【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 展示日: 2019年3月7日 展示会名、開催場所: JSXSW2019 Austin,Texas) 公開者: 株式会社電通
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記容器が支持部材との間に固定された場合において、前記ベース部材の二つの膨らみのうち貫通孔が設けられている方を下にしたときに、前記容器の排出口が、前記人工乳首よりも高くなるように、前記容器を固定する前記固定部材の位置と前記貫通孔の位置との関係が定められている。
請求項6に記載の哺乳装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術では、人工乳首に埋め込まれた圧電効果素子(または歪ゲージ)がその変形を検出しているので、人工乳首が変形しない場合または人工乳首のセンサが埋め込まれた位置で人工乳首が変形しない場合には、吸っているのかどうか分からないという問題がある。後者の場合とは具体的には例えば、特許文献1では、圧電効果素子が人工乳首の根本付近にあるため、人工乳首の先端だけが変形しても検知できないという場合である。
また、柔軟な材料で形成された人工乳首であれば、人工乳首に埋め込まれた圧電効果素子が人工乳首の変形を検出することができる可能性があるが、プラスチック等でできたストローのように、吸引中に外形が容易に変形しない液体吸引用部材には適用できないという問題がある。このように、吸引時に液体吸引用部材が変形しない場合であっても吸引を検知することが望まれている。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、吸引時に液体吸引用部材が変形しない場合であっても吸引を検知可能か、吸引力もしくは吸引量を検知可能とする哺乳装置、哺乳器及び飲料容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様に係る哺乳装置は、人間または動物が液体を吸うために設けられ且つ当該液体が通過する空間が内部に形成されている液体吸引用部材と、前記液体吸引用部材の内部の前記空間に挿入されている電極と、前記電極に導通する静電容量センサと、前記静電容量センサが検出した静電容量に応じて、吸引力もしくは吸引量を表す出力信号、及び/または前記液体を吸引したか否かを表す出力信号を出力するプロセッサと、を備える。
【0008】
この構成によれば、人間または動物が、液体吸引用部材に口をつけた場合、口が電極に近づくので電極との間の静電容量が大きくなり、静電容量センサが検出した静電容量が大きくなる。これを利用して、液体を吸引したか否かを判断することができる。このため、吸引時に液体吸引用部材が変形しない場合であっても吸引を検知可能である。
また、口に含まれる液体吸引用部材の表面積が大きくなるほど電極との間の静電容量が大きくなり、静電容量センサが検出した静電容量が大きくなる。これを利用して、吸引力もしくは吸引量を換算することができる。このため、吸引時に液体吸引用部材が変形しない場合であっても吸引力もしくは吸引量を検知可能である。
【0009】
本発明の第2の態様に係る哺乳装置は、第1の態様に係る哺乳装置であって、端末装置と通信する通信部を備え、前記プロセッサは、前記出力信号を前記端末装置へ送信するよう通信部を制御する。
【0010】
この構成によれば、端末装置は、液体を吸引したか否かを表す情報を、吸引力もしくは吸引量を表示するなどして、端末装置のユーザ(例えば、哺乳者)に通知することができる。
【0011】
本発明の第3の態様に係る哺乳装置は、第1または2の態様に係る哺乳装置であって、振動器を備え、前記プロセッサは、前記静電容量センサが検知した静電容量が閾値を超える場合、前記振動器を振動させる。
【0012】
この構成によれば、哺乳される者(例えば乳児)が液体吸引用部材を口の中に含んだ場合において静電容量センサで検知される静電容量が閾値を超えるように閾値を予め設定することにより、哺乳される者が液体吸引用部材を口の中に含んだ場合において、振動器を振動させることができ、哺乳される者(例えば乳児)に心地よい振動を与えることができるとともに、これまで母親しか得られなかった授乳時の身体(特に胸部)へのフィードバックが、心地よい振動という形で哺乳する人、誰もが得られるようになる。
