(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6919114
(24)【登録日】2021年7月28日
(45)【発行日】2021年8月18日
(54)【発明の名称】オートバイ用バッグを掛け止めするための自動システム
(51)【国際特許分類】
B62J 9/27 20200101AFI20210805BHJP
B62J 9/20 20200101ALI20210805BHJP
【FI】
B62J9/27
B62J9/20
【請求項の数】11
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-520407(P2018-520407)
(86)(22)【出願日】2016年10月28日
(65)【公表番号】特表2018-531837(P2018-531837A)
(43)【公表日】2018年11月1日
(86)【国際出願番号】IB2016056516
(87)【国際公開番号】WO2017072720
(87)【国際公開日】20170504
【審査請求日】2019年6月4日
(31)【優先権主張番号】102015000067048
(32)【優先日】2015年10月29日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】521196615
【氏名又は名称】ジビ ソシエタ ペル アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】ヴィセンツィ ジュゼッペ
【審査官】
中島 昭浩
(56)【参考文献】
【文献】
特表2009−511355(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0043289(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0272697(US,A1)
【文献】
特開2013−128738(JP,A)
【文献】
独国特許出願公開第19827973(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 9/00 − 9/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オートバイの固定構造に対してバッグ(10)を掛け止め、および、掛け外すためのシステムであって、該システムは、
前記固定構造に拘束され、第1部分(20)、および、前記第1部分(20)の反対側にある第2部分(34)を備えるように構成された管状固定用フレーム(16)と、
前記バッグ(10)の予め規定された部分上に拘束され、前記管状固定用フレーム(16)の前記第1部分(20)と係合するように構成された1つまたはそれ以上の固定用ブロック(18)と、
前記バッグ(10)に拘束され、1つまたはそれ以上のフック形状の可動な掛け止め手段(32)を備える固定用群(14)と、を含み、前記可動な掛け止め手段(32)は、該可動な掛け止め手段(32)が前記管状固定用フレーム(16)の前記第2部分(34)と係合される第1作動形態と、該可動な掛け止め手段(32)が前記前記管状固定用フレーム(16)の前記第2部分(34)に対して解放され、オートバイからの前記バッグ(10)の掛け外しを得ることができる第2非作動形態との間でロック機構(38、40、42、58)によって回転可能に作動可能であり、
前記固定用群(14)上に一体的に取り付けられ、前記ロック機構(38、40、42、58)が作動されないときに前記可動な掛け止め手段(32)をロック状態に維持するように構成されたロック要素(52)をさらに含み、
前記固定用群(14)は、前記第1作動形態と前記第2非作動形態との間で前記可動な掛け止め手段(32)を移動させるように構成された第1弾性手段(48)を含む、システムにおいて、
前記固定用群(14)は、前記第2非作動形態と前記第1作動形態との間で前記可動な掛け止め手段(32)を移動させるように構成された第2弾性手段(50)を含み、
前記各可動な掛け止め手段(32)は、前記第2弾性手段(50)と作動的に関連したラッチ(36)を備え、前記各ラッチ(36)は、前記それぞれの可動な掛け止め手段(32)の回転運動を生じさせるように並進運動によって移動可能であり、
前記可動な掛け止め手段(32)は、該可動な掛け止め手段(32)を同時に移動させることを可能にする単一のピン(46)上に取り付けられており、1つの第1弾性手段(48)が、前記各可動な掛け止め手段(32)と前記ピン(46)との間に配置されており、
前記各ラッチ(36)は、前記ロック機構(38、40、42、58)を案内するための案内要素(38)に作動的に連結されており、前記案内要素(38)は、前記ロック機構(38、40、42、58)のサブロックプレート(40)に作動的に連結されており、
