(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
患者内の手術部位での整形外科的機能の回復を最適化するべく画像を分析するための方法であって、前記方法は、コンピュータ・ソフトウェアにより指令される1つ以上のコンピュータにより行われ、前記方法は、
前記手術部位の術前画像を取得することと、
前記手術部位の術中画像を取得することであって、前記術中画像は、トライアルプロテーゼである第1の植込まれた装置の少なくとも一部をその植込まれた場所で描画することと、
前記第1の植込まれた装置のデジタルテンプレート画像を選択することであって、前記デジタルテンプレート画像は、前記第1の植込まれた装置のデジタル表現であることと、
前記第1の植込まれた装置のデジタルテンプレート画像が、前記手術部位の術中画像内に示される第1の植込まれた装置を直接オーバーレイするように、前記第1の植込まれた装置のデジタルテンプレート画像を前記手術部位の術中画像上に重ね合わせることと、
第1の解剖学的標識を、前記手術部位の術中画像上にデジタル的に登録することと、
前記第1の解剖学的標識を、前記手術部位の術前画像上にデジタル的に登録することと、
前記術前画像内のデジタルテンプレート画像が、前記術中画像内に描画されたのと同じ解剖学的場所内に位置付けられるように、前記第1の植込まれた装置のデジタルテンプレート画像を前記手術部位の術前画像上に重ね合わせ、前記第1の植込まれた装置の重ね合わされたデジタルテンプレート画像を前記第1の解剖学的標識に対して配向することと、
を含む、方法。
第1の静止したベース点を、前記術前画像及び前記術中画像のそれぞれの中に存在する解剖学的特徴上にデジタル的に登録することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
第2の静止したベース点を、前記術前画像及び前記術中画像のそれぞれの中に存在する解剖学的特徴上にデジタル的に登録することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
前記第1の静止したベース点及び前記第2の静止したベース点が、前記術前画像及び前記術中画像がオーバーレイする関係にあるときに位置合わせされるように、前記術前画像及び前記術中画像をスケーリング及び回転させることをさらに含む、請求項4に記載の方法。
前記術前画像及び前記術中画像のそれぞれの中に存在する1つ以上の解剖学的特徴にわたって延びるラインをデジタル的に登録することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
患者内の手術部位での整形外科的機能の回復を最適化するべく画像を分析するための方法であって、前記方法は、コンピュータ・ソフトウェアにより指令される1つ以上のコンピュータにより行われ、前記方法は、
前記手術部位の術前画像を取得することと、
前記手術部位の術中画像を取得することであって、前記術中画像は、トライアルプロテーゼである第1の植込まれた装置の少なくとも一部をその植込まれた場所で描画することと、
前記第1の植込まれた装置のデジタルテンプレート画像を選択することであって、前記デジタルテンプレート画像は、前記第1の植込まれた装置のデジタル表現であることと、
前記第1の植込まれた装置のデジタルテンプレート画像が、前記手術部位の術中画像内に示される第1の植込まれた装置を直接オーバーレイするように、前記第1の植込まれた装置のデジタルテンプレート画像を前記手術部位の術中画像上に重ね合わせることと、
第1の解剖学的標識を、前記手術部位の術中画像上にデジタル的に登録することと、
前記第1の解剖学的標識を、前記手術部位の術前画像上にデジタル的に登録することと、
前記術前画像及び前記術中画像が同じスケールのものであるかどうかを判断するか、又は、前記術前画像及び前記デジタルテンプレート画像が同じスケールのものであるかどうかを判断することと、
前記術前画像及び前記術中画像又は前記デジタルテンプレート画像が同じスケールのものでないという判断に応答して、前記術前画像及び少なくとも前記デジタルテンプレート画像をスケーリングすることと、
前記術前画像内のデジタルテンプレート画像が、前記術中画像内に描画されたのと同じ解剖学的場所内に位置付けられるように、前記第1の植込まれた装置のデジタルテンプレート画像を前記手術部位の術前画像上に重ね合わせ、前記第1の植込まれた装置の重ね合わされたデジタルテンプレート画像を前記第1の解剖学的標識に対して配向することと、
を含む、方法。
第1の静止したベース点を、前記術前画像及び前記術中画像のそれぞれの中に存在する解剖学的特徴上にデジタル的に登録することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
第2の静止したベース点を、前記術前画像及び前記術中画像のそれぞれの中に存在する解剖学的特徴上にデジタル的に登録することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
前記第1の静止したベース点及び前記第2の静止したベース点が、前記術前画像及び前記術中画像がオーバーレイする関係にあるときに位置合わせされるように、前記術前画像及び前記術中画像を回転させることをさらに含む、請求項13に記載の方法。
前記術前画像及び前記術中画像のそれぞれの中に存在する1つ以上の解剖学的特徴にわたって延びるラインをデジタル的に登録することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0028】
この発明は、手術中にとられる手術画像を、術前同側画像、及び/又は患者の比較できる部分の手術前又は手術中にとられる対側画像と比較することによって、そのスケーリング、計算、比較、及びアラインメントのうちの少なくとも1つを含む分析を介して術中ガイダンスを提供する、手術中に使用するのに適したシステム及び方法によって達成することができる。画像分析中に参照として役立つように各画像において少なくとも1つの静止したベースが選択される。大まかには、本発明者らによって「画像オーバーレイ」と称される本発明に係るいくつかの技法は、分析中に1つの画像を別の画像の上に置いて、組み合わされ、重ねられた画像を生成し、一方、本発明者らによって「逆テンプレーティング」又は「テンプレーティング技法」と称される本発明に係る或る他の技法は、分析中にデジタルテンプレートを最初に適正にスケーリングされた手術中画像上に置き、次いでスケーリングされた手術前画像上に置く。
【0029】
一般に、患者の2つの画像の正確な分析は、2つの画像がどれくらい類似しているかだけでなく、スケール、回転、及び平行移動に関して画像がどれくらい類似して位置合わせされるかにも直接関係づけられる。従来の技術を用いると、ユーザは、この目的を達成するために画像を手動で調整する及び/又は複数の画像を再びとるといった確実かつ正確に行うことが難しいようなことをしなければならないであろう。各画像での本発明に係る静止したベースとしての2つ以上の点を用いることは、2つの画像の正確な分析を可能にする。さらに、本画像オーバーレイ技法は、ユーザに結果がどれくらい正確であるかについてのフィードバックを与えるために、すなわち、信頼区間を提供するために、これらの画像がどれくらい「類似している」かを分析することができる。
【0030】
有用な情報を得るために、画像(例えば「術中」手術中画像及び「術前」手術前画像)は、同様にスケーリングされ、好ましくは同様に回転されなければならない。スケールがオフの場合、これは適正に再びスケーリングされない限り誤差につながることになる。回転がオフの場合、ユーザは、本発明に係る逆テンプレーティング中に術前画像上のデジタルテンプレートを術中位置と適合するように手動で位置合わせするために「注視する」ことにかなりの時間を費やす可能性が高い。本発明に係る股関節に関係した手術のための骨盤の涙痕及び/又は大腿骨の大転子などの1つ又は複数の標識の使用は、逆テンプレーティング中にインプラント及び重ね合わされたデジタルテンプレートの術中位置と適合するように術前画像上へのテンプレートの自動の正確な重ね合わせを支援する。例えば、涙痕は、寛骨臼テンプレートを正確に配置するのを助け、大転子は、大腿骨テンプレートを各画像上の正しい高さに配置するのを助ける。本画像オーバーレイ技法と比べて、本逆テンプレーティング技法は、画像がどれくらい類似しているかにあまり敏感ではなく、したがって、画像を異なる設定でとることができるので、医師のオフィスでとられる術前画像を後方アプローチ又は他の外科的手技に関係する股関節手術中にとられる術中画像と比較するなどのより大きな使途の広さを有する。
【0031】
いくつかの実装では、本発明に係るシステム及び方法は、(i)手術部位の術前画像及び手術部位とは患者の反対側の対側画像のうちの1つを含む、少なくとも第1の視野角に沿った少なくとも第1の参照画像、及び(ii)該部位で外科的手技が行われた後の好ましくは同じく第1の視野角に沿った前述の部位の少なくとも第2の結果画像を取り込むこと、選択すること、又は受信することを含む、患者内の手術部位の整形外科的機能の回復を最適化するべくガイダンスを提供するために画像を分析する。システム及び方法は、手術部位の安定した部分の上に静止したベースを確立するために第1の画像及び第2の画像のそれぞれに少なくとも2つの点を生成し、且つ、静止したベースから離間された、手術部位の別の部分の上の少なくとも1つの標識を識別することと、(a)画像内の骨及びインプラントのアラインメントのうちの少なくとも1つの比較を可能にするために第1の画像と第2の画像のオーバーレイ、(b)少なくとも1つのデジタルテンプレートと第1の画像及び第2の画像のそれぞれにおける少なくとも1つの特徴との適合、及び(b)画像内の骨及びインプラントのうちの少なくとも1つのオフセット、長さの差、及び配向のうちの少なくとも1つの分析などの関心ある点間の少なくとも1つの差の数値分析、のうちの少なくとも1つを提供することと、をさらに含む。
【0032】
図70に関連して後述するように静止したベースに関して少なくとも3つの点を確立することは、画像間の回転の差異を判断するのに特に有用である。1つ又は複数の点が、スケーリングラインを確立する点と共用されてもよい。好ましくは、画像のオーバーレイ及び/又は比較の正確さを高めるために、静止したベース点から離間された少なくとも1つの標識が選択される。
【0033】
いくつかの構成では、画像のうちの少なくとも1つの、いくつかの実装では再スケーリングを含むスケーリングは、手術中に解剖学的特徴を測定し、測定した特徴を該特徴を含む最初の術前画像と比較することによって達成される。他の構成では、スケーリング又は再スケーリングは、術中画像を(i)寛骨臼カップ又はスクリューの直径などのインプラント特徴、又は(ii)ボールマーカなどの一時的に位置付けられたオブジェクト又はリーマーなどのツール、のうちの少なくとも1つの既知の寸法と比較することによって達成される。通常、スケーリング又は再スケーリングは、特徴上に2つの点を確立し、2つの点間にラインを生成し、ラインの正しい長さを判断することによって達成される。
【0034】
インプラント、特にプロテーゼを用いる特定の構成では、正確にスケーリングされるテンプレーティングと、本発明に係るソフトウェア主導のシステムをデジタルX線画像などの術中医療イメージングと組み合わせる革新的な手法との組み合わせが、全股関節置換のための種々の手術、特に見づらい前方アプローチ手術の正確さを劇的に改善する。本発明は、外科医がインプラントの挿入前の手術部位の準備中に又は挿入中にリーマー又は他のツールがどれくらい骨と相互作用するかなどの意図せぬバリエーションを補償することを可能にする。いくつかの構成では、外科医又は他のユーザは、外科的意思決定をガイドして助けるために、患者の解剖学的構造体の術前又は術中X線型画像をトライアルプロテーゼの最初の術中X線型画像と比較し、オフセット及び/又は脚の長さの変化を推論することができる。この独自のプロセスは、前方(direct anterior)手術及び他のタイプの手術の正確さを高めることによって患者の満足度を大いに改善し、これらのあまり侵襲的でない手技を行う際の外科医の快適さを大いに高めることになる。
【0035】
いくつかの実装では、本発明に係るシステム及び方法は、静止したベース技法、術中スケーリング技法、及び解剖学的標識識別技法の異なる適用を使用して外転角度、術中の脚の長さ及びオフセットの変化などのパラメータを分析するための独創的で代替的な「逆テンプレーティング」方法論を含む。逆テンプレーティング実装に関して、システム及び方法は、術中画像分析から収集される術中データの使用を、術前同側画像上への術中テンプレーティングと組み合わせる。この方法は、術前及び術中画像取得における不一致にあまり敏感ではなく、ユーザが側方位置(すなわち、後方アプローチ)での関節形成術中にこのシステム及び方法を適用することを可能にするので、より広範囲の股関節置換術に適用することができる。この代替的なシステム及び方法はまた、インプラント選択における可能性のある変化が外転角度、オフセット、及び/又は脚の長さなどのパラメータにどれくらい影響を及ぼすことになるかをユーザが術中に精確に分析することを可能にする。
図60〜
図69に関連して後述されるこの手法では、ユーザは、画像自体をオーバーラップする必要なしに術前同側画像及び術中画像を「横に並べて」分析することになる。システムは、少なくとも術中データを使用してこれらの画像を互いに対してスケーリング及び位置合わせし、次いで、術中データをデジタルプロテーゼテンプレートの独自の利用と組み合わせることによってオフセット及び脚の長さの変化を分析することになる。
【0036】
本発明に係る画像分析に関して、好ましくは少なくとも1つの静止したベース及び少なくとも1つの解剖学的標識が選択される。本明細書で「安定したベース」とも称される「静止したベース」という用語はまた、患者のある領域の2つ以上の画像に存在する少なくとも1つの解剖学的特徴を含む2つ以上の画像のそれぞれに引かれるライン又は他の幾何学的形状として描画される場合がある2つ以上の点の集まりを意味する。例えば、
図1の患者の下肢帯PGの異なる画像は、通常、本発明に係る静止したベースの一部として使用するのに適した参照点又は特徴として本発明者らが認識した、一方又は両方の閉鎖孔OF及び中央の恥骨結合PSを示す。特に本発明に従って用いられる標識として役立つ有用な他の解剖学的特徴は、例えば、右大腿骨F
R上に示される大腿骨頚FN及び小転子LT、並びに左大腿骨F
L上に示される大腿骨頭FH及び大転子GTを含む。大腿骨頭FHは、下肢帯PGの左寛骨臼と係合する。同じく
図1に示されるのは、坐骨体下部の坐骨結節IT、寛骨臼窩の底部に沿った骨稜に関係する「涙痕」TD、並びに回腸の上前腸骨棘ASIS及び下前腸骨棘AIISである。後述するように、手根骨は、橈骨固定及び他の手首に関係した手技のための画像における静止したベースとして役立つ。一般に、2つ以上の画像間で別様に位置付けられることがある関節のある肢ではなく、患者の体幹に関連する「移動可能でない」解剖学的特徴を有することが、静止したベースに関して好ましい。