【0013】
本発明の第4の態様に係る哺乳装置は、第3の態様に係る哺乳装置であって、前記振動器の振動の周波数は、人間または動物の心臓の拍動の周波数帯の範囲にある。
【0014】
この構成によれば、母親の心臓の音を聞いているかのように哺乳される者を錯覚させることができるので、哺乳される者の安心感を向上させることができる。
【0015】
本発明の第5の態様に係る哺乳装置は、第1から4のいずれかの態様に係る哺乳装置であって、液体を保持可能な容器と、貫通孔が形成されているベース部材と、前記液体吸引用部材が挿入された状態で前記ベース部材の貫通孔に嵌め込まれている第1のアタッチメントと、一端が前記第1のアタッチメントと接続され、且つ供給口が前記容器に連通している第2のアタッチメントと、を備え、前記第1のアタッチメントの前記第2のアタッチメントとは反対の端面は、前記第1のアタッチメントの内側端面に対して傾斜している。
【0016】
この構成によれば、第1のアタッチメントの回転角度を調整して嵌め込むことで、哺乳に適した向きに液体吸引用部材の向きを調整することができる。例えば添い寝の場合には、哺乳される者の口のある方向に液体吸引用部材の向きを調整することにより、添い寝でも手を使わず、哺乳される者に哺乳することができる。
【0017】
本発明の第6の態様に係る哺乳装置は、第5の態様に係る哺乳装置であって、前記液体吸引用部材は、人工乳首であり、前記ベース部材は、二つの膨らみを有し、前記ベース部材を支持する支持部材と、前記容器を前記支持部材との間に固定するための固定部材を更に備え、前記容器の底または側面に液体を排出する排出口が設けられており、前記容器が前記支持部材との間に固定された場合において、前記ベース部材の両方の膨らみが略同じ高さにあるときに、前記容器の排出口が、前記人工乳首よりも高くなるように、前記容器の高さ及び前記容器を固定する固定部材の位置が定められている。
【0018】
この構成によれば、授乳される乳児を立ってまたは座って抱っこするときに、容器内の液体が重力に従って、人工乳首まで供給される。
【0019】
本発明の第7の態様に係る哺乳装置は、第6の態様に係る哺乳装置であって、前記容器が支持部材との間に固定された場合において、前記ベース部材の二つの膨らみのうち貫通孔が設けられている方を下にしたときに、前記容器の排出口が、前記人工乳首よりも高くなるように、前記容器を固定する前記固定部材の位置と前記貫通孔の位置との関係が定められている。
【0020】
この構成によれば、添い寝しながら授乳するときに、容器内の液体が重力に従って、人工乳首まで供給される。
【0021】
本発明の第8の態様に係る哺乳装置は、第6または7の態様に係る哺乳装置であって、当該哺乳装置を哺乳者に固定するためのベルトが設けられており、前記固定部材には、前記ベルトを通すための開口が設けられており、前記ベルトを通すための開口を有する第1のベルト保持部材と、前記ベルトを通すための開口を有する第2のベルト保持部材と、を備える。
【0022】
この構成によれば、ベルトによって、哺乳装置を3点で哺乳者に固定することができる。
【0023】
本発明の第9の態様に係る哺乳器は、人間または動物が液体を吸うために設けられ且つ当該液体が通過する空間が内部に形成されている液体吸引用部材と、前記液体吸引用部材の内部の空間に挿入されている電極と、前記電極が接続された静電容量センサと、前記静電容量センサが検出した静電容量に応じて、吸引力もしくは吸引量を決定するか、及び/または前記液体を吸引したか否かを判定するプロセッサと、を備える。
【0024】
この構成によれば、人間または動物が、液体吸引用部材に口をつけた場合、口が電極に近づくので電極との間の静電容量が大きくなり、静電容量センサが検出した静電容量が大きくなる。これを利用して、液体を吸引したか否かを判断することができる。このため、吸引時に液体吸引用部材が変形しない場合であっても吸引を検知可能である。
また、口に含まれる液体吸引用部材の表面積が大きくなるほど電極との間の静電容量が大きくなり、静電容量センサが検出した静電容量が大きくなる。これを利用して、吸引力もしくは吸引量を換算することができる。このため、吸引時に液体吸引用部材が変形しない場合であっても吸引力もしくは吸引量を検知可能である。
