(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の駆動継手部と前記第2の駆動継手部は、連結時に第1の回転体及び前記第2の回転体に向かってそれぞれ異なる付勢力で付勢され、前記解除手段は、前記付勢力の小さい駆動継手の連結を前記付勢力の大きい駆動継手よりも先に解除した後に、前記付勢力の大きい駆動継手の連結を解除する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
像保持体を露光する露光装置を有し、前記開閉扉の前記閉位置から前記開位置への移動に連動して、前記露光装置が前記像保持体を露光する露光位置から前記像保持体から離間した退避位置へ移動する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
前記第1の回転体の前記回転軸を前記回転軸と交差する方向に押圧して定位置に位置決めする位置決め押圧部を有し、前記開閉扉の前記閉位置から前記開位置への移動に連動して、前記第1の駆動継手部及び前記第2の駆動継手部の連結を解除した後、前記第1の回転体の前記回転軸の前記位置決め押圧部による押圧を解除する、
ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
前記開閉扉の前記閉位置から前記開位置への移動に連動して、前記露光装置を退避位置へ移動し、前記第1の駆動継手部及び前記第2の駆動継手部の連結を解除した後に、前記第1の回転体の前記回転軸の前記位置決め押圧部による押圧を解除する、
ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、開閉扉の開閉操作を円滑に行うことができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1記載の画像形成装置は、
装置本体の開口を覆う閉位置と前記開口を開放する開位置との間で移動可能に回転支持された開閉扉と、
回転軸を有する第1の回転体に回転駆動力を伝達する第1の駆動継手部と、
回転軸を有する第2の回転体に回転駆動力を伝達する第2の駆動継手部と、
前記第1の駆動継手部と前記第2の駆動継手部の連結をタイミングに差を設けて解除する解除手段と、を備え、
前記解除手段は、前記回転軸に対して傾斜する第1のカム面と、前記回転軸に対して傾斜する第2のカム面を有し、前記開閉扉の前記閉位置から前記開位置への移動に連動して前記回転軸と交差する方向に移動して、前記第2のカム面が前記第2の駆動継手部と先に接触して前記第2の駆動継手部の連結を解除した後に、前記第1のカム面が前記第1の駆動継手部と接触して前記第1の駆動継手部の連結を解除する、
ことを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記第1のカム面は前記第2のカム面よりも大きい傾斜角度を有し、前記第1の駆動継手部の解除速度が前記第2の駆動継手部の解除速度よりも速い、
ことを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記第1の駆動継手部と前記第2の駆動継手部は、連結時に第1の回転体及び前記第2の回転体に向かってそれぞれ異なる付勢力で付勢され、前記解除手段は、前記付勢力の小さい駆動継手の連結を前記付勢力の大きい駆動継手よりも先に解除した後に、前記付勢力の大きい駆動継手の連結を解除する、
ことを特徴とする
。
【0011】
請求項
4記載の発明は、請求項
1に記載の画像形成装置において、
像保持体を露光する露光装置を有し、前記開閉扉の前記閉位置から前記開位置への移動に連動して、前記露光装置が前記像保持体を露光する露光位置から前記像保持体から離間した退避位置へ移動する、
ことを特徴とする。
【0012】
請求項
5記載の発明は、請求項
4に記載の画像形成装置において、
前記第1の回転体の前記回転軸を
前記回転軸と交差する方向に押圧
して定位置に位置決めする位置決め押圧部を有し、前記開閉扉の前記閉位置から前記開位置への移動に連動して、前記第1の駆動継手部及び前記第2の駆動継手部の連結を解除した後、前記第1の回転体の前記回転軸の
前記位置決め押圧部による押圧を解除する、
ことを特徴とする。
【0013】
請求項
6記載の発明は、請求項
5に記載の画像形成装置において、
前記第1の回転体の前記回転軸を
前記回転軸と交差する方向に押圧
して定位置に位置決めする位置決め押圧部を有し、前記開閉扉の前記閉位置から前記開位置への移動に連動して、前記第1の駆動継手部及び前記第2の駆動継手部の連結を解除した後、前記第1の回転体の前記回転軸の
前記位置決め押圧部による押圧を解除する、