【0037】
一般に、より長い静止したベースは、特にそれがラインである場合に、その画像により多くのピクセルを含むことになり、本発明に係るオーバーレイ及びスケーリングの正確さを増加させることになるので、そのより長いベースが、より短い静止したベースよりも好ましい。しかしながら、静止したベースが解剖学的関心領域から遠くなるほど、視差により生じる誤差のリスクが高まる。例えば、関心領域が股関節である場合、理想的な静止したベースは股関節の付近になる。股関節手術に関係するいくつかの手技では、例えば、静止したベースラインは、恥骨結合PSで始まり、閉鎖孔OFの少なくとも一部と接し又は交差し、(i)「涙痕」TD又は(ii)下前腸骨棘AIISに延びる。もちろん、ラインを画定するのに2点だけが必要とされ、ゆえに2つだけの信頼性のある解剖学的特徴又は単一の解剖学的特徴上の2つの場所が、本発明に従って用いられる静止したベースを確立するのに必要とされる。より複雑な非線形の静止したベースは、こうした非線形のベースを確立するためにさらなる識別可能な点を用いてもよい。
【0038】
加えて、少なくとも1つの識別可能な解剖学的「標識」又は標識の組が、静止したベースとは別となるように選択され、1つ又は複数の標識が、特定の構成ではオーバーレイプロセスの正確さを分析するために用いられる。このさらなる「標識」は、好ましくは、解剖学的に比較される静止した解剖学的構造体の一部である。例えば、坐骨結節ITの下方部をさらなる標識として識別することができる。この標識は、静止したベースと併せて、骨盤の解剖学的構造体又はオーバーレイにおけるどのような差異又は誤差も描画することになり、これは医師が本システムの出力を検証すること又はそれへのより多くの信頼を有することを可能にすることになる。
【0039】
「トライアル股関節プロテーゼ」という用語は、本明細書では、この構成では患者の股関節の右側又は左側のいずれかである手術部位に挿入する第1の医療用具として外科医によって選択される最初のインプラントを表すのに用いられる。いくつかの技法では、トライアルプロテーゼは、例えば
図1A〜
図3に関して後述する手順と同様の最初のデジタルテンプレーティングに基づいて選択される。
【0040】
本発明を達成するための1つの技法が、股関節手術のために用いられる本発明に係るシステム及び方法のユーザが見ることができる連続するビュー又は「スクリーンショット」を例示する
図1A〜
図3に関連して説明される。
図1Aは、右大腿骨F
Rの上部に重ね合わされたプロテーゼのデジタルテンプレート画像20を描画する画面ビュー10の略図である。いくつかの技法では、前部の又は前方から後方の視野角に沿った患者の股関節領域のデジタル化されたX線画像が画面ビュー10に関して用いられ、他の技法では、前部の又は前方から後方の視野角に沿った患者の股関節領域の「一次」X線画像のデジタル写真「二次」画像が画面ビュー10に関して用いられる。一構成では、画面ビュー10は、コンピュータモニタ上に示され、別の構成では、より詳細に後述するように、タブレット又は他のモバイルコンピューティング装置の画面又はビュー領域上に示される。破線SKは、患者の皮膚を表し、この視野角に関する軟組織の外形を提供する。下肢帯PGはまた、骨盤又は股関節と称される場合がある。
【0041】
ボールマーカBMは、X線画像を含む多くのタイプの医療画像をスケーリングするのに伝統的に用いられるように、右脚RLと左脚LLとの間に配置される既知の寸法の球形金属参照オブジェクトを表す。ボールマーカ又は他の非解剖学的特徴の使用は、より詳細に後述するように本発明に係る技法では随意的なものである。特に、本発明は、計画外の外傷手術に有用であり、この場合、緊急の股関節手術中の抽出された大腿骨頭のキャリパ測定などの解剖学的特徴の直接測定を、本発明によってこうした手術を術中にガイドするのに用いることができる。
【0042】
テンプレート画像20が、
図1Bに、ステム24、ファスナ凹部26、及びトラニオン29を有する支持部28を含む本体コンポーネント22と、支持部28によって支えられる寛骨臼コンポーネント30と共に、さらに詳細に示される。破線32は、支持部28の縦軸を示し、破線34は、より詳細に後述するように大腿骨Fの縦軸に対して位置合わせされるべきテンプレート画像20の長手方向の本体軸を示す。
【0043】
この構成では
図1Aのライン41に関する参照ライン削除アイコン40、
図1Bの本体コンポーネント22及び寛骨臼コンポーネント30それぞれに関するテンプレート本体削除アイコン42及び寛骨臼コンポーネント削除アイコン44などのさらなるアイコン及び参照要素が提供される。これらの「仮想」アイテムのうちの1つ又は複数は、アイコンによって表される「ソフトキー」又は「ソフトボタン」を強調表示すること、タッチすること、又はクリックすることによって要望に応じてユーザによってビュー10から除去又は追加することができる。特定の実施形態では、アイコン40、42、及び/又は44のうちの1つ又は複数は、該特徴の「オン・オフ」アクティブ化又は非アクティブ化を提供するためのトグルとして役立つ。
図1Aの文字又は他の表示46は、画像番号及び他の識別情報を表すのに用いることができる。他の有用な情報48は、以下でより詳細に解説するように、外転角度、オフセットの変化、及び脚の長さの変化などを示すことができる。
【0044】
図2の画面ビュー51は、参照ライン60を用いる大腿骨F
Rの大腿骨頭FHの一部の測定を例示する、デジタルテンプレート20が除去された後の
図1Aのビュー10と同様である。この構成では画面ビュー51のビュー平面内に参照ライン60を描くようにユーザをガイドするために、参照正方形、ナビゲーションハンドル、又はナビゲーション点とも称される、4つのインジケータ正方形52、54、56、及び58が提供される。いくつかの構成では、ユーザは、正方形52〜58のうちの1つを指又はマウスカーソルでタッチし、マーカを所望の場所に動かすためにこれを「ドラッグすること」などによって正方形を用いる。これは、関心ある場所をブロックせずに操作することを可能にする。
【0045】
「新しい大腿骨頭の幅」などの文字70は、より詳細に後述するようにライン60によって表される寸法に関する実際の50mmのキャリパ測定値を表すために「50」などの直接測定値をフィールド72に入力するようにユーザに求める。この例では、画像51の最初のスケーリングは、ライン60に関する「45.6mm」の推定される測定値を生成した。他の機能「ソフトボタン」は、「再スケーリング」74、「再テンプレート」76、「キャンセル」78、及び「完了」80である。他の構成では、より詳細に後述するように、術中再スケーリングは、股関節置換プロセスとは別に行われ、直接測定値は、必要であれば、術中再スケーリングのため、テンプレートサイズを調整するため、引かれたラインを比較するため、及び他の用途に用いられる。
【0046】
キャリパなどでの大腿骨頭の直接測定は、通常、トライアルインプラントが挿入される前に行われる。大腿骨頭測定は、(i)術前テンプレートの再スケーリング、又は(ii)特に術前テンプレートが用いられていない場合の初めての正確なスケーリングを可能にする。オーバーレイ分析中に、しかしながら、スケーリングは、いくつかの構成では、例えば股関節プロテーゼの寛骨臼コンポーネントの半径又は幅などのインプラントの寸法を測定又はルックアップすることによって達成される。
【0047】
図3は、本発明に従って、デジタルテンプレート20が修正されたテンプレート20’に再スケーリングされた後の、同じ視野角に沿った
図1Aのビュー10と同様のビュー90の画像である。この例では、参照ライン41は
図1Aでは13.1mmであり、
図3の参照ライン41’は、直接測定に基づく再スケーリング後にシステムによって計算されるようにここでは14.3mmである。また、修正された情報48’に関して、オフセットの変化が「0.9mm」となるように再計算され、脚の長さの変化が「4.1mm」となるように再計算される。
【0048】
一構成では、JointPoint Intraop(登録商標)システムは、テンプレートの自動再スケーリングを実現するために1つ又は複数の参照点又は「標識」と共に補間マッピング手法を用いる。X線画像上又はX線画像の写真上の特定の重要な標識が、テンプレートの各フラグメントをアンカーするのに使用される。これは基本モデルである:
式1:
【数1】
このモデルでは、mは標識の数であり、P
iは補間マッピング後の標識であり、p
iは元の標識である。f(p
i)は、再スケーリングのためのマッピング関数である。
式2:
【数2】
式中、P
i1及びP
i2は、X線画像のサイズに基づくプログラムによって自動的に提供される2つの参照標識である。
式3:
p
1i=[p
i×比]
式4:
p
2i=[p
i×比]
式中、「比」は、対象X線画像及び比較X線画像におけるレギュレータのサイズの比較である。レギュレータは、ボールマーカ、又はユーザにより定義されるライン若しくは寛骨臼コンポーネントの周りに描かれる円などの円とすることができる。
式5:
【数3】
【0049】
上記のモデルに従って、テンプレートフラグメントのそれぞれは、テンプレートのサイズが変更されるときに同じ位置になり、したがって、ユーザは、再スケーリングが起こるたびにテンプレートを置き換える必要はない。正しいテンプレート配置はまた、例えば
図1Bに示されたトラニオン29の上の中点などの、テンプレートの大腿骨コンポーネント上の特定の場所の座標を記憶することによって容易にすることができる。
【0050】
一実装では、
図4Aの本発明に係るシステム101は、ユーザインターフェース103、プロセッサ105、及びクラウドベースのコンピューティングシステムを表すクラウド109を介してリモートサーバ及び/又は他の装置と通信する通信モジュール107を有する。ユーザインターフェース103は、ディスプレイ111、ユーザ入力モジュール113、及び(i)「透視」画像とも称される透視イメージング画面の、又は印刷された或いは固定されたX線型画像のデジタルフォトをとるためのカメラ、又は(ii)従来の医療イメージングシステム(図示せず)への接続部などの装置入力115を含む。ディスプレイ111は、いくつかの構成では別個のコンピュータモニタ又は画面であり、他の構成では、ユーザがデータ又はコマンドをプロセッサ105に入力するのを容易にする一体型のタッチスクリーン装置である。いくつかの構成では、ユーザ入力113はキーボード及びマウスを含む。
【0051】
プロセッサ105は、入力を処理するモジュール119の機能、データを送信及び受信するモジュール121の機能、及び分析をレンダリングし、結果を生成するモジュール123の機能を含む。両矢印117及び125は、いくつかの構成では有線又は統合通信を表し、他の構成では無線接続である。通信モジュール107は、それぞれ有線又は無線接続125及び131を介してプロセッサ105とクラウド109との間の通信を容易にするために、送信/アップロードモジュール127及び受信/ダウンロードモジュール129を有する。
【0052】
いくつかの構成では、本発明は、メインコンピューティング装置と無線で相互接続されるタブレット、Google Glass(登録商標)装置、ラップトップ、又はスマートフォンなどのモバイルコンピューティング装置を用いるモバイルベースのテンプレーティング機能を、現実の術中所見を患者にとって最適に構成されたインプラントの選択につなげる独自のスケーリング技法と組み合わせることによって、手術中にインプラント及び対応するテンプレートを正確に調整する能力を提供する。好ましくは、システムは、インターネット接続を失う又は他の長期にわたるシステム障害の場合に、リモートサーバとの接続を必要としないモードを含む。
【0053】
図4Bは、モバイルコンピューティング装置143、145、147、及び149、並びにラップトップ151及びパーソナルコンピュータ153でのどれくらい複数のタイプのユーザインターフェースを、クラウド109を介して、ウェブサービスを通じて接続されるリモートサーバ155とネットワーク化することができるかを例示する、本発明に係るシステム141の概略図である。別の有用なモバイルイメージング及びコンピューティング装置は、Google Glass装着可能装置である。データ及び/又はソフトウェアは、通常は、サーバ155及び/又は記憶媒体157上に位置する。
【0054】
本明細書で説明される技法を達成するためのソフトウェアは、いくつかの構成では単一のコンピューティング装置上に位置し、
図4Bのシステム141などの他の構成では、サーバ155及び好ましくはポータブル又はモバイルの1つ又は複数のユーザインターフェース装置間で分散される。
【0055】
図4Cの本発明に係るシステム200は、スケーリングモジュール204、テンプレーティングモジュール206、術中分析モジュール208、及びディスプレイ210に提供される1つ又は複数のデータ項目を有するユーザ入力モジュール202を含む。スケーリングモジュール204はいくつかの構成では術中モジュール208とは別個のものとして例示及び説明されるが、両方のモジュール204及び208を、少なくとも2つの画像上に生成される静止したベースを用いる本発明に従って行われる分析のいくつかの形態として考えることができる。さらに、ユーザ入力部は、画像に存在する少なくとも1つの解剖学的特徴上に静止したベースを確立するために少なくとも2つの点を生成するデータ入力モジュールとして考えることができる。この構成では、システム200はまた、データをモジュール204、206、208及びディスプレイ210との間で受信及び/又は提供する記憶媒体212を含む。スケーリングモジュール204は、この構成では、標準術前スケーリングユニット214、術中スケーリングユニット216、及び術中再スケーリングユニット218を含み、データをテンプレーティングモジュール206及び/又はディスプレイ210に提供する。
【0056】
術中分析モジュール208が、画像選択モジュール220、少なくとも1つの静止したベースの選択をガイドする安定したベース識別モジュール222、及び標識識別モジュール224と共に、
図4Dにより詳細に例示される。モジュール222は、オーバーレイモジュール226に命令を提供し、モジュール224は、オーバーレイモジュール226に及び/又は幻像線で示される随意的な縦軸識別モジュール228に命令を提供する。用いられるときに、モジュール228は、差異分析モジュール230と通信し、このモジュール230は次に、
図4Eにより詳細に示される外科的分析モジュール232と通信する。オーバーレイモジュール226は、直接、又は差異分析モジュール230を介して、外科的分析モジュール232と通信する。
【0057】
いくつかの構成において術中分析モジュール208に同じく随意的に存在するのは、オーバーレイモジュール226及び/又は差異分析モジュール230に出力を提供することができる安定したベース誤差分析モジュール2100である。用いられるときに、安定したベース誤差分析モジュール2100は、画像選択モジュール220で選択された少なくとも2つの画像を比較し、静止したベース点を含む解剖学的構造体間の誤差又は差異を分析する。モジュール2100は、