【0025】
本発明の第10の態様に係る飲料容器は、人間または動物が液体を吸うために設けられ且つ当該液体が通過する空間が内部に形成されている液体吸引用部材と、前記液体吸引用部材の空間に挿入されている電極と、前記電極が接続された静電容量センサと、前記静電容量センサが検出した静電容量に応じて、吸引力もしくは吸引量を決定するか、及び/または前記液体を吸引したか否かを判定するプロセッサと、を備える。
【0026】
この構成によれば、人間または動物が、液体吸引用部材に口をつけた場合、口が電極に近づくので電極との間の静電容量が大きくなり、静電容量センサが検出した静電容量が大きくなる。これを利用して、液体を吸引したか否かを判断することができる。このため、吸引時に液体吸引用部材が変形しない場合であっても吸引を検知可能である。
また、口に含まれる液体吸引用部材の表面積が大きくなるほど電極との間の静電容量が大きくなり、静電容量センサが検出した静電容量が大きくなる。これを利用して、吸引力もしくは吸引量を換算することができる。このため、吸引時に液体吸引用部材が変形しない場合であっても吸引力もしくは吸引量を検知可能である。
【発明の効果】
【0027】
本発明の一態様によれば、人間または動物が、液体吸引用部材に口をつけた場合、口が電極に近づくので電極との間の静電容量が大きくなり、静電容量センサが検出した静電容量が大きくなる。これを利用して、液体を吸引したか否かを判断することができる。このため、吸引時に液体吸引用部材が変形しない場合であっても吸引を検知可能である。
また、口に含まれる液体吸引用部材の表面積が大きくなるほど電極との間の静電容量が大きくなり、静電容量センサが検出した静電容量が大きくなる。これを利用して、吸引力もしくは吸引量を換算することができる。このため、吸引時に液体吸引用部材が変形しない場合であっても吸引力もしくは吸引量を検知可能である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、各実施形態について、図面を参照しながら説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0030】
母親は、添い寝で寝かしつけをしつつ乳児に授乳することができるが、父親の場合、哺乳瓶などの哺乳器でミルクを乳児にあげることはできるものの、添い寝で寝かしつけをしつつ哺乳瓶を乳児に与えるのは難しい。このため、母親しか添い寝で寝かしつけをしつつ乳児に授乳できず、母親が常に夜2〜3時間毎に起きて授乳する必要があり、乳児の養育において母親の負担が大きいという問題があった。
そこで上記の課題に加えて、第1の実施形態では、添い寝でも乳児に哺乳することができる哺乳装置を提供することを課題とする。
【0031】
哺乳される者は、人間だけでなく動物も含まれるが、第1の実施形態では、その一例として、哺乳される者は、人間の乳児であるものとして説明する。
【0032】
図1は、第1の実施形態に係る哺乳システムの概略構成図である。
図1に示すように、哺乳システムSは、哺乳装置1と、哺乳装置1と通信する端末装置2を備える。この通信は、有線であっても無線であってもよいが、無線であるものとして説明する。哺乳装置1は例えば、吸引力もしくは吸引量を表す出力信号、及び/または液体を吸引したか否かを表す出力信号を例えば設定周期で端末装置2へ送信する。これにより、端末装置2は、この出力信号を受信する毎に、この出力信号を用いて、吸引力もしくは吸引量、及び/または液体を吸引したか否かを表す情報の表示を更新する。これにより、時系列で、吸引力もしくは吸引量、及び/または液体を吸引したか否かを表す情報の表示を表示することができる。
【0033】
図2は、第1の実施形態に係る哺乳装置の正面図である。
図2に示すように、哺乳装置1は、支持部材11と、ベース部材12とを備える。
図2に示すように、ベース部材12は一例として、人間の乳房のように二つの膨らみを有する。支持部材11は、ベース部材12の外縁を取り囲むように連結されておりベース部材12を支持する。
【0034】
