滑り易く加工されている。
更に、粘着面を抜け毛やゴミ等に押し付けて貼り付けて採るには、同時に床や衣服等にも粘着面が押し当たる。
これらの為、使用しているうちに、剥離剤を施した滑り易い粘着テープの裏面は、テープ保持部(A)のスプリング効果で、粘着テープロール(13)を底面部(2)に押し付ける効果と、粘着テープロール(13)を掌で押さえているものの、従来品では底面部(2)の両端2点の折り返し点の摩擦抵抗だけでは粘着力に負けて、外側に引っ張られて弛んでしまっていた。
【0021】
しかし、実施例1では
図6で示すように、前端孔部にテープガイド孔(9)付きの正面板部(5)と、その下端にテープカッター部(10)を設けたので、従来品とは異なり、テープガイド孔(9)の孔縁の折り返し点も加えて支持点が3点となり、更に粘着テープロール(13)から上り角度のθを持たせてテープガイド孔(9)まで引き出された粘着テープは、この上り角度θ効果とテープカッター部(10)までの長さの距離抵抗も加わり、かなりの抵抗力が増大した。
【0022】
又、
図7で示すように、テープ保持部(A)のスプリング効果で底面部(2)に押し付ける効果は、使用しているうちに粘着テープロール(13)の巻が小さくなってきても、固定式のテープ保持部とは異なり、テープガイド孔(9)へ引き出される上り角度θが常に一定しているので3点支持と、上り角度θ効果で保持される。
このように、粘着テープロール(13)の回転の抵抗力も従来品の水平より、上り斜面を引っ張り上げる力の方が大きいことは明らかであり、この上り角度θと3点支持の効果で、底面部(2)の粘着テープが外側に引っ張る力が全抵抗力より少ないので、底面部(2)に沿わせた粘着テープが弛むことは無い。
【0023】
図8は上記の実施例1の展開基板による粘着テープクリーナーを示す展開図である。
なお、実施例1では、上面部(1)の両端部に設けたテープ保持脚(8)、(8)をアーチ状に接続したが、実施例2のように両端部を接続しない短い形状でも良い。
【実施例2】
【0024】
そして、3点支持と上り角度θ効果で従来品の課題を解決した実施例1をコンパクト化した粘着テープクリーナーの実施例2について説明する。
この
図9は粘着テープロール(13)を粘着テープクリーナーにセットする直前の斜視図である。
【0025】
更に、
図10は粘着テープロール(13)の紙管内に、上面部(1)の両端部に短く設けたテープ保持脚(8)、(8)を、下方向に内設させて、留め蓋部(7)の爪を、右側面部(4)の爪孔に差し込む直前の斜視図である。
そして、粘着テープロール(13)のセット及び、粘着テープクリーナーと粘着テープカッターとしての使い方は実施例1と同様である。
【0026】
又、
図11は実施例2の展開基板による粘着テープクリーナーを示す展開図である。
【0027】
又、
図12は3点支持と上り角度θ効果で粘着テープクリーナーとして使用の実施例2の図。
【0028】
なお、この実施例2では正面板部(5)と背面板部(6)に傾きが有るので、粘着テープが切断刃に垂直に当たってカットし易いような形状のテープカッター部(10)を正面板部(5)の下端部に刃先を立てて設けても良い。
しかし、この正面板部(5)や背面板部(6)の傾きはデザイン的なものであり、実施例1の形状のように直角でも良い。
【0029】
そして、テープカッター刃は金属又は、セラミックでも良く材質は限定しない。又、本発明品は粘着面を反転して使う為にカッター刃の目が細かくても目詰まりし辛い利点がある。
【0030】
又、正面板部(5)のテープガイド孔(9)を切り欠いた残りのスペース上で、テープ先端部を折り重ねると、荷物等に貼り付けた粘着テープを剥がす際、テープの先端が簡単につまめて剥がせる、つまみ部をつくることが出来る。
【0031】
又、底面部(2)の裏面にスポンジ等のクッション性のあるシート状の素材を貼ることにより、抜け毛やゴミ等の貼り付く量が増加するだけでなく、着用した衣服の上から操作しても衝撃を和らげる効果がある。
【0032】
又、特に、組み立て前のシート状のP.P樹脂製の展開基板は何枚でも重ねることが可能で、かさ張らずに保管や運搬にも便利で、組み立て後の製品に会社のロゴや名入りすれば、家庭や自動車内でも重宝するので長期に亘っての広告効果も増す。
【0033】
又、使用する粘着テープもテープ巾を主流の50mmから40mmに、紙管径も主流の規格である3インチから2インチに変えれば、コンパクトで、扱い良くなり販促商品としても喜ばれる。
【0034】
又、本粘着テープクリーナーはシート状のP.P樹脂製の展開基板で形成したものだが、射出成形で形成すれば、金型はビク型に比べて高価だが、量産しても長期使用に耐え、又、樹脂シートから切り抜く作業も要らず、しかも、抜きカスも出ない。
更に、材料に全く無駄が無いので、かなり安価に量産できる。