図4C及び
図4Dの術中分析モジュール208の出力にどのくらいの値を入れるかのガイダンスを提供する、以下の
図70に示すような画像不一致の視覚的及び/又は定量的データを提供する。モジュール2100内で、システムが自動的に又はユーザが手動で、静止したベースを含むように選択された解剖学的構造体内に位置する1つ又は複数の解剖学的誤差参照点を識別する。誤差参照点のうちの少なくとも1つであるが、好ましくはそれらのすべては、静止したベースを確立するのに用いられる点とは別でなければならない。本発明に係る静止したベースを用いて2つの画像がスケーリングされ、回転され、変形される。このモジュール2100において識別される誤差参照点は、画像を位置合わせするのに使用される静止したベース点とは別であるが、同じ移動可能でない解剖学的構造体上にあるので、2つの画像間の誤差参照点場所の差異が、このモジュール2100内の分析を可能にする。点が極めて近接して見える場合、解剖学的構造体は、分析される2つの画像間で非常に一貫して位置付けられる可能性が高い。以下の
図70に関連して示され説明されるように点がさらに離れている場合、分析モジュール208によって提供されるデータに影響する場合があるイメージングの不一致及び/又は解剖学的不一致がある可能性が高い。
【0058】
図4Eは、本発明に従ってガイドされるべき外科的手技に応じた
図4Dの外科的分析モジュール232のいくつかのバリエーションの概略図である。以下のモジュール、すなわち、股関節置換術モジュール240、転子間整復分析モジュール242、大腿骨頚整復分析モジュール244、及び/又は橈骨遠位端骨折整復分析モジュール246のうちの1つ又は複数は、本発明に係る異なる構成で存在する。例示される構成では、股関節置換術モジュール240は、同側分析ユニット250a、対側分析ユニット252、AP骨盤ステッチング及び分析ユニット254、並びに画像フリップユニット258及びAP骨盤ステッチング及び分析ユニット260と通信する代替的な対側分析ユニット256、のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの構成では、同側分析モジュール250aは、随意的に、幻像線で示される逆テンプレーティングモジュール250bに入力を提供する。股関節置換術は、以下の
図18〜
図22に関連して説明されるAP骨盤ステッチング及び分析と共に、
図6〜
図17に関連して以下でより詳細に説明される。
【0059】
転子間整復分析モジュール242は、この構成では対側分析モジュール270、ネックシャフト分析ユニット272、及び先端頂点分析ユニット274を含む。大腿骨頚整復分析モジュール244は、この構成では対側分析モジュール276を含む。転子間整復分析及び大腿骨頚整復分析は、以下の
図23〜
図38と組み合わせて説明される。
【0060】
橈骨遠位端骨折整復分析モジュール246は、この構成では対側分析モジュール278を含む。橈骨遠位端骨折整復は、以下の
図39〜
図51に関連して説明される。
【0061】
それぞれ術中再スケーリング、術中分析、及びAP骨盤再構成に関する本発明の3つの態様が
図4F〜
図4Hによって表される。
図4Fは、テンプレート化された入力モジュール201aを含む画像入力モジュール210、直接測定値記録モジュール203、画像再スケーリングモジュール205、及びテンプレート化されたオブジェクト再レンダリングモジュール207を有する、
図4Cの術中再スケーリングモジュール218の概略図である。「テンプレート」と称されるプロテーゼのデジタル表現が、一構成ではテンプレート化された入力モジュール201に提供され、別の構成では、該モジュール201によって生成される。デジタルテンプレートは直接測定値記録モジュール203に提供され、このモジュール203はまた、一構成では大腿骨頭の幅などの直接測定値を記録し、別の構成では、スクリューの幅又は股関節プロテーゼの寛骨臼コンポーネントの半径などの既知のインプラント寸法を用いる。画像再スケーリングモジュール205は、必要とされうるサイズの可能な調整を計算する。例えば、股関節の第1の画像が大腿骨頭を48mmの幅を有するものとして描画したが、キャリパによる直接測定は真の寸法が50mmであることを明らかにする場合、2mmの相違は、4パーセントの差異又は偏差を表し、第1の画像は、それに応じて4パーセントだけ再スケーリングされる。
【0062】
いくつかの構成では、再レンダリングモジュール207は、プロテーゼ配置更新モジュール280を含み、及び/又は、特定の構成では、プロテーゼ以外のオブジェクトを再レンダリングするために他のオブジェクト配置更新モジュール282を含む。プロテーゼ配置更新モジュールは、通常、本明細書で「重心」情報と称される座標情報を用い、これは、データベースに記憶され、システムにどんな参照点が再スケーリングプロセス中に画像に対して静止したままであるべきかを伝える。随意的に、術中再スケーリングモジュール218は、静止したベース識別モジュール2110と、テンプレート化されたオブジェクト再レンダリングモジュール207に二次画像の再スケーリングを提供することができる二次画像再スケーリングモジュール2112とをさらに含み、両方とも幻像線で示される。これらの幻像のモジュールは、両方の画像が同じ解剖学的点を識別する静止したベースを含む場合に、第1の画像での直接観察可能な測定に基づいて第2の画像のスケーリングを容易にする。より詳細には、第1の画像は、直接測定値記録モジュール203を介して直接スケーリングされるが、このスケーリングは、次いで、静止したベース識別モジュール2110において識別される安定したベース間の長さ比を使用することによって第2の画像に適用される。
【0063】
図4Gの代替的な術中分析システム208’は、画像取り込みモジュール209、ユーザデータ入力モジュール211、及び分析モジュール213を含む。随意的なさらなる機能は、より詳細に後述するように数学的補正入力モジュール215及び誤差分析モジュール217を含む。画像取り込みモジュール209は、好ましくは、少なくとも1つの写真を受信する或いは取得するためのカメラピクチャ入力219、記憶媒体又は他の場所からの放射線画像にアクセスするための放射線画像入力221、及び画像をリアルタイムで取り込む、受信する、或いは取得するために透視装置又は他の医療イメージング装置と通信するインターフェース223のうちの少なくとも1つを含む。入力219、221、及び/又は223のうちの少なくとも1つは、(i)少なくとも1つの術前又は対側参照画像、及び(ii)少なくとも1つの術中又は術後結果画像を取り込む或いは取得する。少なくとも2つの画像がユーザ入力データモジュール211に提供され、このモジュール211は、各画像上に安定したベースを生成するために骨盤上の点などの少なくとも2つの安定したベース点を選択するようにユーザをガイドするために安定したベース識別モジュール225を使用し、各画像上の大転子上の場所などの安定したベースから離間され且つ別の場所を選択するようにユーザに促すために標識識別モジュール227を用いる。随意的に、特定の構成では、画像取り込みモジュール209はまた、誤差分析モジュール217に画像を提供し、このモジュール217は、分析モジュール213での誤差を生じることがある解剖学的不一致又はイメージングの不一致に関して分析されることになる、安定したベース点を含む骨性の解剖学的構造体上の少なくとも1つの点を選択するようにユーザをガイドする。誤差分析モジュール217の動作の例は、以下の
図70で例示され、この場合、骨盤の骨に沿った各画像における3つの点の組を表す、2つのオーバーレイされた三角形間の差異が、骨盤アラインメントの不一致に関して分析される。選択された識別によるこれらの画像は、この構成では以下のモジュール、すなわち、ユーザによる視覚的分析及び/又は画像認識プログラムを用いるオーバーレイモジュール229、数学計算を行う数学的分析モジュール231、又は異なる視覚的変化基準若しくは定量化分析を用いる他の分析モジュール233、のうちの少なくとも1つを用いる分析モジュール213に提供される。
【0064】
分析されている患者の解剖学的構造体が、少なくとも2つの画像の取り込み間でシフトする或いは移動する場合、随意的な数学的補正入力モジュール215が、こうした移動を補償するのに有益である。股関節分析補正モジュール235が、各画像における大腿骨縦軸のユーザ識別を用いることなどによって股関節手術に有用であり、一方、他の数学的補正モジュール237が、手術又は他の矯正治療を受ける患者の他の解剖学的領域に関して適宜用いられる。
【0065】
図4Hの代替的なAP骨盤再構成システム260’は、股関節の両側、両肩などの患者の各側の画像、又は2つの場所が実質的に対称である或いは比較できる他の解剖学的構造体の2つの画像を得るために画像取り込み239を用いる。少なくとも2つの画像が、画像スケーリングモジュール241、及び各画像における恥骨結合の先端などの対応する場所を識別する画像ステッチング場所取り込みモジュール243に提供される。モジュール241及び243によるスケーリング及び場所識別後に、該情報で更新された画像が、より詳細に後述するようにオーバーレイを生成する画像ステッチングモジュール245に提供される。
【0066】
随意的なモジュールは、対側画像フリッピングモジュール247を含み、このモジュール247は、画像のうちの1つを、画像ステッチングモジュール245に直接提供される、又は画像スケーリングモジュール241及び/又は画像ステッチング場所取り込みモジュール243の一方又は両方を介して間接的に提供される前に、反転させる。画像ステッチングモジュール245からのより大きいステッチされたオーバーレイ型画像の出力は、ステッチされた画像のビュー領域を調整するためにAP骨盤分析モジュール251に、直接、又は画像クロッピングモジュール249を介して提供することができる。この構成では、分析モジュール251は、脚の長さ分析モジュール253、寛骨臼カップ角度分析モジュール255、及び他のAP骨盤分析モジュールのうちの1つ又は複数を含む。
【0067】
図5のフローチャートAは、股関節手術に関係した本発明に係るシステム及び方法の一構成での術中再スケーリングの動作を描画する。動作は、ステップ300の「開始」によって表されるように開始され、ステップ302で大腿骨頭が抽出され、キャリパを使用して測定される。技法はステップ304に進み、上記の
図2に例示されるように大腿骨頭測定に対応するソフトウェアでラインが引かれる。
図5のステップ306でキャリパ測定値が記録され、ステップ308で、システムが、直接測定された情報から術中再スケーリングを計算する。ステップ310で、システムが、選択された画像に再スケーリングを適用し、一構成では、画像上のプロテーゼの場所を更新するためにプロテーゼ重心情報及び再スケーリングデータを使用する。より一般には、システムは、再スケーリングされた画像上のどこにプロテーゼが静止したままであるべきかを識別するために、プロテーゼテンプレートと関連付けられるトラニオンの中点などの少なくとも1つの選択された点を用いる。ステップ314で、システムが、画像上のすべての他のオブジェクトを再スケーリング及び再描画し、ステップ316で再スケーリングが終了される。
【0068】
図6のフローチャートBは、フローチャートG及びJを用いる股関節手術のための前方アプローチを例示する。この技法はステップ320で始まり、ステップ322で同側分析を行うかどうかの決定がなされる。YESの場合、ステップ324でフローチャートGが開始され、NOの場合、ステップ326で対側分析を行うかどうかの決定がなされる。YESの場合、ステップ328でフローチャートGが用いられ、その後、ステップ330でステッチされたAP骨盤を作成及び分析するかどうかが決定される。YESの場合、フローチャートJがアクティブ化される。前方アプローチはステップ334で終了される。
【0069】
図7のフローチャートGは、対側分析と同側分析との両方に関する技法フローを示す。この技法はステップ340で始まり、ステップ342で対側分析か又は同側分析のいずれかが選択される。対側分析に関して、ステップ344で対側股関節画像が取り込まれ、ステップ346で画像がフリップされる。同側分析に関して、ステップ348で術前同側股関節画像が開かれる。両方のタイプの分析に関して、ステップ350でフローチャートWが適用される。
【0070】
図7のステップ350によってアクティブ化された後の
図8のフローチャートWは、
図8のステップ370において大転子などの大腿骨標識を識別するようにユーザをガイドし、次いで、ステップ372で大腿骨軸が識別される。これらのステップは、以下の
図9及び
図10で例示される。次いで、
図11に示すように、ステップ374で骨盤の骨にわたるラインが引かれる。
【0071】
技法は、
図7のステップ352の手術股関節画像を取り込むこと、及び以下の
図12に示すようにステップ354の寛骨臼コンポーネントを識別することに進む。寛骨臼コンポーネントはまた、以下の
図52〜
図53及び
図55〜
図59に関連して示され、述べられる。画像は、ステップ356で寛骨臼コンポーネントのサイズを入力することによってスケーリングされ、フローチャートWが、次いで、ステップ358で手術股関節に適用される。
図15に示すように、ステップ360で、手術股関節画像及び比較股関節画像が、骨盤の骨上の少なくとも2つの参照点を選択することによって生成される静止したベースによってスケーリングされる。スケーリングされた画像が、次いで、
図16に示されるオーバーレイされたライン386及び412などの骨盤の骨の点を使用してステップ362でオーバーレイされる。ステップ364でオフセット及び脚の長さの差が計算され、ステップ366で技法が終了して、同側比較のために
図6のステップ326に、又は対側比較のためにステップ330に戻る。
【0072】
ユーザに手術プロセスの視覚化を与えるために手術前及び手術後(手術中)に脚の変位が計算される。一構成では以下の式6〜10を伴うステップ1〜6が用いられる。
1.大転子などの特徴、及び術前画像及び術後X線画像のそれぞれにおける骨盤の骨上の少なくとも2つの点を選択することによって生成される「静止したベース」を表すために、単一の点又はドットなどの標識を描く。
2.各ベースがラインを画定する精確に2つの点からなる、対応する静止したベースを用いて2つの画像を位置合わせするための1つの手順が、以下の手法によって達成される。各X線画像内のゼロ座標の位置に基づいて、ラインセグメントの位置を画面座標系に変換する。P
originalは、各画像の座標平面上の点の座標である。Z
screenは、画面座標平面上の各画像におけるゼロの座標である。
式6
【数4】
3.2つのラインセグメントline
postop及びline
preop間の回転角θが、各ラインセグメントのラインベクトルであることを求める。
式7
【数5】
4.回転行列Rを計算し、これを術前画像における標識に適用する。lm
preopは、標識の中心点位置であり、lm’
preopは、回転後の標識の中心点位置である。
式8