図2に示すように、哺乳装置1は更に、液体吸引用部材の一例である人工乳首21と、中空の第1のアタッチメント22とを備える。ここで、液体吸引用部材は、人間(例えば、乳児)または動物が液体を吸うために設けられ且つ当該液体が通過する空間が内部に形成されているものであり、人工乳首21も人間(例えば、乳児)または動物が液体を吸うために設けられ且つ当該液体が通過する空間が内部に形成されているものである。人工乳首21は例えば、哺乳瓶で用いるために市販されているものある。これにより、乳児にあった様々な大きさ及び硬さの人工乳首を用いることができる。
【0035】
図3は、第1の実施形態において、人工乳首21及び第1のアタッチメント及びが外された場合の哺乳装置の正面図である。
図3に示すように、ベース部材12には貫通孔13が設けられている。
【0036】
図2に戻って、第1のアタッチメント22は、人工乳首21が挿入された状態でベース部材12の貫通孔13に嵌め込まれている。
【0037】
図4は、第1の実施形態に係る哺乳装置の側面図である。
図3の例では、一例として、人工乳首21がベース部材12に対して斜め下向きに突出している。なお、第1のアタッチメント22をベース部材12の貫通孔13に嵌める際に、第1のアタッチメント22の回転角度を調整して嵌め込むことによって、人工乳首21がベース部材12に対して突出する方向を、360度自由に変更することができる。これにより、添い寝で乳児に哺乳する際に、人工乳首21の向きを乳児の口の方向に向くようにすることができる。
【0038】
図5は、第1の実施形態に係る哺乳装置の裏面図である。
図5に示すように、哺乳装置1は、液体を保持可能な容器41と、容器41を支持部材11との間に固定するための固定部材31とを備える。容器41には、液体を充填もしくは補充するための供給口を塞ぐ蓋部材42が設けられている。また、当該哺乳装置を哺乳者に固定するためのベルト81が設けられており、固定部材31には、このベルト81を通すための開口が設けられている。更に哺乳装置1は、ベルトを通すための開口を有する第1のベルト保持部材32と、ベルトを通すための開口を有する第2のベルト保持部材33とを備える。第1のベルト保持部材32は、一端が支持部材11に連結されている。同様に第2のベルト保持部材33は、一端が支持部材11に連結されている。
【0039】
図5に示すように、哺乳装置1は、支持部材11の裏面に固定された基板61と、基板61に設けられたプロセッサ62と、静電容量を検知する静電容量センサ63と、通信部64と、メモリ65とを備える。静電容量センサ63は、配線73に接続されている。通信部64は、プロセッサ62の指令に従って、端末装置と通信する。メモリ65には、例えば、静電容量と、吸引力もしくは吸引量との関係が記憶されている。具体的には例えば、メモリ65には、静電容量と、吸引力もしくは吸引量との組のレコードを複数有するテーブルが記憶されている。これにより、プロセッサ62は、メモリ65を参照して、静電容量センサ63で検知された静電容量に対応する吸引力もしくは吸引量を出力してもよい。
【0040】
哺乳装置1は、振動器(バイブレータ)70と、振動器70に駆動信号を供給するため駆動信号線71と、接地に接続するグラウンド線72とを備える。
プロセッサ62は、静電容量センサ63が検知した静電容量が閾値を超える場合、振動器70を振動させる。これにより、後述するように、例えば乳児が人工乳首21を口の中に含んだ場合において静電容量センサ63で検知される静電容量が閾値を超えるように閾値を予め設定することにより、乳児が人工乳首21を口の中に含んだ場合において、振動器70を振動させることができ、乳児に心地よい振動を与えることができるとともに、これまで母親しか得られなかった授乳時の身体(特に胸部)へのフィードバックが、心地よい振動という形で哺乳する人、誰もが得られるようになる。ここでは一例として、振動器の振動の周波数は、人間または動物の心臓の拍動の周波数帯の範囲にある。これにより、母親の心臓の音を聞いているかのように哺乳される乳児を錯覚させることができるので、哺乳される乳児の安心感を向上させることができる。
【0041】
図6は、第1の実施形態に係る哺乳装置からベルトを外した場合における裏面図である。
図7は、第1の実施形態に係る容器の一例を示す斜視図である。
図6及び