前記ロック機構(38、40、42、58)は、1つまたはそれ以上のばね(44)を備える開放用ボタン(42)を含み、前記開放用ボタン(42)上には、前記サブロックプレート(40)を制御するキーロック(58)が取り付けられており、前記サブロックプレート(40)は、前記第1作動形態にあるときに、前記ロック要素(52)のリブ(72)と干渉し、前記固定用群(14)をロック状態に維持するために、前記開放用ボタン(42)を移動させず、前記サブロックプレート(40)は、前記干渉から外れ、前記開放用ボタン(42)の移動を可能にするために回転可能であり、かくして、前記案内要素(38)の対応する移動も発生させる、ことを特徴とするシステム。」
【請求項2】
前記各ラッチ(36)は、前記案内要素(38)上に得られる対応する傾斜平面(76)と係合するように構成されたそれぞれの円錐形部分(74)を備え、前記案内要素(38)上での前記各ラッチ(36)の前記円錐形部分(74)の摺動によって、前記ラッチ(36)の対応する摺動運動、および、対応する可動な掛け止め手段(32)の解放の両方を生じさせ、前記対応する可動な掛け止め手段(32)は、前記それぞれの第1弾性手段(48)の作用により、自動的に回転し、かくして、前記第2非作動形態に移動する、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記各可動な掛け止め手段(32)は、前記それぞれのラッチ(36)の歯(80)と係合し、前記第2弾性手段(50)の作用に逆らって、前記ラッチ(36)を移動させるように構成された傾斜部分(78)を備える、ことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記案内要素(38)は、それぞれの案内ねじ(56)によって前記開放用ボタン(42)に作動的に連結されている、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1弾性手段(48)は、捩りばね(48)からなり、前記第2弾性手段(50)は圧縮ばねからなる、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記各圧縮ばね(50)は、前記ロック要素(52)に対する、したがって、前記固定用群(14)に対する前記ラッチ(36)の移動を可能にするように、ラッチ(36)上に一体的に得られる第1突出要素(66)と、前記ロック要素(52)上に一体的に得られる対応する第2突出要素(68)との間に挿入されている、ことを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記固定用群(14)および前記固定用ブロック(18)の両方は、ねじ(22)およびそれぞれのコントラストプレート(24、26)によって前記バッグ(10)のベース部分(12)に固定されている、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記固定用群(14)の前記コントラストプレート(24)、および、それぞれの固定用ブロック(18)の各コントラストプレート(26)は、前記ベース部分(12)の内部面上に、すなわち、前記バッグ(10)内側に、前記ベース部分(12)が、前記コントラストプレート(24、26)と、それぞれの固定用群(14)および固定用ブロック(18)との間に「サンドイッチされる」ように、位置している、ことを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記固定用群(14)は、該固定用群(14)の前記可動な掛け止め手段(32)を収容している副固定用本体(30)が中に挿入されている主固定用本体(28)からなり、前記ロック要素(52)は、それぞれのねじ(28)によって前記主固定用本体(28)と一体である、ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1弾性手段(48)は、前記副固定用本体(30)上に一体的に得られるそれぞれのコントラストピン(86)上に取り付けられている、ことを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記管状固定用フレーム(16)の前記第1部分(20)上には、1つまたはそれ以上のマッシュルームピン(82)が得られ、前記1つまたはそれ以上のマッシュルームピン(82)上には、前記1つまたはそれ以上の固定用ブロック(18)がそれぞれ結合される、ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オートバイ用バッグまたはケースを掛け止めするための自動システムに関する。
【背景技術】
【0002】
荷物、ヘルメット、或いはその他の付属品を収容するようになったキャリヤ、バッグ、またはケースのオートバイ上での使用が一般的によく知られている。かかるバッグは、通常、オートバイの後部に取り付けられ、通常、オートバイ自体に安定的に取り付けられた適当なフレームと、かかるフレームを掛け止めするためのシステムと、を含む。
【0003】