ことを特徴とする。
【0014】
請求項
7記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記第1の駆動継手部は、外歯ギアと内歯ギアからなる一対のインボリュートスプライン継手を有し、
前記第2の駆動継手部は、前記第2の回転体の軸心位置に応じて駆動力を伝達する位置を変更する自在継手を有する、
ことを特徴とする。
【0015】
請求項
8記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記第1の回転体が、画像形成装置本体が備え、または前記画像形成装置本体に着脱される感光体ドラムであり、前記第2の回転体が現像ローラである、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の発明によれば、第1の駆動継手部と第2の駆動継手部の連結をタイミングに差を設けて解除する解除手段を有しない構成に比して、
第1の駆動継手部と第2の駆動継手部の連結を解除する際のこじりを抑制し、開閉扉の開閉操作を円滑に行うことができる。
【0018】
請求項
2、3に記載の発明によれば、第1の駆動継手部と第2の駆動継手部の連結を解除する際のこじりを抑制することができる。
【0019】
請求項
4に記載の発明によれば、開閉扉の開操作で露光装置を退避位置へ移動させることができる。
【0020】
請求項
5、
6に記載の発明によれば、第1の駆動継手部及び第2の駆動継手部の連結を確実に解除することができる。
【0021】
請求項
7、
8に記載の発明によれば、感光体ドラム及び現像ローラへの駆動伝達を円滑に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に図面を参照しながら、以下に実施形態及び具体例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態及び具体例に限定されるものではない。
また、以下の図面を使用した説明において、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
尚、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とする。
【0024】
(1)画像形成装置の全体構成及び動作
図1は本実施形態に係る画像形成装置1の内部構成を示す縦断面模式図である。
以下、図面を参照しながら、画像形成装置1の全体構成及び動作を説明する。
【0025】
画像形成装置1は、制御装置10、給紙装置20、感光体ユニット30、現像装置40、露光装置50、転写装置60、定着装置70、退避機構80、カップリング機構100を備えて構成されている。
【0026】
画像形成装置1の前面には、消耗品等を交換する場合に、画像形成装置1内部を前方(−X方向)へ開放する開閉扉の一例としての前カバー1aが回転可能に支持されている。
画像形成装置1の後面には、紙詰まりや内部の点検等をする場合に、画像形成装置1内部を開放する後カバー1bが回転可能に支持されている。
画像形成装置1の上面(Z方向)には、画像が記録された用紙が排出・収容される排出トレイを兼ねた上カバー1cが形成されている。
【0027】
制御装置10は、画像形成装置1の動作を制御する画像形成装置制御部11と、印刷処理要求に応じた画像データを準備するコントローラ部12、露光装置50の光源の点灯を制御する露光制御部13、電源装置14等を有する。電源装置14は、後述する帯電ローラ32、現像ローラ42、転写ローラ62等に電圧を印加する。
【0028】
コントローラ部12は、画像読み取り装置(不図示)から入力される画像データや外部の情報送信装置(例えばパーソナルコンピュータ等)から入力された印刷情報を潜像形成用の画像情報に変換して予め設定されたタイミングで、駆動信号を露光制御部13に出力する。
【0029】
画像形成装置1の底部には、給紙装置20が設けられている。給紙装置20は、用紙カセット21を備え、用紙カセット21の上面には多数の用紙Pが積載され、規制板(不図示)で幅方向位置が決められた用紙Pは、上側から1枚ずつ用紙引き出し部22により後方(X方向)に引き出された後、レジストローラ対23の接触部まで搬送される。
【0030】
感光体ユニット30は、給紙装置20の上方に設けられ、ユニットハウジング35内にカップリング機構100(
図6に図示)を介して回転駆動する第1の回転体の一例としての感光体ドラム31を備えている。感光体ドラム31の周りには、感光体ドラム31の回転方向にそって、帯電ローラ32、現像装置40、転写ローラ62、クリーニングブレード34が配置されている。
【0031】