【数6】
【数7】
5.2つのラインセグメント間の長さ比Sを計算し、これに基づいて、スケーリング後の標識位置を得るために術前画像をスケーリングする。静止したベースに関する2つ以上の点の使用は、各画像におけるそれぞれの点間の距離を最小にするアルゴリズムなどの「ベストフィットモデル」手法から恩恵を受ける。
式9
【数8】
【数9】
6.最後に、2つの標識の水平方向と垂直方向との両方の距離を計算し、2つのオーバーレイされたX線画像と共に結果を視覚化する。
式10
【数10】
【0073】
股関節手術への前方アプローチの術中分析のための基礎を提供する、JointPoint IntraOp(登録商標)Anteriorシステムの現在好ましい実装が、
図9〜
図22に関連して例示される。
図9は、それぞれシステム208及び208’の標識識別モジュールに関する
図4Dのボックス224及び
図4Gのボックス227に示されるように、標識又は参照点として、大転子上に、システムによってガイドされるユーザによって配置された又は画像認識を介して自動的に配置された、参照正方形377及び379によって括られたマーカ378を示す、手術前の患者の股関節の右側の画像376である。
図10は、大腿骨の縦軸を表すために(i)術前の同側大腿又は(ii)対側大腿上に引かれた、参照正方形381、382、383及び384によって括られた参照ライン380を示す、
図9と同様の画像376’である。
図11は、選択された解剖学的特徴と交わる骨盤の骨にわたって引かれる、2つの終点によって画定されたライン386を有する、
図10と同様の画像376’’である。
【0074】
図12は、左の画像376’が
図10と同様の術前ビューを表し、右の画像390が該画像の再スケーリングを可能にするためにインプラント398の寛骨臼コンポーネント394の周りに円392が配置された状態の術中ビューを表す、2つの画像の概略的な画面ビューである。いくつかの構成では、円392は、画像認識プログラムによって配置され、次いで、要望に応じてユーザによって手動で調整される。参照正方形398は、ユーザにインプラント398を表す。
図13は、参照正方形402及び404によってガイドされる大腿骨標識400としての右の術中画像390’の大転子のマーキングを示す、
図12と同様の概略的な画面ビューである。
図14は、参照正方形407、408、409、及び410によってガイドされる、右のビュー390’’における手術中の大腿骨上に引かれた参照ライン406を有する、
図13と同様の概略的な画面ビューである。
【0075】
図15は、それぞれ術前ビュー376’’と術中ビュー390’’’との両方において閉鎖孔にわたって引かれたライン386、412を有する、
図11及び14と同様の画像である。参照正方形413、414、415、及び416は、参照ライン412を引きつつユーザをガイドする。
【0076】
図16は、左の術前PreOp画像376’’と重ね合わされ、位置合わせされた
図15の右の術中PostOp画像390’’’を示すオーバーレイ画像である。この構成では、PreOp画像376’’及び/又はPostOp画像390’’’を選択的に変えるためのソフトボタンアイコンが画面の左下部分に提供される。
【0077】
別の構成では、術前画像1200及び術後画像1201に関して
図52に、及び
図52の術前画像1200及び術後画像1201の組み合わされたオーバーレイ画像1298に関して
図53に例示されるように、各画像の静止したベースに関して2つ以上の点が生成される。各画像の静止したベースを確立するのに用いられる点を生成するために、各画像における骨盤上の同様の場所が選択される。画像1200において、例えば、第1の点1202が閉鎖孔の上方角上又は骨盤涙痕に生成され、第2の点1204が恥骨結合の頂部又は上部に生成され、第3の点1206が坐骨結節上の最低点又は下点に生成される。これらの点を結ぶライン1208、1210、及び1212が引かれ、画像1200上に見ることができる静止したベース三角形1216が生成される。同じく示されるのは、大転子上の点1214である。手術後画像1201において、第1の点1203及び第2の点1205は、画像1200の第1の点1202及び第2の点1204に対応する。第3の点1207は、ユーザが坐骨結節上の最低点を画像1200の第3の点1206に対応するように選択するプロセスで、画像1201の参照正方形1209及び1211間に示される。ユーザは、画像1201の上部の「坐骨結節上の最低点をマークする」によって促される。同じく示されるのは、寛骨臼コンポーネントの周りの円1213と、大転子上の点1215である。
【0078】
少なくとも3つの点を確立することは、画像間の回転の差異を判断するのに特に有用である。
図53のオーバーレイ画像1298は、
図53の三角形1216に対してオーバーレイされる可視の術後の静止したベース三角形1311を形成する術後画像1201の対応する3つの点1203、1205、及び1207に対して位置付けられる、可視の術前の静止したベース三角形1216を形成する術前画像1200の3つの点1202、1204、及び1206を示す。これらの点によって作成された多角形の重心を識別し、関連する各点間の距離の和を最小にするべく点の組を互いに対して回転させることによって、これらの点を使用して「ベストフィットオーバーレイ」をもたらすことができる。この構成では、2つの画像を互いに対してスケーリングするために、これらの点の同じ組によって2つの画像のスケーリングが行われてもよく、又は代替的に2つ以上の点の別個の組が用いられてもよい。PreOpソフトボタンアイコン1300及びPostOpアイコン1301のクリックは、ユーザが選択された特徴の操作を選択的にアクティブ化又は非アクティブ化するために画像1298内の画像1200及び1201それぞれの位置をトグルスイッチ式に変えることを可能にする。静止したベースの1つ又は複数の点は、スケーリングラインを確立する点と共用されてもよい。好ましくは、画像のオーバーレイ及び/又は比較の正確さを高めるために、静止したベース点から離間された少なくとも1つの標識が選択される。
【0079】
同じく
図53で例示されるのは、「オフセット及び脚の長さの変化」であり、この場合、「脚の長さ:−0.2mm」、「オフセット:21.8mm」、及び「信頼スコア:8.1」である。フィット性を表す信頼率は、各三角形のオーバーラップしない領域を含む2つの三角形によって形成された多角形全体のサイズに対する2つの三角形のオーバーレイ領域を比較することによって作成することができる。外転角度及び前傾計算は、
図55〜
図59に関連して後述される。
【0080】
本発明に係るJointPoint(登録商標)IntraOp Anterior(登録商標)システムによってガイドされる外科的手技の間にユーザが見ることができる画面420が
図17によって表される。ユーザは、既存のオーバーレイを使用するためのオプションで、オーバーレイ−同側股関節422か又はオーバーレイ−対側股関節424を選択する。どちらが手術側及び比較側となるかを確認するために「置換される」ことになる手術する股関節側がウィンドウ426を介して選択され、比較側は、以前の同側画像が選ばれる時には手術側と同じ側である。ユーザのための別のオプションは、ステップ425でAP(前方−後方)骨盤シミュレーションを選択することであり、別の構成では、AP骨盤は、対側股関節オーバーレイ作成内の後の段階でユーザに提示される。
【0081】
図18のフローチャートJは、AP骨盤ステッチング及び分析に関する本発明に係る1つの技術を提示する。この技法はステップ500で始まり、ステップ502で対側画像がその元の配向にフリップされる。ステップ504で、
図19に示された画像515に関する参照正方形517、518、519、及び520によってガイドされる恥骨結合上のライン516などのステッチングラインが手術画像に引かれる。ステップ506で、
図20の画像521に関する参照正方形523、524、525、及び526によってガイドされるライン522によって示されるような同様のラインが対側画像上に引かれる。ステップ508で、「回転ハンドル」とも称される移動制御アイコン527をタッチすることによる随意的なユーザ調整で、オーバーラップされたステッチングライン516及び522を有する
図21に示すように、AP骨盤画像をシミュレートするために画像がステッチされる。ステップ510で画像がクロップされ、ステップ512で、シミュレートされるAP骨盤が脚の長さ分析又は寛骨臼のコブ角度などの術中分析のために用いられる。技法はステップ514で終わり、一構成では
図6のステップ334に戻る。
【0082】
図22は、参照正方形531、532、533、及び534によってガイドされる、画像521’の寛骨臼コンポーネントにわたる1つの参照ライン530と、本発明に係る寛骨臼コンポーネントのコブ角度判断を含む術中分析のための正確なステッチングを可能にするために骨盤の下部に接触する、参照正方形537、538、539、及び540によってガイドされる別の参照ライン536が引かれている、
図21と同様のビューである。前傾、又は位置、配向、若しくはサイズの他の変化などの寛骨臼コンポーネントのさらなる分析を同様に用いることができる。
【0083】
図23のフローチャートLは、フローチャートM及びNを参照する本発明の別の態様に係る転子間整復及び大腿骨頚骨折のための術中ガイダンスを例示する。技法はステップ600で始まり、ステップ602で整復ガイダンスが検討される。選択される場合、ステップ604で、フローチャートMで概説される手順が開始される。そうでない場合、又はフローチャートMの手順が完了した後で、技法は、外科的手技のタイプが選択されるステップ606に進む。この構成では、大腿骨頚骨折整復に関して、技法は、レポートを生成し、将来の参照のためのデータを記憶するために、ステップ612に進む。転子間整復が選択される場合、頂点先端計算のためのガイダンスが検討される。選択される場合、ステップ610でフローチャートNによって説明される手順に従う。そうでない場合、又はフローチャートNの手順が完了した後で、技法は、前述のようにレポートが生成され、データが記憶される、ステップ612に進む。これらの手順に関するガイダンスは、ステップ614で終了する。
【0084】
転子間整復ガイダンスに関する
図24のフローチャートMは、選択された時にステップ620で始まり、技法は、対側股関節画像がとられるステップ622に進み、次いで
図26に例示されるような画面ビューを実現するためにステップ624でフリップされる。反転された対側画像は、次いで、後述のフローチャートPで概説されるように処理される。外科医は、次いで、ステップ628で股関節骨折を整復し、このガイダンスのユーザは、「ユーザは同側股関節の透視画像をとる」としてステップ630に示される手術股関節のX線型画像をとる。該画像は、次いで、ステップ632のフローチャートPの手順によって処理され、ステップ634で、
図32に示すように対側画像及び同側画像がオーバーレイされる。
【0085】
図24のステップ636でオーバーレイ及びネックシャフト角度が分析され、容認可能でない場合、手順は骨折整復及び分析をもう1回行うためにステップ628に戻る。容認可能であれば、ステップ638でフローチャートMの手順が終了し、技法は前述の
図23のステップ606に戻る。
【0086】
対側画像又は同側画像の処理に関する
図25のフローチャートPは、ステップ640で始まり、次いで、ステップ642で、患者の正常な損傷していない対側の反転された画像661に関する
図26に示すように、マーク660での小転子のマーキングなどの、少なくとも1つの大腿骨標識が識別される。静止したベース参照は、好ましくは、画像661’に関して
図27に示すように、
図25のステップ644で骨盤上に引かれたライン662などに関する少なくとも2つの点によって確立される。ステップ646で、
図28に示すようにネックシャフト角度663が画像661’’に関して138度として測定される。通常、
図25のこのステップ646は、大腿骨ライン664が、大腿骨頭の縦軸によって確立される他方の脚666と測定される角度663をなす一方の「脚」として役立つので、
図28の大腿骨の縦軸664を識別することを含む。いくつかの構成では、大腿骨ライン664は、本システム及び方法が画像間の脚位置のどのような差異も補償することができるように、静止したベース662に対する重要な参照を提供する。脚が牽引された状態に保たれる時であっても脚がその配向を5度〜15度シフトするのは珍しいことではない。
【0087】
図25のステップ648でスケーリングが望まれる場合、ステップ650で画像にスケーリングオブジェクトが存在するかどうかが考察される。YESの場合、ステップ652でスケーリングオブジェクトが識別され、ステップ654でオブジェクトサイズが入力される。これらのステップ652〜654が完了した後で、又はステップ650でスケーリングオブジェクトが見当たらない場合、技法は、上述のステップ646でのネックシャフト角度の測定の他にさらなる分析が望まれる場合に、幻像線で示されるステップ656での大腿骨ラインを引く随意的なステップに進む。いずれにしても、ステップ658でフローチャートPの手順が完了した後で、技法は、この構成では
図24のステップ628又はステップ634に戻る。
【0088】
図29は、
図28と同様の左の画像661’’と、マーク672での骨折側の小転子のマーキングを示す患者の骨折側の右の画像670とを有する画面ビューである。
図30は、画像670’における安定したベースライン674での骨折側の閉鎖孔のマーキングを示す、
図29と同様のビューである。
図31は、大腿骨軸678と大腿骨頭軸679との間の角度676を測定することによって判断される場合の骨折側の123度のネックシャフト角度の測定を示す、
図30と同様のビューである。
図32は、正常側の反転画像661’’上にオーバーレイされた骨折側画像670’’を示す組み合わされた画像である。安定したベースライン662及び674が、この構成では正確にオーバーラップされる。
【0089】
図33のフローチャートNは、
図23のステップ610のフローチャートLで参照される場合の頂点先端計算に関するスケーリング及び測定を示す。技法はステップ700で始まり、ステップ702で固定スクリューが挿入される。ステップ704でAP(前方−後方)X線型写真がとられ、
図34に示すようにスクリューの長さ又は幅を測定することによって、又は既知のサイズの別のオブジェクトを測定することによって、ステップ706でAP画像がスケーリングされる。ステップ708で
図35に示すように先端頂点距離が測定される。ステップ710で側方X線型画像がとられ、
図36の右の画像に示すようにスクリューを測定することによってステップ712で側方画像がスケーリングされ、代替的に、画像における既知のサイズの別のオブジェクトが測定され、既知の測定値と比較される。ステップ714で、
図37に示すように側方画像における先端頂点距離が測定される。ステップ716でAP及び側方先端頂点距離が計算され、