図7に示すように、容器41の底に液体を排出する排出口43が設けられている。なお、この排出口43は容器41の側面に設けられていてもよい。哺乳装置1は管51を備え、この管51が容器41の排出口43と、第2のアタッチメント23の供給口とを接続する。これにより、容器41の液体が、排出口43から管51を通って第2のアタッチメント23の供給口に供給される。
【0042】
容器41が支持部材11との間に固定された場合において、ベース部材12の両方の膨らみが略同じ高さにあるときに(例えば授乳される乳児を立ってまたは座って抱っこするときに)、容器41の排出口43が、人工乳首21よりも高くなるように、容器41の高さ及び容器41を固定する固定部材31の位置が定められている。この構成により、授乳される乳児を立ってまたは座って抱っこするときに、容器41内の液体が重力に従って、人工乳首21まで供給される。
また容器41が支持部材11との間に固定された場合において、ベース部材12の二つの膨らみのうち貫通孔が設けられている方(すなわち人工乳首21が設けられている方)を下にしたときに(例えば、添い寝しながら授乳するときに)、容器41の排出口43が、人工乳首21よりも高くなるように、容器41を固定する固定部材31の位置と前記貫通孔の位置(または人工乳首21の位置)との関係が定められている。この構成により、添い寝しながら授乳するときに、容器41内の液体が重力に従って、人工乳首21まで供給される。
【0043】
図8は、人工乳首、第1のアタッチメント及び第2のアタッチメントをベース部材から取り外した場合における、人工乳首、第1のアタッチメント及び第2のアタッチメントの斜視図である。
図8に示すように、第2のアタッチメント23において、一端が第1のアタッチメントと接続され、他端に設けられた供給口が管51を介して容器41に連通している。また、第2のアタッチメント23において、他端から、静電容量センサに接続された配線73が挿入されている。配線73の先は、被覆が剥がされて電極74になっており、この電極74が人工乳首21の内部の空間に挿入されている。電極74は、哺乳時に液体(例えば、ミルク等)に浸るので、腐食しにくい金属(例えば、金、銀、プラチナなど)から構成されていることが好ましい。
【0044】
図9は、
図8において、配線及び電極を取り除いた斜視図である。
図9に示すように、第1のアタッチメント22の第2のアタッチメント23側の端面に対して、第1のアタッチメント22の第2のアタッチメントとは反対の端面が傾斜している。
【0045】
図10は、第1のアタッチメント22と、第2のアタッチメント23とを分離した分離斜視図である。
図10に示すように、第1のアタッチメント22の内周には、ねじが切ってある。第2のアタッチメント23には、外周にねじが切ってある。この第1のアタッチメント22の内周のねじ山と、第2のアタッチメント23の外周のねじ山がかみ合うことにより、連結される。
【0046】
図11は、
図10の断面図である。
図11に示すように、第2のアタッチメント23が第1のアタッチメント22に連結された場合、第2のアタッチメント23が第1のアタッチメント22の内側端面222に対して、人工乳首21の底部211を押し付けることによって、人工乳首21が固定されている。
図11に示すように、第1のアタッチメント22の第2のアタッチメント23とは反対の端面221は、第1のアタッチメント22の内側端面222に対して傾斜している。この構成により、第1のアタッチメント22をベース部材12の貫通孔13に嵌め込んだ際に、人工乳首21は、ベース部材12の表面の法線方向ではない角度に傾斜する。これにより、第1のアタッチメント22の回転角度を調整して嵌め込むことで、哺乳に適した向きに人工乳首21の向きを調整することができる。例えば添い寝の場合には、乳児の口のある方向に人工乳首21の向きを調整することにより、添い寝でも手を使わず、乳児に哺乳することができる。
【0047】
以上、本実施形態に係る哺乳装置1は、人間または動物が液体を吸うために設けられ且つ当該液体が通過する空間が内部に形成されている液体吸引用部材の一例である人工乳首21と、人工乳首21の内部の前記空間に挿入されている電極74と、電極74に導通する静電容量センサ63と、静電容量センサ63が検出した静電容量に応じて、吸引力もしくは吸引量を表す出力信号、及び/または前記液体を吸引したか否かを表す出力信号を出力するプロセッサ62と、を備える。