現像装置40は、内部に現像剤が収容される現像ハウジング41を有する。現像ハウジング41内には、感光体ドラム31に対向して配置され、カップリング機構100(
図2に図示)を介して回転駆動する第2の回転体の一例としての現像ローラ42と、現像剤を現像ローラ42側へ撹拌搬送する一対のオーガ44、45が配設されている。
【0032】
露光装置50は、複数の発光素子(LED:Light Emitting Diode)が主走査方向に沿って線状に配列されたLEDヘッドにより構成され、形成される画像データに応じて変調された光で感光体ドラム31の表面を露光する。
露光装置50は、前カバー1aの開閉動作で、保持部材51に保持された状態で退避機構80によって、感光体ドラム31を露光する露光位置と感光体ドラム31から離間した退避位置との間で装置本体に対して移動する。
【0033】
回転する感光体ドラム31の表面は、帯電ローラ32により帯電され、露光装置50により静電潜像が形成される。感光体ドラム31上に形成された静電潜像は現像ローラ42によりトナー像として現像される。
【0034】
転写装置60は、転写ローラ62を感光体ドラム31に切離可能に支持する後カバー1bと、感光体ドラム31とニップを形成する転写ローラ62とから構成されている。転写ローラ62には、画像形成装置制御部11により制御される電源装置14から転写電圧が印加され、感光体ドラム31と転写ローラ62間を通過する用紙Pに感光体ドラム31上のトナー像を転写する。
【0035】
感光体ドラム31表面の残留トナーは、クリーニングブレード34により除去され、感光体ドラム31を支持するユニットハウジング35内に回収される。その後、感光体ドラム31の表面は、帯電ローラ32により再帯電される。
【0036】
定着装置70は一対の加熱モジュール71と加圧モジュール72を有し、加熱モジュール71と加圧モジュール72の圧接領域によって定着ニップ部(定着領域)が形成される。
転写ローラ62によってトナー像が転写された用紙Pは、トナー像が未定着の状態で搬送ガイド64を経由して定着装置70に搬送される。
定着装置70に搬送された用紙Pは、一対の加熱モジュール71と加圧モジュール72により、加熱と圧着の作用でトナー像が定着される。定着トナー像が形成された用紙Pは、排出ローラ対74から画像形成装置1上面の上カバー1cに排出される。
【0037】
(2)プロセスユニットの脱着
図2(a)は露光位置における露光装置50、感光体ユニット30、現像装置40、退避機構80、前カバー1aの位置関係を示す断面模式図、(b)は退避位置における露光装置50、感光体ユニット30、現像装置40、退避機構80、前カバー1aの位置関係を示す断面模式図、
図3は退避機構80で連結された露光装置50と前カバー1aの位置関係を示す斜視図、
図4は装置本体に取り付けられた保持部材51、退避機構80、前カバー1aの位置関係を示す斜視図、
以下、図面を参照しながら、カップリング機構100の構成と動作について説明する。
【0038】
(2.1)プロセスユニットの着脱
感光体ユニット30及び現像装置40は、前カバー1aにより開閉される装置本体の開口部から装置本体に対してプロセスユニットとして一体的に着脱される。装置本体の装着位置と開口部との間には、案内レール(不図示)が設けられ、感光体ユニット30及び現像装置40は案内レールに沿って着脱操作される。
【0039】
図2に示すように、感光体ユニット30及び現像装置40を装置本体に着脱する場合には、装置本体に装着された感光体ユニット30には、露光装置50が露光位置で近接配置されているために、露光装置50は前カバー1aの開閉と連動する退避機構80を介して、感光体ユニット30及び現像装置40の着脱操作の移動軌跡(
図2(b)に破線で図示)に干渉しない退避位置に移動される。
そして、前カバー1aの開閉と連動して、感光体ユニット30及び現像装置40からカップリング機構100を退避させて回転駆動伝達の連結を解除した後、装置本体の開口部からプロセスユニットとして一体的に着脱される。
【0040】
(2.2)露光装置の退避
図3、
図4に示すように、露光装置50は、保持部材51に保持され、前カバー1aの開閉動作によって退避機構80を介して、感光体ドラム31を露光する露光位置と感光体ドラム31から離間した退避位置との間で装置本体に対して移動する。
【0041】
保持部材51は、露光装置50を支持するとともに、先端部に露光位置で露光装置50を感光体ドラム31に向けて押圧する押圧部材としての圧縮コイルスプリング52(
図2(a)参照)を有し、露光位置で露光装置50を感光体ドラム31に定められた間隙を有して位置決めする。
【0042】