図38に示すように結果が表示される。ステップ718で測定に満足がいかない場合、技法は、一構成では、差し替えのX線型写真がとられ、再分析される、ステップ704に戻る。代替的に、又は再分析が依然として容認可能な測定値を示さない場合、外科医は、ステップ702の代替としてスクリューを再配置し、次いで、ステップ704でガイダンスを再開する。容認可能ならば、ステップ720で手順が終了し、技法は
図23のステップ612に戻る。
【0090】
図34は、この構成では本システムによって生成される参照正方形737、738、739、及び740によってガイドされる縦軸又は長さライン736を有するスクリュー732の測定を示す、転子間股関節骨折を治療するためにインプラント734を通して植込まれたスクリュー732の画像の画面ビュー730を表す。
図35は、参照正方形743、744、745、及び746によってガイドされる、8.2mmの先端頂点距離742の測定を示す、
図34と同様のビュー730’である。
図36は、
図35と同様のビュー730’、及び、参照正方形753、754、755、及び756によってガイドされるライン752を有するスクリュー732の幅の測定を示す画面右側の側方ビュー750である。
図37は、参照正方形763、764、765、及び766によってガイドされる3.6mmの先端頂点ライン762を有する右の画像750’での先端頂点距離の測定を示す、
図36と同様のビューである。
図38は、先端頂点分析とネックシャフト分析との両方を示す、組み合わされた「転子間」ビュー770である。ビュー750’からの3.6mmの側方先端頂点測定値が、この例では11.8mmの組み合わされた距離を計算するために、ビュー730’からの8.2mmのAP先端頂点測定値に加えられる。正常なビュー782と骨折ビュー784とのオーバーレイ780は、123度の骨折ネックシャフト角度及び133度の正常なネックシャフト角度を計算するために、目視比較、並びに画像認識及び分析を可能にする。
【0091】
本発明に係るガイダンスは、手首−手、足首−足、及び背骨の解剖学的構造体などの他の解剖学的領域のために提供することができる。
図39のフローチャートQは、フローチャートR及びSを参照する本発明の別の態様に係る手首の橈骨遠位端骨折整復のための術中ガイダンスを提供する。この手順はステップ800で始まり、ステップ802で整復ガイダンスのために橈骨傾斜及び橈骨長を使用するかどうかの選択がなされる。YESの場合、ステップ804で、フローチャートRで概説される手順に従う。完了すると、又はステップ802でこれらの特徴が選択されない場合、ステップ806で整復ガイダンスのための手掌スロープの使用が検討される。選択される場合、ステップ808でフローチャートSによって要約される手順に従う。完了後に、又はステップ806で手掌スロープが選択されない場合、ステップ810でレポートが生成され、データが記憶される。橈骨骨折整復に満足がいかない場合、ステップ814で患部の手首上でさらなる整復が行われ、技法はステップ802に戻る。満足がいくならば、ステップ816で手順が終了する。
【0092】
図40のフローチャートRは、橈骨傾斜及び橈骨長整復ガイダンスを例示する。ステップ822で対側手首のAP(前方−後方)画像が取り込まれ、ステップ824で対側画像がフリップ又は反転される。フリップされた対側画像は、ステップ826のフローチャートTで概説される手順を用いて処理され、ステップ828で手術が行われることになる患部の手首のAP画像が取り込まれる。患部の手首画像は、ステップ830のフローチャートTの手順を用いて処理され、ステップ832で、
図51に例示されるように画像がスケーリングされ、オーバーレイされる。ステップ836で比較のために患部の手首の橈骨傾斜角及び対側の手首の橈骨傾斜角が計算され、ステップ838で画像をスケーリングするかどうかの決定がなされる。YESの場合、ステップ840で比較のために患部の手首の橈骨長及び対側の手首の橈骨長が計算される。こうした計算の後で、又は選択されない場合、ステップ842で手順が終了し、技法は
図39のステップ806に戻る。
【0093】
図41のフローチャートSは、手掌スロープ整復ガイダンスを示す。この手順はステップ850で始まり、ステップ852で対側の正常な手首の画像が取り込まれる。ステップ854で、
図46に示すように手掌スロープ又はチルトが測定される。ステップ856で患部の手首の側方画像が取り込まれ、ステップ858で、
図50に示すように患部の手首の手掌スロープが測定される。ステップ860で、
図51に示すように患部の手首の及び対側手首のデータ及び画像が表示される。ステップ862で手順が終了し、技法は
図39のステップ810に戻る。
【0094】
図42のフローチャートTは、手首及び画像処理における種々の解剖学的特徴の識別を示す。これはステップ870で始まり、ステップ872で
図44に示すように橈骨茎状突起が識別される。ステップ874で尺骨茎状突起が識別され、ステップ876で橈骨の尺側関節面が識別される。ステップ878で、それぞれ、正常な画像及び患部の画像に関する
図43及び
図47に示すように橈骨の縦軸が識別される。
【0095】
ステップ880で、この構成では
図45に示すように手根骨にわたる静止したベース参照ラインが引かれる。ステップ882で橈骨傾斜が計算される。ステップ884で画像がスケーリングされることになる場合、ステップ886で少なくとも1つのスケーリングオブジェクトが識別され、ステップ888でオブジェクトサイズが入力される。ステップ890で画像に術中スケーリングが適用され、ステップ892で橈骨長が計算される。完了すると、又はスケーリングが望まれない場合、ステップ894で手順が終了し、技法は適宜
図40のステップ828又は832に戻る。
【0096】
図43は、参照正方形904、906、908、及び910によってガイドされる、橈骨上にその中心軸を示すために引かれたライン900を有する、患者の「正常な」手首の画像900の画面ビューを表す。
図44は、選択された解剖学的点のマーキング、すなわち、参照正方形914及び916によってガイドされる橈骨茎状突起912、参照正方形920及び922によってガイドされる橈骨の尺側縁918、並びに参照正方形926及び928によってガイドされる尺骨茎状突起924を有する、
図43と同様のビュー900’である。
図45は、参照正方形932、934、936、及び938によってガイドされる、静止したベース参照を提供するために手根骨にわたって引かれた参照ライン930を有する、
図44と同様のビュー900’’である。
【0097】
図46は、この例では7度の計算されたチルトを有する、参照正方形944及び946によってガイドされる長手方向の参照ライン942と、参照正方形950、952、954、及び956によってガイドされる側方参照ライン948とを有する、手掌チルトを描くために回転された正常な手首の画像940のビューである。
【0098】
図47は、
図45と同様の左の画像900’’と、参照正方形964、966、968、及び970によってガイドされる骨折側の橈骨の中心軸962のマーキングを示す患者の骨折側の右の画像960とを有する画面ビューである。
図48は、骨折側の解剖学的点のマーキング、すなわち、参照正方形974及び976によってガイドされる橈骨茎状突起972、正方形984及び986によってガイドされる橈骨の尺側縁982、並びに正方形994及び996によってガイドされる尺骨茎状突起992を示す、
図47の画像960と同様の画面ビュー画像960’を含む。
図49は、参照正方形1002、1004、1006、及び1008によってガイドされる、骨折側の手根骨にわたって引かれた参照ライン1000を有する、
図48と同様のビュー960’’である。この構成では、ユーザは、正方形のうちの1つに指又はマウスカーソルでタッチし、マーカを所望の場所に動かすためにこれを「ドラッグすること」などによって正方形を使用する。これは、関心ある場所をブロックせずに操作することを可能にする。
【0099】
図50は、
図46と同様の左の画像940’と、この例では3度の計算されたチルトを有する、参照正方形1014及び1016によってガイドされる長手方向の参照ライン1012と、参照正方形1022、1024、1026、及び1028によってガイドされる側方参照ライン1020とを有する、手掌チルトを描くために回転された骨折した手首の右の画像1010とを有する画面ビューである。
図51は、骨折側が整復された後の、すなわち、骨折側で外科手術が行われた後の、本発明に係る橈骨遠位端レポートとしての組み合わされたビューである。「正常な」画像は、患者の反対の手根骨の反転された対側画像である。例示されないが、1つ又は複数のプレート又は他のインプラントが、手術部位の整形外科的機能を回復するべく外科的手技の一部として骨折を整復するために分析前及び/又は分析後に本発明に従って用いられてもよい。左上の画像1030は、橈骨骨折整復を特にAP配向での角度に対して分析するための橈骨傾斜のAPオーバーレイである。対側の又は「正常な」橈骨傾斜は、この例では2.4度であり、骨折した橈骨傾斜は10.5度である。正常な手根骨の橈骨傾斜参照ラインは破線で示され、一方、骨折した手根骨の参照ラインは実線で示される。好ましくは、画像1030及び1050を生成するために各画像の手根骨を通るオーバーレイラインが静止したベースとして用いられるが、これらのオーバーレイラインは画像1030及び1050に図示されていない。左下の画像1040は、将来の参照及びデジタル記録保持のために画像の取り込みを確認するべく整復がシステムによって分析された後の、整復される骨折のAP画像である。
【0100】
図51の右上の画像1050は、整復される橈骨の場所を、実質的に平行なラインの2つの組1052及び1054で、また、正常な手根骨に関して破線で、及び骨折した手根骨に関して実線で比較分析するための橈骨長のAPオーバーレイである。ラインの2つの組1053、1054間の距離は、橈骨長の測定値を示す。橈骨茎状突起及び尺骨茎状突起の場所情報を使用して橈骨長ラインが引かれる。骨折整復の質が、これにより分析され、橈骨長の変化は、整形外科学的問題を示す場合がある。画像1050は、ユーザが骨折整復の質を視覚的に検査及び分析することを可能にし、したがって、この構成では画像1050において数値は提供されない。右下の画像1060は、この例では3度の骨折した手掌チルト角を7度の対側の又は「正常な」手掌チルト角と比較する手掌チルト分析を提供するための整復後の橈骨遠位端骨折部の側方ビューであるが、この構成では骨折した手根骨だけが画像1060に示される。
【0102】
いくつかの構成では、各画像における選択された標識のフォーカス又はズームインなどのためにユーザによって画面上の1つの画像になされるアクションを追跡するべく画面上の別の画像のビュー領域を調整するためにガイダンスシステムが提供される。この特徴は、自動「センタリング」機能とも呼ばれ、術中画像上に標識又は静止したベースに関する点を配置するなど、ユーザが1つの画像上の特徴を「マーク」するためにカーソルを動かす際に、関心ある同一の点にフォーカスするために画面上の他の画像がシステムによってセンタリングされることで、画面上の両方の画像が同じ解剖学的部位にフォーカスされる。
図54は、一構成ではボックス1402の術後又は術中結果画像をボックス1404の参照画像と比較する時にユーザが標識を選択するのを支援するのに用いられる識別ガイダンスモジュール1400の概略的な組み合わされたブロック図及び流れ図である。モジュールは、開始1401で開始され、終了1418で終了する。ボックス1406の術後画像に視覚的標識が付加される時に、モジュール1400は、ボックス1408の術前参照画像上のすべての標識「l」を突き止め、式11を使用することなどによって、スケーリングするために術前画像内の可視領域「v」を計算する。
式11 v=[最大x(l)−最小x(l)、最大y(l)−最小y(l)]
術前画像上の同一の標識が突き止められ、ボックス1410でその中心点「c」が求められる。術前画像上の同一の標識は、ボックス1414でその視覚的示差性を高めるために一構成では強調表示される。それぞれ以下の式12及び13を用いることなどによって、術前画像がボックス1410でセンタリングされ、ボックス1412でスケーリングされる。
式12 中心=c−(v)(0.5)
式13 スケール=i/v
ユーザは、要望に応じて及び/又は適宜、ボックス1416で結果画像における1つ又は複数の視覚的標識を操作する。いくつかの構成では、ボックス1418でユーザがガイダンスアクティビティを手動で終了し、他の構成では、システムがガイダンスアルゴリズムを自動的に停止する。
【0103】
特定の構成では、画像認識機能は、ユーザ入力の必要性が減った状態で、「自動」でシステムにより生成される適合及びアラインメントを提供する。現在用いられる画像認識は、術前デジタルテンプレーティングでよく用いられる球形のボールマーカ、デジタルテンプレート及びトライアルプロテーゼにおける寛骨臼カップ、及び外転角度とも称されるコブ角度ラインを含む選択されたアイテムの自動検出を提供する。
【0104】
「PostOp」は、通常は、外科的手技中のトライアルプロテーゼの挿入後を示し、好ましくは術中であることに注目されたい。PostOp画像はまた、「最終的な」プロテーゼが植込まれた後でとられ、分析を行うことができる。「PreOp」は、好ましくは手術部位で何らかの外科的切開が行われる前にとられる画像を指定する。いくつかの状況では、画像は、医療設備を訪れる前などのより早い時点でとられ、他の状況では、特に緊急処置室及び他の救命救急の状況では、「PreOp」画像は外科的手技の開始時にとられる。ボールマーカBMが示されるが、ボールマーカは患者の解剖学的構造体に対して移動することができるのでアラインメントのためには用いられない。さらに、PreOpアイコン及びPostOpアイコンが、コントラスト及び透明性などのビュー特徴を調整するために提供される。好ましくは、少なくとも1つのアイコンが、一構成では回転を可能にし、別の構成では、下にある画像が上にある画像となるように画像を「交換」することを可能にする。
【0105】
特定の構成では、股関節インプラントの寛骨臼カップなどのインプラントの1つ又は複数の個々のコンポーネントに関するユーザへの術中分析及びガイダンスも提供される。
図55のシステム1500は、この構成では寛骨臼カップの外転角度及び前傾を含む配向を分析する。システム1500は、
図56〜
図59に関連して後述されるシステム動作及び技法と共に、この構成では画像選択モジュール1502、画像認識モジュール1504、標識識別モジュール1506、寛骨臼カップ底部識別モジュール1508、並びに外転角度及び前傾計算モジュール1510を含む。
【0106】
図56は、コンポーネントに関する直径情報を提供するためにその外側の半球形面の周りに描かれた円1524を有する患者の左寛骨臼内に位置付けられた寛骨臼カップ1522の画像1520である。いくつかの構成では、ユーザは、指又はスタイラスで「直径情報」フィールド1532をタッチすることによってコンポーネント分析を開始する。任意の時点で、以下の