【0048】
この構成により、人間または動物が、人工乳首21に口をつけた場合、口が電極に近づくので電極との間の静電容量が大きくなり、静電容量センサが検出した静電容量が大きくなる。これを利用して、液体を吸引したか否かを判断することができる。このため、吸引時に人工乳首21が変形しない場合であっても吸引を検知可能である。
また、口に含まれる人工乳首21の表面積が大きくなるほど電極との間の静電容量が大きくなり、静電容量センサが検出した静電容量が大きくなる。これを利用して、吸引力もしくは吸引量を換算することができる。このため、吸引時に人工乳首21が変形しない場合であっても吸引力もしくは吸引量を検知可能である。
【0049】
<第2の実施形態>
続いて、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、哺乳器(例えば、哺乳瓶)を対象にして説明する。哺乳される者は、人間だけでなく動物も含まれるが、第2の実施形態では、その一例として、哺乳される者は、人間の乳児であるものとして説明する。
【0050】
図12は、第2の実施形態に係る哺乳器の断面図である。
図12に示すように、哺乳器101は、中空の容器本体102と、容器本体102の上に設けられたベース部材である蓋105を備える。
図12に示すように、蓋105には貫通孔が設けられている。人工乳首21が第2のアタッチメント23によって第1のアタッチメント22に固定されている状態で、第1のアタッチメント22が蓋105の貫通孔に嵌め込まれている。これにより、人工乳首21が蓋105の上面に対して直角ではない角度で傾斜している。この傾斜方向は、第1のアタッチメント22の回転角度を調整して蓋105の貫通孔に嵌め込むことで調整できるので、哺乳に適した向きに人工乳首21の向きを調整することができる。
【0051】
図12に示すように、第1の実施形態の哺乳装置1と同様に、哺乳器101は、基板61と、基板61に設けられたプロセッサ62と、静電容量センサ63と、通信部64と、メモリ65とを備える。これらの要素は、第1の実施形態と同じであるので、その説明を省略する。基板61は、一例として、蓋105の上面に設けられている。なお、基板61の位置は容器本体102の外周面に限ったものではなく、容器本体102の底面に窪みを設けて底面の外側に固定されてもよいし、容器本体102の外周面に固定されてもよい。
【0052】
ここで静電容量センサ63が電極74bと直接接続されている点が第1の実施形態と異なっている。電極74bは、人工乳首21の内部の空間に挿入されている。電極74bは、哺乳時に液体(例えば、ミルク等)に浸るので、腐食しにくい金属(例えば、金、銀、プラチナなど)から構成されていることが好ましい。
【0053】
以上、第2の実施形態に係る哺乳器101は、人間または動物が液体を吸うために設けられ且つ当該液体が通過する空間が内部に形成されている液体吸引用部材の一例である人工乳首21と、人工乳首21の内部の空間に挿入されている電極74bと、電極74bが接続された静電容量センサ63と、静電容量センサ63が検出した静電容量に応じて、吸引力もしくは吸引量を決定するか、及び/または前記液体を吸引したか否かを判定するプロセッサ62と、を備える。
【0054】
この構成により、人間または動物が、人工乳首21に口をつけた場合、口が電極に近づくので電極との間の静電容量が大きくなり、静電容量センサが検出した静電容量が大きくなる。これを利用して、液体を吸引したか否かを判断することができる。このため、吸引時に人工乳首21が変形しない場合であっても吸引を検知可能である。
また、口に含まれる人工乳首21の表面積が大きくなるほど電極との間の静電容量が大きくなり、静電容量センサが検出した静電容量が大きくなる。これを利用して、吸引力もしくは吸引量を換算することができる。このため、吸引時に人工乳首21が変形しない場合であっても吸引力もしくは吸引量を検知可能である。
【0055】
<第3の実施形態>
続いて、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、飲料容器を対象にして説明する。この飲料容器を用いて飲料を飲む者は、人間だけでなく動物も含まれるが、第3の実施形態では、その一例として、飲料容器を用いて飲料を飲む者は、人間の乳幼児であるものとして説明する。