オートバイ上へのバッグの安定したかつ確実な固定を確保すると同時に、偶発的な掛け外れまたは誤った掛け止めを回避することを提案する種々のタイプの掛け止めシステムが知られている。自転車またはオートバイ用バッグまたはケースのための掛け止めシステムが、例えば、DE19827973A1、US2006/138185A1、および、DE9215430U1に示されている。しかしながら、これらの掛け止めシステムのいくつかは、オートバイに対するバッグの掛け止めおよび掛け外しを得るために特殊な工具の使用を必要とし、かくして使用が複雑である。他の掛け止めシステムは、バッグの取り付けおよび取り外しを可能にするボタンまたはレバーを備える。かかる手段は、明らかに作動が大変簡単であるが、オートバイからのバッグの偶発的な外れを防止せず、また、通常、複雑な操作機構を備える。
【0004】
例えば、文書WO2011/098897A1は、バッグの掛け止め中および掛け外し中の両方で使用が簡単であるように構成されたオートバイ用バッグのための掛け止めシステムを記載している。しかしながら、かかる掛け止めシステムは、バッグの自動掛け止めを可能にしない。さらに、かかる掛け止めシステムは、オートバイに固定されたそのフレームに対するバッグの掛け止め箇所の調節を可能にしない。
【発明の概要】
【0005】
したがって、本発明の目的は、従来技術の上記の欠点を、非常に簡単な、費用効果的な、かつ、特に機能的な仕方で解決することができるオートバイ用バッグまたはケースのための自動掛け止めシステムを作ることである。
【0006】
詳細には、本発明の目的は、オートバイに固定されたそのフレームに対するバッグの自動掛け止めを可能にするオートバイ用バッグまたはケースのための自動掛け止めシステムを作ることである。
【0007】
本発明のもう1つの目的は、互いに別個の、かくして、バッグ自身の、したがって、要件に従うそれぞれのフレームの異なる箇所に位置決め可能であるバッグ掛け止め箇所を備えるオートバイ用バッグまたはケースのための自動掛け止めシステムを作ることである。
【0008】
本発明のさらに別の目的は、簡単なかつ強い構造を有するオートバイ用バッグまたはケースのための自動掛け止めシステムを作ることである。
【0009】
本発明によるこれらの目的は、本願の請求項1に記載されたオートバイ用バッグまたはケースのための自動掛け止めシステムを作ることによって達成される。
【0010】
本発明のさらに別の特徴は、本明細書の一体的部分である従属請求項によって際立たせられている。
【0011】
本発明によるオートバイ用バッグまたはケースのための自動掛け止めシステムの特徴および利点は、添付の概略的な図面を参照して、例として、制限目的でなく与えられる以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】取り付け形態で、一般的なオートバイ用バッグに掛け止めされて示されている本発明によるバッグまたはケースのための自動掛け止めシステムの斜視図である。
【
図2】
図1のシステムの一部を形成する構成要素の分解図である。
【
図3】閉鎖位置で示されている
図1のシステムの固定用群の斜視図である。
【
図4A】
図3の固定用群の2つの作動形態の1つを示す断面図である。
【
図4B】
図3の固定用群の2つの作動形態のもう1つを示す断面図である。
【
図5A】
図1のシステムの2つの作動形態の1つを示す斜視図である。
【
図5B】
図1のシステムの2つの作動形態のもう1つを示す斜視図である。
【
図6】
図1のシステムの固定用群の構成要素詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面を参照すると、本発明によるオートバイ用バッグ10を掛け止めし、および、掛け外すための自動システムが示されている。バッグ10は、横方向位置(「サイドバッグ」として)、および、オートバイ自体の後部ガードの上方(「トップケース」として)の両方において、オートバイの固定構造に取り付け可能なタイプのものであるのがよいが、これは、本発明の保護の範囲から逸脱することなく、オートバイ上の異なる位置における取り付けを排除しない。
【0014】
バッグ10は、ベース部分12を備え、ベース部分12は、有利には、バッグ10自体の製造工程において予め形成されるのがよく、ベース部分12上に、システムに属する固定用群14が拘束されているのがよい。固定用群14は、管状タイプの固定用フレーム16に連結されるように構成されており、固定用フレーム16は、例えば、オートバイ自体の後部ガードまたは支持フレームのようなオートバイの固定構造に拘束されるように構成されている。サイドバッグの場合には、固定用群14は、オートバイに対するバッグの位置に対して、管状固定用フレーム16の頂部上に配置されるように構成されている。
【0015】
システムはまた、予め規定された位置上に拘束され、管状固定用フレーム16の第1部分20と係合するように構成された1つまたはそれ以上の固定用ブロック18を含む。サイドバッグのための掛け止めシステムに関する図面に示されている実施形態では、2つの固定用ブロック18があり、それらは、オートバイに対するバッグ10の位置に対して、管状固定用フレーム16の下側位置に配置されるように構成されている。