図59に関連して説明されるように、ユーザは、好ましくは、別のフィールド1532をタッチ又はクリックすることなどによって前のアクション、例えば「大転子をマークする」に戻ることができる。一構成では、画像認識モジュール1504における画像認識アルゴリズムは、
図56の画像1520内の寛骨臼カップ1522を識別し、これを画像1520の上部にあるプロンプト「直径情報」1532によって示されるように、小さいガイドドット1526、1528によって括られた円1524で囲むように自動的に動作する。いくつかの構成では、ガイドドット又は正方形は「ナビゲーションハンドル」として役立ち、ユーザが、ハンドルをタッチ又はクリックし、指定された特徴を動かすためにドラッグすることなどによって、ハンドルによって指定された1つ又は複数の特徴を操作することを可能にする。この画面1520は、以下の
図59のアルゴリズム1600のフローチャートXにおけるステップ1608に関係する。最初の自動生成された円が容認可能ではない場合、ユーザは、ステップ1610で円の位置及び/又はサイズを手動で適宜調整する。
【0107】
図57は、外転角度を計算するために引かれた2つのライン1542及び1560を有する、
図56の画像と同様の画像1540である。ユーザは、例えば、計算のために外転角度標識を適応させるために「外転角度を計算する」という見出し又はプロンプト1541を有する画面1540にアクセスする。「外転」及び「外転角度」という用語は、「傾斜」としても知られている。以下の
図59のフローチャートXにおける「ユーザが中立軸を位置付ける」ステップ1612は、中立軸ライン1560が下肢帯の2つの坐骨結節に接触するように配置される
図57の画面1540に関係する。ガイド正方形1562、1564、1566、及び1568は、ユーザが中立軸ライン1560を操作することを可能にする。外転角度ラインセグメント1542は、
図59のステップ1614で画像認識を使用して円1524にわたって自動で位置付けられ、システムは、
図57の寛骨臼カップ1522がどこに位置付けられるかを自動的に検出し、システムは、そうできる限り正確にカップ上の外転角度にわたってラインセグメント1542を配置する。外転ラインセグメント1542は、好ましくは、円の直径ラインであり、セグメント1542がシステムによって中立軸ライン1560と交わるように事実上延長される時に、該交点で外転角度が生成され、測定される。一構成では、外転ラインは、より正確な自動認識が行われるまで中立ライン1560から約45度に初期設定される。外転ラインセグメント1542の周りのガイド正方形「ハンドル」1544、1546、1548、及び1550は、ユーザが外転ラインセグメント1542を回転することを可能にするが、外転ラインは、寛骨臼カップ1522の実際の配向と適正に位置合わせされたままであるように、直径ラインのように見え続ける。
【0108】
図59のステップ1616で「ユーザが、必要であれば外転角度を手動で調整する」間、ユーザは、外転角度を実質的に完璧にするために画像認識を行った後で
図57のナビゲーションハンドル1544、1546、1548、及び1550を使用することができる。「システムが外転角度を計算し、表示する」ステップ1618において、角度を求めるために中立軸1560が外転ラインセグメント1542と数学的に比較される。この構成では、例えば「32°」の外転角度データが
図57の右下のフィールド1543に表示される。
【0109】
ユーザが前傾情報を希望する場合、
図59のステップ1620で「YES」が選択され、ステップ1622で
図58の寛骨臼コンポーネント1522の底部を識別する円弧1572、1574が位置付けられる。システムは、次いで、寛骨臼コンポーネント1522のz平面回転に関係する前傾角度を計算し、表示する。一部のユーザは、外転角度データを使用することだけを希望する場合があり、ステップ1620で前傾をスキップし、術中に寛骨臼コンポーネントの配置を修正するかどうかが決定されるステップ1626に進むことになる。「YES」が選択される場合、アルゴリズムは、パス1628によって示されるように進み、ステップ1604で寛骨臼コンポーネントを再び位置付け、以下続いていく。ユーザが配置に満足すると、アルゴリズム1600がステップ1630で終了し、システムがステップ1602が開始された場所から再開する。
【0110】
図58は、z平面内の前傾の計算を支援するために寛骨臼カップ1522の底部に描かれた円弧を有する、
図57の画像と同様の画像1570である。画像1570は、この構成では、ユーザが円弧1572及び1574のサイズを容易に増加又は減少させることを可能にするために、垂直ライン1582及び移動可能設定ノブ1584による垂直向きの「スライダ制御」1580を含む。垂直スライダ制御1580は、円弧1572、1574のサイズを増加又は減少させる。これらの円弧ライン1572、1574は、外転ラインセグメント1542に対する互いの鏡像であり、画像1570内のカップ1522の底部の場所を識別するのに使用される。ノブ1584の「0」までのスライドは、円弧1572、1574を外転角度ラインセグメント1542にオーバーレイさせることになる。「100」までのスライドは、円弧を既存の円1524にオーバーレイさせることになる。これは、
図59のステップ1622の「寛骨臼コンポーネントの底部を識別する円弧が位置付けられる」に関係する。
図58のガイドハンドル1569及び1571は、以下の
図59に関連して説明されるように円弧1572及び1574のうちの少なくとも1つのために提供される。
【0111】
次の「システムが前傾を計算し、表示する」ステップ1624中に、スライダ1580を介して円弧1572、1574に適用される任意の更新が、フィールド1594の「14°」などの前傾値の再計算及び更新された表示につながることになる。
図58のガイドハンドル1573、1575、1577、及び1579が、外転ラインセグメント1542の操作を介して、外転角度の正確な場所が必要であれば依然として更新されることをいかにして可能にするかに注目すると、これは、ユーザが実際の配向値により近づけるために円弧を位置付けし続ける場合に特に有用である。実線及び破線でそれぞれ例示される「外転角度」及び「前傾」に関するソフトボタンアイコン1590及び1592は、ユーザによってタッチ又はクリックされる時にどの画面特徴がユーザによって操作され得るかを選択的にアクティブ化するための「トグル」として役立つ。一構成では、ガイドハンドル1573、1575、1577、及び/又は1579のうちの1つ又は複数の機能は、それぞれ外転及び前傾に関係する特徴を調整するためにアイコン1590及び1592のうちのどちらが選択されるかに従って変えられる。
【0112】
図59は、
図55のモジュールによる前傾及び外転分析のフローチャートである。
図59のアルゴリズム1600のフローチャートXは、ユーザがカップ分析を開始するために「カップチェック」アイコン又はテキストを選択する時にアクティブ化される。いくつかの構成では、このプロンプトは、ワークフローの全体を通してナビゲーション画面上のどこかに持続することになる。これは、どこから開始されてもステップ1602で開始し、分岐が終了すると同じ場所に戻ることになる「分岐した」又はループワークフローである。ステップ1604の「寛骨臼コンポーネントを位置付ける」の最初のアクションは外科医によって行われる。「ステム挿入前」のこの状況での「寛骨臼コンポーネント」は、標準の寛骨臼カップ、リーマー、又はトライアル寛骨臼カップといったいくつかのコンポーネントとすることができる。分析される実際のコンポーネントは、外科医が本発明に係るシステムによって分析したいものによる。
【0113】
コンポーネントの最初の設置後に、ステップ1606の「寛骨臼コンポーネントの画像をとる」などのプロンプトが、
図56に例示されるように植込まれたカップを有するAP骨盤ビューのピクチャをとるようにユーザをガイドする。代替的に、「ライブラリから選択する」のプロンプト又は他のガイダンスを、前述の他の技法と同様の方法でユーザに提供することができる。ステップ1608〜1616は、寛骨臼カップの周りに円が確立され、円の直径情報が生成される、
図56〜
図57に関連して前述されている。
【0114】
図59のステップ1618「システムが外転角度を計算し、表示する」の開始が、前述のシミュレートされるAP骨盤上の外転角度分析と同様の様態で、
図57の骨盤参照ライン1560と外転角度ラインセグメント1542との2つのラインを出現させる。骨盤参照ライン1560は、ステップ1612で「中立軸」ラインとも称される。代替的に、ソフトボタン「トグル」がアクティブ化される時に「T」又は他の幾何学的形状が画面上に現れる。骨盤参照ライン1560は、画像1540上に水平方向に、かつ(y座標系に)画像のおよそ75パーセント下にデフォルトで配置される、画像1540にわたるラインである。これは、上述のコブ角度機能と類似している。
【0115】
外転角度ラインに関して、ユーザは、ラインセグメント1542をカップ1522にわたってできる限り精確に引く。いくつかの構成では、このプロセスを支援するために画像検出/認識アルゴリズムが提供される。外転角度は、好ましくは、このステップで、リアルタイムで計算され、表示される。一構成では、外転角度は、このプロセスでのさらなるステップの全体を通してユーザに表示され続ける。外転角度を求めることは、それがAP骨盤再構成においてどのように作用するかと同様の、
図57の中立軸1560と外転ラインセグメント1542との間の角度として計算される単純明快な計算である。外科医などのユーザが患者の手術に戻り、前傾を続けないことを望む時、ユーザは、
図59のステップ1620及び1626で「No」を選択し、システムは、計算した情報を「保存」し、アルゴリズム1600が開始された場所に戻り、外科医は患者の手術を再開する。
【0116】
ステップ1622に関して、ユーザは、前傾を分析するために2つの内側円弧を操作する。システムは、前のステップから寛骨臼コンポーネントの円を見える状態に保つが、ここでは修正することはできない。外転ラインは、好ましくは、視覚表示から除去される。好ましくは、円は、この画面に「紙のように薄く」(さらには僅かに透けて)見える。
図57の終点1526及び1528が、外転ライン1542が見える円1524と交わった円1524の各側に付加される。
【0117】
ここで、システムは、円1524内に含まれる
図58の2つの円弧1572及び1574を修正することに進む。各円弧は、外転ラインセグメント1542の側部のうちの1つの上にある。これらの円弧は、外転ラインに対する互いの鏡像である。各円弧は、円の半径の35%の距離に初期設定されるべきであり、例えば、半径が28mm(又はこのプロセスにスケーリングが必要とされない場合であっても28xピクセル)の場合、外転ラインからの円弧の中点の距離は、約9mm(又は9xピクセル)となるべきである。下側の円弧1574などの円弧のうちの1つは、その上に又は円弧1574の中央に直接ナビゲーション制御又はハンドル1569及び1571を有する。他の円弧は、「捕捉された」様態でこの円弧と同時に動くことになる。この目的のためのナビゲーション制御は、スライダ制御となるであろう(透明度制御と同様であるが、より長く、垂直である)。一構成に関して前述したように、スライダ上の100パーセントの設定で、円弧はカップの真上にあり、一方、スライダ上の0パーセントで、円弧は外転角度ラインの真上にある。好ましくは、35パーセントの初期デフォルト設定が提供される。同じく好ましくは、スライダ制御1580は、画面上で移動可能であり、システムによって最初に画面の中央に位置付けられる。
【0118】
円弧1572及び1574が修正される際に前傾がリアルタイムで計算され、表示される。外転角度と前傾との両方に関してより大きい表示が望まれる。前傾は、一構成では、http://www.csie.ntu.edu.tw/〜fuh/personal/ANewToolforMeasuringCupOrientation.pdfで現在入手可能な、Liawらの「A New Tool for Measuring Cup Orientation in Total Hip Arthroplasties from Plain Radiographs」、Clinical Orthopaedics and Related Research、No.451、134〜139頁(2006)に従って計算される。Liawらの文献の136頁で説明されるように、
図2〜
図2Bは、「真の前傾」角度の計算を示し、点Fは直径ラインの中点として既知であり、点Eはカップの周りの円から識別することができる。カップ上の最高点は点Eであり、これは点Fと同じx座標と、(点Fのy座標+円直径の半径に等しい)y座標とを有する。点Gは、点Fから水平方向の「円弧」上の点である。真の前傾を表す角度ベータ(t)をこのデータから計算することができる。
【0119】
最後に、ユーザは、後のレビューのためにこの分析を取り込み/保存し、次いで、標準ワークフローに「戻る」ことができる。高レベルワークフロー機能の要約:好ましくは、システムは、カップチェックを保存し、終了し、前の画面に戻り、最後のオーバーレイ後に見る機能をユーザに提供する。いくつかの構成では、システムは、既に存在する外転角度計算値に加えて、再構成されるAP骨盤上の前傾も同様に取り込む。シミュレートされるAPでの「外転角度」プロセスの終わりにユーザがクリック又はタッチするための「前傾を計算する」などの名称のソフトボタンが提供される。選択される場合、プロセスが続き、そうでない場合、プロセスが止まる。
【0120】
いくつかの技法では、外転角度は、ユーザが物理的ハンドルを寛骨臼カップに付随した状態に保つことを決める場合に変えることができる。ハンドルは、X線画像又は透視画像上に出現することになり、外転を決定するのに使用することができる。坐骨結節ラインと交わるカップハンドルラインに垂直なラインは、非常に正確な外転角度をもたらすことになる。
図59のフローチャートXの最後に、ユーザが結果に満足していなければ、ユーザは、寛骨臼カップを再び位置付け、透視ショットを再びとり、フローチャートに示すようにプロセスを再び始めることができる。したがって、患者への外傷を増加させずに手術中の臨床的意志決定を改善する術中データを提供するために、患者から解剖学的に接続解除された、本発明に係るソフトウェアにより制御されるソリューションが実現される。
【0121】