【0056】
図13は、第3の実施形態に係る飲料容器の断面図である。
図13に示すように、飲料容器111は、中空の容器本体112と、容器本体112の上に設けられたベース部材である蓋115とを備える。容器本体112には、取っ手113が設けられている。
図13に示すように、蓋115には貫通孔が設けられている。中空の液体吸引用部材の一例であるストロー116が第2のアタッチメント23によって第1のアタッチメント22に固定されている状態で、第1のアタッチメント22が蓋115の貫通孔に嵌め込まれている。
これにより、ストロー116が蓋115の上面に対して直角ではない角度で傾斜している。この傾斜方向は、第1のアタッチメント22の回転角度を調整して蓋115の貫通孔に嵌め込むことで調整できるので、飲むのに適した向きにストロー116の向きを調整することができる。
【0057】
図13に示すように、第1の実施形態の哺乳装置1と同様に、飲料容器111は、基板61と、基板61に設けられたプロセッサ62と、静電容量センサ63と、通信部64と、メモリ65とを備える。これらの要素は、第1の実施形態と同じであるので、その説明を省略する。基板61は、一例として、蓋115の上面に設けられている。なお、基板61の位置は容器本体112の外周面に限ったものではなく、容器本体112の底面に窪みを設けて底面の外側に固定されてもよいし、容器本体112の外周面に固定されてもよい。
【0058】
ここで静電容量センサ63が電極74cと直接接続されている点が第1の実施形態と異なっている。電極74cは、ストロー116の内部の空間に挿入されている。電極74cは、哺乳時に液体(例えば、ミルク等)に浸るので、腐食しにくい金属(例えば、金、銀、プラチナなど)から構成されていることが好ましい。
【0059】
以上、第3の実施形態に係る飲料容器111は、人間または動物が液体を吸うために設けられ且つ当該液体が通過する空間が内部に形成されている液体吸引用部材の一例であるストロー116と、ストロー116の内部の空間に挿入されている電極74cと、電極74cが接続された静電容量センサ63と、静電容量センサ63が検出した静電容量に応じて、吸引力もしくは吸引量を決定するか、及び/または前記液体を吸引したか否かを判定するプロセッサ62と、を備える。
【0060】
この構成により、人間または動物が、ストロー116に口をつけた場合、口が電極に近づくので電極との間の静電容量が大きくなり、静電容量センサが検出した静電容量が大きくなる。これを利用して、液体を吸引したか否かを判断することができる。このため、吸引時にストロー116が変形しない場合であっても吸引を検知可能である。
また、口に含まれるストロー116の表面積が大きくなるほど電極との間の静電容量が大きくなり、静電容量センサが検出した静電容量が大きくなる。これを利用して、吸引力もしくは吸引量を換算することができる。このため、吸引時にストロー116が変形しない場合であっても吸引力もしくは吸引量を検知可能である。
また、第2の実施形態に係る哺乳器または第3の実施形態に係る飲料容器は、人間の乳児/動物だけでなく、寝たきりの高齢者や手足の自由がきかない身体障害者などの要介護者が使用することで、静電容量の変化から、水分の補給頻度もしくは補給量を監視することができる。これにより、介護者が要介護者の水分量を十分に補給しているかを把握することができるので、補給頻度が足りない場合には介護者が要介護者に水分を与えることで、要介護者のクオリティ・オブ・ライフ(Quality of Life:QOL)を向上させることができる。それとともに、要介護者は付きっ切りで介護しなくても要介護者の水分の補給頻度を監視することができ、介護者の負担を軽減できるので、介護者のQOLも向上させることができる。なお、哺乳器または飲料容器の内部に水位センサを設けて水分補給量を監視してもよいし、静電容量センサが検出した静電容量から予め決められた換算規則に従って水分補給量に換算し水分補給量を監視してもよい。
【0061】
以上、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。