【0016】
上側固定用群14および下側固定用ブロック18の両方は、ねじ22(
図2)によってバッグ10のベース部分12に固定されるのがよい。安全の理由により、上側固定用群14および下側固定用ブロック18の両方は、それぞれのコントラストプレート24および26によってバッグ10のベース部分12に固定されている。固定用群14のコントラストプレート24、および、固定用ブロック18のコントラストプレート26の両方は、ベース部分12の内部面上に、換言すると、バッグ10の内側に、ベース部分12が、コントラストプレート24および26と、それぞれの上側固定用群14および下側固定用ブロック18との間に「サンドイッチされる」ように、配置されている。
【0017】
図2を参照すると、固定用群14は、固定用群14自体の可動な掛け止め手段32を収容する副固定用本体30が中に挿入されている主固定用本体28からなる。実際、2つの別個の可動な掛け止め手段32が設けられており、2つの別個の可動な掛け止め手段32は、上記第1部分20の反対側で管状固定用フレーム16の第2部分34と係合するように構成されている。各可動な掛け止め手段32は、それぞれのラッチ36を備える。両方のラッチ36は、案内要素38に作動的に連結されており、案内要素38は、サブロックプレート40に作動的に連結されている。開放用ボタン42が、主固定用本体28上に取り付けられている。開放用ボタン42は、1つまたはそれ以上のそれぞれのばね44を備える。2つの別個の可動な掛け止め手段32は、2つの別個の可動な掛け止め手段32の同時の移動を可能にする単一のピン46上に取り付けられている。各可動な掛け止め手段32とそれぞれのピン46との間には、捩りばね48の形態に作られた第1弾性手段48が配置されている。ラッチ36もまた、ラッチ36自身の間に配置された圧縮により作動するばねの形態に作られたそれぞれの第2弾性手段50に作動的に連結されている。
【0018】
ラッチ36は、それぞれの円錐形部分74によって案内要素38に作動的に連結されており、円錐形部分74の作動は、以後に詳細に説明される。1つまたはそれ以上の案内ねじ56が、案内要素38を開放用ボタン42に連結する。次いで、サブロックプレート40を制御するキーロック58が、開放用ボタン42上に取り付けられる。
【0019】
最後に、開放用ボタン42、キーロック58、案内要素38、および、サブロックプレート40からなるロック機構の組立体が作動されないときに可動な掛け止め手段32をロックされた状態に維持するように構成されたロック要素52が、固定用群14上に一体的に取り付けられている。ロック要素52は、それぞれのねじ54によって主固定用本体28と一体である。
【0020】
本発明による自動掛け止めシステムは、開放用ボタン42上に形成されたそれぞれの第1シート60にキーロック58を挿入することによって取り付けられる。キーロック58で完成する開放用ボタン42はかくして、主固定用本体28上に形成されたそれぞれの第2シート62に挿入される。開放用ボタン42は、最後に、案内ねじ56によってラッチ36の案内要素38と一体に作られる。サブロックプレート40は、例えば、シーガータイプ(the Seeger type)のストップリングまたはナットのような知られた固定用手段によってキーロック58に取り付けられるのがよい。
【0021】
ロック要素52は、対応する相互係止手段を使用して主固定用本体28上に取り付けられるのがよい。主固定用本体28はかくして、ラッチ36を摺動挿入させるように構成された適当な案内シート64を備える。
【0022】
ラッチ36の圧縮ばね50が、ラッチ36それ自身上に一体的に得られる適当な第1突出要素66と、ロック要素52上に一体的に得られる対応する第2突出要素68との間に挿入される。このようにして、ロック要素52に対する、および、結果として、固定用群14に対するラッチ36の並進移動が可能になる。
【0023】
捩りばね48が、福固定用本体30上に一体的に得られるそれぞれのコントラストピン86(
図6)上に取り付けられる。可動な掛け止め手段32はまた、ピン46を使用して副固定用本体30上に取り付けられる。かくして予め組み立てられた副固定用本体30は、主固定用本体28の対応するキャビティ70に挿入される。主固定用本体28、副固定用本体30、および、ロック要素52は、かくして、ねじ54によって互いに最終的に一体的に作られる。
【0024】
本発明による自動掛け止めシステムの固定用群14の操作は、非常に簡単であり、
図3、
図4A、および、
図4Bを参照して、以下のように行われる。第1作動形態において、キー(図示せず)は閉鎖位置にあり、サブロックプレート40は、ロック要素52のリブ72と干渉し、開放用ボタン42の移動を可能にしない。固定用群14は、かくしてロックされる。