特定の構成では、本発明に係るシステム及び方法は、静止したベース技法、術中スケーリング技法、及び解剖学的標識識別技法の異なる適用を使用して術中の脚の長さ及び/又はオフセットの変化を分析するための独創的で代替的な方法論を含む。本明細書で「逆テンプレーティング」と称されるシステム及び方法は、術中画像分析から収集した術中データの使用を、術前同側画像上の術中テンプレーティングと組み合わせる。プロセスは、いくつかの構成では、(1)術前同側画像及び術中画像を取得し、(2)寛骨臼コンポーネントの術中データと共に、静止したベースとして役立つように骨盤上の識別可能な特徴を使用することによってこれらの画像をスケーリング及び位置合わせすることで始まる。システムは、最初に術前画像及び術中画像を隣り合わせに表示し、この場合、システムは、各画像における識別された静止したベースを使用することによって画像を互いに対して位置合わせ及びスケーリングしている。少なくとも術中画像に関する絶対スケール、すなわち、ミリメートル単位などの測定システムによる対物スケーリングが、装置の少なくとも1つの寸法に関する既知のメトリックサイズを入力しながら、プロテーゼインプラント装置自体を視覚的に識別することによって判断される。両方の画像は、いくつかの構成ではそれらのそれぞれの静止したベースを使用してスケーリングされ、他の構成では、各画像は、術前画像に関するボールマーカ及び術中画像に関するインプラントの既知の寸法などを使用することによって独立してスケーリングされる。
【0122】
この逆テンプレーティング方法の好ましい実装では、ユーザは、各画像上の1つ又は複数の標識点(すなわち、骨盤の涙痕の解剖学的特徴)を識別するようにガイドされ、次いで、術中画像において見ることができる寛骨臼コンポーネント及び大腿骨ステムインプラントを直接オーバーレイするテンプレートを位置付けるようにシステムによってガイドされる。言い換えれば、本オーバーレイ技法の特定の好ましい実装中に、第1の寛骨臼テンプレートが寛骨臼コンポーネントの上に重ね合わされ、第2の大腿骨テンプレートが、インプラントの大腿骨ステムの上に重ね合わされる。この術中画像におけるテンプレートのオーバーレイは、どのようなオフセット又は脚の長さデータも直接計算しないが、これはシステム及びユーザが寛骨臼コンポーネント及び大腿骨ステムテンプレートを術前画像上に精確に位置付けることを可能にする他の術中データ(すなわち外転角度)を提供する。術中画像におけるテンプレートのオーバーレイから収集される場合の、術前画像での術中データの使用は、この手法を、「推定」技法から、術中のオフセット及び脚の長さの変化の極めて精確な計算を提供する技法に変える。テンプレートの技法の使用は、インプラント選択への術中変化が脚の長さ及びオフセットにどれくらい影響を及ぼすことになるかを外科医が事前分析することをさらに可能にする。
【0123】
この術中逆テンプレーティング技法を実装する1つのシステムが、
図67の術中分析モジュール1850に示される。システムの一構成に関する方法が、術中テンプレーティングフローを示すフローチャートUを含む、
図68A及び
図68Bのフローチャートセグメント1870及び1872に示される。この術中テンプレーティング技法を実装するシステム及び方法は、
図60〜
図66に示すような画像を生成する。
【0124】
一構成では、
図67の本発明に係る術中分析モジュール1850は、好ましくは、幻像線で示される随意的な安定したベース識別モジュール1854を含む回転及びスケーリングモジュール1860と通信する画像選択モジュール1852を含む。この構成では、テンプレート入力モジュール1852がさらに、この構成では第1の画像と第2の画像が事実上同じ位置ですなわち同じ視野角に沿ってとられない場合に特に有用な大腿骨軸識別を提供する、幻像線で示される随意的な縦軸識別モジュール1856、及び標識識別モジュール1858と通信する。モジュール1860、1856、及び1858の3つのすべては、術中テンプレート配置モジュール1862に入力を提供し、この構成では、安定したベース識別モジュール1854は、回転及びスケーリングモジュール1860の一部として患者の解剖学的構造体上の選択された2つ以上の点から形成される静止したベースとも称される安定したベースを生成し、その結果は、次いで、術中テンプレート配置モジュール1862に提供される。一構成では、モジュール1862は、術中画像からのテンプレーティングデータを含む術中データを使用して術前画像上への寛骨臼コンポーネント及び大腿骨コンポーネントのデジタルテンプレートの配置を容易にする。テンプレーティング後に、いくつかの構成ではオフセット及び脚の長さの計算を含むさらなる計算及び分析のために、情報が差異分析モジュール1864に提供される。モジュール1852〜1864のうちの1つ又は複数は、ディスプレイ又はユーザとの他の対話型通信とインターフェースすることができる。別の随意的なコンポーネントは、幻像線で示される術中テンプレーティングモジュール1863であり、このモジュール1863は、「what if」計画分析を行うこと又は結果を差異分析モジュール1864に与える前にデジタルテンプレートのうちの1つ又は複数を修正することなどの術中テンプレート配置モジュール1862の出力のさらなる処理を提供する。
【0125】
図68A〜
図69に関連した「モジュール」へのすべての言及は、
図67の術中分析モジュール1850のモジュールに言及し、この場合、「ID」は「識別」を指す。さらに、ステップ1876〜1902間で術前の参照画像及び術中の結果画像がマーク又はスケーリングされる順序は、他の実装では入れ替えることができる。他の代替的な構成では、分析は、後述の同側画像の代わりに又は加えて対側画像を用いて行われる。
【0126】
方法は、一構成では
図68Aの開始ステップ1874で始まり、画像選択モジュール1852によって、ステップ1876で、表示のためにユーザが選択した術前の同側股関節画像が開かれる。システムは、画像が右股関節又は左股関節のいずれであるかを示すようにユーザをガイドする。
図60の画面ビュー1700は、恥骨結合PS、閉鎖孔OF、及び右大腿骨F
Rと共に、手術前の患者の股関節の右側の選択された画像1702を描画する。画像1702は、イメージングシステムと直接インターフェースすることによって、或いはiPhoneカメラ又は類似の技術を使用して放射線画像のピクチャをとることによって取得することができる。「PreOp」の表記1718は、術前画像であることを示す。
【0127】
方法は、フローチャートUの術中テンプレーティングに関する術前の股関節画像に適用される機能を示すフローチャートYである
図69のフローチャート1880の技法によって術前の股関節画像が処理されるステップ1878を続ける。特異的な機能は、この構成では、本発明に係る「安定したベース」(時々「静止したベース」と称される)の識別、大腿骨軸の識別、及び大転子の識別を含む。
図69のステップ1882で、涙痕TDから恥骨結合PSの下部まで延びる状態で示される
図60の「安定したベース」ライン1704によって例示されるように、安定したベースIDモジュール1854によって骨盤の骨にわたって参照ラインが引かれる。次いで、
図69のステップ1884で縦軸IDモジュール1856によって大腿骨の縦軸を表す大腿骨軸ライン1706が識別される。ステップ1886で標識IDモジュール1858によって大転子などの大腿骨標識が識別され、他の構成では、小転子などの1つ又は複数の代替的な大腿骨標識が識別される。ステップ1886によってガイドされる際に、
図60のガイド正方形1710及び1712は、ユーザが標識又は参照点として大転子GT上にマーカ1714を配置するのを支援する。いくつかの構成では、「安定したベース」ライン1704、「大腿骨軸」ライン1706、及び大転子上のマーカ1714(又は他の大腿骨標識)は、システムの画像認識機能によって適切な場所に自動的に配置されてもよく、次いで、ユーザによって修正されてもよい。他の構成では、ユーザは、システムの介入なしにこれらのライン及びマーカを配置するように促される。
【0128】
図68Aのステップ1890を続けると、技法は、手術股関節画像を取り込む、すなわち、画像選択モジュール1852を用いて手術中に患者の股関節の画像が得られる。手術股関節画像は、蛍光透視装置との直接接続、DICOMファイルアップロードを通じて、又はユーザがiPad若しくは他のモバイルコンピューティング装置を使用して放射線画像のカメラピクチャをとることなどによって、種々の方法を通じて取り込まれてもよい。手術股関節画像を取り込んだ後で、
図61に示すように回転及びスケーリングモジュール1860によって、ステップ1892で寛骨臼コンポーネントが識別される。回転及びスケーリングモジュール1860によって処理される寛骨臼コンポーネントのサイズをシステムに入力することによって、ステップ1894で術中画像がスケーリングされる。
【0129】
図61は、
図60と同様の術前ビューを表す左の画像1702’と、該画像の再スケーリングを可能にするためにインプラント1732の寛骨臼コンポーネント1730の周りに配置された円1724を有する術中ビューを表す右の画像1722との、分割画面ビューでの2つの画像を示す、本発明に従ってガイドされる外科的手技中にユーザが見ることができる画面1720を表す。いくつかの構成では、システムは、画像認識アルゴリズムを使用して寛骨臼コンポーネント1730の周りに円1724を自動的に配置することを試みる。他の構成では、ユーザは、システムのガイダンスなしに寛骨臼コンポーネントの周りに円を配置するように促される。ユーザは、寛骨臼コンポーネント1730を精確に取り囲むように円1724のサイズ及び位置を変えるために、必要であればガイド正方形1726及び1728を使用してもよい。一構成では、ユーザは、データ入力ボックス1727を使用して「54mm」などの円1724の直径を入力する。これは、寛骨臼コンポーネントのピクセル単位の直径をとり、これをミリメートル単位の既知の直径と組み合わせることによって、システムが術中画像における絶対スケーリングを生成することを可能にする。ユーザをガイドする他のプロンプトは、所望の場合に他の解剖学的特徴又は観察可能な装置を使用してユーザが術中スケーリングを達成することを可能にするために、「ボールマーカを使用する」に関するソフトキー1740及び「ルーラーを使用する」に関するソフトキー1742の選択を含む。
【0130】
方法は、
図62に例示されるように手術股関節画像における「安定したベース」、「大腿骨軸」、及び大転子を識別するために前述のステップ1882〜1886を含む
図69のフローチャートYを手術股関節に適用することによって
図68Aのステップ1896を続ける。ステップ1898で、
図62でも例示される標識IDモジュール1858によって、術中画像における大腿骨インプラントのショルダが識別される。
【0131】
図62は、術前画像1702’’と共に、ガイド正方形1762及び1764によってガイドされる右の術中画像1722’のプロテーゼ1732の側方ショルダ1761のマーク1760の配置を示す、
図61と同様の概略的な画面ビュー1750である。同じく示されるのは、大腿骨標識としてのマーク1756を有する大転子、及び、涙痕TDを恥骨結合PSの下部に結ぶ安定したベースライン1754である。代替的な構成は、骨盤にわたる2つ以上の解剖学的標識の異なる組を結ぶ安定したベースライン1754を使用してもよいが、標識は、術前画像及び術中画像にわたる一貫した点上に配置されなければならない。同様に、代替的な構成は、大転子を、術前画像と術中画像との両方において識別することができる異なる大腿骨標識(すなわち、小転子)と置き換えてもよい。いくつかの構成では、システムは、プロテーゼの側方ショルダ1761にあるマーク1760、大転子上のマーク1756、及び骨盤標識にわたる安定したベース1754の配置を自動生成することを試み、次いで、ユーザが配置を修正することを可能にすることになる。他の構成は、自動ガイダンスなしにこのデータの配置を判断するようにユーザに促すことになる。
【0132】
術前画像及び術中画像における一貫した静止したベースの識別は、術前画像に絶対スケーリングを適用するために術中画像における絶対スケーリングデータと組み合わせることができる。これを達成するために、方法は、
図61の安定したベースライン1704及び
図62の安定したベースライン1754などを使用することによってそれらがピクセル単位で同一のサイズであるように術前画像と術中画像との両方における骨盤の骨にわたるラインをスケーリングする回転及びスケーリングモジュール1860によって術前画像をピクセル単位でスケーリングすることによって
図68Aのステップ1900において続く。
【0133】
図68Aのステップ1902を続けると、術中画像における寛骨臼コンポーネントの既知のサイズを使用することによって術前画像に絶対スケーリングが適用される。両方の画像が同一の静止したベースに従ってスケーリングされるので、寛骨臼コンポーネントの直径によって求められる術中画像における絶対スケール比率を術前画像に適用することができる。この独自の技法は、術中画像の既知のサイズのオブジェクトを使用し、且つ、このスケーリングを術前画像に適用することによって、術前画像への精確なスケーリングを提供する。その結果は、ボールマーカを使用する伝統的な術前画像スケーリング技法又は類似の技法と比べて、術前画像においてはるかにより精確な絶対スケーリングを判断することができることである。
【0134】
代替的な構成は、代替的に、術前画像及び術中画像に、各画像において直接、静止したベースの必要なしに、絶対スケーリングを適用してもよい。例えば、各画像は、ボールマーカ又は他のスケーリング装置、放射線装置の既知の拡大率、又は解剖学的点の直接測定(術前画像をスケーリングするのに使用することができる、抽出された大腿骨頭のキャリパによる直接測定など)によってスケーリングされてもよい。
【0135】
代替的な構成はまた、「静止したベース」を、術前画像及び術中画像を互いに対してスケーリング及び位置合わせするのに使用することもできる種々の他の技法と置き換えてもよい。こうした構成の一例は、2つの画像をオーバーレイし、それらを両方とも重ね合わせて見ることができるようにいくらかの透明性をもってそれらを表示することを含むことが考えられる。ユーザは、次いで、2つの画像における骨盤の解剖学的構造体ができるだけ近くにオーバーレイされるように、それらを回転させ、サイズを変化させるように促されるであろう。
【0136】
ステップ1904で回転及びスケーリングモジュール1860によって「横に並べる」表示が生成され、これは骨盤の骨にわたる安定したベースラインに基づいて一貫して回転及びスケーリングされる。いくつかの構成では、術前及び術中ピクチャレンダリングを横に並べて組み合わせる単一の画像が表示されることになる。他の構成は、術前画像及び術中画像を別個の画像として維持することになる。すべての構成は、骨盤にわたる静止したベースを使用して画像を互いに対して回転及びスケーリングすることになる。
【0137】
術前画像と術中画像の位置合わせ後に、方法は、ユーザ又はシステムが
図63に示すように術中画像におけるインプラントの真上に寛骨臼カップテンプレートを描いている状態で、
図68Bのステップ1906を続ける。寛骨臼カップテンプレートは、術中テンプレーティングモジュール1862によって実際の外転角度と適合するように配置される。
図63は、右のビューでは手術中の大腿骨上のプロテーゼの寛骨臼コンポーネントの真上に配置された中心点1775を有する寛骨臼コンポーネントテンプレート1774を示す「ボックス」又は「フレーム」とも称される参照矩形1772を有する、