保持部材51の他端側には、保持部材51の移動方向と交差する方向に保持部材51の本体を貫通して両側に突出したガイド軸53が設けられている。保持部材51は、ガイド軸53が後述する退避機構80に連結され、退避機構80の移動に伴って案内部材90に案内されて(X方向)露光位置と退避位置の間で移動する。
【0043】
保持部材51の移動方向と交差する両側面には保持部材51の移動軌跡に倣った案内ガイド54が形成され、保持部材51に保持された露光装置50が感光体ユニット30と現像装置40との間の間隙を移動するように案内する。
【0044】
図4に示すように、退避機構80は、一端の軸部81aが前カバー1aに回転可能に支持された第1リンク部材81と、一端が第1リンク部材81の他端の軸部81bと移動可能に連結され保持部材51を移動させる第2リンク部材82と、保持部材51の移動を案内し、露光位置で保持部材51を保持する案内部材90とから構成されている。
【0045】
第1リンク部材81は、一方向に伸びる腕部の両端側に軸部81a、81bが突出して形成され、一端側の軸部81aは、前カバー1aの内面側に回転支持されている。他端の軸部81bは、第2リンク部材82の溝部82Aに移動可能に連結されている。
第2リンク部材82は、一方向に伸びる腕部の一端側には溝部82Aが厚み方向に貫通して長穴形状に形成され、腕部の中央部には鍵型形状の当接部82Bが厚み方向に貫通して形成されている。
【0046】
溝部82Aには第1リンク部材81の軸部81bが連結されている。第2リンク部材82は、溝部82Aの長穴の範囲では、第1リンク部材81の軸部81bの移動を許容して移動せず、第1リンク部材81の軸部81bが溝部82Aの両端82Aa、82Abに接触した場合に、前カバー1aの回転移動に伴って移動する。
【0047】
当接部82Bは、前カバー1aを閉じるときに保持部材51のガイド軸53に当接して、保持部材51を露光位置に向けて押圧する第1当接部82Baと、前カバー1aを開くときにガイド軸53に当接して、保持部材51を退避位置に向けて押圧する第2当接部82Bbからなる。
【0048】
保持部材51のガイド軸53は、前カバー1aを閉じるときに第2リンク部材82の第1当接部82Baに押圧されて案内面91を摺動しながら移動し、案内面91の終端で第2リンク部材82から離接して凹状の保持部92に嵌まり合って露光位置で保持される。
【0049】
(3)カップリング機構の構成と動作
図5はカップリング機構100及び露光装置50を感光体ユニット30、現像装置40を不図示にして示す斜視図、
図6(a)は感光体ドラム31及び現像ローラ42への回転駆動伝達状態を示す断面模式図、(b)は感光体ドラム31及び現像ローラ42からカップリング機構100が退避した状態を示す断面模式図、
図7(a)、(b)はカップリング機構の連結解除機構を示す斜視図、
図8は前カバー1aと連結解除機構200の接続を示す全体構成図、
図9(a)はカム部材150の表側を示す斜視図、(b)はカム部材150のカム面側を示す斜視図、(c)はカム部材150の断面模式図、
図10はカップリング機構100の連結解除の過程を示す断面模式図である。
以下、図面を参照しながらカップリング機構100の構成と動作について説明する。
【0050】
(3.1)カップリング機構
図5に示すように、装置本体の奥側(X方向)の一面には、カップリング機構100が設けられている。カップリング機構100は、第1の駆動継手部の一例としての第1カップリング100Aと、第2の駆動継手部の一例としての第2カップリング100Bと、位置決め押圧部100Cから構成されている。
【0051】
第1カップリング100Aと、第2カップリング100Bは筐体Fから装置内部に向かって進退可能(
図5中 矢印R1参照)で、位置決め押圧部100Cは、第1カップリング100Aと、第2カップリング100Bとは交差方向に進退可能(
図5中 矢印R2参照)となっている。
【0052】
図6(a)に示すように、第1カップリング100Aは、駆動源から複数段のギアを介して駆動される第1出力ギア110と、第1出力ギア110に進退可能に噛合し感光体ドラム31に回転駆動力を伝達する第1伝達部材120と、から構成されている。
第1出力ギア110は、入力される回転駆動力を受ける外歯111と、第1伝達部材120と噛合して第1伝達部材120に回転駆動力を伝達する内歯112と、第1伝達部材120を進退可能に案内する案内部113と、を有している。
第1伝達部材120は、感光体ドラム31の一端に固定されたフランジギアG1と噛合する第1の伝達部121と、第1出力ギア110の内歯112と噛合する第2の伝達部122と、を有している。
【0053】