図3は、第1作動形態、または、閉鎖位置にある、すなわち、可動な掛け止め要素32が管状固定用フレーム16のそれぞれの第2部分34に係合されている固定用群14を示している。
【0025】
キー、したがって、キーロック58を開放位置に回転させることによって、サブロックプレート40の90°の回転移動が得られる。この回転移動により、サブロックプレート40は、固定用群14の他の要素との干渉から自由になることができ、開放用ボタン42が、オートバイに対するバッグ10の位置に対して下向きに押圧されることが可能になる。
【0026】
開放用ボタン42の下向きの移動はまた、ラッチ36の案内要素38の対応する下向きの移動を発生させる。各ラッチ36は、案内要素38上に形成された対応する傾斜平面76と係合するように構成されたそれぞれの円錐形部分74を備える。案内要素38の対応する傾斜平面76上でのラッチ36の円錐形部分74の摺動により、ラッチ36自身のそれぞれの摺動運動、または、相互接近が生じる。圧縮ばね50の作用に逆らうことによって得られるラッチ36の相互接近運動により、可動な掛け止め手段32の解放が生じ、可動な掛け止め手段32は、それぞれの捩りばね48の作用により、回転して、自動的に第2非作動形態、すなわち、開放位置に移動する。
【0027】
開放用ボタン42を解放することによって、それぞれのばね44は、開放用ボタン42を閉鎖位置に戻す。ラッチ36もまた、圧縮ばね50の作用により、閉鎖位置に自動的に戻される。可動な掛け止め手段32は、内向きに、すなわち、固定用群14に向かって回転することによって、閉鎖位置に戻る。
【0028】
このようにして、各可動な掛け止め手段32の特定の傾斜部分78は、それぞれのラッチ36の対応する歯80と係合し、圧縮ばね50の作用に逆らってラッチ36を互いに近づけるように摺動させる。それぞれの傾斜部分78上での歯80の行程が終了すると、各ラッチ36は、再び圧縮ばね50の作用によって他のラッチ36から遠ざかるように移動し、それぞれの可動な掛け止め手段32をロックする。この手順は、
図4Aおよび
図4Bに示されている。
【0029】
バッグ10を管状固定用フレーム16に掛け止めするためには、可動な掛け止め手段32を開放位置に置き、次いで、(
図5Aおよび
図5Bを参照して)以下の仕方で進むことが必要である:
管状固定用フレーム16の第1部分20上に形成されたそれぞれのマッシュルームピン82に下側固定用ブロック18を結合する;
管状固定用フレーム16の第2部分34が各可動な掛け止め手段32の凹形シート84(
図5A)内に入るまでバッグ10を回転させる;
バッグ10の回転運動の圧力だけで、可動な掛け止め手段32の対応する回転が発生され、可動な掛け止め手段32は、自動的に閉鎖位置に移動して、管状固定用フレーム16の第2部分34を取り囲み、管状固定用フレーム16自身にバッグ10を固定する。
【0030】
管状固定用フレーム16にバッグ10を掛け止める手順は、キーおよびキーロック58が開放位置にあり、また、キーおよびキーロック58が閉鎖位置にある両方で起こることができ、ラッチ36が初期的に開放位置にあるときにのみ拘束される。
【0031】
管状固定用フレーム16からバッグ10を掛け外すためには、以下の操作を実行することで十分である:
キーロック58を開放位置に回転させる;
可動な掛け止め手段32が開放するまで開放用ボタン42を押圧する;
管状固定用フレーム16からバッグ10を取り外す。
【0032】
オートバイのサイドバッグに適用可能であるタイプのこれまで説明してきた自動掛け止めシステムは、管状固定用フレーム16の形状を簡単に変更することによって、いわゆるトップケース用にも使用することができる。実際、かかる管状固定用フレーム16は、トップケースの重量を支持することができ、管状固定用フレーム16が相対機構の上および下で固定用群14にもたれかかるのを防止することができる1つまたはそれ以上の補強壁を備えることができる。
【0033】
かくして、本発明によるオートバイ用バッグまたはケースのための自動掛け止めシステムは、先に示した目的を達成することがわかった。
【0034】
このように考えられた本発明のオートバイ用バッグまたはケースのための自動掛け止めシステムは、いずれにしても、多くの変更および変形を受けることができ、それらの多くの変更および変形のすべては、同じ発明概念によってカバーされ、さらに、詳細のすべては、技術的に均等な要素と置き換えることができる。実際に、使用される材料、並びに、形状および寸法は、技術的な要件に従ういずれのものでもあってもよい。
【0035】
したがって、本発明の保護の範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定される。
【符号の説明】
【0036】
10 オートバイ用バッグ
12 ベース部分
14 固定用群
16 管状固定用フレーム
18 固定用ブロック
32 可動な掛け止め手段
36 ラッチ
38 案内要素
40 サブロックプレート
42 開放用ボタン
48 捩りばね
50 圧縮ばね
52 ロック要素
58 キーロック