図62と同様の概略的な画面ビュー1770である。いくつかの構成では、システムは、術中画像上の寛骨臼コンポーネントテンプレートの最初の位置を生成するために、既知の解剖学的データ(すなわち、
図61の寛骨臼コンポーネントの周りに配置された円1724)と画像認識とを組み合わせる。代替的な構成では、寛骨臼コンポーネントテンプレートは、デフォルトの外転角度で配置され、ユーザによって修正される。いずれかの構成において、ユーザは、上記の
図21に示されたアイコン527と同様の「回転ハンドル」とも称される移動制御アイコン1776を使用することによって、テンプレートの外転角度を実際の寛骨臼コンポーネントの外転角度と適合するように修正することができる。これは、インプラント1732の寛骨臼コンポーネント1730の画像に対するテンプレート1774の再位置付け及び調整を容易にするのに使用される「タッチ」又は「クリック及びドラッグ」制御を支援する。一構成では、矩形1772、テンプレート1774、及び/又は移動制御アイコン1776を「アクティブ化」してユーザによるその移動を可能にするために、アイコン1777がクリック又はタッチされる。例示されるように「サイズ 54mm」、「タイプ 標準」、及び「オフセット 0」などのフィールド1778によってユーザにさらなる情報が提供される。各画像における涙痕TDの場所を表すために、画像1702’’’及び1722’’にそれぞれマーカ1780及び1782が配置されている。いくつかの構成では、例えば、涙痕が静止したベースを作成するのに使用され、すぐに識別することができる状況では、涙痕TDは既に識別されているので、システムはマーカ1780及び1782を自動的に生成してもよい。
【0138】
図68Bのステップ1908において、システムは、寛骨臼カップテンプレートを、前述の術中画像上の配置と比べて術前画像における骨盤に対する同一の位置に位置付ける。これは、術前画像及び術中画像における既知の涙痕の場所を使用する
図64で例示される。
【0139】
図64は、
図63と同様であるが、ここでは術前ビュー1792における大腿骨頭の上に再位置付けされる中心点1775’を有する寛骨臼テンプレート1774’を有する、概略的な画面ビュー1790である。この図に示されるような術前画像における寛骨臼テンプレートの位置付けは、術中画像の寛骨臼テンプレートの配置から収集した術中画像データを使用してシステムによって自動生成される。具体的には、システムは、術中画像表示における涙痕から寛骨臼プロテーゼまでのx距離及びy距離を計算し、術前画像における涙痕から寛骨臼テンプレートまでの距離を維持することによって術前画像における寛骨臼テンプレートの位置を自動生成する。システムはまた、術中画像において分析された寛骨臼テンプレートの外転角度を維持することによって得られた外転角度を維持する。このプロセスは、寛骨臼テンプレートが、術中画像における寛骨臼コンポーネントの位置に精確に適合する術前画像における骨盤に対する位置に確実に配置されるようにする。方法は、テンプレーティングエクササイズを、術前の推定及び計画のうちの1つから、精確にガイドされる術中分析のうちの1つに効果的に変える。寛骨臼コンポーネントの配置は、前述の術前画像及び術中画像のスケーリング及びアラインメントによって容易にされる。
【0140】
代替的な構成では、寛骨臼コンポーネントに基づくスケーリングの代わりとして画像スケーリングをもたらすために、物理的装置、センサ、直接観察可能な解剖学的標識のキャリパ測定、又はいくつかの他の形態の機械的及び電気的ハードウェアが用いられてもよい。代替的な構成の一例(厳密ではないが)は、キャリパを使用して抽出された大腿骨頭を測定し、次いで、術前画像における大腿骨頭をマーキングすることによって画像をスケーリングすることであろう。この方法では、絶対スケーリングが、術前画像において最初に作成され、次いで、一貫した静止したベースをスケーリングし、位置合わせすることによって術中画像に伝搬される。
【0141】
プロセスは、システム又はユーザが大腿骨ステムテンプレートを術中画像における大腿骨ステムの真上に位置付ける状態で、術中テンプレーティングモジュール1862による
図68Bのステップ1909を続ける。前述の寛骨臼コンポーネントテンプレートプロセスと同様に、このステップは、方法において後で用いられることになる術中データを求めるのに使用される。
図65は、術中画像における大腿骨ステムテンプレートの位置付けを実証する、
図64と同様の概略的な画面ビュー1800である。この図は、左の術前画像1801上の大腿骨頭上にオーバーレイされた寛骨臼コンポーネントの外形1774’を示す。ユーザは、このインプラント1732に関しては「Depuy Corail AMT サイズ:サイズ9、オフセット:内反股、ヘッド:5」として識別される、手術に使用される大腿骨ステムテンプレートを選択し、システムは、画面上にこのモデルに関するテンプレートをレンダリングする。ユーザ又はシステムは、プロテーゼ1732の矩形1802内のテンプレート画像1804を、術中画像1803における観察される大腿骨コンポーネントの真上にオーバーレイする。オフセットの変化及び脚の長さの変化の最初の計算はまだ該当しないが、「外転角度:45.0」と共に「オフセットの変化:−272.0mm」及び「脚の長さの変化:−12.7mm」を含む表示1812によって画面1800の一角に表示される。寛骨臼カップの制御アイコン1808及び大腿骨ステムテンプレート1802及び1804のアイコン1810が、画面ビュー1800の別の部分に提供される。
【0142】
インプラント1732のネックから大転子上に延びる破線1820と、インプラント1732のショルダに接触する平行な破線1822に注目されたい。(ユーザは上記の
図62で例示される術中画像において大腿骨プロテーゼの上外側縁とも称される大腿骨プロテーゼ1732のショルダを識別した)。システムは、大腿骨軸に垂直に両方のライン1820及び1822を引き、大転子及びインプラントのショルダを識別するマーカのユーザによる位置決めによってガイドされる。
【0143】
図68Bのステップ1910において、システムは、
図65に示すように大腿骨軸ラインに沿ったインプラントのショルダと大転子との間の距離を識別する。一構成では、このプロセスは、プロセスにおいて先に識別され、
図66に表示される、大腿骨軸ライン1752に垂直になるように生成される破線参照ライン1820及び1822によってサポートされる。大腿骨ステム軸に沿ったライン1820及び1822間の計算された距離は、術前画像における大腿骨ステムテンプレートの配置に適用されることになる術中データである。
【0144】
ステップ1912において、システムは、前述の計算された距離をとり、
図66に示すように大腿骨軸ラインに垂直な、大転子から同じ距離だけ離れたラインを術前画像に生成する。ステップ1914に関して、システムは、ステップ1912で生成されたラインを使用して大腿骨ステムテンプレートを術前画像に配置する。
【0145】
図66は、大腿骨F
Rと重ね合わされ、位置合わせされる術前画像1801’上に配置された矩形1802’内の大腿骨ステムテンプレート1804’を示す、
図65と同様の概略的な画面ビュー1830である。システムは、術中画像における同じテンプレートの配置から収集した術中データを使用することによって術前画像1801’における大腿骨ステムテンプレート1804’を自動的に再位置付けする。具体的には、システムは、ガイダンスラインを引き、以下のステップを通して術前画像における大腿上のインプラントの位置を判断する。
・システムが、術前画像において、大転子点(マーカによって既に識別される)を通る、大腿骨軸(手術中の大腿骨軸とは異なる場合がある)に垂直な、破線1832を引く。
・システムが、術中画像から大転子とインプラントのショルダとの間の大腿骨軸に沿った計算された距離をとる。システムが、術中画像での計算された距離に基づいて、術前画像において、大転子ライン1832よりも下の、大腿骨軸に垂直な、破線1834を生成する。
・ライン1834が、ユーザ又はシステムがこのライン上に大腿骨ステムテンプレートのショルダを配置することによって大腿骨ステムテンプレートを位置付けるための視覚ガイドとして生成される。
・システムが、大腿骨軸に沿った、及び、大腿骨軸に垂直な、術中画像における大転子とプロテーゼのショルダとの間の差を計算する。システムは、次いで、大転子に対する距離を再現し、プロテーゼのショルダを該場所に配置することによって、術前画像における大腿骨ステムテンプレートの場所を生成する。加えて、大腿骨ステムは、両方の画像において大腿骨軸に対して一貫した角度を維持するように自動的に回転される。例えば、大腿骨軸が、術中画像において15度であり、かつ、術前画像において10度である場合、システムは、大腿骨ステムテンプレートを、これを術前画像に移す時に5度だけ自動的に回転させることになる。最後に、大腿骨ステムテンプレートは、大腿管の場所に適合するようにユーザによって又はシステムによって自動的に調整されてもよい(すなわち、大腿骨軸に垂直な大腿骨ステムテンプレートの移動)。
・術中データを術前のイメージングと組み合わせると、システムは、ここでステップ1916及び差異分析モジュール1864において、術前画像における大腿骨ステム及び寛骨臼カップテンプレートの位置付けに基づいてオフセット及び脚の長さの差を精確に計算する。
・最後に、ユーザが、ここで、ステップ1918において、術中インプラントの変化がオフセット及び脚の長さの計算にどれくらい影響を及ぼすことになるかの「what if分析」を行い且つ事前分析して、手術中に異なるインプラントを挿入する前であっても術中の変更及び意思決定が、なされた計算に基づくようにするために、システムでのインプラントテンプレート選択を修正することができる。システム又はユーザは、次いで、破線1834及び他のガイドラインを使用して新しいインプラント選択を配置することになり、テンプレート技法を、使用される術中データと組み合わせることによって、予想されるオフセット及び脚の長さの変化を自動的に計算することになる。
【0146】
オフセット及び脚の長さの変化の計算が、「外転角度:45.0」、「オフセットの変化:4.2mm」、及び「脚の長さの変化:−0.2mm」を含む表示1812’によって、画面1830の一角に表示される。同じく識別されるのは、この例ではインプラント1732に関して「Pinnacle寛骨臼カップサイズ:54mm」及び「Depuy Corail AMTサイズ:サイズ9、オフセット:内反股、ヘッド:5」である。寛骨臼カップの制御アイコン1808’及び大腿骨ステムテンプレート1802’及び1804’のアイコン1810’が、画面ビュー1830の別の部分に提供される。一構成では、破線参照ライン1832及び1834が、大腿骨軸ライン1706’に垂直となるように生成される。
【0147】
いくつかの構成では、システムは、JointPoint Anteriorプロセスで始まり、逆テンプレーティングシステムで終わることになる。逆テンプレーティングを行うのに必要とされるデータのほとんどは、システムによってJointPoint Anteriorから持ち越される可能性があるため、逆テンプレーティング技法を処理するためにシステムによって非常に少ないステップが必要とされる。
【0148】
図70は、閉鎖孔OF上の第1の点2008と回腸の下前腸骨棘AIIS上の第2の点2010との間に延びる静止したベースライン2006及び2007によってトランザクトされる寛骨臼コンポーネント2004を備える、術前の股関節画像2001と、股関節の中にトライアルインプラント2002を有する術中の股関節画像2003とのオーバーレイ画像2000である。同じく示されるのは、2つの誤差分析三角形2020(実線)及び2030(破線)である。この構成での円2022及び2032は、それぞれ画像2001及び2003における大転子上の標識点を表す。画像2000は、それぞれ静止したベースライン2006及び2007に従ってオーバーレイされた術前の股関節画像2001及び術中の股関節画像2003の表現である。
図4C〜
図4Fのシステム200が
図70によって表されるように各画像に関する三角形2020及び2030を生成している状態で、それぞれ画像2001及び2003における3つの同一の骨盤点2024、2026、2028、及び2034、2036、2038が識別されている。三角形2020及び2030は、この場合は骨盤である静止したベースを含む解剖学的領域の誤差を分析するために視覚的に比較することができる。数値信頼スコア又は他の正規化された数値誤差分析値も、点間の距離を計算し、それらを三角形ベクトルの長さと比較し、次いで、もしかすると対数又は他のこうした非線形アルゴリズムを用いてデータを正規化することによって、システムで計算され、表示されてもよい。視覚表示及び/又は数値信頼スコアは、その構成での有効性分析を提供する。言い換えれば、いくつかの構成では、2つ以上の画像における1つ又は複数の幾何学的形状、例えば三角形又は象徴の相対アラインメントなどの信頼スコア又は他の正規化された数値誤差分析、及び/又は少なくとも1つの誤差値又は誤差要因の視覚表現を提供することなどの少なくとも1つの画像に関する誤差分析及び補正が提供される。
【0149】
本発明に係る種々の代替的なシステム及び技法のいくつかの構成では、「恥骨結合に沿ってラインを引く」などのユーザをガイドするために、システムによって視覚的及び/又は可聴ユーザ命令が順次に生成される。他のタイプのインプラントを用いる手術のための、及び部分又は全膝又は肩関節置換及び足の手術並びに手首の手術を含む他の外科的手技のためのガイダンスが、本開示を読んだ後の当業者には想起されるであろう。また、超音波などの可視光以外のエネルギーを使用する他のタイプの医療イメージングが、実際のX線の代わりに本発明に従って用いられてもよい。さらに、スタイラス又はライトペンなどのコンピュータインターフェースツールが滅菌状態でユーザに提供される場合、ユーザは、本発明に従ってプログラムされるコンピューティング装置を動作させながら手術の滅菌野内にとどまることができる。
【0150】
本発明の特異的な特徴がいくつかの図面に示され、他の図面には示されないが、各特徴は本発明に係るいずれかの又はすべての他の特徴と組み合わされてもよいので、これは単に便宜のためである。本発明の基本的な新規な特徴がその1つ又は複数の好ましい実施形態に適用されるものとして示され、説明され、明示されているが、例示される装置の形態及び詳細並びにそれらの動作における種々の省略、置換え、及び変更が、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく当業者によってなされ得ることが理解されるであろう。例えば、同じ結果を達成するために実質的に同じ方法で実質的に同じ機能を果たすこれらの要素及び/又はステップのすべての組合せが本発明の範囲内となることが明確に意図される。1つの説明された実施形態から別の実施形態への要素の置き換えも十分に意図され、考えられる。
【0151】
図面は必ずしも一定の縮尺で描かれていないが、それらは本質的に単に概念上のものであることも理解されたい。本開示の範囲内の他の実施形態が当業者には想起されるであろう。