第1の伝達部121及び第2の伝達部122の外周部には、インボリュートスプライン歯121a、122aが形成されている。インボリュートスプライン歯121aは、フランジギアG1の内周部に形成されたインボリュートスプライン歯と噛合する。
第1出力ギア110の内歯112は、インボリュートスプライン歯122aに噛合するインボリュートスプライン歯112aが形成されている。
【0054】
第1伝達部材120は、インボリュートスプライン歯122aが第1出力ギア110のインボリュートスプライン歯112aと噛合した状態で、第2の伝達部122の内面122bを案内部113に案内されて感光体ドラム31の軸方向に進退可能に支持されている。
また、第1伝達部材120は、スプリングS1を介して感光体ドラム31のフランジギアG1側へ付勢されている。
【0055】
このように構成される第1カップリング100Aは、装置本体に装着された感光体ユニット30の感光体ドラム31のフランジギアG1と第1伝達部材120を介してインボリュートスプラインカップリングを形成して駆動源の回転駆動力を伝達する。
インボリュートスプラインカップリングは構造的に調心性に優れ、感光体ユニット30を装置本体に装着した際に、フランジギアG1と第1伝達部材120の軸のずれが発生した場合にも、ずれを吸収して回転駆動力を伝達することができる。
【0056】
第2カップリング100Bは、駆動源から複数段のギアを介して駆動される第2出力ギア130と、第2出力ギア130に進退可能に係合し現像ローラ42に回転駆動力を伝達する第2伝達部材140と、から構成されている。
【0057】
第2伝達部材140は、第2出力ギア130の溝部130aに嵌まり合う球体部141と、現像ローラ42に固定された現像ローラギアG2の溝部に嵌まり合う球体部142とを有し、より大きな調心作用を有するボールジョイント機構を構成して、感光体ドラム31に当接しながら回転する現像ローラ42へ回転駆動力を伝達している。
また、第2伝達部材140も、スプリングS2を介して現像ローラギアG2側へ付勢されているが、第2伝達部材140は、ボールジョイント機構でインボリュートスプラインカップリングに比して係合が容易であり、スプリングS1に比して、その付勢力は小さく設定されている。
【0058】
(3.2)カップリング機構の連結解除
図6(b)には、感光体ユニット30及び現像装置40を装置本体に着脱するために、感光体ユニット30及び現像装置40からカップリング機構100が連結を解除するように退避した状態を示している。
カップリング機構100の連結を解除する場合には、第1伝達部材120のフランジ部124及び第2伝達部材140のフランジ部144を、前カバー1aの開閉と連動して移動する連結解除機構200が有する解除手段の一例としてのカム部材150で押圧して(
図6(b)中 矢印参照)退避位置に移動させ、現像ローラギアG2と第2伝達部材140と係合及びフランジギアG1と第1伝達部材120の噛合いを解除することができる。
【0059】
連結解除機構200は、
図7に示すように、第4リンク部材84と、位置決め押圧部100Cと、カム部材150と、案内ガイド160と、から構成されている。
図8に示すように、第4リンク部材84は一端が、退避機構80を構成する第2リンク部材82と第3リンク部材83を介して連結されることで、前カバー1aの開閉に連動して、第4リンク部材84が溝部84Aの範囲内で案内ガイド160に沿って移動する。
【0060】
第4リンク部材84は、移動方向に対して交差する方向に傾斜して形成された溝部84Bを有し、溝部84Bにはカム部材150が位置決め押圧部100Cのボス100Caと共に連結され、第4リンク部材84の移動で、位置決め押圧部100Cとカム部材150が感光体ドラム31及び現像ローラ42の回転軸方向と交差(直交)する方向に移動する。
【0061】
カム部材150は、
図9に示すように、カム本体151と、カム本体151の側部に突出し位置決め押圧部100Cのボス100Caと連結される腕部152からなる。カム本体151は、断面視で段違いの第1平坦部151A、第2平坦部151Bを有し、中央部には、第1平坦部151A、第2平坦部151B、傾斜面151Cを繋ぐように長穴150aが形成されている。長穴150aには、裏面側から第1カップリング100Aの第1の伝達部121と第2カップリング100Bの第2伝達部材140が挿通されて進退可能に突出する。
【0062】
カム本体151の裏面側には、第1のカム面153と、第2のカム面154が形成されている。第1のカム面153は、第1平坦部151Aに繋がる傾斜面として第1の傾斜角度で形成され、第2のカム面154は、第1平坦部151Aと第2平坦部151Bに繋がる傾斜面として第1の傾斜角度より小さい第2の傾斜角度で形成されている。
【0063】
カム部材150が感光体ドラム31及び現像ローラ42の回転軸方向と交差(直交)する方向(−Z方向)に移動すると、第1のカム面153は、第1伝達部材120のフランジ部124と接触して第1伝達部材120を押し下げ、第2のカム面154は、第2伝達部材140のフランジ部144と接触して第2伝達部材140を押し下げる。これにより、第1カップリング100A及び第2カップリング100Bの連結が解除される。
【0064】
図10に示すように、カム部材150が移動を開始すると(
図10中 矢印R1参照)、第2のカム面154が第2伝達部材140のフランジ部144と先に接触して第2伝達部材140を押し下げ(
図10中 矢印R2参照)、その後、第1のカム面153が、第1伝達部材120のフランジ部124と接触して第1伝達部材120を押し下げる。
すなわち、第1カップリング100A及び第2カップリング100Bは、タイミングに差を設けて連結が解除される。その結果、第1カップリング100Aに比して、より継手可動域が大きく、こじりの発生の虞がある第2カップリング100Bが先に連結が解除されることで、退避位置へ移動する際のこじりを抑制している。そのために、前カバー1aの開操作に連動してカム部材150を移動させて、第1カップリング100A及び第2カップリング100Bの連結を解除する際の操作力が安定し、前カバー1aの開操作を円滑に行うことができる。
【0065】
また、第1のカム面153は、第2のカム面154の傾斜角度に比して、大きい傾斜角度を有し、第1カップリング100Aの解除速度が第2カップリング100Bの解除速度よりも速くなっている。これにより、継手可動域が大きく、こじりの発生の虞がある第2カップリング100Bは緩やかに連結解除するとともに、継手可動域が小さく、こじりの発生の虞が少ない第1カップリング100Aは解除速度を速くして、退避位置へ移動する際のこじりを抑制している。
【0066】
第2カップリング100Bは、第1カップリング100Aに比して、現像ローラギアG2側への付勢力は小さく設定されているために、第2カップリング100Bを先に連結解除することで、前カバー1aの開操作を円滑に行うことができる。
【0067】
(4)前カバーの開操作
図11は前カバー1aの開操作に連動する連結解除機構200の移動状態を前カバー1aの開操作に伴って段階的に示した斜視図である。
以下、図面を参照しながら露光装置50、感光体ドラム31の回転軸の位置決め押圧部100C、第1カップリング100A及び第2カップリング100Bの連結を解除するカム部材150の移動について説明する。
【0068】
前カバー1aが装置本体の開口を覆う閉位置に位置している状態では、第1リンク部材81、第2リンク部材82、第3リンク部材83、第4リンク部材84は、装置本体の後方(X方向)へ移動して、露光装置50は露光位置で感光体ドラム31と対向し、第1カップリング100A、第2カップリング100Bは、それぞれ感光体ドラム31、現像ローラ42に回転駆動力を伝達する状態になっている。
【0069】
かかる状態から、
図11(b)に示すように、前カバー1aを開位置へ回転移動(図中 矢印R 参照)させると、第1リンク部材81は軸部81bが82Aの一端82Aaに接触するまで第2リンク部材82の溝部82A内を移動する。その後、第2リンク部材82は、第1リンク部材81によって移動し露光装置50は感光体ドラム31から離間する。
【0070】
そして、第3リンク部材83は、第2リンク部材82が溝部83Aに沿って移動して溝部83Aの一端に接触すると第2リンク部材82と共に移動して第4リンク部材84を前カバー1aの回転移動方向(−X方向)に移動させる(図中 矢印R1参照)。
第4リンク部材84の移動に伴って、位置決め押圧部100C及びカム部材150が、第4リンク部材84の溝部84Bに案内されて感光体ドラム31及び現像ローラ42の回転軸方向と交差(直交)する方向に移動(図中 矢印R2参照)して、第1カップリング100A及び第2カップリング100Bの連結が解除され、位置決め押圧部100Cの回転軸の押圧が解除される(
図11(c)参照)。
【0071】
このように、前カバー1aの開操作によって、先に前カバー1aのみが回転し、その後、第2リンク部材82の移動によって露光装置50が退避位置へ移動し、最後に第3リンク部材83、第4リンク部材84を介して、第1カップリング100A及び第2カップリング100Bの連結がタイミングに差を設けて解除される。そのために、前カバー1aの開操作に必要な操作力は回転移動に伴って分散され、操作力が安定し、前カバー1aの開操作を円滑に行うことができる。